デンタルテープに被膜を形成するためのプロセス
【課題】短縮化問題を生じない被膜形成済みのモノフィラメント系デンタルテープ、ならびに、当前記デンタルテープを処理するプロセスを提供する。
【解決手段】本発明は、テクスチャード加工テープ(例えば、デンタルテープ)に、むらなく均一に被膜を形成するためのプロセスに関するものである。
【解決手段】本発明は、テクスチャード加工テープ(例えば、デンタルテープ)に、むらなく均一に被膜を形成するためのプロセスに関するものである。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、テクスチャード加工テープ(textured tape)(例えば、デンタルテープ)に、むらなく均一に被膜を形成するためのプロセスに関するものである。
【0002】
〔発明の背景〕
デンタルフロスは、歯間から、歯垢、および、当該歯間内に取り込まれた食物カスを除去すると共に、口腔内に清浄感をもたらすために、100年を超える期間にわたって使用されてきた。細菌が虫歯および歯周病を引き起こすことがあることから、口腔内の細菌の減少は重要である。デンタルフロスを用いた清浄化方法は、口腔の隣接歯間領域内、ならびに、歯肉縁下領域内の細菌を除去するものであると証明されてきた。
【0003】
最初のフロスは、広口瓶内に収容された撚り生糸から構成されていた。その後、より便利で、かつ、問題の少ない清浄化方法を実行するために、デンタルフロスに対して多くの改良がなされてきた。最も多い改良は、デンタルフロスを用いた清浄化方法の負の側面を解決することを目的としていた。これらの改良は、デンタルフロスの擦切れおよび切断の低減、歯間への挿入し易さの提供、および、より軟らかく、歯茎および手への当たりが向上したデンタルフロスの提供を含む。高引張強度を有し、かつ、擦切れ抵抗性を呈するナイロン製ヤーンは、擦切れ抵抗性を向上させるために、生糸に代えて、当初、使用された。撚られたマルチフィラメント系ヤーンへのワックスの添加は、ファイバの一括固定に役立つものであり、同時に、歯間への挿入し易さのために潤滑性被膜を提供した。ワックス被膜が形成された低摩擦性のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製モノフィラメント系ヤーンは、撚り部分または折畳み部分の厚さおよび当該部分自体の欠如、ならびに、改善された擦切れ抵抗性によって決まる歯間への良好な挿入し易さを提供する。残念ながら、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のモノフィラメントは、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の低摩擦係数が原因で、歯間の空間から食物カスを十分に取り除けないか、あるいは、簡単には、除去できない。
【0004】
デンタルフロスに対する更なる改良は、歯間隙内を通過している際に細くなり、その後、張力の軽減時に膨張する弾性材料で形成されたモノフィラメント系テープを提供することによって達成された。弾性材料で形成されたモノフィラメント系デンタルテープは、その製造が困難であることが知られていた。上記種類の弾性デンタルテープ製品が直面した一つの問題は、「短縮化(telescoping)」と呼ばれている。短縮化しているデンタルテープのロールまたはデンタルテープのボビン内において、コア上に巻き付けられた当該デンタルテープの連続層は、軸方向に沿って動かされる。したがって、デンタルテープのボビンは、短縮化していないテープ製品の円筒状よりはむしろ、概ね円錐状を呈している。重度に短縮化しているデンタルテープのボビンは、通常、ディスペンサ上、あるいは、当該ディスペンサ内に実装され得ない。
【0005】
短縮化は、デンタルテープを構成する材料の複数の弾性特性の結果であってもよい。供給ロールから印加された高い張力下で形成された弾性デンタルテープのボビンは、張力の増加がボビンに対する応力を高めることから、短縮化する可能性が高い。ボビン形成工程中に印加された高い張力は、概ね、供給ロール形成工程中に印加された高いテープ張力に由来している。供給ロール形成工程中に印加された高いテープ張力は、テープが処理されている際に、あるいは、テープが被膜形成工程等の付加的なテープ工程で処理されている際に、当該テープ上の速度または張力(あるいは、加速度および減速度)における不均一性に起因することがある。被膜形成工程中に、デンタルテープは、当該デンタルテープの被膜形成装置の通過時に、通常、伸張状態とされ、かつ、その伸張状態が緩和されることから、当該被膜形成装置は、さらに、張力の増加に寄与する。理論によって制約されることなく、本発明は、供給ロールの形成時の張力を低減させることによって、当該張力は、ボビン形成工程中で、比例して低減されることを見出した。
【0006】
短縮化問題を生じない被膜形成済みのモノフィラメント系デンタルテープ、ならびに、当該デンタルテープを処理する方法の必要性は、引き続き、存在している。
【0007】
〔本発明の概要〕
本発明は、テクスチャード加工されるか、または大きな表面積を有するテープ(すなわち、滑面または平坦面を持たないテープ)に、むらなく均一に被膜を形成するためのプロセスに関するものである。
【0008】
一つの実施の形態において、本発明は、テクスチャード加工されるか、または大きな表面積を有するテープに被膜を形成するためのプロセスに関するものであり、当該プロセスは、
a.第1の側部および第2の側部を有するテープを与えるステップであって、当該第1の側部が当該第2の側部と対向している、ステップと、
b.被膜形成用ダイ機構を与えるステップと、
を含み、
該被膜形成用ダイ機構は、
i.上記第1および第2の側部が垂直な向きになるように、上記テープを受け入れる、および/または、前記テープを配向するための進入スロット、
ii.入口および出口を有する少なくとも二つの通過穴であって、被膜形成用組成物を受け入れ、上記テープの第1および第2の側部に同時に被膜形成用組成物を送出するための、少なくとも二つの通過穴、
iii.任意選択の構成要素としての少なくとも二つのローラであって、上記進入スロットからの被膜形成済みテープを受け取るように位置合わせされた、少なくとも二つのローラ、および、
iv.任意選択の構成要素としての出口スロットであって、被膜形成済みテープを受け取って、当該テープ上に被膜を均一に広げるための、出口スロット、
を含む。
【0009】
〔本発明の詳細な説明〕
本発明のデンタルテープは、単一のモノフィラメントの形態となっている。この明細書で使用されているように、用語「テープ」、「ヤーン」およびフロスは、いずれを用いても変わりがない。テープは、例えば、その断面が円形状または矩形状で、表面が滑らかであってもよい。矩形状の形態であるモノフィラメント系テープは、通常、約1.0ミリメートルから2.0ミリメートルまでの範囲の幅、約0.03ミリメートルから約0.09ミリメートルまでの範囲の厚さ、および、約600から約1800までの範囲のデニールを有している。具体的な実施例において、矩形状のモノフィラメント基材は、約1.8ミリメートルの幅、約0.05ミリメートルの厚さ、および、約940デニールを有している。
【0010】
上記の構成に代えて、本発明のモノフィラメント系デンタルテープは、表面積の大きなテープであってもよく、あるいは、上述された滑らかな面またはテクスチャード加工されていない面を有するテープより実質的に大きな表面積を有してもよい。表面積の大きなテープ、あるいは、実質的に大きな表面積を有するテープは、その表面積が、当該テープと長さ、幅および高さの各寸法が等しい滑らか面またはテクスチャード加工されていない面を有する平坦なテープの表面積より15%(または約15%)、あるいは、選択的には20%(または約20%)、あるいは、選択的には25%(または約25%)大きいテープとして定義されている。「テクスチャード加工されていない面」とは、その表面が、(1)ヒトの手によって感じられる起伏領域、および/または、(2)拡大せずに、ヒトの目視によって識別できる起伏領域を持たないことを意味する。例えば、幅1.8ミリメートルおよび厚さ0.05ミリメートルを有するモノフィラメント系テープAは、3.7平方ミリメートルの表面積を有している。本発明のテープBは、幅1.8ミリメートルおよび厚さ0.05ミリメートルを有するモノフィラメント系テープと同一寸法を有することになるが、テープAより大きな表面積を有するように表面上に複数の突起部および/または凹部(例えば、複数のリブ)をも有している。仮に、テープAの各面上に11個のリブが付けられ、かつ、各リブが高さ0.04ミリメートルおよび幅0.04ミリメートルを有する場合に、新規のテープ(すなわち、テープB)の表面積は、5.46平方ミリメートルまたは48%増加される。これらのテープは、表面被膜を固定する能力を有しており、この表面被膜は、味わい、殺菌性、研磨性、知覚、唾液分泌促進性、着色性、着香性、治療作用等、滑らかなモノフィラメント系テープの同一の特性に関連した歯間洗浄以外の機能をデンタルテープに与えることが要求され得る。
【0011】
一つの実施の形態において、デンタルテープは、第1の外面と、この第1の外面に対向する第2の外面とを有するコア本体を有してもよく、第1および第2の外面のうち、少なくとも一方は、デンタルテープのコア本体内に突出する複数の凹部を有している。複数の凹部は、第1および第2の外面のうち、少なくとも一方の総表面積の約5%から約95%までの範囲内で設けられてもよく、また、当該凹部は、複数の凹部を含む第1および第2の外面のうち、少なくとも一方を横断したコア本体の厚さの約0.1%から約50%までに対応する複数の凹部を含む第1および第2の外面のうち、少なくとも一方に関連したコア本体内の深さを有してもよい。上記のようなテープは、米国特許出願第12/026,839号に開示されており、この文献の開示内容は、参照によって、この明細書に組み込まれる。
【0012】
他の実施の形態において、本発明によれば、モノフィラメント系デンタルテープは、第1の洗浄面と、その反対側の第2の洗浄面とを有するコア本体を有してもよく、当該洗浄面のうち、少なくとも一方の洗浄面は複数のリブを有しており、当該リブはその長さ方向に沿って配されている。この明細書で使用されているように、用語「リブ」とは、デンタルテープのコア本体と一体化し、かつ、当該コア本体から突出する構造要素を意味し、当該構造要素は、哺乳類の歯間隙から歯垢および/または食物カスの除去に有効な構造および寸法を有している。複数のリブは、デンタルテープのコア本体から実質的に直交する方向に、あるいは、ある角度で、突出してもよい。上記のようなテープは、米国特許出願第11/937,025号に開示されており、この文献の開示内容は、参照によって、この明細書に組み込まれる。
【0013】
特定の実施の形態において、テープは、弾性材料を用いて形成されている。弾性材料は、本発明の断面構造内で押し出された際に、高圧縮性を呈するものであり、これにより、当該構造が狭い歯間隙を経由して滑動できる。一旦、歯間の空間内および歯間隙内へ挿入されると、テープは、圧縮状態から実質的に復帰し、これにより、歯間から歯垢および食物カスを除去する擦過器として機能する洗浄面を与える。本発明の複数のリブを設けたモノフィラメント系デンタルテープを形成するために使用され得る弾性材料は、PEBAX7033、5533、MX1205、4033、3533および2533のような商品名PEBAX(フランス国オードセーヌのアトキミー社)で販売されたポリアミド・ポリエステルブロックコポリマー類、HYTREL7246、5556および4056のような商品名HYTREL(米国デラウエア州ウィルミントンのイー・アイ・デュポン・ド・ヌムール・アンド・コーポレーション)から販売されたポリエステル・ポリエーテルブロックコポリマー類およびポリエステル・ポリエステルブロックコポリマー類、商品名TECOFLEX(米国オハイオ州クリーブランドのルブリゾール・アドバンスド・マテリアルズ・インコーポレーテッド)で販売された熱可塑性の脂肪族ポリウレタンエラストマー類、商品名PELLETHANE(米国ミシガン州ミッドランドのダウ・ケミカル・コーポレーション)から販売された熱可塑性の芳香族ポリウレタンエラストマー類、および、商品名MULTI-FLEX(米国ミシガン州ミッドランドのダウ・ケミカル・コーポレーション)で販売された熱可塑性のポリオレフィンエラストマー類を含むが、これらに限定されるものではない。このような弾性材料およびデンタルテープを製造する際の当該材料の使用方法に関する更なる詳細な説明は、2001年8月23日に出願され、バーロー(Barlow)らに付与された米国特許第6,591,844号明細書、および、1998年1月21日に出願され、ツァオ(Tsao)らに付与された米国特許第6,029,678号明細書に見出され得るものであり、当該文献の開示内容は、参照によって、この明細書に組み込まれる。
【0014】
また、本発明のデンタルテープは、疑似モノフィラメント系ヤーンと呼ばれる基材から形成されてもよい。疑似モノフィラメント系テープは、一つのポリマーから形成されたコアと、当該ポリマーとは異なるポリマーから形成されたシースとを有する二成分系ファイバを押出し、その後に、当該ファイバのシースを部分的にあるいは全体的に溶融して複数のファイバ同士を結合するか、あるいは、融合させることによって形成され、結果として、モノフィラメントの外観および感触をもたらす。
【0015】
本発明の好適な実施の形態において、被膜は、デンタルテープの第1および/または第2の洗浄面上に配設され得る。本発明に使用される被膜形成用組成物は、弾性モノフィラメント系デンタルテープならびに非弾性テープの表面に対して、当該テープがモノフィラメント系ヤーンであっても、あるいは、疑似モノフィラメント系ヤーンであっても、確実に付着する必要がある。この明細書で使用されているように、「確実に」とは、テープの被膜形成中、巻付け中、出荷中および巻戻し中に、被膜形成用組成物が、当該テープの表面上の被膜の約95%、選択的には約90%、選択的には約85%を維持する上で十分な付着力を有する必要があることを意味する。「疑似モノフィラメント」とは、主に、一つのポリマーから形成されたコアと、当該ポリマーとは異なるポリマーから形成されたシースとを有する多成分系ファイバおよび/または二成分系ファイバを押出し、その後に、当該ファイバのシースを部分的にあるいは全体的に溶融して複数のファイバ同士を結合するか、あるいは、融合させることによって形成され、結果として、モノフィラメントの外観および/または感触をもたらすようなテープを意味する。
【0016】
適切な不溶性被膜は、未結晶性ワックス、蜂蝋、パラフィンワックス、低分子量ポリエチレン類、シリコーン油、精油および鉱油を含むが、これらに限定されるものではない。通常、不溶性ワックス製の被膜は、約25℃から約100℃までの範囲、選択的には約35℃から約80℃までの範囲の融点を有している。複数のワックスは、口腔内で使用されるものとしてFD&C(食品医薬品化粧法)により認可された水不溶性の着色剤と組み合わせられてもよい。適切な着色剤は、FD&C(食品医薬品化粧法)認可の青色1号レーキ顔料、FD&C(食品医薬品化粧法)認可の青色2号レーキ顔料、FD&C(食品医薬品化粧法)認可の赤色40号レーキ顔料、エリトロシン・レーキ顔料、アラマンス・レーキ顔料、紅色4Rレーキ顔料、カーモイソジン(Carmoisosine)・レーキ顔料、カーマイン・レーキ顔料等の合成的に誘導された着色剤、ならびに、天然由来顔料をアルミニウム系塩またはカルシウム系塩に変換することによって生成された着色剤を含むが、これらに限定されるものではない。また、二酸化チタンおよびこれと同類等の天然着色剤が使用されてもよい。
【0017】
デンタルテープに塗布される被膜形成用組成物は、溶解性被膜であってもよいものであり、当該被膜は、換言すれば、当該被膜が口腔内に存在する唾液に溶解するか、あるいは、当該唾液中に分散する傾向を呈するようなものである。このような溶解性被膜は、溶解性ワックスまたはこれと同類を含み、これらの溶解性ワックス等は、PEG1000およびPEG1450等の低分子量のポリエチレングリコール(「PEGs」)を含むが、これらに限定されるものではない。PEG3350とPEG1000との混合物等、高分子量PEGs(ポリエチレングリコール)と低分子量PEGs(ポリエチレングリコール)との組み合わせが使用されてもよい。また、高分子量PEGs(ポリエチレングリコール)を含有する液状PEGs(ポリエチレングリコール)の混合物が使用されてもよい。
【0018】
他の被膜は、ポリオキサマー(Polyoxamer)407、唾液分泌促進剤、嗅覚刺激剤、感覚剤、精油、フッ化物等の活性剤、塩化セチルピリジニウム(CPC)、ピロリン酸四ナトリウム、そのままで過酸化水素を生成できる過酸化カルシウム、過酸化水素、過酸化カルバミドおよび他の過酸化物等の美白剤、抗菌剤、抗ウイルス剤およびこれらの混合物等の溶解性の界面活性剤を含む。
【0019】
このような成分は、固体、液体、粒子、ゲルあるいはこれらの同類として使用されてもよく、また、標準的なカプセル化技術が使用されてもよい場合に、当該成分が当該技術によって従来のポリマー材料内に封入されることで、ポリマー外殻と、上述された形態の一つとなっている成分を含むコアとを有するカプセル封入体を構成するようにしてもよい。また、このような成分は、適切な場合に、被膜用担体を必要とすることなく、本発明のデンタルテープに直接、塗布されてもよい。
【0020】
不溶性ワックスを含む被膜は、当該被膜が、噴霧乾燥された香料、精油、あるいは、当該不溶性ワックス内の溶解性球体によって保護され、かつ、当該球体から放出される他の成分等のカプセル封入成分を含有する場合に、塗布されてもよく、あるいは、溶解性被膜は、ヤーンまたは不溶性被膜上に直接、塗布されてもよい。溶解性被膜は、当該ワックス内に直接、収容されるか、あるいは、この技術分野において通常実施される噴霧乾燥技術または他のカプセル化技術を用いることによって当該ワックス内に収容される複数の成分を含有してもよい。
【0021】
特定の実施の形態において、二つの不溶性被膜は、ファイバ基材に塗布されている。これらの実施の形態において、第2の被膜形成用組成物は、第1の被膜形成用組成物より低い融点を有するはずである。
【0022】
溶解性被膜は、単独で使用され得るか、あるいは、不溶性被膜上に第2の被膜として使用され得る。一方または両方の被膜は、着色剤、香料、甘味料、研磨剤、歯石付着防止剤、フッ化物塩等の活性剤、および、この技術分野において公知の添加物を含有できる。
【0023】
付加的な成分は、種々の利点を付与するために、被膜に添加され得る。当該成分は、噴霧乾燥された香料等の香料系、調味料、および、サッカリンナトリウム等の甘味料を含有している。香料の添加量は、通常、被膜形成用組成物の全重量に対して10%から25%までの範囲である。甘味料の添加量は、通常、被膜形成用組成物の全重量に対して0.1%から1%までの範囲である。
【0024】
他の成分は、歯の洗浄を支援するために、被膜に添加され得る。当該成分は、シリカまたはリン酸ニカルシウム塩等の研磨剤、および、ピロリン酸四ナトリウム等の歯石付着防止剤を含む活性剤を含有している。二つの被膜が使用される場合に、活性剤は、フロスの使用中に、当該活性剤が高い割合で当該フロスから放出されることを保証するために、通常、第2の溶解性被膜内に添加される。
【0025】
被膜を考案する際に、被膜形成用組成物内の固形添加物の含有量を約30重量%未満に制限することが望ましい。約30重量%を超える含有量の固形添加物を有する被膜形成用組成物を含むデンタルテープに被膜を形成する工程は、被膜の均一性の確保を困難にし、かつ、テープ表面への被膜の付着力を低減させることがある。高含有量の固形添加物を含む被膜は、製造中および最終製品の使用中に、剥離する傾向を呈することがある。
【0026】
デンタルテープの被膜は、無水物または水和物であってもよい。被膜が水和物である場合に、水は乾燥時に蒸発される。
【0027】
被膜は、ファイバ基材の重量に対して、通常、約10%から約60%までの範囲、選択的には約20%から約50%までの範囲の添加量で塗布されてもよい。
【0028】
特定の実施の形態において、デンタルテープは、以下のステップ:すなわち、
1.短縮化問題を回避するように制御された速度および張力で被膜形成用ダイにモノフィラメント系テープを供給するステップ、
2.均一状態の被膜形成用組成物を塗布用ダイ内にポンプで送出するステップ、
3.デンタルテープの両側面に当該被膜形成用組成物を均一かつ同時に塗布するステップ、および
4.当該被膜形成用組成物がそのまま固化されるまで、当該被膜形成用組成物が当該デンタルテープ上で実質的に乱されないようにする上で十分な期間を与えるステップを実施できる装置および方法を用いて製造される。
【0029】
「均一」または「実質的に均一」とは、手動的に(計測器の助けなしに)、あるいは、視覚的に(矯正手段のメガネ類に勝る拡大装置を必要とせずに)検査された場合に、被膜は、同一(すなわち、比較的[または、実質的に]一定)の厚さを有し、かつ、被覆形成領域内に欠陥(ピンホールまたは空洞等)が存在することがない(すなわち、あまり[または、実質的に]存在しない)ことを意味する。本発明のモノフィラメント系デンタルテープを製造するための上述の方法は、図1に示されている。第1のステップにおいて、主にワックスである被膜形成用組成物5は、混合タンク40内で、必要に応じて、加熱することによって液状化される。アドミックス社(Admix)によって製造されたロトスタット(Rotostat)種類の高剪断性混合器の型式#XPBL等の高剪断性混合器42は、被膜形成用組成物5を均質に維持するために使用され得る。主に、ロトソルバー(Rotosolver)種類のヘッドブレードは、高剪断性混合器42内で使用され、かつ、例えば、毎分1700回転で運転される。
【0030】
その後、被膜形成用組成物は、混合タンク40から流出され、第1のパイプ44を経由して、容積移送式ポンプ46内に移送されることなり、当該ポンプは、所定の速度で駆動された際に、被膜形成用組成物の一定量を第2のパイプ48を経由して被膜形成用ダイ50に送出するものである。当該容積移送式ポンプは、翼種類の容積移送式ポンプ、ピストン式ポンプ、あるいは、これらと同様の種類のポンプとされる。特定の実施の形態において、米国オクラホマ州サルファーのカー・コーポレーション(Kerr Corp.)によって供給されるカー(Kerr)ピストン式ポンプが使用される。ピストン式ポンプは、被膜形成用組成物5が研磨剤等の固形粒子を含有する場合に、概ね、被膜の均一性および一様性を促進するものである。特定の実施の形態において、容積移送式ポンプが使用されるが、これは、被膜形成用組成物5を送出するためにそのような実施の形態において使用される通過穴、パイプ、通路または出口が、混合タンク40からデンタルテープ10上への被膜形成用組成物の流れに対して重力を全く作用させないか、あるいは、重力を最小限に作用させるように、これら通過穴、パイプ、通路または出口の方向を示す通路または進路を、上向きに、そして、被膜形成されるデンタルテープ10の位置に向けるか、あるいは、デンタルテープ10の位置と水平方向に同じ高さでその位置に向けるように、概ね位置合わせされるか、あるいは配向されるためである。
【0031】
特定の実施の形態において、デンタルテープ10は、電動巻戻しシステム20とフロス巻直しシステム70との組み合わせによる方法で、供給されると同時に引き出される。デンタルテープ10は、低い張力で供給されるか、あるいは、巻き戻され、また、当該デンタルテープ10は、特定の実施の形態において、検知アーム組立体30を交差して、あるいは、当該組立体30を経由して、供給スプール22から直交方向に引き出される。検知アーム組立体30は、デンタルテープ10が被膜形成用ダイ50に進入する際に、デンタルテープ10の張力を観察するために設けられる。特定の実施の形態において、検知アーム組立体30は、アーム32、旋回点34、および、デンタルテープ10が通過するローラ36を有している。検知アーム組立体30は、デンタルテープ10が被膜形成システム内に供給されると同時に引き出される際に、電動巻戻しシステム20の速度を調節することによって、当該デンタルテープ10に印加される低い供給張力または巻戻し張力を実質的に一定に維持するために、使用される。特定の実施の形態において、デンタルテープが、毎分約1000フィート(毎分約30.480メートル)を超える線速度で、あるいは、選択的には毎分約1500フィート(毎分約45.720メートル)から毎分約2500フィート(毎分約76.200メートル)までの範囲で、あるいは、選択的には毎分約2000フィート(毎分約60.960メートル)からの範囲で被膜形成システムを通過する場合に、一定の低い巻戻し張力は、約400から約1200までの範囲のデニールを有するデンタルテープ10に対して約50グラム重量から約60グラム重量までの範囲に、概ね維持される。
【0032】
被膜形成後に、デンタルテープ10は、巻取りスプール72上に集められる。巻取りスプール72が運転される速度は、電子制御システムによって制御される。この電子制御システムは、コンピュータ、プログラム制御式の論理制御装置または同様の装置であってもよい。図1に示された実施の携帯において、速度検知ロール74は、巻取りスプール72上のテープ表面上に乗っている。速度検知ロール74は、フェナー・エム・ドライブ(Fenner M-drive)等の電子制御システムに供給される信号を生成する。電子制御システムは、巻取りスプール72の速度の駆動力となるモータ80(図2に図示されている)の電圧を制御する。巻取りスプール72の速度を制御する際に速度検知ロール74によって生成された信号の使用は、デンタルテープ10上に印加される張力を250または(約250)グラム重量未満に制御し、かつ、維持する被膜形成中に、デンタルテープ10の一定速度または走行速度を維持する上で役立つ。また、電子制御システムは、容積移送式ポンプ46の供給速度を制御する。したがって、デンタルテープ10の走行速度は、一定量の被膜形成用組成物5が被膜形成用ダイ50内にポンプで供給される間、維持される。
【0033】
図1には示されていない特定の実施の形態において、被膜形成用ダイ50は、デンタルテープ10が少なくとも部分的に覆う少なくとも2個のローラを包含している。特定の実施の形態において、当該ローラの数は、2個から、選択的には3個から、選択的には4個またはそれ以上、あるいは、選択的には2個から7個まで、あるいは、選択的には3個から5個までの範囲内とされる。概ね、デンタルテープ10は、約90°から約270°までの範囲で当該ローラを覆っている。当該ローラは、被膜形成用組成物5をデンタルテープ10に塗布する上で役立つ。当該ローラの下流には、通常、被膜形成用組成物5がデンタルテープ10の表面上で滑らかにされるスロットダイ領域が存在する。特定の実施の形態において、スロットダイは、平行な側面または壁面を有する溝の形態になっており、当該溝は、選択的には、当該溝の底部に、デンタルテープをスロット内に案内するための半径を有している。特定の実施の形態において、当該スロットは、デンタルテープ10がダイを通過する際に過剰量の被膜が当該デンタルテープ10から除去される(図8に示されているように)ことで、同時に、当該デンタルテープ10がダイを通過する際にスロットダイによってデンタルテープ10上に印加される任意の付加的な張力を最小限にするように、寸法設定されている。この技術分野における当業者に明らかなように、当該溝およびスロットの寸法は、デンタルテープ10のデニールおよび種類、ならびに、当該デンタルテープ10に塗布される被膜形成用組成物5の塗布量等の因子によって決まるはずである。
【0034】
特定の実施の形態において、大きな表面積を有するデンタルテープに被膜形成する上で有用な被膜形成用ダイが使用されてもよい。このような被膜形成用ダイは、デンタルテープ10の平面が垂直の位置にある(すなわち、デンタルテープ10の幅寸法が被膜形成用ダイベースの水平面に直交するように配向されている)ように(図5に記述されているように)、当該デンタルテープ10を受け入れるか、あるいは、当該デンタルテープ10を配向するように構成されている。理論によって制約されることなく、被膜形成用ダイを経由して水平方向に配向されるデンタルテープ10の動作よりも、当該垂直な向きの方が当該デンタルテープ10の平面の両側面を交差する方向に沿って形成される被膜の厚さ一様性および均一性をより促進するものと考えられている。
【0035】
大きな表面積を有するデンタルテープに被膜形成する上で有用な被膜形成用ダイの一つの実施の形態は、図3〜図18に示されている。図3は、ローラダイベース120およびカバープレート140を有する被膜形成用ローラダイを示す斜視図である。被膜未形成のデンタルテープ250は、当該デンタルテープ250の平面が垂直方向に配向されるか、あるいは、当該デンタルテープ250の幅寸法がローラダイベース120に直交するようにデンタルテープ250の平面が配向されるように、被膜形成用ダイ110に進入する。デンタルテープ250は、カバープレート側ダイスロット144およびローラ組立体200に沿って垂直方向に横断し、垂直に配向された被膜形成済みデンタルテープ252として出て行く。図3は、カバープレート側ダイスロット144を構成する三つの部分を示している。スロット144aは、ダイ進入部から進入ブロック窓142まで横断している。スロット144bは、進入ブロック窓142からローラ組立体200まで横断している。スロット144cは、ローラ組立体200からダイ出口部まで横断している。
【0036】
加熱装置は、選択的には、本発明の被膜形成用ダイに一体化され得るか、あるいは、当該ダイに付随され得る。加熱装置は、通常は、流動可能または液状のワックス材料の被膜形成用組成物を維持する上で十分な温度を提供するために使用される。このような温度は、通常、華氏180°(約82.22℃)から華氏約200°(約93.33℃)までの範囲とされる。図3は、二つのカートリッジ式加熱装置134を有する本発明の例示的な実施の形態を示しており、当該加熱装置134は、複数のローラおよび/または被膜形成用ダイ50の他の部品を加熱するために使用され得るものである。
【0037】
図4は、被膜形成用ローラダイ110を示す分解斜視図であり、ローラダイベース120およびカバープレート140をより詳細に示している。カバープレート側ダイスロット144を構成する三つの部分および進入ブロック窓142に加えて、5個のローラホイール窓146および5個のカバープレート固定用穴152は、カバープレート140上に示されている。カバープレート固定用穴152は、ローラダイベース固定用穴132に位置合せされている。ローラダイベース固定用穴132には、ネジが形成されている。ネジ接続されたハンドル154は、ローラダイベース120およびカバープレート140を一緒に保持するために使用される。
【0038】
ローラダイベース120は、進入ブロック側凹部122、ローラ組立体側凹部126、出口ブロック側凹部128、ローラダイベース固定用穴132、および、進入ブロックおよび出口ブロック固定用穴136を有している。図4は、ベース側スロット124を構成する二つの部分を示している。ベース側スロット124aは、進入ブロック側凹部122からローラ組立体側凹部126まで横断している。スロット124bは、ローラ組立体側凹部126から出口ブロック側凹部128まで横断している。進入ブロックおよび出口ブロック固定用穴136には、ネジが形成されている。
【0039】
また、図4は、進入ブロック160、出口ブロック180、ならびに、5個のローラ202を示している。進入ブロック160および出口ブロック180は、ローラダイベース120とカバープレート140との間に位置合わせされると共に、被膜未形成のデンタルテープ250を被膜形成用ダイ110の入口からローラ組立体200へ案内し、かつ、被膜形成済みデンタルテープ252をローラ組立体200から被膜形成用ダイ110の出口へ案内するために使用される。
【0040】
図5は、被膜形成用ダイ110が、どのように被膜未形成のデンタルテープ250を被膜形成済みデンタルテープ252に変換するのかに関する詳細を示す斜視図である。図5は、垂直な向きで進入ブロック160内に進行し、かつ、進入ブロック側スロット162の壁部(あるいは、向かい合う側部)に沿って、これら壁部と壁部の間(あるいは、向かい合う側部と側部の間)を移動する被膜未形成のデンタルテープ250を示している。進入ブロック側スロット162は、垂直に配向された被膜未形成のデンタルテープ250上に最小限の張力を生じる上で十分な幅に寸法設定されているが、その幅寸法は、重力が原因で、被膜未形成のデンタルテープ250の下部が被膜未形成のデンタルテープ250の上部よりも厚い被膜を受容することがないように、狭く設定されている。被膜形成工程は、垂直方向に沿って、ベース側通過穴138を経由して進入ブロック側プール172に向けて移動し、かつ、二つの被膜形成用穴(あるいは、通路)174内に分かれる。一つの実施の形態において、被膜未形成のデンタルテープ250は、当該デンタルテープ250が被膜形成用穴174を通過する際に、当該デンタルテープ250の両側面上に同時に被膜形成される。その後に、被膜形成済みのデンタルテープ252は、その垂直な向きに維持されながら、少なくとも部分的に覆われた状態の複数のローラ202の周囲を通過する。概ね、被膜形成済みのデンタルテープ252は、90°から270°までの範囲で当該複数のローラの周囲を覆っている。複数のローラ202は、被膜形成済みのデンタルテープ252に被膜形成用組成物を均一に塗布する上で役立つ。図5は5個のローラを示しているが、被膜形成済みのデンタルテープ252が僅か1個のローラ、あるいは、約20個以上のローラの周囲を通過してもよいと理解される。ローラ202の下流には、出口ブロック180が存在している。被膜形成済みのデンタルテープ252は、垂直に配向されたままで出口ブロック180内に進行し、かつ、被膜形成済みのデンタルテープ252の垂直な向きを維持する上で役立つ出口ブロック側スロット182に沿って移動する。上述されたように、出口ブロック側スロット182の幅寸法182aは、被膜形成用組成物5が被膜形成済みのデンタルテープ252の表面上に滑らかに塗布される更なる機会を与えると共に、出口ブロック180を経由するデンタルテープ252の動作によって引き起こされる任意の付加的張力を最小限すると同時に、過剰量の被膜形成用組成物5を除去するように寸法設定されている。
【0041】
カバープレート側ダイスロット(144a、144b、144c)、ベース側スロット(124a、124b)、進入ブロック側スロット162、および、出口ブロック側スロット182を含む上述の全スロットが平行な側面または壁面を有する溝の形態になっており、当該溝は、選択的には、当該溝の底部に、ある半径を有しているものと留意される。この技術分野における当業者に明らかなように、当該溝の寸法は、被膜未形成のデンタルテープ250のデニールおよび種類、ならびに、当該デンタルテープ250に塗布される被膜形成用組成物の塗布量等の因子によって決まるはずである。
【0042】
図6は、カバープレート140およびモノフィラメント被膜形成用通路の詳細を示す被膜形成用ダイ110の実施の形態を示す上面図である。図6は、被膜未形成のデンタルテープ250に被膜形成される場合に、進入ブロック160内へ進行する当該デンタルテープ250を示している。被膜形成済みのデンタルテープ252は、ローラ組立体200の周囲から出口ブロック180へ進行し、被膜形成用ダイ110から出る。進入ブロック160は、カバープレート140によって部分的に隠されているが、進入ブロック窓142を通じて目視できる。ローラ組立体200は、ローラホイール窓146を通じて目視できる。出口ブロック180は、カバープレート140によって隠されているが、被膜形成済みのデンタルテープ252は、カバープレート側ダイスロット144cを通じて目視できる。また、図6は、カバープレート140をローラダイベース120に保持するために使用されるネジ接続されたハンドル154、ならびに、カバープレート140およびローラダイベース120を取り付ける前に、カバープレート140をローラダイベース120に位置合せする位置合せ用穴156を示している。
【0043】
図7は、図6の実施の形態の被膜形成用ダイ110を面7−7に沿って切断して示す断面図である。図7は、進入ブロック160内へ進行する被膜未形成のデンタルテープ250を示している。被膜形成工程は、垂直方向に沿って、第2のパイプ48(あるいは、容積移送式ポンプ46から被膜形成用組成物を受け入れる被膜形成用組成物分配パイプ)からベース側通過穴138を経由して進入ブロック側プール172へ移動し、かつ、二つの被膜形成用穴174内に分かれる(図7は、当該二つの穴のうち、一方を示している)。一つの実施の形態において、被膜未形成のデンタルテープ250は、当該デンタルテープ250が被膜形成用穴174を通過する際に、当該デンタルテープ250の両側面上に同時に被膜形成される。また、図7は、出口ブロック180を経由して移動し、かつ、被膜形成用ダイ110から出る被膜形成済みのデンタルテープ252を示している。カバープレート140をローラダイベース120に保持するために使用されるネジ接続されたハンドル154、ならびに、必要に応じて被膜形成用組成物を液状に維持するために使用され得るカートリッジ式加熱装置134も図示されている。
【0044】
図8は、図6の実施の形態を面8−8に沿って切断して示す断面図である。図8は、カバープレート140、ローラダイベース120、カートリッジ式加熱装置134を示し、かつ、ローラ組立体200を詳細に示している。ローラ組立体200は、被膜形成済みのデンタルテープ252に被膜形成用組成物を均一に塗布する上で役立つローラ202を有している。特定の実施の形態において、短シャフト210の一端は、ローラ202の中央部分内に配され、かつ、キャップネジ204、平坦ワッシャ206および止めワッシャ208によってローラ202に取り付けられている。短シャフト210の中央部分は、内側リング遮蔽用軸受部212内に配されている。短シャフト210の他端は、軸受固定部220内に配され、かつ、キャップネジ204、平坦ワッシャ206および止めワッシャ208によって当該軸受固定部220に取り付けられている。軸受固定部220は、軸受固定部側のキャップネジ222および軸受固定部側の止めワッシャ224によってローラダイベース120に取り付けられている。一つの実施の形態において、3組のキャップネジ222および止めワッシャ224は、軸受固定部220をローラダイベース120に取り付けるために使用されている。しかし、この技術分野における当業者の一人は、当該二つの部材を取り付けるために、多かれ少なかれ、ネジを用いるか、あるいは、この技術分野において公知の他の固定手段を用いることができるはずである。最終的に、内側リング遮蔽用軸受部212は、外輪スペーサ214によって、ローラ組立体側凹部126およびローラホイール窓146内の略中心位置に維持される。
【0045】
図9は、本発明の被膜形成用ローラダイの実施の形態を示す底面図である。図9は、5個のローラ組立体200、ベース穴138、カートリッジ式加熱装置134、および、ローラダイベース120上の位置合せ用穴156を示している。O−リング139は、容積移送式ポンプとローラダイベース120との間における被膜形成用組成物の漏出を防止するために使用される。位置合せ用穴156は、カバープレート140およびローラダイベース120を取り付ける前に、カバープレート140をローラダイベース120に位置合せするために使用される。
【0046】
図10〜図14は、進入ブロック160の詳細を示している。図10は、進入ブロック側スロット162および進入ブロック側スロットガイド164を示している。進入ブロック側スロットガイド164は、被膜未形成のデンタルテープ250を進入ブロック側スロット162内に案内するために、進入ブロック160内に設けられたV字状またはテーパ状の切れ込み部分である。進入ブロック側スロット162は、その幅162aが進入ブロック160を経由して被膜未形成のデンタルテープ250の垂直な向きを維持すると共に、当該デンタルテープ250上に付加的な張力が僅かに印加されるか、あるいは、当該張力が印加されない状態で、上述されたような被膜形成を促進するように、寸法設定されている。被膜未形成のデンタルテープ250は、当該デンタルテープが被膜形成される位置まで、進入ブロック側スロット162に沿って移動する。被膜形成工程は、垂直方向に沿って、進入ブロック側プール172から二つの被膜形成用穴174内に移動する。被膜未形成のデンタルテープ250は、当該デンタルテープが被膜形成用穴174を通過する際に、当該デンタルテープの両側面上に同時に被膜形成される。図10〜図12は、進入ブロック160をローラダイベース120に取り付けるために使用され得る任意選択的な二つの進入ブロック側穴166を示している。
【0047】
図15〜図18は、出口ブロック180の詳細を示している。図15は、出口ブロック側スロット182および進入ブロック側スロットガイド184を示している。進入ブロック側スロットガイド184は、被膜形成済みのデンタルテープ252を出口ブロック側スロット182内に案内するために、出口ブロック180内に設けられたV字状またはテーパ状の切れ込み部分である。出口ブロック側スロット182は、被膜形成用組成物が被膜形成済みのデンタルテープ252の表面上に滑らかに塗布される更なる機会を与えることができる。出口ブロック側スロット182の幅寸法182aは、被膜形成用組成物5が被膜形成済みのデンタルテープ252の表面上に滑らかに塗布される更なる機会を与えると共に、出口ブロック180を経由するデンタルテープ252の動作によって引き起こされる任意の付加的張力を最小限すると同時に、過剰量の被膜形成用組成物5を除去するように寸法設定されている。被膜形成済みのデンタルテープ252は、当該デンタルテープが被膜形成用ローラダイ110を出るまで、出口ブロック側スロット182に沿って移動する。図15〜図17は、出口ブロック180をローラダイベース120に取り付けるために使用され得る任意選択的な二つの出口ブロック側穴186を示している。
【0048】
別体の部品として図示されているが、進入ブロック160および出口ブロック180(当該ブロックの明確な構造特性に加えて)が、被膜形成用ダイ110の性能または機能を変更することなく、ローラダイベース120および/またはカバープレート140と一体化され得るものと当業者によって容易に理解されるはずである。しかし、進入ブロック160および出口ブロック180を別体の部品とすることは、交換に便利となる。例えば、別体の部品である進入ブロック160および出口ブロック180は、進入ブロック160および/または出口ブロック180を、異なる幅寸法を有するスロット(162、182)およびスロットガイド(164および184)を含む進入ブロックおよび出口ブロックに交換できる。
【0049】
デンタルテープ10に一旦塗布された被膜形成用組成物5は固形化されることになる。固形化は、冷却領域60を備えることによって達成され得る。冷却領域60は、被膜形成用組成物5が周囲温度以下に冷却する開放領域とすることができる。上記の構成に代えて、冷却領域60は、冷却速度を上げるために、冷却空気または大気がデンタルテープ10上に吹き付けられるチャンバとすることができる。被膜形成用組成物5内に好ましくない切れ目の形成を回避するために、デンタルテープ10は、被膜形成用組成物5が固形化されてしまうまで、すべての表面に接触させてはならない。
【0050】
一旦、被膜形成用組成物5が、デンタルテープの外面のあらゆる崩壊を防止するように十分に冷却されると、デンタルテープは、フロス巻直しシステム70上に巻き直される。図2に示されたフロス巻直しシステム70は、巻取りスプール72、上述されたような速度検知ロール74、さらに、駆動モータ80、一連のタイミングベルト(すべて符号84が付された)およびタイミングベルトプーリー(すべて符号82が付された)、ならびに、横バレルカム86上に配された横行カムガイド76を有している。6ポンド(2.7キログラム)以下、選択的には5ポンド(2.3キログラム)以下、または、選択的には4ポンド(1.8キログラム)以下の、巻取りスプール72上に巻き取られるデンタルテープについて、デンタルテープ10の張力は、巻直し前に、従来の張力測定装置(米国ニューヨーク州シダーハースト(cedarhurst)のエレクトロマチック・イクイプメント・コーポレーションによって供給されるチェックライン(Checkline)等)を用いて観察され、これにより、走行速度は、巻直し工程中に、デンタルテープ10の張力が300(または約300)グラム重量未満に、選択的には250(または約250)グラム重量未満に、あるいは、選択的には約190グラム重量から約200グラム重量までの範囲となるように調節される。横行カムガイド76および横バレルカム86は、横行カムガイド側ハウジング78内に配されており、当該横行カムガイド側ハウジング78は、横行カムガイド側ハウジングスロット79を有している。
【0051】
フロス巻直しシステム70は、巻取りスプール72が回転する際に、横行カムガイド76がその長さ方向に沿う往復方向に横断するような横行巻直し装置である(図2参照)。巻取りスプール72は、図19に示されているように、長軸z、当該長軸zに直交する面rΦ、外周C(スプールコア直径dsと円周率πとの積に等しい)を有している。フロス巻直しシステム70は、以下のように機能する。駆動モータ80のスピンドル81は、タイミングベルトプーリー82aを駆動し、タイミングベルト84aを介してタイミングベルトプーリー82bおよび82cを駆動するように回転する。タイミングベルトプーリー82bは、タイミングベルトプーリー82dを駆動し、以下順に、タイミングベルト84bを介してタイミングベルトプーリー82eを駆動する。タイミングベルトプーリー82eは、巻取りスプール72の端部上に配されており、タイミングベルトプーリー82eが回転する際に、巻取りスプール72が回転する。タイミングベルトプーリー82は、タイミングベルト84cを介して、タイミングベルトプーリー82fおよび82gを駆動する。タイミングベルトプーリー82gは、タイミングベルト84dを介して、タイミングベルトプーリー82hを駆動する。タイミングベルトプーリー82hは、横バレルカム86の端部上に配されており、タイミングベルトプーリー82hが回転する際に、横バレルカム86が回転する。横行カムガイド76は、横バレルカム86が回転する際に、横行カムガイド76がその長さ方向に沿う往復方向に横断するように、横バレルカム86上に配されている。適切な横行巻直し装置は、リゾナ・コーポレーション等の会社で容易に構築され得るか、あるいは、当該会社から購入され得る。
【0052】
特定の実施の形態において、タイミングベルトプーリーの寸法および横バレルカムは、以下に記述されるような巻直し装置で選択される:
a.)複数のプーリー比すなわち割合A(巻取りスプール72の回転(インチ:約2.54cm)当たりの横行カムガイドの横移動距離(インチ:約2.54cm)を確認する)の積が以下のようになるように、タイミングベルトプーリーは選択(あるいは、調節)される:
割合A=P1/P2×P3/P4×PZ−1/PZ
ここで、P1〜PZは、巻取りスプール72を回転させるタイミングベルトプーリーすなわちP1から横バレルカム86を回転させるタイミングベルトプーリーすなわちPZへと順次、順序付けされたプーリーのプーリー寸法であり、次のb.)と協働して使用され、
b.)横バレルカム86は、カム前進距離(あるいは、横行カムガイド76の全横断を達成するために必要とされる横バレルカム86の回転数によって除された横行カムガイド76によって横断される全距離(端から端まで))と割合Aとの積が巻取りスプール72(すなわち、デンタルテープ10が巻かれていない巻取りスプール72)の外周Cによって除される際に割合Bとなるように、選択されており、割合Bは、
割合B=(カム前進距離×割合A)/外周C
で示され、かつ、割合Bは、約3.5°から約5°までの螺旋角度θを与え、当該螺旋角度θは、デンタルテープの捻れ部分と、図19および図20に示されているように、巻取りスプール72の長軸zに直交する巻取りスプール72の面rΦとによって構成され、かつ、一般式:sin−1(螺旋角度θ)=割合Bによって決定される。
【0053】
理論によって制約されることなく、約3.5°から約5°までの螺旋角度θを得ることが、
i.)デンタルテープの所定の任意の層内において、当該層を構成するデンタルテープ10の捻れ部分が重複していないか、あるいは、選択的には、接触していないか、あるいは、選択的には、1インチ(約2.54cm)の1/32(すなわち、1/32インチ=約0.08cm)までのts間の空間を有しておらず、ならびに、
ii.)約7°から約11までの交角(すなわち、螺旋角度θの2倍)をなすように、デンタルテープ10の各層を構成するデンタルテープ10の捻れ部分がデンタルテープ10の当該各層の上位層を構成するデンタルテープ10の捻れ部分に重複するように、デンタルテープ10の巻取りスプール72を与えるものと考えられる。
【0054】
仮に、デンタルテープ10に第2の被膜を塗布することが望ましい場合には、この第2の被膜の塗布は、他の被膜形成用製造ライン、ならびに、冷却領域60の下流の冷却チャンバを配置することによって実行されてもよい。
【0055】
特定の実施の形態において、その後、デンタルテープ10が巻かれている巻取りスプール72は、当該デンタルテープ10をボビン90内で後処理するために、取り外される。テープボビンは、図22aおよび図22bに示されているように、巻取りスプール72から、図21に示されているように幅wcが選択されたボビンスプールコア92上に解かれたデンタルテープ10から構成され、かつ、図23aおよび図23bに示されているように、消費者によって使用され、幅wdが選択されたディスペンサ95内に梱包されている。特定の実施の形態において、ボビンスプールコア92は、約2:1、選択的には、約3:1を超えるアスペクト比を有しており、当該アスペクト比は、ボビンスプールの直径の幅に対する比である。デンタルテープ10は、テープボビンを構成するように、巻取りスプール72からボビンスプールコア92へテープ巻き幅wbで巻き取られるものであり、テープ巻き幅wbはボビンスプールコアの幅wcを、多くとも10%(または約10%)、選択的には、5%(または約5%)、選択的には、2.5%(または約2.5%)、選択的には、1%(または約1%)だけ、超える程度である。したがって、約3.5°から約5°までの螺旋角度θを生じる進歩的なフロス巻直しシステム70は、巻取りスプール72から形成されたテープボビン最終製品のテープ巻き幅wbが、ボビンスプールコアの幅wcを可動的に収容するように特別に設計されたディスペンサ95内へのテープボビン最終製品の梱包を妨げないように短縮化しないことを保証するものである。さらに、通常、進歩的なフロス巻直しシステム70は、テープまたはフロスが弾性材料から形成された場合において、特に狭い幅のディスペンサの使用を許容するものである。
【0056】
本発明の数種の実施例は、本発明の性質および本発明の実施方法をさらに説明するために、以下に述べられている。しかし、本発明は、当該実施例の詳細な説明に限定されるものと見なされるものではない。
【0057】
以下の複数の実施例において、言及された百分率は重量%である。
【0058】
〔実施例1〕
デンタルテープが巻かれたスプールロールは、本発明の被膜形成工程および巻付け工程に従うと共に、後述され、かつ、表I(表1)に要約された寸法および/または種類の部品を用いて形成されている。
【表1】
【0059】
上記タイミングベルトプーリーを寸法順(例えば、図2に示されているように、タイミングベルトプーリー82eが、タイミングベルトプーリー82cに接続されたタイミングベルトプーリー82dに接続されている)で順序付けし、かつ、寸法順で順序付けされたタイミングベルトプーリーの比の積すなわち割合Aを(以下の式Iに示されているように)決定する。
割合A=P1/P2×P3/P4×PZ−1/PZ I
ここで、P1〜PZは、巻取りスプール72からフロス巻直しシステム70の横バレルカム86へ順序付けされたタイミングベルトプーリーの寸法であり、以下の割合となる。
割合A
=(プーリー82e/プーリー82d)×(プーリー82c/プーリー82f)×(プーリー82g/プーリー82h)
=(14×17)×(19/14)×(16/20)=0.8941
【0060】
横バレルカムは、巻取りスプール72の6回転当たりの横行カムガイドの端から端までの横断距離11.5インチ(約29.21cm)を与えるように選択された。この横断距離は、以下の式に等しいカム前進距離をもたらす:
カム前進距離=カムガイドの横断距離/横バレルカムの6回転
=11.5/6
=横バレルカム1回転当たり1.9166インチ(約4.86816cm)
【0061】
割合Aは、巻取りスプール72の1回転ごとに、横バレルカム86がスプールの0.8941回転の道程を移動することを示している。この移動は、巻取りスプール72の1回転当たりの横行カムガイド76の以下の移動距離をもたらす:
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドまでの移動距離
=カムプーリー比×カム前進距離=0.8941×1.9166
=巻取りスプールの1回転当たり1.71インチ(約4.343cm)
【0062】
巻取りスプール72のコア直径dsが6.21インチ(約15.77cm)と測定されたことから、巻取りスプール72の1回転後の巻取りスプール72の外面上の任意の点の移動距離すなわち外周Cが以下のように算出され得る。
外周C=6.21インチ(約15.77cm)×円周率π=(6.21)3.1411=19.5インチ(約49.53cm)
【0063】
デンタルテープ10が当初、巻取りスプール72のコアの周囲に巻かれた際に、当該デンタルテープ10によって形成された螺旋角度θ(デンタルテープの捻れ部分と、図19に示されているように、長軸zに直交する面rΦとによって構成された角度)は、その後、以下のように算出され得る。
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドまでの移動距離/外周C
=1.71/19.5
1.71/19.5=0.0876=sin−1θ(螺旋角度)
ここで、螺旋角度θ=5.03°である。
【0064】
当業者によって理解されるように、巻取りスプール72が回転状態となる際に、螺旋角度は減少する。例えば、1インチ(約2.54cm)厚のデンタルテープが巻取りスプール72のコア上に巻き付けられる際に、螺旋角度θは減少する。この減少は、以下のように実証される。
デンタルテープに1インチ(約2.54cm)厚の層を追加した後の巻取りスプール72のコア直径=6.21インチ(約15.77cm)+2インチ(約5.08cm。1インチ(約2.54cm)厚の層の追加が2インチ(約5.08cm)だけコア直径の増加をもたらす)=8.21インチ(約20.85cm)、故に
テープが巻き付けられたスプールの外周=テープが巻き付けられたスプールコア直径×円周率π=(8.21)3.1411=25.7インチ(約65.28cm)
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドの移動距離/テープが巻き付けられたスプールの外周
=1.71/25.7インチ(約65.28cm)=0.066=sin−1θ(螺旋角度)
ここで、螺旋角度θ=3.8°である。
【0065】
したがって、約1インチ(約2.54cm)の材料がスプールの周囲に巻き付けられた際に、螺旋角度は、約1°(θ−θ´=5.03°−3.8°=1.5°)だけ変わる。
【0066】
上記横バレルカムおよび複数寸法のプーリーを用いて、ロール1〜7(図1には代表的なスプール72が示されている)が構成され、その後、ロール1〜7が、別体のテープボビンを構成するために使用された(図1にはボビンスプール90上に構成された代表的なボビンが示されている)。構成されたロールならびに被膜形成工程および巻直し工程のパラメータは、表II(表2)および表III(表3)に要約されている。
【表2】
【表3】
【0067】
幅10.3ミリメートルのボビンスプール上に形成されたボビン、および、不満足な短縮化を呈するものとして不合格となったボビンの割合は、表IV(表4)に要約されている。
【表4】
形成されたボビンの総数=1711
不合格総数=9
不合格割合%=0.5%
【0068】
〔実施例2〕
デンタルテープが巻かれたスプールロールは、本発明の被膜形成工程および巻付け工程に従うと共に、後述され、かつ、表V(表5)に要約された寸法および/または種類の部品を用いて形成されている。
【表5】
【0069】
上述の寸法を有するタイミングベルトプーリーは、順序付けされているはずである(図2に示されているように、タイミングベルトプーリー82e(P1となる)が、タイミングベルトプーリー82c(P3となる)等に接続されたタイミングベルトプーリー82d(P2となる)に接続されている)。寸法順で順序付けされたタイミングベルトプーリーの比の積すなわち割合Aは、以下の式Iに示されているように、決定され得る。
割合A=P1/P2×P3/P4×PZ−1/PZ I
【0070】
表5の寸法値を用いることで、以下の割合Aをもたらす。
割合A
=(P1/P2)×(P3/P4)×(P5/P6)=(14×14)×(15/19)×(17/20)=0.671
【0071】
横バレルカムは、横バレルカム86の6回転当たりの横行カムガイドの端から端までの横断距離12インチ(約30.48cm)を与えるように選択され得る。この横断距離は、以下の式に等しいカム前進距離をもたらす:
カム前進距離=横行カムガイドの横断距離/横バレルカムの6回転
=12/6=横バレルカム1回転当たり2インチ(約5.08cm)
【0072】
割合Aは、巻取りスプール72の1回転ごとに、横バレルカム86がスプールの0.671回転の道程を移動することを示している。この移動は、巻取りスプール72の1回転当たりの横行カムガイド76の以下の移動距離をもたらす:
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドまでの移動距離
=カムプーリー比×カム前進距離
=0.671×2=巻取りスプールの1回転当たり1.342インチ(約3.4087cm)
【0073】
5インチ(約12.7cm)の巻取りスプール72のコア直径dsは、巻取りスプール72の1回転後の巻取りスプール72の外面上の任意の点の移動距離すなわち外周Cが以下のように算出され得るように、選択され得る。
外周C=5インチ(約12.7cm)×円周率π=(5)3.14=15.7インチ(約39.88cm)
【0074】
デンタルテープ10が当初、巻取りスプール72のコアの周囲に巻かれた際に、当該デンタルテープ10によって形成された螺旋角度θ(デンタルテープの捻れ部分と、図19に示されているように、長軸zに直交する面rΦとによって構成された角度)は、その後、以下のように算出され得る。
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドまでの移動距離/外周C
=1.342/15.7
1.342/15.7=0.0854=sin−1θ(螺旋角度)
ここで、螺旋角度θ=4.9°である。
【0075】
1インチ(約2.54cm)厚のデンタルテープが巻取りスプール72のコア上に巻き付けられる際に、螺旋角度θは減少する。この減少は、以下のように算出され得る。
デンタルテープに1インチ(約2.54cm)厚の層を追加した後の巻取りスプール72のコア直径=5インチ(約12.7cm)+2インチ(約5.08cm。1インチ(約2.54cm)厚の層の追加が2インチ(約5.08cm)だけコア直径の増加をもたらす)=7インチ(約17.78cm)、故に
テープが巻き付けられたスプールの外周=テープが巻き付けられたスプールコア直径×円周率π=(7)3.14=21.98インチ(約55.829cm)
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドの移動距離/テープが巻き付けられたスプールの外周
=1.342/21.98インチ(約55.829cm)=0.061=sin−1θ(螺旋角度)
ここで、螺旋角度θ=3.5°である。
【0076】
したがって、約1インチ(約2.54cm)の材料がスプールの周囲に巻き付けられた際に、螺旋角度は、約1°(θ−θ´=4.9°−3.5°=1.4°)だけ変わる。
【0077】
上記横バレルカムおよび複数寸法のプーリーを用いて、複数のロール(図1には代表的なスプール72が示されている)が構成され得るものであり、当該複数のロールは、別体のテープボビンを構成するために使用され得る(図1にはボビンスプール90上に構成された代表的なボビンが示されている)。
【0078】
〔実施例3〕
デンタルテープが巻かれたスプールロールは、本発明の被膜形成工程および巻付け工程に従うと共に、後述され、かつ、表VI(表6)に要約された寸法および/または種類の部品を用いて形成されている。
【表6】
【0079】
上述の寸法を有するタイミングベルトプーリーは、順序付けされているはずである(図2に示されているように、タイミングベルトプーリー82e(P1となる)が、タイミングベルトプーリー82c(P3となる)等に接続されたタイミングベルトプーリー82d(P2となる)に接続されている)。寸法順で順序付けされたタイミングベルトプーリーの比の積すなわち割合Aは、以下の式Iに示されているように、決定され得る。
割合A=P1/P2×P3/P4×PZ−1/PZ I
【0080】
表6の寸法値を用いることで、以下の割合Aをもたらす。
割合A=(P1/P2)×(P3/P4)×(P5/P6)=(14×14)×(14/14)×(16/20)=0.80
【0081】
横バレルカムは、横バレルカム86の5回転当たりの横行カムガイドの端から端までの横断距離12インチ(約30.48cm)を与えるように、選択され得る。この横断距離は、以下の式に等しいカム前進距離をもたらす:
カム前進距離
=横行カムガイドの横断距離/横バレルカムの5回転
=12/5=横バレルカム1回転当たり2.4インチ(約6.10cm)
【0082】
割合Aは、巻取りスプール72の1回転ごとに、横バレルカム86がスプールの0.80回転の道程を移動することを示している。この移動は、巻取りスプール72の1回転当たりの横行カムガイド76の以下の移動距離をもたらす:
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドまでの移動距離
=カムプーリー比×カム前進距離
=0.80×1.92=巻取りスプールの1回転当たり1.92インチ(約4.877cm)
【0083】
巻取りスプール72の7インチ(約17.7cm)のコア直径dsは、巻取りスプール72の1回転後の巻取りスプール72の外面上の任意の点の移動距離すなわち外周Cが以下のように算出され得る。
外周C=5インチ(約12.7cm)×円周率π=(7)3.14=21.98インチ(約55.829cm)
【0084】
デンタルテープ10が当初、巻取りスプール72のコアの周囲に巻かれた際に、当該デンタルテープ10によって形成された螺旋角度θ(デンタルテープの捻れ部分と、図19に示されているように、長軸zに直交する面rΦとによって構成された角度)は、その後、以下のように算出され得る。
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドまでの移動距離/外周C
=1.92/21.98
1.92/21.98=0.0873=sin−1θ(螺旋角度)
ここで、螺旋角度θ=5.01°である。
【0085】
1インチ(約2.54cm)厚のデンタルテープが巻取りスプール72のコア上に巻き付けられる際に、螺旋角度θは減少する。この減少は、以下のように算出され得る。
デンタルテープに1インチ(約2.54cm)厚の層を追加した後の巻取りスプール72のコア直径=7インチ(約17.78cm)+2インチ(約5.08cm。1インチ(約2.54cm)厚の層の追加が2インチ(約5.08cm)だけコア直径の増加をもたらす)=9インチ(約22.86cm)
テープが巻き付けられたスプールの外周=テープが巻き付けられたスプールコア直径×円周率π=(9)3.14=28.26インチ(約71.780cm)
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドの移動距離/テープが巻き付けられたスプールの外周
=1.92/28.26インチ(約71.780cm)=0.068=sin−1θ(螺旋角度)
ここで、螺旋角度θ=3.9°である。
【0086】
したがって、約1インチ(約2.54cm)の材料がスプールの周囲に巻き付けられた際に、螺旋角度は、約1°(θ−θ´=5.01°−3.9°=1.11°)だけ変わる。
【0087】
上記横バレルカムおよび複数寸法のプーリーを用いて、複数のロール(図1には代表的なスプール72が示されている)が構成され得るものであり、当該複数のロールは、別体のテープボビンを構成するために使用され得る(図1にはボビンスプール90上に構成された代表的なボビンが示されている)。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明のデンタルテープを巻き戻し、被膜を形成し、かつ、巻き直すための製造ラインの一つの実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の巻直し機構の一つの実施の形態を示す概略構成図である。
【図3】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ローラダイを示す斜視図である。
【図4】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ローラダイを分解して示す斜視図である。
【図5】本発明の例示的な実施の形態による進入ブロックと出口ブロックと被膜形成用ローラダイの複数のローラとを通過するモノフィラメント系テープの動作を示す斜視図である。
【図6】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ローラダイを示す上面図である。
【図7】図6の例示的な実施の形態による被膜形成用ローラダイを面7−7に沿って切断して示す断面図である。
【図8】図6の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイを構成するローラ組立体を面8−8に沿って切断して示す断面図である。
【図9】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイを示す底面図である。
【図10】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの進入ブロックを示す上面図である。
【図11】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの進入ブロックを示す右側面図である。
【図12】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの進入ブロックを示す底面図である。
【図13】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの進入ブロックを示す正面図である。
【図14】図10の例示的な実施の形態による進入ブロック側プールおよび被膜形成用ダイの複数の被膜形成用穴を面14−14に沿って切断して示す断面図である。
【図15】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの出口ブロックを示す上面図である。
【図16】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの出口ブロックを示す右側面図である。
【図17】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの出口ブロックを示す底面図である。
【図18】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの出口ブロックを示す後面図である。
【図19】デンタルテープの捻れ部分と、巻取りスプールの長軸zに直交する面rΦとによって構成された螺旋角度θを呈する被膜形成済みのデンタルテープのロールの一つの実施の形態を三次元で示す概略構成図である。
【図20】デンタルテープの各層内において、デンタルテープの捻れ部分と、面rΦの側面rと、デンタルテープの個々の捻れ部分間の空間とによって構成された螺旋角度θを呈する被膜形成済みのデンタルテープのロールの一つの実施の形態を二次元で示す概略構成図である。
【図21】ボビンスプールコアを示す斜視図である。
【図22a】テープがボビンスプールコアの周囲に巻き付けられたテープボビンを示す右側面図である。
【図22b】テープがボビンスプールコアの周囲に巻き付けられたテープボビンを、ボビンのテープ幅に関連した幅を有するボビンスプールコアと共に、示す正面図である。
【図23a】ディスペンサ(想像線で示された)内に可動的に位置合わせされたテープボビンを示す右側面図である。
【図23b】ディスペンサ(想像線で示された)内に可動的に位置合わせされたテープボビンを、関連のボビンスプールコア、ボビン上のテープおよびディスペンサ幅と共に、示す正面図である。
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、テクスチャード加工テープ(textured tape)(例えば、デンタルテープ)に、むらなく均一に被膜を形成するためのプロセスに関するものである。
【0002】
〔発明の背景〕
デンタルフロスは、歯間から、歯垢、および、当該歯間内に取り込まれた食物カスを除去すると共に、口腔内に清浄感をもたらすために、100年を超える期間にわたって使用されてきた。細菌が虫歯および歯周病を引き起こすことがあることから、口腔内の細菌の減少は重要である。デンタルフロスを用いた清浄化方法は、口腔の隣接歯間領域内、ならびに、歯肉縁下領域内の細菌を除去するものであると証明されてきた。
【0003】
最初のフロスは、広口瓶内に収容された撚り生糸から構成されていた。その後、より便利で、かつ、問題の少ない清浄化方法を実行するために、デンタルフロスに対して多くの改良がなされてきた。最も多い改良は、デンタルフロスを用いた清浄化方法の負の側面を解決することを目的としていた。これらの改良は、デンタルフロスの擦切れおよび切断の低減、歯間への挿入し易さの提供、および、より軟らかく、歯茎および手への当たりが向上したデンタルフロスの提供を含む。高引張強度を有し、かつ、擦切れ抵抗性を呈するナイロン製ヤーンは、擦切れ抵抗性を向上させるために、生糸に代えて、当初、使用された。撚られたマルチフィラメント系ヤーンへのワックスの添加は、ファイバの一括固定に役立つものであり、同時に、歯間への挿入し易さのために潤滑性被膜を提供した。ワックス被膜が形成された低摩擦性のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製モノフィラメント系ヤーンは、撚り部分または折畳み部分の厚さおよび当該部分自体の欠如、ならびに、改善された擦切れ抵抗性によって決まる歯間への良好な挿入し易さを提供する。残念ながら、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のモノフィラメントは、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の低摩擦係数が原因で、歯間の空間から食物カスを十分に取り除けないか、あるいは、簡単には、除去できない。
【0004】
デンタルフロスに対する更なる改良は、歯間隙内を通過している際に細くなり、その後、張力の軽減時に膨張する弾性材料で形成されたモノフィラメント系テープを提供することによって達成された。弾性材料で形成されたモノフィラメント系デンタルテープは、その製造が困難であることが知られていた。上記種類の弾性デンタルテープ製品が直面した一つの問題は、「短縮化(telescoping)」と呼ばれている。短縮化しているデンタルテープのロールまたはデンタルテープのボビン内において、コア上に巻き付けられた当該デンタルテープの連続層は、軸方向に沿って動かされる。したがって、デンタルテープのボビンは、短縮化していないテープ製品の円筒状よりはむしろ、概ね円錐状を呈している。重度に短縮化しているデンタルテープのボビンは、通常、ディスペンサ上、あるいは、当該ディスペンサ内に実装され得ない。
【0005】
短縮化は、デンタルテープを構成する材料の複数の弾性特性の結果であってもよい。供給ロールから印加された高い張力下で形成された弾性デンタルテープのボビンは、張力の増加がボビンに対する応力を高めることから、短縮化する可能性が高い。ボビン形成工程中に印加された高い張力は、概ね、供給ロール形成工程中に印加された高いテープ張力に由来している。供給ロール形成工程中に印加された高いテープ張力は、テープが処理されている際に、あるいは、テープが被膜形成工程等の付加的なテープ工程で処理されている際に、当該テープ上の速度または張力(あるいは、加速度および減速度)における不均一性に起因することがある。被膜形成工程中に、デンタルテープは、当該デンタルテープの被膜形成装置の通過時に、通常、伸張状態とされ、かつ、その伸張状態が緩和されることから、当該被膜形成装置は、さらに、張力の増加に寄与する。理論によって制約されることなく、本発明は、供給ロールの形成時の張力を低減させることによって、当該張力は、ボビン形成工程中で、比例して低減されることを見出した。
【0006】
短縮化問題を生じない被膜形成済みのモノフィラメント系デンタルテープ、ならびに、当該デンタルテープを処理する方法の必要性は、引き続き、存在している。
【0007】
〔本発明の概要〕
本発明は、テクスチャード加工されるか、または大きな表面積を有するテープ(すなわち、滑面または平坦面を持たないテープ)に、むらなく均一に被膜を形成するためのプロセスに関するものである。
【0008】
一つの実施の形態において、本発明は、テクスチャード加工されるか、または大きな表面積を有するテープに被膜を形成するためのプロセスに関するものであり、当該プロセスは、
a.第1の側部および第2の側部を有するテープを与えるステップであって、当該第1の側部が当該第2の側部と対向している、ステップと、
b.被膜形成用ダイ機構を与えるステップと、
を含み、
該被膜形成用ダイ機構は、
i.上記第1および第2の側部が垂直な向きになるように、上記テープを受け入れる、および/または、前記テープを配向するための進入スロット、
ii.入口および出口を有する少なくとも二つの通過穴であって、被膜形成用組成物を受け入れ、上記テープの第1および第2の側部に同時に被膜形成用組成物を送出するための、少なくとも二つの通過穴、
iii.任意選択の構成要素としての少なくとも二つのローラであって、上記進入スロットからの被膜形成済みテープを受け取るように位置合わせされた、少なくとも二つのローラ、および、
iv.任意選択の構成要素としての出口スロットであって、被膜形成済みテープを受け取って、当該テープ上に被膜を均一に広げるための、出口スロット、
を含む。
【0009】
〔本発明の詳細な説明〕
本発明のデンタルテープは、単一のモノフィラメントの形態となっている。この明細書で使用されているように、用語「テープ」、「ヤーン」およびフロスは、いずれを用いても変わりがない。テープは、例えば、その断面が円形状または矩形状で、表面が滑らかであってもよい。矩形状の形態であるモノフィラメント系テープは、通常、約1.0ミリメートルから2.0ミリメートルまでの範囲の幅、約0.03ミリメートルから約0.09ミリメートルまでの範囲の厚さ、および、約600から約1800までの範囲のデニールを有している。具体的な実施例において、矩形状のモノフィラメント基材は、約1.8ミリメートルの幅、約0.05ミリメートルの厚さ、および、約940デニールを有している。
【0010】
上記の構成に代えて、本発明のモノフィラメント系デンタルテープは、表面積の大きなテープであってもよく、あるいは、上述された滑らかな面またはテクスチャード加工されていない面を有するテープより実質的に大きな表面積を有してもよい。表面積の大きなテープ、あるいは、実質的に大きな表面積を有するテープは、その表面積が、当該テープと長さ、幅および高さの各寸法が等しい滑らか面またはテクスチャード加工されていない面を有する平坦なテープの表面積より15%(または約15%)、あるいは、選択的には20%(または約20%)、あるいは、選択的には25%(または約25%)大きいテープとして定義されている。「テクスチャード加工されていない面」とは、その表面が、(1)ヒトの手によって感じられる起伏領域、および/または、(2)拡大せずに、ヒトの目視によって識別できる起伏領域を持たないことを意味する。例えば、幅1.8ミリメートルおよび厚さ0.05ミリメートルを有するモノフィラメント系テープAは、3.7平方ミリメートルの表面積を有している。本発明のテープBは、幅1.8ミリメートルおよび厚さ0.05ミリメートルを有するモノフィラメント系テープと同一寸法を有することになるが、テープAより大きな表面積を有するように表面上に複数の突起部および/または凹部(例えば、複数のリブ)をも有している。仮に、テープAの各面上に11個のリブが付けられ、かつ、各リブが高さ0.04ミリメートルおよび幅0.04ミリメートルを有する場合に、新規のテープ(すなわち、テープB)の表面積は、5.46平方ミリメートルまたは48%増加される。これらのテープは、表面被膜を固定する能力を有しており、この表面被膜は、味わい、殺菌性、研磨性、知覚、唾液分泌促進性、着色性、着香性、治療作用等、滑らかなモノフィラメント系テープの同一の特性に関連した歯間洗浄以外の機能をデンタルテープに与えることが要求され得る。
【0011】
一つの実施の形態において、デンタルテープは、第1の外面と、この第1の外面に対向する第2の外面とを有するコア本体を有してもよく、第1および第2の外面のうち、少なくとも一方は、デンタルテープのコア本体内に突出する複数の凹部を有している。複数の凹部は、第1および第2の外面のうち、少なくとも一方の総表面積の約5%から約95%までの範囲内で設けられてもよく、また、当該凹部は、複数の凹部を含む第1および第2の外面のうち、少なくとも一方を横断したコア本体の厚さの約0.1%から約50%までに対応する複数の凹部を含む第1および第2の外面のうち、少なくとも一方に関連したコア本体内の深さを有してもよい。上記のようなテープは、米国特許出願第12/026,839号に開示されており、この文献の開示内容は、参照によって、この明細書に組み込まれる。
【0012】
他の実施の形態において、本発明によれば、モノフィラメント系デンタルテープは、第1の洗浄面と、その反対側の第2の洗浄面とを有するコア本体を有してもよく、当該洗浄面のうち、少なくとも一方の洗浄面は複数のリブを有しており、当該リブはその長さ方向に沿って配されている。この明細書で使用されているように、用語「リブ」とは、デンタルテープのコア本体と一体化し、かつ、当該コア本体から突出する構造要素を意味し、当該構造要素は、哺乳類の歯間隙から歯垢および/または食物カスの除去に有効な構造および寸法を有している。複数のリブは、デンタルテープのコア本体から実質的に直交する方向に、あるいは、ある角度で、突出してもよい。上記のようなテープは、米国特許出願第11/937,025号に開示されており、この文献の開示内容は、参照によって、この明細書に組み込まれる。
【0013】
特定の実施の形態において、テープは、弾性材料を用いて形成されている。弾性材料は、本発明の断面構造内で押し出された際に、高圧縮性を呈するものであり、これにより、当該構造が狭い歯間隙を経由して滑動できる。一旦、歯間の空間内および歯間隙内へ挿入されると、テープは、圧縮状態から実質的に復帰し、これにより、歯間から歯垢および食物カスを除去する擦過器として機能する洗浄面を与える。本発明の複数のリブを設けたモノフィラメント系デンタルテープを形成するために使用され得る弾性材料は、PEBAX7033、5533、MX1205、4033、3533および2533のような商品名PEBAX(フランス国オードセーヌのアトキミー社)で販売されたポリアミド・ポリエステルブロックコポリマー類、HYTREL7246、5556および4056のような商品名HYTREL(米国デラウエア州ウィルミントンのイー・アイ・デュポン・ド・ヌムール・アンド・コーポレーション)から販売されたポリエステル・ポリエーテルブロックコポリマー類およびポリエステル・ポリエステルブロックコポリマー類、商品名TECOFLEX(米国オハイオ州クリーブランドのルブリゾール・アドバンスド・マテリアルズ・インコーポレーテッド)で販売された熱可塑性の脂肪族ポリウレタンエラストマー類、商品名PELLETHANE(米国ミシガン州ミッドランドのダウ・ケミカル・コーポレーション)から販売された熱可塑性の芳香族ポリウレタンエラストマー類、および、商品名MULTI-FLEX(米国ミシガン州ミッドランドのダウ・ケミカル・コーポレーション)で販売された熱可塑性のポリオレフィンエラストマー類を含むが、これらに限定されるものではない。このような弾性材料およびデンタルテープを製造する際の当該材料の使用方法に関する更なる詳細な説明は、2001年8月23日に出願され、バーロー(Barlow)らに付与された米国特許第6,591,844号明細書、および、1998年1月21日に出願され、ツァオ(Tsao)らに付与された米国特許第6,029,678号明細書に見出され得るものであり、当該文献の開示内容は、参照によって、この明細書に組み込まれる。
【0014】
また、本発明のデンタルテープは、疑似モノフィラメント系ヤーンと呼ばれる基材から形成されてもよい。疑似モノフィラメント系テープは、一つのポリマーから形成されたコアと、当該ポリマーとは異なるポリマーから形成されたシースとを有する二成分系ファイバを押出し、その後に、当該ファイバのシースを部分的にあるいは全体的に溶融して複数のファイバ同士を結合するか、あるいは、融合させることによって形成され、結果として、モノフィラメントの外観および感触をもたらす。
【0015】
本発明の好適な実施の形態において、被膜は、デンタルテープの第1および/または第2の洗浄面上に配設され得る。本発明に使用される被膜形成用組成物は、弾性モノフィラメント系デンタルテープならびに非弾性テープの表面に対して、当該テープがモノフィラメント系ヤーンであっても、あるいは、疑似モノフィラメント系ヤーンであっても、確実に付着する必要がある。この明細書で使用されているように、「確実に」とは、テープの被膜形成中、巻付け中、出荷中および巻戻し中に、被膜形成用組成物が、当該テープの表面上の被膜の約95%、選択的には約90%、選択的には約85%を維持する上で十分な付着力を有する必要があることを意味する。「疑似モノフィラメント」とは、主に、一つのポリマーから形成されたコアと、当該ポリマーとは異なるポリマーから形成されたシースとを有する多成分系ファイバおよび/または二成分系ファイバを押出し、その後に、当該ファイバのシースを部分的にあるいは全体的に溶融して複数のファイバ同士を結合するか、あるいは、融合させることによって形成され、結果として、モノフィラメントの外観および/または感触をもたらすようなテープを意味する。
【0016】
適切な不溶性被膜は、未結晶性ワックス、蜂蝋、パラフィンワックス、低分子量ポリエチレン類、シリコーン油、精油および鉱油を含むが、これらに限定されるものではない。通常、不溶性ワックス製の被膜は、約25℃から約100℃までの範囲、選択的には約35℃から約80℃までの範囲の融点を有している。複数のワックスは、口腔内で使用されるものとしてFD&C(食品医薬品化粧法)により認可された水不溶性の着色剤と組み合わせられてもよい。適切な着色剤は、FD&C(食品医薬品化粧法)認可の青色1号レーキ顔料、FD&C(食品医薬品化粧法)認可の青色2号レーキ顔料、FD&C(食品医薬品化粧法)認可の赤色40号レーキ顔料、エリトロシン・レーキ顔料、アラマンス・レーキ顔料、紅色4Rレーキ顔料、カーモイソジン(Carmoisosine)・レーキ顔料、カーマイン・レーキ顔料等の合成的に誘導された着色剤、ならびに、天然由来顔料をアルミニウム系塩またはカルシウム系塩に変換することによって生成された着色剤を含むが、これらに限定されるものではない。また、二酸化チタンおよびこれと同類等の天然着色剤が使用されてもよい。
【0017】
デンタルテープに塗布される被膜形成用組成物は、溶解性被膜であってもよいものであり、当該被膜は、換言すれば、当該被膜が口腔内に存在する唾液に溶解するか、あるいは、当該唾液中に分散する傾向を呈するようなものである。このような溶解性被膜は、溶解性ワックスまたはこれと同類を含み、これらの溶解性ワックス等は、PEG1000およびPEG1450等の低分子量のポリエチレングリコール(「PEGs」)を含むが、これらに限定されるものではない。PEG3350とPEG1000との混合物等、高分子量PEGs(ポリエチレングリコール)と低分子量PEGs(ポリエチレングリコール)との組み合わせが使用されてもよい。また、高分子量PEGs(ポリエチレングリコール)を含有する液状PEGs(ポリエチレングリコール)の混合物が使用されてもよい。
【0018】
他の被膜は、ポリオキサマー(Polyoxamer)407、唾液分泌促進剤、嗅覚刺激剤、感覚剤、精油、フッ化物等の活性剤、塩化セチルピリジニウム(CPC)、ピロリン酸四ナトリウム、そのままで過酸化水素を生成できる過酸化カルシウム、過酸化水素、過酸化カルバミドおよび他の過酸化物等の美白剤、抗菌剤、抗ウイルス剤およびこれらの混合物等の溶解性の界面活性剤を含む。
【0019】
このような成分は、固体、液体、粒子、ゲルあるいはこれらの同類として使用されてもよく、また、標準的なカプセル化技術が使用されてもよい場合に、当該成分が当該技術によって従来のポリマー材料内に封入されることで、ポリマー外殻と、上述された形態の一つとなっている成分を含むコアとを有するカプセル封入体を構成するようにしてもよい。また、このような成分は、適切な場合に、被膜用担体を必要とすることなく、本発明のデンタルテープに直接、塗布されてもよい。
【0020】
不溶性ワックスを含む被膜は、当該被膜が、噴霧乾燥された香料、精油、あるいは、当該不溶性ワックス内の溶解性球体によって保護され、かつ、当該球体から放出される他の成分等のカプセル封入成分を含有する場合に、塗布されてもよく、あるいは、溶解性被膜は、ヤーンまたは不溶性被膜上に直接、塗布されてもよい。溶解性被膜は、当該ワックス内に直接、収容されるか、あるいは、この技術分野において通常実施される噴霧乾燥技術または他のカプセル化技術を用いることによって当該ワックス内に収容される複数の成分を含有してもよい。
【0021】
特定の実施の形態において、二つの不溶性被膜は、ファイバ基材に塗布されている。これらの実施の形態において、第2の被膜形成用組成物は、第1の被膜形成用組成物より低い融点を有するはずである。
【0022】
溶解性被膜は、単独で使用され得るか、あるいは、不溶性被膜上に第2の被膜として使用され得る。一方または両方の被膜は、着色剤、香料、甘味料、研磨剤、歯石付着防止剤、フッ化物塩等の活性剤、および、この技術分野において公知の添加物を含有できる。
【0023】
付加的な成分は、種々の利点を付与するために、被膜に添加され得る。当該成分は、噴霧乾燥された香料等の香料系、調味料、および、サッカリンナトリウム等の甘味料を含有している。香料の添加量は、通常、被膜形成用組成物の全重量に対して10%から25%までの範囲である。甘味料の添加量は、通常、被膜形成用組成物の全重量に対して0.1%から1%までの範囲である。
【0024】
他の成分は、歯の洗浄を支援するために、被膜に添加され得る。当該成分は、シリカまたはリン酸ニカルシウム塩等の研磨剤、および、ピロリン酸四ナトリウム等の歯石付着防止剤を含む活性剤を含有している。二つの被膜が使用される場合に、活性剤は、フロスの使用中に、当該活性剤が高い割合で当該フロスから放出されることを保証するために、通常、第2の溶解性被膜内に添加される。
【0025】
被膜を考案する際に、被膜形成用組成物内の固形添加物の含有量を約30重量%未満に制限することが望ましい。約30重量%を超える含有量の固形添加物を有する被膜形成用組成物を含むデンタルテープに被膜を形成する工程は、被膜の均一性の確保を困難にし、かつ、テープ表面への被膜の付着力を低減させることがある。高含有量の固形添加物を含む被膜は、製造中および最終製品の使用中に、剥離する傾向を呈することがある。
【0026】
デンタルテープの被膜は、無水物または水和物であってもよい。被膜が水和物である場合に、水は乾燥時に蒸発される。
【0027】
被膜は、ファイバ基材の重量に対して、通常、約10%から約60%までの範囲、選択的には約20%から約50%までの範囲の添加量で塗布されてもよい。
【0028】
特定の実施の形態において、デンタルテープは、以下のステップ:すなわち、
1.短縮化問題を回避するように制御された速度および張力で被膜形成用ダイにモノフィラメント系テープを供給するステップ、
2.均一状態の被膜形成用組成物を塗布用ダイ内にポンプで送出するステップ、
3.デンタルテープの両側面に当該被膜形成用組成物を均一かつ同時に塗布するステップ、および
4.当該被膜形成用組成物がそのまま固化されるまで、当該被膜形成用組成物が当該デンタルテープ上で実質的に乱されないようにする上で十分な期間を与えるステップを実施できる装置および方法を用いて製造される。
【0029】
「均一」または「実質的に均一」とは、手動的に(計測器の助けなしに)、あるいは、視覚的に(矯正手段のメガネ類に勝る拡大装置を必要とせずに)検査された場合に、被膜は、同一(すなわち、比較的[または、実質的に]一定)の厚さを有し、かつ、被覆形成領域内に欠陥(ピンホールまたは空洞等)が存在することがない(すなわち、あまり[または、実質的に]存在しない)ことを意味する。本発明のモノフィラメント系デンタルテープを製造するための上述の方法は、図1に示されている。第1のステップにおいて、主にワックスである被膜形成用組成物5は、混合タンク40内で、必要に応じて、加熱することによって液状化される。アドミックス社(Admix)によって製造されたロトスタット(Rotostat)種類の高剪断性混合器の型式#XPBL等の高剪断性混合器42は、被膜形成用組成物5を均質に維持するために使用され得る。主に、ロトソルバー(Rotosolver)種類のヘッドブレードは、高剪断性混合器42内で使用され、かつ、例えば、毎分1700回転で運転される。
【0030】
その後、被膜形成用組成物は、混合タンク40から流出され、第1のパイプ44を経由して、容積移送式ポンプ46内に移送されることなり、当該ポンプは、所定の速度で駆動された際に、被膜形成用組成物の一定量を第2のパイプ48を経由して被膜形成用ダイ50に送出するものである。当該容積移送式ポンプは、翼種類の容積移送式ポンプ、ピストン式ポンプ、あるいは、これらと同様の種類のポンプとされる。特定の実施の形態において、米国オクラホマ州サルファーのカー・コーポレーション(Kerr Corp.)によって供給されるカー(Kerr)ピストン式ポンプが使用される。ピストン式ポンプは、被膜形成用組成物5が研磨剤等の固形粒子を含有する場合に、概ね、被膜の均一性および一様性を促進するものである。特定の実施の形態において、容積移送式ポンプが使用されるが、これは、被膜形成用組成物5を送出するためにそのような実施の形態において使用される通過穴、パイプ、通路または出口が、混合タンク40からデンタルテープ10上への被膜形成用組成物の流れに対して重力を全く作用させないか、あるいは、重力を最小限に作用させるように、これら通過穴、パイプ、通路または出口の方向を示す通路または進路を、上向きに、そして、被膜形成されるデンタルテープ10の位置に向けるか、あるいは、デンタルテープ10の位置と水平方向に同じ高さでその位置に向けるように、概ね位置合わせされるか、あるいは配向されるためである。
【0031】
特定の実施の形態において、デンタルテープ10は、電動巻戻しシステム20とフロス巻直しシステム70との組み合わせによる方法で、供給されると同時に引き出される。デンタルテープ10は、低い張力で供給されるか、あるいは、巻き戻され、また、当該デンタルテープ10は、特定の実施の形態において、検知アーム組立体30を交差して、あるいは、当該組立体30を経由して、供給スプール22から直交方向に引き出される。検知アーム組立体30は、デンタルテープ10が被膜形成用ダイ50に進入する際に、デンタルテープ10の張力を観察するために設けられる。特定の実施の形態において、検知アーム組立体30は、アーム32、旋回点34、および、デンタルテープ10が通過するローラ36を有している。検知アーム組立体30は、デンタルテープ10が被膜形成システム内に供給されると同時に引き出される際に、電動巻戻しシステム20の速度を調節することによって、当該デンタルテープ10に印加される低い供給張力または巻戻し張力を実質的に一定に維持するために、使用される。特定の実施の形態において、デンタルテープが、毎分約1000フィート(毎分約30.480メートル)を超える線速度で、あるいは、選択的には毎分約1500フィート(毎分約45.720メートル)から毎分約2500フィート(毎分約76.200メートル)までの範囲で、あるいは、選択的には毎分約2000フィート(毎分約60.960メートル)からの範囲で被膜形成システムを通過する場合に、一定の低い巻戻し張力は、約400から約1200までの範囲のデニールを有するデンタルテープ10に対して約50グラム重量から約60グラム重量までの範囲に、概ね維持される。
【0032】
被膜形成後に、デンタルテープ10は、巻取りスプール72上に集められる。巻取りスプール72が運転される速度は、電子制御システムによって制御される。この電子制御システムは、コンピュータ、プログラム制御式の論理制御装置または同様の装置であってもよい。図1に示された実施の携帯において、速度検知ロール74は、巻取りスプール72上のテープ表面上に乗っている。速度検知ロール74は、フェナー・エム・ドライブ(Fenner M-drive)等の電子制御システムに供給される信号を生成する。電子制御システムは、巻取りスプール72の速度の駆動力となるモータ80(図2に図示されている)の電圧を制御する。巻取りスプール72の速度を制御する際に速度検知ロール74によって生成された信号の使用は、デンタルテープ10上に印加される張力を250または(約250)グラム重量未満に制御し、かつ、維持する被膜形成中に、デンタルテープ10の一定速度または走行速度を維持する上で役立つ。また、電子制御システムは、容積移送式ポンプ46の供給速度を制御する。したがって、デンタルテープ10の走行速度は、一定量の被膜形成用組成物5が被膜形成用ダイ50内にポンプで供給される間、維持される。
【0033】
図1には示されていない特定の実施の形態において、被膜形成用ダイ50は、デンタルテープ10が少なくとも部分的に覆う少なくとも2個のローラを包含している。特定の実施の形態において、当該ローラの数は、2個から、選択的には3個から、選択的には4個またはそれ以上、あるいは、選択的には2個から7個まで、あるいは、選択的には3個から5個までの範囲内とされる。概ね、デンタルテープ10は、約90°から約270°までの範囲で当該ローラを覆っている。当該ローラは、被膜形成用組成物5をデンタルテープ10に塗布する上で役立つ。当該ローラの下流には、通常、被膜形成用組成物5がデンタルテープ10の表面上で滑らかにされるスロットダイ領域が存在する。特定の実施の形態において、スロットダイは、平行な側面または壁面を有する溝の形態になっており、当該溝は、選択的には、当該溝の底部に、デンタルテープをスロット内に案内するための半径を有している。特定の実施の形態において、当該スロットは、デンタルテープ10がダイを通過する際に過剰量の被膜が当該デンタルテープ10から除去される(図8に示されているように)ことで、同時に、当該デンタルテープ10がダイを通過する際にスロットダイによってデンタルテープ10上に印加される任意の付加的な張力を最小限にするように、寸法設定されている。この技術分野における当業者に明らかなように、当該溝およびスロットの寸法は、デンタルテープ10のデニールおよび種類、ならびに、当該デンタルテープ10に塗布される被膜形成用組成物5の塗布量等の因子によって決まるはずである。
【0034】
特定の実施の形態において、大きな表面積を有するデンタルテープに被膜形成する上で有用な被膜形成用ダイが使用されてもよい。このような被膜形成用ダイは、デンタルテープ10の平面が垂直の位置にある(すなわち、デンタルテープ10の幅寸法が被膜形成用ダイベースの水平面に直交するように配向されている)ように(図5に記述されているように)、当該デンタルテープ10を受け入れるか、あるいは、当該デンタルテープ10を配向するように構成されている。理論によって制約されることなく、被膜形成用ダイを経由して水平方向に配向されるデンタルテープ10の動作よりも、当該垂直な向きの方が当該デンタルテープ10の平面の両側面を交差する方向に沿って形成される被膜の厚さ一様性および均一性をより促進するものと考えられている。
【0035】
大きな表面積を有するデンタルテープに被膜形成する上で有用な被膜形成用ダイの一つの実施の形態は、図3〜図18に示されている。図3は、ローラダイベース120およびカバープレート140を有する被膜形成用ローラダイを示す斜視図である。被膜未形成のデンタルテープ250は、当該デンタルテープ250の平面が垂直方向に配向されるか、あるいは、当該デンタルテープ250の幅寸法がローラダイベース120に直交するようにデンタルテープ250の平面が配向されるように、被膜形成用ダイ110に進入する。デンタルテープ250は、カバープレート側ダイスロット144およびローラ組立体200に沿って垂直方向に横断し、垂直に配向された被膜形成済みデンタルテープ252として出て行く。図3は、カバープレート側ダイスロット144を構成する三つの部分を示している。スロット144aは、ダイ進入部から進入ブロック窓142まで横断している。スロット144bは、進入ブロック窓142からローラ組立体200まで横断している。スロット144cは、ローラ組立体200からダイ出口部まで横断している。
【0036】
加熱装置は、選択的には、本発明の被膜形成用ダイに一体化され得るか、あるいは、当該ダイに付随され得る。加熱装置は、通常は、流動可能または液状のワックス材料の被膜形成用組成物を維持する上で十分な温度を提供するために使用される。このような温度は、通常、華氏180°(約82.22℃)から華氏約200°(約93.33℃)までの範囲とされる。図3は、二つのカートリッジ式加熱装置134を有する本発明の例示的な実施の形態を示しており、当該加熱装置134は、複数のローラおよび/または被膜形成用ダイ50の他の部品を加熱するために使用され得るものである。
【0037】
図4は、被膜形成用ローラダイ110を示す分解斜視図であり、ローラダイベース120およびカバープレート140をより詳細に示している。カバープレート側ダイスロット144を構成する三つの部分および進入ブロック窓142に加えて、5個のローラホイール窓146および5個のカバープレート固定用穴152は、カバープレート140上に示されている。カバープレート固定用穴152は、ローラダイベース固定用穴132に位置合せされている。ローラダイベース固定用穴132には、ネジが形成されている。ネジ接続されたハンドル154は、ローラダイベース120およびカバープレート140を一緒に保持するために使用される。
【0038】
ローラダイベース120は、進入ブロック側凹部122、ローラ組立体側凹部126、出口ブロック側凹部128、ローラダイベース固定用穴132、および、進入ブロックおよび出口ブロック固定用穴136を有している。図4は、ベース側スロット124を構成する二つの部分を示している。ベース側スロット124aは、進入ブロック側凹部122からローラ組立体側凹部126まで横断している。スロット124bは、ローラ組立体側凹部126から出口ブロック側凹部128まで横断している。進入ブロックおよび出口ブロック固定用穴136には、ネジが形成されている。
【0039】
また、図4は、進入ブロック160、出口ブロック180、ならびに、5個のローラ202を示している。進入ブロック160および出口ブロック180は、ローラダイベース120とカバープレート140との間に位置合わせされると共に、被膜未形成のデンタルテープ250を被膜形成用ダイ110の入口からローラ組立体200へ案内し、かつ、被膜形成済みデンタルテープ252をローラ組立体200から被膜形成用ダイ110の出口へ案内するために使用される。
【0040】
図5は、被膜形成用ダイ110が、どのように被膜未形成のデンタルテープ250を被膜形成済みデンタルテープ252に変換するのかに関する詳細を示す斜視図である。図5は、垂直な向きで進入ブロック160内に進行し、かつ、進入ブロック側スロット162の壁部(あるいは、向かい合う側部)に沿って、これら壁部と壁部の間(あるいは、向かい合う側部と側部の間)を移動する被膜未形成のデンタルテープ250を示している。進入ブロック側スロット162は、垂直に配向された被膜未形成のデンタルテープ250上に最小限の張力を生じる上で十分な幅に寸法設定されているが、その幅寸法は、重力が原因で、被膜未形成のデンタルテープ250の下部が被膜未形成のデンタルテープ250の上部よりも厚い被膜を受容することがないように、狭く設定されている。被膜形成工程は、垂直方向に沿って、ベース側通過穴138を経由して進入ブロック側プール172に向けて移動し、かつ、二つの被膜形成用穴(あるいは、通路)174内に分かれる。一つの実施の形態において、被膜未形成のデンタルテープ250は、当該デンタルテープ250が被膜形成用穴174を通過する際に、当該デンタルテープ250の両側面上に同時に被膜形成される。その後に、被膜形成済みのデンタルテープ252は、その垂直な向きに維持されながら、少なくとも部分的に覆われた状態の複数のローラ202の周囲を通過する。概ね、被膜形成済みのデンタルテープ252は、90°から270°までの範囲で当該複数のローラの周囲を覆っている。複数のローラ202は、被膜形成済みのデンタルテープ252に被膜形成用組成物を均一に塗布する上で役立つ。図5は5個のローラを示しているが、被膜形成済みのデンタルテープ252が僅か1個のローラ、あるいは、約20個以上のローラの周囲を通過してもよいと理解される。ローラ202の下流には、出口ブロック180が存在している。被膜形成済みのデンタルテープ252は、垂直に配向されたままで出口ブロック180内に進行し、かつ、被膜形成済みのデンタルテープ252の垂直な向きを維持する上で役立つ出口ブロック側スロット182に沿って移動する。上述されたように、出口ブロック側スロット182の幅寸法182aは、被膜形成用組成物5が被膜形成済みのデンタルテープ252の表面上に滑らかに塗布される更なる機会を与えると共に、出口ブロック180を経由するデンタルテープ252の動作によって引き起こされる任意の付加的張力を最小限すると同時に、過剰量の被膜形成用組成物5を除去するように寸法設定されている。
【0041】
カバープレート側ダイスロット(144a、144b、144c)、ベース側スロット(124a、124b)、進入ブロック側スロット162、および、出口ブロック側スロット182を含む上述の全スロットが平行な側面または壁面を有する溝の形態になっており、当該溝は、選択的には、当該溝の底部に、ある半径を有しているものと留意される。この技術分野における当業者に明らかなように、当該溝の寸法は、被膜未形成のデンタルテープ250のデニールおよび種類、ならびに、当該デンタルテープ250に塗布される被膜形成用組成物の塗布量等の因子によって決まるはずである。
【0042】
図6は、カバープレート140およびモノフィラメント被膜形成用通路の詳細を示す被膜形成用ダイ110の実施の形態を示す上面図である。図6は、被膜未形成のデンタルテープ250に被膜形成される場合に、進入ブロック160内へ進行する当該デンタルテープ250を示している。被膜形成済みのデンタルテープ252は、ローラ組立体200の周囲から出口ブロック180へ進行し、被膜形成用ダイ110から出る。進入ブロック160は、カバープレート140によって部分的に隠されているが、進入ブロック窓142を通じて目視できる。ローラ組立体200は、ローラホイール窓146を通じて目視できる。出口ブロック180は、カバープレート140によって隠されているが、被膜形成済みのデンタルテープ252は、カバープレート側ダイスロット144cを通じて目視できる。また、図6は、カバープレート140をローラダイベース120に保持するために使用されるネジ接続されたハンドル154、ならびに、カバープレート140およびローラダイベース120を取り付ける前に、カバープレート140をローラダイベース120に位置合せする位置合せ用穴156を示している。
【0043】
図7は、図6の実施の形態の被膜形成用ダイ110を面7−7に沿って切断して示す断面図である。図7は、進入ブロック160内へ進行する被膜未形成のデンタルテープ250を示している。被膜形成工程は、垂直方向に沿って、第2のパイプ48(あるいは、容積移送式ポンプ46から被膜形成用組成物を受け入れる被膜形成用組成物分配パイプ)からベース側通過穴138を経由して進入ブロック側プール172へ移動し、かつ、二つの被膜形成用穴174内に分かれる(図7は、当該二つの穴のうち、一方を示している)。一つの実施の形態において、被膜未形成のデンタルテープ250は、当該デンタルテープ250が被膜形成用穴174を通過する際に、当該デンタルテープ250の両側面上に同時に被膜形成される。また、図7は、出口ブロック180を経由して移動し、かつ、被膜形成用ダイ110から出る被膜形成済みのデンタルテープ252を示している。カバープレート140をローラダイベース120に保持するために使用されるネジ接続されたハンドル154、ならびに、必要に応じて被膜形成用組成物を液状に維持するために使用され得るカートリッジ式加熱装置134も図示されている。
【0044】
図8は、図6の実施の形態を面8−8に沿って切断して示す断面図である。図8は、カバープレート140、ローラダイベース120、カートリッジ式加熱装置134を示し、かつ、ローラ組立体200を詳細に示している。ローラ組立体200は、被膜形成済みのデンタルテープ252に被膜形成用組成物を均一に塗布する上で役立つローラ202を有している。特定の実施の形態において、短シャフト210の一端は、ローラ202の中央部分内に配され、かつ、キャップネジ204、平坦ワッシャ206および止めワッシャ208によってローラ202に取り付けられている。短シャフト210の中央部分は、内側リング遮蔽用軸受部212内に配されている。短シャフト210の他端は、軸受固定部220内に配され、かつ、キャップネジ204、平坦ワッシャ206および止めワッシャ208によって当該軸受固定部220に取り付けられている。軸受固定部220は、軸受固定部側のキャップネジ222および軸受固定部側の止めワッシャ224によってローラダイベース120に取り付けられている。一つの実施の形態において、3組のキャップネジ222および止めワッシャ224は、軸受固定部220をローラダイベース120に取り付けるために使用されている。しかし、この技術分野における当業者の一人は、当該二つの部材を取り付けるために、多かれ少なかれ、ネジを用いるか、あるいは、この技術分野において公知の他の固定手段を用いることができるはずである。最終的に、内側リング遮蔽用軸受部212は、外輪スペーサ214によって、ローラ組立体側凹部126およびローラホイール窓146内の略中心位置に維持される。
【0045】
図9は、本発明の被膜形成用ローラダイの実施の形態を示す底面図である。図9は、5個のローラ組立体200、ベース穴138、カートリッジ式加熱装置134、および、ローラダイベース120上の位置合せ用穴156を示している。O−リング139は、容積移送式ポンプとローラダイベース120との間における被膜形成用組成物の漏出を防止するために使用される。位置合せ用穴156は、カバープレート140およびローラダイベース120を取り付ける前に、カバープレート140をローラダイベース120に位置合せするために使用される。
【0046】
図10〜図14は、進入ブロック160の詳細を示している。図10は、進入ブロック側スロット162および進入ブロック側スロットガイド164を示している。進入ブロック側スロットガイド164は、被膜未形成のデンタルテープ250を進入ブロック側スロット162内に案内するために、進入ブロック160内に設けられたV字状またはテーパ状の切れ込み部分である。進入ブロック側スロット162は、その幅162aが進入ブロック160を経由して被膜未形成のデンタルテープ250の垂直な向きを維持すると共に、当該デンタルテープ250上に付加的な張力が僅かに印加されるか、あるいは、当該張力が印加されない状態で、上述されたような被膜形成を促進するように、寸法設定されている。被膜未形成のデンタルテープ250は、当該デンタルテープが被膜形成される位置まで、進入ブロック側スロット162に沿って移動する。被膜形成工程は、垂直方向に沿って、進入ブロック側プール172から二つの被膜形成用穴174内に移動する。被膜未形成のデンタルテープ250は、当該デンタルテープが被膜形成用穴174を通過する際に、当該デンタルテープの両側面上に同時に被膜形成される。図10〜図12は、進入ブロック160をローラダイベース120に取り付けるために使用され得る任意選択的な二つの進入ブロック側穴166を示している。
【0047】
図15〜図18は、出口ブロック180の詳細を示している。図15は、出口ブロック側スロット182および進入ブロック側スロットガイド184を示している。進入ブロック側スロットガイド184は、被膜形成済みのデンタルテープ252を出口ブロック側スロット182内に案内するために、出口ブロック180内に設けられたV字状またはテーパ状の切れ込み部分である。出口ブロック側スロット182は、被膜形成用組成物が被膜形成済みのデンタルテープ252の表面上に滑らかに塗布される更なる機会を与えることができる。出口ブロック側スロット182の幅寸法182aは、被膜形成用組成物5が被膜形成済みのデンタルテープ252の表面上に滑らかに塗布される更なる機会を与えると共に、出口ブロック180を経由するデンタルテープ252の動作によって引き起こされる任意の付加的張力を最小限すると同時に、過剰量の被膜形成用組成物5を除去するように寸法設定されている。被膜形成済みのデンタルテープ252は、当該デンタルテープが被膜形成用ローラダイ110を出るまで、出口ブロック側スロット182に沿って移動する。図15〜図17は、出口ブロック180をローラダイベース120に取り付けるために使用され得る任意選択的な二つの出口ブロック側穴186を示している。
【0048】
別体の部品として図示されているが、進入ブロック160および出口ブロック180(当該ブロックの明確な構造特性に加えて)が、被膜形成用ダイ110の性能または機能を変更することなく、ローラダイベース120および/またはカバープレート140と一体化され得るものと当業者によって容易に理解されるはずである。しかし、進入ブロック160および出口ブロック180を別体の部品とすることは、交換に便利となる。例えば、別体の部品である進入ブロック160および出口ブロック180は、進入ブロック160および/または出口ブロック180を、異なる幅寸法を有するスロット(162、182)およびスロットガイド(164および184)を含む進入ブロックおよび出口ブロックに交換できる。
【0049】
デンタルテープ10に一旦塗布された被膜形成用組成物5は固形化されることになる。固形化は、冷却領域60を備えることによって達成され得る。冷却領域60は、被膜形成用組成物5が周囲温度以下に冷却する開放領域とすることができる。上記の構成に代えて、冷却領域60は、冷却速度を上げるために、冷却空気または大気がデンタルテープ10上に吹き付けられるチャンバとすることができる。被膜形成用組成物5内に好ましくない切れ目の形成を回避するために、デンタルテープ10は、被膜形成用組成物5が固形化されてしまうまで、すべての表面に接触させてはならない。
【0050】
一旦、被膜形成用組成物5が、デンタルテープの外面のあらゆる崩壊を防止するように十分に冷却されると、デンタルテープは、フロス巻直しシステム70上に巻き直される。図2に示されたフロス巻直しシステム70は、巻取りスプール72、上述されたような速度検知ロール74、さらに、駆動モータ80、一連のタイミングベルト(すべて符号84が付された)およびタイミングベルトプーリー(すべて符号82が付された)、ならびに、横バレルカム86上に配された横行カムガイド76を有している。6ポンド(2.7キログラム)以下、選択的には5ポンド(2.3キログラム)以下、または、選択的には4ポンド(1.8キログラム)以下の、巻取りスプール72上に巻き取られるデンタルテープについて、デンタルテープ10の張力は、巻直し前に、従来の張力測定装置(米国ニューヨーク州シダーハースト(cedarhurst)のエレクトロマチック・イクイプメント・コーポレーションによって供給されるチェックライン(Checkline)等)を用いて観察され、これにより、走行速度は、巻直し工程中に、デンタルテープ10の張力が300(または約300)グラム重量未満に、選択的には250(または約250)グラム重量未満に、あるいは、選択的には約190グラム重量から約200グラム重量までの範囲となるように調節される。横行カムガイド76および横バレルカム86は、横行カムガイド側ハウジング78内に配されており、当該横行カムガイド側ハウジング78は、横行カムガイド側ハウジングスロット79を有している。
【0051】
フロス巻直しシステム70は、巻取りスプール72が回転する際に、横行カムガイド76がその長さ方向に沿う往復方向に横断するような横行巻直し装置である(図2参照)。巻取りスプール72は、図19に示されているように、長軸z、当該長軸zに直交する面rΦ、外周C(スプールコア直径dsと円周率πとの積に等しい)を有している。フロス巻直しシステム70は、以下のように機能する。駆動モータ80のスピンドル81は、タイミングベルトプーリー82aを駆動し、タイミングベルト84aを介してタイミングベルトプーリー82bおよび82cを駆動するように回転する。タイミングベルトプーリー82bは、タイミングベルトプーリー82dを駆動し、以下順に、タイミングベルト84bを介してタイミングベルトプーリー82eを駆動する。タイミングベルトプーリー82eは、巻取りスプール72の端部上に配されており、タイミングベルトプーリー82eが回転する際に、巻取りスプール72が回転する。タイミングベルトプーリー82は、タイミングベルト84cを介して、タイミングベルトプーリー82fおよび82gを駆動する。タイミングベルトプーリー82gは、タイミングベルト84dを介して、タイミングベルトプーリー82hを駆動する。タイミングベルトプーリー82hは、横バレルカム86の端部上に配されており、タイミングベルトプーリー82hが回転する際に、横バレルカム86が回転する。横行カムガイド76は、横バレルカム86が回転する際に、横行カムガイド76がその長さ方向に沿う往復方向に横断するように、横バレルカム86上に配されている。適切な横行巻直し装置は、リゾナ・コーポレーション等の会社で容易に構築され得るか、あるいは、当該会社から購入され得る。
【0052】
特定の実施の形態において、タイミングベルトプーリーの寸法および横バレルカムは、以下に記述されるような巻直し装置で選択される:
a.)複数のプーリー比すなわち割合A(巻取りスプール72の回転(インチ:約2.54cm)当たりの横行カムガイドの横移動距離(インチ:約2.54cm)を確認する)の積が以下のようになるように、タイミングベルトプーリーは選択(あるいは、調節)される:
割合A=P1/P2×P3/P4×PZ−1/PZ
ここで、P1〜PZは、巻取りスプール72を回転させるタイミングベルトプーリーすなわちP1から横バレルカム86を回転させるタイミングベルトプーリーすなわちPZへと順次、順序付けされたプーリーのプーリー寸法であり、次のb.)と協働して使用され、
b.)横バレルカム86は、カム前進距離(あるいは、横行カムガイド76の全横断を達成するために必要とされる横バレルカム86の回転数によって除された横行カムガイド76によって横断される全距離(端から端まで))と割合Aとの積が巻取りスプール72(すなわち、デンタルテープ10が巻かれていない巻取りスプール72)の外周Cによって除される際に割合Bとなるように、選択されており、割合Bは、
割合B=(カム前進距離×割合A)/外周C
で示され、かつ、割合Bは、約3.5°から約5°までの螺旋角度θを与え、当該螺旋角度θは、デンタルテープの捻れ部分と、図19および図20に示されているように、巻取りスプール72の長軸zに直交する巻取りスプール72の面rΦとによって構成され、かつ、一般式:sin−1(螺旋角度θ)=割合Bによって決定される。
【0053】
理論によって制約されることなく、約3.5°から約5°までの螺旋角度θを得ることが、
i.)デンタルテープの所定の任意の層内において、当該層を構成するデンタルテープ10の捻れ部分が重複していないか、あるいは、選択的には、接触していないか、あるいは、選択的には、1インチ(約2.54cm)の1/32(すなわち、1/32インチ=約0.08cm)までのts間の空間を有しておらず、ならびに、
ii.)約7°から約11までの交角(すなわち、螺旋角度θの2倍)をなすように、デンタルテープ10の各層を構成するデンタルテープ10の捻れ部分がデンタルテープ10の当該各層の上位層を構成するデンタルテープ10の捻れ部分に重複するように、デンタルテープ10の巻取りスプール72を与えるものと考えられる。
【0054】
仮に、デンタルテープ10に第2の被膜を塗布することが望ましい場合には、この第2の被膜の塗布は、他の被膜形成用製造ライン、ならびに、冷却領域60の下流の冷却チャンバを配置することによって実行されてもよい。
【0055】
特定の実施の形態において、その後、デンタルテープ10が巻かれている巻取りスプール72は、当該デンタルテープ10をボビン90内で後処理するために、取り外される。テープボビンは、図22aおよび図22bに示されているように、巻取りスプール72から、図21に示されているように幅wcが選択されたボビンスプールコア92上に解かれたデンタルテープ10から構成され、かつ、図23aおよび図23bに示されているように、消費者によって使用され、幅wdが選択されたディスペンサ95内に梱包されている。特定の実施の形態において、ボビンスプールコア92は、約2:1、選択的には、約3:1を超えるアスペクト比を有しており、当該アスペクト比は、ボビンスプールの直径の幅に対する比である。デンタルテープ10は、テープボビンを構成するように、巻取りスプール72からボビンスプールコア92へテープ巻き幅wbで巻き取られるものであり、テープ巻き幅wbはボビンスプールコアの幅wcを、多くとも10%(または約10%)、選択的には、5%(または約5%)、選択的には、2.5%(または約2.5%)、選択的には、1%(または約1%)だけ、超える程度である。したがって、約3.5°から約5°までの螺旋角度θを生じる進歩的なフロス巻直しシステム70は、巻取りスプール72から形成されたテープボビン最終製品のテープ巻き幅wbが、ボビンスプールコアの幅wcを可動的に収容するように特別に設計されたディスペンサ95内へのテープボビン最終製品の梱包を妨げないように短縮化しないことを保証するものである。さらに、通常、進歩的なフロス巻直しシステム70は、テープまたはフロスが弾性材料から形成された場合において、特に狭い幅のディスペンサの使用を許容するものである。
【0056】
本発明の数種の実施例は、本発明の性質および本発明の実施方法をさらに説明するために、以下に述べられている。しかし、本発明は、当該実施例の詳細な説明に限定されるものと見なされるものではない。
【0057】
以下の複数の実施例において、言及された百分率は重量%である。
【0058】
〔実施例1〕
デンタルテープが巻かれたスプールロールは、本発明の被膜形成工程および巻付け工程に従うと共に、後述され、かつ、表I(表1)に要約された寸法および/または種類の部品を用いて形成されている。
【表1】
【0059】
上記タイミングベルトプーリーを寸法順(例えば、図2に示されているように、タイミングベルトプーリー82eが、タイミングベルトプーリー82cに接続されたタイミングベルトプーリー82dに接続されている)で順序付けし、かつ、寸法順で順序付けされたタイミングベルトプーリーの比の積すなわち割合Aを(以下の式Iに示されているように)決定する。
割合A=P1/P2×P3/P4×PZ−1/PZ I
ここで、P1〜PZは、巻取りスプール72からフロス巻直しシステム70の横バレルカム86へ順序付けされたタイミングベルトプーリーの寸法であり、以下の割合となる。
割合A
=(プーリー82e/プーリー82d)×(プーリー82c/プーリー82f)×(プーリー82g/プーリー82h)
=(14×17)×(19/14)×(16/20)=0.8941
【0060】
横バレルカムは、巻取りスプール72の6回転当たりの横行カムガイドの端から端までの横断距離11.5インチ(約29.21cm)を与えるように選択された。この横断距離は、以下の式に等しいカム前進距離をもたらす:
カム前進距離=カムガイドの横断距離/横バレルカムの6回転
=11.5/6
=横バレルカム1回転当たり1.9166インチ(約4.86816cm)
【0061】
割合Aは、巻取りスプール72の1回転ごとに、横バレルカム86がスプールの0.8941回転の道程を移動することを示している。この移動は、巻取りスプール72の1回転当たりの横行カムガイド76の以下の移動距離をもたらす:
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドまでの移動距離
=カムプーリー比×カム前進距離=0.8941×1.9166
=巻取りスプールの1回転当たり1.71インチ(約4.343cm)
【0062】
巻取りスプール72のコア直径dsが6.21インチ(約15.77cm)と測定されたことから、巻取りスプール72の1回転後の巻取りスプール72の外面上の任意の点の移動距離すなわち外周Cが以下のように算出され得る。
外周C=6.21インチ(約15.77cm)×円周率π=(6.21)3.1411=19.5インチ(約49.53cm)
【0063】
デンタルテープ10が当初、巻取りスプール72のコアの周囲に巻かれた際に、当該デンタルテープ10によって形成された螺旋角度θ(デンタルテープの捻れ部分と、図19に示されているように、長軸zに直交する面rΦとによって構成された角度)は、その後、以下のように算出され得る。
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドまでの移動距離/外周C
=1.71/19.5
1.71/19.5=0.0876=sin−1θ(螺旋角度)
ここで、螺旋角度θ=5.03°である。
【0064】
当業者によって理解されるように、巻取りスプール72が回転状態となる際に、螺旋角度は減少する。例えば、1インチ(約2.54cm)厚のデンタルテープが巻取りスプール72のコア上に巻き付けられる際に、螺旋角度θは減少する。この減少は、以下のように実証される。
デンタルテープに1インチ(約2.54cm)厚の層を追加した後の巻取りスプール72のコア直径=6.21インチ(約15.77cm)+2インチ(約5.08cm。1インチ(約2.54cm)厚の層の追加が2インチ(約5.08cm)だけコア直径の増加をもたらす)=8.21インチ(約20.85cm)、故に
テープが巻き付けられたスプールの外周=テープが巻き付けられたスプールコア直径×円周率π=(8.21)3.1411=25.7インチ(約65.28cm)
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドの移動距離/テープが巻き付けられたスプールの外周
=1.71/25.7インチ(約65.28cm)=0.066=sin−1θ(螺旋角度)
ここで、螺旋角度θ=3.8°である。
【0065】
したがって、約1インチ(約2.54cm)の材料がスプールの周囲に巻き付けられた際に、螺旋角度は、約1°(θ−θ´=5.03°−3.8°=1.5°)だけ変わる。
【0066】
上記横バレルカムおよび複数寸法のプーリーを用いて、ロール1〜7(図1には代表的なスプール72が示されている)が構成され、その後、ロール1〜7が、別体のテープボビンを構成するために使用された(図1にはボビンスプール90上に構成された代表的なボビンが示されている)。構成されたロールならびに被膜形成工程および巻直し工程のパラメータは、表II(表2)および表III(表3)に要約されている。
【表2】
【表3】
【0067】
幅10.3ミリメートルのボビンスプール上に形成されたボビン、および、不満足な短縮化を呈するものとして不合格となったボビンの割合は、表IV(表4)に要約されている。
【表4】
形成されたボビンの総数=1711
不合格総数=9
不合格割合%=0.5%
【0068】
〔実施例2〕
デンタルテープが巻かれたスプールロールは、本発明の被膜形成工程および巻付け工程に従うと共に、後述され、かつ、表V(表5)に要約された寸法および/または種類の部品を用いて形成されている。
【表5】
【0069】
上述の寸法を有するタイミングベルトプーリーは、順序付けされているはずである(図2に示されているように、タイミングベルトプーリー82e(P1となる)が、タイミングベルトプーリー82c(P3となる)等に接続されたタイミングベルトプーリー82d(P2となる)に接続されている)。寸法順で順序付けされたタイミングベルトプーリーの比の積すなわち割合Aは、以下の式Iに示されているように、決定され得る。
割合A=P1/P2×P3/P4×PZ−1/PZ I
【0070】
表5の寸法値を用いることで、以下の割合Aをもたらす。
割合A
=(P1/P2)×(P3/P4)×(P5/P6)=(14×14)×(15/19)×(17/20)=0.671
【0071】
横バレルカムは、横バレルカム86の6回転当たりの横行カムガイドの端から端までの横断距離12インチ(約30.48cm)を与えるように選択され得る。この横断距離は、以下の式に等しいカム前進距離をもたらす:
カム前進距離=横行カムガイドの横断距離/横バレルカムの6回転
=12/6=横バレルカム1回転当たり2インチ(約5.08cm)
【0072】
割合Aは、巻取りスプール72の1回転ごとに、横バレルカム86がスプールの0.671回転の道程を移動することを示している。この移動は、巻取りスプール72の1回転当たりの横行カムガイド76の以下の移動距離をもたらす:
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドまでの移動距離
=カムプーリー比×カム前進距離
=0.671×2=巻取りスプールの1回転当たり1.342インチ(約3.4087cm)
【0073】
5インチ(約12.7cm)の巻取りスプール72のコア直径dsは、巻取りスプール72の1回転後の巻取りスプール72の外面上の任意の点の移動距離すなわち外周Cが以下のように算出され得るように、選択され得る。
外周C=5インチ(約12.7cm)×円周率π=(5)3.14=15.7インチ(約39.88cm)
【0074】
デンタルテープ10が当初、巻取りスプール72のコアの周囲に巻かれた際に、当該デンタルテープ10によって形成された螺旋角度θ(デンタルテープの捻れ部分と、図19に示されているように、長軸zに直交する面rΦとによって構成された角度)は、その後、以下のように算出され得る。
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドまでの移動距離/外周C
=1.342/15.7
1.342/15.7=0.0854=sin−1θ(螺旋角度)
ここで、螺旋角度θ=4.9°である。
【0075】
1インチ(約2.54cm)厚のデンタルテープが巻取りスプール72のコア上に巻き付けられる際に、螺旋角度θは減少する。この減少は、以下のように算出され得る。
デンタルテープに1インチ(約2.54cm)厚の層を追加した後の巻取りスプール72のコア直径=5インチ(約12.7cm)+2インチ(約5.08cm。1インチ(約2.54cm)厚の層の追加が2インチ(約5.08cm)だけコア直径の増加をもたらす)=7インチ(約17.78cm)、故に
テープが巻き付けられたスプールの外周=テープが巻き付けられたスプールコア直径×円周率π=(7)3.14=21.98インチ(約55.829cm)
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドの移動距離/テープが巻き付けられたスプールの外周
=1.342/21.98インチ(約55.829cm)=0.061=sin−1θ(螺旋角度)
ここで、螺旋角度θ=3.5°である。
【0076】
したがって、約1インチ(約2.54cm)の材料がスプールの周囲に巻き付けられた際に、螺旋角度は、約1°(θ−θ´=4.9°−3.5°=1.4°)だけ変わる。
【0077】
上記横バレルカムおよび複数寸法のプーリーを用いて、複数のロール(図1には代表的なスプール72が示されている)が構成され得るものであり、当該複数のロールは、別体のテープボビンを構成するために使用され得る(図1にはボビンスプール90上に構成された代表的なボビンが示されている)。
【0078】
〔実施例3〕
デンタルテープが巻かれたスプールロールは、本発明の被膜形成工程および巻付け工程に従うと共に、後述され、かつ、表VI(表6)に要約された寸法および/または種類の部品を用いて形成されている。
【表6】
【0079】
上述の寸法を有するタイミングベルトプーリーは、順序付けされているはずである(図2に示されているように、タイミングベルトプーリー82e(P1となる)が、タイミングベルトプーリー82c(P3となる)等に接続されたタイミングベルトプーリー82d(P2となる)に接続されている)。寸法順で順序付けされたタイミングベルトプーリーの比の積すなわち割合Aは、以下の式Iに示されているように、決定され得る。
割合A=P1/P2×P3/P4×PZ−1/PZ I
【0080】
表6の寸法値を用いることで、以下の割合Aをもたらす。
割合A=(P1/P2)×(P3/P4)×(P5/P6)=(14×14)×(14/14)×(16/20)=0.80
【0081】
横バレルカムは、横バレルカム86の5回転当たりの横行カムガイドの端から端までの横断距離12インチ(約30.48cm)を与えるように、選択され得る。この横断距離は、以下の式に等しいカム前進距離をもたらす:
カム前進距離
=横行カムガイドの横断距離/横バレルカムの5回転
=12/5=横バレルカム1回転当たり2.4インチ(約6.10cm)
【0082】
割合Aは、巻取りスプール72の1回転ごとに、横バレルカム86がスプールの0.80回転の道程を移動することを示している。この移動は、巻取りスプール72の1回転当たりの横行カムガイド76の以下の移動距離をもたらす:
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドまでの移動距離
=カムプーリー比×カム前進距離
=0.80×1.92=巻取りスプールの1回転当たり1.92インチ(約4.877cm)
【0083】
巻取りスプール72の7インチ(約17.7cm)のコア直径dsは、巻取りスプール72の1回転後の巻取りスプール72の外面上の任意の点の移動距離すなわち外周Cが以下のように算出され得る。
外周C=5インチ(約12.7cm)×円周率π=(7)3.14=21.98インチ(約55.829cm)
【0084】
デンタルテープ10が当初、巻取りスプール72のコアの周囲に巻かれた際に、当該デンタルテープ10によって形成された螺旋角度θ(デンタルテープの捻れ部分と、図19に示されているように、長軸zに直交する面rΦとによって構成された角度)は、その後、以下のように算出され得る。
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドまでの移動距離/外周C
=1.92/21.98
1.92/21.98=0.0873=sin−1θ(螺旋角度)
ここで、螺旋角度θ=5.01°である。
【0085】
1インチ(約2.54cm)厚のデンタルテープが巻取りスプール72のコア上に巻き付けられる際に、螺旋角度θは減少する。この減少は、以下のように算出され得る。
デンタルテープに1インチ(約2.54cm)厚の層を追加した後の巻取りスプール72のコア直径=7インチ(約17.78cm)+2インチ(約5.08cm。1インチ(約2.54cm)厚の層の追加が2インチ(約5.08cm)だけコア直径の増加をもたらす)=9インチ(約22.86cm)
テープが巻き付けられたスプールの外周=テープが巻き付けられたスプールコア直径×円周率π=(9)3.14=28.26インチ(約71.780cm)
巻取りスプールの1回転当たりの横行カムガイドの移動距離/テープが巻き付けられたスプールの外周
=1.92/28.26インチ(約71.780cm)=0.068=sin−1θ(螺旋角度)
ここで、螺旋角度θ=3.9°である。
【0086】
したがって、約1インチ(約2.54cm)の材料がスプールの周囲に巻き付けられた際に、螺旋角度は、約1°(θ−θ´=5.01°−3.9°=1.11°)だけ変わる。
【0087】
上記横バレルカムおよび複数寸法のプーリーを用いて、複数のロール(図1には代表的なスプール72が示されている)が構成され得るものであり、当該複数のロールは、別体のテープボビンを構成するために使用され得る(図1にはボビンスプール90上に構成された代表的なボビンが示されている)。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明のデンタルテープを巻き戻し、被膜を形成し、かつ、巻き直すための製造ラインの一つの実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の巻直し機構の一つの実施の形態を示す概略構成図である。
【図3】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ローラダイを示す斜視図である。
【図4】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ローラダイを分解して示す斜視図である。
【図5】本発明の例示的な実施の形態による進入ブロックと出口ブロックと被膜形成用ローラダイの複数のローラとを通過するモノフィラメント系テープの動作を示す斜視図である。
【図6】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ローラダイを示す上面図である。
【図7】図6の例示的な実施の形態による被膜形成用ローラダイを面7−7に沿って切断して示す断面図である。
【図8】図6の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイを構成するローラ組立体を面8−8に沿って切断して示す断面図である。
【図9】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイを示す底面図である。
【図10】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの進入ブロックを示す上面図である。
【図11】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの進入ブロックを示す右側面図である。
【図12】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの進入ブロックを示す底面図である。
【図13】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの進入ブロックを示す正面図である。
【図14】図10の例示的な実施の形態による進入ブロック側プールおよび被膜形成用ダイの複数の被膜形成用穴を面14−14に沿って切断して示す断面図である。
【図15】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの出口ブロックを示す上面図である。
【図16】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの出口ブロックを示す右側面図である。
【図17】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの出口ブロックを示す底面図である。
【図18】本発明の例示的な実施の形態による被膜形成用ダイの出口ブロックを示す後面図である。
【図19】デンタルテープの捻れ部分と、巻取りスプールの長軸zに直交する面rΦとによって構成された螺旋角度θを呈する被膜形成済みのデンタルテープのロールの一つの実施の形態を三次元で示す概略構成図である。
【図20】デンタルテープの各層内において、デンタルテープの捻れ部分と、面rΦの側面rと、デンタルテープの個々の捻れ部分間の空間とによって構成された螺旋角度θを呈する被膜形成済みのデンタルテープのロールの一つの実施の形態を二次元で示す概略構成図である。
【図21】ボビンスプールコアを示す斜視図である。
【図22a】テープがボビンスプールコアの周囲に巻き付けられたテープボビンを示す右側面図である。
【図22b】テープがボビンスプールコアの周囲に巻き付けられたテープボビンを、ボビンのテープ幅に関連した幅を有するボビンスプールコアと共に、示す正面図である。
【図23a】ディスペンサ(想像線で示された)内に可動的に位置合わせされたテープボビンを示す右側面図である。
【図23b】ディスペンサ(想像線で示された)内に可動的に位置合わせされたテープボビンを、関連のボビンスプールコア、ボビン上のテープおよびディスペンサ幅と共に、示す正面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大きな表面積を有するテープに被膜を形成するためのプロセスにおいて、
前記プロセスは、
a.第1の側部および第2の側部を有するテープを与えるステップであって、前記第1の側部が前記第2の側部と対向している、ステップと、
b.被膜形成用ダイ機構を与えるステップと、
を含み、
前記被膜形成用ダイ機構は、
i.前記第1および第2の側部が垂直な向きになるように、前記テープを受け入れる、および/または前記テープを配向するための進入スロット、および、
ii.入口および出口を有する少なくとも二つの通過穴であって、被膜形成用組成物を受け入れ、前記テープの前記第1および第2の側部に同時に被膜形成用組成物を送出するための、少なくとも二つの通過穴、
を含む、
プロセス。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記テープは、前記テープと同一の表面寸法を有するテクスチャード加工されていないテープの表面積より約15%大きい表面積を有している、プロセス。
【請求項3】
請求項2に記載のプロセスにおいて、
テープの表面積は、前記テープと同一の表面寸法を有するテクスチャード加工されていないテープの表面積より約20%大きい表面積を有している、プロセス。
【請求項4】
請求項3に記載のプロセスにおいて、
テープの表面積は、前記テープと同一の表面寸法を有するテクスチャード加工されていないテープの表面積より約25%大きい表面積を有している、プロセス。
【請求項5】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記被膜形成用ダイ機構は、前記進入スロットからの前記テープを受け取るように位置合わせされた少なくとも二つのローラをさらに含む、プロセス。
【請求項6】
請求項5に記載のプロセスにおいて、
前記被膜形成用ダイ機構は、前記進入スロットからの前記テープを受け取るように位置合わせされた少なくとも三つのローラをさらに含む、プロセス。
【請求項7】
請求項6に記載のプロセスにおいて、
前記被膜形成用ダイ機構は、前記進入スロットからの前記テープを受け取るように位置合わせされた少なくとも四つのローラをさらに含む、プロセス。
【請求項8】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記被膜形成用ダイ機構は、前記被膜形成済みのテープを受け取って、前記テープ上に前記被膜を均一に広げるための出口スロットをさらに含む、プロセス。
【請求項9】
請求項5に記載のプロセスにおいて、
前記出口スロットは、前記テープを受け入れて、前記テープの前記垂直な向きを維持する、プロセス。
【請求項10】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記進入スロットは、重力が原因で、前記テープの前記下部が前記テープの前記上部よりも厚い被膜を受容することがないように、寸法設定されている、プロセス。
【請求項11】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記被膜形成用ダイ機構は、前記被膜を加熱して前記テープへの前記被膜の付着を促進するための、前記ローラと協働している加熱装置をさらに含む、プロセス。
【請求項12】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記被膜は、前記テープの前記第1および第2の側部に同時に送出される、プロセス。
【請求項13】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記大きな表面積を有するテープは、弾性材料から形成されている、プロセス。
【請求項14】
請求項13に記載のプロセスにおいて、
前記弾性材料は、ポリアミド・ポリエステルブロックコポリマー類、ポリエステル・ポリエーテルブロックコポリマー類、および、ポリエステル・ポリエステルブロックコポリマー類、熱可塑性の脂肪族ポリウレタンエラストマー類、熱可塑性の芳香族ポリウレタンエラストマー類、熱可塑性のポリオレフィンエラストマー類、ならびに、これらの混合物、からなる群から選択される、プロセス。
【請求項15】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記大きな表面積を有するテープは、リブ付テープである、プロセス。
【請求項16】
請求項15に記載のプロセスにおいて、
前記リブ付テープは、弾性材料から形成されている、プロセス。
【請求項17】
請求項15に記載のプロセスにおいて、
前記テープは、デンタルテープである、プロセス。
【請求項1】
大きな表面積を有するテープに被膜を形成するためのプロセスにおいて、
前記プロセスは、
a.第1の側部および第2の側部を有するテープを与えるステップであって、前記第1の側部が前記第2の側部と対向している、ステップと、
b.被膜形成用ダイ機構を与えるステップと、
を含み、
前記被膜形成用ダイ機構は、
i.前記第1および第2の側部が垂直な向きになるように、前記テープを受け入れる、および/または前記テープを配向するための進入スロット、および、
ii.入口および出口を有する少なくとも二つの通過穴であって、被膜形成用組成物を受け入れ、前記テープの前記第1および第2の側部に同時に被膜形成用組成物を送出するための、少なくとも二つの通過穴、
を含む、
プロセス。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記テープは、前記テープと同一の表面寸法を有するテクスチャード加工されていないテープの表面積より約15%大きい表面積を有している、プロセス。
【請求項3】
請求項2に記載のプロセスにおいて、
テープの表面積は、前記テープと同一の表面寸法を有するテクスチャード加工されていないテープの表面積より約20%大きい表面積を有している、プロセス。
【請求項4】
請求項3に記載のプロセスにおいて、
テープの表面積は、前記テープと同一の表面寸法を有するテクスチャード加工されていないテープの表面積より約25%大きい表面積を有している、プロセス。
【請求項5】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記被膜形成用ダイ機構は、前記進入スロットからの前記テープを受け取るように位置合わせされた少なくとも二つのローラをさらに含む、プロセス。
【請求項6】
請求項5に記載のプロセスにおいて、
前記被膜形成用ダイ機構は、前記進入スロットからの前記テープを受け取るように位置合わせされた少なくとも三つのローラをさらに含む、プロセス。
【請求項7】
請求項6に記載のプロセスにおいて、
前記被膜形成用ダイ機構は、前記進入スロットからの前記テープを受け取るように位置合わせされた少なくとも四つのローラをさらに含む、プロセス。
【請求項8】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記被膜形成用ダイ機構は、前記被膜形成済みのテープを受け取って、前記テープ上に前記被膜を均一に広げるための出口スロットをさらに含む、プロセス。
【請求項9】
請求項5に記載のプロセスにおいて、
前記出口スロットは、前記テープを受け入れて、前記テープの前記垂直な向きを維持する、プロセス。
【請求項10】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記進入スロットは、重力が原因で、前記テープの前記下部が前記テープの前記上部よりも厚い被膜を受容することがないように、寸法設定されている、プロセス。
【請求項11】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記被膜形成用ダイ機構は、前記被膜を加熱して前記テープへの前記被膜の付着を促進するための、前記ローラと協働している加熱装置をさらに含む、プロセス。
【請求項12】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記被膜は、前記テープの前記第1および第2の側部に同時に送出される、プロセス。
【請求項13】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記大きな表面積を有するテープは、弾性材料から形成されている、プロセス。
【請求項14】
請求項13に記載のプロセスにおいて、
前記弾性材料は、ポリアミド・ポリエステルブロックコポリマー類、ポリエステル・ポリエーテルブロックコポリマー類、および、ポリエステル・ポリエステルブロックコポリマー類、熱可塑性の脂肪族ポリウレタンエラストマー類、熱可塑性の芳香族ポリウレタンエラストマー類、熱可塑性のポリオレフィンエラストマー類、ならびに、これらの混合物、からなる群から選択される、プロセス。
【請求項15】
請求項1に記載のプロセスにおいて、
前記大きな表面積を有するテープは、リブ付テープである、プロセス。
【請求項16】
請求項15に記載のプロセスにおいて、
前記リブ付テープは、弾性材料から形成されている、プロセス。
【請求項17】
請求項15に記載のプロセスにおいて、
前記テープは、デンタルテープである、プロセス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22a】
【図22b】
【図23a】
【図23b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22a】
【図22b】
【図23a】
【図23b】
【公開番号】特開2010−36030(P2010−36030A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−177335(P2009−177335)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(506105814)マクニール−ピーピーシー・インコーポレーテツド (69)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177335(P2009−177335)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(506105814)マクニール−ピーピーシー・インコーポレーテツド (69)
【Fターム(参考)】
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