説明

デジタル信号を増幅させるための回路構成、及びバスシステムのためのトランシーバ回路

本発明は、出力回路の入力接続口(78)に印加されたデジタル入力信号(IN)を増幅させるための、バスシステム(11)のためのトランジスタ回路(21)のための出力回路(61)であって、出力回路(61)は、相補回路内にトランジスタ段(63)を有し、当該相補回路は、2つの互いに相補的に構成され直列に接続されたブランチ(65、75)を含み、各ブランチ(65、75)は、電界効果トランジスタ(M1、M2)を有する、上記出力回路(61)に関する。出力信号の立ち上がりエッジの時間(t1)と、出力信号(OUT)の立ち下がりエッジの時間(t2)と、が可能な限り僅かに異なる出力回路(61)を示すために、各ブランチ(65、75)がそれぞれ、当該ブランチ(65、75)の電界効果トランジスタ(M1、M2)のドレインソース区間によって直列に接続された電源(71、77)を有し、各電源(71、77)は、同ブランチ(65、75)の電界効果トランジスタ(M1、M2)のドレインソース区間が少なくとも部分的に伝導性である場合に、当該ブランチ(65、75)を通って流れる電流を生成するために構成され、1のブランチ(65、75)の電源(71、77)によって生成可能な電流(I1、I2)は、他のブランチ(75、65)の電源(77、71)によって生成可能な電流に、少なくとも実質的に対応することが提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の特徴を有する出力回路と、請求項6の上位概念に記載の特徴を有するバスシステムのためのトランシーバ回路と、に関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
特に車両または商用車の制御装置、センサ、及びアクチュエータは、「FlexRay」の名で公知のバスシステムのような通信システムによって、互いに接続されることが多い。バスシステム上での通信トラフィック、アクセス及び受信の仕組み、並びに、エラー処理は、プロトコルを介して調整される。FlexRayにおいては、特に車両内での使用のための、高速で、決定論的な、エラーに対して耐性のあるバスシステムが関わっている。FlexRayプロトコルは、時分割多重アクセス(TDMA:Time Division Multiple Access)の原則に従って機能し、加入者、又は伝送されるメッセージには、固定のタイムスロットが割り当てられ、当該タイムスロットにおいては、加入者、又は伝送されるメッセージは、通信接続に対する排他的なアクセス権を有する。その際、タイムスロットは固定の周期で繰り返されるので、バスを介してメッセージが伝送される時点を正確に予測することが可能であり、バスアクセスは決定論的に行われる。
【0003】
バス上でメッセージを伝送するための帯域幅を最適に利用するために、FlexRayは、周期を静的部分と動的部分とに分ける。この場合、固定のタイムスロットは、バスサイクルの最初の静的部分に存在する。動的部分では、タイムスロットが動的に設定される。当該動的部分では、排他的なバスアクセス権はそれぞれ短時間の間だけ、少なくとも1つのミニスロットの時間の間だけ可能とされる。ミニスロットの間にバスアクセスが行われる場合にのみ、タイムスロットは必要な時間分延長される。従って、帯域幅は、実際に必要とされる場合にのみ使用される。その際、FlexRayは、データレートがそれぞれ最大10Mbit/secの、1つまたは2つの物理的に別々の線を介して通信する。FlexRayは、より低いデータレートでも駆動されうる。この場合、当該線により実現されるチャネルは、特にOSI(Open System Architecture)階層モデルの物理層に対応する。2つのチャネルを利用することは、主に、重複した、エラーに対して耐性のあるメッセージ伝送に役立つが、異なるメッセージを伝送することも可能であり、それによってデータレートは2倍となるであろう。通常では、メッセージは、異なる信号を用いて伝送され、すなわち、接続線を介して伝送される信号は、2つの線を介して伝送される個々の信号の差分から生成される。階層モデルの物理層に存在する層は、線を介した、1つ又は複数の信号の電気的又は光学的な伝送、又は、他の経路での伝送が可能であるように構成される。
【0004】
このようなバスシステムを介したデータ又はメッセージの伝送では、立ち下りエッジ(High−to−Low)又は立ち上がりエッジ(Low−to−High)が、伝送路において異なる度合いで遅延するために、パルスが歪む。信号の立ち上がりエッジと立ち下りエッジとの間の遅延は、パルス歪み又は非対称な遅延と呼ばれる。非対称な遅延には、システム的な原因のみならず、確立論的な原因もありうる。特に、FlexRayシステムおいて設けられた10MHzという比較的高いビットレートの場合、立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジについて非対称なこのような伝送動作は、データ伝送の品質を妨げる。従って、物理層におけるこの非対称な伝送動作は、可能な限り十分に防止される必要がある。
【0005】
図5は、互いに相補的に配置され構成された絶縁ゲート−電界効果トランジスタ(MOSFET)を備えたインバータとして構成されたドライバの形態による、一般に公知の回路構成を示している。このドライバの製造時には、互いに相補的に構成されたPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタを、可能な限り良好にペアにすることが試されている。しかしながら、PMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタは、同一の製造工程で製造されないため、このペアリングは不十分である。これにより、ドライバにより生成された出力信号の立ち上がりエッジの時間t1が、立ち下がりエッジの時間t2とは異なる結果となる。図6は、公知のドライバにより、当該ドライバの矩形の入力信号に従って生成される出力信号を示している。
【0006】
後続の受信機の切り替え閾値が理想的な状態の場合、異なる時間t1およびt2から生じる通過時間エラーは、以下のようになる。
|t1−t2|=VDD*0.5*|dV/dtrise−dV/dtfall|
【0007】
FleXRay適用のためのトランシーバ回路は、立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジについて同一の通過時間を要する。例えば5Vポート(例えば、ピンRxD)のエッジの傾斜の違いは、システムにおける実行時エラーに著しく寄与する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、出力回路内で利用される、当該出力回路の相補的なブランチの電界効果トランジスタが、その電気特性に鑑みて、正確には互いに相補的に構成されていない場合に、出力信号の立ち上がりエッジの時間と、当該出力信号の立ち下がりエッジの時間とが、可能が限り僅かに異なる出力回路を示すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本課題は、請求項1に記載の特徴を有する出力回路と、請求項6に記載の特徴を有するトランジスタ回路と、によって解決される。
【0010】
本発明によれば、エッジの時間に対する、電界効果トランジスタの電気特性の影響は、電源を用いることにより少なくとも十分に解消されうることが分かった。本発明に係る出力回路により生成される出力信号のエッジの傾斜は、技術的な理由から不十分であったNMOSトランジスタとPMOSトランジスタのペアリングに特に依存すること無く、電源を追加することによって保障される。本発明の根底にある回路構想は、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとが同じように遅延することを必要とする全ての適用に適している。特に、本発明に係る出力回路は、FlexRayトランシーバ回路の接続口RxDのためのドライバ、及び/又は、バス接続口BP及びBMのためのドライバとして構成されうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の更なる特徴及び効果は、図面を用いて例示的な実施形態をより詳細に解説した以下の記載から明らかとなろう。
【図1】トランシーバ回路をそれぞれが有するノードを備えたバスシステムを示す。
【図2】第1の好適な実施形態に係る出力回路を概略的に示す。
【図3】図2の出力回路の詳細な図である。
【図4】抵抗が低い出力フォロワを有する、第2の好適な実施形態に係る出力回路の図である。
【図5】公知の回路構成の図である。
【図6】図5の公知の回路構成におけるエッジの傾きの違いと、信号通過時間に対するその影響を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、複数のノード13が接続されたバスシステム11を示している。バスシステム11は、FlexRay通信システムであってもよく、従って、バスシステム11は、FlexRayコンソーシアムの仕様に基づいて構成することが可能である。
【0013】
個々のノード13は、バス線15を介して直接的に、又は、スターカプラ17を介して間接的に互いに接続される。各バス線15は、それぞれが導電体を形成する2つの心線19から成る少なくとも1つの心線ペアを備えたケーブルとして構成される。従って、バスシステム11は、データ伝送のためのチャネルであって、心線ペアの心線19により形成される上記チャネルを有する。示されない実施形態において、バスシステム11は、複数のチャネル、好適に、2つの互いに別々の心線ペアによって実現される2つのチャネル(図示せず)を有しうる。2つのチャネルの利用により、2つのチャネルを介した異なるデータの伝送によって、ノード13間でのデータ伝送のユーザデータレートを上げることが出来る。バスシステムは、2つの心線ペアのうちの1つが破損した際に、引き続き機能しうるので、バスシステム11の、より向上した信頼性が得られる。
【0014】
各ノード13は、好適に集積回路として構成されたトランシーバ回路21を有する。トランシーバ回路21の第1のバス接続口BP及び第2のバス接続口BMはそれぞれ、バス線15のうちの1つの、心線のうちの1つと接続されている。
【0015】
トランシーバ回路21は、バス線15を介してデータを受信するための受信回路23と、ノード13が接続されたバス線15を介してデータを送信するための送信回路25と、を有する。受信回路23及び送信回路25は、トランシーバ回路21内で、2つのバス接続口BP及びBMと接続されている。受信回路23及び送信回路25は、対応するトランシーバ回路21に接続されたバス線15の心線ペアを介して、差分デジタル信号を伝送するためのものである。
【0016】
さらに、トランシーバ回路21は、論理ユニット27を有し、当該論理ユニット27は、受信回路23及び送信回路25と接続されている。論理ユニット27は、例えばマイクロコントローラ31又はマイクロコンピュータとして形成された制御回路に、トランシーバ回路21を接続するための接続口を有する。この接続口、又は、当該接続口に接続される線は、トランシーバ回路21と、制御回路又はマイクロコントローラ31と、の間のインタフェース29を形成する。
【0017】
マイクロコントローラ31は、バス線15を介したノード13間の通信プロセスを制御するための通信コントローラ33を有する。通信コントローラ33は、バスシステム11のプロトコルにより通信プロセスを制御するため、特に、バスシステム11のメディアアクセス方法を実施するために構成されている。通信コントローラ33は、さらに、バス線15を介して伝送されるデータフレームのチェックサムを、例えばCRC方法に従って計算するために、及び/又は、受信されたデータフレームのチェックサムを検証するために設けられうる。
【0018】
インタフェース線として、特に、トランシーバ回路21がバス線15を介して受信したデータをトランシーバ回路21から通信コントローラ33へと伝送するための線RxDと、トランシーバ回路21がバス線15を介して送信すべきデータを通信コントローラ33からトランシーバ回路21へと伝送ための線TxDと、が設けられている。インタフェース29は、RxD及びTxDの2つの線の他に、例えば通信コントローラ33とトランシーバ回路21との間で制御情報を交換する役目を果たす更なる別の線34も含む。
【0019】
マイクロコントローラ31は、演算コア35と、メモリ37(作業メモリ及び/又は読み出し専用メモリ)と、入出力素子39と、を有する。マイクロコントローラ31は、更なる別のプロトコルソフトウェア、及び/又は、アプリケーションプログラムを実行するために設けられうる。
【0020】
示される実施形態において、通信コントローラ33は、マイクロコントローラ31に組み込まれている。これとは異なり、示されない実施形態において、通信コントローラ33は、マイクロコントローラ31とは別体の回路、好適には、集積回路として構成される。
【0021】
図2は、デジタル信号OUTを出力するための、トランシーバ回路21の出力回路61を示している。デジタル信号OUTにおいては、論理ユニット27により生成されたデジタル信号RxD、又は、送信回路25により生成された相補的な2つのバス信号BP及びBMが関わりうる。示される実施形態において、論理ユニット27、及び、送信回路25は、1つ又は複数の出力回路61を有する。さらに、論理ユニット27は、更なる別の線34の少なくとも1つを介して論理ロジック27からマイクロコントローラ31へ伝送される出力信号OUTを生成するための、更なる別の出力回路61も有する。さらに、他の回路に出力回路61を組み込み、又は、モジュールとしてトランシーバ回路21に組み込むことも構想可能である。例えば、出力回路はマイクロコントローラ31に、又は、任意の他の集積回路に組み込むことが出来る。
【0022】
出力回路61は、トランジスタ段63を有し、当該トランジスタ段63は、出力回路61の供給電圧線67と出力回路61の出力口69との間に配置された第1のブランチ65を含む。第1のブランチ65は、第1の電源71と、PチャネルMOSFET M1のドレインソース区間と、から成る直列接続を有する。出力口69と、出力回路61のアース線73との間には、第1のブランチ65に対して相補的に構成された第2のブランチ75が配置されている。第2のブランチ75は、そのドレインソース区間が第2の電源77と直列に接続されたnチャネルMOSFET M2を含む。
【0023】
出力回路の出力口69と、アース線73との間には、負荷キャパシタンス79が配置されている。2つのトランジスタM1及びM2のゲート接続口は互いに接続されており、出力回路61の入力口78を形成する。
【0024】
図3に示される実施形態において、2つの電源71、77が、電流ミラーとして構成される。電流ミラーは、トランジスタM7を有する。基準電流IREFを設定するための基準電源81であって、トランジスタM7のドレイン接続口と接続されうる上記基準電源81を設定することが可能である。電流ミラーは、トランジスタM7の他に、第1のブランチ65に割り当てられた更なる別のトランジスタM3、M4、及びM6から構成される。電流ミラーのトランジスタM5と、トランジスタM7とは、第2のブランチ75に割り当てられている。本発明の更なる別に実施形態において、基準電源81は設けられない。
【0025】
図4に示される、出力回路の更なる実施形態においては、トランジスタ段63の下流に、電流増幅器83として実現された出力フォロワが接続されている。電流増幅器83は、トランジスタ段63と同様に、2つの互いに相補的に構成された非対称なブランチによって実現されている。上側のブランチ85は、供給電圧線67と、出力口69と、の間に配置されている。電流増幅器83の入力口87は、抵抗R1とPNPトランジスタQ1とを含む、電流増幅器83のエミッタフォロワと接続されている。エミッタフォロワR1、Q1の下流には、NPNトランジスタとして構成された、上側のブランチ85の出力トランジスタQ2が接続されている。
【0026】
さらに、電流増幅器83の入力口87には、出力口69とアース線73との間に配置された、電流増幅器83の下側のブランチ89が接続されている。下側のブランチ89は、入力口87に接続されたエミッタフォロワであって、NPNトランジスタQ3と抵抗Q2とにより構成された上記エミッタフォロワと、当該エミッタフォロワの下流に接続された、PNPトランジスタとして構成された出力トランジスタQ4と、を有する。2つの出力トランジスタQ2及びQ4のエミッタ接続口は互いに接続され、出力回路61の出力口69に接続されている。出力口69とアース線73との間には、負荷キャパシタンス79が配置されている。電流増幅器83の入力口87と接続された、トランジスタ段63の出力口91と、アース線73との間には、少なくとも基本的には一定のキャパシタンスC1が配置されている。定数キャパシタンスC1は、出力回路61に組み込まれた集積回路の半導体チップ内に配置されうる。定数キャパシタンスC1の値は、その構造によって、又は、半導体チップの構造によって設定される。
【0027】
図3に示す出力回路61の作動の際には、出力回路の入力口に、デジタル入力信号INが印加される。入力信号INの論理状態に従って、トランジスタM1又はM2が連結する。入力信号INの、傾斜が急な立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジは、出力回路によって、負荷キャパシタンス79に基づいて、出力回路61により生成される出力信号OUTの連続的な立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジへと変換される。電源71、77、又は、対応する電流ミラーは、そのトランジスタM1又はM2が連結しているブランチ65又は75に、所定の電流I1又はI2を印加する。設定電流が同一に設定された場合、すなわちI1=I2の場合には、勾配量が同一の、デジタル出力信号OUTの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジが得られる。
【0028】
従って、出力回路61は、エッジが対称的な、すなわち、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジについてのエッジの傾斜度が同じであるようなポート、例えば5Vデジタル出力口の実現を可能とする。
【0029】
出力回路61では、入力口78に印加されたデジタル信号INの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジについて、出力回路61の通過による同一の通過時間が得られる。この場合、後続の受信機(通常では、マイクロコントローラの入力口)が、0.5*VDDの切り替え閾値を有することを前提とする。
【0030】
負荷キャパシタンス79は、2つのブランチ65、75により電流I1及びI2を生成するための電源71、77と共に、以下のような定められたエッジの傾斜度を生成する。
dv/dt=I/C
I=I1=I2を選択すると、対称的なエッジが生成される。
【0031】
出力回路61は、電源としてのトランジスタM3及びM4を備えた電流駆動型のポートとして構成される。トランジスタM3による電流は、トランジスタM5による電流のコピーである。このコピーは、M6、及び電流ミラーM4、M3によって生成される。
【0032】
図3で示す出力回路61の場合、エッジの傾斜度は、負荷キャパシタンス79に依存する。このような依存性を回避するために、図4に示すように、トランジスタ段63の出力口91には、一定の、予め定められたキャパシタンスC1が設けられうる。通常では接続線又はバス線15に依存する、未知の負荷キャパシタンス79は、引き続いて、抵抗が低い増幅器83によって、少なくとも基本的にR1の増幅によって作動される。これにより、エッジの傾斜度は、負荷キャパシタンス79に依存しない。
【0033】
バイポーラトランジスタが設けられていない技術では、トランジスタQ1〜Q4は、チャネル幅とチャネル長との間の比率W/Lが非常に大きいMOSトランジスタと、置き換えることが可能である(出力インピーダンス|Z|=1/(2*gm))。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力回路の入力接続口(78)に印加されるデジタル入力信号(IN)を増幅させるための、バスシステム(11)のためのトランシーバ回路(21)のための前記出力回路(61)であって、前記出力回路(61)は、相補回路内にトランジスタ段(63)を有し、前記相補回路は、2つの互いに相補的に構成され直列に接続されたブランチ(65、75)を含み、各ブランチ(65、75)は、電界効果トランジスタ(M1、M2)を有する、前記出力回路(61)において、
各ブランチ(65、75)はそれぞれ、当該ブランチ(65、75)の前記電界効果トランジスタ(M1、M2)のドレインソース区間によって直列に接続された電源(71、77)を有し、各電源(71、77)は、同ブランチ(65、75)の前記電界効果トランジスタ(M1、M2)のドレインソース区間が少なくとも部分的に伝導性である場合に、当該ブランチ(65、75)を通って流れる電流を生成するために構成され、1の前記ブランチ(65、75)の前記電源(71、77)によって生成可能な電流(I1、I2)は、他の前記ブランチ(75、65)の前記電源(77、71)によって生成可能な電流に、少なくとも対応することを特徴とする、出力回路(61)。
【請求項2】
前記電源(71、77)の少なくとも1つは、電流ミラーとして構成されることを特徴とする、請求項1に記載の回路(61)。
【請求項3】
前記電流ミラーは、基準電流(IREF)を設定するための基準電源(81)と結合されているため、前記電流ミラーにより生成可能な、対応する前記ブランチ(65、75)を通って流れる電流(I1、I2)は、前記基準電流(IREF)に依存することを特徴とする、請求項2に記載の回路(61)。
【請求項4】
補正回路内の前記トランジスタ段(63)の下流に、出力段(83)が接続されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回路(61)。
【請求項5】
前記出力段は、特にバイポーラトランジスタ(Q1、Q2、Q3、Q4)を備えた電流増幅器(83)として構成されることを特徴とする、請求項4に記載の回路。
【請求項6】
出力回路(61)の入力接続口(78)に印加されたデジタル入力信号(IN)を増幅させるための前記出力回路(61)を備えた、バスシステム(11)のためのトランジスタ回路(21)であって、前記出力回路(61)は、相補回路内にトランジスタ段(63)を有し、前記相補回路は、2つの互いに相補的に構成され直列に接続されたブランチ(65、75)を含み、各ブランチ(65、75)は、電界効果トランジスタ(M1、M2)を有する、前記トランジスタ回路(21)において、
前記出力回路(61)は、請求項1〜5のいずれかに記載されるように構成されることを特徴とする、トランジスタ回路(21)。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−508492(P2012−508492A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535060(P2011−535060)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/062429
【国際公開番号】WO2010/052066
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(501125231)ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (329)
【Fターム(参考)】