説明

トレーサブルナビゲーションシステム

【課題】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、トレーサビリティシステムの信頼性を向上させるという課題と、ひとつの地図のみの更新によりすべての閲覧装置に対応するという課題と、の二つの課題を解決する方法を提案するものである。
【解決手段】
本発明は、GPS機能部と、前記GPS機能部から取得される複数の経度緯度情報に基づいた情報である移動情報を保持する保持部と、前記保持部に保持されている移動情報を送信するための送信部と、を有する携帯端末装置と、前記送信部から送信される移動情報を取得する取得部と、前記取得部にて取得された移動情報に基づいて前記携帯端末装置の移動軌跡を地図上に表示するための軌跡地図表示部と、を有する閲覧装置と、からなるトレーサビリティシステムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーサビリティシステムに関するものであって、特に携帯端末装置の移動情報に関するトレーサビリティシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
狂牛病の問題を契機に、いくつものトレーサビリティシステムが構築され、すくなくともデータ量という意味では十分な量のデータを蓄積するようなシステムが構築されつつある。しかしながら、このトレーサビリティシステムにおいてもまださまざまな問題がある。それは、情報の質の問題である。いかに優れたトレーサビリティシステムができようとも、データ入力の際に恣意性が入る余地があれば、そこにデータ捏造の危険性があり、真のトレーサビリティシステムとはかけ離れたものになる。また、こうした意図的なものでなくても日常的に起こりうる入力ミスもある。しかしながら、現在のトレーサビリティシステムにおいては、こうした問題を解決するにはいたっていない。例えば、牛の一日の活動を移動軌跡として監視することができれば、牛がどのようなエサを食べたかは、エサに関するトレーサビリティシステムのデータと照合することにより、明らかになる。真の意味でのトレーサビリティを達成しようとすれば、文字通りその軌跡をトレースしなければならない。しかし、現状ではデータ量が膨大になる、などの問題があってこうしたシステムは具現化されていない。また、地図画像は高価であるが、これをたくさん購入することは非現実的であり、特に頻繁に地図を更新しなければ、ならないことを考えるとこのシステムの維持は大変なものとなる。
【特許文献1】特開平08-014932
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、かかる実情に鑑み、特に、作業のプロセスを、GPSを用いて移動情報という観点から追跡できるようにし、実際に作業者がどのように移動して作業を行ったかを客観的にデータ収集することによって、システムの信頼性を向上するという課題と、一方で、高価な地図画像はひとつのみを購入すればすべての閲覧装置をまかない、かつ、これによって、地図の更新などの保守作業が軽減し、その結果としてシステム的付加を軽減するという課題と、の二つの相矛盾する課題を解決する方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、トレーサビリティシステムにかかるものである。
【0005】
発明1 GPS機能部と、前記GPS機能部から取得される複数の経度緯度情報に基づいた情報である移動情報を保持する保持部と、前記保持部に保持されている移動情報を送信するための送信部と、を有する携帯端末装置と、前記送信部から送信される移動情報を取得する取得部と、前記取得部にて取得された移動情報に基づいて前記携帯端末装置の移動軌跡を地図上に表示するための軌跡地図表示部と、を有する閲覧装置と、からなるトレーサビリティシステム。
【0006】
発明2 前記携帯端末装置の保持部に保持されている前記移動情報は、前記携帯端末装置の移動につれて前記GPS機能部から取得される複数の経度緯度の値の組である経度緯度セット情報である発明1に記載のトレーサビリティシステム。
【0007】
発明3 前記閲覧装置の軌跡地図表示部は、前記取得部で取得した移動情報に基づいて前記携帯端末装置の移動軌跡を示す線である移動軌跡線のみからなる画像である移動軌跡線画像を生成する移動軌跡線画像生成手段を有する発明2に記載のトレーサビリティシステム。
【0008】
発明4 前記閲覧装置の軌跡地図表示部は、地図画像を取得する第一地図画像取得手段と、前記移動軌跡線画像生成手段で生成した移動軌跡線画像を、前記第一地図画像取得手段で取得した地図画像に重ね合わせた画像である重畳画像を生成する第一重畳画像生成手段と、を有する発明3に記載のトレーサビリティシステム。
【0009】
発明5 前記携帯端末装置の保持部に保持されている前記移動情報は、前記携帯端末装置の移動につれて前記GPS機能部から取得される経度緯度の値に基づいて生成される前記携帯端末装置の移動軌跡を示す線である移動軌跡線のみからなる画像である移動軌跡線画像である発明1に記載のトレーサビリティシステム。
【0010】
発明6 前記閲覧装置の軌跡地図表示部は、地図画像を取得する第二地図画像取得手段と、前記取得部で取得した移動情報を、前記第二地図画像取得手段で取得した地図画像に重ね合わせた画像である重畳画像を生成する第二重畳画像生成手段と、を有する発明5に記載のトレーサビリティシステム。
【0011】
発明7 前記携帯端末装置は、GPS機能部から取得される経度緯度情報を移動情報として前記保持部に保持開始させるための保持開始入力部をさらに有する発明1から6のいずれか一に記載のトレーサビリティシステム。
【0012】
発明8 前記携帯端末装置は、前記保持部に保持された移動情報を閲覧するための携帯端末閲覧部を有する発明1から7のいずれか一に記載のトレーサビリティシステム。
【0013】
発明9 前記閲覧装置は、第一重畳画像生成手段が生成した重畳画像をネットワークを介して閲覧させるためのネットワーク閲覧部を有する発明4に記載のトレーサビリティシステム。
【0014】
発明10 前記閲覧装置は、第二重畳画像生成手段が生成した重畳画像をネットワークを介して閲覧させるためのネットワーク閲覧部を有する発明6に記載のトレーサビリティシステム。
【0015】
発明11 前記移動情報には、地図情報を含まない発明1から10のいずれか一に記載のトレーサビリティシステム。
【0016】
発明12 前記携帯端末装置は、生産物の生産履歴を管理するための識別情報である生産物管理識別情報を取得する生産物管理識別情報取得部を有し、前記移動情報は、前記生産物管理識別情報取得部から取得される生産物管理識別情報と関連付けられている請求項1から11に記載のトレーサビリティシステム。
【0017】
発明13 前記生産物管理識別情報は、農作物を生産する土地である生産単位を識別するための情報であり、前記移動情報は、前記生産物管理識別情報で識別される生産単位である土地の中での前記携帯端末装置の移動を示す情報である発明12に記載のトレーサビリティシステム。
【0018】
発明14 前記第一地図画像情報取得手段は、インターネット上のウエッブページにて公開されている地図画像を取得する請求項4に記載のトレーサビリティシステム。
【0019】
発明15 前記第二地図画像情報取得手段は、インターネット上のウエッブページにて公開されている地図画像を取得する発明6に記載のトレーサビリティシステム。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1から15の一または二以上の請求項に記載のトレーサビリティシステムによれば、ナビゲーションシステムのようなリアルタイムでの位置表示が不要なために、(1)携帯端末装置にはウェブブラウザや、その他メモリ容量を必要とするソフトウェアが不要となる、(2)携帯電話のようなメモリの小さな携帯端末装置でもよい、(3)バッチ処理で経度緯度情報を送信すればよいために、コンピュータにデータを送信することができればよく、LAN、インターネットへの接続機能などは不要である、(4)携帯端末装置ごとに地図を保持する必要がなく、閲覧装置一台に地図があれば、端末から自由に閲覧ができるために、地図を更新したり、古い地図を保管したり、などの地図の維持管理が容易になる、(5)サーバーで地図画像を保持すればよいので、高価な地図の購入をサーバーの個数分だけに限定することができる、などの効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0022】
尚、本発明のトレーサビリティシステムは、以下に述べる実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0023】
実施形態1は、主に請求項1などに関する。
【0024】
実施形態2は、主に請求項2などに関する。
【0025】
実施形態3は、主に請求項3などに関する。
【0026】
実施形態4は、主に請求項4などに関する。
【0027】
実施形態5は、主に請求項5などに関する。
【0028】
実施形態6は、主に請求項6などに関する。
【0029】
実施形態7は、主に請求項7などに関する。
【0030】
実施形態8は、主に請求項8などに関する。
【0031】
実施形態9は、主に請求項9などに関する。
【0032】
実施形態10は、主に請求項102などに関する。
【0033】
実施形態11は、主に請求項11などに関する。
【0034】
実施形態12は、主に請求項12などに関する。
【0035】
実施形態13は、主に請求項13などに関する。
【0036】
実施形態14は、主に請求項14などに関する。
【0037】
実施形態15は、主に請求項15などに関する。
【0038】
≪実施形態1≫
【0039】
<実施形態1の概念>
【0040】
図1は、実施形態1の概念を表す図である。
【0041】
実施形態1は、トレーサビリティシステムに関する発明であって、携帯端末装置0103が移動をする場合に、その携帯端末装置の移動情報0101を逐一、データとして保存することによって、あとからでもどのような移動がなされたかを追跡確認できるようにするためのシステムである。このデータをあとから調査することによって、例えば、農作業における農薬の散布などをどのような手順で行ったかどうかがわかる。本実施形態の特徴点は、GPS衛星0102からの経度緯度情報がGPS機能部によって取得され、その経度緯度情報が複数保持されるという点にある。この複数の経度緯度情報からなる情報を移動情報といい、この移動情報が閲覧装置に対して送信される。これは、一見すると、カーナビゲーションシステムと同じく見えるが、カーナビゲーションシステムとは異なるところである。カーナビゲーションシステムも、本実施形態のトレーサビリティシステムのいずれもGPSを用いて緯度経度情報を取得してこれに基づいた位置情報を表示するのだが、カーナビゲーションシステムが現在位置を表示することが第一目的であるのに対して、本実施形態は、携帯端末装置の移動情報、移動軌跡などの履歴を表示することが第一目的である。また、その目的の相違から、カーナビゲーションシステムは、位置表示においてリアルタイム処理が要求されるのに対して、本実施形態は、バッチ処理で十分である。
【0042】
図2は、本実施形態の特徴をカーナビゲーションシステム(以下、カーナビと略す)との比較にて表した図である。処理の特徴は、カーナビがリアルタイム処理であるのに対して、本実施形態は、バッチ処理である点である。両者の差は表示する内容によって変わり、カーナビがカーナビを搭載した自動車の時々刻々と変わる現在位置を表示するのに対して、本実施形態が形態端末のすでに完了した移動についての移動軌跡の全体を表示する、という差に起因する。結果として、カーナビの保持部は、自動車の時々刻々の位置移動に応じて新しく取得するGPSの経度緯度情報を一時的に保持するが、そのまま送信部から送信して地図情報上にプロットされるのに対して、本実施形態の場合においては、GPSの経度緯度情報を逐次保持して、一塊の移動情報(時間を限定した場合には、例えば、平成15年11月1日の11時から17時までの移動情報)をまとめて送信し、しかも送信された情報はリアルタイムにて表示されるのではなく、後日、閲覧者からの閲覧要求に応じて地図上に表示される。
【0043】
図3と図4は、シーケンス図を用いて、カーナビと本実施形態の差を説明する図である。図3の一番左側は、国道1号線を走行する自動車に搭載されたカーナビゲーションシステムの動作のシーケンス図である。自動車がA地点に達した場合に、端末はGPSからのデータに基づいてA地点の経度緯度情報を取得する。この経度緯度情報を保持するか、あるいはそのままサーバーに送信し、サーバー側ではこれを受信し、さらに、当該自動車に搭載されたカーナビに表示されている地図上にプロットするために演算が行われ、その後、サーバー側からカーナビの端末に対して、自車位置表示のため表示情報が送信される。カーナビにおいては、さらに、自動車がB地点、あるいはC地点をそれぞれ走行する場合も前述と同様の手順が繰り返される。
【0044】
図4は、本実施形態の場合であり、同図の左端には、国道1号線を走行する車を表わしている。なお、本実施形態は車に限ることはなく、農作業機械や、農薬散布の機械、あるいは漁船その他であってよく、陸上、海上、空中、地中、海底など場所はどこであってもよい。本実施形態は、リアルタイムではなく、すくなくとも作業のあとに移動情報が確認できればよいので、図3のカーナビの場合とは異なり、国道1号線を走行する自動車の位置に応じて得られる経度緯度情報は、端末(携帯端末装置)の保持部に蓄積され、蓄積された複数の経度緯度情報つまり移動情報がサーバー(閲覧装置)に対してまとめて送信される。また、この移動情報を見たい場合には、端末1においては、ここではA地点からC地点までの画像化された移動情報と、地図画像と、が重ね合わされた画像がまとめて閲覧される。また、端末2においても同様であり、A地点からC地点までの画像化された移動情報と、地図画像と、がまとめて閲覧されるのである。
【0045】
本実施形態のさらなる特徴は、カーナビと異なり、個々の端末ごとに地図を保持する必要がないことである。本実施形態の携帯端末装置は、移動情報を収集することが第一義的な機能であり、移動情報を表示することは、二義的な機能であるので、省略することができる。言い換えれば、本実施形態の携帯端末装置は、経度緯度情報を取得するためのサンプリング装置であればよい。本携帯端末装置により得られた経度緯度情報は閲覧装置にて閲覧できるように、軌跡地図が作製される。ここで、軌跡地図は閲覧部にネットワーク接続されるか、あるいは、インターネット接続されるような端末から見ることができるようになっておれば、ブラウジングのソフトがあれば、自由に閲覧可能であり、ここの端末に地図を保持する必要はない。また、携帯端末装置にも前記理由にて地図を保持する必要はない。閲覧装置のみに地図を保持することによって、地図の更新や、あるいは更新される前の古い地図の履歴を保持管理することが容易になる。また、地図を大量に購入したり、これを個々の携帯端末装置や、閲覧のための端末に導入する必要がなくなる、という効果を奏する。
【0046】
<実施形態1の全体構成>
【0047】
図5は、実施形態1の機能ブロックを表す図である。
【0048】
実施形態1は、GPS機能部0503と、保持部0504と、送信部0505と、を有する携帯端末装置0501と、取得部0506と、軌跡地図表示部0507と、を有する閲覧装置0502と、からなるトレーサビリティシステムである。
【0049】
<実施形態1の構成の説明>
【0050】
本実施形態1のトレーサビリティシステムは、携帯端末装置と、閲覧装置と、からなる。
【0051】
「携帯端末装置」は、保持部と、送信部と、を有する。
【0052】
「GPS機能部」は、GPS衛星からの電波を受信し、受信者とGPSの衛星の位置関係を測定し、現在地の経度緯度を取得するという機能を有する。GPSだけでは、10mから100mの誤差が生じるので、位置情報の補正が必要になる。本GPS機能部は、この位置情報の補正も行うものである。また、本GPS機能部は、電波の反射などによる誤情報の無視あるいは修正なども行う機能を有する。
【0053】
「保持部」は、前記GPS機能部から取得される複数の経度緯度情報に基づいた情報である移動情報を保持する機能を有する。「複数の経度緯度情報」とは、携帯端末装置の位置に応じて取得される経度緯度情報が、携帯端末装置の移動する間、一定の時間間隔、もしくは不定の時間間隔にて取得され蓄積されてなる複数の経度緯度情報のことを言う。「移動情報」とは、携帯端末装置の移動情報である。そして、この移動情報は、前記GPS機能部から取得される複数の経度緯度情報に基づいた情報である。この移動情報は、経度緯度情報あるいはγ、θ、φからなる極座標系やXYZ軸からなる三次元座標系に変換された情報であってもよく、さらに、画像化された移動軌跡であってもよい。移動情報は、前記複数の経度緯度情報が時系列的に整理されたものである。なお、この移動情報には、経度緯度情報とともに、携帯端末装置の経度緯度情報を取得した時刻が含まれていてもよい。この時刻を含む理由は、携帯端末装置がどのような時間配分で作業を行ったかを追跡するためである。また、「保持部」は、携帯端末装置に内蔵されたランダムアクセスメモリー(RAM)であってもよく、また、ハードディスクのようなリードライト可能なものであってよく、携帯端末に内蔵されていても内蔵されていなくてもどちらでもよい。また、データは圧縮された形式で保持されていてもよく、そうでなくてもよい。圧縮されているかどうかはメモリーサイズとデータ量に関連するものであって、データサイズがメモリーサイズをオーバーする場合には自動的に圧縮するなどのプログラムが内蔵されていてもよい。
【0054】
移動情報は、作業単位と対応しており、作業単位とは、トラクターの起動から停止までの間のことを言う。すなわち、移動情報は、例えば、作業単位ごとに採取されるために、トラクターの起動とともにデータ採取が開始され、トラクターの停止とともにデータ採取が完了する。「保持部」では、こうした作業単位の一塊のデータが保持される。この点がカーナビと大きく異なる点であり、カーナビの場合は、こうした作業単位でデータが保持されることはなく、リアルタイムでデータが閲覧装置上に表示され、さらに、一般的にはそのデータは保持されることはない。
【0055】
「送信部」は、前記保持部に保持されている移動情報を送信するための機能を有する。この送信部は、複数の経度緯度情報に基づいた情報である移動情報を送信する。なお、この送信部は、外部のコンピュータその他デジタル機器に対して移動情報を送信するものであってもよく、また、携帯端末装置内部の別の箇所に移動情報を送信するものであってもよい。なお、移動情報を送信するとは、赤外線などを用いた非接触にて送信する、あるいは、ネットワークに直接つないで送信する、ということであってもよい。また、後述する閲覧装置の取得部へ移動情報を送信するが、それ以外にも送信してよい。なお、送信部にて送信される移動情報は、経度緯度情報を含む移動情報であってもよく、また、後述する軌跡地図の表示を行うに必要十分なデータに変換された情報であってもよい。
【0056】
送信部にて送信される移動情報は、一塊の作業単位毎のデータの送信であるために、カーナビにおけるような常時接続である必要はない。また、一回の接続の際にバッチ処理にて送信される移動情報は、一作業単位毎が好ましいが、複数の作業単位であってもよい。その場合には、それぞれの作業単位が識別できるように移動情報が整理されていてもよい。
【0057】
「閲覧装置」は、取得部と、軌跡地図表示部と、を有する。
【0058】
「取得部」は、前記送信部から送信される移動情報を取得する機能を有する。取得部は、前記送信部から移動情報を取得するが、その取得のタイミングは、保持部において移動情報が蓄積した時点で送信部から送信されてきたものを取得するというものであってもよい。取得部は、送信部の送信形式に応じて取得するものであってよい。また、取得部にて取得した移動情報は、軌跡地図表示部に送られる。この取得部における移動情報は、複数の経度緯度情報に基づいた情報である移動情報であってもよく、また、後述する軌跡地図の表示を行うに必要十分なデータに変換された情報であってもよい。
【0059】
また、取得部はバッチ処理にて移動情報を取得するために、常時接続である必要はなく、また、その回線速度も速くある必要はない。取得部は、インターネット、電話回線、などから移動情報を取得する。取得部は、かならずしもネットワークから移動情報を取得する必要はなく、赤外線などによるデータ交換機能を用いた取得であってもよい。また、取得部が、携帯端末装置の送信装置に送信要求を出して閲覧装置が自発的に移動情報を取りにいってもよい。これによって、本システムの利用者が、送信部から送信するための手間を省くとともに、送信部から強制的に取得するために、確実に取得することができる。
【0060】
「軌跡地図表示部」は、前記取得部にて取得された移動情報に基づいて前記携帯端末装置の移動軌跡を地図上に表示するための機能を有する。すなわち、軌跡地図表示部は、移動情報を移動軌跡に変換するための機能を有する。また、移動軌跡を表示するための地図との重ね合わせを行うという機能も有する。この際、平面で表記された地図に、立体座標系で得られた移動情報を重ねあわせるために、移動情報は、地図を平面上に変換した際と等しい機能を有する変換アルゴリズムを用いて変換される必要がある。軌跡地図表示部は、外部にあるコンピュータ端末のディスプレイであることが第一義的であり、携帯端末装置の(液晶)表示装置に表示するのは二義的ではあるのが、携帯端末装置の表示部に表示するというのであってもよい。
【0061】
また、軌跡地図表示部は、表示装置に今年のトラクターの移動軌跡と、一昨年のトラクターの移動軌跡を重ね合わせて、それと生産性の高低とを検討することによって、生産性向上のためのトラクターの移動軌跡との関係を分析する、などの機能が備わっていてもよい。この機能によって、一般にトレーサビリティシステムは消費者のためのものであるが、生産者にとっても意義のあるトレーサビリティーシステムとなる。
【0062】
また、軌跡地図表示部は、移動軌跡と、収穫する作物を関連づける機能を有していても良い。
【0063】
さらに、軌跡地図表示部は、土壌汚染と、作物の収穫とを関連づける機能を有していても良い。土壌汚染とは、例えば、除草剤などによる汚染であり、その他農薬による汚染である。また、土壌汚染とは、窒素肥料が原因となる硝酸の生成などによる汚染である。
【0064】
<実施形態1の具体的機能の説明>
【0065】
図6と図7は、実施形態1の具体的機能を表す図である。
【0066】
GPS機能部0601では受信者とGPS衛星との関係から経度緯度情報が逐一計算され取得される。例えばここでは、北緯44度20分08秒7や、東経135度20分08秒7の位置情報が取得される。この経度緯度情報は、例えば経度緯度情報変換手段0604などを経て、XY平面座標系に変換されて保持部0605にて保持される。なお、GPS機能部から送られてくるデータが逐一保持部に保持されるために複数の移動情報が保持部にて保持されることとなる。図6では、2つの座標情報が保持されている状態をあらわしている。また、図7には、複数の経度緯度情報とこれに対応する平面座標系へのデータ変換の例を示す。さらに、送信部0606では、前記保持部に保持されている移動情報を送信する。なお、閲覧装置0602にて移動軌跡を閲覧できるように、移動情報のすべてが送信されることが望ましい。例えば、図7中では、現在までに携帯端末装置0601の保持部に保持されている二つの座標データからなる移動情報が送信されることが望ましい。軌跡地図表示部0608においては、取得部0607にて取得された移動情報が地図上にマッピングされるように変換される。なお、経度緯度情報から平面座標系への変換はすでに経度緯度情報変換手段にて完了しているので、ここでは表示部の縮尺にあわせるという変換と、地図に移動軌跡を重ねあわせるための座標点の位置あわせということが必要になる。
【0067】
なお、軌跡地図の作成にあたっては、一般的には、地球の曲率が問題になるほどの広域での作業を除いては、曲率を考慮する必要はないので、単に、地図と移動軌跡を単純に重ね合わせて軌跡地図を作成してもよい。ただし、厳密な作図が必要な場合には、曲率を考慮した軌跡地図および地図画像の変換が必要であり、本発明においては、このような場合も含まれる。
【0068】
<実施形態1の処理の流れの説明>
【0069】
図8、実施形態1の処理の流れを表す図である。
【0070】
本実施形態のトレーサビリティシステムは、移動情報保持ステップ0801では、GPS機能部から取得される複数の経度緯度情報に基づいた情報である移動情報保持し、移動情報送信ステップ0802においては、前記保持部に保持されている移動情報を送信するため処理を行う。さらに、本実施形態のトレーサビリティシステムは、移動情報取得ステップ0803において、前記送信部から送信される移動情報を取得し、軌跡地図表示ステップ0804においては、前記取得部にて取得された移動情報に基づいて前記携帯端末装置の移動軌跡を地図上に表示するための処理を行う。
【0071】
<実施形態1の効果>
【0072】
本実施形態によれば、携帯端末装置に複数の経度緯度情報に基づいて情報である移動情報を保持する保持部があるために、ここに移動情報を蓄積してのちに、まとめて移動情報を送信することができるために、カーナビにおけるようなリアルタイム処理までは必要がなく、バッチ処理で十分であるために、システムが単純化される、という効果を奏する。バッチ処理であるために、システムをネットワークに常時接続しておく必要もない。また、携帯端末装置は移動情報を保持し、送信するという機能に限定することによって、個々の携帯端末装置に地図を保持する必要がなくなるために、携帯端末装置の容量的負荷が小さく済むことと、携帯端末ごとに地図を導入、あるいは購入する必要がないという経済的なメリットもあわせて生じる、という効果を奏する。
【0073】
≪実施形態2≫
【0074】
<実施形態2の概念>
【0075】
実施形態2は、保持部における移動情報のデータ形式に関するものである。もっともシンプルなデータ形式は、GPS機能部から取得される経度緯度情報をそのまま保持するというものであり、実施形態2は、まさに移動の結果取得される複数の維持経度情報を保持部に保持するということである。このようにすることによって、保持部において地図と重ね合わせるための処理を携帯端末側で行わないようにすることができるために、携帯端末装置の処理ソフトを省略できる、など本携帯端末装置を経度緯度情報のサンプリング装置と経度緯度情報の送信装置としての機能のみに限定できる、という効果を奏する。
【0076】
<実施形態2の全体構成>
【0077】
図9は、実施形態2の機能ブロックを示す図である。
【0078】
実施形態2は、実施形態1を基本として、GPS機能部0903と、保持部0904と、送信部0905と、を有する携帯端末装置0901と、取得部0906と、軌跡地図表示部0907と、を有する閲覧装置0902と、からなるトレーサビリティシステムであって、特徴点は、前記携帯端末装置の保持部に保持されている前記移動情報は、前記携帯端末装置の移動につれて前記GPS機能部から取得される複数の経度緯度の値の組である経度緯度セット情報である点である。
【0079】
<実施形態2の構成の説明>
【0080】
実施形態2のGPS機能部と、保持部と、送信部と、取得部と、軌跡地図表示部と、に関しては実施形態1と基本的機能は共通であるので、詳細な説明は省略する。
【0081】
実施形態2の特徴点は、前記携帯端末装置の保持部に保持されている前記「移動情報」は、前記携帯端末装置の移動につれて前記GPS機能部から取得される複数の経度緯度の値の組である経度緯度セット情報である点である。さらに、移動情報は、携帯端末の移動情報である。移動情報には、さまざまな情報が考えられるが、例えば、経度緯度情報、座標情報など、あるいはアナログ情報などが考えられる。本実施形態の移動情報は、複数の経度緯度の値の組である経度緯度セット情報である。この経度緯度セット情報は、GPS機能部から取得される経度緯度の値のままであってもよく、また、桁数は小数点以下の有効な桁数を決めてもよい。また、本実施形態は、保持部では、経度緯度セット情報を保持するが、送信部では地図に重ね合わせるための前データである平面座標データに変換してもよく、携帯端末装置の移動が広域にわたらない場合は、半径方向については、無視して座標データに変換してもよい。また、軌跡地図表示部における重ねあわせ地図上のポイントが経度緯度情報であるような地図を用いる場合は、経度緯度という意味での重ね合わせのための変換は不要となる。
【0082】
また、保持部の移動情報が経度緯度セット情報であるという言う場合、携帯端末装置の送信部における移動情報および閲覧装置の取得部における移動情報は、いずれも経度緯度セット情報である。
【0083】
<実施形態2の具体的機能の説明>
【0084】
図10と図11は、実施形態2の具体的機能を説明する図である。
【0085】
保持部以外は、実施形態1と具体的機能は共通であるので、詳細な説明は省略する。
【0086】
保持部1004は、携帯端末装置のGPSから北緯44度20分8秒7と東経135度20分8秒7の値を取得し、経度緯度セット情報として保持する機能を有する。図11は、経度緯度セット情報の一例である。図11の経度緯度セット情報の1から6は、移動している順番を示している。例えば、30秒間隔にて経度緯度情報が取られるというものである。また、移動距離に応じて、経度緯度情報が取られても良い。こうして得られた経度緯度情報が経度緯度セット情報として保持される。
【0087】
<実施形態2の処理の流れの説明>
【0088】
図12は、実施形態2の処理の流れを表す図である。
【0089】
移動情報送信ステップ1202と、移動情報取得ステップ1203と、軌跡地図表示ステップ1204は、その処理の内容は基本的に共通であるので、詳細な説明は省略する。
【0090】
経度緯度セット情報保持ステップ1201は、GPS機能部から前記GPS機能部から取得される複数の経度緯度の値の組である経度緯度セット情報を移動情報として保持するステップである。
【0091】
<実施形態2の効果>
【0092】
実施形態2によれば、保持部においては、GPS機能部から取得する緯度経度情報をそのまま加工せずに持てるので、保持部はデータを記憶するだけのシンプルな機能だけでよいこと、また、コンピュータ端末などで、移動情報を閲覧するような場合には、携帯端末には閲覧のための負荷は一切かからないために、携帯端末装置における保持部および送信部は、変換ソフトなどの容量が過大になる原因を取り除ける、という効果を奏する。すなわち、実施形態2によれば、本携帯端末装置は、経度緯度情報のサンプリングと経度緯度情報の送信という二つの機能のみを行う機能にのみに限定できる、という効果を奏する。
【0093】
≪実施形態3≫
【0094】
<実施形態3の概念>
図13は、実施形態3の概念を表わす図である。
【0095】
実施形態3は、移動情報に基づいて携帯端末装置の移動軌跡を示す線である移動軌跡線のみからなる画像を生成する手段を有する。移動情報は、経度緯度セット情報であり、この経度緯度セット情報をそのまま用いて閲覧装置の軌跡地図表示部に携帯端末装置の移動軌跡を表示することはできない。すなわち、以下の二段階のステップを経て、携帯端末装置の移動情報は、軌跡地図表示部に表示することができる。まず、地図に記載されている経度緯度情報をもとに、経度緯度セット情報に基づいた移動軌跡線画像1301を地図1302上に重ね合わせるステップである。つぎに、移動軌跡線画像が重ねあわされた重畳画像1303を閲覧装置1304の表示画面の所定の位置に表示するというステップである。この二段階のステップによって、軌跡地図を閲覧装置にて閲覧可能となる。
【0096】
<実施形態3の全体構成>
【0097】
図14は、実施形態3の機能ブロックを示す図である。
【0098】
実施形態3は、実施形態2を基本として、GPS機能部1403と、保持部1404と、送信部1405と、を有する携帯端末装置1401と、取得部1406と、軌跡地図表示部1407と、を有する閲覧装置1402と、からなるトレーサビリティシステムであって、特徴点は、前記閲覧装置の軌跡地図表示部は、移動軌跡線画像生成手段1408を有する点である。
【0099】
<実施形態3の構成の説明>
【0100】
実施形態3のGPS機能部と、保持部と、送信部と、取得部と、軌跡地図表示部と、に関しては実施形態2と基本的機能は共通であるので、詳細な説明は省略する。
【0101】
実施形態3の前記閲覧装置の「軌跡地図表示部」は、移動軌跡線画像生成手段を有する。「移動軌跡線画像生成手段」は、移動軌跡線画像を生成する機能を有する。「移動軌跡線」は、前記携帯端末装置の移動軌跡を示す線である。「移動軌跡線画像」は、前記取得部で取得した移動情報に基づいて前記携帯端末装置の移動軌跡を示す線である移動軌跡線のみからなる画像である。移動軌跡線画像生成手段は、地図画像に重ねるための移動軌跡線画像を移動情報に基づいて生成するものである。地図画像に重ね合わせるにあたっては、地図が経度緯度情報を持っている必要がある。ただし、地図を構成するすべてのピクセル値について経度緯度情報があってもよく、また逆に、軌跡地図表示部に表示される地図の一部の経度緯度情報のみがあってもよい。この一部の経度緯度情報とは、例えば、地図の4隅にあるピクセルに対応する経度緯度情報である。四隅で囲まれる略四辺形に囲まれた特定の位置については、線形補間して経度緯度情報を計算により求めるということでもよい。
【0102】
<実施形態3の具体的機能の説明>
【0103】
図15と図16は、実施形態3の具体的機能を説明するための図である。
【0104】
以下では、本実施形態に特徴的な移動軌跡線画像生成手段1508について説明する。それ以外については、すでに、実施形態2にて詳述しているので、詳細な説明を省略するものである。軌跡地図表示部1507は、移動軌跡線画像生成手段を有しており、取得部1506にて携帯端末装置1501から取得した経度緯度セット情報に基づいて、移動軌跡線画像生成手段を用いて移動軌跡線画像を生成する。例えば、移動軌跡線画像生成手段は、図15の取得部にて取得された経度緯度セット情報である移動情報にもとづいて、この移動情報全体を表示できるような範囲の地図を取得し、その地図の中に移動軌跡線画像が重ねあわせるのである。さらに、この重ねあわされた画像は、軌跡地図表示部にて表示するために、経度緯度情報からなる軌跡地図から、画像への変換がなされる。なお、地図は画像であってもよく軌跡地図表示部は、移動軌跡線画像を地図画像に重ねあわされて軌跡地図が作製されてもよい。
【0105】
図16は、移動情報1602に応じて、閲覧装置に内蔵された地図画像1601が選択され、この地図画像に埋め込まれた経度緯度情報に応じて、移動情報が重ねあわされて移動軌跡線画像が生成される、ところを表わしている。地図画像と、移動情報、あるいは移動情報に基づいた移動軌跡線画像とは画像として重ねあわされてもよい1603が、重ね合わせるにあたっては、経度緯度セット情報の全部あるいは一部を用いてもよい。また、重ね合わせにあたっては、経度緯度セット情報が直接用いられのではなく、別の中間的な情報に変換されてから重ねあわされてもよい。この中間的な情報とは、例えば、地図および移動情報を画像に変換した場合のピクセル値に基づく情報であってもよい。
【0106】
<実施形態3の処理の流れの説明>
【0107】
図17は、実施形態3の処理の流れを表わす図である。移動軌跡線画像生成ステップ以外は、実施形態2と基本的処理の流れは共通であるので、詳細な説明は省略する。移動軌跡線画像生成ステップ1705は、移動情報取得ステップで取得した移動情報に基づいて前記携帯端末装置の移動軌跡を示す線である移動軌跡線のみからなる画像である移動軌跡線画像を生成するステップである。
【0108】
<実施形態3の効果>
【0109】
実施形態3によれば、移動情報に基づいて移動軌跡線画像を生成し、軌跡地図を表示するための具体的手段を得て、携帯端末装置は移動情報のみを保持し、これを送信するという機能のみに限定し、携帯できる簡便な装置にすることができる、という効果を奏する。また、移動軌跡線画像を地図画像に重ね合わせるにあたって、簡便な方法にて行うことによって、市販の安い地図を用いることができる、などの効果も奏する。
【0110】
≪実施形態4≫
【0111】
<実施形態4の概念>
【0112】
実施形態4は、実施形態3の機能に付加するに、地図画像を閲覧装置の外部から取得するという機能と、移動軌跡線画像を地図画像に重ね合わせるというふたつの機能をさらに有するものである。地図を閲覧装置に保持することは可能ではあるが、地図そのもののメンテナンスが大変である。道路は高速道路も含めて頻繁に新設され、農地は住宅地に変わるなど地図は頻繁に更新されなければならない。本実施形態は、こうした地図の更新は例えばアウトソーシングするなどのことを可能となしうる技術的要素を、本実施形態に組み込むことがその目的である。このような技術的要素とは、地図画像に移動軌跡線画像を重ね合わせる技術であり、例えば、経度緯度情報を介して、両画像の位置あわせを行って、重ね合わせるなどのことを行う。
【0113】
<実施形態4の全体構成>
【0114】
図18は、実施形態4の機能ブロックを示す図である。
【0115】
実施形態4は、実施形態3を基本として、GPS機能部1803と、保持部1804と、送信部1805と、を有する携帯端末装置1801と、取得部1806と、軌跡地図表示部1807と、移動軌跡線画像生成手段1809と、を有する閲覧装置1802と、からなるトレーサビリティシステムであって、特徴点は、前記閲覧装置の軌跡地図表示部は、第一地図画像取得手段1808と、第一重畳画像生成手段1810と、を有する点である。
【0116】
<実施形態4の構成の説明>
【0117】
実施形態4のGPS機能部と、保持部と、送信部と、取得部と、軌跡地図表示部と、移動軌跡線画像生成手段と、に関しては実施形態3と基本的機能は共通であるので、詳細な説明は省略する。
【0118】
前記閲覧装置の「軌跡地図表示部」は、第一地図画像取得手段と、移動軌跡線画像生成手段と、第一重畳画像生成手段と、を有する。
【0119】
「第一地図画像取得手段」は、地図画像を取得する機能を有する。地図画像は、閲覧装置の内部に蓄えられている地図画像であってもよく、また、閲覧装置の外部に蓄えられている地図画像であってもよい。地図画像は、例えば、ネットワーク上にあるサーバから取得されてよい。地図画像は、閲覧装置とは異なる外部のコンピュータから取得されてよい。また、この地図画像は、移動軌跡線画像生成手段にて生成される移動軌跡線画像と重ねあわせる際に必要となる位置合わせ情報を保有していることが望ましい。この位置合わせ情報は、例えば、経度緯度情報であってもよい。また、この経度緯度情報は重ねあわせるために必要であるが、地図画像のさまざまな縮尺に対応できるように、細かなピッチで経度緯度情報をもっていることが望ましい。しかしながら、地図画像がピッチの粗い経度緯度情報を持っていても、その中間部分は計算により補間してもよい。ただし、この場合には正確性が損なわれるが、実用的には問題がないと考えられる。
【0120】
「第一重畳画像生成手段」は、前記移動軌跡線画像生成手段で生成した移動軌跡線画像を、前記第一地図画像取得手段で取得した地図画像に重ね合わせた画像である重畳画像を生成する機能を有する。重ねあわせにあたっては、位置合わせ情報が必要になるが、前述したように例えば、経度緯度情報であってもよい。移動軌跡線画像は移動情報すなわち、経度緯度セット情報に基づいて作図されるために、経度緯度情報を有している。したがって、この経度緯度情報を位置合わせ情報として用いることには意味がある。また、経度緯度情報ではなく目印になるものを重ね合わせることによって、地図画像と移動軌跡線画像を重ねあわせるということであってもよい。この目印になるものとは、例えば、駅、信号、交差点、道路、建物などである。また、重畳方法には、画像を単に重ね合わせる方法と、地図画像上に移動軌跡をプロットしていく方法があるが、いずれであってもよい。
【0121】
<実施形態4の具体的機能の説明>
【0122】
図19と図20は、実施形態4の具体的機能を説明するための図である。
【0123】
実施形態4の具体的機能の説明においては、実施形態4に特徴的な第一地図画像取得手段1909と、第一重畳画像生成手段1911と、に関して詳細に説明するものとする。図19に示すように、実施形態4では、地図画像が外部より取得される。ただし、この地図画像は、経度緯度情報を有する地図画像である。このような経度緯度情報を有する地図画像に移動軌跡線画像を重ね合わせる。そして、軌跡地図が表示される。図20にはより詳細に前記プロセスについて記載されている。すなわち、第一地図画像取得手段が、閲覧装置の外部より経度緯度情報を有する地図画像を取得し、同じく経度緯度情報を有する移動軌跡線画像が移動軌跡線画像生成手段1910により生成され、第一重畳画像生成手段により両者の経度緯度情報が位置合わせ情報として参照されつつ、地図画像と移動軌跡線画像が重ね合わされて重畳画像が生成される。
【0124】
<実施形態4の処理の流れの説明>
【0125】
図21は、実施形態4の処理の流れを説明する図である。
【0126】
ここでは実施形態4に特徴的な第一地図画像取得ステップ2105と、第一重畳画像生成ステップ2106について説明する。
【0127】
本実施形態の第一地図画像取得ステップでは地図画像が取得される。第一重畳画像生成ステップでは、前記移動軌跡線画像生成ステップで生成した移動軌跡線画像を、前記第一地図画像取得手段で取得した地図画像に重ね合わせた画像である重畳画像を生成する。
【0128】
<実施形態4の効果>
【0129】
実施形態4によれば、外部より地図を入手することができるので、閲覧装置にて地図画像を維持管理する負荷がなくなるという、効果を奏する。特に、地図は、更新が頻繁にあるために、維持管理は大変であるが、本実施形態によれば、こうした維持管理を一元的に外部に委託して行うなどの効率化も図れる、という効果を奏する。
【0130】
≪実施形態5≫
【0131】
<実施形態5の概念>
【0132】
図22は、実施形態5の概念を表す図である。
【0133】
実施形態5は、携帯端末装置2203にて取得する経度緯度セット情報のデータボリュームが大きくなるような場合において、保持部2204の段階から移動軌跡線画像を保持するという発明である。一般的には数値データとして保存する方が、容量が少なくて済むと考えられるが、長時間にわたってGPS機能部からの経度緯度情報を取得する場合は、逆に画像データの方が、データボリュームが小さくなる場合がある。画像データは、圧縮しないかぎりは、データサイズは、常に一定である。つまり、長時間にわたる経度緯度情報の取得には、画像データとして保持する方が保持部には有利な場合がある。また、画像データから逆算することによって、数値的には近似的にではあるが経度緯度セット情報を求めることができる。図22では、農作業の場合をイメージしているが、作業量が長時間にわたるので、移動軌跡線画像として保持するというものである。なお、保持部においては、地図画像と重ね合わせて保持されるか、あるいは緯度経度セット情報の一部は保持されておく必要がある。すなわち、軌跡地図を表示するにあたって、地図画像と、移動軌跡線画像2201を重ね合わせるための位置合わせ情報が必要となるからである。もし、あらかじめ内蔵されている地図を用いるのであれば、位置合わせの心配はない。なお、この地図画像は、位置合わせができればよいのであって、経度緯度情報からなる座標軸だけからなる画像であってもよい。
【0134】
<実施形態5の全体構成>
【0135】
図23は、実施形態5の機能ブロックを示す図である。
【0136】
実施形態5は、実施形態1を基本として、GPS機能部2303と、保持部2304と、送信部2305と、を有する携帯端末装置2301と、取得部2306と、軌跡地図表示部2307と、を有する閲覧装置2302と、からなるトレーサビリティシステムであって、特徴点は、前記携帯端末装置の保持部に保持されている前記移動情報は、移動軌跡線画像である点である。
【0137】
<実施形態5の構成の説明>
【0138】
実施形態5のGPS機能部と、保持部と、送信部と、取得部と、軌跡地図表示部と、に関しては実施形態1と基本的機能は共通であるので、詳細な説明は省略する。
【0139】
実施形態5の特徴点は、前記携帯端末装置の保持部に保持されている前記「移動情報」は、前記携帯端末装置の移動につれて前記GPS機能部から取得される経度緯度の値に基づいて生成される前記携帯端末装置の移動軌跡を示す線である移動軌跡線のみからなる画像である移動軌跡線画像である点である。ただし、移動軌跡線画像のみだと、軌跡地図表示部における地図画像と移動軌跡線画像の重ね合わせのための位置合わせ情報がないために、重ね合わせができなくなる。したがって、移動軌跡線画像と、位置合わせ情報を保持する必要がある。しかしながら、移動軌跡線画像の中に、経度緯度からなる座標軸があれば、この問題は解決する。すなわち、座標軸に経度緯度情報がもたれているために、移動軌跡線画像が位置合わせのための経度緯度情報を保持しなくてもよい。逆に、移動軌跡線画像が位置合わせ情報を有していてもよい。その位置合わせ情報は、経度緯度情報であってもよい。また、座標軸は、画像の中に埋め込まれていてもよい。しかし、あとで、座標軸を取り去ることを考えて、座標軸を有するもう一枚の画像を重ね合わせるということであってもよい。また、地図画像側にも座標軸があってもよい。これによって、この座標軸を一致させることによって、軌跡地図表示部において軌跡地図を両者の重畳によって生成し、あとで、座標軸を取ることによって、座標軸のない軌跡地図を得ることができる。
【0140】
<実施形態5の具体的機能の説明>
【0141】
図24と図25は、実施形態5の具体的機能を説明するための図である。
【0142】
本実施形態においては、保持部2404以下の移動情報については、これまでの処理とその機能は異なるので、保持部以下の部位について説明する。
【0143】
保持部2404は、移動情報として移動軌跡線画像を保持する。画像として書いているが実際には、図25に示されるようなデータ列である。すなわち、1と記載されたところは、移動軌跡線上にある点であり、0は移動軌跡線上にない点である。この表示は逆であってもよい。図25は、画素数が307200画素の画像データである。図24においては、画像のイメージにて記載しているが、実際の携帯端末装置の保持部においては、単なる数値データの羅列に過ぎない。また、前述した座標軸のみからなる座標軸画像をもう一枚持つ場合も同様に数値データの羅列にすぎない。ただし、座標軸画像については、各軸がどのような値を有しているかについての情報が必要である。なお、おのおの座標軸に経度もしくは緯度情報を持たせることもできるし、座標軸で囲まれた領域に識別番号をつけるという方法もある。地図画像側にもこの識別番号があれば、経度もしくは緯度情報とは別の位置合わせ情報、すなわち、領域を識別する識別番号である領域識別番号を位置合わせ情報として用いることができる。
【0144】
送信部2405は、移動軌跡線画像と、座標軸画像と、を送信する。なお、本実施形態のような移動軌跡線画像の場合は、前述したようにデータボリュームは、大きくならないので、携帯端末装置の保持部の容量を心配する必要はない。
【0145】
取得部2406は、移動軌跡線画像を取得する。取得の方法は、どんな方法であってよい。
【0146】
軌跡地図表示部2407では、地図画像と、移動軌跡線画像と、が重ね合わされて、軌跡地図が生成される。なお、このときの位置合わせについては座標軸画像を用いて、対応する座標軸画像を重ね合わせることによって、地図画像と、移動軌跡線画像と、が重ね合わされる。なお、座標軸画像については、軌跡地図から削除されてもよい。
【0147】
<実施形態5の処理の流れの説明>
【0148】
図26は、実施形態5の処理の流れを表す図である。実施形態5の基本的な処理の流れは、実施形態1と共通であるので、詳細な説明は省略する。
【0149】
実施形態5の処理の流れの特徴点は、移動情報保持ステップ2601にて保持されていた移動情報は、前記携帯端末装置の移動につれて前記GPS機能部から取得される経度緯度の値に基づいて生成される前記携帯端末装置の移動軌跡を示す線である移動軌跡線のみからなる画像である移動軌跡線画像である点である。
【0150】
<実施形態5の効果>
【0151】
実施形態5によれば、長時間にわたり、大量の移動情報が発生して保持部の記憶容量をオーバーすることが危惧されるような場合においても、移動軌跡線画像として保持することによって、移動情報の多少に関わらず常に一定のデータボリュームとなるために、記憶容量が不足を心配する必要がない、という効果を奏する。
【0152】
≪実施形態6≫
【0153】
<実施形態6の概念>
【0154】
図27は、実施形態6の概念を表す図である。
【0155】
実施形態6は、実施形態5を基本とした発明であって、保持部に保持される移動軌跡線画像2701と、第二地図画像取得手段を用いて外部から取得した地図画像と、を重ね合わせて重畳画像を生成するという発明である。実施形態6の特徴は、特に、外部から地図画像を取得する点である。これによって、実施形態4の概念の説明にて記載したように、地図を維持管理することが容易になる。
【0156】
<実施形態6の全体構成>
【0157】
図28は、実施形態6の機能ブロックを示す図である。
【0158】
実施形態6は、実施形態5を基本として、GPS機能部2803と、保持部2804と、送信部2805と、を有する携帯端末装置2801と、取得部2806と、軌跡地図表示部2807と、を有する閲覧装置と、からなるトレーサビリティシステムであって、特徴点は、前記閲覧装置の軌跡地図表示部は、第二地図画像取得手段2808と、第二重畳画像生成手段2809と、を有する点である。
【0159】
<実施形態6の構成の説明>
【0160】
実施形態6のGPS機能部と、保持部と、送信部と、取得部と、に関しては実施形態5と基本的機能は共通であるので、詳細な説明は省略する。
【0161】
前記閲覧装置の「軌跡地図表示部」は、第二地図画像取得手段と、第二重畳画像生成手段と、を有する。地図画像は、閲覧装置の内部に蓄えられている地図画像であってもよく、また、閲覧装置の外部に蓄えられている地図画像であってもよい。また、この地図画像は、保持部から送信部を経由して取得部にて取得した移動軌跡線画像と重ねあわせる際に必要となる位置合わせ情報を保有していることが望ましい。この位置合わせ情報は、例えば、経度緯度情報であってもよい。また、この経度緯度情報は、実施形態5に記載されているように座標軸画像であってもよい。
【0162】
「第二重畳画像生成手段」は、前記取得部で取得した移動情報を、前記第二地図画像取得手段で取得した地図画像に重ね合わせた画像である重畳画像を生成する機能を有する。重ねあわせにあたっては、位置合わせ情報が必要になるが、前述したように例えば、経度緯度情報であってもよい。また、実施形態5のように座標軸画像を利用して重畳画像を生成してもよい。
【0163】
<実施形態6の具体的機能の説明>
【0164】
図29は、実施形態6の具体的機能を説明するための図である。
【0165】
本実施形態においては、軌跡地図表示部以外の部位は、実施形態5と基本的機能は共通であるので、具体的機能に関する詳細な説明は省略する。
【0166】
軌跡地図表示部2907では、第二地図画像取得手段によって、地図画像が取得され、取得部にて取得された移動軌跡線画像と地図画像が、第二重畳画像生成手段によって重ね合わされて、軌跡地図が生成される。なお、本例の位置合わせについては座標軸画像を用いて、対応する座標軸画像を重ね合わせることによって、地図画像と、移動軌跡線画像と、が重ね合わされる。なお、座標軸画像については、軌跡地図から削除されてもよい。
【0167】
<実施形態6の処理の流れの説明>
【0168】
図30は、実施形態6の処理の流れを表す図である。
【0169】
以下では、本実施形態に特徴的な第二地図画像取得ステップ3004と、第二重畳画像生成ステップ3005について説明する。
【0170】
第二地図画像取得ステップでは、地図画像が取得される。第二重畳画像生成ステップでは、前記取得部で取得した移動情報を、前記第二地図画像取得手段で取得した地図画像に重ね合わせた画像である重畳画像が生成される。
【0171】
<実施形態6の効果>
【0172】
実施形態6によれば、地図を外部から取得することによって、地図の管理が容易になるとともに、保持部にて移動軌跡線画像を保持する場合に、それに好適な閲覧装置の機能を提供する、という効果を奏する。
【0173】
≪実施形態7≫
【0174】
<実施形態7の概念>
【0175】
図31は、実施形態7の概念を示す図である。
【0176】
実施形態7は、実施形態1から6のいずれか一を基本としたトレーサビリティシステムである。特に移動情報が長時間にわたり蓄積される場合について、携帯端末装置3103が移動しない場合にはGPS機能部から経度緯度情報を取得せず、携帯端末装置が移動している場合にのみGPS機能部から経度緯度情報を取得するというものである。
【0177】
<実施形態7の全体構成>
【0178】
図32は、実施形態7の機能ブロックを表す図である。
【0179】
実施形態7は、実施形態1から6のいずれか一を基本として、GPS機能部3203と、保持部3204と、送信部3205と、を有する携帯端末装置3201と、取得部3207と、軌跡地図表示部3208と、を有する閲覧装置3202と、からなるトレーサビリティシステムであって、特徴点は、前記携帯端末装置は、保持開始入力部3206をさらに有する点である。
【0180】
<実施形態7の構成の説明>
【0181】
実施形態7のGPS機能部と、送信部と、取得部と、軌跡地図表示部と、に関しては実施形態1から6の何れか一と基本的機能は共通であるので、詳細な説明は省略する。
【0182】
前記携帯端末装置は、保持開始入力部をさらに有する。
【0183】
「保持開始入力部」は、GPS機能部から取得される経度緯度情報を移動情報として前記保持部に保持開始させるための機能を有する。保持開始の判断は、保持開始信号を携帯端末装置の保持開始入力部が受け取ることである。この保持開始信号は、外部からの信号である。この保持開始信号は、例えば、保持開始のためのスイッチをONにするなどの動作であってもよく、また、携帯端末装置に移動を知らせるデバイス例えば、加速度計が内蔵されており、この加速度計の加速度が閾値を越えた場合には、移動したものと判断して保持開始信号を発信するというものである。また、GPS機能部から取得される経度緯度情報が、同一ではなくなったことを判断し、保持開始信号を発信してもよい。図32にて表される機能ブロック図は、実施形態6を基本とした機能ブロック図であるが、これ以外の実施形態1から5の何れか一を基本とした機能ブロック図であってもよい。
【0184】
<実施形態7の具体的機能の説明>
【0185】
図33は、実施形態7の具体的機能を説明するためのフロー図である。ここでは、簡便のために保持開始入力部のみについて示している。したがって、以下の説明は保持開始入力部を中心に行うものとする。
【0186】
携帯端末装置の移動3301が確認されて、携帯端末装置が始動3302する。そののち、保持開始入力部では、GPS機能部からの経度緯度情報を取得3303して保持部に保持3304する。そののち、携帯端末装置が移動としているかどうかが判断3305されて、移動していると判断された場合には、最初のステップにもどって、GPS機能部から経度緯度情報を取得する。移動していない場合は、端末装置が移動を開始するまで、保持部に保持することは休止された状態になる。以上が保持開始入力部の具体的な機能である。
【0187】
<実施形態7の処理の流れの説明>
【0188】
図34は、実施形態7の処理の流れを表す図である。以下では、実施形態7に特徴的な移動情報保持開始ステップ3401についてのみ説明する。
【0189】
移動情報保持開始ステップは、前記携帯端末装置が移動している場合にのみGPS機能部から取得される経度緯度情報を移動情報として前記保持部に保持開始させるため処理を行う。
【0190】
<実施形態7の効果>
【0191】
実施形態7によれば、携帯端末装置が移動している間だけデータを取得するために、携帯端末装置が長時間にわたって移動しないような場合には、バッテリーの消耗を遅らせることができる、あるいは、メモリを効率的に利用できる、などの効果を奏する。
【0192】
≪実施形態8≫
【0193】
<実施形態8の概念>
【0194】
図35は、実施形態8の概念を示す図である。
【0195】
実施形態8は、携帯端末装置3503に閲覧部分を設けるというものであって、データが確実に取得されているか、などの確認に用いることができる。図35では、移動軌跡線画像の場合を例示しているが、携帯端末閲覧部3501にて閲覧できる移動情報は、緯度経度セット情報や、その他の形式の移動情報であってもよい。
【0196】
<実施形態8の全体構成>
【0197】
図36は、実施形態8の機能ブロックを表す図である。
【0198】
実施形態8は、実施形態1から7のいずれか一を基本として、GPS機能部3603と、保持部3604と、送信部3605と、を有する携帯端末装置3601と、取得部3607と、軌跡地図表示部3608と、を有する閲覧装置3602と、からなるトレーサビリティシステムであって、特徴点は、前記携帯端末装置は、携帯端末閲覧部3606を有する点である。
【0199】
<実施形態8の構成の説明>
【0200】
実施形態8のGPS機能部と、保持部と、送信部と、取得部と、軌跡地図表示部と、に関しては実施形態1から7の何れか一と基本的機能は共通であるので、詳細な説明は省略する。
【0201】
実施形態8の前記携帯端末装置は、携帯端末閲覧部を有する。
【0202】
「携帯端末閲覧部」は、前記保持部に保持された移動情報を閲覧するための機能を有する。移動情報は、経度緯度セット情報、移動軌跡線画像、経度緯度セット情報から変換され取得される座標情報、などのいずれか一または二以上の組み合わせであってよい。また、端末装置閲覧部は、移動情報を確認できるようなデバイスを有する。このデバイスは、例えば、表示用の液晶ディスプレイであったり、小型の携帯型プリンターであったり、あるいは、音声により保持部に保持される移動情報を読み上げたり、あるいは、移動情報が取得されていることを音声にて報告する発声装置などである。また、携帯端末閲覧部にて閲覧できる情報については、移動情報は必須であり、地図画像あるいは地図画像と重ね合わされた移動軌跡線画像はあってもなくてもよい。また、移動情報が移動軌跡線画像の場合においては、携帯端末閲覧部は、移動軌跡線画像とともにこの移動軌跡線画像がその位置を確定できるように経度緯度情報を合わせ持つことも確認できてもよい。
【0203】
<実施形態8の具体的機能の説明>
【0204】
図37は、実施形態8の具体的機能を説明するための図である。本実施形態に特徴的な携帯端末閲覧部3708についてのみ説明する。携帯端末閲覧部では、保持部3704にて保持されている経度緯度セット情報が閲覧できるようになっている。本具体例においては、閲覧できるのは移動軌跡線画像の場合を示している。地図画像あるいは、地図画像と重ね合わされた移動軌跡線画像は、携帯端末閲覧部では閲覧することはできず、移動情報のみが閲覧できる場合を例示している。
【0205】
<実施形態8の処理の流れの説明>
【0206】
図38は、実施形態8の処理の流れを表す図である。本実施形態に特徴的な携帯端末閲覧ステップ3802についてのみ説明する。
【0207】
携帯端末閲覧ステップでは、移動情報保持ステップにて保持された移動情報を閲覧できる。この移動情報の閲覧をするか否かについては、閲覧者の自由であり、移動情報を携帯端末閲覧部にて閲覧しない場合は、この携帯端末閲覧ステップは、飛ばすことができる。
【0208】
<実施形態8の効果>
【0209】
実施形態8によれば、携帯端末閲覧部によって、移動情報が確実に取得されているかどうかが確認できるようになる、という効果を奏する。また、この確認によって、移動情報の取得においてより本携帯端末装置の信頼性を向上させることができる、という効果を奏する。
【0210】
≪実施形態9≫
【0211】
<実施形態9の概念>
【0212】
図39は、実施形態9の概念を表わす図である。
【0213】
実施形態9は、実施形態4を基本とした発明である。実施形態4は、取得部にて取得した経度緯度セット情報に基づいた移動軌跡線画像を地図画像に重ね合わせて重畳画像を生成するという発明であって、実施形態4においては生成された重畳画像が閲覧装置の軌跡地図表示部のみで閲覧できたが、本実施形態においてはネットワーク閲覧部3904を有するために、ネットワークを介してこの重畳画像を閲覧することができる。すなわち、このネットワーク閲覧部を設けることによって、閲覧者がインターネットなどのネットワーク上の端末3903から自由にこの重畳画像を閲覧することができる。
【0214】
<実施形態9の全体構成>
【0215】
図40は、実施形態9の機能ブロックを表わす図である。
【0216】
実施形態9は、実施形態4を基本として、GPS機能部4003と、保持部4004と、送信部4005と、を有する携帯端末装置4001と、取得部4006と、軌跡地図表示部4007と、移動軌跡線画像生成手段4008と、を有する閲覧装置4002と、からなるトレーサビリティシステムであって、特徴点は、前記閲覧装置は、ネットワーク閲覧部4011を有する点である。
【0217】
<実施形態9の構成の説明>
【0218】
実施形態9のGPS機能部と、保持部と、送信部と、取得部と、に関しては実施形態4と基本的機能は共通であるので、詳細な説明は省略する。
【0219】
実施形態9の「閲覧装置」は、ネットワーク閲覧部を有する。「ネットワーク閲覧部」は、実施形態4の第一重畳画像生成手段が生成した重畳画像をネットワークを介して閲覧させるための機能を有する。トレーサビリティシステムは、閲覧者が閲覧したいときに自由に閲覧することができる必要がある。したがって、ネットワークから自由に閲覧できることは、本システムにとっては必須である。なお、本実施形態の場合は、閲覧装置は、ネットワーク上にあるクライアントに対して重畳画像のサーバーとしての機能を果たすことになる。このサーバーは、クライアントからの要求に応じて地図画像をサーバー外部より取得し、移動軌跡線画像と重ね合わせて重畳画像を生成する。また、このサーバーは、クライアントの要求とは別に携帯端末装置から緯度経度セット情報を取得した後、軌跡地図表示部の操作が行われて、その結果として重畳画像が生成され、これが本閲覧装置に蓄積されるというものであってもよい。この場合は、クライアントの要求に応じて、本閲覧装置に蓄積された重畳画像がネットワークを介して配信される。
【0220】
<実施形態9の具体的機能の説明>
【0221】
図41は、実施形態9の具体的機能を説明するための図である。
【0222】
ここでは、実施形態9に特徴的な閲覧装置が有するネットワーク閲覧部4110について説明する。ネットワーク閲覧部は、第一重畳画像生成手段4109にて生成された重畳画像をクライアントの要求に応じてネットワークを介して配信する。この結果として、閲覧装置4102は、携帯端末からの情報を受信するサーバーとして、また、本閲覧装置のネットワーク閲覧部は、重畳画像を生成配信するサーバーとしての機能を果たす。
【0223】
<実施形態9の処理の流れの説明>
【0224】
図42は、実施形態9の処理の流れを表わす図である。
【0225】
以下では実施形態9に特徴的なネットワーク閲覧ステップ4207の処理の流れについて説明する。
【0226】
ネットワーク閲覧ステップは、実施形態4の第一重畳画像生成手段が生成した重畳画像をネットワークを介して閲覧させる。
【0227】
<実施形態9の効果>
【0228】
実施形態9によれば、本発明のトレーサビリティシステムにおける閲覧装置をネットワークサーバとして機能させることができ、クライアントの要求に応じてネットワークを介して重畳画像(作業経路がわかる)を閲覧できる、という効果を奏する。
【0229】
≪実施形態10≫
【0230】
<実施形態10の概念>
【0231】
図43は、実施形態10の概念を表わす図である。
【0232】
実施形態10は、実施形態6を基本として、重畳画像をネットワークを介して閲覧させるためのネットワーク閲覧部4304を有する点である。実施形態9との差は、実施形態9が、取得部にて取得する移動情報が経度緯度セット情報であるのに対して、本実施形態では、取得部にて取得する移動情報が移動軌跡線画像である点である。
【0233】
<実施形態10の全体構成>
【0234】
図44は実施形態10の機能ブロックを示す図である。
【0235】
実施形態10は、実施形態6を基本として、GPS機能部4403と、保持部4404と、送信部4405と、を有する携帯端末装置4401と、取得部4406と、軌跡地図表示部4407と、を有する閲覧装置4402と、からなるトレーサビリティシステムであって、特徴点は、前記閲覧装置は、ネットワーク閲覧部4410を有する点である。
【0236】
<実施形態10の構成の説明>
【0237】
実施形態10のGPS機能部と、保持部と、送信部と、取得部と、に関しては実施形態6と基本的機能は共通であるので、詳細な説明は省略する。
【0238】
実施形態10の「閲覧装置」は、ネットワーク閲覧部を有する。「ネットワーク閲覧部」は、実施形態6の第二重畳画像生成手段が生成した重畳画像をネットワークを介して閲覧させるための機能を有する。トレーサビリティシステムは、閲覧者が閲覧したいときに自由に閲覧することができる必要がある。したがって、ネットワークから自由に閲覧できることは、本システムにとっては必須である。なお、本実施形態の場合は、閲覧装置は、ネットワーク上にあるクライアントに対して重畳画像のサーバーとしての機能を果たすことになる。このサーバーは、クライアントからの要求に応じて地図画像をサーバー外部より取得し、移動軌跡線画像と重ね合わせて重畳画像を生成する。また、このサーバーは、クライアントの要求とは別に携帯端末装置から移動軌跡線画像を取得した後、軌跡地図表示部の操作が行われて、その結果として重畳画像が生成され、これが本閲覧装置に蓄積されるというものであってもよい。この場合は、クライアントの要求に応じて、本閲覧装置に蓄積された重畳画像がネットワークを介して配信される。
【0239】
<実施形態10の具体的機能の説明>
【0240】
図45は、実施形態10の具体的機能を説明するための図である。
【0241】
ここでは、実施形態10に特徴的な閲覧装置が有するネットワーク閲覧部4510について説明する。ネットワーク閲覧部は、第二重畳画像生成手段4509にて生成された重畳画像をクライアントの要求に応じてネットワークを介して配信する。この結果として、閲覧装置4502は、携帯端末装置4501からの情報を受信するサーバーとして、また、本閲覧装置のネットワーク閲覧部は、重畳画像を生成配信するサーバーとしての機能を果たす。
【0242】
<実施形態10の処理の流れの説明>
【0243】
図46は、実施形態10の処理の流れを表わす図である。
【0244】
以下では実施形態10に特徴的なネットワーク閲覧ステップ4606の処理の流れについて説明する。
【0245】
ネットワーク閲覧ステップは、実施形態6の第二重畳画像生成手段が生成した重畳画像をネットワークを介して閲覧させる。
【0246】
<実施形態10の効果>
【0247】
実施形態10によれば、本発明のトレーサビリティシステムにおける閲覧装置をネットワークサーバとして機能させることができ、クライアントの要求に応じてネットワークを介して重畳画像(作業経路がわかる)を閲覧できる、という実施形態9と同様の効果を奏する。
【0248】
≪実施形態11≫
【0249】
<実施形態11の概念>
【0250】
実施形態11は、移動情報に地図情報を含まないというものであり、実施形態1から10のいずれか一に適用されるものである。移動情報に地図情報を含めば、情報量が大きくなる。本実施形態は、これを防止するために、特に設けられたものである。
【0251】
<実施形態11の全体構成>
【0252】
実施形態11は、実施形態1から10の何れか一を基本としたトレーサビリティシステムであって、特徴点は、移動情報には、地図情報を含まない点である。
【0253】
<実施形態11の構成の説明>
【0254】
実施形態11の特徴点は、「移動情報」には、地図情報を含まない点である。「地図情報」は、第一地図画像取得手段、および、第二地図画像取得手段などで取得される地図画像以外にあらかじめ携帯端末装置内部あるいは、閲覧装置内部に保持されている地図画像も含まれる。また、「地図情報」は、画像形式だけでなく、それ以外の形式の地図情報であってもよい。移動情報という場合には、経度移動セット情報、移動軌跡線画像、などが含まれる。なお、本実施形態は、移動情報に関するものであり、実施形態1から10の何れか一の構成要件について具体的機能および処理の流れには影響を及ぼさないので、具体的機能および処理の流れについての説明は省略する。
【0255】
<実施形態11の効果>
【0256】
実施形態11によれば、移動情報に地図情報を含まないので、移動情報のサイズを小さくできることができて、メモリやデータ送受信における負荷を小さくできる、という効果を奏する。
【0257】
≪実施形態12≫
【0258】
<実施形態12の概念>
【0259】
実施形態12は、生産物の生産履歴を管理するために実施形態1から11の何れか一を利用するというものであり、この生産物の生産履歴を管理するために、生産物管理識別情報と、移動情報と、を関連付けるという発明である。この発明によって、生産部の生産履歴が移動情報と関連づけられるために、生産においてどのような作業が行われたかが、移動軌跡という形式で閲覧することができる。例えば、この移動軌跡によって、手順どおりの作業がもれなく行われているかを把握することができる。例えば、工場における点検作業において、農業における農薬散布作業において、漏れがないか、あるいは逆にダブりがないかがチェックできる。
【0260】
<実施形態12の全体構成>
【0261】
図47は、実施形態12の機能ブロック図を表わす。
【0262】
実施形態12は、実施形態1から11の何れか一を基本とするトレーサビリティシステムであって、特徴点は、前記携帯端末装置4701は、生産物管理識別情報取得部4706を有し、前記移動情報は、生産物管理識別情報と関連付けられている点である。
【0263】
<実施形態12の構成の説明>
【0264】
以下では、本実施形態に特徴的な生産物管理識別情報取得部と、移動情報について説明を行う。
【0265】
本実施形態の「携帯端末装置」は、生産物管理識別情報取得部を有する。この「生産物管理識別情報取得部」は、生産物管理識別情報を取得する機能を有する。「生産物管理識別情報」とは、生産物の生産履歴を管理するための識別情報である。「履歴」は、生産に関する情報、運搬に関する情報、加工に関する情報、消費に関する情報、廃棄に関する情報、などを言う。「生産物」とは、例えば、食品、工業製品、あるいは、その中間段階での半製品、加工前の材料その他あらゆる生産から作り出される物を言う。また、生産物には、土地、排出物、廃棄物、熱、サービス、プラントなどの設備、プログラムなど、すべての不動産、動産、消費財、リサイクル資源、または、電子マネーデータ、熱、サービス、電力データや、排出あるいは消費されるCOなどの無体物などが含まれる。例えば、種から発芽した芽もまた、生産物として考える。「履歴」とは、前記生産物の状態などが変わることに関する記録を言う。一例をあげれば、物の形が変わる、物が操作される、物のある場所が変わる、所有者が変わる、物が機能を獲得する、などの変化の記録である。
【0266】
「移動情報」は、生産物管理識別情報と関連付けられている。「生産物管理識別情報」は、前記生産物管理識別情報取得部から取得される情報である。
【0267】
<実施形態12の具体的機能の説明>
【0268】
以下では実施形態12に特徴的な生産物管理識別情報取得部についてのみ詳細に説明する。
【0269】
実施形態12の生産物管理識別情報取得部は、生産履歴を管理するための生産物管理識別情報を取得し、移動情報はこの生産物管理識別情報と関連づけられる。移動情報が、生産物管理識別情報と関連づけられることによって、トレーサビリティシステムにおいて、生産履歴を閲覧する場合に、その生産履歴としての移動情報もあわせて閲覧できるようになる。本実施形態においては、この移動情報は、軌跡地図として閲覧することができ、作業の軌跡を追跡することによって、どのような作業が行われていたかを把握することができる。たとえば、生産物の生産履歴である製品の点検作業において、軌跡地図を見ることによって、生産物の点検が正しく行われたかどうかを確認することができる。図48は、移動情報と生産物管理識別情報とが関連づけられている表である。ここで、移動情報は、移動軌跡線画像あるいは、経度緯度セット情報、あるいは、その他移動を表わす情報であってよく、例えば、表の最初の行に記載されているT256789という記号は、生産物管理識別情報であるS98656513と関連づけられた移動情報であって、かつ、T256789は移動情報である移動軌跡線画像、経度緯度セット情報、その他の移動情報を識別するための代表する記号を表わしている。また、図49は、前記移動情報の代表値であるところの、T256789に対応するXおよびY座標値のデータ列を表わす。また、図50は、生産物管理識別情報と、生産物管理情報についての一例を表わしている。例えば、S98656513という生産物管理識別情報は、炭そ病防除用微生物の散布という生産履歴の生産物管理情報に対応している。
【0270】
<実施形態12の処理の流れの説明>
【0271】
図50は、実施形態12の処理の流れを表わす図である。
【0272】
以下では、実施形態12に特徴的な処理の流れについてのみ説明する。
【0273】
生産物管理識別情報取得ステップ5103は、生産物の生産履歴を管理するための識別情報である生産物管理識別情報を取得する。ここにおいて移動情報は、前記生産物管理識別情報取得部から取得される生産物管理識別情報と関連付けられている。
【0274】
<実施形態12の効果>
【0275】
実施形態12によって、生産物の履歴管理という意味でのトレーサビリティシステムと、移動情報が関連づけられ、生産物の履歴管理に新しい機能が付加され、より、詳細な履歴管理ができるトレーサビリティシステムが構築できる、という効果を奏する。
【0276】
≪実施形態13≫
【0277】
<実施形態13の概念>
【0278】
実施形態13は、実施形態12を基本としており、特に、農作物を対象としたトレーサビリティシステムの場合のシステム構築例を示したものである。すなわち、農作物を対象にする場合は生産物管理識別情報は、農作物を生産する土地である生産単位を識別するための情報であり、この場合の移動情報は、この土地の中での携帯端末装置の移動を示す情報でとなる。また、水産物の場合でも同様であり、この土地を海と読み替えればよい。
【0279】
<実施形態13の全体構成>
【0280】
実施形態13は、実施形態12を基本とするトレーサビリティシステムであって、特徴点は、前記生産物管理識別情報は、農作物を生産する土地である生産単位を識別するための情報であり、前記移動情報は、前記生産物管理識別情報で識別される生産単位である土地の中での前記携帯端末装置の移動を示す情報である点である。
【0281】
<実施形態13の構成の説明>
【0282】
以下では、本実施形態に特徴的な点についてのみ詳述する。
【0283】
本実施形態の「生産物管理識別情報」は、農作物を生産する土地である生産単位を識別するための情報である。また、「生産物管理識別情報」は、農作物を水産物と読み替えれば、水産物を生産するあるいは取得する海域である生産単位を遺棄別するための情報である、ということができる。
【0284】
また、本実施形態の「移動情報」は、前記生産物管理識別情報で識別される生産単位である土地の中での前記携帯端末装置の移動を示す情報である。また、同様にこの「移動情報」は、農作物を水産物と読み替えれば、前記生産物管理識別情報で識別される生産単位である海域の中での前記形態端末装置の移動を示す情報である、ということができる。
【0285】
<実施形態13の具体的機能の説明>
【0286】
実施形態13に特徴的な生産物管理識別情報と、移動情報と、について説明する。
【0287】
図51は、実施形態13の生産物管理識別情報を説明する図である。生産物管理識別情報は、農作物を生産する土地である生産単位を識別するための情報であり、この土地は、例えば、農業者Aさんの土地である。この土地に対して、例えば、T235698という識別番号が付与される。これを生産物管理識別情報と言う。また、移動情報は、T235698という記号で識別されるAさんの土地の中での携帯端末装置の移動を示す情報であり、この移動情報は、経度緯度セット情報であったり、移動軌跡線画像などである。
【0288】
<実施形態13の処理の流れの説明>
【0289】
実施形態13の処理の流れは、実施形態12の処理の流れと基本的に共通であるので、詳細な説明は省略する。
【0290】
<実施形態13の効果>
【0291】
実施形態13によれば、農作物を対象としたトレーサビリティシステムの構築が可能となる、という効果を奏する。
【0292】
≪実施形態14≫
【0293】
<実施形態14の全体構成>
【0294】
実施形態14は、実施形態4を基本として、特徴点は、第一地図画像情報取得手段は、インターネット上のウエッブページにて公開されている地図画像を取得する点である。
【0295】
<実施形態14の構成の説明>
【0296】
以下では、実施形態14に特徴的な第一地図画像情報取得手段についてのみ説明する。
【0297】
本実施形態の「第一地図画像情報取得手段」は、インターネット上のウエッブページにて公開されている地図画像を取得する機能を有する。ただし、地図画像については、これによって、地図画像を管理する必要がなくなる、ということと、閲覧装置に地図画像を保存する必要がなくなるために、閲覧装置の記憶容量が負担がかからなくなる、などの効果を奏する。さらに、インターネットで公開されている地図画像を利用することによって、地図画像の管理という人手のかかる作業がなくなる、という効果も奏する。
【0298】
なお、本実施形態の具体的機能および処理の流れについては、基本的には実施形態4と共通であるので、詳細な説明は省略する。
【0299】
<実施形態14の効果>
【0300】
実施形態14によって、インターネットに公開されている地図画像を取得し利用するために、容量、コストの面において、小さなシステム構成が可能になり、大幅な容量およびコスト削減が可能となる、という効果を奏する。
【0301】
≪実施形態15≫
【0302】
<実施形態15の全体構成>
【0303】
実施形態15は、実施形態6を基本として、特徴点は、第一地図画像情報取得手段は、インターネット上のウエッブページにて公開されている地図画像を取得する点である。
【0304】
<実施形態14の構成の説明>
【0305】
以下では、実施形態15に特徴的な第一地図画像情報取得手段についてのみ説明する。
【0306】
本実施形態の「第二地図画像情報取得手段」は、インターネット上のウエッブページにて公開されている地図画像を取得する機能を有する。ただし、地図画像については、これによって、地図画像を管理する必要がなくなる、ということと、閲覧装置に地図画像を保存する必要がなくなるために、閲覧装置の記憶容量が負担がかからなくなる、などの効果を奏する。さらに、インターネットで公開されている地図画像を利用することによって、地図画像の管理という人手のかかる作業がなくなる、という効果も奏する。
【0307】
なお、本実施形態の具体的機能および処理の流れについては、基本的には実施形態6と共通であるので、詳細な説明は省略する。
【0308】
<実施形態15の効果>
【0309】
実施形態15によって、インターネットに公開されている地図画像を取得し利用するために、容量、コストの面において、小さなシステム構成が可能になり、大幅な容量およびコスト削減が可能となる、という効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0310】
本発明のトレーサビリティシステムは、フットボール、バスケットボール、サッカー、野球などのチームプレーが要求されるスポーツにおける個々のプレイヤーのプレー分析に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0311】
【図1】実施形態1の概念図
【図2】カーナビゲーションシステムと実施形態1との比較を表わす図
【図3】カーナビゲーションシステムを表わすシーケンス図
【図4】本実施形態のトレーサビリティシステムを表わすシーケンス図
【図5】実施形態1の機能ブロック図
【図6】実施形態1の具体的機能ブロック図
【図7】実施形態1の複数の経度緯度情報と移動情報の関係を表わす図
【図8】実施形態1の処理の流れを表わす図
【図9】実施形態2の機能ブロック図
【図10】実施形態2の具体的機能ブロック図
【図11】実施形態2の経度緯度セット情報を表わす図
【図12】実施形態2の処理の流れを表わす図
【図13】実施形態3の概念を表わす図
【図14】実施形態3の機能ブロックを表わす図
【図15】実施形態3の具体的機能ブロック図
【図16】実施形態3の地図画像と移動情報およびそれらを重ね合わせた画像の関係を表わす図
【図17】実施形態3の処理の流れを表わす図
【図18】実施形態4の機能ブロック図
【図19】実施形態4の具体的機能を表わす図
【図20】実施形態4の地図画像と移動軌跡画像およびそれらを重ね合わせた画像の関係を表わす図
【図21】実施形態4の処理の流れ表わす図
【図22】実施形態5の概念を表わす図
【図23】実施形態5の機能ブロックを表わす図
【図24】実施形態5の具体的機能を表わす図
【図25】実施形態5の画像データの例
【図26】実施形態5の処理の流れを表わす図
【図27】実施形態6の概念を表わす図
【図28】実施形態6の機能ブロックを表わす図
【図29】実施形態6の具体的機能を表わす図
【図30】実施形態6の処理の流れを表わす図
【図31】実施形態7の概念を表わす図
【図32】実施形態7の機能ブロック図
【図33】実施形態7における保持開始入力部の具体的機能を説明するためのフロー図
【図34】実施形態7の処理の流れを表わす図
【図35】実施形態8の概念を表わす図
【図36】実施形態8の機能ブロック図
【図37】実施形態8の具体的機能ブロック図
【図38】実施形態8の処理の流れを表わす図
【図39】実施形態9の概念図
【図40】実施形態9の機能ブロック図
【図41】実施形態9の具体的機能ブロック図
【図42】実施形態9の処理の流れを表わす図
【図43】実施形態10の概念図
【図44】実施形態10の機能ブロック図
【図45】実施形態10の具体的機能ブロック図
【図46】実施形態10の処理の流れを表わす図
【図47】実施形態11の機能ブロック図
【図48】実施形態12の移動情報と生産物監理識別情報との関連づけを表す具体例
【図49】実施形態12の特定の移動情報に関するその移動情報の内容
【図50】実施形態12の処理の流れを表わす図
【図51】実施形態13の具体的機能を説明するための生産物監理識別情報の説明を行う図
【符号の説明】
【0312】
0501 携帯端末装置
0502 閲覧装置
0503 GPS機能部
0504 保持部
0505 送信部
0506 取得部
0507 軌跡地図表示部
0906 取得部
1408 移動軌跡線画像生成手段
1808 第一地図画像取得手段
1809 移動軌跡線画像生成手段
1810 第一重畳画像生成手段
2808 第二地図画像取得手段
2809 第二重畳画像生成手段
3606 携帯端末閲覧部
4011 ネットワーク閲覧部
4706 生産物監理識別情報取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS機能部と、
前記GPS機能部から取得される複数の経度緯度情報に基づいた情報である移動情報を保持する保持部と、
前記保持部に保持されている移動情報を送信するための送信部と、
を有する携帯端末装置と、
前記送信部から送信される移動情報を取得する取得部と、
前記取得部にて取得された移動情報に基づいて前記携帯端末装置の移動軌跡を地図上に表示するための軌跡地図表示部と、
を有する閲覧装置と、
からなるトレーサビリティシステム。
【請求項2】
前記携帯端末装置の保持部に保持されている前記移動情報は、前記携帯端末装置の移動につれて前記GPS機能部から取得される複数の経度緯度の値の組である経度緯度セット情報である請求項1に記載のトレーサビリティシステム。
【請求項3】
前記閲覧装置の軌跡地図表示部は、
前記取得部で取得した移動情報に基づいて前記携帯端末装置の移動軌跡を示す線である移動軌跡線のみからなる画像である移動軌跡線画像を生成する移動軌跡線画像生成手段を
有する請求項2に記載のトレーサビリティシステム。
【請求項4】
前記閲覧装置の軌跡地図表示部は、
地図画像を取得する第一地図画像取得手段と、
前記移動軌跡線画像生成手段で生成した移動軌跡線画像を、前記第一地図画像取得手段で取得した地図画像に重ね合わせた画像である重畳画像を生成する第一重畳画像生成手段と、
を有する請求項3に記載のトレーサビリティシステム。
【請求項5】
前記携帯端末装置の保持部に保持されている前記移動情報は、前記携帯端末装置の移動につれて前記GPS機能部から取得される経度緯度の値に基づいて生成される前記携帯端末装置の移動軌跡を示す線である移動軌跡線のみからなる画像である移動軌跡線画像である請求項1に記載のトレーサビリティシステム。
【請求項6】
前記閲覧装置の軌跡地図表示部は、
地図画像を取得する第二地図画像取得手段と、
前記取得部で取得した移動情報を、前記第二地図画像取得手段で取得した地図画像に重ね合わせた画像である重畳画像を生成する第二重畳画像生成手段と、
を有する請求項5に記載のトレーサビリティシステム。
【請求項7】
前記携帯端末装置は、
GPS機能部から取得される経度緯度情報を移動情報として前記保持部に保持開始させるための保持開始入力部をさらに有する請求項1から6のいずれか一に記載のトレーサビリティシステム。
【請求項8】
前記携帯端末装置は、
前記保持部に保持された移動情報を閲覧するための携帯端末閲覧部を有する請求項1から7のいずれか一に記載のトレーサビリティシステム。
【請求項9】
前記閲覧装置は、第一重畳画像生成手段が生成した重畳画像をネットワークを介して閲覧させるためのネットワーク閲覧部を有する請求項4に記載のトレーサビリティシステム。
【請求項10】
前記閲覧装置は、第二重畳画像生成手段が生成した重畳画像をネットワークを介して閲覧させるためのネットワーク閲覧部を有する請求項6に記載のトレーサビリティシステム。
【請求項11】
前記移動情報には、地図情報を含まない請求項1から10のいずれか一に記載のトレーサビリティシステム。
【請求項12】
前記携帯端末装置は、生産物の生産履歴を管理するための識別情報である生産物管理識別情報を取得する生産物管理識別情報取得部を有し、
前記移動情報は、前記生産物管理識別情報取得部から取得される生産物管理識別情報と関連付けられている請求項1から11のいずれか一に記載のトレーサビリティシステム。
【請求項13】
前記生産物管理識別情報は、農作物を生産する土地である生産単位を識別するための情報であり、
前記移動情報は、前記生産物管理識別情報で識別される生産単位である土地の中での前記携帯端末装置の移動を示す情報である請求項12に記載のトレーサビリティシステム。
【請求項14】
前記第一地図画像情報取得手段は、インターネット上のウエッブページにて公開されている地図画像を取得する請求項4に記載のトレーサビリティシステム。
【請求項15】
前記第二地図画像情報取得手段は、インターネット上のウエッブページにて公開されている地図画像を取得する請求項6に記載のトレーサビリティシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【公開番号】特開2006−92032(P2006−92032A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−274024(P2004−274024)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(501203344)独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 (827)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】