説明

データ処理装置及び画像形成装置

【課題】不正者によるデータへのアクセス要求からのセキュリティを確保しつつ、適正な操作者によるデータアクセスの利便性を高める。
【解決手段】1以上のデータを記憶するデータ記憶部1701と、これら各データに対応付けられたパスワードを記憶するパスワード記憶部1702と、操作者からアクセス要求を受け付け、アクセス要求が受け付けられたデータについてのパスワードが入力される操作部47と、入力されたパスワードの正当性を判断するパスワード認証部101と、各データのデータ量を削減する画像処理部190と、パスワード認証部101によって前記両パスワードが合致する場合に、前記アクセス要求が受け付けられたデータへのアクセスを操作者に許可し、前記両パスワードが合致しない場合には、前記アクセス要求が受け付けられたデータのデータ量を画像処理部190に削減させる制御部103とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作者から入力されるパスワードが真正であるか否かに応じて、アクセス制限の管理対象としているデータへのアクセスを認めるか否かを制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、操作者から真正なパスワードの入力があった場合に、管理対象としているデータへのアクセスを認め、不正なパスワードが入力された場合には、当該データへのアクセスを拒否する技術が知られている。例えば、下記特許文献1に示されるように、操作者により誤ったパスワードが所定回数以上入力された場合に、操作者に入力を要求するパスワードの文字数を増加させるものがある。また、下記特許文献2に示されるように、操作者がサーバに不正にログインしようとして、誤ったパスワードを所定回数入力した場合には、本来のサーバではない偽サーバにログインさせるコンピュータシステムも提案されている。さらには、下記特許文献3に示されるように、操作者により誤ったパスワードが所定回数以上入力された場合に、アクセスが要求されたデータを全て消去する技術も提案されている。
【特許文献1】特開平7−271729号公報
【特許文献2】特開2001−282739号公報
【特許文献3】特開2005−11151号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記各特許文献に示される従来技術の場合、いずれも、不正者がデータにアクセスしようとした場合のセキュリティは確保されているが、不正者又は適正な操作者のいずれが誤ったパスワードの入力を行ったかに拘わらずアクセスを拒否するため、適正な操作者自身の操作であっても、誤ったパスワードを入力してしまうと、目的のデータにアクセスすることができず、救済されることはない。
【0004】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、不正者によるデータへのアクセス要求からのセキュリティを確保しつつ、適正な操作者によるデータアクセスの利便性を高めることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の発明は、アクセス制限の管理対象とする1以上のデータを記憶するデータ記憶手段と、
前記データ記憶手段に記憶されている各データに対応付けられたそれぞれのパスワードを記憶するパスワード記憶手段と、
前記管理対象とされている各データに対するアクセス要求を操作者から受け付けるアクセス要求受付手段と、
前記アクセス要求受付手段にアクセス要求が受け付けられたデータについてのパスワードが前記操作者から入力されるパスワード入力手段と、
前記パスワード入力手段に入力されたパスワードが、前記パスワード記憶手段に記憶されている前記アクセス要求が受け付けられたデータのパスワードと合致するか否かを判断するパスワード認証手段と、
前記データ記憶手段に記憶されている各データのデータ量を削減するデータ量変更手段と、
前記パスワード認証手段によって前記両パスワードが合致すると判断された場合は、前記アクセス要求が受け付けられたデータへのアクセスを前記操作者に対して許可し、前記パスワード認証手段によって前記両パスワードが合致しないと判断された場合には、前記アクセス要求が受け付けられたデータのデータ量を前記データ量変更手段に削減させる制御手段と
を備えるデータ処理装置である。
【0006】
この構成によれば、操作者からパスワード入力手段に誤ったパスワードが入力されると、データ量変更手段によって、アクセス要求の対象となっているデータのデータ量が削減されるので、不正者が再度の入力で正式なパスワードを入力したとしても、完全な状態のデータにはアクセスさせないようにすることができる。一方、操作者は、誤ったパスワードを入力しても、その後に適正なパスワードを入力すれば、アクセス要求の対象となっている完全な状態のデータにはアクセスできないものの、データ量が削減された不完全な形式の当該データにはアクセスすることができる。これにより、不正者に対する完全な状態のデータについてのセキュリティを確保しつつ、適正な操作者には、データへのアクセスが全く認められないという事態や、データが全て消去されるという事態が回避されて、データアクセスの利便性が高められるというメリットがある。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のデータ処理装置であって、前記アクセス要求が受け付けられたデータについて前記パスワード入力手段にパスワードが入力された回数をカウントする入力回数カウント手段を更に備え、
前記制御手段は、前記入力回数カウント手段にカウントされたパスワード入力回数が予め定められた第1の値以上となった場合に、前記アクセス要求が受け付けられたデータのデータ量を前記データ量変更手段に削減させるものである。
【0008】
この構成によれば、パスワード入力回数が予め定められた第1の値以上となるまでは、アクセス要求が受け付けられたデータのデータ量が削減されないので、第1の値を変化させることで、完全なデータに対するセキュリティレベルと利便性のいずれを向上させるかを調整することができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のデータ処理装置であって、前記制御手段は、前記入力回数カウント手段にカウントされたパスワード入力回数が予め定められた第1の値に達した後、当該パスワード入力回数が予め定められた回数だけ増加する度に、前記データ量変更手段に、前記アクセス要求が受け付けられたデータのデータ量を、予め定められたデータ量分削減させるものである。
【0010】
この構成によれば、パスワード入力回数が、予め定められた第1の値に達した後は、不正なパスワードの入力回数の増加に応じて徐々にデータ量が低減されていくので、何度も繰り返してパスワードを入力する不正者である可能性が高い者に対しては、データ削減量を増加してセキュリティを高めることができ、パスワードの入力を誤る回数が少ないと想定される適正な操作者に対してはデータ削減量を減らして、データアクセスの利便性を高めることができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のデータ処理装置であって、前記制御手段は、前記入力回数カウント手段にカウントされたパスワード入力回数が、前記第1の値よりも大きい予め定められた第2の値に達した場合には、前記データ量変更手段による前記データ量の削減処理を停止させるものである。
【0012】
この構成によれば、パスワード入力回数が、第1の値よりも大きい予め定められた第2の値に達した後は、データ量の削減処理が停止されるので、何度も繰り返して誤ったパスワードが入力された場合に、パスワード入力回数が第2の値に達するまではデータ量を削減して不正者に対するセキュリティを高める一方、パスワード入力回数が第2の値に達した後は、データを削減せずにデータ内容を確保することで、適正な操作者に対するデータ有効性を確保することができる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のデータ処理装置であって、前記制御手段は、前記入力回数カウント手段にカウントされたパスワード入力回数が予め定められた第1の値に達し、前記アクセス要求が受け付けられたデータのデータ量が前記データ量変更手段によって削減された後、前記パスワード入力手段に、データ復元用の第2パスワードが操作者から入力された場合には、前記データ量変更手段に、前記アクセス要求が受け付けられたデータを、データ量が削減されていない元の状態に復帰させるものである。
【0014】
この構成によれば、データのデータ量が削減された後であっても、操作者からデータ復元用の第2パスワードが入力されると、当該データが、データ量の削減されていない元の状態に復帰するので、適正な操作者は、データアクセス用の本来のパスワードと、データ復元用の第2パスワードとを使い分けることで、アクセス要求の対象とするデータを、データ量が削減された状態にしておくか、元の状態に復元させるかを選択できるので、完全なデータへのアクセスについて不正者に対するセキュリティを高めつつ、操作者に対する完全なデータへのアクセス利便性を向上させることが可能になる。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のデータ処理装置であって、前記制御手段は、前記入力回数カウント手段にカウントされたパスワード入力回数が予め定められた第1の値に達し、前記アクセス要求が受け付けられたデータのデータ量が前記データ量変更手段によって削減された後、前記パスワード入力手段に、データ復元用の第2パスワードが操作者から入力される度に、前記データ量変更手段に、前記アクセス要求が受け付けられたデータを、予め定められたデータ量だけ増加させて、データ量が削減されていない元の状態に近付けるものである。
【0016】
この構成によれば、データ量が削減された後であっても、操作者からデータ復元用の第2パスワードが入力される回数に応じた分だけ、当該データが、データ量の削減されていない元の状態に近付けられるので、操作者が、データ復元用の第2パスワードの入力回数を調整することで、完全なデータに復元させる度合いを調節することができる。
【0017】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のデータ処理装置であって、前記データ量変更手段によるデータ量の削減処理は、前記アクセス要求が受け付けられたデータを劣化させる処理である。
【0018】
この構成によれば、不正者は、パスワード入力を何度か繰り返してデータにアクセスできたとしても、劣化したデータにしかアクセスできないので、不正者に対する完全な状態のデータについてのセキュリティが確保される。適正な操作者にとっては、劣化したデータにしかアクセスできないものの、データへのアクセスが全く認められないという事態や、データが全て消去されるという事態が回避されるために、データアクセスの利便性が高められる。
【0019】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のデータ処理装置であって、前記データ量変更手段によるデータ量の削減処理は、前記アクセス要求が受け付けられたデータの一部を消去する処理である。
【0020】
この構成によれば、不正者は、パスワード入力を何度か繰り返してデータにアクセスできたとしても、一部が消去されたデータにしかアクセスできないので、不正者に対する完全な状態のデータについてのセキュリティが確保される。適正な操作者にとっては、一部が消去されたデータにしかアクセスできないものの、データへのアクセスが全く認められないという事態や、データが全て消去されるという事態が回避されるために、データアクセスの利便性が高められる。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項8に記載のデータ処理装置であって、操作者に対してメッセージを表示する表示手段を更に備え、
前記制御手段は、前記データ量変更手段によってデータ量が変更される前に、前記アクセス要求が受け付けられたデータが変更される旨のメッセージを前記表示手段に表示させるものである。
【0022】
この構成によれば、データ量が変更される前に、データが変更される旨のメッセージが表示手段に表示されるので、不正者に対しては、誤ったパスワードを入力すると完全な状態でのデータにはアクセスできないことを認識させて不正なアクセスを抑制することが可能になり、また、適正な操作者に対しては、パスワード入力操作を慎重に行わせることが可能になる。
【0023】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のデータ処理装置を備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載の発明によれば、不正者に対する完全な状態のデータについてのセキュリティを確保しつつ、適正な操作者には、データへのアクセスが全く認められないという事態や、データが全て消去されるという事態が回避されて、データアクセスの利便性が高められる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、上記第1の値を変化させることで、完全なデータに対するセキュリティレベルと、完全なデータへのアクセスに対する利便性のいずれを向上させるか又は低下させるかを調整することができる。
【0026】
請求項3に記載の発明によれば、何度も繰り返してパスワードを入力する不正者である可能性が高い者に対しては、データ削減量を増加してセキュリティを高めることができ、パスワードの入力を誤る回数が少ないと想定される適正な操作者に対してはデータ削減量を減らして、データアクセスの利便性を高めることができる。
【0027】
請求項4に記載の発明によれば、何度も繰り返して誤ったパスワードが入力された場合に、パスワード入力回数が第2の値に達するまではデータ量を削減して不正者に対するセキュリティを高める一方、パスワード入力回数が第2の値に達した後は、データを削減せずにデータ内容を確保することで、適正な操作者に対するデータ有効性を確保することができる。
【0028】
請求項5に記載の発明によれば、適正な操作者は、データアクセス用の本来のパスワードと、データ復元用の第2パスワードとを使い分けることで、アクセス要求の対象とするデータを、データ量が削減された状態にしておくか、元の状態に復元させるかを選択できるので、完全なデータへのアクセスについて不正者に対するセキュリティを高めつつ、操作者に対する完全なデータへのアクセス利便性を向上させることが可能になる。
【0029】
請求項6に記載の発明によれば、データ量が削減された後であっても、操作者からデータ復元用の第2パスワードが入力される回数に応じた分だけ、当該データが、データ量の削減されていない元の状態に近付けられるので、操作者が、データ復元用の第2パスワードの入力回数を調整することで、完全なデータに復元させる度合いを調節することができる。
【0030】
請求項7に記載の発明によれば、不正者は、パスワード入力を何度か繰り返してデータにアクセスできたとしても、劣化したデータにしかアクセスできないので、不正者に対する完全な状態のデータについてのセキュリティが確保される。適正な操作者にとっては、劣化したデータにしかアクセスできないものの、データへのアクセスが全く認められないという事態や、データが全て消去されるという事態が回避されるために、データアクセスの利便性が高められる。
【0031】
請求項8に記載の発明によれば、不正者は、パスワード入力を何度か繰り返してデータにアクセスできたとしても、一部が消去されたデータにしかアクセスできないので、不正者に対する完全な状態のデータについてのセキュリティが確保される。適正な操作者にとっては、一部が消去されたデータにしかアクセスできないものの、データへのアクセスが全く認められないという事態や、データが全て消去されるという事態が回避されるために、データアクセスの利便性が高められる。
【0032】
請求項9に記載の発明によれば、不正者に対しては、誤ったパスワードを入力すると完全な状態でのデータにはアクセスできないことを認識させて不正なアクセスを抑制することが可能になり、また、適正な操作者に対しては、パスワード入力操作を慎重に行わせることが可能になる。
【0033】
請求項10に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の発明が有する効果と同様の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の一実施形態に係るデータ処理装置及び画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る画像形成装置である複合機の外観構成を概略的に示す側面図である。複合機1は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能等の機能を兼ね備えたものである。この複合機1は、本体部2と、本体部2の左方に配設されたスタックトレイ3と、本体部2の上部に配設された原稿読取部5と、原稿読取部5の上方に配設された原稿給送部6とを有している。
【0035】
また、複合機1のフロント部には、操作部47が設けられている。この操作部47には、ユーザが印刷実行指示を入力するためのスタートキー471と、印刷部数等を入力するためのテンキー472と、各種複写動作の操作ガイド情報等を表示し、これら各種設定入力用にタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等からなる表示部(表示手段)473と、表示部473で設定された設定内容等をリセットするリセットキー474と、実行中の印刷(画像形成)動作を停止させるためのストップキー475と、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を切り換えるための機能切換キー477が備えられている。
【0036】
原稿読取部5は、CCD(Charge Coupled Device)センサ及び露光ランプ等からなるスキャナ部51と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台52及び原稿読取スリット53とを備える。スキャナ部51は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台52に載置された原稿を読み取るときは、原稿台52に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査しつつ取得した画像データを制御部103(図2)へ出力する。また、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット53と対向する位置に移動され、原稿読取スリット53を介して原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを制御部103へ出力する。
【0037】
原稿給送部6は、原稿を載置するための原稿載置台61と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部62と、原稿載置台61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へ排出するための給紙ローラ(図略)、搬送ローラ(図略)等からなる原稿搬送機構63を備える。原稿搬送機構63は、さらに原稿を表裏反転させて原稿読取スリット53と対向する位置へ再搬送する用紙反転機構(図略)を備え、原稿の両面の画像を原稿読取スリット53を介してスキャナ部51から読取可能にしている。
【0038】
また、原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように本体部2に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台52上面を開放することにより、原稿台52の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等を操作者が載置できるようになっている。
【0039】
本体部2は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から記録紙を1枚ずつ繰り出して記録部40へ搬送する給紙ローラ462と、給紙カセット461から搬送されてきた記録紙に画像を形成する記録部40とを備える。
【0040】
記録部40は、スキャナ部51で取得された画像データに基づきレーザ光等を出力して感光体ドラム43を露光する光学ユニット42と、感光体ドラム43上にトナー像を形成する現像部44と、感光体ドラム43上のトナー像を記録紙に転写する転写部41と、トナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる定着部45と、記録部40内の用紙搬送路中に設けられ、記録紙をスタックトレイ3又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラ463,464等とを備える。
【0041】
また、記録紙の両面に画像を形成する場合は、記録部40で記録紙の一方の面に画像を
形成した後、この記録紙を排出トレイ48側の搬送ローラ463にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ463を反転させて記録紙をスイッチバックさせ、記録紙を用紙搬送路Lに送って記録部40の上流域に再度搬送し、記録部40により他方の面に画像を形成した後、記録紙をスタックトレイ3又は排出トレイ48に排出する。
【0042】
図2は複合機1の内部構成の概略を示すブロック図である。複合機1は、装置各部の動作を制御する制御ユニット100と、原稿読取部5と、原稿読取部5によって読み取られた原稿画像のデータ等を一時的に記憶する画像メモリ120と、記録部40と、操作部47と、この操作部の一部でありLCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部473とを有する。
【0043】
操作部(アクセス要求受付手段、パスワード入力手段)47は、HDD170内のデータ記憶部1701に記憶されているデータであって、アクセス制限の管理対象とされている各データに対するアクセス要求を操作者から受け付ける。さらに、操作部47には、当該アクセス要求を受け付けたデータについてのパスワードが操作者から入力され、操作部47は、このパスワードの入力を受け付ける。
【0044】
また、複合機1は、ファクシミリ通信部140と、HDD170と、データ送受信部180とを有する。ファクシミリ通信部140は、ファクシミリ通信に必要な諸機能を実行し、公衆回線81を通じて外部のファクシミリ装置80から画像データを受信する。HDD170は、データ記憶部1701と、パスワード記憶部1702とを備える。データ記憶部(データ記憶手段)1701は、原稿読取部5によって読み取られた画像のデータや、データ送受信部180を介してネットワーク接続されたパーソナルコンピュータから受信したデータを記憶する。データ記憶部1701に記憶されている各データは、操作者から操作部47に入力されるパスワードに基づいて、アクセスを許可するか否かが判断されるアクセス制限の管理対象とされる。パスワード記憶部(パスワード記憶手段)1702は、データ記憶部1701に記憶されている各データに対応付けられたそれぞれのパスワードを記憶する。パスワード記憶部1702には、データ記憶部1701に記憶されている各データに対応付けられたそれぞれの復元用パスワードも記憶されている。
【0045】
HDD170は、例えば磁気ディスクから構成され、パーソナルコンピュータを統括制御するための基本プログラムであるオペレーティングシステムや、本発明の一実施形態に係るデータ量変更処理プログラム等を記憶している。このデータ量変更処理プログラムは、後述する図3乃至図6に示すデータ量変更処理処理を実行するためのプログラムである。
【0046】
データ送受信部180は、イントラネット又はLAN(Local Area Network)を介して、ネットワーク接続されているパーソナルコンピュータ等から、記録部40による記録の対象となるデータ等を受信するものである。
【0047】
制御ユニット100は、パスワード認証部101と、制御部103と、カウンタ104とを備える。
【0048】
パスワード認証部(パスワード認証手段)101は、操作者から操作部47に、データ記憶部1701に記憶されている操作者所望のデータへのアクセス要求が受け付けられ、更に、操作者から操作部47に当該アクセス要求についてのパスワードが入力された場合に、当該入力されたパスワードと、パスワード記憶部1702に記憶されているパスワードであって、当該アクセス要求が受け付けられたデータに対応付けられているパスワードとが合致するか否かを判断する。
【0049】
制御部(制御手段)103は、装置各部の動作制御を司る。さらに、制御部103は、パスワード認証部101によって、操作者から操作部47に入力されたパスワードと、アクセス要求が受け付けられたデータに対応付けられているパスワードとが合致すると判断された場合に、当該アクセス要求が受け付けられたデータへのアクセスを当該操作者に対して許可する。また、制御部103は、パスワード認証部101によって、当該両パスワードが合致しないと判断された場合に、画像処理部190に、当該アクセス要求が受け付けられたデータのデータ量を変更(削減)する処理を行わせる。さらに、制御部103は、カウンタ104によってカウントされる誤ったパスワードの入力回数に基づいて、画像処理部190によるデータ変更処理の実行又は停止を制御し、また、画像処理部190にデータ変更処理におけるデータ変更量を可変させる。
【0050】
カウンタ(入力回数カウント手段)104は、アクセス要求が受け付けられたデータについてのパスワードが、操作者によって操作部47に入力された回数をカウントする。なお、制御部103は、アクセス要求が受け付けられたデータについて、カウンタ104にカウントされたパスワード入力回数が、予め定められた第1の値以上となった場合に、当該アクセス要求が受け付けられたデータのデータ量を画像処理部190に削減させる。
【0051】
さらに、複合機1は、画像処理部(データ量変更手段)190を有している。画像処理部190は、原稿読取部5が読み取った画像のデータについて、編集/加工(符号/復号処理、拡大/縮小処理、圧縮/伸長処理)処理等を行う。画像処理部190は、制御部103からの指示に基づいて、データ記憶部1701に記憶されている各データのデータ量を削減又は増加させる。画像処理部190によるデータ量削減処理とは、データを劣化させる処理又はデータの一部を消去する処理である。画像処理部190によるデータ劣化処理は、例えば、カラーやグレースケールの多値画像をモノクロ2値画像に変換する処理、ビットマップデータを構成するドットを間引く(又は当該間引処理後に圧縮)、画像データのサイズを縮小する等の処理である。画像処理部190によるデータの一部を消去する処理は、例えば、複数頁からなるワードプロセッサ用のファイル、表計算ソフト用のファイル、或いはPDFファイルをなす全頁のうち一部の頁を消去する等である。画像処理部190によってデータ量削減処理が施されたデータは、データ記憶部1701に、データ量削減処理前の元データと共に記憶される。
【0052】
また、画像処理部190によるデータ量増加処理は、画像処理部190によってデータ量削減処理が施されたデータを、データ量削減処理前の元データに復元する処理である。画像処理部190は、データ量削減処理後のデータを元データの状態に完全に復元させる場合には、データ記憶部1701に記憶されているデータ量削減処理後のデータを消去して、データ記憶部1701には元データだけを残し、そして、制御部103は、当該元データを、アクセス制限の管理対象として扱う。
【0053】
また、画像処理部190は、データ量削減処理後のデータを元データの状態に一定量復元させる(元データの状態に一定量近付ける)場合は、データ記憶部1701に記憶されている元データaを加工して、その時点でデータ記憶部1701に記憶されているデータ量削減処理後のデータbよりも、予め定められた分だけ劣化の程度が元データに近い状態のデータcを新たに生成し、当該新たに生成されたデータcと元データaとをデータ記憶部1701に残し、上記データ量削減処理後のデータbは消去する。そして、制御部103は、当該新たに生成されたデータc、アクセス制限の管理対象として扱う。
【0054】
なお、本発明の一実施形態に係るデータ処理装置は、制御ユニット100(パスワード認証部101、制御部103、カウンタ104)、画像メモリ120及びHDD170(データ記憶部1701及びパスワード記憶部1702)を備えている。
【0055】
次に、本発明の一実施形態に係る複合機1及びデータ処理装置によるパスワード入力回数に応じたデータ量変更処理の第1実施形態を説明する。図3はパスワード入力回数に応じたデータ量変更処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【0056】
操作者による操作部47の操作で、HDD170のデータ記憶部1701に記憶されているデータのいずれかに対するアクセス要求が入力された場合(S1でYES)、制御部103は、表示部473に、誤ったパスワードを入力すると、当該アクセスを要求したデータのデータ量が削減(データ劣化又はデータの一部が消去)される旨のメッセージを表示させる(S2)。
【0057】
更に、制御部103は、表示部473に、上記アクセス要求されたデータについてのパスワード(データアクセス用のパスワード)の入力を促す旨のメッセージを表示させる(S3)。ここで、操作者による操作部47の操作で、上記アクセス要求されたデータについてのパスワードが入力されると(S4でYES)、パスワード認証部101は、入力されたパスワードが、パスワード記憶部1702に記憶されている上記アクセス要求されたデータに対応付けられているパスワードに合致するかを判断する(S5)。
【0058】
パスワード認証部101が、当該両パスワードが合致すると判断した場合は(S5でYES)、制御部103は、HDD170のデータ記憶部1701から、上記アクセス要求されたデータを読み出す(S10)。すなわち、制御部103は、パスワード認証部101による上記両パスワードが合致するとの認証に基づいて、当該パスワードを入力した操作者に、上記アクセス要求されたデータへのアクセスを許可する。当該読み出されたデータは、操作者の指示に従って、記録部40による記録等に用いられる。
【0059】
また、パスワード認証部101が、当該両パスワードは合致しないと判断した場合(S5でNO)、カウンタ104は、当該アクセス要求されたデータについてのパスワード入力回数をカウントアップする(S6)。このカウントアップ後、制御部103は、カウンタ104のカウント値(パスワード入力回数)が、予め定められた第1の値以上となっているか否かを判断し(S7)、第1の値に達していない場合には(S7でNO)、処理はS3に戻り、制御部103は、再び、表示部473に、当該アクセス要求されているデータについてのパスワードの入力を促す旨のメッセージを表示させ、パスワードの再入力を求める。なお、この第1の値とは、ユーザによって任意に設定される値(例えば、3等)であり、制御ユニット100の一部である図略のメモリ等に記憶されている。
【0060】
一方、カウンタ1014のカウント値が、第1の値に達している場合には(S7でYES)、制御部103は、表示部473に、当該アクセス要求がされているデータのデータ量が削減される旨のメッセージを表示させた後(S8)、画像処理部190に、当該アクセス要求がされているデータのデータ量を削減させる(S9)。ここでは、画像処理部190によってデータ量が削減されたデータは、データ記憶部1701に、データ削減がされていない元のデータに置き換えて記憶される。
【0061】
これにより、不正者により誤ったパスワードが入力された場合には、不正者に対する完全な状態のデータについてのセキュリティが確保されると共に、適正な操作者にとっては、データへのアクセスが全く認められないという事態や、データが全て消去されるという事態が回避されて、データアクセスの利便性が高められる。
【0062】
次に、本発明の一実施形態に係る複合機1及びデータ処理装置によるパスワード入力回数に応じたデータ量変更処理の第2実施形態を説明する。図4はパスワード入力回数に応じたデータ量変更処理の第2実施形態を示すフローチャートである。なお、図3に示した第1実施形態と同様の処理は、同符号を付して説明を省略する。
【0063】
上記第1実施形態では、操作者が、アクセス要求の対象とされているデータについてのパスワード入力を誤った場合、誤ってパスワードを入力した回数(カウンタ104のカウント値)が第1の値に達すると(S7でYES)、制御部103が画像処理部190に、当該アクセス要求の対象とされているデータのデータ量を削減させるようになっているが(S9)、第2実施形態では、誤ってパスワードを入力した回数が、第1の値に達した後(S7でYES)、第1の値よりも大きい第2の値(例えば、15等。制御ユニット100の一部である図略のメモリ等に記憶されている)に達したときには(S11でYES)、制御部103は、画像処理部190に、当該アクセス要求の対象とされているデータのデータ量を削減させることなく、再度表示部473に、当該アクセス要求されているデータについてのパスワードの入力を促す旨のメッセージを表示させ(S3)、操作者に対して、当該アクセス要求されているパスワードの入力を再度要求する。
【0064】
これにより、操作者(適正な操作者及び不正者)による誤ったパスワード入力回数が第2の値に達した後は、データ量の削減処理が停止されるので、何度も繰り返してパスワードが入力された場合に、ある程度の回数まではデータ量を削減して不正者に対するセキュリティを高める一方、パスワード入力回数が第2の値に達した後は、データを削減せずに、適正な操作者に対するデータ有効性を確保することができる。
【0065】
次に、本発明の一実施形態に係る複合機1及びデータ処理装置によるパスワード入力回数に応じたデータ量変更処理の第3実施形態を説明する。図5はパスワード入力回数に応じたデータ量変更処理の第3実施形態を示すフローチャートである。なお、図3及び図4に示した第1及び第2実施形態と同様の処理は、同符号を付して説明を省略する。
【0066】
この第3実施形態では、操作者から、データを復元させるための復元用パスワード(上記データアクセス用のパスワードとは異なる)が操作部47に正式に入力された場合には(S21でYES)、制御部103は、画像処理部190に、当該アクセス要求されているデータを、データ量が削減されている状態から、元の状態に復元させる(S22)。
【0067】
すなわち、表示部473に、パスワードの入力を促す旨のメッセージが表示されているときに(S3)、操作者による操作で操作部47にパスワードが入力されると(S4でYES)、パスワード認証部101は、当該入力されたパスワードがデータアクセス用のパスワードとして、パスワード記憶部1702に記憶されている上記アクセス要求されたデータに対応付けられているパスワードに合致するか否かを判断する(S5)。ここで、パスワード認証部101は、当該両パスワードが合致しないと判断した場合(S5でNO)、更に当該入力されたパスワードが、パスワード記憶部1702に記憶されている復元用パスワードに合致するかを更に判断する(S21)。
【0068】
上記入力されたパスワードが、復元用パスワードと合致した場合は(S21でYES)、制御部103は、画像処理部190に、データ量削減後のデータを、データ量が削減されていない元の状態のデータに復元させる(S22)。画像処理部190は、S9におけるデータ量削減処理を行ったときに、データ記憶部1701に記憶されている元のデータ(原データ)から、データ量を削減したデータを生成し、元のデータを消去することなく、当該データ量削減後のデータと、データ量が削減されていない元の状態のデータの両方を、データ記憶部1701に併存して記憶させておく。制御部103は、この生成されたデータ量削減後のデータを、アクセス制限の管理対象とするデータとして扱う。そして、画像処理部190は、制御部103から、データを復元させる旨の指示があった場合に、データ量削減処理後のデータと、データ量が削減されていない元の状態のデータのうち、データ量削減処理後のデータを消去して、データ記憶部1701には元データだけを残す。制御部103は、この元データを、アクセス制限の管理対象とするデータとして扱う。なお、パスワード認証部101によって、入力されたパスワードが復元用パスワードと合致すると判断された場合であって、当該アクセス要求されているデータが既に復元済、又はデータ削減がされずに元のデータのままである場合には、制御部103は、操作者に対して、当該アクセス要求されているデータへのアクセスを許可する。
【0069】
なお、上記入力されたパスワードが復元用パスワードと合致しない場合は(S21でNO)、誤ったパスワードの入力操作であるとして、カウンタ104が、当該アクセス要求されたデータについてのパスワード入力回数をカウントアップする(S6)。
【0070】
これにより、操作者が、データアクセス用の本来のパスワードと、データ復元用の第2パスワードとを使い分けることで、完全なデータへのアクセスについて不正者に対するセキュリティを高めつつ、操作者に対する完全なデータへのアクセス利便性を向上させることができる。
【0071】
次に、本発明の一実施形態に係る複合機1及びデータ処理装置によるパスワード入力回数に応じたデータ量変更処理の第4施形態を説明する。図6はパスワード入力回数に応じたデータ量変更処理の第4施形態を示すフローチャートである。なお、図3乃至図5に示した第1乃至第3実施形態と同様の処理は、同符号を付して説明を省略する。
【0072】
この第4実施形態では、上記入力されたパスワードが復元用パスワードと合致した場合に(S21でYES)、制御部103は、画像処理部190に、データ量削減後のデータを、予め定められた量だけ復元して、当該予め定められた量だけ、データ量が削減されていない元の状態のデータに近付ける処理を行う(S31)。すなわち、画像処理部190は、データ量削減後のデータを、完全に元の状態に復元するのではなく、復元用パスワードが正式に入力される度に所定量だけデータを復元することで、復元用パスワードが正式に入力される回数に応じた分だけ、データ量削減後のデータを、元のデータに近付ける。これにより、操作者は、復元用パスワードを入力する回数を調整することで、データ量が削減されている現状のデータを、どの程度元のデータに復元させるかを調節することができる。なお、当該データ量削減後のデータを、予め定められた量だけ復元して、元の状態のデータに近付ける処理の内容は、上述した通りである。
【0073】
上記のように、画像処理部190によって、データ量削減後のデータが、予め定められた量だけ復元された後は(S31)、制御部103が、表示部473に、当該アクセス要求されているデータを読み出すか否かの指示の入力を操作者に促す旨のメッセージを表示させる(S32)。ここで、操作者から、当該アクセス要求されているデータを読み出す旨の指示が入力された場合(S33でYES)、制御部103は、当該アクセス要求がされており、上記所定量の復元が施されたデータを、データ記憶部1701から読み出す(S10)。すなわち、制御部103は、上記所定量の復元が施されたデータへのアクセスを、当該復元用パスワードを入力した操作者に許可する。これにより、操作者は、この時点で復元されている状態のデータにアクセスするか、復元用パスワードを再度入力して更にデータを復元させるかを選択することができる。
【0074】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、第1乃至第4実施形態において、制御部103は、誤ったパスワードを入力するとデータ量か削減される旨のメッセージや、誤ったパスワードを入力してしまってデータ量が削減される旨のメッセージを表示部473に表示させるようにしているが(S2,S8)、制御部103は、これらの表示を表示部473に行わせずに、パスワードの入力を促すメッセージを表示部473に表示させたり、データ量を削減する処理を画像処理部190に行わせるようにしてもよい。
【0075】
また、本発明の一実施形態に係るデータ処理装置は、上述した複合機1に適用される場合の他、他の画像形成装置や、パソコン、PDA、携帯電話等の電子機器等に適用することが可能である。
【0076】
また、上記図1乃至図6に示した本発明の一実施形態に係るデータ処理装置及び複合機1の構成及び処理は、あくまでも一例に過ぎず、本発明に係るデータ処理装置及び画像形成装置を上記構成及び処理に限定する意味ではない。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置である複合機の外観構成を概略的に示す側面図である。
【図2】複合機の内部構成の概略を示すブロック図である。
【図3】パスワード入力回数に応じたデータ量変更処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図4】パスワード入力回数に応じたデータ量変更処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図5】パスワード入力回数に応じたデータ量変更処理の第3実施形態を示すフローチャートである。
【図6】パスワード入力回数に応じたデータ量変更処理の第4施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
1 複合機
47 操作部
100 制御ユニット
101 パスワード認証部
103 制御部
104 カウンタ
190 画像処理部
473 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセス制限の管理対象とする1以上のデータを記憶するデータ記憶手段と、
前記データ記憶手段に記憶されている各データに対応付けられたそれぞれのパスワードを記憶するパスワード記憶手段と、
前記管理対象とされている各データに対するアクセス要求を操作者から受け付けるアクセス要求受付手段と、
前記アクセス要求受付手段にアクセス要求が受け付けられたデータについてのパスワードが前記操作者から入力されるパスワード入力手段と、
前記パスワード入力手段に入力されたパスワードが、前記パスワード記憶手段に記憶されている前記アクセス要求が受け付けられたデータのパスワードと合致するか否かを判断するパスワード認証手段と、
前記データ記憶手段に記憶されている各データのデータ量を削減するデータ量変更手段と、
前記パスワード認証手段によって前記両パスワードが合致すると判断された場合は、前記アクセス要求が受け付けられたデータへのアクセスを前記操作者に対して許可し、前記パスワード認証手段によって前記両パスワードが合致しないと判断された場合には、前記アクセス要求が受け付けられたデータのデータ量を前記データ量変更手段に削減させる制御手段と
を備えるデータ処理装置。
【請求項2】
前記アクセス要求が受け付けられたデータについて前記パスワード入力手段にパスワードが入力された回数をカウントする入力回数カウント手段を更に備え、
前記制御手段は、前記入力回数カウント手段にカウントされたパスワード入力回数が予め定められた第1の値以上となった場合に、前記アクセス要求が受け付けられたデータのデータ量を前記データ量変更手段に削減させる請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記入力回数カウント手段にカウントされたパスワード入力回数が予め定められた第1の値に達した後、当該パスワード入力回数が予め定められた回数だけ増加する度に、前記データ量変更手段に、前記アクセス要求が受け付けられたデータのデータ量を、予め定められたデータ量分削減させる請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記入力回数カウント手段にカウントされたパスワード入力回数が、前記第1の値よりも大きい予め定められた第2の値に達した場合には、前記データ量変更手段による前記データ量の削減処理を停止させる請求項3に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記入力回数カウント手段にカウントされたパスワード入力回数が予め定められた第1の値に達し、前記アクセス要求が受け付けられたデータのデータ量が前記データ量変更手段によって削減された後、前記パスワード入力手段に、データ復元用の第2パスワードが操作者から入力された場合には、前記データ量変更手段に、前記アクセス要求が受け付けられたデータを、データ量が削減されていない元の状態に復帰させる請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記入力回数カウント手段にカウントされたパスワード入力回数が予め定められた第1の値に達し、前記アクセス要求が受け付けられたデータのデータ量が前記データ量変更手段によって削減された後、前記パスワード入力手段に、データ復元用の第2パスワードが操作者から入力される度に、前記データ量変更手段に、前記アクセス要求が受け付けられたデータを、予め定められたデータ量だけ増加させて、データ量が削減されていない元の状態に近付ける請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記データ量変更手段によるデータ量の削減処理は、前記アクセス要求が受け付けられたデータを劣化させる処理である請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記データ量変更手段によるデータ量の削減処理は、前記アクセス要求が受け付けられたデータの一部を消去する処理である請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項9】
操作者に対してメッセージを表示する表示手段を更に備え、
前記制御手段は、前記データ量変更手段によってデータ量が変更される前に、前記アクセス要求が受け付けられたデータが変更される旨のメッセージを前記表示手段に表示させる請求項1乃至請求項8に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のデータ処理装置を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−269308(P2008−269308A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111719(P2007−111719)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】