説明

チトクロームP450モノオキシゲナーゼの阻害剤およびそれに関わる中間体

現在、式Iの化合物およびその塩を調製するために使用することができる改良された合成方法および中間体に対する需要がある。また、式Iの化合物およびその塩を調製するために使用することができる中間体化合物を調製するための改良法に対する需要がある。改良法および中間体は、式Iの化合物およびその塩を調製するための既存の方法に関連するコスト、時間および/または廃棄物の量を減少させ得る。
本発明は、式Iの化合物:


およびその塩を調製するために有用である方法および中間体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の優先権)
本願は、米国仮特許出願第61/166,498号(2009年4月3日出願)に対する優先権を主張する。この出願の全内容は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
特許文献1および特許文献2は、たとえばチトクロームP450モノオキシゲナーゼを阻害することにより、同時投与された薬物の薬物動態を修飾するために有用なことが報告されている一定の化合物を開示する。その中で同定された1つの具体的な化合物は、以下の式の化合物Iの化合物である:
【0003】
【化1】

現在、式Iの化合物およびその塩を調製するために使用することができる改良された合成方法および中間体に対する需要がある。また、式Iの化合物およびその塩を調製するために使用することができる中間体化合物を調製するための改良法に対する需要がある。改良法および中間体は、式Iの化合物およびその塩を調製するための既存の方法に関連するコスト、時間および/または廃棄物の量を減少させ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2008/010921号
【特許文献2】国際公開第2008/103949号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
式Iの化合物およびその塩を調製するための改良された合成経路が同定された。この改良された合成経路は、本明細書において下で特定される式IV、V、XIV、XVI、XVIIおよびXVIIIの新規中間体を利用する。
【0006】
この経路は、式Iの化合物およびその塩の調製に関連するコスト、時間および廃棄物の量を減少させる。
【0007】
したがって、1つの態様において、本発明は、式IVの化合物:
【0008】
【化2】

(式中、R1およびR2は、独立して各々適した保護基である)またはその塩を提供する。
【0009】
他の態様において、本発明は、式Vの化合物:
【0010】
【化3】

(式中、それぞれのR1は、tert-ブチルスルホニル以外の適切な保護基である)またはその塩を提供する。
【0011】
他の態様において、本発明は、式XIVの化合物:
【0012】
【化4】

(式中、Rは、(C2-C8)アルキルである)またはその塩を提供する。
【0013】
他の態様において、本発明は、式Vの化合物:
【0014】
【化5】

(式中、それぞれのR1は、tert-ブチルスルホニル以外の適切な保護基である)またはその塩を調製するための方法であって、式IIの対応する化合物:
【0015】
【化6】

を二量体化して式Vの化合物またはその塩を形成することを含む方法を提供する。
【0016】
他の態様において、本発明は、式Iの化合物:
【0017】
【化7】

またはその塩を調製するための方法であって、式Vの化合物:
【0018】
【化8】

(式中、R1は、適切な保護基である)またはその塩を調製して、式Iの化合物に変換され、式Vの化合物は、式IIの対応する化合物:
【0019】
【化9】

またはその塩から式IIの化合物を二量体化することによって調製されることを特徴とする方法を提供する。
【0020】
他の態様において、本発明は、式Iの化合物:
【0021】
【化10】

またはその塩を調製するための方法であって、式IVの化合物:
【0022】
【化11】

(式中、R1およびR2は、独立してそれぞれ適切な保護基である)またはその塩を調製して、式Iの化合物に変換され、式IVの化合物は、式IIIの化合物:
【0023】
【化12】

またはその塩から式IIIの化合物を保護することによって調製されることを特徴とする方法を提供する。
【0024】
他の態様において、本発明は、式Iの化合物:
【0025】
【化13】

またはその塩を調製するための方法であって、式XIVの化合物:
【0026】
【化14】

(式中、RはHまたは(C1-C8)アルキルである)またはその塩を調製して、式Iの化合物に変換され、式XIVの化合物またはその塩は、式XIIIの化合物:
【0027】
【化15】

(式中、RはHまたは(C1-C8)アルキルである)またはその塩から、ヨージドを適切なモルホリン試薬で置換することによって調製されることを特徴とする方法を提供する。本発明のこの方法のさらなる態様において、Rは、式XIIIおよびXIVの化合物において(C2-C8)アルキルである。
【0028】
他の態様において、本発明は、式XVIまたはXVIIの化合物:
【0029】
【化16】

またはその塩を提供する。
【0030】
他の態様において、本発明は、式XVIIIの塩:
【0031】
【化17】

(式中、Y-は、適切な対イオンである)を提供する。
【0032】
他の態様において、本発明は、式Iの化合物:
【0033】
【化18】

またはその塩を調製するための方法であって、式XIIの化合物:
【0034】
【化19】

またはその塩を調製して、式Iの化合物に変換され、式XIIの化合物は、式XVIIIの対応する化合物:
【0035】
【化20】

(式中、Y-は、適切な対イオンである)から式XIの化合物:
【0036】
【化21】

(式中、R3は、Hまたは塩基の存在下において保護基であり、および式XIIの化合物を提供する保護基である場合、任意にR3を除去する)での処理によって調製されることを特徴とする方法を提供する。
【0037】
他の態様において、本発明は、式Iの化合物:
【0038】
【化22】

またはその塩を調製するための方法であって、式XVIIIの塩:
【0039】
【化23】

(式中、Y-は、適切な対イオンである)を調製して、式Iの化合物へ変換され、式XVIIIの塩は、式XVIIIの塩を提供するために、式XVIIの化合物:
【0040】
【化24】

またはその塩からメチル化剤での処理によって調製されることを特徴とする方法を提供する。
【0041】
他の態様において、本発明は、式Iの化合物:
【0042】
【化25】

またはその塩を調製するための方法であって、式XVIIの化合物:
【0043】
【化26】

またはその塩を調製して、式Iの化合物に変換され、式XVIIの化合物は、式XVIIの化合物またはその塩を提供するために、式XVIの対応する化合物:
【0044】
【化27】

またはその塩から、メチル化剤での処理によって調製されることを特徴とする方法を提供する。
【0045】
他の態様において、本発明は、式Iの化合物:
【0046】
【化28】

またはその塩を調製するための方法であって、式XVIの化合物:
【0047】
【化29】

またはその塩を調製して、式Iの化合物に変換され、式XVIの化合物は、式XVIの化合物を提供するために、式XVの対応する化合物:
【0048】
【化30】

またはその塩から、塩基の存在下においてカルボニルジイミダゾールでの処理によって調製されることを特徴とする方法を提供する。
【0049】
他の態様において、本発明は:
a)式IIの対応する化合物:
【0050】
【化31】

(式中、R1は、適切な保護基である)を二量体化して式Vの対応する化合物:
【0051】
【化32】

またはその塩を提供すること;
b)式Vの化合物またはその塩を脱保護して式VIの化合物:
【0052】
【化33】

またはその塩を提供すること;
c)式VIの化合物またはその塩を式VIIの化合物:
【0053】
【化34】

またはその塩に還元させること;
d)式VIIの化合物を有機溶媒中における酸での処理によって対応する塩に変換すること;
e)d)で得た対応する塩を式IXの化合物:
【0054】
【化35】

またはその塩(たとえば、HCl塩などのミネラル酸塩)に変換すること;および
f)式Iの化合物を提供するために、式IXの化合物またはその塩を式Xの塩:
【0055】
【化36】

(式中、M+は、適切な対イオンである)とカップリングすること、
を含む、式Iの化合物:
【0056】
【化37】

またはその塩を調製するための方法(方法A)を提供する。本発明の1つの具体的な態様において、式IXの化合物の塩(たとえば、HCl塩)を式Xの塩とカップリングして式Iの化合物を提供することができる。
【0057】
他の態様において、方法Aは、式IIの化合物を提供するために、対応する化合物R1-X(式中、Xは、脱離基(たとえば、Cl)である)と(S)-2-ベンジルアジリジンを反応することによって式IIの化合物を調製することをさらに含むことができる。
【0058】
他の態様において、方法Aは:
a)式IIIの化合物:
【0059】
【化38】

またはその塩を保護して式IVの対応する化合物:
【0060】
【化39】

(式中、R1およびR2は、独立してそれぞれ適切な保護基である)またはその塩を提供すること;および、
b)式IVの化合物またはその塩を適切な塩基で処理して式IIの化合物を提供すること、
によって式IIの化合物を調製することをさらに含むことができる。
【0061】
他の態様において、方法Aは:
a)式XIIの化合物:
【0062】
【化40】

またはその塩を適切なアルコールROHの存在下においてヨージド供与源で処理して式XIIIの化合物:
【0063】
【化41】

(式中、Rは、(C1-C8)アルキルである)またはその塩を提供すること;
b)式XIIIの化合物またはその塩をモルホリンで処理して式XIVのエステル:
【0064】
【化42】

またはその塩を提供すること;および
c)式XIVのエステルを加水分解して式Xの塩を調製すること、
をさらに含むことができる。
【0065】
他の態様において、方法Aは:
a)L-メチオニンをアルキル化剤で処理して、および生じるアミンを任意に保護して、式XIのアミン:
【0066】
【化43】

(式中、R3は、Hまたは保護基である)またはその塩を提供すること;および
b)式XIのアミンまたはその塩を式XIXの化合物:
【0067】
【化44】

またはその塩で処理して、式XIIの化合物またはその塩を提供すること、
によって、式XIIの化合物またはその塩を調製することをさらに含むことができる。
【0068】
他の態様において、方法Aは:
a)式XVの化合物:
【0069】
【化45】

またはその塩を塩基の存在下においてカルボニルジイミダゾールで処理して、式XVIの化合物:
【0070】
【化46】

またはその塩を提供すること;
b)式XVIの化合物またはその塩を塩基の存在下において適切なメチル化剤で処理して、式XVIIの化合物:
【0071】
【化47】

またはその塩を提供すること;
c)式XVIIの化合物またはその塩をメチル化して、式XVIIIの塩を提供すること:
【0072】
【化48】

(式中、Y-は、適切な対イオンである);および
d)式XVIIIの塩を式XIのアミン:
【0073】
【化49】

(式中、R3は、Hまたは保護基である)またはその塩を適切な塩基で処理して、およびR3が保護基である場合、それを取り除くために脱保護して、式XIIの化合物またはその塩を提供することによって式XIIの化合物またはその塩を調製することをさらに含むことができる。
【0074】
【化50】

本発明は、また、本明細書において記述された新規合成中間体、並びにこのような中間体を調製するための方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0075】
詳細な説明
本明細書に使用されるアルキル、アルコキシ、その他は、直鎖状および分枝の基の両方を意味する;しかし、プロピルなどの個々のラジカルに対する言及は、直鎖ラジカルのみを包含し、イソプロピルなどの分枝鎖異性体を具体的に指す。ハロアルキルは、1つまたは複数(たとえば1、2、3、4、その他)のハロ基で置換されたアルキル基を意味する。アリールは、フェニルラジカルまたは少なくとも1つの環が芳香族である約9〜10環原子を有するオルト融合された二環式炭素環ラジカルを意味する。
【0076】
ラジカル、置換基および範囲について下に収載した具体的な値は、例示目的のみであり;これらは、その他の定義された値またはラジカルおよび置換基について定義された範囲内のその他の値を除外しない。
【0077】
具体的には、(C1-C8)アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、ペンチル、3-ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチルであることができる;(C1-C8)アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、またはオクチルオキシであることができ;ハロ(C1-C8)アルキルは、フルオロメチル、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルであることができ;アリール-(C1-C8)アルコキシは、ベンジルオキシであることができ;並びにアリールは、フェニル、インデニル、またはナフチルであることができる。
【0078】
R1についての具体的な値は、N,N-二基置換のアミノスルホニル基である。
【0079】
R1についてのもうひとつの具体的な値は、N,N-ジアルキルアミノスルホニル基である。
【0080】
R1についてのもうひとつの具体的な値は、-S(=O)2NRaRb、-S(=O)2Rc、-C(=O)Rc、または-C(=O)NRaRbであり、式中RaおよびRbはそれぞれ、独立して(C1-C8)アルキルであるか;またはRaおよびRbは、これらが付着される窒素と共に、1つまたは2つのヘテロ原子を含む、3または4員の飽和環もしくは5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の環(たとえばアジリジン、アゼチジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン、ホモピペラジン、ホモピペリジン、またはピペラジン)を形成し;およびRcは、アリール、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル(C1-C8)アルコキシ、またはアリール-(C1-C8)アルコキシであり、式中、任意のアリールは、1つまたは複数の(C1-C8)アルキルで任意に置換することができる。本発明の1つの態様において、R1は、tert-ブチルスルホニルではない(たとえば、式Vの化合物について)。
【0081】
R1についてのもうひとつの具体的な値は、-S(=O)2NRaRbであり、RaおよびRbはそれぞれは、独立して(C1-C8)アルキルであるか;またはRaおよびRbは、これらが付着される窒素と共に、1つまたは2つのヘテロ原子を含む、3または4員の飽和環もしくは5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の環(たとえば、アジリジン、アゼチジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン、ホモピペラジン、ホモピペリジン、またはピペラジン)を形成する。
【0082】
R1についてのもうひとつの具体的な値を以下に示す:
【0083】
【化51】

R1についてのもうひとつの具体的な値は、-S(O)2N(CH32である。
【0084】
R1についてのもうひとつの具体的な値は、ベンジルオキシカルボニルである。
【0085】
R2についての具体的な値は、N,N-二基置換のアミノスルホニル基である。
【0086】
R2についてのもうひとつの具体的な値は、N,N-ジアルキルアミノスルホニル基である。
【0087】
R2についてのもうひとつの具体的な値は、-S(=O)2NRaRb、-S(=O)2Rc、-C(=O)Rc、または-C(=O)NRaRbであり、RaおよびRbはそれぞれ、独立して(C1-C8)アルキルであるか;またはRaおよびRbは、これらが付着される窒素と共に、1つまたは2つのヘテロ原子を含む、3または4員の飽和環もしくは5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の環(たとえば、アジリジン、アゼチジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン、ホモピペラジン、ホモピペリジン、またはピペラジン)を形成し;およびRcは、アリール、(C1-C8)アルキル、ハロ(C1-C8)アルキル(C1-C8)アルコキシ、またはアリール-(C1-C8)アルコキシであり、式中任意のアリールは、1つまたは複数の(C1-C8)アルキルで任意に置換することができる。
【0088】
R2についてのもうひとつの具体的な値は、-S(=O)2NRdReであり、式中RdおよびReはそれぞれ、独立して(C1-C8)アルキルであるか;またはRdおよびReは、これらが付着される窒素と共に、1つまたは2つのヘテロ原子を含む、3または4員の飽和環もしくは5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の環(たとえばアジリジン、アゼチジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン、ホモピペラジン、ホモピペリジン、またはピペラジン)を形成する。
【0089】
R2についてのもうひとつの具体的な値は、4-メチルフェニル-スルホニル、メチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニルなどの脱離基である。
【0090】
R2についてのもうひとつの具体的な値を以下に示す:
【0091】
【化52】

【0092】
【化53】

R3についての具体的な値は、Hである。
【0093】
式Iの化合物またはその塩は、下のスキーム1〜4にて図示したように調製することができる。
【0094】
【化54】

【0095】
【化55】

【0096】
【化56】

式IVの化合物の調製
【0097】
【化57】

式IIIの化合物は、標準的な条件下で任意の適切な保護基(R1およびR2、これらは、同じであること、または異なることができる)で保護して式IVの対応する化合物を提供することができる。たとえば、反応は、塩基の存在下において適切な溶媒中で実施することができる。適切な溶媒は、メチレンクロライド、テトラヒドロフランおよび2-メチルテトラヒドロフランなどの非プロトン性溶媒、並びにその他の非プロトン有機溶媒およびその混合物を含む。適切な塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびN-メチルモルホリンなどのトリアルキルアミン、並びに水素化ナトリウムなどの水素化物塩基を含む。反応は、約-20℃から40℃の温度にて、都合よく実施することができる。
【0098】
適切な保護基は、tert-ブチルスルホニル(Bus)基、N,N-ジイソプロピルスルファモイルなどのN,N-ジアルキルスルファモイル基、N-アジリジニルスルファモイルおよびN-ヘテロ環を含むその他のスルファモイル基(ピロリジンまたはピペリジンなど)、並びにN-エチルおよびN-メチルスルファモイル基およびその他の混合N-アルキルスルファモイル基を含む。
【0099】
式IIの化合物の調製
【0100】
【化58】

式IIの化合物は、適切な溶媒中における塩基での処理によって、式IVの化合物から調製することができる。適切な塩基は、水素化ナトリウムおよび水素化カリウムなどの金属ヒドリド;リチウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド;ナトリウムtert-ブトキシドまたはリチウムtert-ブトキシドなどのアルコキシド、リチウムヘキサメチルジシラジドなどのヘキサメチルジシラジドおよび炭酸カリウムまたは炭酸セシウムなどのカルボナート塩基を含む。
【0101】
適切な溶媒は、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、および2-メチルテトラヒドロフランなどの非プロトン性溶媒、並びにその他の非プロトン有機溶媒およびその混合物を含む。反応は、約0℃から22℃の温度にて、都合よく実施することができる。
【0102】
適切なR1基は、tert-ブチルスルホニル(Bus)基、N,N-ジイソプロピルスルファモイルなどのN,N-ジアルキルスルファモイル基、N-アジリジニルスルファモイルおよびN-ヘテロ環を含むその他のスルファモイル基(ピロリジンまたはピペリジンなど)、並びにN-エチルおよびN-メチルスルファモイル基およびその他の混合N-アルキルスルファモイル基を含む。
【0103】
結果として得られる式IIの化合物は、適切な溶媒または溶媒の混合物からの再結晶によって精製することができる。たとえば、イソプロピルエーテル/ヘプタンなどのエーテルおよび無極性溶媒の組合せ、並びにtert-ブチルジメチルエーテルなどの純粋にエーテルの溶媒の濃縮溶液からの結晶化を実施することができる。
【0104】
式IIの化合物の代わりの調製
【0105】
【化59】

出発アジリジンは、たとえば、標準的な条件下において、Xが脱離基である化合物R1-Xでの処理によって、任意の適切な保護基(R1)で保護して、式IIの対応する化合物を提供することができる。たとえば、反応は、塩基の存在下において適切な溶媒において実施することができる。適切な溶媒は、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、tert-ブチルジメチルエーテル、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、1,2‐ジクロロエタンおよびその混合物などの非プロトン性溶媒を含む。適切な塩基は、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、キニクリジン、N-メチルピペリジン、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびN-メチルピロリジンなどのトリアルキルアミン;並びに炭酸カリウムおよび炭酸水素ナトリウムなどのその他の弱い、非求核塩基を含む。反応は、約-10℃から40℃の温度にて、都合よく実施することができる。
【0106】
結果として得られる式IIの化合物は、適切な溶媒または溶媒の混合物からの再結晶によって精製することができる。たとえば、エチルエーテル、n-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2-ジメトキシエタン、ヘキサン、tert-ブチルジメチルエーテル、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、トルエンなどのエーテルおよび無極性溶媒の組合せを使用することができる。
【0107】
式Vの化合物の調製:
【0108】
【化60】

出発アジリジンは、適切な溶媒中における非求核アミド塩基での処理によって二量体化することができる。適切な溶媒は、エチルエーテル、tert-ブチルジメチルエーテル、n-ブチルエーテル、テトラヒドロピランおよびテトラヒドロフランなどのエーテル、並びにヘキサンおよびヘプタンおよびその混合物などの炭化水素を含む。適切な非求核アミド塩基は、リチウムジイソプロピルアミド、リチウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、リチウムジ-t-ブチルアミド、およびリチウムイソプロピルシクロヘキシルアミドを含む。反応は、約-78℃から22℃の温度にて、都合よく実施することができる。
【0109】
生じる式Vの化合物は、適切な溶媒または溶媒の混合物からの再結晶によって精製することができる。たとえば、エチルエーテル、n-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2-ジメトキシエタン、およびtert-ブチルジメチルエーテルなどのエーテルまたは無極性溶媒の組合せを使用することができる。
【0110】
式VIの化合物の調製:
【0111】
【化61】

式Vの出発化合物は、標準的な条件下で脱保護して、式VIの対応する化合物を提供することができる。反応は、アミンを含む溶媒;たとえば、エタノールアミンなどのモノアミン、1,3-ジアミノプロパン、エチレンジアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,2-フェニレンジアミン、プトレシンもしくはカダベリンなどのジアミンまたはジエチレントリアミン、トリエチレントリアミンもしくはポリエチレンイミンなどのポリアミン中で実施することができる。また、溶媒は、トルエン、アニソール等またはその混合物を含むことができる。反応は、約100℃から約140の温度にて、都合よく実施することができる。
【0112】
式VIIの化合物を提供するための水素付加
【0113】
【化62】

出発アルケンVIは、標準的な条件下で水素化することができる。たとえば、水素化は、アルコール性溶媒中において金属含有触媒を使用して実施することができる。適切な溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、トルエン、ジオキサンおよびアニソール、並びにその混合物を含む。適切な触媒は、炭素上のパラジウム、炭素上の白金、ラネーニッケル、ウィルキンソン触媒および水酸化パラジウムを含む。反応は、およそ周囲圧力から約60psiの圧力にて、都合よく実施することができる。
【0114】
式VIIの化合物は、有機溶媒中における酸での処理によって、都合よく単離して、対応する塩を提供することができる。適切な酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸および硫酸を含む。適切な溶媒は、メチレンクロライド、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、tert-ブチルジメチルエーテル、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、クロロホルム、1,2‐ジクロロエタン、トルエンおよびアニソール、並びにその混合物を含む。塩への変換は、約-10℃から約40℃の温度にて、都合よく実施することができる。
【0115】
式VIIIの化合物の調製:
【0116】
【化63】

式VIIIの混合カルボナートは、塩基の存在下においてホスゲンなどのカルボニル炭素に隣接して脱離基を有する適切なカルボナートまたはカルボナート相当物で5-ヒドロキシメチルチアゾールを処理することによって調製することができる。たとえば、適切なカルボナートは、ビス-(4-ニトロフェニル)カルボナートおよびジスクシニミヂルカルボナートを含む。反応は、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、1,2‐ジクロロエタンまたはジエチルエーテルなどの、適切な非プロトン有機溶媒またはその混合物中において都合よく実施することができる。適切な塩基は、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリンおよびトリエチルアミンなどのトリアルキルアミン塩基を含む。
【0117】
式IXの化合物またはその塩の調製
【0118】
【化64】

式IXの化合物またはその塩は、適切な溶媒中において、適切な塩基の存在下において、式VIIIのカルボナートまたはその塩での処理によって、式VIIの化合物またはその塩から調製することができる。適切な塩基は、カルボナート塩基(たとえば炭酸カリウム)およびトリアルキルアミン(たとえばジイソプロピルエチルアミンまたはN-メチルモルホリン)を含む。適切な溶媒は、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、1,2‐ジクロロエタン、イソプロピル酢酸およびジエチルエーテルなどの溶媒、並びにその混合物を含む。
【0119】
式XIの化合物の調製:
【0120】
【化65】

R3がHである式XIの化合物またはその塩は、水および酢酸の存在下においてアルキル化剤でL-メチオニンを処理することによって調製することができる。適切なアルキル化剤は、臭化アルキル(ブロモ酢酸)、ヨウ化アルキル、塩化アルキルおよびジメチルサルフェートを含む。反応は、アルコール(たとえば、イソプロパノール)、水および酢酸を含む溶媒中で、都合よく実施することができる。反応は、約22℃から約90℃の温度にて実施することができる。R3が保護基である式XIの化合物(たとえば、カルバメート、アミドまたはベンジル保護基)またはその塩は、R3が水素である式XIの対応する化合物を保護することによって調製して、R3が保護基またはその塩である式XIの化合物を提供することができる。
【0121】
式XIIの化合物の調製:
【0122】
【化66】

式XIIの化合物は、R3がHまたは保護基(たとえば、カルバメート、アミドまたはベンジル保護基)である式XIの化合物またはその塩を、CDIなどの適切な塩基およびカルボニル供与源の存在下において、約0℃から約30℃の温度にて、非プロトン性溶媒中で、式XIXの化合物またはその塩で処理することによって調製することができる。R3が保護基であるとき、これをその後に取り除いて、式XIIの化合物またはその塩を提供することができる。適切な塩基は、金属ヒドリド(たとえば、水素化ナトリウム)およびトリアルキルアミン(たとえば、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリンまたはDBU)を含む。適切な非プロトン性溶媒は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフランおよびメチレンクロライド、並びにその混合物を含む。
【0123】
式XIIIの化合物の調製:
【0124】
【化67】

式XIIIの化合物は、アルコールROHの存在下において非プロトン性溶媒中において適切なヨージド供与源(たとえば、トリメチルシリルヨージド、ヨウ化水素またはヨウ化ナトリウムおよびトリメチルシリルクロライド)で式XIIの化合物またはその塩を処理することによって調製して、Rが(C1-C8)アルキルである式XIIIの化合物を提供することができる。適切な非プロトン性溶媒は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、メチレンクロライドおよびアセトニトリル、並びにその混合物を含む。反応は、典型的には約0℃から約22℃の温度にて、実施することができる。
【0125】
式XIVの化合物またはその塩の調製:
【0126】
【化68】

式XIVの化合物またはその塩は、モルホリンでRが(C1-C8)アルキルである式XIIIの化合物またはその塩を処理することによって調製して、式XIVの化合物を提供することができる。結果として得られる式XIVの化合物は、有機溶媒中における酸(たとえばシュウ酸、クエン酸、もしくはフマル酸などの有機酸またはミネラル酸)での処理によって、対応する塩に変換することができる。適切な溶媒は、tert-ブチルジメチルエーテル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、トルエン、ヘプタン、酢酸イソプロピル、酢酸エチルおよびアルコール、並びにその混合物を含む。塩形成は、典型的には約22℃から約60℃の温度にて、実施することができる。
【0127】
式Xの化合物の調製:
【0128】
【化69】

M+が対イオンである式Xの化合物またはその塩は、標準的な条件下でRが(C1-C8)アルキルである式XIVまたはその塩のエステルを加水分解することによって調製することができる。たとえば、加水分解は、約-10℃から約28℃の温度にて、塩基(たとえば、水酸化カリウムまたは水酸化リチウム)の存在下において水性溶媒(たとえば、水およびメチレンクロライド)中において実施することができる。
【0129】
式Iの化合物の調製:
【0130】
【化70】

式Iの化合物またはその塩は、M+が対イオンである式Xの酸性塩を式IXのアミンとカップリングすることによって調製して、対応するアミドを提供することができる。このアミド形成反応は、標準的な条件下で実施することができる。たとえば、それは、適切なカップリング剤(たとえば、EDC・HClおよびHOBt)の存在下において適切な有機溶媒(たとえば、メチレンクロライド)中において実施することができる。その他の適切なアミドカップリングする試薬および条件は、本分野において公知である。反応は、典型的には約-30℃から約20℃の温度にて、実施することができる。
【0131】
メチレンクロライドまたはトルエンまたはその混合物中で実施されるときに、このカップリング反応は、国際特許出願公開番号WO 2008/103949の254ページに記述されたテトラヒドロフラン中におけるカップリングと比較して予想外に改善された結果を提供する。したがって、1つの態様において、本発明は、メチレンクロライドもしくはトルエンまたはその混合物中において式IXのアミンと式Xの酸性塩をカップリングすることを含む、式Iの化合物またはその塩を調製するための方法を提供する。この反応は、約-30℃から約20℃の温度にて、カップリング剤(たとえば、EDC・HClおよびHOBt)の存在下において、都合よく実施することができる。
【0132】
結果として得られる式Iの化合物は、標準的な技術を使用して単離することができる。式Iの化合物は、国際特許出願公開番号WO 2009/135179に記載されているように固体支持物質を使用して単離することができる
式Iの化合物の代わりの調製:
【0133】
【化71】

式Iの化合物またはその塩は、式Xaの酸またはその塩を式IXのアミンまたはその塩とカップリングすることによって調製することができる。このアミド形成反応は、標準的な条件下で実施して、対応するアミドを提供することができる。たとえば、これは、適切なカップリング剤(たとえば、EDC・HClおよびHOBt)の存在下において適切な有機溶媒(たとえば、メチレンクロライド)中において実施することができる。その他の適切なアミドカップリングする試薬および状態は、本分野において公知である。反応は、典型的には約-30℃から約20℃の温度にて、実施することができる。
【0134】
式XIIの化合物の代わりの調製
上のスキームIIIにおいて示した式XIIの化合物は、またスキームVにて図示したように、調製することができる。
【0135】
【化72】

式XIIの化合物の調製
適切な塩基の存在下において、式XVのアミンまたはその塩は、非プロトン性溶媒(たとえば、テトラヒドロフランまたは2-メチルテトラヒドロフラン)中において、カルボニルジイミダゾール(たとえば、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、またはDBUなどのトリアルキルアミン;水素化ナトリウムなどの水素化物塩基;またはLiHMDSなどのアミド塩基)で処理して、式XVIの尿素を提供することができる。非プロトン性溶媒中における塩基の存在下において適切なメチル化剤(たとえばヨウ化メチル)での式XVIの尿素のアルキル化により、式XVIIの化合物を提供する。適切なメチル化剤(たとえば、ヨウ化メチル)でのさらなるアルキル化により、式XVIIIの塩を提供する。適切な塩基(たとえば、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、またはDBUなどのトリアルキルアミン)の存在下における適切な非プロトン性溶媒(たとえばテトラヒドロフランまたは2-メチルテトラヒドロフラン)における、式XIのN保護されていないアミノγ-ラクトンでの、または対応するN保護されたアミノγ-ラクトン(たとえば、カルバメート、アミドまたはベンジルアミン)での式XVIIIの塩の処理により、式XIIの化合物を提供する。N保護されたアミノγ-ラクトンが、先に述べた工程において利用される(すなわち、R3が保護基である)場合、生じる保護された生成物を脱保護して、式XIIの化合物を提供することができる。
【0136】
本発明は、ここで以下の非限定的な実施例によって説明される。
【実施例】
【0137】
実施例1。保護された(L)-フェニルアラニノールIVaの調製:
【0138】
【化73】

L-フェニルアラニノールIII(5.0g)をメチレンクロライド(150mL)に溶解した。得られた溶液を0℃に冷却して、ジイソプロピルエチルアミン(21.4g)を、続いてN,N-ジメチルスルファモイルクロライド(10g)を反応混合物に添加した。反応を室温に温めて、撹拌した。20時間後に、反応を飽和水性塩化アンモニウム(100mL)および水(50mL)でクエンチした。次いで、層を分離して、有機相を1MのHCl(2×10容積)および水(2×50mL)で洗浄した。次いで、有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥した。固体を濾過して、液を真空下において濃縮し、黄色のオレンジ油として97%の化合物IVaを得た。次いで、典型的には化合物IVaをさらに精製することなく使用した。H NMR (CDCl) δ 7.26 (m, 5H), 4.94 (d, 1H, J = 8 Hz), 3.75 (m, 1H), 3.57 (m, 2H), 2.94 (s, 6H), 2.85 (m, 2H), 2.54 (s, 6H)。
【0139】
実施例2。(S)-2-ベンジル-N,N-ジメチルアジリジン-1-スルホンアミドIIaの調製
【0140】
【化74】

保護されたアミノアルコールIVa(10g)を2-MeTHF(300mL)に溶解した。得られた溶液を0℃に冷却した。次いで、水素化ナトリウム(2.0g)を部分的に添加した。次いで、反応を室温に温めて、撹拌した。4.5時間後に、反応を0℃に冷却して、飽和塩化アンモニウム水溶液(150mL)および水(100mL)でクエンチした。層を分離して、有機層を1MのHCl(150mL)、続いて飽和NaCl水溶液(150mL)で洗浄した。有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥した。固体を濾過して、濾液を濃縮した。さらなる精製を100%メチレンクロライドで溶出するカラムクロマトグラフィーによって、またはMTBE/ヘキサンからの再結晶によって、いずれかで行って、最終的に白色固体として64%の化合物IIaを得た。H NMR (CDCl) δ 7.30 (m, 5H), 2.94 (dd, 1H, J = 14, 5 Hz), 2.83 (m, 1H), 2.71 (dd, 1H, J = 14, 7 Hz), 2.66 (s, 6H), 2.56 (d, 1H, J = 7Hz), 2.14 (d, 1H, J = 4 Hz); 13C NMR (CDCl) δ 137.4, 129.3, 128.9, 127.2, 77.6, 77.3, 77.0, 40.6, 38.3, 38.1, 33.0。
【0141】
実施例3。(S)-2-ベンジル-N,N-ジメチルアジリジン-1-スルホンアミドIIaの代わりの調製:
【0142】
【化75】

メチレンクロライド(100mL)中の(S)-2-ベンジルアジリジン(100g、0.751mol)およびN,N-ジメチルスルファモイルクロライド(84.5mL、0.787mol)の冷却した(-10℃)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(131mL、0.751mol)を添加した。生じる黄色溶液を、最小16時間-10℃にて撹拌した。この期間の後、0.5Mのクエン酸(500mL)溶液を添加して、相を分離した。次いで、有機相を1.0Mの炭酸水素ナトリウム溶液(500mL)で洗浄した。次いで、有機相をtert-ブチルジメチルエーテル(500mL)に溶媒交換した。次いで、溶液を0℃に冷却して、ヘプタン(100mL)を2時間の期間にわたって滴状に添加した。次いで、混合物を0℃にてさらに2時間経時変化させ、次いで、冷却して(-10℃)、白い結晶質固体(27.8g、77%)として化合物IIaを沈殿させた。Tlcアッセイ:Rf:0.53(SiO2;1:1 ヘプタン:酢酸エチル、KMnO4)。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.20−7.29 (m, 5H), 2.94 (dd, J = 14, 5 Hz, 1H), 2.80−2.88 (m, 1H), 2.70 (dd, J = 14, 7 Hz, 1H), 2.66 (s, 6H), 2.56 (d, J = 7 Hz, 1H), 2.14 (d, J = 4 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl): δ 137.4, 129.3, 128.9, 127.2, 40.6, 38.3, 38.1, 33.0。
【0143】
実施例4。保護されたジアミンVaの調製:
【0144】
【化76】

テトラヒドロフラン(14mL)中の2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(5.5mL)の冷却した(0℃)溶液に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の10M、3.1mL)を添加した。生じる濁った、黄色の溶液を、22℃に温めて、その温度にて20分間撹拌した。
【0145】
テトラヒドロフラン(7mL)中のIIa(5.0g)の冷却した(-10℃)濁った溶液に、シリンジポンプによって予め作成したリチウムテトラメチルピペリジド(LTMP)を滴状に添加した(添加速度:40mL/時間、LTMP温度:22℃)。添加の間、反応は、段階的に紫の茶色溶液に変わる。次いで、反応を45分の期間にわたってゆっくり0℃に温めた。次いで、10%(w/v)のクエン酸(15mL)の溶液を冷却反応に添加して、生じる明るい黄色溶液を数分間0℃にて勢いよく撹拌した。次いで、二相混合物を酢酸エチル(75mL)で希釈して、相を分離した。有機相を10%(w/v)のクエン酸(1×15mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(2×15mL)および鹹水(1×15mL)で洗浄した。その後、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥して、濾過して、減圧下で濃縮し、明るい黄色の固体を得た。粗混合物を熱いtert-ブチルジメチルエーテルに懸濁させて、-16℃に冷却して、濾過し、白色粉末(3.2g、64%)としてVaを得た。Tlcアッセイ:Rf:0.32(SiO2、1:1 ヘプタン:酢酸エチル、KMnO4)。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.10−7.35 (m, 10H), 5.59 (s, 2H), 3.95−4.10 (m, 4H), 2.80 (ddd, J = 22, 13, 6 Hz, 4H), 2.59 (s, 12H). 13C NMR (100 MHz, CDCl): δ136.7, 132.0, 129.9, 128.9, 127.2, 57.0, 42.4, 38.1。
【0146】
実施例5。保護されたジアミンVaの代わりの調製:
【0147】
【化77】

1:3のテトラヒドロフラン:ヘプタン(30mL)中のIIa(10.0g)および2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(2.1mL)の冷却した(-10℃)スラリーに、n-ブチルリチウム(ヘキサン中の2.6M、19mL)を3時間の期間にわたってゆっくりと添加した。添加の間に、反応は、段階的に紫の茶色溶液に変わり;完了時に、生じるものをさらに20分間その温度にて撹拌した。
【0148】
次いで、氷酢酸(4.0mL)を冷たい反応に添加して、生じる明るい黄色懸濁液を数分間5℃にて勢いよく撹拌した。次いで、混合物を濾過して、固体物質を3:1のt-ブチルジメチルエーテル:ヘプタン(2×30mL)、水(3×30mL)で、再び3:1のt-ブチルジメチルエーテル:ヘプタン(2×30mL)で洗浄した。次いで、湿ったケーキを徹底的に乾燥し、白色粉末(7.22g、72%)としてVaを得た。Tlcアッセイ:Rf:0.32(SiO2、1:1 ヘプタン:酢酸エチル、KMnO4)。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.10−7.35 (m, 10H), 5.59 (s, 2H), 3.95−4.10 (m, 4H), 2.80 (ddd, J = 22, 13, 6 Hz, 4H), 2.59 (s, 12H). 13C NMR (100 MHz, CDCl): δ136.7, 132.0, 129.9, 128.9, 127.2, 57.0, 42.4, 38.1。
【0149】
実施例6。不飽和ジアミンVIの調製:
【0150】
【化78】

1,3-ジアミノプロパン(4mL)中の保護されたジアミンVa(2.0g)の溶液を、110℃まで加熱して、90分間その温度にて撹拌した。黄色溶液を22℃に冷却した後に、水(16mL)を、続いてメチレンクロライド(20mL)を添加した。相を分離して、水性相をメチレンクロライドのさらなる部分(1×10mL)で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥して、濾過して、減圧下で濃縮し、濃い、黄色の油(1.1g、100%)としてVIを得た。この材料をさらに精製することなく次の反応に直接使用した。Tlcアッセイ:Rf:0.61(SiO2、4:1 CH2Cl2:CH3OH、5%のEt3N、KMnO4)。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 7.10−7.35 (m, 10H), 5.60 (dd, J = 4, 2 Hz, 2H), 3.50−3.60 (br, 2H), 2.85 (dd, J = 13, 5 Hz, 2H), 2.60 (13, 8 Hz, 2H), 1.15 (br, 4H). 13C NMR (100 MHz, CDCl): δ 139.0, 134.1, 129.7, 128.6, 126.5, 54.9, 44.9。
【0151】
実施例7。化合物VIIの調製:
【0152】
【化79】

メタノール(8.2mL)中の不飽和ジアミンVI(1.1g)の溶液に、炭素上の10%のパラジウム(110mg、10重量%)を添加した。生じる黒い懸濁液を水素ガスでパージして、16時間水素雰囲気(バルーン)下に保持した。次いで、反応を、シーライトを通して濾過して、減圧下で濃縮し、濃い、黄色の油(1.11g、100%)としてVIIを提供した。この材料をさらに精製することなく次の反応を続けた。Tlcアッセイ:Rf:0.60(SiO2、4:1 CH2Cl2:CH3OH、5%のEt3N、KMnO4)。H NMR (400 MHz, CDCl): δ7.15−7.35 (m, 10H), 2.95−3.05 (m, 2H), 2.82 (dd, J = 13, 5 Hz, 2H), 2.50 (dd, J = 13, 9 Hz, 2H), 1.45−1.66 (m, 4H), 1.36 (br, 4H). 13C NMR (100 MHz, CDCl): δ 139.7, 129.5, 128.7, 126.5, 53.2, 45.1, 34.6。
【0153】
実施例8。ジアミン二水素クロライドVIIaの調製:
【0154】
【化80】

メチレンクロライド(14mL)中のVII(1.11g)の冷却した(0℃)溶液に、ジオキサン(2.6mL)中の4Mの塩酸の溶液を添加した。生じる薄いピンクの懸濁液を22℃に温めて、90分間その温度にて撹拌した。次いで、混合物を濾過して;沈殿物を大量のメチレンクロライドで洗浄して、真空下において乾燥し、薄いピンクの粉末(1.32g、Vから94%)としてVIIaを提供した。H NMR (400 MHz, DO): δ 7.10−7.35 (m, 10H), 3.38−3.48 (m, 2H), 2.92 (dd, J = 14, 7 Hz, 2H), 2.76 (dd, J = 14, 8 Hz, 2H), 1.58−1.74 (m, 4H)。
【0155】
実施例9。カルボナートVIIIの調製
【0156】
【化81】

5-ヒドロキシメチルチアゾール(5kg)をメチレンクロライド(210kg)に溶解した。この溶液に、ビス-(4-ニトロフェニル)カルボナート(15kg)およびトリエチルアミン(7.5kg)を添加した。反応混合物を一晩撹拌した。反応完了時に、反応混合物を1.0MのK2CO3水溶液(50kg)で洗浄して完全に4-ニトロフェノールを除去した。次いで、有機層を有機溶液のpHが8より低くなるまで、1.0Mのクエン酸水溶液で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥した。次いで、固体を濾過して、有機層を酢酸イソプロピルに溶媒交換して、およそ4容積の容積に濃縮した。この溶液に、n-ヘプタン(100L)をゆっくり添加して、5時間以上にわたって経時変化させた。これにより、固体としてVIIIを得て、その後濾過によって単離した。H NMR (CDCl) δ 8.89 (s, 1H), 8.26 (d, 2H), 7.99 (s, 1H), 7.37 (d, 2H), 5.51 (s, 2H)。
【0157】
実施例10a。モノカルバメートハイドロクロライドIXaの調製。
【0158】
【化82】

ジアミン-ジヒドロクロリドVIIa(2.37kg)、水性炭酸カリウム(1M、27kg)およびメチレンクロライド(68kg)を20℃にて1時間撹拌した。メチレンクロライド層を分離して、硫酸ナトリウム(7.1kg)上で乾燥して、濾過し、ジアミン遊離塩基を得た。この溶液に、さらなるメチレンクロライド(66kg)および混合カルボナートVIII(1.95kg)を添加した。一旦全ての固体が溶解したら、ジイソプロピルエチルアミン(1.1kg、8.3mol)を添加して、反応をtlcアッセイ(SiO2、溶出剤としてメタノール中の80%のエチルメチレンクロライド、生成物Rf=0.73、UVによる視覚化)によってモニターした。残留するVIIIおよび4-ニトロフェノールの存在がtlcアッセイによって検出されなくなるまで、反応内容物を0.25NNaOH水溶液で洗浄した。有機層を水で洗浄して、硫酸ナトリウム(7kg)上で乾燥して、濾過して、濃縮して、酢酸イソプロピル(約50L)に溶解して、メチレンクロライド(47kg)で希釈した。この溶液に、HCl(ジオキサン(約8.2molHCl)中の1.88kg 4N HCl)を添加して、沈澱を誘導した。生成物IXaを濾過して、酢酸イソプロピル(21kg)でリンスして、真空下で乾燥し、白色粉末(2.57kg、83%収率)を得た。H NMR (CDOD) δ 9.0 (s, 1H), 7.8 (s, 1H), 7.4−7.14 (m, 10H), 5.2 (d, 1H), 4.8 (s, 5 H) 3.7 (m, 1H), 3.6 (m, 1H), 3.3 (s, 1H), 2.6−2.8 (m, 2H), 1.8−1.4 (m, 4H). 13C NMR (CDOD) δ 154.4, 143.2, 129.6, 128.0, 126.0, 58.0, 52.4, 44.3, 41.6, 33.8, 30.5。
【0159】
実施例10b。モノカルバメートハイドロクロライドIXaの調製。
【0160】
【化83】

ジアミン-ジヒドロクロリドVIIa(2.0g)、水酸化ナトリウム水溶液(3M、4.1g)およびメチレンクロライド(13.3g)を20℃にて1時間撹拌した。メチレンクロライド層を分離して、その後水(10g)で洗浄し、ジアミン遊離塩基を得た。この溶液に、さらなるメチレンクロライド(26.6g)および混合カルボナートVIII(1.72g)を添加した。HPLCによって反応が完了したと考えられるまで、生じる溶液を40℃まで加熱して、その温度に保持した。次いで、溶媒を真空下において除去して、テトラヒドロフラン(17.8g)と共に蒸留して、次いでテトラヒドロフラン(35.6g)で再希釈した。次いで、この溶液に、濃塩酸(12M、0.588g)を添加し、沈澱を誘導した。生成物IXaを濾過して、1:1 THF:CH2Cl2中の1%のH2O(2×40mL)でリンスして、真空下で乾燥し、白色粉末(2.15g、82%収率)を得た。H NMR (CDOD) δ 9.0 (s, 1H), 7.8 (s, 1H), 7.4−7.14 (m, 10H), 5.2 (d, 1H), 4.8 (s, 5 H) 3.7 (m, 1H), 3.6 (m, 1H), 3.3 (s, 1H), 2.6−2.8 (m, 2H), 1.8−1.4 (m, 4H). 13C NMR (CDOD) δ 154.4, 143.2, 129.6, 128.0, 126.0, 58.0, 52.4, 44.3, 41.6, 33.8, 30.5。
【0161】
実施例11。アミノラクトンXIaの調製:
【0162】
【化84】

水(69kg)中のL-メチオニン(46kg)の溶液に、外界温度にてブロモ酢酸(46.0kg)、2-プロパノール(69.0kg)および酢酸(69.0kg)を添加した。生じる混合物を還流まで(85℃から95℃)加熱して、1HNMRによって反応が完了したと判断されるまで、この温度にて撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、2-プロパノールと共に蒸発した。2-プロパノール(161.0kg)を濃縮混合物に添加して、続いて外界温度にて10重量パーセントのHCl/ジオキサン溶液(102kg)をゆっくり添加した。生じるスラリーを約60℃まで加熱して、約4時間の間撹拌した。ポット温度を約22℃に調整して、約2時間の間撹拌した。生成物XIaを濾過して、2部分の2-プロパノール(28kgの各部分)で洗浄して、40℃にて真空下で乾燥し、白からオフホワイト固体(39.3kg、70%収率)を得た。H NMR (DO) δ 4.79 (s, 2H), 4.61 (dd, 1H), 4.49−4.41 (m, 2H), 2.80 (m, 1H), 2.42 (m, 1H)。
【0163】
実施例12。尿素XIIの調製:
【0164】
【化85】

メチレンクロライド(105kg)中の(L)-アミノラクトンXIa(31.5kg)のスラリーに、ジイソプロピルエチルアミン(28.8kg)を添加した。反応混合物を約10℃に冷却して、カルボニルジイミダゾール(27.1kg)を部分的に添加すると共に、内容物温度を25℃以下に維持した。反応が完了したと判断されるまで、生じる混合物を撹拌した。メチルアミノメチルチアゾールXIX(21.0kg)を添加して、25℃以下にて内容物温度を維持して、撹拌した。一旦完了したら、反応混合物を水(63.0kg)で、次いで20重量パーセントのクエン酸水溶液(63.0kg)で2回洗浄した。全ての水性層を合わせて、メチレンクロライド(63.0kg)で抽出した。有機層を合わせて、8重量パーセントの炭酸水素ナトリウム水溶液(63.0kg)で一度および水(63.0kg)で一度洗浄した。有機層を3容積まで減圧下で濃縮して、メチレンクロライドと共に蒸発した。生成物XIIをメチレンクロライド(33.4kg、91%収率)中の保存液として放出した。H NMR (CDCl) δ 7.02 (s, 1H), 4.55−4.41 (m, 4H), 4.27 (m, 1H), 3.29 (septets, 1H), 2.98 (s, 3H), 2.78 (m, 1H), 2.20 (m, 1H), 1.38 (d, 6H)。
【0165】
実施例13。L-チアゾールモルホリンエチルエステルオキサラート塩XIVaの調製:
【0166】
【化86】

メチレンクロライド(89.5kg)中の(L)-チアゾールアミノラクトンXII(33.4kg)の溶液に、メチレンクロライド(150kg)および無水エタノール(33.4kg)を添加した。次いで、内容物温度を約10℃に調整し、続いてTMSI(78.8kg)をゆっくり添加すると共に、内容物温度を22℃以下で維持して、反応が完了したと判断されるまで撹拌した。内容物温度を約10℃に調整して、続いてモルホリン(49.1kg)をゆっくり添加すると共に、内容物温度を22℃以下で維持した。一旦完了したら、反応混合物を濾過し、モルホリン・HI塩を取り除き、フィルターケーキを2部分のメチレンクロライド(33.4kg)でリンスした。濾液を水(100kg)で2回洗浄した。有機層を乾燥まで真空下で濃縮した。次いで、アセトン(100kg)を濃縮物に添加して、溶液を乾燥まで減圧下で濃縮した。アセトン(233.8kg)を濃縮物に添加して、続いてアセトン(100kg)中のシュウ酸(10kg)の溶液をゆっくり添加した。生じるスラリーを約1時間還流した後、単離のために約3℃まで冷却した。生成物XIVaを濾過して、アセトン(66.8kg)でリンスして、40℃にて真空下で乾燥し、白からオフホワイトの固体(40kg、71%収率)を得た。H NMR (CDCl) δ7.00 (s, 1H), 6.35 (broad s, 1H), 4.60−4.40 (m, 3H), 4.19 (quartets, 2H), 4.00−3.90 (m, 4H), 3.35−3.10 (m, 7H), 3.00 (s, 3H), 2.40−2.30 (m, 1H), 2.15−2.05 (m, 1H), 1.38 (d, 6H), 1.25 (triplets, 3H)。
【0167】
実施例14。化合物Iの調製:
【0168】
【化87】

水(66.0kg)中のL-チアゾールモルホリンエチルエステルオキサラート塩XIVa(35.6kg)の溶液に、メチレンクロライド(264kg)を添加し、続いて15重量%のKHCO3溶液(184.8kg)をゆっくりと添加した。生じる混合物を約1時間撹拌した。層を分離して、有機層を水(132kg)で洗浄した。有機層を乾燥まで真空下で濃縮した。水(26.5kg)を添加して、内容物温度を約10℃に調整し、続いて45%のKOH溶液(9.8kg)をゆっくりと添加すると共に、内容物温度を20℃以下に維持した。反応がHPLCによって完了したと判断されるまで、混合物を20℃以下にて撹拌した。反応混合物を乾燥まで真空下で濃縮して、乾燥まで減圧下でメチレンクロライド(各時132kg)と共に5回、共蒸発した。含水量がカールフィッシャー滴定によって<4%となるまで、メチレンクロライド(132kg)との共蒸発を続けた。さらなるメチレンクロライド(264kg)を添加して、内容物温度を-18℃から-20℃に調整して、続いてモノカルバメート・HCl塩IXa(26.4kg)を添加した。生じる混合物を約1時間-18℃から-20℃にて撹拌した。HOBt(11.4kg)を添加して、反応混合物を-18℃の遅い添加によって続かれた-20℃にて約1時間再び撹拌した。メチレンクロライド(396kg)中のEDC・HCl(21.4kg)の予め冷却された溶液(-20℃)を反応混合物に添加すると共に、内容物温度を-20℃以下にて維持した。反応が完了したと判断されるまで、反応混合物を-18℃から-20℃にて撹拌した。内容物温度を約3℃に調整し、反応混合物を10重量%クエン酸水溶液溶液(290kg)でクエンチした。層を分離して、有機層を15重量%重炭酸カリウム溶液(467kg)および水(132kg)で一度洗浄した。有機層を減圧下で濃縮して、次いで無水エタノールと共に蒸発した。生成物Iをエタノール中の保存液として単離した(35.0kgの生成物、76.1%収率)。H NMR (DMSO) δ 9.05 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.52 (d, 1H), 7.25−7.02 (m, 12H), 6.60 (d, 1H), 5.16 (s, 2H), 4.45 (s, 2H), 4.12−4.05 (m, 1H), 3.97−3.85 (m, 1H), 3.68−3.59 (m, 1H), 3.57−3.45 (m, 4H), 3.22 (septets, 1H), 2.88 (s, 3H), 2.70−2.55 (m, 4H), 2.35−2.10 (m, 6H), 1.75 (m, 1H), 1.62 (m, 1H), 1.50−1.30 (m, 4H), 1.32 (d, 6H). 13C NMR (CDOD) δ 180.54, 174., 160.1, 157.7, 156.9, 153.8, 143.8, 140.1, 140.0, 136.0, 130.53, 130.49, 129.4, 127.4, 127.3, 115.5, 67.7, 58.8, 56.9, 55.9, 54.9, 53.9, 51.6, 49.8, 42.7, 42.0, 35.4, 34.5, 32.4, 32.1, 29.1, 23.7。
【0169】
実施例15。尿素XIIの代わりの調製:
【0170】
【化88】

式XIIの尿素はまた、下の工程a〜dに記載しているように調製することができる。
【0171】
a. テトラヒドロフラン(100g)中のカルボニルジイミダゾール(8.5g、0.052mol、1.2eq.)のスラリーに、約10℃にてトリエチルアミン(6.6g、0.065mol、1.5eq.)を添加すると共に、反応温度を約10℃にて維持した。ポット温度を約10℃にて維持して、生じるスラリーを出発アミノイソプロピルチアゾールdiHCl(XVa、10g、0.044mol)と共に一部に添加した。一旦添加が完了したら、ポット温度を外界温度に温めて、HPLCによって反応が完了したと判断されるまで(標的:出発材料≦1%)、反応混合物をこの温度にて撹拌した。一旦完了したら、トリエチルアミンHCl塩を濾過した。湿ったフィルターケーキをTHF(80kg)で洗浄して、濾液を約40℃にて真空下で濃縮して、酢酸エチル(50kg)と共に蒸発した。生じるスラリーに、酢酸エチル(20kg)を添加して、次いで約0℃に冷却して、約1時間この温度にて撹拌した。生成物をヘプタン(20kg)で濾過して、洗浄した。フィルターケーキを真空下でフィルターにおいて吸引乾燥した。
【0172】
b. 上記の湿ったフィルターケーキをテトラヒドロフラン(80g)中にスラリー化して、ポット温度を約0℃に調整した。このスラリーに、tert-BuOK(6.9g、0.061mol、1.4eq.)をゆっくり添加すると共に、反応温度を約0℃にて維持し、続いてヨウ化メチル(8.7g、0.061mol、1.4eq.)を約0℃にて添加した。一旦添加が完了したら、反応混合物を外界温度に温めて、HPLCによって反応が完了したと判断されるまで(標的:生成物≧70%)、この温度にて撹拌した。一旦完了したら、反応混合物を約3℃に調整して、約1時間この温度にて撹拌した。ヨウ化カリウム塩を濾過して、フィルターケーキをTHF(20g)で洗浄した。生成物を含む母液を収集して、次の工程に持ち越した。
【0173】
c. 上記の母液に、ヨウ化メチル(18.6g、0.131mol、3eq.)を添加し、反応混合物を約35℃に温めて、HPLCによって反応が完了したと判断されるまで(標的:出発材料≦1%、およそ24時間)、この温度にて撹拌した。一旦完了したら、反応混合物を外界温度に調整して、濾過した。生成物フィルターケーキをTHF(20g)で洗浄した。フィルターケーキを真空下でフィルターにおいて吸引乾燥した。
【0174】
d. 上記の湿ったフィルターケーキに、THF(80g)を添加し、続いてL-アミノラクトンXI(7g、0.038mol、0.9eq.)を部分的に添加した。生じる混合物に、ジイソプロピルエチルアミン(8.5g、0.066mol、1.5eq.)をゆっくり添加すると共に、反応温度を30℃以下に維持した。一旦添加が完了したら、反応温度を外界に調整し、HPLCによって反応が完了したと判断されるまで(標的:出発材料≦1%、およそ48時間)攪拌した。一旦完了したら、反応混合物を最大(40℃)に設定した浴温でおよそ3容積まで真空下で濃縮した。次いで、濃縮物を外界に調整し、メチレンクロライド(50g)を添加した。生じる有機溶液を、20%のクエン酸溶液(30g)および次いで水(30g)で洗浄した。水性層を合わせて、メチレンクロライド(50g)で抽出し戻した。有機層を合わせて、≦40℃に設定した浴温で約3容積まで減圧下で濃縮した。KF限界が満たされるまで(標的:KF≦0.5%)、濃縮を繰り返した。一旦KF限界が満たされたら、生成物XIIをメチレンクロライド(5.8g、45%収率)中の保存液として放出した。H NMR (CDCl) δ7.02 (s, 1H), 4.55−4.41 (m, 4H), 4.27 (m, 1H), 3.29 (septets, 1H), 2.98 (s, 3H), 2.78 (m, 1H), 2.20 (m, 1H), 1.38 (d, 6H)。
【0175】
全ての刊行物、特許および特許文献は、個々に参照により援用されるが如く、本明細書において参照により援用される。本発明は、種々の具体的かつ好ましい態様および技術に関して記述した。しかしながら、本発明の精神および範囲内に維持しながら多くのバリエーションおよび改良を行うことができることが理解されるはずである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IVの化合物:
【化89】

(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して適切な保護基である);またはその塩。

【請求項2】
R1およびR2は、それぞれ同じ保護基である、請求項1の化合物。

【請求項3】
式IVaの化合物:
【化90】

である、請求項1の化合物またはその塩。
【請求項4】
式Vの化合物:
【化91】

(式中、それぞれのR1は、tert-ブチルスルホニル以外の適切な保護基である);またはその塩。
【請求項5】
それぞれのR1は、-S(=O)2NRaRbであり、式中それぞれのRaおよびRbは、独立して(C1-C8)アルキルであるか;またはRaおよびRbは、これらが付着される窒素と共に、1つまたは2つのヘテロ原子を含む、3または4員の飽和環もしくは5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成する、請求項4の化合物。
【請求項6】
式Vaの化合物:
【化92】

である、請求項4の化合物またはその塩。

【請求項7】
式XIVの化合物:
【化93】

(式中、Rは、(C2-C8)アルキルまたはその塩である)。
【請求項8】
式XIVの化合物のオキサラート塩である、請求項7の化合物。
【請求項9】
式Vの化合物:
【化94】

(式中、R1は、tert-ブチルスルホニル以外の適切な保護基である)またはその塩を調製するための方法であって、式IIの対応する化合物:
【化95】

を二量体化して、式Vの化合物またはその塩を提供することを含む方法。
【請求項10】
R1は、N,N-二基置換のスルファモイル基である、請求項9の方法。
【請求項11】
式IIの化合物が約-78℃から約22℃の温度にて適切な溶媒中における非求核アミド塩基での処理によって二量体化される、請求項9または10の方法。
【請求項12】
非求核アミド塩基は、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、リチウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、リチウムジ-t-ブチルアミド、リチウムイソプロピルシクロヘキシルアミドから選択される、請求項11の方法。
【請求項13】
非求核アミド塩基は、リチウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジドである、請求項11の方法。
【請求項14】
溶媒は、エチルエーテル、t-ブチルジメチルエーテル、n-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ヘキサン、テトラヒドロピランもしくは1,2-ジメトキシエタンまたはその混合物を含む、請求項11または12の方法。
【請求項15】
式Vの化合物またはその塩を脱保護して式VIの化合物:
【化96】

またはその塩を提供することをさらに含む、請求項9〜14のいずれか1項の方法。
【請求項16】
脱保護は、約100℃から約140℃の温度にて溶媒中で実施される、請求項15の方法。
【請求項17】
脱保護は、エタノールアミン、1,3-ジアミノプロパン、エチレンジアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,2-フェニレンジアミン、プトレシン、カダベリン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミンまたはポリエチレンイミンを含む溶媒中で実施される、請求項16の方法。
【請求項18】
脱保護は、約110℃の温度にて、1,3-ジアミノプロパン中で実施される、請求項17の方法。
【請求項19】
式VIの化合物またはその塩を式VIIの化合物:
【化97】

に還元させることさらに含む、請求項15〜18のいずれか1項の方法。
【請求項20】
還元は、アルコール性溶媒中における水素化によって実施される、請求項19の方法。
【請求項21】
水素化は、炭素上のパラジウム、炭素上の白金、ラネーニッケル、ウィルキンソン触媒または水酸化パラジウムを含む水素化触媒で実施される、請求項20の方法。
【請求項22】
アルコール性溶媒がメタノール、エタノール、i-プロパノール、n-プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、トルエンもしくはアニソールまたはその混合物を含む、請求項20または21の方法。
【請求項23】
水素化触媒は炭素上の10%のパラジウムを含み、およびアルコール性溶媒は、メタノールを含む、請求項21の方法。
【請求項24】
式VIIの化合物を約-10℃から約40℃の温度にて有機溶媒中における酸での処理によって対応する塩に変換することをさらに含む、請求項19〜23のいずれか1項の方法。
【請求項25】
酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸または硫酸である、請求項24の方法。
【請求項26】
有機溶媒は、メチレンクロライド、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、t-ブチルジメチルエーテル、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、クロロホルム、1,2‐ジクロロエタン、トルエンもしくはアニソールまたはその混合物を含む、請求項24または25の方法。
【請求項27】
式VIIの化合物は、約0℃から約22℃の温度にてジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノールもしくたはメチルtert-ブチルエーテルまたはその混合物中のHClでの処理によって式VIIaの塩:
【化98】

に変換される、請求項24の方法。
【請求項28】
式VIIの化合物またはその塩を式IXの化合物:
【化99】

またはその塩に変換することをさらに含む、請求項19〜27のいずれか1項の方法。
【請求項29】
式VIIの化合物またはその塩は、適切な溶媒中における適切な塩基の存在下において式VIIIのカルボナート:
【化100】

での処理によって、式IXの化合物またはその塩に変換される、請求項28の方法。
【請求項30】
塩基は、カルボナート塩基またはトリアルキルアミンであり、および溶媒は、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、1,2‐ジクロロエタンもしくはジエチルエーテルまたはその混合物を含む、請求項29の方法。
【請求項31】
式VIIaの塩:
【化101】

を塩基(たとえば、炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウム)の存在下においてメチレンクロライド中の式VIIIのカルボナートで処理して、式IXaの塩:
【化102】

を提供する、請求項29の方法。
【請求項32】
式IXの化合物またはその塩を式Xの塩:
【化103】

(式中、M+は、適切な対イオンである)またはその塩とカップリングして、式Iの化合物:
【化104】

またはその塩を提供することをさらに含む、請求項28〜31のいずれか1項の方法。
【請求項33】
式IXの化合物またはその塩を式Xaの酸:
【化105】

またはその塩とカップリングして、式Iの化合物:
【化106】

またはその塩を提供することをさらに含む、請求項28〜31のいずれか1項の方法。
【請求項34】
カップリングは、カップリング試薬(たとえば、EDC・HClおよびHOBtまたはn-プロパンホスホン酸環状無水物)の存在下において約-30℃から約20℃の温度にてメチレンクロライド中で実施される、請求項33の方法。
【請求項35】
化合物R1-X(式中、Xは、脱離基である)と(S)-2-ベンジルアジリジンを適切な溶媒中において約-10℃から約40℃の温度にて塩基の存在下において反応することによって式IIの化合物を調製することをさらに含む、請求項9〜34のいずれか1項の方法。
【請求項36】
R1は、-S(=O)2NRaRbであり、RaおよびRbはそれぞれ、独立して(C1-C8)アルキルであるか;またはRaおよびRbは、これらが付着される窒素と共に、1つまたは2つのヘテロ原子を含む、3または4員の飽和環もしくは5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の環を形成する、請求項35の方法。
【請求項37】
(S)-2-ベンジルアジリジンは、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、tert-ブチルジメチルエーテル、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサンもしくは1,2‐ジクロロエタンまたはその混合物を含む溶媒中においてR1-X化合物と反応され;塩基は、トリアルキルアミン、炭酸カリウムおよび炭酸水素ナトリウム、並びにその混合物から選択され;かつ温度は、約0℃から約22℃である、請求項35の方法。
【請求項38】
(S)-2-ベンジルアジリジンを、約0℃から約22℃の温度にて、メチレンクロライド中のジイソプロピルエチルアミンの存在下において、(CH32NS(O)2-Clと反応させて、式IIaの化合物:
【化107】

を提供する、請求項35の方法。
【請求項39】
式IVの対応する化合物:
【化108】

(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して適切な保護基である)またはその塩を適切な塩基で、適切な非プロトン性溶媒中で、約0℃から約22の温度にて処理することによって式IIの化合物を調製することをさらに含む、請求項9〜34のいずれか1項の方法。
【請求項40】
塩基は、金属ヒドリド、テトラメチルピペリジン、アルコキシド、ヘキサメチルジシラジドおよびカルボナート塩基、並びにその混合物から選択される、請求項39の方法。
【請求項41】
非プロトン性溶媒は、テトラヒドロフランおよびメチレンクロライド、並びにその混合物から選択される、請求項39または40の方法。
【請求項42】
式IVaの化合物:
【化109】

またはその塩を、約0℃から約22℃の温度にて、2-メチルテトラヒドロフラン中の水素化ナトリウムで処理して、式IIの対応する化合物を提供する、請求項39の方法。
【請求項43】
式IIIの化合物:
【化110】

またはその塩を保護することによって式IVの化合物またはその塩を調製して、式IVの化合物を提供することをさらに含む、請求項39〜42のいずれか1項の方法。

【請求項44】
式IIIの化合物は、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、および2-メチルテトラヒドロフラン、並びにその混合物から選択される溶媒中における、並びに塩基の存在下における式(CH32NS(O)2Clの化合物での処理によって保護される、請求項43の方法。
【請求項45】
塩基は、トリアルキルアミンまたは水素化物である、請求項44の方法。
【請求項46】
式IIIの化合物は、約0℃の温度にてジイソプロピルエチルアミンの存在下においてメチレンクロライド中の式(CH32NS(O)2Clの化合物での処理によって保護される、請求項44の方法。
【請求項47】
式XIVの対応するエステル:
【化111】

(式中、Rは、(C1-C8)アルキルである)またはその塩を加水分解することによって式Xの塩を調製して、式Xの塩を提供することをさらに含む、請求項32〜46のいずれか1項の方法。
【請求項48】
式XIVの化合物のオキサラート塩のエチルエステルを加水分解して、式Xの塩を提供する、請求項47の方法。
【請求項49】
式XIVの化合物のオキサラート塩のエチルエステルを、メチレンクロライドおよび水中の水酸化カリウムでの処理によって加水分解して、式Xの塩を提供する請求項48の方法。
【請求項50】
式XIIIの化合物:
【化112】

(式中、Rは、(C1-C8)アルキルである)をアルコールROHの存在下においてモルホリンで処理して、式XIVの対応する化合物またはその塩のエステルを調製して、式XIVまたはその塩を提供することをさらに含む、請求項47の方法。
【請求項51】
式XIIIの化合物は、メチレンクロライドおよび無水エタノールを含む溶媒中においてモルホリンで処理される、請求項50の方法。
【請求項52】
式XIIIの化合物を適切な溶媒中において約10℃にてモルホリンで処理して、式XIVの化合物を提供する、請求項50の方法。
【請求項53】
有機溶媒中における酸での処理によって式XIVの化合物の塩を形成して、その塩を提供することを含む、請求項50〜52のいずれか1項の方法。
【請求項54】
式XIVの化合物のオキサラート塩は、アセトン中のシュウ酸で式XIVの化合物を処理することによって形成される、請求項53の方法。
【請求項55】
式XIIの対応する化合物:
【化113】

またはその塩をアルコールROHの存在下において非プロトン性溶媒中において適切なヨージド供与源で処理することによって式XIIIの化合物を調製して、式XIIIの化合物を提供することをさらに含む、請求項50〜54のいずれか1項の方法。
【請求項56】
ヨージド供与源は、トリメチルシリルヨージド、ヨウ化水素、またはヨウ化ナトリウムおよびトリメチルシリルクロライドである、請求項55の方法。
【請求項57】
ヨージド供与源は、トリメチルシリルヨージドである、請求項55の方法。
【請求項58】
非プロトン性溶媒は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、メチレンクロライド、もしくはアセトニトリルまたはその混合物を含む、請求項55〜57のいずれか1項の方法。
【請求項59】
非プロトン性溶媒は、メチレンクロライドを含む、請求項55〜57のいずれか1項の方法。
【請求項60】
式XIのアミン:
【化114】

(式中、R3は、Hまたは保護基である)を式XIXの化合物:
【化115】

またはその塩および適切な塩基で、非プロトン性溶媒中で、約0℃から約30℃の温度にて処理し、および任意に、任意の保護基を取り除くことによって式XIIの化合物またはその塩を調製し、式XIIの化合物またはその塩を提供することをさらに含む、請求項55〜59のいずれか1項の方法。
【請求項61】
R3はHである、請求項60の方法。
【請求項62】
R3は、カルバメート、アミドまたはベンジル保護基であり、かつ式中R3は、式XIの化合物および式XIXの化合物の反応の後に取り除かれて、式XIIの化合物を提供する、請求項60の方法。
【請求項63】
塩基は、金属ヒドリドまたはトリアルキルアミンである、請求項60〜62のいずれか1項の方法。
【請求項64】
非プロトン性溶媒は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、およびメチレンクロライド、並びにその混合物から選択される、請求項60〜63のいずれか1項の方法。
【請求項65】
塩基は、ジイソプロピルエチルアミンであり、かつ溶媒は、メチレンクロライドを含む、請求項60〜64のいずれか1項の方法。
【請求項66】
水および酢酸の存在下において対応するアルキル化剤でL-メチオニンを処理し、および任意に生じるアミンを保護することによって式XIの化合物を調製することをさらに含む、請求項60〜65のいずれか1項の方法。
【請求項67】
アルキル化剤は、臭化アルキル、ヨウ化アルキル、塩化アルキルまたはジメチルサルフェートである、請求項66の方法。
【請求項68】
アルキル化剤はブロモ酢酸である、請求項66の方法。
【請求項69】
L-メチオニンは、アルコール、水および酢酸を含む溶媒中においてアルキル化剤で処理される、請求項66〜68のいずれか1項の方法。
【請求項70】
溶媒は、イソプロパノール、水、および酢酸を含む、請求項69の方法。
【請求項71】
式XVIまたはXVIIの化合物:
【化116】

またはその塩。
【請求項72】
式XVIIIの塩:
【化117】

(式中、Y-は、適切な対イオンである)。
【請求項73】
式XIのアミン:
【化118】

(式中、R3は、Hまたは保護基である)を式XVIIIの塩:
【化119】

(式中、Y-は、対イオンである)またはその塩で、適切な塩基と共に、非プロトン性溶媒中で処理して、および任意に、任意の保護基を取り除くことによって式XIIの化合物またはその塩を調製して、式XIIの化合物またはその塩を提供することをさらに含む、請求項55〜59のいずれか1項の方法。
【請求項74】
R3はHである、請求項73の方法。
【請求項75】
R3は、カルバメート、アミドまたはベンジル保護基であり、かつ式中R3は、式XIの化合物および式XVIIIの化合物の反応に後に取り除かれて、式XIIの化合物を提供する、請求項73の方法。
【請求項76】
式XVIIの化合物:
【化120】

またはその塩をメチル化剤で処理することによって式XVIIIの塩を調製して、式XVIIIの塩を提供することをさらに含む、請求項73〜75のいずれか1項の方法。

【請求項77】
式XVIの化合物:
【化121】

またはその塩を塩基の存在下において適切なメチル化剤で処理することによって式XVIIの化合物を調製して、式XVIIの塩を提供することをさらに含む、請求項76の方法。
【請求項78】
式XVの化合物:
【化122】

またはその塩を塩基の存在下においてカルボニルジイミダゾールで処理することによって式XVIで化合物を調製して、式XVIの化合物を提供することをさらに含む、請求項77の方法。
【請求項79】
式Iの化合物:
【化123】

またはその塩を調製するための方法であって、式Vの化合物:
【化124】

(式中、R1は、適切な保護基である)またはその塩を調整して、式Iの化合物に変換し、式Vの化合物は、式IIの対応する化合物:
【化125】

またはその塩から式IIの化合物を二量体化することによって調製されることを特徴とする、方法。
【請求項80】
式Iの化合物:
【化126】

またはその塩を調製するための方法であって、式IVの化合物:
【化127】

(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して適切な保護基である)またはその塩を調製して、式Iの化合物に変換され、式IVの化合物は、式IIIの化合物:
【化128】

またはその塩から式IIIの化合物を保護することによって調製されることを特徴とする、方法。
【請求項81】
式Iの化合物:
【化129】

またはその塩を調製するための方法であって、式XIVの化合物:
【化130】

(式中、Rは、(C1-C8)アルキルである)またはその塩を調製して、式Iの化合物に変換され、式XIVの化合物またはその塩は、式XIIIの対応する化合物:
【化131】

またはその塩から適切なモルホリン試薬でヨージドを置換することによって調製されることを特徴とする、方法。
【請求項82】
式Iの化合物:
【化132】

またはその塩を調製するための方法であって、式XIIの化合物:
【化133】

またはその塩を調製して、式Iの化合物に変換され、式XIIの化合物は、式XIIの化合物を提供するために、式XVIIIの対応する化合物:
【化134】

(式中、Y-は、適切な対イオンである)から式XIの化合物:
【化135】

(式中、R3は、Hまたは保護基である)での塩基の存在下における処理、およびR3が保護基である場合、任意にこれを除去することによって調製されることを特徴とする、方法。
【請求項83】
式Iの化合物:
【化136】

またはその塩を調製するための方法であって、式XVIIIの塩:
【化137】

(式中、Y-は、適切な対イオンである)を調製して、式Iの化合物へ変換し、式XVIIIの塩は、式XVIIIの塩を提供するために、式XVIIの対応する化合物:
【化138】

またはその塩からメチル化剤での処理によって調製されることを特徴とする、方法。
【請求項84】
式Iの化合物:
【化139】

またはその塩を調製するための方法であって、式XVIIの化合物:
【化140】

またはその塩を調製して、式Iの化合物へ変換し、式XIIの化合物は、式XVIIの化合物またはその塩を提供するために、式XVIの対応する化合物:
【化141】

またはその塩からメチル化剤での処理によって調製されることを特徴とする、方法。

【請求項85】
式Iの化合物:
【化142】

またはその塩を調製するための方法であって、式XVIの化合物:
【化143】

またはその塩を調製して、式Iの化合物へ変換し、式XVIの化合物は、式XVIの化合物を提供するために、式XVの対応する化合物:
【化144】

またはその塩から塩基の存在下においてカルボニルジイミダゾールでの処理によって調製されることを特徴とする、方法。

【公表番号】特表2012−522797(P2012−522797A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503704(P2012−503704)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/029633
【国際公開番号】WO2010/115000
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(500029420)ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】