説明

チアゾール誘導体及びその使用

本発明は、自己免疫疾患及び/又は炎症疾患、心臓血管疾患、神経変性疾患、細菌もしくはウイルス感染症、アレルギー、喘息、膵炎、多臓器不全、腎疾患、血小板凝集、癌、移植、移植片拒絶反応又は肺損傷の治療及び/又は予防のための、式(I)のチアゾール誘導体の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、自己免疫疾患及び/又は炎症疾患、心臓血管疾患、神経変性疾患、細菌もしくはウイルス感染症、アレルギー、喘息、膵炎、多臓器不全、腎疾患、血小板凝集、癌、移植、精子の運動性、赤血球欠乏症、精子の運動性、移植片拒絶反応又は肺損傷の治療及び/又は予防のための、式(I)のチアゾール誘導体の使用に関する。詳細に述べると本発明は、ホスホイノシチド-3-キナーゼ(PI3K)の活性又は機能の調節(modulation)、特に阻害のためのチアゾール誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ホスホイノシチド-3-キナーゼ(PI3K)は、細胞増殖、細胞生存、血管新生、膜輸送、グルコース輸送、神経突起伸長、膜ラッフル、スーパーオキシド産生、アクチン再構成及び走化性において重要なシグナル伝達の役割を有する(Cantley, 2000, Science, 296, 1655-1657、及びVanhaesebroeckら, 2001, Annu. Rev. Biochem., 70, 535-602)。
【0003】
用語PI3Kは、哺乳類において、それらの構造及びそれらの基質特異性に従い3つのサブファミリーに分類される8種の同定されたPI3Kからなる、脂質キナーゼファミリーに与えられている。
【0004】
PI3KのクラスI群は、2つの亜群であるクラスIA及びクラスIBからなる。
【0005】
クラスIAは、85kDaの調節ユニット(Src相同2(SH2)ドメインの他のタンパク質のホスホチロシン残基との相互作用による、タンパク質-タンパク質相互作用に寄与する)及び110kDaの触媒サブユニットからなる。3種の触媒型(p100α、p110β及びp110δ)及び5種の調節イソ型(p85α、p85β、p55γ、p55α及びp50α)が、このクラスに存在する。
【0006】
クラスIBは、ヘテロ二量体Gタンパク質のGタンパク質βγサブユニットにより刺激される。クラスIBのただひとつの特徴付けられたメンバーは、PI3Kγ(101kDa調節タンパク質と複合されたp110γ触媒サブユニット、p101)である。
【0007】
クラスII PI3Kは、α、β及びγイソ型を含み、これは約170kDaであり、C-末端C2ドメインの存在を特徴としている。
【0008】
クラスIII PI3Kは、ホスファチジルイノシトール特異性3-キナーゼを含む。
【0009】
進化において保存されたイソ型p110α及びβは、普遍的に発現されるが、δ及びγは、造血細胞系、平滑筋細胞、筋細胞及び内皮細胞において、より特異的に発現される(Vanhaesebroeckら, 1997, Trends Biochem Sci., 22(7), 267-72)。これらの発現も、細胞型、組織型及び刺激、更には疾患状況に応じ誘導性の様式で調節され得る。
【0010】
PI3Kは、リン脂質シグナル伝達に関与する酵素であり、増殖因子、マイトジェン、インテグリン(細胞間相互作用)ホルモン、サイトカイン、ウイルス及び神経伝達物質のような、様々な細胞外シグナルに反応して活性化され、更には例えば、小型のGTPase、キナーゼ又はホスファターゼなどのように、その他のシグナル伝達分子による細胞内交差調節(クロストーク、当初のシグナルは、第二の工程において、細胞内シグナル伝達事象によりシグナルをPI3Kへ伝達する、いくつかの平行経路を活性化することができる)により、活性化される。
【0011】
ホスファチジルイノシトール(PtdIns)は、そのリン酸基を介してジアシルグリセロールへ連結されたD-ミオ-イノシトール-1-リン酸(Ins1P)からなる、真核細胞における細胞内イノシトール脂質のビルディングブロックである。PtdInsのイノシトール頭部基は、5個の遊離ヒドロキシ基を有し、これらのうちの3個は、異なる組合せで細胞内リン酸化されることがわかっている。PtdIns及びそのリン酸化された誘導体は、集合的に、イノシトールリン脂質又はホスホイノシチド(PI)と称される。8種のPI種が、真核細胞において報告されている(Vanhaesebroeckら, 2001, 前掲)。PIは全て、膜内に存在し、キナーゼ、ホスファターゼ及びリパーゼの基質である。
【0012】
In vitroにおいて、PI3Kは、3種の異なる基質において、イノシトール環の3-ヒドロキシル基をリン酸化する:ホスファチジルイノシトール(PtdIns)、ホスファチジルイノシトール-4-リン酸(PI(4)P)及びホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸(PI(4,5)P2)は、各々、3種の脂質生成物、すなわちホスファチジルイノシトール3-一リン酸(PI(3)P)、ホスファチジルイノシトール3,4-ビスリン酸(PI(3,4)P2)及びホスファチジルイノシトール3,4,5-三リン酸(PI(3,4,5)P3)を生じる(下記スキームA参照)。
【0013】
【化1】

【0014】
クラスI PI3Kの好ましい基質は、PI(4,5)P2である。クラスII PIKは、基質として、PI(4)P及びPI(4,5)P2よりも、PtdInsに強力な優先性がある。クラスIII PI3Kは、in vivoにおける基質としてPtdInsのみ使用することができ、恐らく細胞におけるほとんどのPI(3)Pの生成に寄与するであろう(Vanhaesebroeckら, 2001, 前掲)。
【0015】
ホスホイノシチド細胞内シグナル伝達経路は、シグナル伝達分子(細胞外リガンド、刺激、受容体二量体化、異種受容体によるトランス活性化(例えば受容体チロシンキナーゼ))の、細胞膜に組込まれたGタンパク質結合性膜貫通受容体への結合により始まり、PI3Kの活性化を生じる。
【0016】
一旦活性化されると、PI3Kは、膜リン脂質PI(4,5)P2をPI(3,4,5)P3へ転換し、これは次に更に5'-特異性ホスホイノシチドホスファターゼにより、ホスホイノシチドの別の3'-リン酸化された形へ変換することができ、従ってPI3K酵素活性は、直接又は間接のいずれかで、細胞内シグナル伝達においてセカンドメッセンジャーとして機能する2種の3'-ホスホイノシチド亜型の生成を生じる(Tokerら, 2002, Cell Mol. Life Sci. 59(5) 761-79)。
【0017】
PtdInsのリン酸化された生成物のセカンドメッセンジャーとしての役割は、細胞増殖、細胞分化、細胞成長、細胞サイズ、細胞生存、アポトーシス、接着、細胞運動、細胞遊走、走化性、浸潤、細胞骨格再構成、細胞形態変更、ベシクル輸送及び代謝経路に必須のものを含む、様々なシグナル伝達経路に関与している(Stein, 2000, Mol. Med. Today 6(9) 347-57)。走化性−化学誘因物質の濃度勾配へ方向付けられた細胞の運動は、ケモカインとも称され、これは炎症/自己免疫、神経変性、血管新生、浸潤/転移及び創傷治癒などの多くの重要な疾患に関連している(Wymanら, 2000, Immunol Today 21(6) 260-4;Hirschら, 2000, Science 287(5455) 1049-53;Hirschら, 2001, FASEB J. 15(11) 2019-21、及びGerardら, 2001, Nat Immunol. 2(2) 108-15)。
【0018】
従ってPI3-キナーゼ活性化は、細胞成長、分化及びアポトーシスを含む、一連の細胞反応に関連すると考えられる(Parkerら, 1995, Current Biology, 5, 577-99;Yaoら, 1995, Science, 267, 2003-05)。
【0019】
最新の生化学研究は、クラスI PI3K(例えばクラスIBイソ型PI3Kγ)は、二重-特異性キナーゼ酵素であること、すなわちこれらは分子内調節機構としての自己-リン酸化を含む、基質としての他のタンパク質のリン酸化を誘導することができるので、これらは脂質キナーゼ活性(ホスホイノシチドのリン酸化)に加え、プロテインキナーゼ活性の両方を示すことを明らかにしている。
【0020】
PI3Kは、白血球活性化の多くの局面に関与するように見える。p85-関連したPI3-キナーゼ活性は、抗原に反応したT細胞の活性化のための重要な同時刺激分子であるCD28の細胞質ドメインに物理的に会合することが示されている。これらの作用は、重要なT細胞増殖因子であるインターロイキン-2(IL-2)を含む、多くの遺伝子の転写の増加に結びつけられている(Fraserら, 1991, Science, 251, 313-16)。PI3-キナーゼとより長く相互作用することができるようなCD28の突然変異は、IL-2産生の開始の失敗につながり、このことは、T細胞活性化におけるPI3-キナーゼの重要な役割を示唆している。
【0021】
PI3Kが必須の役割を果たす細胞プロセスは、アポトーシスの抑制、アクチン骨格の再構成、心筋細胞増殖、インスリンによるグリコーゲンシンターゼの刺激、TNFα-媒介型好中球プライミング及びスーパーオキシド生成、並びに白血球動員及び内皮細胞への接着を含む。PI3Kγは、Gβ-γが、ヘテロ三量体Gタンパク質のサブユニットである、JNK活性のGβ-γ-依存型調節のメディエーターとして同定されている。最近、PI3Kγは、様々なG(i)-共役受容体を介し炎症シグナルを中継し(Laffargueら, 2002, Immunity 16(3) 441-51)、及びマスト細胞機能、白血球免疫学、例えば、サイトカイン、ケモカイン、アデノシン、抗体、インテグリン、凝固因子、増殖因子、ウイルス又はホルモン等との関連での刺激についての中心をなす(Lawlorら, 2001, J. Cell. Sci., 114 (Pt 16) 2903-1)ことが説明されている。
【0022】
酵素ファミリーの個々のメンバーに対する特異的阻害剤は、各酵素の機能を解読するための価値のある道具を提供する。
【0023】
LY294002及びワートマニン(以下参照)の2種の化合物は、PI3-キナーゼ阻害剤として広範に使用されている。これらの化合物は、クラスI PI3-キナーゼの4種のメンバー間で識別されないので、これらは非-特異的PI3K阻害剤である。
【0024】
【化2】

【0025】
様々なクラスI PI3-キナーゼの各々に対するワートマニンのIC5O値は、1〜10nMの範囲であり、これらのPI3-キナーゼの各々に対するLY294002のIC5O値は、約15〜20μMであり(Frumanら, 1998, Ann. Rev. Biochem., 67, 481-507)、更にCK2プロテインキナーゼに対し5〜10mMの、及びホスホリパーゼに対し若干の阻害活性である。
【0026】
ワートマニンは、酵素PI3Kの触媒ドメインに共有結合することにより、PI3K活性を不可逆的に阻害する、真菌の代謝産物である。ワートマニンによるPI3K活性の阻害は、引き続きの細胞外因子に対する細胞反応を排除する(Thelenら, 1994, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 4960-64)。ワートマニンによる実験は、造血系細胞、特に好中球、単球及び他の白血球型の細胞内のPI3K活性は、急性及び慢性の炎症に関連した非-記憶免疫応答の多くに関連していることを示している。
【0027】
ワートマニンを使用する研究を基に、PI3-キナーゼ機能は、G-タンパク質共役受容体を介した白血球シグナル伝達の一部の局面に関しても必要とされることの証拠が存在する(Thelenら, 1994)。更にワートマニン及びLY294002は、好中球遊走及びスーパーオキシド放出をブロックすることが示されている。しかし、どの特定のPI3Kの1種又は複数のイソ型がこれらの現象に関与しているかは、これらの化合物がPI3Kの様々なイソ型間で識別されない限りは、依然不明である。
【0028】
いくつかの結果は、PI3K阻害剤、例えばLY294002は、ある種の細胞毒性物質(例えばパクリタキセル)のin vivoにおける抗腫瘍活性を増大することができることを示している(Grant, 2003, Current Drugs, 6(10), 946-948)。
【0029】
近年、チアゾール誘導体が、PI3K阻害剤として最近開発されている(国際公開公報第2005/021519号;国際公開公報第04/078754号及び国際公開公報第04096797号)。
【0030】
国際公開公報第2005/021519号は、下記構造のチアゾール誘導体を開示している:
【0031】
【化3】

【0032】
国際公開公報第04/078754号は、下記構造のチアゾール誘導体を開示している:
【0033】
【化4】

【0034】
国際公開公報第04096797号は、下記構造のチアゾール誘導体を開示している:
【0035】
【化5】

【0036】
いくつかの広く蔓延した疾患におけるPI3K経路の高度の関係は、PIKの選択的阻害剤を含む、PIKの阻害剤開発の必要性を強く主張している。
【発明の開示】
【0037】
発明の概要
本発明のひとつの態様は、ホスホイノシチド-3-キナーゼ(PI3K)に関連した障害の治療及び/又は予防に適している物質を提供する。
【0038】
別の本発明の態様は、自己免疫障害及び/又は炎症障害の治療及び/又は予防に適している物質を提供する。
【0039】
別の本発明の態様は、心臓血管疾患の治療及び/又は予防に適している物質を提供する。
【0040】
別の本発明の態様は、神経変性障害の治療及び/又は予防に適している物質を提供する。
【0041】
別の本発明の態様は、細菌及びウイルス感染症、アレルギー、喘息、膵炎、多臓器不全、腎疾患、血小板凝集、癌、移植、精子の運動性、赤血球欠乏症、移植片拒絶反応、肺損傷、呼吸器疾患及び虚血性状態から選択された障害の治療及び/又は予防に適している物質を提供する。
【0042】
別の本発明の態様は、哺乳類、特にヒトの疾患状態において、ホスホイノシチド-3-キナーゼ(PI3K)の活性又は機能を調節、特に阻害することができる化合物を提供する。好ましい態様において、PI3K酵素は、PI3キナーゼγである。
【0043】
別の本発明の態様は、自己免疫障害、炎症障害、心臓血管疾患、神経変性障害、細菌及びウイルス感染症、アレルギー、喘息、膵炎、多臓器不全、腎疾患、血小板凝集、癌、移植、精子の運動性、赤血球欠乏症、移植片拒絶反応、肺損傷、呼吸器疾患及び虚血性状態から選択され、媒介される疾患の治療のための医薬製剤の新規範疇を提供する。
【0044】
別の本発明の態様は、自己免疫障害、炎症障害、心臓血管疾患、神経変性障害、細菌及びウイルス感染症、アレルギー、喘息、膵炎、多臓器不全、腎疾患、血小板凝集、癌、移植、精子の運動性、赤血球欠乏症、移植片拒絶反応、肺損傷、呼吸器疾患及び虚血性状態から選択される障害を治療及び/又は予防する方法を提供する。
【0045】
ひとつの態様において、本発明は、式(I)のチアゾール誘導体を提供し:
【0046】
【化6】

【0047】
ここで、R1、R2及びR3は、下記の詳細な説明において定義されている。
【0048】
別の態様において、本発明は、医薬としての使用のための式(I)の化合物を提供する。
【0049】
別の態様において、本発明は、自己免疫障害、炎症障害、心臓血管疾患、神経変性障害、細菌及びウイルス感染症、アレルギー、喘息、膵炎、多臓器不全、腎疾患、血小板凝集、癌、移植、精子の運動性、赤血球欠乏症、移植片拒絶反応、肺損傷、呼吸器疾患及び虚血性状態から選択される障害、並びにPI3Kα及びγを含む、ホスホイノシチド-3-キナーゼ(PI3K)に関連した他の疾患及び障害を治療するための医薬組成物の調製のための式(I)の化合物の使用を提供する。
【0050】
別の態様において、本発明は、式(I)の化合物の少なくとも1種及びそれらの医薬として許容できる担体、希釈剤又は賦形剤を含有する医薬組成物を提供する。
【0051】
別の態様において、本発明は、自己免疫障害、炎症障害、心臓血管疾患、神経変性障害、細菌及びウイルス感染症、アレルギー、喘息、膵炎、多臓器不全、腎疾患、血小板凝集、癌、移植、精子の運動性、赤血球欠乏症、移植片拒絶反応、肺損傷、呼吸器疾患及び虚血性状態から選択される障害、並びにホスホイノシチド-3-キナーゼ(PI3K)に関連したその他の疾患及び障害に罹患した患者を治療する方法を提供する。この方法は、式(I)の化合物を投与することを含む。
【0052】
別の態様において、本発明は、式(I)の化合物を合成する方法を提供する。
【0053】
発明の詳細な説明
下記段落は、本発明の化合物を作製する様々な化学部分の定義を提供し、別に明確に記された定義がより広い定義を提供しない限りは、本明細書及び「特許請求の範囲」を通じ均一に適用することが意図される。
【0054】
「C1-C6-アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する一価のアルキル基を意味する。この用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ヘキシルなどの基により例証される。同様に「C1-C12-アルキル」は、1〜12個の炭素原子を有する一価のアルキル基を意味し、「C1-C6-アルキル」基及びヘプチル、オクチル、ノニル、デカノイル、ウンデカノイル及びドデカノイル基を含む。
【0055】
「ヘテロアルキル」は、少なくとも1個の炭素は、O、N、又はSから選択されたヘテロ原子により置換された、C1-C12-アルキル、好ましくはC1-C6-アルキルを意味し、これは2-メトキシエチルを含む。
【0056】
「アリール」は、単環(例えばフェニル)又は多縮合環(例えばナフチル)を有する、6〜14個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環式基を意味する。アリールは、フェニル、ナフチル、フェナントレニルなどを含む。
【0057】
「ヘテロアリール」は、単環複素芳香族化合物、又は二環もしくは三環の縮合環複素芳香族基を意味する。複素芳香族基の具体例は、任意に置換されたピリジル、ピロリル、ピリミジニル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,3,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、ベンゾフリル、[2,3-ジヒドロ]ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H-インドリル、ベンズイミダゾリル、イミダゾ[1,2-α]ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、ピリド[3,4-b]ピリジル、ピリド[3,2-b]ピリジル、ピリド[4,3-b]ピリジル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、キサンテニル、又はベンゾキノリルを含む。
【0058】
「C2-C6-アルケニル」は、好ましくは2〜6個の炭素原子を有し及び少なくとも1又は2部位のアルケニル不飽和を有するアルケニル基を意味する。好ましいアルケニル基は、エテニル(-CH=CH2)、n-2-プロペニル(アリル、-CH2CH=CH2)などを含む。
【0059】
「C2-C6-アルキニル」は、好ましくは2〜6個の炭素原子を有し及び少なくとも1〜2部位のアルキニル不飽和を有するアルキニル基を意味し、好ましいアルキニル基は、エチニル(-C≡CH)、プロパルギル(-CH2C≡CH)などを含む。
【0060】
「C3-C8-シクロアルキル」は、単環(例えばシクロヘキシル)又は多縮合環(例えばノルボルニル)を有する3〜8個の炭素原子の飽和炭素環式基を意味する。C3-C8-シクロアルキルは、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニルなどを含む。
【0061】
「ヘテロシクロアルキル」は、最大3個の炭素原子が、O、S、N、NRからなる群より選択されるヘテロ原子により置換され、ここでRは、水素又はメチルとして定義されている、先の定義に従うC3-C8-シクロアルキル基を意味する。ヘテロシクロアルキルは、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、6,8-ジオキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタンなどを含む。
【0062】
「アシル」は、基-C(O)Rを意味し、ここでRは、H、「C1-C12-アルキル」、好ましくは「C1-C6-アルキル」、「C2-C6-アルケニル」、「C2-C6-アルキニル」、「C3-C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」を含む。
【0063】
「アルコキシ」は、基-O-Rを意味し、ここでRは、「C1-C6-アルキル」又は「アリール」又は「ヘテロアリール」を意味する。好ましいアルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、フェノキシなどを含む。
【0064】
「アルコキシカルボニル」は、基-C(O)ORを意味し、ここでRは、H、「C1-C6-アルキル」又は「アリール」又は「ヘテロアリール」又は「ヘテロアルキル」を含む。
【0065】
「アミノカルボニル」は、基-C(O)NRR'を意味し、ここでR、R'の各々は独立して、水素又はC1-C6-アルキル又はアリール又はヘテロアリールを含む。
【0066】
「カルバメート」は、基-NRC(O)OR'を意味し、ここでR、R'の各々は独立して、水素、「C1-C6-アルキル」、「C2-C6-アルケニル」、「C2-C6-アルキニル」、「C3-C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」である。
【0067】
「アミノ」は、基-NRR'を意味し、ここでR、R'の各々は独立して、水素又は「C1-C6-アルキル」又は「アリール」又は「ヘテロアリール」又は「シクロアルキル」又は「ヘテロシクロアルキル」であり、並びにここでR及びR'は、それらが結合した窒素原子と一緒に、任意に3-8-員のヘテロシクロアルキル環を形成することができる。
【0068】
「アンモニウム」は、正帯電した基-N+R R'R"を意味し、ここでR、R'、R"の各々は独立して、「C1-C6-アルキル」又は「シクロアルキル」又は「ヘテロシクロアルキル」であり、並びにここでR及びR'は、それらが結合した窒素原子と一緒に、任意に3-8-員のヘテロシクロアルキル環を形成することができる。
【0069】
「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードの原子を意味する。
【0070】
「スルホニル」は、基「-SO2-R」を意味し、ここでRは、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1-C6-アルキル」、ハロゲンで置換された「C1-C6-アルキル」、例えば-SO2-CF3基、「C2-C6-アルケニル」、「C2-C6-アルキニル」、「C3-C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロアルキル」から選択される。
【0071】
「スルフィニル」は、基「-S(O)-R」を意味し、ここでRは、H、「C1-C6-アルキル」、ハロゲンで置換された「C1-C6-アルキル」、例えば-SO-CF3基、「C2-C6-アルケニル」、「C2-C6-アルキニル」、「C3-C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」から選択される。
【0072】
「スルファニル」は、基-S-Rを意味し、ここでRは、H、「C1-C6-アルキル」、ハロゲンで置換された「C1-C6-アルキル」、例えば-SO-CF3基、「C2-C6-アルケニル」、「C2-C6-アルキニル」、「C3-C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」を含む。好ましいスルファニル基は、メチルスルファニル、エチルスルファニルなどである。
【0073】
「スルホニルアミノ」は、基-NRSO2-R'を意味し、ここでR、R'の各々は独立して、水素、「C1-C6-アルキル」、「C2-C6-アルケニル」、「C2-C6-アルキニル」、「C3-C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」を含む。
【0074】
「アミノスルホニル」は、基-SO2-NRR'を意味し、ここでR、R'の各々は独立して、水素、「C1-C6-アルキル」、「C2-C6-アルケニル」、「C2-C6-アルキニル」、「C3-C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「ヘテロアルキル」を含み、ここでR及びR'は、それらが結合した窒素原子と一緒に、任意に3-8-員のヘテロシクロアルキル環を形成することができる。
【0075】
「置換された」は、「C1-C6-アルキル」、「C2-C6-アルケニル」、「C2-C6-アルキニル」、「C3-C8-シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「ハロゲン」、「アミノ」、「アミノスルホニル」、「アンモニウム」、「アミノカルボニル」、「スルフィニル」、「スルファニル」、「スルホニル」、「ヒドロキシ」、「アルコキシ」、「アルコキシカルボニル」、「カルバメート」、トリハロメチル、シアノ、メルカプト、ニトロなどからなる群より選択される1〜5個の置換基により置換された基を意味する。
【0076】
「医薬として許容できる塩又は錯体」は、所望の生物活性を保持する、以下に確定された式(I)の化合物の塩又は錯体を意味する。そのような塩の例は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)により形成された酸付加塩、並びに酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモ酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、及びポリガラクツロン酸などの有機酸により形成された塩を含むが、これらに限定されるものではない。前記化合物は、当業者に公知の医薬として許容できる第4級塩として投与することもでき、これは具体的には、式-NR,R',R"+Z-の第4級アンモニウム塩を含み、ここでR、R'、R"は独立して、水素、アルキル、又はベンジル、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C6-アルキルアリール、C1-C6-アルキルヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルであり、並びにZは、対イオンであり、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、-O-アルキルイオン、トルエンスルホン酸イオン、メチルスルホン酸イオン、スルホン酸イオン、リン酸イオン、又はカルボン酸イオン(例えば安息香酸イオン、コハク酸イオン、酢酸イオン、グリコール酸イオン、マレイン酸イオン、リンゴ酸イオン、フマル酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、アスコルビン酸イオン、桂皮酸イオン、マンデル酸イオン、及びジフェニル酢酸イオンなど)を含む。
【0077】
「医薬として活性のある誘導体」は、レシピエントへの投与時に、直接又は間接に、本明細書に開示された活性を提供することが可能であるいずれかの化合物を意味する。用語「間接的」は、内在性酵素又は代謝により薬物の活性型に変換され得る、プロドラッグも包含している。
【0078】
ここで本発明の式(I)の化合物は、PI3Kα及びγを含む、ホスファトイノシチド(phosphatoinositide)3-キナーゼ(PI3K)のモジュレーターであることがわかっている。ホスファトイノシチド3-キナーゼ(PI3K)酵素が、式(I)の化合物により阻害される場合、PI3Kは、その酵素的、生物学的及び/又は薬理学的作用を発揮することができない。
【0079】
従って本発明の式(I)の化合物は、自己免疫疾患及び/又は炎症疾患、心臓血管疾患、神経変性疾患、細菌もしくはウイルス感染症、アレルギー、喘息、膵炎、多臓器不全、腎疾患、血小板凝集、癌、移植、精子の運動性、赤血球欠乏症、移植片拒絶反応又は肺損傷の治療及び予防において有用である。
【0080】
本発明の式(I)は、その互変異性体、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーとしてのその光学活性のある形態及びそのラセミ体の形態、更にはそれらの医薬として許容できる塩も含む。好ましい式(I)の医薬として許容できる塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩又は亜硫酸塩、リン酸塩又はリン酸水素塩、酢酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、及びp-トルエンスルホン酸塩のような、医薬として許容できる酸により形成された酸付加塩である。
【0081】
式(I)の化合物は、ホスファトイノシチド3-キナーゼ(PI3K)の活性を調節、特に阻害するために適している。式(I)の本発明の化合物は、PI3K、特にPI3Kα及び/又はPI3Kγにより媒介される障害の治療及び/又は予防についても、特に有用である。前記治療は、ホスファトイノシチド3-キナーゼの調節−特に阻害又はダウンレギュレーション−に関連している。
【0082】
式(I)の化合物は、医薬としての使用に適している。
【0083】
ひとつの態様において、本発明は、式(I)のチアゾール誘導体:
【0084】
【化7】

【0085】
(式中:
R1は、H又はアシルから選択され;任意に置換されたアシルであり;
R2は、C1-C6-アルキルであり;任意に置換されたC1-C6-アルキルであり;
R3は、T1及びT2として規定された、下記チエニル基から選択され:
【0086】
【化8】

【0087】
(式中:
R4は、スルホニル基SO2-R(式中、Rは、アリール、ヘテロアリール、C1-C6-アルキル(例えばメチルスルホニル)、ハロゲン置換されたC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル;任意に置換されたアリール、ヘテロアリール、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、例えば、ピペリジン(例えば、3-ヒドロキシピペリジン-1-イルスルホニル、4-ヒドロキシピペリジン-1-イルスルホニル、4-メトキシピペリジン-1-イルスルホニル、4-メチルアミノピペリジン-1-イルスルホニル、ピペリジン-4-(tert-ブチルメチルカルバメート)-イルスルホニル)、モルホリン(例えば、モルホリン-4-イルスルホニル)、ピペラジン(例えば、ピペラジン-1-イルスルホニル、4-アセチルピペラジン-1-イルスルホニル、4-メチルピペラジン-1-イルスルホニル)、ピロリジン(例えば、3-ピロリジン-1-イルスルホニル、3-ヒドロキシピロリジン-1-イルスルホニル)、6,8-ジオキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル(例えば、7-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)、並びに8-(1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン)、ヘテロアルキルから選択される。);
アミノスルホニル基SO2-NRR'(式中、R、R'は独立して水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル(例えば、アリルアミノスルホニル)、C2-C6-アルキニル(例えば、プロパ-2-イン-1-イルアミノスルホニル)、C3-C8-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル;任意に置換されたC1-C6-アルキル(例えば、ジメチルアミノスルホニル、(2-ヒドロキシエチル)アミノスルホニル、2-(メチルアミノ)エチルアミノスルホニル、2-(ジメチルアミノ)エチルアミノスルホニル、2-ヒドロキシエチルアミノスルホニル、2-(アセチルアミノ)エチルアミノスルホニル、2-(ジメチルアミノエチル)メチルアミノスルホニル、2-(ジメチルアミノエチル)エチルアミノスルホニル、2-(ジエチルアミノエチル)メチルアミノスルホニル、2-(メトキシエチル)メチルアミノスルホニル、3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノスルホニル、2,3-ジヒドロキシプロピルアミノスルホニル、3-ヒドロキシプロピルアミノスルホニル)、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(例えば、2-モルホリン-4-イル-エチルアミノスルホニル、2-ピペリジン-1-イル-エチルアミノスルホニル、1-メチルピペリジン-4-イルアミノスルホニル、4-ヒドロキシシクロヘキシルアミノスルホニル)、アリール、ヘテロアリール(例えば、1H-テトラゾール-5-イルアミノスルホニル)、ヘテロアルキルから選択され、並びにここでR及びR'はそれらが結合した窒素原子と一緒に、任意に3-8-員のヘテロシクロアルキル環を形成する。)から選択され;
R5及びR6は、独立してH、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル基;任意に置換されたC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル基及びハロゲンから選択される。)。);
更には、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーとしてのその光学活性のある形態及びそのラセミ体の形態、並びにそれらの医薬として許容できる塩を提供する。
【0088】
具体的態様において、本発明は、R1がアセチルである、式(I)のチアゾール誘導体を提供する。
【0089】
具体的態様において、本発明は、R2がメチルである、式(I)のチアゾール誘導体を提供する。
【0090】
別の具体的態様において、本発明は、R3がチエニルT1である、式(I)のチアゾール誘導体を提供する。
【0091】
別の具体的態様において、本発明は、R3がチエニルT2である、式(I)のチアゾール誘導体を提供する。
【0092】
別の具体的態様において、本発明は、R4がスルホニル基SO2-Rである、式(I)のチアゾール誘導体を提供する。
【0093】
別の具体的態様において、本発明は、R4がアミノスルホニル基SO2-NRR'である、式(I)のチアゾール誘導体を提供する。
【0094】
別の具体的態様において、本発明は、R5及びR6がHである、式(I)のチアゾール誘導体を提供する。
【0095】
別の好ましい態様において、本発明の式(I)の化合物は、0.5μMと等しいか又はより低い、好ましくは0.05μMの、PI3K脂質キナーゼアッセイにより測定されるIC50を有する。
【0096】
本発明の式(I)の化合物は特に、下記表Iに例示された以下化合物のいずれかを含む:
【0097】
【表1】

【0098】
【表2】

【0099】
【表3】

【0100】
本発明の式(I)の化合物及び表Iの化合物1〜49のいずれかは、医薬として有用である。これらは、自己免疫疾患及び/又は炎症疾患、心臓血管疾患、神経変性疾患、細菌もしくはウイルス感染症、腎疾患、血小板凝集、癌、移植、赤血球欠乏症、移植片拒絶反応又は肺損傷の予防及び/又は治療のための医薬の調製に使用することができる。
【0101】
ひとつの態様において、式(I)の化合物は、自己免疫疾患又は炎症疾患、例えば多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、炎症性腸疾患、肺炎症、血栓症、又は脳の感染症/炎症、例えば髄膜炎又は脳炎の治療及び/又は予防に有用である。
【0102】
別の態様において、式(I)の化合物は、アルツハイマー病、ハンチントン病、CNS外傷、卒中又は虚血性状態を含む、神経変性疾患の治療及び/又は予防に有用である。
【0103】
より更なる本発明の態様において、式(I)の化合物は、心臓血管疾患、例えばアテローム硬化症、心肥大、心筋細胞機能不全、高血圧又は血管収縮の治療及び/又は予防に有用である。
【0104】
より更なる本発明の態様において、式(I)の化合物は、例えば溶血性貧血、再生不良性貧血及び赤芽球ろうを含む、貧血症のような赤血球欠乏症の治療及び/又は予防に有用である。
【0105】
より更なる本発明の態様において、式(I)の化合物は、慢性閉塞性肺疾患、アナフィラキシーショックを伴う線維症、乾癬、アレルギー疾患、喘息、卒中又は虚血性状態、虚血性-再灌流、血小板凝集/活性化、骨格筋萎縮/肥大、癌組織の白血球動員、血管新生、浸潤性転移、特にメラノーマ、カポジ肉腫、急性及び慢性の細菌及びウイルス感染症、敗血症、移植、移植片拒絶反応、糸球体硬化症、糸球体腎炎、進行性腎線維症、肺の内皮及び上皮損傷、又は一般に肺気道炎症の治療及び/又は予防に有用である。
【0106】
別の本発明の態様において、Pd(PPh3)4、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド(Pd(dppf)Cl2)、PdCl2(PPh3)2、Pd(OAc)2などのパラジウム錯体及び塩基の存在下で、式(P1)の化合物を、式(P2)の誘導体と反応する工程を含む、式(I)のチアゾール誘導体の調製法が提供される:
【0107】
【化9】

【0108】
(式中、Xは、Br又はIであってよく、R7は、ボロン酸誘導体についてはH、ボロン酸エステル誘導体についてはC1-C6アルキル基又は置換されたC1-C6アルキル基のいずれかであってよく、並びにここで基-B(OR7)2は任意に、ボロン酸ピナコールエステルのようにヘテロ環を形成することができる。)。
【0109】
別の本発明の態様において、Pd(PPh3)4、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド(Pd(dppf)Cl2)、PdCl2(PPh3)2、Pd(OAc)2のようなパラジウム錯体の存在下で、式(P1)の化合物を、式(P3)のスズ誘導体と反応する工程を含む、式(I)のチアゾール誘導体の調製法が提供される:
【0110】
【化10】

【0111】
(式中、Xは、Br又はIであってよく、及びR8は、メチル又はn-ブチルである。)。
【0112】
本発明において例示される式(I)のチアゾール誘導体は、容易に入手可能な出発材料から、下記の一般的方法及び手順を用い、調製することができる。典型的又は好ましい実験条件(すなわち、反応温度、時間、試薬のモル数、溶媒など)が与えられる場合、特に記さない限りは、その他の実験条件も使用することができることは理解されるであろう。最適な反応条件は、使用される具体的な反応体又は溶媒により変動するが、そのような条件を、当業者は、最適化手順を用いることにより決定することができる。
【0113】
式(I)の化合物は、医薬として使用される場合、典型的には医薬組成物の形態で投与される。従って、式(I)の化合物及び医薬として許容できる担体、希釈剤又は賦形剤を含有する医薬組成物も、本発明の範囲内である。当業者は、医薬組成物の製剤に適したそのような担体、希釈剤又は賦形剤の化合物の多様性の全てを承知している。
【0114】
式(I)の化合物は、通常使用される助剤、担体、希釈剤又は賦形剤と共に、医薬組成物及びそれらの単位剤形の形態とされてもよく、並びにそのような形態において、錠剤又は充填カプセル剤のような固形物、もしくは液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、又はこれを充填したカプセル剤のような液体として、全て経口使用のために、又は無菌注射溶液の形態で非経口(皮下使用を含む)のために使用することができる。そのような医薬組成物及びそれらの単位剤形は、追加の活性化合物又は主薬を伴うか又は伴わずに、通常の割合で構成成分を含有することができ、並びにそのような単位剤形は、使用される一日量の範囲と釣り合いがとれた活性構成成分のいずれか好適な有効量を含有することができる。
【0115】
式(I)のチアゾール誘導体を含有する医薬組成物は、医薬技術分野において周知の様式で調製することができ、少なくとも1種の活性化合物を含有する。一般に、本発明の化合物は、医薬として有効量で投与される。実際に投与される化合物の量は、典型的には、治療される状態、選択された投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重、及び反応、患者の症状の重症度などを含む、関連状況を考慮し、医師により決定される。
【0116】
本発明の医薬組成物は、経口、経直腸、経皮、皮下、静脈内、筋内及び鼻腔内を含む、様々な経路で投与することができる。経口投与のための組成物は、バルク液体の液剤もしくは懸濁剤、又はバルク散剤の形態であることができる。しかしより一般的には、これらの組成物は、正確な投薬を促進するために単位剤形で提供される。用語「単位剤形」は、ヒト対象及び他の哺乳類のための単位用量として適し、各単位は、望ましい治療的作用を生じるように計算された活性物質の予め決定された量を、好適な医薬賦形剤と関連して含有する、物理的に個別の単位を意味する。典型的単位剤形は、液体組成物の予め充填され、予め測定されたアンプルもしくはシリンジ、又は固形組成物の場合の丸剤、錠剤、カプセル剤などを含む。このような組成物において、チアゾール誘導体は通常、少量成分(約0.1〜約50質量%、好ましくは約1〜約40質量%)であり、残りは様々なビヒクル又は担体及び望ましい投与形態を形成するための加工助剤である。
【0117】
経口投与に適した液体形態は、好適な水性又は非水性ビヒクルを、緩衝剤、懸濁化剤及び分散剤、着色剤、香料などと共に含有することができる。固体の形態は、例えば、下記の構成成分又は同様の性質の化合物のいずれか:微晶質セルロース、トラガントガム又はゼラチンなどの、結合剤;デンプン又は乳糖などの、賦形剤;アルギン酸、Primogel、又はトウモロコシデンプンなどの、崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの、滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素などの、直打用滑沢剤;ショ糖又はサッカリンなどの、甘味剤;もしくは、ペパーミント、サリチル酸メチル、又はオレンジ香料などの、香味剤を含有することができる。
【0118】
注射用組成物は典型的には、注射用無菌生理食塩水又はリン酸-緩衝された生理食塩水液、又は当該技術分野において公知の他の注射可能な担体を基剤としている。前述のように、そのような組成物中の式(I)のチアゾール誘導体は、典型的には、少量成分であり、0.05〜10質量%の範囲であることが多く、残りは注射可能な担体などである。
【0119】
経口投与される組成物又は注射用組成物のための前述の成分は、単なる代表例である。更なる材料に加え処理技術などは、「レミントン薬化学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」(第20版、2000年、Marck Publishing Company、イーストン、PA)のパート5に記されており、これは本明細書に参照として組入れられている。
本発明の式(I)の化合物は、徐放型又は薬物徐放送達システムで投与することもできる。代表的徐放型材料の説明も、「レミントン薬化学」に組込まれた材料で認めることができる。
【0120】
式(I)の化合物の合成:
新規式(I)のチアゾール誘導体は、液相及び固相の両方の化学プロトコール(Brummondら, 1999, J.O.C., 64:1723-1726)を使用する、複数の合成法により、容易に入手可能な出発材料から調製することができる。合成経路の例を説明する。
【0121】
下記略号は、各々以下の定義を意味する:Å(オングストローム)、cm(センチメートル)、eq(当量)、h(時間)、g(グラム)、M(モル)、MHz(メガヘルツ)、μl(マイクロリットル)、min(分)、mg(ミリグラム)、ml(ミリリットル)、mm(ミリメートル)、mmol(ミリモル)、mM(ミリモル濃度)、nm(ナノメーター)、rt(室温)、BSA(ウシ血清アルブミン)、CDI(N,N'-カルボニルジイミダゾール)、CMC(カルボキシメチルセルロース)、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、DCM(ジクロロメタン)、DIEA(ジイソプロピルエチルアミン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、EDC(1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチル-カルボジイミド塩酸塩)、HOBt(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、IHC(免疫組織化学)、Ins1P(D-ミオ-イノシトール-1-リン酸)、LC(液体クロマトグラフィー)、MS(質量分析)、NBS(N-ブロモスクシンイミド)、NIS(N-ヨードスクシンイミド)、NMR(核磁気共鳴)、PBS(リン酸緩衝した生理食塩水)、Pd(dppf)Cl2 ([1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド錯体)、PI(ホスホイノシチド)、PI3K(ホスホイノシチド 3-キナーゼ)、PI(3)P(ホスファチジルイノシトール3-一リン酸)、PI(3,4)P2(ホスファチジルイノシトール3,4-ビスリン酸)、PI(3,4,5)P3(ホスファチジルイノシトール3,4,5-三リン酸)、PI(4)P(ホスファチジルイノシトール-4-リン酸)、PI(4,5)P2(ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸)、PtdIns(ホスファチジルイノシトール)、PyBOP(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロリン酸)、SPA(シンチレーション近接アッセイ)、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、TLC(薄層クロマトグラフィー)、UV(紫外線)。
【0122】
本発明において例証されるチアゾール誘導体1〜49(表I参照)は、下記の一般的方法及び手順を用い、容易に入手可能な出発材料から調製することができる。典型的又は好ましい実験条件(すなわち、反応温度、時間、試薬のモル数、溶媒など)が与えられる場合、特に記さない限りは、その他の実験条件も使用することができることは理解されるであろう。最適な反応条件は、使用される特定の反応体又は溶媒により変動するが、そのような条件は、当業者は、慣習的最適化手順を用いることにより決定することができる。
【0123】
下記スキームに例示されたプロセスにおいて、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、説明において先に定義されたものである。
【0124】
一般に、一般式(I)のチアゾール誘導体は、従来の方法又はマイクロ波支援技術のいずれかによる、液相及び固相の両方の化学プロトコール(Kodomariら、2002, Tetrahedron Lett, 43:1717-1720)を使用するいくつかの合成法により得ることができる。
【0125】
本発明の化合物の医薬として許容できる陽イオン塩は、酸型を、通常1当量の適当な塩基と、共溶媒中で反応することにより、容易に調製される。典型的塩基は、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水素化ナトリウム、水酸化カリウム、カリウムメトキシド、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ベンザチン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン、ベネタミン、ジエチルアミン、ピペラジン及びトロメタミンである。この塩は、乾固するまでの濃縮又は非溶媒添加により、単離される。場合によっては、塩は、その中で望ましい陽イオン塩が沈殿する溶媒を使用し、酸の溶液の陽イオンの溶液(エチルヘキサン酸ナトリウム、オレイン酸マグネシウム)との混合により調製することができるか、又はそうでなければ濃縮及び非溶媒添加により、単離される。
【0126】
式(I)の化合物の中間体の調製法
X、R1、R2、R3、R4、R5及びR6の性質に応じ、異なる合成戦略を、式(I)の化合物の合成のために選択することができる。
【0127】
式(I)の化合物は、金属触媒されたクロスカップリング反応により得ることができる。例えばこれらは、ハロゲン化アリール(P1)(式中、Xは、Br又はIである)、及びボロン酸又はエステル(P2)(式中、R7は、ボロン酸誘導体についてはH、又はボロン酸エステル誘導体についてはアルキル基もしくは置換アルキル基のいずれかであり、例えばピナコールボロン酸エステルのように、任意に環形成する-B(OR7)2を含む。)の間のSuzukiカップリング反応により得ることができる(下記スキーム1)(Bellinaら, 2004, Synthesis, 2419)。
【0128】
PPh3のようなホスフィンリガンドの可能性のある付加を伴う、Pd(PPh3)4、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド(Pd(dppf)Cl2)、PdCl2(PPh3)2、Pd(OAc)2のような、様々なパラジウム錯体を使用することができる。様々な有機塩基又は無機塩基、例えばTEA、DIEA、NaOMeもしくはNaOEtのようなナトリウムアルコラート、KF、又はいずれかの炭酸塩、例えばK2CO3、Na2CO3、Cs2CO3を使用することができる。溶媒又は溶媒混合物は、THF、トルエン、ジオキサン、MeOH、MeCN、DMF、水などから選択することができる。溶媒又は溶媒混合物の選択は、塩基、(P1)及び(P2)の性質に応じて決められてよい。得られる反応混合物は、マイクロ波処理を可能ならば使用し、不活性雰囲気下で、様々な温度で加熱されてよい。先に説明された様々な組合せを全て使用することができる。
【0129】
【化11】

【0130】
式(I)の化合物の調製に、ハロゲン化アリール(P1)(式中、XはBr又はIであってよい。)、及びスズ試薬(P3)(式中、R8は、メチル又はn-ブチルである。)の間の反応が関連する、Stilleカップリングを使用することができる(下記スキーム2)。この反応は、PPh3のようなホスフィンリガンドの可能性のある付加を伴う、Pd(PPh3)4、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド(Pd(dppf)Cl2)、PdCl2(PPh3)2、Pd(OAc)2のような様々なパラジウム錯体、及びLiCl又はZnCl2のような塩素塩により触媒することができる。
【0131】
【化12】

【0132】
前述の金属触媒したクロスカップリング反応条件が、式(I)の化合物を得るために適さない場合は、当業者に公知の好適な調製法が使用されなければならない。
【0133】
式(I)の化合物は、好適な当業者に周知の相互転換技術を使用し、別の式(I)の化合物へ転換することができる。R4がHである場合、式(Ia)の化合物(式中、R3は、T1又はT2であってよい。)は、求電子性置換により更に官能基化されてよい(下記スキーム3)。例えば、クロロスルホン酸によるクロロスルホン化、それに続くPCl5/POCl3との反応は、対応するスルホニルクロリド(P4)を提供することができる。
【0134】
中間体(P4)は更に、塩基、例えばTEA、DIEA、ピリジンなどの存在下で、アミンHNR9R10(式中、R9及びR10は、H、任意に置換されたC1-C6-アルキル(例えば、アリル、2-ヒドロキシエチル)から選択され、任意に-NR9R10は、環を形成してよく、並びに置換されたヘテロシクロアルキル、例えば任意に置換されたピペリジン(例えば、3-ヒドロキシピペリジン-1-イル、4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)、任意に置換されたモルホリン(例えば、モルホリノ-4-イル)、及び任意に置換された8-(1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン)から選択されてよい。)と反応され、式(Ib)の化合物(R4=SO2NR9R10の式(I)の化合物)の、先に定義され及びR3はT1又はT2であることができるアミノスルホニルを生じることができる。臭素化、ニトロ化、ホルミル化、アシル化などの、その他の求電子置換を、当業者に公知の条件を使用し(例えば、Beatonら, 1976, J. Chem. Soc、Perkin I, 2355-2363参照)、式(Ia)の化合物上で行うことができる。
【0135】
【化13】

【0136】
式(Ia)の化合物は、金属触媒されたクロスカップリング反応から、(P1)及び好適な置換されたチオフェン(P2)又は(P3)の間の反応を行い、直接得ることができる。
【0137】
ボロン酸又はエステル(P2)は、様々な供給業者から市販されているか、又は本実施例において以下に詳述されるように、当業者に公知の条件を使用し、合成することができる。ボロン酸(P2a)は、アルコール又はジオールの存在下で(P2a)を加熱することにより、対応するボロン酸エステル(P2b)へ転換することができる(下記スキーム4)。ボロン酸エステル(P2b)は、当業者に公知の条件を用い、別のボロン酸エステルへ転換されてよい。
【0138】
【化14】

【0139】
ピナコールボロン酸エステル(P2c)は、対応するハロゲン化チオフェン(P4)(式中、X=Br、Iなど)と、ビス(ピナコラト)ジボロン(P5)又はピナコールボラン(P6)の間の、金属カップリング反応により調製することができる(下記スキーム5)。この反応は、様々なパラジウム錯体により触媒されてよく、PPh3のようなホスフィンリガンドの可能性のある付加を伴う、Pd(PPh3)4、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド(Pd(dppf)Cl2)、PdCl2(PPh3)2、Pd(OAc)2などが使用されてよい。
【0140】
様々な有機塩基又は無機塩基、例えばTEA、DIEA、KF、KOH、又はいずれかの炭酸塩、例えばK2CO3、Na2CO3、Cs2CO3を使用することができる。溶媒又は溶媒混合物は、THF、トルエン、ジオキサン、MeOH、MeCN、DMF、水などから選択することができる。得られる反応混合物は、マイクロ波処理を可能ならば使用し、不活性雰囲気下で、様々な温度で加熱されてよい。先に説明された様々な組合せを全て使用することができる。
【0141】
【化15】

【0142】
ハロゲン化チオフェン(P4)は、最初に対応するチオフェングリニャール試薬(P7)へ転換され、これはトリアルキルボレート、例えばB(OMe)3と反応され、引き続き酸後処理され、対応するボロン酸(P2a)を提供するか、又は好適なアルコールもしくはジオールR7OHによる処理により、対応するボロン酸エステル(P2b)を提供するかのいずれかである。
【0143】
直接的2-ボリル化は、イリジウムで触媒された反応により、2-非置換のチオフェン誘導体(P8)から得ることができる(下記スキーム6)。1/2[Ir(OMe)(COD)]2及び4,4'-ジ-tert-ブチル-2,2'-ビピリジンから生成されたイリジウム(I)錯体は、ビス(ピナコラト)ジボロンに対し化学量論的な量で、チオフェン誘導体の直接的ボリル化を触媒し、チオフェン-2-ボロン酸エステル(P2c')を提供する。
【0144】
【化16】

【0145】
前記条件の組合せが、ボロン酸エステル又は酸(P2)を得るために適用できない場合、当業者に公知の好適な調製法が使用されなければならない。有機スズ試薬(P3)は、様々な供給業者から市販されているか、又は当業者に公知の条件を使用し、合成することができる。
【0146】
X=Br又はIである式(P1)の化合物は、対応するチアゾール(P9)の、Br2、I2又はNBS、NISなどの試薬によるハロゲン化により調製することができる(下記スキーム7)。R1の性質に応じて、ハロゲン化前に、例えばPG=アセチル又はいずれか他の容易に除去可能な基による、第2級アミンの保護が必要であることがある。
【0147】
【化17】

【0148】
チアゾール(P9)は、様々な供給業者から市販されているか、又は液相及び固相の両方の化学プロトコールを使用し(Kodomariら, 2002, 前掲)、当業者に公知の条件を使用し、合成することができる。例えばこれは、臭素化のためのBr2又は塩素化のためのチオニルクロリドの使用による、ケトン(P10)のα-ハロゲン化から出発する、2工程で得ることができ(下記スキーム8)、中間体(P11)を提供する。中間体(P11)の「Hal」は、ヒドロキシ(トシルオキシ)ヨードベンゼンのような好適な試薬により導入することができる、トシルオキシ基であることもできる。その後中間体(P11)は、好適な溶媒、好ましくは極性溶媒、例えばEtOH中の、置換されたチオ尿素R1NHC(S)NH2 (P12)の溶液へ添加され、中間体(P9)へつながる。得られる中間体(P11)は、チオ尿素と反応し、チアゾール(P13)を提供し、これは当業者に公知の条件を使用し、更に先に定義されたようなR1により置換されてよい。
【0149】
【化18】

【0150】
前記合成スキーム8において使用されるチオ尿素(P12)は、様々な供給業者から市販されているか、又は当業者に公知の条件を使用し、合成することができる。例えば、チオ尿素(P12)は、下記スキーム9経路Aに示したような、THF中でのアミンの塩R1NH2、好ましくはHCl塩の、等モルで使用されるチオシアン酸カリウムとの、還流下でのカップリングにより得ることができる。
【0151】
【化19】

【化20】

【0152】
アミンR1NH2は、先にスキーム9経路Bに示されたように、最初にエトキシカルボニルイソチオシアネートにより活性化され、エトキシカルボニルチオ尿素中間体を提供する。例えば濃HClのような、酸性条件下での脱保護時に、望ましいチオ尿素(P12)が放出される。アミンR1NH2は、先にスキーム9経路Cに示されたように、塩化ベンゾイルのチオシアン酸アンモニウムの添加により得られる、イソチオシアン酸ベンゾイルによっても活性化され、ベンゾイルチオ尿素中間体を生じる。例えばNaOHのような、塩基性条件下での脱保護時に、望ましいチオ尿素(P12)が放出される。あるいは、アミンR1NH2は、先にスキーム9経路Dに示されたように、チオホスゲンと反応され、次にアンモニアが添加される。N-置換されたチオ尿素(P12)を得るために、前記合成法のセットが適用できない場合には、当業者に公知の好適な調製法が使用されるべきである。
【0153】
式(I)の化合物の中間体の調製法
更に一般的な方法に従い、式(I)の化合物は、当業者に周知の好適な相互転換技術を用い、別の式(I)の化合物へ転換することができる。
【0154】
式(I)の化合物を得るために、前記一般的合成法のセットが適用できない場合及び/又は式(I)の化合物の合成のための中間体が必要な場合には、当業者に公知の好適な調製法が使用されるべきである。一般に、いずれか個別の式(I)の化合物の合成経路は、各分子の具体的置換基、及び必要な中間体の容易な利用可能性に応じて決まるであろう;そのような要因についても、当業者により理解されるであろう。全ての保護及び脱保護法については、Philip J. Kocienskiの「Protection Groups」、Georg Thieme Verlag Stuttgart、ニューヨーク、1994、並びにTheodora W. Greene及びPeter G. M. Wutsの「Protective Groups in Organic Synthesis」、Wiley Interscience、第3版 1999を参照のこと。
【0155】
本発明の化合物は、適当な溶媒の蒸発からの結晶化により、溶媒分子と一緒に単離することができる。塩基中心を含む、式(I)の化合物の医薬として許容できる酸付加塩は、通常の方法で調製することができる。例えば、遊離塩基の溶液は、そのままで又は好適な溶液中のいずれかで、好適な酸により処理することができ、得られた塩は、反応溶媒の濾過又は真空下での蒸発のいずれかにより単離される。医薬として許容できる塩基付加塩は、式(I)の化合物の溶液の、好適な塩基による処理により、同様の様式で得ることができる。両方の塩の形を形成することができるか、又はイオン交換樹脂技術を用い相互転換することができる。
【0156】
以下において、本発明はいくつかの実施例により例示されるが、これらは本発明の範囲を限定するものとしてみなされるようには構成されない。
【0157】
実施例
下記の市販の出発材料が使用される
PyBOP(Novabiochem)、2-(トリブチルスタンニル)チオフェン(Aldrich)、5-(ジヒドロキシボリル)-2-チオフェンカルボン酸(Acros)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チオフェン(Boron-Mol)、5-ホルミル-2-チオフェンボロン酸(Aldrich)、2-アセトアミド-4-メチルチアゾール(Aldrich)、ピナコール(Aldrich)、(トリメチルシリル)ジアゾメタン2N溶液(Aldrich)、Pd(dppf)Cl2 (Avocado)、炭酸セシウム(Fluka)、フッ化カリウム(Fluka)、酢酸銅(Fluka)、アリルアミン(Fluka)、モルホリン(Fluka)、エタノールアミン(Fluka)、4-ヒドロキシピペリジン(Aldrich)、3-ヒドロキシピペリジン(Aldrich)、MeOHを溶媒とするアンモニア2N溶液(Aldrich)、1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン(Aldrich)、クロロスルホン酸(Fluka)、五塩化リン(Aldrich)、オキシ塩化リン(Aldrich)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(Fluka)。
【0158】
以下に説明された実施例において提供されたHPLC、NMR及びMSのデータは、以下のように得られた:HPLC:カラム Waters Symmetry C8 50x4.6mm、条件:MeCN/H2O、5〜100%(8分間)、最大プロット230〜400nm;質量スペクトル:PE-SCIEX API 150 EX (APCI and ESI)、LC/MSスペクトル:Waters ZMD (ES);1H-NMR:Bruker DPX-300MHz。
【0159】
分取HPLC精製は、カラムPrep Nova-Pak(登録商標)HR C 186μm 60Å、40x30mm(最大100mg)又はXTerra(登録商標)Prep MS C8、10μm、50x300mm(最大1g)を装着した、HPLC Waters Prep LC 4000 Systemで行う。全ての精製は、MeCN/H2O 0.09% TFA勾配で行う。半調製用逆相HPLCは、カラムSupelcosil(登録商標)ABZ+Plus (25cmx21.2mm、12μm)を装着した、Biotage Parallex Flex Systemにおいて行う;UV検出は254nm及び220nmであり;流量は20ml/分(最大50mg)である。TLC解析は、Merck Precoated 60 F254プレートで行う。フラッシュクロマトグラフィーによる精製は、SiO2支持体上で、シクロヘキサン/EtOAc又はDCM/MeOH混合物を溶離液として用いて行う。
【0160】
マイクロ波化学は、Personal Chemistryの単独モードのマイクロ波反応器Emrys(登録商標)Optimiserで行う。
【0161】
中間体1:N-(5-ヨード-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミドの調製
(中間体(P1)、式中、R1はC(O)CH3であり、R2はCH3であり、XはIである)
【0162】
【化21】

【0163】
中間体1
【0164】
MeCN (100ml)中の2-アセトアミド-4-メチルチアゾール(5g;32.01mmol;1eq)の溶液へ、N-ヨードスクシンイミド(8.642g;38.41mmol;1.2eq)を添加する。得られる均質な溶液を、室温で攪拌する。5分後、沈殿が形成される。これを濾過し、冷MeCNで洗浄する。中間体1の第一のバッチを、帯黄白色の固形物(5.072g;57%)として単離する。母液を蒸発させ、EtOAcに溶解する。これらを、Na2S2O3の1N溶液2画分で洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の濾過及び蒸発後、得られる固形物を、MeCNに懸濁し、濾過及び真空下で乾燥し、中間体1の第二のバッチを帯黄白色固形物(1.813g;20%)として得る。この反応の全体の収率は、77%である。 1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.88 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 12.02 (s, 1H)。M-(ESI): 281.02; M+(ESI): 283.09. HPLC、Rt:2.55分(純度:100%)。
【0165】
実施例1:N-(4-メチル-5-{5-[(プロパ-2-イン-1-イルアミノ)スルホニル]-2-チエニル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(1)
【0166】
【化22】

【0167】
工程I:N-[4-メチル-5-(2-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド
N-(5-ヨード-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミドの中間体1(2g;7.09mmol;1eq)及びPd(dppf)Cl2 (0.52g;0.71mmol;0.10eq)を、DMF(35ml)に溶解する。2-(トリブチルスタンニル)チオフェン(2.68ml;8.44mmol;1.19eq)を添加する。この反応混合物を、アルゴンでフラッシュし、100℃で1時間30分間加熱する。溶媒を蒸発させ、粗混合物を、EtOAc(100ml)に溶解し、水(3x100ml)で洗浄する。水相を一緒にし、EtOAc(2x50ml)で抽出する。一緒にする有機相を、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗生成物を、分取HPLCにより精製し、N-[4-メチル-5-(2-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミドを帯黄白色粉末(1.24g;73.5%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6) δ 2.16 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 7.15 (dd, J=3.8, 5.3Hz, 1H), 7.20 (dd, J=1.1, 3.8Hz, 1H), 7.60 (dd, J=1.1, 5.3Hz, 1H), 12.19 (s, 1H)。M-(ESI): 237.01;M+(ESI): 239.01。HPLC、Rt:3.01分(純度:98.7%)。
【0168】
工程II:5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド
工程Iで調製されたN-[4-メチル-5-(2-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(500mg;2.10mmol;1eq)を、DCM (30ml)に溶解する。この反応混合物を、0℃に冷却し、DCM(30ml)に溶解したクロロスルホン酸(0.70ml;10.49mmol;5eq)を15分間かけて滴下する。この溶液は、ピンク色になり始める。これを、0℃で15分間攪拌する。五塩化リン(873.7mg;4.20mmol;2eq)及びオキシ塩化リン(0.78ml;8.39mmol;4eq)を連続して添加する。反応混合物を、更に2時間室温で攪拌する。これを氷上に注ぎ、望ましい生成物をEtOAcの2部分で抽出し、MgSO4上で乾燥し、蒸発させ、5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリドを黄色固形物(650mg;92%)として得る。
M-(ESI): 335.08; M+(ESI): 337.08。
【0169】
工程III:N-(4-メチル-5-{5-[(プロパ-2-イン-1-イルアミノ)スルホニル]-2-チエニル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(1)
工程IIにおいて調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(200mg;0.59mmol;1eq)を、無水DCM(10ml)に溶解する。この反応液を、窒素下に配置する。プロピ-2-イニルアミン(0.08ml;1.19mmol;2eq)、ジイソプロピルエチルアミン(0.61ml;3.56mmol;6eq)を、連続して添加し、反応混合物を、室温で3時間攪拌する。溶媒を蒸発させ、得られる粗生成物を、分取HPLCにより精製する。化合物(1)は、ベージュ色の粉末(25mg;12%)として分離する。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.15 (s, 3H), 2.43 (s, 3H), 3.13 (t, J=3Hz, 1H), 3.77 (q, J=6Hz, 2H), 7.20 (d, J=3Hz, 1H), 7.58 (d, J=6Hz, 1H), 8.4 (t, J=6Hz, 1H), 12.31 (s, 1H)。M-(ESI): 354.2;M+(ESI): 356.1。HPLC(方法A)、Rt:2.88分(純度:100%)。
【0170】
実施例2:N-(5-{5-[(4-アセチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-2-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(2)
【0171】
【化23】

【0172】
実施例1の工程IIのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(100mg;0.3mmol;1eq)を、無水DCM(5ml)中に溶解する。この反応液を、窒素下に配置する。1-ピペラジン-1-イル-エタノン(76.1mg;0.59mmol;2eq)、ジイソプロピルエチルアミン(0.3ml;1.78mmol;6eq)を、連続して添加し、反応混合物を室温で3時間攪拌する。溶媒を蒸発させ、粗生成物を、分取HPLCにより精製する。化合物(2)を、淡黄色粉末(35mg;27%)として分離する。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.80 (s, 3H), 2 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.82 (m, J=21Hz, 4H), 3.38 (d, J=3Hz, 4H), 7.15 (d, J=6Hz, 1H), 7.45 (d, J=3Hz, 1H), 12.18 (s, 1H)。M-(ESI): 427.1;M+(ESI): 429.0。HPLC(方法A)、Rt:2.86分(純度:99.8%)。
【0173】
実施例3:N-{5-[5-({[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}スルホニル)-2-チエニル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド(3)
【0174】
【化24】

【0175】
実施例1の工程IIのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(1000mg;2.97mmol;1eq)を、無水DCM(100ml)中に溶解する。この反応液を、窒素下に配置する。2-ジメチルアミノエチルアミン(0.97ml;8.91mmol;3eq)、トリエチルアミン(1.66ml;11.9mmol;4eq)を、連続して添加し、反応混合物を室温で一晩攪拌する。15時間後、反応が完了するまで、トリエチルアミン(4eq)及び2-ジメチルアミノエチルアミン(3eq)を添加する。1時間後、反応が完了する。次に反応混合物を、飽和NH4Cl(2回)及びブラインで洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥し、溶媒を蒸発させる。得られた粗生成物を、DCMに溶解し、1N HClで抽出する。水相を、DCM(3回)で洗浄し、5N NaOHでpH10となるまで塩基性とする。望ましい生成物を、EtOAc(3回)で抽出する。一緒にした有機相を、MgSO4上で乾燥し、濾過し蒸発させ、化合物(3)をベージュ色固形物(480mg;40%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.08 (s, 6H), 2.14 (s, 3H), 2.25 (t, J=6Hz, 2H), 2.43 (s, 3H), 2.94 (t, J=9Hz, 2H), 7.20 (d, J=3Hz, 1H), 7.55 (d, J=6Hz, 1H), 7.81 (s, 1H), 12.30 (s, 1H)。M-(ESI): 387.2;M+(ESI): 389.2。HPLC(方法A)、Rt:1.96分(純度:98.0%)。
【0176】
実施例4:N-[4-メチル-5-(5-{[(l-メチルピペリジン-4-イル)アミノ]スルホニル}-2-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(4)
【0177】
【化25】

【0178】
実施例9の工程1のように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(110mg;0.33mmol;1eq)を、DCM/DMF(1/1、10ml)の混合物に溶解する。4-アミノ-1-メチルピペリジン(188mg;1.65mmol;5eq)及びDIEA(0.17ml;0.98mmol;3eq)を添加する。3時間後、溶媒を蒸発させる。粗生成物を、DCMに溶解し、飽和NH4Cl溶液、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗物質を、DCM(3ml)に溶解し、標題化合物をEt2Oで沈殿させ、濾過後、化合物(4)を白色粉末(120mg;90%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.25 (m, 2H), 1.55 (m, 2H), 1.80 (m, 2H), 2.05 (m, 2H), 2.25 (s, 6H), 2.40 (s, 3H), 3.05 (m, 1H), 6.95 (d, J=3Hz, 1H), 7.52 (d, J=3Hz, 1H), 12.23 (m, 1H)。M-(ESI): 413.30;M+(ESI): 415.30。HPLC、Rt:2.08分(純度:99.33%)。
【0179】
実施例5:N-(5-{5-[(2-ジメチルアミノ-エチル)-メチル-スルファモイル]-チオフェン-2-イル}-4-メチル-チアゾール-2-イル)-アセトアミド(5)
【0180】
【化26】

【0181】
実施例1の工程IIのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(500mg;1.48mmol;1eq)を、無水DCM(50ml)に溶解する。反応液を窒素下に配置する。N,N,N'-トリメチル-エタン-1,2-ジアミン(0.58ml;5.94mmol;3eq)及びトリエチルアミン(0.83ml;5.94mmol;4eq)を連続して添加し、反応混合物を室温で一晩攪拌する。反応混合物を、飽和NH4Cl (2回)、水(3回)、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗生成物を、ACN中に懸濁し、真空下で濾過及び乾燥し、化合物(5)をベージュ色固形物(309mg;41%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.14 (s, 6H), 2.15 (s, 3H), 2.40 (t, J=6Hz, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.77 (s, 3H), 3.10 (t, J=6Hz, 2H), 7.28 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 12.33 (s, 1H)。M-(ESI): 401.2;M+(ESI): 403.3。HPLC(方法A)、Rt:2.10分(純度:94.4%)。
【0182】
実施例6:5-(2-アミノ-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル)-N-(2-モルホリン-4-イルエチル)チオフェン-2-スルホンアミド(6)
【0183】
【化27】

【0184】
N-[4-メチル-5-(5-{[(2-モルホリン-4-イルエチル)アミノ]スルホニル}-2-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(9)(240mg;0.56mmol;1eq)へ、EtOH中の1.25M塩酸(8.9ml;1.25M;11.2mmol;20eq)を添加する。この混合物を、90℃で一晩攪拌する。混合物を室温に冷却する。得られた沈殿を濾過し、冷EtOHですすぎ、化合物(6)を黄味がかった固形物(241.5mg;94%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.33 (s, 3H), 3.11 (m, 2H), 3.22 (m, 2H), 3.29 (m, 2H), 3.41 (m, 2H), 3.76 (m, 2H), 3.93 (m, 2H), 7.17 (d, J=4Hz, 1H), 7.63 (d, J=4Hz, 1H), 8.40 (t, J=6Hz, 1H), 8.72 (br s, 2H), 11.06 (br s, 1H)。HPLC(方法A)、Rt:1.02分(純度:99.8%)。M-(ESI): 387.20;M+(ESI): 389.20。
【0185】
実施例7:メチル 5-{[4-メチル-5-(5-{[(2-モルホリン-4-イルエチル)アミノ]スルホニル}-2-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アミノ}-5-オキソペンタノエート(7)
【0186】
【化28】

【0187】
無水THF(10ml)中の5-(2-アミノ-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル)-N-(2-モルホリン-4-イルエチル)チオフェン-2-スルホンアミド(6)(100mg;0.22mmol;1eq)の脱気した溶液へ、N-[(1H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)(ジメチルアミノ)メチレン]-N-メチルメタナミニウム(methanaminium)テトラフルオロボレート (104.4mg;0.33mmol;1.50eq)、グルタル酸モノメチル(68μl;0.54mmol;2.50eq)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(148μl;0.87mmol;4eq)を添加する。この反応混合物を、室温で3日間攪拌する。溶媒を、真空下で蒸発させる。得られた粗生成物を、EtOAcに溶解し、飽和NH4Cl溶液、水、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CH3Cl/MeOHの40分かけた1/0から1/1勾配)にかけ、化合物(7)を黄色固形物(68.5mg;61.18%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.05 (quint., J=6Hz, 2H), 2.34 (m, 4H), 2.46 (m, 9H), 3.13 (m, 2H), 3.63 (m, 4H), 3.68 (s, 3H), 5.38 (br s, 1H), 7.01 (d, J=4Hz, 1H), 7.53 (d, J=4Hz, 1H), 9.17 (br s, 1H)。HPLC(方法A)、Rt:2.28分(純度:95.7%)。M-(ESI): 515.21;M+(ESI): 517.40。
【0188】
実施例8:N-(4-メチル-5-{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-2-チエニル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(8)
【0189】
【化29】

【0190】
実施例1の工程IIのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(280mg;0.84mmol;1eq)を、DCM(10ml)に溶解する。N-メチルピペラジン(8.4ml;8.4mmol;10eq)及びDIEA(0.17ml;0.98mmol;3eq)を添加する。4時間後、水(1ml)を添加し、溶媒を蒸発乾固する。粗生成物を、DCMに再溶解し、飽和NH4Cl溶液、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗物質を、DCM及びジエチルエーテルの混合物中に沈殿し、濾過後、化合物(8)を白色固形物(173mg;51%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.95 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.28 (m, 7H), 2.80 (m, 4H), 7.10 (d, J=6Hz, 1H), 7.40 (d, J=6Hz, 1H), 12.14 (m, 1H)。M-(ESI): 399.3;M+(ESI): 401.3。HPLC(方法A)、Rt:2.13分(純度:100%)。
【0191】
実施例9:N-(4-メチル-5-{5-[(2-モルホリン-4-イルエチル)アミノ]スルホニル}-2-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(9)
【0192】
【化30】

【0193】
実施例9の工程Iのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(4000mg;11.9mmol;1eq)を、無水DCM(400ml)に溶解する。この反応液を窒素下に配置する。2-モルホリン-4-イル-エチルアミン(4638mg;35.6mmol;3eq)、トリエチルアミン(6.6ml;47.5mmol;4eq)を連続して添加し、反応混合物を、室温で一晩攪拌する。1N HClを、この反応混合物へ添加する。水相を、DCM(3回)で洗浄し、5N NaOHによりpH10まで塩基性とする。望ましい生成物を、EtOAc(3回)で抽出し、化合物(22)を白色固形物(3134mg;60%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.14 (s, 3H), 2.30 (m, 4H), 2.34 (t, J=6Hz, 2H), 2.43 (s, 3H), 2.98 (t, J=9Hz, 2H), 3.50 (t, J=6Hz, 4H), 7.20 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 12.31 (s, 1H)。M-(ESI): 429.3;M+(ESI): 431.3。HPLC(方法A)、Rt:1.95分(純度:99.3%)。
【0194】
実施例10:N-{5-[5-({[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}スルホニル)-2-チエニル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド(10)
【0195】
【化31】

【0196】
実施例1の工程IIのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(280mg;0.84mmol;1eq)を、DCM(10ml)に溶解する。N,N-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン(0.89 ml;8.4mmol;10eq)及びDIEA(0.17ml;0.98mmol;3eq)を添加する。一晩反応した後、水(1ml)を添加し、溶媒を蒸発乾固する。粗生成物を、DCMに再溶解し、飽和NH4Cl溶液、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗物質を、DCM及びジエチルエーテルの混合物中で沈殿させ、濾過後、化合物(10)を白色固形物(105mg;28%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.80 (m, 2H), 2.16 (s, 3H), 2.45 (s, 3H), 2.71 (s, 6H), 2.94 (q, J=6Hz, 2H), 3.05 (m, 2H), 7.23 (d, J=6Hz, 1H), 7.59 (d, J=6Hz, 1H), 8.08 (m, 1H), 10.22 (m, 1H)。M-(ESI): 401.4;M+(ESI): 403.4。HPLC(方法A)、Rt:2.07分(純度:99.7%)。
【0197】
実施例11:N-(4-メチル-5-{5-[(ピペラジン-1-イル)スルホニル]-2-チエニル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(11)
【0198】
【化32】

【0199】
実施例1の工程IIのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(280mg;0.84mmol;1eq)を、DCM(10ml)に溶解する。N-メチルピペラジン(1.4g;16.8mmol;20eq)及びDIEA(0.17ml;0.98mmol;3eq)を添加する。一晩反応した後、水(1ml)を添加し、溶媒を蒸発乾固させる。粗生成物をDCMに再溶解し、飽和NH4Cl溶液、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗物質を、DCM及びジエチルエーテルの混合物中で沈殿させ、濾過後、化合物(11)を白色固形物(125mg;40%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.17 (s, 3H), 2.47 (s, 3H), 3.24 (s, 8H), 7.38 (d, J=6Hz, 1H), 7.70 (d, J=6Hz, 1H), 9.12 (m, 1H), 12.39 (m, 1H)。M-(ESI): 385.3;M+(ESI): 387.3。HPLC(方法A)、Rt:2.09分(純度:100%)。
【0200】
実施例12:N-2-({5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-チエニル}スルホニル)-N-メチルグリシンアミド(12)
【0201】
【化33】

【0202】
実施例1の工程IIのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(110mg;0.33mmol;1eq)を、DCM/DMF混合物(1/1、10ml)に溶解する。2-アミノ-N-メチル-アセトアミド(145mg;1.65mmol;5eq)及びDIEA(0.17ml;0.98mmol;3eq)を窒素雰囲気下で添加する。3時間後、溶媒を蒸発させる。粗生成物をDCMに溶解し、飽和NH4Cl溶液、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗物質を、分取HPLCにより精製し、化合物(12)を油状物(4mg;3%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.99 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.55 (d, J=3Hz, 3H), 3.50 (d, J=6Hz, 2H), 7.21 (d, J=3Hz, 1H), 7.55 (d, J=3Hz, 1H), 7.85 (d, J=3Hz, 1H), 8.24 (t, J=6Hz, 1H), 12.32 (m, 1H)。M-(ESI): 387.10;M+(ESI): 389.10。HPLC(方法A)、Rt:2.37分(純度:100%)。
【0203】
実施例13:N-(5-{5-[(2-(アセチルアミノ)エチル)アミノ]スルホニル-2-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(13)
【0204】
【化34】

【0205】
実施例1の工程IIのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(110mg;0.33mmol;1eq)を、DCM/DMF混合物(1/1、10ml)に溶解する。N-アセチルエチレンジアミン(168mg;1.65mmol;5eq)及びDIEA(0.17ml;0.98mmol;3eq)を添加する。3時間後、溶媒を蒸発させる。粗生成物をDCMに溶解し、飽和NH4Cl溶液、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗物質を、DCM(3ml)に溶解し、標題化合物をジエチルエーテルで沈殿させ、濾過後、化合物(13)を黄色粉末(14mg;11%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.75 (s, 3H), 2.15 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 2.90 (q, J=6Hz, 2H), 3.10 (q, J=6Hz, 2H), 7.21 (d, J=3Hz, 1H), 7.53 (d, J=3Hz, 1H), 7.90 (m, 2H), 12.31 (m, 1H)。M-(ESI): 401.20;M+(ESI): 403.20。HPLC(方法A)、Rt:2.41分(純度:92.1%)。
【0206】
実施例14:N-[5-(5-{[(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル]アミノスルホニル}-2-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(14)
【0207】
【化35】

【0208】
実施例1の工程IIのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(110mg;0.33mmol;1eq)を、DCM(10ml)に溶解する。2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-メタンアミン(216mg;1.65mmol;5eq)及びDIEA(0.17ml;0.98mmol;3eq)を添加する。1時間後、溶媒を蒸発させる。粗生成物をDCMに溶解し、飽和NH4Cl溶液、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗物質を、DCM(3ml)に溶解する。標題化合物をジエチルエーテルの添加により沈殿させ、濾過後、化合物(14)を白色粉末(65mg;46%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.30 (s, 3H), 1.35 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.50 (s, 3H), 3.10 (m, J=6Hz, 1H), 3.30 (m, J=6Hz, 1H), 3.70 (m, J=6Hz, 1H), 4.05 (m, J=6Hz, 1H), 4.25 (m, J=6Hz, 1H), 4.93 (t, J=6Hz, 1H), 7.05 (d, J=3Hz, 1H), 7.55 (d, J=3Hz, 1H)。M-(ESI): 430.2;M+(ESI): 432.3。HPLC(方法A)、Rt:3.06分(純度:95.44%)。
【0209】
実施例15:メチル N-({5-[2-(アセチルアミノ)-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-チエニル}スルホニル)セリネート(15)
【0210】
【化36】

【0211】
実施例1の工程IIのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(110mg;0.33mmol;1eq)を、DCM/DMF混合物(1/1、10ml)に溶解する。2-アミノ-3-ヒドロキシ-プロピオン酸メチルエステル(0.2ml;1.65mmol;5eq)及びDIEA(0.17ml;0.98mmol;3eq)を添加する。1時間後、溶媒を蒸発乾固させる。粗生成物を、DCMに再溶解し、飽和NH4Cl溶液、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗物質を、ACNで沈殿させ、濾過後、化合物(15)を白色粉末(54mg;39%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.26 (s, 3H), 2.59 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 4 (m, 2H), 4.15 (m, 1H), 5.75 (d, J=3Hz, 1H), 7.14 (d, J=3Hz, 1H), 7.61 (d, J=3Hz, 1H), 12.35 (m, 1H)。M-(ESI): 418.2;M+(ESI): 420.2。HPLC(方法A)、Rt:2.50分(純度:99.41%)。
【0212】
実施例16:N-({5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-チエニル}スルホニル)セリン(16)
【0213】
【化37】

【0214】
メチル N-({5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-チエニル}スルホニル)セリネート(15)(48mg;0.11mmol;1eq)を、THF(2ml)に溶解する。得られた溶液を、0℃に冷却し、水酸化ナトリウム(5M)(0.3ml;14mmol;12.5eq)をゆっくり添加する。反応混合物を、室温で30分間攪拌し、次にHCl(1M)で中和する。溶媒を蒸発乾固させ、予想される化合物を、EtOAc(3回)で抽出し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗物質を、ACNで沈殿させ、濾過後、化合物(16)を白色固形物(5mg;10%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.75 (m, 2H), 2.16 (s, 3H), 2.43 (s, 3H), 3.83 (m, 1H), 7.17 (d, J=3Hz, 1H), 7.53 (d, J=3Hz, 1H), 8.39 (d, J=9Hz, 1H), 12.37 (m, 1H)。M-(ESI): 404.2;M+(ESI): 406.2。HPLC(方法A)、Rt:2.23分(純度:93.44%)。
【0215】
実施例17:N-(5-{5-[(2,3-ジヒドロキシプロピルアミノ)スルホニル]-2-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(17)
【0216】
【化38】

【0217】
N-[5-(5-{[(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル]アミノスルホニル}-2-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(14)(48mg;0.11mmol;1eq)を、DCM(5ml)に溶解する。トリフルオロ酢酸(0.2ml)を添加し、この反応混合物を、室温で30分間攪拌する。溶媒を蒸発させ、粗生成物を、直接分取HPLCにより精製し、化合物(17)を帯黄白色固形物(7mg;16%)として得る。M-(ESI): 390.2;M+(ESI): 392.2。HPLC(方法A)、Rt:2.13分(純度:83.5%)。
【0218】
実施例18:N-(5-{5-[(ジメチルアミノ)スルホニル]-2-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(18)
【0219】
【化39】

【0220】
実施例1の工程IIのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(110mg;0.33mmol;1eq)を、DMF(10ml)に溶解する。ジメチルアミン(0.1ml;1.65mmol;5eq)及びDIEA(0.17ml;0.98mmol;3eq)を添加する。1時間後、溶媒を蒸発乾固させる。粗生成物を、DCMに再溶解し、飽和NH4Cl溶液、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗物質を、DCM及びジエチルエーテルの混合物で沈殿させ、濾過後、化合物(18)を黄色粉末(52mg;46%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.30 (s, 3H), 2.50 (s, 3H), 2.70 (s, 6H), 7.11 (d, J=3Hz, 1H), 7.48 (d, J=3Hz, 1H)。M-(ESI): 344.1;M+(ESI): 346.1。HPLC(方法A)、Rt:3.26分(純度:99.4%)。
【0221】
実施例19:N-{4-メチル-5-[5-({メチル[2-(メチルアミノ)エチル]アミノ}スルホニル)-2-チエニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド(19)
【0222】
【化40】

【0223】
実施例1の工程IIのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(500mg;1.48mmol;1.00eq)を、DCM(30ml)に溶解する。この溶液を、N2で脱気し、0℃に冷却する。トリエチルアミン(1ml;7.42mmol;5.00eq)、引き続きN,N'-ジメチルエチレンジアミン(0.79ml;7.42mmol;5.00eq)を添加する。0℃で30分経過後、反応は完了する。反応混合物を、飽和NaHCO3(2回)及び水(3回)で洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、化合物(19)をベージュ色固形物(457mg;79%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.20 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 2.49 (s, 3H), 2.68 (t, 2H), 2.81 (s, 3H), 3.08 (t, 2H), 7.33 (d, 1H), 7.67 (d, 1H)。M-(ESI): 387.2;M+(ESI): 389.3。HPLC(方法A)、Rt:2.06分(純度:99.2%)。
【0224】
実施例20:N-[5-(5-{[[2-(ジエチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]スルホニル}-2-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(20)
【0225】
【化41】

【0226】
実施例1の工程IIのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(500mg;1.48mmol;1.00eq)を、DCM(30ml)に溶解する。この溶液を、N2で脱気し、0℃に冷却する。トリエチルアミン(1.0ml;7.42mmol;5.00eq)、引き続きN,N-ジエチル-N'-メチルエチレンジアミン(1.2ml;7.42mmol;5.00eq)を添加する。0℃で1時間経過後、反応は完了する。反応混合物を、飽和NaHCO3(2回)及び水(3回)で洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、化合物(20)をベージュ色固形物(570mg;89%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 0.97 (t, 6H), 2.19 (s, 3H), 2.49 (m, 7H), 2.59 (t, 2H), 2.84 (s, 3H), 3.11 (t, 2H), 7.33 (d, 1H), 7.66 (d, 1H), 12.36 (s, 1H)。M-(ESI): 429.2;M+(ESI): 431.3。HPLC(方法A)、Rt:2.35分(純度:98.9%)。
【0227】
実施例21:N-[5-(5-{[(2-メトキシエチル)(メチル)アミノ]スルホニル}-2-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(21)
【0228】
【化42】

【0229】
実施例1の工程IIのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(500mg;1.48mmol;1.00eq)を、DCM(30ml)に溶解する。この溶液を、N2で脱気し、0℃に冷却する。トリエチルアミン(1.0ml;7.42mmol;5.00eq)、引き続きN-(2-メトキシエチル)メチルアミン(0.80ml;7.42mmol;5.00eq)を添加する。0℃で45分間経過後、反応は完了する。反応混合物を、飽和NaHCO3(2回)及び水(2回)で洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、化合物(21)をベージュ色固形物(478mg;83%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.19 (s, 3H), 2.49 (s, 3H), 2.83 (s, 3H), 3.23 (t, 2H), 3.28 (s, 3H), 3.53 (t, 2H), 7.33 (d, 1H), 7.66 (d, 1H), 12.38 (s, 1H)。M-(ESI): 388.2;M+(ESI): 390.2。HPLC(方法A)、Rt:3.27分(純度:99.9%)。
【0230】
実施例22:N-[5-(5-{[[2-(ジメチルアミノ)エチル](エチル)アミノ]スルホニル}-2-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(22)
【0231】
【化43】

【0232】
実施例1の工程IIのように調製した5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]チオフェン-2-スルホニルクロリド(500mg;1.48mmol;1.00eq)を、DCM(30ml)に溶解する。この溶液を、N2で脱気し、0℃に冷却する。トリエチルアミン(1.0ml;7.42mmol;5.00eq)、引き続きN,N-ジメチル-N'-エチルエチレンジアミン(1.2ml;7.42mmol;5.00eq)を添加する。0℃で30分間経過後、反応は完了する。反応混合物を、飽和NaHCO3(2回)及び水(2回)で洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、化合物(22)をベージュ色固形物(544mg;88%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.14 (t, 3H), 2.19 (m, 9H), 2.45 (t, 2H), 2.49 (s, 3H), 3.25 (m, 4H), 7.29 (d, 1H), 7.67 (d, 1H), 12.37 (s, 1H)。M-(ESI): 415.2;M+(ESI): 417.3。HPLC(方法A)、Rt:2.35分(純度:98.6%)。
【0233】
実施例23:N-{5-[5-({[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}スルホニル)-3-チエニル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド, トリフルオロ酢酸塩(23)
【0234】
【化44】

【0235】
工程I:N-[4-メチル-5-(3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド
マイクロ波用チューブ内で、N-(5-ヨード-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミドの中間体1(564.2mg;2mmol;1eq)及びPd(dppf)Cl2(73.2mg;0.10mmol;0.05eq)を、トルエン(7ml)中で懸濁する。MeOH(7ml)中のフッ化カリウム(464.8mg;8mmol;4eq)溶液を添加する。3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チオフェン(630.3mg;3mmol;1.50eq)を、最後に固形物として添加する。得られた溶液を、アルゴンでフラッシュし、チューブを封印し、マイクロ波作用下で120℃で15分間加熱する。反応混合物を、セライト上で濾過し、溶媒を蒸発させる。得られた粗生成物を、EtOAcに溶解し、水及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥する。次に、分取HPLCにより精製し、標題化合物を帯黄白色固形物(316.7mg;収率66%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.12 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 7.28 (dd, J=1.5, 4.9Hz, 1H), 7.58 (dd, J=1.5, 3.0Hz, 1H), 7.67 (dd, J=3.0, 4.9Hz, 1H), 12.09 (s, 1H)。M-(ESI): 237.03;M+(ESI): 239.03。HPLC(方法A)、Rt:2.92分(純度:99.6%)。
【0236】
工程II:N-[5-(2-ブロモ-チオフェン-3-イル)-4-メチル-チアゾール-2-イル]-アセトアミド
先に説明されたように工程Iで得られたN-[4-メチル-5-(3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(3880mg;16.3mmol;1eq)を、ACN(375ml)に溶解する。N-ブロモスクシンイミド(2898mg;16.3mmol;1eq)を添加し、得られた溶液を室温で30分間攪拌する。溶媒を濃縮する。水を添加し、望ましい生成物を、EtOAc(3回)で抽出する。有機相を、水(3回)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(5000mg;97%)を得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.06 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 7.11 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 12.13 (s, 1H)。M-(ESI): 317.2;M+(ESI): 319.1。HPLC(方法A)、Rt:1.27分(純度:80.7%)。
【0237】
工程III:4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド
DCM(60ml)中の先に説明されたように工程IIで得られたN-[5-(2-ブロモ-チオフェン-3-イル)-4-メチル-チアゾール-2-イル]-アセトアミド(1100mg;3.47mmol;1eq)の混合物を、氷浴で0℃で冷却する。反応液を窒素で脱気し、DCM(30ml)中に溶解したクロロスルホン酸(1.16ml;17.3mmol;5eq)を滴下する。反応混合物を、0℃で15分間攪拌する。五塩化リン(1444mg;6.94mmol;2eq)、引き続き直接オキシ塩化リン(1.3ml;13.9mmol;4eq)を添加する。この反応液を、室温で更に2時間攪拌する。その後反応混合物を、粉砕した氷がはいったビーカーに注ぎ、分液ロートへ直接移す。これを、EtOAcの2部分で抽出する。有機層をMgSO4上で乾燥し、標題化合物(1440mg;定量的収率)が得られる。
M-(ESI): 415.1;M+(ESI): 417.1。HPLC(方法A)、Rt:3.94分(純度:95.5%)。
【0238】
工程IV:N-{5-[2-ブロモ-5-(2-ジメチルアミノ-エチルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド
先に説明されたように工程IIIで得られた4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(586mg;1.41mmol;1eq)を、無水DCM(15ml)に溶解する。この反応液を、窒素下に据える。トリエチルアミン(1.9ml;14.1mmol;10eq)及びN,N-ジメチル-エタン-1,2-ジアミン(0.17ml;2.82mmol;2eq)を連続して添加し、反応混合物を、室温で30分間攪拌する。溶媒を蒸発させ、粗混合物を、分取HPLCにより精製し、標題化合物(68mg;10%)が得られる。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.80 (s, 3H), 2 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.82 (m, J=21Hz, 4H), 3.38 (d, J=3Hz, 4H), 7.15 (d, J=6Hz, 1H), 7.45 (d, J=3Hz, 1H), 12.18 (s, 1H)。M-(ESI): 467.2;M+(ESI): 469.2。HPLC(方法A)、Rt:2.22分(純度:100%)。
【0239】
工程V: N-{5-[5-({[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}スルホニル)-3-チエニル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド、トリフルオロ酢酸塩(23)
N-{5-[2-ブロモ-5-(2-ジメチルアミノ-エチルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(68mg;0.15mmol;1eq)を、無水THF(10ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(0.73ml;1.6 M;1.16mmol;8eq)を滴下する。-78℃で15分経過後、反応は完了する。これを水で急冷する。溶媒を蒸発させ、粗生成物を、分取HPLCにより精製し、化合物(23)のトリフルオロ酢酸塩を帯黄白色粉末(34mg;46%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.14 (s, 3H), 2.37 (s, 3H), 2.79 (s, 6H), 3.20 (s, 4H), 7.74 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 9.42 (s, 1H), 12.17 (s, 1H)。M-(ESI): 387.3;M+(ESI): 389.3。HPLC(方法A)、Rt:1.80分(純度:100%)。
【0240】
実施例24:N-[4-メチル-5-(5-{[(2-モルホリン-4-イルエチル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド, トリフルオロ酢酸塩(24)
【0241】
【化45】

【0242】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(2-モルホリン-4-イル-エチルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(586mg;1.41mmol;1eq)を、無水DCM(15ml)に溶解する。この反応液を、窒素下に据える。その後トリエチルアミン(1.96ml;14.1mmol;10eq)及び2-モルホリン-4-イル-エチルアミン(367mg;2.82mmol;2eq)を連続して添加し、反応混合物を室温で30分間攪拌する。溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物を分取HPLCにより精製し、標題化合物(100mg;14%)が得られる。
M-(ESI): 509.4;M+(ESI): 511.3。HPLC(方法A)、Rt:2.25分(純度:99.3%)。
【0243】
工程II:N-[4-メチル-5-(5-{[(2-モルホリン-4-イルエチル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド, トリフルオロ酢酸塩(24)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-{5-[2-ブロモ-5-(2-モルホリン-4-イル-エチルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(100mg;0.2mmol;1eq)を、無水THF(12ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(0.98ml;1.6M;1.57mmol;8eq)を滴下する。15分後、反応は完了し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、粗生成物を分取HPLCにより精製し、化合物(24)のトリフルオロ酢酸塩を帯黄白色固形物(44mg;40%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.14 (s, 1H), 2.37 (s, 3H), 3.94-3.12 (m, 12H), 7.74 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 9.72 (s, 1H), 12.17 (s, 1H)。M-(ESI): 429.3;M+(ESI): 431.3。HPLC(方法A)、Rt:1.86分(純度:98.47%)。
【0244】
実施例25:N-[4-メチル-5-(5-{[(2-ピペリジン-1-イルエチル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド, トリフルオロ酢酸塩(25)
【0245】
【化46】

【0246】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(2-ピペリジン-1-イル-エチルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル]-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(200mg;0.48mmol;1eq)を、無水DCM(10ml)に溶解する。反応混合物を、0℃に冷却し、窒素下に据える。トリエチルアミン(0.4ml;2.88mmol;6eq)及び2-ピペリジン-1-イル-エチルアミン(0.16ml;1.16mmol;2.4eq)を連続して添加し、反応混合物を0℃で2時間攪拌する。混合物を水、NaHCO3で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(170mg;68%)を得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.80 (s, 3H), 2 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.82 (m, J=21Hz, 4H), 3.38 (d, J=3Hz, 4H), 7.15 (d, J=6Hz, 1H), 7.45 (d, J=3Hz, 1H), 12.18 (s, 1H)。M-(ESI): 401.2;M+(ESI): 403.3。HPLC(方法A)、Rt:2.10分(純度:94.4%)。
【0247】
工程II:N-[4-メチル-5-(5-{[(2-ピペリジン-1-イルエチル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド, トリフルオロ酢酸塩(25)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-{5-[2-ブロモ-5-(2-ピペリジン-1-イル-エチルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(170mg;0.33mmol;1eq)を、無水THF(50ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(1.67ml;1.6 M;2.68mmol;8eq)を滴下する。30分後、反応は完了し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、得られた粗混合物を分取HPLCにより精製し、化合物(25)のトリフルオロ酢酸塩を帯黄白色固形物(10mg;5%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.64-1.77 (m, 6H), 2.14 (s, 3H), 2.38 (s, 3H), 2.88-2.92 (q, 2H), 3.17-3.25 (m, 4H), 3.42-3.46 (d, J=6Hz, 2H), 7.73 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 9.08 (s, 1H), 12.17 (s, 1H)。M-(ESI): 427.4;M+(ESI): 429.5。HPLC(方法A)、Rt:2.11分(純度:93.5%)。
【0248】
実施例26:N-{4-メチル-5-[5-(ピペラジン-1-イルスルホニル)-3-チエニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド, トリフルオロ酢酸塩(26)
【0249】
【化47】

【0250】
工程I:4-[4-(2-アセチルアミノ-4-メチル-チアゾール-5-イル)-5-ブロモ-チオフェン-2-スルホニル]-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(400mg;0.96mmol;1eq)を、無水DCM(20ml)に溶解する。溶液を、0℃に冷却し、窒素下に据える。トリエチルアミン(0.54ml;1.92mmol;4eq)及び1-Boc-ピペラジン(358.4mg;1.92mmol;2eq)を連続して添加し、反応混合物を0℃で1時間攪拌する。混合物を水、NaHCO3で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(440mg;76%)を得る。
M-(ESI): 565.3;M+(ESI): 567.2。HPLC(方法A)、Rt:4.16分(純度:93.91%)。
【0251】
工程II:N-{4-メチル-5-[5-(ピペラジン-1-イルスルホニル)-3-チエニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド、トリフルオロ酢酸塩(26)
先に説明された工程Iにおいて得られた4-[4-(2-アセチルアミノ-4-メチル-チアゾール-5-イル)-5-ブロモ-チオフェン-2-スルホニル]-ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(440mg;0.78mmol;1eq)を、無水THF(50ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(3.9ml;1.6M;6.22mmol;8eq)を滴下する。1時間後、反応は完了し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、粗生成物を分取HPLCにより精製する。TFAの存在下で画分を蒸発させ、Boc保護基の切断が観察される。単離された生成物をエーテル中に懸濁し、化合物(26)のトリフルオロ酢酸塩を帯黄白色固形物(25mg;6%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.15 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 3.11 (s, 8H), 7.85 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 12.20 (s, 1H)。M-(ESI): 385.3;M+(ESI): 387.3。HPLC(方法A)、Rt:1.98分(純度:100%)。
【0252】
実施例27:N-{5-[5-({[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}スルホニル)-3-チエニル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド(27)
【0253】
【化48】

【0254】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(3-ジメチルアミノ-プロピルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(200mg;0.48mmol;1eq)を、無水DCM(10ml)に溶解する。反応混合物を、0℃に冷却し、窒素下に据える。トリエチルアミン(0.33ml;2.41mmol;5eq)及びN,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(0.3ml;2.41mmol;5eq)を連続して添加し、反応混合物を0℃で1時間攪拌する。これを水、NaHCO3で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(200mg;86%)を得る。
M-(ESI): 481.3;M+(ESI): 483.3。HPLC(方法A)、Rt:2.30分(純度:100%)。
【0255】
工程II:N-{5-[5-({[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}スルホニル)-3-チエニル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド(27)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-{5-[2-ブロモ-5-(3-ジメチルアミノ-プロピルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(200mg;0.42mmol;1eq)を、無水THF(50ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(2.1ml;1.6 M;3.32mmol;8eq)を滴下する。2時間30分後、反応は完了し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、得られた混合物を分取HPLCにより精製し、化合物(27)を茶色油状物(120mg;68%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.13 (s, 3H), 2.37 (s, 3H), 2.72 (d, J=3Hz, 6H), 3.46-3.58 (m, 6H), 7.68 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 8.05-8.09 (t, J=6Hz, 1H), 9.90 (s, 1H), 12.16 (s, 1H)。M-(ESI): 401.3;M+(ESI): 403.3。HPLC(方法A)、Rt:1.88分(純度:94.3%)。
【0256】
実施例28:N-[4-メチル-5-(5-{[(l-メチルピペリジン-4-イル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド, 塩酸塩(28)
【0257】
【化49】

【0258】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(l-メチル-ピペリジン-4-イルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(200mg;0.48mmol;1eq)を、無水DCM(10ml)に溶解する。反応混合物を、0℃に冷却し、窒素下に据える。トリエチルアミン(0.27ml;1.92mmol;4eq)及び1-メチル-ピペリジン-4-イルアミン(0.11ml;0.96mmol;2eq)を連続して添加し、反応混合物を0℃で40分間攪拌する。これを水、NaHCO3で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(185mg;74%)を得る。
M-(ESI): 493.2;M+(ESI): 495.3。HPLC(方法A)、Rt:2.32分(純度:95.5%)。
【0259】
工程II:N-[4-メチル-5-(5-{[(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド, 塩酸塩(28)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-{5-[2-ブロモ-5-(1-メチル-ピペリジン-4-イルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(185mg;0.37mmol;1eq)を、無水THF(50ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(1.87ml;1.6M;3mmol;8eq)を滴下する。2時間30分後、反応は完了し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物を分取HPLCにより精製する。純粋な望ましい生成物を含有する画分を濃縮し、NaHCO3で中和し、EtOAcで抽出する。有機相をMgSO4上で乾燥し、蒸発させる。得られた生成物(59.7mg)を、MeOHに溶解し、及びMeOH中の1.25M HClの溶液(115μl)を添加する。溶媒の蒸発後、化合物(28)の塩酸塩を、ベージュ色固形物(65mg;37%)として単離する。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.75-1.80 (m, 5H), 2.15 (s, 3H), 2.38 (s, 3H), 2.61 (d, 3H), 2.90-3.40 (m, 4H), 7.70 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 8.35 (d, 1H), 12.25 (s, 1H)。M-(ESI): 413.3;M+(ESI): 415.4。HPLC(方法A)、Rt:1.89分(純度:95.5%)。
【0260】
実施例29:N-(4-メチル-5-{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(29)
【0261】
【化50】

【0262】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(4-メチル-ピペラジン-1-スルホニル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(4200mg;10.1mmol;1eq)を、無水DCM(200ml)に溶解する。反応液を、窒素下に据える。トリエチルアミン(7.0ml;50.5mmol;5eq)及び1-メチルピペラジン(5.61ml;50.5mmol;5eq)を連続して添加し、反応混合物を室温で3時間攪拌する。これを水、飽和NH4Cl、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(4200mg;87%)を得る。
M-(ESI): 479.3;M+(ESI): 481.3。HPLC(方法A)、Rt:2.38分(純度:91.3%)。
【0263】
工程II:N-(4-メチル-5-{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(29)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-{5-[2-ブロモ-5-(4-メチル-ピペラジン-1-スルホニル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(400mg;0.83mmol;1eq)を、無水THF(50ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(4.2ml;1.6M;6.67mmol;8eq)を滴下する。1時間後、反応は完了し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、粗生成物をEtOAcに溶解する。得られた有機相を、水(2回)、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、得られた生成物を、エーテル/DCM混合物中で沈殿し、化合物(29)を帯黄白色固形物(125mg;37%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.20 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 2.55 (s, 3H), 3.35 (s, 8H), 7.75 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 12.20 (s, 1H)。M-(ESI): 399.3;M+(ESI): 401.3。HPLC(方法A), Rt:1.99分(純度:98.8%)。
【0264】
実施例30:tert-ブチル[1-({4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-チエニル}スルホニル)ピペリジン-4-イル]メチルカルバメート(30)
【0265】
【化51】

【0266】
工程I:{1-[4-(2-アセチルアミノ-4-メチル-チアゾール-5-イル)-5-ブロモ-チオフェン-2-スルホニル]-ピペリジン-4-イル}-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(300mg;0.72mmol;1eq)を、無水DCM(20ml)に溶解する。反応混合物を、窒素下に据える。トリエチルアミン(0.5ml;3.61mmol;5eq)及びメチル-ピペリジン-4-イル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(773.2mg;3.61mmol;5eq)を連続して添加し、反応混合物を室温で30分間攪拌する。次にこれを水、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(470mg;定量的)を得る。
M-(ESI): 593.5;M+(ESI): 595.3。HPLC(方法A)、Rt:4.41分(純度:91%)。
【0267】
工程II:tert-ブチル[1-({4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-チエニル}スルホニル)ピペリジン-4-イル]メチルカルバメート(30)
先に説明された工程Iにおいて得られた{1-[4-(2-アセチルアミノ-4-メチル-チアゾール-5-イル)-5-ブロモ-チオフェン-2-スルホニル]-ピペリジン-4-イル}-メチル-カルバミン酸tert-ブチルエステル(470mg;0.79mmol;1eq)を、無水THF(20ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(5ml;1.6 M;7.92mmol;8eq)を滴下する。30分後、反応は完了し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、EtOAcを添加する。得られた溶液を、水(2回)、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗生成物を、エーテル中に、4℃で2時間懸濁する。その後濾過し、化合物(30)を茶色固形物(348mg;71%)として得る。
M-(ESI): 513.4;M+(ESI): 515.35。HPLC(方法A)、Rt:4分(純度:82.7%)。
【0268】
実施例31:N-(5-{5-[(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド、トリフルオロ酢酸塩(31)
【0269】
【化52】

【0270】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(3-ヒドロキシ-ピロリジン-1-スルホニル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(300mg;0.72mmol;1eq)を、無水DCM(20ml)に溶解する。この溶液を、窒素下に据える。トリエチルアミン(0.5ml;3.61mmol;5eq)及び3-ピロリジノール(0.3ml;3.61mmol;5eq)を連続して添加する。DMF(0.2ml)を添加し、反応混合物を室温で1時間攪拌する。これを水、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(310mg;83%)を得る。
M-(ESI): 466.1;M+(ESI): 468.1。HPLC(方法A)、Rt:2.91分(純度:91.8%)。
【0271】
工程II:N-(5-{5-[(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド、トリフルオロ酢酸塩(31)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-{5-[2-ブロモ-5-(3-ヒドロキシ-ピロリジン-1-スルホニル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(310mg;0.52mmol;1eq)を、無水THF(20ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(2ml;1.6 M;3.13mmol;8eq)を滴下する。5時間後、反応は完了し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物を、分取HPLCにより精製し、化合物(31)のトリフルオロ酢酸塩を茶色固形物(132mg;50%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.63-1.85 (m, 2H), 2.13 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 3.07-3.11 (d, J=12Hz, 1H), 3.28-3.36 (m, 4H), 4.20 (m, 4H), 7.71 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 12.14 (s, 1H)。M-(ESI): 386.2;M+(ESI): 388.2。HPLC(方法A)、Rt:2.50分(純度:99.4%)。
【0272】
実施例32:N-[5-(5-{[(3-ヒドロキシプロピル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(32)
【0273】
【化53】

【0274】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(3-ヒドロキシ-プロピルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(300mg;0.72mmol;1eq)を、無水DCM(20ml)に溶解する。この溶液を、窒素下に据える。トリエチルアミン(0.5ml;3.61mmol;5eq)及び3-アミノ-1-プロパノール(0.27ml;3.61mmol;5eq)を連続して添加し、反応混合物を室温で1時間攪拌する。これを水、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(230mg; 70%)を得る。
M-(ESI): 454.2;M+(ESI): 456.2。HPLC(方法A)、Rt:2.71分(純度:98.7%)。
【0275】
工程II:N-[5-(5-{[(3-ヒドロキシプロピル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(32)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-{5-[2-ブロモ-5-(3-ヒドロキシ-プロピルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(230mg;0.51mmol;1eq)を、無水THF(20ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(1.9ml;1.6 M;3.04mmol;8eq)を滴下する。4時間後、反応液を水で急冷する。溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物を、分取HPLCにより精製し、化合物(32)を帯黄白色粉末(80.2mg;32%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.49-1.60 (m, 2H), 2.36 (s, 3H), 2.48 (s, 3H), 2.89-2.95 (q, J=6Hz, 2H), 3.36-3.40 (t, J=6Hz, 2H), 7.63 (s, 1H), 7.79-7.83 (t, J=6Hz, 1H), 7.92 (s, 1H), 12.15 (s, 1H)。M-(ESI): 374.2;M+(ESI): 376.2。HPLC(方法A)、Rt:2.22分(純度:99.7%)。
【0276】
実施例33:N-[5-(5-{[(cis-4-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(33)
【0277】
【化54】

【0278】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(4-ヒドロキシ-シクロヘキシルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-1-イル}-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(300mg;0.72mmol;1eq)を、無水DCM(20ml)に溶解する。この溶液を、窒素下に据える。トリエチルアミン(0.7ml;5.05mmol;7eq)及びtrans-4-アミノシクロヘキサノール塩酸塩(547.1mg;3.61mmol;5eq)を連続して添加する。DMF(0.2ml)を添加し、アミンを溶解し、この反応混合物を、室温で一晩攪拌する。その後反応混合物を、水、飽和NH4Cl、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(120mg;21%)を得る。
M-(ESI): 493.04;M+(ESI): 495.03。HPLC(方法A)、Rt:2.98分(純度:62.8%)。
【0279】
工程II:N-[5-(5-{[(cis-4-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(33)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-{5-[2-ブロモ-5-(4-ヒドロキシ-シクロヘキシルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(120mg;0.24mmol;1eq)を、無水THF(10ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(1.5ml;1.6M;2.43mmol;8eq)を滴下する。反応液を一晩攪拌し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物を、分取HPLCにより精製し、化合物(33)を帯黄白色粉末(28mg;21%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.05-1.26 (m, 4H), 1.63-1.74 (m, 4H), 2.13 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 3.04 (m, 1H), 3.29 (m, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.88-7.90 (t, J=3Hz, 2H), 12.15 (s, 1H)。M-(ESI): 414.3;M+(ESI): 416.3。HPLC(方法A)、Rt:2.42分(純度:95%)。
【0280】
実施例34:N-(5-{5-[(4-メトキシピペリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(34)
【0281】
【化55】

【0282】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(4-メトキシ-ピペリジン-1-スルホニル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(300mg;0.72mmol;1eq)を、無水DCM(20ml)に溶解する。この反応液を、窒素下に据える。トリエチルアミン(0.5ml;3.61mmol;5eq)及び4-メトキシ-ピペリジン塩酸塩(314.3mg;3.61mmol;5eq)を連続して添加し、反応混合物を、室温で30分間攪拌する。その後これを、水、飽和NH4Cl、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(250mg;60%)を得る。
M-(ESI): 494.15;M+(ESI): 495.5。HPLC(方法A)、Rt:2.98分(純度:62.8%)。
【0283】
工程II:N-(5-{5-[(4-メトキシピペリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(34)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-{5-[2-ブロモ-5-(4-メトキシ-ピペリジン-1-スルホニル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(250mg;0.51mmol;1eq)を、無水THF(20ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(2ml;1.6M;4.04mmol;8eq)を滴下する。反応液を40分間攪拌し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物を、分取HPLCにより精製し、化合物(34)を帯黄白色粉末(127mg;47%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.52-1.62 (m, 2H), 1.82-1.89 (m, 2H), 2.13 (s, 3H), 2.37 (s, 3H), 2.90-2.94 (m, 2H), 3.13-3.17 (m, 2H), 3.17 (s, 3H), 3.26-3.29 (m, 1H), 7.68 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 12.15 (s, 1H)。M-(ESI): 414.3;M+(ESI): 416.3。HPLC(方法A)、Rt:3.21分(純度:99.17%)。
【0284】
実施例35:N-[4-メチル-5-(5-{[4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-イル]スルホニル}-3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド, トリフルオロ酢酸塩(35)
【0285】
【化56】

【0286】
tert-ブチル[1-({4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-チエニル}スルホニル)ピペリジン-4-イル]メチルカルバメート(30)(300mg;0.58mmol;1eq)を、無水DCM(25ml)に溶解する。トリフルオロ酢酸(2.2ml)を添加し、この反応液を一晩攪拌する。その後反応混合物を、水、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗生成物を、分取HPLCにより精製し、化合物(35)のトリフルオロ酢酸塩を黄色固形物(68mg;21%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.51-1.62 (m, 2H), 1.92-2.10 (m, 2H), 2.14 (s, 1H), 2.37 (s, 3H), 2.46-2.58 (m, 4H), 3.07-3.11 (m, 1H), 3.71-3.75 (m, 3H), 7.70 (s, 1H), 8.06 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 12.16 (s, 1H)。M-(ESI): 413.3;M+(ESI): 415.3。HPLC(方法A)、Rt:2.01分(純度:95%)。
【0287】
実施例36:N-[5-(5-{[[2-(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(36)
【0288】
【化57】

【0289】
工程I:N-(5-{2-ブロモ-5-[(2-ジメチルアミノ-エチル)-メチル-スルファモイル]-チオフェン-3-イル}-4-メチル-チアゾール-2-イル)-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(800mg;1.92mmol;1eq)を、無水DCM(50ml)に溶解する。この反応液を、窒素下に据える。トリエチルアミン(0.8ml;5.77mmol;3eq)及びN,N,N-トリメチレンジアミン(0.75ml;5.77mmol;3eq)を連続して添加し、反応混合物を、室温で30分間攪拌する。その後これを、水、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(730mg;76%)を得る。
M-(ESI): 481.2;M+(ESI): 483.2。HPLC(方法A)、Rt:2.40分(純度:96.88%)。
【0290】
工程II:N-[5-(5-{[[2-(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(36)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-(5-{2-ブロモ-5-[(2-ジメチルアミノ-エチル)-メチル-スルファモイル]-チオフェン-3-イル}-4-メチル-チアゾール-2-イル)-アセトアミド(750mg;1.56mmol;1eq)を、無水THF(60ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(6.2ml;1.6M;12.5mmol;8eq)を滴下する。反応液を1時間攪拌し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、得られた残渣をEtOAcに溶解し、水(2回)、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、得られた生成物を、エーテル-DCMの混合液に懸濁し、濾過し、化合物(36)を茶色固形物(582mg;87%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.14 (s, 3H), 2 (s, 3H), 2.38 (s, 3H), 2.79 (s, 3H), 2.84 (s, 13H), 7.82 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 9.41 (s, 1H), 12.16 (s, 1H)。M-(ESI): 401.3;M+(ESI): 403.3。HPLC(方法A)、Rt:1.98分(純度:93.6%)。
【0291】
実施例37:N-[5-(5-{[(1S,5S,7S)-7-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(37)
【0292】
【化58】

【0293】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(7-ヒドロキシメチル-6,8-ジオキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-スルホニル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(400mg;0.96mmol;1eq)を、無水DCM(40ml)に溶解する。この反応液を、窒素下に据える。トリエチルアミン(0.67ml;4.81mmol;3eq)及び(6,8-ジオキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチ-7-イル)-メタノール(349.2mg;2.41mmol;2.5eq)を連続して添加し、反応混合物を、室温で一晩攪拌する。その後これを、水、飽和NH4Cl、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(450mg;77%)を得る。
M-(ESI): 524.2;M+(ESI): 526.2。HPLC(方法A)、Rt:2.94分(純度:86.8%)。
【0294】
工程II:N-[5-(5-{[(1S,5S,7S)-7-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクチ-3-イル]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(37)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-{5-[2-ブロモ-5-(7-ヒドロキシメチル-6,8-ジオキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-スルホニル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(450mg;0.86mmol;1eq)を、無水THF(45ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(3.4ml;1.6M;6.86mmol;8eq)を滴下する。反応液を1時間攪拌し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物を分取HPLCにより精製し、化合物(37)を帯黄白色固形物(74.1mg;15%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.13 (s, 3H), 2.37 (s, 3H), 2.62 (d, J=9Hz, 1H), 2.90 (d, J=12Hz, 1H), 3.17 (dd, J=9Hz, 1H), 3.31 (t, 1H), 3.35 (d, 1H), 3.46 (d, 1H), 4.06 (t, J=6Hz, 1H), 4.45 (s, 1H), 5.57 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 8.05 (s,1H), 12.17 (s, 1H)。M-(ESI): 444.3;M+(ESI): 446.3。HPLC(方法A)、Rt:2.47分(純度:97.7%)。
【0295】
実施例38:N-[5-(5-{[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(38)
【0296】
【化59】

【0297】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(2-ヒドロキシ-エチルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(1900mg;4.57mmol;1eq)を、無水DCM(180ml)に溶解する。この反応液を、窒素下に据える。トリエチルアミン(3.2ml;22.9mmol;5eq)及びエタノールアミン(1.1ml;18.3mmol;4eq)を連続して添加し、反応混合物を、室温で一晩攪拌する。その後これを、水、飽和NH4Cl、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(1760mg;88%)を得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.80 (s, 3H), 2 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.82 (m, J=21Hz, 4H), 3.38 (d, J=3Hz, 4H), 7.15 (d, J=6Hz, 1H), 7.45 (d, J=3Hz, 1H), 12.18 (s, 1H)。M-(ESI): 440.1;M+(ESI): 442.1。HPLC(方法A)、Rt:2.61分(純度:89.7%)。
【0298】
工程II:N-{5-[5-(2-ヒドロキシ-エチルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(38)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-{5-[2-ブロモ-5-(2-ヒドロキシ-エチルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(1760mg;4mmol;1eq)を、無水THF(100ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(48ml;1.6M;95.9mmol;24eq)を滴下する。反応液を-70℃で2時間攪拌し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、得られた残渣を分取HPLCにより精製し、化合物(38)を白色固形物(135mg;9%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.13 (s, 3H), 2.37 (s, 3H), 2.88-2.94 (q, J=6Hz, 2H), 3.39- 3.43 (t, J=6Hz, 2H), 7.67 (s, 1H), 7.89-7.93 (t, J=3Hz, 2H), 12.16 (s, 1H)。M-(ESI): 360.1;M+(ESI): 362.2。HPLC(方法A)、Rt:2.06分(純度:99.7%)。
【0299】
実施例39:N-(5-{5-[(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(39)
【0300】
【化60】

【0301】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-スルホニル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(3000mg;7.22mmol;1eq)を、無水DCM(400ml)に溶解する。この反応液を、窒素下に据える。トリエチルアミン(5.0ml;36.1mmol;5eq)及び4-ヒドロキシピペリジン(3649.4mg;36.1mmol;5eq)を連続して添加し、反応混合物を、室温で6時間攪拌する。その後これを、水、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(3500mg;88%)を得る。
M-(ESI): 480.2;M+(ESI): 482.1。HPLC(方法A)、Rt:3.09分(純度:86.8%)。
【0302】
工程II:N-(5-{5-[(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(39)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-{5-[2-ブロモ-5-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-スルホニル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(3500mg;6.27mmol;1eq)を、無水THF(150ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(18.8ml;1.6M;37.6mmol;6eq)を滴下する。反応液を週末の間攪拌し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物を、EtOAcに溶解し、水(2回)、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、得られた生成物をACN中に懸濁し、濾過し、化合物(39)をベージュ色固形物(830mg;32%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.46 (m, 2H), 1.75 (m, 2H), 2.13 (s, 3H), 2.37 (s, 3H), 2.85 (m, 2H), 3.20 (m, 2H), 3.59 (m, 1H), 4.72 (d, J=3Hz, 1H), 7.95 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 12.16 (s, 1H)。M-(ESI): 400.2;M+(ESI): 402.2。HPLC(方法A)、Rt:2.63分(純度:97.3%)。
【0303】
実施例40:N-[5-(5-{[(2,3-ジヒドロキシプロピル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(40)
【0304】
【化61】

【0305】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(2,3-ジヒドロキシ-プロピルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(500mg;1.2mmol;1eq)を、無水DCM(30ml)に溶解する。この反応液を、窒素下に据える。トリエチルアミン(0.34ml;2.41mmol;2eq)及び2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-メタンアミン(0.31ml;2.41mmol;2eq)を連続して添加し、反応混合物を、室温で一晩攪拌する。その後これを、水、飽和NH4Cl、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(3650mg;94%)を得る。
M-(ESI): 509.57;M+(ESI):511.2。HPLC(方法A)、Rt:3.36分(純度:89.2%)。
【0306】
工程II:N-[5-(5-{[(2,3-ジヒドロキシプロピル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(40)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-{5-[2-ブロモ-5-(2,3-ジヒドロキシ-プロピルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(790mg;1.38mmol;1eq)を、無水THF(50ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(6.9ml;1.6 M;11.0mmol;8eq)を滴下する。反応液を2時間攪拌し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物を、分取HPLCにより精製し、化合物(40)を明ピンク色固形物(224mg;42%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.13 (s, 3H), 2.37 (s, 3H), 2.69-2.77 (m, 1H), 3.24-3.33 (m, 2H), 3.46-3.53 (m, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.79-7.83 (t, J=6Hz, 1H), 7.92 (s, 1H), 12.17 (s, 1H)。M-(ESI): 390.2;M+(ESI): 392.2。HPLC(方法A)、Rt:1.94分(純度:100%)。
【0307】
実施例41:N-(4-メチル-5-{5-[(1H-テトラゾール-5-イルアミノ)スルホニル]-3-チエニル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(41)
【0308】
【化62】

【0309】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(1H-テトラゾール-5-イルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(500mg;1.2mmol;1eq)を、無水DCM(30ml)に溶解する。この反応液を、窒素下に据える。トリエチルアミン(0.34ml;2.41mmol;2eq)及び5-アミノ-1H-テトラゾール(204.6mg;2.41mmol;2eq)を連続して添加し、反応混合物を、室温で一晩攪拌する。その後これを、水、飽和NH4Cl、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(550mg;64%)を得る。
M-(ESI): 401.2;M+(ESI): 403.3。HPLC(方法A)、Rt:3.10分(純度:65.4%)。
【0310】
工程II:N-(4-メチル-5-{5-[(1H-テトラゾール-5-イルアミノ)スルホニル]-3-チエニル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(41)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-{5-[2-ブロモ-5-(1H-テトラゾール-5-イルスルファモイル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(220mg;0.37mmol;1eq)を、無水THF(20ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(1.9ml;1.6M;2.99mmol;8eq)を滴下する。反応液を2時間攪拌し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物を、分取HPLCにより精製し、化合物(41)をベージュ色固形物(8.5mg;6%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.13 (s, 1H), 2.35 (s, 3H), 7.39 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 12.13 (s, 1H)。HPLC(方法A)、Rt:1.87分(純度:93.8%)。
【0311】
実施例42:N-{4-メチル-5-[5-(ピロリジン-1-イルスルホニル)-3-チエニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド(42)
【0312】
【化63】

【0313】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(2,5-ジヒドロ-ピロール-1-スルホニル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(500mg;1.2mmol;1eq)を、無水DCM(30ml)に溶解する。この反応液を、窒素下に据える。トリエチルアミン(0.34ml;2.41mmol;2eq)及び3-ピロリン(166.2mg;2.41mmol;2eq)を連続して添加し、反応混合物を、室温で一晩攪拌する。その後これを、水、飽和NH4Cl、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、標題化合物(600mg;99%)を得る。
M-(ESI): 447.07;M+(ESI): 449.2。HPLC(方法A)、Rt:3.63分(純度:88.7%)。
【0314】
工程II:N-{4-メチル-5-[5-(ピロリジン-1-イルスルホニル)-3-チエニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド(42)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-{5-[2-ブロモ-5-(2,5-ジヒドロ-ピロール-1-スルホニル)-チオフェン-3-イル]-4-メチル-チアゾール-2-イル}-アセトアミド(612mg;1.21mmol;1eq)を、無水THF(50ml)に溶解する。反応混合物を、-70℃に冷却し、窒素下に据える。n-ブチルリチウム(15.5ml;1.6M;9.69mmol;8eq)を滴下する。反応液を2時間攪拌し、水で急冷する。溶媒を蒸発させ、粗生成物を、分取HPLCにより精製し、化合物(42)を帯黄白色固形物(36mg;8%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.77-1.82 (m, 4H), 2.23 (s, 3H), 2.46 (s, 3H), 3.30-3.34 (t, J=6Hz, 4H), 7.84 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 12.26 (s, 1H)。M-(ESI): 370.1;M+(ESI): 372.1。HPLC(方法A)、Rt:3.24分(純度:100%)。
【0315】
実施例43:4-メチル-5-{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-1,3-チアゾール-2-アミン(43)
【0316】
【化64】

【0317】
N-(4-メチル-5-{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(34)(978.5mg;2.44mmol;1eq)を、EtOH中の1.25M塩酸(39.09ml;1.25M;48.9mmol;20eq)に溶解する。この混合物を、90℃で一晩攪拌する。これを室温に冷却し、濾過し、化合物(43)を白色固形物(1 084.3mg;91%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.29 (s, 3H), 2.73 (s, 3H), 2.89 (m, 2H), 3.16 (m, 2H), 3.46 (m, 2H), 3.78 (m, 2H), 7.80 (d, J=1.5Hz, 1H), 8.18 (d, J=1.5Hz, 1H), 9.21 (br s, 1H), 11.24 (br s, 1H)。HPLC(方法A), Rt:1.11分(純度:88.3%)。M-(ESI): 357.17;M+(ESI): 359.19。
【0318】
実施例44:メチル 5-[(4-メチル-5-{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-1,3-チアゾール-2-イル)アミノ]-5-オキソペンタノエート
【0319】
【化65】

【0320】
無水THF(5ml)を溶媒とする4-メチル-5-{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-1,3-チアゾール-2-アミン(43)(53mg;0.12mmol;1eq)の脱気した溶液へ、N-[(1H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)(ジメチルアミノ)メチレン]-N-メチルメタナミニウムテトラフルオロボレート(59.2mg;0.18mmol;1.50eq)、グルタル酸モノメチル(38.5μl;0.31mmol;2.50eq)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(647μl;0.76M;0.49mmol;4eq)を添加する。この反応混合物を、室温で3日間攪拌する。溶媒を蒸発させ、得られた粗混合物を、EtOAcに溶解する。これを、飽和NH4Cl溶液、水、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CH3Cl/MeOH、40分かけた1/0〜1/1勾配)にかけ、化合物(44)を帯黄白色固形物(21.9mg;37%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.06 (quint., J=6Hz, 2H), 2.29 (m, 3H), 2.39 (s, 3H), 2.44 (t, J=6Hz, 2H), 2.53 (m, 6H), 3.13 (m, 4H), 3.68 (s, 3H), 7.49 (d, J=1.5Hz, 1H), 7.57 (d, J=1.5Hz, 1H), 9 (br s, 1H)。HPLC(方法A), Rt:2.33分(純度:96.0%)。M-(ESI): 485.48;M+(ESI): 487.38。
【0321】
実施例45:1-{[4-(2-アミノ-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル)-2-チエニル]スルホニル}ピペリジン-4-オール塩酸塩(45)
【0322】
【化66】

【0323】
N-(5-{5-[(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(39)(400mg;1mmol;1eq)に、EtOHを溶媒とする1.25M塩酸(16ml;1.25M;19.9mmol;20eq)を添加し、この混合物を、90℃で8時間30分加熱する。反応混合物を室温に冷却し、沈殿が形成される。これを濾過し、冷EtOHで洗浄し、化合物の塩酸塩(45)を明黄色粉末(328.3mg;83%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.47 (m, 2H), 1.76 (m, 2H), 2.27 (s, 3H), 2.85 (m, 2H), 3.18 (m, 2H), 3.59 (m, 1H), 7.67 (d, J=1.5Hz, 1H), 8.07 (s, 1H), 8.96 (br s, 2H)。HPLC(方法A)、Rt:1.99分(純度:98.3%)。M-(ESI): 358.10;M+(ESI): 360.10。
【0324】
実施例46:N-{4-メチル-5-[5-(モルホリン-4-イルスルホニル)-3-チエニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド(46)
【0325】
【化67】

【0326】
工程I:N-{5-[2-ブロモ-5-(モルホリン-4-イルスルホニル)-3-チエニル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(136mg;0.33mmol;1eq)を、DCM(10ml)に溶解する。モルホリン(0.25ml;1.65mmol;5eq)及びDIEA(0.17ml;0.98mmol;3eq)を、窒素雰囲気下で添加する。3時間後、溶媒を蒸発させる。粗生成物を、DCMに溶解し、飽和NH4Cl溶液、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗物質を、溶離液としてシクロヘキサン/EtOAc(1/1)を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、予想された化合物を油状物(118mg;77%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.32 (s, 6H), 3.16 (m, 4H), 3.86 (m, 4H), 7.43 (s, 1H), 10.75 (m, 1H)。M-(ESI): 466.1;M+(ESI): 468.1。HPLC(方法A)、Rt:3.39分(純度:96%)。
【0327】
工程II:N-{4-メチル-5-[5-(モルホリン-4-イルスルホニル)-3-チエニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド(46)
N-{5-[2-ブロモ-5-(モルホリン-4-イルスルホニル)-3-チエニル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド(54mg;0.12mmol;1eq)を、無水THF(5ml)に-70℃で不活性雰囲気下で溶解する。n-ブチルリチウム(0.16ml;1.6M;0.26mmol;2.20eq)をゆっくり添加し、反応液を-70℃で25分間攪拌し、その後水(0.3ml)で加水分解する。粗物質を、室温に温め、その後乾固するまで濃縮する。次に残渣を、水(2ml)及びEtOAc(10ml)に溶解する。有機相を廃棄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、蒸発させる。粗物質を、シリカゲル上の、溶離液としてシクロヘキサン/EtOAc(10/90)を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、予想された化合物(46)を油状物(30mg;67%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.29 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 3.14 (m, 4H), 3.81 (m, 4H), 7.56 (d, J=1.5Hz, 1H), 7.62 (d, J=1.5Hz, 1H)。M-(ESI): 386.2;M+(ESI): 388.2。HPLC(方法A), Rt:3.05分(純度:94.4%)。
【0328】
実施例47:N-(5-{2-クロロ-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(47)
【0329】
【化68】

【0330】
工程I:N-[5-(2-クロロ-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製したN-[4-メチル-5-(3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(600mg;2.52mmol;1eq)を、100μlのHClO4の存在下、ACN(20ml)に室温で溶解する。ACN(2ml)中のN-クロロスクシンイミド(369.8mg;2.77mmol;1.10eq)の溶液を、室温で1時間かけてゆっくり添加する。反応混合物を、室温で一晩攪拌した後、水(1ml)で急冷する。その後、これを真空下で濃縮し、予想された化合物を、EtOAcで抽出し、飽和NH4Cl溶液、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、ACN(5ml)を添加し、沈殿させた後、標題化合物を固形物(600mg;95%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.40 (m, 6H), 7.10 (m, 1H), 7.38 (m, 1H)。M-(ESI): 271.1;M+(ESI): 273.1。HPLC(方法A)、Rt:3.56分(純度:91.4%)。
【0331】
工程II:N-(5-{2-クロロ-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(47)
工程Iにおいて調製されたN-[5-(2-クロロ-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド(105mg;0.38mmol;1eq)を、実施例23の工程IIIにおいて使用された手順に従いスルホニル化する。その後これを引き続き、実施例23の工程IIIにおいて先に説明されたように、N-メチルピペラジン(0.3ml;3.8mmol;10eq)と反応させた。この反応の完了時に、溶媒を蒸発させる。粗生成物を、DCMに溶解し、飽和NH4Cl溶液、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、予想された化合物を、DCM/Et2O(1/1)の混合液を用い沈殿させ、化合物(47)を白色固形物(65mg;35%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.16 (s, 3H), 2.25 (s, 3H), 2.78 (s, 3H), 2.97 (m, 2H), 3.01 (m, 2H), 3.18 (m, 2H), 3.48 (m, 2H), 7.83 (s, 1H), 10.93 (m, 1H)。M-(ESI): 433.3;M+(ESI): 435.3。HPLC(方法A)、Rt:2.55分(純度:99%)。
【0332】
実施例48:N-(5-{5-[(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(48)
【0333】
【化69】

【0334】
工程I:N-(5-{2-ブロモ-5-[(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(136mg;0.33mmol;1eq)を、DCM(10ml)に溶解する。3-ヒドロキシピペリジン(0.20ml;1.65mmol;5eq)及びDIEA(0.17ml;0.98mmol;3eq)を、窒素雰囲気下で添加する。2時間反応させた後、溶媒を蒸発させる。粗生成物を、DCMに溶解し、飽和NH4Cl溶液、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗物質を、逆相分取HPLCにより精製し、N-(5-{2-ブロモ-5-[(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミドを油状物(31mg;20%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.53 (m, 2H), 1.90 (m, 2H), 2.21 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 2.99 (m, 2H), 3.28 (m, 2H), 3.83 (m, 1H), 7.15 (s, 1H)。M-(ESI): 480.2;M+(ESI): 482.3。HPLC(方法A), Rt:3.15分(純度:97.2%)。
【0335】
工程II:N-(5-{5-[(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(48)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-(5-{2-ブロモ-5-[(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(54mg;0.112mmol;1eq)を、無水THF(5ml)に-70℃で不活性雰囲気下で溶解する。n-ブチルリチウム(0.15ml;1.6M;0.24mmol;2.20eq)をゆっくり添加し、反応液を-70℃で1時間攪拌し、その後水(0.3ml)で加水分解する。反応液を、室温に温め、その後乾固するまで濃縮する。残渣を、水(2ml)及びEtOAc(10ml)に溶解する。有機相を廃棄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、蒸発させる。標題化合物を、逆相分取HPLCにより精製し、予想された化合物(48)を白色固形物(20mg;43%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 1.48 (m, 1H), 1.71 (m, 1H), 1.89 (m, 2H), 2.48 (s, 3H), 2.51 (s, 3H), 2.82 (m, 1H), 3.93 (m, 1H), 3.29 (m, 1H), 3.45 (m, 1H), 7.50 (d, J=1.5Hz, 1H), 7.61 (d, J=1.5Hz, 1H)。M-(ESI): 400.2;M+(ESI): 402.2。HPLC(方法A), Rt:2.78分(純度:99.7%)。
【0336】
実施例49:N-(5-{5-[(アリルアミノ)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(49)
【0337】
【化70】

【0338】
工程I:N-(5-{5-[(アリルアミノ)スルホニル]-2-ブロモ-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド
実施例23の工程IIIのように調製した4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(100mg;0.229mmol;1eq)を、DCM(10ml)に溶解する。アリルアミン(0.15ml;1.14mmol;5eq)及びDIEA(0.17ml;0.70mmol;3eq)を、窒素雰囲気下で添加する。2時間反応させた後、溶媒を蒸発させる。粗生成物を、DCMに溶解し、飽和NH4Cl溶液、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥する。溶媒の蒸発後、粗物質を、逆相分取HPLCにより精製し、N-(5-{5-[(アリルアミノ)スルホニル]-2-ブロモ-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミドを白色固形物(35mg;35%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.15 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 3.51 (t, J=6Hz, 2H), 4.85 (dd, J=12Hz and 3Hz, 1H), 4.97 (dd, J=15Hz and 3Hz), 5.51 (dd, J=15Hz and 12Hz), 7.55 (s, 1H), 8.25 (m, 1H), 12.22 (m, 1H)。M-(ESI): 436.2;M+(ESI): 438.2。HPLC(方法A), Rt:3.36分(純度:99.9%)。
【0339】
工程II:N-(5-{5-[(アリルアミノ)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(49)
先に説明された工程Iにおいて得られたN-(5-{5-[(アリルアミノ)スルホニル]-2-ブロモ-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド(35mg;0.08mmol;1eq)を、無水THF(5ml)に-70℃で不活性雰囲気下で溶解する。n-ブチルリチウム(0.18ml;1M;0.18mmol;2.20eq)をゆっくり添加し、反応液を-70℃で1時間攪拌し、その後水(0.3ml)で加水分解する。反応液を、室温に温め、その後乾固するまで濃縮する。残渣を、水(2ml)及びEtOAc(10ml)に溶解する。有機相を廃棄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、蒸発させる。標題化合物を、逆相分取HPLCにより精製し、化合物(49)を白色粉末(3mg;10%)として得る。
1H NMR (DMSO-d6、300 MHz) δ 2.36 (s, 3H), 2.47 (s, 3H), 3.76 (m, 2H), 4.72 (t, J=6Hz, 1H), 5.18 (dd, J=12Hz and 1Hz, 1H), 5.25 (dd, J=15Hz and 1Hz), 5.81 (dd, J=15Hz and 12Hz), 7.37 (d, J=1.5Hz, 1H), 7.56 (d, J=1.5Hz, 1H)。M-(ESI): 356.2;M+(ESI): 358.2。HPLC(方法A)、Rt:3.02分(純度:98.5%)。
【0340】
実施例50:生物学的アッセイ
本発明の化合物は、下記のアッセイにかけてもよい:
a)ハイスループットPI3K脂質キナーゼアッセイ(結合アッセイ):
PI3K誘導した-脂質リン酸化の阻害における本発明の化合物の有効性を、下記の結合アッセイにおいて試験することができる。このアッセイは、ネオマイシン(ポリカチオン性抗生物質)の高い親和性及び特異性でリン脂質と結合する能力と、シンチレーション近接アッセイ技術(SPA、Amersham)を組合せている。シンチレーション近接アッセイは、弱く放出する同位体(3H、125I、33Pなど)の特性を基にしている。ネオマイシンによるコートされたSPAビーズは、同じウェルでの組換えPI3K及び放射性ATPとのインキュベーション後に、ネオマイシンへのそれらの特異的結合を介したSPAビーズへの放射性リン脂質の捕獲による、リン酸化された脂質基質の検出を可能にする。
【0341】
式(I)の被験化合物5μlを含有する384ウェルMTP(6%DMSO中に可溶化された;被験化合物濃度100、30、10、3、1,0.3、0.1、0.03、0.01、01μMを得るように)に、以下のアッセイ成分を添加する。1)ヒト組換えGST-PI3Kγ(Hepes 40mM、pH7.4、DTT 1mM及びエチレングリコール5%中)5μl(58ng)、2)脂質ミセル10μl、及び3)キナーゼ緩衝液([33P]γ-ATP 45μM/60nCi、MgCl23OmM、DTT 1mM、β-グリセロリン酸1mM、Na3VO4 100μM、Na Cholate 0.3%、Hepes 40mM中、pH7.4)10μl。室温で180分間穏やかに攪拌しながらインキュベーションした後、ATP 10mM及びEDTA 5mM含有するPBS中のネオマイシン-コートされたPVT SPAビーズ100μgを含有する溶液60μlを添加することにより、反応を停止する。このアッセイ液を更に、室温で60分間穏やかに攪拌しながらインキュベーションし、リン脂質をネオマイシン-SPAビーズへ結合させた。ネオマイシン-コートされたPVT SPAビーズを1500xgで5分間沈殿させた後、放射性PtdIns(3)Pを、Wallac MicroBeta(登録商標)プレートカウンターにおいて、シンチレーションカウンティングにより定量する。
【0342】
下記表IIに示された値は、PI3Kγに関するIC5O(μM)、すなわち、該標的の50%阻害を実現するために必要な量を意味する。該値は、PI3Kγに関するチアゾール化合物のかなりの阻害効能を示す。
【0343】
本発明の化合物の阻害活性の例を下記表IIに示す。
【0344】
表II:PI3Kγに対するチアゾール誘導体のIC50
【表4】

【0345】
b)PI3K阻害をモニタリングするための細胞ベースのELISA:
PI3Kが誘導したAkt/PKBリン酸化の阻害における本発明の化合物の有効性を、下記の細胞ベースのアッセイにおいて試験することができる。
【0346】
補体5aによる刺激後のマクロファージにおけるAkt/PKBリン酸化の測定:Raw 264:Raw 264-7マクロファージ(10%ウシ胎仔血清及び抗生物質を含有するDMEM-F12培地において培養)を、細胞刺激前24時間96MTPのウェルに、20O00個細胞/ウェルで播種した。50nMの補体5aで5分間刺激する前に、細胞を、2時間血清枯渇状態とし、阻害剤で20分間予備処理した。刺激後、細胞を、4%ホルムアルデヒドで20分間固定し、1%Triton X-100を含有するPBS(PBS/Triton)で3回洗浄した。内因性ペルオキシダーゼを、PBS/Tritonを溶媒とする0.6%H2O2及び0.1%アジ化ナトリウム中で20分間インキュベーションすることによりブロックし、PBS/Tritonで3回洗浄した。その後細胞を、PBS/Tritonを溶媒とする10%ウシ胎仔血清と共に60分間インキュベーションすることによりブロックした。次に、リン酸化されたAkt/PKBを、5%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有するPBS/Triton中に800-倍希釈した一次抗体(抗-ホスホセリン473 Akt IHC、Cell Signaling)と、4℃で一晩インキュベーションすることにより検出した。PBS/Tritonで3回洗浄した後、細胞を、ペルオキシダーゼ複合したヤギ-抗-ウサギ二次抗体(5%BSA含有するPBS/Triton中に1/400希釈)と共に60分間インキュベーションし、PBS/Tritonで3回、PBSで2回洗浄し、更にルミネセント基質試薬溶液(Pierce)100μlと2分間インキュベーションし、引き続き測定した(1秒/ウェル)。
【0347】
下記表IIIに示された値は、基礎レベルと比較したAKTリン酸化の阻害率を反映している。該値は、チアゾール化合物のマクロファージにおけるAKTリン酸化の活性化に対する明らかな作用を示している。
【0348】
本発明の化合物の阻害活性の例を、下記表IIIに示す。
【0349】
表III:細胞アッセイにおけるチアゾール誘導体のIC50
【表5】

【0350】
実験プロトコール:
8〜10週齢の雌のC3Hマウスを、18時間絶食させた。チオグリコレート(1.5%、40ml/kg)の腹腔注射前15分前に、マウスを、式(I)のチアゾールで経口的に処置した。対照マウスは、CMC/Tweenをビヒクル(10ml/kg)として受け取った。マウスをその後、CO2吸入により屠殺し、腹腔を氷-冷したPBS/1mM EDTAの5mlで2回洗浄した。洗浄液を、チオグリコレートチャレンジ後の4時間又は48時間に得、各々、好中球又はマクロファージ動員を評価した。白血球細胞(好中球、リンパ球、又はマクロファージ)を、Beckman Coulter(登録商標)AcT 5diff(登録商標)で計測した。デキサメタゾンを、参照薬として使用した。
【0351】
本発明の化合物の阻害活性の例を、下記表IV及び表Vに示す。
【0352】
【表6】

【0353】
【表7】

【0354】
実施例52:マウス関節炎のK/BxN血清輸送モデル
実験プロトコール:
マウス:Balb/c (Charles River)(8週齢)は、グルコース-6-リン酸イソメラーゼに対する自己抗体を高レベルで含む、K/BxN血清150μlを静脈内経路により受け取った。これらは、腫脹、紅斑、浮腫、関節硬直及び強直の存在を評価する臨床スコア(0-12)で評価される重度の関節炎を誘起した。化合物39を、10ml/kgのCMC/Tween中の懸濁剤として、3日目から出発し、図1に示した投与量で、1日2回経口投与した。結果は、全実験期間にわたる曲線下面積(AUC)の平均値として表し、これらの値は、最初の時点(1日目)と比較した変動として計算した。
【0355】
最終スコアは、個々の足に関するスコアの合計であった。足首、前足及び後足の腫脹は、キャリパーを使用し測定した。臨床スコア及び腫脹は、毎日決定した。実験終了時に、X線撮影及び組織検査のために、足を切断し、ホルマリンで固定した。
【0356】
実施例53:コラーゲン-誘導した関節炎、CIA(マウス)
実験プロトコール:
Japanese Charles Riverコロニー由来の雄のDBA/1マウス(広く受け入れられた実験モデル、選択された系統は、CIAに易罹患性であることが文書に記されている)を、結核菌0.4mgを含有する完全フロイントアジュバント(CFA、Difco、デトロイト、米国)中のウシII型コラーゲン(Morwell Diagnostics、チューリッヒ、スイス)100μgで構成された乳剤0.2mlを、尾付け根に皮下注射することにより、0日目に免疫処置した。この手順は、ほぼ18-20日目に始まる、1本又は複数の足を冒す炎症徴候の出現を生じた。19日目から開始し、動物は、疾患重症度について、炎症を呈する指のスコア(合計最大2)及び足肥厚スコア(各足最大3)の数値で構成された臨床スコアにより、個別に等級化した。更に第一の関節炎足の足腫脹(臨床的に動員されたものはほとんど関連したものである)は、毎日測定し、疾患進行の指標とみなした。化合物又はビヒクルによる治療を、総臨床スコア>1.5(治癒的治療)で各動物について開始し、7連続日(1治療群につき8〜10匹の動物)行った。組織学的分析用の試料を、7日目の治療期間の最後に採取した。全ての動物を、最終治療の2時間後に屠殺した。化合物39を、10ml/kg CMC/Tween中の懸濁剤として、図2に示した投与量で、1日2回経口投与した。結果は、全実験期間にわたる曲線下面積(AUC)の平均値として表し、これらの値は、最初の時点(1日目)と比較した変動として計算した。
【0357】
下記表VIは、化合物39のコラーゲン誘導した関節炎の臨床スコアの低下を示す。
【0358】
【表8】

【0359】
実施例54:医薬製剤の調製
製剤1-錠剤
式(I)の化合物を、乾燥散剤として、乾燥ゼラチン結合剤と、質量比約1:2で混合した。少量のステアリン酸マグネシウムを、滑沢剤として添加する。この混合物を、打錠機において、240〜270mg錠剤(1錠中活性チアゾール化合物80〜90mg)に成形する。
【0360】
製剤2-カプセル剤
式(I)の化合物を、乾燥散剤として、デンプン希釈剤と、質量比約1:1で混合した。この混合物を、250mgカプセル(1カプセル中活性チアゾール化合物125mg)に充填する。
【0361】
製剤3-液剤
式(I)の化合物(1250mg)、ショ糖(1.75g)及びキサンタンガム(4mg)を配合し、米国局方篩No.10を通過させ、その後予め水中に調製した微晶質セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム(11:89、50mg)の溶液と混合する。安息香酸ナトリウム(10mg)、香料、及び着色剤を、水に希釈し、攪拌しながら添加する。その後十分な水を添加し、総容積5mlを生じる。
【0362】
製剤4-錠剤
式(I)の化合物を、乾燥散剤として、乾燥ゼラチン結合剤と、質量比約1:2で混合した。少量のステアリン酸マグネシウムを、滑沢剤として添加する。この混合物を、打錠機において、450-900mg錠剤(1錠中活性チアゾール化合物150〜300mg)に成形する。
【0363】
製剤5-注射剤
式(I)の化合物を、約5mg/mlの濃度で、緩衝された滅菌生理食塩水の注射用媒体に溶解する。
【図面の簡単な説明】
【0364】
【図1】化合物39による処置後の関節炎のK/BXN血清転位モデル。
【図2】化合物39による処置後のコラーゲン誘導型の関節炎(マウス)は、臨床スコアの変動を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のチアゾール誘導体:
【化1】

[式中:
R1は、H又はアシル、任意に置換されたアシルであり;
R2は、C1-C6-アルキル、任意に置換されたC1-C6-アルキルであり;
R3は、T1及びT2として規定された、下記チエニル基:
【化2】

から選択され、
ここで、
R4は、スルホニル基SO2-R(式中、Rは、アリール、ヘテロアリール、C1-C6-アルキル(例えばメチルスルホニル)、ハロゲン置換されたC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル;任意に置換されたアリール、ヘテロアリール、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキルから選択される);
アミノスルホニル基SO2-NRR'(式中、R、R'は独立して水素、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル;任意に置換されたC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキルから選択され、並びにここでR及びR'はそれらが結合した窒素原子と一緒に、任意に3-8-員のヘテロシクロアルキル環を形成する)、
から選択され;
R5及びR6は、独立してH、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル基;任意に置換されたC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル基及びハロゲンから選択される)]
並びに、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーとしてのその光学活性のある形態及びそのラセミ体の形態、並びにそれらの医薬として許容できる塩。
【請求項2】
R1がアセチルである、請求項1に記載のチアゾール誘導体。
【請求項3】
R2がメチルである、請求項1又は2に記載のチアゾール誘導体。
【請求項4】
R3がチエニル基T1である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のチアゾール誘導体。
【請求項5】
R3がチエニル基T2である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のチアゾール誘導体。
【請求項6】
R4がスルホニル基SO2-Rである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のチアゾール誘導体。
【請求項7】
R4がアミノスルホニル基SO2-NRR'である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のチアゾール誘導体。
【請求項8】
R5及びR6がHである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のチアゾール誘導体。
【請求項9】
以下の化合物:
N-(4-メチル-5-{5-[(プロパ-2-イン-1-イルアミノ)スルホニル]-2-チエニル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
N-(5{5-[(4-アセチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-2-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イルアセトアミド;
N-{5-[5-({[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}スルホニル)-2-チエニル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド;
N-[4-メチル-5-(5-{[(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ]スルホニル}-2-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
N-[5-(5{[[2-(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]スルホニル}-2-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
5-(2-アミノ-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル)-N-(2-モルホリン-4-イルエチル)チオフェン-2-スルホンアミド;
メチル 5-{[4-メチル-5-(5{[(2-モルホリン-4-イルエチル)アミノ]スルホニル}-2-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アミノ}-5-オキソペンタノエート;
N-(4-メチル-5-{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-2-チエニル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
N-[4-メチル-5-(5-{[(2-モルホリン-4-イルエチル)アミノ]スルホニル}-2-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
N-{5-[5-({[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}スルホニル)-2-チエニル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド;
N-{4-メチル-5-[5-(ピペラジン-1-イルスルホニル)-2-チエニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド;
N-2-({5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-チエニル}スルホニル)-N-メチルグリシンアミド;
N-{5-[5-({[2-(アセチルアミノ)エチル]アミノ}スルホニル)-2-チエニル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド;
N-{5-[5-({[(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル]アミノ}スルホニル)-2-チエニル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド;
メチル N-({5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-チエニル}スルホニル)セリネート;
N-({5-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-チエニル}スルホニル)セリン;
N-[5-(5-{[(2,3-ジヒドロキシプロピル)アミノ]スルホニル}-2-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
N-(5-{5-[(ジメチルアミノ)スルホニル]-2-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
N-{4-メチル-5-[5-({メチル[2-(メチルアミノ)エチル]アミノ}スルホニル)-2-チエニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド;
N-[5-(5{[[2-(ジエチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]スルホニル}-2-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
N-[5-(5-{[(2-メトキシエチル)(メチル)アミノ]スルホニル}-2-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
N-[5-(5-{[[2-(ジメチルアミノ)エチル](エチル)アミノ]スルホニル)-2-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
N-{5-[5-({[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}スルホニル)-3-チエニル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド;
N-[4-メチル-5-(5{[(2-モルホリン-4-イルエチル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
N-[4-メチル-5-(5-{[(2-ピペリジン-1-イルエチル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
N-{4-メチル-5-[5-(ピペラジン-1-イルスルホニル)-3-チエニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド;
N-{5-[5-({[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}スルホニル)-3-チエニル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド;
N-[4-メチル-5-(5-{[(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
N-(4-メチル-5-{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
tert-ブチル[1-({4-[2-(アセチルアミノ)-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル]-2-チエニル}スルホニル)ピペリジン-4-イル]メチルカルバメート;
N-(5-{5-[(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
N-[5-(5-{[(3-ヒドロキシプロピル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
N-[5-(5-{[(cis-4-ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
N-(5-{5-[(4-メトキシピペリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
N-[4-メチル-5-(5-{[4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-イル]スルホニル}-3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
N-[5-(5-{[[2-(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
N-[5-(5-{[(1S,5S,7S)-7-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
N-[5-(5{[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル]アセトアミド;
N-(5-{5-[(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
N-[5-(5-{[(2,3-ジヒドロキシプロピル)アミノ]スルホニル}-3-チエニル)-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
N-(4-メチル-5{5-[(1H-テトラゾール-5-イルアミノ)スルホニル]-3-チエニル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
N-{4-メチル-5-[5-(ピロリジン-1-イルスルホニル)-3-チエニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド;
4-メチル-5{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-1,3-チアゾール-2-アミン;
メチル 5-[(4-メチル-5-{5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-1,3-チアゾール-2-イル)アミノ]-5-オキソペンタノエート;
1-{[4-(2-アミノ-4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル)-2-チエニル]スルホニル}ピペリジン-4-オール;
N-{4-メチル-5-[5-(モルホリン-4-イルスルホニル)-3-チエニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセトアミド;
N-(5{2-クロロ-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
N-(5{5-[(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド;
N-(5-{5-[(アリルアミノ)スルホニル]-3-チエニル}-4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)アセトアミド、
から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のチアゾール誘導体。
【請求項10】
医薬として使用するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載のチアゾール誘導体。
【請求項11】
自己免疫疾患及び/又は炎症疾患、心臓血管疾患、神経変性疾患、細菌もしくはウイルス感染症、アレルギー、喘息、膵炎、多臓器不全、腎疾患、血小板凝集、癌、移植、精子の運動性、赤血球欠乏症、精子の運動性、移植片拒絶反応又は肺損傷の予防及び/又は治療のための医薬の調製のための請求項1〜9のいずれか1項に記載のチアゾール誘導体並びにこれらの異性体及び混合物の使用。
【請求項12】
前記疾患が、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、炎症性腸疾患、肺炎症、血栓症又は脳の感染症/炎症、例えば髄膜炎又は脳炎を含む群において選択される、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記疾患が、アルツハイマー病、ハンチントン病、CNS外傷、卒中又は虚血性状態を含む群において選択される、請求項11に記載の使用。
【請求項14】
前記疾患が、アテローム硬化症、心肥大、心筋細胞機能不全、高血圧又は血管収縮を含む群において選択される、請求項11に記載の使用。
【請求項15】
前記疾患が、慢性閉塞性肺疾患、アナフィラキシーショックを伴う線維症、乾癬、アレルギー疾患、喘息、卒中又は虚血性状態、虚血性-再灌流、血小板凝集/活性化、骨格筋萎縮/肥大、癌組織の白血球動員、血管新生、浸潤性転移、メラノーマ、カポジ肉腫、急性及び慢性の細菌及びウイルス感染症、敗血症、移植片拒絶反応、糸球体硬化症、糸球体腎炎、進行性腎線維症、肺の内皮及び上皮損傷、又は一般に肺気道炎症、を含む群において選択される、請求項11に記載の使用。
【請求項16】
PI3キナーゼ活性の調節、特に阻害のための、請求項11〜15のいずれか1項に記載の使用。
【請求項17】
前記PI3キナーゼがPI3キナーゼγである、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の少なくとも1つのチアゾール誘導体及び医薬として許容されるその担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−542239(P2008−542239A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512838(P2008−512838)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【国際出願番号】PCT/EP2006/062592
【国際公開番号】WO2006/125803
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(507348713)ラボラトワール セローノ ソシエテ アノニム (29)
【Fターム(参考)】