説明

デングウイルス感染の処置または予防のための小分子インヒビター

化合物を治療上効果的な量で投与することによって、ウイルス感染を処置するための方法および医薬組成物を開示する。化合物およびその医薬組成物を用いる方法も開示する。特に、フラビウイルス(すなわち、これらに限定されるわけではないが、デングウイルス、西ナイルウイルス,黄熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、およびダニ媒介脳炎ウイルスを含む)によって生じるようなウイルス感染の処置および予防を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2008年6月3日に提出された米国仮出願第61/058263号明細書に対する優先権およびその利益を主張し、その内容を参照することによりそれら全体としてここに組み込む。
本発明の分野
この発明は、デング熱、黄熱、西ナイル、セントルイス脳炎、C型肝炎、マレー渓谷脳炎、および日本脳炎のようなフラビウイルスファミリー(科)に関係するウイルス性疾患の処置または予防のための、ベンゾオキサゾール誘導体および類似体、ならびにそれを含む組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
デング熱(Dengue Fever,DF)は、4種の密接に関連するウイルス血清型(DEN−1,DEN−2,DEN−3,およびDEN−4)のうち1つによって起こる急性の熱病である。デング熱は、その臨床特性に基づいて、古典的なデング熱、またはより一層重度の形態、デング出血熱症(DHF)、およびデングショック症候群(DSS)に分類される。1つの血清型からの感染からの回復は、特定の血清型に対する一生の免疫を生成するが、短期的にしか生存せず、他の血清型のいずれかに対する保護が制限される(37)。デングは、エンベロープされたpositive−sense RNAウイルスであるフラビウイルス科の一員であり、そのヒト病原体には西ナイル(West Nile)ウイルス(WNV),黄熱ウイルス(YFV),日本脳炎ウイルス(JEV),およびダニ媒介脳炎ウイルス(TBEV)を含む。デングの感染は、世界中の熱帯および亜熱帯領域において見られる感染したAedes aegypti蚊(ネッタイシマカ)の刺咬を介して行われる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Barth, O. M. 1999. Ultrastructural aspects of the dengue virus (flavivirus) particle. J Submicrosc Cytol Pathol 31:407-12.
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【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各年、デングの地域的流行が疾患および大量の死を起こし、社会的混乱、および入院および蚊の制御の両方に関して影響を受ける地域に大きな経済的負担を及ぼす。デングは、世界保健機関(WHO)によって最も重要な節足動物媒介性ウイルス性疾患と捉えられ、推定5千万のデング感染が、500000DHFのケースおよび24000の死も含めて毎年世界中で起きている(37,38)。WHOは、世界人口の40%(25億人)がDF、DHF,、およびDSSに対する危険性を有すると推測する(37)。デングはまた、NIAIDカテゴリA病原体であり、生体防御系の観点で、米国から海外まで大きな脅威である。デングは、北アメリカにとって緊急的な脅威であり、キューバおよびベネズエラにおける大発作およびテキサスおよびハワイにおける発生を含めて過去25年間において重度な疾患が劇的に増加している(4)。蚊の媒介動物の制御の失敗および長距離旅行の増加によって、デング病の増加および広がりを導いた。デングのウイルス性出血性熱ウイルスとしての特性(節足動物媒介性、広く拡散する、および大量の細胞傷害を導き、結果として重度な出血、ショックおよび死をもたらす免疫反応を誘発する)により、このウイルスは世界中の軍人および熱帯地域への旅行者に対して独特の脅威となっている。デングによって突きつけられた生体防御および公的な健康課題のための準備には、新規のワクチンおよび抗ウイルス治療の発展を必要とする。
【0005】
デングは、いくつかの疾患を引き起こすが、その重篤度は、異なる血清型のウイルスに以前に感染したかによって部分的には決まってくる。蚊の刺咬後3〜8日後に始まる古典的なデング熱(DF)は、急な熱、頭痛、背痛、関節痛、はしかのような発疹、および吐き気および嘔吐によって特徴づけられる(21)。DFは、これらの症状からしばしば「breakbone」熱と言われる。この疾患は、通常2週間後に回復するが、弱体化および憂鬱を伴って回復が長引くのが一般的である。より重症な疾患であるデング出血熱(DHF)は、デング熱と同じような発病および病気の初期フェーズを示す。しかし、発病してからまもなく、疾患は、高熱、肝臓の拡大、および血管透過性のために鼻、口および内臓からの出血等の出血症状によって特徴づけられる(38)。デング熱ショック症候群(DSS)において、血漿漏出からの循環不全および血液量減少が起こり、血漿補充しないと12〜24時間以内に死を導く(38)。DHF/DSSの致死率は、治療しないと20%にも上る。DHFは、入院を導き、多くの国における子供の死は500000人にも推定され、毎年入院が必要となり約5%の致死率となる(37)。
【0006】
DHF/DSSの発症は、未だ研究されているが、抗体依存性増殖(ADE)と呼ぶ異好性抗体(heterotypic antibodies)によるマクロファージにおけるウイルス複製の増加が部分的には原因となっていると考えられている(8)。二次感染の間、異なる血清型のデングウイルスがあると、中和しない交差反応性抗体は、単核白血球およびランゲルハンス細胞(樹状細胞)へと取り込まれるウイルス−抗体複合体を形成し、感染細胞の数を増やす(7)。これは、DHFおよびDSSに特徴的な血漿漏出および出血特性を結果として導く細胞傷害性リンパ球の活性を導く(21)。この感染の抗体依存性増殖は、有効なワクチンの開発が非常に難しいことを証明する理由の1つである。しばしばではないが、DHF/DSSは最初の感染後に起こり(33)、ウイルス毒性(16)および免疫活性化も疾患の発症に寄与すると考えられている(26)。
【0007】
デングは、アフリカ、アメリカ、東地中海、東南アジアおよび西太平洋における100もの国における風土病である。流行の間、発病率は、感受性集団の80〜90%にも及ぶ。すべての4個の血清型ウイルスは、世界中で新たに起こり、疾患の数を増加させ、更には爆発的な発生の数も増加させる。2002年において、例えば、アメリカだけで1015420件のデング、および14374件のDHFが報告され、1995年にアメリカにおいて報告されたデングの件数の3倍以上となった。
【0008】
デングゲノムは、長さ約11kbであり、単鎖の長いポリプロテインとして翻訳される直鎖で一本鎖の感染性positive senseRNAウイルスから成る(29)。ゲノムは、7個の非構造(NS)タンパク質遺伝子および3個の構造タンパク質遺伝子から成り、構造タンパク質遺伝子は、ヌクレオカプシドタンパク質(C)、膜結合タンパク質(M)、およびエンベロープタンパク質(E)をコードする。非構造タンパク質遺伝子は、ウイルス性RNA複製(35)、ウイルス集合および疾患の発症に関与する(19)。構造タンパク質は、主に、ウイルス粒子形成に関与する(22)。前駆体ポリプロテインは、細胞性プロテイナーゼによって切断されて、別々の構造タンパク質となり(18)、ウイルスによってコードされるプロテイナーゼが、ポリプロテインの非構造領域を切断する(6)。ゲノムはキャップされ、3´末端にポリ(A)テールを持たないが、その代わり、ゲノムRNAの安定性および複製に必要な安定なステムループ構造を有する(3)。ウイルスは、Eタンパク質を介して細胞受容体に結合し、受容体媒介エンドサイトーシスを行い、リソソームにおいて低pH融合する(20)。ウイルスゲノムは、その後、脱穀し、ウイルス前駆体ポリプロテインへと翻訳される。翻訳時および翻訳後タンパク質プロセシングにより、構造および非構造タンパク質が分離する。共同因子とともにRNA依存性RNAポリメラーゼは、子孫プラス鎖RNAを合成する鋳型として機能するマイナス鎖RNAを合成する(25)。ウイルス複製体は、膜結合する(1,34)。複製後、ゲノムをカプシドで包み、脂質エンベロープによって囲まれた未成熟ウイルスは内腔へと出芽する(9)。エンベロープタンパク質は、グリコシル化し、成熟ウイルスは、細胞外に放出される。ウイルスのライフサイクル間の重要な段階およびプロセスは、抗ウイルス薬剤からの阻害に対して標的とすることを可能にし、Eタンパク質を介したウイルスの細胞への結合、ウイルスの細胞への取り込み、キャッピング機構、ウイルスプロテイナーゼ、ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼ、およびウイルスヘリカーゼを含む。
【課題を解決するための手段】
【0009】
デングウイルスに関連した疾患の現在の管理は、媒介生物の制御にのみ頼っている。デングを治療もしくは予防する認可された抗ウイルスまたはワクチンは存在しない。グアノシン類似体であるリバビリンは、幅広いRNAウイルス感染に対して効果的であり、デング2´−O−メチルトランスフェラーゼNS5ドメインを阻害することによって細胞培養におけるデングに対して働くことが分かってきた(2,10)。しかし、リバビリンは、マウスモデル(15)またはアカゲザルモデル(17)においてデングに対する保護を示さず、その代わり、貧血および血小板増加を導いた。現在利用できる認可されたワクチンは存在しないが、多価デングワクチンがヒトにおいて幾らかの限られた可能性を示している(5,12,13,28)。しかし、ワクチンの開発は、それぞれ疾患を起こす4種の異なる血清型ウイルスが存在するために難しい。ワクチンの開発はまた、ADEという課題に直面し、異なる血清型ウイルスに対する異なる保護により、より重症な疾患の危険性が高まる可能性がある。したがって、すべての血清型デングを標的とする抗ウイルス薬剤が必要である。ウイルス複製を阻害するデング感染間の早期に投与した抗ウイルス薬剤は、DHFに関連する高いウイルス量を阻害し、疾患の治療および予防において魅力的な戦略である。ウイルス複製を阻害する抗ウイルス薬剤は、デング流行地に旅行する前に投与して、疾患にかかることを防ぎ、またはデングに以前に曝露した経験があるならば、他の血清型ウイルスによる感染を防ぎ、命を脅かすDHFおよびDSSの機会を減少させる。抗ウイルス薬剤はまた、異なる血清型に対する異なる免疫保護によって起こる合併症を治療する道具を有することによってワクチンの開発を助ける。成功したワクチンは、効果的な生体防御の重要な構成要素となりうるが、免疫開始の典型的な遅れ、潜在的な副作用、費用および大規模な人々の低い危険因子に対する予防接種に関連する事業計画によって、包括的な生体防御には別々の速い応答の要素が含まれることが示唆される。したがって、フラビウイルス感染に対して保護する安全で効果的な製品を緊急に開発する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】Vero細胞での収率アッセイによって定めた各血清型のデングウイルスに対する化合物3の効果的な濃度(μM)を示す。
【0011】
本発明の概略
本発明は、製剤上許容可能なキャリアおよび以下の一般式Iまたはその製剤上許容可能な塩を含む医薬組成物を提供する:
【化1】

式中、AはNまたはC−Rであり、BはNまたはC−Rであり、RおよびRは、独立して、水素、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ、およびニトロからなる群より選ばれ、または、RおよびRは、それらが結合する炭素と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、芳香族または非芳香族であってもよく、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、芳香族環または脂肪族環と融合していてもよく、
X、YおよびZは、独立して、O、SおよびN−Rからなる群より選ばれ、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アーリル、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、および置換カルバモイルからなる群より選ばれ、
およびRは、独立して、水素、置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、シアノ、イソシアノ、およびニトロからなる群より選ばれ、または、RおよびRは、それらが結合する炭素と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、芳香族環または脂肪族環と融合していてもよく、
およびRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、および置換カルバモイルからなる群より選ばれ、または、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、芳香族環または脂肪族環と融合していてもよく、および
またはRおよびRまたはRは、それらが結合する炭素または窒素およびZが結合する炭素と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0012】
本発明はさらに、ウイルス感染またはそれに関連する病気を処置または予防する方法であって、式Iの化合物またはそれらの製剤上許容可能な塩を、治療上効果的な量で必要とする哺乳動物に投与することを含む方法を提供する:
【化2】

式中、AはNまたはC−Rであり、BはNまたはC−Rであり、RおよびRは、独立して、水素、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ、およびニトロからなる群より選ばれ、または、RおよびRは、それらが結合する炭素と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は芳香族または非芳香族であってもよく、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、芳香族環または脂肪族環と融合していてもよく、
X、YおよびZは、独立して、O、SおよびN−Rからなる群より選ばれ、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アーリル、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、および置換カルバモイルからなる群より選ばれ、
およびRは、独立して、水素、置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、シアノ、イソシアノ、およびニトロからなる群より選ばれ、または、RおよびRは、それらが結合する炭素と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、芳香族環または脂肪族環と融合していてもよく、
およびRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、および置換カルバモイルからなる群より選ばれ、または、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、芳香族環または脂肪族環と融合していてもく、および
またはRおよびRまたはRは、それらが結合する炭素または窒素およびZが結合する炭素と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0013】
本発明の他の目的および利点は、以下の説明および添付した請求項から明らかである。
【0014】
本発明の詳細な記載
本発明の化合物は、以下の一般式Iの化合物である:
【化3】

式中、AはNまたはC−Rであり、BはNまたはC−Rであり、RおよびRは、独立して、水素、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ、およびニトロからなる群より選ばれ、または、RおよびRは、それらが結合する炭素と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は芳香族または非芳香族であってもよく、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、芳香族環または脂肪族環と融合していてもよく、
X、YおよびZは、独立して、O、SおよびN−Rからなる群より選ばれ、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アーリル、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、および置換カルバモイルからなる群より選ばれ、
およびRは、独立して、水素、置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、シアノ、イソシアノ、およびニトロからなる群より選ばれ、または、RおよびRは、それらが結合する炭素と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、芳香族環または脂肪族環と融合していてもよく、
およびRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、および置換カルバモイルからなる群より選ばれ、または、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、芳香族環または脂肪族環と融合していてもよく、および
またはRおよびRおよびRは、ぞれらが結合する炭素または窒素およびZが結合する炭素と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0015】
好ましくは、RおよびRはそれぞれ水素である。また、好ましくは、YはSであり、ZはOである。さらに好ましくは、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と一緒に置換環を形成する。
【0016】
好ましくは、本発明の化合物は、N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−3−フェニル−プロピオンアミド;N−[2−(2−オキソ−2−ピペリジン−1−イル−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−プロピオンアミド;1’−[2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボン酸アミド;3−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ベンジル−ピロリジン−2,5−ジオン;2−メチル−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2,4−ジクロロ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;1−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−2−(6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−[4−(4−フルオロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン;1’−[2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボン酸アミド;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;1−[3−(2−メトキシ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−2−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;3−メチル−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2−(6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−ジエチルカルバモイルメチルスルファニル−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸シクロヘキシルアミド;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−(6−{[1−(4−ブロモ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−(6−{[1−(4−クロロ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−(6−{[1−アントラセン−9−イル−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−ブロモ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;4−ブトキシ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;1−モルホリン−4−イル−2−(6−{[1−[5−(1−フェニル−1H−テトラゾール−5−イルスルファニル)−フラン−2−イル]−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチオアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(6−{[1−(2,6−ジクロロ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−(6−{[1−(4−ヨード−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−(6−{[1−(4−フルオロ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−フルオロ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2−メトキシ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;3,4−ジクロロ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2−[6−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−N,N−ジエチル−アセトアミド;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;シクロヘキサンカルボン酸[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アミド;2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニル)−N-[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;2−(4,5−ジフェニル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル)−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;2−(4−メチル−5−ナフタレン−1−イルメチル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル)−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;2−(4−メチル−5−フェニル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル)−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−2−ナフタレン−1−イル−アセトアミド;1−(4−ベンゾチアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−2−(6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−ベンゾチアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ピペリジン−1−イル−エタノン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;1−アゼパン−1−イル−2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−メチル−ピペリジン−1−イル)−エタノン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−1−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−エタノン;2−(2−オキソ−2−ピペリジン−1−イル−エチルスルファニル)−ベンゾオキサゾール−5−カルボン酸;2−(6−ニトロ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ピペリジン−1−イル−エタノン;1−(4−ベンゾチアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−(6−ニトロ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−[5−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニルメチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルスルファニル]−N−シクロヘキシル−アセトアミド;N−{2−[2−オキソ−2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エチルスルファニル}−ベンゾチアゾール−6−イル)−プロピオンアミド;2−(6−ニトロ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノン;4−メチル−N−[2−(2−オキソ−2−ピペリジン−1−イル−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;N−{2−[2−オキソ−2−(4−フェニル−ピペラジン1−イル)−エチルスルファニル]−ベンゾチアゾール−6−イル)−アセトアミド;4−クロロ−N−[2−(2−オキソ−2−ピロリジン−1−イル−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノン;3−(4−ベンゾチアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−1−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−2,5−ジオン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イルーエタノン;N,N−ジエチル−2−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−アセトアミド;2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノン;3,4−ジメトキシ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2−ブロモ−N−[2−(2−オキソ−2−ピロリジン−1−イル−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;1−[2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−ピペリジン−4−カルボン酸アミド;1−[2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−ピペリジン−4−カルボン酸アミド;1−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−ピペリジン−4−カルボン酸アミド;1’−[2−(4−エチル−5−フェニル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル)−アセチル]−[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボン酸アミド;1’−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボン酸アミド;2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−[4−(4−フルオロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン;1−(4−ベンズヒドリル−ピペラジン−1−イル)−2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;1−[4−(3−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−2−(6−ニトロ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(5−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;N−{2−[2−オキソ−2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エチルスルファニル]−ベンゾチアゾール−6−イル]−ブチルアミド;2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン;2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−1−[4−(4−p−トリル−フタラジン−1−イル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン;2−{1−[(2,6−ジメチル−フェニルカルバモイル)−メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル}−アセトアミド;2−(ベンゾオキサゾール−2−イル

スルファニル)−1−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン;1−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−2−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;および2−(1−ベンゼンスルホニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノンからなる群より選ばれる。
【0017】
最も好ましくは、本発明の化合物は、1´−[2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−[1,4´]ビピペリジニル−4´−カルボン酸アミドである。
【0018】
本発明の方法は、ウイルス感染もしくはそれに関する疾患を処置(治療)または予防することを目的とし、上述の化学式Iの化合物が、治療上効果的な量で、それを必要とする哺乳動物に投与されることを含む。
【0019】
好ましくは、哺乳動物はヒトであり、そしてウイルス感染はフラビウイルス感染である。より一層好ましくは、フラビウイルスは、デング熱、西ナイル、黄熱、日本脳炎ウイルスおよびダニ媒介脳炎ウイルスから成る群から選択する。最も好ましくは、フラビウイルスは、DEN−1,DEN−2,DEN−3,およびDEN−4から成る群から選択されるデングウイルスである。
【0020】
好ましくは、ウイルス感染は、デング熱、黄熱、西ナイル、セントルイス脳炎、C型肝炎、マレー渓谷脳炎、および日本脳炎からなる群から選択される状態に関係する。最も好ましくは、ウイルス感染は、デング熱に関係し、前記デング熱は、古典的デング熱、デング出血熱症候群、およびデング熱ショック症候群からなる群より選ばれる。
【0021】
本発明の方法はまた、a)リバビリンまたはシドフォビルのような他の抗ウイルス;b)ワクチン;および/またはc)インターフェロンまたはペグ化されたインターフェロンの共投与を含む。
【0022】
定義
この詳細な説明に従って、以下の省略および定義を適用する。本明細書に用いる場合、単数形“a”,“an”および“the”は、明らかな指示がない限り複数のものを含むことに留意されたい。
【0023】
本明細書で説明する文献は、それらの開示のためにのみ提供する。これらの文献に先行することに関する承認と解釈してはならない。さらに、提供した文献の日付は、実際の開示日と異なることがあり、それらは独立して確認する必要があるかもしれない。
【0024】
値の範囲を示すが、それぞれの間に入る値が含まれることが理解される。これらのより一層小さい範囲の上限および下限は、独立してより一層小さいものにおいて含まれ、述べられた範囲において任意の具体的に排除された制限を受ける。述べられた範囲には、一方または双方の制限を含むが、制限を含むものの双方いずれかを除いた範囲はまた本発明において含まれる。また、引用した範囲内に入る任意の値も考慮される。
【0025】
断りのない限り、本明細書で用いるすべての技術的および科学的用語は、当該業界における当業者によって共通して理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で説明したのと類似または同等の任意の方法および物質も、実際に、または試験において用いることができる。本明細書で言及するすべての文献は、本明細書に参照によって組み込まれ、関連して文献が引用する方法および/または物質を記載および開示する。
【0026】
「患者」または「対象体」は、任意の哺乳動物を含むことを意味する。処置の目的のための“哺乳動物”は、哺乳動物として分類される任意の動物を指し、制限されないが、ヒトや、ラット、マウス、およびモルモットを含む実験動物、イヌ、ウマ、ネコ、ウシ、等のような家庭の動物および家畜、および動物園、スポーツの、またはペットの動物である。
【0027】
本明細書で用いる用語「有効性」は、特定の治療計画の有効性を指す。有効性は、薬剤に反応する疾患の経過の変化に基づいて測定する。
【0028】
慢性的な治療計画に関連して本明細書で用いる用語「成功」は、特定の治療計画の有効性を指す。これには、効能、毒性(例えば、製剤または投与単位の副作用および患者の耐性)、患者のコンプライアンス等のバランスが含まれる。「成功」と考えられる慢性的な投与計画については、患者の治療および好ましい患者の結果を生み出す効果の異なる態様のバランスを取らなければならない。
【0029】
本明細書においては、用語「処置(治療)する」「処置(治療)」等は、望ましい薬理学および生理学的効果を得られることを指すために用いる。その効果は、疾患、症状、もしくはそれら状態を防ぐまたは部分的に防ぐ意味で予防することができ、および/または疾患、状態、症状をもしくは疾患を原因とする有害な作用を部分的にまたは完全に治癒する意味で治療することができる。本明細書で用いる用語「処置」は、ヒトのような哺乳動物における疾患のいずれかの処置を含み、そして以下が含まれる:(a)疾患にかかりやすいが、まだ疾患に罹患していると診断されていない対象において疾患が発症するのを防ぐこと、すなわち、疾患にかかりやすいがまだ疾患の症状を経験または示していない対象において疾患の臨床症状が発展しないこと;(b)疾患を阻害すること、すなわち、疾患もしくはその臨床症状の発展を阻みまたは減少させること;(c)疾患を軽減すること、すなわち、疾患および/またはその症状もしくは状態を退行させること。病理学的炎症に関する疾患で苦しむ患者の治療が考慮される。長時間の病理学的炎症を原因とする、および/または、そのようにして長時間の生理学的システムにおいて存在する不適切な炎症に対する生理学的反応によって起こる有害な作用を予防、抑制または軽減することも考慮される。
【0030】
本明細書で用いるように、「アシル」は、H−C(O)−、アルキル−C(O)−、置換アルキル−C(O)−、アルケニル−C(O)−、置換アルケニル−C(O)−、アルキニル−C(O)−、置換アルキニル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、置換シクロアルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、置換アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−、置換ヘテロアリール−C(O)−、ヘテロ環−C(O)−、置換ヘテロ環−C(O)−を指し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、および置換ヘテロ環は本明細書で定義するものである。
【0031】
「アルキルアミノ」は、基−NRRを指し、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環からなる群より選ばれ、各Rは、窒素原子と一緒に結合して、ヘテロ環または置換ヘテロ環を形成し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環および置換ヘテロ環は本明細書で定義するものである。
【0032】
「アルケニル」は、好ましくは2〜10個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、またアルケニル不飽和の少なくとも1および好ましくは1〜2部位をもつアルケニル基を指す。
【0033】
「アルコキシ」は、基「アルキル−O−」を指し、一例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシ、等を含む。
【0034】
「アルキル」は、1〜10個の炭素原子、代わりに、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基を指す。この用語は、メチル、t−ブチル、n−ヘプチル、オクチルのような基によって例示される。
【0035】
「アミノ」は、基−NHを指す。
【0036】
「アリール」または「Ar」は、単環(例えばフェニル)または複数の縮合環(例えばナフチルまたはアンチニル)を有する6〜14個の炭素原子から成る不飽和芳香族炭素環式基を指し、その縮合環は、結合点が芳香族環の原子を介するかどうかによって芳香族であるかもしれないし、または芳香族でないかもしれない(例えば、2−ベンゾオキサゾリノン、2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンなど)。
【0037】
「置換アリール」は、1〜3個の置換基で置換されたアリール基を指し、置換基は、ヒドロキシ、アシル、アシルアミノ、チオカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミジノ、アルキルアミジノ、チオアミジノ、アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ(heterocyclyloxy)、置換ヘテロシクリルオキシ、カルボキシル、カルボキシルアルキル、カルボキシル置換アルキル、カルボキシル−シクロアルキル、カルボキシル−置換シクロアルキル、カルボキシアリール、カルボキシル−置換アリール、カルボキシルヘテロアリール、カルボキシル−置換ヘテロアリール、カルボキシルヘテロ環(サイクリック)、カロボキシル−置換ヘテロ環、カルボキシルアミド、シアノ、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロアルキル、チオヘテロ環、置換チオヘテロ環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、グアニジノ、グアニジノスルホン、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクロイルオキシ、置換ヘテロシクロイルオキシ、オキシカルボニルアミノ、オキシチオカルボニルアミノ、−S(O)−アルキル、−S(O)−置換アルキル、−S(O)−シクロアルキル、−S(O)−置換シクロアルキル、−S(O)−アルケニル、−S(O)−置換アルケニル、−S(O)−アリール、−S(O)−置換アリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−置換ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロ環、−S(O)−置換ヘテロ環、−OS(O)−アルキル、−OS(O)−置換アルキル、−OS(O)−アリール、−OS(O)−置換アリール、−OS(O)−ヘテロアリール、−OS(O)−置換ヘテロアリール、−OS(O)−ヘテロ環、−OS(O)−置換ヘテロ環、−OS(O)−NRR(ここで、Rは水素またはアルキルである)、−NRS(O)−アルキル、−NRS(O)−置換アルキル、−NRS(O)−アリール、−NRS(O)−置換アリール、−NRS(O)−ヘテロアリール、−NRS(O)−置換ヘテロアリール、−NRS(O)−ヘテロ環、−NRS(O)−置換ヘテロ環、−NRS(O)−NR−アルキル、−NRS(O)−NR−置換アルキル、−NRS(O)−NR−アリール、−NRS(O)−NR−置換アリール、−NRS(O)−NR−ヘテロアリール、−NRS(O)−NR−置換ヘテロアリール、−NRS(O)−NR−ヘテロ環、−NRS(O)−NR−置換ヘテロ環(ここで、Rは水素またはアルキルである)、モノおよびジ−アルキルアミノ、モノおよびジ−(置換アルキル)アミノ、モノおよびジ−アリールアミノ、モノおよびジ−置換アリールアミノ、モノおよびジ−ヘテロアリールアミノ、モノおよびジ−置換ヘテロアリールアミノ、モノおよびジ−ヘテロ環アミノ、モノおよびジ−置換ヘテロ環アミノ、非対象の二置換アミンで、独立して、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環および置換ヘテロ環からなる群より選択される異なる置換基を有する二置換アミン、およびBoc、Cbz、ホルミル等のような一般的なブロッキング基によってブロックされた置換アリール上のアミノ基、またはRが水素またはアルキルである−SONRRで置換されたアミノ基からなる群から選択される。
【0038】
「シクロアルキル」は、単環を有する3〜8個の炭素原子の環状アルキル基を指し、一例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル等が含まれる。この定義から除外するのは、アダマンタニル等のような複素環アルキル基である。
【0039】
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。
【0040】
「ヘテロアリール」は、環内に2〜10個の炭素原子および酸素、窒素およびイオウからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子またはその酸化物のある芳香族炭素環式基を指す。そのようなヘテロアリール基は、単環(例えばピリジルまたはフリル)または複数の縮合(multiple condensed)環(例えばインドリジニルまたはベンゾチエニル)を有し、ここで、1個または複数の縮合環は、結合する点が芳香族環原子を介するかどうかによって芳香族であるかもしれないし、または芳香族でないかもしれない。さらに、ヘテロアリール基のヘテロ原子は酸化することができ、すなわち、ピリジンN−酸化物または1,1−ジオキソ−1,2,5−チアジアゾール等を形成する。さらに、環の炭素原子は、オキソ(=O)で置換することができる。用語「ヘテロアリール、環において2個の窒素原子を有するヘテロアリール」は、2個、および2個だけの窒素原子をヘテロアリール環に有し、随意的にヘテロアリール環において、酸素またはイオウのような1または2の他のヘテロ原子を有してもよいヘテロアリール基を指す。
【0041】
「置換ヘテロアリール」は、1〜3個の置換基で置換したヘテロアリール基を指し、置換基は、ヒドロキシ、アシル、アシルアミノ、チオカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミジノ、アルキルアミゾノ、チオアミジノ、アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクロイルオキシ、置換ヘテロシクロイルオキシ、カルボキシル、カルボキシルアルキル、カルボキシル置換アルキル、カルボキシル−シクロアルキル、カルボキシル−置換シクロアルキル、カルボキシアリール、カルボキシル−置換アリール、カルボキシルヘテロアリール、カルボキシル−置換ヘテロアリール、カルボキシルヘテロ環、カロボキシル−置換ヘテロ環、カルボキシルアミド、シアノ、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロアルキル、チオヘテロ環、置換チオヘテロ環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、グアニジノ、グアニジノスルホン、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクロイルオキシ、置換ヘテロシクロイルオキシ、オキシカルボニルアミノ、オキシチオカルボニルアミノ、−S(O)−アルキル、−S(O)−置換アルキル、−S(O)−シクロアルキル、−S(O)−置換シクロアルキル、−S(O)−アルケニル、−S(O)−置換アルケニル、−S(O)−アリール、−S(O)−置換アリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−置換ヘテロアリール、−S(O)−ヘテロ環、−S(O)−置換ヘテロ環、−OS(O)−アルキル、−OS(O)−置換アルキル、−OS(O)−アリール、−OS(O)−置換アリール、−OS(O)−ヘテロアリール、−OS(O)−置換ヘテロアリール、−OS(O)−ヘテロ環、−OS(O)−置換ヘテロ環、−OSO−NRR(ここで、Rが水素またはアルキルである)、−NRS(O)−アルキル、−NRS(O)−置換アルキル、−NRS(O)−アリール、−NRS(O)−置換アリール、−NRS(O)−ヘテロアリール、−NRS(O)−置換ヘテロアリール、−NRS(O)−ヘテロ環、−NRS(O)−置換ヘテロ環、−NRS(O)−NR−アルキル、−NRS(O)−NR−置換アルキル、−NRS(O)−NR−アリール、−NRS(O)−NR−置換アリール、−NRS(O)−NR−ヘテロアリール、−NRS(O)−NR−置換ヘテロアリール、−NRS(O)−NR−ヘテロ環、−NRS(O)−NR−置換ヘテロ環(ここで、Rが水素またはアルキルである)、モノおよびジ−アルキルアミノ、モノおよびジ−(置換アルキル)アミノ、モノおよびジ−アリールアミノ、モノおよびジ−置換アリールアミノ、モノおよびジ−ヘテロアリールアミノ、モノおよびジ−置換ヘテロアリールアミノ、モノおよびジ−ヘテロ環アミノ、モノおよびジ−置換ヘテロ環アミノ、非対象の二置換アミンで、独立して、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環および置換ヘテロ環からなる群より選択される異なる置換基を有する二置換アミン、およびBoc、Cbz、ホルミル等のような一般的なブロッキング基によってブロックされた置換アリール上のアミノ基、またはRが水素またはアルキルである−SONRRで置換されたアミノ基からなる群から選択される。
【0042】
「スルホニル」は、基−S(O)Rを指し、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環からなる群より選択され、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環および置換ヘテロ環は本明細書で定義するものである。
【0043】
「置換されていてもよい」は、列挙した基が置換されていない、または列挙した基が置換されていることを意味する。
【0044】
「製剤上許容可能なキャリア」は、概して、安全で、無毒であり、生物学的にもその他でも望ましくなくはない医薬組成物または調剤物の調製において有効であるキャリアを意味し、獣医学的使用およびヒトの医薬的使用に対して可能であるキャリアが含まれる。
【0045】
「製剤上許容可能なカチオン」は、製剤上許容可能な塩のカチオンを意味する。
【0046】
「製剤上許容可能な塩」は、化合物の生物学的効果および特性を保持し、生物学的またはその他で望ましくなくはない塩を意味する。製剤上許容可能な塩は、化合物の製剤上許容可能な塩を意味し、その塩は、当該業界において既知の有機または無機の対イオンに由来し、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム等があり、分子が塩基の特性を有するときは、塩酸、臭化水素酸、酒石酸、メシレート、酢酸、マレイン酸、シュウ酸等の有機または無機酸の塩である。
【0047】
製剤上許容可能な塩基添加塩は、無機および有機塩基から調製することができる。無機塩基由来の塩には、一例として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウム塩が含まれる。有機塩基由来の塩には、制限されないが、1級、2級、3級アミン、例えば、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、置換アルケニルアミン、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、シクロアルキルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置換シクロアルキルアミン、2置換シクロアルキルアミン、3置換シクロアルキルアミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニル)アミン、トリ(シクロアルケニ)アミン、置換シクロアルケニルアミン、2置換シクロアルケニルアミン、3置換シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールアミン、トリヘテロアリールアミン、ヘテロ環アミン、ジヘテロ環アミン、トリヘテロ環アミン、混合されたジおよびトリアミン(ここで、アミン上の少なくとも2個の置換基が異なり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環等からなる群より選択される)である。また、2個または3個の置換基がアミノ窒素と一緒にヘテロ環またはヘテロアリール基を形成するアミンも含まれる。
【0048】
適切なアミンの例には、一例として、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(イソプロピル)アミン、トリ(n−プロピル)アミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン(hydrabamine)、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N−アルキルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N−エチルピペリジン等が含まれる。また、他のカルボン酸誘導体、例えば、カルボン酸アミド(カルボキサミド、低級アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド等を含む)が有用であることが理解されるべきである。
【0049】
製剤上許容可能な酸添加塩は、無機および有機酸から準備することができる。無機酸由来の塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等がある。有機酸由来の塩には、酢酸、プロピオル酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、等が含まれる。
【0050】
化合物は、プロドラッグとして機能しうる。プロドラッグは、このプロドラッグが哺乳類の対象に投与されたとき、インビボ(in vivo)で活性な元の薬物を放出する化合物を意味する。プロドラッグは、官能基を修飾することによって調製され、修飾によってin vivoで切断して元の化合物が放出されるように調製される。プロドラッグには、ヒドロキシ、アミノまたはスルフヒドリル基がいずれかの基に結合して、in vivoで結合して遊離ヒドロキシ、アミノ、またはスルフヒドリル基をそれぞれ再度生成する化合物が含まれる。プロドラッグの例には、制限されないが、ヒドロキシ官能基のエステル(例えば、アセテート、ホルメート、およびベンゾエート誘導体)、カルバメート(例えば、N,N−ジメチルアミノ−カルボニル)等が含まれる。
【0051】
疾患を「処置(治療)する」または「処置」には、
(1)疾患を予防すること、すなわち、疾患の臨床症状が、曝露したまたはかかりやすいがまだ疾患の症状を経験または示していない哺乳動物において発症しないこと;
(2)疾患を阻害すること、すなわち、疾患またはその臨床症状の発展を阻むまたは減少させること;
(3)疾患を軽減すること、すなわち、疾患またはその臨床症状を退行させること
を含む。
【0052】
「治療上効果的な量」は、疾患を治療する哺乳動物に投与する際、疾患に対して治療に効果を与えるのに十分な化合物の量を意味する。「治療に効果的な量」は、化合物、疾患、および治療する哺乳動物の重症度および年齢、体重などによって変化する。
【0053】
化合物の製剤上の調剤物
概して、化合物は、これらの化合物に対して可能ないずれかの方法によって治療に効果的な量を投与する。化合物は、様々な経路によって投与でき、この経路には、限定するわけではないが、経口、非経口(例えば、皮下、硬膜下、静脈内、筋肉内、髄腔内、腹腔内、大脳内、動脈内、または病巣内の投与経路)、局所的、経鼻、局所化(例えば手術での適用または座薬)直腸、および肺(例えば、エアロゾル、吸入または粉末)が含まれる。したがって、これらの化合物は、注射可能組成物および経口組成物としても効果的である。化合物は、点滴またはボーラス注入によって連続的に投与できる。
【0054】
実際の化合物、すなわち活性成分の量は、対象の疾患の重症度、すなわち、治療する疾患の状態、年齢、および相対的な健康度、用いる化合物の効能、投与経路および形態、および他の要因等の多くの要因に依存する。
【0055】
この化合物の毒性および治療効果は、細胞培養物または実験動物における標準的な医薬手法によって求めることができる、例えば、LD50(集団の50%が致死する投与量)およびED50(集団の50%において治療に効果的な量)を求めることができる。毒性および治療に効果的な量の比は、治療指数であり、LD50/ED50と表す。
【0056】
細胞培養アッセイおよび動物実験から得られたデータは、ヒトにおいて用いる投与量の幅を求めるのに用いることができる。この化合物の投与量は、毒性がほとんどないまたは全くないED50を有する循環濃度の範囲内となる。この投与量は、用いる投与形態および利用する投与経路に依存してこの幅内で変化させることができる。いずれの化合物を用いても、治療に効果的な量は、細胞培養アッセイから最初に推測する。投与量は、動物モデルにおいて、細胞培養で求めたIC50(すなわち、症状を最大の半分阻害できる試験化合物の濃度)を有する循環血漿濃度を達成するように調整する。この情報は、ヒトにおける有効投与量をより正確に求めるのに用いることができる。血漿濃度は、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定することができる。
【0057】
患者に投与する医薬組成物の量は、何を投与するか、予防または治療等の投与の目的、患者の状態、投与方法等によって異なる。治療用途において、組成物を、既に疾患に苦しむ患者に、疾患の症状およびその合併症を治すまたは少なくとも部分的に阻むのに十分な量で投与する。これを達成するのに適切な量を、「治療に効果的な量」と定義する。この用途に対する効果的な量は、治療する疾患の状態と、患者の炎症の重症度、年齢、体重、および通常の状態等の要因による担当臨床医の判断によって依存する。
【0058】
患者に投与する組成物は、上述した医薬組成物の形態である。これらの組成物は、従来の滅菌技術によって滅菌、または、滅菌濾過することができる。その結果得られた水溶液をそのまま使用するようにパックするか、凍結乾燥することができ、凍結乾燥した調合物は投与する前に滅菌した水溶キャリアと組合せる。特定の賦形剤、キャリア、または安定剤を用いる結果製剤塩の形態になることを理解されたい。
【0059】
活性化合物は、広い投与量で効果的であり、一般的に製剤または治療に効果的な量を投与する。化合物の治療的な投与量は、例えば、どの治療をするか、化合物の投与方法、患者の健康および状態、および処方する医師の判断に従って異なる。例えば、静脈内投与については、投与量は、体重キログラム当たり約0.5mg〜約100mgの範囲である。効果的な投与量は、in vitroおよび動物モデル試験システムからの用量反応曲線から推定することができる。一般的に、医師が、投与量が所定の効果を達成するまで化合物を投与する。
【0060】
医薬として用いるとき、化合物は、通常、医薬組成物の形態で投与する。医薬組成物は、活性成分として1個または複数の化合物を有し、1個また複数の製剤可能なキャリアまたは賦形剤を有する。用いる賦形剤は、概してヒト対象または他の動物に投与するのに適切なものである。組成物を作成するとき、活性成分は通常賦形剤と混合する、賦形剤によって希釈する、またはカプセル、袋、紙もしくは他の容器の形態としうるキャリア内に封入する。賦形剤を希釈剤として用いるとき、それは、固体、半固体、または運搬剤、キャリア、もしくは活性成分に対する媒体として機能する液体材料としうる。したがって、組成物は、タブレット、ピル、粉末、トローチ剤、袋、カシェー(cachets)、エリキシル、縣濁液、乳濁液、溶液、シロップ、エアロゾル(固体または液体媒体として)、軟膏、例えば活性化合物の最大10%重量、軟および硬ゼラチンカプセル、座薬、滅菌注射溶液および滅菌パックした粉末の形態としうる。
【0061】
製剤の準備において、活性化合物は他の成分と組合せる前に適切な粒径を与える必要がある。活性化合物が実質的に不溶性である場合は、通常200メッシュ未満の粒径まで挽く。活性化合物が実質的に水溶性である場合は、通常、粒径は挽くことによって調整し、製剤におけるほぼ均一な分布、例えば約40メッシュとする。
【0062】
適切な賦形剤の例には、ラクトース、D型グルコース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、ガムアカシア、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリジン、セルロース、滅菌水、シロップ、およびメチルセルロースが含まれる。製剤はさらに、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油等の潤滑材;湿潤剤、乳化剤および縣濁剤;メチル−およびプロピルヒドロキシ−安息香酸エステル等の保存剤;甘味剤;および芳香剤を含む。本発明の組成物は、当該技術において既知の手順を用いて患者に投与後に活性成分を速く、持続した、または遅延放出を与えるように製剤化することができる。
【0063】
医薬組成物における活性化合物の量およびその単位剤形(unit dosage form)は、特定の用途、方法または導入、特定の化合物の能力、および希望の濃度に依存して大きく変化または調整する。用語「単位剤形」は、ヒト対象および他の哺乳動物に対する単一の投与量として適切な物理的に別々の単位を指し、各単位は、適切な製剤賦形剤と共に所定の治療効果を生み出すように計算された、予め求めた量の活性物質を含む。
【0064】
化合物は、滅菌生理食塩水等の適切な不活性キャリア中で非経口投与のために製剤化することができる。投与量は、投与する経路によって求める。
【0065】
静脈内投与製剤による治療剤の投与は、製薬業界においてよく知られている。静脈内投与製剤は、治療剤が溶解する組成物を除いて特定の質を有さなければならない。例えば、製剤は、活性成分の全体的な安定性を促進しなければならず、また、製剤の製造はコスト効果が高くなければならない。これらの要因のすべては、静脈内投与製剤の全体的な成功または有効性を最終的に決定する。
【0066】
医薬製剤および化合物において含まれる他の補助的な添加物は、以下の通りである;溶媒:エタノール、グリセロール、プロピレングリコール;安定剤:EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、クエン酸;抗菌保存剤:ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン;緩衝化剤:クエン酸/クエン酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸水素ナトリウム、酢酸/酢酸ナトリウム、マレイン酸/マレイン酸ナトリウム、フタル酸水素ナトリウム、リン酸/リン酸二水素カリウム、リン酸/リン酸水素二ナトリウム;および張性調節剤:塩化ナトリウム、マンニトール、D型グルコースである。
【0067】
緩衝液の存在は、pHを約4〜約8の範囲に維持するのに必要である。緩衝液システムは、概して、弱酸およびその可溶性塩の混合物であり、例えば、クエン酸ナトリウム/クエン酸;または二塩基酸のモノカチオンもしくはジカチオン塩であり、例えば、酒石酸水素カリウム;酒石酸水素ナトリウム、リン酸/リン酸二水素カリウム、およびリン酸/リン酸水素二ナトリウムがある。
【0068】
用いる緩衝システムの量は、(1)希望するpH;および(2)薬品の量に依存する。一般的に、用いる緩衝液の量は、4〜8の範囲に製剤pHを維持できるようにする。一般的に、薬品に対して緩衝液は1:1から10:1のモル比(緩衝液のモルは、緩衝液成分、例えばクエン酸ナトリウムおよびクエン酸の組合せたモル比として捉える)を用いる。
【0069】
有効な緩衝液は、ml当たり5〜50mgの範囲のクエン酸ナトリウム/クエン酸、ml当たり1〜15mgのクエン酸ナトリウム、クエン酸であり、組成物の水溶液pHを4〜6に維持する。
【0070】
緩衝剤も存在してもよく、ガラス容器またはゴムストッパーから浸出し得る、または通常の水道水において存在し得る溶解した金属イオン(例えば、Ca,Mg,Fe,Al,Ba等)との可溶性金属錯体を介して薬品の沈殿を防ぐことができる。緩衝剤は、薬品と共に競合的錯化剤として機能し、望ましくない粒子の存在をもたらす可溶性の金属錯体を産生し得る。
【0071】
加えて、ヒト血液と同じ値に浸透圧を調整する剤、例えば、約1〜8mg/mlの量の塩化ナトリウムの存在が、吐き気または下痢および血液に関連する起こりうる障害等の望ましくない副作用を導く静脈内投与製剤を投与する際の赤血球の膨張または収縮を防ぐのに必要である。一般的に、製剤の浸透圧は、282〜288mOsm/kg、一般的には285mOsm/kgであるヒトの血液と一致させ、この値は、0.9%塩化ナトリウム水溶液に対する浸透圧と等価である。
【0072】
静脈内投与製剤は、直接的な静脈注射、i.v.ボーラスによって投与することができ、または0.9%塩化ナトリウム注入または他の匹敵する輸液等の適切な輸液に加えて注入することによって投与することができる。
【0073】
組成物は、好ましくは、単位剤形で製剤し、各剤は、約5〜約100mg、より一般的には約10〜約30mgの活性成分を含む。用語「単位剤形」は、ヒト対象および他の哺乳動物に対する単一の投与量として適切な物理的に別々の単位を指し、各単位は、適切な製剤賦形剤と共に所定の治療効果を生み出すように計算された、予め求めた活性物質を含む。
【0074】
活性成分は、広い範囲の投与量で効果的であり、一般的に製剤的に効果的な量を投与する。しかし、実際に投与する化合物の量は、治療する状態、選択した投与経路、投与する実際の化合物、それぞれの患者の年齢、体重および反応、患者の症状の重症度等、適切な環境に照らして医師によって求められることを理解されたい。
【0075】
タブレット等の固体組成物の調製については、主な活性成分を医薬賦形剤と混合して、本発明の化合物の均一な混合物を含む固体予備処方組成物(solid preformulation composition)を形成する。これらの予備処方組成物が均一であるとは、活性成分が組成物全体に均一に分散し、組成物がタブレット、ピルおよびカプセル等の等しく効果的な単位剤形へと容易に分割できることを意味する。この固体予備処方剤は、その後、例えば0.1〜約2000mgの活性成分を含む上述した種類の単位剤形へと分割する。
【0076】
タブレットまたはピルは被覆し、さもなければ混ぜ合わせて、持続性作用の利点を提供する剤形を提供することができる。例えば、タブレットまたはピルは、内部の剤成分および外部の剤成分を含むことができ、後者は、前者を包む形態である。2個の成分は、胃において分解されず内部の成分を十二指腸まで無傷で通過させまたは放出を遅らせる腸溶性の層によって分離することができる。様々な材料をこのような腸溶性の層または被覆に用いることができ、この材料には、多くのポリマー酸、およびセラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロース等の材料とポリマー酸の混合物が含まれる。
【0077】
新規の組成物を経口投与または注射による投与用に組み込むことができる液体形態には、水溶液、適切なフレーバーシロップ、水性または油性縣濁液、および綿実油、ゴマ油、ココナッツ油またはピーナッツ油等の食用油を含むフレーバー乳濁液と、エリキシル剤および類似の製剤運搬剤が含まれる。
【0078】
吸入(inhalationまたはinsufflation)用の組成物には、溶液、製剤可能な水性溶媒または有機溶媒中の縣濁液、またはそれら混合物および粉末が含まれる。液体または固体組成物は、上述したように、製剤可能な賦形剤を含む。製剤可能な溶媒における組成物は、不活性ガスを用いることによって噴霧することができる。噴霧した溶液は、噴霧装置から直接吸入することができ、または、噴霧装置をフェイスマスクテントまたは断続的な陽圧呼吸器に付けることができる。溶液、縣濁液、または粉末組成物は、適切な方法で製剤を運搬する装置から投与することができる。
【0079】
化合物は、持続放出する形態で投与することができる。持続放出の適切な例には、化合物を含む固体の疎水性ポリマーの半透性マトリクスが含まれ、このマトリクスは、例えば、フィルムまたはマイクロカプセル等、造形品の形態である。持続放出するマトリクスの例には、ポリエステル、ハイドロゲル(例えば、Langer et al . , J. Biomed. Mater. Res. 15: 167-277 (1981) および Langer, Chem. Tech. 12: 98-105 (1982) によって開示されたようなポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3773919号明細書)、Lグルタミン酸およびガンマエチル−L−グルタメートのコポリマー(Sidman(シドマン)ら、Biopolymers(バイオポリマーズ)22: 547-556, 1983)、非分解性エチレン−ビニルアセテート(Langer et al., 上述)、LUPRON DEPOT(商標)(すなわち、乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドから成る注射可能なミクロスフェア)等の分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、およびポリ−D−(−)3−ヒドロキシブチル酸(欧州特許第133988号明細書)が含まれる。
【0080】
化合物は、例えば、蓄積注射、インプラント調製物または浸透圧ポンプ等の持続放出形態において投与し、それらは、活性成分を持続放出できるように製剤することができる。持続放出製剤のためのインプラントは当該技術で既知である。インプラントは、限定することはないが、ミクロスフェア、スラブ、生分解性または非生分解性ポリマーとして製剤化することができる。例えば、乳酸および/またはグリコール酸のポリマーは、ホストによって十分に耐えることができる浸食ポリマー(erodible polymer)を形成する。
【0081】
経皮的送達装置(「パッチ」)も用いることができる。この経皮的パッチは、制御した量で化合物を連続的または非連続的に注入するのに用いることができる。製剤を送達する経皮的パッチの構造および用途は、当該技術において既知である。例えば、1991年6月11日に開示され、本明細書に参照によって組み込まれた米国特許第5023252号明細書を参照させ。このパッチは、製剤を連続的、脈動的または必要に応じて送達するように構成することができる。
【0082】
直接的または間接的配置技術は、脳に医薬組成物を誘導するのが望ましいまたは必要な時に用いることができる。直接的な技術は、通常、ホストの心室システム内に薬物送達カテーテルを配置して、血液脳関門を迂回することを含む。体の特定の解剖学的領域に生物学的要素を輸送するのに用いたこの埋め込み可能な送達システムは、本明細書に参照によって組み込まれた米国特許第5011472号明細書において開示されている。
【0083】
間接的な技術は、通常、組成物を製剤化して、従来の親水性薬物を脂溶性薬物に変化させることによって薬物を遅延化させることを含む。遅延化は、概して薬物上に存在するヒドロキシ、カルボニル、サルフェート、および1級アミン基の保護によって達成し、薬物をより脂溶性にし、血液脳関門を横切る輸送をしやすくする。代案として、親水性薬物の送達は、血液脳関門を一時的に開く高浸透圧溶液の動脈内注入によって増進することができる。
【0084】
血清半減期を長くするため、化合物をカプセル化し、リポソームの内腔に導入し、コロイドとして調製することができ、または化合物の血清半減期を延長させる他の従来技術を用いることができる。リポソームを調製する方法は様々であり、例えば、それぞれが本明細書に参照によって組み込まれたSzoka et al.,の米国特許第4235871号明細書、第4501728号明細書、および第4837028号明細書において開示されている。
【0085】
医薬組成物は、様々な薬物送達システムにおいて用いるのに適切である。本発明において用いるのに適切な製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences , Mace Publishing Company, Philadelphia, PA, 17th ed. (1985)において見られる。
【実施例】
【0086】
以下の例において、略称を上記で規定していない場合、一般的に受け入れられる意味を有する。さらに、すべての温度は、摂氏温度である(とくに断りのない限り)。以下の方法は、以下に示す化合物を準備するのに用いた。
[実施例1−製剤1]
以下の成分を有するハード(硬)ゼラチンカプセルを調製する。
【0087】
【表1】

【0088】
上述の成分を混合し、ハードゼラチンカプセルに340mgの量で入れる。
[実施例2−製剤2]
タブレット製剤を以下の成分を用いて準備する。
【0089】
【表2】

【0090】
組成物を混合し、タブレットを形成するために圧縮し、それぞれ240mgに秤量する。
[実施例3−製剤3]
乾燥粉末吸入製剤を以下の成分を含むように調製する。
【0091】
【表3】

【0092】
活性混合物をラクトースとともに混合し、混合物を乾燥粉末吸入器に加える。
[実施例4−製剤4]
それぞれ30mgの活性成分を含むタブレットを以下のように調製する。
【0093】
【表4】

【0094】
活性成分、デンプンおよびセルロースは、20番メッシュの米国篩を通過させ、完全に混合させる。ポリビニル−ピロリドンの溶液を、得られた粉末と混合し、その後、16番メッシュの米国篩に通す。粒子をこのように生成し、50℃〜60℃で乾燥させ、16番メッシュの米国篩に通す。カルボキシメチルデンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびタルクは、予め30番メッシュの米国篩に通し、その後、混合した後、粒子に加え、錠剤機上で圧縮してそれぞれ150mgの重さを有するタブレットを得る。
[実施例5−製剤5]
それぞれ40mgの薬剤を含むカプセルを以下のようにつくる:
【0095】
【表5】

【0096】
活性成分、セルロース、デンプン、およびステアリン酸マグネシウムをブレンドし、20番米国篩に通し、150mgの量でハードゼラチンカプセルに入れる。
[実施例6−製剤6]
それぞれ25mgの活性成分を含む座剤を以下のようにつくる。
【0097】
【表6】

【0098】
活性成分を60番メッシュ米国篩に通し、最小限の必要な熱を用いて融解する前に飽和脂肪酸グリセリドにおいて縣濁する。その後、混合物を公称2.0gの容量の座剤の流し込み型に流しいれ、冷却する。
[実施例7−製剤7]
5.0ml投与量当たり50mgの薬剤をそれぞれ有する縣濁液を以下のようにつくる。
【0099】
【表7】

【0100】
薬剤、スクロース、およびキサンタンガムをブレンドし、10番米国篩に通し、その後、微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの予めつくった水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、芳香剤および顔料をいくらかの水で希釈し、撹拌しながら加える。十分な水を加えて、その後、必要な体積量を調製する。
[実施例8−製剤8]
それぞれ15mgの活性成分を含むハードゼラチンタブレットを以下のようにつくる。
【0101】
【表8】

【0102】
活性成分、セルロース、デンプン、およびステアリン酸マグネシウムを混合し、20番米国篩に通し、560mgとなるように硬タブレットに入れる。
[実施例9−製剤9]
静脈用製剤を以下のように調製する。
【0103】
【表9】

【0104】
治療用化合物の組成物は概して、例えば静脈注射溶液バッグ等の滅菌アクセスポートを有する容器または皮下注射針または類似の鋭い器具によって貫通可能な止め具を有するバイアル内に入れる。
[実施例10−製剤10]
局所製剤を以下のように調製する。
【0105】
【表10】

【0106】
白色ソフトパラフィンを融解するまで加熱する。流動パラフィンおよび乳化ワックスを組み込み、溶解するまで撹拌する。活性成分を加えて撹拌を分散するまで続ける。混合物をその後固体になるまで冷却する。
[実施例11−製剤11]
エアロゾル製剤を以下のように準備する。0.5%重炭素ナトリウム/生理食塩水(w/v)中で候補化合物の30.0mg/mLの溶液を以下の手順を用いて調製する。
0.5%重炭素ナトリウム/生理食塩水ストック溶液の調製:100.0mL
【0107】
【表11】

【0108】
手順:
1.0.5g重炭素ナトリウムを100mLの容積測定フラスコに入れる。
2.約90.0mLの生理食塩水を加え溶解するまでソニケーションに供する。
3.生理食塩水で100.0mLとし全体を混合する。
30.0mg/mLの候補化合物の調製:10.0mL
【0109】
【表12】

【0110】
手順:
1.0.300gの候補化合物を10.0mLの容積測定フラスコに加える。
2.約9.7mLの0.5%重炭素ナトリウム/生理食塩水ストック溶液を加える。
3.候補化合物が完全に溶解するまでソニケーションに供する。
4.0.5%重炭素ナトリウム/生理食塩水ストック溶液で10.0mLとし、混合する。
【0111】
[実施例12−デングウイルス誘発性細胞変性効果を測定するハイスループットスクリーニングの開発]
高感度および再生可能なハイスループットスクリーニング(HTS)アッセイを、デングウイルス誘発性細胞変性効果(CPE)を測定するために確立した。5日間で完全なCPEを生成するのに必要なデングウイルスストックの量を求めるため、Vero細胞の単層を96−ウェルプレートに播種し、約0.001PFU/細胞〜0.1PFU/細胞の感染多重度(MOI)を示すデングウイルスストックの10倍希釈液で感染させた。5日目の感染終了後、培養物を5%グルタルアルデヒドで固定し、0.1%クリスタルバイオレットで染色した。ウイルス誘発性CPEは、OD570で分光光度的に定量化した。この分析から、0.1PFU/細胞デングウイルスストックのMOIを、HTSアッセイにおいて用いるために選択した。96ウェルアッセイのシグナル対ノイズ(S/N)を確立し、ウェル間およびアッセイ間のばらつきを評価するため、5回の独立した実験を行った。Vero細胞単層を、0.1PFU/細胞のデングウイルスストックで感染させた。各プレートは以下の対照を有する:n=4のウイルス感染ウェル、n=4の未感染細胞ウェル、および標準リファレンスとしての、n=2のリバビリン500,250,125および62μMから得られた用量反応曲線。5日目の感染終了後、プレートを上述したように処理した。
【0112】
デングウイルスCPEアッセイを、デングウイルス誘発性CPEの阻害について、化学ライブラリーに由来する化合物を評価するのに用いた。各評価を、各プレート当たり80個の化合物を入れた48の96ウェルプレートで行い、1ラン当たり4608のデータを得た。このスループットで、約52週間で200000の化合物を評価することができた。化合物をDMSOに溶解して、各ウェルにおける最終濃度が5μMの化合物および0.5%DMSOとなるように培地において希釈した。化合物は、PerkinElmer MultiPROBE(登録商標)II HT PLUSロボットシステムを用いて無人操作で培地中に加えた。化合物を加えた後、培養物をデングウイルス(DEN−2株New Guinea C)で感染させた。5日間培養後、プレートを処理して、PerkinElmer EnVision IIプレートリーダーシステムでCPEを定量した。
【0113】
これらの実験の結果は、96プレートアッセイフォーマットは、強固で再現可能であることを示した。S/N比(細胞対照ウェル(シグナル)のウイルス対照ウェル(ノイズ)のシグナルに対する比)は5.0±1.2となった。ウェル間のばらつきをそれぞれのプレートに対して求めたところ、陽性対照ウェルおよび陰性対照ウェルの両方について10%未満の変動係数を有することがわかり、全体のアッセイ間のばらつきは15%未満であった。このアッセイを用いて、リバビリンについてのEC50値を求めたところ、それぞれ125±25μMであった。デングウイルスに対するリバビリンの効果は細胞のタイプによって変化したが、得られた値は、この化合物に対する開示された値の範囲内であった(2,14,32)。これらをまとめると、これらの結果は、デングウイルス複製の阻害剤についての化合物ライブラリーを評価するための高感度および再現可能なHTSアッセイの開発に成功したことを示す。
【0114】
[実施例13−本発明の化合物の抗デング2活性の測定]
実施例12において示したアッセイを、デングウイルス阻害剤に対するハイスループットスクリーニングのベースとして、210000の化合物のライブラリーに対して試験した。少なくとも50%までデングウイルス誘発性CPEを阻害する化合物をさらに化学的な扱いやすさ、能力、および選択性について評価した。
【0115】
最初に、ヒット化合物の化学構造を化学的扱いやすさについて試験した。化学的に扱いやすい化合物は、妥当な化学的方法を用いて合成可能なものであり、化学的に安定な機能および薬剤のような潜在的性質を有する化合物として定義される。この薬学的化学フィルタを通過したヒット化合物を、その能力について評価した。化合物の能力は、幅広い範囲の濃度に対する阻害活性を評価することによって求めた。非線形回帰を用いて、最も一致する阻害曲線を生成し、50%有効濃度(EC50)を計算した。化合物の選択性または特異性は、一般的にその生物学的効果に対するその細胞毒性の比として表す。細胞増殖アッセイを用いて50%細胞毒性濃度(CC50)を計算する;EC50に対するこの値の比は、治療指数(T.I.=CC50/EC50)として表す。2種類のアッセイを用いて細胞毒性を求めた。これら両方のアッセイは、代謝的に活性な細胞において生成される還元酵素活性を定量化する標準的な方法である(30)。一方は、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニル−テトラゾリウム臭化物(MIT)の還元を測定する比色分析方法であり、もう一方は、レザズリンの還元を測定する蛍光測定を用いる(アラマブルー)。選択性は、さらに、無関係のウイルスファミリーに由来するウイルスに対する阻害作用を分析することによって特徴づけることができた。22種類のデングヒットが、HTSスクリーニングからの最初のヒット化合物のプールにおいて見出され、すべて25μM未満のEC50値を有した。これらの化合物が4個の血清型デングそれぞれに対して作用することの確認は、いくつかの薬剤濃度で行ったyield assayを用いて実施し、それぞれについてタイターを求めた。
【0116】
最初のスクリーニングにおいて活性な化合物を、ウイルス量アッセイ(viral yield assay)において活性に関して試験した。テーブル1は、様々な濃度のウイルス量アッセイにおけるデング−2(Strain New Guinea C)に対する活性を試験したいくつかの化合物を示す。12ウェルプレートにおけるVero細胞を、0.1の感染多重度(MOI)でデング−2ウイルスに感染させ、化合物(またはコントロールとしてのDMSO)で処置し、37℃でインキュベーションし、感染させてから48時間後に回収し、上述したようにVero細胞上でタイターを求めた。EC50は、ExcelFitを用いて計算した。1μM未満の活性を有する化合物は、「A」で示し、1〜10μMの活性を有する化合物は「B」で示し、10〜25μMの活性を有する化合物は「C」で示す。
【0117】
化合物3は、最初の22個のヒット化合物のプール内で最も能力が高く選択的な化合物として同定され、すべての4個の血清型のデングに対して活性を有した(図1)。この化合物の化学的類似体を、供給メーカーから入手し、これらの類似体を前記したように試験して、化学構造および生物活性の関係性を求めた(テーブル1参照)。
【0118】
【表13A】

【表13B】

【表13C】

【表13D】

【表13E】

【表13F】

【表13G】

【表13H】

【表13I】

【表13J】

【表13K】

【表13L】

【表13M】

【表13N】

【表13O】

【表13P】

【表13Q】

【表13R】

【表13S】

【表13T】

【0119】
参考文献
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【0120】
本明細書に言及したすべての参考文献は、参照することによってそれらを全体としてここにあらゆる目的にかなうよう組み込む。
【0121】
本発明は、好ましい実施態様を用いて説明したが、当業者によって理解されるように、より一層広く適用できる。本発明の範囲は、以下の請求項によってのみ制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製剤上許容可能なキャリアおよび以下の一般式Iまたはその製剤上許容可能な塩を含む医薬組成物:
【化1】

式中、AはNまたはC−Rであり、BはNまたはC−Rであり、RおよびRは、独立して、水素、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ、およびニトロからなる群より選ばれ、または、RおよびRは、それらが結合する炭素と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、芳香族または非芳香族であってもよく、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、芳香族環または脂肪族環と融合していてもよく、
X、YおよびZは、独立して、O、SおよびN−Rからなる群より選ばれ、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、および置換カルバモイルからなる群より選ばれ、
およびRは、独立して、水素、置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、シアノ、イソシアノ、およびニトロからなる群より選ばれ、または、RおよびRは、それらが結合する炭素と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、芳香族環または脂肪族環と融合していてもよく、
およびRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、および置換カルバモイルからなる群より選ばれ、または、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、芳香族環または脂肪族環と融合していてもよく、および
またはRおよびRまたはRは、それらが結合する炭素または窒素およびZが結合する炭素と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換基は、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよい。
【請求項2】
およびRは各々水素である、請求項1の組成物。
【請求項3】
Yはイオウである、請求項1の組成物。
【請求項4】
Zは酸素である、請求項1の組成物。
【請求項5】
およびRは、それらが結合する窒素原子と一緒に置換環を形成する、請求項1の組成物。
【請求項6】
式Iの化合物は、N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−3−フェニル−プロピオンアミド;N−[2−(2−オキソ−2−ピペリジン−1−イル−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−プロピオンアミド;1’−[2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボン酸アミド;3−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ベンジル−ピロリジン−2,5−ジオン;2−メチル−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2,4−ジクロロ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;1−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−2−(6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−[4−(4−フルオロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン;1’−[2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボン酸アミド;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;1−[3−(2−メトキシ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−2−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;3−メチル−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2−(6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−ジエチルカルバモイルメチルスルファニル−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸シクロヘキシルアミド;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−(6−{[1−(4−ブロモ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−(6−{[1−(4−クロロ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−(6−{[1−アントラセン−9−イル−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−ブロモ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;4−ブトキシ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;1−モルホリン−4−イル−2−(6−{[1−[5−(1−フェニル−1H−テトラゾール−5−イルスルファニル)−フラン−2−イル]−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチオアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(6−{[1−(2,6−ジクロロ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−(6−{[1−(4−ヨード−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−(6−{[1−(4−フルオロ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−フルオロ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2−メトキシ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;3,4−ジクロロ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2−[6−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−N,N−ジエチル−アセトアミド;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;シクロヘキサンカルボン酸[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アミド;2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニル)−N-[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;2−(4,5−ジフェニル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル)−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;2−(4−メチル−5−ナフタレン−1−イルメチル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル)−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;2−(4−メチル−5−フェニル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル)−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−2−ナフタレン−1−イル−アセトアミド;1−(4−ベンゾチアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−2−(6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−ベンゾチアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ピペリジン−1−イル−エタノン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;1−アゼパン−1−イル−2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−メチル−ピペリジン−1−イル)−エタノン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−1−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−エタノン;2−(2−オキソ−2−ピペリジン−1−イル−エチルスルファニル)−ベンゾオキサゾール−5−カルボン酸;2−(6−ニトロ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ピペリジン−1−イル−エタノン;1−(4−ベンゾチアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−(6−ニトロ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−[5−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニルメチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルスルファニル]−N−シクロヘキシル−アセトアミド;N−{2−[2−オキソ−2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エチルスルファニル}−ベンゾチアゾール−6−イル)−プロピオンアミド;2−(6−ニトロ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノン;4−メチル−N−[2−(2−オキソ−2−ピペリジン−1−イル−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;N−{2−[2−オキソ−2−(4−フェニル−ピペラジン1−イル)−エチルスルファニル]−ベンゾチアゾール−6−イル)−アセトアミド;4−クロロ−N−[2−(2−オキソ−2−ピロリジン−1−イル−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノン;3−(4−ベンゾチアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−1−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−2,5−ジオン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イルーエタノン;N,N−ジエチル−2−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−アセトアミド;2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノン;3,4−ジメトキシ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2−ブロモ−N−[2−(2−オキソ−2−ピロリジン−1−イル−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;1−[2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−ピペリジン−4−カルボン酸アミド;1−[2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−ピペリジン−4−カルボン酸アミド;1−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−ピペリジン−4−カルボン酸アミド;1’−[2−(4−エチル−5−フェニル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル)−アセチル]−[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボン酸アミド;1’−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボン酸アミド;2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−[4−(4−フルオロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン;1−(4−ベンズヒドリル−ピペラジン−1−イル)−2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;1−[4−(3−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−2−(6−ニトロ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(5−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;N−{2−[2−オキソ−2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エチルスルファニル]−ベンゾチアゾール−6−イル]−ブチルアミド;2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン;2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−1−[4−(4−p−トリル−フタラジン−1−イル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン;2−{1−[(2,6−ジメチル−フェニルカルバモイル)−メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル}−アセトアミド;2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)

−1−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン;1−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−2−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;および2−(1−ベンゼンスルホニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノンからなる群より選ばれる、請求項1の組成物。
【請求項7】
式Iの化合物は、1’−[2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボン酸アミドである、請求項6の組成物。
【請求項8】
ウイルス感染またはそれに関連する病気を処置または予防する方法であって、以下の式Iの化合物またはそれらの製剤上許容可能な塩を、治療上効果的な量で必要とする哺乳動物に投与することを含む方法:
【化2】

式中、AはNまたはC−Rであり、BはNまたはC−Rであり、RおよびRは、独立して、水素、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ、およびニトロからなる群より選ばれ、RおよびRは、それらが結合する炭素と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、芳香族または非芳香族であってもよく、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、芳香族環または脂肪族環と融合していてもよく、
X、YおよびZは、独立して、O、SおよびN−Rからなる群より選ばれ、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アーリル、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、および置換カルバモイルからなる群より選ばれ、
およびRは、独立して、水素、置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、シアノ、イソシアノ、およびニトロからなる群より選ばれ、または、RおよびRは、それらが結合する炭素と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、芳香族環または脂肪族環と融合していてもよく、
およびRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、および置換カルバモイルからなる群より選ばれ、または、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよく、芳香族環または脂肪族環と融合していてもよく、および
またはRおよびRまたはRは、それらが結合する炭素または窒素およびZが結合する炭素と一緒に置換または非置換環を形成してもよく、前記置換または非置換環は、環において1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよい。
【請求項9】
およびRの各々は水素である、請求項8の方法。
【請求項10】
Yはイオウである、請求項8の方法。
【請求項11】
Zは酸素である、請求項8の方法。
【請求項12】
およびRは、それらが結合する窒素原子と一緒に置換環を形成する、請求項8の方法。
【請求項13】
式Iの化合物は、N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−3−フェニル−プロピオンアミド;N−[2−(2−オキソ−2−ピペリジン−1−イル−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−プロピオンアミド;1’−[2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボン酸アミド;3−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ベンジル−ピロリジン−2,5−ジオン;2−メチル−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2,4−ジクロロ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;1−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−2−(6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−[4−(4−フルオロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン;1’−[2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボン酸アミド;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;1−[3−(2−メトキシ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−2−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;3−メチル−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2−(6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−ジエチルカルバモイルメチルスルファニル−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸シクロヘキシルアミド;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−(6−{[1−(4−ブロモ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−(6−{[1−(4−クロロ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−(6−{[1−アントラセン−9−イル−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−ブロモ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;4−ブトキシ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;1−モルホリン−4−イル−2−(6−{[1−[5−(1−フェニル−1H−テトラゾール−5−イルスルファニル)−フラン−2−イル]−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチオアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(6−{[1−(2,6−ジクロロ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−(6−{[1−(4−ヨード−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−(6−{[1−(4−フルオロ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−アミノ}−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;2−フルオロ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2−メトキシ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;3,4−ジクロロ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2−[6−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−N,N−ジエチル−アセトアミド;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;シクロヘキサンカルボン酸[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アミド;2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルスルファニル)−N-[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;2−(4,5−ジフェニル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル)−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;2−(4−メチル−5−ナフタレン−1−イルメチル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル)−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;2−(4−メチル−5−フェニル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル)−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−アセトアミド;N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−2−ナフタレン−1−イル−アセトアミド;1−(4−ベンゾチアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−2−(6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−ベンゾチアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ピペリジン−1−イル−エタノン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;1−アゼパン−1−イル−2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−メチル−ピペリジン−1−イル)−エタノン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−1−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−エタノン;2−(2−オキソ−2−ピペリジン−1−イル−エチルスルファニル)−ベンゾオキサゾール−5−カルボン酸;2−(6−ニトロ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ピペリジン−1−イル−エタノン;1−(4−ベンゾチアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−(6−ニトロ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−[5−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニルメチル)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルスルファニル]−N−シクロヘキシル−アセトアミド;N−{2−[2−オキソ−2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エチルスルファニル}−ベンゾチアゾール−6−イル)−プロピオンアミド;2−(6−ニトロ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノン;4−メチル−N−[2−(2−オキソ−2−ピペリジン−1−イル−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;N−{2−[2−オキソ−2−(4−フェニル−ピペラジン1−イル)−エチルスルファニル]−ベンゾチアゾール−6−イル)−アセトアミド;4−クロロ−N−[2−(2−オキソ−2−ピロリジン−1−イル−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノン;3−(4−ベンゾチアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−1−(4−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−2,5−ジオン;2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イルーエタノン;N,N−ジエチル−2−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−アセトアミド;2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノン;3,4−ジメトキシ−N−[2−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;2−ブロモ−N−[2−(2−オキソ−2−ピロリジン−1−イル−エチルスルファニル)−ベンゾチアゾール−6−イル]−ベンズアミド;1−[2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−ピペリジン−4−カルボン酸アミド;1−[2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−ピペリジン−4−カルボン酸アミド;1−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−ピペリジン−4−カルボン酸アミド;1’−[2−(4−エチル−5−フェニル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルスルファニル)−アセチル]−[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボン酸アミド;1’−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボン酸アミド;2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−[4−(4−フルオロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン;1−(4−ベンズヒドリル−ピペラジン−1−イル)−2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;1−[4−(3−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−2−(6−ニトロ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;2−(5−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−1−モルホリン−4−イル−エタノン;N−{2−[2−オキソ−2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エチルスルファニル]−ベンゾチアゾール−6−イル]−ブチルアミド;2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−1−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エタノン;2−(6−アミノ−ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−1−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン;2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−1−[4−(4−p−トリル−フタラジン−1−イル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン;2−{1−[(2,6−ジメチル−フェニルカルバモイル)−メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル}−アセトアミド;2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)

−1−[4−(4−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン;1−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−2−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−エタノン;および2−(1−ベンゼンスルホニル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルスルファニル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノンからなる群より選ばれる、請求項8の方法。
【請求項14】
式Iの化合物は、1’−[2−(ベンゾオキサゾール−2−イルスルファニル)−アセチル]−[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボン酸アミドである、請求項8の方法。
【請求項15】
哺乳動物はヒトである、請求項8の方法。
【請求項16】
ウイルス感染はフラビウイルス感染である、請求項8の方法。
【請求項17】
フラビウイルスは、デングウイルス、西ナイルウイルス、黄熱ウイルス、日本脳炎ウイルスおよびダニ媒介脳炎ウイルスからなる群より選ばれる、請求項16の方法。
【請求項18】
前記ウイルス感染は、デング熱、黄熱、西ナイル、セントルイス脳炎、C型肝炎、マレー渓谷脳炎、および日本脳炎からなる群より選ばれる状態に関係する、請求項16の方法。
【請求項19】
前記ウイルスはデングウイルスである、請求項16の方法。
【請求項20】
前記デングウイルスは、DEN−1、DEN−2、DEN−3、およびDEN−4からなる群より選ばれる、請求項19の方法。
【請求項21】
前記ウイルス感染はデング熱に関係する、請求項19の方法。
【請求項22】
前記デング熱は、古典的デング熱、デング出血熱症候群、およびデングショック症候群からなる群より選ばれる、請求項21の方法。
【請求項23】
さらに、抗ウイルス剤、ワクチン、およびインターフェロンからなる群より選ばれる少なくとも1種の薬剤の同時投与を含む、請求項8の方法。
【請求項24】
前記抗ウイルス剤はリバビリンである、請求項23の方法。
【請求項25】
前記抗ウイルス剤はシドホビルである、請求項23の方法。
【請求項26】
前記インターフェロンがペグ化されている、請求項23の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−522054(P2011−522054A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512578(P2011−512578)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/045921
【国際公開番号】WO2009/149054
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(509322904)シガ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】