説明

テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体およびそれらの使用方法

本発明は、患者において、肥満、糖尿病、代謝障害、GPR119の活性に関連する心臓脈管疾患または障害を処置または予防するために、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体を使用する方法に関連する。1つの実施形態では、本発明の化合物は、本発明の化合物とは異なる少なくとも1つの抗肥満薬と組み合わせて投与され得る。この抗肥満薬は本発明の方法では、ニューロペプチドYアンタゴニスト、MCR4アゴニスト、MCH受容体アンタゴニスト、タンパク質ホルモン、AMPキナーゼ活性化因子、CB1アンタゴニスト、GLP−1アゴニストまたはリパーゼ阻害剤であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、患者において、肥満、糖尿病、代謝障害、心臓脈管疾患、またはGタンパク質共役型受容体119(「GPR119」)の活性に関連する障害を処置または予防するために、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体を使用する方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ヒトにおいて多くの受容体のクラスが存在するが、断然最も豊富であり、そして治療的に関連性のあるものは、Gタンパク質共役型受容体(GPCRまたはGPCRs)のクラスに代表される。ヒトゲノム中に約100,000個の遺伝子が存在すると推定され、そしてそのうち、約2%、すなわち2,000個の遺伝子が、GPCRをコードすると推定される。内因性のリガンドが同定された、GPCRを含めた受容体は、「既知の」受容体であるといわれ、一方内因性リガンドがまだ同定されていない受容体は、「オーファン」受容体と呼ばれる。100個の既知のGPCRのうち約20個から医薬品が開発されたという事実によって明らかであるように、GPCRは、医薬品の開発の重要な領域である。特にGPCRの場合には、この区別はただ意味論だけではない。従って、オーファンGPCRは、医薬品業界にとっては、19世紀後半のカリフォルニアにとっての金であり、成長、拡大、増強、および発展を進める機会である。
【0003】
GPCRは、共通の構造モチーフを共有する。これらの受容体は全て、22から24個の間の疎水性アミノ酸の7つの配列を有し、それらは7つのアルファへリックスを形成して、それぞれ膜にまたがる(各スパンは、数字によって識別される、すなわち、膜貫通−1(TM−1)、膜貫通−2(TM−2)等)。膜貫通へリックスは、膜貫通−2および膜貫通−3、膜貫通−4および膜貫通−5、および膜貫通−6および膜貫通−7の間の、細胞膜の外側、または「細胞外」側で、アミノ酸の鎖によってつながっている(これらはそれぞれ「細胞外」領域1、2、および3(EC−1、EC−2、およびEC−3)と呼ばれる)。膜貫通へリックスはまた、膜貫通−1および膜貫通−2、膜貫通−3および膜貫通−4、および膜貫通−5および膜貫通−6の間の、細胞膜の内部、または「細胞内」側で、アミノ酸の鎖によってつながっている(これらはそれぞれ「細胞内」領域1、2、および3(IC−1、IC−2、およびIC−3)と呼ばれる)。受容体の「カルボキシ」(「C」)末端は、細胞内の細胞内空間に存在し、そして受容体の「アミノ」(「N」)末端は、細胞の外側の細胞外空間に存在する。
【0004】
一般的に、内因性リガンドが受容体に結合する場合(多くの場合、受容体の「活性化」と呼ばれる)、細胞内領域のコンフォメーションに変化が存在し、それが細胞内領域および細胞内「Gタンパク質」の間の結合を可能にする。GPCRは、Gタンパク質に関して「無差別」である、すなわちGPCRは1つ以上のGタンパク質と相互作用し得ることが報告された。非特許文献1を参照のこと。他のGタンパク質が存在するが、現在、Gq、Gs、Gi、およびGoが、同定されたGタンパク質である。Gタンパク質と共役した、内因性リガンド活性化GPCRは、シグナル伝達(signaling)カスケード過程(「シグナル伝達(signal transduction)」と呼ばれる)を開始する。通常の条件下で、シグナル伝達は、最終的に細胞の活性化または細胞の阻害を引き起こす。受容体のIC−3ループおよびカルボキシ末端が、Gタンパク質と相互作用すると考えられる。
【0005】
生理学的条件下で、GPCRは、2つの異なるコンフォメーション:「不活性」状態および「活性」状態の間の平衡で、細胞膜に存在する。不活性状態の受容体は、細胞内シグナル伝達の伝達経路と連結して、生物学的反応を生じることができない。活性状態への受容体コンフォメーションの変化が、伝達経路への連結を可能にし(Gタンパク質によって)、そして生物学的反応を生じる。受容体を、内因性リガンドまたは薬剤のような化合物によって、活性状態に安定化し得る。
【0006】
Gタンパク質共役型受容体の調節は、様々な代謝障害をコントロールするために、よく研究されてきた。例えばGenBankにおいて記載された(例えば受け入れ番号(accession number)XM.sub.――066873およびAY288416を参照のこと)Gタンパク質共役型受容体である受容体GPR119の低分子調節因子は、特定の代謝障害を処置または予防するために有用であることが示された。GPR119は、膵ベータ細胞に選択的に発現するGタンパク質共役型受容体である。GPR119の活性化は、細胞内cAMPのレベルの上昇を引き起こし、GPR119がGsと共役していることと一致する。GPR119に対するアゴニストは、インビトロでグルコース依存性インスリン分泌を刺激し、そしてインビボで上昇した血中グルコースレベルを低下させる。例えば特許文献1および特許文献2、および欧州特許出願第EP1338651を参照のこと、そのそれぞれの開示は、本明細書中でその全体として参考文献に組み込まれる。
【0007】
特許文献3は、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンエーテルおよび関連する化合物を、I型糖尿病、II型糖尿病、不十分なグルコース寛容、インスリン抵抗性、高血糖症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、脂質代謝障害、またはシンドロームXのような、様々な代謝関連障害の処置に有用である、GPR119受容体の調節因子として開示する。その化合物はまた、哺乳類において、体重増加の調節、食物摂取の調節、および満腹の誘発に有用であると報告されている。これらのGPR119調節因子の有望な性質は、改善した有効性および安全性プロファイルを有する、さらなる低分子GPR119調節因子の当該分野における必要性を示す。本発明は、その必要性に取り組む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第04/065380号パンフレット
【特許文献2】国際公開第04/076413号パンフレット
【特許文献3】米国特許第7,132,426号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Kenakin,T.、Life Sciences 43:1095(1988)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの局面において、本発明は、患者において肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム、GPR119の活性に関連する心臓脈管疾患、または障害(それぞれ「状態(condition)」である)を処置または予防する方法を提供し、その方法は、患者に有効な量の1つ以上の式(I)の化合物またはその薬剤学的に許容可能な塩、溶媒和物、エステル、またはプロドラッグを投与することを含む:
【0011】
【化1】

【0012】
ここでRおよびRは、下記の表A−Dで述べるように、「X」を用いて表され、そしてRおよびRは、それぞれ下記の表EおよびFにおいて規定される。
【0013】
【表1A−1】

【0014】
【表1A−2】

【0015】
【表1A−3】

【0016】
【表1A−4】

【0017】
【表1A−5】

【0018】
【表1A−6】

【0019】
【表1A−7】

【0020】
【表1B−1】

【0021】
【表1B−2】

【0022】
【表1B−3】

【0023】
【表1B−4】

【0024】
【表1B−5】

【0025】
【表1B−6】

【0026】
【表1B−7】

【0027】
【表1C−1】

【0028】
【表1C−2】

【0029】
【表1C−3】

【0030】
【表1C−4】

【0031】
【表1C−5】

【0032】
【表1C−6】

【0033】
【表1D−1】

【0034】
【表1D−2】

【0035】
【表1D−3】

【0036】
【表1D−4】

【0037】
【表1D−5】

【0038】
【表1D−6】

【0039】
【表1D−7】

【0040】
【表1E】

【0041】
ここでZは式(I)の化合物に対する基Rの結合点である。
【0042】
【表1F−1】

【0043】
【表1F−2】

【0044】
【表1F−3】

【0045】
【表1F−4】

【0046】
【表1F−5】

【0047】
【表1F−6】

【0048】
【表1F−7】

【0049】
【表1F−8】

【0050】
【表1F−9】

【0051】
ここでZは式(I)の化合物に対する基Rの結合点である。
【0052】
式(I)によって記載され、そして表A−Dの「X」によって規定される化合物は、Rの段およびRの列の交差によって形成されるボックス中の「X」によって示されるようなRおよびRの定義を有し、そして本発明の範囲内である。表A−Dの一番上の列の数字は、表Eにおいて定義されるR基を示す。表A−Dの一番左の段の数字は、表Fにおいて定義されるR基を示す。表A−Dの空白のボックスによって示される化合物は、本発明の範囲から除かれる。
【0053】
表Fにおける「キラル」という言葉の出現は、「キラル」という言葉のすぐ下に位置するR基を指す。
【0054】
式(I)の化合物またはその薬剤学的に許容可能な塩、溶媒和物、エステル、またはプロドラッグ(本明細書中で、「テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体」と呼ばれる)は、患者において肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム、GPR119の活性に関連する心臓脈管疾患、または障害(それぞれ「状態」である)の処置または予防に有用であり得る。
【0055】
本発明の詳細を、下記の添付の詳細な記載において述べる。
【0056】
本明細書中で記載されたものと同様のあらゆる方法および材料を、本発明の実施または試験において使用し得るが、説明的な方法および材料を今記載する。本発明の他の特徴、目的、および利点が、その記載および特許請求の範囲から明らかとなる。本明細書において引用される全ての特許および出版物は、本明細書中に参考として援用される。
【発明を実施するための形態】
【0057】
(発明の詳細な説明)
1つの実施態様において、本発明は、患者において状態を処置または予防するために、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体を使用する方法を提供する。
【0058】
定義および省略
上記およびこの開示を通して使用される場合、以下の用語は、他に示さなければ、以下の意味を有すると理解される:
上記およびこの開示を通して使用される場合、以下の用語は、他に示さなければ、以下の意味を有すると理解される:
「患者」は、ヒトまたは非ヒト哺乳類である。1つの実施態様において、患者はヒトである。別の実施態様において、患者は、サル、イヌ、ヒヒ、アカゲザル、マウス、ラット、ウマ、ネコ、またはウサギを含むがこれに限らない、非ヒト哺乳類である。別の実施態様において、患者は、イヌ、ネコ、ウサギ、ウマ、またはフェレットを含むがこれに限らない、コンパニオンアニマルである。1つの実施態様において、患者はイヌである。別の実施態様において、患者はネコである。
【0059】
本明細書中で使用される「肥満」という用語は、過体重であり、そして25またはそれより高いボディマス指数(BMI)を有する患者を指す。1つの実施態様において、肥満患者は、約25またはそれより高いBMIを有する。別の実施態様において、肥満患者は、約25および約30の間のBMIを有する。別の実施態様において、肥満患者は、約35および約40の間のBMIを有する。さらに別の実施態様において、肥満患者は、40より高いBMIを有する。
【0060】
本明細書中で使用される「肥満関連障害」という用語は、(i)約25またはそれより高いBMIを有する患者から生じる障害、および(ii)摂食障害および過剰な食物摂取に関連する他の障害を指す。肥満関連障害の制限しない例は、浮腫、息切れ、睡眠時無呼吸、皮膚障害および高血圧を含む。
【0061】
本明細書中で使用される「メタボリックシンドローム」という用語は、患者を心臓脈管疾患および/または2型糖尿病により罹りやすくする(succeptible)危険因子のセットを指す。本明細書中で定義されるように、患者が以下の5つの危険因子のうち1つ以上を有するなら、その患者はメタボリックシンドロームを有すると考えられる:
1)男性において40インチより大きい、および女性において35インチより大きい、ウエスト周囲によって測定される中心性/腹部肥満;
2)150mg/dL以上の空腹時トリグリセリドレベル;
3)男性で40mg/dLより低い、または女性で50mg/dLより低いHDLコレステロールレベル;
4)130/85mmHg以上の血圧;
5)110mg/dL以上の空腹時グルコースレベル。
【0062】
本明細書中で使用される「有効な量」という用語は、状態に悩む患者に投与した場合に、望ましい治療、寛解、阻害、または予防効果を生じるのに有効な、式(I)の化合物および/またはさらなる治療薬、またはその組成物の量を指す。本発明の組み合わせ治療において、有効な量は、個々の薬剤それぞれを、または全体としての組み合わせを指し得、ここで投与された全ての薬剤の量が、共に有効であるが、ここで組み合わせの成分薬剤は、個々に有効な量で存在しなくてよい。
【0063】
化合物に関して「精製した」、「精製した形式の」、または「単離および精製した形式の」という用語は、合成過程から(例えば反応混合物から)、または天然の供給源、またはその組み合わせから単離された後の化合物の物理的状態を指す。従って、化合物に関して「精製した」、「精製した形式の」、または「単離および精製した形式の」という用語は、精製過程または本明細書中で記載された、または当業者に周知の過程(例えばクロマトグラフィー、再結晶等)から、本明細書中で記載された、または当業者に周知の標準的な分析技術によって特徴付けるために十分な純度で得られた後の化合物の物理的状態を指す。
【0064】
本明細書中で本文、スキーム、例、および表中の満たされていない原子価を有するあらゆる炭素およびヘテロ原子は、原子価を満たすために十分な数の水素原子を有すると想定されることにも注意すべきである。
【0065】
化合物の官能基が「保護される」といわれる場合、これは化合物が反応をする場合に、保護部位における望ましくない副反応を排除するために、その基が改変された形式であることを意味する。適当な保護基は、当業者によって、および例えばT.W.Greeneら、Protective Groups in Organic Synthesis(1991)、Wiley、New Yorkのような、標準的な教科書を参照することによって認識される。
【0066】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物も、本明細書中で企図される。プロドラッグの議論が、A.C.S.Symposium SeriesのT.HiguchiおよびV.Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)14、およびBioreversible Carriers in Drug Design(1987)Edward B.Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressにおいて提供される。「プロドラッグ」という用語は、インビボで変換されてテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体またはその化合物の薬剤学的に許容可能な塩、水和物、または溶媒和物を生じる化合物(例えば薬剤前駆体)を意味する。その変換は、例えば血液中での加水分解によるような、様々なメカニズムによって(例えば代謝的または化学的過程によって)起こり得る。プロドラッグの使用の議論が、A.C.S.Symposium SeriesのT.HiguchiおよびW.Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」第14巻、およびBioreversible Carriers in Drug Design、Edward B.Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987によって提供される。
【0067】
例えば、もしテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体またはその化合物の薬剤学的に許容可能な塩、水和物、または溶媒和物が、カルボン酸官能基を含むなら、プロドラッグは酸基の水素原子の、例えば(C−C)アルキル、(C−C12)アルカノイルオキシメチル、4から9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5から10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4から7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5から8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3から9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4から10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、ガンマ−ブチロラクトン(butyrolacton)−4−イル、ジ−N,N−(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル(β−ジメチルアミノエチルのような)、カルバモイル−(C−C)アルキル、N,N−ジ(C−C)アルキルカルバモイル−(C−C)アルキルおよびピペリジノ−、ピロリジノ−、またはモルホリノ(C−C)アルキル等のような基との置換によって形成されるエステルを含み得る。
【0068】
同様に、もしテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体が、アルコール官能基を含むなら、プロドラッグは、アルコール基の水素原子の、例えば(C−C)アルカノイルオキシメチル、1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、(C−C)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C−C)アルコキシカルボニルアミノメチル、サクシノイル、(C−C)アルカノイル、α−アミノ(C−C)アルキル、α−アミノ(C−C)アルキレン−アリール、アリールアシルおよびα−アミノアシル、またはα−アミノアシル−α−アミノアシル等のような基との置換によって形成され得、ここで各α−アミノアシル基は独立に、天然に存在するL−アミノ酸、P(O)(OH)、−P(O)(O(C−C)アルキル)またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形式のヒドロキシル基の除去によってできたラジカル)から選択される。
【0069】
もしテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体がアミン官能基を含むなら、プロドラッグは、アミン基の水素原子が、例えば、R−カルボニル、RO−カルボニル、NRR’−カルボニル(RおよびR’がそれぞれ独立に(C−C10)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ベンジルであり、またはR−カルボニルが天然α−アミノアシル、−C(OH)C(O)OY(YはH、(C−C)アルキルまたはベンジル)、−C(OY)Y(Yは(C−C)アルキルおよびYは(C−C)アルキル、カルボキシ(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキル、またはモノ−N−またはジ−N,N−(C−C)アルキルアミノアルキル)、−C(Y)Y(YはHまたはメチル、およびYはモノ−N−またはジ−N,N−(C−C)アルキルアミノモルホリノ、ピペリジン(pyperidin)−1−イルまたはピロリジン(pyrrolidin)−1−イル)等である)のような基との置換によって形成され得る。
【0070】
本発明の1つ以上の化合物は、溶媒和していない、および水、エタノール等のような薬剤学的に許容可能な溶媒と溶媒和した形式で存在し得、そして本発明は溶媒和したおよび溶媒和していない形式の両方を含むことが意図される。「溶媒和物」は、本発明の化合物の、1つ以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含む、様々な程度のイオン結合および共有結合を含む。ある例において、例えば1つ以上の溶媒分子が、結晶性個体の結晶格子に組み込まれている場合、溶媒和物を単離し得る。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を含む。溶媒和物の制限しない例は、エタノレート(ethanolate)、メタノレート(methanolate)等を含む。「水和物」は、溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0071】
本発明の1つ以上の化合物を、任意で溶媒和物に変換し得る。溶媒和物の調製は、一般的に公知である。従って、例えばM.Cairaら、J.Pharmaceutical Sci.93(3)、601−611(2004)は、抗真菌薬フルコナゾールの酢酸エチル中および水からの溶媒和物の調製を記載する。溶媒和物、半溶媒和物、水和物等の同様の調製は、E.C.van Tonderら、AAPS PharmSciTechours.、5(1)、記事12(2004);およびA.L.Binghamら、Chem.Commun.、603−604(2001)によって記載される。典型的な、制限しない過程は、本発明の化合物を、周囲の温度より高い温度で、望ましい量の望ましい溶媒(有機または水またはその混合物)に溶解すること、および結晶を形成するために十分な速度で溶液を冷却する(次いで結晶を標準的な方法によって単離する)ことを含む。例えば、I.R.分光測定のような分析技術は、溶媒和物(または水和物)としての結晶中に、溶媒(または水)の存在を示す。
【0072】
テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体は、塩を形成し得、それも本発明の範囲内である。本明細書中でテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体への言及は、他に示されなければ、その塩への言及を含むと理解される。本明細書中で採用されるような、「塩」という用語は、無機および/または有機酸と形成される酸性塩、および無機および/または有機塩基と形成される塩基性塩を示す。それに加えて、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体がピリジンまたはイミダゾールのような、しかしこれに限らない塩基性部分、およびカルボン酸のような、しかしこれに限らない酸性部分を両方含む場合、両性イオン(「分子内塩」)が形成され得、そして本明細書中で使用される「塩」という用語内に含まれる。薬剤学的に許容可能な(すなわち無毒性、生理学的に許容可能な)塩が好ましいが、他の塩も有用である。例えば、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体を、塩が沈殿するもののような媒体中で、または水性媒体中で、等量のような、ある量の酸または塩基と反応させ、続いて凍結乾燥することによって、式(I)の化合物の塩を形成し得る。
【0073】
代表的な酸付加塩は、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸、樟脳酸塩(camphorate)、樟脳スルホン酸塩(camphosulfonate)、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩(tartarate)、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩(tosylate)としても知られる)等を含む。さらに、一般的に塩基性医薬品化合物から薬剤学的に有用な塩を形成するために適当と考えられる酸は、例えばP.Stahlら、Camille G.(編) Handbook of Pharmaceutical Salts. Properties, Selection and Use.(2002)Zurich:Wiley−VCH;S.Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1−19;P.Gould、International J.of Pharmaceutics(1986)33 201−217;Andersonら、The Practice of Medicinal Chemistry(1996)、Academic Press、New York;およびTheOrange Book(Food & Drug Administration、Washington D.C.のウェブサイト)によって議論される。これらの開示は、本明細書中でその参考文献に組み込まれる。
【0074】
代表的な塩基性塩は、アンモニウム塩、ナトリウム、リチウム、およびカリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウムおよびマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミンのような有機塩基(例えば有機アミン)との塩、およびアルギニン、リシンのようなアミノ酸との塩等を含む。塩基性の窒素を含む基を、低級アルキルハロゲン化物(例えばメチル、エチル、およびブチル塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、ジアルキル硫酸塩(例えばジメチル、ジエチル、およびジブチル硫酸塩)、長鎖ハロゲン化物(例えばデシル、ラウリル、およびステアリル塩化物、臭化物およびヨウ化物)、アラルキルハロゲン化物(例えばベンジルブロミドおよびフェネチルブロミド)および他のような薬剤で四級化(quarternize)し得る。
【0075】
全てのそのような酸性塩および塩基性塩は、本発明の範囲内の薬剤学的に許容可能な塩であると意図され、そして全ての酸性および塩基性塩は、本発明の目的のための、対応する化合物の遊離形態と等価であると考えられる。
【0076】
本化合物の薬剤学的に許容可能なエステルは、以下の群を含む:(1)ヒドロキシル化合物のヒドロキシ基のエステル化によって得られるカルボン酸エステル、ここでエステル基のカルボン酸部分の非カルボニル部分は、直鎖または分岐鎖アルキル(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、sec−ブチルまたはn−ブチル)、アルコキシアルキル(例えばメトキシメチル)、アラルキル(例えばベンジル)、アリールオキシアルキル(例えばフェノキシメチル)、アリール(例えば、例えばハロゲン、C1−4アルキル、またはC1−4アルコキシまたはアミノで任意に置換されたフェニル)から選択される;(2)アルキル−またはアラルキルスルホニル(例えばメタンスルホニル)のようなスルホン酸エステル;(3)アミノ酸エステル(例えばL−バリルまたはL−イソロイシル);(4)ホスホネートエステルおよび(5)モノ−、ジ−またはトリリン酸エステル。リン酸エステルはさらに、例えばC1−20アルコールまたはその反応性誘導体によって、または2,3−ジ(C6−24)アシルグリセロールによってエステル化し得る。
【0077】
ジアステレオマー混合物は、その物理的化学的差異に基づいて、例えばクロマトグラフィーおよび/または分別結晶のような、当業者に周知の方法によって、その個々のジアステレオマーに分離し得る。適当な光学的に活性な化合物(例えばキラルアルコールまたはMosher’s酸塩化物のようなキラル補助物)による反応によって、鏡像異性混合物をジアステレオマー混合物に転換すること、ジアステレオマーを分離すること、および個々のジアステレオマーを対応する純粋な鏡像異性体に転換すること(例えば加水分解)によって、鏡像異性体を分離し得る。立体化学的に(sterochemically)純粋な化合物を、キラル出発材料を使用することによって、または塩分割(salt resolution)技術を採用することによっても調製し得る。また、いくつかのテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体は、アトロプ異性体(例えば置換ビアリール)であり得、そして本発明の一部であるとみなされる。鏡像異性体を、キラルHPLCカラムの使用によっても分離し得る。
【0078】
テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体が、異なる互変異性形式で存在し得ることも可能であり、そして全てのそのような形式は本発明の範囲内に含まれる。また、例えば化合物の全てのケト−エノールおよびイミン−エナミン形式が、本発明に含まれる。
【0079】
エナンチオマー形式(それは不斉炭素の非存在下でさえ存在し得る)、回転異性体形式、アトロプ異性体、およびジアステレオマー形式を含む、様々な置換基の不斉炭素のために存在し得るもののような、本化合物の全ての立体異性体(例えば幾何異性体、光学異性体等)(化合物の塩、溶媒和物、水和物、エステル、および化合物のプロドラッグ、およびプロドラッグの塩、溶媒和物およびエステルのものを含む)は、位置異性体(例えば、4−ピリジルおよび3−ピリジルのような)と同様に、本発明の範囲内であると企図される。(例えば、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体が二重結合または融合環を含むなら、シスおよびトランス形式の両方、および混合物が、本発明の範囲内に含まれる。また、例えば、化合物の全てのケト−エノールおよびイミン−エナミン形式が、本発明に含まれる)。
【0080】
本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば実質的に他の異性体を含まない、または、例えばラセミ体として、または全ての他の、または他の選択された立体異性体と共に混合し得る。本発明のキラル中心は、IUPAC1974Recommendationによって規定されるSまたはR配置(configulation)を有し得る。「塩」、「溶媒和物」、「エステル」、「プロドラッグ」等の用語の使用は、本発明の化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ体、またはプロドラッグの、塩、溶媒和物、エステル、およびプロドラッグに同等に適用することが意図される。
【0081】
本発明はまた、同位体的に標識された本発明の化合物も含み、それは、1つ以上の原子が、通常自然に見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子によって置換されているという事実以外は、本明細書中で列挙したものと同じである。本発明の化合物に組み込み得る同位元素の例は、それぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clのような、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位元素を含む。
【0082】
ある同位元素標識テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体(例えばHおよび14Cで標識したもの)は、化合物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム標識した(すなわちH)、および炭素14(すなわち14C)同位元素が、その調製の容易さおよび検出性のために特に好ましい。さらに、重水素(すなわちH)のような、より重い同位元素による置換は、より高い代謝安定性から生じるある治療的利点(例えばインビボ半減期の増加または必要投与量の抑制)を与え得、そして従ってある状況において好ましくあり得る。同位元素標識テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体は、一般的に、適当な同位元素標識出発材料または試薬を、非同位元素標識出発材料または試薬と置換することによって、式(I)の化合物の作製に関して本明細書中で開示されたものと類似の合成化学的手順を用いて調製し得る。
【0083】
テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体およびテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体の塩、溶媒和物、水和物、エステルおよびプロドラッグの多形性形状が、本発明に含まれると意図される。
【0084】
以下の省略が下記で使用され、そして以下の意味を有する:
BocまたはBOCは、−C(O)O−(t−ブチル)である、BSAはウシ血清アルブミンである、DCCはN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドである;DCEはジクロロエタンである、DMAPは4−ジメチルアミノピリジンである、DMEMはダルベッコ改変イーグル培地である、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドである、EDCは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩である、EtOAcは酢酸エチルである、EtOHはエタノールである。EtNはトリエチルアミンである、HOAcは酢酸である、HOBtはN−ヒドロキシベンゾトリアゾールである、MeCNはアセトニトリルである、MeOHはメタノールである、そしてTHFはテトラヒドロフランである。
【0085】
(式(I)のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体)
本発明は、患者において状態を処置または予防する方法を提供し、その方法は、患者に有効な量の1つ以上の式(I)の化合物、およびその薬剤学的に許容可能な塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグを投与することを含む:
【0086】
【化2】

【0087】
ここでRおよびRは、式(I)の化合物に関して上記で規定される。
【0088】
1つの実施態様において、式(I)の化合物は、精製形態である。
【0089】
(式(I)の化合物を作製する方法)
式(I)のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体を作製するために有用な方法を、下記の実施例で示し、そしてスキーム1−6で概括する。本発明の範囲内の代替合成経路および類似構造は、当業者に明らかであり得る。
【0090】
スキーム1は、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体作製の有用な中間体である、化合物Cを作製するために有用な方法を示す。
【0091】
【化3】

【0092】
式Aの4−オキソ−N−ベンジルピペリジニル化合物を、Pd/Cを用いた触媒的水素付加によって脱保護して、4−オキソ−ピペリジニル化合物Bを得ることができる。化合物Bの環状アミン基を次いで、BOC無水物およびトリエチルアミンを用いて、そのN−tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)誘導体として再保護して、中間体化合物Cを得ることができる。
【0093】
スキーム2は、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体作製の有用な中間体である、式Hの中間体ピペリジン塩酸塩化合物を作製する方法を示す。
【0094】
【化4】

【0095】
ここでRは式(I)の化合物に関して上記で規定され、そしてXは−Cl、−Br、−I、−O−トシル、−O−メシルまたは−O−トリフリルのような、よい脱離基である。
【0096】
化合物Cは、式Dのアミジン塩酸塩化合物と反応して、式Eのピリミジノ−ピペリジン化合物を生じ得、それを次いでTHFまたはDMF中で炭酸塩塩基の存在下で式Fの化合物と反応させて、式Gの置換ピリミジノン化合物を生じ得る(式Fのより遅い反応性化合物の反応において補助するためにNaIを加え得る)。次いで式Gの化合物のBOC保護基を、HClを用いて除去して、式Hのピペリジン塩酸塩化合物を生じ得る。
【0097】
スキーム3は、式Hの中間体化合物を、Rがメチレン基によって結合した、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体へ変換する方法を示す。
【0098】
【化5】

【0099】
ここでRは式(I)の化合物に関して上記で規定され、そしてCHは、式(I)の化合物に関して規定されたように、全てのR置換基の代表であり、それはメチレン基によって結合する。
【0100】
式Hのアミン塩酸塩化合物を、式R−CHOのアルデヒドと反応させ、続いてNaBH(OAc)を用いてできたイミンを還元して、式Jの化合物を生じ得、それはRがメチレン基によって結合した置換基である、式(I)の化合物に対応する。
【0101】
スキーム4は、式Hの中間体化合物を、Rが−SO−基によって結合した、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体に変換する方法を示す。
【0102】
【化6】

【0103】
ここでRは、式(I)の化合物に関して上記で規定され、そして−SOは、式(I)の化合物に関して規定されたように、−S(O)基によって結合する全てのR置換基の代表である。
【0104】
式Hのアミン塩酸塩化合物は、EtNのような非求核性塩基の存在下で、式R−SOClの化合物と反応して、式Kの化合物を生じ得、それはRが−S(O)−基によって結合した置換基である、式(I)の化合物に対応する。
【0105】
スキーム5は、式Hの中間体化合物を、Rが−C(O)NH−基によって結合した、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体へ変換する方法を示す。
【0106】
【化7】

【0107】
ここで、Rは式(I)の化合物に関して上記で規定され、そして−C(O)NHRは、式(I)の化合物に関して規定されたように、−C(O)NH−基によって結合する全てのR置換基の代表である。
【0108】
式Hのアミン塩酸塩化合物を、EtNのような非求核性塩基の存在下で、式R−NCOのイソシアネートと反応させて、式Lの化合物を生じ得、これはRが−C(O)NH−基によって結合した置換基である、式(I)の化合物に対応する。
【0109】
スキーム6は、式Hの中間体化合物を、Rが−C(O)−基によって結合した、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体に変換する方法を示す。
【0110】
【化8】

【0111】
ここでRは式(I)の化合物に関して上記で規定され、そして−C(O)Rは、式(I)の化合物に関して規定されたように、−C(O)−基によって結合する全てのR置換基の代表である。
【0112】
式Hのアミン塩酸塩化合物を、EtNのような非求核性塩基の存在下で、式R−C(O)Clの酸塩化物または適当な混合無水物と反応させて、式Mの化合物を生じ得、それはRが−C(O)−基によって結合した置換基である、式(I)の化合物に対応する。
【0113】
スキーム7は、式Hの中間体化合物を、Rが−C(O)−基によって結合した、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体に変換する、代替の方法を示す。
【0114】
【化9】

【0115】
ここでRは式(I)の化合物に関して上記で規定され、そして−C(O)Rは、式(I)の化合物に関して規定されたように、−C(O)−基によって結合する全てのR置換基の代表である。
【0116】
式Hのアミン塩酸塩化合物を、例えばDCCおよびDMAP、またはあらゆる他の適当なカップリング剤の存在下で、式R−C(O)OHの酸と結合させて、式Nの化合物を生じ得、それはRが−C(O)−基によって結合した置換基である式(I)の化合物に対応する。
【0117】
上記のスキーム3−7で示した方法における出発材料として、式Hのアミン塩酸塩化合物を、対応するフリーアミンと置換し得ることが理解される。
【0118】
スキーム1−6で描写した出発材料および試薬は、Sigma−Aldrich(St.Louis、MO)およびAcros Organics Co.(Fair Lawn、NJ)のような、市販の供給業者から入手可能であるか、または有機合成の当業者に周知の方法を用いて調製し得る。
【0119】
当業者は、式(I)の化合物の合成は、ある官能基の保護(すなわち、特定の反応条件との化学的適合性のための誘導体化)の必要性が要求され得ることを認識する。式(I)の化合物の様々な官能基に適当な保護基およびその取り付けおよび除去の方法は、Greeneら、Protective Groups in Organic Synthesis、Wiley−Interscience、New York(1999)において見出し得る。
【実施例】
【0120】
以下の実施例は、本発明の化合物の説明的な実施例を例示し、そして本開示の範囲を制限するものとして解釈されない。本発明の範囲内の、代替メカニズムの経路および類似の構造は、当業者に明らかであり得る。
【0121】
(一般的な方法)
市販で入手可能な溶媒、試薬、および中間体を、受け取ったとおり使用した。市販で入手可能でない試薬および中間体を、下記で記載する方式で調製した。
【0122】
実施例1
中間体化合物Cの調製
【0123】
【化10】



【0124】
EtOH(30L)中の1−ベンジル−2−カルボエトキシ−4−ピペリドン塩酸塩(A、3.0kg、10.07mol)の溶液に、Pd/C(300g、10%w/w)を加えた。できた溶液をH雰囲気下に置き、そして室温で、4−5バール(bar)で3時間攪拌した。次いで(Boc)O(2320g)およびEtN(1560mL)を反応混合物に加え、そしてできた溶液を室温で1時間攪拌し、次いでCelite(登録商標)のパッドを通してろ過した。濾液を真空中で濃縮し、そしてできた残渣を塩化メチレンおよび水に溶解した。有機相を分離し、MgSO上で乾燥し、そして真空中で濃縮した。得られた残渣を真空乾燥して、化合物Cを得た(2.5kg、91%)。
【0125】
実施例2
化合物Eの調製
【0126】
【化11】

【0127】
水(4000mL)およびメタノール(1000mL)の混合物中のアセトアミジン塩酸塩(D、209g、2.21mL)の溶液に、炭酸カリウム(370g、2.68mol)、続いて化合物C(500g、1.84mol)を加えた。その混合物を60℃に加熱し、この温度で約15時間攪拌し、次いで室温に冷却した。次いで反応混合物を、水性HCl(2N)を用いて中和し、そしてできた溶液を、ジクロロメタン(2000mL)で希釈した。有機相を分離し、MgSO上で乾燥し、そして真空中で濃縮した。得られた残渣をn−ヘキサンで粉砕し(triturated)、そして形成された沈殿をろ過、回収、および真空下で乾燥して、化合物Eを得た(293g、60%)。
【0128】
実施例3
式(I)の化合物のRにおける3級尿素ライブラリーの調製に関する一般的な方法
DCE/MeOH(25:1v/v、1mL)中の式Hの化合物(0.025mmol)の溶液に、DCE中の式R−NCO(0.075mmol)のイソシアネート化合物の0.5Mの溶液を加える。次いで反応混合物を、室温で約20時間攪拌し、その後ジクロロエタン(0.5mL)、ポリスチレンイソシアネート樹脂(0.057g、0.087mmol)およびポリスチレントリスアミン樹脂(0.049g、0.207mmol)を加える。できた反応物を室温で攪拌し、そして完了するまでモニターする。次いで反応産物をろ過し、そして樹脂をアセトニトリル(0.5mL)で洗浄する。濾液および洗浄液を合わせて、そして真空中で濃縮して、式(I)の化合物を得、ここでR基はそれが結合する窒素原子と共に3級尿素(tertiary urea)を形成する。
【0129】
実施例4
式(I)の化合物のRにおけるアミドライブラリーの調製に関する一般的な方法
MeCN/THF(3:1v/v、1mL)中のポリスチレンEDC樹脂(0.106g、0.146mmol)および式Hの化合物(0.025mmol)の混合物に、DMF中の式R−COOHのカルボン酸(0.038mmol)の1M溶液を加える。次いでできた混合物に、MeCN/THF(3:1v/v、0.20mL)中のHOBt(0.5M、0.038mmol)の溶液を加える。反応物を室温で約20時間攪拌し、その後アセトニトリル(0.5mL)、ポリスチレンイソシアネート樹脂(0.049g、0.075mmol)およびポリスチレントリスアミン樹脂(0.035g、0.148mmol)を加える。次いでできた反応混合物を室温で攪拌し、そして完了までモニターする。完了したら、反応混合物をろ過し、樹脂をアセトニトリル(0.5mL)で洗浄し、そして濾液および洗浄液を合わせて真空中で濃縮して、式(I)の化合物を得、ここでR基はそれが結合する窒素原子と共にアミドを形成する。
【0130】
実施例5
式(I)の化合物のRにおけるN−アルキル化合物ライブラリーの調製に関する一般的な方法
DMF/THF(1:1v/v、1mL)中の式Hの化合物(0.025mmol)の溶液に、DCE中の式R−CHOのアルデヒド(0.075mmol)の溶液を加える。できた溶液に、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(3eq.)を加え、そしてできた反応物を室温で約20時間攪拌する。次いでMeOH(0.5mL)を反応容器に加え、そして容器を10分間、または気体の放出が止まるまで振とうする。MP−TsOH樹脂(約100mg)を次いで反応容器に加え、そしてできた混合物を約2時間振とうし、次いでろ過する。次いで回収した樹脂をDCE(3×)およびメタノール(3×)で連続的に洗浄する。次いで洗浄した樹脂を、メタノール中(1.5−2mL)の2Nアンモニアで希釈し、そしてできた溶液を約1時間攪拌し、次いでろ過する。濾液を真空中で濃縮して、式(I)の化合物を得る、ここでR基は、それが結合する窒素原子と、−CH−リンカーによって結合する。
【0131】
実施例6
GPR119活性化アッセイ
テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体の、GPR119を活性化し、そしてcAMPレベルの増加を刺激する能力を、LANCETMcAMPキット(Perkin Elmer)を用いて決定し得る。ヒトGPR119を発現するHEK293細胞を、10%のウシ胎児血清、100U/mlのPen/Strep、および0.5mg/mlのジェネティシンを含むDMEM中、37℃/5%COで培養フラスコ中に維持する。次いで培地をOptimemに変更し、そして細胞を37℃/5%COで約15時間インキュベートする。次いでOptimemを吸引し、そして室温のハンクス液(Hank’s balanced saline solution)(HBSS)を用いて、細胞をフラスコから除去する。次いで遠心分離(1300rpm、7分、室温)を用いて細胞をペレットにし、そして刺激緩衝液(HBSS、0.1%BSA、5mMのHEPES、15μMのRO−20)に2.5×10細胞/mLで再懸濁する。Alexa Fluor647−抗cAMP抗体(1:100)を、次いで細胞懸濁液に加え、そして30分間インキュベートする。次いで2%のDMSOを含む刺激緩衝液中の、式(I)の代表的な化合物(2×濃度で6μl)を、白色384穴Matrixプレートに加える。次いで細胞懸濁液ミックス(6μl)を各ウェルに加え、そして式(I)の化合物と30分間インキュベートする。cAMPの標準曲線も、キットプロトコールに従って、各アッセイにおいて作製する。刺激緩衝液(6μl)中、標準的な濃度のcAMPを、白色384穴プレートに加える。続いて、6μlの1:100抗cAMP抗体を、各ウェルに加える。30分間のインキュベーション時間の後、12μlの検出ミックス(キットに含まれる)を全てのウェルに加え、そして室温で2−3時間インキュベートする。Envision装置を用いて、プレートにおいて蛍光を検出し得る。次いで各ウェルのcAMPのレベルを、cAMP標準曲線からの外挿によって決定し得る。
【0132】
実施例7
経口ブドウ糖負荷試験
経口ブドウ糖負荷試験における、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体の効果を、以下のように決定し得る:
オスC57Bl/6NCrlマウス(6−8週齢)を一晩絶食させ、そして担体(vehicle)(20%ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン)または本発明の代表的な化合物(3、10、または30mg/kg)のいずれかを、経口経管栄養で無作為に投与する(n=8マウス/群)。投与後30分に、グルコースを動物に投与する(3g/kg 経口)。血中グルコースを、試験化合物およびグルコースの投与前、およびグルコース投与の20分後に、携帯型グルコメーター(Ascensia Elite、Bayer)を用いて測定する。
【0133】
テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体の使用
テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体は、ヒトおよび獣医学において、患者における状態を処置または予防するために有用である。本発明によって、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体を、状態の処置または予防の必要がある患者に投与し得る。
【0134】
肥満および肥満関連障害の処置
テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体は、肥満または肥満関連障害の処置に有用であり得る。よって、1つの実施態様において、本発明は、患者において肥満または肥満関連障害を処置する方法を提供し、ここでその方法は、患者に有効な量の1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体、またはその薬剤学的に許容可能な塩、溶媒和物、エステル、またはプロドラッグを投与することを含む。
【0135】
糖尿病の処置
テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体は、患者において糖尿病を処置するために有用であり得る。よって、1つの実施態様において、本発明は、患者に有効な量の1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体を投与することを含む、患者において糖尿病を処置するための方法を提供する。
【0136】
テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体を用いて処置可能または予防可能な糖尿病の例は、I型糖尿病(インスリン依存性糖尿病)、II型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病)、特発性I型糖尿病(1b型)、成人における潜伏型自己免疫性糖尿病、早期発症(early−onset)2型糖尿病(EOD)、若年発症非定型糖尿病(YOAD)、若年発症成人型糖尿病(MODY)、栄養障害関連糖尿病、妊娠糖尿病、自己免疫糖尿病、インスリン異常症、膵臓疾患による糖尿病、他の内分泌疾患(クッシング症候群、末端肥大症、褐色細胞腫、グルカゴン産生腫瘍、原発性アルドステロン症、またはソマトスタチン産生腫瘍のような)に関連する糖尿病、A型インスリン抵抗性症候群、B型インスリン抵抗性症候群、脂肪萎縮性糖尿病、およびβ細胞毒素によって誘発される糖尿病を含むがこれに限らない。
【0137】
糖尿病合併症の処置
テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体は、患者において糖尿病合併症を処置するために有用であり得る。よって、1つの実施態様において、本発明は、患者に有効な量の1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体を投与することを含む、患者において糖尿病合併症を処置するための方法を提供する。
【0138】
テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体を用いて処置可能または予防可能な糖尿病合併症の例は、糖尿病性白内障、緑内障、網膜症、神経障害(aneuropathy)(糖尿病性神経障害、多発神経障害、単神経障害、自律神経障害、微量アルブミン尿(microaluminuria)および進行性糖尿病性神経障害(progressive diabetic neuropathyl)のような)、腎症、足の壊疽、免疫複合体血管炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、アテローム硬化性冠動脈疾患、末梢動脈疾患、非ケトン性高血糖性高浸透圧性昏睡、足部潰瘍、関節の問題、皮膚または粘膜の合併症(感染、シンスポット、カンジダ感染、または糖尿病性脂肪類壊死症肥満(necrobiosis lipoidica diabeticorumobesity)のような)、高脂血症、白内障、高血圧、インスリン抵抗性症候群、冠動脈疾患、真菌感染、細菌感染、および心筋症を含むがこれに限らない。
【0139】
代謝障害の処置
テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体は、代謝障害の処置に有用であり得る。よって、1つの実施態様において、本発明は、患者において代謝障害を処置するための方法を提供し、ここでその方法は、患者に有効な量の1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体、またはその薬剤学的に許容可能な塩、溶媒和物、エステル、またはプロドラッグを投与することを含む。
【0140】
処置可能な代謝障害の例は、メタボリックシンドローム(「シンドロームX」としても知られる)、グルコース寛容減損、空腹時グルコース減損、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、低HDLレベル、高血圧、フェニルケトン尿症、食後脂肪血症、糖原病、ゴーシェ病、テイ・サックス病、ニーマン・ピック病、ケトーシスおよびアシドーシスを含むがこれに限らない。
【0141】
1つの実施態様において、その代謝障害は高コレステロール血症である。
【0142】
別の実施態様において、その代謝障害は高脂血症である。
【0143】
別の実施態様において、その代謝障害は高トリグリセリド血症である。
【0144】
さらに別の実施態様において、その代謝障害はメタボリックシンドロームである。
【0145】
さらなる実施態様において、その代謝障害は低HDLレベルである。
【0146】
心臓脈管疾患の治療
テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体は、心臓脈管疾患の処置に有用であり得る。よって、1つの実施態様において、本発明は、患者において心臓脈管疾患を処置する方法を提供し、ここでその方法は、患者に有効な量の1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体、またはその薬剤学的に許容可能な塩、溶媒和物、エステル、またはプロドラッグを投与することを含む。
【0147】
本方法を用いて処置可能または予防可能な心臓脈管疾患の例は、アテローム硬化症、うっ血性心不全、循環性ショック、冠動脈疾患、左心室肥大、狭心症、心筋症、心筋梗塞、および心不整脈を含むがこれに限らない。
【0148】
1つの実施態様において、その心臓脈管疾患はアテローム硬化症である。
【0149】
別の実施態様において、その心臓脈管疾患はうっ血性心不全である。
【0150】
組み合わせ治療
1つの実施態様において、本発明は、患者において状態を処置する方法を提供し、その方法は、患者に1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体、またはその薬剤学的に許容可能な塩、溶媒和物、エステル、またはプロドラッグ、およびテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体ではない少なくとも1つのさらなる治療薬を投与することを含み、ここで投与する量は、状態を処置または予防するために共に有効である。
【0151】
状態を処置または予防するための本発明の方法において有用な、さらなる治療薬の制限しない例は、抗肥満薬、抗糖尿病薬、メタボリックシンドロームを処置するために有用なあらゆる薬剤、心臓脈管疾患を処置するために有用なあらゆる薬剤、コレステロール生合成阻害剤、コレステロール吸着阻害剤、胆汁酸遮蔽剤、プロブコール誘導体、IBAT阻害剤、ニコチン酸受容体(NAR)アゴニスト、ACAT阻害剤、コレステリルエステル転移タンパク質(CETP)阻害剤、低密度リポタンパク質(LDL)活性化因子、魚油、水溶性線維、植物ステロール、植物スタノール、植物スタノールの脂肪酸エステル、または2つ以上のこれらのさらなる治療薬のあらゆる組み合わせを含む。
【0152】
状態を処置するために、本方法において有用である抗肥満薬の制限しない例は、リモナバンのようなCB1アンタゴニストまたはインバースアゴニスト、ニューロペプチドYアンタゴニスト、MCR4アゴニスト、MCH受容体アンタゴニスト、ヒスタミンH受容体アンタゴニストまたはインバースアゴニスト、代謝率エンハンサー、栄養吸収阻害剤、レプチン、食欲抑制剤およびリパーゼ阻害剤を含む。
【0153】
状態を処置または予防するために、本方法において有用である食欲抑制薬の制限しない例は、カンナビノイド受容体1(CB)アンタゴニストまたはインバースアゴニスト(例えばリモナバン);ニューロペプチドY(NPY1、NPY2、NPY4およびNPY5)アンタゴニスト;代謝生成物産性グルタミン酸サブタイプ5受容体(mGluR5)アンタゴニスト(例えば2−メチル−6−(フェニルエチニル)−ピリジンおよび3[(2−メチル−1,4−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン);メラニン凝集ホルモン受容体(MCH1RおよびMCH2R)アンタゴニスト;メラノコルチン受容体アゴニスト(例えばメラノタン−IIおよびMc4rアゴニスト);セロトニン取り込み阻害剤(例えばデクスフェンフルラミンおよびフルオキセチン);セロトニン(5HT)輸送体阻害剤(例えばパロキセチン、フルオキセチン、フェンフルラミン、フルボキサミン、セルトラリン(sertaline)、およびイミプラミン);ノルエピネフリン(NE)輸送阻害剤(例えばデシプラミン、タルスプラム、およびノミフェンシン);グレリンアンタゴニスト;レプチンまたはその誘導体;オピオイドアンタゴニスト(例えばナルメフェン、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、およびナルトレキソン(nalterxone));オレキシンアンタゴニスト;ボンベシン受容体サブタイプ3(BRS3)アゴニスト;コレシストキニン−A(CCK−A)アゴニスト;毛様体神経栄養因子(CNTF)またはその誘導体(例えばブタビンジドおよびアクソカイン);モノアミン再取り込み阻害剤(例えばシブトラミン);グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)アゴニスト;トピラマート;およびphytopharm化合物57を含む。
【0154】
状態を処置または予防するために、本方法において有用な代謝率エンハンサーの制限しない例は、アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2(ACC2)阻害剤;ベータアドレナリン作動性受容体3(β3)アゴニスト;ジアシルグリセロールアセチルトランスフェラーゼ阻害剤(DGAT1およびDGAT2);脂肪酸シンターゼ(FAS)阻害剤(例えばセルレニン);ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤(例えばテオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム、およびシロミラスト);甲状腺ホルモンβアゴニスト;結合解離タンパク質(uncoupling protein)活性化因子(UCP−1、2、または3)(例えばフィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸およびレチノイン酸);アシル−エストロゲン(例えばオレオイル−エストロン);グルココルチコイドアンタゴニスト;11−ベータヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11βHSD−1)阻害剤;メラノコルチン−3受容体(Mc3r)アゴニスト;およびステアロイル−CoA脱飽和酵素(CoA desaturase)−1(SCD−1)化合物を含む。
【0155】
状態を処置または予防するために、本方法で有用な栄養吸収阻害剤の制限しない例は、リパーゼ阻害剤(例えばオーリスタット、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニン、およびジエチルウンベリフェリルホスフェート);脂肪酸輸送体阻害剤;ジカルボキシレート輸送体阻害剤;グルコーストランスポーター阻害剤;およびホスフェート輸送体阻害剤を含む。
【0156】
状態を処置または予防するために、本方法において有用なコレステロール生合成阻害剤の制限しない例は、HMG−CoA還元酵素阻害剤、スクアレンシンターゼ阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、およびその混合物を含む。
【0157】
状態を処置または予防するために、本方法において有用なコレステロール吸収阻害剤の制限しない例は、エゼチミブを含む。1つの実施態様において、そのコレステロール吸収阻害剤は、エゼチミブである。
【0158】
状態を処置または予防するために、本方法において有用なHMG−CoA還元酵素阻害剤は、ロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、CI−981、resuvastatin、リバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、またはL−659,699((E,E)−11−[3’R−(ヒドロキシ−メチル)−4’−オキソ−2’R−オキセタニル]−3,5,7R−トリメチル−2,4−ウンデカジエン酸)のようなスタチンを含むがこれに限らない。
【0159】
状態を処置または予防するために、本方法において有用なスクアレン合成阻害剤は、スクアレン合成酵素阻害剤;スクアレスタチン1;およびNB−598((E)−N−エチル−N−(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4−イニル)−3−[(3,3’−ビチオフェン−5−イル)メトキシ]ベンゼン−メタンアミン塩酸塩)のようなスクアレンエポキシダーゼ阻害剤を含むがこれに限らない。
【0160】
状態を処置または予防するために、本方法において有用な胆汁酸遮蔽剤は、コレスチラミン(Bristol−Myers Squibbから入手可能なQUESTRAN(登録商標)またはQUESTRAN LIGHT(登録商標)コレスチラミンのような、胆汁酸に結合し得る、四級アンモニウム陽イオン基を含む、スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー)、コレスチポール(Pharmaciaから入手可能なCOLESTID(登録商標)錠のような、ジエチレントリアミンおよび1−クロロ−2,3−エポキシプロパンのコポリマー)、コレセベラム塩酸塩(Sankyoから入手可能な、WelChol(登録商標)錠(エピクロロヒドリンと架橋し、そして1−ブロモデカンおよび(6−ブロモヘキシル)−トリメチルアンモニウムブロミドでアルキル化されたポリ(アリルアミン塩酸塩))のような)、3,3−イオエン、N−(シクロアルキル)アルキルアミンおよびポリグルサムのような水溶性誘導体、不溶性四級化ポリスチレン、サポニンおよびその混合物を含むがこれに限らない。適当な無機コレステロール遮蔽剤は、ビスマスサリチル酸塩に加えて(plus)モンモリロナイト粘土、水酸化アルミニウムおよび炭酸カルシウム制酸剤を含む。
【0161】
状態を処置または予防するために、本方法において有用なプロブコール誘導体は、AGI−1067および米国特許第6,121,319号および同第6,147,250号において開示されている他のものを含むがこれに限らない。
【0162】
状態を処置または予防するために、本方法において有用なIBAT阻害剤は、国際公開第00/38727号において開示されているような、2,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンゾチエピン1,1−ジオキシド構造を含む治療化合物のようなベンゾチエピンを含むがこれに限らない。
【0163】
状態を処置または予防するために、本方法において有用なニコチン酸受容体アゴニストは、利用可能な場合には、酸形式、塩、エステル、両性イオンおよび互変異性体を含む、ピリジン−3−カルボキシレート構造またはピラジン−2−カルボキシレート構造を有するものを含むがこれに限らない。本方法において有用なニコチン酸受容体アゴニストの他の例は、ニコチン酸、ニセリトロール、ニコフラノース、およびアシピモックスを含む。適当なニコチン酸製品の例は、Kos Pharmaceuticals,Inc.(Cranbury、NJ)から入手可能である、NIASPAN(登録商標)(ナイアシン徐放錠)である。状態を処置または予防するために、本方法において有用なさらなるニコチン酸受容体アゴニストは、米国特許公開第2006/0264489号および同第2007/0066630号、および米国特許出願第11/771538号において開示される化合物を含むがこれに限らず、それらはそれぞれ本明細書中に参考として援用される。
【0164】
状態を処置または予防するために、本方法において有用なACAT阻害剤は、アバシミベ、HL−004、レシミビド、およびCL−277082(N−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−[[4−(2,2−ジメチルプロピル)フェニル]−メチル]−N−ヘプチル尿素)を含むがこれに限らない。P.Changら、「Current, New and Future Treatments in Dyslipidaemia and Atherosclerosis」、Drugs 2000年7月;60(1);55−93を参照のこと、それは本明細書中に参考として援用される。
【0165】
状態を処置または予防するために、本方法において有用なCETP阻害剤は、国際公開第00/38721号および米国特許第6,147,090号において開示されるものを含むがこれに限らず、それは本明細書中に参考として援用される。
【0166】
状態を処置または予防するために、本方法において有用なLDL−受容体活性化因子は、HOE−402(LDL受容体活性を直接刺激するイミダゾリジニル−ピリミジン誘導体)を含むがこれに限らない。M.Huettingerら、「Hypolipidemic activity of HOE−402 is Mediated by Stimulation of the LDL Receptor Pathway」、Arterioscler.Thromb.1993;13:1005−12を参照のこと。
【0167】
状態を処置または予防するために、本方法において有用な天然水溶性線維は、サイリウム、ガウア(guar)、オート(oat)およびペクチンを含むがこれに限らない。
【0168】
状態を処置または予防するために、本方法において有用な植物スタノールの脂肪酸エステルは、BENECOL(登録商標)マーガリンで使用されるシトスタノールエステルを含むがこれに限らない。
【0169】
状態を処置するために、本方法において有用な抗糖尿病薬の制限しない例は、インスリン感受性増強薬(insulin sensitizer)、β−グルコシダーゼ阻害剤、DPP−IV阻害剤、インスリン分泌促進物質、肝グルコース排出低下化合物、抗高血圧薬、ナトリウムグルコース取り込みトランスポーター2(SGLT−2)阻害剤、インスリンおよびインスリン含有組成物、および上記で述べたような抗肥満薬を含む。
【0170】
1つの実施態様において、その抗糖尿病薬は、インスリン分泌促進物質である。1つの実施態様において、そのインスリン分泌促進物質はスルホニルウレアである。
【0171】
本方法において有用なスルホニルウレアの制限しない例は、グリピジド、トルブタミド、グリブリド、グリメピリド、クロロプロパミド、アセトヘキサミド、グリアミリド、グリクラジド、グリキドン、グリベンクラミド、およびトラザミドを含む。
【0172】
別の実施態様において、そのインスリン分泌促進物質はメグリチニドである。
【0173】
状態を処置するために、本方法において有用なメグリチニドの制限しない例は、レパグリニド、ミチグリニド、およびナテグリニドを含む。
【0174】
さらに別の実施態様において、そのインスリン分泌促進物質はGLP−1またはGLP−1模倣物である。
【0175】
本方法において有用なGLP−1模倣物の制限しない例は、バイエッタ−エクセナチド(Byetta−Exanatide)、リラグルチニド(Liraglutinide)、CJC−1131(ConjuChem)、エクセナチド(exanatide)−LAR(Amylin)、BIM−51077(Ipsen/LaRoche)、ZP−10(Zealand Pharmaceuticals)、および国際公開第00/07617号において開示された化合物を含む。
【0176】
本方法において有用なインスリン分泌促進物質の他の制限しない例は、エキセンディン、GIPおよびセクレチンを含む。
【0177】
別の実施態様において、その抗糖尿病薬はインスリン感受性増強薬である。
【0178】
本方法において有用なインスリン感受性増強薬の制限しない例は、トログリタゾン、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、およびエングリタゾンのような、PPAR活性化因子またはアゴニスト;メトホルミンおよびフェンホルミンのようなビグアニジン;PTP−1B阻害剤;およびグルコキナーゼ活性化因子を含む。
【0179】
別の実施態様において、その抗糖尿病薬は、β−グルコシダーゼ阻害剤である。
【0180】
本方法において有用なβ−グルコシダーゼ阻害剤の制限しない例は、ミグリトール、アカルボース、およびボグリボースを含む。
【0181】
別の実施態様において、その抗糖尿病薬は肝グルコース排出低下薬剤である。
【0182】
本方法において有用な肝グルコース排出低下薬剤の制限しない例は、グルコファージおよびグルコファージXRを含む。
【0183】
さらに別の実施態様において、その抗糖尿病薬は、長時間作用型および短時間作用型のインスリンのような、全てのインスリン処方物を含むインスリンである。
【0184】
経口投与可能なインスリンおよびインスリン含有組成物の制限しない例は、AutoImmuneのAL−401、および米国特許第4,579,730号;同第4,849,405号;同第4,963,526号;同第5,642,868号;同第5,763,396号;同第5,824,638号;同第5,843,866号;同第6,153,632号;同第6,191,105号;および国際公開第85/05029号において開示された組成物を含み、それはそれぞれ本明細書中に参考として援用される。
【0185】
別の実施態様において、その抗糖尿病薬は、DPP−IV阻害剤である。
【0186】
本方法において有用なDPP−IV阻害剤の制限しない例は、シタグリプチン、サクサグリプチン(JanuviaTM、Merck)、デナグリプチン、ビルダグリプチン(GalvusTM、Novartis)、アログリプチン、安息香酸アログリプチン、ABT−279およびABT−341(Abbott)、ALS−2−0426(Alantos)、ARI−2243(Arisaph)、BI−AおよびBI−B(Boehringer Ingelheim)、SYR−322(Takeda)、MP−513(Mitsubishi)、DP−893(Pfizer)、RO−0730699(Roche)、またはシタグリプチン/メトホルミンHClの組み合わせ(JanumetTM、Merck)を含む。
【0187】
さらなる実施態様において、その抗糖尿病薬はSGLT−2阻害剤である。
【0188】
本方法において有用なSGLT−2阻害剤の制限しない例は、ダパグリフロジン、およびセルグリフロジン、AVE2268(Sanofi−Aventis)およびT−1095(Tanabe Seiyaku)を含む。
【0189】
状態を処置するために、本方法において有用な抗高血圧薬の制限しない例は、β遮断薬およびカルシウムチャネル遮断薬(例えばジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピン、アムロピジン、およびミベフラジル(mybefradil))、ACE阻害剤(例えばカプトプリル、リシノプリル、エナラプリル、スピラプリル、セラノプリル、ゾフェノプリル(zefenopril)、ホシノプリル、シラザプリル(cilazopril)、およびキナプリル)、AT−1受容体アンタゴニスト(例えばロサルタン、イルベサルタン、およびバルサルタン)、レニン阻害剤およびエンドセリン受容体アンタゴニスト(例えばシタクスセンタン)を含む。
【0190】
1つの実施態様において、その抗糖尿病薬は、デンプンおよびある糖の分解を遅らせる、または阻害する薬剤である。
【0191】
デンプンおよびある糖の分解を遅らせる、または阻害し、そして本発明の組成物および方法において使用するために適当な抗糖尿病薬の制限しない例は、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤およびインスリン産生を増加させるあるペプチドを含む。アルファ−グルコシダーゼ阻害剤は、摂取した炭水化物の消化を遅らせることによって血糖を低下させて体を助け、それによって食後の血中グルコース濃度のより低い上昇を引き起こす。適当なアルファ−グルコシダーゼ阻害剤の制限しない例は、アカルボース;ミグリトール;カミグリボース;国際公開第01/47528号(本明細書中に参考として援用される)において開示されたようなあるポリアミン;ボグリボースを含む。インスリン産生を増加させるために適当なペプチドの制限しない例は、アムリンチド(AmylinからCAS Reg.No.122384−88−7);プラムリンチド、エキセンディン、国際公開第00/07617号において開示されたような、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)アゴニスト活性を有するある化合物を含む。
【0192】
状態を処置または予防するために、本方法において有用な他の特定のさらなる治療薬は、リモナバン、2−メチル−6−(フェニルエチニル)−ピリジン、3[(2−メチル−1,4−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン、メラノタン−II、デクスフェンフルラミン、フルオキセチン、パロキセチン、フェンフルラミン、フルボキサミン、セルトラリン(sertaline)、イミプラミン、デシプラミン、タルスプラム、ノミフェンシン、レプチン、ナルメフェン、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン(nalterxone)、ブタビンジド、アクソカイン、シブトラミン、トピラマート、phytopharm化合物57、セルレニン、テオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム、シロミラスト、フィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸、レチノイン酸、オレオイル−エストロン、オーリスタット、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニン、およびジエチルウンベリフェリルホスフェートを含むがこれに限らない。
【0193】
1つの実施態様において、糖尿病を処置または予防するための本組み合わせ治療は、式(I)の化合物、抗糖尿病薬および/または抗肥満薬を投与することを含む。
【0194】
別の実施態様において、糖尿病を処置または予防するための本組み合わせ治療は、式(I)の化合物および抗糖尿病薬を投与することを含む。
【0195】
別の実施態様において、糖尿病を処置または予防するための本組み合わせ治療は、式(I)の化合物および抗肥満薬を投与することを含む。
【0196】
1つの実施態様において、肥満を処置または予防するための本組み合わせ治療は、式(I)の化合物、抗糖尿病薬および/または抗肥満薬を投与することを含む。
【0197】
別の実施態様において、肥満を処置または予防するための本組み合わせ治療は、式(I)の化合物および抗糖尿病薬を投与することを含む。
【0198】
別の実施態様において、肥満を処置または予防するための本組み合わせ治療は、式(I)の化合物および抗肥満薬を投与することを含む。
【0199】
1つの実施態様において、メタボリックシンドロームを処置または予防するための本組み合わせ治療は、式(I)の化合物および抗肥満薬、抗糖尿病薬、メタボリックシンドロームを処置するために有用なあらゆる薬剤、心臓脈管疾患を処置するために有用なあらゆる薬剤、コレステロール生合成阻害剤、ステロール吸収阻害剤、胆汁酸遮蔽剤、プロブコール誘導体、IBAT阻害剤、ニコチン酸受容体(NAR)アゴニスト、ACAT阻害剤、コレステリルエステル転移タンパク質(CETP)阻害剤、低密度リポタンパク質(LDL)活性化因子、魚油、水溶性線維、植物ステロール、植物スタノールおよび植物スタノールの脂肪酸エステルから選択される、1つ以上のさらなる治療薬を投与することを含む。
【0200】
1つの実施態様において、さらなる治療薬は、コレステロール生合成阻害剤である。別の実施態様において、コレステロール生合成阻害剤は、スクアレン合成酵素阻害剤である。別の実施態様において、コレステロール生合成阻害剤は、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤である。さらに別の実施態様において、コレステロール生合成阻害剤は、HMG−CoA還元酵素阻害剤である。別の実施態様において、そのHMG−CoA還元酵素阻害剤はスタチンである。さらに別の実施態様において、そのスタチンは、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、またはアトルバスタチンである。
【0201】
1つの実施態様において、さらなる治療薬は、コレステロール吸収阻害剤である。別の実施態様において、そのコレステロール吸収阻害剤はエゼチミブである。
【0202】
1つの実施態様において、さらなる治療薬は、コレステロール吸収阻害剤およびコレステロール生合成阻害剤を含む。別の実施態様において、さらなる治療薬は、コレステロール吸収阻害剤およびスタチンを含む。別の実施態様において、さらなる治療薬は、エゼチミブおよびスタチンを含む。別の実施態様において、さらなる治療薬は、エゼチミブおよびシンバスタチンを含む。
【0203】
1つの実施態様において、メタボリックシンドロームを処置または予防するための本組み合わせ治療は、式(I)の化合物、抗糖尿病薬、および/または抗肥満薬を投与することを含む。
【0204】
別の実施態様において、メタボリックシンドロームを処置または予防するための本組み合わせ治療は、式(I)の化合物および抗糖尿病薬を投与することを含む。
【0205】
別の実施態様において、メタボリックシンドロームを処置または予防するための本組み合わせ治療は、式(I)の化合物および抗肥満薬を投与することを含む。
【0206】
1つの実施態様において、心臓脈管疾患を処置または予防するための本組み合わせ治療は、1つ以上の式(I)の化合物、および心臓脈管疾患を処置または予防するために有用なさらなる薬剤を投与することを含む。
【0207】
そのような投与が必要な患者に組み合わせ治療物を投与する場合、その組み合わせの治療薬、または治療薬を含む1つの医薬品組成物または複数の医薬品組成物を、例えば連続的に、同時に(concurrently)、共に、同時に(simultaneously)等のような、あらゆる順番で投与し得る。そのような組み合わせ治療における様々な活性成分の量は、異なる量(異なる投与量)または同じ量(同じ投与量)であり得る。
【0208】
1つの実施態様において、1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体を、さらなる治療薬がその予防的または治療的効果を発揮している間に投与する、または逆も同じである。
【0209】
別の実施態様において、1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体およびさらなる治療薬を、状態を処置するためにそのような薬剤が単独治療として使用される場合に通常採用される投与量で投与する。
【0210】
別の実施態様において、1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体およびさらなる治療薬を、状態を処置するためにそのような薬剤が単独治療として使用される場合に通常採用される投与量よりも低い投与量で投与する。
【0211】
さらに別の実施態様において、1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体およびさらなる治療薬は、相乗的に作用し、そして状態を処置するためにそのような薬剤が単独治療として使用される場合に通常採用される投与量よりも低い投与量で投与する。
【0212】
1つの実施態様において、1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体およびさらなる治療薬は、同じ組成物中に存在する。1つの実施態様において、この組成物は、経口投与に適当である。別の実施態様において、この組成物は、静脈内投与に適当である。
【0213】
1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体およびさらなる治療薬は、相加的または相乗的に作用し得る。相乗的な組み合わせは、より低い投与量の1つ以上の薬剤の使用、および/または組み合わせ治療の1つ以上の薬剤のより頻回でない投与を可能にし得る。1つ以上の薬剤のより低い投与量またはより頻回でない投与は、治療の有効性を抑制することなく、治療の毒性をより低くし得る。
【0214】
1つの実施態様において、1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体およびさらなる治療薬の投与は、これらの薬剤に対する状態の抵抗性を阻害し得る。
【0215】
1つの実施態様において、患者を糖尿病または糖尿病合併症のために処置する場合、さらなる治療薬は、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体ではない抗糖尿病薬である。別の実施態様において、さらなる治療薬は、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体のあらゆる潜在的な副作用を抑制するために有用な薬剤である。そのような潜在的な副作用は、悪心、嘔吐、頭痛、発熱、嗜眠、筋肉痛、下痢、一般的な疼痛、および注射部位の疼痛を含むがこれに限らない。
【0216】
1つの実施態様において、さらなる治療薬を、その公知の治療的に有効な投与量で使用する。別の実施態様において、さらなる治療薬を、その通常処方される投与量で使用する。別の実施態様において、さらなる治療薬を、その通常処方される投与量、またはその公知の治療的に有効な投与量より少ない量で使用する。
【0217】
状態を処置または予防するために、本発明の組み合わせ治療において使用される他の薬剤の投与量および投与レジメを、認可された投与量および添付文書の投与レジメ;患者の年齢、性別、および一般的な健康;およびウイルス感染または関連する疾患または障害の型および重症度を考慮して、主治医が決定し得る。組み合わせて投与する場合、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体および上記で列挙した疾患または状態を処置するための他の薬剤を、同時または連続的に投与し得る。組み合わせの成分が、異なる投与スケジュールで投与される(例えば1つの成分は1日1回投与され、そして別のものは6時間ごとに投与される)場合、または好ましい医薬品組成物が異なる(例えば1つは錠剤であり、そして1つはカプセルである)場合、これは特に有用である。従って、別々の投与剤型を含むキットが有利である。
【0218】
一般的に、1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体およびさらなる治療薬の全1日投与量は、組み合わせ治療として投与される場合、1日あたり約0.1から約2000mgの範囲であるが、当然治療の目標、患者、および投与経路に依存して変動が起こる。1つの実施態様において、その投与量は、約0.2から約100mg/日であり、単回投与または2−4回に分割した投与で投与される。別の実施態様において、その投与量は、約1から約500mg/日であり、単回投与または2−4回に分割した投与で投与される。別の実施態様において、その投与量は、約1から約200mg/日であり、単回投与または2−4回に分割した投与で投与される。さらに別の実施態様において、その投与量は、約1から約100mg/日であり、単回投与または2−4回に分割した投与で投与される。さらに別の実施態様において、その投与量は、約1から約50mg/日であり、単回投与または2−4回に分割した投与で投与される。さらなる実施態様において、その投与量は、約1から約20mg/日であり、単回投与または2−4回に分割した投与で投与される。
【0219】
組成物および投与
1つの実施態様において、本発明は、有効な量の1つ以上の式(I)の化合物、またはその薬剤学的に許容可能な塩、溶媒和物、エステル、またはプロドラッグ、および薬剤学的に許容可能な担体(carrier)を含む組成物を提供する。
【0220】
式(I)の化合物から医薬品組成物を調製するために、不活性な、薬剤学的に許容可能な担体は、固体、または液体のいずれかであり得る。固体形式の調製物は、粉末、錠剤、分散顆粒、カプセル、カシェ剤、および坐剤を含む。粉末および錠剤は、約5から約95%の活性成分から成り得る。適当な固体担体は、当該分野で公知であり、例えば炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖またはラクトースである。錠剤、粉末、カシェ剤、およびカプセルを、経口投与に適当な固体投与剤型として使用し得る。薬剤学的に許容可能な担体の例および様々な組成物の製造の方法は、A.Gennaro(編)、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、(1990)、Mack Publishing Co.、Easton、PAにおいて見出し得る。
【0221】
液体形式の調製物は、溶液、懸濁液、およびエマルションを含む。例として、非経口注射のための水または水−プロピレングリコール溶液、または経口溶液、懸濁液、およびエマルションのための甘味料および乳白剤の添加を挙げ得る。液体形式の調製物はまた、鼻腔内投与のために溶液を含み得る。
【0222】
吸入のために適当なエアロゾル調製物は、溶液および粉末形式の固体を含み得、それは不活性圧縮ガス、例えば窒素のような、薬剤学的に許容可能な担体と組み合わせ得る。
【0223】
使用の直前に、経口または非経口投与のための液体形式調製物に変換することが意図される、固体形式調製物も含まれる。そのような液体形式は、溶液、懸濁液、およびエマルションを含む。
【0224】
本発明の化合物をまた、経皮的に送達し得る。経皮組成物は、クリーム、ローション、エアロゾル、および/またはエマルションの形態をとり得、そしてこの目的のための分野において慣習であるように、マトリックスまたはリザーバー型の経皮パッチに含まれ得る。
【0225】
1つの実施態様において、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体を、経口投与する。
【0226】
1つの実施態様において、医薬品調製物は、単位投与剤型である。そのような形態において、その調製物を、適当な量の活性成分(例えば所望の目的を達成するための有効な量)を含む、適当なサイズの単位投与量に細分する。
【0227】
調製物の単位投与量における活性化合物の量は、約0.1から約2000mgである。当然治療の目標、患者、および投与経路に依存して変動が起こる。1つの実施態様において、その単位投与量は、約0.2から約1000mgである。別の実施態様において、その単位投与量は、約1から約500mgである。別の実施態様において、その単位投与量は、約1から約100mg/日である。さらに別の実施態様において、その単位投与量は、約1から約50mgである。さらに別の実施態様において、その単位投与量は、約1から約10mgである。
【0228】
採用される実際の投与量は、患者の必要条件および処置される状態の重症度に依存して変動し得る。特定の状況に関する適当な投与レジメの決定は、当該分野の技術の範囲内である。簡便さのために、全1日投与量を分割し、そして必要に応じて1日の間に部分で投与し得る。
【0229】
本発明の化合物および/またはその薬剤学的に許容可能な塩の量および投与頻度を、患者の年齢、状態、およびサイズ、および処置する症状の重症度のような因子を考慮して、主治医の判断によって調節する。経口投与のための典型的な推奨1日投与レジメは、2回または4回に分けた投与で、約1mg/日から約300mg/日、好ましくは1mg/日から75mg/日の範囲であり得る。
【0230】
本発明が1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体およびさらなる治療薬の組み合わせを含む場合、その2つの活性成分を、同時に、または連続的に共投与し得る、または1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体およびさらなる治療薬を薬剤学的に許容可能な担体中に含む単一の医薬品組成物を投与し得る。組み合わせの成分を、カプセル、錠剤、粉末、カシェ剤、懸濁液、溶液、坐剤、鼻腔内スプレー等のような、あらゆる従来の投与剤型において、個々にまたは一緒に投与し得る。さらなる治療薬の投与量を、刊行された資料から決定し得、そして投与あたり約1から約1000mgの範囲であり得る。1つの実施態様において、組み合わせて使用する場合、個々の成分の投与レベルは、組み合わせの有利な効果のために、推奨される個々の投与量よりも低い。
【0231】
1つの実施態様において、組み合わせ治療レジメの成分を、同時に投与する場合、それらを薬剤学的に許容可能な担体を含む単一の組成物で投与し得る。
【0232】
別の実施態様において、組み合わせ治療レジメの成分を別々に、または連続的に投与する場合、それらをそれぞれ薬剤学的に許容可能な担体を含む別々の組成物で投与し得る。
【0233】
組み合わせ治療の成分を、カプセル、錠剤、粉末、カシェ剤、懸濁液、溶液、坐剤、鼻腔内スプレー等のような、あらゆる従来の投与剤型で、個々に、または一緒に投与し得る。
【0234】
キット
1つの局面において、本発明は、有効な量の1つ以上の式(I)の化合物、またはその化合物の薬剤学的に許容可能な塩または溶媒和物、および薬剤学的に許容可能な担体、媒体(vehicle)、または希釈剤を含むキットを提供する。
【0235】
別の局面において、本発明は、ある量の1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体またはその化合物の薬剤学的に許容可能な塩または溶媒和物、およびある量の少なくとも1つの上記で列挙したさらなる治療薬を含むキットを提供し、ここでその合わせた量は、患者において糖尿病、糖尿病性合併症、グルコース寛容減損、または空腹時グルコース減損を処置または予防するために有効である。
【0236】
組み合わせ治療レジメの成分を、1つ以上の組成物で投与する場合、それらを単一のパッケージ(それぞれ1つ以上のテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジノン誘導体を薬剤学的に許容可能な担体中に含む1つ以上の容器、および薬剤学的に許容可能な担体中にさらなる治療薬を含む別の容器、各組成物の活性成分は、その組み合わせが治療的に有効であるような量で存在する)に含むキットで提供し得る。
【0237】
本発明は、本発明の少数の局面の説明として意図される実施例で開示された特定の実施態様によって制限されず、そして機能的に等価であるあらゆる実施態様は、本発明の範囲内である。実際、本明細書中で示し、そして記載したものに加えて、本発明の様々な改変が、当業者に明らかとなり、そして添付の特許請求の範囲内に入ると意図される。
【0238】
多くの参考文献が本明細書中で引用され、その開示全体が本明細書中に参考として援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者における糖尿病を処置するための方法であって、該方法は、該患者に有効量の式:
【化12】


を有する1以上の化合物またはその薬剤学的に許容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを投与する工程を包含し、ここでRおよびRは、本明細書中で上記で定義されるとおりである方法。
【請求項2】
患者における肥満を処置するための方法であって、該方法は、該患者に有効量の式:
【化13】


を有する1以上の化合物またはその薬剤学的に許容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを投与する工程を包含し、ここでRおよびRは、本明細書中で上記で定義されるとおりである方法。
【請求項3】
患者におけるメタボリックシンドロームを処置するための方法であって、該方法は、該患者に有効量の式:
【化14】


を有する1以上の化合物またはその薬剤学的に許容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを投与する工程を包含し、ここでRおよびRは、本明細書中で上記で定義されるとおりである方法。
【請求項4】
前記患者に、請求項1に記載の化合物ではない、少なくとも1つの抗糖尿病薬および/または少なくとも1つの抗肥満薬を投与する工程をさらに包含し、そしてここで投与される量は、一緒にして、糖尿病を処置するために有効である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記患者に、請求項1に記載の化合物とは異なる少なくとも1つの抗肥満薬を投与する工程をさらに包含し、そしてここで投与される量は、一緒にして、肥満を処置するために有効である請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記患者に、請求項1に記載の化合物とは異なる、少なくとも1つの抗糖尿病薬および/または少なくとも1つの抗肥満薬を投与する工程をさらに包含し、そしてここで投与される量は、一緒にして、メタボリックシンドロームを処置するために有効である請求項3に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物とは異なる少なくとも1つの抗糖尿病薬を投与する工程を包含する請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記抗糖尿病薬はインスリン感受性増強薬、β−グルコシダーゼ阻害剤、DPP−IV阻害剤、インスリン分泌促進物質、肝グルコース排出低下化合物、抗高血圧薬、ナトリウムグルコース取り込みトランスポーター2(SGLT−2)阻害剤、インスリン、インスリン含有組成物および抗肥満薬である請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記抗糖尿病薬はインスリン感受性増強薬である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記インスリン感受性増強薬はPPAR活性化因子である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記PPAR活性化因子はチアゾリジンジオンである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記インスリン感受性増強薬はメトホルミンである請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記抗糖尿病薬はDPP−IV阻害剤である請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記DPP−IV阻害剤はシタグリプチン、サクサグリプチン、デナグリプチン、ビルダグリプチンまたはアログリプチンである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記抗糖尿病薬はインスリン分泌促進物質である請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記インスリン分泌促進物質はスルホニルウレア、メグリチニド、GLP−1またはGLP−1模倣物である請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記インスリン分泌促進物質はGLP−1模倣物である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記GLP−1模倣物はバイエッタ−エクセナチドまたはリラグルチニドである請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記抗糖尿病薬はSGLT−2阻害剤である請求項8に記載の方法。
【請求項20】
前記SGLT−2阻害剤はダパグリフロジンまたはセルグリフロジンである請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項1に記載の化合物とは異なる少なくとも1つの抗肥満薬を投与する工程を包含する請求項4に記載の方法。
【請求項22】
前記抗肥満薬はニューロペプチドYアンタゴニスト、MCR4アゴニスト、MCH受容体アンタゴニスト、タンパク質ホルモン、AMPキナーゼ活性化因子、CB1アンタゴニスト、GLP−1アゴニストまたはリパーゼ阻害剤である請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記抗肥満薬はオーリスタット、レプチンまたはアジポネクチンである請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記糖尿病はI型糖尿病である請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記糖尿病はII型糖尿病である請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記抗肥満薬はニューロペプチドYアンタゴニスト、MCR4アゴニスト、MCH受容体アンタゴニスト、タンパク質ホルモン、AMPキナーゼ活性化因子、CB1アンタゴニスト、GLP−1アゴニストまたはリパーゼ阻害剤である請求項5に記載の方法。
【請求項27】
前記抗肥満薬はオーリスタット、レプチンまたはアジポネクチンである請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項1に記載の化合物とは異なる少なくとも1つの抗糖尿病薬を投与する工程を包含する請求項6に記載の方法。
【請求項29】
前記抗糖尿病薬はインスリン感受性増強薬、β−グルコシダーゼ阻害剤、DPP−IV阻害剤、インスリン分泌促進物質、肝グルコース排出低下化合物、抗高血圧薬、ナトリウムグルコース取り込みトランスポーター2(SGLT−2)阻害剤、インスリン、インスリン含有組成物および抗肥満薬である請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記抗糖尿病薬はインスリン感受性増強薬である請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記インスリン感受性増強薬はPPAR活性化因子である請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記PPAR活性化因子はチアゾリジンジオンである請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記インスリン感受性増強薬はメトホルミンである請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記抗糖尿病薬はDPP−IV阻害剤である請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記DPP−IV阻害剤はシタグリプチン、サクサグリプチン、デナグリプチン、ビルダグリプチンまたはアログリプチンである請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記抗糖尿病薬はインスリン分泌促進物質である請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記インスリン分泌促進物質はスルホニルウレア、メグリチニド、GLP−1またはGLP−1模倣物である請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記インスリン分泌促進物質はGLP−1模倣物である請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記GLP−1模倣物はバイエッタ−エクセナチドまたはリラグルチニドである請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記抗糖尿病薬はSGLT−2阻害剤である請求項29に記載の方法。
【請求項41】
前記SGLT−2阻害剤はダパグリフロジンまたはセルグリフロジンである請求項40に記載の方法。
【請求項42】
請求項1に記載の化合物とは異なる少なくとも1つの抗肥満薬を投与する工程を包含する請求項6に記載の方法。
【請求項43】
前記抗肥満薬はニューロペプチドYアンタゴニスト、MCR4アゴニスト、MCH受容体アンタゴニスト、タンパク質ホルモン、AMPキナーゼ活性化因子、CB1アンタゴニスト、GLP−1アゴニストまたはリパーゼ阻害剤である請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記抗肥満薬はオーリスタット、レプチンまたはアジポネクチンである請求項43に記載の方法。

【公表番号】特表2010−524944(P2010−524944A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504089(P2010−504089)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/004997
【国際公開番号】WO2008/130615
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】