説明

トナー補給装置および画像形成装置

【課題】 搬送部材と収容器の壁との間でトナーが圧縮され、搬送部材がロックされてしまうのを防ぐことができるトナー補給装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】 収容器42と、収容器42内のトナーを搬送する搬送部材44とを備えるトナー補給装置10において、収容器42の側壁部42bに、搬送部材44によるトナーの搬送方向に貫通する排出孔Rを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー補給装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を利用する画像形成装置は、一般的に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、定着工程、クリーニング工程、および除電工程によって、記録媒体上に画像を形成する。帯電工程では、帯電装置によって、感光体の表面が均一に帯電される。露光工程では、露光装置によって、帯電状態にある感光体表面に光が照射されて画像情報に対応する静電潜像が形成される。現像工程では、現像装置によって、感光体表面に形成された静電潜像が現像されてトナー像が形成される。転写工程では、転写装置によって、感光体表面に形成されたトナー像が記録媒体に転写される。定着工程では、定着装置によって、転写されたトナー像が加熱され、記録媒体に定着する。クリーニング工程では、クリーニング装置によって、トナー像転写後に感光体表面に残留するトナーが除去されて、感光体表面が清浄化される。除電工程では、次の画像形成動作のために、除電装置によって、感光体表面に残留する残留電荷が除去される。
【0003】
このような画像形成装置では、現像剤として、トナーのみからなる1成分現像剤、またはトナーとキャリアとからなる2成分現像剤が用いられる。これらの現像剤中のトナーは、現像工程の度に消費されるので、画像形成装置内には、トナー消費量に応じて現像装置内にトナーを補給するトナー補給装置が設けられる。トナー補給装置は、収容器の内部にトナーを収容しており、収容器に形成される排出口からトナーを排出することで、現像装置内にトナーを供給する。
【0004】
トナー補給装置において、トナーを排出する方式としては、収容器内にオーガスクリューやスポンジローラを設け、これらを回転させてトナーを排出する方式や、収容器自体を回転させてトナーを排出する方式などが知られている。これらの方式の中でも、回転軸部材と、回転軸部材を取り巻く螺旋羽根とからなるオーガスクリューを用いる方式は、トナー補給量を制御し易いという利点を有し、これにより、トナーホッパを使用しなくても、現像装置内へ直接トナーを補給することができるという利点を有する。
【0005】
ただし、オーガスクリューを用いる方式は、オーガスクリューの回転により、螺旋羽根と収容器の壁との間でトナーが圧縮され易く、圧縮されたトナーがオーガスクリューの回転を妨げ、オーガスクリューがロックされるといった問題がある。この問題に対して、たとえば、特許文献1では、オーガスクリューの螺旋羽根の一部をカットすることで、排出口付近においてトナーが圧縮されないようにし、オーガスクリューのロックを抑えることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−214667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的に、画像形成装置は画像形成の際に熱を生じ、画像形成装置内の温度は上昇する。画像形成装置内は、自然冷却または強制冷却によって冷却されるが、この温度上昇と冷却との繰り返しによって、収容器内のトナーは、大きく緩く凝集し、塊となる場合がある。
【0008】
トナーが大きく緩く凝集している場合、特許文献1のように螺旋羽根の一部がカットされていたとしても、トナーは、排出口から排出されずに、塊のまま搬送され、螺旋羽根と収容器の壁との間で圧縮され、その結果、オーガスクリューのロックが生じてしまう。
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するためのものであり、搬送部材と収容器の壁との間でトナーが圧縮され、搬送部材がロックされてしまうのを防ぐことができるトナー補給装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、トナーを収容する収容器であって、収容されるトナーを排出するために、該収容器を貫通する排出孔が形成される収容器と、
前記収容器内に設けられ、前記排出孔に向けて前記収容器内のトナーを搬送する搬送部材とを備え、
前記排出孔は、前記収容器を、前記搬送部材によるトナーの搬送方向に貫通して形成されることを特徴とするトナー補給装置である。
【0011】
また本発明は、前記搬送部材の、前記搬送方向における下流側端部を支持し、かつ、前記搬送部材によって搬送されるトナーを解砕する解砕部材を、前記排出孔内に備えることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、現像装置を備える電子写真方式の画像形成装置において、
前記現像装置にトナーを供給するトナー補給装置として、前記トナー補給装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0013】
また本発明は、前記排出孔と連通する内部空間を有する管状部材であって、該内部空間に臨み、前記排出孔から排出されるトナーを、前記搬送方向から前記搬送方向に対して垂直な方向へ案内する、滑らかに連なる内壁面を有する管状部材を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、排出孔が、収容器を、搬送部材によるトナーの搬送方向に貫通して形成されるので、収容器内のトナーが大きく緩く凝集した状態であっても、トナーは、搬送部材によって排出孔から速やかに排出される。したがって、搬送部材と収容器の壁との間でトナーが圧縮され、搬送部材がロックされてしまうのを防ぐことができる。
【0015】
また本発明によれば、排出孔内には、搬送部材を支持し、かつ、トナーを解砕する解砕部材が設けられている。したがって、収容器内のトナーが大きく緩く凝集しているときに、解砕部材によってトナーを解砕することができるので、排出孔から排出されるトナーの量を安定化することができる。
【0016】
また本発明によれば、前記トナー補給装置と現像装置とを備えるので、現像装置内のトナー濃度を安定化することができ、長期に亘って安定して良好な画像を形成することができる。
【0017】
また本発明によれば、管状部材によって、排出孔から排出されたトナーの進行方向を、滞留なく、垂直な方向に転換することができ、その結果、排出孔から排出されたトナーを、現像装置へ安定して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】画像形成装置30の構成を模式的に示す図である。
【図2】トナー補給装置10と現像装置20とを拡大して示す図である。
【図3】トナー補給装置10の外観を示す斜視図である。
【図4】図3における線A−Aを切断面線とするトナー補給装置10の切断面を概略的に示す図である。
【図5】図3における線B−Bを切断面線とするトナー補給装置10の切断面を概略的に示す図である。
【図6】図3における線C−Cを切断面線とするトナー補給装置10の切断面を概略的に示す図である。
【図7】図3における線D−Dを切断面線とするトナー補給装置10の切断面を概略的に示す図である。
【図8】収容器42の他の形態を示す図である。
【図9】解砕部材46の外観を示す図である。
【図10】軸受支持部材46a〜46cの他の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の実施形態であるトナー補給装置10を備える画像形成装置30の構成を模式的に示す図である。画像形成装置30は、たとえば、複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能などを有する電子写真方式の複合機であり、トナー補給装置10、現像装置20、感光体ドラム17、帯電装置25、露光装置22、クリーニング装置26、転写装置24、定着装置23、給紙カセット21、ピックアップローラ27、第1搬送ローラ28、第2搬送ローラ34、排紙ローラ35、排紙トレイ29、スキャナユニット31、および図示しない制御部を含む。画像形成装置30は、入力される画像情報に応じて、給紙カセット21から供給される記録媒体上にトナー像を形成する。
【0020】
帯電装置25、現像装置20、転写装置24、およびクリーニング装置26は、感光体ドラム17の周りにこの順序で配置される。帯電装置25は、感光体ドラム17の鉛直方向真上に配置される。
【0021】
感光体ドラム17は、図示しない回転駆動源によって軸線まわりに回転駆動可能に軸支されるローラ状部材であり、たとえば、図示しない導電性基体と、この導電性基体表面に形成される図示しない感光層とを含む。感光層の表面には、静電潜像が形成され、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。導電性基体としては、アルミニウムまたはステンレス鋼などの導電性材料から構成される、円筒状、円柱状、またはシート状などの形状の部材を使用することができる。これらの部材の中でも、円筒状の形状の部材が好ましい。感光層としては、たとえば、有機感光層または無機感光層などを使用することができる。
【0022】
有機感光層を含む感光体ドラムは有機感光体ドラムと呼ばれ、無機感光層を含む感光体ドラムは、無機感光体ドラムと呼ばれる。有機感光層としては、たとえば、電荷発生物質を含む樹脂層からなる電荷発生層と電荷輸送物質を含む樹脂層からなる電荷輸送層とを積層することにより形成される積層感光層、または、1つの樹脂層中に電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む単層感光層などがある。無機感光層としては、たとえば、酸化亜鉛、セレンまたはアモルファスシリコンなどから選ばれる1種または2種以上を含む単層膜などがある。
【0023】
帯電装置25は、図示しない電源と接続されており、この電源から電圧の印加を受けて、感光体ドラム17表面を所定の極性および電位に帯電させる。本実施形態では、帯電装置25として、感光体ドラム17に対してコロナ放電を行なう鋸歯型帯電器を使用することができる。鋸歯型帯電器は、感光体ドラム17に臨み、感光体ドラム17表面から間隔を有して設けられる非接触方式の帯電器である。なお、他の実施形態としては、帯電装置25に、たとえば、チャージャー型帯電器などの他の非接触方式の帯電器を使用してもよいし、ローラ状帯電器、帯電ブラシ型帯電器、または磁気ブラシ型帯電器などの接触方式の帯電器を使用してもよい。
【0024】
露光装置22は、スキャナユニット31で読み取られた原稿の画像情報または外部機器から入力された画像情報に応じた信号光を、帯電装置25によって一様な電位に帯電された感光体ドラム17表面に照射して、その表面に上記画像情報に応じた静電潜像を形成する。露光装置22は、出射する信号光が帯電装置25と現像装置20との間を通過して感光体ドラム17の表面に照射されるように設けられる。露光装置22としては、光源を含んで構成されるレーザスキャニング装置を使用することができる。光源としては、たとえば、半導体レーザ、LEDアレイ、またはエレクトロルミネッセンス(EL)素子などを使用することができる。レーザスキャニング装置としては、たとえば、光源、ポリゴンミラー、fθレンズ、および反射ミラーなどを組み合わせたもの、または、液晶シャッタおよび光源などを組み合わせたものがある。
【0025】
現像装置20は、露光装置22によって形成された感光体ドラム17表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する。現像装置20の鉛直方向上方には、現像装置20内にトナーを補給するためのトナー補給装置10が着脱可能に装着される。現像装置20およびトナー補給装置10の構成については後述する。
【0026】
クリーニング装置26は、記録媒体にトナー像を転写した後に感光体ドラム17の表面に残留するトナーおよび紙粉などを除去して、感光体ドラム17の表面を清浄化する。クリーニング装置26は、図示しないクリーニングブレードおよび図示しないトナー貯留槽を含む。クリーニングブレードは、感光体ドラム17の長手方向に沿って延びる部材であり、かつ、その幅方向の一端部が感光体ドラム17の表面に当接するように設けられる板状部材である。トナー貯留槽は、容器状部材であり、クリーニングブレードによって除去されたトナーを一時的にその内部に貯留して回収する。
【0027】
画像形成装置30では、帯電装置25によって均一に帯電された感光体ドラム17の表面に、露光装置22によって画像情報に応じた信号光が照射されて静電潜像が形成され、さらに、この静電潜像に現像装置20によってトナーが供給されてトナー像が形成される。このトナー像は、転写装置24によって記録媒体に転写され、トナー像の転写後に感光体ドラム17表面に残留するトナーは、クリーニング装置26によって除去される。
【0028】
転写装置24は、図示しない支持部材によって回転自在に軸支され、かつ、図示しない回転駆動源によって軸線まわりに回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、感光体ドラム17に圧接するように設けられる。転写装置24は、図示しない金属製芯金と、金属製芯金の表面に形成される図示しない導電性弾性層とを含んでいる。金属製芯金は、ステンレス鋼またはアルミニウムなどの金属から構成される、直径8mm〜10mmの円筒状または円柱状部材である。導電性弾性層は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(以下、「EPDM」と称する)、発泡EPDMまたは発泡ウレタンなどのゴム材料に、カーボンブラックなどの導電材が配合されたものから構成される。転写装置24は、図示しない電源と接続されており、この電源から、感光体ドラム17表面のトナー像を構成するトナーの帯電極性とは逆極性の電圧(以下、「転写バイアス」と称する)の印加を受けて、感光体ドラム17表面のトナー像を記録媒体へ円滑に転写させる。
【0029】
転写装置24は、給紙カセット21から送給される記録媒体が、感光体ドラム17と転写装置24との圧接部(以下、「転写ニップ部」と称する)を通過する際に、転写バイアスを印加することによって、感光体ドラム17の表面に担持されたトナー像を記録媒体上へ転写する。トナー像が転写された記録媒体は、定着装置23に送給される。
【0030】
定着装置23は、定着ローラ32と加圧ローラ33とを含む。定着ローラ32は、図示しない支持部材によって回転自在に軸支され、かつ図示しない回転駆動源によって軸線まわりに回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。定着ローラ32は、図示しない芯金および図示しない弾性層を含む。芯金は、鉄、ステンレス、またはアルミニウムなどの金属からなる円筒状部材である。弾性層は、シリコンゴムまたはフッ素ゴムなどの弾性材料からなる単層膜であり、芯金の表面に形成される。定着ローラ32の内部には、図示しない加熱部材が設けられる。加熱部材は、図示しない電源と接続されており、この電源から電圧の印加を受けて、定着ローラ32の表面が所定の温度になるように定着ローラ32を加熱する。加熱部材には、たとえば、ハロゲンランプまたは赤外線ランプなどを使用することができる。定着ローラ32は、転写ニップ部から搬送された記録媒体に担持されているトナー像を構成するトナーを加熱して溶融させ、記録媒体に定着させる。
【0031】
加圧ローラ33は、図示しない支持部材によって回転自在に軸支され、かつ図示しない加圧部材によって定着ローラ32に対して圧接するように設けられるローラ状部材である。加圧ローラ33は、定着ローラ32の回転に従動して回転する。加圧ローラ33には、定着ローラ32と同じ構成のものを使用することができる。また、加圧ローラ33の内部には、加熱部材が設けられることが好ましく、この加熱部材には、定着ローラ32内部に設けられるものと同じ構成のものを使用することができる。
【0032】
定着装置23は、トナー像が転写された記録媒体が定着ローラ32と加圧ローラ33との圧接部(以下、「定着ニップ部」と称する)を通過する際に、定着ローラ32によってトナー像を構成するトナーを加熱溶融させることで、トナー像を記録媒体に定着させて画像を形成する。
【0033】
給紙カセット21は、画像形成装置30の鉛直方向下部に設けられ、記録媒体を貯留する容器状部材である。記録媒体としては、普通紙、コート紙、カラーコピー用紙、またはオーバーヘッドプロジェクタ(OHP)用シートなどがある。ピックアップローラ27は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、感光体ドラム17の表面のトナー像が感光体ドラム17の回転によって転写ニップ部に搬送されるのに同期して、給紙カセット21に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出して、第1搬送ローラ28に向けて送給する。第1搬送ローラ28は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、ピックアップローラ27から送給される記録媒体を転写ニップ部に送給する。
【0034】
第2搬送ローラ34は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、記録媒体の搬送方向において定着ニップ部よりも下流側に設けられ、定着装置23によって画像が形成された記録媒体を排紙ローラ35に向けて搬送する。排紙ローラ35は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、第2搬送ローラ34から搬送された記録媒体を、画像形成装置30の鉛直方向上部に設けられる排紙トレイ29に排出する。排紙トレイ29は、第2搬送ローラ34および排紙ローラ35によって、定着装置23において画像が形成された記録媒体を排紙トレイ29に排出して貯留する。
【0035】
スキャナユニット31は、原稿セットトレイと、自動反転原稿搬送装置(以下、「RADF(Reversing Automatic Document Feeder)」と称する)と、原稿読取装置とを含む。RADFは、原稿セットトレイに載置された原稿を、原稿読取装置の原稿載置台に搬送する。
【0036】
原稿読取装置は、原稿載置台と、原稿走査装置と、反射部材と、光電変換素子(以下、「CCD(Charge Coupled Device)」と称する)ラインセンサとを含む。原稿載置台は、その鉛直方向上面に原稿を載置するための原稿載置面が設けられるガラス製の板状部材である。原稿載置台に載置される原稿は、ユーザによって手動で、またはRADFによって載置される。
【0037】
原稿走査装置は、原稿載置台の鉛直方向下面に対して一定の距離を保ちつつ、一定の走査速度Vで平行に往復移動するように設けられ、光源と第1の反射ミラーとを含む。光源は、原稿載置台に載置される原稿に光を照射する。第1の反射ミラーは、原稿からの反射光像を反射部材に向けて反射させる。すなわち、原稿走査装置は、原稿載置台の下面に沿って一定の走査速度Vで平行に往復移動して、原稿載置台に載置される原稿に光を照射することによって得られる反射光像を反射部材に向けて反射させる。
【0038】
反射部材は、原稿走査装置と一定の速度関係、すなわちV/2の速度で原稿走査装置と平行に往復移動するように設けられ、第2の反射ミラーと、第3の反射ミラーと、光学レンズとを含む。第2の反射ミラーおよび第3の反射ミラーは、原稿走査装置の第1の反射ミラーによって反射された原稿からの反射光像を光学レンズに向けてさらに反射させる。光学レンズは、第2の反射ミラーおよび第3の反射ミラーによって反射された反射光像を縮小し、縮小された反射光像をCCDラインセンサ上の所定位置に結像させる。すなわち、反射部材は、原稿走査装置の往復移動に追随してV/2の速度で往復移動して、原稿走査装置にて反射される反射光像をCCDラインセンサ上の所定位置に結像させる。
【0039】
CCDラインセンサは、光学レンズによって結像された反射光像を電気信号に光電変換するCCD回路を含む。CCDラインセンサは、原稿の画像を読み取り、読み取った画像情報を順次光電変換して電気信号として画像形成装置30の制御部に出力する。
【0040】
スキャナユニット31は、原稿載置台に載置される原稿から画像情報を複数ライン毎、たとえば10ライン毎に読み取り、読み取った画像情報を電気信号に変換して画像形成装置30の制御部に出力する。
【0041】
制御部は、たとえば、画像形成装置30の鉛直方向上部に設けられ、CPU(Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータまたはマイクロプロセッサなどによって実現される処理回路と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびHDD(Hard Disk Drive)を含む記憶部と、主電源とを含む。記憶部には、画像形成装置30の鉛直方向上面に設けられる図示しない操作パネルから入力される各種設定値、画像形成装置30内部の各所に配置される図示しない各種センサからの検知結果、外部機器から入力される画像情報、スキャナユニット31から入力される画像情報、および印刷ジョブなどの各種処理を実行するための各種プログラムなどが記憶される。外部機器としては、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置30に電気的に接続可能な電子機器を使用でき、たとえば、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、テレビジョン受像機、ビデオレコーダ、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、HDDVD(登録商標、High-Definition Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置または携帯端末装置などがある。処理回路は、記憶部に記憶される、検知結果または画像情報などの各種データもしくは各種プログラムを読み出して各種判定を行い、判定結果に応じて該当する画像形成装置30内部の各構成部に制御信号を送信して、各構成部の動作制御を行う。主電源は制御部だけでなく、画像形成装置30内部における各構成部に対しても電力を供給する。
【0042】
たとえば、処理回路は、スキャナユニット31または外部機器から入力される画像情報を対応する制御信号に変換して、露光装置22に出力する。また、処理回路は、後述するトナー濃度検知センサ15による検知結果に応じてトナー補給の可否を判定し、補給を要する場合は、後述するトナー補給装置10の搬送部材44および攪拌部材43をそれぞれ回転駆動させる回転駆動源に対して制御信号を送信して、搬送部材44および攪拌部材43を回転駆動させる。
【0043】
図2は、図1におけるトナー補給装置10と現像装置20とを拡大して示す図である。現像装置20は、現像槽11と、現像ローラ12と、攪拌搬送部材13と、規制部材14と、トナー濃度検知センサ15とを含む。
【0044】
現像槽11は、内部空間が形成される略角柱状の容器状部材であって、感光体ドラム17表面に臨むように配置される。現像槽11内には、トナーのみからなる1成分現像剤またはトナーとキャリアとからなる2成分現像剤が収容される。本実施形態では、現像槽11内には2成分現像剤が収容される。
【0045】
現像槽11は、攪拌搬送部材13および現像ローラ12を収容して回転自在に軸支する。現像槽11の、感光体ドラム17に臨む側面には開口部16が形成され、この開口部16を介して感光体ドラム17に対向する位置に、現像ローラ12が設けられる。現像槽11の鉛直方向上部には、トナー補給装置10から補給されるトナーを受け入れるためのトナー受入口18が形成されており、現像槽11内のトナー消費状況に応じて、このトナー受入口18を介してトナー補給装置10からトナーが補給される。
【0046】
攪拌搬送部材13は、図示しない回転駆動源によって軸線まわりに回転駆動可能に軸支されるオーガスクリュー状部材であって、現像ローラ12に臨むように設けられる。攪拌搬送部材13は、現像槽11内に収容される現像剤を攪拌して現像ローラ12周辺に供給する。
【0047】
現像ローラ12は、図示しない回転駆動源によって軸線まわりに回転駆動可能に軸支されるローラ状部材であって、現像槽11の開口部16を介して、感光体ドラム17に対して間隙を有して対向するように設けられる。現像ローラ12は、図示しない電源と接続されており、この電源から、トナーの帯電極性と同じ極性の電圧(以下、「現像バイアス」と称する)が印加され、これによって、現像ローラ12表面のトナーは感光体ドラム17表面の静電潜像に円滑に供給される。
【0048】
より詳細には、現像ローラ12に担持された現像剤は、現像ローラ12の回転によって現像ローラ12と感光体ドラム17との最近接部(以下、「現像ニップ部」と称する)に搬送され、現像ニップ部において、現像バイアスによる静電気力により、現像ローラ12表面から感光体ドラム17表面の静電潜像へ、現像剤中のトナーが供給される。現像バイアスの値を変更することによって、静電潜像に供給されるトナー量(トナー付着量)は制御可能である。
【0049】
規制部材14は、現像ローラ12の鉛直方向上方において、現像ローラ12の軸線方向に沿って平行に延びるように設けられる板状部材である。規制部材14の幅方向一端部は現像槽11によって支持され、かつ幅方向他端部は現像ローラ12の表面に対して間隔を有して対向するように設けられる。規制部材14は、ステンレス鋼、アルミニウム、または合成樹脂などから構成される。規制部材14は、現像ローラ12の表面に担持されて搬送される現像剤の層厚を規制する。
【0050】
トナー濃度検知センサ15は、攪拌搬送部材13の鉛直方向下方における現像槽11の壁部、すなわち現像槽11の底部に、そのセンサ面が現像槽11の内部空間に露出するように装着される。トナー濃度検知センサ15は、画像形成装置30内部に設けられる制御部に電気的に接続される。
【0051】
トナー濃度検知センサ15には、図示しない電源が接続されており、この電源は、トナー濃度検知センサ15を駆動させるための駆動電圧およびトナー濃度の検知結果を画像形成装置30の制御部に出力するための制御電圧をトナー濃度検知センサ15に印加する。電源によるトナー濃度検知センサ15への電圧の印加は、画像形成装置30の制御部によって制御される。
【0052】
トナー濃度検知センサ15としては、一般的に使用されるセンサを使用することができ、たとえば、透過光検知センサ、反射光検知センサ、または透磁率検知センサなどがある。これらの中でも、制御電圧の印加を受けてトナー濃度の検知結果を出力電圧値として出力する型式のセンサである透磁率検知センサが好ましい。このような型式の透磁率検知センサは市販されており、たとえば、TS−L、TS−A、またはTS−K(いずれも商品名、TDK株式会社製)などがある。なお、トナー濃度検知センサ15として透磁率検知センサを用いる場合には、基本的に出力電圧の中央値近傍の感度がよいため、その付近の出力電圧が得られるような制御電圧が印加されるようにして用いることが好ましい。
【0053】
図3は、トナー補給装置10の外観を示す斜視図である。図4は、図3における線A−Aを切断面線とするトナー補給装置10の切断面を概略的に示す図であり、図5は、図3における線B−Bを切断面線とするトナー補給装置10の切断面を概略的に示す図であり、図6は、図3における線C−Cを切断面線とするトナー補給装置10の切断面を概略的に示す図であり、図7は、図3における線D−Dを切断面線とするトナー補給装置10の切断面を概略的に示す図である。
【0054】
トナー補給装置10は、仕切壁41によって攪拌室Pと搬送室Qとに内部空間が区分される収容器42と、攪拌室Pに収容される攪拌部材43と、搬送室Qに収容される搬送部材44とを備える。トナー補給装置10は、概略的には、攪拌室Pに収容されるトナーを、攪拌部材43によって攪拌しつつ搬送室Qに汲み上げ、搬送室Qに汲み上げられたトナーを、搬送部材44によって、収容器42に形成される排出孔Rに向けて搬送し、排出孔Rから排出することで、現像装置20にトナーを供給する装置である。
【0055】
収容器42は、底壁部42aと、底壁部42aの長手方向(以下、「X方向」と称し、X方向のうちの一方を「X1方向」と称し、他方を「X2方向」と称する)一端部に接続される側壁部42bと、底壁部42aのX方向他端部に接続される側壁部42cと、底壁部42aおよび側壁部42b,42cの鉛直方向(以下、「Z方向」と称する)上部に接続される上壁部42dから構成され、これらによって内部空間が形成される略半円柱状の容器である。収容器42の内部空間において底壁部42aの幅方向(以下、「Y方向」と称する)中央部には、X方向に延びる板状の仕切壁41が立設されており、この仕切壁41によって収容器42の内部空間は、攪拌室Pと搬送室Qとに区分されている。仕切壁41のZ方向上部は、上壁部42dから離間しており、仕切壁41と上壁部42dとの間において、攪拌室Pと搬送室Qとは連通する。本実施形態では、攪拌室Pと搬送室Qとは、X方向における長さが等しい。
【0056】
なお、収容器42は、攪拌室Pと搬送室Qとの、X方向における長さが異なっていてもよい。図8に、収容器42の他の形態を示す。図8に示す収容器42Xは、攪拌室Pと比較して、搬送室Qが、排出孔Rに向けて長く延びて形成されている。したがって、排出孔R付近では、攪拌室Pから搬送室Qへトナーは汲み上げられないことになる。これにより、攪拌部材43によるトナーの汲上げと、搬送部材44によるトナーの搬送とを同時に行っても、排出孔R付近でトナーが滞留し難くなり、排出孔Rからトナーを速やかに排出することができる。
【0057】
図6に示すように、仕切壁41のZ方向上部の位置は、搬送室Qに設けられる搬送部材44のZ方向上部の位置とほぼ同じ程度であることが好ましい。すなわち、仕切壁41の高さは、搬送部材44の高さとほぼ同じであることが好ましい。仕切壁41の高さを搬送部材44の高さと同じ程度にすることで、搬送部材44によって搬送中のトナーが搬送室Qから攪拌室Pへ戻ってしまうのを防ぐことができる。これにより、搬送部材44周辺に適量のトナーを保持しておくことができ、搬送部材44によるトナーの搬送を効率良く安定して行うことができる。
【0058】
図4に示すように、側壁部42b,42cは、X方向に垂直に広がる主面を有する平板状部分であり、側壁部42bには、側壁部42bをX方向に貫通する孔である排出孔Rが形成される。排出孔Rは、搬送室Qと連通する、X方向に延びる円柱状の空間である。また、側壁部42bには、攪拌部材43のX方向一端部を支持する第1軸受45aが設けられる。同様に、側壁部42cには、攪拌部材43のX方向他端部を支持する第1軸受45bが設けられる。なお、搬送部材44は、側壁部42bには支持されておらず、後述するように、排出孔R内に設けられる解砕部材46によって、X方向一端部が支持され、側壁部42cに設けられる第2軸受47aによって、X方向他端部が支持される。
【0059】
図3〜図5に示すように、側壁部42bの外壁面には、排出孔Rと連通する内部空間(流路)を有する管状部材である進行方向転換管40が接続される。進行方向転換管40は、図2に示すように、現像装置20にも接続される。本実施形態では、排出孔Rから排出されたトナーは、進行方向転換管40を通って、現像装置20に供給されることになる。
【0060】
図4に示すように、進行方向転換管40の内壁面のうち、排出孔RのZ方向およびX方向端部の点Rから遠い側の内壁面40aは、滑らかに連なって形成される曲面である。これにより、点RからZ方向上方に離れた位置においてX1方向に搬送されるトナーの進行方向を、滞留なく、Z方向下方に転換することができ、その結果、排出孔Rから排出されたトナーを、現像装置20へ安定して供給することができる。なお、このような内壁面40aに対して、進行方向転換管40の内壁面のうち、点Rから近い側の内壁面40bは、底壁部42aの外壁面に対して垂直に形成されている。
【0061】
進行方向転換管40は、流路の、管軸に垂直な断面が、いずれの部分においても円形となる管状部材である。より詳細には、図4に示すように、進行方向転換管40の流路は、円を、点Rを中心としてX1方向およびZ方向下側に向けて1/4回転させて形成される回転体状の第1空間Mと、円を、Z方向下側に向けて平行移動させて形成される円柱状の第2空間Nとからなる。なお、本発明の他の実施形態としては、進行方向転換管40の流路の、管軸に垂直な断面は、矩形であってもよい。
【0062】
図6に示すように、攪拌部材43は、第1回転軸部材43aと、攪拌板43bと、汲上げブレード43cとを含む。第1回転軸部材43aは、X方向に延びる円柱状の部材であり、その両端部が、第1軸受45a,45bにそれぞれ軸支される。攪拌板43bは、X方向を長手方向とする平板状の部材であり、その幅方向および厚さ方向の中央部に、第1回転軸部材43aが挿通されて固定される。汲上げブレード43cは、攪拌板43bに取り付けられる、可撓性を有する板状部材であり、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂から形成される。汲上げブレード43cは、X方向における長さが、攪拌室PのX方向における長さとほぼ同一となるように形成され、かつ、収容器42の内壁面に当接するように設けられる。
【0063】
攪拌部材43は、図示しない回転駆動源およびギアを介して、第1回転軸部材43aの軸線まわりに回転する。これにより、第1回転軸部材43aの軸線を中心として攪拌板43bが回転運動し、攪拌室P内のトナーが攪拌される。また、これと同時に、攪拌板43bに取り付けられる汲上げブレード43cが変形しながら収容器42の内壁面を摺動することで、攪拌室P内のトナーが搬送室Qへ汲み上げられる。攪拌部材43を回転させる回転駆動源は、画像形成装置30の制御部に接続されており、この制御部によって第1回転軸部材43aの回転動作が制御される。
【0064】
このように、収容器42の内部空間が仕切壁41によって攪拌室Pと搬送室Qとに区分された上で、必要な量のトナーが攪拌室Pから搬送室Qへと汲み上げられるので、搬送室Qのみが設けられる場合と比較して、少量のトナーが、搬送部材44の周囲に供給されることになる。その結果、搬送部材44との摩擦によりトナーに生じるストレスを低減することができ、トナーの特性が劣化するのを抑えることができる。
【0065】
なお、汲上げブレード43cの厚さは、0.5mm〜2.0mmであることが好ましい。この厚さにすることによって、汲上げブレード43cがより変形し易くなり、汲上げブレード43cが変形しながら収容器42の内壁面を摺動する際に、より円滑にトナーを搬送室Qへ汲み上げることができる。
【0066】
図4,5に示すように、搬送部材44は、第2回転軸部材44aと、螺旋羽根44bとを備えるオーガスクリュー状部材である。第2回転軸部材44aは、X方向に延びる円柱状部材であり、その軸線が、排出孔Rの軸線と一致する。第2回転軸部材44aは、排出孔R内に設けられる解砕部材46に、X方向一端部が軸支され、側壁部42cに設けられる第2軸受47aに、X方向他端部が軸支される。螺旋羽根44bは、第2回転軸部材44aの側面を螺旋状に取り巻くような形状の羽根である。
【0067】
搬送部材44は、図示しない回転駆動源およびギアを介して、第2回転軸部材44aの軸線まわりに回転する。これにより、第2回転軸部材44aの軸線を中心として螺旋羽根44bが回転運動し、螺旋羽根44bによって搬送室Q内のトナーがX1方向に搬送される。搬送部材44を回転させる回転駆動源は、画像形成装置30の制御部に接続されており、この制御部によって第2回転軸部材44aの回転動作が制御される。
【0068】
図9は、解砕部材46の外観を示す図である。解砕部材46は、搬送部材44のX方向一端部を軸支するとともに、搬送部材44によってX1方向に搬送されるトナーを解砕する部材であり、搬送部材44を軸支するための第2軸受47bと、第2軸受47bを支持し、かつ、トナーを解砕するための、軸受支持部材46a,46b,46cとから構成される。
【0069】
第2軸受47bは、有底円筒状のすべり軸受であり、摩擦抵抗の低い樹脂材料、たとえば、シリコンオイルが含浸または塗布された、ポリエチレン、ポリプロピレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂)などの樹脂材料から形成される。軸受支持部材46a〜46cは、第2軸受47bの側面に等間隔で固定され、第2軸受47bの径方向に延びる棒状部材であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂などの樹脂材料から形成される。軸受支持部材46a〜46cの長手方向一端部は、第2軸受47bに固定され、長手方向他端部は、側壁部42bの、排出孔Rに臨む部分に固定される。第2軸受47bと軸受支持部材46a〜46cとは、一体成形してもよいし、個別に成形した後に接続してもよい。また、解砕部材46と側壁部42bとは、一体成形してもよいし、個別に成形した後に接続してもよい。
【0070】
本実施形態では、図9(a)に示すように、軸受支持部材46a〜46cは、X方向に対して垂直に延びる三角柱状の部材である。三角柱状の各軸受支持部材46a〜46cは、X2方向に向かって先が細くなるように設けられる。これにより、搬送部材44によってX1方向に搬送されるトナーは、各軸受支持部材46a〜46cによって、各軸受支持部材46a〜46cの長手方向に対して垂直な方向に、速やかに二分され、解砕される。なお、本発明の他の実施形態としては、図9(b)に示すように、軸受支持部材46a〜46cを、X方向に対して垂直に延びる半円柱状の部材とし、半円柱状の各軸受支持部材46a〜46cを、X2方向に向かって先が細くなるように設けてもよい。この場合でも、上述したようなトナーの解砕効果が発揮される。
【0071】
図10に、軸受支持部材46a〜46cのさらなる他の形態を示す。図10(a)に示す軸受支持部材48a〜48cは、図10(b)に示す、円筒の1/4周分の部分をなす1/4円筒状部材49を、複数個接続した形状の部材である。より詳細には、1/4円筒状部材49の一端面49aと他端面49bとが、交互に連なって連続した平面となるように、複数の1/4円筒状部材49を軸線方向に接続した形状の部材である。この平面は、X2方向に向くように形成される。このような軸受支持部材48a〜48cによれば、搬送部材44によってX1方向に搬送されるトナーは、軸受支持部材48a〜48cの長手方向に対して垂直な方向に速やかに二分されるだけでなく、軸受支持部材48a〜48cの長手方向においても、速やかに分断されるので、解砕部材46によるトナーの解砕効果をより高めることができる。
【0072】
なお、1/4円筒状部材49に限られず、他の、1/2未満の円筒状部材を複数個接続した形状の軸受支持部材48a〜48cであってもよい。また、1/4円筒状部材49は、真円の円筒の一部分をなす部材であってもよいし、楕円の円筒の一部分をなす部材であってもよい。さらに、軸受支持部材48a〜48cでは、1/4円筒状部材49の一端面49aと他端面49bとが交互に連なって平面部分が形成されているが、この平面部分においてトナーが滞留しないように、この平面部分を、X2方向に向かって先が細くなるように変更してもよい。
【0073】
以上のように構成されるトナー補給装置10によれば、排出孔Rが、収容器42を、搬送部材44によるトナーの搬送方向であるX1方向に貫通して形成されるので、収容器42内のトナーが大きく緩く凝集した状態であっても、トナーは、搬送部材44によって排出孔Rから速やかに排出される。したがって、搬送部材44と収容器42の側壁部42bとの間でトナーが圧縮されて、搬送部材44がロックされてしまうのを防ぐことができる。
【0074】
さらに、本実施形態では、トナー補給装置10は、排出孔R内に、搬送部材44を支持する解砕部材46を備えている。したがって、収容器42内のトナーが大きく緩く凝集しているときに、解砕部材46によってトナーを解砕することができるので、排出孔Rから排出されるトナーの量を安定化することができる。
【0075】
このようなトナー補給装置10を備える画像形成装置30は、トナー補給装置10によって現像装置20内のトナー濃度を安定化することができ、長期に亘って安定して良好な画像を形成することができる。
【符号の説明】
【0076】
10 トナー補給装置
20 現像装置
30 画像形成装置
40 進行方向転換管
42,42X 収容器
43 攪拌部材
44 搬送部材
46 解砕部材
R 排出孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容する収容器であって、収容されるトナーを排出するために、該収容器を貫通する排出孔が形成される収容器と、
前記収容器内に設けられ、前記排出孔に向けて前記収容器内のトナーを搬送する搬送部材とを備え、
前記排出孔は、前記収容器を、前記搬送部材によるトナーの搬送方向に貫通して形成されることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項2】
前記搬送部材の、前記搬送方向における下流側端部を支持し、かつ、前記搬送部材によって搬送されるトナーを解砕する解砕部材を、前記排出孔内に備えることを特徴とする請求項1に記載のトナー補給装置。
【請求項3】
現像装置を備える電子写真方式の画像形成装置において、
前記現像装置にトナーを供給するトナー補給装置として、請求項1または2に記載のトナー補給装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記排出孔と連通する内部空間を有する管状部材であって、該内部空間に臨み、前記排出孔から排出されるトナーを、前記搬送方向から前記搬送方向に対して垂直な方向へ案内する、滑らかに連なる内壁面を有する管状部材を備えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−76767(P2013−76767A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215449(P2011−215449)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】