説明

デンドリマー組成物

アミン化合物、アミンポリマー、架橋アミンポリマー、及びそれらを含む医薬組成物は、アミン基で置換されていてもよいポリヒドロキシ含有コアを含むことができ、高リン酸塩血症を治療する、又はヒトを含む動物の胃腸管からイオンを除去するのに使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、目標イオンを結合するためのアミンポリマーに関し、より具体的には、目標イオンを結合するための医薬として許容し得る組成物、アミンデンドリマー、アミンポリマー又はその残基に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
高リン酸塩血症は、末期腎臓病(end stage renal disease)(ESRD)、上皮小体機能亢進及び特定の他の医学的状態などの不十分な腎臓機能に関連する疾患をしばしば伴う。該状態は、特に長期間にわたって存在する場合に、カルシウム及びリン代謝の重度の異常をもたらし、関節、肺及び眼における異常石灰化によって示され得る。
【0003】
血清リン酸塩を減少させるための治療努力としては、透析、食事リン酸塩の低減、及び胃腸吸収を抑えるための不溶性リン酸塩バインダの経口投与が挙げられる。多くの当該治療は、様々な望ましくない副作用を有し、及び/又は効力及び効果を含む最適なリン酸塩結合特性に及ばない。よって、良好なリン酸塩結合特性及び良好な副作用プロファイルを有する組成物及び治療が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要旨)
一態様において、本発明は、アミン化合物、アミンポリマー、及び/又はコア上のヒドロキシル基の1種以上が、エーテル結合を介して、又は1つ以上のエーテルを形成するように1つ以上のアミン部分で置換された置換ポリヒドロキシコアを含むアミン化合物(アミンデンドリマーを含む)若しくはその残基を少なくとも一部含む医薬組成物に関する。アミン化合物を架橋して、アミンポリマーを形成することができる。組成物は、1つ以上のアミン化合物及び/又はアミンポリマー若しくはその残基を含むことができる。本発明のこの態様を含む本発明のいくつかの実施態様を以下にさらに詳細に説明する。一般に、本明細書で特に指定する場合を除いて、これらの実施態様の各々を様々な及び特定の組合せで、並びに他の態様及び実施態様とともに使用することができる。
【0005】
本明細書に記載されている本発明のアミン化合物及びアミンポリマーに加えて、アミン化合物及び/又はアミンポリマーの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、多形体、包接化合物及び同位変異体並びにそれらの混合物を含むアミンポリマー及びアミン化合物の他の形も本発明の範囲内にある。
【0006】
加えて、本発明のアミン化合物及びアミンポリマーは、光学的中心、キラル中心又は二重結合を有することができ、本発明のアミン化合物及びアミンポリマーは、光学的に純粋な形、ラセミ体、ジアステレオ異性体、鏡像異性体、互変異性体及び/又はそれらの混合物を含むこれらの化合物及びポリマーの異性体のすべてを含む。
【0007】
第1の実施態様において、本発明は、アミン化合物又はその残基、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーであり、それから実質的になり、又はそれを含む。アミン化合物は、以下の式Iで表される。
【化1】

【0008】
式中、nは、独立に、1〜20、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20などの1〜15、1〜2、3〜6、7〜10、11〜15の整数を表し;R1は、独立に、水素基、ヒドロキシル基又は-OR3を表し;R1aは、独立に、R1、-R2OH又は-R2OR3を表し;但しアミン化合物は、R3で表される少なくとも1つの部分を含み;R2は、独立に、置換又は非置換の分枝状又は非分枝状のアルキル基、例えば、C1、C2、C3、C4、C5又はC6基などのC1からC20アルキル基を表し;R3は、独立に、以下の式II:
【化2】

で表される基を表し;
【0009】
式中、p、q及びrは、独立に、0〜2、例えば、0、1又は2の整数を表し;R4は、独立に、
【化3】

を表し;
【0010】
式中、mは、独立に、1〜20、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20などの1〜15、1〜2、3〜6、7〜10、11〜15の整数を表し;R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は、一緒になって、架橋剤、例えば、エピクロロヒドリン又は他の架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す。
【0011】
別の態様において、本発明は、ヒトを含む動物を治療する方法を提供する。該方法は、一般には、本明細書に記載されているアミンポリマーの有効量を投与することを含む。
【0012】
本発明の別の態様は、本発明の1つ以上のアミンポリマーを少なくとも1つの医薬として許容し得る担体とともに含む医薬組成物である。本明細書に記載されているアミンポリマーは、いくつかの治療用途を有する。例えば、該アミンポリマーは、化合物又はアニオンなどのイオン、例えば、有機リン酸塩及び/又はリン酸塩などのリン含有化合物又はリン含有イオンを胃、小腸及び/又は大腸などの胃腸管から除去するのに有用である。いくつかの実施態様において、アミンポリマーは、リン酸塩平衡失調障害及び腎臓病の治療に使用される。
【0013】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミンデンドリマー又はその残基を含むアミン化合物又はアミンポリマーを含み、デンドリマーは、ポリヒドロキシコア及びコアから発生した分枝を含み、分枝は、置換又は非置換のα,β不飽和ニトリル単位に基づく。分枝は、置換又は非置換のα,β不飽和ニトリルのマイケル付加及びニトリル基の一級アミンへの還元を含む繰返し反応連鎖を用いて形成され得る。
【0014】
さらに別の態様において、アミンポリマーは、塩化物、重炭酸塩及び/又はシュウ酸塩含有化合物又はイオンなどの他の溶質を除去するのに有用である。シュウ酸塩化合物及びイオンを除去するアミンポリマーは、シュウ酸塩平衡失調障害の治療に使用される。塩化物化合物又はイオンを除去するアミンポリマーは、例えばアシドーシスの治療に使用される。いくつかの実施態様において、アミンポリマーは、胆汁酸及び関連化合物を除去するのに有用である。
【0015】
本発明は、アミンポリマーが粒子の形であり、粒子が1つ以上のシェルに包まれた上記アミンポリマーのいずれかを含有する組成物をさらに提供する。
【0016】
別の実施態様において、本発明は、医薬組成物を提供する。一実施態様において、医薬組成物は、本発明のアミンポリマー及び医薬として許容し得る賦形剤を含有する。いくつかの実施態様において、該組成物は、アミンポリマーが、水などの液体媒体及び好適な賦形剤に分散された液体製剤である。いくつかの実施態様において、本発明は、目標化合物又はイオンを結合するためのアミンポリマー及び1つ以上の好適な医薬賦形剤を含み、錠剤、サシェ剤、スラリー剤、食品製剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウエハー剤、チューインガム又はロゼンジ剤の形で存在する医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様において、該組成物は、スクロース、マンニトール、キシロース、マルトデキストリン、フルクトース、ソルビトール及びそれらの組合せからなる群から選択される医薬賦形剤を含有する。いくつかの実施態様において、アミンポリマーの目標アニオンは、有機リン酸塩及び/又はリン酸塩である。いくつかの実施態様において、アミンポリマーは、錠剤の重量の約50%を超える。いくつかの実施態様において、錠剤は、約12mmから約28mmの直径及び約1mmから約8mmの高さを有する円筒形であり、アミンポリマーは、0.6gを超える量から約2.0gの総重量の錠剤を含む。
【0017】
本発明の組成物のいくつかにおいて、賦形剤は、甘味料、バインダ、潤滑剤及び崩壊剤からなる群から選択される。任意に、アミンポリマーは、約80μm未満の平均直径の粒子として存在する。これらの実施態様のいくつかにおいて、甘味料は、スクロース、マンニトール、キシリトール、マルトデキストリン、フルクトース及びソルビトール並びにそれらの組合せからなる群から選択される。
【0018】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物、アミンポリマー、或いはアミンデンドリマー又はその残基を含む組成物であって、アミンデンドリマーは、以下の式IIで表される1つ以上のアミン基で置換された糖アルコールを含むコアから形成される組成物を提供する。
【化4】

【0019】
式中、p、q及びrは、独立に、0〜2、例えば、0、1又は2の整数であり;R4は、独立に、
【化5】

を表し;
【0020】
式中、mは、独立に、1〜20、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20などの1〜15、1〜2、3〜6、7〜10、11〜15の整数を表し;R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は、一緒になって、架橋剤、例えば、エピクロロヒドリン又は他の架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す。
【0021】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物、或いはアミンデンドリマー又はその残基を含むアミンポリマーを含み、デンドリマーは、置換糖アルコールを含む。置換糖アルコールは、糖アルコールと、後に水素化されて、1つ以上の世代の樹枝状分枝を有する置換糖アルコールを形成する置換又は非置換のα,β不飽和ニトリルとの反応生成物であってもよい。樹枝状分枝は、糖アルコールの1つ以上のヒドロキシル酸素原子と1つ以上のアルキルアミン基とのエーテル結合を介して糖アルコールコアに結合することができる。
【0022】
さらに他の実施態様において、ポリマーネットワークは、2つ以上のポリマーを含むことができ、ポリマーの少なくとも1つは、ポリマーネットワークを形成するように結合できる、式Iで表されるアミン化合物から誘導されたアミンポリマーである。例えば、いくつかの実施態様において、ポリマーネットワークは、2つ以上の糖アルコールの残基、1つ以上の置換又は非置換のα,β不飽和ニトリル基の残基及び1つ以上の架橋剤の残基を含むことができる。いくつかの実施態様において、ポリマーのすべて又は実質的にすべてが、式Iで表されるアミン化合物から誘導されたアミンポリマーであってもよいポリマーネットワークを形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(発明の詳細な説明)
一態様において、本発明は、式Iで表されるアミン化合物、アミンポリマー及び組成物、並びにアミンポリマー或いはアミンポリマー若しくはアミン化合物又はその残基を含む組成物の使用方法を提供する。いくつかの実施態様において、該組成物は、本明細書に記載されているアミノ化合物の2種以上から誘導され得るアミンポリマーを含むことができる。
【0024】
加えて、いくつかの実施態様は、共重合体又はポリマーにおいて反復する多数のアミン化合物又はそれらの残基を含むことができる。当該ポリマーは、個々に又は反復基として、ポリマー骨格内に、又はペンダント基として含まれることができ、かつ個々のアミンポリマーを分離することができる1つ以上のさらなる化合物を含むことができる。
【0025】
本明細書に用いられているように、特に指定する場合を除いて、「から誘導された」という用語は、化学反応によって別の物質から生成される、又は得られること、特に、反応物質から直接誘導されること、例えば、置換糖アルコールは、糖アルコールと、後に水素化されて、1つ以上の世代の樹枝状分枝を有する置換糖アルコールを形成する置換又は非置換のα,β不飽和ニトリルとの反応から誘導され得ることを意味すると理解される。また、架橋剤などの結合剤と反応する置換糖アルコールは、置換糖アルコール及び結合剤から誘導されるアミンポリマーをもたらす。
【0026】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式Iで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化6】

【0027】
式中、nは、独立に、1〜20、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20などの1〜15、1〜2、3〜6、7〜10、11〜15の整数を表し;R1は、独立に、水素基、ヒドロキシル基又は-OR3を表し;R1aは、独立に、R1、-R2OH又は-R2OR3を表し;但しアミン化合物は、R3で表される少なくとも1つの部分を含み;R2は、独立に、置換又は非置換の分枝状又は非分枝状のアルキル基、例えば、C1、C2、C3、C4、C5又はC6基などのC1からC20アルキル基を表し;R3は、独立に、以下の式II:
【化7】

で表される基を表し;
【0028】
式中、p、q及びrは、独立に、0〜2、例えば、0、1又は2の整数を表し;R4は、独立に、
【化8】

を表し;
【0029】
式中、mは、独立に、1〜20、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20などの1〜15、1〜2、3〜6、7〜10、11〜15の整数を表し;R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は、一緒になって、架橋剤、例えば、エピクロロヒドリン又は他の架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す。
【0030】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が式Iで表され、少なくとも1つのR1aがR1を含むアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【0031】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式Iで表され、R3が独立に以下の式IIaで表される基を表すアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化9】

【0032】
式中、q、r、R4及びR5は、以上に定義した通りである。
【0033】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式Iで表され、R3が独立に以下の式IIbで表される基を表すアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化10】

【0034】
式中、R4及びR5は、以上に定義した通りである。
【0035】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式IIIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化11】

【0036】
式中、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0037】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式IVで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを胃などの動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化12】

【0038】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式Vで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化13】

【0039】
式中、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0040】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式VIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化14】

【0041】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式VIIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化15】

【0042】
式中、n及びR1は、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0043】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式VIIIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化16】

【0044】
式中、n及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0045】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式IXで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化17】

【0046】
式中、n、m、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0047】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式Xで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化18】

【0048】
式中、n、m、R1は、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0049】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化19】

【0050】
式中、n、m、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0051】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XIIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化20】

【0052】
式中、n及びR1は、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0053】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XIIIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化21】

【0054】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0055】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XIVで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化22】

【0056】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0057】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XVで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化23】

【0058】
式中、R1は、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0059】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XVIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化24】

【0060】
式中、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0061】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XVIIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化25】

【0062】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0063】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XVIIIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化26】

【0064】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0065】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XIXで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化27】

【0066】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0067】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化28】

【0068】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0069】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化29】

【0070】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0071】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXIIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化30】

【0072】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0073】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXIIIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化31】

【0074】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0075】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXIVで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化32】

【0076】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0077】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXVで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化33】

【0078】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0079】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXVIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化34】

【0080】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0081】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXVIIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化35】

【0082】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0083】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXVIIIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化36】

【0084】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0085】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXIXで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化37】

【0086】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0087】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXXで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化38】

【0088】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0089】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXXIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化39】

【0090】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0091】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXXIIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化40】

【0092】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0093】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXXIIIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化41】

【0094】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0095】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXXIVで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化42】

【0096】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0097】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXXVで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化43】

【0098】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0099】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXXVIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化44】

【0100】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0101】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXXVIIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化45】

【0102】
式中、R1及びR1aは、以上に定義した通りであり、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0103】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が以下の式XXXVIIIで表されるアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化46】

【0104】
式中、R1及びR3は、式Iについて以上に定義した通りである。
【0105】
本発明のいくつかの実施態様は、アミン化合物又はその残基或いはアミンポリマー又はその残基を含む医薬組成物を含み、アミンポリマーは、アミン化合物又はその残基を含み、アミン化合物は、以下の式IIで表されるアミン基で置換された1つ以上の糖アルコールを含む。
【化47】

【0106】
式中、p、q及びrは、独立に、0〜2、例えば、0、1又は2の整数であり;R4は、独立に、
【化48】

であり;
【0107】
式中、mは、独立に、1〜20、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20などの1〜15、1〜2、3〜6、7〜10、11〜15の整数を表し;R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は、一緒になって、架橋剤、例えば、エピクロロヒドリン又は他の架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す。
【0108】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物が、以下の式XXXIXを含む基で表される1つ以上の単位を有する置換糖アルコールを含むアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化49】

【0109】
式中、p、q及びrは、独立に、0〜2、例えば、0、1又は2の整数であり;R4は、独立に、
【化50】

であり;
【0110】
式中、mは、独立に、1〜20、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20などの1〜15、1〜2、3〜6、7〜10、11〜15の整数を表し;R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は、一緒になって、架橋剤、例えば、エピクロロヒドリン又は他の架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す。
【0111】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物がアミンデンドリマー又はその残基を含み、デンドリマーが1つ以上の糖アルコールの残基及び1つ以上の置換又は非置換のα,β不飽和ニトリルの残基であるコアを有するアミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【0112】
いくつかの実施態様において、本発明のデンドリマーを任意の好適な反応スキームから形成することができる。デンドリマーは、官能基を含むコア、及び分枝状巨大分子を形成するためのコア上の官能基との一連の反復反応連鎖を介して形成され得る樹枝状分枝を含む巨大分子化合物である。いくつかの実施態様において、反応性官能基は、ヒドロキシル基及び/又はアミン基を含む。官能基は、基の種類に依存する官能価を有することになる。例えば、ヒドロキシル基は、1の官能価を有し、一級アミンは、一般には2の官能価を有するが、四級化され得る。いくつかの実施態様において、アミンポリマーは、デンドリマー又はその残基を含み、デンドリマーは、1つ以上のヒドロキシル基の残基及び1つ以上の置換又は非置換のα,β不飽和ニトリル基の残基を含むポリヒドロキシコアを含み、アミンポリマーは、架橋剤又は他の結合剤或いはその残基をさらに含む。置換又は非置換のα,β不飽和ニトリルのいくつかの例としては、メタクリロニトリル及びアクリロニトリルが挙げられる。
【0113】
いくつかの実施態様において、本発明のデンドリマーは、ヒドロキシル基の水素をニトリル基で置換して、ヒドロキシル基の酸素原子を介してコアにエーテル結合させるポリヒドロキシコア上の1つ以上のヒドロキシル基に対する置換又は非置換のα、ベータ不飽和ニトリルのミカエル付加によって調製される。次いで、得られた化合物のニトリル基のニトリルが、例えば、水素化を介して化学的に還元されて、対応する一級アミンを形成する。ミカエル付加及び続く還元を一級アミン上で繰り返して、一般に、分枝状三級アミンを生成することができる。続くミカエル付加及び還元を一回以上繰り返して、デンドリマーに特有の分枝構造を得ることができる。このプロセスの概略を、アクリロニトリルを置換又は非置換のα,β不飽和ニトリルとして、及びマンニトールをポリオールとして使用する以下のスキームIに示す。
【化51】

【0114】
いくつかの実施態様において、ミカエル付加及び続く還元の各繰返しを1つの世代と見なすことができる。したがって、いくつかの実施態様では、1つの世代の樹枝状分子を有する化合物は、1回のミカエル付加及び還元を受けたことになり、2つの世代の樹枝状分枝を有する化合物は、2回のミカエル付加及び還元を受けたことになり、3つの世代の樹枝状分枝を有する化合物は、3回のミカエル付加及び還元を受けたことになり、4つの世代の樹枝状分枝を有する化合物は、4回のミカエル付加及び還元を受けたことになる等である。一般に、本発明のいくつかの実施態様によるデンドリマーは、2、3、4、5、6、7、8又は9などの1〜10世代の樹枝状分枝を有することができる。
【0115】
いくつかの実施態様において、アミンポリマーの製造方法は、ミカエル付加反応を用いて、ポリヒドロキシコアを置換又は非置換のα,β不飽和ニトリルと反応させて、ポリエーテルを形成すること、ポリエーテル上の少なくとも1つのニトリル基を還元して、三級アミンを形成すること、三級アミン上のミカエル付加及び還元を1回以上繰り返して、アミンデンドリマーを形成すること、及びアミンデンドリマーを架橋剤で架橋することを含む。
【0116】
本発明のいくつかの実施態様は、2つ以上の置換又は非置換の糖アルコールの残基、1つ以上の置換又は非置換のα,β不飽和ニトリル基の残基、及び1つ以上の架橋剤又は他の結合剤の残基を含む、2つ以上のアミン化合物、アミンポリマー、又はその残基を含む、ポリマーネットワークの有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するためのポリマーネットワーク又は組成物、或いは方法を含むことができる。いくつかの実施態様において、ポリマーネットワークは、2つ以上のポリエーテルの残基を含み、ポリエーテルは、1つ以上の置換又は非置換の糖アルコールの残基及び1つ以上の置換又は非置換のα,β不飽和ニトリル基の残基を含み、ネットワークは、1つ以上の架橋剤の残基をも含む。いくつかの実施態様において、ポリマーネットワークは、1つ以上のアミンデンドリマー又はそれらの残基を含むことができる。
【0117】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物、アミンポリマー又は組成物、或いは式Vで表される2つ以上のアミンデンドリマー又はそれらの残基の有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを胃などの動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化52】

【0118】
式中、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基を表す。
【0119】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物、アミンポリマー、組成物、ポリマーネットワーク、或いは以下の式XLで表される複数の単位を有するアミンポリマー、ポリマーネットワーク又は組成物の有効量を投与することによって、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去するための方法である。
【化53】

【0120】
式中、R3は、独立に、以上に定義した式II、式IIa又は式IIbで表される基;及び以下の式XLIで表される複数の単位を表す。
【化54】

【0121】
いくつかの実施態様において、本発明は、血液リン酸塩量を5〜100%減少させることを必要とする患者における血液リン酸塩量を5〜100%減少させるための方法であって、該方法は、アミンポリマー又は組成物の治療有効量を該患者に投与することを含み、アミンポリマー又は組成物は、式Iによるアミン化合物又はその残基を含む。いくつかの実施態様において、本発明は、尿中リンを5〜100%減少させることを必要とする患者における尿中リンを5〜100%減少させるための方法であって、該方法は、アミンポリマー又は組成物の治療有効量を該患者に投与することを含み、アミンポリマー又は組成物は、式Iによるアミン化合物又はその残基を含む。
【0122】
いくつかの実施態様において、本発明は、高リン酸塩血症などのリン酸塩平衡失調障害を治療する方法であって、該治療を必要とする患者に対してアミンポリマー又は組成物の治療有効量を投与することを含む方法である。いくつかの実施態様において、アミンポリマー又は組成物は、式Iによるアミン化合物又はその残基を含む。いくつかの実施態様において、高リン酸塩血症などのリン酸塩平衡失調障害を治療する方法は、該治療を必要とする患者に対してアミンポリマー又は組成物の治療有効量を投与することを含み、アミンポリマー又は組成物は、式III〜XXXVIIIのいずれかによって表されるアミン化合物又はその残基を含み、或いはアミンポリマー又は組成物は、式XXXIXによる複数の単位又は式XL及びXLIによる複数の単位を含む。
【0123】
いくつかの実施態様において、アミン化合物は、式I及び/又はIII〜XXXVIIIで表される1種以上のアミン化合物、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9又は10種などの2〜20種のアミン化合物の混合物である。いくつかの実施態様において、混合物は、主に、q、r及びpが独立に0又は2である式I、III、V又はVII〜XXXVIIIの1つで表されるアミン化合物を含む。例えば、いくつかの実施態様において、混合物の全重量に対して30重量%を超える、40重量%を超える、50重量%を超える、60重量%を超える、又は70重量%を超えるなどの混合物の複数は、q、r及びpが独立に0又は2である式I、III、V又はVII〜XXXVIIIの1つで表されるアミン化合物又はその残基を含む。例えば、いくつかの実施態様において、混合物は、30重量を超える、40重量%を超える、50重量%を超える、60重量%を超える又は70重量%を超える式IV又は式VIで表されるアミド化合物又はその残基を含む。
【0124】
いくつかの実施態様において、本発明は、アミン化合物の混合物であるアミン化合物から誘導されたアミンポリマー、当該アミンポリマーを含む医薬組成物、或いはその治療有効量を使用して、リン含有化合物又はリン含有イオン(例えばリン酸塩)などの化合物又はイオンを動物の胃腸管から除去する方法を含む。
【0125】
本発明のいくつかの実施態様によるアミン化合物、アミンポリマー、ポリマーネットワーク及び組成物の調製にコアとして使用できるポリヒドロキシ化合物としては、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,6-シクロヘキサンジメタノール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジメチロールプロパン、1,1-ジメチロールシクロヘキサン、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセロール、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、イノシトールなどの直鎖状、分枝状、環式、脂環式、芳香族及び複素環式多価アルコールが挙げられる。
【0126】
好適なポリヒドロキシ化合物を形成するために少なくとも2つのヒドロキシル基で置換することができるいくつかの芳香族基、脂環式基及び複素環式基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピペリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラニル、テトラヒドロフラニル、オキサニル、ベンジル、ピリジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピリミジニル、ジオキサニル、キニゾリニル、インドリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ピラジニル、フラニル、テニル及びナフタレニル等が挙げられる。
【0127】
いくつかの好適な環式ポリヒドロキシ化合物の非限定的な例としては、シクロヘキサン-1,2-ジオール、シクロヘキサン-1,3-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,2,3-トリオール、シクロヘキサン-1,2,4-トリオール、シクロヘキサン-1,3,4-トリオール、シクロヘキサン-1,3,5-トリオール、シクロヘキサン-1,2,3,4-テトラオール、シクロヘキサン-1,3,4,5-テトラオール、シクロヘキサン-1,2,3,4,5-ペンタオール、シクロヘキサン-1,2,3,4,5,6-ヘキサオール、シクロペンタン-1,2-ジオール、シクロペンタン-1,3-ジオール、シクロペンタン-1,2-ジオール、シクロペンタン-1,2,3-トリオール、シクロペンタン-1,2,4-トリオール、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラオール、シクロペンタン-1,2,3,4,5-ペンタオール、ベンゼン-1,2-ジオール、ベンゼン-1,3-ジオール、ベンゼン-1,4-ジオール、ベンゼン-1,2,3-トリオール、ベンゼン-1,2,4-トリオール、ベンゼン-1,3,4-トリオール、ベンゼン-1,3,5-トリオール、ベンゼン-1,2,3,4-テトラオール、ベンゼン-1,3,5-トリオール、ベンゼン-1,2,3,4-テトラオール、ベンゼン-1,2,3,5-テトラオール、ベンゼン-1,2,4,5-テトラオール、ベンゼン-1,2,3,4,5-ペンタオール、ベンゼン-1,2,3,4,5,6-ヘキサオール及び糖アルコールが挙げられる。
【0128】
単独で、又はいくつかの実施態様において、本発明のアミン化合物、アミンポリマー又は組成物と組み合わせて使用するのに好適な糖アルコールとしては、単糖類及び単糖類から誘導された糖アルコールが挙げられる。当該化合物の例としては、モノース、ジオース、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、オクトース及びノノースを含む、又はそれらから誘導されるものを含むアルドース及びケトースを含む、或いはそれらから誘導される糖アルコールが挙げられる。糖アルコールに含まれる、又は糖アルコールが誘導されるアルドース及びケトースを完全又は部分的に水素化し、少なくとも1つのアルコール基が残留することを条件として、アルドース又はケトース上の1つ以上のヒドロキシル基を1つ以上の水素基で置き換えて、対応するデオキシアルドース又はデオキシケトースを形成すること、並びに1つ以上のヒドロキシル基を1つ以上のアミン基で置換して、対応するアミノ糖を形成することを含む置換を行うことができる。いくつかのアルドース及びケトースの具体的な非限定例としては、それぞれのD及びL形、それぞれのα及びβ形、それらの部分的若しくは完全水素化誘導体又はそれらの組合せを含む、エリトロース、トレオース、リボース、デオキシリボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、リブロース、ラムノース、フコース、リボデソース、キシルロース、フルクトース、プシコース、タガトース、マンノヘプツロース、セドヘプツロース、ソルボース、ペンタエリトロース、オクトロース、シアロース、グルコサミン、グルコシラミン、マンノサミン、ガラクトサミン、アロサミン、アルトロサミン、リボサミン、アラビノサミン、グロサミン、ヨードサミン、タロサミン、キシロサミン、リキソサミン、ソルボサミン、タガトサミン、サイコサミン(psicosamine)、フルクトサミン、及びシアル酸が挙げられる。いくつかの好適な糖アルコールの非限定的な例としては、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ガラクチトール、ズルシトール、アラビトール、トレイトール、アラビニトール、リビトール及びラムニトールが挙げられる。
【0129】
いくつかの実施態様において、好適なポリヒドロキシ化合物としては、上記のアルドース及びケトースの環式形を含むアルドース及びケトースの脂環式形などの1つ以上の置換又は非置換の環式糖又は環式糖アルコールが挙げられる。単独で、又は組み合わせて使用できる他の好適な環式ポリオールとしては、本明細書に記載されているアルドース及びケトースの環式形から誘導されるヘテロ及びホモ多糖類を含む二糖類及びオリゴ糖類を含む置換又は非置換の多糖類が挙げられる。当該多糖類は、非分枝状であっても分枝状であってもよく、例えば、α(1→4)、α(1→1)、α(1→6)、α(1→3)、β(1→3)及び/又はβ(1→4)グリコシド結合などのα及び/又はβグリコシド結合を含むことができる。非置換形において、多糖類は、nが6〜3000である一般式Cn(H2O)n-1を有することができる。いくつかの置換又は非置換の多糖類の非限定的な例としては、スクロース、マルトース、キトビオース、ラミナルビオース、コジビオース、キシロビオース、トレハロース、サッカロース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース、ラフィノース、ゲンチアノース、メリジトース、スタキオース、イヌリン、メチル-α-グルコピラノシド、アミロサミン、マルトサミン、アガロサミン、セルロサミン、サッカロサミン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、ペクチン/ペクチン多糖、アラビンガラクタン、マンナン、ムコ多糖、ヒアルロン酸、ヘパリン、グルコマンナン、セルロース、キチン、グリコーゲン、カロース、ラミナリン、キシラン及びグラクトマンナンが挙げられる。
【0130】
いくつかの好適なポリヒドロキシ化合物の例としては、以下の化合物が挙げられる。
【化55】



【0131】
本発明の他の実施態様は、ポリマー又はポリマーの重合骨格上のペンダント基として、アミン化合物又はその残基で形成されたペンダントアミンポリマーを含む。当該ペンダントアミンポリマーは、1つ以上の重合性基をアミン化合物上の1つ以上のアミン基に付加して、アミンモノマーを形成し、続いて重合性基を重合して、アミン化合物又はその残基を含むペンダントアミンポリマーを形成することによって形成されることができる。当該付加の概略例を以下に示す(以下の図において、「AC」で示されるアミン化合物は、本発明のアミン化合物又はその残基を表すことを意図し、アミン基の1つは、どのようにして重合性基をアミン化合物に付加できるかを例示することを目的として示されていることに留意されたい)。
【化56】

【0132】
本発明の実施態様によるアミン化合物又はその残基とともに使用できる他の重合性基の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる。
【化57】

【0133】
1つ以上の重合性基を各アミン化合物に付加することができ、したがって、異なる数の重合性基を有する様々なペンダントACを有するアミンモノマーの混合物を有することが可能である。加えて、このようにして製造されたペンダントアミンポリマーを改質する、架橋する、ネットワークに形成する、又は重合後置換することができる。効果、許容度の向上、又は副作用の軽減を含む任意の数の理由により当該改質を実施することができる。
【0134】
アミンモノマーの1つ以上のアミン基をアミン反応性ポリマー上の1つ以上のアミン反応性基と反応させることによってアミン化合物をアミン反応性ポリマーに付加することによってアミンモノマーを形成することもできる。いくつかのアミン反応性ポリマーの例としては、以下のものが挙げられる。
【化58】

【0135】
アミン化合物又はアミンモノマーは、ポリマーを形成する多官能性アミンモノマーとして機能することもできる。例えば、アミン化合物、又はアミンモノマーから形成されたポリマーを架橋すると、バルクの溶液中で(即ち、ニートアミン及びニート架橋剤を使用して)又は分散媒中で架橋反応を実施することができる。バルク法を用いる場合は、溶媒が反応物質を共溶解させ、架橋反応に干渉しないように溶媒を選択する。好適な溶媒としては、水、低沸点アルコール(メタノール、エタノール、ブタノール)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン及びメチルエチルケトン等が挙げられる。
【0136】
他の重合法としては、単一重合反応、一連の反応を介する個々のモノマーの段階的付加、モノマーのブロックの段階的付加、先述の方法の組合せ、或いは例えば直接又は逆懸濁、縮合、乳化、沈殿技術、エアロゾル中での重合、又はバルク重合/架橋法並びに押出及び研磨などのサイズ低減法の使用などの任意の他の重合法を挙げることができる。方法をバッチ法、半連続法及び連続法として実施することができる。分散媒による方法では、連続相をトルエン、ベンゼン、炭化水素、ハロゲン化溶媒及び超臨界二酸化炭素等の無極性溶媒から選択することができる。直接懸濁法では、水を使用することができるが、小滴の個別相にアミン及び架橋剤を「塩析」させるのに塩水も有用である。
【0137】
本発明のアミン化合物及びアミンモノマーは、1つ以上の他のモノマー若しくはオリゴマー又は他の重合性基と共重合され、架橋され、ポリマー骨格内に、又はペンダント基として他の結合剤又はモノマーを有することができ、或いはアミン化合物若しくはそれらの残基、アミンモノマー若しくはそれらの残基、架橋剤若しくはその残基、又は他の結合剤若しくはそれらの残基を含むポリマーネットワーク又は混合ポリマーネットワークを形成するように形成又は重合されることができる。ネットワークは、直接的であってもよい同一又は異なる分子間の複数の結合を含むことができ、或いはモノマー若しくはオリゴマー又はそれらの残基などの架橋剤又は他の結合剤などの1つ以上の結合基を含むことができる。
【0138】
単独で、又は組み合わせて使用できるコモノマーの非限定的な例としては、スチレン、置換スチレン、アクリル酸アルキル、置換アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、置換メタクリル酸アルキル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-アルキルアクリルアミド、N-アルキルメタクリルアミド、N,N-ジアルキルアクリルアミド、N,N-ジアルキルメタクリルアミド、イソプレン、ブタジエン、エチレン、酢酸ビニル、N-ビニルアミド、マレイン酸誘導体、ビニルエーテル、アリル、メタリルモノマー及びそれらの組合せが挙げられる。これらのモノマーの官能化バージョンを使用することもできる。本発明に使用できるさらなる具体的なモノマー又はコモノマーとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル(すべての異性体)、メタクリル酸ブチル(すべての異性体)、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリロニトリル、α-メチルスチレン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(すべての異性体)、アクリル酸ブチル(すべての異性体)、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル(すべての異性体)、メタクリル酸ヒドロキシブチル(すべての異性体)、メタクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N-ジエチルアミノエチル、メタクリル酸トリエチレングリコール、無水イタコン酸、イタコン酸、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル(すべての異性体)、アクリル酸ヒドロキシブチル(すべての異性体)、アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、アクリル酸N,N-ジエチルアミノエチル、アクリル酸トリエチレングリコール、メタクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-tert-ブチルメタクリルアミド、N-N-ブチルメタクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、N-エチロールメタクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、N,N-ブチルアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-エチロールアクリルアミド、4-アクリロイルモルホリン、ビニル安息香酸(すべての異性体)、ジエチルアミノスチレン(すべての異性体)、α-メチルビニル安息香酸(すべての異性体)、ジエチルアミノα-メチルスチレン(すべての異性体)、p-ビニルベンゼンスルホン酸、p-ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル、メタクリル酸トリエトキシシリルプロピル、メタクリル酸トリブトキシリルプロピル、メタクリル酸ジメトキシメチルシリルプロピル、メタクリル酸ジエトキシメチルシリルプロピル、メタクリル酸ジブトキシメチルシリルプロピル、メタクリル酸ジイソプロポキシメチルシリルプロピル、メタクリル酸ジメトキシシリルプロピル、メタクリル酸ジエトキシシリルプロピル、メタクリル酸ジブトキシシリルプロピル、メタクリル酸ジイソプロポキシシリルプロピル、アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、アクリル酸トリブトキシシリルプロピル、アクリル酸ジメトキシメチルシリルプロピル、アクリル酸ジエトキシメチルシリルプロピル、アクリル酸ジブトキシメチルシリルプロピル、アクリル酸ジイソプロポキシメチルシリルプロピル、アクリル酸ジメトキシシリルプロピル、アクリル酸ジエトキシシリルプロピル、アクリル酸ジブトキシシリルプロピル、アクリル酸ジイソプロポキシシリルプロピル、無水マレイン酸、N-フェニルマレイミド、N-ブチルマレイミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、アリルアミン、メタリルアミン、アリルアルコール、メチル-ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、エチレン、酢酸ビニル及びそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。
【0139】
いくつかの実施態様において、本発明のアミンポリマーは、架橋剤を使用して架橋され、溶媒に溶解できず、せいぜい溶媒で膨潤し得る。膨潤率は、以下の試験法のセクションの手順に従って測定されてもよく、典型的には、約1から約20、例えば5未満、6未満又は7未満などの2から10、2.5から8、3から6の範囲である。いくつかの実施態様において、アミンポリマーは、溶媒中でゲルを形成せず、いくつかの溶媒に可溶又は部分的に可溶であり得るアミンポリマーを生成することができる架橋剤又は他の結合剤を含むことができる。
【0140】
架橋剤は、典型的には、ハロゲン基、カルボニル基、エポキシ基、エステル基、酸無水物基、酸ハロゲン化物基、イソシアネート基、ビニル基及びクロロギ酸塩基から選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物である。架橋剤を炭素骨格、又はアミン化合物、アミンモノマー若しくはその残基の窒素に結合させることができる。
【0141】
本発明のポリマー又はデンドリマーの合成に好適である架橋剤の例としては、ジハロアルカン、ハロアルキルオキシラン、スルホン酸アルキルオキシラン、ジ(ハロアルキル)アミン、トリ(ハロアルキル)アミン、ジエポキシド、トリエポキシド、テトラエポキシド、ビス(ハロメチル)ベンゼン、トリ(ハロメチル)ベンゼン、テトラ(ハロメチル)ベンゼン、エピクロロヒドリン及びエピブロモヒドリンポリ(エピクロロヒドリン)などのエピハロヒドリン、(ヨードメチル)オキシラン、グリシジルトシレート、グリシジル3-ニトロベンゼンスルホネート、4-トシルオキシ-1,2-エポキシブタン、ブロモ-1,2-エポキシブタン、1,2-ジブロモメタン、1,3-ジクロロプロパン、1,2-ジクロロエタン、1-ブロモ-2-クロロエタン、1,3-ジブロモプロパン、ビス(2-クロロエチル)アミン、トリス(2-クロロエチル)アミン及びビス(2-クロロエチル)メチルアミン、1,3-ブタジエンジエポキシド、1,5-ヘキサジエンジエポキシド、ジグリシジルエーテル、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,2,9,10-ジエポキシデカン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2-エタンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、1,3-ジグリシジルグリセリルエーテル、N,N-ジグリシジルアニリン、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ビス(グリシジルオキシ)ベンゼン、レゾルシノールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,3-ビス-(2,3-エポキシプロピルオキシ)-2-(2,3-ジヒドロキシプロピルオキシ)プロパン、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、2,2’-ビス(グリシジルオキシ)ジフェニルメタン、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4-ビス(2’,3’-エポキシプロピル)ペルフルオロ-n-ブタン、2,6-ジ(オキシラン-2-イルメチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロピロロ[3,4-f]イソインドール-1,3,5,7-テトラオン、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エチル5-ヒドロキシ-6,8-ジ(オキシラン-2-イルメチル)-4-オキソ-4h-クロメン-2-カルボキシレート、ビス[4-(2,3-エポキシ-プロピルチオ)フェニル]-スルフィド、1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、9,9-ビス[4-(グリシジルオキシ)フェニル]フルオリン、トリエポキシイソシアヌレート、グリセロールトリグリシジルエーテル、N,N-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン、イソシアン尿酸(S,S,S)-トリグリシジルエステル、イソシアン尿酸(R,R,R)-トリグリシジルエステル、トリグリシジイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールプロポキシレートトリグリシジルエーテル、トリフェニロールメタントリグリシジルエーテル、3,7,14-トリス[[3-(エポキシプロポキシ)プロピル]ジメチルシリルオキシ]-1,3,5,7,9,11,14-ヘプタシクロペンチルトリシクロ[7.3.3.15,11]ヘプタシロキサン、4,4’-メチレンビス(N,N-ジグリシジルアニリン)、ビス(ハロメチル)ベンゼン、ビス(ハロメチル)ビフェニル及びビス(ハロメチル)ナフタレン、トルエンジイソシアネート、塩化アクリロール、アクリル酸メチル、エチレンビスアクリルアミド、ピロメタリン酸二無水物、二塩化スクシニル、ジメチルスクシネートなどの1つ以上の多官能性架橋剤が挙げられるが、それらに限定されない。架橋剤がハロゲン化アルキル化合物である場合は、塩基を使用して、反応中に形成した酸を除去することができる。無機塩基又は有機塩基が好適である。NaOHが好ましい。塩基対架橋剤の比は、好ましくは約0.5から約2である。
【0142】
いくつかの実施態様において、架橋剤をアミンポリマー又はポリマーの総重量に対して2、3、4、5、6重量%などの約2から約15重量%、約2から約12重量%、約3から約10重量%又は約3から約6重量%などの0.5から25重量%の量で重合反応に導入することができる。必要な架橋剤の量は、アミン化合物内の分枝の程度に依存し得る。
【0143】
いくつかの実施態様において、アミンポリマーの分子量は、典型的には、少なくとも約1000であり得る。例えば、分子量は、約1000から約1000000、例えば750000未満、500000未満、250000未満又は100000未満など、約1000から約750000、約1000から約500000、約1000から約250000、約1000から約100000であってもよい。
【0144】
いくつかの実施態様において、本発明の医薬組成物は、アミン化合物が式IIIで表され、R5が独立にH基又はアルキル基を表し、q及びrが0であり、pが2であり、mが独立に3、4、5又は6などの3〜6の整数を表す少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含み;かつ架橋剤がエピクロロヒドリン、ポリ(エピクロロヒドリン)、1,2-ジブロモエタン、トリス(2-クロロエチル)アミン又は1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルである2重量%、3重量%、3重量%、4重量%、5重量%又は6重量%の架橋剤などの2〜6重量%の架橋剤又はその残基を含む、アミンポリマーを含む。本発明の別の医薬組成物の実施態様は、アミン化合物が式IIIで表され、R5が独立にH基又はアルキル基を表し、qが0であり、r及びpがともに2であり、mが独立に3、4、5又は6などの3〜6の整数を表し、該化合物がこのパラグラフで以上に定義した架橋剤で架橋されている少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーを含む。本発明のさらなる医薬組成物の実施態様は、アミン化合物が式IIIで表され、R5が独立にH基又はアルキル基を表し、q、r及びpがそれぞれ2であり、mが独立に3、4、5又は6などの3〜6の整数を表し、該化合物がこのパラグラフで以上に定義した架橋剤で架橋されている少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーを含む。
【0145】
いくつかの実施態様において、本発明の医薬組成物は、アミン化合物が式Vで表され、R5が独立にH基又はアルキル基を表し、q及びrが0であり、pが2であり、mが独立に3、4、5又は6などの3〜6の整数を表す少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含み;かつ架橋剤がエピクロロヒドリン、ポリ(エピクロロヒドリン)、1,2-ジブロモエタン、トリス(2-クロロエチル)アミン又は1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルである2重量%、3重量%、3重量%、4重量%、5重量%又は6重量%の架橋剤などの2〜6重量%の架橋剤又はその残基を含む、アミンポリマーを含む。本発明の別の医薬組成物の実施態様は、アミン化合物が式Vで表され、R5が独立にH基又はアルキル基を表し、qが0であり、r及びpがともに2であり、mが独立に3、4、5又は6などの3〜6の整数を表し、該化合物がこのパラグラフで以上に定義した架橋剤で架橋されている少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーを含む。本発明のさらなる医薬組成物の実施態様は、アミン化合物が式Vで表され、R5が独立にH基又はアルキル基を表し、q、r及びpがそれぞれ2であり、mが独立に3、4、5又は6などの3〜6の整数を表し、該化合物がこのパラグラフで以上に定義した架橋剤で架橋されている少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーを含む。
【0146】
本発明の別の医薬組成物は、R5が独立にH基又はアルキル基を表し、q及びrが0であり、pが2であり、mが独立に3、4、5又は6などの3〜6の整数を表す式XXXIXで表される1つ以上の単位を有する置換糖アルコールを含むアミン化合物又はその残基を含み;かつ架橋剤がエピクロロヒドリン、ポリ(エピクロロヒドリン)、1,2-ジブロモエタン、トリス(2-クロロエチル)アミン又は1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルである2重量%、3重量%、3重量%、4重量%、5重量%又は6重量%の架橋剤などの2〜6重量%の架橋剤又はその残基を含む、アミンポリマーを含む。本発明の別の医薬組成物の実施態様は、R5が独立にH基又はアルキル基を表し、qが0であり、r及びpがともに2であり、mが独立に3、4、5又は6などの3〜6の整数を表す式XXXIXで表される1つ以上の単位を有する置換糖アルコールを含み、このパラグラフで以上に定義した架橋剤で架橋されたアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーを含む。本発明のさらなる医薬組成物の実施態様は、R5が独立にH基又はアルキル基を表し、q、r及びpがそれぞれ2であり、mが独立に3、4、5又は6などの3〜6の整数を表す式XXXIXで表される1つ以上の単位を有する置換糖アルコールを含み、このパラグラフで以上に定義した架橋剤で架橋されたアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーを含む。
【0147】
いくつかの実施態様において、本発明は、1つ以上の糖アルコールの残基及び1つ以上の置換又は非置換のα,β不飽和ニトリルの残基であるコアを有するアミンデンドリマーを含むアミンポリマーの有効量を投与することによって、有機リン酸塩又はリン酸塩などのアニオンを動物の胃腸管から除去するための化合物、組成物又は方法である。
【0148】
本発明の別の医薬組成物は、マンニトール、ソルビトール又は他の6-炭素糖アルコールの残基並びに1つ以上のアクリロニトリルの残基であるコアを有するアミンデンドリマー又はその残基を含むアミンポリマーを含み、デンドリマーは、2重量%、3重量%、3重量%、4重量%、5重量%又は6重量%の架橋剤などの2〜6重量%の架橋剤又はその残基で架橋され、架橋剤は、エピクロロヒドリン、ポリ(エピクロロヒドリン)、1,2-ジブロモエタン、トリス(2-クロロエチル)アミン又は1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルである。本発明の別の医薬組成物の実施態様は、ペンタエリスリトールの残基及び1つ以上のアクリロニトリルの残基であるコアを有するアミンデンドリマー又はその残基を含むアミンポリマーを含み、デンドリマーは、このパラグラフで以上に定義した架橋剤で架橋される。
【0149】
本発明の別の医薬組成物は、nが3〜6である式XLで表される複数の単位を有するポリマーネットワークを含み、該組成物は、式XLIで表される複数の単位をも有する。
【0150】
重合開始剤を使用して、いくつかの実施態様のポリマーを形成することができる。一般には、カチオン開始剤及びラジカル開始剤を含む任意の開始剤を使用できる。使用できる好適な開始剤のいくつかの例としては、アゾジイソブチロニトリル、アジジイソバレロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(N,N’-ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’-アゾビス(N,N’-ジメチレンイソブチルアミジン)、1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボ-ニトリル)、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)、2,2’-アゾビス(イソブチルアミド)二水和物、2,2’-アゾビス(2-メチルプロパン)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、VAZO 67、シアノペンタン酸、ピバル酸ペルオキシ、過酸化ドデシルベンゼン、過酸化ベンゾイル、ヒドロ過酸化ジ-t-ブチル、過酢酸t-ブチル、過酸化アセチル、過酸化ジクミル、ヒドロ過酸化クミル、ジメチルビス(ブチルペルオキシ)ヘキサンなどの遊離基ペルオキシ及びアゾ型化合物が挙げられる。
【0151】
いくつかの実施態様において、本発明の実施態様によるアミン化合物又はその残基内の窒素原子のいずれかを任意に四級化して、例えば、アンモニウム又は置換アンモニウム基などの対応する正電荷三級窒素基を生成することができる。アミン化合物又はその残基における窒素原子の任意の1つ以上を四級化することができ、当該四級化は、存在する場合は、末端アミン窒素原子に限定されることも、それを含むことを必要とされることもない。いくつかの実施態様において、この四級化は、さらなるネットワーク形成をもたらすことができ、窒素への架橋、結合又はアミン反応基の付加の結果であり得る。アンモニウム基を医薬として許容し得る対イオンと結合することができる。
【0152】
いくつかの実施態様において、本発明のアミン化合物及びアミンポリマーを、有機イオン、無機イオン又はそれらの組合せであってもよい医薬として許容し得る対イオンで部分的又は完全にプロトン化を含む四級化することができる。いくつかの好適な無機イオンの例としては、ハロゲン化物(例えば、塩化物、臭化物又はヨウ化物)、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、水酸化物、窒化物、過硫酸塩及び亜硫酸塩が挙げられる。いくつかの好適な有機イオンの例としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、クエン酸二水素、クエン酸水素、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、タウロコール酸塩、グリココール酸塩及びコール酸塩が挙げられる。好ましいイオンとしては、塩化物及び炭酸塩が挙げられる。
【0153】
いくつかの実施態様において、本発明のアミン化合物及びアミンポリマーを、プロトン化窒素原子の割合が1から25%、好ましくは3から25%、より好ましくは5から15%になるようにプロトン化することができる。
【0154】
一実施態様において、医薬として許容し得るアミンポリマーは、プロトン化された形のアミンポリマーであり、炭酸塩アニオンを含む。一実施態様において、医薬として許容し得るアミンポリマーは、プロトン化された形であり、炭酸塩アニオンと重炭酸塩アニオンの混合物を含む。
【0155】
いくつかの実施態様において、本発明の化合物は、化合物又はイオンを結合する能力によって特徴づけられる。好ましくは、本発明の化合物は、アニオンを結合し、より好ましくは、有機リン酸塩、リン酸塩及び/又はシュウ酸塩を結合し、最も好ましくは、有機リン酸塩又はリン酸塩を結合する。例示のために、アニオン結合アミンポリマー、及び特に有機リン酸塩又はリン酸塩結合アミンポリマーについて説明する。しかし、この説明は、当業者に明らかになる適切な改質により、他のイオン、化合物及び溶質にも等しく適用されることが理解される。アミンポリマーは、必ずしも非共有結合でないが、溶液又は身体からイオンを除去するのに十分な時間にわたってポリマーが使用されるインビトロ又はインビボ条件下でイオンの少なくとも一部が結合状態を維持するのに十分な結合強度で、イオンと結合する場合に、イオン、例えばアニオンを結合することができる。目標イオンは、アミンポリマーが結合するイオンであってもよく、通常は、アミンポリマーに対するその結合が化合物の治療効果をもたらすと考えられるイオンを指し、アニオン又はカチオンであってもよい。本発明の化合物は、2つ以上の目標イオンを有することができる。
【0156】
例えば、本明細書に記載のアミンポリマーのいくつかは、有機リン酸塩又はリン酸塩結合特性を示す。リン酸塩結合能力は、リン酸塩バインダが所定の溶液中で結合できるリン酸塩イオンの量の測度である。例えば、リン酸塩バインダの結合能力をインビトロ、例えば、水中又は食塩水中で、或いはインビボ、例えば、リン酸塩尿分泌物から、或いは生体外、例えば、吸引液、例えば、実験動物、患者又は協力者から得た消化粥を使用して測定することができる。リン酸塩イオンのみを含む溶液、又はアミンポリマーに対する結合をめぐってリン酸塩イオンと競合する競合溶質を少なくとも含まない溶液中で測定を行うことができる。これらの場合、非干渉緩衝液を使用できる。或いは、アミンポリマーに対する結合をめぐってリン酸イオン(目標溶質)と競合する他の競合溶質、例えば他のイオン又は代謝物質の存在下で測定を行うことができる。
【0157】
アミンポリマーに対するイオン結合能力を試験法に示すように測定することができる。いくつかの実施態様は、約0.2、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、5.0、6.0、8.0、10.0、12、14、16、18mmol/gを超え、或いは約20mmol/gを超え得るリン酸塩結合能力を有する。いくつかの実施態様において、目標イオンに対する本発明のアミンポリマーのインビトロリン酸塩結合能力は、約0.5mmol/gを超え、好ましくは約2.5mmol/gを超え、さらにより好ましくは約3mmol/gを超え、さらにより好ましくは約4mmol/gを超え、さらにより好ましくは約6mmol/gを超える。いくつかの実施態様において、リン酸塩結合能力は、約0.5mmol/gから約10mmol/gなどの約0.2mmol/gから約20mmol/g、好ましくは約2.5mmol/gから約8mmol/g、さらにより好ましくは約3mmol/gから約6mmol/gの範囲であり得る。リン酸塩結合を以下の試験法のセクションに記載されている技術に従って測定することができる。
【0158】
いくつかの実施態様において、本発明のアミン化合物、ポリマー及び組成物は、尿中リンの減少を必要とする患者の尿中リンを10〜75%、25〜65%又は45〜60%などの5〜100%減少させることができる。いくつかの実施態様は、尿中リンを10%超、20%超、30%超、40%超、45%超、50%超又は60%超減少させることができる。尿中リンの減少量を以下の試験法のセクションに記載の方法に従って測定することができる。
【0159】
いくつかの実施態様において、本発明のアミンポリマー及び組成物は、血中リン酸塩の減少を必要とする患者の血中リン酸塩を10〜75%、25〜65%又は45〜60%などの5〜100%減少させることができる。いくつかの実施態様は、血中リン酸塩量を10%超、20%超、30%超、40%超、45%超、50%超又は60%超減少させることができる。
【0160】
本発明のアミン化合物のいくつかの実施態様は、架橋すると、シミュレートされた胃腸媒体又は生理的に許容し得る媒体などの溶媒中でゲルを形成する。
【0161】
本発明の一態様は、ポリマーコア及びシェルを有するコア-シェル組成物である。いくつかの実施態様において、ポリマーコアは、本明細書に記載のアミンポリマーを含む。シェル材料をコア材料に化学的に固定するか、又は物理的にコーティングすることができる。前者の場合は、化学的手段を介して、例えば、コアポリマーに固定された活性部位からの生体重合を用いたシェルポリマーのコアへの化学的グラフティング;界面反応、即ち界面重縮合などのコア粒子表面に配置された化学反応;及びコア粒子合成中に懸濁剤としてブロック共重合体を使用することによって、シェルをコア構成要素上で成長させることができる。
【0162】
いくつかの実施態様において、界面反応及びブロック共重合体の使用は、化学的方法を用いる場合に用いられる技術である。界面反応経路において、典型的には、コア界面上の小分子又は巨大分子を反応させることによってコア粒子の周囲を化学的に修飾する。例えば、アミン含有イオン結合コア粒子と、エポキシ、イソシアネート、活性化エステル、ハロゲン化物基などのアミン活性基を含有するポリマーとを反応させて、コアの周囲に架橋シェルを形成する。
【0163】
別の実施態様において、第1に、界面重縮合又は溶媒コアセルベーションを用いてシェルを調製して、カプセルを形成する。次いで、カプセルの内部にコア形成前駆体を充填して、シェルカプセル内にコアを構築する。
【0164】
いくつかの実施態様において、ブロック共重合体手法を用いて、両親媒性ブロック共重合体を懸濁剤として使用して、逆又は直接懸濁粒子形成法でコア粒子を形成することができる。逆油中水懸濁法を用いる場合は、ブロック共重合体は、連続油相に可溶の第1のブロックを含み、別の親水性ブロックは、コアポリマーと反応できる官能基を含有する。コア形成前駆体及び油相とともに水相に添加する場合は、ブロック共重合体は、油中水界面に位置し、懸濁剤として作用する。親水性ブロックは、コア材料と反応するか、又はコア形成前駆体と共反応する。粒子が油相から単離された後に、ブロック共重合体は、コア表面に共有結合する薄いシェルを形成する。ブロックの化学的性質及び長さを変化させて、対象の溶質へのシェルの浸透特性を変えることができる。
【0165】
シェル材料をコア材料上に物理的に吸着させる場合は、溶媒コアセルベーション、流動床スプレーコーター又はマルチエマルジョン法などの良く知られたマイクロカプセル化技術を用いることができる。1つのマイクロカプセル化方法は、ワースター構成の流動床スプレーコーターである。さらに別の実施態様において、シェル材料は、コア粒子の膨潤を遅らせることによって単に作用しながら、口及び食道において、且つ任意に胃又は十二指腸において崩壊する。次いで、疎水性が強く、透水性が非常に低い層を形成することによって、水のコア粒子への移動を妨害するためにシェルを選択する。
【0166】
一実施態様において、シェル材料は、使用環境に存在する間は負電荷を担持する。1つの作用メカニズムに限定されることなく、アニオン結合ビーズにコーティングされた負帯電シェル材料は、より大きい価数又はサイズを有する競合イオンと比較して、低電荷密度の小さい無機イオン(リン酸塩など)の結合を向上させると考えられる。したがって、クエン酸塩、胆汁酸及び脂肪酸等の競合アニオンは、恐らくはシェルへの浸透性が限定される結果として、アニオン結合コアとの相対的親和性が低い。
【0167】
いくつかの実施態様において、シェル材料は、小腸に典型的に見られるpH範囲に負電荷を担持するポリマーである。例としては、カルボン酸、スルホン酸、ヒドロスルホン酸、スルファミン酸、リン酸、ヒドロリン酸、ホスホン酸、ヒドロホスホン酸、ホスホルアミド酸、フェノール酸、ホウ酸及びそれらの組合せなどのペンダント酸基を有するポリマーが挙げられるが、それらに限定されない。ポリマーをプロトン化又は非プロトン化することができる。後者の場合は、酸性アニオンをNa、K、Li、Ca、Mg及びNH4などの医薬として許容し得るカチオンで中和することができる。
【0168】
別の実施態様において、究極的にポリアニオンとして活性化する前駆体としてポリアニオンを投与することができる。例えば、ポリスルホン酸又はポリカルボン酸の特定の易動性エステル又は無水物形は、胃の酸性環境で加水分解しやすく、活性アニオンに変換し得る。
【0169】
シェルポリマーは、直鎖状、分枝状、高分枝状、分葉状(即ち、その少なくとも1つがペンダント酸性基を含む連続的なブロックの配列に配置された骨格ポリマー)、櫛形、星形、又はネットワーク、完全及び半相互浸透ネットワーク(interpenetrated network)(IPN)で架橋された形であり得る。シェルポリマーは、組成がランダム又はブロックで、コア材料に共有結合又は物理的に結合する。当該シェルポリマーの例としては、アクリル酸単独重合体又は共重合体、メタクリル酸単独重合体又は共重合体、及びメタクリレートとメタクリル酸の共重合体が挙げられるが、それらに限定されない。当該ポリマーの例は、その例としてEudragit L100-55及びEudragit L100(メチルメタクリレート-メタクリル酸(1:1)共重合体、Degussa/Rohm)、Eudragit L30-D55、Eudragit S 100-55及びEudragit FS 30D、Eudragit S 100(メチルメタクリレート-メタクリル酸(2:1)共重合体)、Eudragit LD-55(エチルアクリレート-メタクリル酸(1:1)共重合体)が挙げられるEudragit(Rohm GmbH & Co. KG)の商品名で販売されているメチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体及びエチルアクリレートとメタクリル酸の共重合体、Eudragit RL及びEudragit RSの商品名で販売されている四級アンモニウム基を有するアクリレートとメタクリレートの共重合体、並びにEudragit NE30-Dの商品名で販売されている官能基のない中性エステル分散物である。
【0170】
さらなるシェルポリマーとしては、ポリ(スルホン酸スチレン)、Polycarbophil(登録商標);ポリアクリル酸;カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、HP-50及びHP-55(Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.)の商品名で販売されているフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース及びヒドロキシプロピルエチルセルロースなどのセルロース誘導体、及び膜コーティング剤処方に有用なセルロースエーテルなどのセルロース誘導体、ポリ酢酸フタル酸ビニル、カラゲナン、アルギン酸塩、又はポリ(メタクリル酸)エステル、アクリル酸/マレイン酸共重合体、スチレン/マレイン酸ポリマー、イタコン酸/アクリル酸共重合体、及びフマル酸/アクリル酸共重合体、AEA(Sankyo Co., Ltd.)の商品名で販売されているポリビニルジエチルアミノ酢酸アセタール、メチルビニルエーテル/マレイン酸共重合体並びにシェラックが挙げられる。
【0171】
いくつかの実施態様において、シェルポリマーは、Eudragit L100-55及びEudragit L100(メチルメタクリレート-メタクリル酸(1:1)共重合体、Degussa/Rohm)、カルボポール934(ポリアクリル酸、Noveon)、C-A-P NF(酢酸フタル酸セルロース--Eastman)、イーストアクリル(メタクリル酸エステル--Eastman)、カラゲナン及びアルギン酸塩(FMC Biopolymer)、エニーコート--P(Samsung Fine Chemical--HPMC Phthalate)又はアクアロン(カルボキシメチルセルロース--Hercules)、メチルビニルエーテル/マレイン酸共重合体(Gantrez)及びスチレン/マレイン酸(SMA)などの医薬として許容し得るポリマーから選択される。
【0172】
様々な方法によってシェルにコーティングすることができる。一実施態様において、シェル材料を薬品処方工程において活性賦形剤として添加する。例えば、有機リン酸塩又はリン酸塩結合ポリマー及び他の賦形剤と物理的に混合され、任意に顆粒化され、圧縮されて錠剤を形成する粉末としてシェル材料を固体製剤に含めることができる。したがって、いくつかの実施態様において、シェル材料は、薬品におけるコア材料を被覆する必要はない。例えば、酸性シェルポリマーを、錠剤、カプセル剤、ゲル剤、液剤等、ウエハー剤、押出物の形に処方されたアニオン結合コアポリマーとともに添加することができ、次いでシェルポリマーは、コアの周囲のシェルコーティングとして均一に溶解及び分解することができ、薬品は、口、食道、又は究極的には作用部位、即ち胃腸管において平衡する。
【0173】
いくつかの実施態様において、シェルは、シェルポリマーの薄層である。該層は、コア粒子表面上のポリアニオンの分子層であり得る。重量対コア比は、約0.0001%から約30%、好ましくは約0.01%から約5%、例えば、約0.1%から約5%であり得る。
【0174】
シェルポリマーは、コア孔容量内を自由に浸透せず、コア表面から溶出しないように最小限の分子量を有する。いくつかの実施態様において、シェル酸性ポリマーの分子量(Mw)は、約5000g/モルを超える、又はさらに約20000g/モルを超えるなど、約1000g/モルを超える。
【0175】
(使用環境において支配的な)シェル材料のアニオン電荷密度は、2mEq/grから15mEq/grなどの0.5mEq/grから22mEq/grであってもよい。剤形の製造の一部としてコーティング法を用いて、ポリマー粒子上にシェルを形成する場合は、製薬工業の当業者から知られる手順が適用可能である。一実施態様において、シェルを流動床コーター(ワースターコーター)で形成する。代替的な実施態様において、制御沈殿又はコアセルベーションでシェルを形成し、ポリマー粒子をポリマー溶液に懸濁させ、ポリマーをポリマー粒子上に沈殿させる、又はポリマー粒子にコーティングするように溶媒特性を変化させる。
【0176】
好適なコーティング法は、製薬工業で典型的に用いられる手順を含む。典型的には、コーティング法の選択は、シェル材料の形(バルク、溶液、エマルジョン、懸濁液、溶融物)並びにコア材料の形状及び性質(球状ビーズ、不規則な形状等)及びシェルの堆積量を含むが、それらに限定されないいくつかのパラメータによって決まる。加えて、コアに1つ以上のシェルをコーティングすることができ、コアは、シェルの複数又は交互のシェル層を含むことができる。
【0177】
「リン酸塩平衡失調障害」という用語は、本明細書に用いられているように、体内に存在するリンの量が異常である状態を指す。リン酸塩平衡失調障害の一例は、高リン酸塩血症を含む。「高リン酸塩血症」という用語は、本明細書に用いられているように、リン元素が高量で体内に存在する状態を指す。典型的には、血液リン酸塩量が、例えば血液1デシリットル当たり約4.0又は4.5ミリグラムを超える量、例えば、約5.5mg/dlを超える量、例えば6.0mg/dlを超える量などの約5.0mg/dlを超える量、及び/又は例えば正常値の約20%未満などの著しく低下した糸球体濾過速度である場合に、患者は、高リン酸塩血症としばしば診断される。本発明を用いて、末期腎臓病における高リン酸塩血症に係っているとともに、透析治療(例えば、血液透析又は腹膜透析)を受けている患者を治療することもできる。
【0178】
本発明の方法、化合物、組成物及びキットで治療できる他の疾患としては、低カルシウム血症、上皮小体亢進症、カルシトリオールの腎臓合成の低下、低カルシウム血症による強縮、腎不全、並びに関節、肺、腎臓、結膜及び心筋組織における石灰化を含む軟組織における異所性石灰化が挙げられる。また、本発明を用いて、慢性腎臓病(chronic Kidney Disease)(CKD)、末期腎臓病(ESRD)及び透析患者を、上記のいずれかの予防的治療を含めて治療することができる。
【0179】
本明細書に記載のアミンポリマー及び組成物を他の治療法、例えば、リン摂取の食事管理、透析、無機金属塩及び/又は他のポリマー樹脂を採用するものに対する補助剤として使用することができる。
【0180】
本発明の組成物は、塩化物、重炭酸塩、シュウ酸塩及び胆汁酸を胃腸管から除去するのにも有用である。シュウ酸塩化合物又はイオンを除去するアミンポリマーは、腎臓結石のリスクを高めるシュウ酸症又は高シュウ酸尿症などのシュウ酸塩平衡失調障害の治療に使用される。塩化物化合物又はイオンを除去するアミンポリマーは、例えば、アシドーシス、胸やけ、酸逆流疾患、酸性胃又は胃炎を治療するのに用いられる。いくつかの実施態様において、本発明の組成物は、脂肪酸、ビリルビン及び関連化合物を除去するのに有用である。いくつかの実施態様は、タンパク質、核酸、ビタミン又は細胞片のような高分子量分子を結合・除去することもできる。
【0181】
本発明は、動物の治療のための方法、医薬組成物及びキットを提供する。「動物」又は「動物対象」又は「患者」という用語は、本明細書に用いられているように、ヒト並びに他の動物(例えば、イヌ又はネコ、或いはブタ、ヤギ、ウシ、ウマ及びニワトリ等の家畜動物の治療などの獣医治療における動物)を含む。本発明の一実施態様は、本明細書に記載のアミンポリマーの少なくとも1つ、有効量を投与することによって、有機リン酸塩又はリン酸塩などのリン含有化合物を動物の胃、小腸又は大腸などの胃腸管から除去する方法である。
【0182】
「治療する」という用語及びその文法的同等物は、本明細書に用いられるように、治療有益性及び/又は予防有益性を達成することを含む。治療有益性とは、治療されている根元的な障害の根絶、緩和又は防止を指す。例えば、高リン酸塩血症患者において、治療有益性は、根元的な高リン酸塩血症の根絶又は緩和を含む。また、治療有益性は、患者が根元的な障害にまだ罹患しているにもかかわらず、患者に改善が認められるように根元的な障害に伴う1つ以上の物理的症状の根絶、緩和又は防止によって達成される。例えば、本明細書に記載のアミンポリマーを、腎不全及び/又は高リン酸塩血症に罹患している患者に投与すると、患者の血清リン酸塩量が低下した場合だけでなく、異所性石灰化及び腎性骨異栄養症のような腎不全及び/又は高リン酸塩血症に伴う他の障害に関して患者に改善が認められる場合にも治療有益性がもたらされる。予防有益性については、高リン酸塩血症の診断がなされていなかった場合でも、例えば、高リン酸塩血症を発生させるリスクのある患者、又は高リン酸塩血症の1つ以上の生理的症状を報告する患者に対してアミンポリマーを投与することができる。
【0183】
リン酸塩の血清値を正常値又はほぼ正常値、例えば、健康な患者の正常値の10%以内である値に変化させることによって、高リン酸塩量の対象における血清リン酸塩を抑制するのに該組成物を使用することもできる。
【0184】
本発明の他の実施態様は、アミンポリマー又はアミンポリマーの医薬として許容し得る塩の少なくとも1つ、並びに1つ以上の医薬として許容し得る賦形剤、希釈剤又は担体、及び任意にさらなる治療薬を含む医薬組成物に向けられる。該化合物を、処方前に、凍結乾燥、又は真空下若しくはオーブンで乾燥させてもよい。
【0185】
賦形剤又は担体は、製剤の他の成分との相溶性を有し、その受給者にとって有害でないという意味で「許容し得る」。製剤を便宜的に単一剤形で提供し、任意の好適な方法によって調製することができる。該方法は、典型的には、アミンポリマーを賦形剤又は担体と均一且つ均質に混合させることなどによって、薬剤を賦形剤又は担体と混合させ、次いで、必要に応じて、生成物をその単位剤形に分割する工程を含む。
【0186】
本発明の医薬組成物は、アミンポリマーが有効量、即ち治療及び/又は予防有益性を達成するのに有効な量で存在する組成物を含む。特定の用途に有効な実際の量は、患者(例えば、年齢、体重)、治療されている状態、及び投与経路に依存することになる。
【0187】
動物におけるアミンポリマーの投与量は、治療されている疾患、投与経路、及び治療されている動物の物理的特性に依存することになる。治療及び/又は予防用途に向けたいくつかの実施態様における当該投与量は、約1gm/日から約30gm/日、例えば、約2gm/日から約20gm/日又は約3gm/日から約7gm/日であってもよい。本明細書に記載のアミンポリマーの投与量は、約50gm/日未満、約40gm/日未満、約30gm/日未満、約20gm/日未満及び約10gm/日未満であり得る。
【0188】
典型的には、アミンポリマーを食事の前若しくは後に、又は食事とともに投与することができる。本明細書に用いられているように、食事の「前」又は「後」は、それぞれ食事を開始又は終了してから典型的には2時間以内、好ましくは1時間以内、より好ましくは30分以内、最も好ましくは10分以内である。
【0189】
一般には、アミンポリマーを食事とともに投与することが好ましい。アミンポリマーを1日1回、1日2回又は1日3回投与することができる。好ましくは、アミンポリマーを最大の食事とともに1日1回投与する。
【0190】
好ましくは、アミンポリマーを治療及び/又は予防有益性に向けて使用することができ、単独で、又は医薬組成物の形で投与することができる。医薬組成物は、アミンポリマー、1つ以上の医薬として許容し得る担体、希釈剤又は賦形剤、及び任意にさらなる治療薬を含む。例えば、治療されている状態に応じて、本発明のアミンポリマーを他の活性薬と共投与することができる。共投与できる薬剤の例としては、以下のものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0191】
酢酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物、クエン酸塩、アルギン酸塩及びそれらのケト酸などの医薬として許容し得るランタン化合物、カルシウム化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物及び亜鉛化合物を含む他のリン酸塩金属イオン封鎖剤。
【0192】
炭酸カルシウム、酢酸カルシウム(PhosLo(登録商標)酢酸カルシウム錠剤)、クエン酸カルシウム、アルギン酸カルシウム及びケト酸カルシウムを含むカルシウム化合物がリン酸塩結合に利用されてきた。
【0193】
Amphojel(登録商標)水酸化アルミニウムゲルなどのアルミニウム系リン酸塩金属イオン封鎖剤も高リン酸塩血症を治療するのに使用されてきた。これらの化合物は、腸のリン酸塩と複合して、極めて溶解性の低いリン酸アルミニウムを形成する。結合したリン酸塩は、患者による吸収に利用不可能である。
【0194】
最も広く使用されているランタニド化合物、炭酸ランタン(Fosrenol(登録商標))は、炭酸カルシウムと同様の挙動を示す。
【0195】
本発明における使用に好適な他のリン酸塩金属イオン封鎖剤としては、医薬として許容し得るマグネシウム化合物が挙げられる。医薬として許容し得るマグネシウム化合物の様々な例が、その全教示内容が引用により本明細書中に組み込まれている、2005年11月8日出願の米国仮特許出願第60/734,593号に記載されている。具体的な好適な例としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ハロゲン化マグネシウム(例えば、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム及びヨウ化マグネシウム)、マグネシウムアルコキシド(例えば、マグネシウムエトキシド及びマグネシウムイソプロポキシド)、炭酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、三珪酸マグネシウム、ギ酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸及びスチレンスルホン酸などの有機酸のマグネシウム塩、並びにそれらの組合せが挙げられる。
【0196】
医薬として許容し得る亜鉛化合物の様々な例が、その全教示内容が引用により本明細書中に組み込まれている、2005年12月29日出願のPCT出願第PCT/US2005/047582号に記載されている。医薬として許容し得る亜鉛化合物の具体的な好適な例としては、酢酸亜鉛、臭化亜鉛、カプリル酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、ギ酸亜鉛、ヘキサフルオロ珪酸亜鉛、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、ヨウ化亜鉛-デンプン、乳酸亜鉛、硝酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、酸化亜鉛、カラミン(少量の酸化鉄を含む酸化亜鉛)、p-フェノールスルホン酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、珪酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硫酸亜鉛、硫化亜鉛、タンニン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、吉草酸亜鉛及び亜鉛エチレンビス(ジチオカルバマート)が挙げられる。別の例は、ポリ(アクリル酸亜鉛)を含む。
【0197】
上記リン酸塩金属イオン封鎖剤のいずれかに言及する場合は、その混合物、多形体及び溶媒和物が包括されることを理解すべきである。
【0198】
いくつかの実施態様において、上記のリン酸塩金属イオン封鎖剤の混合物を医薬として許容し得る第一鉄塩と組み合わせて本発明に使用することができる。
【0199】
他の実施態様において、本発明の化合物と併用されるリン酸塩金属封鎖剤は、医薬として許容し得るマグネシウム化合物でない。さらに他の実施態様において、医薬として許容し得るアミン化合物及び/又はポリマーと併用されるリン酸塩金属イオン封鎖剤は、医薬として許容し得る亜鉛化合物でない。
【0200】
本発明は、また、リン酸塩転移阻害薬又はアルカリホスファターゼ阻害薬と組み合わせたアミンポリマーの組合せ治療に向けられる方法及び医薬組成物を含む。或いは、アミンポリマーの混合物をリン酸塩転移阻害薬又はアルカリホスファターゼ阻害薬とともに採用する。
【0201】
リン酸塩転移阻害薬の好適な例を、その全教示内容が引用により本明細書中に組み込まれている、同時係属中の米国出願公開第2004/0019113号及び米国出願公開第2004/0019020号並びにWO2004/085448に見いだすことができる。
【0202】
多種類の有機及び無機分子がアルカリホスファターゼ(ALP)に対する阻害薬である(例えば、その全教示内容が引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第5,948,630号参照)。アルカリホスファターゼ阻害薬の例としては、オルトリン酸塩、砒酸塩、L-フェニルアラニン、L-ホモアルギニン、テトラミソール、レバミソール、L-p-ブロモテトラミソール、5,6-ジヒドロ-6-(2-ナフチル)イミダゾ-[2,1-b]チアゾール(ナフチル)及びそれらの誘導体が挙げられる。好ましい阻害薬としては、レバミソール、ブロモテトラミソール及び5,6-ジヒドロ-6-(2-ナフチル)イミダゾ-[2,1-b]チアゾール、並びにそれらの誘導体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0203】
この共投与は、同じ剤形による2つの薬剤の同時投与、個別の剤形による同時投与、及び個別の投与を含むことができる。例えば、高リン酸塩血症の治療では、アミンポリマーを、高リン酸塩血症に起因する低カルシウム血症を治療するのに使用されるカルシウム塩と共投与することができる。
【0204】
本発明の医薬組成物を錠剤、サシェ剤、スラリー剤、食品製剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウエハー剤、チューインガム又はロゼンジ剤として処方することができる。
【0205】
好ましくは、アミンポリマー、又はアミンポリマーを含む医薬組成物を経口投与する。好適な方法、媒体、賦形剤及び担体の例は、例えば、その内容が引用により本明細書中に組み込まれている、「レミントンの薬学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」、第19版に記載されているものである。
【0206】
本発明に従って使用される医薬組成物を、活性化合物を医薬として使用できる調製物に加工することを容易にする賦形剤及び補助剤を含む1つ以上の生理的に許容し得る担体を使用して従来の方法で処方することができる。適正な処方は、選択される投与経路に依存する。アミンの医薬組成物を調製するための好適な技術は、当該技術分野で知られている。
【0207】
本発明のいくつかの態様において、アミンポリマーは、通常は賦形剤によって発揮される機械特性及び熱特性を提供するため、製剤に必要な当該賦形剤の量を減少させる。いくつかの実施態様において、アミンポリマー又は組成物は、組成物の約30重量%超、例えば、約40重量%超、約50重量%超、好ましくは約60重量%超、約70重量%超、より好ましくは約80重量%以上、約85重量%以上、又は約90重量%以上を構成し、残りは、好適な賦形剤を含む。
【0208】
いくつかの実施態様において、錠剤の圧縮性は、アミンポリマーの水和の程度(水分含有量)に大きく依存する。好ましくは、アミンポリマーは、約5重量%以上の水分含有量を有し、より好ましくは、水分含有量は、約5重量%から約9重量%、最も好ましくは約7重量%である。アミンポリマーを水和する実施態様において、水和水は、アミンポリマーの一構成要素であると考えられることを理解すべきである。
【0209】
錠剤は、当該技術分野で良く知られている硬化剤、滑剤及び潤滑剤などの1つ以上の賦形剤をさらに含むことができる。好適な賦形剤としては、コロイド二酸化珪素、ステアリン酸、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、スクロース、ステアリン酸カルシウム、ベヘン酸グリセリル、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸亜鉛及びステアリルフマル酸ナトリウムが挙げられる。
【0210】
(1)アミンポリマーを所望の水分量まで水和又は乾燥させる工程と、(2)アミンポリマーと任意の賦形剤を混合する工程と、(3)従来の錠剤化技術を用いて混合物を圧縮する行程とを含む方法によって、本発明の実施態様の錠剤コアを調製することができる。
【0211】
いくつかの実施態様において、本発明は、安定した嚥下可能なコーティングされた錠剤、特に、上述のアミンポリマーを含む錠剤などの、親水性コアを含む錠剤に関する。一実施態様において、コーティング組成物は、セルロース誘導体及び可塑剤を含む。セルロース誘導体は、好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxyl propyl methyl cellulose)(HPMC)である。セルロース誘導体は、水溶液として存在し得る。好適なヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液としては、HPMC低粘度及び/又はHPMC高粘度を含むものが挙げられる。さらなる好適なセルロース誘導体としては、膜コーティング処方に有用なセルロースエーテルが挙げられる。可塑剤は、例えば、ジアセチル化モノグリセリドなどのアセチル化モノグリセリドであり得る。コーティング組成物は、所望の色の錠剤コーティングを提供するように選択された顔料をさらに含むことができる。例えば、白色コーティングを生成するために、二酸化チタンなどの白色顔料を選択することができる。
【0212】
一実施態様において、上記の本発明の錠剤コアと、溶媒、溶媒に溶解又は懸濁した少なくとも1つのコーティング剤、及び任意に1つ以上の可塑剤を含むコーティング液とを接触させる工程を含む方法によって、本発明のコーティングされた錠剤を調製することができる。好ましくは、溶媒は、水若しくは水性緩衝剤などの水性溶媒、又は水性溶媒/有機溶媒混合物である。好ましいコーティング剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体が挙げられる。典型的には、錠剤コアの重量が、約4%から約6%の範囲の量だけ増加して、錠剤コア上に好適なコーティングが堆積されて、コーティングされた錠剤を形成したことが示されるまで、錠剤をコーティング液と接触させる。
【0213】
本発明のいくつかの組成物に有用な他の医薬賦形剤としては、微結晶セルロース、カルボポール、プロビドン及びキサンタンゴムなどのバインダ;マンニトール、キシリトール、マルトデキストリン、フルクトース又はソルビトールなどの香料;植物系脂肪酸などの潤滑剤;並びに、任意で、クロスカルメロースナトリウム、ゲランゴム、セルロースの低置換ヒドロキシプロピルエーテル、グリコール酸ナトリウムデンプンなどの崩壊剤が挙げられる。当該添加剤及び他の好適な成分は、当該技術分野で良く知られている(例えば、Gennaro A R編、「レミントンの薬学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」、第19版参照)。
【0214】
いくつかの実施態様において、本発明のアミンポリマーは、咀嚼性錠剤の形の医薬組成物として提供される。活性成分に加えて、以下の種類の賦形剤が広く使用される。必要な香味を提供する甘味料及び十分な錠剤硬度を提供するのに前者が不十分である場合にバインダ;ダイ壁における摩擦効果を最小限に抑え、錠剤射出を容易にする潤滑剤;及びいくつかの製剤において、咀嚼を容易にするために少量の崩壊剤が添加される。概して、現在利用可能な咀嚼性錠剤における賦形剤の量は、活性成分の3〜5倍のオーダであるのに対して、甘味料は、不活性成分の大部分を占める。いくつかの実施態様において、本発明は、本明細書に記載のアミンポリマー、充填剤及び潤滑剤を含む咀嚼性錠剤として処方された医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様において、本発明は、本明細書に記載のアミンポリマー、充填剤及び潤滑剤を含む咀嚼性錠剤として処方された医薬組成物であって、充填剤は、スクロース、マンニトール、キシリトール、マルトデキストリン、フルクトース及びソルビトールからなる群から選択され、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウム脂肪酸塩である医薬組成物を提供する。
【0215】
一実施態様において、ポリマーと賦形剤が均質に混合された固溶体を形成するために、アミンポリマーをマンニトール、ソルビトール、スクロースなどの高Tg/高融点低分子量賦形剤で予め処方する。押出、スプレー乾燥、低温乾燥、凍結乾燥又は湿式造粒などの混合方法が有用である。混合の程度の指標は、示差走査熱分析又は動的機械分析などの既知の物理的方法によって与えられる。
【0216】
いくつかの実施態様において、本発明のアミンポリマーは、液体製剤の形の医薬組成物として提供される。いくつかの実施態様において、医薬組成物は、好適な液体賦形剤に分散されたポリマーを含有する。好適な液体賦形剤は、当該技術分野で知られている(例えば、「レミントンの薬学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」参照)。
【0217】
いくつかの実施態様において、医薬組成物は、水又は他の経口摂取可能な液体と混合し、飲料(溶液又は懸濁液)として経口投与できるサシェとして梱包された粉製剤の形であってもよい。当該製剤が食感及び味などの許容し得る特性を患者に与えることを保証するために、医薬として許容し得るアニオン安定剤を製剤に含めることができる。
【0218】
好適なアニオン安定剤の例としては、アニオンポリペプチド、アニオン多糖類、又はマンヌロン酸、グルロン酸、アクリル酸、メタクリル酸、グルクロン酸、グルタミン酸のポリマー若しくはそれらの組合せなどの1つ以上のアニオンモノマーのポリマーなどのアニオンポリマー、及びそれらの医薬として許容し得る塩が挙げられる。アニオンポリマーの他の例としては、カルボキシアルキルセルロースなどのセルロース、又はその医薬として許容し得る塩が挙げられる。アニオンポリマーは、単独重合体、又は上記のアニオンモノマーの2種以上の共重合体であってもよい。或いは、アニオン共重合体は、ビニルアルコール、アクリルアミド及びビニルホルムアミドなどのオレフィンアニオンモノマーなどの1つ以上のアニオンモノマー及び1つ以上の中性コモノマーを含むことができる。
【0219】
アニオンポリマーの例としては、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム、アルギン酸アンモニウム及びアルギン酸塩のエステル)、カルボキシメチルセルロース、ポリ乳酸、ポリグルタミン酸、ペクチン、キサンタン、カラゲナン、フルセララン、アラビアゴム、カラヤゴム、ガティガム、カルブゴム及びトラガカントゴムが挙げられる。好ましいアニオンポリマーは、アルギン酸塩であり、好ましくは、アルギン酸塩のC2〜C5-ジオールエステル又はアルギン酸塩のC3〜C5トリオールエステルなどのエステル化アルギン酸塩である。本明細書に用いられているように、「エステル化アルギン酸塩」は、アルギン酸のカルボキシル基の1つ以上がエステル化されたアルギン酸を指す。アルギン酸塩におけるカルボン酸基の残りは、医薬として許容し得る塩として任意に(部分的又は完全に)中和される。例えば、アルギン酸プロピレングリコールは、カルボキシル基のいくつかがプロピレングリコールでエステル化され、カルボン酸基の残りが医薬として許容し得る塩として任意に中和されたアルギン酸のエステルである。より好ましくは、アニオンポリマーは、アルギン酸エチレングリコール、アルギン酸プロピレングリコール又はアルギン酸グリセロールであり、アルギン酸プロピレングリコールがさらにより好ましい。
【0220】
本明細書に言及されているすべての文献及び特許出願は、それぞれの個々の文献又は特許出願が引用により組み込まれていることが具体的に個々に示されているかの如く同程度に引用により本明細書中に組み込まれている。
【0221】
添付の請求項の主旨又は範囲を逸脱することなく、多くの変更及び修正を本明細書に提示されている開示に加えることができることが当業者にとって明らかになるであろう。
【実施例】
【0222】
本明細書に用いられているように、以下の用語は、特に指定する場合を除いて、それらに帰する意味を有する。
【0223】
ISCO/Combi-Flash-自動フラッシュクロマトグラフィーシステム
【0224】
DMAP-Aldrichから商業的に入手可能なN,N-ジメチルアミノピリジン
【0225】
HPLC-高速液体クロマトグラフィー
【0226】
LC/MS-液体クロマトグラフィー/質量分光測定
【0227】
Triton(登録商標)B- Aldrichから商業的に入手可能な水酸化トリメチルベンジルアンモニウム
【0228】
(使用材料)
ペンタエリスリトール、ジクロロメタン(dichloromethane)(DCM)、エタノール、メタノール、1,4-ジオキサン、D-ソルビトール及びエピクロロヒドリンは、Sigma-Aldrich, Co.から商業的に入手可能であり、さらに精製することなく使用された。
【0229】
アクリロニトリルは、Sigma-Aldrich又はAlfa Aesar, A Johnson Matthey Companyから商業的に入手可能であり、さらに精製することなく使用された。
【0230】
ラネーコバルトをAldrichから入手し、ウェットスラリーとして使用するか、又は使用前に共沸乾燥させた。
【0231】
(分析技術)
特に指定する場合を除いて、TMSを内部標準として有する重水素化クロロホルム中でVarian NMR分光計により400MHzでプロトンNMRスペクトルを記録した。13CNMRの実験を、66MHzの周波数で動作する同一の計測器で実施した。
【0232】
LC/NSの実験を、逆相Zorbax C-8カラムが装備されたWaters Ion Trap LC/MSで実施した。試料をアセトニトリル:水:ギ酸の勾配混合物で溶離した。イオン化電位が30Vに設定された電気スプレー源を使用してイオン化を行った。
【0233】
Zorbax C-8カラム及び蒸発式光散乱検出器が装備されたAgilent計測器でHPLC測定を実施した。
【0234】
(実施例1:化合物Iの合成)
101gのペンタエリスリトールの試料を2Lの三口丸底フラスコにN2下で充填し、500mLのアクリロニトリル及び500mLの1,4-ジオキサンでスラリー化した。9mLの40%KOH溶液及び18mLの水を反応混合物に添加し、混合物を室温で撹拌した。反応物を40℃まで加熱し、その時点でペンタエリスリトールが溶解し始めた。緩慢な発熱が始まり、反応物を氷で冷却して、60℃未満の温度を維持した。反応物を室温で終夜撹拌し、翌朝HPLCで分析した。反応混合物を大形の分液漏斗に移し、2Lのtert-ブチルメチルエーテルで希釈した。次いで、有機相を50%塩水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、250gの淡黄色の油を得て、それを放置して固化させた。その物質は、さらに精製することなく次の工程に使用するのに好適な程度に純粋であった。1H NMR (300MHz, CDCl3): δ (ppm) 2.5 (t, 8H); 3.4 (s, 8H); 3.6 (t, 8H). 13C NMR (66MHz, CDCl3): δ (ppm) 19.019 (CH2CN); 45.802 (四級 C); 65.842 (O-CH2-CH2); 68.909 (C-CH2-O); 118.532 (-CN). HPLC 純度 (ELSD): > 95% AUC.
【0235】
(実施例2A:化合物IIの合成)
6gの化合物Iの試料をParr水素化装置内に入れ、150mLの1:1MeOH:H2Oに懸濁させた。12gの湿性ラネーコバルト触媒をこの混合物に充填し、反応容器を密封した。得られた混合物を700psiH2下で70℃にて18時間にわたって水素化した。反応容器を室温まで冷却し、得られた物質をLC/MSで分析し、セライト床で濾過した。濾液を真空中で濃縮して、淡黄色の油として5.8gの所望の生成物を得た。1H NMR (300MHz, D2O): δ (ppm) 1.7 (m, 8H); 2.5 (t, 8H); 3.2 (s, 8H); 3.4 (t, 8H). HPLC 純度 (ELSD): > 98% AUC. LC/MS [M+H]+ m/z = 365.5 (化合物の正確な質量 = 364.300).
【0236】
(実施例2B:化合物IIの合成)
50gの化合物Iの試料をParr水素化装置内に入れた。これに対して、新たに乾燥した5gのラネーコバルトを30mLのトルエン中N2下で添加した。水素化装置を密封し、排気した。20psiの無水アンモニア、続いて1200psiの水素を導入した。次いで、反応混合物を109℃まで加熱し、12時間撹拌し、その時点で得られた物質を室温まで冷却し、LC/MSで分析してから少量のセライト(N2下)で濾過し、セライトをDCMで数回洗浄した。濾液を真空中で濃縮して、黄色の油として52gの所望の生成物を得た。1H NMR (300MHz, D2O): δ (ppm) 1.7 (m, 8H); 2.5 (t, 8H); 3.2 (s, 8H); 3.4 (t, 8H). HPLC 純度 (ELSD): > 98% AUC. LC/MS [M+H]+ m/z = 365.5 (化合物の正確な質量 = 364.300).
【0237】
(実施例3:化合物IIIの合成)
52gの化合物IIの試料を112mLのアクリロニトリルとともにParr水素化装置に充填した。反応容器を密封し、排気した。次いで、容器を50psiのN2で加圧し、12時間にわたって140℃で加熱した。反応容器を室温まで冷却し、HPLCで分析した。反応混合物を真空中で濃縮して、約200gの粗製物質を得た。この物質の40gを順相シリカゲル(0〜100%の酢酸エチル:ヘキサン移動相)で精製して、28gの所望の生成物を得た。HPLC 純度 (ELSD): > 95% AUC. LC/MS [M+H]+ m/z = 789.6 (化合物の正確な質量 = 788.52).
【0238】
(実施例4A:化合物IVの合成)
3gの化合物IIIの試料をParr水素化装置に充填し、150mLのメタノールと50mLの水との混合物に溶解させた。12gの湿性ラネーコバルトを反応容器に添加した。容器を密封し、反応物を80℃にて1500psiのH2下で4日間にわたって水素化した。反応物を室温まで冷却し、HPLC及びLC/MSで分析し、セライト床で濾過し、得られた淡青色の濾液を減圧下で濃縮した。得られた油をメタノールとDCMの1:1混合物に懸濁させ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いでメタノール中過剰のアンモニアで処理した。得られた物質をセライトで濾過し、濾液を真空中で濃縮して、透明な油として3gの所望の生成物を得た。HPLC 純度 (ELSD): > 99% AUC.
【0239】
(実施例4B:化合物IVの合成)
28gの化合物IIIの試料を、N2下で、40mLのトルエン中10gの共沸乾燥ラネーコバルトとともにParr水素化装置に充填した。反応容器を密封し、排気した。40psiの無水アンモニア、続いて1600psiのH2を導入した。反応物を120℃で3日間にわたって水素化し、その時点で室温まで冷却し、得られた物質をHPLC及びLC/MSで分析し、(N2下で)セライトで濾過し、フィルタパッドを数部のDCMで洗浄した。濾液を真空中で濃縮して、黄色油として26gの所望の生成物を得た。HPLC 純度 (ELSD): > 95% AUC. LC/MS [M+H]+ m/z = 822.3 (化合物の分子量 = 821.28, 正確な質量 = 820.77).
【0240】
(実施例5:化合物IVとエピクロロヒドリンの反応)
丸底フラスコに対して、6.1gの化合物IV、6.1mlの水及び420μlのエピクロロヒドリンを添加した。得られた溶液を室温で1.5時間撹拌してから14時間にわたって60℃まで加熱した。得られた固体を1Lの水に懸濁させ、1時間撹拌した。この時点で、懸濁液は、319μSの導電度及び10.5のpHを有していた。次いで、懸濁液のpHをHClで7に調整した。次いで、得られたゲルを濾過して、119gのポリマーを得た(膨潤指数=20)。一定の窒素流を流しながら生成物を18時間にわたってオーブン中で65℃にて乾燥させて、2.8gの粘着性固体を得た。その物質を水で再膨潤させ、[HClを使用して]pHを2に調整した。次いで、濾過し、再び乾燥させた。3日間乾燥後、吸湿性の固体を得た。
(実施例6:化合物Vの合成)
丸底フラスコに対して、36.4gのD-ソルビトール、200mlの1,4-ジオキサン及び106mlのアクリロニトリルを添加した。得られた溶液を氷上で5℃まで冷却し、それに対して添加漏斗を介してTriton(登録商標)Bの溶液(ジオキサン50mL中5ml)を一滴ずつ添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。得られた残渣をDCMに吸収させ、分液漏斗に移した。有機層を50%塩水で2回洗浄した。塩水層を一緒にし、DCMでさらに抽出した。DCM分留物を一緒にし、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで真空中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(移動相としてヘキサン中0〜>90%酢酸エチル)で精製して、淡黄色の油としての所望の生成物(55g)を得た。
【0241】
(実施例7:アミンポリマー尿中リン減少(インビボラット)
(架橋化合物の全重量に対して)12重量%のエピクロロヒドリンで架橋された化合物IVの尿中リンの減少を2つの調査における試験方法に記載の方法に従ってセルロース対照及びセベラマと比較した。表Iは、調査した投与量及び得られた試験結果を詳細に示す。
【表1】

【0242】
(試験方法)
アミンポリマー尿中リン減少(インビボラット)
ハウス雄Spraque Dawley(SD)ラットを実験に使用した。ラットをワイヤボトムケージに一匹ずつ配置し、ピュリナ5002餌を給餌し、実験に使用する前に少なくとも5日間順応させた。
【0243】
基線リン分泌量を確定するために、ラットを代謝ケージに48時間配置した。それらの尿を回収し、そのリン含有量をHitachi分析装置によって分析して、mg/日単位でリン分泌量を測定した。特定範囲外の値を有するラットを除外し、残りのラットをグループに分けた。
【0244】
ピュリナ5002を標準餌として使用した。試験対象のアミンポリマーをピュリナ5002と混合して、最終アミンポリマー濃度を餌に対して0.25重量%とした。0.5重量%のセルロースを負の対照として使用した。0.5重量%のセベラマを正の対照として使用した。各ラットについて、200gの餌を用意した。
【0245】
各ラットの体重を測定し、標準的餌の上に配置した。4日後、標準餌を処理餌(又は対照グループに対する対照餌)に取り替えた。5日目及び6日目に、ラットの尿試料を24時間(+/-30分)毎に回収し、分析した。再び試験ラットの体重を測定し、体重低下量又は増加量を計算した。残りの餌の重量も測定して、1日当たり消費された餌の量を計算した。基線及びセルロースの負の対照に対するリン分泌量の変化を計算した。尿中リンの減少率を以下の式によって求めた:
尿中リンの減少率%=[(負の対照の尿中リン(mg/日)-実験の尿中リン(mg/日))/負の対照の尿中リン(mg/日)]×100
【0246】
(インビトロリン酸塩結合(mmol/g))
ポリマーの重量を各試料の乾燥による重量低下に対して調整した後に、ポリマー毎に2つの試料をプラスチックボトル内に量り採る。10mMのKH2PO4、100mMのN,N-ビス[2-ヒドロキシエチル]-2-アミノエタンスルホン酸、80mMのNaCl、15mMのグリコケノデオキシコール酸(GCDC)及び15mMのオレイン酸(1NのNaOHでpHを7.0に調整)を含有する10mMのリン酸緩衝液を調製し、十分に混合する。10mMのリン酸緩衝液のアリコットを2つの試料ボトルの各々に移す。それらの溶液を十分に混合し、次いで37℃で1時間にわたってオービタルシェーカーに入れる。各溶液から試料アリコットを除去する前にポリマーを沈降させる。使い捨てシリンジ及びシリンジフィルタを使用して、試料アリコットを濾過して小形バイアル内に入れる。濾過した試料をDI水で1対10に希釈する。振盪をさらに4時間(合計5時間)継続し、サンプリング手順を繰り返す。リン酸塩標準を10mMのリン酸塩標準原液から調製し、適切に希釈して、0.3から1.0mMの範囲の標準を得る。標準及び試料の両方をイオンクロマトグラフィーで分析する。標準曲線を作成し、各試験溶液の未結合リン酸塩(mM)を計算する。結合リン酸塩を以下の式によって求める:
結合リン酸塩(mmol/g)=[(10-未結合PO4)×Vol.×1000]/MassP(式中、Vol.=試験溶液の量(L);MassP=ポリマーのLOD調整質量(mg))
【0247】
(工程内膨潤率(mL/g))
いくつかの実施例の工程内膨潤率(Swelling ratio)(SR)を以下の式によって求める:
SR=(湿性ゲルの重量(g)-乾燥ポリマーの重量(g))/乾燥ポリマーの重量(g)
【0248】
本発明の好ましい実施態様を本明細書に示し、説明したが、当該実施態様は、例示のみを目的として示されていることが当業者に明らかになるであろう。ここで、本発明から逸脱することなく、多くの変型、変更及び代用物が当業者に想到されるであろう。本発明を実施する上で、本明細書に記載の本発明の実施態様の様々な代替を採用できることが理解されるべきである。以下の請求項が本発明の範囲を規定すること、並びにこれらの請求項及びそれらの同等物の範囲内の方法及び構造がそれに包括されることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって:
a)以下の式Iで表される少なくとも1つのアミン化合物又はその残基を含む少なくとも1つのアミンポリマーと:

【化1】

(式中、
nは、独立に、1〜20の整数を表し;
R1は、独立に、水素基、ヒドロキシル基又は-OR3を表し;
R1aは、独立に、R1、-R2OH又は-R2OR3を表し;但し、前記アミン化合物は、R3で表される少なくとも1つの部分を含み;
R2は、独立に、置換又は非置換のアルキル基を表し;
R3は、独立に、以下の式IIで表される基を表し:
【化2】

p、q及びrは、独立に、0〜2の整数を表し;
R4は、独立に、
【化3】

を表し;
mは、独立に、1〜20の整数を表し;
R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は一緒になって、架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す);
b)架橋剤又はその残基と;
c)医薬として許容し得る賦形剤と;
を含む、前記医薬組成物。
【請求項2】
nが独立に2〜7の整数を表す、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
nが独立に4〜6の整数を表す、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
nが独立に5又は6を表す、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
R1が独立に水素基又は-OR3を表す、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項6】
R1aが独立に-R2OR3を表す、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項7】
mが独立に1〜6の整数を表す、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項8】
mが独立に3〜6の整数を表す、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項9】
q及びrが0であり、pが2である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記アミン化合物又はその残基が、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、セドヘプツロース、ソルボース、ペンタエリトロース、又はそれらの部分的若しくは完全水素化誘導体、或いはそれらの組合せから誘導される、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記架橋剤がエピクロロヒドリンを含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記架橋剤が、前記アミンポリマーの全重量に対して約3から約6重量%で存在する、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記アミンポリマーがリン酸塩を結合する、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記アミンポリマーが約0.2から約20mmol/gのリン酸塩結合能力を有する、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項15】
コア-シェル組成物を含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項16】
錠剤の形である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項17】
サシェ剤の形である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項18】
1つ以上の他の活性薬をさらに含む、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記他の活性薬がリン酸塩金属イオン封鎖剤を含む、請求項18記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記アミン化合物が以下の式IIIで表される、請求項1記載の医薬組成物:
【化4】


【請求項21】
前記アミン化合物が以下の式IVで表される、請求項20記載の医薬組成物:
【化5】


【請求項22】
前記アミン化合物が以下の式Vで表される、請求項1記載の医薬組成物:
【化6】


【請求項23】
前記アミン化合物が以下の式VIで表される、請求項22記載の医薬組成物:
【化7】


【請求項24】
医薬組成物であって:
a)以下の式IIで表されるアミン基で置換された1つ以上の糖アルコールを含むアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーと:
【化8】

(式中、
p、q及びrは、独立に、0〜2の整数を表し;
R4は、独立に、
【化9】

を表し;
R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は一緒になって、架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す);
b)架橋剤又はその残基と;
c)医薬として許容し得る賦形剤と;
を含む、前記医薬組成物。
【請求項25】
医薬組成物であって:
a)i)1つ以上の糖アルコールの残基を含むコア;及び
ii)1つ以上の置換又は非置換のα,β不飽和ニトリルの残基を含むアミンデンドリマーを含むポリマーと;
b)架橋剤又はその残基と;
c)医薬として許容し得る賦形剤と;
を含む、前記医薬組成物。
【請求項26】
医薬組成物であって:
a)置換基の1つ以上が、以下の式XXXIXで表される基を含む1つ以上の置換糖アルコールを含むアミン化合物又はその残基を含むアミンポリマーと:
【化10】

(式中、
p、q及びrは、独立に、0〜2の整数を表し;
R4は、独立に、
【化11】

を表し;
R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は一緒になって、架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す);
b)架橋剤又はその残基と;
c)医薬として許容し得る賦形剤と;
を含む、前記医薬組成物。
【請求項27】
対象が、高リン酸塩血症、末期腎臓病、慢性腎臓病、甲状腺機能亢進症、リン酸塩の過剰投与、末端肥大症、カルシトリオールの腎臓合成の低下、腎不全、低カルシウム血症、低カルシウム血症による強縮、軟組織における異所性石灰化、及び横紋筋融解時に発生する急性組織破壊並びに悪性腫瘍の治療からなる群から選択される少なくとも1つの疾患又は状態に罹患している、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項28】
高リン酸塩血症、低カルシウム血症、上皮小体亢進症、カルシトリオールの腎臓合成の低下、低カルシウム血症による強縮、腎不全、並びに関節、肺、腎臓、結膜及び心筋組織における石灰化を含む軟組織における異所性石灰化、慢性腎臓病、ESRD及び透析患者を治療する方法であって、該治療を必要とする患者に対して、
a)以下の式Iで表される、少なくとも1つのアミン化合物又はその残基と:
【化12】

(式中、
nは、独立に、1〜20の整数を表し;
R1は、独立に、水素基、ヒドロキシル基又は-OR3を表し;
R1aは、独立に、R1、-R2OH又は-R2OR3を表し;但し、前記アミン化合物は、R3で表される少なくとも1つの部分を含み;
R2は、独立に、置換又は非置換のアルキル基を表し;
R3は、独立に、以下の式II:
【化13】

で表される基を表し;
p、q及びrは、独立に、0〜2の整数を表し;
R4は、独立に、
【化14】

を表し;
mは、独立に、1〜20の整数を表し;
R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は一緒になって、架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す);
b)架橋剤又はその残基と;
を含むアミンポリマーの治療有効量を投与することを含む、前記方法。
【請求項29】
前記患者の尿中リンを45〜65%減少させる、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記患者の尿中リンを50%よりも多く減少させる、請求項28記載の方法。
【請求項31】
nが独立に4〜6の整数を表す、請求項28記載の方法。
【請求項32】
nが独立に5又は6を表す、請求項28記載の方法。
【請求項33】
R1が独立に水素基又は-OR3を表す、請求項28記載の方法。
【請求項34】
R1aが独立に-R2OR3を表す、請求項28記載の方法。
【請求項35】
mが独立に1〜10の整数を表す、請求項28記載の方法。
【請求項36】
mが独立に3〜6の整数を表す、請求項28記載の方法。
【請求項37】
q及びrが0であり、pが2である、請求項28記載の方法。
【請求項38】
前記アミン化合物又はその残基が、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、セドヘプツロース、ソルボース、ペンタエリトロース、又はそれらの部分的若しくは完全水素化誘導体、或いはそれらの組合せから誘導される、請求項28記載の方法。
【請求項39】
前記架橋剤がエピクロロヒドリンを含む、請求項28記載の方法。
【請求項40】
前記架橋剤が、前記アミンポリマーの全重量に対して約3から約6重量%で存在する、請求項28記載の方法。
【請求項41】
前記アミンポリマーがリン酸塩を結合する、請求項28記載の方法。
【請求項42】
前記アミンポリマーが約0.2から約20mmol/gのリン酸塩結合能力を有する、請求項28記載の方法。
【請求項43】
前記アミンポリマーがコア-シェル組成物として投与される、請求項28記載の方法。
【請求項44】
前記アミンポリマーが錠剤の形で投与される、請求項28記載の方法。
【請求項45】
前記アミンポリマーがサシェ剤の形で投与される、請求項28記載の方法。
【請求項46】
1つ以上の他の活性薬を共投与することをさらに含む、請求項28記載の方法。
【請求項47】
前記他の活性薬がリン酸塩金属イオン封鎖剤を含む、請求項28記載の方法。
【請求項48】
前記アミン化合物が以下の式IIIで表される、請求項28記載の方法:
【化15】


【請求項49】
前記アミン化合物が以下の式IVで表される、請求項48記載の方法:
【化16】


【請求項50】
前記アミン化合物が以下の式Vで表される、請求項28記載の方法:
【化17】


【請求項51】
前記アミン化合物が以下の式VIで表される、請求項28記載の方法:
【化18】


【請求項52】
高リン酸塩血症、低カルシウム血症、上皮小体亢進症、カルシトリオールの腎臓合成の低下、低カルシウム血症による強縮、腎不全、並びに関節、肺、腎臓、結膜及び心筋組織における石灰化を含む軟組織における異所性石灰化、慢性腎臓病、ESRD及び透析患者を治療する方法であって、該治療を必要とする患者に対して、
a)以下の式IIで表されるアミン基で置換された1つ以上の糖アルコールを含むアミン化合物又はその残基と:
【化19】

(式中、
p、q及びrは、独立に、0〜2の整数を表し;
R4は、独立に、
【化20】

を表し;
mは、独立に、1〜20の整数を表し;
R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は一緒になって、架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す);
b)架橋剤又はその残基と;
を含むアミンポリマーの治療有効量を投与することを含む、前記方法。
【請求項53】
高リン酸塩血症、低カルシウム血症、上皮小体亢進症、カルシトリオールの腎臓合成の低下、低カルシウム血症による強縮、腎不全、並びに関節、肺、腎臓、結膜及び心筋組織における石灰化を含む軟組織における異所性石灰化、慢性腎臓病、ESRD及び透析患者を治療する方法であって、該治療を必要とする患者に対して、
a)i)1つ以上の糖アルコールの残基を含むコア;及び
ii)1つ以上の置換又は非置換のα,β不飽和ニトリルの残基
を含むアミンデンドリマーと;
b)架橋剤又はその残基と;
を含むアミンポリマーの治療有効量を投与することを含む、前記方法。
【請求項54】
高リン酸塩血症、低カルシウム血症、上皮小体亢進症、カルシトリオールの腎臓合成の低下、低カルシウム血症による強縮、腎不全、並びに関節、肺、腎臓、結膜及び心筋組織における石灰化を含む軟組織における異所性石灰化、慢性腎臓病、ESRD及び透析患者を治療する方法であって、該治療を必要とする患者に対して、
a)置換基の1つ以上が、以下の式XXXIXで表される基を含む1つ以上の置換糖アルコールを含むアミン化合物又はその残基と:
【化21】

(式中、
p、q及びrは、独立に、0〜2の整数を表し;
R4は、独立に、
【化22】

を表し;
ここで、
mは、独立に、1〜20の整数を表し;
R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は一緒になって、架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す);
b)架橋剤又はその残基と;
を含むアミンポリマーの治療有効量を投与することを含む、前記方法。
【請求項55】
高リン酸塩血症、低カルシウム血症、上皮小体亢進症、カルシトリオールの腎臓合成の低下、低カルシウム血症による強縮、腎不全、並びに関節、肺、腎臓、結膜及び心筋組織における石灰化を含む軟組織における異所性石灰化、慢性腎臓病、ESRD及び透析患者を治療する方法であって、該治療を必要とする患者に対して、
a)以下の式XLで表される複数の単位と:
【化23】

(式中、
R3は、独立に、以下の式II:
【化24】

で表される基を表し、
p、q及びrは、独立に、0〜2の整数を表し;
R4は、独立に、
【化25】

を表し;
mは、独立に、1〜20の整数を表し;
R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は一緒になって、架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す);
b)以下の式XLI:
【化26】

で表される複数の単位と;
を含むポリマーネットワークの治療有効量を投与することを含む、前記方法。
【請求項56】
アミンポリマーであって:
以下の式Iで表される、少なくとも1つのアミン化合物又はその残基と:
【化27】

(式中、
nは、独立に、1〜20の整数を表し;
R1は、独立に、水素基、ヒドロキシル基又は-OR3を表し;
R1aは、独立に、R1、-R2OH又は-R2OR3を表し;但し、前記アミン化合物は、R3で表される少なくとも1つの部分を含み;
R2は、独立に、置換又は非置換のアルキル基を表し;
R3は、独立に、以下の式II:
【化28】

で表される基を表し;
p、q及びrは、独立に、0〜2の整数を表し;
R4は、独立に、
【化29】

を表し;
mは、独立に、1〜20の整数を表し;
R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は一緒になって、架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す);
b)架橋剤又はその残基と;
を含む、前記アミンポリマー。
【請求項57】
nが独立に2〜7の整数を表す、請求項56記載のアミンポリマー。
【請求項58】
nが独立に4〜6の整数を表す、請求項56記載のアミンポリマー。
【請求項59】
nが独立に5又は6を表す、請求項56記載のアミンポリマー。
【請求項60】
R1が独立に水素基又は-OR3を表す、請求項56記載のアミンポリマー。
【請求項61】
R1aが独立に-R2OR3を表す、請求項56記載のアミンポリマー。
【請求項62】
mが独立に1〜6の整数を表す、請求項56記載のアミンポリマー。
【請求項63】
mが独立に3〜6の整数を表す、請求項56記載のアミンポリマー。
【請求項64】
q及びrが0であり、pが2である、請求項56記載のアミンポリマー。
【請求項65】
前記アミン化合物又はその残基が、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、セドヘプツロース、ソルボース、ペンタエリトロース、又はそれらの部分的若しくは完全水素化誘導体、或いはそれらの組合せから誘導される、請求項56記載のアミンポリマー。
【請求項66】
前記架橋剤がエピクロロヒドリンを含む、請求項56記載のアミンポリマー。
【請求項67】
前記架橋剤が、前記アミンポリマーの全重量に対して約3から約6重量%で存在する、請求項56記載のアミンポリマー。
【請求項68】
前記アミンポリマーがリン酸塩を結合する、請求項56記載のアミンポリマー。
【請求項69】
前記アミンポリマーが約0.2から約20mmol/gのリン酸塩結合能力を有する、請求項56記載のアミンポリマー。
【請求項70】
前記アミン化合物が以下の式IIIで表される、請求項56記載のアミンポリマー:
【化30】


【請求項71】
前記アミン化合物が以下の式IVで表される、請求項75記載のアミンポリマー:
【化31】


【請求項72】
前記アミン化合物が以下の式Vで表される、請求項56記載のアミンポリマー:
【化32】


【請求項73】
前記アミン化合物が以下の式VIで表される、請求項77記載のアミンポリマー:
【化33】


【請求項74】
アミンポリマーであって:
a)以下の式IIで表されるアミン基で置換された1つ以上の糖アルコールを含むアミン化合物又はその残基と:
【化34】

(式中、
p、q及びrは、独立に、0〜2の整数を表し;
R4が、独立に、
【化35】

を表し;
mは、独立に、1〜20の整数を表し;
R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は一緒になって、架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す);
b)架橋剤又はその残基と;
を含む、前記アミンポリマー。
【請求項75】
アミンポリマーであって:
a)i)1つ以上の糖アルコールの残基を含むコア;及び
ii)1つ以上の置換又は非置換のα,β不飽和ニトリルの残基;
を含むアミンデンドリマーと;
b)架橋剤又はその残基と;
を含む、前記アミンポリマー。
【請求項76】
アミンポリマーであって:
a)置換基の1つ以上が、以下の式XXXIXで表される基を含む1つ以上の置換糖アルコールを含むアミン化合物又はその残基と:
【化36】

(式中、
p、q及びrは、独立に、0〜2の整数を表し;
R4は、独立に、
【化37】

を表し;
mは、独立に、1〜20の整数を表し;
R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は一緒になって、架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す);
b)架橋剤又はその残基と;
を含む、前記アミンポリマー。
【請求項77】
アミンポリマーであって:
a)置換又は非置換のアルキルアミン基で置換された糖アルコールであって、前記アルキルアミン基が1つ以上の世代の樹枝状分枝を任意に有する糖アルコールを含むアミンデンドリマー又はその残基と;
b)架橋剤又はその残基と;
を含む、前記アミンポリマー。
【請求項78】
アミンポリマーであって:
a)i)1つ以上のヒドロキシル基の残基を含むポリヒドロキシコア;及び
ii)1つ以上の置換又は非置換のα,β不飽和ニトリル基の残基を含むアミンデンドリマーと;
b)架橋剤又はその残基と;
を含む、前記アミンポリマー。
【請求項79】
ポリマーネットワークであって:
a)2つ以上の糖アルコールの残基と、
b)1つ以上の置換又は非置換のα,β不飽和ニトリル基の残基と、
c)1つ以上の架橋剤の残基と;
を含む、前記ポリマーネットワーク。
【請求項80】
ポリマーネットワークであって:
a)(i)1つ以上の置換又は非置換の糖アルコールの残基;及び
(ii)1つ以上の置換又は非置換のα,β不飽和ニトリル基の残基を含む2つ以上のポリエーテルの残基と;
b)1つ以上の架橋剤の残基と;
を含む、前記ポリマーネットワーク。
【請求項81】
ポリマーネットワークであって:
a)以下の式XLで表される複数の単位と:
【化38】

(式中、
R3は、独立に、以下の式II:
【化39】

で表される基を表し、
p、q及びrは、独立に、0〜2の整数を表し;
R4は、独立に、
【化40】

を表し;
mは、独立に、1〜20の整数を表し;
R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は一緒になって、架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す);
b)以下の式XLI
【化41】

で表される複数の単位と;
を含む、前記ポリマーネットワーク。
【請求項82】
アミンポリマーの製造方法であって:
a)ミカエル付加反応を用いて、ポリヒドロキシコアを、置換又は非置換のα,β不飽和ニトリルと反応させて、ポリエーテルを形成すること;
b)前記ポリエーテル上の少なくとも1つのニトリル基を還元して、三級アミンを形成すること;
c)ミカエル付加及び前記三級アミンに対する還元を1回以上繰り返して、アミンデンドリマーを形成すること;及び
d)前記アミンデンドリマーを架橋剤で架橋すること;
を含む、前記製造方法。
【請求項83】
前記ポリヒドロキシコアが糖アルコールを含む、請求項82記載の方法。
【請求項84】
前記ポリヒドロキシコアがマンニトールを含む、請求項82記載の方法。
【請求項85】
前記ポリヒドロキシコアがペンタエリスリトールを含む、請求項82記載の方法。
【請求項86】
前記架橋剤がエピクロロヒドリンを含む、請求項82記載の方法。
【請求項87】
以下の式Iで表されるアミン化合物:
【化42】

(式中、
nは、独立に、1〜20の整数を表し;
R1は、独立に、水素基、ヒドロキシル基又は-OR3を表し;
R1aは、独立に、R1、-R2OH又は-R2OR3を表し;但し、前記アミン化合物は、R3で表される少なくとも1つの部分を含み;
R2は、独立に、置換又は非置換のアルキル基を表し;
R3は、独立に、以下の式II:
【化43】

で表される基を表し;
p、q及びrは、独立に、0〜2の整数を表し;
R4は、独立に、
【化44】

を表し;
mは、独立に、1〜20の整数を表し;
R5は、独立に、水素基;置換又は非置換のアルキル基;置換又は非置換のアリール基を表し;或いはR5及び隣接するR5は一緒になって、架橋剤の残基、置換又は非置換の脂環式基、置換又は非置換の芳香族基、或いは置換又は非置換の複素環式基を含む結合を表し;或いはR5は、別の化合物又はその残基との結合を表す)。
【請求項88】
nが独立に2〜7の整数を表す、請求項87記載のアミン化合物。
【請求項89】
nが独立に4〜6の整数を表す、請求項87記載のアミン化合物。
【請求項90】
nが独立に5又は6を表す、請求項87記載のアミン化合物。
【請求項91】
R1が独立に水素基又は-OR3を表す、請求項87記載のアミン化合物。
【請求項92】
R1aが独立に-R2OR3を表す、請求項87記載のアミン化合物。
【請求項93】
mが独立に1〜6の整数を表す、請求項87記載のアミン化合物。
【請求項94】
mが独立に3〜6の整数を表す、請求項87記載のアミン化合物。
【請求項95】
q及びrが0であり、pが2である、請求項87記載のアミン化合物。
【請求項96】
前記アミン化合物又はその残基が、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、セドヘプツロース、ソルボース、ペンタエリトロース、又はそれらの部分的若しくは完全水素化誘導体、或いはそれらの組合せから誘導される、請求項87記載のアミンポリマー。

【公表番号】特表2010−504285(P2010−504285A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526743(P2009−526743)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/019201
【国際公開番号】WO2008/027551
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(508328501)ゲンズイメ コーポレーション (9)
【Fターム(参考)】