説明

データ信頼度インジケータ、データ信頼度表示方法及び患者モニタ

【課題】パルス酸素計から得られるフォト・プレチスモグラフ波形において各パルスの発生を示すデータ信頼度インジケータを提供する。
【解決手段】データ信頼度インジケータは、体の組織からの光の減衰に対応する生理学的センサ出力であって、生理学的センサ出力は1つまたは複数の体組織の生理学的パラメータが表れる生理学的センサ出力と、生理学的センサ出力から導出される複数の生理学的データと、生理学的センサ出力の品質にそれぞれ表す複数の信号品質測度と、信号品質測定の1つにそれぞれ対応する複数のしきい値と、信号品質測度の1つ、及びそれに対応する複数のしきい値の1つにそれぞれ応答する複数の比較器出力と、比較器出力を結合するアラート・トリガ出力と、アラート・トリガ出力に応答して生成される低信号品質警告と、を含み、しきい値はデータにおける信頼度が低い時間にわたって警告が生じるように設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルス酸素測定データ信頼度インジケータに関する。
【背景技術】
【0002】
酸素測定法は、血液中の酸素状態を測定することである。酸素の供給不足によりほんの数分のうちに脳障害が起きたり死亡する結果となり得ることから、医療分野、例えば、救命救急や外科的用途において血液中の酸素水準が低いことを早期に発見することは重要である。パルス酸素測定法は、動脈血の酸素飽和水準、即ち、酸素供給の指標を測定するための広く受け入れられている非侵襲的な治療手段である。パルス酸素計は、一般には患者の酸素飽和度の数値を読み出し、脈拍数の数値を読み出し、各パルスに応答して生じる可聴表示や「呼び出し音(ビープ音)」を付与する。さらに、パルス酸素計は、長時間にわたり拍動性の動脈血流によって引き起こされる照射組織における血液容量の変化の視覚化である、患者のプレチスモグラフ波形を表示することもできる。プレチスモグラフは、患者の脈拍や脈拍数をさらに示す表示装置を備えている。
【0003】
パルス酸素測定システムは、患者に取り付けられるセンサ(例えば、非侵襲センサ等)、モニタ、及びセンサとモニタを接続するケーブルから構成される。従来、パルス酸素測定センサは、赤色及び赤外線(IR)の発光ダイオード(LED)エミッタと、フォトダイオード検出器とを備えていた。このセンサは患者の指やつま先、又は患者が小さな子供であれば、その足に取り付けられるのが一般的である。指に取り付ける場合、センサは、エミッタが指の爪を通して、血管と下側の毛細血管内に光を投影するように構成されている。フォトダイオードは、指の組織から出てくるLED透過光を検出するために指の爪の反対側にある指先に位置決めされる。
【0004】
パルス酸素測定モニタ(パルス酸素計)は、センサによって放出される2つの波長の動脈血による差分吸収を計算することによって酸素飽和度を決定する。パルス酸素計は、センサのLEDエミッタを作動させることと、フォトダイオード検出器によって生成される結果として生じる電流を読み取ることを交互に行なう。この電流は検出された光の強度と比例する。パルス酸素計は、検出された赤色及び赤外線の各強度の比率を計算し、得られた比率に基づいて動脈の酸素飽和度が経験的に決定される。パルス酸素計は、センサを制御し、センサ信号を処理し、さらに患者の酸素飽和度と脈拍数を表示するための回路構成を含む。パルス酸素計は、従来の技術において説明されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
図1は、パルス酸素計から得ることのできる標準プレチスモグラフ波形100を示している。この波形100は、x軸120に沿って示される時間にわたって、y軸110に沿って示される血液量を示している。プレチスモグラフ波形100の形状は、拍出量、圧力こう配、動脈伸縮性、及び末梢抵抗を含む生理的条件の関数である。理想的な波形100は、3乃至4倍の長さにわたる流出位相140に引き続いて短時間での急こう配の流入位相130を含む、広範囲の末梢流動曲線を示す。流入位相130は、心室収縮期の間における急激な血液量の流入による組織拡張の結果である。流出位相140の間に、血流は拡張期の血管床へと続く。終端拡張期基線150は最小基部組織潅流を示している。流出位相140間に重複切痕160があり、その本質は論議されている。一般的に、重複切痕160は心室収縮期の終わりにおける大動脈弁の閉鎖が原因とされている。しかしながら、これは、大動脈弁の開口と同時に発生し、動脈血流の波動に先行する初期の高速伝搬圧脈の周辺から反射する結果ともいえる。二重の重複切痕は時には観察されることがあるが、その説明は明らかにされておらず、異なる時刻にセンサに到達する反射作用の結果である可能性もある。
【0006】
図2乃至図4は、種々の異形(変則性)を表示するプレチスモグラフ200、310、360を示している。図2において、波形200は2つの不整脈210、220を示している。図3において、波形310は、従来のプレスチモグラフ100(図1)が乱れている歪みを示している。図4は、適応フィルタリングによって歪みが取り除かれた後の、フィルタ処理された波形360を示している(特許文献1を参照)。図4では、波形360がフィルタ処理されたとはいえ、結果として生じるパルス362が図1に示されたパルスと比較して歪められた形状を有することを示している。
【0007】
パルス酸素計の好ましい特徴は、患者の脈拍に応じて生成される可聴「ビープ」音調である。従来、ビープ音は、プレチスモグラフ波形のある側面を認識することから生じられる。このような波形を誘因とするビープ音は図2に表示されるものと同様の不整脈を示すことがあるが、図3及び図4に示されるように、モーション・アーチファクト又はノイズによる波形の歪みの結果として誤ったパルス表示をもたらすこともある。この特徴的な結果となるのは、このビープ音機構が依存するプレチスモグラフ波形形状において歪み及び不整脈がともに結果として変則性を生じるからである。あるいはまた、ビープ音は平均脈拍数に設定される時間基準から生じられることもある。信号処理は、歪みにより引き起こされた誤差に影響されにくい平均脈拍数を生成し得る。平均脈拍数に基づくパルスビープ音は歪みの発現に対し比較的感度が低いが、不整脈に対しても同様に感度が低い。
【0008】
歪みが存在するところで脈拍数を決定する例は、従来技術において述べられ(例えば、特許文献2を参照)、これは本件の譲受人に譲渡され、本明細書中に参考のために組み込まれる。歪みが存在するところで脈拍数を決定する別の例もまた、従来技術において述べられ(例えば、米国特許出願第09/471,510号(「プレチスモグラフ・パルス認識プロセッサ(Plethysmograph Pulse Recognition Processor)」、1999年12月23日出願)を参照)、これは本件の譲受人に譲渡され、本明細書中に参考のために組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,632,272号
【特許文献2】米国特許第6,002,952号(「信号処理装置及び方法(SignalProcessing Apparatus and Method)」、1997年4月14日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明によるパルス酸素測定データ信頼度インジケータは、患者の脈拍の発生を識別するためにプレチスモグラフ表示を補足し、さらに飽和度及び脈拍数の計算値における信頼度を示すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の1つの態様は、波形にほとんど、若しくは何の歪みもないか、あるいは大きな歪みがあるかを決定する決定要素を有するプロセッサである。ほとんど歪みがない場合、決定要素は、波形解析器によって認識される生理学上許容可能なパルスとリアルタイムでトリガをもたらす。大きな歪みがある場合、決定要素は、波形パルスが検出される場合には、平均脈拍数に同期的に基づいてトリガをもたらす。トリガは、大きな歪みの発生に対し感度の低い音響パルスビープ音を生成するために使用できるが、不整脈の発生に応答することができる。
【0012】
パルス酸素計の別の好ましい特徴は、患者の脈拍の視覚的表示である。従来、これは図1に示すようなプレチスモグラフ波形の時間対振幅の表示によって行なわれていた。モニタの一部は、プレチスモグラフ振幅の光バー表示ができるにすぎなかった。にもかかわらず、両タイプの表示は、プレチスモグラフ波形の比較的小さな歪みがある場合にのみ患者の脈拍を十分に表示していた。図3Aに示すように大きな歪みがある場合、このディスプレイでは患者の脈拍に関する情報は実際にはもたらされない。
【0013】
パルス酸素計の更に別の望ましい特徴は、入力データにおける信頼度の表示である。従来、比較的小さな歪みを示すプレチスモグラフ波形の表示装置は、入力データにおける信頼度のレベルが高く、これに対応するパルス酸素計の飽和度と脈拍数の各出力における信頼度が高いことを示した。しかしながら、歪みのある波形は、特にパルス酸素計が動作アーチファクトの存在下で機能するように指定されると、入力データ、ならびに結果としての飽和度及び脈拍数の各出力において信頼度が低いことを必ずしも示すとは限らない。
【0014】
本発明の別の態様は、視覚パルス・インジケータを作成するために上記の決定要素トリガとともに使用されるデータ完全性インジケータの生成である。視覚パルス・インジケータは、プレチスモグラフ波形表示とともに提供され得る振幅対時間の表示である。トリガは、プレチスモグラフ脈拍と同期的な振幅スパイクを生成するために使用される。データ完全性インジケータは、測定値における信頼度に比例してスパイクの振幅を変化させる。
【0015】
本発明の更に別の態様は、複数のパルスを含むプレチスモグラフ波形を入力として有する処理装置である。このプロセッサは、パルスの発生と同期的にトリガを生成する。プロセッサは、入力として波形を有し、パルスの形状に応答する波形解析器を含む。プロセッサはまた、波形が実質的に歪みがない場合に波形解析器出力に応答し、また波形が大きく歪みがある場合に脈拍数に応答する決定要素を含む。トリガは、パルス発生の音響又は視覚インジケータを生成するために使用できる。データ完全性の測度は、酸素飽和度や脈拍数等の測定値において信頼度を同時に表示できるように音響又は視覚インジケータを変更させるために使用することもできる。
【0016】
本発明の更なる態様は、プレチスモグラフ波形においてパルスを表示する方法である。この方法は、波形における歪みの測度を導出し、その測度に従ってトリガ基準を設定し、トリガをもたらすようにそのトリガ基準が満たされているかどうかを決定し、トリガの発生と同時にパルス表示を生成するそれぞれのステップを含む。上記導出するステップは、波形の完全性に関連して第1の値を計算し、波形において認識可能なパルスに関連して第2の値を計算し、これら第1と第2の各値を結合して歪み測度を導出するそれぞれのサブステップを含む。トリガ基準は、波形の形状に基づき、平均脈拍数に基づくこともある。
【0017】
本発明のもう1つの態様は、プレチスモグラフ波形においてパルスの発生を表示するための装置である。この装置は、波形における生理学的パルスを認識するための波形解析手段を含む。さらに、波形における歪みの測度を決定するための検出手段と、音響又は視覚パルス・インジケータをトリガするための決定手段も含まれる。この決定手段は、歪み測度に従って、生理学的パルスと、あるいは脈拍数に基づいている。
【0018】
本発明の別の態様は、生理学的センサ出力から導出される複数の生理学的データと複数の信号品質測度を含むデータ信頼度インジケータである。複数の比較器出力はそれぞれ、測度の1つと、複数のしきい値の内の対応する1つに応答する。アラート・トリガ出力は前記比較器出力を結合し、低信号品質警告は、前記アラート・トリガ出力に応答して生成される。しきい値は、データにおける信頼度が低い時間にわたって警告が発生するように設定される。1つの実施の形態において、警告は、視覚パルス・インジケータを補完する表示メッセージであり、表示メッセージは、視覚パルス・インジケータが最大目盛の3分の1より小さい振幅を有する場合に低信号品質を示す。別の実施の形態において、信号品質測度は完全性の測度、脈拍数密度の測度、及び調波比率の測度である。特定の実施の形態において、しきい値は、完全性値が0.3未満、脈拍数密度値が0.7未満、及び調波比率値が0.8未満である。
【0019】
さらに別の実施の形態において、データ用のフィルタは平滑化データ出力を生成する。平滑化データ出力の調整は、信号品質測度の少なくとも1つが減少すると平滑化データ出力での平滑化が増大するような、信号品質測度の少なくとも1つの関数である。アラーム・トリガは、平滑化データ出力が所定の範囲にない場合にアラームを生成するために平滑化データ出力に応答する。特定の実施の形態において、フィルタはバッファ入力と遅延出力とを有するバッファを含む。バッファ入力はデータに対応し、遅延出力は調整に従ってタイムシフトされる。第1のフィルタ比較器出力はデータ及びデータしきい値に応答し、第2のフィルタ比較器出力は遅延出力及び遅延出力しきい値に応答する。比較器出力はアラーム・トリガをもたらすように結合される。
【0020】
本発明の更なる態様は、時間依存生理学的データセットと複数の時間依存信号品質測度を生理学的信号から導出するように構成されるプロセッサを含むデータ信頼度インジケータである。バッファは、遅延されたデータセットを生成するために遅延によってデータセットをタイムシフトするように構成され、この遅延は、信号品質測度の少なくとも1つの関数である。インジケータは遅延されたデータセットに対する範囲を設定するしきい値を有する。警告は、データセット及び遅延されたデータセットの各レベルがそのしきい値を超える場合に生成される。1つの実施の形態において、第1の比較器出力はデータ及びしきい値に応答し、第2の比較器出力は遅延されたデータセット及びしきい値に応答する。第1と第2の比較器の各出力の結合は、警告に対するアラーム・トリガをもたらす。データ信頼度インジケータはまた、データセットにおける信頼度が低い場合に警告を生成するように、アラート・トリガをもたらす信号品質測度の結合を含むことがある。
【0021】
本発明の更なる態様は、生理学的センサから信号を取得するステップと、該信号からの生理学的データセットを計算するステップと、該信号から信号品質測度を計算するステップと、信号品質測度の少なくとも1つに基づいてデータセットにおける信頼度をディスプレイ上に表示するステップと、を含むデータ信頼度表示方法である。上記表示するステップは、データセットに障害が生じ得る時間にわたって低信号品質期間を検出するために信号品質測度を利用し、その時間の少なくとも一部においてディスプレイ上にアラート・メッセージを書き込むサブステップを有する。更なる利用するサブステップは、複数のトリガ入力を生成するために信号品質測度のそれぞれを複数のしきい値の対応する1つと比較し、低信号品質警告をトリガするためにトリガ入力を結合させることを含む。更なるステップとして、データセットに対するアラーム限界を設定し、アラーム限界に基づいてアラーム・トリガを生成するようにデータセットをフィルタ処理し、低信号品質期間にわたって更なるフィルタ処理が適用されるように信号品質測度の少なくとも1つに従ってフィルタ処理ステップの特性を調整することが挙げられる。1つの実施の形態において、フィルタ処理ステップは、遅延されたデータセットを生成するためにデータセットをタイムシフトするサブステップと、第1のトリガ入力を生成するためにデータセットをしきい値と比較するサブステップと、第2のトリガ入力を生成するために遅延されたデータセットをしきい値と比較するサブステップと、アラーム・トリガを生成するためにトリガ入力を結合させるサブステップと、を含む。
【0022】
本発明のさらにもう1つの態様は、生理学的センサから信号を取得するステップと、該信号から生理学的データセットを計算するステップと、該信号から複数の信号品質測度を計算するステップと、データセットに対しアラームしきい値を設定するステップと、偽のアラームの確率を低減するために信号品質測度の少なくとも1つの関数としてのしきい値を超える場合にアラーム・トリガを遅延させるステップと、を含むデータ信頼度表示方法である。1つの実施の形態において、上記遅延ステップは、遅延されたデータセットを生成するために前記信号品質測度の少なくとも1つの関数である遅延だけデータセットをタイムシフトするサブステップと、第1のリミット出力を生成するためにデータセットとしきい値を比較するサブステップと、を含む。更なるサブステップとして、第2のリミット出力を生成するために遅延されたデータセットをしきい値と比較し、アラーム・トリガを生成するためにリミット出力を結合させることが挙げられる。上記データ信頼度表示方法は、複数のトリガ入力を生成するために信号品質測度のそれぞれを複数のしきい値のうちの対応する1つと比較するステップと、低信号品質警告をトリガするためにトリガ入力を結合させるステップと、を更に含むことがある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】パルス酸素計から得られる標準プレチスモグラフ波形を示す図である。
【図2】不整脈を示すプレチスモグラフ波形を示す図である。
【図3A】歪みによって乱されたプレチスモグラフ波形を示す図である。
【図3B】図3Aの歪みによって乱されたプレチスモグラフに対応するフィルタ処理されたプレチスモグラフを示す図である。
【図4】本発明によるパルス・インジケータの入出力を示す図である。
【図5A】パルス・インジケータの入力の1つの生成を示す図である。
【図5B】パルス・インジケータの入力の1つの生成を示す図である。
【図6】パルス・インジケータの最上位ブロック図である。
【図7】パルス・インジケータの「歪みレベル」部分の詳細なブロック図である。
【図8】図7に示された「歪みレベル」部分の無限インパルス応答(IIR)フィルタのブロック図である。
【図9】パルス・インジケータの「波形解析器」部分の詳細なブロック図である。
【図10】図9に示された波形解析器の「スロープ計算器」部分の詳細なブロック図である。
【図11】パルス・インジケータの「表示決定」部分の詳細なブロック図である。
【図12】標準的なプレチスモグラフと対応する視覚パルス・インジケータとを示すディスプレイである。
【図13】歪められたプレチスモグラフと対応する信頼度の高い視覚パルス・インジケータとを示すディスプレイである。
【図14】歪められたプレチスモグラフと対応する信頼度の低い視覚パルス・インジケータとを示すディスプレイである。
【図15】信号品質アラートの入出力のブロック図である。
【図16】信号品質アラートの機能ブロック図である。
【図17】信頼度に基づくアラームの入出力のブロック図である。
【図18】信頼度に基づくアラームの機能ブロック図である。
【図19A】信頼度に基づくアラームの動作を示す、時間に対する飽和度のグラフである。
【図19B】信頼度に基づくアラームの動作を示す、時間に対する飽和度のグラフである。
【図19C】信頼度に基づくアラームの動作を示す、時間に対する飽和度のグラフである。
【図19D】信頼度に基づくアラームの動作を示す、時間に対する飽和度のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図4は、患者の動脈波のそれぞれに同期している表示の発生を引き起こすためにパルス酸素計に組み込み可能なパルス・インジケータ400を示している。このインジケータ400は、IR信号入力403に基づいて作動し、トリガ出力409及び振幅出力410を生成する。トリガ出力409は、パルス表示として一定持続期間可聴「ビープ」音を生成するためにパルス酸素計モニタ内でトーン発生器に接続され得る。その代わりに、あるいは更に加えて、トリガ出力は、視覚パルス表示を生成するためにパルス酸素計モニタ内で表示生成器に接続され得る。視覚パルス表示は、CRT、LCDディスプレイや、同様の表示装置上の連続的水平トレースになり得るが、そこでは垂直的スパイクが以下に詳述されるように、患者の脈拍と同期的にトレースに発生する。あるいはまた、視覚パルス表示は、垂直又は水平に配列されたLED又は同様の表示装置のスタック等のバー表示装置であってもよく、そこではバーが患者のパルスと同期して脈動する。
【0025】
振幅出力410は、入力データの完全性、及びそれに対応するパルス酸素計の飽和度及び脈拍数の各出力における信頼度を示すために可聴又は視覚的な表示を変更するように使用される。例えば、垂直的スパイクの高さは振幅出力410に比例して変化する可能性があり、そこでは垂直的スパイクの大小はこれに応じて信頼度の高低を示すことになる。別の例として、振幅出力410は、信頼度の高低を同じように示すために、可聴ビープ音の音量を変化させたり、視覚表示を変え(例えば、色等を変え)たりするように使用され得る。トリガ出力409及び振幅出力410が本発明の範囲内において各種の患者の脈拍の可聴及び視覚表示、及びデータの完全性を生成するために利用され得ることは当業者によって認識されるだろう。
【0026】
パルス・インジケータ400に対するその他の入力は、脈拍数401、完全性(INTEG)404、PR密度405、患者タイプ406、及びリセット408を含み、これらは以下で詳述される。ビープ音決定には、低ノイズ又は歪みのない状況における患者のプレチスモグラフのパルス波形に有利に応答するルールベース処理が必要となるが、高ノイズ又は歪みのある状況の間は平均脈拍数に依存するようになる。この「知的(インテリジェント)ビープ」は患者の脈拍を確実に示すが、患者の不整脈、心拍停止状態、さらに同様の不規則性プレチスモグラフに応答する。
【0027】
パルス・インジケータ400に対する脈拍数の入力401は、1分間当たりの患者の脈拍数の周波数を与える。脈拍数は、上記の米国特許第6,002,952号(「信号処理装置及び方法(Signal Processing Apparatus and Method)」)や、米国特許出願第09/471,510号(「プレチスモグラフ・パルス認識プロセッサ(Plethysmograph Pulse Recognition Processor)」)に述べられたように決定することができる。
【0028】
図5Aは、パルス・インジケータ400(図4)に対する完全性入力404の生成を示している。パルス酸素計センサから得られるIR403及びRED502の各信号は、完全性404を出力として有する適応ノイズ消去器500に入力される。完全性出力404は、IR403及びRED502の各入力信号の完全性の測度である。
【0029】
図5Bは適応ノイズ消去器500を示している。基準入力502は、最小自乗アルゴリズムによってそれ自身のインパルス応答を自動的に調整する適応フィルタ520によって処理される。最小自乗アルゴリズムは、ノイズ消去器入力403と適応フィルタ出力522の差510であるエラー信号512に応答する。適応フィルタは、ノイズ消去器出力404においてパワーを最小化するためにアルゴリズムによって調整される。IR403及びRED502の各信号が、これら信号に対する理論上のモデルに対して比較的正常に動作される場合、ノイズ消去器出力404は比較的小さくなる。このモデルは、同一の周波数がIR及びREDの各信号の信号及びノイズ部分に存在することを想定する。それに対して、幾つか例を挙げると、散乱、ハードウェアのノイズ、又はセンサの減結合等の現象が1つの入力信号にその他の信号とは異なる影響を及ぼす場合、ノイズ消去器出力におけるパワーは比較的大きくなる。入力信号モデルと適応ノイズ消去器500に関する更なる詳細は、本件の譲受人に譲渡され、参考のために本明細書に組み込まれる米国特許第5,632,272号(「信号処理装置(Signal Processing Apparatus)」、1997年5
月27日発行)に示されている。
【0030】
PR密度入力405は、波形セグメントの長さによって分割される波形セグメント内における認識可能なパルスの期間の合計の比率である。このパラメータは、生理学的に許容できるパルスを有するとして分類され得る波形セグメントの小数部を示している。1つの実施の形態において、セグメントは、フィルタ処理された入力波形の400個のサンプルのスナップ写真、又は62.5Hz抽出率(サンプリングレート)におけるIR波形の6.4秒の「スナップショット」を示している。PR密度の導出は、上記の米国特許出願第09/471,510号(プレチスモグラフ・パルス認識プロセッサ)において説明されている。
【0031】
パルス・インジケータ400に対するその他の入力は、IR入力403、患者タイプ406、及びリセット408である。IR入力403は、公知技術であるように、信号を正規化し、直流成分を除去するために自然対数、帯域フィルタリング、及び基準化(スケーリング)を考慮することによって前処理される検出IR信号である。患者タイプ406は、成人用センサか、又は新生児用センサのいずれが使用中であるかを示すブール値である。リセット408は、例えば新しいセンサが取り付けられたり、患者ケーブルが再接続される場合に、パワーアップ時及び再較正の間に、パルス・インジケータ400の状態を既知の値に初期設定する。
【0032】
図6は、パルス・インジケータ400の機能ブロック図である。パルス・インジケータ400は、移動バッファ610、歪みレベル関数620、波形解析器630、及び表示決定640を含み、これらは合わせて表示トリガ409を生成する。パルス・インジケータ400はさらに、表示振幅出力410を生成する基準化対数関数650も含む。移動バッファ610はIR入力403を受け取り、患者のプレチスモグラフ入力の固定サイズのセグメントを表わすベクトル出力612を波形解析器630に与える。特定の実施の形態において、出力ベクトルは、IR入力403の19個のサンプルのセグメントである。この波形セグメントのサイズは、パルス発生からパルス・インジケータまでの遅延を低減させる間におけるトレードオフを表わし、これは62.5Hz入力抽出率における0.304秒に等しく、それでも解析するのに十分な大きさの波形セグメントを付与する。この固定サイズのセグメントは、それぞれ新しい入力サンプルで更新され、新しいベクトルはこれに応じて波形解析器630に付与される。
【0033】
歪みレベル関数620は、IR入力信号403に存在する歪みの量を決定する。歪みレベル関数620に対する入力は、完全性入力404及びPR密度入力405である。歪み出力622は、IR入力403における歪みが所定のしきい値より上にある場合に「真」であるブール値である。歪み出力622は、波形解析器630及び表示決定640に入力される。歪み出力622は、後述されるように波形解析器630に対するしきい値を決定する。歪み出力622はまた、後述されるように、パルス表示が発生し得る範囲内で画面サイズに影響を与える。歪み出力622は、患者タイプ入力406の関数でもあり、これは患者が成人であるか、又は新生児であるかを示している。この依存状態の理由もまた、以下で説明される。
【0034】
波形解析器630は、IR入力403の特定の部分がパルス表示に対し許容できる位置であるかどうかを決定する。波形解析器630に対する入力は、移動バッファ610からのベクトル出力612であり、波形セグメントを作成する。波形セグメント部は、3つの条件のうち1つを満たす場合に、パルスに対する許容基準を満たす。これらの条件は、急下降エッジ、最大値(ピーク)に対し対称位置の中間にあるピーク、及び漸次的に下降する中間におけるピークである。これらの基準のうち1つが満たされる場合、波形解析器「品質」出力632は「真」である。歪み出力622の状態に応じて異なる基準が適用され、これはまた、波形解析器入力でもある。歪み出力622が歪みを示していない場合、厳密な基準が波形に適用される。歪み出力622が歪みを示す場合、より柔軟性のある基準が波形に適用される。患者タイプ406によって示されるように、成人及び新生児の患者から得られる波形に対しては異なる基準が適用される。以下で特定の基準についてさらに詳細に述べる。
【0035】
表示決定640は、入力波形の特定のサンプル地点でパルス表示をトリガすべきかどうか決定する。具体的に言うと、表示決定640は、入力波形上でパルス表示をトリガするための適確な位置であるかどうか、さらに最後のパルス表示からの時間が、別のパルス表示をトリガするために適確な時間となるのに十分に長いかどうかそれぞれ決定する。パルス表示をトリガするための適確な位置に関する決定は解析器出力632の関数であり、これは表示決定640の1つの入力である。表示トリガの適確な時間に関する決定は歪み出力622の状態の関数であり、これは表示決定640に対する別の入力である。歪み出力622が「偽」である場合、即ち、歪みが入力波形において検出されない場合、最後のインジケータからの固定最小時間間隔が発生するはずである。特定の実施の形態において、この最小時間間隔には10個のサンプルがある。歪み出力622が「真」である場合、即ち、歪みが入力波形において検出された場合、最小時間間隔は脈拍数入力401の関数である。この脈拍数依存しきい値は更に後述される。
【0036】
図7は、歪みレベル関数620の詳細ブロック図である。歪みレベル機能は2つの段階を有する。第1の段階702は完全性及びPR密度の各入力をフィルタ処理する。第2の段階704は、フィルタ処理された完全性入力404とPR密度405の入力、及びフィルタ処理されていないそれぞれの入力の両方に基づいて歪みが存在するかどうか決定する。第1のステージ構成要素は、完全性入力404に対する第1の無限インパルス応答(IIR)フィルタ710、及びPR密度入力405に対する第2のIIRフィルタ720である。
【0037】
図8は、IIRフィルタ710、720(図7)の構造を示している。これらフィルタはそれぞれ、遅延素子入力812からの1サンプル遅延を遅延素子出力814に付与する遅延素子810を有する。重み付き入力値834と重み付きフィードバック値844を合計する加算器820は遅延素子入力812を与える。第1のマルチプレクサ830は、入力802と第1の定数832、c1との積から重み付き入力値834を生成する。第2の
マルチプレクサ840は、遅延素子出力814と第2の定数842、c2との積から重み
付きフィードバック値844を生成する。この構造によると、第1の出力804は、以下の通りである。
出力n=c1ξ入力n+c2ξ出力n-1 ・・・(1)
即ち、n番目の出力804は入力及び前出力の重み付き平均であり、加算平均の量はc1
及びc2の相対値によって決定される。
【0038】
図7に示すように、2つのIIRフィルタ710、720はそれぞれ、入力信号に異なる相対加重値を付加する。1つの実施の形態において、加重値は完全性フィルタ710では一定であり、PR密度フィルタ720では患者タイプの関数である。特に、完全性フィルタ710では、c1=0.2及びc2=0.8である。PR密度フィルタ720では、マルチプレクサ730と減算740の組み合わせが、c1とc2の各値を患者タイプ406の関数として設定する。信号が成人によるものである場合、c1=0.2及びc2=0.8である。信号が新生児によるものである場合、c1=0.5、c2=0.5である。新生児の脈拍数は一般に成人のそれよりも高いことから、PR密度の変化はそれほど速くなく、したがって適用されるフィルタ処理はより少ない。
【0039】
図7はまた、歪みの存在を決定するためのしきい値論理750を有する第2のステージ704を示している。しきい値論理750に対する入力は、完全性404、PR密度405、フィルタ処理された完全性712、及びフィルタ処理されたPR密度722である。しきい値論理750はまた、患者タイプ406にも依存する。歪み出力622は、歪みが存在する場合、「真」であり、歪みが存在しない場合、「偽」であるブール値である。1つの実施の形態において、歪み出力622は以下のように計算される。
成人:
歪み出力 =
(Integ>0.01)+(フィルタ処理された完全性>0.0001)ξ(フィルタ処理されたP
R密度<0.7) ・・・(2)
新生児:
歪み出力=(Integ>0.05)+
((フィルタ完全性>0.005)+(PR密度=0))ξ(フィルタ処理されたPR密度<0.8) ・・・(3)
ここで、論理「and」(論理積)は乗算「ξ」として示され、論理「inclusive or」(包
含的論理和)は加算「+」として示される。
【0040】
図9は、波形解析器630の詳細なブロック図である。上記のように、波形解析器630は、3つの形状基準に基づいており、これらは急下降エッジ検出器910、対称ピーク検出器920、及び漸次的減少傾向検出器930で実施される。「or」関数940は波形解析器出力632を生成し、これはこれら基準のいずれかが満たされる場合に「真」の値を有する。波形解析器630に対する入力は、バッファ610(図6)からのIR波形サンプル612、患者タイプ406、及び歪みレベル関数620(図6)からの歪み622出力である。IR波形サンプル612は、プレチスモグラフ波形セグメントを表わす19サンプルのベクトルである。スロープ計算器950及びピーク/スロープ検出器960は、形状基準構成要素910、920、930に対し入力を与える。
【0041】
図10に示すように、スロープ計算器950は、下りこう配出力952上で与えられる下りこう配値と、上りこう配出力954で与えられる上りこう配値を計算するために、IR波形サンプル612に基づいて作動する。下りこう配及び上りこう配の各値は、中間地点と、最後と最初の地点との差であるようにそれぞれ定義されていて、62.5/9の因数によって基準化される。倍率は、19サンプルIR波形612における中間地点と最終地点との間のサンプル数、即ち、9によって分割される、抽出率、即ち、62.5Hzである。スロープ計算器950は、中心サンプル、最も左側のサンプル、及び最も右側のサンプルをIR波形612から決定する要素セレクタ1010を有する。ブロックからスカラーへの関数1020は、左側サンプル出力1022と中心サンプル出力1024を第1の減算器1030に付与し、中心サンプル出力1024と右側サンプル出力1028を第2の減算器1040に付与する。中心の値から右側サンプル値を差し引いた第1の減算器出力1032は、下りこう配出力952を生成する第1の乗算器1050によって62.5/9を単位として基準化される。中心の値から左側サンプル値を差し引いた第2の減算器出力1042は、上りこう配出力954を生成する第2の乗算器1060によって62.5/9を単位として基準化される。
【0042】
図9に示すように、ピーク/スロープ検出器960はスロープ計算器950のように、IR波形サンプル612を入力として有する。ピーク/スロープ検出器960は、ピーク出力962及びスロープ出力964の2つのブール出力を有する。ピーク出力962はその入力波形がピークを含む場合、「真」である。スロープ出力964は、その入力波形がスロープを含む場合、「真」である。ピーク出力962及びスロープ出力964はまた、ピーク/スロープ検出器960に対する患者タイプ406に依存する。1つの実施の形態において、ピーク出力962及びスロープ出力964は以下のように計算される。
成人:
ピーク出力=(In9>0) 3i=1(In7−In7-i>0) 9i=3(In9−In9+i
>−0.05) ・・・(4)
スロープ出力=(In9>0) 18i=3(Ini-1−Ini>−0.005)
・・・(5)
新生児:
ピーク出力=3i=1(In7−In7-i>0) 9i=3(In9−In9+i>−0.05)
・・・(6)
スロープ出力=18i=3(Ini-1−Ini>−0.005) ・・・(7)
ここで、Iniは、19サンプルIR波形612におけるi番目の波形サンプルである。
【0043】
図9は、入力波形セグメントの形状が急下降エッジ基準を満たすかどうか決定する波形解析器630のサブコンポーネントである、急下降エッジ検出器910を示している。これを実行するために、エッジ検出器910は、その下りこう配値が一定のしきい値よりも大きいか、さらにピークが存在するかどうか決定する。エッジ検出器910は、スロープ計算器950からの下りこう配出力952、スロープ/ピーク検出器960からのピーク出力962、歪みレベル関数620(図6)からの歪み出力622、及び患者タイプ406を入力として有する。エッジ検出器出力912は、波形形状基準が満たされる場合、「真」であるブール値である。1つの実施の形態において、エッジ検出器出力912は以下のように計算される。
成人且つ歪みなし:
エッジ出力=(下りこう配出力>3)ξピーク出力 ・・・(8)
新生児且つ歪みなし:
エッジ出力=(下りこう配値>1)ξピーク出力 ・・・(9)
歪み有り(成人又は新生児):
エッジ出力=(下りこう配値>0.65)ξピーク出力 ・・・(10)
【0044】
図9は、波形が対称ピークを含むかどうか決定する波形解析器630のサブコンポーネントである、対称ピーク検出器920を示している。これを実行するために、対称ピーク検出器920は、下りこう配と上りこう配との絶対値の差が小さい場合、さらにピークが存在する場合、下りこう配及び上りこう配の各値が一定のしきい値よりも大きいかどうか確認する。対称ピーク検出器920は、スロープ計算器950からの下りこう配出力952と上りこう配出力954、スロープ/ピーク検出器960からのピーク出力962、歪みレベル関数620(図6)からの歪み出力622、及び患者タイプ406を入力として有する。対称ピーク出力922は、波形形状基準が満たされる場合、「真」であるブール値である。1つの実施の形態において、対称ピーク出力922は以下のように定義される。
成人:
対称ピーク出力=偽 ・・・(11)
新生児且つ歪みなし:
対称ピーク出力=
(下りこう配>1)ξ(上りこう配>1)ξ(|下りこう配−上りこう配|δ0.5)ξピーク ・・・(12)
新生児且つ歪み有り:
対称ピーク出力=
(下りこう配>0.35)ξ(上りこう配>0.35)ξ(|下りこう配−上りこう配|δ0.5)ξピーク ・・・(13)
【0045】
図9はさらに、波形が漸次的減少傾向を含むかどうか決定する波形解析器630のサブコンポーネントである、漸次的減少傾向検出器930を示している。これを実行するために、減少傾向検出器930は、下りこう配及び上りこう配の各値の差が2つのしきい値の間にあるかどうか、さらにスロープが存在するかどうか確認する。減少傾向検出器930は、スロープ計算器950からの下りこう配出力952と上りこう配出力954、スロープ/ピーク検出器960からのスロープ出力964、歪みレベル関数620(図6)からの歪み出力622、及び患者タイプ406を入力として有する。減少傾向出力932は、波形形状基準が満たされる場合、「真」であるブール値である。1つの実施の形態において、減少傾向出力932は以下のように定義される。
成人且つ歪みなし:
減少傾向=(3<(下りこう配−上りこう配)<6)ξスロープ
・・・(14)
新生児且つ歪みなし:
減少傾向=(0.5<(下りこう配−上りこう配)<2)ξスロープ
・・・(15)
歪み有り(成人又は新生児):
減少傾向=(0.5<(下りこう配−上りこう配)<8)ξスロープ
・・・(16)
【0046】
図11は、表示決定640サブコンポーネントの詳細なブロック図である。表示決定640の第1の段階1102では、その時間間隔の後にパルス・インジケータが発生し得る最小時間間隔を決定する。第2の段階1104では、最終インジケータに続くサンプルの数が最小許容パルスギャップよりも大きいかどうか決定する。第3の段階1106は、パルス表示トリガを生成すべきかどうか決定する。トリガが発生しない場合、サンプル計数が増分される。表示トリガが発生すると、サンプル計数はゼロにリセットされる。
【0047】
図11に示すように、第1の段階1102は、除算器1110、切捨て(トランケーション)1120、及び第1のマルチプレクサ1130を有する。これらの構成要素は、パルス表示間の最小許容ギャップを設定する機能がある。歪みがない状態で、最小ギャップには10個のサンプルがある。歪みがある状態では、ギャップは脈拍数で決定される。具体的に言うと、歪みがある状態で、最小ギャップは、脈拍数入力401によって決定されるようにパルス間のサンプル数の80%に設定される。これは、サンプル周波数、62.5Hzを0.8倍して1秒当たりの脈拍数によって除算したものとして、即ち、以下のように計算される。
最小ギャップ(=0.8×(60/脈拍数)×62.5=3000/脈拍数)
・・・(17)
【0048】
除算器1110は3000/脈拍数を計算する。除算器出力1112は、整数値に切り捨てられる(1120)。第1のマルチプレクサ1130は、歪み入力622が「偽」である場合、10個のサンプルのいずれかとして最小ギャップを選択し、歪み入力622が「真」である場合、3000/脈拍数の切捨て値を選択する。この選択値は、マルチプレクサ出力1132に与えられ、これは第2の段階1104に送られる。第2の段階1104は比較器1140であり、これは、カウンタ出力1152が第1のマルチプレクサ出力1132で付与される最小ギャップ値以上の値を有する場合、「真」であるブール出力1142を与える。
【0049】
図11は、カウンタ及び「論理積(and)」関数を有する第3の段階1106を示して
いる。カウンタは、カウンタ出力1152を与える遅延要素1150、加算器1160、及び第2のマルチプレクサ1170を含む。カウンタが初期設定されると、第2のマルチプレクサ1170はマルチプレクサ出力1172にゼロ値を与える。マルチプレクサ出力1172は遅延要素に入力され、遅延要素はカウンタ出力1152に値を与える前に1つのサンプル期間だけマルチプレクサ出力値を遅延させる。カウンタ出力1152は加算器1160によって1つだけ増分される。加算器出力1162は第2のマルチプレクサ1162に入力され、上記のように、第2のマルチプレクサは、カウンタが初期設定される場合を除いてマルチプレクサ出力1172として加算器出力1162を選択する。カウンタは、パルス表示トリガ409が「and」要素1180の出力によって決定されるように「
真」である場合、ゼロに初期設定される。「and」要素1180は、比較器出力1142
が「真」であり、波形解析器630(図6)からの品質出力632もまた「真」である場合のみ、「真」の出力を生成する。
【0050】
視覚パルス・インジケータ
動作に伴い、パルス酸素計に表示されるプレチスモグラフは変形されることが多く、アーチファクトによって不明瞭になることもある。動作中に飽和度を正確に計算できるパルス酸素計の出現により、プレチスモグラフだけでは、動脈波又は信号品質を十分に表示できない。本発明による視覚パルス・インジケータは、患者の脈拍の発生を識別するためにプレチスモグラフ表示を補足し、さらに飽和度及び脈拍数の計算値における信頼度を示すことができる。動脈動のピークと一致する垂直ラインとして示される視覚パルス・インジケータは、プレチスモグラフが歪められたりアーチファクトによって不明瞭になる場合でも患者の脈拍を示している。垂直ラインの高さはデータ完全性を示している。高い垂直ラインは飽和度及び脈拍数の測定における信頼度を示し、一方、小さい垂直バーは信頼度が低いことを示している。
【0051】
図12乃至図14は、表示トリガ出力409(図4)及びパルス・インジケータ400(図4)の表示振幅出力410に応答して生成される視覚パルス・インジケータを示している。図12において、上側トレース(追跡)1210は、大きな歪みのない典型的なプレチスモグラフ波形である。下側トレース1260は対応する視覚パルス表示であり、入力波形1210の下向きエッジに対し概して同期的である一連の比較的大きな振幅スパイクを含む。入力波形1210の歪みが小さいので、パルス表示1260は幾らか冗長的であり、即ち、パルス発生及びデータ信頼度は入力波形のみから視覚的にはっきり理解できる。前述のような次第ではあるが、図12は本発明による視覚パルス・インジケータを示している。
【0052】
図13において、上側トレース1330に示されるプレチスモグラフ波形は大きな歪みを示している。図12の例と対照的に、パルス発生及びデータ信頼度は、入力波形のみから見て明白ではない。しかしながら、対応する視覚パルス・インジケータ1360は、表示スパイクの位置におけるパルス発生を示している。さらに、比較的大きなスパイク振幅は、波形の歪みに関わらず、高度のデータ完全性、及びそれに対応して脈拍と飽和度の計算値における高度の信頼度を示している。
【0053】
図14において、プレチスモグラフ波形1410もまた、かなり大きな歪みを示している。図13の例と対照的に、視覚パルス・インジケータ1460は、波形サンプルの後半部分に対応して比較的振幅の低いスパイクを表示し、データ完全性が比較的低いことを示し、計算による脈拍数と飽和度における信頼度が低いことを示している。
【0054】
信号品質アラート
図15及び図16は、上記の図12乃至図14に関して説明された視覚パルス・インジケータを補完する介護者アラートの生成を示している。信号品質が非常に低い場合、計算による脈拍数と飽和度の正確度は信用できなくなることがあり、介護者警告がなされるのが正当である。このアラートは表示メッセージであったり、固有の音調を有するアラームであったり、あるいは介護人の注意を引くまた別の形式の視覚/音響方法であってもよい。
【0055】
図15に示すように、信号品質アラート1500は、アラート・トリガ出力1510、及び完全性404、PR密度405、調波比率1550の各入力を有する。完全性404及びPR密度405は、上記の図4に関して述べられている。調波比率1550は、心拍数基本周波数を中心とした周波数帯域に含まれるプレチスモグラフ信号エネルギーと、全信号エネルギー量で割り算されるその調波との比率から得られる。歪みのないプレチスモグラフにおける信号エネルギーのほとんどが心拍数及び調波にあることから、調波比率は信号品質の測度を示す。プレチスモグラフ・スペクトル及び対応付けられる周波数の測定は、上記の米国特許第6,002,952号において説明されている。
【0056】
図16に示すように、信号品質アラート1500は、完全性(INTEG)比較器1610、PR密度(PRD)比較器1630、及び調波比率(HR)比較器1650を有する。比較器1610、1630、1650はそれぞれ、入力信号品質の測度404、405、1550が対応するしきい値1612、1632、1652以下に下がる場合にアサートされるブール出力1614、1634、1654を有する。特に、INTEG比較器1610は、信号完全性がINTEGしきい値1612以下に下がる場合にアサートされる低INTEG出力1614を有する。また、PRD比較器1630は、PR密度405がPR密度しきい値1632以下に下がる場合にアサートされる低PRD出力1634を有する。さらに、HR比較器1650は、調波比率1550がHRしきい値1652以下に下がる場合にアサートされる低HR出力1654を有する。
【0057】
図16に示すように、比較器出力1614、1634、1654は、アラート・トリガ出力1510を生成するために論理積と結合される。特に、アラート・トリガ出力1510は、低信号品質出力1614、1634、1654のすべてがアサートされる場合にアサートされるブール値である。このように、アラート・トリガ1510は信号品質測度404、405、1550の組み合わせに応答し、これら測度のすべてが、しきい値入力1612、1632、1652によって決定されるように、信号品質が非常に低いことを示す場合にトリガされる。1つの実施の形態において、信号品質測度404、405、1550のそれぞれが0と1の間で変化し、INTEGしきい値1612は0.3に設定され、PRDしきい値1632は0.7に設定され、さらにHRしきい値1652は0.8に設定される。
【0058】
信号品質アラートを、信号品質測度の完全性、脈拍数密度及び調波比率の結合に関して説明してきたが、信号品質アラートを信号の歪みや乱れ、動作アーチファクト、又はノイズのレベルに関連したその他の測度に基づいてトリガすることもできる。さらに、信号品質アラートを、対応するしきい値と比較されたこれら信号品質測度の論理積の結合に関して説明してきたが、信号歪みや乱れ、動作アーチファクト、又はノイズのレベルに関連したこれらの又は他の測度の種々のその他組み合わせを用いて信号品質アラートをトリガすることもできる。例えば、それぞれ異なるしきい値と比較される信号品質測度のOR(論理和)結合を用いてアラートをトリガすることもできる。別の例として、信号品質測度の算術的結合を信号しきい値と比較してアラートをトリガすることもできる。更なる例として、表示された視覚パルス・インジケータの高さが最大目盛より十分に小さい、例えば、最大目盛の3分の1よりも小さい場合、信号品質アラートをトリガすることもあり得る。
【0059】
信頼度に基づくアラーム
図17及び図18は、酸素飽和度や脈拍数等の生理学的データに応答する信頼度に基づくアラームを示している。本発明による信頼度に基づくアラーム1700は、データ信頼度の高い期間に真のアラームを見落とす確率を低減し、データ信頼度の低い期間に偽のアラームの確率を低減するように適合されている。図17に示すように、信頼度に基づくアラーム1700は、生理学的データ(PD)1710、信号品質測度(SQM)1720、及びアラームしきい値1730を入力として有し、さらにアラーム・トリガ出力1740を有する。PD入力1710は例えば、飽和度又は脈拍数でもよい。SQM入力1720は、データ完全性、脈拍数密度、調波比率、又は、その他の測度や、信号歪みや乱れ、動作アーチファクト、若しくは動作によるノイズ、ノイズのレベルに関した測度の結合でもあり得る。アラーム・トリガ1740は、患者のバイタルサインがアラームしきい値1730によって設定されるような許容範囲内にないこと、例えば、最小飽和度であったり、脈拍数が最大若しくは最低であることを生理学的データが示す時にはいつでも介護者に警告する音響及び/又は視覚的な警告を起動する。特定のパルス酸素計には1つ以上のアラーム1700がある。
【0060】
図18に示すように、信頼度に基づくアラーム1700は、PD比較器1810、データバッファ1830、及び表示されたPD(DPD)比較器1850を有する。PD比較器1810は、PD1710とアラームしきい値1730の各入力、及びPDリミット1814の出力を有する。PDリミット1814はブール値であり、PD入力1710が生理学的測度に依存して上方又は下方に、アラームしきい値1730を超える場合、アサートされる。データバッファ1830は遅延ラインとしての働きをし、表示されたPD(DPD)データ1832を生成するためにSQM入力1720の関数である値だけPDデータ1710をタイムシフトする。DPD比較器は、DPD1832とアラームしきい値1730の各入力、及びDPDリミット1854の出力を有する。DPDリミット1854は、PDリミット1814と同様にDPD入力1832がアラームしきい値入力1730を超える場合にアサートされるブール値である。代わりの実施の形態において、PD比較器1810及びDPD比較器1850へのしきい値入力は異なるレベルに設定される。信頼度に基づくアラーム1700はまた、アラーム・トリガ1740を生成するためにPDリミット1814とDPDリミット1854の各出力を結合する論理積を有する。アラーム・トリガ1740は、PDリミット1814とDPDリミット1854がアサートされる場合にアサートされるブール値である。
【0061】
図18に示すように、信頼度に基づくアラーム1700は、偽のアラームを低減するために、データバッファ1830遅延よりも短い持続時間の間アラーム限界以下にある生理学的データPD1710のこれら特徴を排除する。一般に、偽のアラームの確率を軽減することは、真のアラームを見落とす確率を増加させる。有利なことに、バッファ遅延は信号品質測度1720の関数であるので、偽のアラームの確率は信号品質が低い場合に減少され、信号品質が高い場合に真のアラームを見落とす確率は減少される。
【0062】
図19A乃至図19Dは、本発明による信頼度に基づくアラームの1つの実施の形態の作用を示している。図19Aは、遅延ゼロのアラームを示している。図19B乃至図19Dは、遅延量の増加に伴うアラームを示している。図19Aは、飽和度(SpO2)を示す縦軸1901と、時間を示す横軸1902を有するチャート1900である。アラームしきい値1906は、アラームしきい値入力1730(図17)に対応して、縦軸1901に沿って示される。飽和度データ1910は、PD1710(図17)に対応するように描画されている。飽和度データ1910がアラームしきい値1906以下に下がると、アラームは直ちにトリガされ、飽和度データがしきい値1906以下にある期間は、アラームが持続する。
【0063】
図19Bは上記のように同一のチャート1900であるが、短期遅延1940だけ飽和度データ1910からタイムシフトされるDPD1832(図18)に対応する遅延された飽和度データ1920を描画している。この例では、飽和度1910及び遅延飽和度1920はともに、時間1950の間にわたってアラームしきい値1906より下にある。この時間1950の間に、アラーム・トリガ1740(図17)は、脱飽和事象が発生しているという音響及び/又は視覚的警報を生成するためにアサートされる。図19Aと比較すると、警報の開始が遅延される(1940)。アラームは、以下で図19Dに関して述べられるように、遅延1940より短い脱飽和事象によってアラームがトリガされないように、飽和度データ1910を平滑化する低域フィルタと同様な働きをする。
【0064】
図19Cは、上記のように同一のチャート1900であるが、飽和度データ1920が中間遅延1960だけ飽和度データ1910からタイムシフトされて遅延されている。この例において、飽和度データ1910がアラームしきい値1906より下にある時間1970全体にわたって、遅延飽和度データ1920もまたしきい値1906より下にある。このように、アラーム・トリガ1740(図17)はアサートされ、警告が発せられることになる。
【0065】
図19Dは、上記のように同一のチャート1900であるが、飽和度データ1920が長期遅延1980だけ飽和度データ1910からタイムシフトされて遅延されている。この例において、飽和度1910がアラームしきい値1906より上に上昇する地点1990では、遅延された飽和度1920がまだ、しきい値1906よりも下に下降していない。したがって、アラーム・トリガ1740(図17)はアサートされず、警告も発せられない。図19A乃至図19Dは、データバッファ遅延を増加させる効果によってアラーム・トリガ1740(図17)の開始がますます遅延されることを示し、また飽和度1910における比較的短期の下降状態は低信号品質状態の間は偽のアラームとなることがあるのだが、さらにフィルタ除去又は平滑化されることを示す。信頼度に基づくアラーム1700(図17)が上記では偽のアラームを低減するためのアラーム遅延に関して説明され、遅延が信号品質の関数であるとされているが、本発明の範囲が生理学的データの信頼度の関数である偽のアラームを低減するためのその他の機構を網羅することは当業者によって認識されるだろう。
【0066】
パルス酸素測定用データ信頼度インジケータは、本発明の種々の実施の形態に関して詳細に説明されてきた。これら実施の形態は各例を挙げて示され、添付される特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲内において多くの変形及び修正が当業者によって理解されるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体の組織からの光の減衰に対応する生理学的センサ出力であって、前記生理学的センサ出力は1つまたは複数の体組織の生理学的パラメータが表れる生理学的センサ出力と、
前記生理学的センサ出力から導出される複数の生理学的データと、
前記生理学的センサ出力の品質にそれぞれ表す複数の信号品質測度と、
前記信号品質測定の1つにそれぞれ対応する複数のしきい値と、
前記信号品質測度の1つ、及びそれに対応する前記複数のしきい値の1つにそれぞれ応答する複数の比較器出力と、
前記比較器出力を結合するアラート・トリガ出力と、
前記アラート・トリガ出力に応答して生成される低信号品質警告と、
を含み、前記しきい値は、前記データにおける信頼度が低い時間にわたって前記警告が生じるように設定される、データ信頼度インジケータ。
【請求項2】
前記警告が視覚パルス・インジケータを補完する表示メッセージであり、前記表示メッセージが、前記視覚パルス・インジケータの振幅が最大目盛の3分の1より小さい場合に低信号品質を示す、請求項1に記載のインジケータ。
【請求項3】
前記信号品質測度が、完全性測度、脈拍数密度の測度、及び調波比率の測度の内の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のインジケータ。
【請求項4】
前記データに対する平滑フィルタと、
前記信号品質の測度の内の少なくとも1つの関数である前記平滑フィルタに対する調整手段と、
前記データに対する所定のアラームしきい値と、
前記平滑フィルタと前記アラームしきい値に応答するアラーム・トリガと、
をさらに含む、請求項1に記載のインジケータ。
【請求項5】
前記フィルタが、
入力として前記データと、前記調整手段によってタイム・シフトされる前記データである遅延出力とを有するバッファと、
前記データ及び前記しきい値に応答する第1の比較器出力と、
前記遅延出力及び前記しきい値に応答する第2の比較器出力と、
を含み、前記比較器出力が前記アラーム・トリガをもたらすように結合される、請求項4に記載のインジケータ。
【請求項6】
生理学的信号から時間依存生理学的データセットと、複数の時間依存信号品質測度と、を導出するように構成されるプロセッサと、
遅延されたデータセットを生成するために遅延時間だけ前記データセットをタイムシフトするように構成され、前記遅延は前記信号品質測度の内の少なくとも1つの関数である、バッファと、
前記データセット及び前記遅延されたデータセットに対し限界を設けるしきい値と、
前記データセットのレベルと前記遅延されたデータセットとが前記しきい値を超える場合に生成される警告と、
を含む、データ信頼度インジケータ。
【請求項7】
生理学的センサから信号を取得するステップと、
前記信号から生理学的データセットを計算するステップと、
前記信号から複数の信号品質測度を計算するステップと、
前記信号品質測度の少なくとも1つに基づいて前記データセットにおける信頼度をディスプレイ上に表示するステップと、
を含むデータ信頼度表示方法であって、
前記データセットに対しアラーム限界を設定するステップと、
前記アラーム限界に基づいてアラーム・トリガを生成するために前記データセットをフィルタ処理するステップと、
前記低信号品質期間に更なるフィルタ処理が適用されるように、前記信号品質の測度に従って前記フィルタ処理ステップの特性を調整するステップと、
を更に含む、データ信頼度表示方法。
【請求項8】
前記表示するステップは、
前記データセットに障害が生じ得る時間にわたって低信号品質期間を検出するために前記信号品質測度を利用するサブステップと、
前記期間の少なくとも一部にわたって前記ディスプレイ上にアラート・メッセージを書き込むサブステップと、
を含む、請求項7に記載のデータ信頼度表示方法。
【請求項9】
前記利用するサブステップは、
複数のトリガ入力を生成するために前記信号品質測度のそれぞれを複数のしきい値のうちの対応する1つと比較する更なるサブステップと、
低信号品質の警告をトリガするために前記トリガ入力を結合する更なるサブステップと、
を含む、請求項8に記載のデータ信頼度表示方法。
【請求項10】
生理学的センサから信号を取得するステップと、
前記信号から生理学的データセットを計算するステップと、
前記信号から複数の信号品質測度を計算するステップと、
前記データセットに対しアラームしきい値を設定するステップと、
偽のアラームの確率を低減するために、前記データセットが前記信号品質測度の少なくとも1つの関数として前記しきい値を超える場合に、アラーム・トリガを遅延させるステップと、
を含むデータ信頼度表示方法。
【請求項11】
非侵襲センサから取得する生理学的データに応答する1つまたは複数のアラームを有する患者モニタであって、
前記患者モニタは、
生理学的データの入力と、
信号品質測度の入力と、
アラームしきい値の入力と、
アラーム・トリガの出力と、
信頼度が高い場合に真のアラームを見落とす確率を減少し、信頼度が低い場合に偽のアラームの確率を減少するプロセシングデバイスと、
を含む患者モニタ。
【請求項12】
前記生理学的データの入力は、飽和度を含む請求項11に記載の患者モニタ。
【請求項13】
前記生理学的データの入力は、脈拍数を含む請求項11に記載の患者モニタ。
【請求項14】
前記信号品質測度の入力は、データ完全性を含む請求項11に記載の患者モニタ。
【請求項15】
前記信号品質測度の入力は、脈拍数密度を含む請求項11に記載の患者モニタ。
【請求項16】
前記信号品質測度の入力は、調波比率を含む請求項11に記載の患者モニタ。
【請求項17】
前記信号品質測度の入力は、信号歪みを含む請求項11に記載の患者モニタ。
【請求項18】
前記信号歪みは、動作によるノイズを含む請求項17に記載の患者モニタ。
【請求項19】
前記信号歪みは、ノイズを含む請求項17に記載の患者モニタ。
【請求項20】
前記アラーム・トリガの出力は、視覚的なアラームを起動する請求項11に記載の患者モニタ。
【請求項21】
前記アラーム・トリガの出力は、音響のアラームを起動する請求項11に記載の患者モニタ。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【公開番号】特開2009−160415(P2009−160415A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22568(P2009−22568)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【分割の表示】特願2002−588840(P2002−588840)の分割
【原出願日】平成14年5月13日(2002.5.13)
【出願人】(500000212)マシモ・コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】