説明

ドライブレコーダ

【課題】車両への搭載性と寿命を向上することができるドライブレコーダを提供することである。
【解決手段】本発明の課題解決手段は、車両に設置されるケース1と、ケース1内に設けたカメラ2と、ケース1内に設けられた少なくともケース1の前後左右の二軸の加速度を検出可能な加速度センサ3と、ケース1内に設けられてカメラ2で撮影した画像および加速度センサ3で検出した加速度を記憶する記憶装置4とを備えたドライブレコーダDにおいて、車両電源にコードC1,C2を介して接続されてカメラ2、加速度センサ3および記憶装置4へ電力供給を可能とする電源用端子6をケース1の下部に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運行状況を記憶するドライブレコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のドライブレコーダにあっては、二輪自動車に設置されるカメラと、二輪自動車の加速度を検出する加速度センサと、カメラが撮影した画像を常時記憶する第1の記憶手段と、加速度データが閾値を一定時間以上継続して超える場合にこれを条件(トリガ)とし、第1の記憶手段に記憶していた画像を読み込んでトリガ検出前後の画像を記憶する第2の記憶手段を備えて構成されている(たとえば、各特許文献参照)。
【0003】
これらのカメラ、加速度センサおよび記憶手段を備えた制御装置とは特に一体とされておらず、それぞれバラバラに二輪車に設置され、これらをコードで電気的に接続して、ドライブレコーダとして機能するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−221969号公報
【特許文献2】特開2008−221970号公報
【特許文献3】特開2008−225735号公報
【特許文献4】特開2008−225976号公報
【特許文献5】特開2008−225977号公報
【特許文献6】特開2008−226075号公報
【特許文献7】特開2008−257616号公報
【特許文献8】特開2008−257617号公報
【特許文献9】特開2008−257618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、カメラ、加速度センサおよび制御装置をバラバラに二輪車に設置するようになっているので、ドライブレコーダの鞍乗り車両等への設置が面倒である。
【0006】
また、鞍乗り車両は、一般的には、車室を持たないため、ドライブレコーダが風雨に晒されることになるため、ドライブレコーダの寿命が短くなる傾向にある。
【0007】
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、車両への搭載性と寿命を向上することができるドライブレコーダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題解決手段は、車両に設置されるケースと、ケース内に設けたカメラと、ケース内に設けられた少なくともケースの前後左右の二軸の加速度を検出可能な加速度センサと、ケース内に設けられてカメラで撮影した画像および加速度センサで検出した加速度を記憶する記憶装置とを備えたドライブレコーダにおいて、車両電源にコードを介して接続されてカメラ、加速度センサおよび記憶装置へ電力供給を可能とする電源用端子をケースの下部に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のドライブレコーダによれば、ケース内にドライブレコーダとして機能する上で必要なカメラ、加速度センサ、記憶装置といったハードウェアの全てが収容されており、車両への設置が容易で、車両への搭載性を向上することができる。
【0010】
また、本実施の形態のドライブレコーダによれば、ケース内にハードウェアの全てが収容されており、持ち運びに便利であって、二輪車や鞍乗り車両といった車両への着脱も容易であるから、車両から離れる場合にはドライブレコーダを取外して持ち歩くことができ、ドライブレコーダの盗難を防止することができる。
【0011】
さらに、本実施の形態のドライブレコーダにあっては、ケース本体の下部に電源用端子を設けており、雨天走行中にあっても電源用端子とコード側端子との接続部が雨水に晒される機会を低減できので、ドライブレコーダの信頼性および実用性を向上することができ、さらには、ドライブレコーダの寿命を向上することができる。
【0012】
また、コネクタがパッキンに密着するので、ケースとコネクタとの間が密にシールされ、ケース内への水や埃の浸入が確実に防止され、雨天走行中にあっても電源用端子とコード側端子との接続部が雨水に晒されることなく、ドライブレコーダの信頼性および実用性をより一層向上することができ、さらには、ドライブレコーダの寿命をより長寿命化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施の形態におけるドライブレコーダの先端側斜視図である。
【図2】一実施の形態におけるドライブレコーダの後端側斜視図である。
【図3】一実施の形態におけるドライブレコーダの断面図である。
【図4】一実施の形態におけるケース側マウントの斜視図である。
【図5】一実施の形態における車両側マウントの斜視図である。
【図6】一実施の形態におけるドライブレコーダの後端側キャップを開いた状態における斜視図である。
【図7】一実施の形態におけるドライブレコーダを下部から見た分解斜視図である。
【図8】一実施の形態のドライブレコーダを車両電源へ接続するコードの分解斜視図である。
【図9】一実施の形態のドライブレコーダを車両電源へ接続するコードの回路図である。
【図10】一実施の形態のドライブレコーダを車両電源へ接続するコードの斜視図である。
【図11】一実施の形態のドライブレコーダのハードウェア構成を示した図である。
【図12】一実施の形態のドライブレコーダにおける動作の一部を示すフローチャートの一例である。
【図13】一実施の形態のドライブレコーダにおける動作の一部を示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。一実施の形態におけるドライブレコーダDは、図1から図8に示すように、ケース1と、ケース1内に設けたカメラ2と、ケース1内に設けられた少なくともケース1の前後左右の二軸の加速度を検出可能な加速度センサ3と、ケース1内に設けられてカメラ2で撮影した画像および加速度センサ3で検出した加速度を記憶する記憶手段としての記憶装置4およびこれらを制御する制御装置5と、カメラ2、加速度センサ3、記憶装置4および制御装置5へ電力供給を可能とする電源用端子6とを備えて構成され、この場合、二輪車に取付けられている。
【0015】
以下、詳細に説明すると、ケース1は、内部にカメラ2、加速度センサ3、記憶装置4および制御装置5を収容する筒型のケース本体10と、ケース本体10の下部に設けられて二輪車のハンドルを把持する車両側マウント7に着脱自在とされるケース側マウント11と、撮影窓12aを備えてケース本体10の先端開口部を閉塞する先端キャップ12と、ケース本体10の後端開口部を閉塞する後端キャップ13と、ケース本体10の下部に設けた開口14と、開口14を閉塞する仕切部材19とを備えて構成されている。
【0016】
ケース側マウント11は、ケース本体10の外周を抱持する抱持環11aと、抱持環11aの下部に回転自在に設けたリングナット11bと、一対の爪11d,11dを有する取付子11cと、取付子11cの上部に設けられ外周に螺子部を有して有頂筒状のリングナット11bに螺合する円盤11eとを備えて構成されている。円盤11eをリングナット11bの最深まで螺合すると、リングナット11bが抱持環11aに対して回転不能となるようになっており、このような構成とされることで、ケース側マウント11における取付子11cがケース本体10に対して横方向の回転が許容されて、任意の向きで固定することができるようになっている。
【0017】
車両側マウント7は、図1および図2に示すように、ケース側マウント11の取付子11cを抱持するマウント着脱部7aと、マウント着脱部7aに一体化されて二輪車のハンドルHを把持する把持部7bと備えて構成されている。車両側マウント7は、ハンドルHを軸として軸周りに回転することができ、ハンドルHに対する取付姿勢を調節できるようになっている。そして、マウント着脱部7aは、コ字状のソケットとされており、ケース側マウント11の取付子11cを側方から差込むことにより、当該取付子11cがマウント着脱部7aに抱持されて一体化されるようになっており、本体部11aをマウント着脱部7aを完全に差し込むと爪11d,11dがマウント着脱部7aの後端に設けた爪7c,7cに係合して、車両側マウント7にケース側マウント11が固定されるようになっている。なお、爪11d,11dを押圧して互いに接近させるようにすると、マウント着脱部7aの爪7c,7cとの係合が解けるので、マウント着脱部7aから取付子11cを側方へ引き出してケース側マウント11を車両側マウント7から取外すことができる。
【0018】
先端キャップ12は、カメラ2でケース1内からケース1の先端側前方を撮影できるように、撮影窓12aを備えており、この場合、撮影窓12aにはレンズ16が取付けられ、レンズ16と先端キャップ12との間は図外のシール部材によってシールされている。したがって、この場合、カメラ2は、撮影方向をケース本体10の先端側前方としてケース本体10の先端側に設置されて、レンズ16を介して撮影できるようになっている。
【0019】
なお、カメラ2が個別にレンズを備えていたり、レンズの設置が不要な場合には、撮影窓12aを樹脂やガラスで形成される透明な板で閉塞しておけばよい。また、カメラ2は、この場合、CCD(電荷結合素子、図示せず)を備えたCCDカメラとして構成されているが、これ以外にも、たとえば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を利用したカメラを使用することも可能である。
【0020】
そして、車両側マウント7がハンドルHに対して回転可能であり、さらに、ケース側マウント11に対してケース本体10が横方向へ回転可能であるので、ケース本体10の二輪車に対する取付位置とカメラ2の撮影方向を任意に調節することができ、ユーザが撮影したい範囲をカメラ2で撮影することができるようになっている。
【0021】
後端キャップ13は、ケース本体10の後端開口部にヒンジ結合されており、図2および図6に示すように、ケース本体10の後端開口部を開閉することができるようになっている。
【0022】
さらに、後端キャップ13は、表示部17と操作ボタン18を備えており、表示部17はドライブレコーダDの機能上の設定状況や操作上必要となる情報を表示することができるようになっている。また、ユーザの操作ボタン18の操作によりドライブレコーダDの機能上の各種設定を行うことができるようになっている。
【0023】
また、後端キャップ13の外周には環状のパッキン13aが取付けられており、後端キャップ13でケース本体10の後端開口部を閉塞すると、パッキン13aがケース本体10の開口端内周に密着してケース本体10への水や埃等の浸入を阻止できるようになっている。なお、後端キャップ13でケース本体10を閉塞する際に、後端キャップ13の上部にヒンジ止めされるフック13bをケース本体10に上端に設けたフック受部10aに引っ掛けることで、ケース本体10の後端開口部へ後端キャップ13を固定することができるようになっている。
【0024】
なお、ケース本体10の後端には、記憶装置4の一部を構成するSDメモリカード33を挿入する挿入口31が設けられており、SDメモリカード33を当該挿入口31へ挿入すると、カードコネクタ32に接続されるようになっている。
【0025】
つづいて、ケース本体10の下部には、略矩形の開口14が設けられており、この開口14は仕切部材19によって閉塞されている。仕切部材19は、小窓19aを備えており、この小窓19aには電源用端子6が臨んでおり、小窓19aを介して電源用端子6に外部からアクセスすることが可能となっている。また、仕切部材19にはスピーカ20が固定されており、このスピーカ20は制御装置5の指令によって警告音を発生することができるようになっている。
【0026】
また、小窓19aは、環状溝19bにて囲繞されており、当該環状溝19b内には環状のパッキン21が嵌め込んである。
【0027】
電源用端子6は、レコーダ側コードC1の端部に設けられるコード側端子23cに接続され、また、レコーダ側コードC1は、車両電源に接続される電源側コードC2に接続されており、二輪車のアクセサリ電源がオンされると、車両電源から電源用端子6に電力が供給されるようになっている。このように、本実施の形態のドライブレコーダDにあっては、ケース本体10の下部に電源用端子6を設けており、雨天走行中にあっても電源用端子6とコード側端子23cとの接続部が雨水に晒される機会を低減できので、ドライブレコーダDの信頼性および実用性を向上することができ、さらには、ドライブレコーダDの寿命を向上することができる。
【0028】
また、この場合、電源用端子6は6本のピンで構成されて雄端子とされており、コード側端子23cは、上記ピンが挿入される6個の雌型ピンで構成されている。そして、このコード側端子23cは、レコーダ側コードC1のコード本体22の端部に設けた小窓19aに嵌合可能なコネクタ23に保持されており、このコネクタ23は、パッキン21に対向する基部23aと、基部23aから立ち上がって小窓19a内に挿入されるとともにコード側端子23cを保持する先端部23bとを備えて構成されている。なお、コード側端子23cの雌型ピンの一つはダミーであり、電源用端子6のピンの一つも同様にダミーである。
【0029】
レコード側コードC1は、上述のように、電源用端子6に接続されて後述するようにケース1に一体化され、ケース本体10の下部から外方へ向けて伸びるようになっているが、そのままでこれを何ら支持しないと、当該レコーダ側コードC1は、二輪車の走行中の振動によって振られて、コード本体22のコネクタ23の基部23aへの取付部等に繰り返し大きな曲げ応力が作用するなどして、劣化を早めてしまう虞がある。そこで、このドライブレコーダDにあっては、ケース側マウント11における抱持環11aの側部にレコーダ側コードC1を保持するフック状のコード保持部11fを設けてあり、当該コード保持部11fにてレコーダ側コードC1を保持することにより、レコーダ側コードC1に大きな曲げ応力が繰り返し作用することを抑制して、当該レコーダ側コードC1における劣化を抑制して、ドライブレコーダDの寿命を長寿命とすることができるようになっている。なお、コード保持部は、ケース1に設けてあればよいので、ケース側マウント11以外にも、たとえば、ケース本体10に設けてもよく、また、レコーダ側コードC1のみならず電源側コードC2を保持するようにしてもよい。さらに、コード保持部11fの形状については、レコーダ側コードC1あるいは電源側コードC2を保持できればよいので、上記したフック状に限られない。
【0030】
そして、本実施の形態のドライブレコーダDにあっては、ケース1内に収容されたカメラ2、加速度センサ3、記憶手段4へ電力供給するために使用されて車体振動によって振られる可能性のあるコードは、レコーダ側コードC1とこれに接続される電源側コードC2とであり、従来のドライブレコーダに比較してコード本数が少なくコード損傷機会が減少し、また、レコーダ側コードC1あるいは電源側コードC2はケース1に設けたコード保持部11fに保持されるので、レコーダ側コードC1とこれに接続される電源側コードC2が車体振動時に大きく振られることが無いようになっており、レコーダ側コードC1とこれに接続される電源側コードC2の劣化が抑制される。
【0031】
このように、レコーダ側コードC1とこれに接続される電源側コードC2の劣化を抑制することができるので、コードの交換が頻繁されてメンテナンス費用も嵩んでしまう問題も改善される。
【0032】
戻って、レコーダ側コードC1は、内部に図示しない5本の導線を備えたコード本体22と、コード本体22の一端に設けたコード側端子23c、コード本体22の他端に設けた5ピンのミニユニバーサルシリアルバス(miniUSB)レセクタブル24とを備え、ミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24のピンがそれぞれ上記5本の導線を介して対応するコード側端子23cに接続されている。上記したミニユニバーサルシリアルレセクタブル24は、後述の電源側コードC2を介して車両電源に接続される電源ピン24aと、IDピン24dと、GNDピン24eと、二つの信号ピン24b,24cとを備えている。なお、ミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24は、Aタイプ、Bタイプの規格のいずれを使用してもよい。
【0033】
また、電源側コードC2は、図8および図9に示すように、一端に設けた車両電源に接続される二つの端子26,27と、他端に設けたミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24に接続可能な5ピンのミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25と、途中に設けた降圧型のDC/DCコンバータ28と、端子26,27をそれぞれDC/DCコンバータ28の入力端子28a,28bへ接続する二本の導線29a,29bと、DC/DCコンバータ28の出力端子28cをミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25の電源ピン25aとIDピン25dへ接続する導線30aと、DC/DCコンバータ28のGNDピン28dをミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25のGNDピン25eへ接続する導線30bとを備えて構成されている。なお、ミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25の二つの信号ピン25b,25cは、何処にも接続されておらず、使用されないようになっている。なお、本実施の形態にあっては、レコーダ側コードC1に、ミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24を設け、電源側コードC2にミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25を設けているが、反対に、レコーダ側コードC1に、ミニユニバーサルシリアルバスコネクタを設け、電源側コードC2にミニユニバーサルシリアルバスレセクタブルを設けてもよい。
【0034】
DC/DCコンバータ28は、車両電源をドライブレコーダDの電源として使用できるように、12Vの車両電源をドライブレコーダDの動作電圧にまで降圧させるために設けてある。なお、ドライブレコーダDが車両電源電圧で動作する場合には、DC/DCコンバータ28を廃止することも可能である。
【0035】
さらに、ミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24の外周には筒状であって内周に螺子部を備えたカプラ40が回転自在に設けてあり、ミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25の外周にもカプラ40の内周に螺合するソケット41とが設けてあって、カプラ40とソケット41とを螺合するとミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24とミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25とが接続状態を保ったまま、強固に一体化されて、これらの接続部はカプラ40内に収容されて雨水や埃等の干渉を受けないようになっている。
【0036】
また、ミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24の外周とミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25の外周には、それぞれ、図10に示すように、耳輪50,51によって結束バンドBや紐の挿入を可能とする一対の通し孔42,43が設けられており、結束バンドB等を利用して、ミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24およびミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25を二輪車のフレームやハンドル等へ固定することができるようになっている。
【0037】
このように、通し孔42,43の設置によって、ミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24とミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25の一方または両方を二輪車の任意の場所へ固定することが可能であるので、ミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24およびミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25が遊んで二輪車走行中の振動によって二輪車の各部に衝突することを確実に防止することができ、ドライブレコーダDの劣化を抑制でき、ドライブレコーダDの寿命を長寿命とすることができる。
【0038】
さらに、ミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24とミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25の一方または両方を二輪車の任意の場所へ固定することが可能であるので、レコーダ側コードC1とこれに接続される電源側コードC2が車体振動時に大きく振られることが無いようになっており、レコーダ側コードC1とこれに接続される電源側コードC2の劣化が抑制される。このように、レコーダ側コードC1とこれに接続される電源側コードC2の劣化が抑制されるので、この点においてもコードの交換が頻繁されてメンテナンス費用も嵩んでしまう問題も改善される。
【0039】
また、通し孔42,43の設置によって、ミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24とミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25の一方または両方を容易に二輪車の任意の場所へ固定することができるので、ドライブレコーダDの搭載性も向上することになる。なお、ミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24とミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25は、接続されて使用されることから、いずれか一方に通し孔42,43を設けておくようにしてもよい。
【0040】
戻って、レコーダ側コードC1におけるコネクタ23の先端部23bを小窓19a内に挿入して電源用端子6とコード側端子23cとを接続したのち、仕切部材19に螺子締結される抑え板16で基部23aを下方から押さえることでコネクタ23を仕切部材19に固定されるようになっており、レコーダ側コードC1は、ケース1に一体化される。
【0041】
その際、コネクタ23の基部23aの上面がパッキン21に密着するので、ケース1の一部である仕切部材19とコネクタ23との間が密にシールされ、小窓19aからの水や埃の浸入が確実に防止され、雨天走行中にあっても電源用端子6とコード側端子23cとの接続部が雨水に晒されることなく、ドライブレコーダDの信頼性および実用性をより一層向上することができ、さらには、ドライブレコーダDの寿命をより長寿命化することができる。
【0042】
なお、このようにコネクタ23を固定した後、開口14に化粧板44を嵌合し、螺子締結することで開口14を蓋するようになっており、仕切部材19とコネクタ23との接続部を隠してドライブレコーダDの見栄えをよくしている。なお、化粧板44は、符示しない複数の長孔を備えており、スピーカ20から発生される音を遮断しないように配慮されている。
【0043】
電源用端子6は、ケース本体10内に設けた制御装置5に接続されている。制御装置5は、カメラ2、加速度センサ3、カードコネクタ32、表示部17および操作ボタン18に図外のインターフェースを介して接続され、電源用端子6は、制御装置5を介してカメラ2、加速度センサ3、コネクタ32、表示部17および操作ボタン18へ電力供給を行うことでができるようになっている。
【0044】
そして、制御装置5は、たとえば、図11に示すように、CPU(Central Prossesing Unit)51と、上記CPU51に記憶領域を提供するRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)52と、カメラ2、加速度センサ3、表示部17および操作ボタン18に接続されるインターフェース54と、カメラ2、加速度センサ3および記憶装置4を制御しドライブレコーダDとして機能するために必要な処理を行うためCPU51が実行するアプリケーションやオペレーティングシステム等のプログラムを格納するROM(Read Only Memory)55と、CPU51、RAM52、ROM55、インターフェース54およびカードコネクタ32を接続するバス53とを備えて構成されている。また、記憶装置4は、カードコネクタ32、SDメモリカード33とを備えて構成されており、記憶手段は、制御装置5と記憶装置4とで構成されている。
【0045】
つづいて、加速度センサ3は、基本的には、ケース1の前後左右の2軸の加速度を検知することができるものであればよく、より多くの加速度情報を得たい場合には、ケース1の上下方向の加速度を検知できる3軸の加速度センサを用いるようにしてもよい。また、加速度センサ3には、具体的には、たとえば、圧電式、半導体ピアゾ抵抗式、静電容量式、その他の種々の加速度センサを用いることが可能である。
【0046】
そして、この加速度センサ3は、所定のサンプリング周期、たとえば、10ms(ミリ秒)の周期でケース1の前後左右の2軸の加速度を検出して、アナログの電圧信号である加速度信号を出力し、この加速度信号はデジタル信号に変換されて制御装置5へ入力される。
【0047】
他方、カメラ2は、この撮影範囲を常時撮影し続け、この撮影した画像を電気信号に変換して制御装置5へ出力するようになっている。なお、画像については広義に解釈しており、画像には、静止画像の他、動画も含まれる。
【0048】
図12のフローチャートの一例に示すように、カメラ2は撮影を継続し、加速度センサ3は加速度を検出しつづけ(ステップS1)、制御装置5は、カメラ2からの画像情報と加速度センサ3の検出した加速度情報とを受け取ると、画像情報に同画像情報が得られた時刻における加速度情報、日付と時刻とを関連付けして(ステップS2)、これをRAM52或いはSDメモリカード33に一端記憶させておき、予め設定される撮影時間分の画像情報が蓄積されると、関連付けが済んで上記撮影時間に得られた全ての画像情報を一纏めにして一つのファイルを生成し(ステップS3,S4)、これをカードコネクタ32を通じてSDメモリカード33に記憶させる(ステップS5)。以降、撮影時間分の画像情報が蓄積されると同様の手順で新たなファイルが生成される。このように、制御装置5は、ファイルを順次生成し、SDメモリカード33へ記憶させるが、SDメモリカード33が記憶容量一杯に上記ファイルを記憶すると、上書きが禁止されるファイル以外の古いファイルから順に削除して新しいファイルを記憶させていく。
【0049】
この作業は、二輪車のアクセサリ電源がオンされて電源用端子6に電力投入されると開始され、アクセサリ電源がオフされるか、加速度センサ3が検出した加速度が閾値を超えるまで、繰り返し継続して行われるようになっている。
【0050】
そして、詳しくは、レコーダ側コードC1のミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24が車両電源に接続されておりIDピン25dに電圧信号が入力される電源側コードC2のミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25に接続される場合には、制御装置5は、アクセサリ電源がオンされると、レコーダ側コードC1を介してミニユニバーサルシリアルバスコネクタ25のIDピン25dに接続される電源用端子6のピンの一つに電圧信号の入力が有ることを検知し、カメラ2で撮影を開始し加速度センサ3で加速度を検知し、ファイルを生成してSDメモリカード33へ記憶させ、各部にドライブレコーダDとして機能を発揮させる。
【0051】
これに対し、レコーダ側コードC1のミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24が図外のパーソナルコンピュータ等の外部機器に接続されるUBSコードのミニユニバーサルシリアルバスコネクタに接続される場合には、外部機器のミニユニバーサルシリアルバスコネクタのIDピンには電圧信号が入力されていないため、制御装置5は、電源用端子6に電力供給があっても、ミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル24のIDピン24dに接続される電源用端子6のピンの一つに電圧信号の入力が無いため、カメラ2、加速度センサ3のいずれも作動させず、SDメモリカード33をパーソナルコンピュータの外部記憶装置として作動させ、外部機器側でSDメモリカード33内のファイルを操作することができるようにする。
【0052】
つまり、本実施の形態のドライブレコーダDによれば、ドライブレコーダD自身が車両へ搭載されて撮影と加速度検知が必要な状況におかれているのか、パーソナルコンピュータ等の外部機器に接続されて撮影と加速度検知が不要な状況におかれているのかを判断して、使用状況に即した動作を行うことができる。
【0053】
したがって、外部機器への接続によって撮影を開始してしまい重要な画像情報を含むファイルが新たなファイルに更新されてしまうといった事態を招くことが無く、車両へ搭載したときには撮影を自動的に開始することができ、撮影し忘れを回避することができる。
【0054】
このように、ドライブレコーダD自身が使用状況に適した動作を行うので、ユーザがわざわざドライブレコーダDの動作を手動操作によって選択したり制御したりする必要が無く、ユーザの負担を軽減できる利点もある。
【0055】
また、一つのファイルが生成される撮影時間は、ユーザのニーズに合わせて、ある程度の撮影時間幅内でユーザが選択できるようになっており、たとえば、15分、30分、60分、120分というように、一つのファイルにおける撮影時間を指定することで設定できるようになっている。すなわち、たとえば、撮影時間が15分に設定される場合には、制御装置5は、カメラ2で撮影した画像情報が15分間蓄積されると、加速度情報や日時等を関連付けした撮影時間分の画像情報を一纏めとして単一のファイルを生成して、SDメモリカード33へ記憶させる。
【0056】
このように一つのファイルが生成される撮影時間を変更できるようになっているので、走行時間に合った撮影時間を指定できるようになり、ユーザのニーズにあった画像情報を得ることができるのである。また、走行時間に合った撮影時間を指定することができるので、ユーザは、途切れの無いシームレスな画像情報を収めたファイルを得ることができる。
【0057】
また、制御装置5は、図13のフローチャートの一例に示すように、加速度センサ3が出力する二輪車の前後左右の二軸の加速度と、当該各加速度のそれぞれに対応して予め設定される閾値とを比較して(ステップS6)、加速度センサ3が検出した前後左右の加速度のうち一方が上記閾値を超えることを条件とし、条件が成就する場合には、条件が成就した時刻、この場合には上記加速度が閾値を超えた時刻から所定時間、たとえば、10秒間だけ撮影と加速度検出を継続し(ステップS8)、設定された撮影時間の如何を問わずファイルを生成して(ステップS9)、SDメモリカード33へ生成したファイルを記憶させる(ステップS10)とともに当該ファイルの上書きを禁止する処理をし(ステップS11)、これ以上の撮影、加速度検知およびファイル生成といったドライブレコーダDにおける全ての処理を終了してドライブレコーダDの電源をオフする(ステップS12)。制御装置5は常時加速度をモニタしており、このステップS6で加速度が閾値を超えていると判断される場合、以降の処理は割り込み処理として実行されるようになっている。また、上書き禁止処理されたファイルは、以降のドライブレコーダDの使用によって自動的に更新されることなく、手動操作にて上書き禁止処理を解除しなければドライブレコーダD自身によって他のファイルに置き換えられることが無いようになっている。具体的には、たとえば、新しいファイルをSDメモリカード33へ書き込む際に、SDメモリカード33に当該新しいファイルを記憶させるための未使用の容量が不足している場合には、ファイル属性を確認して上書き禁止が無いファイルであって作成日時が古いファイルを削除して、上記新しいファイルを記憶させるようにすればよい。
【0058】
よって、二輪車の走行中に事故が発生して閾値を超える加速度を検出すると、制御装置5は、事故発生から事故後の10秒間に亘って撮影された画像情報に、事故前から撮影されておりファイル化される前の画像情報がある場合には、これに加えて、これらを一纏めのファイルとしてSDメモリカード33に記憶させる。したがって、事故発生前から事故後までの長時間に亘って撮影された画像情報が一つのファイルとして記憶装置4に残されることになり、事故の一部始終を確認でき、事故原因の特定が容易となるとともに、事故原因の特定可能な重要な画像情報を遺失してしまうことが無い。
【0059】
また、加速度が閾値を超えた時刻に撮影された画像情報を含む上記ファイルは上書きが禁止されるので、事故後に撮影を再開するなどした際に、上書きされて失われてしまうことがなく、事故原因の特定可能な重要な画像情報を遺失してしまうことを確実に阻止することができる。
【0060】
さらに、事故発生時以外の画像情報も記憶手段に記憶されることになるので、ユーザが事故以外における画像情報を参照することができ、自己の運転技術の向上や走行した道路周辺の景色を楽しむといった使用に資することができる。
【0061】
また、事故発生後の所定時間の撮影の後は、ドライブレコーダDの電源がオフされて、撮影、加速度検出、ファイル生成およびファイルの記憶といった一切の処理が行われることが無いので、事故の一部始終を撮影した画像情報を含むファイルを確実に記憶手段に残すことができる。
【0062】
そして、本実施の形態のドライブレコーダDにあっては、加速度が閾値を超えたか否かについての制御装置5における判断は、加速度センサ3が所定のサンプリング周期でサンプリングした加速度が所定回数連続して閾値を超えた場合に、加速度が閾値を超えたとしてファイルを生成して記憶装置4にファイルを記憶させるようになっている。すなわち、加速度が閾値をサンプリング周期に所定回数を積算して得られる一定時間を超えることを条件にして、当該条件が成就された時刻から所定時間撮影された画像情報を含むファイルを生成して記憶装置4にファイルを記憶させるようになっている。このように、事故時のファイル生成の条件を、加速度が閾値を超えることのみならず、加速度が一定時間閾値を超えることとしてもよい。また、上記した一定時間とは、変更することができずに常に一定であるということを示しておらず、条件成就後の撮影時間である所定時間と区別するために便宜的に一定としており、後述するようにユーザの設定によって変更することが可能とされている。
【0063】
単純に一回でも加速度が閾値を超えることを条件とすると、ノイズや走行中の外乱によって突発的に大きな加速度を検知した際に、事故と判定してしまうことがあるが、上記したように加速度が閾値を一定時間超えることを条件とする場合には、ノイズや外乱による判断ミスをなくして精度良く事故を検知することができるという利点がある。
【0064】
そして、サンプリング周期と一定時間の兼ね合いで上限があるが上記した所定回数および閾値はユーザにて設定することができるようになっている。このように、ユーザはこれから走行する道路状況および路面状況、ドライブレコーダDが設置される車両における仕様、走行の癖に応じて、所定回数および閾値を変更することができるようになっているので、ドライブレコーダDが設置される車両における仕様、走行の癖や走行する道路状況や路面状況に適した判断を制御装置5で行えるようになっている。
【0065】
さらに、本実施の形態のドライブレコーダDでは、上記したように、ケース1をハンドルH等へ取付けたのちに、ユーザの操作ボタン18の操作により、鞍乗り車両停車中において加速度センサ3の車両への取付姿勢で加速度センサ3にて加速度の初期値を検出してこれをオフセット加速度として制御装置5にて記憶し、それ以降の加速度センサ3にて検出する加速度からオフセット加速度を除いて、加速度センサ3の車両への取付姿勢に依存して加速センサ3の検出する加速度に含まれる重力の影響を取り除くようにしている。
【0066】
したがって、この実施の形態のドライブレコーダにあっては、加速度センサ3の取付姿勢によらず、車両の走行に依存して発生する車両の加速度を精度良く検知でき、事故の発生を精度良く検知することができる。
【0067】
また、加速度センサ3の検出軸を二軸であれば車両の前後左右方向に、三軸であれば前後左右上下方向に正確に向けて取付けることをせずとも、正確に車両の各方向の加速度を検出することができるので、車両へのドライブレコーダDの設置が容易となる。
【0068】
さらに、このドライブレコーダDには、ケース1内に副電源35が設けられており、図13のフローチャートの一例に示すように、駆動中に車両電源からの電力供給が途絶えると(ステップS7)、制御装置5は加速度が閾値を超えていなくとも、副電源35から電力供給を受けて、10秒間の撮影、加速度の検知(ステップS8)およびファイルの生成(ステップS9)とSDメモリカード33への記憶(ステップS10)という事故時と同様の作動を行うようになっている。すなわち、本実施の形態のドライブレコーダDにあっては、加速度センサ3が検出した加速度が閾値を超えること、或いは、加速度が閾値を一定時間超えることのどちらかと、車両電源からの電力供給が断たれたことのいずれか一方の状況を満足することを条件として、条件が成就すると、条件が成就した時刻から所定時間、この場合には10秒間、撮影と加速度検出を継続し、設定された撮影時間の如何を問わずファイルを生成してSDメモリカード33へ生成したファイルを記憶させるとともに当該ファイルの上書きを禁止する処理(ステップS10,S11)をし、これ以上の撮影、加速度検知およびファイル生成といったドライブレコーダDにおける全ての処理を終了してドライブレコーダDの電源をオフする(ステップS12)。
【0069】
詳しくは、加速度が閾値を超えなくとも、二輪車が何かに接触したり転倒したりして車両電源に接続されるレコーダ側コードC1或いは電源側コードC2が断線したり、アクセサリ電源がオフされたりすると、車両電源からの電力供給が断たれるので、制御装置5は、当該事態発生からその後の10秒間に亘って撮影された画像情報に、事態発生前から撮影されておりファイルとされる前の画像情報がある場合には、これに加えて、これらを一纏めのファイルとしてSDメモリカード33に記憶させ、ドライブレコーダDの電源をオフする。
【0070】
したがって、加速度に基づく事故の検知に加えて、車両に何らかの異常が生じて電力供給が途絶えるような事態が生じても、当該事態発生前後に亘って撮影された画像情報が一つのファイルとして記憶装置4に残されることになり、当該事態の一部始終を確認できる。
【0071】
そして、電力供給が途絶える場合にも、ファイルを生成して記憶するので、加速度に基づく事故検知が行えない場合にあっても、二輪車の転倒や接触事故を検知できる可能性が高まり、精度良く事故の発生を認識して事故時の画像情報を記憶することができるのである。
【0072】
また、上記のファイルは上書きが禁止されるので、電力供給が再会されて撮影を再開するなどした際に、上書きされて失われてしまうことがなく、事故が発生した可能性がある画像情報を遺失してしまうことを確実に阻止することができる。
【0073】
さらに、電力供給が断たれた後の所定時間の撮影の後は、ドライブレコーダDの電源がオフされて、撮影、加速度検出、ファイル生成およびファイルの記憶といった一切の処理が行われることが無いので、事故が発生した可能性がある画像情報を含むファイルを確実に記憶手段に残すことができる。
【0074】
なお、副電源35は、カメラ2にて10秒間以上の撮影、加速度の検知およびファイルの生成とSDメモリカード33への記憶に必要な電力を蓄電している。ゆえに、事故前後に撮影されて事故の一部始終を確認可能な画像を含むファイルを確実に記憶装置4に残すことができるのである。
【0075】
さらに、駆動中に車両電源からの電力供給が途絶えると、ファイルを生成してSDメモリカード33への記憶させるので、前回SDメモリカード33への記憶が終了してから電力供給が途絶えるまでに撮影された画像情報では情報量が少なく、上述のように設定されるファイルサイズ未満となってファイル生成されていない場合にも、ユーザが鞍乗り車両を停車させてアクセサリ電源をオフにしても、駆動中に車両電源からの電力供給が途絶えると、駆動中に車両電源からの電力供給が途絶えることになるので、制御装置5は先程と同様に、副電源35から電力供給を受けて、10秒間の撮影、加速度の検知およびファイルの生成とSDメモリカード33への記憶という作動を行う。したがって、ファイルサイズが満たない場合にあっても、走行終了時にユーザの操作なしでファイルを生成して記憶装置4に記憶させることができ、便利であり撮影した画像の保存漏れが無い。
【0076】
また、二軸の各加速度に対してドライブレコーダDに登録可能な閾値は、それぞれ二つあり、一方は事故の発生を検知しカメラ2の撮影を停止してファイルを生成しSDメモリカード33への記憶させるための閾値であるが、この閾値より低いものの事故に繋がりかねない程度の加速度を警告閾値としてユーザが臨む任意の値で設定できるようになっている。
【0077】
制御装置5は、この警告閾値を対応する加速度が超えた場合には、スピーカ20から警告音を発生させ、車両運転中のユーザへ危険な加速度を検知したことを伝えるようになっている。したがって、本実施の形態におけるドライブレコーダDにあっては、警告閾値を超えるとスピーカ20から警告音を発生させるので、ユーザが警告音を聞くことにより、自身の運転が乱暴になっていたり、速度の出しすぎになっていることを自覚でき、事故の発生を未然に防ぐことができるのである。
【0078】
なお、この警告閾値を加速度が超えているかの判断において、上記したケース1の取付姿勢に依存した重力の影響を取り除いて上記判断が行われるので、ケース1の取付姿勢によらず、精度良くユーザに対して警告を行うことができる。
【0079】
そして、上述のように、本実施の形態のドライブレコーダDによれば、ケース1内にドライブレコーダDとして機能する上で必要なカメラ2、加速度センサ3、記憶装置4および制御装置5といったハードウェアの全てが収容されており、車両への設置が容易で、車両への搭載性を向上することができる。
【0080】
また、本実施の形態のドライブレコーダDによれば、ケース1内にハードウェアの全てが収容されており、持ち運びに便利であって、二輪車や鞍乗り車両といった車両への着脱も容易であるから、車両から離れる場合にはドライブレコーダDを取外して持ち歩くことができ、ドライブレコーダDの盗難を防止することができる。なお、このドライブレコーダDは、ケース1内にハードウェアの全てが収容されており着脱も容易であるから、自動車にも当然に適用でき据え置きして使用することも可能であるが、着脱も容易で持ち運びに便利であることから、二輪車や鞍乗り車両といった車両に最適となる。
【0081】
さらに、本実施の形態のドライブレコーダDにあっては、ケース本体10の下部に電源用端子6を設けており、雨天走行中にあっても電源用端子6とコード側端子23cとの接続部が雨水に晒される機会を低減できので、ドライブレコーダDの信頼性および実用性を向上することができ、さらには、ドライブレコーダDの寿命を向上することができる。
【0082】
また、コネクタ23がパッキン21に密着するので、ケース1とコネクタ23との間が密にシールされ、ケース1内への水や埃の浸入が確実に防止され、雨天走行中にあっても電源用端子6とコード側端子23cとの接続部が雨水に晒されることなく、ドライブレコーダDの信頼性および実用性をより一層向上することができ、さらには、ドライブレコーダDの寿命をより長寿命化することができる。
【0083】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は車両の運行状況を記憶するドライブレコーダに利用可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 ケース
2 カメラ
3 加速度センサ
4 記憶手段としての記憶装置
5 制御装置
6 電源用端子
7 車両側マウント
7a マウント着脱部
7b 把持部
7c 爪
10 ケース本体
10a フック受部
11 ケース側マウント
11a 抱持環
11b リングナット
11c 取付子
11d 爪
11e 円盤
11f コード保持部
12 先端キャップ
12a 撮影窓
13 後端キャップ
13a パッキン
13b フック
14 開口
16 レンズ
17 表示部
18 操作ボタン
19 仕切部材
19a 小窓
19b 環状溝
20 スピーカ
21 パッキン
22 コード本体
23 コネクタ
23a 基部
23b 先端部
23c コード側端子
24 ミニユニバーサルシリアルバスコネクタ
24a,25a 電源ピン
24b,24c,25b,25c 信号ピン
24d,25d IDピン
24e,25e GNDピン
25 ミニユニバーサルシリアルバスレセクタブル
26,27 端子
28 DC/DCコンバータ
28a,28b 入力端子
28c 出力端子
28d GNDピン
29a,29b,30a,30b 導線
31 挿入口
32 カードコネクタ
33 SDメモリカード
40 カプラ
41 ソケット
42,43 通し孔
44 化粧板
50,51 耳輪
C1 レコーダ側コード
C2 電源側コード
H ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置されるケースと、ケース内に設けたカメラと、ケース内に設けられた少なくともケースの前後左右の二軸の加速度を検出可能な加速度センサと、ケース内に設けられてカメラで撮影した画像および加速度センサで検出した加速度を記憶する記憶手段とを備えたドライブレコーダにおいて、車両電源にコードを介して接続されてカメラ、加速度センサおよび記憶手段へ電力供給を可能とする電源用端子をケースの下部に設けたことを特徴とするドライブレコーダ。
【請求項2】
ケースに設けられて電源用端子の周囲を囲む環状のパッキンを備え、当該パッキンはコードの端部に設けられて電源用端子に接続されるコード側端子を保持するコネクタに押圧されて電源用端子とコード側端子との接続部分をシールすることを特徴とする請求項1に記載のドライブレコーダ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−224792(P2010−224792A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70418(P2009−70418)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】