説明

テストマスク

【課題】検査対象であるフォトマスクに所定波長の光束を照射し、フォトマスクを経た光束を撮像手段によって撮像して光強度データを求めるフォトマスクの検査方法において、実際の露光を行う露光装置との条件整合を良好に行う。
【解決手段】エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対してフォトマスクを用いてg線、h線及びi線の波長成分を含む露光光の露光を行い、レジスト膜をエッチング加工におけるマスクとなるレジストパターンとなすためのフォトマスクの検査に用いるテストマスクであり、露光光を透過させる透過部、遮光する遮光部、及び、一部を低減させて透過させるグレートーン部とを有するテストパターンを形成したテストマスクにおいて、テストパターンが一定の規則に基づいてパターン形状が逐次変化された複数の単位パターンが配列された部分を含み、パターン形状の逐次変化により、各単位パターンにおけるグレートーン部の幅をそれぞれ異ならせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の製造に使用されるフォトマスクの性能を検査するためのフォトマスクの検査方法、この検査方法による検査工程を含むフォトマスクの製造方法、この製造方法によって得られたフォトマスクを用いた電子部品製造方法、及び前記フォトマスクの検査方法に用いることができるテストマスクに関する。
【0002】
特に、電子部品としては、フラット・パネル・ディスプレイ(FPD)装置に代表される表示装置製造用のフォトマスク、とりわけ、液晶ディスプレイ装置製造用、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)製造用、カラーフィルター(CF)製造用に有用なフォトマスクの製造に使用される検査方法等に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、フォトマスクの性能の検査について、特許文献1には、検査対象となる露光用フォトマスクの透過照明光の強度分布を撮像素子(CCD)により検出して、フォトマスクの欠陥を検査する装置が記載されている。この装置においては、0.3μmピッチ程度の微細なパターンが形成されたフォトマスクに検査光を集光して照射し、このフォトマスクを透過した検査光を拡大照射して、分解能7μm程度のCCDで撮像するようにしている。この検査装置は、撮像素子を焦点位置からずらして撮像させる制御手段を有している。この検査装置においては、実際の露光時における焦点ずれの影響を含めてフォトマスクを検査し評価できるという効果があるとされている。
【0004】
また、特許文献2には、露光装置によりウェハに実際に転写されるフォトマスクの欠陥や異物を検出可能とする検査装置が記載されている。この装置においては、従来の検査装置で検出可能であった欠陥や異物の他に、位相シフトマスクやレチクルの透過部のシフタの欠陥や、露光波長依存性のマスク基板部の欠陥などについても検査可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−249646号公報
【特許文献2】特開平4−328548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前述のような検査装置を使用してフォトマスクの検査を行うにあたっては、使用する検査装置における撮像時の条件が、フォトマスクを使用する実際の露光時の条件と整合していなければ、検査結果を正しく評価することは困難である。
【0007】
また、例えば、IC製造に用いられる縮小投影型の露光装置を使用する場合においては、露光装置において使用される光源は単一波長光源であるため、光源の分光特性や、レジスト膜の分光感度特性や、撮像手段の分光感度特性等の要素は問題とならない。しかし、種々の電子部品の製造工程においては、光源の分光特性や、レジスト膜、または、現像手段の分光感度特性等の要素が影響する露光条件が適用されるので、従来の検査装置によっては、正確な検査が行えない。
【0008】
ところで、本件発明者らは、先に、検査対象であるフォトマスクに所定波長の光束を照射し、このフォトマスクを経た光束を撮像手段によって撮像して、光強度データを求めるフォトマスクの検査方法において、照射する光束として、少なくとも、g線、h線、または、i線のいずれかを含み、あるいは、これらのうち任意の二以上を混合した光束を含むものを用い、この光束を、波長選択フィルタを介して、フォトマスクに照射すること、更にそれに用いる検査装置を提案している。
【0009】
この検査方法においては、フォトマスクを用いて実際に露光を行う露光装置と同様の分光特性をもつ光源を用いてフォトマスクを検査することができ、実際の露光時における光透過量及び解像度をある程度正しく再現、または、近似することができる。
【0010】
したがって、この検査方法においては、フォトマスクを用いた実際の露光によって形成されるレジストパターン、または、このレジストパターンをマスクとして被加工層をエッチングして得られる被加工層パターンの良否を、実際の露光及び現像を行うことなく予測できる。また、この検査方法により、フォトマスクの良否判断のみならず、フォトマスクの修正の要否判断、修正の可否、修正方法などの知見をある程度把握することができる。
【0011】
しかしながら、この検査方法においては、実際の露光に使われる露光装置の露光条件、すなわち、光源の分光特性や解像度などを完全に反映することが困難な場合がある。また、レジスト膜をなすレジスト材料の分光感度や、透過光のデータを取得するために用いる撮像手段(CCDなど)の分光感度特性など、露光装置以外に起因する要因は、さらに条件整合が困難である。
【0012】
そこで、本発明は、検査対象であるフォトマスクに所定波長の光束を照射し、このフォトマスクを経た光束を撮像手段によって撮像して、光強度データを求めるフォトマスクの検査方法において、実際の露光を行う露光装置との条件整合を良好に行い、または、実際の露光条件やその他の条件との相関を定量的に把握することができるようになされたフォトマスクの検査方法を提供し、この検査方法による検査工程を含むフォトマスクの製造方法を提供し、この製造方法によって得られたフォトマスクを用いた電子部品製造方法を提供し、また、このフォトマスクの検査方法に用いるテストマスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本件発明者らは、鋭意検討の結果、前述の検査方法の実行において使用する検査装置(シミュレータ)と実際の露光を行う露光装置との間を仲介し、あるいは、検査装置が検査にふさわしい条件を設定できるような知見を提供するためのテストマスクを用いることが有用であるという知見を得た。
【0014】
すなわち、本発明に係るフォトマスクの検査方法は、以下の構成のいずれか一を有するものである。
【0015】
〔構成1〕
エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対してフォトマスクを用いて露光光の露光を行いこのレジスト膜をエッチング加工におけるマスクとなるレジストパターンとなすための所定のパターンの露光を行うことに用いるフォトマスクの検査方法であって、所定のテストパターンが形成されたテストマスクを用いテスト用レジスト膜に対して露光を行い現像したテスト用レジストパターンを得る工程と、テスト用レジストパターン、または、該テスト用レジストパターンをマスクとして被加工層をエッチングして得られるテスト用被加工層パターンを測定して実露光テストパターンデータを得る工程と、テストマスクに対して所定の光学的条件で光照射を行い該テストマスクの光透過パターンを撮像手段により取得し得られた光透過パターンに基づいて光透過テストパターンデータを得る工程と、実露光テストパターンデータと光透過テストパターンデータとを比較する工程と、検査対象となるフォトマスクに対して所定の光学的条件と同一又は異なる条件によって光照射を行って該検査対象フォトマスクの光透過パターンを撮像手段により取得する工程とを有し、比較工程によって得られた比較結果に基づいて、検査対象となるフォトマスクの評価を行うことを特徴とするものである。
【0016】
なお、ここで、被加工層とは、被転写体が有する所望の機能性の層であって、単層でも積層でもよい。この被加工層は、被転写体の用途に応じて設計されるものである。
【0017】
〔構成2〕
構成1を有するフォトマスクの検査方法において、検査対象となるフォトマスクの光透過パターンの取得に適用する光学的条件は、比較工程によって得られた比較結果に基づいて設定することを特徴とするものである。
【0018】
〔構成3〕
構成1、または、構成2を有するフォトマスクの検査方法において、テスト用レジストパターンは、レジストの厚みが、段階的、または、連続的に変化している部分を有することを特徴とするものである。
【0019】
〔構成4〕
構成1乃至構成3のいずれか一を有するフォトマスクの検査方法において、テストマスクの光透過パターンを撮像手段により取得するにあたっては、所定の光学的条件として複数の条件を設定し、複数回に亘って取得することを特徴とするものである。
【0020】
〔構成5〕
構成2乃至構成4のいずれか一を有するフォトマスクの検査方法において、比較結果に基づいて光学的条件を設定した後、この設定により再びテストマスクに光照射を行って光透過パターンを撮像手段により取得して光透過テストパターンデータを得て、再び実露光テストパターンデータとの比較を行って比較結果とする工程を含むことを特徴とするものである。
【0021】
〔構成6〕
構成1乃至構成5のいずれか一を有するフォトマスクの検査方法において、光学的条件は、光透過パターンを取得するために使用する対物レンズ系の開口数、照明光学系の開口数の対物レンズ系の開口数に対する比、照射光の分光特性、及びでフォーカス量の少なくともいずれかを含むことを特徴とするものである。
【0022】
〔構成7〕
構成1乃至構成5のいずれか一を有するフォトマスクの検査方法において、テスト用レジストパターンをなすレジスト材料は、検査対象となるフォトマスクを用いて露光されるレジスト膜をなすレジスト材料と同一の材料であることを特徴とするものである。
【0023】
〔構成8〕
構成1乃至構成7のいずれか一を有するフォトマスクの検査方法において、比較工程によって得られた比較結果に基づいて、実露光テストパターンデータと、光透過テストパターンとの間の相関関係を把握し、この相関関係に基づき、検査対象となるフォトマスクの評価を行うことを特徴とするものである。
【0024】
〔構成9〕
構成1乃至構成8のいずれか一を有するフォトマスクの検査方法において、検査対象となるフォトマスクは、露光光を透過させる透過部、露光光を遮光する遮光部、及び、露光光の一部を低減させて透過させるグレートーン部とを有することを特徴とするものである。
【0025】
〔構成10〕
構成1乃至構成9のいずれか一を有するフォトマスクの検査方法において、テストマスクには、複数の単位パターンが配列された部分を含むテストパターンが形成されており、複数の単位パターンは、一定の規則に基づいてパターン形状が逐次変化されたものであることを特徴とするものである。
【0026】
〔構成11〕
構成1乃至構成9のいずれか一を有するフォトマスクの検査方法において、テストマスクには、複数の単位パターンが配列された部分を含むテストパターンが形成されており、複数の単位パターンは、一定の規則に基づいてパターン形状が逐次変化された部位を有するものであることを特徴とするものである。
【0027】
〔構成12〕
構成10、または、構成11を有するフォトマスクの検査方法において、一定の規則に基づくパターン形状の逐次変化は、線幅の変化であることを特徴とするものである。
【0028】
〔構成13〕
構成10、または、構成11を有するフォトマスクの検査方法において、一定の規則に基づくパターン形状の逐次変化は、露光光に対する実効透過率の変化であることを特徴とするものである。
【0029】
また、本発明に係るフォトマスクの製造方法は、以下の構成を有するものである。
【0030】
〔構成14〕
構成1乃至構成13のいずれか一を有するフォトマスクの検査方法を行う検査工程を有することを特徴とするものである。
【0031】
本発明に係る電子部品の製造方法は、以下の構成を有するものである。
【0032】
〔構成15〕
構成14を有するフォトマスクの製造方法により製造されたフォトマスクを使用して、電子部品製造用の被加工層上に形成されたレジスト膜に対する露光を行う工程を有することを特徴とするものである。
【0033】
本発明に係るテストマスクは、以下の構成を有するものである。
【0034】
〔構成16〕
エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対してフォトマスクを用いて露光を行いこのレジスト膜をエッチング加工におけるマスクとなるレジストパターンとなすための所定のパターンの露光を行うことに用いるフォトマスクの検査に用いるテストマスクであって、露光光を透過させる透過部、露光光を遮光する遮光部、及び、露光光の一部を低減させて透過させるグレートーン部とを有するテストパターンを形成したテストマスクにおいて、テストパターンは、一定の規則に基づいてパターン形状が逐次変化された複数の単位パターンが配列された部分を含み、各単位パターンにおけるグレートーン部の面積は、一定の規則に基づいてそれぞれ異なっていることを特徴とするものである。
【0035】
このようなテストマスクは、薄膜トランジスタ製造用のグレートーンマスクにおける、チャネル部の広さの相違に対して、形成されるレジストパターン形状を近似、評価できる上で有用である。
【0036】
〔構成17〕
エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対してフォトマスクを用いて露光を行いこのレジスト膜をエッチング加工におけるマスクとなるレジストパターンとなすための所定のパターンの露光を行うことに用いるフォトマスクの検査に用いるテストマスクであって、露光光を透過させる透過部、露光光を遮光する遮光部、及び、露光光の一部を低減させて透過させるグレートーン部とを有するテストパターンを形成したテストマスクにおいて、テストパターンには、一定の規則に基づいてパターン形状が逐次変化された複数の単位パターンが配列された部分を含み、各単位パターンにおけるグレートーン部の所定露光条件下における実効透過率は、一定の規則に基づいてそれぞれ異なっていることを特徴とするものである。
【0037】
ここで、実効透過率とは、十分に広い面積の透光部の露光量透過率を100%とするとき、それより所定量低減された透過率(例えば40.〜60%)を有するグレートーン部を有するグレートーンマスクにおいて、該グレートーンマスクを露光装置によって露光したとき、グレートーン部の実効的な露光光の透過率は、パターンの面積、露光装置に用いる光学系の解像度などによって異なることに由来して、定義するものである。すなわち、グレートーンマスクの露光条件下において、露光光に対する透光部の透過率を100%、遮光部の透過率を0%とするとき、グレートーン部を実際に透過する透過光の透過率をいう。例えば、グレートーン部に透過光量が100%より小さい(例えば20〜80%)半透光性の膜が成膜されたグレートーン部をもつフォトマスク(以下、「半透光膜型グレートーンマスク」という)を用いてグレートーンマスクを作製する際、遮光膜が形成された部分に隣接した半透光膜部分の光透過率が、露光装置の解像度においては完全に解像されずにぼける(にじむ)ため、同一の膜が形成された無限の広さをもつ半透光膜部分よりも低くなることを含めた透過率である。
【0038】
すなわち、実際に半透光膜型グレートーンマスクを使用するときに、グレートーン部として形成されるレジストパターンの形状を決定するのは、半透光膜としての透過率ではなく、露光条件下でのぼけた(にじんだ)状態での透過率であり、これを実効透過率と呼ぶ。実効透過率は、上述のとおり膜自体の透過率のほか、露光装置の解像度やパターンの形状が影響を与えた結果としての透過率である。半透光膜形成部分が微小になり、隣接する遮光膜の影響が大きくなるほど、実効透過率は下がる。
【0039】
同様に、露光条件下での解像限界以下の遮光性、または、半透光性の微細パターンを有することにより、透過光量を低減するグレートーン部をもつフォトマスク(以下、「微細パターン型グレートーンマスク」という。)においても、露光装置の解像度やパターンの形状を反映した実際の露光条件下での透過率を、実効透過率として扱うことができる。
【0040】
〔構成18〕
構成16、または、構成17を有するテストマスクにおいて、テストパターンは、2以上の遮光部に隣接しこれら遮光部によって挟まれたグレートーン部を有することを特徴とするものである。
【0041】
〔構成19〕
構成19を有するテストマスクにおいて、複数の遮光部は、段階的に線幅が異なっていることによって、2つの遮光部の間の間隔が段階的に変化していることを特徴とするものである。
【0042】
このようなテストマスクは、薄膜トランジスタ製造用のグレートーンマスクにおける、チャネル部の広さの変化に対して、形成されるレジストパターン形状を近似、評価できる上で有用である。
【0043】
〔構成20〕
構成16乃至構成19のいずれか一を有するテストマスクにおいて、テストパターンは、露光時の所定の光学的条件下における解像限界以下の線幅のパターンを有するグレートーン部を有することを特徴とするものである。
【0044】
このようなグレートーン部のパターンを評価することは、薄膜トランジスタ製造用のフォトマスクにおいて、ソース、ドレイン部に隣接し、これらによって挟まれたチャネル部を作製するレジストパターン形状を評価する上で非常に有用である。
【0045】
〔構成21〕
構成16乃至構成19のいずれか一を有するテストマスクにおいて、単位パターンは、露光光を所定量低減させて透過させる半透光性の膜が形成されたグレートーン部を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0046】
構成1を有する本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、所定のテストパターンが形成されたテストマスクを用い、テスト用レジスト膜に対して露光を行い現像したテスト用レジストパターンを得る工程と、テスト用レジストパターン、または、該テスト用レジストパターンをマスクとして被加工層をエッチングして得られるテスト用被加工層パターンを測定して実露光テストパターンデータを得る工程と、テストマスクに対して所定の光学的条件で光照射を行い該テストマスクの光透過パターンを撮像手段により取得し得られた光透過パターンに基づいて光透過テストパターンデータを得る工程と、実露光テストパターンデータと光透過テストパターンデータとを比較する工程と、検査対象となるフォトマスクに対して所定の光学的条件と同一又は異なる条件によって光照射を行って該検査対象フォトマスクの光透過パターンを撮像手段により取得する工程とを有し、比較工程によって得られた比較結果に基づいて、検査対象となるフォトマスクの評価を行うので、実際の露光を行う露光装置との条件整合を良好に行うことができる。
【0047】
なお、本発明は、検査対象となるフォトマスクが表示装置製造用フォトマスクである場合に特に有効である。表示装置製造用フォトマスクは、電子部品製造用フォトマスクのうち、フラットパネルディスプレイ装置に代表される表示装置製造用のフォトマスクであり、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンス製造用のものなど、用途に限定はない。特に、液晶ディスプレイ装置製造用、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)製造用、カラーフィルター(CF)製造用のフォトマスクについて、本発明は、顕著な効果を奏する。
【0048】
構成2を有する本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、検査対象となるフォトマスクの光透過パターンの取得に適用する光学的条件は、比較工程によって得られた比較結果に基づいて設定するので、実際の露光を行う露光装置との条件整合を良好に行うことができる。
【0049】
構成3を有する本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、テスト用レジストパターンは、レジストの厚みが、段階的、または、連続的に変化している部分を有することを特徴とするものであって、遮光部、透光部、及び、フォトマスク使用時に用いられる露光光の透過量を所定量低減させるグレートーン部とを有し、被転写体上に膜厚が段階的、または、連続的に異なるレジストパターンを形成するためのフォトマスクの検査を良好に行うことができる。
【0050】
ただし、本発明において検査対象となるフォトマスクは、バイナリマスクでも、グレートーンマスクでもよい。特に、本発明の効果が顕著なのは、遮光部、透光部、及び、露光光の透過量を所定量低減させるグレートーン部とを有し、被転写体上に膜厚が段階的、または、連続的に異なるレジストパターンを形成するためのグレートーンマスクの検査に有効である。さらには、複数の露光光透過率のグレートーン部を有し、レジストパターンに複数の段差を形成する、マルチトーンマスクでも良い。
【0051】
グレートーンマスクは、透明基板が露出した透光部、透明基板上に露光光を遮光する遮光膜が形成された遮光部、透明基板上に遮光膜、または、半透光膜が形成され透明基板の光透過率を100%としたときにそれより透過光量を低減させて所定量の光を透過するグレートーン部とを有するものである。このようなグレートーンマスクとしては、微細パターン型グレートーンマスク、あるいは半透光膜型グレートーンのいずれについても本発明が適用できる。
【0052】
構成4を有する本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、テストマスクの光透過パターンを撮像手段により取得するにあたっては、所定の光学的条件として複数の条件を設定し、複数回に亘って取得するので、より正確な条件設定を行うことができる。
【0053】
構成5を有する本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、比較結果に基づいて光学的条件を設定した後、この設定により再びテストマスクに光照射を行って光透過パターンを撮像手段により取得して光透過テストパターンデータを得て、再び実露光テストパターンデータとの比較を行って比較結果とする工程を含むので、より正確な条件設定を行うことができる。
【0054】
構成6を有する本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、光学的条件は、光透過パターンを取得するために使用する対物レンズ系の開口数(NA)、照明光学系の開口数の対物レンズ系の開口数に対する比(シグマ値(σ:コヒーレンス))、照射光の分光特性、及びデフォーカス量の少なくともいずれかを含むので、実際の露光を行う露光装置との条件整合を良好に行うことができる。
【0055】
構成7を有する本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、テスト用レジストパターンをなすレジスト材料は、検査対象となるフォトマスクを用いて露光されるレジスト膜をなすレジスト材料と同一の材料であるので、実際の露光を行う露光装置との条件整合を良好に行うことができる。
【0056】
構成8を有する本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、比較工程によって得られた比較結果に基づいて、実露光テストパターンデータと、光透過テストパターンとの間の相関関係を把握し、この相関関係に基づき、検査対象となるフォトマスクの評価を行うので、実際の露光を行う露光装置と検査装置との相関関係に基づく良好な評価を行うことができる。また、露光装置による条件以外の、レジストパターン形成条件や被加工層形成条件による、パターン形成に対する影響も、光透過テストパターンとの相関として把握することができる。
【0057】
構成9を有する本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、検査対象となるフォトマスクは、露光光を透過させる透過部、露光光を遮光する遮光部、及び、露光光の一部を低減させて透過させるグレートーン部とを有するので、グレートーンマスクについての光学的条件の設定を良好に行うことができる。
【0058】
構成10を有する本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、テストマスクには、複数の単位パターンが配列された部分を含むテストパターンが形成されており、複数の単位パターンは、一定の規則に基づいてパターン形状が逐次変化されたものであるので、光学的条件の設定を良好に行うことができる。
【0059】
構成11を有する本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、テストマスクには、複数の単位パターンが配列された部分を含むテストパターンが形成されており、複数の単位パターンは、一定の規則に基づいてパターン形状が逐次変化された部位を有するので、光学的条件の設定を良好に行うことができる。
【0060】
構成12を有する本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、一定の規則に基づくパターン形状の逐次変化は、線幅の変化であるので、パターンの線幅の変化に応じた光学的条件の設定を行うことができる。
【0061】
構成13を有する本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、一定の規則に基づくパターン形状の逐次変化は、露光光に対する実効透過率の変化であるので、透過率の変化に応じた光学的条件の設定を行うことができる。
【0062】
構成14を有する本発明に係るフォトマスクの製造方法においては、構成1乃至構成13のいずれか一を有するフォトマスクの検査方法を行う検査工程を有するので、実際の露光を行う露光装置との条件整合がなされた検査工程を経た良好なフォトマスクを製造することができる。
【0063】
構成15を有する本発明に係る電子部品の製造方法においては、構成14を有するフォトマスクの製造方法により製造されたフォトマスクを使用して電子部品製造用の被加工層上に形成されたレジスト膜に対する露光を行う工程を有するので、良好なフォトマスクを使用して良好な電子部品を製造することができる。
【0064】
構成16を有する本発明に係るフォトマスクにおいては、露光光を透過させる透過部、露光光を遮光する遮光部、及び、露光光の一部を低減させて透過させるグレートーン部とを有するテストパターンを形成したテストマスクにおいて、テストパターンは、一定の規則に基づいてパターン形状が逐次変化された複数の単位パターンが配列された部分を含み、各単位パターンにおけるグレートーン部の面積は、一定の規則に基づいてそれぞれ異なっているので、本発明に係る検査方法において、光学的条件の設定を良好に行うことができる。
【0065】
このようなテストマスクは、薄膜トランジスタ製造用のグレートーンマスクにおける、チャネル部の広さの相違に対して、形成されるレジストパターン形状を近似、評価できる上で有用である。
【0066】
構成17を有する本発明に係るフォトマスクにおいては、露光光を透過させる透過部、露光光を遮光する遮光部、及び、露光光の一部を低減させて透過させるグレートーン部とを有するテストパターンを形成したテストマスクにおいて、テストパターンには、一定の規則に基づいてパターン形状が逐次変化された複数の単位パターンが配列された部分を含み、各単位パターンにおけるグレートーン部の所定露光条件下における実効透過率は、一定の規則に基づいてそれぞれ異なっているので、本発明に係る検査方法において、光学的条件の設定を良好に行うことができる。
【0067】
構成18を有する本発明に係るフォトマスクにおいては、テストパターンは、2以上の遮光部に隣接しこれら遮光部によって挟まれたグレートーン部を有するので、本発明に係る検査方法において、光学的条件の設定を良好に行うことができる。
【0068】
構成19を有する本発明に係るフォトマスクにおいては、複数の遮光部は、段階的に線幅が異なっていることによって、2つの遮光部の間の間隔が段階的に変化しているので、本発明に係る検査方法において、光学的条件の設定を良好に行うことができる。
【0069】
このようなテストマスクは、薄膜トランジスタ製造用のグレートーンマスクにおける、チャネル部の広さの変化に対して、形成されるレジストパターン形状を近似、評価できる上で有用である。
【0070】
構成20を有する本発明に係るフォトマスクにおいては、テストパターンは、露光時の所定の光学的条件下における解像限界以下の線幅のパターンを有するグレートーン部を有するので、グレートーンマスクについて、光学的条件の設定を良好に行うことができる。
【0071】
このようなグレートーン部のパターンを評価することは、薄膜トランジスタ製造用のフォトマスクにおいて、ソース、ドレイン部に隣接し、これらによって挟まれたチャネル部を作製するレジストパターン形状を評価する上で非常に有用である。
【0072】
構成21を有する本発明に係るフォトマスクにおいては、単位パターンは、露光光を所定量低減させて透過させる半透光性の膜が形成されたグレートーン部を有するので、本発明に係る検査方法において、グレートーンマスクについて、光学的条件の設定を良好に行うことができる。
【0073】
すなわち、本発明は、検査対象であるフォトマスクに所定波長の光束を照射し、このフォトマスクを経た光束を撮像手段によって撮像して、光強度データを求めるフォトマスクの検査方法において、実際の露光を行う露光装置との条件整合を良好に行い、または、実際の露光条件との相関を定量的に把握することができるようになされたフォトマスクの検査方法を提供し、また、この検査方法による検査工程を含むフォトマスクの製造方法を提供し、この製造方法によって得られたフォトマスクを用いた電子部品製造方法を提供し、さらに、このフォトマスクの検査方法に用いるテストマスクを提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に係るフォトマスクの検査方法に使用する検査装置の構成を示す側面図である。
【図2】グレートーンマスクを用いたTFT基板の製造工程(前半)を示す断面図である。
【図3】グレートーンマスクを用いたTFT基板の製造工程(後半)を示す断面図である。
【図4】グレートーンマスクの構成を示す正面図である。
【図5】前記検査装置において得られた撮像データにおけるグレートーン部の状態を示す図である。
【図6】本発明に係るフォトマスクの検査方法に使用するテストマスクの構成を示す平面図である。
【図7】前記テストマスクにおける単位パターンを示す平面図である。
【図8】前記テストマスクにおける単位パターンの他の例を示す平面図である。
【図9】前記テストマスクにおける単位パターンのさらに他の例を示す平面図である。
【図10】(a)は、前記フォトマスクの検査装置における光源の分光特性を示すグラフであり、(b)は、前記フォトマスクの検査装置において使用する波長選択フィルタの分光特性を示すグラフであり、(c)は、前記フォトマスクの検査装置において使用する波長選択フィルタの分光特性の他の例を示すグラフである。
【図11】前記フォトマスクの検査装置における光源の分光特性、前記フォトマスクの撮像素子の分光感度分布及び各フィルタに対応して得られる基準強度データを示すグラフと、各基準強度データに対応する係数を乗じた状態を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下、本発明を実施するための最良の実施の形態について説明する。
【0076】
〔本発明に係るフォトマスクの検査方法の概要〕
本発明に係るフォトマスクの検査方法は、透明基板上に所定のパターンが形成されたフォトマスクを用いて被転写体(ガラス基板または、シリコンウェハ)に対して露光装置を用いて露光を行うにあたり、露光装置における露光によって被転写体に転写されるイメージを撮像手段によって捉えた光強度分布から予測し、フォトマスクを検査する方法である。
【0077】
より具体的には、露光装置におけるものと近似する露光条件を作り出し、露光装置における露光によって被転写体に転写されるイメージと近似するイメージを撮像手段によって捉えて検査する方法、または、露光装置における露光条件で形成されるレジストパターンと、撮像手段による光強度分布との相関を定量的に把握し、この相関を用いて、被検査対象となるフォトマスクが露光によって形成するレジストパターンを推測(エミュレート)して検査する方法が含まれる。なお、露光装置は、フォトマスクに形成されたパターンを、一定の露光条件にて被転写体上に転写させる装置である。
【0078】
そして、このフォトマスクの検査方法においては、撮像手段により得られた光強度分布に基づいて、被転写体上のレジストパターン、または、そのレジストパターンをマスクとして加工した被加工層パターン寸法の仕上がり値、フォトマスクの透過率の変動によるそれらの形状変動などを含む様々な解析、評価を行なうことができる。なお、この検査装置よって検査されるフォトマスクは、最終製品であるフォトマスクのみならず、フォトマスクを製造する途中での中間体をも含む。
【0079】
〔本発明において使用する検査装置の構成〕
このフォトマスクの検査方法においては、図1に示すように、検査装置を使用する。この検査装置においては、検査対象であるフォトマスク3は、マスク保持手段3aによって保持される。このマスク保持手段3aは、フォトマスク3の主平面を略鉛直とした状態で、このフォトマスクの下端部及び側縁部近傍を支持し、このフォトマスク3を傾斜させて固定して保持するようになっている。このマスク保持手段3aは、フォトマスク3として、大型(例えば、主平面が1220mm×1400mm、厚さ13mmのもの)、かつ、種々の大きさのフォトマスク3を保持できるようになっている。すなわち、このマスク保持手段3aにおいては、主平面を略鉛直とした状態のフォトマスク3の下端部を主に支持するので、フォトマスク3の大きさが異なっても、同一の支持部材によってフォトマスク3の下端部を支持することができる。
【0080】
ここで、略鉛直とは、図1中θで示す鉛直からの角度が10度程度以内となるように保持することが好ましく、さらには、鉛直から2度乃至10度の角度、さらに好ましくは、鉛直から4度乃至10度だけ傾斜した状態とするのが好ましい。
【0081】
このように、フォトマスク3を傾斜させて支持するマスク保持手段3aを用いることにより、フォトマスク3を保持させる過程において、フォトマスク3を転倒させてしまうことを防止し、安定してフォトマスク3の保持、固定を行うことができる。さらに、フォトマスク3を完全に鉛直として保持することとすると、フォトマスク3の全重量が下端部に集中してしまい、フォトマスク3が損傷を被る可能性が増大する。フォトマスク3を傾斜させて支持するマスク保持手段3aを用いることにより、フォトマスク3の重量を複数の支持点に分散させ、フォトマスク3の損傷を防止することができる。
【0082】
このように、この検査装置においては、フォトマスク3の主平面を上記のようにしてフォトマスク3を保持するので、検査装置の設置面積の増大が抑えられるとともに、フォトマスク上へのパーティクルの落下を抑止することができる。
【0083】
そして、この検査装置は、所定波長の光束を発する光源1を有している。この光源1としては、例えば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、UHPランプ(超高圧水銀ランプ)等を使用することができる。
【0084】
そして、この検査装置は、光源1からの検査光を導きマスク保持手段3aにより保持されたフォトマスク3に検査光を照射する照明光学系2を有している。この照明光学系2は、開口数(NA)を可変とするため、絞り機構を備えている。さらに、この照明光学系2は、フォトマスク3における検査光の照射範囲を調整するための視野絞りを備えていることが好ましい。この照明光学系2を経た検査光は、マスク保持手段3aにより保持されたフォトマスク3に照射される。
【0085】
フォトマスク3に照射された検査光は、このフォトマスク3を透過して、対物レンズ系4に入射される。この対物レンズ系4は、絞り機構を備えることにより、開口数(NA)が可変となされている。この対物レンズ系4は、例えば、フォトマスク3を透過した検査光が入射されこの光束に無限遠補正を加えて平行光とする第1群(シミュレータレンズ)4aと、この第1群を経た光束を結像させる第2群(結像レンズ)4bとを備えたものとすることができる。
【0086】
この検査装置においては、照明光学系2の開口数と対物レンズ系4の開口数とがそれぞれ可変となっているので、照明光学系2の開口数の対物レンズ系4の開口数に対する比、すなわち、シグマ値(σ:コヒーレンス)を可変することができる。
【0087】
対物レンズ系4を経た光束は、撮像手段5により受光される。この撮像手段5は、フォトマスク3の像を撮像する。この撮像手段5としては、例えば、CCD等の撮像素子を用いることができる。
【0088】
そして、この検査装置においては、撮像手段5によって得られた撮像画像についての画像処理、演算、所定の閾値との比較及び表示などを行う図示しない制御手段及び表示手段が設けられている。
【0089】
また、この検査装置においては、所定の露光光を用いて得られた撮像画像、または、これに基づいて得られた光強度分布に対して、制御手段によって所定の演算を行い、他の露光光を用いた条件下での撮像画像、または、光強度分布を求めることができる。例えば、この検査装置においては、g線、h線及びi線が同一である強度比の露光条件において光強度分布を得たとき、g線、h線及びi線が1:2:1の強度比の露光条件において露光した場合の光強度分布を求めることができる。これにより、この検査装置においては、露光装置に使用する照明光源の種類、個体差や露光装置に用いられている照明の経時変化による波長毎の強度変動も含めて、実際に用いる露光装置における露光条件を再現した評価を行うことが可能であり、また、所望のフォトレジストの残膜量を想定した場合に、これを達成できる最適な露光条件を簡便に求めることが可能である。
【0090】
この検査装置を用いて行う本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、照明光学系2と、対物レンズ4系及び撮像手段5とは、主平面を略鉛直として保持されたフォトマスク3を挟んで対峙する位置にそれぞれ配設され、両者の光軸を一致させた状態で、検査光の照射及び受光を行う。これら照明光学系2、対物レンズ4系及び撮像手段5は、図示しない移動操作手段によって移動操作可能に支持されている。この移動手段は、照明光学系2、対物レンズ系4及び撮像手段5を、それぞれの光軸を互いに一致させつつ、フォトマスク3の主平面に対して平行に移動させることができる。この検査装置においては、このような移動操作手段が設けられていることにより、大型のフォトマスクを検査する場合であっても、このフォトマスク3を主平面に平行な方向に移動させることなく、フォトマスク3の主平面の全面に亘る検査が可能であり、また、主平面上の所望の部位の選択的な検査が可能である。
【0091】
そして、この検査装置においては、制御手段により、対物レンズ系4及び撮像手段5がそれぞれ光軸方向に移動操作可能となっており、これら対物レンズ系4及び撮像手段5を、互いに独立的に、フォトマスク3に対する相対距離を変化させることができる。この検査装置においては、対物レンズ系4及び撮像手段5が独立的に光軸方向に移動可能であることにより、フォトマスク3を用いて露光を行う露光装置に近い状態での撮像を行うことができる。また、対物レンズ系4のフォーカスをオフセットし、撮像手段5により、フォトマスク3のぼかされた像を撮像することも可能である。このようにぼかされた像を評価することによって、後述するように、グレートーンマスクの性能及び欠陥の有無を判断することもできる。
【0092】
そして、この検査装置の制御手段は、照明光学系2の視野絞り及び絞り機構、対物レンズ系4の絞り機構、移動操作手段を制御する。この制御手段は、この検査装置を用いたフォトマスクの検査方法において、対物レンズ系4の開口数(NA)及びシグマ値(照明光学系2の開口数の対物レンズ系4の開口数に対する比)を所定の値に維持した状態で、移動操作手段により、照明光学系2、対物レンズ系4及び撮像手段5を、これらの光軸を一致させた状態で、マスク保持手段により保持されたフォトマスク3の主平面に平行な方向に移動操作するとともに、対物レンズ系4及び撮像手段5を光軸方向について互いに独立的に移動操作する。
【0093】
〔本発明に係るフォトマスクの検査方法の検査対象〕
本発明に係るフォトマスクの検査方法において検査対象となるフォトマスクは、製品として完成したフォトマスクのみならず、フォトマスクを製造する途中での中間体をも含み、また、このフォトマスクの種類や用途には特に制限はない。
【0094】
すなわち、この検査装置においては、透明基板の主表面にCrなどを主成分とする遮光膜を形成しこの遮光膜に所定のパターンをフォトリソグラフィーにより形成して遮光部及び透光部を有するパターンを形成したバイナリーマスクのみならず、透明基板の主表面に遮光部、透光部及びグレートーン部を有するグレートーンマスクを検査することが可能である。この検査装置においては、このようなグレートーンマスクを検査する場合に、特に顕著な効果が得られる。
【0095】
したがって、この検査装置は、FPDの製造用のフォトマスクを検査する場合に顕著な効果があり、さらに、液晶装置製造用のフォトマスクの中でも薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、「TFT」という。)製造用のものに最も適している。これは、これらの分野では、製造効率及びコスト上の有利さから、グレートーンマスクが多用されることに加え、グレートーン部の寸法が極めて微細であり、かつ、精緻である必要があるためである。
【0096】
なお、グレートーン部には、半透光膜が形成された半透光部(「半透光膜型」という。)と、露光条件での解像限界以下の微細パターンによってグレートーン部とするもの(「微細パターン型」という。)の両方が含まれる。すなわち、グレートーンマスクには、グレートーン部に透過光量が100%より小さい(例えば40〜60%)半透光性の膜が成膜されたグレートーン部をもつフォトマスク(半透光膜型グレートーンマスク)と、露光条件下での解像限界以下の遮光性、または、半透光性の微細パターンを有することにより透過光量を低減するグレートーン部をもつフォトマスク(微細パターン型グレートーンマスク)との両方が含まれる。
【0097】
〔グレートーンマスクについて〕
ここで、本発明に係るフォトマスクの検査装置において検査対象となるグレートーンマスクについて説明する。
【0098】
TFTを備えた液晶表示デバイス(LiquidCrystalDisplay:以下、「LCD」という。)は、陰極線管(CRT)に比較して、薄型にしやすく消費電力が低いという利点から、現在、広く使用されるに至っている。LCDにおけるTFTは、マトリックス上に配列された各画素にTFTが配列された構造のTFT基板と、各画素に対応してレッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)の画素パターンが配列されたカラーフィルタとが液晶相を介して重ね合わされた構造を有している。このようなLCDは、製造工程数が多く、TFT基板だけでも、5乃至6枚のフォトマスクを用いて製造されていた。
【0099】
このような状況の下、TFT基板の製造を4枚のフォトマスクを用いて行う方法が提案されている。この方法は、遮光部、透光部及びグレートーン部を有するグレートーンマスクを用いることにより、使用するマスクの枚数を低減するものである。図2及び図3に、グレートーンマスクを用いたTFT基板の製造工程の一例を示す。
【0100】
まず、図2中の(A)に示すように、ガラス基板201上に、ゲート電極用金属膜を形成し、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィー工程によりゲート電極202を形成する。その後、ゲート絶縁膜203、第1半導体膜(a−Si)204、第2半導体膜(N+a−Si)205、ソースドレイン用金属膜206及びポジ型フォトレジスト膜207を形成する。
【0101】
次に、図2中の(B)に示すように、遮光部101、透光部102及びグレートーン部103を有するグレートーンマスク100を用いて、ポジ型フォトレジスト膜207を露光し、現像して、第1レジストパターン207Aを形成する。この第1レジストパターン207Aは、TFTチャンネル部、ソースドレイン形成領域及びデータライン形成領域を覆い、かつ、TFTチャンネル部形成領域がソースドレイン形成領域よりも薄くなっている。
【0102】
次に、図2中の(C)に示すように、第1レジストパターン207Aをマスクとして、ソースドレイン金属膜206、第2及び第1半導体膜205、204をエッチングする。次に、図3中の(A)に示すように、酸素によるアッシングによってレジスト膜207を全体的に減少させて、チャンネル部形成領域の薄いレジスト膜を除去し、第2レジストパターン207Bを形成する。その後、図3中の(B)に示すように、第2レジストパターン207Bをマスクとして、ソースドレイン用金属膜206をエッチングしてソース/ドレイン206A、206Bを形成し、次いで第2半導体膜205をエッチングする。最後に、図3中の(C)に示すように、残存した第2レジストパターン207Bを剥離させる。
【0103】
ここで用いられるグレートーンマスク100は、図4に示すように、ソース/ドレインに対応する遮光部101A、101B、透光部102及びTFTチャンネル部に対応するグレートーン部103を有する。このグレートーン部103は、グレートーンマスク100を使用する大型LCD用露光装置の露光条件下で解像限界以下の微細パターンからなる遮光パターン103Aが形成された領域である。遮光部101A、101B及び遮光パターン103Aは、通常、ともにクロムやクロム化合物等の同じ材料からなる同じ厚さの膜から形成されている。このようなグレートーンマスクを使用する大型LCD用露光装置の解像限界は、ステッパ方式の露光装置で約3μm、ミラープロジェクション方式の露光装置で約4μmである。このため、グレートーン部103においては、透過部103Bのスペース幅及び遮光パターン103Aのライン幅のそれぞれを、露光装置の露光条件下の解像限界以下の、例えば、3μm未満とする。
【0104】
このような微細パターンタイプのグレートーン部103の設計においては、遮光部101A、101Bと透光部102との中間的な半透光(グレートーン)効果を持たせるための微細パターンを、ライン・アンド・スペースタイプにするか、ドット(網点)タイプにするか、あるいはその他のパターンにするかという選択がある。また、ライン・アンド・スペースタイプの場合、線幅をどのくらいにするか、光が透過する部分と遮光される部分の比率をどうするか、全体の透過率をどの程度に設計するかなど、非常に多くのことを考慮して設計がなされなければならない。また、グレートーンマスクの製造においても、線幅の中心値の管理及びマスク内の線幅のばらつき管理など、非常に難しい生産技術が要求されていた。
【0105】
そこで、従来、グレートーン部を半透光性の膜によって形成することが提案されている。グレートーン部に半透光膜を用いることにより、グレートーン部による露光量を少なくして、ハーフトーン露光を実施することができる。また、グレートーン部に半透光膜を用いることにより、設計においては、全体の透過率がどのくらい必要かを検討するのみで足り、グレートーンマスクの製造においても、半透光膜の膜種(膜材質)や膜厚を選択するだけで、グレートーンマスクの生産が可能となると考えられていた。したがって、このような半透光膜タイプのグレートーンマスクの製造では、半透光膜の膜厚制御を行うだけで足り、比較的管理が容易との見方も存在した。また、TFTチャンネル部をグレートーンマスクのグレートーン部で形成する場合には、半透光膜であればフォトリソグラフィー工程により容易にパターニングが実施できるので、TFTチャンネル部の形状も複雑な形状とすることが可能となる。
【0106】
半透光膜タイプのグレートーンマスクは、例えば、以下のようにして製造することができる。ここでは、一例として、TFT基板のパターンを挙げて説明する。このパターンは、前述したように、TFT基板のソース及びドレインに対応するパターンからなる遮光部101と、TFT基板のチャネル部に対応するパターンからなるグレートーン部103と、これらパターンの周囲に形成される透光部102とで構成される。
【0107】
まず、透明基板上に半透光膜及び遮光膜を順次形成したマスクブランクを準備し、このマスクブランク上にレジスト膜を形成する。次に、パターン描画を行って、現像することにより、パターンの遮光部及びグレートーン部に対応する領域にレジストパターンを形成する。次に、適当な方法でエッチングすることにより、レジストパターンが形成されていない透光部に対応する領域の遮光膜とその下層の半透光膜を除去し、パターンを形成する。
【0108】
このようにして、透光部102が形成され、同時に、パターンの遮光部101とグレートーン部103に対応する領域の遮光パターンが形成される。そして、残存するレジストパターンを除去してから、再び、レジスト膜を基板上に形成し、パターン描画を行って、現像することにより、パターンの遮光部101に対応する領域にレジストパターンを形成する。
【0109】
次に、適当なエッチングにより、レジストパターンの形成されていないグレートーン部103の領域の遮光膜のみを除去する。これにより、半透光膜のパターンによるグレートーン部103が形成され、同時に、遮光部101のパターンが形成される。
【0110】
〔グレートーンマスクの検査について〕
前述のようなグレートーンマスクにおける欠陥や性能上の検査を行うには、実際の露光条件を反映したシミュレーションを行い、欠陥の有無、性能の優劣を評価しなければならない。
【0111】
グレートーンマスクにおいては、マスクに形成されたパターン形状が、このマスクを使用した露光によって形成されるレジスト膜厚やレジスト膜の形状に影響する。例えば、平面的なパターン形状の評価のみでなく、グレートーン部の光透過率が適切な範囲内にあるか、グレートーン部と遮光部の境界の立ち上がり(シャープネス、または、ぼかし具合)がどのようであるかを評価する必要がある。
【0112】
特に、微細パターンからなるグレートーン部を有するグレートーンマスクの場合には、フォトマスクを用いて実際に露光する時には、微細パターンが解像されずに、実質的に均一な透過率とみなされる程度に非解像の状態で使用される。この状態をマスクの製造過程において、または、出荷前の段階において、さらには、欠陥修正を行った段階において検査する必要がある。
【0113】
本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、グレートーン部を透過する露光光の量を低減しこの領域におけるフォトレジストのへの照射量を低減することによりフォトレジストの膜厚を選択的に変えるものであるようなグレートーンマスクの検査を、実際の露光条件を近似して、高精度で行うことができる。さらに、近似できない要因あっても、実際の露光によって得られるフォトレジストのパターン形状を、高精度に予測することができる。
【0114】
そして、この検査装置において取得するデータでは、装置に与える光学条件(使用する露光装置の光学条件に略略等しい条件)に対して適切に設計され、適切に形成されたパターンであれば、図5に示すように、グレートーン部に形成された微細パターンが、実際の露光時に生じるであろう状態と同様に、実質的に略々単一の濃度となるような非解像の状態となる。この部分の濃度が、このグレートーンマスクを使用した場合のこの部分の透過率を示し、これによってグレートーン部により形成されるレジスト膜の残膜量が決定される。一方、もし設計が光学条件に対して不適切だった場合や、製造工程で所定の形状、寸法にパターンが形成されていない場合は、半透光部の濃度や、グレートーン部の形状などが上記の正常な状態とは異なる状態を示すことになるため、正常な状態との比較により、検査部分の良否を判定することができる。
【0115】
したがって、本発明に係る検査装置によってグレートーンマスクを検査する場合には、上記のような適切な非解像部分が出現する(すなわち、グレー部が出現する)露光条件が、実際にフォトマスクに適用する露光条件とほぼ一致していれば、フォトマスクの性能が十分であると言える。
【0116】
さらに、上記のような非解像の状態において撮像画像を得たときに、必要により適切な演算を経て、チャネル部と、ソース、ドレイン部との境界部分のシャープネスを評価し、フォトレジストの立体形状を予測することも可能である。
【0117】
したがって、本発明に係る検査装置は、実際の露光条件では解像限界以下となるような微細な遮光パターンからなるグレートーン部を有するフォトマスクの検査に有利に適用することができる。
【0118】
この場合、解像限界以下の微細パターンを有するフォトマスク3を検査対象として検査装置に設置し、例えば、対物レンズ系4の開口数及びシグマ値(照明光学系2の開口数の対物レンズ系4の開口数に対する比)を所定の値とし、また、対物レンズ系4の位置を適切に光軸方向に調節することにより、撮像手段5における撮像面には、微細パターンの非解像な状態の像が得られる。そして、撮像された画像データを演算手段によって処理することにより、マスクパターンの光強度分布を得ることができる。この撮像画像の形状及び所定の評価点における光強度データから、フォトマスク3の性能の優劣、欠陥の有無を評価することができる。
【0119】
〔テストマスクについて〕
本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、図6に示すように、テストマスク11を使用する。
【0120】
このテストマスク11は、前述の検査装置を使用したフォトマスクの検査においては、露光装置との光学的条件を、的確に、迅速に行うための仲介を行うものである。これに加え、または、これに代えて、レジスト膜の分光感度や、撮像手段の分光感度特性など、露光装置との条件整合が不可能であるような因子も含めた条件についても、検査装置と露光装置との間を仲介し、あるいは、検査結果と露光によるレジストパターン形成結果の間の相関を導くものである。相関を定量的に把握できれば、それを相殺するオフセットパラメータを算出し、以後、検査対象となるフォトマスクの検査結果に、このパラメータを反映させれば、正確な露光結果が推測できる。具体的には、例えばテストマスクによる本発明の検査方法により、検査装置における露光条件のうち、基本的な特性を露光装置の露光条件と一致させておき、その後、露光装置一台一台の個体差や、露光装置以外のプロセスに起因する条件相違を、このテストマスクを用いた検査工程により、変換係数として把握することができる。
【0121】
このテストマスク11においては、図6中の(a)に示すように、例えば、800mm×920mmの基板上に、同一のテストパターン12が、X軸方向及びY軸方向のそれぞれにマトリクス状に配列されている。個々のテストパターン12は、図6中の(b)に示すように、X軸方向及びY軸方向に1列ずつ配列された単位パターン13を有して形成されている。余剰の部分には、適宜他のテストパターンなどを配置してもよい。例えば、図6中の(b)では、周縁部に、位置基準マーク、中央部に、一般的な解像度パターンを配置した例である。
【0122】
本発明のテストパターンにおいて、個々の単位パターン13は、それぞれ同一のパターンでもよいが、例えば、図7に示すように、後述する評価工程において有用な、それぞれ異なるパターンを配列させることが好ましい。ここでは、単位パターン13(ウェッジパターン)がX方向に21個配列され、それぞれの単位パターン13においてY方向に21段階に形状が変化されている例を示している。すなわち、各単位パターン13は、X方向にもY方向にも、配列順に一定の規則に基づいて変化している。
【0123】
個々の単位パターン13は、遮光膜によって形成されている。この単位パターン13は、図7中の(a)において「a〜u」で示すY軸方向について階段状に幅が変化している一対の遮光部に挟まれた透光部に、遮光膜による縦線が配されたラインアンドスペースのパターンとなっている。1つ1つの単位パターン13においては、両側の一対の遮光部は、図7中の(a)において「1〜21」で示すX軸方向についてについて同一であるが、中央の透光部に形成された遮光ライン部の線幅は、X軸方向について、「1〜21」に向けて、一定のピッチで細くなっている。
【0124】
このような単位パターン13を配列させることにより、図7中の(b)に示すように、遮光部に挟まれたグレートーン部の透過率が漸次大きくなっていくマスクに近似させることができる。例えば、薄膜トランジスタにおけるチャネル部形成用のグレートーンマスクにおいて、グレートーン部の光透過率を漸次変化させた態様に近似させることができる。
【0125】
一方、各単位パターン13において、Y方向については、「a〜u」にかけて、両側の遮光部の線幅が漸次小さくなっている。これは、例えば、薄膜トランジスタにおけるチャネル部形成用のグレートーンマスクにおいて、図7中の(b)に示すように、チャネル部の幅が漸次大きくなってゆく態様に近似させることができる。なお、ここで、各単位パターン13における一対の遮光部の線幅の変化ピッチは、中央の遮光ラインの線幅の変化ピッチに等しくしておくことが、後述の理由で好ましい。
【0126】
一方、このように配列した単位パターン13は、斜め方向に観察、評価することにより、該マスクの線幅(CD)の変動による被転写体への転写の影響を評価することを可能にする。例えば、「a1、b2、c3…」という配列は、やはり一定の規則でパターン形状変化をしており、この規則は、中央の遮光ラインが一定のピッチで細くなるとともに、両側の遮光部の線幅も一定のピッチで細くなってゆく。これは、フォトマスク製造工程中の因子など、種々の理由によるフォトマスクのCD変動(線幅が所定量大きくなり、または、小さくなる)に近似させることができる。
【0127】
したがって、このようなテストマスクを使用する本発明に係るフォトマスクの検査方法を実施すると、検査装置で得られる光強度分布と、同一のテストマスクを用いて実際の露光を行って得られる被転写体上のレジストパターンとの相関を、各パターン形状の変化との関係において把握することが可能である。
【0128】
さらに、図6中の(b)に示すように、単位パターン13は、テストマスク11において、X方向及びY方向に90°の角度をもって配列されている。これは、電子部品、例えば、液晶パネルの製造時に生じ得るX方向及びY方向のパターンの解像度の不均一要因を評価することを可能とする。例えば、露光装置の走査方向とこれに垂直な方向とで、解像度に差異が生じていれば、このような解像度の差異の状態を評価することができる。
【0129】
なお、ここでは、単位パターン13として、図7に示すように、階段状に幅が変化している一対の遮光部に挟まれた透光部に遮光膜による遮光ラインを配したラインアンドスペースのパターン(ウェッジパターン)を有するテストマスク11について説明したが、本発明におけるテストマスクは、これに限定されない。異なるテストパターンを、図8及び図9に例示する。図8示す単位パターン13は、正方形枠状の透光部と、この透光部内に形成された正方形枠状の遮光部とを有するものであり、一つの単位パターン13において、4方向についての評価を行うことができる。図9示す単位パターン13は、正八角形枠状の透光部と、この透光部内に形成された正八角形枠状の遮光部とを有するものであり、一つの単位パターン13において、8方向についての評価を行うことができる。
【0130】
さらに、異なる態様として、図7のテストパターンの階段状に幅が変化している一対の遮光部に挟まれた部分に半透光膜(透光部に対して所定量透過率を低減させる目的で設けられた膜)を成膜して、単位パターンとしてもよい。この場合には、このテストマスクを用いて、半透光膜が形成されたグレートーン部を有するグレートーンマスクの評価を行うことが可能となる。チャネル部に相当する部分に、半透光膜を配したTFT製造用グレートーンマスクを近似できる。
【0131】
〔本発明に係るフォトマスクの検査方法〕
本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、まず、前述のテストマスク11を用いて、実際にフォトマスクの露光に使用する露光装置により露光を行い、被転写体にパターンを転写させる。被転写体の被加工層上には、レジスト膜が塗布されている。レジスト膜の下の被加工層は、被転写体の用途に応じて形成されたものである。
【0132】
露光後、被転写体に形成されたレジスト膜を現像することにより、レジストパターンを形成する。このレジストパターンは、三次元形状測定器によって、その形状を測定し数値化することが好ましい。
【0133】
なお、レジストパターンの形状によって本発明に係るフォトマスクの検査を行うようにしてもよいし、このレジストパターンをマスクとしてエッチング処理を施し、レジスト層の下の被加工層のパターン(被加工層パターン)を形成した上で、その被加工層パターンを測定し評価してもよい。その場合には、被加工層パターンを形状測定器によって測定し数値化することが好ましい。
【0134】
このようにして、テストマスクを用いて露光し現像して形成されるレジストパターンの形状を数値化した「実露光テストパターンデータ」を得ることができる。
【0135】
なお、前述の露光(実際の露光)工程においては、実際に使用する検査対象となるフォトマスク(実マスク)に適用する露光条件(露光装置、及び、露光時の光学条件)と同一条件を適用することが好ましい。さらに、用いるレジスト膜の素材、レジスト膜の現像条件も、検査対象となるフォトマスクを用いてパターンを転写した被転写体を処理する場合と同一とすることが好ましい。そのようにすることで、本発明に係るフォトマスクの検査によって得られた評価結果を、検査対象となるフォトマスクによる製品製造に対して適用することができる。
【0136】
一方で、このテストマスクを、前述した検査装置における検査対象として設置し、所定の露光光を照射し、そ光透過量分布を、撮像手段によって取得する。具体的には、CCDカメラ等によって、テストマスクを透過した光束を捕らえ、得られた画像を数値化し、「光透過テストパターンデータ」を得る。
【0137】
ここで適用する露光光の照射条件は、検査対象となるフォトマスクを用いて実際の製品を製造する際の露光条件と極力近似させることが好ましい。例えば、検査対象となるフォトマスクを用いて露光する際の露光装置の光源の波長特性を予め把握し、これに近似した波長特性の光源を検査機においても使用することが好ましい。さらに、露光装置における光学条件(対物光学系の開口数(NA)、シグマ値(σ)といった光学設計値)に近似させて検査を行うことが好ましい。そのようにすることで、検査対象となるフォトマスクを用いて露光して形成されるレジストパターン(または、被加工層パターン)に近似された条件下で、テストマスクによるレジストパターンを形成することができ、「実露光テストパターンデータ」と「光透過テストパターンデータ」との比較対照による解析が容易になる。
【0138】
検査結果を得たのち、「実露光テストパターンデータ」と「光透過テストパターンデータ」と比較対照結果を使用して、照射条件を変更し、より実際の露光における露光条件に近づけていくことが可能である。すなわち、検査装置における光学的条件を最適化し、実際の露光における露光条件に近いものとするために、テストマスクを用いて、2つの数値化データ(「実露光テストパターンデータ」及び「光透過テストパターンデータ」)を取得し、これらを比較対照する。そして、この比較結果を、以下のように使用することができる。
【0139】
(1)検査装置の最適条件の設定
2つの数値化データ(「実露光テストパターンデータ」及び「光透過テストパターンデータ」)の差異にもとづき、検査装置における露光条件(検査装置における開口数(NA)及びシグマ値(σ)など)を変更(修正)することによって、検査装置における照射条件(例えば、解像度)を、実際の露光装置における露光条件に近づけることができる。
【0140】
また、2つの数値化データの差異にもとづき、検査装置におけるの露光に用いた光源の分光特性(g線が強い、または、i線が強いという特性)を変更(修正)することによって、検査装置における照射条件を、実際の露光条件に近づけることができる。
【0141】
(2)検査装置による光透過量分布と、実際の露光によるレジストパターン(または、被加工層膜パターン)の相関の把握
2つの数値化データの相関を把握し、フォトマスクのパターンを検査装置により測定して得たデータから、実際の露光により得られるレジストパターンを推定することができる。
【0142】
例えば、検査装置によって得たデータについて分光特性の補正を行う場合の補正係数(オフセットパラメータ)を得ることができる。これによって実際の露光時の解像度及び実際の露光時の光透過量を推定することができる。なお、解像度は、波長に影響され、また、半透光膜のあるフォトマスクを使用する場合には、透過率は、波長によって異なる。したがって、検査機の照射光の分光特性が、露光装置のそれと完全に同一にできない場合でも、それらの相関を数値化できれば、被検査マスクの検査から、実際の露光結果が推定できる。
【0143】
このようにして得られた検査装置の適切な照射条件設定は、実際の露光に使用される露光装置ごと、または、製品ごとなどに行われ、検査装置に連設された制御装置によって記憶され保存されることができる。
【0144】
また、フォトマスクのパターン修正を行うときに、相関を織り込んで修正データを算出することができる。例えば、検査装置で得られる光透過率と、実際の露光で得られるレジストパターンの残膜厚の相関を織り込んだ修正を行うことができる。
【0145】
微細パターン方のグレートーンマスクの検査においては、グレートーン部への露光によって得られるレジストパターンの残膜厚(残膜値ともいう)の推定にも有効である。照射条件が適切となされた検査装置を使用し、さらに、ある形状の微細パターンを用いれば、どのような残膜厚でどのような形状のレジストパターン(または、被加工層パターン)が得られるかを推定することができる。
【0146】
また、検査装置における照射条件と実際の露光によるレジストパターンの相関のみでなく、条件変化による両者の変化の傾向も把握することが好ましい。そのため、照射条件を変えて複数の照射テストを行うほか、テストマスクにも、前述したように、条件を変化させた単位パターンを複数配列し、一回の照射テストでとれる情報を多くすることが好ましい。
【0147】
ここで、本発明に係るフォトマスクの検査方法においては、露光条件を変更しつつ、複数回の照射を行い、おのおのの照射によるテストマスクの撮像画像を得ることが好ましい。この複数の異なる条件によるテストマスクの透過光光強度分布データは、該テストマスクの実際の露光によるレジストパターンとの比較対照に供することにより、さらに、多くの情報を得ることが可能となる。例えば、所定量ずつ開口数(NA)を変化させながら照射を行う、あるいは、所定量ずつ、開口数(NA)、または、コヒーレンス(σ)を変化させんながら照射を行うなどである。
【0148】
こうして得られた透過光の光強度分布データは、データベースとして蓄積することができる。このデータベースにより、検査対象となるフォトマスクを検査するときの検査装置の条件設定を精緻に行えるとともに、無駄な実験を少なくして最適条件に速く到達することができる。つまり、検査装置によって得たデータと、実際の露光によって得たデータとの差異を解析するとき、その差異の因果関係を導き、両者の相関を正確に把握し、検査装置の条件設定の変更や、フォトマスクを用いて実際に露光したときのレジストパターンのシミュレーションに利用できる。
【0149】
さらに、テストマスクによるシミュレーション結果により、検査機の光源の分光特性に対する補正係数を求めることができる。
【0150】
〔検査光の分光特性について(1)〕
ところで、この検査装置における光源1としては、検査を経たフォトマスク3を用いて露光を行う露光装置における露光光と同一、または、略等しい波長分布を有する検査光を発するものを用いることが好ましい。
【0151】
具体的には、この検査光は、図10中の(a)に示すように、少なくともg線(436nm)、h線(405nm)、または、i線(365nm)のいずれかを含んでおり、これら各波長成分を全て含み、または、これら各波長成分のうち任意の2以上が混合されているミックス光とすることもできる。通常、FPD製造用の大型マスクの露光に際しては、露光光として、これらの波長のミックス光を用いるため、この検査装置においても、所望の光強度割合でのミックス光を適用する場合には、実際に使用する露光装置の光源の特性に基づいて決定することが好ましい。すなわち、前述したテストマスクによるシミュレーション結果により、検査機の光源の分光特性を、実際に使用する露光装置の光源の特性に基づくものとすることができる。
【0152】
そして、この検査光は、光学フィルタなどの波長選択フィルタ6を透過してフォトマスク3に照射されることにより、フォトマスク3上における各波長成分の混合比が調整される。この波長選択フィルタ6としては、図10中の(b)に示すように、所定の波長以下、または、所定の波長以上の光束をカットする特性を有するフィルタを使用することができる。
【0153】
この検査装置においては、光源1から発せられる検査光の波長分布が露光装置における露光光の波長分布と同一、または、略等しいことによって、実際の露光条件を反映した検査を行うことができる。すなわち、露光光によっては、白色光下で欠陥と見なされるものが露光装置において正常なパターンとして扱える場合や、その逆に、白色光下で欠陥と見なされないものが露光装置において正常なパターンとして扱えない場合があり得るからである。
【0154】
さらに、この検査装置においては、波長選択フィルタとして、図10中の(c)に示すように、光源1より発せられた主としてg線のみを透過させる特性を有する第1のフィルタと、光源1より発せられた主としてh線のみを透過させる特性を有する第2のフィルタと、光源1より発せられた主としてi線のみを透過させる特性を有する第3のフィルタとを選択的に使用することができる。
【0155】
この場合においては、第1のフィルタを使用したときに撮像手段5により得られる光強度データdgと、第2のフィルタを使用したときに撮像手段5により得られる光強度データdhと、第3のフィルタを使用したときに撮像手段5により得られる光強度データdiとをそれぞれ求める。
【0156】
そして、これら各光強度データdg,dh,diを、それぞれに所定の重み付けを行った後、加算することにより、g線、h線及びi線が所定の強度比で混合された光束をフォトマスク3に照射したときに得られる光強度データを算出することができる。
【0157】
各光強度データdg,dh,diの重み付けは、例えば、この検査装置の光源1からの光束におけるg線、h線及びi線の強度比率が、〔1.00:1.20:1.30〕であって、露光装置の光源からの露光光におけるg線、h線及びi線の強度比率が、〔1.00:0.95:1.15〕であったとすると、dgに掛けるべき係数fgは、1.00、dhに掛けるべき係数fhは、0.95/1.20(=0.79)、diに掛けるべき係数fiは、1.15/1.30(=0.88)となる。
【0158】
これらを加算したデータ、すなわち、〔fgdg+fhdh+fidi〕が、露光装置において露光光をフォトマスク3に照射したときに得られる光強度分布を示すデータとなる。なお、このような演算は、制御手段を演算手段として使用して、この制御手段により行うことができる。
【0159】
〔検査光の分光特性について(2)〕
この検査装置における光源1が発する検査光が、露光装置における露光光と異なる波長分布を有していても、以下のようにして、露光装置における露光状態をシミュレーションすることができる。
【0160】
また、以下に述べる操作により、検査装置の光源の分光特性、露光装置の光源の分光特性及びレジストの分光感度特性等について整合をさせておき、さらに、前述したテストマスクを用いた「実露光テストパターンデータ」と「光透過テストパターンデータ」との比較を行うことにより、より迅速、かつ、適切に、フォトマスクの検査時のオフセットパラメータを得ることができ、フォトマスクの検査を容易、かつ、正確に行うことができる。
【0161】
この検査装置においては、前述したように、波長選択フィルタとして、光源1より発せられた主としてg線のみを透過させる特性を有する第1のフィルタと、光源1より発せられた主としてh線のみを透過させる特性を有する第2のフィルタと、光源1より発せられた主としてi線のみを透過させる特性を有する第3のフィルタとを選択的に使用することができる。
【0162】
そこで、テストマスク11を用いて、図11に示すように、第1のフィルタを使用したときに撮像手段5により得られる第1の基準強度データIg、第2のフィルタを使用したときに撮像手段5により得られる第2の基準強度データIh、第3のフィルタを使用したときに撮像手段5により得られる第3の基準強度データIiを求める。これら各基準データIg,Ih,Iiは、光源1の分光分布と、撮像手段5の分光感度分布と、各フィルタの分光透過率とが乗算された結果であり、さらに、この検査装置において光源1からの検査光が透過する各光学素子の分光透過率もが乗算された結果である。
【0163】
光源1の分光分布、撮像手段5の分光感度分布及び各光学素子の分光透過率は、波長に対して一様ではない。そのため、ある欠陥について撮像されるパターンは、図11中の(a)に示すように、撮像に用いた各検査光(g線、h線、i線)の波長の違いにより、異なるパターンとなる。これらのパターンは、図11中の(b)に示すように、一定の閾値で切ったときに、大きさの異なるパターンとして認識される。
【0164】
次に、第1乃至第3の基準強度データIg,Ih,Iiを互いに等しいレベルとする各基準強度データIg,Ih,Iiについての第1乃至第3の係数α,β,γを求めておく。すなわち、図11に示すように、第1の基準強度データIgに第1の係数αを乗じた結果と、第2の基準強度データIhに第1の係数βを乗じた結果と、第3の基準強度データIiに第1の係数γを乗じた結果とが等しいレベルとなるような各係数α,β,γを求める。ここで、等しいレベルであるとは、例えば、各基準強度データIg,Ih,Iiのピーク強度が互いに等しいことをいう。
【0165】
この検査装置においては、各基準強度データIg,Ih,Iiを互いに等しいレベルとする第1乃至第3の係数α,β,γが予め求められており、これら係数α,β,γは、この検査装置を使用するユーザに把握されている。
【0166】
そして、検査対象であるフォトマスクについて検査を行うときには、このフォトマスクについて、第1のフィルタを使用して撮像手段5により第1の光強度データJgを求め、第2のフィルタを使用して撮像手段5により第2の光強度データJhを求め、また、第3のフィルタを使用して撮像手段5により第3の光強度データJiを求める。
【0167】
次に、第1の光強度データJgに第1の係数αを乗じ、第2の光強度データJhに第2の係数βを乗じ、第3の光強度データJiに第3の係数γを乗じることによって、光源1の分光分布、撮像手段5の分光感度分布及び検査装置の各光学素子の分光透過率による影響が補正され、当該フォトマスクを用いて被露光体であるレジストに露光したときの露光状態に対応した光強度データ〔αJg,βJh,γJi〕が求められる。
【0168】
このような演算は、前述したように、制御手段を演算手段として使用して、この制御手段により行うことができる。
【0169】
また、露光装置の分光特性、すなわち、露光装置の光源の分光分布及び露光装置の各光学素子の分光透過率が判っている場合には、これら分光特性に応じた係数u,v,wを定めておくことができる。この係数u,v,wとしては、例えば、g線の強度を1.0としたときのh線の強度(例えば、0.9104)及びi線の強度(例えば、1.0746)を求め、これらの合計が1となるようにした強度比(例えば、0.335:0.305:0.360)を使用することができる。
【0170】
そして、これら露光装置の分光特性に応じた係数を、第1乃至第3の光強度データに対応させてさらに乗ずることにより、より正確に、この露光装置により当該フォトマスクを用いてレジストに露光したときの露光状態に対応した光強度データ〔uαJg,vβJh,wγJi〕を求めることができる。
【0171】
さらに、レジストの分光感度特性(吸収スペクトル)が判っている場合には、この分光感度特性に応じた係数x,y,zを定めておくことができる。この係数x,y,zとしては、例えば、g線の吸収量を1.0としたときのh線の吸収量(例えば、1.6571)及びi線の吸収量(例えば、1.8812)を求め、これらの合計が1となるようにした吸収比(例えば、0.220:0.365:0.415)を使用することができる。
【0172】
そして、この分光特性に応じた係数を、第1乃至第3の光強度データに対応させてさらに乗ずることにより、より正確に、この露光装置により当該フォトマスクを用いてレジストに露光したときの露光状態に対応した光強度データ〔xαJg,yβJh,zγJi〕(または、〔xuαJg,yvβJh,zwγJi〕)を求めることができる。このような演算も、制御手段を演算手段として使用して、この制御手段により行うことができる。
【0173】
〔フォトマスクの製造方法〕
液晶装置製造用フォトマスクを製造するにあたっては、一般的な公知の製造工程において、前述した本発明に係るフォトマスクの検査方法による検査工程を含む工程とすることにより、欠陥が必要十分に修正された良好な液晶装置製造用フォトマスクを迅速に製造することができる。
【0174】
〔電子部品の製造方法〕
本発明においては、本発明に係るフォトマスクの検査方法によって製造されたフォトマスク、特に、本発明に係るフォトマスクの検査方法によって、性能が確認されたフォトマスクを用い、露光装置を用いて、被転写体の被加工層上に形成されたレジスト層に露光すとにより、電子部品を製造することが可能である。
【0175】
これにより、電子部品に対する所望の性能を、歩留まりよく、短期間に、安定して得ることが可能となる。
【符号の説明】
【0176】
1 光源
2 照明光学系
3 フォトマスク
4 対物レンズ系
5 撮像手段
6 波長選択フィルタ
11 テストマスク
12 テストパターン
13 単位パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対してフォトマスクを用いてg線、h線及びi線の波長成分を含む露光光の露光を行い、このレジスト膜を前記エッチング加工におけるマスクとなるレジストパターンとなすための前記フォトマスクの検査に用いるテストマスクであって、
前記露光光を透過させる透過部、露光光を遮光する遮光部、及び、露光光の一部を低減させて透過させるグレートーン部とを有するテストパターンを形成したテストマスクにおいて、
前記テストパターンは、一定の規則に基づいてパターン形状が逐次変化された複数の単位パターンが配列された部分を含み、
前記パターン形状の逐次変化により、前記各単位パターンにおける前記グレートーン部の幅が、それぞれ異なっていることを特徴とするテストマスク。
【請求項2】
エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対してフォトマスクを用いてg線、h線及びi線の波長成分を含む露光光の露光を行い、このレジスト膜を前記エッチング加工におけるマスクとなるレジストパターンとなすための前記フォトマスクの検査に用いるテストマスクであって、
前記露光光を透過させる透過部、露光光を遮光する遮光部、及び、露光光の一部を低減させて透過させるグレートーン部とを有するテストパターンを形成したテストマスクにおいて、
前記テストパターンは、一定の規則に基づいてパターン形状が逐次変化された複数の単位パターンが配列された部分を含み、
前記パターン形状の逐次変化により、前記各単位パターンにおける前記グレートーン部によって形成される前記レジストパターンのレジスト残膜量が、それぞれ異なっていることを特徴とするテストマスク。
【請求項3】
エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対してフォトマスクを用いてg線、h線及びi線の波長成分を含む露光光の露光を行い、このレジスト膜を前記エッチング加工におけるマスクとなるレジストパターンとなすためのフォトマスクの検査に用いるテストマスクであって、
前記露光光を透過させる透過部、露光光を遮光する遮光部、及び、露光光の一部を低減させて透過させるグレートーン部とを有するテストパターンを形成したテストマスクにおいて、
前記テストパターンには、一定の規則に基づいてパターン形状が逐次変化された複数の単位パターンが配列された部分を含み、
前記パターン形状の逐次変化により、前記各単位パターンにおける前記グレートーン部の光透過率を漸次変化させたことを特徴とするテストマスク。
【請求項4】
前記テストパターンは、2以上の遮光部に隣接しこれら遮光部によって挟まれたグレートーン部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のテストマスク。
【請求項5】
前記テストパターンは、前記露光光による露光光学的条件下における解像限界以下の線幅のパターンを有するグレートーン部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のテストマスク。
【請求項6】
前記単位パターンは、露光光を所定量低減させて透過させる半透光性の膜が形成されたグレートーン部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のテストマスク。
【請求項7】
前記フォトマスクが液晶表示装置デバイス用フォトマスクであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一に記載のテストマスク。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−123409(P2012−123409A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−22419(P2012−22419)
【出願日】平成24年2月3日(2012.2.3)
【分割の表示】特願2007−143028(P2007−143028)の分割
【原出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】