説明

トナー量計測装置及び画像形成装置

【課題】中間転写ベルト等の像担持体上に形成されたトナーパッチ等のトナー像のトナー量を精度よくしかも安定して検知する。
【解決手段】トナー量計測装置は中間転写ベルト7に向けて光を照射する発光素子16aと、中間転写ベルト7上のトナー像で反射された反射光を受光する受光素子16bとを有している。トナー量計測装置は反射光の光量に応じてトナー像のトナー量を算出する。発光素子16aと中間転写ベルト7上における光の照射位置とを結ぶ直線と、照射位置と受光素子16bとを結ぶ直線とのなす角度が15度以内となるように、受光素子16bが配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光ドラム又は中間転写ベルト等の像担持体上のトナー量を計測するためのトナー量計測装置及び当該トナー量計測装置を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真プロセスを用いた画像形成装置では、トナー補給量調整及び階調補正等の各種制御を行うため、感光ドラム又は中間転写ベルト等の像担持体に形成されたトナーパッチにおけるトナー量を検知して計測するようにしている。
【0003】
そして、当該計測結果と予め規定された基準量とを比較し、その比較結果に基づいてトナー補給の制御、現像バイアス等の電位制御、そして、濃度補正制御等が行われている。
【0004】
像担持体上のトナー量を検知する手法として、例えば、トナーパッチに可視光又は赤外光等の光を照射して、トナーパッチからの反射光量を受光部で受け、その受光光量からトナー量を推定する手法が知られている。
【0005】
上記の手法には、次の3種類がある。まず、第1の手法では、像担持体に向けて照射した光が像担持体の表面で鏡面反射する方向に受光部を配置する。そして、像担持体の表面における鏡面反射光量がトナー量に応じて変化する関係に応じてトナー量を推定する。
【0006】
つまり、像担持体上のトナー量が増加するにつれて、トナーによって像担持体が覆われていくので、鏡面反射光量が減少する。そして、この関係に応じてトナー量を推定することになる。
【0007】
第2の手法では、トナー粒子を透過する波長の光を像担持体に向けて照射する。そして、照射光が像担持体表面のトナー粒子界面で乱反射することを利用して、乱反射光を受光できる位置に受光部を配置する。
【0008】
この第2の手法では、トナー量が増加に従って乱反射光が増加する関係によってトナー量を推定する。つまり、像担持体上のトナー量が増加するに従ってトナー界面における乱反射光が増える関係を用い、乱反射光受光量からトナー量を推定している。
【0009】
さらに、上記の第1及び第2の手法を組み合わせて、検知精度を向上させるとともにダイナミックレンジを向上させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
ここでは1つの発光素子と2つの受光素子とを備えて、2つの受光素子で感光ドラム等の像担持体及びトナーパッチから反射する異なる種類の反射光をそれぞれ受光する。そして、2つの受光素子の出力の差分に基づいてトナー量を検出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−39746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上記の第1のトナー量計測手法においては、像担持体の表面に対して斜め方向から光を照射して、像担持体表面に対して鏡面反射する方向へ向かう光を受光するようにしている。
【0013】
ところが、トナーパッチを像担持体に形成した際には、像担持体の表面がトナーで覆い尽くされ、トナー層が積層された状態になっている。このため、上述のようなトナー量計測手法においては、鏡面反射光の変化からトナー量の増加を精度よく検出することができない。その結果、高濃度トナーパッチに関してはトナー量の検知精度が著しく低下してしまうことになる。
【0014】
つまり、像担持体の表面がトナー層に覆われた状態から、トナー量が増えたとしても、像担持体の表面に関してその露出量は変化しない。このため、トナー量が増加しても鏡面反射光の光量はほとんど変化せず、トナー量の変化を正しく検知することができない。
【0015】
さらに、乱反射光量に応じてトナー量を検知する第2の手法においても、像担持体の表面がトナー層に覆われた状態から、トナー量が増えたとしても、トナー量の増加に従って乱反射光は若干増加するが、例えば、四方八方に対して等方向に広がる乱反射光(拡散光)については受光部(受光素子)に達する光量が小さい。
【0016】
このため、信号対雑音比(S/N比)は良好ではない。つまり、拡散光の増加の割合はトナー量増加の割合に比べて小さくなり、高濃度のトナーパッチに対しては、トナー量の増加を精度よく検知することが難しい。
【0017】
このような問題点、つまり、高濃度のトナーパッチのトナー量を精度よく検知することが難しいという問題点は、第1及び第2の手法を組み合わせた場合でも生じる。
【0018】
また、上記のような問題点に加えて、像担持体の経年変化等による表面状態の変化に対処できないという問題点もある。
【0019】
具体的には、通紙及び印字を行うに連れて不可避的に像担持体の表面粗さは大きくなる。このように像担時体の表面粗さが大きくなると、像担持体にトナーパッチを形成した際、トナーパッチと像担持体の表面露出部分との間において反射光分布の相違が小さくなる。
【0020】
このため、上記の第1の手法を用いた場合には、像担持体の表面粗さが大きくなると、正反射(鏡面反射)方向へ向かう光が減少し、像担持体の表面から四方へ散乱する反射光が増加してしまう。
【0021】
つまり、あたかも、像担持体の表面にトナーが存在して、このトナーによって鏡面反射する方向へ向かう光が減少し、乱反射光が増加するかのような状態となってしまう。その結果、トナー量検知誤差が大きくなる。
【0022】
上記のようなトナー量の検知誤差は、トナーパッチからの乱反射光を受光する第2の手法においても同様にして生じる問題点である。つまり、像担持体の表面粗さが大きくなると、トナーが存在しなければ本来光が到達するはずのない光が受光部に入射してしまうことになる。
【0023】
この結果、第2の手法においても、像担持体の表面粗さが大きくなると、あたかもトナー粒子が存在するかのような誤検出が行われてしまう。
【0024】
従って、本発明の目的は、像担持体上に形成されたトナーパッチ等のトナー像のトナー量を精度よくしかも安定して検知することのできるトナー量計測装置及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達するために、本発明によるトナー量計測装置は、像担持体に形成されたトナー像におけるトナー量を検出するトナー量計測装置において、前記トナー像に光を照射する発光部と、前記トナー像で反射された反射光を受光する受光部と、前記反射光の光量に応じて前記トナー像のトナー量を算出する算出手段とを有し、前記発光部と前記像担持体上における光の照射位置とを結ぶ直線と、前記照射位置と前記受光部とを結ぶ直線とのなす角度が15度以内となるように、前記受光部が配置されていることを特徴とする。
【0026】
本発明による画像形成装置は、上記のトナー量計測装置と、該トナー量計測装置で計測された前記トナー量と基準トナー量とに応じて前記トナー像の濃度補正を行う濃度補正手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、受光部を発光部による光の照射方向を基準とする方向に反射された反射光を受光する位置に配置するようにしたので、トナー量の増加に従って増加する光照射方向への反射光量を測定して、階調に拘わらず、S/N比の低下を防止して、高い感度でトナー量の計測を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態によるトナー量計測装置の一例が用いられた画像形成装置を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す画像形成装置において画像濃度の補正を行う際の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示す発光素子16aと受光素子16bの配置関係の一例を示す図である。
【図4】図1に示す中間転写ベルト7に形成されたトナーパッチに対して搬送方向上流側から斜め45度の方向で赤外光を照射した際の反射光量の分布を示す図であり、(a)はトナーパッチがラインハーフトーンである場合の反射光量の分布を示す図、(b)はトナーパッチが一層である場合の反射光量の分布を示す図、(c)はトナーパッチが二層である場合の反射光量の分布を示す図、(d)はトナーパッチが三層である場合の反射光量の分布を示す図である。
【図5】図1に示す発光素子16aと受光素子16bとの間の角度とトナー粒子単位面積当たりに入射する光束量(つまり、受光光量)との関係を示す図である。
【図6】図1に示す受光素子の受光量と中間転写ベルト上のトナー量との関係を示す図であり、(a)は本実施の形態における受光量とトナー量との関係を示す図、(b)は第1の比較例における受光量とトナー量との関係を示す図、(c)は第2の比較例における受光量とトナー量との関係を示す図、(d)は光照射角と受光角との間の角度を変化させた場合における受光量とトナー量との関係を示す図である。
【図7】図1に示す画像形成装置において印字枚数と受光光量(反射濃度)との関係を示す図であり、(a)は本実施の形態による印字枚数と受光光量(反射濃度)との関係を示す図、(b)は第1の比較例による印字枚数と受光光量(反射濃度)との関係を示す図、(c)は第2の比較例による印字枚数と受光光量(反射濃度)との関係を示す図である。
【図8】図1に示す中間転写ベルトに形成される傷及び荒れの方向による入射光の反射状態を示す図である。
【図9】図1に示す画像形成装置において発光素子の構造のさらに他の例を示す図であり、(a)は発光素子の前面に配置された偏向フィルタを説明するための図、(b)は中間転写ベルトの表面に対する入射角と反射率との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態によるトナー量計測装置の一例が用いられた画像形成装置について図面を参照して説明する。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態によるトナー量計測装置の一例が用いられた画像形成装置を模式的に示す図である。
【0031】
なお、図1においては、説明の便宜上、単一色の画像形成のみが示されているが、図示の画像形成装置は、例えば、4色フルカラーの画像形成装置である。また、図示の画像形成装置においては、感光ドラムを露光した結果得られる静電潜像にトナーを付着させる反転現像が用いられる。
【0032】
図1を参照して、原稿読取装置(リーダー:図示せず)によって原稿が読み取られ、原稿読み取りの結果得られた画像信号(画像データともいう)が画像信号処理回路1に与えられる。なお、図示はしないが、例えば、コンピュータ等の外部装置から画像データを画像信号処理回路1に与えるようにしてもよい。
【0033】
画像信号処理回路1は画像信号を受けると、当該画像信号に対して画像変換・ラスタライズ処理を行う。つまり、画像信号処理回路1は、画像信号を走査露光のための時系列走査画像データに変換する。
【0034】
図示の画像形成装置は、例えば、OPC又はa−Si製の感光ドラム3(像担持体の1つである)を有しており、この感光ドラム3は図中実線矢印の方向に回転駆動される。帯電装置2は感光ドラム3の表面を均一帯電する。
【0035】
前述の時系列走査画像データはパルス幅変調回路13に与えられ、パルス幅変調回路13は、参照画像信号発生回路13aから出力される参照画像信号を参照して時系列走査画像データをパルス幅変調してPWM信号を出力する。そして、このPWM信号によって半導体レーザ4が駆動され、半導体レーザ4からレーザビームが出力される。
【0036】
半導体レーザ4から出力されたレーザビームは、回転多面鏡(図示せず)、レンズ4a、及びミラー4bを介して、感光ドラム3に照射される。これによって、感光ドラム3の表面には画像データに応じた静電潜像が形成される。
【0037】
前述したように、図示の例では、反転現像が行われるため、露光量が多ければ、感光ドラム3に付着するトナー量は増加し、露光量が少なければ、感光ドラム3に付着するトナー量は減少することになる。
【0038】
現像装置5にはトナー粒子とキャリア粒子とが混合された2成分現像剤が収納されている。そして、現像装置5は、感光ドラム3に形成された静電潜像にトナー粒子を静電力によって付着(反転現像)させ、静電潜像を可視画像(トナー像ともいう)とする。
【0039】
なお、図示の例では、シアン、マゼンダ、及びイエローのカラートナーと、シアン・マゼンダ・イエローを混合して生成してブラックトナーが用いられる。これらのトナーは、後述する赤外発光素子から出力される赤外線(赤外光)の波長に対して光吸収性を有せず、赤外線をほぼ透過する特性を有する。
【0040】
感光ドラム3に形成されたトナー像は、一次転写位置において一次転写ローラ6に印加された電圧に応じた静電気力によって中間転写ベルト7(像担持体の1つである)の表面に静電転写される(一次転写)。そして、感光ドラム3の表面に残留した転写残トナーは、クリーニング装置8によって除去される。
【0041】
図示の例では、中間転写ベルト7にはポリイミドが用いられている。そして、中間転写ベルト7上(つまり、像担持体上)に転写されたトナー像は、二次転写位置において、二次転写ローラ9によって中間転写ベルト7から記録紙10に転写される(二次転写)。
【0042】
その後、記録紙は定着ユニット(図示せず)に搬送され、ここで、記録紙上の未定着トナー像が定着処理される。そして、記録紙は排出トレイ等に排出される。
【0043】
なお、中間転写ベルト7に残留した転写残トナーは中間転写ベルト表面クリーニング・ユニット11によって除去される。
【0044】
図示の画像形成装置は、トナー量計測装置を有しており、このトナー量計測装置は、基準トナーパッチ信号作成回路12、基準トナー量記憶テーブル14、光量補正回路15、発光素子16a、及び受光素子16bを備えている。
【0045】
基準トナーパッチ信号作成回路12は、画像形成装置に備えられた制御部(CPU:図示せず)からの指令に応じて基準トナーパッチ信号を作成する。制御部は、例えば、非画像形成の際に上記の指令を基準トナーパッチ信号作成回路12に与える。
【0046】
なお、画像形成の際に、画像形成が行われる領域外(非画像形成領域)にトナーパッチを形成するように、基準トナーパッチ信号作成回路12に指令を与えるようにしてもよい。
【0047】
基準トナーパッチ信号作成回路12から出力された基準トナーパッチ信号はパルス幅変調回路13に与えられ、パルス幅変調回路13は基準トナーパッチ信号をパルス幅変調して、基準PWM信号として出力する。半導体レーザ4は基準PWM信号に応じて駆動される。
【0048】
これによって、前述したように、感光ドラム3に静電潜像が形成される。そして、感光ドラム3上の静電潜像が現像され、基準トナーパッチとされる。その後、基準トナーパッチはトナー量計測用パッチとして中間転写ベルト7に転写される。
【0049】
ここで、前述のトナー量計測用パッチは、例えば、画像濃度補正又は色安定化のために用いられる。トナー量計測用測定パッチは、例えば、2cm×2cmの四角形状であり、このようなパッチが複数の中間転写ベルト7上に搬送方向に所定の間隔で形成される。複数のパッチは、ハイライト階調(0.1mg/cm)、中濃度階調(0.3mg/cm)、及び高濃度階調(0.5mg/cm)の3階調のいずれかである。
【0050】
なお、階調の異なるパッチを形成する際には、パルス幅変調による光強度変調を用いることなく、スクリーンを用いて階調を変化させるようにしてもよい。スクリーンを用いて階調の異なるパッチを形成する際には、階調変換用のルックアップテーブルが用いられる。
【0051】
図2は、図1に示す画像形成装置において画像濃度の補正を行う際の動作を説明するためのフローチャートである。
【0052】
図1及び図2を参照して、画像濃度補正を行う際には、基準トナーパッチ信号作成回路12は、制御部から指令された階調パッチ濃度に応じて基準トナーパッチ信号を出力する(ステップS201)。これによって、前述したようにして、基準パッチが中間転写ベルト7に形成される(ステップS202)。
【0053】
続いて、発光素子16aから光が基準パッチに照射され、その反射光が受光素子16bで受光される。受光素子16bで受光された光の強度(光量)を示す光強度信号が光量補正回路15に与えられる。光量補正回路15は光強度信号に応じてトナー濃度を算出する。
【0054】
つまり、光強度信号が示す光量とトナー濃度との関係が予め光量補正回路15に設定されており、光量補正回路15はこの関係を参照して光強度信号が示す光量からトナー濃度を算出トナー濃度として求める(ステップS203)。
【0055】
一方、基準トナーパッチ信号で規定されたトナー濃度(トナー量)が基準トナー量として基準トナー量記憶テーブル14に格納されている。この基準トナー量記憶テーブル14には階調パッチ濃度毎にその基準トナー量が設定されているものとする。
【0056】
光量補正回路15は基準トナー量と算出トナー濃度(つまり、算出トナー量)とを比較して、算出トナー量が基準トナー量よりも大きいか否かを判定する(ステップS204)。算出トナー量が基準トナー量よりも大きいと(ステップS204において、YES)、光量補正回路15は光量を減少させるための光量減少信号を出力する(ステップS205)。そして、光量補正回路15は処理を終了する。
【0057】
つまり、光量補正回路15は算出トナー量と基準トナー量との差分(絶対値)を画像信号処理回路1から出力される時系列走査画像データから減ずることになる。
【0058】
一方、算出トナー量が基準トナー量以下であると(ステップS204において、NO)、光量補正回路15は、算出トナー量が基準トナー量よりも小さいか否かについて判定する(ステップS206)。そして、算出トナー量が基準トナー量よりも小さいと(ステップS206においてYES)、光量補正回路15は光量を増加させるための光量増加信号を出力する(ステップS207)。
【0059】
つまり、光量補正回路15は算出トナー量と基準トナー量との差分(絶対値)を画像信号処理回路1から出力される時系列走査画像データに加算することになる。なお、ステップS206において、算出トナー量が基準トナー量よりも少ないと(ステップS206においてNO)、光量補正回路15は算出トナー量と基準トナー量とが等しいと判断して、処理を終了する。
【0060】
このようにして、トナー量計測装置によって、中間転写ベルト7に形成されたトナーパッチのトナー量を計測して、この計測トナー量(算出トナー量)と基準トナー量とを比較する。そして、その比較結果に応じて、感光ドラム3の露光量を調整して、濃度補正を行うことになる。つまり、パルス幅変調回路13におけるパルス変調幅を調整して、濃度補正制御が行なわれることになる。
【0061】
ここで、図1に示すトナー量計測装置で用いられる発光素子16a及び受光素子16bの配置と構造について説明する。
【0062】
図3は図1に示す発光素子16aと受光素子16bの配置関係の一例を示す図である。
【0063】
図1及び図3を参照して、図示の発光素子16a及び受光素子16bはトナー量を検出するためのトナー量検出装置である。前述のように、感光ドラム3に形成されたトナー量計測用パッチ(トナーパッチ)は、中間転写ベルト7に転写され、発光素子16a及び16bを用いて中間転写ベルト7上のトナーパッチのトナー量が検出される。
【0064】
図1に示すように、発光素子16a及び受光素子16bは中間転写ベルト7表面の上方に配置されている。具体的には、発光素子16aと中間転写ベルト7上における光の照射位置とを結ぶ直線と、発光素子16aからの光の照射位置と受光素子16bとを結ぶ直線とのなす角度αが15度以内となるように、発光素子16aと受光素子16bが配置されている。また、発光素子16aと照射位置とを結ぶ直線と、照射位置における中間転写ベルト7上の外周に対する法線とのなす角度が15度以上となるように、発光素子16aが配置されている。図3の例では、発光素子16aと照射位置17とを結ぶ直線と、照射位置17における中間転写ベルト7上の外周に対する法線とのなす角度を45度とした。
【0065】
発光素子16aは赤外光(波長720nm)をトナーパッチに照射する。受光素子16bは、発光素子16aに隣接して配置されている。発光素子16aから直接赤外光が受光素子16bで受光されることを防止するため、発光素子16aと受光素子16bとの間には隔壁16cが設けられている。
【0066】
図4は、図1に示す中間転写ベルト7に形成されたトナーパッチに対して搬送方向上流側から斜め45度の方向で赤外光を照射した際の反射光量の分布を示す図である。そして、図4(a)はトナーパッチがラインハーフトーンである場合の反射光量の分布を示す図であり、図4(b)はトナーパッチが一層である場合の反射光量の分布を示す図である。さらに、図4(c)はトナーパッチが二層である場合の反射光量の分布を示す図であり、図4(d)はトナーパッチが三層である場合の反射光量の分布を示す図である。
【0067】
図1及び図4を参照して、いま、中間転写ベルト7の表面が平滑であるとする。この場合、中間転写ベルト7に照射された赤外光は、中間転写ベルト7の表面で正(鏡面)反射されるか又はその内部で吸収・乱反射される。図示の例では、発光素子16aは中間転写ベルト7表面に立てた垂線には対して45度の方向に配置されている。
【0068】
このため、鏡面反射光は発光素子16a及び受光素子16bの方向に向かうことなく、発光素子16a及び受光素子16bが配置された箇所とは逆方向に向うことになる。つまり、鏡面反射光は、中間転写ベルト7に立てた垂線に対して入射光と軸対称の方向に向うことになる。
【0069】
一方、中間転写ベルト7の内部に吸収されて乱反射した赤外光は、光照射領域から周囲の全方向に等方的に広がる。よって、発光素子16a及び受光素子16bが配置された箇所に戻って受光素子16bによって受光される乱反射光の受光量は非常に小さい。つまり、中間転写ベルト7にトナー粒子が存在しない場合には、受光素子16bが出力する信号強度は暗電流に等しいといえる。
【0070】
トナー粒子が中間転写ベルト7上に存在する場合には、トナー粒子は閉曲面形状であるため、必ず受光素子16bの方向を向くトナー粒子の表面が存在する。つまり、トナー粒子で反射された反射光の少なくとも一部は必ず受光素子16bに向うことになる。
【0071】
さらに、発光素子16aからトナー粒子の表面が受ける照度及び単位面積当たりに入射する光束量は、トナー粒子の発光素子16aを向く面ほど大きいことになる。言い換えると、トナー粒子の表面には必ず発光素子16aを向く部分があり、この部分はトナー粒子の他の部分よりも遥かに明るく照らされるため、反射光が強くなる。
【0072】
上述のように、中間転写ベルト7上にトナー粒子が存在すると、トナー粒子で反射された赤外光が受光素子16bに入射することになる。入射赤外光の入射方向と受光方向との角度をθとすれば、トナー粒子の単位面積当たりに入射する光束量はCOSθ/2に比例する。
【0073】
図5は、図1に示す発光素子16aと受光素子16bとの間の角度とトナー粒子単位面積当たりに入射する光束量(つまり、受光光量)との関係を示す図である。
【0074】
図5に示すように、発光素子16aと受光素子16bとの角度、つまり、光照射角と受光角との間の角度を変化させると、トナー粒子単位面積当たりに入射する光束量が低下する。よって、反射光は入射光方向と同方向に対しては強く、入射光方向から離れるに従ってその光束量が弱くなる。
【0075】
トナー粒子からの反射光は、中間転写ベルト7の内部に吸収されて乱反射した光に比べてその割合が多い。前述のように、中間転写ベルト7上にトナー粒子が存在しない場合には、受光素子16bの出力信号強度はほぼゼロである。
【0076】
一方、中間転写ベルト7上のトナー粒子が増加するに従って、受光素子16bの出力信号強度は単調に増加する。よって、受光素子16bの出力強度に応じて中間転写ベルト7上のトナー量を求めることができる。
【0077】
図6は、図1に示す受光素子16bの受光量と中間転写ベルト7上のトナー量との関係を示す図である。そして、図6(a)は本実施の形態における受光量とトナー量との関係を示す図であり、図6(b)は第1の比較例における受光量とトナー量との関係を示す図である。また、図6(c)は第2の比較例における受光量とトナー量との関係を示す図であり、図6(d)は光照射角と受光角との間の角度を変化させた場合における受光量とトナー量との関係を示す図である。
【0078】
ここで、第1の比較例においては、中間転写ベルト7に向けて赤外光を照射してその表面で鏡面反射した方向に受光素子16bが配置されている。また、第2の比較例においては、トナー粒子による乱反射光を受光可能な位置に受光素子16bが配置されている(発光素子16aに対して角度45度離れた位置に受光素子16bは配置される)。
【0079】
なお、本実施の形態と第1及び第2の比較例ともに発光素子16aは中間転写ベルト7に対して斜め45度の方向に配置されているものとする。
【0080】
ところで、トナー粒子で反射された反射光(つまり、鏡面反射光)は、入射光方向と同方向に対しては強く、入射光方向から離れるにしたがい弱くなる。本実施の形態においては、発光素子16aに隣接して受光素子16bが配置されているため、図6(a)に示すように、中間転写ベルト7上のトナー量が増加するにつれて受光素子16bにおける受光量が増加する。
【0081】
一方、第1の比較例においては、鏡面反射した方向に受光素子16bが配置されているので、図6(b)に示すように、中間転写ベルト7上のトナー量が増加するにつれて一旦受光素子16bにおける受光量が減少する。そして、トナー量が約0.4mg/cmを越えると、受光量が徐々に増加することが分かる。
【0082】
また、第2の比較例においては、乱反射光を受光可能な位置に受光素子16bが配置されているので、図6(c)に示すように、中間転写ベルト7上のトナー量が増加するにつれて受光素子16bにおける受光量が増加する。ところが、トナー量が一旦受光素子16bにおける受光量が減少する。そして、トナー量が約0.4mg/cmを越えると、受光量の増加が低下し、フラットな状態となることが分かる。
【0083】
さらに、図6(d)に示すように、本実施の形態において、光照射角と受光角との間の角度を変化させると、光照射角と受光角との間の角度が大きくなるにつれて受光量が低下することが分かる。
【0084】
前述のように、本実施の形態においては、中間転写ベルト7上のトナー量が増加するにつれて受光量が単調に増加する。そして、中間転写ベルト7の表面がトナー粒子で覆い尽されて、そして、トナー量がさらに増加してトナー層が増えていっても、受光素子16bの出力信号強度は低下することなく単調に増加する。
【0085】
本実施の形態においては、発光素子16aから照射されて界面で反射しなかった赤外光は、トナー粒子に吸収されることなく透過する。そして、トナー量が多い場合、つまり、トナーが多層を構成する場合には、あたかも発光素子16aの方向を向く面が増加して、発光素子16aの方向、つまり、受光素子16bの方向に反射される光が増加する。
【0086】
これによって、本実施の形態では、トナー量がさらに増加してトナー層が増えていっても、受光素子16bの出力信号強度は低下することなく単調に増加することになる。
【0087】
図4(a)〜図4(d)に示すように、中間転写ベルト7上のトナー層が増えるについて、発光素子16a、つまり、受光素子16bの方向に反射される光が増加する。ライトハーフトーンの場合には、中間転写ベルト7に立てた垂線に対して対称な方向への反射光が多いが、トナー層の構成が増加するにつれて、発光素子16aの方向に反射される光が増加することが分かる。
【0088】
つまり、トナー層が増加するにつれて、反射面が多くなって発光素子16aの側へ反射する反射の光量が増加する。このため、トナー層が厚く積みあがって、中間転写ベルト7の表面がトナー層で覆い尽くされている高濃度パッチに対しても、本実施の形態では精度よくトナー量の検出を行うことができる。
【0089】
従って、本実施の形態によるトナー量計測装置を用いれば、トナー量増加を反映させて、受光素子16bからS/N比(信号対残音比)の高い出力信号を得ることができる。つまり、高精度にしかも広い階調にわたってトナー量を計測することができることになる。
【0090】
ところで、図1に示すトナー量計測装置を用いて、受光素子16bで受光された受光量からトナー量を算出する場合、この算出は、例えば、当該トナー量計測装置を画像形成装置に取り付ける際に行われる。なお、画像形成装置の調整の際に当該算出を行うようにしてもよい。
【0091】
上記の算出に当たっては、受光素子16bから出力される出力信号と目標トナー量(基準トナー量)との関係が、図1に示す基準トナー量記憶テーブル14に設定される。そして、濃度補正の際には、前述したように、基準トナー量記憶テーブル14を用いて濃度補正が行われる。
【0092】
なお、濃度補正を行う際には必ずしもトナーパッチを形成する必要はなく、例えば、読み取りスキャナ等を用いて、印刷画像を読み取ってその濃度を得て、別に得られた受光素子16bの出力信号を濃度換算し比較するようにしてもよい。
【0093】
再び図6を参照して、いま、中間転写ベルト7の表面は荒れておらず、平滑な状態であるものとする。なお、ここでは、イエロートナーを用いて中間転写ベルト7上にトナーバッチを形成している。
【0094】
前述のように、本実施の形態においては、トナー量を反映させた受光量を検出することできるが、第1の比較例においては、0.4mg/cm程度のトナー量まではトナー量と受光量の対応がとれるものの、それ以降のトナー量においては、トナー量と受光量との対応がとれない。つまり、第1の比較例においては、トナー量が低濃度〜中間濃度までの範囲においてのみ中間転写ベルト7上のトナー量を検出できるだけである。
【0095】
また、第2の比較例においては、高濃度においてもトナー量と受光量との対応がとれているものの、トナー量の変化に対する受光量の変化が小さいため、検出感度が低くなってしまう。その結果、トナー量検出に対するS/N比は低くなってしまう。
【0096】
続いて、上述の本実施の形態と第1及び第2の比較例とよるトナー量検知結果に応じて濃度補正を行った場合について説明する。ここでは、濃度補正として半導体レーザ4の光量補正を行った場合について説明する。
【0097】
図7は図1に示す画像形成装置において印字枚数と受光光量(反射濃度)との関係を示す図である。そして、図7(a)は本実施の形態による印字枚数と受光光量(反射濃度)との関係を示す図であり、図7(b)は第1の比較例による印字枚数と受光光量(反射濃度)との関係を示す図である。また、図7(c)は第2の比較例による印字枚数と受光光量(反射濃度)との関係を示す図である。
【0098】
図7(a)〜(c)においては、ハイライト階調(0.5)、中間調階調(1.0)、及び高濃度階調(1.5)のトナーパッチを中間転写ベルト7に形成して、印字枚数に対して反射濃度がどのように推移をしたかを示している。
【0099】
図7(a)〜(c)に示すように、露光量補正を行った場合、連続印字における各階調の濃度安定性は本実施の形態が最も安定していることが分かる。特に、第1及び第2の比較例1においては、高濃度階調において濃度安定性に欠けているが、本実施の形態においては、高濃度階調においても濃度が安定していることが分かる。
【0100】
以上のように本実施の形態では、トナー量の増加に対して受光素子16bの出力信号強度が単調に増加し、精度よくトナー量の推定を行うことができる。本実施の形態では、ハイライト階調(0.1mg/cm)、中濃度階調(0.3mg/cm)、及び高濃度階調(0.5mg/cm)のいずれのトナーパッチに対しても、高精度にトナー量の推定を行うことができる。
【0101】
よって、本実施の形態によるトナー量推定を用いてパルス幅変調の補正を行えば、画像形成装置の出力特性に変化が生じても、目標階調となるように容易に調整を行うことができる。
【0102】
一方、第1の比較例では、中濃度階調(0.3mg/cm)〜高濃度階調(0.5mg/cm)のトナーパッチにおいては、受光素子16aの受光信号強度においてその変化量が小さくなって、ほとんど変化がみられない。
【0103】
このため、第1の比較例1においては、中濃度階調〜高濃度階調のトナーパッチについてはパルス幅変調の調整を精度よく行うことができない。その結果、画像形成装置の出力特性が生じた場合、特に、中濃度階調〜高濃度階調において、出力画像濃度を安定化することが困難である。
【0104】
さらに、第2の比較例2の場合には、ハイライト階調、中濃度階調、及び高濃度階調において、トナー量の増加に従って受光量の変化は見られるものの、全階調において受光量が少なく、その結果、S/N比の低下が避けられない。
【0105】
その結果、受光量とトナー量との対応関係にバラツキがある。つまり、受光素子の出力信号強度からトナー量を算出・推定する際の誤差が大きくなってしまう。このため、画像形成装置の出力特性に変化が生じた場合、目標階調からのズレが生じてしまい、長期に亘る出力安定性が低下する。
【0106】
図8は、図1に示す中間転写ベルト7に形成される傷及び荒れの方向による入射光の反射状態を示す図である。
【0107】
図8に示すように、クリーニング部材11と中間転写ベルト7との摺擦等に起因して、中間転写ベルト7には傷等がその移動方向に沿って生じる。ところが、上述のように配置された発光素子16aに隣接して受光素子16bを配置すると、中間転写ベルト7の動方向に沿って生じた傷の溝斜面が受光素子16bの方向に正対することはない。
【0108】
この結果、表面が荒れた中間転写ベルト7であっても、発光素子16aから照射された赤外光が中間転写ベルト7において鏡面反射しても、受光素子16bに反射光が戻ってくることはない。
【0109】
このため、中間転写ベルト7の回転・移動・摩擦等に起因して、中間転写ベルト7の表面に荒れ・キズが生じても、受光素子16aが出力する信号強度は、中間転写ベルト7の表面が平滑であるな場合と同様に小さく、ほぼゼロである。
【0110】
中間転写ベルト7の表面が荒れた状態で、第1及び第2の比較例と比較したところ、第1及び第2の比較例では、トナー量に関わらず、ほぼ一定量の受光量となり、パルス幅変調の調整によって濃度補正を行うことは困難であった。
【0111】
一方、本実施の形態のように、発光素子16a及び受光素子16bを配置すると、中間転写ベルト7の表面が荒れているにも関わらず、トナー量が増加するに従って受光量が増えるという関係が確認できた。
【0112】
つまり、本実施の形態のように、発光素子16a及び受光素子16bを配置すれば、中間転写ベルトの表面状態に関わらず、トナー量を精度よく検知することができる。その結果、パルス幅変調を調整して濃度補正を行えば出力画像濃度を安定させることができることが確認できた。
【0113】
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。図9は、図1に示す画像形成装置において発光素子16aの構造のさらに他の例を示す図である。そして、図9(a)は発光素子16aの前面に配置された偏向フィルタ16dを説明するための図であり、図9(b)は中間転写ベルト7の表面に対する入射角と反射率との関係を示す図である。
【0114】
図示の例では、発光素子16aの前面側に偏向フィルタ16dが配置されている。この偏向フィルタ16dは、発光素子16aから出力される光の偏向比率を、S波(S偏光)を主体とする。
【0115】
いま、照射光の偏光比率を、中間転写ベルト7の表面を基準としてS波主体とすると、照射光の中間転写ベルト7内部への侵入を減少させて、拡散光が減少することが確認できた。中間転写ベルト7内部に侵入して拡散する光は、光量としては弱いとはいえ、この拡散光は受光素子16bに入射する。
【0116】
トナー粒子が中間転写ベルト7上に存在しない場合でも、受光素子16bに受光される光があると、トナー量の増加に対する光量の増加によってトナー量を算出・推定しようとする際には、当該光がノイズの原因となる。つまり、S/N比が低下する原因となる。
【0117】
図9(b)に示すように、中間転写ベルト7に光を照射した際、S波はP波に比べて反射率が高く、入射角が大きくなるにつれてその反射角が単調に増加する。一方、P波は入射角が大きくなっても、入射角が70度程度までは反射率が低減し、入射角が80度を過ぎると反射率が急激に増加する。
【0118】
このことは、入射角が80度程度以下においては、S波は中間転写ベルト7に侵入しやすく、その結果、中間転写ベルト7から拡散光が生じることを意味している。一方、S波の場合には、入射角の全領域でP波よりも反射率が高く、中間転写ベルト7内に光が入射することが少なく、結果的に、中間転写ベルト7からから拡散光が発生することが少ない。
【0119】
このように、中間転写ベルト7の表面に対する照射光の偏光比率を、中間転写ベルト7の表面を基準としてS波を主体とすれば、中間転写ベルト7から拡散する光を減少させることが可能となる。その結果、S/N比の低下を防止することができ、精度よくトナー量の検知を行うことができる。
【0120】
上述の例では、偏光比率を変化させるために偏光フィルタを用いたが、例えば、発光素子16aの前面に透明板を配置し、光の入射角に対し偏光方向に依存して透過率が異なる特性等を利用するようにしてもよい。いずれにしても、中間転写ベルト7に対する照射光の偏光比率を変化させる手法を用いるようにすればよい。
【0121】
また、入射光(つまり、基準方向)に対して角度15度以内で反射光を受光することが望ましい。基準方向に対して角度15度以上離れて受光すると、第2の比較例と同様の出力強度となってしまい、十分なS/N比を確保することが難しいことが確認できた。
【0122】
上述の例では、像担持体として中間転写ベルト7を例に挙げて説明したが、感光ドラム等の像担持体にトナーパッチを形成して、その濃度を検出する際においても同様にして適用することができる。
【0123】
なお、上述の説明から明らかなように、図1に示す光量補正回路15が、中間転写ベルト7等の像担持体に形成されたトナー像(トナーパッチ)におけるトナー量を検出する際、発光素子16a(発光部)で照射された光の反射光を受光素子16b(受光部)で受光した際の光量に応じてトナー像のトナー量を算出する算出手段として機能する。そして、受光部は発光部による光の照射方向を基準とする方向に反射された反射光を受光する位置に配置されていることになる。
【符号の説明】
【0124】
1 画像信号処理回路
3 感光ドラム
4 半導体レーザ
7 中間転写ベルト
12 基準トナーパッチ信号作成回路
13 パルス幅変調回路
14 基準トナー量記憶テーブル
15 光量補正回路
16a 発光素子
16b 受光素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に形成されたトナー像におけるトナー量を検出するトナー量計測装置において、
前記像担持体に向けて光を照射する発光部と、
前記像担持体上の前記トナー像で反射された反射光を受光する受光部と、
前記反射光の光量に応じて前記トナー像のトナー量を算出する算出手段とを有し、
前記発光部と前記像担持体上における光の照射位置とを結ぶ直線と、前記照射位置と前記受光部とを結ぶ直線とのなす角度が15度以内となるように、前記受光部が配置されていることを特徴とするトナー量計測装置。
【請求項2】
前記受光部は前記発光部に隣接して配置され、前記受光部と前記発光部との間には隔壁が設けられていることを特徴とする請求項1記載のトナー量計測装置。
【請求項3】
前記発光部と前記照射位置とを結ぶ直線と、前記照射位置における前記像担持体の外周に対する法線とのなす角度が15度以上となるように、前記発光部が配置されていることを特徴とする請求項1記載のトナー量計測装置。
【請求項4】
前記発光部は、像担持体の表面を基準としてS偏光を前記像担持体に照射することを特徴とする請求項1記載のトナー量計測装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー量計測装置と、該トナー量計測装置で計測された前記トナー量と基準トナー量とに応じて前記トナー像の濃度補正を行う濃度補正手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記濃度補正手段は、前記トナー量計測装置で計測されたトナー量と前記基準トナー量とを比較して、その比較結果に応じて前記像担持体上に静電潜像を形成する際の露光量を制御するようにしたことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−13768(P2012−13768A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147603(P2010−147603)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】