説明

デシカント換気システム

【課題】除湿材の水分吸脱着が効率よく行えるとともに、エネルギー効率が向上でき、かつ単純な構造によりコンパクトなデシカント換気システムを提供する。
【解決手段】両端部に一方側ダクト4,4'と他方側ダクト5,5'とが夫々接続された所定長さのケーシング6内に、通気性を有しない熱交換可能な伝熱シート8によって層状に区画され、交互に第1流路と第2流路とから成る多数の流路が形成されるとともに、各仕切り面の少なくとも一部に除湿材が塗布、含浸又は接着され、前記ダクトと平行する中心軸芯回りに支持された水分吸脱装置2を配置し、所定時間毎に前記水分吸脱装置2を前記中心軸芯回りにほぼ180度回転させることにより、前記第1流路を給気流路Sとして流通させ、前記第2流路を排気流路Eとして流通させる状態と、前記第2流路を給気流路Sとして流通させ、前記第1流路を排気流路Eとして流通させる状態とを交互に切り換え可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエネルギーの使用を抑制して、自動車、住居、オフィス、商業施設、体育館、イベント会場、工場などの室内空間を快適で衛生的な空気状態に保つためのデシカント換気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の傾向が顕著となり、その対策として主たる温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を削減すべく、化石燃料の高効率使用(省エネルギー活動)が進められている。
【0003】
特に、運輸分野や民生分野(家庭、業務)の空調設備は現在も導入件数ならびに使用頻度が増加しており、エネルギー使用量(特にガソリンなどの燃料や電力使用量)は拡大している。そのため、その使用量削減に向けた空調機器・システムの効率改善は喫緊の課題である。
【0004】
例えば、自動車においては、冬季にカーエアコンによる車内除湿の際、車内空気を露点以下に冷却除湿した後に再度加熱を行うなど非効率な運転が行われている。また、民生分野では空調効率改善のため、住宅やオフィスビルが高気密化された結果、家具や建材から発生する有害化学物質(VOC)に起因するシックハウス症候群などの弊害を生じるようになった。その対策として住宅やオフィスなどの換気強化が行われている。しかしながら換気強化は外気による室内空調負荷、とりわけ除湿や加湿などの潜熱負荷増大を招くため、省エネルギー換気システムが不可欠となる。
【0005】
自動車窓ガラスの防曇や居住室内除湿のため空調機は処理対象の空気を露点以下まで冷却し、空気中の水分を凝縮除去した後に低温化した空気を加熱する運転を行っている。従ってカーエアコンや室内空調機(以下「空調機」)での除湿負荷が低減されれば、空調機は低温度領域まで空気を冷却する負荷から開放され、自動車では燃費が改善され、室内空調機では電力消費量が改善され経済効果と省エネ効果が確保される。
【0006】
また、冬季や乾燥季には外気が乾燥するため、民生分野では換気に際し加湿が不可欠となる。室内加湿には超音波加湿装置などが用いられるが、電力消費の増大のみならず室内温度の低下という問題がある。これに対し、室内から室外へ排出される空気に含まれる水分を選択的に分離回収し、これを外気からの導入空気へエネルギー使用を最小限にとどめて添加できれば加湿負荷が低減され、やはり省エネルギー効果が得られる。
【0007】
例えば、下記特許文献1では、屋内空気を吸い込む除湿用吸込口と、この除湿用吸込口から吸い込んだ空気を屋内に吹き出す除湿用吹出口と、屋内の空気を吸い込む換気用吸込口と、屋内空気を屋外に排出する換気用排出口と、前記除湿用吸込口と除湿用吹出口とを結ぶ空気通路を通る空気からの吸湿を行うと共に、前記換気用吸込口と換気用排出口とを結ぶ空気通路を通る空気への放湿を行う除湿素子と、換気用吸込口と換気用排出口とを結ぶ空気通路を通る空気への放湿のため、除湿素子を通過する前のこの排気空気を加熱して乾燥させる加熱手段とを備え、屋外への排気空気を利用して屋内空気の除湿を行うようになされて、換気運転と除湿換気運転との切換えを行える除湿換気システムが提案されている。
【0008】
また、下記特許文献2では、少なくとも2つのデシカントをそれぞれ処理空気経路と再生空気経路に配置し、一方で処理空気中の水分を吸着し、他方で再生空気によって再生するようにした空調システムにおいて、前記2つのデシカントを前記処理空気経路及び再生空気経路に対して相対移動させて前記デシカント部への処理空気と再生空気の流通を切り換え可能にした空調システムが提案されている。
【特許文献1】特開2003−294267号公報
【特許文献2】特開平10−9633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1記載の換気システムでは、除湿素子を乾燥(再生)させるには、相対湿度の低い空気を通過させる必要があるため、通過空気を加熱するための電気や都市ガスなどの熱エネルギーが必要となり、多くのエネルギーを消費する問題があった。また、上記特許文献2記載の空調システムでは、切替弁による複雑な流路構成となり、設備が大型化する問題があった。
【0010】
さらに、上記特許文献1、2に記載されるように、除湿材を用いる多くの換気システムでは、除湿材による水分吸着の際、除湿材の吸着熱が発生して通過空気の温度が上昇し、相対湿度が低下するので、除湿材の水分吸着効果が低下する問題があった。逆に、除湿材の再生の際、除湿材の水分脱着作用により吸熱して通過空気の温度が低下し、相対湿度が上昇するため、除湿材の水分脱着効率が低下する問題があった。
【0011】
この様な問題点を解決するため、従来のデシカントシステムでは、除湿材の除熱や加熱を行うための装置を別途設置する必要があり、そのための消費エネルギーの増大や、システムの複雑化・大型化によるコスト増大という問題があった。
【0012】
近年、水蒸気の透過膜を介して、一方の面を通過する空気の熱と水分を、他方の面を通過する空気に与える特性を利用した全熱交換器が市販され、省エネルギーに貢献している。しかしながら、熱交換時に、潜熱としての水分交換という特性から排気中に含まれるVOCや臭気分子、ウイルスなどの給気側への還流問題が指摘されており衛生面での課題を有する。
【0013】
この様に、われわれは調湿・空調に多大なエネルギーを使っており、これを改善するための衛生的な除湿、加湿の手段ならびに熱交換手段が構築できれば、地球温暖化問題をはじめ、より快適で安心な居住環境を低コストで確保できることに気付く。
【0014】
そこで、本発明の主たる課題は、除湿材の水分吸脱着が効率よく行えるとともに、エネルギー効率が向上でき、かつ単純な構造によりコンパクト化及び製造コスト低減化が可能となるデシカント換気システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、外気の供給および室内空気の排気を併行して行うために一方側ダクトと他方側ダクトとを独立的に形成し、両端部に前記一方側ダクトと他方側ダクトとが夫々接続された所定長さのケーシング内に、通気性を有しない熱交換可能な伝熱シートによって層状に区画され、交互に第1流路と第2流路とから成る多数の流路が形成されるとともに、前記第1流路と第2流路とに区画する各仕切り面の少なくとも一部に除湿材が塗布、含浸又は接着されるか、前記第1流路と第2流路の少なくとも一部に除湿材が充填され、かつ前記ダクトと平行する中心軸芯回りに支持された水分吸脱装置を配置し、
所定時間毎に前記水分吸脱装置を前記中心軸芯回りにほぼ180度回転させることにより、前記第1流路を給気流路として流通させ、前記第2流路を排気流路として流通させる状態と、前記第2流路を給気流路として流通させ、前記第1流路を排気流路として流通させる状態とを交互に切り換え可能としたことを特徴とするデシカント換気システムが提供される。
【0016】
上記請求項1記載の本発明は、通気性を有しない熱交換可能な多数の伝熱シートによって交互に第1流路と第2流路とから成る多数の流路が層状に区画され、前記第1流路と第2流路とに区画する各仕切り面の少なくとも一部に除湿材が塗布、含浸又は接着されるか、前記第1流路と第2流路の少なくとも一部に除湿材が充填されることによって、一方側流路における除湿材の水分吸着に伴う吸着熱は、前記除湿材に接触する伝熱シートを介して、他方側流路の除湿材に熱伝導される。これによって、一方側流路の除湿材は冷却されて水分吸着が促進されるとともに、他方側流路の除湿材は加熱されて、乾燥(再生)が促進されるようになり、除湿材の水分吸脱着が効率よく行えるとともに、エネルギー効率を向上することができるようになる。
【0017】
さらに、所定時間毎に前記水分吸脱装置を軸芯回りにほぼ180度回転させることにより流路の切り換えが行われるようになっているので、デシカント換気システムを単純な構造でコンパクト化することができるようになる。
【0018】
請求項2に係る本発明として、外気の供給および室内空気の排気を併行して行うために一方側ダクトと他方側ダクトとを独立的に形成し、両端面又は両端部の側面部分に前記一方側ダクトと他方側ダクトとが夫々接続された所定長さのケーシング内に、通気性を有しない熱交換可能な伝熱シートによって層状に区画された多数の流路が形成されるとともに、前記層状の流路に区画する各仕切り面の少なくとも一部に除湿材が塗布、含浸又は接着されるか、前記層状の流路の少なくとも一部に除湿材が充填され、
前記層状の流路は、一方側ダクト同士を連通するか又は一方側ダクトと他方側ダクトとを繋ぐ交差する対角関係にある2組の流路の内、一方組の一方側ダクトと他方側ダクトとを連通する第1流路と、他方側ダクト同士を連通するか又は一方側ダクトと他方側ダクトとを繋ぐ交差する対角関係にある2組の流路の内、他方組の一方側ダクトと他方側ダクトとを連通する第2流路とが交互に形成され、かつ前記ダクトと平行する中心軸芯回りに支持された水分吸脱装置を配置し、
所定時間毎に前記水分吸脱装置を前記中心軸芯回りにほぼ180度回転させることにより、前記第1流路を給気流路として流通させ、前記第2流路を排気流路として流通させる状態と、前記第2流路を給気流路として流通させ、前記第1流路を排気流路として流通させる状態とを交互に切り換え可能としたことを特徴とするデシカント換気システムが提供される。
【0019】
上記請求項2記載の本発明は、上記請求項1記載の発明の水分吸脱装置について、ダクトの接続構成と流路構成を具体的に示したものである。すなわち、ダクトの接続構成は、一方側ダクトと他方側ダクトが、水分吸脱装置の両端面又は両端部の側面部分に夫々接続するようにする。また、流路構成は、第1流路と第2流路とが、一方側ダクト同士又は他方側ダクト同士を平行して連通した対向流型又は平行流型とするか、一方側ダクトと他方側ダクトとを交差して連通した対向流型又は平行流型とするようにする。
【0020】
請求項3に係る本発明として、外気の供給および室内空気の排気を併行して行うために一方側ダクトと他方側ダクトとを独立的に形成し、これら一方側ダクトと他方側ダクトとが平行に配設された部位において、両ダクトに跨るとともに、両ダクトが接続された所定長さのケーシング内に、除湿材が塗布、含浸又は接着されるとともに、通気性を有しない熱交換可能な多数の伝熱シートによって層状に区画された多数の流路が形成され、該層状の流路は、一方側ダクトと他方側ダクトとを繋ぐとともに、交差する2組の対角関係の内、一方側対角の関係で一方側ダクトと他方側ダクトとが連通され、他方側対角の関係で一方側ダクトと他方側ダクトとが閉鎖された第1流路と、他方側対角の関係で一方側ダクトと他方側ダクトとが連通され、一方側対角の関係で一方側ダクトと他方側ダクトとが閉鎖された第2流路とが交互に形成され、かつ前記ダクトと平行する中心軸芯回りに支持された水分吸脱装置を配置し、
所定時間毎に前記水分吸脱装置を前記中心軸芯回りにほぼ180度回転させることにより、前記第1流路を給気流路として一方側ダクトから他方側ダクトへ流通させ、前記第2流路を排気流路として一方側ダクトから他方側ダクトへ流通させる状態と、前記第2流路を給気流路として一方側ダクトから他方側ダクトへ流通させ、前記第1流路を排気流路として一方側ダクトから他方側ダクトへ流通させる状態とを交互に切り換え可能とするか、所定時間毎に前記水分吸脱装置を前記中心軸芯回りにほぼ180度回転させることにより、前記第1流路を給気流路として一方側ダクトから他方側ダクトへ流通させ、前記第2流路を排気流路として他方側ダクトから一方側ダクトへ流通させる状態と、前記第2流路を給気流路として一方側ダクトから他方側ダクトへ流通させ、前記第1流路を排気流路として他方側ダクトから一方側ダクトへ流通させる状態とを交互に切り換え可能としたことを特徴とするデシカント換気システムが提供される。
【0021】
上記請求項3記載の本発明は、上記請求項1、2記載の発明の水分吸脱装置の具体的な実施形式を示したものであって、多数の伝熱シートによって層状に区画された多数の給気流路と排気流路とが形成され、各流路の空気を相互に対向して流通させるか又は平行して流通させるようにした、いわば対向流型又は平行流型の水分吸脱装置を備えたデシカント換気システムである。
【0022】
請求項4に係る本発明として、前記伝熱シートに前記除湿材が塗布、含浸又は接着される構成に代えて、前記第1流路と第2流路の少なくとも一部に除湿材が充填される構成とした請求項3記載のデシカント換気システムが提供される。
【0023】
上記請求項4記載の本発明は、前記第1流路と第2流路へ除湿材を配設する他の態様である。
【0024】
請求項5に係る本発明として、前記水分吸脱装置の層状の流路は、1又は複数枚の伝熱シートを断面コ字形が連続する波板形状に折曲げ成形し、側板及び端板を配設することにより構成したことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のデシカント換気システムが提供される。
【0025】
上記請求項5記載の本発明は、1又は複数枚の伝熱シートを断面コの字形が連続する波板形状に折曲げ成形し、両側面に側板を、両端に端板を配設して前記水分吸脱装置を構成することによって、水分吸脱装置を単純な構造でコンパクト化することができるようになるとともに、製造コストを低減化することが可能となる。
【0026】
請求項6に係る本発明として、前記水分吸脱装置の第1流路及び第2流路を形成する伝熱シートにおいて、流路の入口及び/又は出口近傍部分は前記除湿材が塗布、含浸又は接着されない領域とし、その他の部分は前記除湿材が塗布、含浸又は接着された領域としたことを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のデシカント換気システムが提供される。
【0027】
上記請求項6記載の本発明は、水分吸脱装置の第1流路及び第2流路を形成する伝熱シートにおいて、流路の入口及び/又は出口近傍部分は除湿材が塗布、含浸又は接着されない伝熱シートで構成することにより、水分吸脱装置の入口及び/又は出口近傍部分で、伝熱シートを介して給気と排気との間で熱交換が行われる。また、その他の部分では除湿材が充填されることにより、前述の通り、一方側流路における除湿材の水分吸着に伴う吸着熱は、前記除湿材に接触する伝熱シートを介して、他方側流路の除湿材に熱伝導され、一方側流路の除湿材は冷却されて水分吸着が促進されるとともに、他方側流路の除湿材は加熱されて乾燥(再生)が促進されるようになる。これによって、デシカント換気システムのエネルギー効率が向上する。
【0028】
請求項7に係る本発明として、前記第1流路と第2流路とを層状に仕切る伝熱シートとして平板又は波板が使用されるとともに、前記上下の伝熱シート間にはスペーサ又は波板が配設され、前記スペーサ又は波板表面の一部又は全面に除湿材が塗布、含浸又は接着されている請求項1〜6いずれかに記載のデシカント換気システムが提供される。
【0029】
請求項8に係る本発明として、前記伝熱シート、スペーサ又は波板は、直径0.1mm以下の微細粒子状に形成した除湿材を懸濁させた懸濁液を含浸後、乾燥固定したガラス繊維、植物繊維、動物繊維及び/又は化学繊維などの繊維状シートであることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載のデシカント換気システムが提供される。
【0030】
上記請求項8記載の本発明は、前記伝熱シート、スペーサ又は波板が除湿材が含浸された繊維状シートから構成されることによって、除湿材の水分吸脱着が効率よく行えるようになるとともに、伝熱シート間の伝熱が効率よく行われるようになる。
【0031】
請求項9に係る本発明として、前記水分吸脱装置を非電導性材料で構成するとともに、前記水分吸脱装置の近傍に、前記水分吸脱装置にマイクロ波を照射するためのマイクロ波照射装置を備えることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載のデシカント換気システムが提供される。
【0032】
上記請求項9記載の本発明では、マイクロ波照射装置でマイクロ波を照射することによって、除湿材や水分吸脱装置内に吸着した水分子を励振させて加熱し、水分吸脱装置内に蓄積された水分、化学物質、臭気分子などの物質を脱着及び排出させることができる。これによって、前記除湿材の再生が効率よく行われるとともに、水分吸脱装置内を衛生的に保つことが可能となる。
【0033】
請求項10に係る本発明として、前記水分吸脱装置において、前記第1流路及び/又は第2流路に、エンジンや燃料電池などの原動機又は発電装置、一般空調機、湯沸かし器等の既存設備から排出される高温空気或いは温排気と熱交換可能な熱交換器において加熱した空気を導く導入手段を備えたことを特徴とする請求項1〜9いずれかに記載のデシカント換気システムが提供される。
【0034】
上記請求項10記載の本発明では、前記第1流路及び/又は第2流路に、エンジンや燃料電池などの原動機又は発電装置から排出される温排気、一般空調機で使用される冷媒の凝縮器を通過した温排気、又は湯沸かし器で発生する温排気などの高温空気との熱交換によって加熱された空気を導入するように構成したものである。これによって、除湿材の乾燥(再生)が促進され、除湿材の水分吸脱着が効率よく行えるとともに、エネルギー効率が向上できる。
【0035】
請求項11に係る本発明として、前記水分吸脱装置は、流通空気の流れ方向に長辺を有する形状であることを特徴とする請求項1〜10いずれかに記載のデシカント換気システムが提供される。
【0036】
上記請求項11記載の本発明では、前記水分吸脱装置は、流通空気の流れ方向に長辺を有する形状とすることが望ましい。これによって、流通空気と除湿材との接触の機会を増やすことができ、除湿材の水分吸脱着が効率よく行えるとともに、エネルギー効率が向上できる。
【0037】
請求項12に係る本発明として、前記水分吸脱装置を回転させて給気流路と排気流路との切り換えを行う際、前記水分吸脱装置と、前記一方側ダクト又は他方側ダクトとの適正な接続位置を検出する検出機構を備えるとともに、その検出結果に応じて前記水分吸脱装置の回転を制御する制御手段を備える請求項1〜11いずれかに記載のデシカント換気システムが提供される。
【発明の効果】
【0038】
以上説明したとおり本発明によれば、除湿材の水分吸脱着が効率よく行えるようになるとともに、エネルギー効率が向上し、かつ単純な構造によりコンパクト化及び製造コスト低減化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔第1形態例〕
(デシカント換気システム1の構成)
本発明の第1形態例に係るデシカント換気システム1の構成について、図1〜図3に基づいて詳述する。図1は本発明の第1形態例に係るデシカント換気システム1の平面図、図2はその給気流路Sを示す水平断面図、図3はその排気流路Eを示す水平断面図である。
【0040】
本発明の第1形態例に係るデシカント換気システム1は、図2に示されるように、外気の供給および室内空気の排気を併行して行うために一方側ダクト4、4’と他方側ダクト5、5’とを独立的に形成し、これら一方側ダクト4、4’と他方側ダクト5、5’とが平行に配設された部位において、両ダクトに跨るとともに、両ダクトが接続された所定長さのケーシング6内に、除湿材7が塗布、含浸又は接着されるか、前記第1流路と第2流路の少なくとも一部に除湿材が充填されるとともに、通気性を有しない熱交換可能な多数の伝熱シート8、8…によって層状に区画された多数の流路が形成され、該層状の流路は、同図2に示されるように、一方側ダクト4、4’と他方側ダクト5、5’とを繋ぐとともに、交差する2組の対角関係の内、一方側対角の関係で一方側ダクト4と他方側ダクト5’とが連通され、他方側対角の関係で一方側ダクト4’と他方側ダクト5とが閉鎖された第1流路(図示例では給気流路Sとして使用)と、図3に示されるように、他方側対角の関係で一方側ダクト4’と他方側ダクト5とが連通され、一方側対角の関係で一方側ダクト4と他方側ダクト5’とが閉鎖された第2流路(図示例では排気流路Eとして使用)とが交互に形成され、かつ前記ダクトと平行する中心軸9の軸芯回りに支持された、いわば対向流型の水分吸脱装置2を配置している。
【0041】
そして、本発明の第1形態例に係るデシカント換気システム1は、所定時間毎に前記水分吸脱装置2を前記軸9の軸芯回りにほぼ180度回転させることにより、前記第1流路を給気流路Sとして一方側ダクト4から他方側ダクト5’へ流通させ、前記第2流路を排気流路Eとして一方側ダクト4’から他方側ダクト5へ流通させる状態と、前記第2流路を給気流路Sとして一方側ダクト4から他方側ダクト5’へ流通させ、前記第1流路を排気流路Eとして一方側ダクト4’から他方側ダクト5へ流通させる状態とを交互に切り換え可能とする。
【0042】
なお、上記例では給気と排気とを対向させるように流通させたが、給気と排気とを平行して流通させる平行流型としてもよい。この場合には、前記第1流路を給気流路Sとして一方側ダクト4から他方側ダクト5’へ流通させ、前記第2流路を排気流路Eとして他方側ダクト5から一方側ダクト4’へ流通させる状態と、前記第2流路を給気流路Sとして一方側ダクト4から他方側ダクト5’へ流通させ、前記第1流路を排気流路Eとして他方側ダクト5から一方側ダクト4’へ流通させる状態とを交互に切り換え可能とする。
【0043】
また、上記例では一方側ダクトと他方側ダクトとを連通させ、給気と排気とを交差させるように流通させたが、一方側ダクト同士4、4’又は他方側ダクト同士5、5’を連通させて平行して流通するようにしても良い。
【0044】
前記水分吸脱装置2は、図4に示されるように、円筒形状のケーシング6内に、多数の伝熱シート8、8…によって、前記給気流路S及び排気流路Eが多数の層状に区画されて形成されており、この水分吸脱装置2を所定時間毎に前記軸9の軸芯回りにほぼ180度回転させることにより、流路の切り換えが行われ、内蔵する除湿材7の吸湿と再生とが交互になされるようになっている。なお、前記水分吸脱装置2の入口側及び出口側に、仕切板12によって給気流路Sと排気流路Eとが仕切られたヘッダー部13を設けるようにしてもよい。このようにヘッダー部13を設けることにより、各流路の流通空気の混合や漏洩が防止できるとともに、接続する各ダクト4、4’、5、5’の接続作業が容易化する。
【0045】
前記水分吸脱装置2は、前述の通り、多数の流路が、通気性を有しない熱交換可能な多数の伝熱シート8、8…によって層状に区画されて形成されるようになっている。ここで、水分吸脱装置の層状の流路は、図5に示されるように、1又は複数枚の伝熱シート8を断面コ字形が連続する波板形状に折曲げ成形し、両側面に側板6a、6aを、両端に端板6b、6bを配設することにより構成するようにしてもよい。このように構成した場合、水分吸脱装置2の製造が容易となり、製造コストの低減化が可能となるので好ましい。本第1形態例においては、図5に示されるように、接続するダクトと所定の流路に空気が流通できるように、端板6a、6aに所定の開口が設けられている。
【0046】
ところで、前記一方側ダクト4、4’及び他方側ダクト5、5’と前記水分吸脱装置2とは、エアーパッキンなどの気密保持部材(図示せず)により摺動可能に気密が保持されている。
【0047】
前記除湿材7には、従来より公知のシリカゲル、ゼオライト、高分子除湿材などを使用することができる。特に本発明では、これら各種除湿材の内、35℃等温吸着線図において、相対湿度約60%以上の湿度領域での最大吸湿量が相対湿度約30%以下の湿度領域での最大吸湿量の2倍以上のものとすることが望ましい。このような物性値を有する除湿材としては、特定量のカリウム塩型カルボシキル基を含有し、かつ架橋構造を有する有機高分子の吸放湿性重合体から構成される高分子除湿材、例えば特開2005−21840号公報に開示されるものを使用することができる。これによって、流通する空気の十分な除湿および加湿が可能になり、水分吸脱装置2を小型化することも可能となる。
【0048】
前記伝熱シート8は、平板又は波板に形成したものを使用することができる。前記伝熱シート8は、その両面に、シリカゲル等の除湿材7が塗布、含浸又は接着されるようにする。具体的には、除湿材をバインダーと混合した後に塗布するか、ガラス繊維、植物繊維、動物繊維及び/又は化学繊維などの繊維状シートに直径0.1mm以下の微細粒子状とした除湿材を懸濁させた懸濁液を含浸後、乾燥固定するか、粉粒状にした除湿材を接着剤等により層状に接着することによって定着させることが望ましい。
【0049】
また、前記伝熱シート8に除湿剤を塗布、含浸又は接着する構成に代えて、粉粒状にしたシリカゲル等の除湿材と、通気性を確保するために例えば中空状に形成した充填物との混合物が、前記伝熱シート8の配設位置に隣接する各流路に前記伝熱シートと接するように充填されるとともに、その出入口を前記除湿材および充填物の外形寸法より小さな開口を有する通気性の膜または網により塞がれることによって配設されるようにしてもよい。
【0050】
このようにして伝熱シート8の両面に配設された除湿材は、一方側面に配設された除湿材によって流通空気の除湿がなされると同時に、他方側面に配設された除湿材によって流通空気の加湿がなされるようになっている。伝熱シート8の一方側面に配設された除湿材の吸湿熱(除湿材の水分吸着に伴う温度上昇)は、伝熱シート8を熱伝導して他方側面の除湿材を加熱して、この除湿材の水分脱着作用を促進させている。
【0051】
さらに前記伝熱シート8、8間には、図6に示されるように、スペーサ9a又は波板9bを配設することができ、前記スペーサ9a又は波板9bの表面の一部又は全面に除湿材が塗布、含浸又は接着されるようにしてもよい。このように、伝熱シート8を波板に形成するか、伝熱シート間にスペーサ9a又は波板9bを配設することにより、流通空気と除湿材との接触面積が増加して除湿効果が向上できるとともに、流通空気の整流効果や、各流路の強度を増加する効果がある。
【0052】
前記伝熱シート8は、前述のように一方側面に配設された除湿材の吸着熱を他方側面の除湿材に効率よく伝導させるため、鉄鋼材料や非鉄鋼材料の金属材料または非金属材料など各種工業材料のうち熱伝導性に優れたもの、好ましくは、熱伝導率170kcal/mh℃以上である材料を使用する。また、一方の流路を流通する流通空気が他方の流路に流入するのを防止するため、前記伝熱シート8は、空気を透過しない材料を使用する。
【0053】
さらに、前記伝熱シート8、スペーサ9a又は波板9bは、樹脂、紙、不織布又は布によって構成することもできる。このように構成することによって、水分吸脱装置2の製造が容易となり、製造コストを低減することが可能となる。
【0054】
本発明では、前記水分吸脱装置2を非電導性材料で構成するとともに、前記水分吸脱装置2の近傍に、前記除湿材7にマイクロ波を照射するためのマイクロ波照射装置(図示せず)を配設することが望ましい。前記マイクロ波照射装置でマイクロ波を照射することによって、除湿材7や水分吸脱装置2内に吸着した水分子を励振させて加熱し、水分吸脱装置2内に蓄積された水分、化学物質、臭気分子などの物質を脱着及び排出させることができる。これによって、前記除湿材7の再生が効率よく行われるとともに、水分吸脱装置2内を衛生的に保つことが可能となる。
【0055】
前記マイクロ波照射装置によるマイクロ波照射時の安全性確保手段について説明する。除湿材7を内蔵した水分吸脱装置2およびマイクロ波照射装置の主要構成機器を筐体内に配設し、前記筐体の外面や開口となる空気ダクトに、金属製パンチングボード、あるいは導電性材料にて形成される網状シートを配設することによって、マイクロ波の外部漏洩を防止することが可能となる。さらに、除湿材7を内包する前記水分吸脱装置2の構成材や容器材として、非導電性材料あるいは低誘電率の材料を使用することによって、前記マイクロ波照射装置によるマイクロ波照射時の放電や、渦電流の発生に伴うマイクロ波の損失、更には誘電体へのマイクロ波の集中などの問題が防止でき、マイクロ波照射による除湿材7及び水分吸脱装置2からの水分、化学物質又は臭気分子の脱着を効率よく行うことができるようになる。
【0056】
前記水分吸脱装置2は、図1〜図4に示されるように、流通空気の流れ方向に長辺を有する形状であることが好ましい。このように構成することによって、流通空気と除湿材7との接触の機会を増やすことができ、除湿材7の水分吸脱着が効率よく行えるとともに、伝熱シート8の熱伝導効果により流通空気の温度調整も可能となり、デシカント換気システム1のエネルギー効率が向上できる。
【0057】
各流路には、図2、図3に示されるように、給気、排気のための給気ファン10、排気ファン11がそれぞれ配設されている。モードの切り替えを行う際には、各流路に配設された給気ファン10、排気ファン11は、前記水分吸脱装置2の切り換え開始時に停止させ、前記水分吸脱装置2の切り換え完了時に再稼働させるようにすることが望ましい。
【0058】
また、水分吸脱装置2の切り換えを行う際、水分吸脱装置2のケーシング6が各流路のダクト4、4’、5、5’と適正に接続される位置にあるかどうかを検出する、例えば近接スイッチ、リミットスイッチ等の検出器(図示せず)と、その検出した結果により前記回転軸9の回転角を制御する制御手段とを備えるようにすることが好ましい。また、前記水分吸脱装置2とこれに接続する空気ダクト4、4’、5、5’の少なくとも1箇所以上において、両者を固定するための固定手段(図示せず)を備えるようにすることが望ましい。
【0059】
(デシカント換気システム1の運転状態)
次に、デシカント換気システム1の運転状態について以下詳述する。
本発明に係るデシカント換気システム1は、給気又は排気のためのダクトが独立的に形成されることによって、外気の供給および室内空気の排気が併行して行われるようになっている。
【0060】
夏季運転の場合、給気流路Sにおいては、高温多湿の外気は、給気ファン10によって一方側のダクト4を通って水分吸脱装置2内の多数の伝熱シート8、8…によって層状に区画された多数の給気流路S、S…に分散して導かれ、この給気流路Sに内蔵する除湿材7と接触して除湿されながら流れた後、他方側のダクト5’を通って室内へ供給される。
【0061】
一方、排気流路Eにおいては、室内空気は、排気ファン11によって一方側ダクト4’を通って水分吸脱装置2へ送られる。水分吸脱装置2の排気流路Eに導入された流通空気は、内蔵する除湿材7を乾燥(再生)した後、他方側ダクト5を通って外部へ排出される。
【0062】
ここで、水分吸脱装置2の給気流路Sにおける除湿材7の水分吸着に伴う吸着熱は、前記除湿材7に接触する伝熱シート8を介して、排気流路Eの除湿材7に熱伝導される。これによって、給気流路Sの除湿材7は冷却されて水分吸着が促進されるとともに、排気流路Eの除湿材7は加熱されて、乾燥(再生)が促進されるようになる。
【0063】
上述の流路構成による運転に伴って、給気流路Sに配設された除湿材7には多量の水分が吸着する。そのため、所定時間毎に流路を相互に切り換えて運転することによって、給気流路Sに配設された除湿材7の再生が可能となる。流路の切り換えは、前述の通り、前記水分吸脱装置2を前記軸9の軸芯回りにほぼ180度回転させることにより行われる。流路が切り換わることによって、これまで給気流路Sとして使用していた前記第1流路が排気流路Eとなり、これまで排気流路として使用していた前記第2流路が給気流路Sとなる。そして、給気流路Sで流通空気(給気)の除湿を行っていた除湿材7は、流通空気(排気)で水分を脱着して再生される。
【0064】
次に、水分吸脱装置2において除湿材7が吸脱着する水分量について、図7、図8に基づいて考察する。一般に、デシカント装置の除湿材によって、外気(図7中点A:温度30℃、相対湿度65%RH、水分量18g/kg)を相対湿度40%RHの室内空気まで除湿する除湿過程では、図7に示されるように、点A→点Bへの断熱変化となり、除湿される水分量は3g/kg(=18g/kg-15g/kg)程度である。これに対し、本発明に係る水分吸脱装置2による場合、前述の通り除湿材7の水分吸着に伴う吸着熱は伝熱シート8を通じて熱伝導されるため、理想的条件では同図に示されるように、点A→点Dへの除湿過程となり、除湿される水分量は10g/kg(=18g/kg-8g/kg)程度と、前述の一般的なデシカント装置より大幅に増大できる。
【0065】
他方、室内空気(図8中点D:温度24℃、相対湿度40%RH、水分量8g/kg)により除湿材を再生する場合、一般的なデシカント装置では、図8に示されるように、点D→点Fへの断熱変化となり、脱着される水分量は1g/kg(=9g/kg-8g/kg)程度である。これに対し、本発明に係る水分吸脱装置2による場合、前述の通り除湿材7の水分脱着が伝熱シート8を通じて熱伝導された吸着熱により促進されるため、理想的条件では同図に示されるように、点D→点Aへの再生過程となり、脱着される水分量は10g/kg(=18g/kg-8g/kg)程度と、前述の一般的なデシカント装置より大幅に増大できるとともに、除湿材7の吸着した水分量と脱着した水分量とをほぼ同等にすることができる。
【0066】
なお、本発明に係る水分吸脱装置2では、除湿材による吸脱着の水分量は、伝熱シート8に塗布、含浸又は接着される除湿材7の量又は各流路に充填される除湿材7の量を調整すること、前記伝熱シート8を波形に形成すること又は前記スペーサ9a又は波板9bを配設することなどにより簡便に調整することが可能である。
【0067】
冬季運転の場合、前述の夏季運転の場合と流路構成については同様であるが、温湿度の授受という点で異なる。具体的には、給気流路Sにおいては、低温低湿の外気は、給気ファン10によって一方側のダクト4を通って水分吸脱装置2内の多数の伝熱シート8、8…によって層状に区画された多数の給気流路S、S…に分散して導かれ、この給気流路Sに内蔵する除湿材7と接触して加湿(除湿材7が再生)されながら流れた後、他方側ダクト5’を通って室内へ供給される。
【0068】
一方、排気流路Eにおいては、室内空気は、排気ファン11によって一方側ダクト4’を通って水分吸脱装置2へ送られる。水分吸脱装置2の排気流路Eに導入された流通空気は、内蔵する除湿材7に水分が吸着された後、他方側ダクト5を通って外部へ排出される。
【0069】
ここで、前述の夏季運転の場合と同様に、水分吸脱装置2の排気流路Eにおける除湿材7の水分吸着に伴う吸着熱は、前記除湿材7に接触する伝熱シート8を介して、給気流路Sの除湿材7に熱伝導される。これによって、排気流路Eの除湿材7は冷却されて水分吸着が促進されるとともに、給気流路Sの除湿材7は加熱されて吸着した水分の脱着(再生)が促進されるようになる。
【0070】
〔第2形態例〕
本発明の第2形態例に係るデシカント換気システム1の構成について、図9〜図11に基づいて詳述する。図9は本発明の第2形態例に係るデシカント換気システム1の平面図、図10はその給気流路Sを示す水平断面図、図11はその排気流路Eを示す水平断面図である。
本発明の第2形態例に係るデシカント換気システム1は、前記第1形態例に係るデシカント換気システム1と水分吸脱装置の構成という点で異なる。具体的には、本発明の第2形態例に係るデシカント換気システム1は、図10に示されるように、外気の供給および室内空気の排気を併行して行うために一方側ダクト4、4’と他方側ダクト5、5’とを独立的に形成し、両端部の側面部分に前記一方側ダクト4、4’と他方側ダクト5、5’とが夫々接続された所定長さのケーシング6内に、通気性を有しない熱交換可能な伝熱シート8、8…によって層状に区画された多数の流路が形成されるとともに、前記層状の流路に区画する各仕切り面の少なくとも一部に除湿材7が塗布、含浸又は接着されるか、前記層状の流路の少なくとも一部に除湿材が充填され、前記層状の流路は、一方側ダクト同士4、4’を連通する第1流路と、他方側ダクト同士を連通する第2流路とが交互に形成され、かつ前記ダクトと平行する中心軸9の軸芯回りに支持された水分吸脱装置2を配置している。
【0071】
そして、本発明の第2形態例に係るデシカント換気システム1は、所定時間毎に前記水分吸脱装置2を前記中心軸9の軸芯回りにほぼ180度回転させることにより、前記第1流路を給気流路Sとして流通させ、前記第2流路を排気流路Eとして流通させる状態と、前記第2流路を給気流路Sとして流通させ、前記第1流路を排気流路Eとして流通させる状態とを交互に切り換え可能とする。
【0072】
さらに具体的には、図9に示されるように、前記中心軸9により回転可能に支持されたケーシング6は、固定板14、14…によって回転可能且つ気密保持可能に、固定された外筒15に支持されている。前記外筒15には、一方側ダクト4、4’と他方側ダクト5、5’との接続位置に、図12に示されるように、ヘッダー部16を設けるようにすることが好ましい。
【0073】
次に、本第2形態例における伝熱シートの構成について説明する。図10、図11に示されるように、本第2形態例に係る水分吸脱装置2の第1流路及び第2流路を形成する伝熱シートにおいて、流路の入口及び/又は出口近傍部分は除湿材7が塗布、含浸又は接着されない伝熱シート17とし、その他の部分は除湿材7が塗布、含浸又は接着された伝熱シート8としている。そして、このように構成された伝熱シートは、図13(A)に示されるように、多数積層することによって第1流路及び第2流路を区画している。さらに具体的には、図13(B)に示されるように、前記伝熱シートの一方端に側板18を立設するとともに、他方端に切欠き部19a、19aを備えた側板19を立設したものを第1段目とし、同図(C)に示されるように、前記伝熱シートの一方端に切欠き部19a、19aを備えた側板19を立設するとともに、他方端に側板18を立設したものを次段に積層し、これらを多数積層した後、両端に端板6c、6cを、上部に天板6dを配設することにより、前記伝熱シートによって層状に区画された多数の流路が形成された水分吸脱装置2とすることができる。
【0074】
さらに他の形態例として、図14に示されるように、伝熱シート8、17、17からなる1又は複数枚の伝熱シートを断面コ字形が連続する波板形状に折曲げ成形し、端板6e、6eと側板6f、6g、6hとを配設することにより、水分吸脱装置2を形成することができる。前記側板6f、6g、6hは離間部分を設けて配設することによって、伝熱シートの折り返しとなる閉鎖部分(図14中斜線部分)と各流路への開口部分とが交互に形成されるようになる。これにより、水分吸脱装置2の製造がさらに容易化できる。
【0075】
上述のように、流路の入口及び/又は出口近傍部分は除湿材7が塗布、含浸又は接着されない伝熱シート17とし、その他の部分は除湿材7が塗布、含浸又は接着された伝熱シート8とすることにより、水分吸脱装置2の入口及び/又は出口近傍部分で、伝熱シート17を介して給気と排気との間で熱交換が行われる。また、その他の部分では除湿材が充填されることにより、前述の通り、一方側流路における除湿材の水分吸着に伴う吸着熱は、前記除湿材に接触する伝熱シートを介して、他方側流路の除湿材に熱伝導され、一方側流路の除湿材は冷却されて水分吸着が促進されるとともに、他方側流路の除湿材は加熱されて乾燥(再生)が促進されるようになる。これによって、デシカント換気システム1のエネルギー効率が向上する。
【0076】
具体的に、本第2形態例の運転状態について、夏季運転の場合を例に、図15、図16に基づいて説明すると、給気流路Sにおいては、外気(点A:30℃、65%RH)が、伝熱シートによって層状に区画された多数の給気流路S、S…に分散して導かれ、除湿材7が塗布、含浸又は接着されない伝熱シート17からなる領域に流入する。この領域では、隣接する排気流路Eを流通する排気との間で、伝熱シート17を介して熱交換が行われ、給気流路Sを流通する空気は約30℃から約29℃へ冷却される(図15点A→点B)。次に、除湿材7が塗布、含浸又は接着された伝熱シート8からなる領域に流入し、流通空気の除湿と、この除湿に伴う除湿材7に発生する熱の伝熱とが、前記伝熱シート8によって行われる(図15点B→点C)。その後、除湿材7が塗布、含浸又は接着されない伝熱シート17からなる領域に流入し、除湿材7の水分吸着に伴い発生した熱も含めて排気流路Eを流通する排気との間で熱交換が行われ、約26℃程度に冷却されて、室内に供給される。
【0077】
一方、排気流路Eにおいては、室内空気(点E:24℃、40%RH)は、除湿材7が塗布、含浸又は接着されない伝熱シート17からなる領域で給気流路Sとの熱交換が行われて加熱され(図16点E→点F)、これによって除湿材7が塗布、含浸又は接着された伝熱シート8からなる領域で除湿材7の再生が効率よく行われるようになる(図16点F→点G)。その後、除湿材7が塗布、含浸又は接着されない伝熱シート17からなる領域で給気流路Sとの熱交換が行われて加熱され(図16点G→点H)、外部へ放出される。
【0078】
このように除湿材7が塗布、含浸又は接着されない伝熱シート17からなる領域で、給気流路Sと排気流路Eとを流通する流通空気の熱交換を行うことにより、図15及び図16に示されるように、除湿材7に吸脱着される水分量は、給気流路Sとして作用したときの吸着量ΔSと排気流路Eとして作用したときの脱着量ΔEとが同等(約6g/kg)にすることができ、デシカント換気システム1のエネルギー効率を向上することができるようになる。
【0079】
さらに、デシカント換気システム1のエネルギー効率を向上するための手段について説明する。本発明に係るデシカント換気システム1は、前述の通り、外気が室内空気に比して相対的に多量の水分を含む条件(夏季運転条件)では、給気流路Sの流通空気は、除湿材7によって除湿されるとともに、排気流路Eの流通空気は、除湿材7を乾燥(再生)させ、室内空気が外気に比して相対的に多量の水分を含む条件(冬季運転条件)では、給気流路Sの流通空気は、除湿材7を乾燥(再生)させるとともに、排気流路Eの流通空気は、除湿材7によって除湿される運転が行われるようになっている。そして、このような流路構成において、本形態例では、図17に示されるように、前記除湿材7を乾燥(再生)させる流路であって前記除湿材7を通過する前に、エンジンや燃料電池などの原動機又は発電装置、一般空調機、湯沸かし器等の既存設備20から排出される高温空気或いは温排気と熱交換可能な熱交換器において加熱した空気を導く導入手段を備えるようにすることができる。具体的には、同図17に示されるように、夏季運転時(図示例)には排気流路Eの除湿材7への導入前に、外気を導入するためのダクト21、21aを接続し、冬季運転時には給気流路Sの除湿材7への導入前に、外気を導入するためのダクト21、21bを接続し、前記ダクト21の途中に前記既存設備20からの温排気と熱交換可能な熱交換器22を設ける。この熱交換器22で前記既存設備20からの温排気によって加熱された外気は、水分吸脱装置2に供給され、除湿材7に吸着している多量の水分を放散させ、除湿材7を効率よく乾燥(再生)させる。ここで、ダクト21から水分吸脱装置2に供給される空気量は、除湿材7を効率よく乾燥(再生)させるためには、水分吸脱装置2を正規に流通する空気量(夏季運転時においては排気流路Eを通って排気される室内空気の量、冬季運転時においては給気流路Sを通って供給される外気の量)以上とすることが好ましい。前記既存設備20からの温排気には、例えばエンジンや燃料電池などの原動機又は発電装置から排出される温排気、一般空調機で使用される冷媒の凝縮器を通過した温排気、又は湯沸かし器で発生する温排気を利用することができ、この他高温空気を排出する種々の既存設備20からの温排気を利用することが可能である。なお、夏季運転時と冬季運転時との流路の切り換えは、ダクト21a、21bの分岐点に配設された切り換え弁23を調整することにより行うことができる。
【0080】
本第2形態例に係るデシカント換気システム1は、上述のような構成によって、水分吸脱装置を単純な構造でコンパクト化することができるようになるとともに、製造コストを低減化することが可能となる。
〔他の形態例〕
(1)上記第1形態例では、水分吸脱装置2の伝熱シートは、除湿材7が塗布、含浸又は接着された伝熱シート8からなるものとしたが、第2形態例に示されるように、流路の入口及び/又は出口近傍部分は前記除湿材7が塗布、含浸又は接着されない伝熱シート17からなる領域とし、その他の部分は前記除湿材7が塗布、含浸又は接着された伝熱シート8からなる領域としてもよい。
(2)上記第2形態例では、水分吸脱装置2の伝熱シートは、流路の入口及び/又は出口近傍部分は前記除湿材7が塗布、含浸又は接着されない伝熱シート17からなる領域とし、その他の部分は前記除湿材7が塗布、含浸又は接着された伝熱シート8からなる領域としたが、第1形態例に示されるように、全体に除湿材7が塗布、含浸又は接着された伝熱シート8からなるものとしてもよい。
(3)上記第2形態例では一方側ダクト同士4、4’又は他方側ダクト同士5、5’を連通させて平行して流通させたが、一方側ダクトと他方側ダクトとを連通させ、給気と排気とを交差させるように流通させても良い。
(4)上記第2形態例において、水分吸脱装置2の第1流路及び/又は第2流路に、エンジンや燃料電池などの原動機又は発電装置、一般空調機、湯沸かし器等の既存設備20から排出される高温空気或いは温排気と熱交換可能な熱交換器22において加熱した空気を導く導入手段を備えるようにしたが、この手段は、上記第1形態例においても備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1形態例に係るデシカント換気システム1の平面図である。
【図2】その給気流路Sを示す水平断面図である。
【図3】その排気流路Eを示す水平断面図である。
【図4】本発明の第1形態例に係る(A)水分吸脱装置2の斜視図、(B)ヘッダー部13の拡大図である。
【図5】本発明の第1形態例に係る水分吸脱装置2の流路の区画方式を示す斜視図(1)である。
【図6】伝熱シート間に配設される(A)スペーサ(B)波板の配設状態図である。
【図7】本発明の第1形態例に係る夏季運転時、水分吸脱装置2を通過する給気の状態変化を示す空気線図である。
【図8】本発明の第1形態例に係る夏季運転時、水分吸脱装置2を通過する排気の状態変化を示す空気線図である。
【図9】本発明の第2形態例に係るデシカント換気システム1の平面図である。
【図10】その給気流路Sを示す水平断面図である。
【図11】その排気流路Eを示す水平断面図である。
【図12】本発明の第2形態例に係る水分吸脱装置2の斜視図である。
【図13】本発明の第2形態例に係る水分吸脱装置2の流路の区画方式を示す斜視図(1)である。
【図14】本発明の第2形態例に係る水分吸脱装置2の流路の区画方式を示す斜視図(2)である。
【図15】本発明の第2形態例に係る夏季運転時、水分吸脱装置2を通過する給気の状態変化を示す空気線図である。
【図16】本発明の第2形態例に係る夏季運転時、水分吸脱装置2を通過する排気の状態変化を示す空気線図である。
【図17】本発明の第2形態例に係るデシカント換気システム1の平面図である。
【符号の説明】
【0082】
1…デシカント換気システム、2…水分吸脱装置、4・4’…給気ダクト、5・5’…排気ダクト、6…ケーシング、7…除湿材、8…伝熱シート、9…軸、10…給気ファン、11…排気ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気の供給および室内空気の排気を併行して行うために一方側ダクトと他方側ダクトとを独立的に形成し、両端部に前記一方側ダクトと他方側ダクトとが夫々接続された所定長さのケーシング内に、通気性を有しない熱交換可能な伝熱シートによって層状に区画され、交互に第1流路と第2流路とから成る多数の流路が形成されるとともに、前記第1流路と第2流路とに区画する各仕切り面の少なくとも一部に除湿材が塗布、含浸又は接着されるか、前記第1流路と第2流路の少なくとも一部に除湿材が充填され、かつ前記ダクトと平行する中心軸芯回りに支持された水分吸脱装置を配置し、
所定時間毎に前記水分吸脱装置を前記中心軸芯回りにほぼ180度回転させることにより、前記第1流路を給気流路として流通させ、前記第2流路を排気流路として流通させる状態と、前記第2流路を給気流路として流通させ、前記第1流路を排気流路として流通させる状態とを交互に切り換え可能としたことを特徴とするデシカント換気システム。
【請求項2】
外気の供給および室内空気の排気を併行して行うために一方側ダクトと他方側ダクトとを独立的に形成し、両端面又は両端部の側面部分に前記一方側ダクトと他方側ダクトとが夫々接続された所定長さのケーシング内に、通気性を有しない熱交換可能な伝熱シートによって層状に区画された多数の流路が形成されるとともに、前記層状の流路に区画する各仕切り面の少なくとも一部に除湿材が塗布、含浸又は接着されるか、前記層状の流路の少なくとも一部に除湿材が充填され、
前記層状の流路は、一方側ダクト同士を連通するか又は一方側ダクトと他方側ダクトとを繋ぐ交差する対角関係にある2組の流路の内、一方組の一方側ダクトと他方側ダクトとを連通する第1流路と、他方側ダクト同士を連通するか又は一方側ダクトと他方側ダクトとを繋ぐ交差する対角関係にある2組の流路の内、他方組の一方側ダクトと他方側ダクトとを連通する第2流路とが交互に形成され、かつ前記ダクトと平行する中心軸芯回りに支持された水分吸脱装置を配置し、
所定時間毎に前記水分吸脱装置を前記中心軸芯回りにほぼ180度回転させることにより、前記第1流路を給気流路として流通させ、前記第2流路を排気流路として流通させる状態と、前記第2流路を給気流路として流通させ、前記第1流路を排気流路として流通させる状態とを交互に切り換え可能としたことを特徴とするデシカント換気システム。
【請求項3】
外気の供給および室内空気の排気を併行して行うために一方側ダクトと他方側ダクトとを独立的に形成し、これら一方側ダクトと他方側ダクトとが平行に配設された部位において、両ダクトに跨るとともに、両ダクトが接続された所定長さのケーシング内に、除湿材が塗布、含浸又は接着されるとともに、通気性を有しない熱交換可能な多数の伝熱シートによって層状に区画された多数の流路が形成され、該層状の流路は、一方側ダクトと他方側ダクトとを繋ぐとともに、交差する2組の対角関係の内、一方側対角の関係で一方側ダクトと他方側ダクトとが連通され、他方側対角の関係で一方側ダクトと他方側ダクトとが閉鎖された第1流路と、他方側対角の関係で一方側ダクトと他方側ダクトとが連通され、一方側対角の関係で一方側ダクトと他方側ダクトとが閉鎖された第2流路とが交互に形成され、かつ前記ダクトと平行する中心軸芯回りに支持された水分吸脱装置を配置し、
所定時間毎に前記水分吸脱装置を前記中心軸芯回りにほぼ180度回転させることにより、前記第1流路を給気流路として一方側ダクトから他方側ダクトへ流通させ、前記第2流路を排気流路として一方側ダクトから他方側ダクトへ流通させる状態と、前記第2流路を給気流路として一方側ダクトから他方側ダクトへ流通させ、前記第1流路を排気流路として一方側ダクトから他方側ダクトへ流通させる状態とを交互に切り換え可能とするか、所定時間毎に前記水分吸脱装置を前記中心軸芯回りにほぼ180度回転させることにより、前記第1流路を給気流路として一方側ダクトから他方側ダクトへ流通させ、前記第2流路を排気流路として他方側ダクトから一方側ダクトへ流通させる状態と、前記第2流路を給気流路として一方側ダクトから他方側ダクトへ流通させ、前記第1流路を排気流路として他方側ダクトから一方側ダクトへ流通させる状態とを交互に切り換え可能としたことを特徴とするデシカント換気システム。
【請求項4】
前記伝熱シートに前記除湿材が塗布、含浸又は接着される構成に代えて、前記第1流路と第2流路の少なくとも一部に除湿材が充填される構成とした請求項3記載のデシカント換気システム。
【請求項5】
前記水分吸脱装置の層状の流路は、1又は複数枚の伝熱シートを断面コ字形が連続する波板形状に折曲げ成形し、側板及び端板を配設することにより構成したことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のデシカント換気システム。
【請求項6】
前記水分吸脱装置の第1流路及び第2流路を形成する伝熱シートにおいて、流路の入口及び/又は出口近傍部分は前記除湿材が塗布、含浸又は接着されない領域とし、その他の部分は前記除湿材が塗布、含浸又は接着された領域としたことを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のデシカント換気システム。
【請求項7】
前記第1流路と第2流路とを層状に仕切る伝熱シートとして平板又は波板が使用されるとともに、前記上下の伝熱シート間にはスペーサ又は波板が配設され、前記スペーサ又は波板表面の一部又は全面に除湿材が塗布、含浸又は接着されている請求項1〜6いずれかに記載のデシカント換気システム。
【請求項8】
前記伝熱シート、スペーサ又は波板は、直径0.1mm以下の微細粒子状に形成した除湿材を懸濁させた懸濁液を含浸後、乾燥固定したガラス繊維、植物繊維、動物繊維及び/又は化学繊維などの繊維状シートであることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載のデシカント換気システム。
【請求項9】
前記水分吸脱装置を非電導性材料で構成するとともに、前記水分吸脱装置の近傍に、前記水分吸脱装置にマイクロ波を照射するためのマイクロ波照射装置を備えることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載のデシカント換気システム。
【請求項10】
前記水分吸脱装置において、前記第1流路及び/又は第2流路に、エンジンや燃料電池などの原動機又は発電装置、一般空調機、湯沸かし器等の既存設備から排出される高温空気或いは温排気と熱交換可能な熱交換器において加熱した空気を導く導入手段を備えたことを特徴とする請求項1〜9いずれかに記載のデシカント換気システム。
【請求項11】
前記水分吸脱装置は、流通空気の流れ方向に長辺を有する形状であることを特徴とする請求項1〜10いずれかに記載のデシカント換気システム。
【請求項12】
前記水分吸脱装置を回転させて給気流路と排気流路との切り換えを行う際、前記水分吸脱装置と、前記一方側ダクト又は他方側ダクトとの適正な接続位置を検出する検出機構を備えるとともに、その検出結果に応じて前記水分吸脱装置の回転を制御する制御手段を備える請求項1〜11いずれかに記載のデシカント換気システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−271247(P2007−271247A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161181(P2006−161181)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「住宅用コンパクト再生方式省エネ型換気空調システムの開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(390018474)新日本空調株式会社 (88)
【Fターム(参考)】