ディスプレイの角度特性を制御するための光学フィルム
【課題】ディスプレイの角度特性を制御するための光学フィルム。
【解決手段】光干渉ディスプレイ・デバイスは、ディスプレイの視界を狭くする複数の構造を用いる外部フィルム605を有して提供される。例えば、バッフル603又は複合パラボラ集束器のような非結像光学素子を備えることができる。バッフルは、例えば、グリッドに配列された複数の垂直に向きを揃えて並べられた表面を備えることができる。これらのバッフルは、不透明又は反射性である。したがって、これらの垂直な面610は、光が実質的に垂直でない方向607に光干渉ディスプレイ・デバイスを出ることを実質的に遮ることができる。しかしながら、これらの垂直な面は、実質的に垂直な方向に向けられた光がディスプレイを出ることを可能にする。非結像光学素子、例えば、複合パラボラ集束器は、大きな入射角からディスプレイに向かってさらに垂直な角度へと光の向きを変える。
【解決手段】光干渉ディスプレイ・デバイスは、ディスプレイの視界を狭くする複数の構造を用いる外部フィルム605を有して提供される。例えば、バッフル603又は複合パラボラ集束器のような非結像光学素子を備えることができる。バッフルは、例えば、グリッドに配列された複数の垂直に向きを揃えて並べられた表面を備えることができる。これらのバッフルは、不透明又は反射性である。したがって、これらの垂直な面610は、光が実質的に垂直でない方向607に光干渉ディスプレイ・デバイスを出ることを実質的に遮ることができる。しかしながら、これらの垂直な面は、実質的に垂直な方向に向けられた光がディスプレイを出ることを可能にする。非結像光学素子、例えば、複合パラボラ集束器は、大きな入射角からディスプレイに向かってさらに垂直な角度へと光の向きを変える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、微小電気機械システム(MEMS:microelectromechanical systems)に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、そしてあるいは、電子デバイス及び電子機械デバイスを形成するために基板及び/又は堆積された材料層の一部分をエッチングして取り除く、若しくは複数の層を付加するその他のマイクロマシニング・プロセスを使用して創り出されることができる。MEMSデバイスの1つのタイプは、光干渉変調器と呼ばれる。本明細書中で使用されるように、用語、光干渉変調器又は干渉光変調器は、光学的な干渉の原理を使用して光を選択的に吸収する及び/又は反射するデバイスを呼ぶ。ある実施形態では、光干渉変調器は、1対の導電性プレートを備え、その一方又は両方が、全体として又は一部分が透明でありかつ/又は反射性であり、そして適切な電子信号の印加により相対的動きが可能である。特定の実施形態では、一方のプレートは、基板上に堆積された静止層を備え、他方のプレートは、エアー・ギャップにより静止層から分離された金属膜を備えることができる。本明細書中でさらに詳細に説明されるように、他方と相対的に一方のプレートの位置は、光干渉変調器上に入射する光の光学的干渉を変化させることができる。そのようなデバイスは、広範囲のアプリケーションを有し、そしてこれらのタイプのデバイスの特性を利用すること及び/又は変形することは、この技術において有益であり、その結果、それらの特徴は、既存の製品を改善する際に活用されることができ、そして未だ開発されていない新たな製品を創り出す際に活用されることができる。
【特許文献1】米国特許第6,650,455号明細書
【特許文献2】米国特許第5,835,255号明細書
【特許文献3】米国特許第5,986,796号明細書
【特許文献4】米国特許第6,055,090号明細書
【特許文献5】米国特許出願番号第10/794,825号明細書
【発明の概要】
【0003】
本発明のシステム、方法、及びデバイスは、それぞれ複数の態様を有し、その1つのものも、その好ましい特性に単独で寄与するのではない。本発明の範囲を制限することなく、そのより卓越した特徴が、ここに簡潔に説明される。本明細書を熟考した後で、特に“特定の実施形態の詳細な説明”と題された項を読んだ後で、本発明の特徴が、その他のディスプレイ・デバイスに対して利点をどのようにして提供するかを、理解するであろう。
【0004】
1つの実施形態では、ディスプレイが提供され、該ディスプレイは、第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子、ここにおいて該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び該ディスプレイの視界を制限するために構成された複数の素子、を具備する。
【0005】
他の1つの実施形態では、ディスプレイが提供され、該ディスプレイは、第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子、ここにおいて該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び当該ディフューザ素子上に入射する光が該入射光よりもさらに平行にされて該光変調素子に向けられるように光を拡散させるために構成された該複数の光変調素子の前方のディフューザ素子、を具備する。
【0006】
他の1つの実施形態では、ディスプレイを製作する方法が提供され、該方法は、第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子を形成すること、ここにおいて該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び該ディスプレイの視界を制限するために構成された複数の素子を形成すること、を具備する。
【0007】
他の1つの実施形態では、ディスプレイを製作する方法が提供され、該方法は、第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子を形成すること、ここにおいて該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び広い範囲の角度で入射する光を受けるため、そして該光変調素子上へとより狭い範囲の角度に光を向けるために構成された該複数の光変調素子の前方のディフューザ素子を形成すること、を具備する。
【0008】
他の1つの実施形態では、ディスプレイが提供され、該ディスプレイは、光を操作するための第1の光学手段及び第2の光学手段を備える光を変調するための手段、ここにおいて該第2の光学手段は該第1の光学手段に対して移動可能である;及び該光変調手段の視界を制限するための手段、を具備する。
【0009】
他の1つの実施形態では、ディスプレイが提供され、該ディスプレイは、光を操作するための第1の光学手段及び第2の光学手段を備える光を変調するための手段、ここにおいて該第2の光学手段は該第1の光学手段に対して移動可能である;及び当該拡散させる手段上に入射する光がその上に入射する該光よりもさらに平行にされて該光変調手段に向けられる該光変調手段の前方の光を拡散させるための手段、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、光干渉変調器ディスプレイの1実施形態の一部分を図示する等測図であり、そこでは、第1の光干渉変調器の可動反射層は、リラックスした位置にあり、第2の光干渉変調器の可動反射層は、アクチュエートされた位置にある。
【図2】図2は、3×3光干渉変調器ディスプレイを組み込んでいる電子デバイスの1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図3】図3は、図1の光干渉変調器の1つの具体例の実施形態に関する可動鏡位置に対する印加電圧の図である。
【図4】図4は、光干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用されることができる行及び列電圧のセットの説明図である。
【図5A】図5Aは、図2の3×3光干渉変調器ディスプレイ内のディスプレイ・データの1つの具体例のフレームを図示する。
【図5B】図5Bは、図5Aのフレームに書き込むために使用されることができる行信号及び列信号に関する1つの具体例のタイミング図を図示する。
【図6A】図6Aは、複数の光干渉変調器を備える光学ディスプレイ・デバイスの1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図6B】図6Bは、複数の光干渉変調器を備える光学ディスプレイ・デバイスの1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図7A】図7Aは、図1のデバイスの断面図である。
【図7B】図7Bは、光干渉変調器の代わりの実施形態の断面図である。
【図7C】図7Cは、光干渉変調器の別の1つの実施形態の断面図である。
【図7D】図7Dは、光干渉変調器のしかも別の1つの実施形態の断面図である。
【図7E】図7Eは、光干渉変調器のさらに別の1つの実施形態の断面図である。
【図8A】図8Aは、外部フィルムを有するディスプレイ・デバイスの側面図である。
【図8B】図8Bは、RGBカラーの情報を表示するために構成された光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図8C】図8CBは、白黒の情報を表示するために構成された光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図9】図9は、その外側表面上に光ディフューザを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図10】図10は、その外側表面上に光ディフューザを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図であり、ここで光ディフューザは、拡散性粒子を含む。
【図11A】図11Aは、光干渉変調器デバイスからエアー・ギャップにより分離されている溝を付けられた前面光プレートを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図11B】図11Bは、光干渉変調器デバイス結合された溝を付けられた前面光プレートを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図11C】図11Cは、外部フィルムを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図であり、外部フィルムは起伏を付けられた外側表面を有し、その結果、光源から与えられる光が光干渉変調器デバイスに向きを変えられ、そして光干渉変調器の外へと観察者に反射される。
【図12A】図12Aは、外部フィルムを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図であり、外部フィルムは光干渉変調器デバイスの視界を制限するバッフル構造を含む。
【図12B】図12Bは、外部フィルム内に含まれるバッフル構造がどのようにして反射光の方向を限定するかを示す光干渉変調器デバイスの1実施形態の側面図である。
【図12C】図12Cは、不透明柱を備えたバッフル構造を有する外部フィルムの実施形態である。
【図12D】図12Dは、不透明柱を備えたバッフル構造を有する外部フィルムの実施形態である。
【図12E】図12Eは、不透明部分を備えたバッフル構造を有する外部フィルムの実施形態である。
【図12F】図12Fは、不透明部分を備えたバッフル構造を有する外部フィルムの実施形態である。
【図12G】図12Gは、不透明部分を備えたバッフル構造を有する外部フィルムの実施形態である。
【図12H】図12Hは、反射性物質を備えたバッフル構造を有する外部フィルムを図示する。
【図13A】図13Aは、タッチスクリーンを含む光干渉変調器ディスプレイの側面図である。
【図13B】図13Bは、拡散性物質を組み込むための別のアプローチを示す。
【図13C】図13Cは、拡散性物質を組み込むための別のアプローチを示す。
【図13D】図13Dは、拡散性物質を組み込むための別のアプローチを示す。
【図14A】図14Aは、光干渉変調器デバイスに向けて光源からの光を散乱させるディフューザ物質を備えるタッチスクリーン用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図14B1】図14B1は、光源から光干渉変調器デバイスへ光を伝えるための別の構成を示す。
【図14B2】図14B2は、光源から光干渉変調器デバイスへ光を伝えるための別の構成を示す。
【図14C】図14Cは、光源から光干渉変調器デバイスへ光を向けるためにディスプレイ中に拡散性物質を組み込むための別のアプローチを例示する。
【図14D】図14Dは、光源から光干渉変調器デバイスへ光を向けるためにディスプレイ中に拡散性物質を組み込むための別のアプローチを例示する。
【図14E】図14Eは、光源から光干渉変調器デバイスへ光を向けるためにディスプレイ中に拡散性物質を組み込むための別のアプローチを例示する。
【図15A】図15Aは、複数のアクティブな反射体領域間のスペースに入射された光の少なくとも一部をアクティブな反射体領域に向ける膜を用いて構成される光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図15B】図15Bは、複数のアクティブな反射体領域間のスペースに入射された光の少なくとも一部をアクティブな反射体領域に向ける膜を用いて構成される光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図16A】図16Aは、光を散乱させる領域を有する外部フィルムの側面図である。
【図16B】図16Bは、低屈折率物質の母材中に光の向きを変える高屈折率の領域を有する外部フィルムの側面図である。
【図16C】図16Cは、凹レンズとして作用するディンプル領域を有する表面を有する外部フィルムの側面図である。
【図16D】図16Dは、フレネル・レンズを備えた表面を有する外部フィルムの側面図である。
【図16E】図16Eは、反対方向に光を屈折させるために構成された反対に傾斜する表面を有する外部フィルムの側面図である。
【図16F】図16Fは、一方向に向けて光を屈折させるために構成された傾斜する表面を有する外部フィルムの側面図である。
【図16G】図16Gは、光を反射させるために構成された傾斜する表面を有する外部フィルムの側面図である。
【図17】図17は、外部フィルムを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図であり、それは外部フィルム上に入射される光の方向を変えて、外部フィルムにおけるその入射角よりさらに垂直である角度で光を光干渉変調器デバイスのアクティブな反射体領域に与える。
【図18A】図18Aは、光干渉変調器デバイスの方へ向けられた光を平行にするために構成された拡散性成分を備えた外部フィルムを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図18B】図18Bは、図18Aの光干渉変調器デバイスの側面図であり、入射光が平行にされそして光干渉変調器デバイスのアクティブな反射体領域に向きを変えられることを示す。
【図18C】図18Cは、図18Aの光干渉変調器デバイスの側面図であり、光干渉変調器デバイスのアクティブ領域で反射された光が外部フィルムによって拡散されることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、そしてあるいは、電子デバイス及び電子機械デバイスを形成するために基板及び/又は堆積された材料層の一部分をエッチングして取り除く、若しくは複数の層を付加するその他のマイクロマシニング・プロセスを使用して創り出されることができる。MEMSデバイスの1つのタイプは、光干渉変調器と呼ばれる。本明細書中で使用されるように、用語、光干渉変調器又は干渉光変調器は、光学的な干渉の原理を使用して光を選択的に吸収する及び/又は反射するデバイスを呼ぶ。ある実施形態では、光干渉変調器は、1対の導電性プレートを備え、その一方又は両方が、全体として又は一部分が透明でありかつ/又は反射性であり、そして適切な電子信号の印加により相対的動きが可能である。特定の実施形態では、一方のプレートは、基板上に堆積された静止層を備え、他方のプレートは、エアー・ギャップにより静止層から分離された金属膜を備えることができる。本明細書中でさらに詳細に説明されるように、他方と相対的に一方のプレートの位置は、光干渉変調器上に入射する光の光学的干渉を変化させることができる。そのようなデバイスは、広範囲のアプリケーションを有し、そしてこれらのタイプのデバイスの特性を利用すること及び/又は変形することは、この技術において有益であり、その結果、それらの特徴は、既存の製品を改善する際に活用されることができ、そして未だ開発されていない新たな製品を創り出す際に活用されることができる。
【0012】
本発明の種々の実施形態において、光干渉ディスプレイ・デバイスは、ディスプレイの観察視界を狭くする複数の構造を有する外部フィルムを用いて与えられる。これらの構造は、例えば、バッフル又は複合パラボラ集束器のような非結像光学素子を備えることができる。バッフルは、例えば、格子状に配置された複数の垂直に向きを揃えて並べられた面を備えることができる。ある種の好ましい実施形態では、これらのバッフルは不透明である又は反射性である。したがって、これらの垂直な面は、実質的に垂直でない方向に光干渉ディスプレイ・デバイスから出る光を実質的に遮ることができる。しかしながら、これらの垂直な面は、実質的に垂直な方向に向けられた光がディスプレイを出ることを可能にする。非結像光学素子、例えば、複合パラボラ集束器は、大きな入射角からディスプレイに向けてより垂直な角度へと光の向きを変える。その結果、ユーザに向けてディスプレイによって反射された光は、同様に、さらに垂直な角度になる。
【0013】
光干渉MEMSディスプレイ素子を備える1つの光干渉変調器ディスプレイの実施形態が、図1に図示される。これらのデバイスにおいて、ピクセルは、明状態又は暗状態のいずれかである。明(“オン”又は“開(open)”)状態では、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分をユーザに反射する。暗(“オフ”又は“閉(close)”)状態にある場合は、ディスプレイ素子は、入射可視光をユーザにほとんど反射しない。実施形態に応じて、“オン”状態及び“オフ”状態の光反射率特性が、逆にされることがある。MEMSピクセルは、選択された色で主に反射するように構成されることができ、白黒に加えてカラー表示を可能にする。
【0014】
図1は、視覚ディスプレイの一連のピクセル中の2つの隣接するピクセルを図示する等測図であり、ここでは、各ピクセルは、MEMS光干渉変調器を備える。ある複数の実施形態では、光干渉変調器ディスプレイは、これらの光干渉変調器の行/列アレイを備える。各光干渉変調器は、互いに可変でありそして制御可能な距離に位置する1対の反射層を含み、少なくとも1つの可変の大きさを有する共鳴光学的キャビティを形成する。1つの実施形態において、反射層のうちの1つは、2つの位置の間を移動することができる。第1の位置では、本明細書中ではリラックスした位置(relaxed position)と呼ぶ、可動反射層は、固定された部分反射層から比較的大きな距離のところに置かれる。第2の位置では、本明細書中ではアクチュエートされた位置(actuated position)と呼ぶ、可動反射層は、部分反射層により近くに隣接して置かれる。2つの層で反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて、積極的に(constructively)又は否定的に(destructively)干渉して、各ピクセルに対して全体が反射状態又は非反射状態のいずれかを作る。
【0015】
図1のピクセル・アレイの図示された部分は、2つの隣接する光干渉変調器12a及び12bを含む。左の光干渉変調器12aでは、可動反射層14aは、部分反射層を含む光学積層構造16aから所定の距離のところのリラックスした位置に図示される。右の光干渉変調器12bでは、可動反射層14bは、光学積層構造16bに隣接するアクチュエートされた位置に図示される。
【0016】
光学積層構造16a,16b(一括して光学積層構造16と呼ぶ)は、本明細書中で参照されるように、一般的に複数のヒューズ層を備え、それは、インジウム・スズ酸化物(ITO:indium tin oxide)のような電極層、クロムのような部分反射層、及び透明誘電体を含むことができる。光学積層構造16は、それゆえ、電気的に導電性であり、部分的に透明であり、部分的に反射性であり、そして、例えば、透明基板20上に1つ又はそれより多くの上記の層を堆積することにより製作されることができる。ある複数の実施形態では、複数の層は、平行なストライプにパターニングされ、下にさらに説明されるようにディスプレイ・デバイス中の行電極を形成することができる。可動反射層14a,14bは、支柱18の頂上に及び複数の支柱18間に堆積された介在する犠牲材料上に堆積された(行電極16a,16bに直交する)1層又は複数の層の堆積された金属層の一連の平行なストライプとして形成されることができる。犠牲材料がエッチされて除去されるときに、可動反射層14a,14bは、決められたギャップ19だけ光学積層構造16a,16bから分離される。アルミニウムのような非常に電導性があり反射する材料が、可動反射層14として使用されることができ、そしてこれらのストライプは、ディスプレイ・デバイスにおいて列電極を形成できる。
【0017】
印加電圧がないと、キャビティ19は、可動反射層14aと光学積層構造16aとの間に維持され、可動反射層14aは、図1のピクセル12aに図示されたように機械的にリラックスした状態にある。しかしながら、電位差が選択された行と列に印加されると、対応するピクセルにおいて行電極及び列電極の交差点のところに形成されたキャパシタは、充電され、そして静電力が電極を互いに引きつける。電圧が十分に高い場合には、可動反射層14は、変形され、光学積層構造16に対して押し付けられる。光学積層構造16内部の(この図に図示されていない)誘電体層は、図1中の右のピクセル12bにより図示されたように、短絡することを防止し、層14と16との間の分離距離を制御する。この動きは、印加される電位差の極性に拘わらず同じである。このようにして、反射ピクセル状態に対して非反射ピクセル状態を制御できる行/列アクチュエーションは、従来のLCD及びその他のディスプレイ技術において使用される多くの方法に類似している。
【0018】
図2から図5Bは、ディスプレイ・アプリケーションにおいて光干渉変調器のアレイを使用するための1つの具体例のプロセス及びシステムを説明する。
【0019】
図2は、本発明の態様を組み込むことができる電子デバイスの1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。具体例の実施形態において、電子デバイスは、プロセッサ21を含み、それは、いずれかの汎用のシングル・チップ・マイクロプロセッサ又はマルチ・チップ・マイクロプロセッサ、例えば、ARM,ペンティアム(登録商標)、ペンティアムII(登録商標)、ペンティアムIII(登録商標)、ペンティアムIV(登録商標)、ペンティアム(登録商標)プロ、8051、MIPS(登録商標)、パワーPC(登録商標)、ALPHA(登録商標)、若しくはディジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、又はプログラム可能なゲート・アレイのようないずれかの特殊用途マイクロプロセッサ、であり得る。本技術において普通であるように、プロセッサ21は、1又はそれより多くのソフトウェア・モジュールを実行するように構成されることができる。オペレーティング・システムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブ・ブラウザ、電話アプリケーション、電子メール・プログラム、又はいずれかの別のソフトウェア・アプリケーションを含む、1又はそれより多くのソフトウェア・アプリケーションを実行するように構成されることができる。
【0020】
1実施形態では、プロセッサ21は、しかも、アレイ・ドライバ22と通信するように構成される。1実施形態では、アレイ・ドライバ22は、行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含み、それはディスプレイ・アレイ又はパネル30に信号を供給する。図1に図示されたアレイの断面は、図2中に線1−1により示される。MEMS光干渉変調器に関して、行/列アクチュエーション・プロトコルは、図3に図示されたこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用することができる。これは、例えば、可動層をリラックスした状態からアクチュエートされた状態へ変形させるために10ボルトの電位差を必要とすることがある。しかしながら、電圧がその値から減少される場合に、10ボルトより下に電圧が降下して戻るとしても、可動層はその状態を維持する。図3の具体例の実施形態では、可動層は、電圧が2ボルトより下に降下するまで完全にはリラックスされない。そのようにして、図3に図示された例では、約3Vから7Vの電圧の範囲があり、そこでは、その範囲内でデバイスがリラックスした状態又はアクチュエートされた状態のいずれかで安定である、印加電圧のウィンドウが存在する。これは、本明細書中では“ヒステリシス・ウィンドウ”又は“安定ウィンドウ”と呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイ・アレイに関して、行ストロービング(strobing)の間に、アクチュエートされようとしているストローブされた行中のピクセルが、約10ボルトの電圧差を受け、そしてリラックスされようとしているピクセルが、ゼロ・ボルトに近い電圧差を受けるように、行/列アクチュエーション・プロトコルは、設計されることができる。ストローブの後で、ピクセルは、約5ボルトの定常状態電圧差受け、その結果、ピクセルは、行ストローブがピクセルをどんな状態に置いてもそこに留まる。書き込まれた後で、各ピクセルは、この例では3−7ボルトの“安定ウィンドウ”の範囲内の電位差を受ける。この特徴は、アクチュエートされた現在の状態又はリラックスした現在の状態のいずれかの状態に同じ印加電圧条件の下で、図1に図示されたピクセル設計を安定にさせる。アクチュエートされた状態又はリラックスした状態であるかどうかに拘わらず、光干渉変調器の各ピクセルが、基本的に固定反射層と移動反射層とにより形成されたキャパシタであるので、この安定状態は、ほとんど電力消費なしにヒステリシス・ウィンドウの範囲内の電圧で保持されることができる。印加された電位が一定であるならば、基本的に電流は、ピクセルに流れ込まない。
【0021】
代表的なアプリケーションでは、ディスプレイ・フレームは、第1行中のアクチュエートされたピクセルの所望のセットにしたがって列電極のセットを明示すること(asserting)によって創り出されることができる。行パルスは、それから行1の電極に印加されて、明示された列ラインに対応するピクセルをアクチュエートする。列電極の明示されたセットは、その後、第2行中のアクチュエートされたピクセルの所望のセットに対応するように変更される。パルスは、それから、行2の電極に印加されて、明示された列電極にしたがって行2中の適切なピクセルをアクチュエートする。行1ピクセルは、行2パルスにより影響されず、そして行1パルスの間に行1ピクセルが設定された状態に留まる。これは、連続した方式で一連の行全体に対して繰り返され、フレームを生成する。一般に、フレームは、1秒当たり所望のフレームの数でこのプロセスを連続的に繰り返すことにより、リフレッシュされる及び/又は新たなディスプレイ・データで更新される。ディスプレイ・フレームを生成するためにピクセル・アレイの行電極及び列電極を駆動するための広範なプロトコルは、同様に周知であり、そして本発明とともに使用されることができる。
【0022】
図4、図5A及び図5Bは、図2の3×3アレイ上でディスプレイ・フレームを創り出すための1つの可能性のあるアクチュエーション・プロトコルを説明する。図4は、図3のヒステリシス曲線を示すピクセルに対して使用されることができる、列電圧レベル及び行電圧レベルの可能性のあるセットを図示する。図4の実施形態では、ピクセルをアクチュエートすることは、適切な列を−Vbiasに、そして適切な行を+ΔVに設定することを含む。これは、それぞれ−5V及び+5Vに対応することがある。ピクセルをリラックスさせることは、適切な列を+Vbiasに、そして適切な行を同じ+ΔVに設定することにより、ピクセルを横切るゼロ・ボルトの電位差を生成することにより実現される。行電圧がゼロ・ボルトに保持されるこれらの行では、列が+Vbiasであるか又は−Vbiasであるかどうかに拘らず、ピクセルが元々あった状態がどうであろうとも、ピクセルは、その状態で安定である。同様に図4に図示されているように、上に記載されたものとは反対の極性の電圧が使用され得ることが評価される、例えば、ピクセルをアクチュエートすることは、適切な列を+Vbiasに、そして適切な行を−ΔVに設定することを含むことができる。この実施形態では、ピクセルをリリースさせることは、適切な列を−Vbiasに、そして適切な行を同じ−ΔVに設定し、ピクセルを横切るゼロ・ボルトの電位差を生成することにより実現される。
【0023】
図5Bは、図2の3×3アレイに印加される一連の行信号及び列信号を示すタイミング図であり、そこではアクチュエートされたピクセルが非反射である図5Aに図示されたディスプレイ配列に結果としてなる。図5Aに図示されたフレームを書き込む前に、ピクセルは、任意の状態であることができ、そしてこの例では、全ての行が0ボルトであり、全ての列が+5ボルトである。これらの印加電圧では、全てのピクセルは、その現在のアクチュエートされた状態又はリラックスした状態で安定である。
【0024】
図5Aのフレームでは、ピクセル(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)及び(3,3)がアクチュエートされている。これを実現するために、行1に対する“ライン時間”の期間に、列1及び列2は、−5ボルトに設定され、そして列3は、+5ボルトに設定される。全てのピクセルが3−7ボルトの安定ウィンドウの中に留まるため、これは、どのピクセルの状態も変化させない。行1は、その後、0から5ボルトまで上がり、ゼロに戻るパルスでストローブされる。これは、(1,1)及び(1,2)ピクセルをアクチュエートし、(1,3)ピクセルをリラックスさせる。アレイ中のその他のピクセルは、影響されない。行2を望まれるように設定するために、列2は、−5ボルトに設定され、そして列1及び列3は、+5ボルトに設定される。行2に印加された同じストローブは、その後、ピクセル(2,2)をアクチュエートし、ピクセル(2,1)及び(2,3)をリラックスさせる。再び、アレイのその他のピクセルは、影響されない。行3は、列2及び列3を−5ボルトに、そして列1を+5ボルトに設定することより同様に設定される。行3ストローブは、図5Aに示されたように行3ピクセルを設定する。フレームを書き込んだ後で、行電位はゼロに、そして列電位は+5又は−5ボルトのいずれかに留まることができ、そしてディスプレイは、その後、図5Aの配列で安定である。同じ手順が数十から数百の行及び列のアレイに対して採用されることができることが、評価される。しかも、行及び列アクチュエーションを実行するために使用された電圧のタイミング、シーケンス、及びレベルが、上記に概要を示された一般的な原理の範囲内で広範囲に変化されることができ、そして、上記の例は、例示だけであり、そして任意のアクチュエーション電圧方法が、本明細書中に記載されたシステム及び方法で使用されることができる。
【0025】
図6A及び図6Bは、ディスプレイ・デバイス40の実施形態を説明するシステム・ブロック図である。ディスプレイ・デバイス40は、例えば、セルラ電話機又は携帯電話機であり得る。しかしながら、ディスプレイ・デバイス40の同じコンポーネント又はそのわずかな変形は、同様にテレビ及び携帯型メディア・プレーヤのような種々のタイプのディスプレイ・デバイスの例示である。
【0026】
ディスプレイ・デバイス40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ44、入力デバイス48、及びマイクロフォン46を含む。ハウジング41は、当業者に周知の各種の製造技術のいずれかから一般に形成され、射出成型、及び真空形成を含む。その上、ハウジング41は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、及びセラミックス、又はこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の種々の材料から形成されることができる。1つの実施形態では、ハウジング41は、除去可能な部分(図示せず)を含み、それは異なる色、若しくは異なるロゴ、絵柄、又はシンボルを含むその他の取り外し可能な部分と取り替えられることができる。
【0027】
具体例のディスプレイ・デバイス40のディスプレイ30は、本明細書中に説明されるように、双安定ディスプレイを含む種々のディスプレイのうちのいずれかであり得る。別の実施形態では、当業者に周知であるように、ディスプレイ30は、上に説明されるように、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、又はTFT LCDのようなフラット−パネル・ディスプレイ、若しくはCRT又はその他の真空管デバイスのような、非フラット−パネル・ディスプレイを含む。しかしながら、本実施形態を説明する目的のために、ディスプレイ30は、本明細書中に説明されるように、光干渉変調器ディスプレイを含む。
【0028】
具体例のディスプレイ・デバイス40の1つの実施形態のコンポーネントが、図6Bに模式的に図示される。図示された具体例のディスプレイ・デバイス40は、ハウジング41を含み、そして少なくとも一部がその中に納められた増設のコンポーネントを含むことができる。例えば、1つの実施形態では、具体例のディスプレイ・デバイス40は、トランシーバ47に接続されたアンテナ43を含むネットワーク・インターフェース27を含む。トランシーバ47は、プロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例えば、信号をフィルタする)ために構成されることができる。調整ハードウェア52は、スピーカ45及びマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、同様に、入力デバイス48及びドライバ・コントローラ29に接続される。ドライバ・コントローラ29は、フレーム・バッファ28に接続され、そしてアレイ・ドライバ22に接続される。アレイ・ドライバ22は、順番にディスプレイ・アレイ30に接続される。電源50は、個々の具体例のディスプレイ・デバイス40の設計によって必要とされるように全てのコンポーネントに電力を供給する。
【0029】
ネットワーク・インターフェース27は、アンテナ43及びトランシーバ47を含み、その結果、具体例のディスプレイ・デバイス40は、ネットワークを介して1又はそれより多くのデバイスと通信できる。1つの実施形態では、ネットワーク・インターフェース27は、しかも、プロセッサ21の要求を軽減させるためにある種の処理能力を持つことができる。アンテナ43は、信号を送信するため、そして受信するために当業者に公知にいずれかのアンテナである。1つの実施形態では、アンテナは、IEEE 802.11(a),(b),又は(g)を含む、IEEE 802.11規格にしたがってRF信号を送信し、受信する。別の1つの実施形態では、アンテナは、ブルートゥース(BLUETOOTH)(登録商標)規格にしたがってRF信号を送信し、そして受信する。セルラ電話機の場合には、アンテナは、CDMA信号、GSM(登録商標)信号、AMPS信号又は無線セル電話ネットワークの範囲内で通信するために使用される別の公知の信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43からの受信された信号を事前処理し、その結果、信号はプロセッサ21によって受け取られ、そしてさらに操作されることができる。トランシーバ47は、プロセッサ21からの受信された信号を同様に処理し、その結果、信号はアンテナ43を介して具体例のディスプレイ・デバイス40から送信されることができる。
【0030】
代わりの実施形態では、トランシーバ47は、受信機によって置き換えられることができる。しかも別の1つの代わりの実施形態では、ネットワーク・インターフェース27は、画像ソースによって置き換えられることができる。画像ソースは、プロセッサ21に送られるべき画像データを格納できる、又は発生できる。例えば、画像ソースは、ディジタル・ビデオ・ディスク(DVD:digital video disc)又は画像データを含んでいるハード−ディスク駆動装置、若しくは画像データを発生させるソフトウェア・モジュールであり得る。
【0031】
プロセッサ21は、一般に具体例のディスプレイ・デバイス40の総合的な動作を制御する。プロセッサ21は、ネットワーク・インターフェース27からの又は画像ソースからの圧縮された画像データのような、データを受け取り、そしてデータを生の画像データに、又は生の画像データに容易に処理されるフォーマットに処理する。プロセッサ21は、その後、処理されたデータをドライバ・コントローラ29へ又は格納のためにフレーム
・バッファ28へ送る。生のデータは、一般的に、画像の内部でのそれぞれの位置における画像特性を識別する情報を呼ぶ。例えば、そのような画像特性は、色彩、彩度、及びグレー・スケール・レベルを含むことができる。
【0032】
1つの実施形態では、プロセッサ21は、マイクロコントローラ、CPU、又は論理ユニットを含み、具体例のディスプレイ・デバイス40の動作を制御する。調整ハードウェア52は、一般に、スピーカ45に信号を伝送するために、そして、マイクロフォン46から信号を受け取るために、増幅器及びフィルタを含む。調整ハードウェア52は、具体例のディスプレイ・デバイス40内部の独立したコンポーネントであり得る、若しくは、プロセッサ21又は他のコンポーネントの内部に組み込まれることができる。
【0033】
ドライバ・コントローラ29は、プロセッサ21により発生された生の画像データをプロセッサ21から直接又はフレーム・バッファ28からのいずれかで取得し、そしてアレイ・ドライバ22への高速伝送に適切であるように生の画像データを再フォーマット化する。具体的には、ドライバ・コントローラ29は、生の画像データをラスタ状のフォーマットを有するデータ・フローに再フォーマットする、その結果、データ・フローは、ディスプレイ・アレイ30全体にわたってスキャニングするために適した時間の順番を有する。それから、ドライバ・コントローラ29は、フォーマット化された情報をアレイ・ドライバ22へ送る。LCDコントローラのようなドライバ・コントローラ29が、独立型の集積回路(IC:Integrated Circuit)のようなシステム・プロセッサ21に多くの場合に関連付けられるけれども、そのようなコントローラは、複数の方法で与えられることができる。これらは、ハードウェアとしてプロセッサ21に搭載される、ソフトウェアとしてプロセッサ21に搭載される、又はアレイ・ドライバ22とともにハードウェア中に完全に集積されることができる。
【0034】
一般的に、アレイ・ドライバ22は、フォーマット化された情報をドライバ・コントローラ29から受け取り、そしてビデオ・データをウェーブフォームの並列セットに再フォーマット化する。ウェーブフォームの並列セットは、ディスプレイのピクセルのx−y行列から来る数百のそして時には数千のリード線(lead)に毎秒複数回適用される。
【0035】
1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ29、アレイ・ドライバ22、及びディスプレイ・アレイ30は、本明細書中に説明されたディスプレイのいずれのタイプに対しても適切である。例えば、1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ29は、従来型のディスプレイ・コントローラ又は双安定ディスプレイ・コントローラ(例えば、光干渉変調器コントローラ)である。別の1つの実施形態では、アレイ・ドライバ22は、従来型のドライバ又は双安定ディスプレイ・ドライバ(例えば、光干渉変調器ディスプレイ)である。1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ29は、アレイ・ドライバ22と統合される。そのような実施形態は、セルラ電話機、腕時計、及びその他の小面積ディスプレイのような高度に集積されたシステムにおいて一般的である。さらに別の1つの実施
形態では、ディスプレイ・アレイ30は、典型的なディスプレイ・アレイ又は双安定ディスプレイ・アレイ(例えば、光干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0036】
入力デバイス48は、ユーザが具体例のディスプレイ・デバイス40の動作を制御することを可能にする。1つの実施形態では、入力デバイス48は、クワーティ(QWERTY)キーボード又は電話機キーパッドのようなキーパッド、ボタン、スイッチ、接触感応スクリーン、感圧又は感熱膜を含む。1つの実施形態では、マイクロフォン46は、具体例のディスプレイ・デバイス40のための入力デバイスである。マイクロフォン46がデバイスにデータを入力するために使用される場合に、音声命令が、具体例のディスプレイ・デバイス40の動作を制御するためにユーザによって与えられることができる。
【0037】
電源50は、この技術において周知のような各種のエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。例えば、1つの実施形態では、電源50は、ニッケル−カドミウム電池又はリチウム・イオン電池のような、再充電可能な電池である。別の1つの実施形態では、電源50は、回復可能なエネルギー源、キャパシタ、又はプラスチック太陽電池、及びソーラー−セル塗料を含む太陽電池である。別の1つの実施形態では、電源50は、壁のコンセントから電力を受け取るように構成される。
【0038】
いくつかの方法では、制御のプログラム可能性は、上に説明されたように、電子ディスプレイ・システム中の複数の場所に置かれることができるドライバ・コントローラ中に存在する。ある複数の場合では、制御のプログラム可能性は、アレイ・ドライバ22中に存在する。上に説明された最適化が、任意の数のハードウェア・コンポーネント及び/又はソフトウェア・コンポーネントにおいてそして種々の構成において実施されることができることを、当業者は、認識する。
【0039】
上に説明された原理にしたがって動作する光干渉変調器の構造の詳細は、広い範囲で変化できる。例えば、図7Aから図7Eは、可動反射層14及びその支持構造の5つの異なる実施形態を図示する。図7Aは、図1の実施形態の断面であり、そこでは金属材料14のストライプが、直角に延びている支柱18上に堆積される。図7Bでは、可動反射層14は、連結部(tether)32上に、角だけで支柱に取り付けられる。図7Cでは、可動反射層14は、変形可能層34から吊り下げられ、それは柔軟な金属を備えることができる。変形可能層34は、変形可能層34の周囲で基板20に直接的に又は間接的に接続される。これらの接続部は、本明細書中では支持ポストと呼ばれる。図7Dに図示された実施形態は、支持ポスト・プラグ42を有し、その上に変形可能層34が載っている。可動反射層14は、図7Aから図7Cのように、キャビティを覆って吊り下げられたままであるが、変形可能層34は、変形可能層34と光学積層構造16との間の穴を埋めることによって支持ポストを形成しない。むしろ、支持ポストは、平坦化材料で形成され、それは支持ポスト・プラグ42を形成するために使用される。図7Eに図示された実施形態は、図7Dに示された実施形態に基づいているが、同様に、図7Aから図7Cに図示された実施形態のいずれかを用いて、同様に図示されていないさらなる実施形態のいずれかを用いて働くように適合されることができる。図7Eに示された実施形態では、金属又は他の導電性材料の追加層が、バス構造44’を形成するために使用されている。これは、光干渉変調器の背面に沿った信号迂回(routing)を可能にし、そうでなければ基板20上に形成される必要があるはずの多数の電極を削除する。
【0040】
図7Aから図7Eに示されたもののような複数の実施形態では、光干渉変調器は、直視デバイスとして機能し、その中では画像は、透明基板20の表面側、変調器が配置されている面とは反対側から見られる。これらの実施形態では、反射層14は、基板20と反対側の反射層側上の光干渉変調器の複数の部分、それは変形可能層34を含む、を光学的に覆う。これは、覆われた範囲が画像品質に悪影響を及ぼすことなく構成されそして動作することを可能にする。そのように覆うことは、図7Eのバス構造44’を与え、変調器の電気機械的特性、例えば、アドレシング及びそのアドレシングからの結果の動き、から変調器の光学的特性を分離する能力を提供する。この分離可能な変調器の構造は、変調器の電気機械的観点及び光学的観点のために使用する構造的設計及び材料が選択されることを可能にし、そして互いに独立に機能することを可能にする。その上、図7Cから図7Eに示された実施形態は、反射層14の光学的特性がその機械的特性から切り離されることを引き出す追加の利点を有し、それは変形可能層34によって実行される。これは、反射材料14に使用される構造設計及び材料が光学的特性に関して最適化されることを可能にし、そして変形可能層34に使用される構造設計及び材料が所望の機械的特性に関して最適化できることを可能にする。
【0041】
上に説明されたように、直視ディスプレイの画像素子(ピクセル)は、図7Aから図7Eに示されたもののような素子を備えることができる。種々の実施形態において、非変形状態にある鏡14を有するこれらの変調器素子は、明、すなわち“ON”である。鏡14がキャビティの前表面に向けてキャビティの中へと全設計深さまで移動した時に、キャビティ内の変化は、結果のピクセルが‘暗’、すなわち、OFFになるようさせる。カラー・ピクセルに関して、個々の変調素子のON状態は、変調器構成及びディスプレイの色彩体系に応じて、白、赤、緑、青、又は別の色であり得る。赤/緑/青(RGB)ピクセルを使用するある複数の実施形態では、例えば、一色のピクセルは、光干渉青色光を作り出す複数の変調器素子を備え、同様な数の素子が光干渉赤色光を作り出し、そして同様な数の素子が光干渉緑色光を作り出す。ディスプレイ情報にしたがって鏡を動かすことによって、変調器は全色の画像を生成できる。
【0042】
様々な実施形態は、種々の光学フィルムを使用して光干渉変調器デバイスに行うことが可能な改善を含む。光学フィルムは、巻物で又はシートで与えられるフィルムを含む。フィルムは、光干渉変調器に取り付けられる又はその近くに取り付けられ、光干渉変調器で反射された光が観察者に伝達するようにフィルムを通り抜けるように置かれる。光学フィルムは、コーティングを同様に含むことができ、それは光干渉変調器の表面上にスピンされる、スパッタされる又はそれ以外では堆積されることができ、その結果、光干渉変調器で反射した光が、観察者に伝達するにつれてフィルムを通過する。
【0043】
フィルムは、一般に光干渉変調器の外部表面上に配置され、その結果、所望の光学的特性が、光干渉変調器そのものを変更することなく実現されることができる。本明細書中で使用される“外部”は、製作された光干渉変調器の外にフィルムを設置することを呼ぶ、例えば、光干渉変調器の外側表面上であり、その結果、外部フィルムは、光干渉変調器ディスプレイを製作した後で付けられることができる。外部フィルムは、最初に入射光を受ける光干渉変調器の表面上に又はその近くに配置されることができ、それは光干渉変調器の外側表面と本明細書中では呼ばれる。この外側表面は、同様に光干渉変調器を見る人に近接して位置する表面である。外部フィルムは、光干渉変調器を形成する複数の層の上であり得る、又は光干渉変調器上に形成される1又はそれより多くの層の上に形成されることができる。光干渉変調器ディスプレイの外部であるとして種々の実施形態が一般に本明細書中に記載されるが、これらのタイプのフィルムは、同様に、他の実施形態では光干渉変調器の内部に製作されることができる、そして/又は記載される外部フィルムの特性は、同様な効果を実現するために、例えば、光干渉変調器の製作中に、光干渉変調器に組み込まれることができる。
【0044】
図8Aに図示されたように、ディスプレイ100Aの1つの実施形態は、空間光変調器105及び空間光変調器105の外側表面115上に又は近くに配置された外部フィルム110を含む。空間光変調器105は、光干渉変調器デバイスの1つの表示であり、それは、例えば、基板、導電体層、部分反射層、誘電体層、及び可動鏡と誘電体との間にギャップを用いて構成された可動反射体(鏡とも呼ぶ)を含むことができる。空間光変調器105は、全色、単色、又は白黒光干渉変調器ディスプレイ・デバイスであり得るが、これらに限定されない。光干渉変調器の設計及び動作は、例えば、米国特許番号第6,650,455号、第5,835,255号、第5,986,796号及び第6,055,090号に詳細に記載され、これらの全ては、引用により本明細書中に組み込まれている。
【0045】
外部フィルム110は、様々な方法で製作されることができ、例えば、外部フィルム110がディスプレイに流し込まれる、スピンされる、堆積される、又は積層される製作技術を使用することを含む。ある複数の実施形態では、外部フィルム110は、単一フィルム層であり、ところが他の実施形態では、外部フィルム110は1より多くのフィルム層を含む。外部フィルム110が1より多くのフィルム層を備える場合に、各フィルム層は、異なる特性を有することができ、それは空間光変調器105で反射される光そして外部フィルム110を通り伝達する光の1又はそれより多くの特性に影響を与える。多層外部フィルム110の各層は、同じフィルム製作技術によって又は異なるフィルム製作技術によって製作されることができる、例えば、任意の単一層が、例えば、隣接層に流し込まれる、スピンされる、堆積される、又は積層されることができる。別の配向(orientation)及び構成も、同様に可能である。
【0046】
図8Bを参照して、ディスプレイ100Bの1つの実施形態は、カラー光干渉変調器を備えるRGB空間光変調器105Bの外側表面115の上方に外部フィルム110を有する。この実施形態では、RGB空間光変調器105Bは、例えば、導電体層(それは少なくとも部分的に透過性である)、部分反射層、及び誘電体層125を備える多重層125上方の基板120を具備し、多重層は、順に、赤、緑及び青の色に対応し、それぞれが異なるギャップ幅175,180,190を有する、赤反射体150、緑反射体160、及び青反射体170を含む1組の反射体(例えば、鏡)の上方にある。ある種の実施形態では、図8Bに図示されたように、基板120は、外部フィルム110と反射体150,160,170との間であることがある。他の実施形態では、反射体150,160,170は、外部フィルム110と基板120との間であることがある。
【0047】
別の実施形態では、外部フィルムは、単色又は白黒の光干渉変調器の上方に配置されることができる。図8Cにより図示されるように、単色又は白黒空間光変調器105Cは、導電体層、部分的反射層124、誘電体層125の上方の基板120を備え、それは順に、1組の反射体(例えば、鏡)130,135,140の上方にある。単色空間光変調器105Cは、反射体130,135,140と誘電体層125との間に1つのギャップ145幅で構成される反射体130,135,140を有するように製作されることができる。
【0048】
ある実施形態では、外部フィルムは、光干渉変調器ディスプレイで反射する光を拡散させる(diffuse)ことができる。光干渉変調器ディスプレイで反射する光は、少なくとも部分的に拡散されることがあり、その結果、ディスプレイは、紙に似た外観を有する(例えば、ディスプレイは散漫に反射するように見える)。
【0049】
図9を参照して、ディスプレイ300は、空間光変調器105の上に置かれた外部拡散フィルム305を含むことができる。ディスプレイ300上に入射する光320は、反射性空間光変調器105によって鏡のように反射される。鏡のように反射した光307がディスプレイ300から伝播するにつれて、拡散フィルム305は、鏡のように反射した光307の特性を変える、それは拡散光に変換する。ディフューザ305は、光干渉変調器上に入射する光を同様に拡散させる。
【0050】
拡散フィルム305は、複数の物質から製作されることができ、そして拡散物質の1又はそれより多くの層を含むことができる。ディフューザ305は、表面を変化させた(例えば、波型及び粗面)物質又は物質の変更を含むことができる。この変更は、別の実施形態では光を屈折させる又は散乱(scatter)させることができる。ディフューザ305の広い範囲の変更が可能であり、そして本明細書中に記載されたもの限定されない。
【0051】
図10は、散漫な反射光を生成するディスプレイ400の具体例の実施形態を図示する。ディスプレイ400は、空間光変調器105に取り付けられた外部フィルム405を含む。外部フィルム405は、散乱性フィーチャ(feature)(例えば、粒子)を備える物質410を含み、それは空間光変調器105で反射する光403を散乱させ、光干渉変調器デバイスから放出される光の特性を鏡面反射から拡散へと変化させる。
【0052】
ある複数の実施形態では、外部拡散フィルム305は、反射された光403のスペクトル特性を変化させる物質及び反射された光の拡散特性又は鏡面反射特性を変化させる物質を含む。そのような物質は、外部フィルム305,405(図9及び図10)の1つの層に含まれることができる。あるいは、反射光のスペクトル特性を変化させる物質は、外部フィルム305の1つの層の中に組み込まれることができ、そして反射光の拡散特性又は鏡面反射特性を変化させる物質は、外部フィルムの別の層に組み込まれることができる。1つの実施形態では、拡散物質は、外部フィルム305と空間光変調器105との間に使用される接着剤中に含まれることができる(図9)。
【0053】
上記のように、あるタイプのディフューザは、ディスプレイ300,400が鏡の外観よりはむしろ紙の外観を有することが望まれている光干渉変調器ディスプレイにおいて有用である。当然ながら、ある複数の実施形態では、ディスプレイ300,400の外観又はディスプレイの一部の外観が高反射性、すなわち“鏡面状”であることが望まれる、そしてこれらの実施形態では、ディスプレイは、光干渉変調器ディスプレイ・デバイス305,405の全体又は一部を覆う拡散フィルム305,405を有することができる。ある複数の実施形態では、光学的透過層は、所望の拡散を実現するために“曇らせられる”。例えば、ディスプレイ105(図9)の外側表面は、反射光の拡散を与えるために曇らせられることができる。表面が非常に曇っている場合、光は、表面が軽く曇っている場合よりさらに拡散される。ある複数の実施形態では、曇っている光学的に透過層は、ガラス層又はポリマ層を備えることができる。
【0054】
ある複数の実施形態では、例えば、暗い状態又は周りの照明が少ない状態で光干渉変調器を見ることのために、光干渉変調器に追加の光を提供するための光源(本明細書中では“前面光”と呼ばれる)を含むことが有益である。図11Aを参照して、ディスプレイ500Aの1つの実施形態は、前面プレート505の横に置かれた光源515を含む。この前面プレート505は、光源515からの光507に対して実質的に光学的に透過性の物質を備える。前面プレート505は、例えば、ある複数の実施形態ではガラス又はプラスチックを備えることができる。前面プレート505は、前面プレート中の光の伝播を分裂させるため、そして空間光変調器105に向けて光の向きを変えるために構成された光学的フィーチャ(例えば、溝のような起伏)を有する。エアー・ギャップ525は、起伏を付けられた/溝を付けられた前面プレート505を空間光変調器105から分離する。動作上では、光源515は、前面プレート505の中へと光507を与える、そこでは、光520は、傾斜した表面フィーチャ506で反射され、そして空間光変調器105へ向けて進む。ディスプレイ500に入る周囲の光に関して、エアー・ギャップ525内の空気と前面プレート505及び空間光変調器105を形成するために使用する物質との間の屈折率の違いのために、エアー・ギャップ525は、ディスプレイ500Aの感知されるコントラストを低下させる。
【0055】
図11Bを参照して、ディスプレイ500Bは、空間光変調器105へ光をより効率的に伝達する、その理由は、前面プレート505と空間光変調器105とを分離するエアー・ギャップがないためである。その代わりに、前面プレート505は、空間光変調器105に取り付けられる。ディスプレイ500Bの構成が空間光変調器105への光の伝達を増加させるが、2つの部品を接着することは、良い製作作業ではない、その理由は、前面プレート505及び空間光変調器105は、両方とも比較的高価な部品であり、そしてもしどちらかの部品が製作の間に不良になると、両方の部品が失われるためである。
【0056】
ここで図11Cを参照して、ディスプレイ500Cは、図11A及び図11Bのディスプレイ500A、500Bによって経験される問題が、前面プレートよりは外部フィルムを使用してどのように克服されるかを説明する。図11Cに示されたように、ディスプレイ500Cは、外部フィルム530が積層されている空間光変調器105の端部531の隣に置かれた光源515を含み、外部フィルム530は空間光変調器105に向けて光の向きを変えるように構成された起伏、例えば、溝又は傾斜した表面フィーチャのような光学的フィーチャを備える表面514を有する。光源515は、例えば、空間光変調器105を支持している基板の端部に設置される。外部フィルム530は、空間光変調器105に取り付けられる、又は空間光変調器105上に積層される。接着剤が使用されることができる。外部フィルム530は、溝を付けられた前面ガラス・プレート505(図11A、11B)の価格と比較して比較的安価であり、そのためもし、ディスプレイ105が不良であっても、大きなさらなる損失を伴わないで破棄されることができる。動作上では、外部フィルム530は、光源515からの光511を受ける。光が空間光変調器105(例えば、光干渉変調器デバイスの基板)及び外部フィルム530を通って伝播するので、光511は、起伏を付けられた/溝を付けられた表面514の内側部分で反射し、そして反射光513は、光干渉変調器デバイスの基板を通って伝播しそして光干渉変調器の鏡面で反射する。
【0057】
ここで図12Aを参照して、別の実施形態では、ディスプレイ600は、空間光変調器105の外側表面に取り付けられている外部フィルム605を備える、ここで外部フィルムは、ディスプレイの視界を狭くする又は最小にする複数の構造物603を備える。1つの実施形態では、構造物603は、小さな垂直に向きを揃えて配列された障害物であり、それは格子に形成されることができ、外部フィルム605へと“落とし込む”又は拡散させることができる。他の1つの実施形態では、外部フィルム605の材料は、垂直に向きを揃えて配列された構造物603を与える。これらの構造物603は、バッフルと呼ばれることがある。バッフル603は、実質的に不透明であり得る。バッフル603は、実質的に吸収性である又は反射性であり得る。
【0058】
図12Bは、実質的に垂直でない方向607に反射した光が外部フィルム605から出射することを構造物603によってどのようにして実質的に遮られるか、そして実質的に垂直な方向に反射した光609が構造物603によりどのようにして実質的に妨害されないかを説明する。図12A及び図12Bに示された実施形態では、バッフル構造物603の形状(及び方向)、サイズ(例えば、長さ)、及びスペーシングに応じて、視界が狭くされる。例えば、バッフル603は、ディスプレイ600の前面606に垂直な面610から測定して約20度より大きくない視界又は40度より大きくない視界を与えるためのサイズ、形状、及びスペーシングを有することができる。視界は、それゆえ、垂線から測定して20度、25度、30度、35度及び40度の間であり得る。1つの具体例の実施形態では、バッフル603は、約30度の視界を有するディスプレイ600を提供する。本明細書中で使用されるように、用語バッフルは、図12A及び図12Bに図示された構造物603を含むが、限定されない。
【0059】
バッフル構造物603は、図12C及び図12Dに図示された実施形態にしたがって形成されることができる。例えば、複数の実質的に垂直に向きを揃えて配列された柱状フィーチャ612は、柱状の形状をした透過性物質の外側表面612a上に不透明物質のコーティングを有する柱状の形状の透過性物質を備えることができる。柱状フィーチャ612は、一緒に束ねられそして向きを揃えて配列されることができる。垂直に向きを揃えて配列された柱状フィーチャ612の間のスペースは、ポリカーボネート、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、アクリル、又はポリメチルメタクリレート(PMMA)のような透過性物質で埋められることができ、それらはこれらの垂直に向きを揃えて配列された柱状フィーチャ612の母材613を形成する。その中に配置された柱状フィーチャ612を有する母材613は、線A−Aを横切って垂直に切断されることができて、薄いフィルムを生成する。外部フィルム605を形成するための切断面の上面図が図12Dに図示される。この実施形態では、柱状フィーチャ612の不透明な外側表面612aは、実質的に垂直でない方向に外部フィルム605を出る光を実質的に遮る。
【0060】
バッフル構造物603は、同様に、図12E及び図12Fを参照して説明されるような別の実施形態にしたがって作られることができる。図12Eでは、複数の積み重ねられた層を有する多層構造物618が作られる。多層構造物618は、交互の実質的に透過性物質615の層と実質的に不透明物質の層614とを有する。この多層構造物618を製作するために、わずかに拡散物質を備えることができる光学的透過性層615が形成され、実質的に不透明物質を備える不透明層614がその上に形成される。多層構造物618は、それから線A−Aを横切って垂直に切断されることができる。外部フィルム605を形成するための切断面の上面図が図12Fに図示される。実質的に不透明な層614は、実質的に垂直でない方向に外部フィルム605を出る光を実質的に遮るバッフル603を形成する。
【0061】
図12Gに図示されたように、外部フィルム605は、水平な不透明層616及び垂直な不透明層617を備える2次元の格子を備える。この2次元の格子は、多層構造物618(図12E)から切断された1対の切片を使用して製作されることができ、図12Fに図示されたように1つの切片が他の前に置かれる。切片のうちの1つは、別の外部フィルム構造物605に相対的に実質的に垂直に向けられる。別の並べ方及び構成も、同様に可能である。
【0062】
ある実施形態では、図12Cから図12Gに示されたバッフル構造物603は、反射性物質を備えることができる。例えば、図12Hを参照して、空間光変調器105に最も近いバッフル構造物603の一部が実質的に反射性である場合、バッフルの反射性部分625上に入射される空間光変調器105で反射された光620は、外部フィルム構造物605を通過しないが、空間光変調器105に反射して戻されるはずである。あるいは、バッフル構造物603の外側表面603a及び603bは、実質的に反射性物質で形成されることができ、例えば、バッフル構造物603上の実質的に反射性物質のフラッシュ・コーティングである。この実施形態では、バッフル構造物603の底部分は、同様に、実質的に反射性物質を用いてフラッシュ・コートされることができる。
【0063】
ある複数の実施形態では、光干渉変調器は、ユーザ入力デバイスを組み込むことができ、しかも、それは光干渉変調器で反射される光の特性を変えることができる。例えば、図13Aのディスプレイ700は、空間光変調器105の外側表面に接続されているタッチスクリーン705を含む。タッチスクリーン705は、ユーザからタッチ信号を受けるために構成された外側タッチ表面730を有する外側タッチスクリーン部分715、及びディスプレイ105に取り付けられている内側タッチスクリーン部分720を含む。タッチスクリーン内側部分720及びタッチスクリーン外側部分715は、スペース710によって分離され、そしてスペーサ717によって離されて保持されている。ユーザ入力に関して、タッチスクリーン705は、本技術において周知の方法で操作できる、例えば、ユーザは外側タッチスクリーン部分715上のタッチ表面730に圧力を加える、それは、タッチスクリーン内側部分720と接触させて、そしてアクティブされた時に信号を送るために構成されている回路をアクティブにする。ユーザ入力機能を提供することに加えて、タッチスクリーン705は、タッチスクリーン内側部分720内に光拡散性物質731を及び/又はタッチスクリーン外側部分715内に光拡散性物質725をともなって構成されることができる。
【0064】
図13Bは、拡散性物質を有するタッチスクリーン外側部分715及び/又はタッチスクリーン内側部分720の1実施形態の側面図である。この実施形態では、拡散性物質は、上層750aと下層750bとの間の拡散性接着剤751である。拡散性接着剤751は、散乱光の散乱中心として作用するフィラー粒子751aを混合した接着剤であり得る。光を屈折させる、反射させる、又は散乱させる任意の好適な物質が、フィラー粒子751aとして使用されることができる。例えば、フィラー粒子751aは、次のポリマ:ポリスチレン・シリカ、ポリメチル−メタクリレート(PMMA)、及び中空のポリマ粒子、のような物質で作られることができるが、これらに限定されない。1つの代わりの実施形態では、拡散性接着剤751は、光を屈折させる気泡を有するように構成される。他の実施形態では、不透明非反射性粒子が使用されることができる。上層750a及び/又は下層750bは、ポリカーボネート、アクリル、及びポリエチレン・テレフタレート(PET)のような物質、同様に他の物質を備えることができる。図13Cは、拡散性物質を備えているタッチスクリーン外側部分715及び/又はタッチスクリーン内側部分720の別の1つの実施形態であり、そこでは拡散性物質752は、タッチスクリーンの上側及び/又は下側部分715,720を形成する層750中に組み込まれる。図13Dは、拡散性物質753がタッチスクリーン705と空間光変調器105との間にある1つの実施形態である。例えば、図13Dでは、拡散性物質753は、空間光変調器105の外側表面754の上面上にコートされる。この実施形態では、拡散性物質753は、ディスプレイ105の外側表面754上にパターニングされることができ、そこでは拡散性物質753は、空間光変調器105の外側表面754とタッチスクリーン705との間にある。ある複数の実施形態では、拡散性物質753は、例えば、空間光変調器105のガラス外側表面上にスピンされることができる。ある種の実施形態では、拡散性物質は、紫外線エポキシ又は熱硬化性エポキシと混合された散乱フィーチャを備えることができる。エポキシが使用される場合に、拡散性物質753は、エポキシと混合されたフィラー粒子であることができ、そこではフィラー粒子は、光を散乱させるための散乱中心として作用する。別の構成も、同様に可能である。
【0065】
図14Aは、空間光変調器105に取り付けられた内側部分720を有するタッチスクリーン705を含むディスプレイ800の1つの実施形態を示し、それは基板、及びユーザ入力を受けるためのタッチスクリーン表面730を有する外側部分715を含む。スペーサ717は、内側部分720と外側部分715との間のギャップ710内に配置される。ディスプレイ800は、しかも、タッチスクリーン705、例えば、内側部分720、外側部分715、又は両方に光719を与えるために構成された光源740を含む。1つの実施形態では、タッチスクリーン705は、光719の向きを変える光学的構造物を含むことができ、その結果、光は、空間光変調器105上に入射される。ある複数の実施形態では、光学的構造物は、タッチスクリーン705の内側に傾斜させた(inclined)又は斜めの(slanted)面を備える。ある複数の実施形態では、内部全反射(TIR:total internal reflection)素子が使用されることができる。同様に、ある種の実施形態では、光学素子は、光を散乱させる粒子を備え、その結果、散乱された光の一部は、空間光変調器105上に入射する。ある複数の実施形態では、タッチスクリーン705の内側部分720内の物質745及び/又は外側部分715内の物質735は、燐光物質を含むことができる。この燐光物質は、光源740からの光719によりアクティブにされた時に光を放出し、タッチスクリーン705及び空間光変調器105に直接的に光を与え、その光はその後、タッチスクリーン705に反射して戻されることができる。
【0066】
図14B1及び図14B2に図示された別の実施形態では、タッチスクリーン705を有するディスプレイ800は、同様に、起伏を付けられた光ガイドを含むことができる。例えば、図14B1では、タッチスクリーン705の内側部分720は、起伏を付けられた、例えば、溝を付けられた表面765を有するプレート又は層760aを備えることができる。この起伏を付けられた表面765は、複数の斜めの部分を含むことができる。この表面765は、例えば、のこぎり歯形状を有することができる。透過性物質760bは、そこで表面765の起伏又は溝内に置かれることができ、プレート/層760aの上方に実質的に平坦な表面760cを形成する。光源740は、プレート又は層760aへと光719を向ける、そこでは、光719が光学的に導かれる。プレート760a内を伝播している光は、表面765の傾斜した部分で反射し、そして空間光変調器105に向けて進む。光をガイドするプレート又は層760a、若しくはいずれかの別の好適な光ガイドを使用している実施形態では、ディフューザ物質は、プレート760aの上方又は下方のディスプレイ800内に組み込まれることができる。例えば、拡散性物質は、タッチスクリーン705の外側部分715の内部に又は空間光変調器105の外側表面754上にあり得る。
【0067】
図14B2に図示された1つの代わりの実施形態では、プレート又は層760aは、タッチスクリーン705と空間光変調器105との間に置かれることができる。この実施形態では、透過性物質760b(図14B1)は、プレート760aの表面765上に置かれない。むしろ、空気又は真空が、プレート/層760aとタッチスクリーン705との間のキャビティ760cを占有する。
【0068】
図14Cに図示された別の1つの実施形態では、光源740に関する光719は、タッチスクリーン705の端部の中に向けられることができ、そしてタッチスクリーン705の少なくとも一部を通って導かれることができる、そしてタッチスクリーン705は、この光を空間光変調器105に向けて向きを変えるフィーチャを備えることができる。例えば、図14Cでは、タッチスクリーン705の内側部分720は、空間光変調器105に向けて光を散乱させる粒子770を組み込むことができる。図14Dにより図示されたように、内側部分720は、上層750aと下層750bとの間に接着剤中に混合された粒子770を用いて多層にされることができる。上層750a及び/又は下層750bは、ポリカーボネート、アクリル、及びポリエチレン・テレフタレート(PET)のような物質、又は他の物質を備えることができる。図14Eに図示されたような別の実施形態では、散乱フィーチャ又は散乱粒子770は、空間光変調器105の外側表面754の一番上にコートされることができる。これらの散乱フィーチャ又は散乱粒子770は、光干渉変調器の可動反射体に向けて光の向きを変えることができる:例えば、米国特許出願番号第10/794,825号、2004年3月5日出願、そして名称“統合された変調器照明(Integrated Modulator Illumination)”を参照のこと、これは引用により本明細書中に取り込まれている。この実施形態では、散乱フィーチャ又は散乱粒子770は、ディスプレイ105の外側表面754上にパターニングされることができる、そこでは、散乱フィーチャ770は、空間光変調器105の外側表面754とタッチスクリーン705との間にある。ある種の実施形態では、散乱フィーチャ770は、空間光変調器105のガラス表面上にスピンされることができる。ある複数の実施形態では、散乱フィーチャは、紫外線エポキシ又は熱硬化性エポキシと混合される。エポキシが使用される場合に、散乱フィーチャ770は、エポキシと混合された粒子を備えることができ、そこでは粒子は、散乱中心として働き、光干渉変調器の鏡面にされた表面に向けて光の向きを変える。
【0069】
図15Aは、複数のアクティブな反射体領域の間のインアクティブな領域上に入射する光を使用するディスプレイ1100の1つの実施形態の代表例である。本明細書中で使用されるように、用語インアクティブ領域は、光干渉変調器の複数の反射領域(例えば、鏡)の間のスペースを含むが、これに限定されない。本明細書中で使用されるように、アクティブ領域は、例えば、光干渉変調器の反射領域(例えば、鏡)、それは光学的キャビティを形成する、を含むが、これに限定されない。
【0070】
図15Aを参照して、ディスプレイ1100は、空間光変調器105の外側表面に接続されたフィルム1105を含む。赤1121、緑1122、及び青1123のアクティブ反射体領域は、空間光変調器105の底面上に示され、そしてディスプレイ1100の多数のアクティブ反射体領域(例えば、共鳴光学キャビティ)を表す。第1のスペース1110は、赤色アクティブ反射体領域1121を緑色アクティブ反射体領域1122から分離し、緑色アクティブ反射体領域1122は第2のスペース1111によって青色アクティブ反射体領域から分離される。スペース1110及び1111は、約2から10μmの間の幅であることができ、そして互いに約125から254μmだけ離れて間を空けられる。同様に、光の向きを変えるフィルム1105中のスペース1110及び1111内の光学的フィーチャは、約2から10μmの幅であることができ、そして互いに約125から254μmだけ離れて間を空けられる。これらの範囲外の大きさも可能である。
【0071】
一般に、フィルム1105を用いないと、第1のスペース1110又は第2のスペース1111の領域上に入射する光は、アクティブ反射体領域1121,1122,1123のうちの1つに届かないことがある。光干渉変調器1100の反射率を増加させるために、複数のアクティブ反射体領域の間のインアクティブ領域(例えば、第1のスペース1110及び第2のスペース1111)上に入射する光は、アクティブ反射体領域1121,1122,1123のうちの1つに向きを変えられることができる。インアクティブ領域及びアクティブ反射体領域の位置が既知であるので、外部フィルム1105は、インアクティブ領域1110及び1111内のフィルム1105上に入射する光1115を矢印1120により示されるように、アクティブ反射体領域1121,1122,1123(例えば、光学的キャビティ)の中へと向きを変えて戻すように構成されることができる。ある複数の実施形態では、フィルム1105は、光の向きを変えるための反射体を含む。ある複数の実施形態では、フィルム1105は、光の向きを変えるためにスペース1110及び1111の領域内にカスタマイズされた屈折率で構成される。別の実施形態では、フィルム1105は、スペース1110、1111の領域内に散乱性成分を含むことができ、その結果、光の少なくとも一部は、アクティブ反射体領域(例えば、光学的キャビティ)の中へと散乱されそしてその上へと達する。
【0072】
図15Bに図示された1つの代わりの実施形態では、フィルム1105は、反射体領域1121,112,1123の上方であるが空間光変調器105の基板の下方に置かれる。フィルム1105は、そのように空間光変調器105内にある。この実施形態では、フィルム1105は、矢印1120により示されたように、アクティブ領域上を照射するが通常はインアクティブ領域に進むはずである光1115をアクティブ反射体領域1121,1122,1123に向きを変えるために構成される。
【0073】
図16Aから図16Hを参照して、外部フィルムの種々の実施形態が図示される。図16Aでは、外部フィルム1205は、光を散乱する散乱領域1212を有する。図16Aに図示されたように、光を散乱するこれらの散乱領域1212は、光を散乱しない領域1217で挟まれることができる。散乱領域1212は、例えば、反射又は屈折によって光を散乱できる。図16Bを参照して、外部フィルム1205は、より低い屈折率の物質を備えた母材又はフィルム内部により高い屈折率の領域を有する。この実施形態は、TIRを使用して光の向きを変える。例えば、高屈折率を有する外部フィルム1205の区域が光干渉変調器のアクティブ領域を覆って置かれ、そして低屈折率を有する外部フィルム1205の区域が光干渉変調器のインアクティブ領域を覆って置かれる場合に、通常はインアクティブ領域に通過するはずの外部フィルム1205の低屈折領域上に入射する光のあるものは、光干渉変調器のアクティブ領域に向きを変えられる。図16Cを参照して、外部フィルム1205は、外部フィルムの1つの表面上に凹んだ領域1213を有することができ、それは凹レンズとして作用する。図16Dを参照して、外部フィルム1205は、領域1214内にフレネル・レンズを有することができる。別の実施形態では、ホログラフ光学素子又は回折光学素子が、領域1214のところに配置される。これらの光学素子は、光を散乱させる又は回折させることができ、そして例えば、負の能率を有するレンズとして動作し、レンズ上に入射する光をアクティブ領域に向けて向きを変える。図16Eを参照して、外部フィルム1205は、反対に傾斜した表面1215有することができ、異なるアクティブ領域に向けて反対の方向に光を屈折させる。図16Fは、同じ方向に光を屈折させるために同じように向きを定められた表面1215を有する外部フィルム1205を示す。図16Gを参照して、外部フィルム1205は、1又はそれより多くの反射する傾斜した表面1216を有することができ、それはアクティブ領域に向けて光を反射する。多くの他の構成が可能であり、それは同様に、外部フィルム1205のところで光を所望の方向に向きを変えることを実現する。
【0074】
ここで図17を参照して、光干渉変調器1200は、空間光変調器105の外側表面に接続された外部フィルム1205を含むことができ、そこではフィルム1205は、広い範囲の角度で入射する光を集光するため、そして光変調素子上へとより狭い範囲の角度に光を向ける。図17では、外部フィルム1205は、様々な角度で入射光1206,1207を受けそして実質的に光を平行にするため(矢印1208,1209により表される)、そしてアクティブな反射体1211の方に光を向けるために構成される。ある複数の実施形態では、図17に示されたもののように、外部フィルム1205は、実質的に光を平行にするコリメーティング素子1218を含む。ある複数の実施形態では、外部フィルム1205は、複数の非結像光学素子、例えば、複合パラボラ集束器、1218を含む。非結像光学素子、例えば、複合パラボラ集束器1218は、ある範囲の角度で外部フィルム1205上に入射される光1206及び1207の少なくともあるものを平行にする。光1208及び1209の一部は、その後、さらに垂直な角度で複合パラボラ集束器1218を出て、そしてアクティブ反射体1211の方に向けられる。その光1208及び1209のあるものは、その後、アクティブ反射体1211により反射され、そして限られた範囲の角度でディスプレイ1200から外に出る光1210a及び1210bとしてディスプレイ1200を出射する。したがって、フィルム1205は、限られた視界を有する。ある複数の実施形態では、光1210a及び1210bの少なくともあるものは、外部フィルム1205の前表面に垂直な面610から約70°よりも大きくない角度の円錐形でディスプレイ1200を出射する。ある複数の実施形態では、円錐の角度は、外部フィルム1205の前表面に垂直な面610から約65°、60°、55°、50°、45°、40°、35°、30°、25°、又は20°よりも大きくない角度である。コリメーティング素子1205は、デバイス1200の視界を実効的に制限する、その理由は、光が、一般的に入射角よりも実質的に大きな角度でディスプレイ1200から外に出ないためである。したがって、外部フィルムの視界は、垂線から測定されたとして約70°、65°、60°、55°、50°、45°、40°、35°、30°、25°、又は20°若しくはそれより小さいことがある。これらの角度は、半分の角度である。これらの範囲の外側の別の値も、同様に可能である。
【0075】
図18Aから図18Cは、空間光変調器105の前方に配置された光学フィルム1305を含むディスプレイ1300の別の1つの実施形態を図示する。光学フィルム1305は、広い範囲の各度で入射する光を受け、そして光変調素子上へとより狭い範囲の角度に光を向けるために構成される。光学フィルム1305は、しかも光を拡散させる。ある種の実施形態では、光学フィルム1305は、光を拡散させるために構成され、その結果ディフューザ素子上に入射する光が入射光よりもさらに平行にされて光変調素子へ向けられる。
【0076】
1つの実施形態では、光学フィルム1305は、ホログラフ・ディフューザを備える。ホログラフ・ディフューザは、光を操作するために、例えば、狭い範囲の角度にわたり強められた強度分布を生成するために、配列された回折性フィーチャを備える。別の1つの実施形態では、光学フィルム1305は、複数の非結像性光学素子、例えば、上記されたような複数の複合パラボラ集束器及び光学フィルム1305の上側表面1340上の拡散性物質の薄い層、を含む。別の1つの実施形態では、光学フィルム1305は、外側表面1340上に拡散性物質のフィルムを有する別のコリメーティング素子を含む。
【0077】
図18Aを参照して、フィルム1305は、入射光1310を受けるために構成される。図18Bを参照して、フィルムは、しかも入射光1310の向きを実質的に変えるために構成され(実質的に向きを変えられた光は矢印1315によって表示される)、それはアクティブな反射体の表面に垂直に向けて、空間光変調器105内部のアクティブな反射体に向けられる。+/−75°の範囲にわたる入射光に関して、向きを変えられた光は、+/−35°の範囲になることができ、そこでは、角度は、垂線から測定される。この実施形態では、向きを変えられた光は、実質的に平行にされる。ある複数の実施形態では、反射体は、空間光変調器105の底部のところであり得る。図18Cを参照して、アクティブな反射体で反射された光1325は、フィルム1305の下側表面1330に入る。フィルム1305は、その下側表面1330のところで反射された鏡面反射光を受けるように構成され、そして拡散光としてフィルム1305から放出される前に拡散される。ある複数の実施形態では、光は、フィルム1305を伝播して通るにつれて拡散される。他の実施形態では、光は、フィルム1305の上側表面1340(又は下側表面1330)のところで拡散される。別の構成又は上記の範囲外の値も、同様に可能である。
【0078】
これまでの説明は、本発明のある実施形態を詳細に説明する。しかしながら、上記の詳細が文章中にどのように記載されたとしても、本発明は、多くの方法で実行されることができることが、理解される。同様に上記されたように、本発明のある種の特徴または態様を記載する時に特定の用語の使用が、その用語が関係付けられる本発明の特徴又は態様のいずれかの具体的な特性を含むことで限定されるように本明細書中で再定義されることを意味するように取られるべきないことに、注意すべきである。
【符号の説明】
【0079】
12…干渉変調器,14…可動反射層(可動鏡),16…光学積層構造(固定鏡),18…支柱,19…キャビティ,20…基板,30…ディスプレイ・アレイ(ディスプレイ),40…ディスプレイ・デバイス,41…ハウジング,43…アンテナ,44…スピーカ,46…マイクロフォン,48…入力デバイス,32…連結部,34…変形可能層,42…支持ポスト・プラグ,44’…バス構造,105…空間光変調器,110,305,405…外部フィルム,120…基板,125…誘電体層,150…赤反射体、160…緑反射体,170…青反射体,130,135,140…反射体,505…全面プレート,530…外部フィルム,515…光源,603…構造物(バッフル),605…外部フィルム,612…柱状フィーチャ,613…母材,614…不透明物質層,615…透過性物質,705…タッチスクリーン,710…空隙,717…スペーサ,715…タッチスクリーン外側部分,720…タッチスクリーン内側部分,751…拡散性接着剤,751a…フィラー粒子,740…光源,770…散乱粒子,1100…ディスプレイ,1105…フィルム,1110,1111…スペース,1121,1122,1123…アクティブ反射体領域,1205…外部フィルム,1212…光散乱領域,1217…光を散乱しない領域,1213…凹んだ領域,1214…フレネル・レンズ領域,1218…コリメーティング素子,1211…反射体,1305…光学フィルム。
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、微小電気機械システム(MEMS:microelectromechanical systems)に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、そしてあるいは、電子デバイス及び電子機械デバイスを形成するために基板及び/又は堆積された材料層の一部分をエッチングして取り除く、若しくは複数の層を付加するその他のマイクロマシニング・プロセスを使用して創り出されることができる。MEMSデバイスの1つのタイプは、光干渉変調器と呼ばれる。本明細書中で使用されるように、用語、光干渉変調器又は干渉光変調器は、光学的な干渉の原理を使用して光を選択的に吸収する及び/又は反射するデバイスを呼ぶ。ある実施形態では、光干渉変調器は、1対の導電性プレートを備え、その一方又は両方が、全体として又は一部分が透明でありかつ/又は反射性であり、そして適切な電子信号の印加により相対的動きが可能である。特定の実施形態では、一方のプレートは、基板上に堆積された静止層を備え、他方のプレートは、エアー・ギャップにより静止層から分離された金属膜を備えることができる。本明細書中でさらに詳細に説明されるように、他方と相対的に一方のプレートの位置は、光干渉変調器上に入射する光の光学的干渉を変化させることができる。そのようなデバイスは、広範囲のアプリケーションを有し、そしてこれらのタイプのデバイスの特性を利用すること及び/又は変形することは、この技術において有益であり、その結果、それらの特徴は、既存の製品を改善する際に活用されることができ、そして未だ開発されていない新たな製品を創り出す際に活用されることができる。
【特許文献1】米国特許第6,650,455号明細書
【特許文献2】米国特許第5,835,255号明細書
【特許文献3】米国特許第5,986,796号明細書
【特許文献4】米国特許第6,055,090号明細書
【特許文献5】米国特許出願番号第10/794,825号明細書
【発明の概要】
【0003】
本発明のシステム、方法、及びデバイスは、それぞれ複数の態様を有し、その1つのものも、その好ましい特性に単独で寄与するのではない。本発明の範囲を制限することなく、そのより卓越した特徴が、ここに簡潔に説明される。本明細書を熟考した後で、特に“特定の実施形態の詳細な説明”と題された項を読んだ後で、本発明の特徴が、その他のディスプレイ・デバイスに対して利点をどのようにして提供するかを、理解するであろう。
【0004】
1つの実施形態では、ディスプレイが提供され、該ディスプレイは、第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子、ここにおいて該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び該ディスプレイの視界を制限するために構成された複数の素子、を具備する。
【0005】
他の1つの実施形態では、ディスプレイが提供され、該ディスプレイは、第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子、ここにおいて該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び当該ディフューザ素子上に入射する光が該入射光よりもさらに平行にされて該光変調素子に向けられるように光を拡散させるために構成された該複数の光変調素子の前方のディフューザ素子、を具備する。
【0006】
他の1つの実施形態では、ディスプレイを製作する方法が提供され、該方法は、第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子を形成すること、ここにおいて該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び該ディスプレイの視界を制限するために構成された複数の素子を形成すること、を具備する。
【0007】
他の1つの実施形態では、ディスプレイを製作する方法が提供され、該方法は、第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子を形成すること、ここにおいて該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び広い範囲の角度で入射する光を受けるため、そして該光変調素子上へとより狭い範囲の角度に光を向けるために構成された該複数の光変調素子の前方のディフューザ素子を形成すること、を具備する。
【0008】
他の1つの実施形態では、ディスプレイが提供され、該ディスプレイは、光を操作するための第1の光学手段及び第2の光学手段を備える光を変調するための手段、ここにおいて該第2の光学手段は該第1の光学手段に対して移動可能である;及び該光変調手段の視界を制限するための手段、を具備する。
【0009】
他の1つの実施形態では、ディスプレイが提供され、該ディスプレイは、光を操作するための第1の光学手段及び第2の光学手段を備える光を変調するための手段、ここにおいて該第2の光学手段は該第1の光学手段に対して移動可能である;及び当該拡散させる手段上に入射する光がその上に入射する該光よりもさらに平行にされて該光変調手段に向けられる該光変調手段の前方の光を拡散させるための手段、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、光干渉変調器ディスプレイの1実施形態の一部分を図示する等測図であり、そこでは、第1の光干渉変調器の可動反射層は、リラックスした位置にあり、第2の光干渉変調器の可動反射層は、アクチュエートされた位置にある。
【図2】図2は、3×3光干渉変調器ディスプレイを組み込んでいる電子デバイスの1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図3】図3は、図1の光干渉変調器の1つの具体例の実施形態に関する可動鏡位置に対する印加電圧の図である。
【図4】図4は、光干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用されることができる行及び列電圧のセットの説明図である。
【図5A】図5Aは、図2の3×3光干渉変調器ディスプレイ内のディスプレイ・データの1つの具体例のフレームを図示する。
【図5B】図5Bは、図5Aのフレームに書き込むために使用されることができる行信号及び列信号に関する1つの具体例のタイミング図を図示する。
【図6A】図6Aは、複数の光干渉変調器を備える光学ディスプレイ・デバイスの1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図6B】図6Bは、複数の光干渉変調器を備える光学ディスプレイ・デバイスの1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図7A】図7Aは、図1のデバイスの断面図である。
【図7B】図7Bは、光干渉変調器の代わりの実施形態の断面図である。
【図7C】図7Cは、光干渉変調器の別の1つの実施形態の断面図である。
【図7D】図7Dは、光干渉変調器のしかも別の1つの実施形態の断面図である。
【図7E】図7Eは、光干渉変調器のさらに別の1つの実施形態の断面図である。
【図8A】図8Aは、外部フィルムを有するディスプレイ・デバイスの側面図である。
【図8B】図8Bは、RGBカラーの情報を表示するために構成された光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図8C】図8CBは、白黒の情報を表示するために構成された光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図9】図9は、その外側表面上に光ディフューザを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図10】図10は、その外側表面上に光ディフューザを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図であり、ここで光ディフューザは、拡散性粒子を含む。
【図11A】図11Aは、光干渉変調器デバイスからエアー・ギャップにより分離されている溝を付けられた前面光プレートを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図11B】図11Bは、光干渉変調器デバイス結合された溝を付けられた前面光プレートを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図11C】図11Cは、外部フィルムを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図であり、外部フィルムは起伏を付けられた外側表面を有し、その結果、光源から与えられる光が光干渉変調器デバイスに向きを変えられ、そして光干渉変調器の外へと観察者に反射される。
【図12A】図12Aは、外部フィルムを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図であり、外部フィルムは光干渉変調器デバイスの視界を制限するバッフル構造を含む。
【図12B】図12Bは、外部フィルム内に含まれるバッフル構造がどのようにして反射光の方向を限定するかを示す光干渉変調器デバイスの1実施形態の側面図である。
【図12C】図12Cは、不透明柱を備えたバッフル構造を有する外部フィルムの実施形態である。
【図12D】図12Dは、不透明柱を備えたバッフル構造を有する外部フィルムの実施形態である。
【図12E】図12Eは、不透明部分を備えたバッフル構造を有する外部フィルムの実施形態である。
【図12F】図12Fは、不透明部分を備えたバッフル構造を有する外部フィルムの実施形態である。
【図12G】図12Gは、不透明部分を備えたバッフル構造を有する外部フィルムの実施形態である。
【図12H】図12Hは、反射性物質を備えたバッフル構造を有する外部フィルムを図示する。
【図13A】図13Aは、タッチスクリーンを含む光干渉変調器ディスプレイの側面図である。
【図13B】図13Bは、拡散性物質を組み込むための別のアプローチを示す。
【図13C】図13Cは、拡散性物質を組み込むための別のアプローチを示す。
【図13D】図13Dは、拡散性物質を組み込むための別のアプローチを示す。
【図14A】図14Aは、光干渉変調器デバイスに向けて光源からの光を散乱させるディフューザ物質を備えるタッチスクリーン用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図14B1】図14B1は、光源から光干渉変調器デバイスへ光を伝えるための別の構成を示す。
【図14B2】図14B2は、光源から光干渉変調器デバイスへ光を伝えるための別の構成を示す。
【図14C】図14Cは、光源から光干渉変調器デバイスへ光を向けるためにディスプレイ中に拡散性物質を組み込むための別のアプローチを例示する。
【図14D】図14Dは、光源から光干渉変調器デバイスへ光を向けるためにディスプレイ中に拡散性物質を組み込むための別のアプローチを例示する。
【図14E】図14Eは、光源から光干渉変調器デバイスへ光を向けるためにディスプレイ中に拡散性物質を組み込むための別のアプローチを例示する。
【図15A】図15Aは、複数のアクティブな反射体領域間のスペースに入射された光の少なくとも一部をアクティブな反射体領域に向ける膜を用いて構成される光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図15B】図15Bは、複数のアクティブな反射体領域間のスペースに入射された光の少なくとも一部をアクティブな反射体領域に向ける膜を用いて構成される光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図16A】図16Aは、光を散乱させる領域を有する外部フィルムの側面図である。
【図16B】図16Bは、低屈折率物質の母材中に光の向きを変える高屈折率の領域を有する外部フィルムの側面図である。
【図16C】図16Cは、凹レンズとして作用するディンプル領域を有する表面を有する外部フィルムの側面図である。
【図16D】図16Dは、フレネル・レンズを備えた表面を有する外部フィルムの側面図である。
【図16E】図16Eは、反対方向に光を屈折させるために構成された反対に傾斜する表面を有する外部フィルムの側面図である。
【図16F】図16Fは、一方向に向けて光を屈折させるために構成された傾斜する表面を有する外部フィルムの側面図である。
【図16G】図16Gは、光を反射させるために構成された傾斜する表面を有する外部フィルムの側面図である。
【図17】図17は、外部フィルムを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図であり、それは外部フィルム上に入射される光の方向を変えて、外部フィルムにおけるその入射角よりさらに垂直である角度で光を光干渉変調器デバイスのアクティブな反射体領域に与える。
【図18A】図18Aは、光干渉変調器デバイスの方へ向けられた光を平行にするために構成された拡散性成分を備えた外部フィルムを用いて構成された光干渉変調器デバイスの側面図である。
【図18B】図18Bは、図18Aの光干渉変調器デバイスの側面図であり、入射光が平行にされそして光干渉変調器デバイスのアクティブな反射体領域に向きを変えられることを示す。
【図18C】図18Cは、図18Aの光干渉変調器デバイスの側面図であり、光干渉変調器デバイスのアクティブ領域で反射された光が外部フィルムによって拡散されることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、そしてあるいは、電子デバイス及び電子機械デバイスを形成するために基板及び/又は堆積された材料層の一部分をエッチングして取り除く、若しくは複数の層を付加するその他のマイクロマシニング・プロセスを使用して創り出されることができる。MEMSデバイスの1つのタイプは、光干渉変調器と呼ばれる。本明細書中で使用されるように、用語、光干渉変調器又は干渉光変調器は、光学的な干渉の原理を使用して光を選択的に吸収する及び/又は反射するデバイスを呼ぶ。ある実施形態では、光干渉変調器は、1対の導電性プレートを備え、その一方又は両方が、全体として又は一部分が透明でありかつ/又は反射性であり、そして適切な電子信号の印加により相対的動きが可能である。特定の実施形態では、一方のプレートは、基板上に堆積された静止層を備え、他方のプレートは、エアー・ギャップにより静止層から分離された金属膜を備えることができる。本明細書中でさらに詳細に説明されるように、他方と相対的に一方のプレートの位置は、光干渉変調器上に入射する光の光学的干渉を変化させることができる。そのようなデバイスは、広範囲のアプリケーションを有し、そしてこれらのタイプのデバイスの特性を利用すること及び/又は変形することは、この技術において有益であり、その結果、それらの特徴は、既存の製品を改善する際に活用されることができ、そして未だ開発されていない新たな製品を創り出す際に活用されることができる。
【0012】
本発明の種々の実施形態において、光干渉ディスプレイ・デバイスは、ディスプレイの観察視界を狭くする複数の構造を有する外部フィルムを用いて与えられる。これらの構造は、例えば、バッフル又は複合パラボラ集束器のような非結像光学素子を備えることができる。バッフルは、例えば、格子状に配置された複数の垂直に向きを揃えて並べられた面を備えることができる。ある種の好ましい実施形態では、これらのバッフルは不透明である又は反射性である。したがって、これらの垂直な面は、実質的に垂直でない方向に光干渉ディスプレイ・デバイスから出る光を実質的に遮ることができる。しかしながら、これらの垂直な面は、実質的に垂直な方向に向けられた光がディスプレイを出ることを可能にする。非結像光学素子、例えば、複合パラボラ集束器は、大きな入射角からディスプレイに向けてより垂直な角度へと光の向きを変える。その結果、ユーザに向けてディスプレイによって反射された光は、同様に、さらに垂直な角度になる。
【0013】
光干渉MEMSディスプレイ素子を備える1つの光干渉変調器ディスプレイの実施形態が、図1に図示される。これらのデバイスにおいて、ピクセルは、明状態又は暗状態のいずれかである。明(“オン”又は“開(open)”)状態では、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分をユーザに反射する。暗(“オフ”又は“閉(close)”)状態にある場合は、ディスプレイ素子は、入射可視光をユーザにほとんど反射しない。実施形態に応じて、“オン”状態及び“オフ”状態の光反射率特性が、逆にされることがある。MEMSピクセルは、選択された色で主に反射するように構成されることができ、白黒に加えてカラー表示を可能にする。
【0014】
図1は、視覚ディスプレイの一連のピクセル中の2つの隣接するピクセルを図示する等測図であり、ここでは、各ピクセルは、MEMS光干渉変調器を備える。ある複数の実施形態では、光干渉変調器ディスプレイは、これらの光干渉変調器の行/列アレイを備える。各光干渉変調器は、互いに可変でありそして制御可能な距離に位置する1対の反射層を含み、少なくとも1つの可変の大きさを有する共鳴光学的キャビティを形成する。1つの実施形態において、反射層のうちの1つは、2つの位置の間を移動することができる。第1の位置では、本明細書中ではリラックスした位置(relaxed position)と呼ぶ、可動反射層は、固定された部分反射層から比較的大きな距離のところに置かれる。第2の位置では、本明細書中ではアクチュエートされた位置(actuated position)と呼ぶ、可動反射層は、部分反射層により近くに隣接して置かれる。2つの層で反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて、積極的に(constructively)又は否定的に(destructively)干渉して、各ピクセルに対して全体が反射状態又は非反射状態のいずれかを作る。
【0015】
図1のピクセル・アレイの図示された部分は、2つの隣接する光干渉変調器12a及び12bを含む。左の光干渉変調器12aでは、可動反射層14aは、部分反射層を含む光学積層構造16aから所定の距離のところのリラックスした位置に図示される。右の光干渉変調器12bでは、可動反射層14bは、光学積層構造16bに隣接するアクチュエートされた位置に図示される。
【0016】
光学積層構造16a,16b(一括して光学積層構造16と呼ぶ)は、本明細書中で参照されるように、一般的に複数のヒューズ層を備え、それは、インジウム・スズ酸化物(ITO:indium tin oxide)のような電極層、クロムのような部分反射層、及び透明誘電体を含むことができる。光学積層構造16は、それゆえ、電気的に導電性であり、部分的に透明であり、部分的に反射性であり、そして、例えば、透明基板20上に1つ又はそれより多くの上記の層を堆積することにより製作されることができる。ある複数の実施形態では、複数の層は、平行なストライプにパターニングされ、下にさらに説明されるようにディスプレイ・デバイス中の行電極を形成することができる。可動反射層14a,14bは、支柱18の頂上に及び複数の支柱18間に堆積された介在する犠牲材料上に堆積された(行電極16a,16bに直交する)1層又は複数の層の堆積された金属層の一連の平行なストライプとして形成されることができる。犠牲材料がエッチされて除去されるときに、可動反射層14a,14bは、決められたギャップ19だけ光学積層構造16a,16bから分離される。アルミニウムのような非常に電導性があり反射する材料が、可動反射層14として使用されることができ、そしてこれらのストライプは、ディスプレイ・デバイスにおいて列電極を形成できる。
【0017】
印加電圧がないと、キャビティ19は、可動反射層14aと光学積層構造16aとの間に維持され、可動反射層14aは、図1のピクセル12aに図示されたように機械的にリラックスした状態にある。しかしながら、電位差が選択された行と列に印加されると、対応するピクセルにおいて行電極及び列電極の交差点のところに形成されたキャパシタは、充電され、そして静電力が電極を互いに引きつける。電圧が十分に高い場合には、可動反射層14は、変形され、光学積層構造16に対して押し付けられる。光学積層構造16内部の(この図に図示されていない)誘電体層は、図1中の右のピクセル12bにより図示されたように、短絡することを防止し、層14と16との間の分離距離を制御する。この動きは、印加される電位差の極性に拘わらず同じである。このようにして、反射ピクセル状態に対して非反射ピクセル状態を制御できる行/列アクチュエーションは、従来のLCD及びその他のディスプレイ技術において使用される多くの方法に類似している。
【0018】
図2から図5Bは、ディスプレイ・アプリケーションにおいて光干渉変調器のアレイを使用するための1つの具体例のプロセス及びシステムを説明する。
【0019】
図2は、本発明の態様を組み込むことができる電子デバイスの1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。具体例の実施形態において、電子デバイスは、プロセッサ21を含み、それは、いずれかの汎用のシングル・チップ・マイクロプロセッサ又はマルチ・チップ・マイクロプロセッサ、例えば、ARM,ペンティアム(登録商標)、ペンティアムII(登録商標)、ペンティアムIII(登録商標)、ペンティアムIV(登録商標)、ペンティアム(登録商標)プロ、8051、MIPS(登録商標)、パワーPC(登録商標)、ALPHA(登録商標)、若しくはディジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、又はプログラム可能なゲート・アレイのようないずれかの特殊用途マイクロプロセッサ、であり得る。本技術において普通であるように、プロセッサ21は、1又はそれより多くのソフトウェア・モジュールを実行するように構成されることができる。オペレーティング・システムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブ・ブラウザ、電話アプリケーション、電子メール・プログラム、又はいずれかの別のソフトウェア・アプリケーションを含む、1又はそれより多くのソフトウェア・アプリケーションを実行するように構成されることができる。
【0020】
1実施形態では、プロセッサ21は、しかも、アレイ・ドライバ22と通信するように構成される。1実施形態では、アレイ・ドライバ22は、行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含み、それはディスプレイ・アレイ又はパネル30に信号を供給する。図1に図示されたアレイの断面は、図2中に線1−1により示される。MEMS光干渉変調器に関して、行/列アクチュエーション・プロトコルは、図3に図示されたこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用することができる。これは、例えば、可動層をリラックスした状態からアクチュエートされた状態へ変形させるために10ボルトの電位差を必要とすることがある。しかしながら、電圧がその値から減少される場合に、10ボルトより下に電圧が降下して戻るとしても、可動層はその状態を維持する。図3の具体例の実施形態では、可動層は、電圧が2ボルトより下に降下するまで完全にはリラックスされない。そのようにして、図3に図示された例では、約3Vから7Vの電圧の範囲があり、そこでは、その範囲内でデバイスがリラックスした状態又はアクチュエートされた状態のいずれかで安定である、印加電圧のウィンドウが存在する。これは、本明細書中では“ヒステリシス・ウィンドウ”又は“安定ウィンドウ”と呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイ・アレイに関して、行ストロービング(strobing)の間に、アクチュエートされようとしているストローブされた行中のピクセルが、約10ボルトの電圧差を受け、そしてリラックスされようとしているピクセルが、ゼロ・ボルトに近い電圧差を受けるように、行/列アクチュエーション・プロトコルは、設計されることができる。ストローブの後で、ピクセルは、約5ボルトの定常状態電圧差受け、その結果、ピクセルは、行ストローブがピクセルをどんな状態に置いてもそこに留まる。書き込まれた後で、各ピクセルは、この例では3−7ボルトの“安定ウィンドウ”の範囲内の電位差を受ける。この特徴は、アクチュエートされた現在の状態又はリラックスした現在の状態のいずれかの状態に同じ印加電圧条件の下で、図1に図示されたピクセル設計を安定にさせる。アクチュエートされた状態又はリラックスした状態であるかどうかに拘わらず、光干渉変調器の各ピクセルが、基本的に固定反射層と移動反射層とにより形成されたキャパシタであるので、この安定状態は、ほとんど電力消費なしにヒステリシス・ウィンドウの範囲内の電圧で保持されることができる。印加された電位が一定であるならば、基本的に電流は、ピクセルに流れ込まない。
【0021】
代表的なアプリケーションでは、ディスプレイ・フレームは、第1行中のアクチュエートされたピクセルの所望のセットにしたがって列電極のセットを明示すること(asserting)によって創り出されることができる。行パルスは、それから行1の電極に印加されて、明示された列ラインに対応するピクセルをアクチュエートする。列電極の明示されたセットは、その後、第2行中のアクチュエートされたピクセルの所望のセットに対応するように変更される。パルスは、それから、行2の電極に印加されて、明示された列電極にしたがって行2中の適切なピクセルをアクチュエートする。行1ピクセルは、行2パルスにより影響されず、そして行1パルスの間に行1ピクセルが設定された状態に留まる。これは、連続した方式で一連の行全体に対して繰り返され、フレームを生成する。一般に、フレームは、1秒当たり所望のフレームの数でこのプロセスを連続的に繰り返すことにより、リフレッシュされる及び/又は新たなディスプレイ・データで更新される。ディスプレイ・フレームを生成するためにピクセル・アレイの行電極及び列電極を駆動するための広範なプロトコルは、同様に周知であり、そして本発明とともに使用されることができる。
【0022】
図4、図5A及び図5Bは、図2の3×3アレイ上でディスプレイ・フレームを創り出すための1つの可能性のあるアクチュエーション・プロトコルを説明する。図4は、図3のヒステリシス曲線を示すピクセルに対して使用されることができる、列電圧レベル及び行電圧レベルの可能性のあるセットを図示する。図4の実施形態では、ピクセルをアクチュエートすることは、適切な列を−Vbiasに、そして適切な行を+ΔVに設定することを含む。これは、それぞれ−5V及び+5Vに対応することがある。ピクセルをリラックスさせることは、適切な列を+Vbiasに、そして適切な行を同じ+ΔVに設定することにより、ピクセルを横切るゼロ・ボルトの電位差を生成することにより実現される。行電圧がゼロ・ボルトに保持されるこれらの行では、列が+Vbiasであるか又は−Vbiasであるかどうかに拘らず、ピクセルが元々あった状態がどうであろうとも、ピクセルは、その状態で安定である。同様に図4に図示されているように、上に記載されたものとは反対の極性の電圧が使用され得ることが評価される、例えば、ピクセルをアクチュエートすることは、適切な列を+Vbiasに、そして適切な行を−ΔVに設定することを含むことができる。この実施形態では、ピクセルをリリースさせることは、適切な列を−Vbiasに、そして適切な行を同じ−ΔVに設定し、ピクセルを横切るゼロ・ボルトの電位差を生成することにより実現される。
【0023】
図5Bは、図2の3×3アレイに印加される一連の行信号及び列信号を示すタイミング図であり、そこではアクチュエートされたピクセルが非反射である図5Aに図示されたディスプレイ配列に結果としてなる。図5Aに図示されたフレームを書き込む前に、ピクセルは、任意の状態であることができ、そしてこの例では、全ての行が0ボルトであり、全ての列が+5ボルトである。これらの印加電圧では、全てのピクセルは、その現在のアクチュエートされた状態又はリラックスした状態で安定である。
【0024】
図5Aのフレームでは、ピクセル(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)及び(3,3)がアクチュエートされている。これを実現するために、行1に対する“ライン時間”の期間に、列1及び列2は、−5ボルトに設定され、そして列3は、+5ボルトに設定される。全てのピクセルが3−7ボルトの安定ウィンドウの中に留まるため、これは、どのピクセルの状態も変化させない。行1は、その後、0から5ボルトまで上がり、ゼロに戻るパルスでストローブされる。これは、(1,1)及び(1,2)ピクセルをアクチュエートし、(1,3)ピクセルをリラックスさせる。アレイ中のその他のピクセルは、影響されない。行2を望まれるように設定するために、列2は、−5ボルトに設定され、そして列1及び列3は、+5ボルトに設定される。行2に印加された同じストローブは、その後、ピクセル(2,2)をアクチュエートし、ピクセル(2,1)及び(2,3)をリラックスさせる。再び、アレイのその他のピクセルは、影響されない。行3は、列2及び列3を−5ボルトに、そして列1を+5ボルトに設定することより同様に設定される。行3ストローブは、図5Aに示されたように行3ピクセルを設定する。フレームを書き込んだ後で、行電位はゼロに、そして列電位は+5又は−5ボルトのいずれかに留まることができ、そしてディスプレイは、その後、図5Aの配列で安定である。同じ手順が数十から数百の行及び列のアレイに対して採用されることができることが、評価される。しかも、行及び列アクチュエーションを実行するために使用された電圧のタイミング、シーケンス、及びレベルが、上記に概要を示された一般的な原理の範囲内で広範囲に変化されることができ、そして、上記の例は、例示だけであり、そして任意のアクチュエーション電圧方法が、本明細書中に記載されたシステム及び方法で使用されることができる。
【0025】
図6A及び図6Bは、ディスプレイ・デバイス40の実施形態を説明するシステム・ブロック図である。ディスプレイ・デバイス40は、例えば、セルラ電話機又は携帯電話機であり得る。しかしながら、ディスプレイ・デバイス40の同じコンポーネント又はそのわずかな変形は、同様にテレビ及び携帯型メディア・プレーヤのような種々のタイプのディスプレイ・デバイスの例示である。
【0026】
ディスプレイ・デバイス40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ44、入力デバイス48、及びマイクロフォン46を含む。ハウジング41は、当業者に周知の各種の製造技術のいずれかから一般に形成され、射出成型、及び真空形成を含む。その上、ハウジング41は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、及びセラミックス、又はこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の種々の材料から形成されることができる。1つの実施形態では、ハウジング41は、除去可能な部分(図示せず)を含み、それは異なる色、若しくは異なるロゴ、絵柄、又はシンボルを含むその他の取り外し可能な部分と取り替えられることができる。
【0027】
具体例のディスプレイ・デバイス40のディスプレイ30は、本明細書中に説明されるように、双安定ディスプレイを含む種々のディスプレイのうちのいずれかであり得る。別の実施形態では、当業者に周知であるように、ディスプレイ30は、上に説明されるように、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、又はTFT LCDのようなフラット−パネル・ディスプレイ、若しくはCRT又はその他の真空管デバイスのような、非フラット−パネル・ディスプレイを含む。しかしながら、本実施形態を説明する目的のために、ディスプレイ30は、本明細書中に説明されるように、光干渉変調器ディスプレイを含む。
【0028】
具体例のディスプレイ・デバイス40の1つの実施形態のコンポーネントが、図6Bに模式的に図示される。図示された具体例のディスプレイ・デバイス40は、ハウジング41を含み、そして少なくとも一部がその中に納められた増設のコンポーネントを含むことができる。例えば、1つの実施形態では、具体例のディスプレイ・デバイス40は、トランシーバ47に接続されたアンテナ43を含むネットワーク・インターフェース27を含む。トランシーバ47は、プロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例えば、信号をフィルタする)ために構成されることができる。調整ハードウェア52は、スピーカ45及びマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、同様に、入力デバイス48及びドライバ・コントローラ29に接続される。ドライバ・コントローラ29は、フレーム・バッファ28に接続され、そしてアレイ・ドライバ22に接続される。アレイ・ドライバ22は、順番にディスプレイ・アレイ30に接続される。電源50は、個々の具体例のディスプレイ・デバイス40の設計によって必要とされるように全てのコンポーネントに電力を供給する。
【0029】
ネットワーク・インターフェース27は、アンテナ43及びトランシーバ47を含み、その結果、具体例のディスプレイ・デバイス40は、ネットワークを介して1又はそれより多くのデバイスと通信できる。1つの実施形態では、ネットワーク・インターフェース27は、しかも、プロセッサ21の要求を軽減させるためにある種の処理能力を持つことができる。アンテナ43は、信号を送信するため、そして受信するために当業者に公知にいずれかのアンテナである。1つの実施形態では、アンテナは、IEEE 802.11(a),(b),又は(g)を含む、IEEE 802.11規格にしたがってRF信号を送信し、受信する。別の1つの実施形態では、アンテナは、ブルートゥース(BLUETOOTH)(登録商標)規格にしたがってRF信号を送信し、そして受信する。セルラ電話機の場合には、アンテナは、CDMA信号、GSM(登録商標)信号、AMPS信号又は無線セル電話ネットワークの範囲内で通信するために使用される別の公知の信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43からの受信された信号を事前処理し、その結果、信号はプロセッサ21によって受け取られ、そしてさらに操作されることができる。トランシーバ47は、プロセッサ21からの受信された信号を同様に処理し、その結果、信号はアンテナ43を介して具体例のディスプレイ・デバイス40から送信されることができる。
【0030】
代わりの実施形態では、トランシーバ47は、受信機によって置き換えられることができる。しかも別の1つの代わりの実施形態では、ネットワーク・インターフェース27は、画像ソースによって置き換えられることができる。画像ソースは、プロセッサ21に送られるべき画像データを格納できる、又は発生できる。例えば、画像ソースは、ディジタル・ビデオ・ディスク(DVD:digital video disc)又は画像データを含んでいるハード−ディスク駆動装置、若しくは画像データを発生させるソフトウェア・モジュールであり得る。
【0031】
プロセッサ21は、一般に具体例のディスプレイ・デバイス40の総合的な動作を制御する。プロセッサ21は、ネットワーク・インターフェース27からの又は画像ソースからの圧縮された画像データのような、データを受け取り、そしてデータを生の画像データに、又は生の画像データに容易に処理されるフォーマットに処理する。プロセッサ21は、その後、処理されたデータをドライバ・コントローラ29へ又は格納のためにフレーム
・バッファ28へ送る。生のデータは、一般的に、画像の内部でのそれぞれの位置における画像特性を識別する情報を呼ぶ。例えば、そのような画像特性は、色彩、彩度、及びグレー・スケール・レベルを含むことができる。
【0032】
1つの実施形態では、プロセッサ21は、マイクロコントローラ、CPU、又は論理ユニットを含み、具体例のディスプレイ・デバイス40の動作を制御する。調整ハードウェア52は、一般に、スピーカ45に信号を伝送するために、そして、マイクロフォン46から信号を受け取るために、増幅器及びフィルタを含む。調整ハードウェア52は、具体例のディスプレイ・デバイス40内部の独立したコンポーネントであり得る、若しくは、プロセッサ21又は他のコンポーネントの内部に組み込まれることができる。
【0033】
ドライバ・コントローラ29は、プロセッサ21により発生された生の画像データをプロセッサ21から直接又はフレーム・バッファ28からのいずれかで取得し、そしてアレイ・ドライバ22への高速伝送に適切であるように生の画像データを再フォーマット化する。具体的には、ドライバ・コントローラ29は、生の画像データをラスタ状のフォーマットを有するデータ・フローに再フォーマットする、その結果、データ・フローは、ディスプレイ・アレイ30全体にわたってスキャニングするために適した時間の順番を有する。それから、ドライバ・コントローラ29は、フォーマット化された情報をアレイ・ドライバ22へ送る。LCDコントローラのようなドライバ・コントローラ29が、独立型の集積回路(IC:Integrated Circuit)のようなシステム・プロセッサ21に多くの場合に関連付けられるけれども、そのようなコントローラは、複数の方法で与えられることができる。これらは、ハードウェアとしてプロセッサ21に搭載される、ソフトウェアとしてプロセッサ21に搭載される、又はアレイ・ドライバ22とともにハードウェア中に完全に集積されることができる。
【0034】
一般的に、アレイ・ドライバ22は、フォーマット化された情報をドライバ・コントローラ29から受け取り、そしてビデオ・データをウェーブフォームの並列セットに再フォーマット化する。ウェーブフォームの並列セットは、ディスプレイのピクセルのx−y行列から来る数百のそして時には数千のリード線(lead)に毎秒複数回適用される。
【0035】
1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ29、アレイ・ドライバ22、及びディスプレイ・アレイ30は、本明細書中に説明されたディスプレイのいずれのタイプに対しても適切である。例えば、1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ29は、従来型のディスプレイ・コントローラ又は双安定ディスプレイ・コントローラ(例えば、光干渉変調器コントローラ)である。別の1つの実施形態では、アレイ・ドライバ22は、従来型のドライバ又は双安定ディスプレイ・ドライバ(例えば、光干渉変調器ディスプレイ)である。1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ29は、アレイ・ドライバ22と統合される。そのような実施形態は、セルラ電話機、腕時計、及びその他の小面積ディスプレイのような高度に集積されたシステムにおいて一般的である。さらに別の1つの実施
形態では、ディスプレイ・アレイ30は、典型的なディスプレイ・アレイ又は双安定ディスプレイ・アレイ(例えば、光干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0036】
入力デバイス48は、ユーザが具体例のディスプレイ・デバイス40の動作を制御することを可能にする。1つの実施形態では、入力デバイス48は、クワーティ(QWERTY)キーボード又は電話機キーパッドのようなキーパッド、ボタン、スイッチ、接触感応スクリーン、感圧又は感熱膜を含む。1つの実施形態では、マイクロフォン46は、具体例のディスプレイ・デバイス40のための入力デバイスである。マイクロフォン46がデバイスにデータを入力するために使用される場合に、音声命令が、具体例のディスプレイ・デバイス40の動作を制御するためにユーザによって与えられることができる。
【0037】
電源50は、この技術において周知のような各種のエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。例えば、1つの実施形態では、電源50は、ニッケル−カドミウム電池又はリチウム・イオン電池のような、再充電可能な電池である。別の1つの実施形態では、電源50は、回復可能なエネルギー源、キャパシタ、又はプラスチック太陽電池、及びソーラー−セル塗料を含む太陽電池である。別の1つの実施形態では、電源50は、壁のコンセントから電力を受け取るように構成される。
【0038】
いくつかの方法では、制御のプログラム可能性は、上に説明されたように、電子ディスプレイ・システム中の複数の場所に置かれることができるドライバ・コントローラ中に存在する。ある複数の場合では、制御のプログラム可能性は、アレイ・ドライバ22中に存在する。上に説明された最適化が、任意の数のハードウェア・コンポーネント及び/又はソフトウェア・コンポーネントにおいてそして種々の構成において実施されることができることを、当業者は、認識する。
【0039】
上に説明された原理にしたがって動作する光干渉変調器の構造の詳細は、広い範囲で変化できる。例えば、図7Aから図7Eは、可動反射層14及びその支持構造の5つの異なる実施形態を図示する。図7Aは、図1の実施形態の断面であり、そこでは金属材料14のストライプが、直角に延びている支柱18上に堆積される。図7Bでは、可動反射層14は、連結部(tether)32上に、角だけで支柱に取り付けられる。図7Cでは、可動反射層14は、変形可能層34から吊り下げられ、それは柔軟な金属を備えることができる。変形可能層34は、変形可能層34の周囲で基板20に直接的に又は間接的に接続される。これらの接続部は、本明細書中では支持ポストと呼ばれる。図7Dに図示された実施形態は、支持ポスト・プラグ42を有し、その上に変形可能層34が載っている。可動反射層14は、図7Aから図7Cのように、キャビティを覆って吊り下げられたままであるが、変形可能層34は、変形可能層34と光学積層構造16との間の穴を埋めることによって支持ポストを形成しない。むしろ、支持ポストは、平坦化材料で形成され、それは支持ポスト・プラグ42を形成するために使用される。図7Eに図示された実施形態は、図7Dに示された実施形態に基づいているが、同様に、図7Aから図7Cに図示された実施形態のいずれかを用いて、同様に図示されていないさらなる実施形態のいずれかを用いて働くように適合されることができる。図7Eに示された実施形態では、金属又は他の導電性材料の追加層が、バス構造44’を形成するために使用されている。これは、光干渉変調器の背面に沿った信号迂回(routing)を可能にし、そうでなければ基板20上に形成される必要があるはずの多数の電極を削除する。
【0040】
図7Aから図7Eに示されたもののような複数の実施形態では、光干渉変調器は、直視デバイスとして機能し、その中では画像は、透明基板20の表面側、変調器が配置されている面とは反対側から見られる。これらの実施形態では、反射層14は、基板20と反対側の反射層側上の光干渉変調器の複数の部分、それは変形可能層34を含む、を光学的に覆う。これは、覆われた範囲が画像品質に悪影響を及ぼすことなく構成されそして動作することを可能にする。そのように覆うことは、図7Eのバス構造44’を与え、変調器の電気機械的特性、例えば、アドレシング及びそのアドレシングからの結果の動き、から変調器の光学的特性を分離する能力を提供する。この分離可能な変調器の構造は、変調器の電気機械的観点及び光学的観点のために使用する構造的設計及び材料が選択されることを可能にし、そして互いに独立に機能することを可能にする。その上、図7Cから図7Eに示された実施形態は、反射層14の光学的特性がその機械的特性から切り離されることを引き出す追加の利点を有し、それは変形可能層34によって実行される。これは、反射材料14に使用される構造設計及び材料が光学的特性に関して最適化されることを可能にし、そして変形可能層34に使用される構造設計及び材料が所望の機械的特性に関して最適化できることを可能にする。
【0041】
上に説明されたように、直視ディスプレイの画像素子(ピクセル)は、図7Aから図7Eに示されたもののような素子を備えることができる。種々の実施形態において、非変形状態にある鏡14を有するこれらの変調器素子は、明、すなわち“ON”である。鏡14がキャビティの前表面に向けてキャビティの中へと全設計深さまで移動した時に、キャビティ内の変化は、結果のピクセルが‘暗’、すなわち、OFFになるようさせる。カラー・ピクセルに関して、個々の変調素子のON状態は、変調器構成及びディスプレイの色彩体系に応じて、白、赤、緑、青、又は別の色であり得る。赤/緑/青(RGB)ピクセルを使用するある複数の実施形態では、例えば、一色のピクセルは、光干渉青色光を作り出す複数の変調器素子を備え、同様な数の素子が光干渉赤色光を作り出し、そして同様な数の素子が光干渉緑色光を作り出す。ディスプレイ情報にしたがって鏡を動かすことによって、変調器は全色の画像を生成できる。
【0042】
様々な実施形態は、種々の光学フィルムを使用して光干渉変調器デバイスに行うことが可能な改善を含む。光学フィルムは、巻物で又はシートで与えられるフィルムを含む。フィルムは、光干渉変調器に取り付けられる又はその近くに取り付けられ、光干渉変調器で反射された光が観察者に伝達するようにフィルムを通り抜けるように置かれる。光学フィルムは、コーティングを同様に含むことができ、それは光干渉変調器の表面上にスピンされる、スパッタされる又はそれ以外では堆積されることができ、その結果、光干渉変調器で反射した光が、観察者に伝達するにつれてフィルムを通過する。
【0043】
フィルムは、一般に光干渉変調器の外部表面上に配置され、その結果、所望の光学的特性が、光干渉変調器そのものを変更することなく実現されることができる。本明細書中で使用される“外部”は、製作された光干渉変調器の外にフィルムを設置することを呼ぶ、例えば、光干渉変調器の外側表面上であり、その結果、外部フィルムは、光干渉変調器ディスプレイを製作した後で付けられることができる。外部フィルムは、最初に入射光を受ける光干渉変調器の表面上に又はその近くに配置されることができ、それは光干渉変調器の外側表面と本明細書中では呼ばれる。この外側表面は、同様に光干渉変調器を見る人に近接して位置する表面である。外部フィルムは、光干渉変調器を形成する複数の層の上であり得る、又は光干渉変調器上に形成される1又はそれより多くの層の上に形成されることができる。光干渉変調器ディスプレイの外部であるとして種々の実施形態が一般に本明細書中に記載されるが、これらのタイプのフィルムは、同様に、他の実施形態では光干渉変調器の内部に製作されることができる、そして/又は記載される外部フィルムの特性は、同様な効果を実現するために、例えば、光干渉変調器の製作中に、光干渉変調器に組み込まれることができる。
【0044】
図8Aに図示されたように、ディスプレイ100Aの1つの実施形態は、空間光変調器105及び空間光変調器105の外側表面115上に又は近くに配置された外部フィルム110を含む。空間光変調器105は、光干渉変調器デバイスの1つの表示であり、それは、例えば、基板、導電体層、部分反射層、誘電体層、及び可動鏡と誘電体との間にギャップを用いて構成された可動反射体(鏡とも呼ぶ)を含むことができる。空間光変調器105は、全色、単色、又は白黒光干渉変調器ディスプレイ・デバイスであり得るが、これらに限定されない。光干渉変調器の設計及び動作は、例えば、米国特許番号第6,650,455号、第5,835,255号、第5,986,796号及び第6,055,090号に詳細に記載され、これらの全ては、引用により本明細書中に組み込まれている。
【0045】
外部フィルム110は、様々な方法で製作されることができ、例えば、外部フィルム110がディスプレイに流し込まれる、スピンされる、堆積される、又は積層される製作技術を使用することを含む。ある複数の実施形態では、外部フィルム110は、単一フィルム層であり、ところが他の実施形態では、外部フィルム110は1より多くのフィルム層を含む。外部フィルム110が1より多くのフィルム層を備える場合に、各フィルム層は、異なる特性を有することができ、それは空間光変調器105で反射される光そして外部フィルム110を通り伝達する光の1又はそれより多くの特性に影響を与える。多層外部フィルム110の各層は、同じフィルム製作技術によって又は異なるフィルム製作技術によって製作されることができる、例えば、任意の単一層が、例えば、隣接層に流し込まれる、スピンされる、堆積される、又は積層されることができる。別の配向(orientation)及び構成も、同様に可能である。
【0046】
図8Bを参照して、ディスプレイ100Bの1つの実施形態は、カラー光干渉変調器を備えるRGB空間光変調器105Bの外側表面115の上方に外部フィルム110を有する。この実施形態では、RGB空間光変調器105Bは、例えば、導電体層(それは少なくとも部分的に透過性である)、部分反射層、及び誘電体層125を備える多重層125上方の基板120を具備し、多重層は、順に、赤、緑及び青の色に対応し、それぞれが異なるギャップ幅175,180,190を有する、赤反射体150、緑反射体160、及び青反射体170を含む1組の反射体(例えば、鏡)の上方にある。ある種の実施形態では、図8Bに図示されたように、基板120は、外部フィルム110と反射体150,160,170との間であることがある。他の実施形態では、反射体150,160,170は、外部フィルム110と基板120との間であることがある。
【0047】
別の実施形態では、外部フィルムは、単色又は白黒の光干渉変調器の上方に配置されることができる。図8Cにより図示されるように、単色又は白黒空間光変調器105Cは、導電体層、部分的反射層124、誘電体層125の上方の基板120を備え、それは順に、1組の反射体(例えば、鏡)130,135,140の上方にある。単色空間光変調器105Cは、反射体130,135,140と誘電体層125との間に1つのギャップ145幅で構成される反射体130,135,140を有するように製作されることができる。
【0048】
ある実施形態では、外部フィルムは、光干渉変調器ディスプレイで反射する光を拡散させる(diffuse)ことができる。光干渉変調器ディスプレイで反射する光は、少なくとも部分的に拡散されることがあり、その結果、ディスプレイは、紙に似た外観を有する(例えば、ディスプレイは散漫に反射するように見える)。
【0049】
図9を参照して、ディスプレイ300は、空間光変調器105の上に置かれた外部拡散フィルム305を含むことができる。ディスプレイ300上に入射する光320は、反射性空間光変調器105によって鏡のように反射される。鏡のように反射した光307がディスプレイ300から伝播するにつれて、拡散フィルム305は、鏡のように反射した光307の特性を変える、それは拡散光に変換する。ディフューザ305は、光干渉変調器上に入射する光を同様に拡散させる。
【0050】
拡散フィルム305は、複数の物質から製作されることができ、そして拡散物質の1又はそれより多くの層を含むことができる。ディフューザ305は、表面を変化させた(例えば、波型及び粗面)物質又は物質の変更を含むことができる。この変更は、別の実施形態では光を屈折させる又は散乱(scatter)させることができる。ディフューザ305の広い範囲の変更が可能であり、そして本明細書中に記載されたもの限定されない。
【0051】
図10は、散漫な反射光を生成するディスプレイ400の具体例の実施形態を図示する。ディスプレイ400は、空間光変調器105に取り付けられた外部フィルム405を含む。外部フィルム405は、散乱性フィーチャ(feature)(例えば、粒子)を備える物質410を含み、それは空間光変調器105で反射する光403を散乱させ、光干渉変調器デバイスから放出される光の特性を鏡面反射から拡散へと変化させる。
【0052】
ある複数の実施形態では、外部拡散フィルム305は、反射された光403のスペクトル特性を変化させる物質及び反射された光の拡散特性又は鏡面反射特性を変化させる物質を含む。そのような物質は、外部フィルム305,405(図9及び図10)の1つの層に含まれることができる。あるいは、反射光のスペクトル特性を変化させる物質は、外部フィルム305の1つの層の中に組み込まれることができ、そして反射光の拡散特性又は鏡面反射特性を変化させる物質は、外部フィルムの別の層に組み込まれることができる。1つの実施形態では、拡散物質は、外部フィルム305と空間光変調器105との間に使用される接着剤中に含まれることができる(図9)。
【0053】
上記のように、あるタイプのディフューザは、ディスプレイ300,400が鏡の外観よりはむしろ紙の外観を有することが望まれている光干渉変調器ディスプレイにおいて有用である。当然ながら、ある複数の実施形態では、ディスプレイ300,400の外観又はディスプレイの一部の外観が高反射性、すなわち“鏡面状”であることが望まれる、そしてこれらの実施形態では、ディスプレイは、光干渉変調器ディスプレイ・デバイス305,405の全体又は一部を覆う拡散フィルム305,405を有することができる。ある複数の実施形態では、光学的透過層は、所望の拡散を実現するために“曇らせられる”。例えば、ディスプレイ105(図9)の外側表面は、反射光の拡散を与えるために曇らせられることができる。表面が非常に曇っている場合、光は、表面が軽く曇っている場合よりさらに拡散される。ある複数の実施形態では、曇っている光学的に透過層は、ガラス層又はポリマ層を備えることができる。
【0054】
ある複数の実施形態では、例えば、暗い状態又は周りの照明が少ない状態で光干渉変調器を見ることのために、光干渉変調器に追加の光を提供するための光源(本明細書中では“前面光”と呼ばれる)を含むことが有益である。図11Aを参照して、ディスプレイ500Aの1つの実施形態は、前面プレート505の横に置かれた光源515を含む。この前面プレート505は、光源515からの光507に対して実質的に光学的に透過性の物質を備える。前面プレート505は、例えば、ある複数の実施形態ではガラス又はプラスチックを備えることができる。前面プレート505は、前面プレート中の光の伝播を分裂させるため、そして空間光変調器105に向けて光の向きを変えるために構成された光学的フィーチャ(例えば、溝のような起伏)を有する。エアー・ギャップ525は、起伏を付けられた/溝を付けられた前面プレート505を空間光変調器105から分離する。動作上では、光源515は、前面プレート505の中へと光507を与える、そこでは、光520は、傾斜した表面フィーチャ506で反射され、そして空間光変調器105へ向けて進む。ディスプレイ500に入る周囲の光に関して、エアー・ギャップ525内の空気と前面プレート505及び空間光変調器105を形成するために使用する物質との間の屈折率の違いのために、エアー・ギャップ525は、ディスプレイ500Aの感知されるコントラストを低下させる。
【0055】
図11Bを参照して、ディスプレイ500Bは、空間光変調器105へ光をより効率的に伝達する、その理由は、前面プレート505と空間光変調器105とを分離するエアー・ギャップがないためである。その代わりに、前面プレート505は、空間光変調器105に取り付けられる。ディスプレイ500Bの構成が空間光変調器105への光の伝達を増加させるが、2つの部品を接着することは、良い製作作業ではない、その理由は、前面プレート505及び空間光変調器105は、両方とも比較的高価な部品であり、そしてもしどちらかの部品が製作の間に不良になると、両方の部品が失われるためである。
【0056】
ここで図11Cを参照して、ディスプレイ500Cは、図11A及び図11Bのディスプレイ500A、500Bによって経験される問題が、前面プレートよりは外部フィルムを使用してどのように克服されるかを説明する。図11Cに示されたように、ディスプレイ500Cは、外部フィルム530が積層されている空間光変調器105の端部531の隣に置かれた光源515を含み、外部フィルム530は空間光変調器105に向けて光の向きを変えるように構成された起伏、例えば、溝又は傾斜した表面フィーチャのような光学的フィーチャを備える表面514を有する。光源515は、例えば、空間光変調器105を支持している基板の端部に設置される。外部フィルム530は、空間光変調器105に取り付けられる、又は空間光変調器105上に積層される。接着剤が使用されることができる。外部フィルム530は、溝を付けられた前面ガラス・プレート505(図11A、11B)の価格と比較して比較的安価であり、そのためもし、ディスプレイ105が不良であっても、大きなさらなる損失を伴わないで破棄されることができる。動作上では、外部フィルム530は、光源515からの光511を受ける。光が空間光変調器105(例えば、光干渉変調器デバイスの基板)及び外部フィルム530を通って伝播するので、光511は、起伏を付けられた/溝を付けられた表面514の内側部分で反射し、そして反射光513は、光干渉変調器デバイスの基板を通って伝播しそして光干渉変調器の鏡面で反射する。
【0057】
ここで図12Aを参照して、別の実施形態では、ディスプレイ600は、空間光変調器105の外側表面に取り付けられている外部フィルム605を備える、ここで外部フィルムは、ディスプレイの視界を狭くする又は最小にする複数の構造物603を備える。1つの実施形態では、構造物603は、小さな垂直に向きを揃えて配列された障害物であり、それは格子に形成されることができ、外部フィルム605へと“落とし込む”又は拡散させることができる。他の1つの実施形態では、外部フィルム605の材料は、垂直に向きを揃えて配列された構造物603を与える。これらの構造物603は、バッフルと呼ばれることがある。バッフル603は、実質的に不透明であり得る。バッフル603は、実質的に吸収性である又は反射性であり得る。
【0058】
図12Bは、実質的に垂直でない方向607に反射した光が外部フィルム605から出射することを構造物603によってどのようにして実質的に遮られるか、そして実質的に垂直な方向に反射した光609が構造物603によりどのようにして実質的に妨害されないかを説明する。図12A及び図12Bに示された実施形態では、バッフル構造物603の形状(及び方向)、サイズ(例えば、長さ)、及びスペーシングに応じて、視界が狭くされる。例えば、バッフル603は、ディスプレイ600の前面606に垂直な面610から測定して約20度より大きくない視界又は40度より大きくない視界を与えるためのサイズ、形状、及びスペーシングを有することができる。視界は、それゆえ、垂線から測定して20度、25度、30度、35度及び40度の間であり得る。1つの具体例の実施形態では、バッフル603は、約30度の視界を有するディスプレイ600を提供する。本明細書中で使用されるように、用語バッフルは、図12A及び図12Bに図示された構造物603を含むが、限定されない。
【0059】
バッフル構造物603は、図12C及び図12Dに図示された実施形態にしたがって形成されることができる。例えば、複数の実質的に垂直に向きを揃えて配列された柱状フィーチャ612は、柱状の形状をした透過性物質の外側表面612a上に不透明物質のコーティングを有する柱状の形状の透過性物質を備えることができる。柱状フィーチャ612は、一緒に束ねられそして向きを揃えて配列されることができる。垂直に向きを揃えて配列された柱状フィーチャ612の間のスペースは、ポリカーボネート、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、アクリル、又はポリメチルメタクリレート(PMMA)のような透過性物質で埋められることができ、それらはこれらの垂直に向きを揃えて配列された柱状フィーチャ612の母材613を形成する。その中に配置された柱状フィーチャ612を有する母材613は、線A−Aを横切って垂直に切断されることができて、薄いフィルムを生成する。外部フィルム605を形成するための切断面の上面図が図12Dに図示される。この実施形態では、柱状フィーチャ612の不透明な外側表面612aは、実質的に垂直でない方向に外部フィルム605を出る光を実質的に遮る。
【0060】
バッフル構造物603は、同様に、図12E及び図12Fを参照して説明されるような別の実施形態にしたがって作られることができる。図12Eでは、複数の積み重ねられた層を有する多層構造物618が作られる。多層構造物618は、交互の実質的に透過性物質615の層と実質的に不透明物質の層614とを有する。この多層構造物618を製作するために、わずかに拡散物質を備えることができる光学的透過性層615が形成され、実質的に不透明物質を備える不透明層614がその上に形成される。多層構造物618は、それから線A−Aを横切って垂直に切断されることができる。外部フィルム605を形成するための切断面の上面図が図12Fに図示される。実質的に不透明な層614は、実質的に垂直でない方向に外部フィルム605を出る光を実質的に遮るバッフル603を形成する。
【0061】
図12Gに図示されたように、外部フィルム605は、水平な不透明層616及び垂直な不透明層617を備える2次元の格子を備える。この2次元の格子は、多層構造物618(図12E)から切断された1対の切片を使用して製作されることができ、図12Fに図示されたように1つの切片が他の前に置かれる。切片のうちの1つは、別の外部フィルム構造物605に相対的に実質的に垂直に向けられる。別の並べ方及び構成も、同様に可能である。
【0062】
ある実施形態では、図12Cから図12Gに示されたバッフル構造物603は、反射性物質を備えることができる。例えば、図12Hを参照して、空間光変調器105に最も近いバッフル構造物603の一部が実質的に反射性である場合、バッフルの反射性部分625上に入射される空間光変調器105で反射された光620は、外部フィルム構造物605を通過しないが、空間光変調器105に反射して戻されるはずである。あるいは、バッフル構造物603の外側表面603a及び603bは、実質的に反射性物質で形成されることができ、例えば、バッフル構造物603上の実質的に反射性物質のフラッシュ・コーティングである。この実施形態では、バッフル構造物603の底部分は、同様に、実質的に反射性物質を用いてフラッシュ・コートされることができる。
【0063】
ある複数の実施形態では、光干渉変調器は、ユーザ入力デバイスを組み込むことができ、しかも、それは光干渉変調器で反射される光の特性を変えることができる。例えば、図13Aのディスプレイ700は、空間光変調器105の外側表面に接続されているタッチスクリーン705を含む。タッチスクリーン705は、ユーザからタッチ信号を受けるために構成された外側タッチ表面730を有する外側タッチスクリーン部分715、及びディスプレイ105に取り付けられている内側タッチスクリーン部分720を含む。タッチスクリーン内側部分720及びタッチスクリーン外側部分715は、スペース710によって分離され、そしてスペーサ717によって離されて保持されている。ユーザ入力に関して、タッチスクリーン705は、本技術において周知の方法で操作できる、例えば、ユーザは外側タッチスクリーン部分715上のタッチ表面730に圧力を加える、それは、タッチスクリーン内側部分720と接触させて、そしてアクティブされた時に信号を送るために構成されている回路をアクティブにする。ユーザ入力機能を提供することに加えて、タッチスクリーン705は、タッチスクリーン内側部分720内に光拡散性物質731を及び/又はタッチスクリーン外側部分715内に光拡散性物質725をともなって構成されることができる。
【0064】
図13Bは、拡散性物質を有するタッチスクリーン外側部分715及び/又はタッチスクリーン内側部分720の1実施形態の側面図である。この実施形態では、拡散性物質は、上層750aと下層750bとの間の拡散性接着剤751である。拡散性接着剤751は、散乱光の散乱中心として作用するフィラー粒子751aを混合した接着剤であり得る。光を屈折させる、反射させる、又は散乱させる任意の好適な物質が、フィラー粒子751aとして使用されることができる。例えば、フィラー粒子751aは、次のポリマ:ポリスチレン・シリカ、ポリメチル−メタクリレート(PMMA)、及び中空のポリマ粒子、のような物質で作られることができるが、これらに限定されない。1つの代わりの実施形態では、拡散性接着剤751は、光を屈折させる気泡を有するように構成される。他の実施形態では、不透明非反射性粒子が使用されることができる。上層750a及び/又は下層750bは、ポリカーボネート、アクリル、及びポリエチレン・テレフタレート(PET)のような物質、同様に他の物質を備えることができる。図13Cは、拡散性物質を備えているタッチスクリーン外側部分715及び/又はタッチスクリーン内側部分720の別の1つの実施形態であり、そこでは拡散性物質752は、タッチスクリーンの上側及び/又は下側部分715,720を形成する層750中に組み込まれる。図13Dは、拡散性物質753がタッチスクリーン705と空間光変調器105との間にある1つの実施形態である。例えば、図13Dでは、拡散性物質753は、空間光変調器105の外側表面754の上面上にコートされる。この実施形態では、拡散性物質753は、ディスプレイ105の外側表面754上にパターニングされることができ、そこでは拡散性物質753は、空間光変調器105の外側表面754とタッチスクリーン705との間にある。ある複数の実施形態では、拡散性物質753は、例えば、空間光変調器105のガラス外側表面上にスピンされることができる。ある種の実施形態では、拡散性物質は、紫外線エポキシ又は熱硬化性エポキシと混合された散乱フィーチャを備えることができる。エポキシが使用される場合に、拡散性物質753は、エポキシと混合されたフィラー粒子であることができ、そこではフィラー粒子は、光を散乱させるための散乱中心として作用する。別の構成も、同様に可能である。
【0065】
図14Aは、空間光変調器105に取り付けられた内側部分720を有するタッチスクリーン705を含むディスプレイ800の1つの実施形態を示し、それは基板、及びユーザ入力を受けるためのタッチスクリーン表面730を有する外側部分715を含む。スペーサ717は、内側部分720と外側部分715との間のギャップ710内に配置される。ディスプレイ800は、しかも、タッチスクリーン705、例えば、内側部分720、外側部分715、又は両方に光719を与えるために構成された光源740を含む。1つの実施形態では、タッチスクリーン705は、光719の向きを変える光学的構造物を含むことができ、その結果、光は、空間光変調器105上に入射される。ある複数の実施形態では、光学的構造物は、タッチスクリーン705の内側に傾斜させた(inclined)又は斜めの(slanted)面を備える。ある複数の実施形態では、内部全反射(TIR:total internal reflection)素子が使用されることができる。同様に、ある種の実施形態では、光学素子は、光を散乱させる粒子を備え、その結果、散乱された光の一部は、空間光変調器105上に入射する。ある複数の実施形態では、タッチスクリーン705の内側部分720内の物質745及び/又は外側部分715内の物質735は、燐光物質を含むことができる。この燐光物質は、光源740からの光719によりアクティブにされた時に光を放出し、タッチスクリーン705及び空間光変調器105に直接的に光を与え、その光はその後、タッチスクリーン705に反射して戻されることができる。
【0066】
図14B1及び図14B2に図示された別の実施形態では、タッチスクリーン705を有するディスプレイ800は、同様に、起伏を付けられた光ガイドを含むことができる。例えば、図14B1では、タッチスクリーン705の内側部分720は、起伏を付けられた、例えば、溝を付けられた表面765を有するプレート又は層760aを備えることができる。この起伏を付けられた表面765は、複数の斜めの部分を含むことができる。この表面765は、例えば、のこぎり歯形状を有することができる。透過性物質760bは、そこで表面765の起伏又は溝内に置かれることができ、プレート/層760aの上方に実質的に平坦な表面760cを形成する。光源740は、プレート又は層760aへと光719を向ける、そこでは、光719が光学的に導かれる。プレート760a内を伝播している光は、表面765の傾斜した部分で反射し、そして空間光変調器105に向けて進む。光をガイドするプレート又は層760a、若しくはいずれかの別の好適な光ガイドを使用している実施形態では、ディフューザ物質は、プレート760aの上方又は下方のディスプレイ800内に組み込まれることができる。例えば、拡散性物質は、タッチスクリーン705の外側部分715の内部に又は空間光変調器105の外側表面754上にあり得る。
【0067】
図14B2に図示された1つの代わりの実施形態では、プレート又は層760aは、タッチスクリーン705と空間光変調器105との間に置かれることができる。この実施形態では、透過性物質760b(図14B1)は、プレート760aの表面765上に置かれない。むしろ、空気又は真空が、プレート/層760aとタッチスクリーン705との間のキャビティ760cを占有する。
【0068】
図14Cに図示された別の1つの実施形態では、光源740に関する光719は、タッチスクリーン705の端部の中に向けられることができ、そしてタッチスクリーン705の少なくとも一部を通って導かれることができる、そしてタッチスクリーン705は、この光を空間光変調器105に向けて向きを変えるフィーチャを備えることができる。例えば、図14Cでは、タッチスクリーン705の内側部分720は、空間光変調器105に向けて光を散乱させる粒子770を組み込むことができる。図14Dにより図示されたように、内側部分720は、上層750aと下層750bとの間に接着剤中に混合された粒子770を用いて多層にされることができる。上層750a及び/又は下層750bは、ポリカーボネート、アクリル、及びポリエチレン・テレフタレート(PET)のような物質、又は他の物質を備えることができる。図14Eに図示されたような別の実施形態では、散乱フィーチャ又は散乱粒子770は、空間光変調器105の外側表面754の一番上にコートされることができる。これらの散乱フィーチャ又は散乱粒子770は、光干渉変調器の可動反射体に向けて光の向きを変えることができる:例えば、米国特許出願番号第10/794,825号、2004年3月5日出願、そして名称“統合された変調器照明(Integrated Modulator Illumination)”を参照のこと、これは引用により本明細書中に取り込まれている。この実施形態では、散乱フィーチャ又は散乱粒子770は、ディスプレイ105の外側表面754上にパターニングされることができる、そこでは、散乱フィーチャ770は、空間光変調器105の外側表面754とタッチスクリーン705との間にある。ある種の実施形態では、散乱フィーチャ770は、空間光変調器105のガラス表面上にスピンされることができる。ある複数の実施形態では、散乱フィーチャは、紫外線エポキシ又は熱硬化性エポキシと混合される。エポキシが使用される場合に、散乱フィーチャ770は、エポキシと混合された粒子を備えることができ、そこでは粒子は、散乱中心として働き、光干渉変調器の鏡面にされた表面に向けて光の向きを変える。
【0069】
図15Aは、複数のアクティブな反射体領域の間のインアクティブな領域上に入射する光を使用するディスプレイ1100の1つの実施形態の代表例である。本明細書中で使用されるように、用語インアクティブ領域は、光干渉変調器の複数の反射領域(例えば、鏡)の間のスペースを含むが、これに限定されない。本明細書中で使用されるように、アクティブ領域は、例えば、光干渉変調器の反射領域(例えば、鏡)、それは光学的キャビティを形成する、を含むが、これに限定されない。
【0070】
図15Aを参照して、ディスプレイ1100は、空間光変調器105の外側表面に接続されたフィルム1105を含む。赤1121、緑1122、及び青1123のアクティブ反射体領域は、空間光変調器105の底面上に示され、そしてディスプレイ1100の多数のアクティブ反射体領域(例えば、共鳴光学キャビティ)を表す。第1のスペース1110は、赤色アクティブ反射体領域1121を緑色アクティブ反射体領域1122から分離し、緑色アクティブ反射体領域1122は第2のスペース1111によって青色アクティブ反射体領域から分離される。スペース1110及び1111は、約2から10μmの間の幅であることができ、そして互いに約125から254μmだけ離れて間を空けられる。同様に、光の向きを変えるフィルム1105中のスペース1110及び1111内の光学的フィーチャは、約2から10μmの幅であることができ、そして互いに約125から254μmだけ離れて間を空けられる。これらの範囲外の大きさも可能である。
【0071】
一般に、フィルム1105を用いないと、第1のスペース1110又は第2のスペース1111の領域上に入射する光は、アクティブ反射体領域1121,1122,1123のうちの1つに届かないことがある。光干渉変調器1100の反射率を増加させるために、複数のアクティブ反射体領域の間のインアクティブ領域(例えば、第1のスペース1110及び第2のスペース1111)上に入射する光は、アクティブ反射体領域1121,1122,1123のうちの1つに向きを変えられることができる。インアクティブ領域及びアクティブ反射体領域の位置が既知であるので、外部フィルム1105は、インアクティブ領域1110及び1111内のフィルム1105上に入射する光1115を矢印1120により示されるように、アクティブ反射体領域1121,1122,1123(例えば、光学的キャビティ)の中へと向きを変えて戻すように構成されることができる。ある複数の実施形態では、フィルム1105は、光の向きを変えるための反射体を含む。ある複数の実施形態では、フィルム1105は、光の向きを変えるためにスペース1110及び1111の領域内にカスタマイズされた屈折率で構成される。別の実施形態では、フィルム1105は、スペース1110、1111の領域内に散乱性成分を含むことができ、その結果、光の少なくとも一部は、アクティブ反射体領域(例えば、光学的キャビティ)の中へと散乱されそしてその上へと達する。
【0072】
図15Bに図示された1つの代わりの実施形態では、フィルム1105は、反射体領域1121,112,1123の上方であるが空間光変調器105の基板の下方に置かれる。フィルム1105は、そのように空間光変調器105内にある。この実施形態では、フィルム1105は、矢印1120により示されたように、アクティブ領域上を照射するが通常はインアクティブ領域に進むはずである光1115をアクティブ反射体領域1121,1122,1123に向きを変えるために構成される。
【0073】
図16Aから図16Hを参照して、外部フィルムの種々の実施形態が図示される。図16Aでは、外部フィルム1205は、光を散乱する散乱領域1212を有する。図16Aに図示されたように、光を散乱するこれらの散乱領域1212は、光を散乱しない領域1217で挟まれることができる。散乱領域1212は、例えば、反射又は屈折によって光を散乱できる。図16Bを参照して、外部フィルム1205は、より低い屈折率の物質を備えた母材又はフィルム内部により高い屈折率の領域を有する。この実施形態は、TIRを使用して光の向きを変える。例えば、高屈折率を有する外部フィルム1205の区域が光干渉変調器のアクティブ領域を覆って置かれ、そして低屈折率を有する外部フィルム1205の区域が光干渉変調器のインアクティブ領域を覆って置かれる場合に、通常はインアクティブ領域に通過するはずの外部フィルム1205の低屈折領域上に入射する光のあるものは、光干渉変調器のアクティブ領域に向きを変えられる。図16Cを参照して、外部フィルム1205は、外部フィルムの1つの表面上に凹んだ領域1213を有することができ、それは凹レンズとして作用する。図16Dを参照して、外部フィルム1205は、領域1214内にフレネル・レンズを有することができる。別の実施形態では、ホログラフ光学素子又は回折光学素子が、領域1214のところに配置される。これらの光学素子は、光を散乱させる又は回折させることができ、そして例えば、負の能率を有するレンズとして動作し、レンズ上に入射する光をアクティブ領域に向けて向きを変える。図16Eを参照して、外部フィルム1205は、反対に傾斜した表面1215有することができ、異なるアクティブ領域に向けて反対の方向に光を屈折させる。図16Fは、同じ方向に光を屈折させるために同じように向きを定められた表面1215を有する外部フィルム1205を示す。図16Gを参照して、外部フィルム1205は、1又はそれより多くの反射する傾斜した表面1216を有することができ、それはアクティブ領域に向けて光を反射する。多くの他の構成が可能であり、それは同様に、外部フィルム1205のところで光を所望の方向に向きを変えることを実現する。
【0074】
ここで図17を参照して、光干渉変調器1200は、空間光変調器105の外側表面に接続された外部フィルム1205を含むことができ、そこではフィルム1205は、広い範囲の角度で入射する光を集光するため、そして光変調素子上へとより狭い範囲の角度に光を向ける。図17では、外部フィルム1205は、様々な角度で入射光1206,1207を受けそして実質的に光を平行にするため(矢印1208,1209により表される)、そしてアクティブな反射体1211の方に光を向けるために構成される。ある複数の実施形態では、図17に示されたもののように、外部フィルム1205は、実質的に光を平行にするコリメーティング素子1218を含む。ある複数の実施形態では、外部フィルム1205は、複数の非結像光学素子、例えば、複合パラボラ集束器、1218を含む。非結像光学素子、例えば、複合パラボラ集束器1218は、ある範囲の角度で外部フィルム1205上に入射される光1206及び1207の少なくともあるものを平行にする。光1208及び1209の一部は、その後、さらに垂直な角度で複合パラボラ集束器1218を出て、そしてアクティブ反射体1211の方に向けられる。その光1208及び1209のあるものは、その後、アクティブ反射体1211により反射され、そして限られた範囲の角度でディスプレイ1200から外に出る光1210a及び1210bとしてディスプレイ1200を出射する。したがって、フィルム1205は、限られた視界を有する。ある複数の実施形態では、光1210a及び1210bの少なくともあるものは、外部フィルム1205の前表面に垂直な面610から約70°よりも大きくない角度の円錐形でディスプレイ1200を出射する。ある複数の実施形態では、円錐の角度は、外部フィルム1205の前表面に垂直な面610から約65°、60°、55°、50°、45°、40°、35°、30°、25°、又は20°よりも大きくない角度である。コリメーティング素子1205は、デバイス1200の視界を実効的に制限する、その理由は、光が、一般的に入射角よりも実質的に大きな角度でディスプレイ1200から外に出ないためである。したがって、外部フィルムの視界は、垂線から測定されたとして約70°、65°、60°、55°、50°、45°、40°、35°、30°、25°、又は20°若しくはそれより小さいことがある。これらの角度は、半分の角度である。これらの範囲の外側の別の値も、同様に可能である。
【0075】
図18Aから図18Cは、空間光変調器105の前方に配置された光学フィルム1305を含むディスプレイ1300の別の1つの実施形態を図示する。光学フィルム1305は、広い範囲の各度で入射する光を受け、そして光変調素子上へとより狭い範囲の角度に光を向けるために構成される。光学フィルム1305は、しかも光を拡散させる。ある種の実施形態では、光学フィルム1305は、光を拡散させるために構成され、その結果ディフューザ素子上に入射する光が入射光よりもさらに平行にされて光変調素子へ向けられる。
【0076】
1つの実施形態では、光学フィルム1305は、ホログラフ・ディフューザを備える。ホログラフ・ディフューザは、光を操作するために、例えば、狭い範囲の角度にわたり強められた強度分布を生成するために、配列された回折性フィーチャを備える。別の1つの実施形態では、光学フィルム1305は、複数の非結像性光学素子、例えば、上記されたような複数の複合パラボラ集束器及び光学フィルム1305の上側表面1340上の拡散性物質の薄い層、を含む。別の1つの実施形態では、光学フィルム1305は、外側表面1340上に拡散性物質のフィルムを有する別のコリメーティング素子を含む。
【0077】
図18Aを参照して、フィルム1305は、入射光1310を受けるために構成される。図18Bを参照して、フィルムは、しかも入射光1310の向きを実質的に変えるために構成され(実質的に向きを変えられた光は矢印1315によって表示される)、それはアクティブな反射体の表面に垂直に向けて、空間光変調器105内部のアクティブな反射体に向けられる。+/−75°の範囲にわたる入射光に関して、向きを変えられた光は、+/−35°の範囲になることができ、そこでは、角度は、垂線から測定される。この実施形態では、向きを変えられた光は、実質的に平行にされる。ある複数の実施形態では、反射体は、空間光変調器105の底部のところであり得る。図18Cを参照して、アクティブな反射体で反射された光1325は、フィルム1305の下側表面1330に入る。フィルム1305は、その下側表面1330のところで反射された鏡面反射光を受けるように構成され、そして拡散光としてフィルム1305から放出される前に拡散される。ある複数の実施形態では、光は、フィルム1305を伝播して通るにつれて拡散される。他の実施形態では、光は、フィルム1305の上側表面1340(又は下側表面1330)のところで拡散される。別の構成又は上記の範囲外の値も、同様に可能である。
【0078】
これまでの説明は、本発明のある実施形態を詳細に説明する。しかしながら、上記の詳細が文章中にどのように記載されたとしても、本発明は、多くの方法で実行されることができることが、理解される。同様に上記されたように、本発明のある種の特徴または態様を記載する時に特定の用語の使用が、その用語が関係付けられる本発明の特徴又は態様のいずれかの具体的な特性を含むことで限定されるように本明細書中で再定義されることを意味するように取られるべきないことに、注意すべきである。
【符号の説明】
【0079】
12…干渉変調器,14…可動反射層(可動鏡),16…光学積層構造(固定鏡),18…支柱,19…キャビティ,20…基板,30…ディスプレイ・アレイ(ディスプレイ),40…ディスプレイ・デバイス,41…ハウジング,43…アンテナ,44…スピーカ,46…マイクロフォン,48…入力デバイス,32…連結部,34…変形可能層,42…支持ポスト・プラグ,44’…バス構造,105…空間光変調器,110,305,405…外部フィルム,120…基板,125…誘電体層,150…赤反射体、160…緑反射体,170…青反射体,130,135,140…反射体,505…全面プレート,530…外部フィルム,515…光源,603…構造物(バッフル),605…外部フィルム,612…柱状フィーチャ,613…母材,614…不透明物質層,615…透過性物質,705…タッチスクリーン,710…空隙,717…スペーサ,715…タッチスクリーン外側部分,720…タッチスクリーン内側部分,751…拡散性接着剤,751a…フィラー粒子,740…光源,770…散乱粒子,1100…ディスプレイ,1105…フィルム,1110,1111…スペース,1121,1122,1123…アクティブ反射体領域,1205…外部フィルム,1212…光散乱領域,1217…光を散乱しない領域,1213…凹んだ領域,1214…フレネル・レンズ領域,1218…コリメーティング素子,1211…反射体,1305…光学フィルム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子、ここにおいて、該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び
該ディスプレイの視界を制限するために構成された複数の素子、
を具備することを特徴とするディスプレイ。
【請求項2】
該ディスプレイの視界を制限するために構成された該複数の素子は、複数のバッフルを備えることを特徴とする請求項1のディスプレイ。
【請求項3】
該複数のバッフルは、該複数の光変調素子を覆って形成された光学層中に組み込まれることを特徴とする請求項2のディスプレイ。
【請求項4】
光を変調する該複数の光変調素子は、水平面内に配置されたアレイを形成する、そして該複数のバッフルは、垂直面に平行である実質的に平らな表面を備えることを特徴とする請求項2のディスプレイ。
【請求項5】
該複数のバッフルは、個々のバッフル間にスペーシングを備える、ここにおいて、前記スペーシングは該ディスプレイの前表面に垂直な面から約40度よりも大きくない視野角を与える大きさを有する、ここにおいて、該角度は、該垂直面に対して半分の角度として測定されることを特徴とする請求項2のディスプレイ。
【請求項6】
該複数のバッフルは、個々のバッフル間にスペーシングを備える、ここにおいて、前記スペーシングは該ディスプレイの前表面に垂直な面から約20度よりも大きくない視野角を与える大きさを有する、ここにおいて、該角度は、該垂直面に対して半分の角度として測定されることを特徴とする請求項2のディスプレイ。
【請求項7】
該バッフルは、実質的に不透明であることを特徴とする請求項2のディスプレイ。
【請求項8】
該バッフルは、実質的に平面の不透明な表面を備えることを特徴とする請求項7のディスプレイ。
【請求項9】
該バッフルは、吸収性物質を備えることを特徴とする請求項2のディスプレイ。
【請求項10】
該バッフルは、反射性物質を備えることを特徴とする請求項2のディスプレイ。
【請求項11】
該ディスプレイの視界を制限するために構成された該複数の素子は、広い範囲の角度で入射する光を集めるため、そして該光変調素子上へとより狭い範囲の角度に光を向けるために成形された曲がった反射表面を備える光集束器のアレイを備えることを特徴とする請求項1のディスプレイ。
【請求項12】
該複数の素子は、該ディスプレイの前表面に垂直な面から約70度よりも大きくない角度に該ディスプレイの視界を制限する、ここにおいて、該角度は、該垂直面に対して半分の角度として測定されることを特徴とする請求項11のディスプレイ。
【請求項13】
該複数の素子は、該ディスプレイの前表面に垂直な面から約20度よりも大きくない角度に該ディスプレイの視界を制限する、ここにおいて、該角度は、該垂直面に対して半分の角度として測定されることを特徴とする請求項11のディスプレイ。
【請求項14】
前記光集束器は、非結像光学素子を備えることを特徴とする請求項11のディスプレイ。
【請求項15】
前記非結像光学素子は、複合パラボラ集束器を備えることを特徴とする請求項14のディスプレイ。
【請求項16】
前記反射表面は、該光集束器を通り抜ける中心光軸に関して対称であることを特徴とする請求項11のディスプレイ。
【請求項17】
前記光集束器は、該光集束器を通り抜ける中心光軸に関して円対称であることを特徴とする請求項11のディスプレイ。
【請求項18】
前記曲がった反射表面は、前記光集束器のための入力アパーチャ及び出力アパーチャを規定する、ここにおいて、前記出力アパーチャは前記入力アパーチャよりも大きいことを特徴とする請求項11のディスプレイ。
【請求項19】
前記曲がった反射表面は、光を実質的に平行にするように成形されることを特徴とする請求項11のディスプレイ。
【請求項20】
該複数の光変調素子と電気的に通信するプロセッサ、ここにおいて、前記プロセッサは画像データを処理するために構成される;及び
前記プロセッサと電気的に通信するメモリ・デバイス、
をさらに具備することを特徴とする請求項1のディスプレイ。
【請求項21】
該複数の光変調素子に少なくとも1つの信号を送るために構成されたドライバ回路をさらに具備することを特徴とする請求項20のディスプレイ・システム。
【請求項22】
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部を送るために構成されたコントローラをさらに具備することを特徴とする請求項21のディスプレイ・システム。
【請求項23】
前記プロセッサに前記画像データを送るために構成された画像ソース・モジュールをさらに具備することを特徴とする請求項20に記載のディスプレイ・システム。
【請求項24】
前記画像ソース・モジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項23に記載のディスプレイ・システム。
【請求項25】
入力データを受け取るため、そして前記プロセッサに前記入力データを通信するために構成された入力デバイスをさらに具備することを特徴とする請求項20に記載のディスプレイ・システム。
【請求項26】
第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子、ここにおいて、該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び
当該ディフューザ素子上に入射する光が該入射光よりもさらに平行にされて該光変調素子に向けられるように光を拡散させるために構成された該複数の光変調素子の前方のディフューザ素子、
を具備することを特徴とするディスプレイ。
【請求項27】
該ディフューザ素子は、該ディフューザ素子上に入射する光が該入射光よりもさらに平行にされて該光変調素子に向けられるように配列された複数の散乱フィーチャを備えることを特徴とする請求項26のディスプレイ。
【請求項28】
該ディフューザ素子は、回折光学素子を備えることを特徴とする請求項26のディスプレイ。
【請求項29】
該ディフューザ素子は、ホログラフ光学素子を備えることを特徴とする請求項28のディスプレイ。
【請求項30】
該ディフューザ素子は、多層フィルムを備えることを特徴とする請求項26のディスプレイ。
【請求項31】
該多層フィルムは、
該ディフューザ素子上に入射する光を実質的に平行にするために構成された第1の層;及び
該光変調素子で反射された光を拡散させるために構成された拡散性物質を備える第2の層、
を備えることを特徴とする請求項30のディスプレイ。
【請求項32】
該複数の光変調素子と電気的に通信するプロセッサ、ここにおいて、前記プロセッサは画像データを処理するために構成される;及び
前記プロセッサと電気的に通信するメモリ・デバイス、
をさらに具備することを特徴とする請求項26のディスプレイ。
【請求項33】
該複数の光変調素子に少なくとも1つの信号を送るために構成されたドライバ回路をさらに具備することを特徴とする請求項32に記載のディスプレイ・システム。
【請求項34】
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部を送るために構成されたコントローラをさらに具備することを特徴とする請求項33に記載のディスプレイ・システム。
【請求項35】
前記プロセッサに前記画像データを送るために構成された画像ソース・モジュールをさらに具備することを特徴とする請求項32に記載のディスプレイ・システム。
【請求項36】
前記画像ソース・モジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項35に記載のディスプレイ・システム。
【請求項37】
入力データを受け取るため、そして前記プロセッサに前記入力データを通信するために構成された入力デバイスをさらに具備することを特徴とする請求項32に記載のディスプレイ・システム。
【請求項38】
ディスプレイを製作する方法であって、
第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子を形成すること、ここにおいて、該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び
該ディスプレイの視界を制限するために構成された複数の素子を形成すること、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項39】
該ディスプレイの視界を制限するために構成された該複数の素子は、複数のバッフルを備えることを特徴とする請求項38の方法。
【請求項40】
該複数のバッフルは、該複数の光変調素子を覆って形成された光学層中に組み込まれることを特徴とする請求項39の方法。
【請求項41】
該複数の光変調素子は、水平面内に配置された光変調アレイを形成する、そして該バッフルは、垂直面に平行に向きを揃えて並べられることを特徴とする請求項39の方法。
【請求項42】
該複数のバッフルは、個々のバッフル間にスペーシングを備える、ここにおいて、前記スペーシングは該ディスプレイの前表面に垂直な面から約40度よりも大きくない視野角を与える大きさを有する、ここにおいて、該角度は、該垂直面に対して半分の角度として測定されることを特徴とする請求項39の方法。
【請求項43】
該バッフルは、実質的に不透明であることを特徴とする請求項39の方法。
【請求項44】
該バッフルは、実質的に平面の不透明な表面を備えることを特徴とする請求項43の方法。
【請求項45】
該バッフルは、吸収性物質を備えることを特徴とする請求項39の方法。
【請求項46】
該バッフルは、反射性物質を備えることを特徴とする請求項39の方法。
【請求項47】
該ディスプレイの視界を制限するために構成された該複数の素子は、広い範囲の角度で入射する光を集めるため、そして該光変調素子上へとより狭い範囲の角度に光を向けるように成形された曲がった反射表面を備える光集束器のアレイを備えることを特徴とする請求項38の方法。
【請求項48】
前記光集束器は、非結像光学素子を備えることを特徴とする請求項47の方法。
【請求項49】
前記非結像光学素子は、複合パラボラ集束器を備えることを特徴とする請求項48の方法。
【請求項50】
前記反射表面は、該光集束器を通り抜ける中心光軸に関して対称であることを特徴とする請求項47の方法。
【請求項51】
前記光集束器は、該光集束器を通り抜ける中心光軸に関して円対称であることを特徴とする請求項47の方法。
【請求項52】
前記曲がった反射表面は、前記光集束器のための入力アパーチャ及び出力アパーチャを規定する、ここにおいて、前記出力アパーチャは前記入力アパーチャよりも大きいことを特徴とする請求項47の方法。
【請求項53】
前記曲がった反射表面は、光を実質的に平行にするように成形されることを特徴とする請求項47の方法。
【請求項54】
請求項38ないし53のいずれかの方法によって形成されたディスプレイ。
【請求項55】
ディスプレイを製作する方法であって、
第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子を形成すること、
ここにおいて、該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び
広い範囲の角度で入射する光を受けるため、そして該光変調素子上へとより狭い範囲の角度に光を向けるために構成された該複数の光変調素子の前方のディフューザ素子を形成すること、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項56】
該ディフューザ素子は、広い範囲の角度で該ディフューザ素子上に入射する該光が該光変調素子上へとより狭い範囲の角度へと向けられるように配置された複数の散乱フィーチャを備えることを特徴とする請求項55の方法。
【請求項57】
該ディフューザ素子は、回折光学素子を備えることを特徴とする請求項55の方法。
【請求項58】
該ディフューザ素子は、ホログラフ光学素子を備えることを特徴とする請求項57の方法。
【請求項59】
該ディフューザ素子は、多層フィルムを備えることを特徴とする請求項55の方法。
【請求項60】
該多層フィルムは、
実質的に広い範囲の角度で入射する光を受けるため、そして該光変調素子上へとより狭い範囲の角度に該光を向けるために構成された第1の層;及び
該光変調素子で反射された光を拡散させるために構成された拡散性物質を備える第2の層、
を備えることを特徴とする請求項59の方法。
【請求項61】
請求項55ないし60のいずれかの方法によって形成されたディスプレイ。
【請求項62】
光を操作するための第1の光学手段及び第2の光学手段を備える光を変調するための手段、ここにおいて、前記第2の光学手段は前記第1の光学手段に対して移動可能である;
及び
該光変調手段の視界を制限するための手段、
を具備することを特徴とするディスプレイ。
【請求項63】
該光変調手段は、複数の光変調素子を備えることを特徴とする請求項62のディスプレイ。
【請求項64】
前記第1の光学手段及び第2の光学手段は、第1の光学表面及び第2の光学表面を備える、ここにおいて、前記第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能であることを特徴とする請求項62又は63のディスプレイ。
【請求項65】
前記複数の光変調素子は、複数の光干渉変調器を備えることを特徴とする請求項62,63,又は64のディスプレイ。
【請求項66】
前記視界を制限するための手段は、バッフルを備えることを特徴とする請求項62,63,64,又は65のディスプレイ。
【請求項67】
光を操作するための第1の光学手段及び第2の光学手段を備える光を変調するための手段、ここにおいて、該第2の光学手段は前記第1の光学手段に対して移動可能である;及び
当該拡散させる手段上に入射する光がその上に入射する該光よりもさらに平行にされて該光変調手段に向けられる該光変調手段の前方の光を拡散させるための手段、
を具備するディスプレイ。
【請求項68】
前記光変調手段は、複数の光変調素子を備えることを特徴とする請求項67のディスプレイ。
【請求項69】
前記第1の光学手段及び第2の光学手段は、第1の光学表面及び第2の光学表面を備える、ここにおいて、前記第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能であることを特徴とする請求項67又は68のディスプレイ。
【請求項70】
前記複数の光変調素子は、複数の光干渉変調器を備えることを特徴とする請求項67,68、又は69のディスプレイ。
【請求項71】
前記拡散する手段は、少なくとも1つのディフューザを備えることを特徴とする請求項67,68、69、又は70のディスプレイ。
【請求項1】
第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子、ここにおいて、該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び
該ディスプレイの視界を制限するために構成された複数の素子、
を具備することを特徴とするディスプレイ。
【請求項2】
該ディスプレイの視界を制限するために構成された該複数の素子は、複数のバッフルを備えることを特徴とする請求項1のディスプレイ。
【請求項3】
該複数のバッフルは、該複数の光変調素子を覆って形成された光学層中に組み込まれることを特徴とする請求項2のディスプレイ。
【請求項4】
光を変調する該複数の光変調素子は、水平面内に配置されたアレイを形成する、そして該複数のバッフルは、垂直面に平行である実質的に平らな表面を備えることを特徴とする請求項2のディスプレイ。
【請求項5】
該複数のバッフルは、個々のバッフル間にスペーシングを備える、ここにおいて、前記スペーシングは該ディスプレイの前表面に垂直な面から約40度よりも大きくない視野角を与える大きさを有する、ここにおいて、該角度は、該垂直面に対して半分の角度として測定されることを特徴とする請求項2のディスプレイ。
【請求項6】
該複数のバッフルは、個々のバッフル間にスペーシングを備える、ここにおいて、前記スペーシングは該ディスプレイの前表面に垂直な面から約20度よりも大きくない視野角を与える大きさを有する、ここにおいて、該角度は、該垂直面に対して半分の角度として測定されることを特徴とする請求項2のディスプレイ。
【請求項7】
該バッフルは、実質的に不透明であることを特徴とする請求項2のディスプレイ。
【請求項8】
該バッフルは、実質的に平面の不透明な表面を備えることを特徴とする請求項7のディスプレイ。
【請求項9】
該バッフルは、吸収性物質を備えることを特徴とする請求項2のディスプレイ。
【請求項10】
該バッフルは、反射性物質を備えることを特徴とする請求項2のディスプレイ。
【請求項11】
該ディスプレイの視界を制限するために構成された該複数の素子は、広い範囲の角度で入射する光を集めるため、そして該光変調素子上へとより狭い範囲の角度に光を向けるために成形された曲がった反射表面を備える光集束器のアレイを備えることを特徴とする請求項1のディスプレイ。
【請求項12】
該複数の素子は、該ディスプレイの前表面に垂直な面から約70度よりも大きくない角度に該ディスプレイの視界を制限する、ここにおいて、該角度は、該垂直面に対して半分の角度として測定されることを特徴とする請求項11のディスプレイ。
【請求項13】
該複数の素子は、該ディスプレイの前表面に垂直な面から約20度よりも大きくない角度に該ディスプレイの視界を制限する、ここにおいて、該角度は、該垂直面に対して半分の角度として測定されることを特徴とする請求項11のディスプレイ。
【請求項14】
前記光集束器は、非結像光学素子を備えることを特徴とする請求項11のディスプレイ。
【請求項15】
前記非結像光学素子は、複合パラボラ集束器を備えることを特徴とする請求項14のディスプレイ。
【請求項16】
前記反射表面は、該光集束器を通り抜ける中心光軸に関して対称であることを特徴とする請求項11のディスプレイ。
【請求項17】
前記光集束器は、該光集束器を通り抜ける中心光軸に関して円対称であることを特徴とする請求項11のディスプレイ。
【請求項18】
前記曲がった反射表面は、前記光集束器のための入力アパーチャ及び出力アパーチャを規定する、ここにおいて、前記出力アパーチャは前記入力アパーチャよりも大きいことを特徴とする請求項11のディスプレイ。
【請求項19】
前記曲がった反射表面は、光を実質的に平行にするように成形されることを特徴とする請求項11のディスプレイ。
【請求項20】
該複数の光変調素子と電気的に通信するプロセッサ、ここにおいて、前記プロセッサは画像データを処理するために構成される;及び
前記プロセッサと電気的に通信するメモリ・デバイス、
をさらに具備することを特徴とする請求項1のディスプレイ。
【請求項21】
該複数の光変調素子に少なくとも1つの信号を送るために構成されたドライバ回路をさらに具備することを特徴とする請求項20のディスプレイ・システム。
【請求項22】
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部を送るために構成されたコントローラをさらに具備することを特徴とする請求項21のディスプレイ・システム。
【請求項23】
前記プロセッサに前記画像データを送るために構成された画像ソース・モジュールをさらに具備することを特徴とする請求項20に記載のディスプレイ・システム。
【請求項24】
前記画像ソース・モジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項23に記載のディスプレイ・システム。
【請求項25】
入力データを受け取るため、そして前記プロセッサに前記入力データを通信するために構成された入力デバイスをさらに具備することを特徴とする請求項20に記載のディスプレイ・システム。
【請求項26】
第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子、ここにおいて、該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び
当該ディフューザ素子上に入射する光が該入射光よりもさらに平行にされて該光変調素子に向けられるように光を拡散させるために構成された該複数の光変調素子の前方のディフューザ素子、
を具備することを特徴とするディスプレイ。
【請求項27】
該ディフューザ素子は、該ディフューザ素子上に入射する光が該入射光よりもさらに平行にされて該光変調素子に向けられるように配列された複数の散乱フィーチャを備えることを特徴とする請求項26のディスプレイ。
【請求項28】
該ディフューザ素子は、回折光学素子を備えることを特徴とする請求項26のディスプレイ。
【請求項29】
該ディフューザ素子は、ホログラフ光学素子を備えることを特徴とする請求項28のディスプレイ。
【請求項30】
該ディフューザ素子は、多層フィルムを備えることを特徴とする請求項26のディスプレイ。
【請求項31】
該多層フィルムは、
該ディフューザ素子上に入射する光を実質的に平行にするために構成された第1の層;及び
該光変調素子で反射された光を拡散させるために構成された拡散性物質を備える第2の層、
を備えることを特徴とする請求項30のディスプレイ。
【請求項32】
該複数の光変調素子と電気的に通信するプロセッサ、ここにおいて、前記プロセッサは画像データを処理するために構成される;及び
前記プロセッサと電気的に通信するメモリ・デバイス、
をさらに具備することを特徴とする請求項26のディスプレイ。
【請求項33】
該複数の光変調素子に少なくとも1つの信号を送るために構成されたドライバ回路をさらに具備することを特徴とする請求項32に記載のディスプレイ・システム。
【請求項34】
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部を送るために構成されたコントローラをさらに具備することを特徴とする請求項33に記載のディスプレイ・システム。
【請求項35】
前記プロセッサに前記画像データを送るために構成された画像ソース・モジュールをさらに具備することを特徴とする請求項32に記載のディスプレイ・システム。
【請求項36】
前記画像ソース・モジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項35に記載のディスプレイ・システム。
【請求項37】
入力データを受け取るため、そして前記プロセッサに前記入力データを通信するために構成された入力デバイスをさらに具備することを特徴とする請求項32に記載のディスプレイ・システム。
【請求項38】
ディスプレイを製作する方法であって、
第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子を形成すること、ここにおいて、該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び
該ディスプレイの視界を制限するために構成された複数の素子を形成すること、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項39】
該ディスプレイの視界を制限するために構成された該複数の素子は、複数のバッフルを備えることを特徴とする請求項38の方法。
【請求項40】
該複数のバッフルは、該複数の光変調素子を覆って形成された光学層中に組み込まれることを特徴とする請求項39の方法。
【請求項41】
該複数の光変調素子は、水平面内に配置された光変調アレイを形成する、そして該バッフルは、垂直面に平行に向きを揃えて並べられることを特徴とする請求項39の方法。
【請求項42】
該複数のバッフルは、個々のバッフル間にスペーシングを備える、ここにおいて、前記スペーシングは該ディスプレイの前表面に垂直な面から約40度よりも大きくない視野角を与える大きさを有する、ここにおいて、該角度は、該垂直面に対して半分の角度として測定されることを特徴とする請求項39の方法。
【請求項43】
該バッフルは、実質的に不透明であることを特徴とする請求項39の方法。
【請求項44】
該バッフルは、実質的に平面の不透明な表面を備えることを特徴とする請求項43の方法。
【請求項45】
該バッフルは、吸収性物質を備えることを特徴とする請求項39の方法。
【請求項46】
該バッフルは、反射性物質を備えることを特徴とする請求項39の方法。
【請求項47】
該ディスプレイの視界を制限するために構成された該複数の素子は、広い範囲の角度で入射する光を集めるため、そして該光変調素子上へとより狭い範囲の角度に光を向けるように成形された曲がった反射表面を備える光集束器のアレイを備えることを特徴とする請求項38の方法。
【請求項48】
前記光集束器は、非結像光学素子を備えることを特徴とする請求項47の方法。
【請求項49】
前記非結像光学素子は、複合パラボラ集束器を備えることを特徴とする請求項48の方法。
【請求項50】
前記反射表面は、該光集束器を通り抜ける中心光軸に関して対称であることを特徴とする請求項47の方法。
【請求項51】
前記光集束器は、該光集束器を通り抜ける中心光軸に関して円対称であることを特徴とする請求項47の方法。
【請求項52】
前記曲がった反射表面は、前記光集束器のための入力アパーチャ及び出力アパーチャを規定する、ここにおいて、前記出力アパーチャは前記入力アパーチャよりも大きいことを特徴とする請求項47の方法。
【請求項53】
前記曲がった反射表面は、光を実質的に平行にするように成形されることを特徴とする請求項47の方法。
【請求項54】
請求項38ないし53のいずれかの方法によって形成されたディスプレイ。
【請求項55】
ディスプレイを製作する方法であって、
第1の光学表面及び第2の光学表面を含んでいる複数の光変調素子を形成すること、
ここにおいて、該第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能である;及び
広い範囲の角度で入射する光を受けるため、そして該光変調素子上へとより狭い範囲の角度に光を向けるために構成された該複数の光変調素子の前方のディフューザ素子を形成すること、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項56】
該ディフューザ素子は、広い範囲の角度で該ディフューザ素子上に入射する該光が該光変調素子上へとより狭い範囲の角度へと向けられるように配置された複数の散乱フィーチャを備えることを特徴とする請求項55の方法。
【請求項57】
該ディフューザ素子は、回折光学素子を備えることを特徴とする請求項55の方法。
【請求項58】
該ディフューザ素子は、ホログラフ光学素子を備えることを特徴とする請求項57の方法。
【請求項59】
該ディフューザ素子は、多層フィルムを備えることを特徴とする請求項55の方法。
【請求項60】
該多層フィルムは、
実質的に広い範囲の角度で入射する光を受けるため、そして該光変調素子上へとより狭い範囲の角度に該光を向けるために構成された第1の層;及び
該光変調素子で反射された光を拡散させるために構成された拡散性物質を備える第2の層、
を備えることを特徴とする請求項59の方法。
【請求項61】
請求項55ないし60のいずれかの方法によって形成されたディスプレイ。
【請求項62】
光を操作するための第1の光学手段及び第2の光学手段を備える光を変調するための手段、ここにおいて、前記第2の光学手段は前記第1の光学手段に対して移動可能である;
及び
該光変調手段の視界を制限するための手段、
を具備することを特徴とするディスプレイ。
【請求項63】
該光変調手段は、複数の光変調素子を備えることを特徴とする請求項62のディスプレイ。
【請求項64】
前記第1の光学手段及び第2の光学手段は、第1の光学表面及び第2の光学表面を備える、ここにおいて、前記第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能であることを特徴とする請求項62又は63のディスプレイ。
【請求項65】
前記複数の光変調素子は、複数の光干渉変調器を備えることを特徴とする請求項62,63,又は64のディスプレイ。
【請求項66】
前記視界を制限するための手段は、バッフルを備えることを特徴とする請求項62,63,64,又は65のディスプレイ。
【請求項67】
光を操作するための第1の光学手段及び第2の光学手段を備える光を変調するための手段、ここにおいて、該第2の光学手段は前記第1の光学手段に対して移動可能である;及び
当該拡散させる手段上に入射する光がその上に入射する該光よりもさらに平行にされて該光変調手段に向けられる該光変調手段の前方の光を拡散させるための手段、
を具備するディスプレイ。
【請求項68】
前記光変調手段は、複数の光変調素子を備えることを特徴とする請求項67のディスプレイ。
【請求項69】
前記第1の光学手段及び第2の光学手段は、第1の光学表面及び第2の光学表面を備える、ここにおいて、前記第2の光学表面は該第1の光学表面に対して移動可能であることを特徴とする請求項67又は68のディスプレイ。
【請求項70】
前記複数の光変調素子は、複数の光干渉変調器を備えることを特徴とする請求項67,68、又は69のディスプレイ。
【請求項71】
前記拡散する手段は、少なくとも1つのディフューザを備えることを特徴とする請求項67,68、69、又は70のディスプレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【図12G】
【図12H】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14A】
【図14B1】
【図14B2】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図16E】
【図16F】
【図16G】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【図12G】
【図12H】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14A】
【図14B1】
【図14B2】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図16E】
【図16F】
【図16G】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【公開番号】特開2011−138138(P2011−138138A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−5279(P2011−5279)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【分割の表示】特願2007−533498(P2007−533498)の分割
【原出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(506109856)クゥアルコム・メムス・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM MEMS Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】5775 Morehouse Drive, San Diego, CA 92121−1714,U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5279(P2011−5279)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【分割の表示】特願2007−533498(P2007−533498)の分割
【原出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(506109856)クゥアルコム・メムス・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM MEMS Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】5775 Morehouse Drive, San Diego, CA 92121−1714,U.S.A.
【Fターム(参考)】
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