説明

ドーパミン−β−ヒドロキシラーゼの阻害剤としての1,3−ジヒドロイミダゾール−2−チオン誘導体

式Iの化合物、その個々の(R)-及び(S)-鏡像異性体、又はこれら鏡像異性体の混合物、並びに医薬として許容し得る塩、及びエステル、並びにその製造方法について記載する(式中、R1、R2及びR3は、同じであるか又は異なり、かつ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノ基を表し;R4は、-アルキル-アリール又は-アルキル-ヘテロアリールを表し;Xは、CH2、酸素原子、又はイオウ原子を表し;nは、2又は3である。)。該化合物は、高血圧及び慢性心不全などの心血管障害の治療に対して、潜在的に有益な医薬としての特性を有する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドーパミン-β-ヒドロキシラーゼの末梢選択的阻害剤、その製造方法、及び薬剤としてのその使用に関連する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドーパミン-β-ヒドロキシラーゼ(DβH)の阻害剤の開発の関心は、高血圧又は慢性心不全などの心血管障害に罹患している患者において、この酵素の阻害により、著しい臨床上の改善を提供することができるという仮説に集中している。DβH阻害剤の使用についての理論的根拠は、ドーパミンの酵素的ヒドロキシル化を経由して達成される、ノルアドレナリンの生合成を阻害するというこれらの能力に基づいている。主に、交感神経系などの神経体液系の活性化は、うっ血性心不全の主要な臨床症状である(Parmley, W.W.の論文、Clinical Cardiology、18:440-445、1995)。うっ血性心不全患者は、血漿ノルアドレナリンの濃度が上昇しており(Levine, T.B.らの論文、Am. J. Cardiol.、49:1659-1666、1982)、中枢交感神経流出が増大し(Leimbach, W.N.らの論文、Circulation、73:913-919、1986)、かつ心腎のノルアドレナリン溢流が増大している(Hasking, G.J.らの論文、Circulation、73:615-621、1966)。心筋のノルアドレナリンへの長時間の過剰な暴露は、心臓のβ1-アドレノレセプターの発現低下、左心室リモデリング、不整脈、及び壊死をもたらし、これらの全ては、心臓の機能的統合性を低下させる恐れがある。また、高い血漿ノルアドレナリンの濃度を有する、うっ血性心不全の患者は、最も好ましくない長期予後を有する(Cohn, J.N.らの論文、N. Engl. J. Med.、311:819-823、1984)。明確な心不全のない無症候性の患者において、血漿ノルアドレナリン濃度がすでに上昇していることを観察することは、極めて重要であり、かつその後の死亡率及び罹患率を予想することができる(Benedict, C.R.らの論文、Circulation、94:690-697、1996)。これは、活性化された交感神経の活動(drive)が、うっ血性心不全の臨床マーカーとなるだけでなく、疾病の進行性の悪化に寄与し得ることを意味している。
【0003】
アドレノレセプターアンタゴニストを用いる交感神経機能の阻害は、有望な方法に思われたが、多くの割合の患者が、β-遮断薬の処置に付随する即効性の血行動態の悪化を許容しなかった(Pfeffer, M.A.らの論文、N.Engl. J. Med.、334:1396-7、1996)。交感神経機能を直接調節するための別の戦略は、交感神経においてドーパミンからノルアドレナリンへの変換に関与する酵素であるDβHの阻害によってノルアドレナリンの生合成を減らすことである。この方法は、交感神経系の急激な阻害とは対照的に漸次の調節を含むいくつかの長所を有し、かつドーパミンの放出を増加させることで、腎臓の血管拡張、利尿、及びナトリウム利尿などの腎機能を改善することができる。従って、DβHの阻害剤は、従来のβ-遮断薬を超える重要な利点を提供することができる。
【0004】
様々なDβHの阻害剤が、これまで文献により報告されている。初期の、第一及び第二世代の例、例えば、ジスルフィラム(Goldstein, M.らの論文、Life Sci.、3:763、1964)、及びジエチルジチオカルバマート(Lippmann, W.らの論文、Biochem. Pharmacol.、18:2507、1969)、又はフザリン酸(Hidaka, H.の論文、Nature、231、1971)、及び芳香族若しくはアルキルチオ尿素(Johnson, G.A.らの論文、J. Pharmacol. Exp. Ther.、171:80、1970)などは、効力が弱いことが見出され、DβHに対する選択性が乏しく、かつ有毒な副作用を引起こした。しかし、DβH阻害剤の第三世代は、より強い効力を有することが見出され、例えば、ネピカスタット(RS-25560-197、IC50 9nM)(Stanley, W.C.らの論文、Br. J Pharmacol.、121:1803-1809、1997)などは、早期に臨床試験へと展開された。第一及び第二世代のDβH阻害剤と関連する、いくつかの問題は全くないが、ネピカスタットは、血液脳関門(BBB)を通過することが見出され、これによって、末梢同様中枢でも作用し、望ましくなく、かつ潜在的に深刻な薬のCNS副作用をもたらす恐れのある状況を引起こし得るということが、非常に重要な発見であった。従って、特定の心血管障害の治療に使用することができる、強力で、無毒性で、かつ末梢選択的なDβHの阻害剤という、臨床上の要求は、未だ満たされないままである。ネピカスタットと同等かさらに高い効力を有するが、CNS作用を欠いた(BBB通過無能)DβH阻害剤は、これまで先行技術に述べられたDβH阻害剤化合物全体に重要な改善を提供するであろう。
【0005】
また、ドーパミン-β-ヒドロキシラーゼ阻害剤はWO95/29165に開示されている。さらに、WO2004/033447には、高い効力を有し、かつ脳への到達を大幅に減少させたドーパミン-β-ヒドロキシラーゼ阻害剤が開示されており、強力でかつ末梢選択的なDβH阻害剤へと向上させている。
【発明の概要】
【0006】
本発明者らは、これまでに高い効能を有し、かつ脳への到達を極めて低減させた、強力なドーパミン-β-ヒドロキシラーゼ阻害剤である新規化合物を見出した。
本発明の一態様によれば、式Iの化合物、その個々の(R)-及び(S)-鏡像異性体、又はそれら鏡像異性体の混合物、並びにこれら医薬として許容し得る塩、及びエステルが提供される。
【化1】

式中、R1、R2及びR3は、同じであるか又は異なり、かつ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノ基を表し;R4は、-アルキルアリール又は-アルキルヘテロアリールを表し;Xは、CH2、酸素原子、又はイオウ原子を表し;nは、2又は3であり;ここで、用語アルキルは、直鎖又は分枝の炭化水素鎖を意味し、炭素原子1〜6個を含み、アリール、アルコキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニル、又はヒドロキシカルボニル基によって任意に置換され;用語アリールは、フェニル又はナフチル基を意味し、アルキル、アルキルオキシ、ハロゲン、又はニトロ基によって任意に置換され;用語ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味し;用語ヘテロアリールは、ヘテロ芳香族基を意味する。
【0007】
好ましい実施態様において、n=2である。
さらに好ましい実施態様において、X=Oである。
好ましくは、R4は、-CH2-アリール又は-CH2-ヘテロアリールを表す。
一実施態様において、R4のアリール基は、非置換である。
R4のアリール基は、フェニルが好ましい。
望ましくは、R1、R2及びR3の1つが水素であり、かつ他がフッ素である。
【0008】
式Iの化合物を、(R)若しくは(S)鏡像異性体として、又はラセミ体を含む任意の割合の(R)及び(S)鏡像異性体の混合物として提供することができる。最も好ましくは、式Iの化合物は、R-鏡像異性体からなるものである。
好適には、該化合物は、塩酸塩の形態で提供される。しかし、第二級脂肪族アミノ基の場合は、当業者には明らかなように、他の酸性塩を作ることが可能であり、かつ請求項に係る発明の範囲に含まれる。
【0009】
本発明の別の態様によれば、上記の式Iの化合物の個々の(R)-及び(S)-鏡像異性体、又はその鏡像異性体の混合物、並びにこれらの医薬として許容し得る塩の製造方法が提供され、該方法は、式IIIの化合物の個々の(R)-若しくは(S)-鏡像異性体、又は鏡像異性体の混合物
【化2】

(式中、X、R1、R2、R3及びnは、上記式Iに規定されたものと同じ意味を有する。)と、式IVの化合物
【化3】

(式中、R5は、アリール又はヘテロアリールを表し、ここで、用語アリールは、フェニル又はナフチル基を意味し、アルキル、アルキルオキシ、ハロゲン、又はニトロ基によって任意に置換され;用語ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味し;用語ヘテリル(heteryl)は、ヘテロ芳香族基を意味する。)とを、還元的アルキル化の条件下で反応させることを含む。
上記の還元的アルキル化に必要な条件は、当業者には明らかであろう。
【0010】
本発明の特に有利な実施態様によれば、式Xの化合物、並びにその(R)若しくは(S)鏡像異性体、又は(R)及び(S)鏡像異性体の混合物、又はこれらの医薬として許容し得る塩、若しくはエステルが提供される。
【化4】

【0011】
式Xの化合物を、(R)若しくは(S)鏡像異性体として、又はラセミ体を含む任意の割合の(R)及び(S)鏡像異性体の混合物として提供することができる。好ましくは、式Xの化合物は、R-鏡像異性体、(R)-Xとして提供される。
【化5】

好適には、式X(又はR-(X))の化合物は、塩酸塩として提供される。しかし、第二級脂肪族アミノ基の場合は、当業者には明らかなように、他の酸性塩を作ることが可能であり、かつ請求項に係る発明の範囲に含まれる。
【0012】
例えば、(R)-5-(2-アミノエチル)-l-(6,8-ジフルオロ-クロマン-3-イル)-l,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン及びベンズアルデヒドを、例えば、メタノール及びジクロロメタンなどの溶媒又は溶媒の混合物中、例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムなど、又は水素化触媒存在下の水素などの還元剤の存在下で処理することによる、還元的アルキル化によって、式Xの化合物を製造できる。好ましくは、後処理後、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって、粗製生成物を精製できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
(結果)
図1に見られるように、先行技術の他のDβH 阻害剤と比較した場合、式Xの化合物は、脳に較べて心臓に対して顕著な選択性を示した。
ここに添付図面を参照する。
【図1】図1は、心臓及び頭頂葉皮質のノルアドレナリンレベルに対する被験化合物の効果を示し;及び
【図2】図2は、被験化合物の構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の別の態様によれば、治療上有効な量の上記の化合物と、医薬として有効な担体との組み合わせを含む、医薬組成物が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、治療上有効な量の上記の化合物を、医薬として有効な担体、及び下記の分類から選択される1つ以上の化合物と組み合わせて含む、組成物が提供される。
【0015】
具体的には、式I又はXの化合物は、1つ以上の次の分類の化合物と組み合わせることができる。利尿薬;β-アドレナリンアンタゴニスト;α2-アドレナリンアゴニスト;α1-アドレナリンアンタゴニスト;二重β-及びα-アドレナリンアンタゴニスト;カルシウムチャネル遮断薬;カリウムチャンネル活性化剤;抗不整脈薬;ACE阻害剤;AT1受容体アンタゴニスト;レニン阻害剤;脂質降下薬、バソペプチダーゼ阻害剤;硝酸薬;エンドセリンアンタゴニスト;中性エンドペプチダーゼ阻害剤;抗アンジオテンシンワクチン;血管拡張剤;ホスホジエステラーゼ阻害剤;強心配糖体;セロトニンアンタゴニスト;CNS作用薬である。
【0016】
最も有用な利尿薬に含まれるのは:
(1)ループ系利尿薬、具体的には、フロセミド、ブメタニド、エタクリン酸、トラセミド、アゾセミド、ムゾリミン、ピレタニド、トリパミド
(2)チアジド系利尿薬、具体的には、ベンドロフルメチアゾール(bendroflumethiazole)、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチルクロチアジド、ポリチアジド、トリクロルメチアジド
(3)チアジド様利尿薬、具体的には、クロルタリドン、インダパミド、メトザロン(metozalone)、キネタゾン
(4)カリウム保持性利尿薬、具体的には、アミロライド、トリアムテレン
(5)アルドステロンアンタゴニスト、具体的には、スピロラクトン(spirolactone)、カンレノン、エプレレノン
(6)上記の利尿薬の組み合わせ
である。
2つ以上の前記利尿薬を使用することができる。
【0017】
最も有用なβ-アドレナリンアンタゴニストに含まれるのは、チモロール、メトプロロール、アテノロール、プロプラノロール、ビソプロロール、ネビボロールである。2つ以上の前記β-アドレナリンアンタゴニストを使用することができる。
最も有用なα2-アドレナリンアゴニストに含まれるのは、クロニジン、グアナベンズ、グアンファシンである。2つ以上の前記α2-アドレナリンアゴニストを使用することができる。
【0018】
最も有用なα1-アドレナリンアンタゴニストに含まれるのは:プラゾシン、ドキサゾシン、フェントラミンである。2つ以上の前記α1-アドレナリンアンタゴニストを使用することができる。
最も有用な二重β-及びα-アドレナリンアンタゴニスト(これら以外は本明細書中の他の場所に言及した。)に含まれるのは、カルベジロール、ラベタロールである。2つ以上の前記二重β-及びα-アドレナリンアンタゴニストを使用することができる。
【0019】
カリウムチャンネル活性化剤に含まれるのは、ニコランジルである。
最も有用なカルシウムチャネル遮断薬に含まれるのは、アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ベラパミルである。2つ以上の前記カルシウムチャネル遮断薬を使用することができる。
【0020】
抗不整脈薬(これら以外は本明細書中の他の場所に言及した。)に含まれるのは、キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、リドカイン、メキシレチン、トカイニド、フェニトイン、エンカイニド、フレカイニド、モリシジン、及びプロパフェノンなどのナトリウムチャネル遮断薬;アミオダロン、ブレチリウム、イブチリド、ドフェチリド、アジミリド、クロフィリウム、テジサミル、セマチリド、ソタロールなどのナトリウムチャネル遮断薬;並びにエスモロール、プロプラノロール、メトプロロールである。本明細書に記載された2つ以上の抗不整脈薬を使用できる。
【0021】
最も有用なACE阻害剤に含まれるのは、ベンゼプリル(benzepril)、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、イミダプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、トランドラプリルである。2つ以上の前記ACE阻害剤を使用することができる。
最も有用なAT1受容体アンタゴニストに含まれるのは、カンデサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、エプロサルタンである。2つ以上の前記AT1受容体アンタゴニストを使用することができる。
【0022】
脂質降下薬に含まれるのは、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチンなどのスタチン;コレスチラミン、コレスチポール、及びコレセベラムなどの胆汁酸捕捉剤;エゼチミブなどのコレステロール吸収阻害剤;フェノフィブラート、ゲムフィブロジルなどのフィブラート;ナイアシンである。2つ以上の前記脂質降下薬を使用することができる。
【0023】
最も有用な硝酸薬に含まれるのは、亜硝酸アミル、ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、5-硝酸イソソルビド、四硝酸エリスリチルなどの有機硝酸塩である。2つ以上の前記有機硝酸塩を使用することができる。
エンドセリンアンタゴニストに含まれるのは、ボセンタン、シタクスセンタンである。2つ以上の前記エンドセリンアンタゴニストを使用することができる。
【0024】
最も有用な血管拡張剤(これら以外は本明細書中の他の場所に言及した。)に含まれるのは、ヒドララジン、ミノキシジル、ニトロプルシドナトリウム、ジアゾキシドである。2つ以上の前記血管拡張剤を使用することができる。
最も有用なホスホジエステラーゼ阻害剤に含まれるのは、ミルリノン、イナムリノンである。2つ以上の前記ホスホジエステラーゼ阻害剤を使用することができる。
【0025】
強心配糖体に含まれるのは、アロカル(allocar)、コルラメダン(corramedan)、ジギトキシン、ジゴキシン、ラノキシン(lanoxin)、プルゴキシン(purgoxin)、ゼジラニド-D(cedilanid-D)、クリストジギン(crystodigin)、ラノキシカプス(lanoxicaps)がある。2つ以上の前記強心配糖体を使用することができる。
セロトニンアンタゴニストに含まれるのは、クロザピン、ロキサピン、オランザピン、リスペリドン、ジプラシドン、リタンセリン、ケタンセリン、アモキサピンがある。2つ以上の前記セロトニンアンタゴニストを使用することができる。
【0026】
CNS作用薬(これら以外は本明細書中の他の場所に言及した。)に含まれるのは、モクソニジンなどのイミダゾリンアゴニストである。最も有用なCNS作用薬はメチルドパである。
最も有用なレニン阻害剤に含まれるのは、アリスキレン、エナルキレン、ジテキレン(ditekiren)、テルラキレン(terlakiren)、レミキレン、ザンキレン(zankiren)、シプロキレン(ciprokiren)がある。2つ以上の前記レニン阻害剤を使用することができる。
最も有用なバソペプチダーゼ阻害剤に含まれるのは、オマパトリラト、サンパトリラト(sampatrilat)、ゲモパトリラト(gemopatrilat)がある。2つ以上の前記バソペプチダーゼ阻害剤を使用することができる。
【0027】
心不全を治療するのに使用される薬剤を、式I又はXの化合物と組み合わせて使用することもできる。これらに含まれるのは、カルシウム感受性増強薬;HMG CoA還元酵素阻害剤;バソプレシンアンタゴニスト;アデノシンA1受容体アンタゴニスト;心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)アゴニスト;キレート化剤;コルチコトロピン放出因子受容体;グルカゴン様ペプチド-1アゴニスト;ナトリウムカリウムATPアーゼ阻害剤;糖化最終産物(AGE)架橋破壊剤;混合性のネプリライシン/エンドセリン変換酵素(NEP/ECE)阻害剤;ノシセプチン受容体(ORL-1)アゴニスト(例えば、アルプラゾラム);キサンチン酸化酵素阻害剤;ベンゾジアゼピンアゴニスト;心筋ミオシン活性化剤;キマーゼ阻害剤;内皮型一酸化窒素合成酵素(ENOS)転写エンハンサー;チオルファンなどの中性エンドペプチダーゼ阻害剤である。
また、本発明は上記の化合物の分類と共にネピカスタットの使用を想定している。
【0028】
式I又はXの化合物の医薬組成物の製造に関して、不活性な医薬として許容し得る担体を活性化合物と混合する。該医薬として許容し得る担体は、固体又は液体のどちらであってもよい。固体形態の製剤には、散剤、錠剤、水和性顆粒、及びカプセル剤を含む。担体は、希釈剤、香味料、可溶化剤、潤滑剤、懸濁剤、結合剤、又は錠剤の崩壊剤としても作用し得る1つ以上の物質とすることができ;また封入用の材料であってもよい。
【0029】
好ましくは、該医薬品は、例えば、パッケージされた製剤のように単位投与量の形態であり、該パッケージは、パッケージされた錠剤、カプセル剤、及び小瓶又はアンプル中の粉末のように、別個の含量の製剤を含んでいる。
投与量は、患者の要求、疾病の重症度、及び使用している特定の化合物に応じて変化し得る。便宜上、総一日量は、一日を通して分割し、分けて投与されてよい。一日あたり一度又は二度の投与が最も適当であると予想される。特定の状況に適切な投与量の決定は医学業界の当業者の範囲内である。
【0030】
本発明の別の態様によれば、薬剤として使用するための、上記の式I又は式Xの化合物が提供される。
本発明の別の態様によれば、ドーパミンからノルアドレナリンへのヒドロキシル化の低減が治療上有益である場合に、疾患の治療のための薬剤の製造における上記の式I又は式Xの化合物の使用が提供される。
【0031】
式I又はXの化合物もまた、次の化合物の分類から選択される1つ以上の化合物と組み合わせて使用することができる。
利尿薬;β-アドレナリンアンタゴニスト;α2-アドレナリンアゴニスト;α1-アドレナリンアンタゴニスト;二重β-及びα-アドレナリンアンタゴニスト;カルシウムチャネル遮断薬;カリウムチャンネル活性化剤;抗不整脈薬;ACE阻害剤;AT1受容体アンタゴニスト;レニン阻害剤;脂質降下薬、バソペプチダーゼ阻害剤;硝酸薬;エンドセリンアンタゴニスト;中性エンドペプチダーゼ阻害剤;抗アンジオテンシンワクチン;血管拡張剤;ホスホジエステラーゼ阻害剤;強心配糖体;セロトニンアンタゴニスト;CNS作用薬;カルシウム感受性増強薬;HMG CoA還元酵素阻害剤;バソプレシンアンタゴニスト;アデノシンA1受容体アンタゴニスト;心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)アゴニスト;キレート化剤;コルチコトロピン放出因子受容体;グルカゴン様ペプチド-1アゴニスト;ナトリウムカリウムATPアーゼ阻害剤;糖化最終産物(AGE)架橋破壊剤;混合性のネプリライシン/エンドセリン変換酵素(NEP/ECE)阻害剤;ノシセプチン受容体(ORL-1)アゴニスト(例えば、アルプラゾラム);キサンチン酸化酵素阻害剤;ベンゾジアゼピンアゴニスト;心筋ミオシン活性化剤;キマーゼ阻害剤;内皮型一酸化窒素合成酵素(ENOS)転写エンハンサー;及びチオルファンなどの中性エンドペプチダーゼ阻害剤である。
【0032】
本明細書では、用語「治療(treatment)」及び「治療する(treat)」又は「治療すること(treating)」などの語尾変化は、ヒト又は非ヒトの動物のためになり得る、任意の療法(regime)を意味する。該治療は、既存症状に関してであってよく、又は予防的(予防的処置)であってもよい。治療には、治療的、緩和的、又は予防的効果を含むことができる。式I又はXの化合物を他の分類の化合物の1つと組み合わせて行う治療には、2つ以上の薬剤の同時及び順次の投与を含む。
【0033】
本発明の別の態様によれば、不安障害に罹患した対象を治療するための薬剤の製造における、上記の式I又は式Xの化合物の使用が提供される。
不安障害は、それだけには限らないが、全般性不安障害、社会不安障害、心的外傷性ストレス障害、急性窮迫障害、強迫性障害、パニック発作などのパニック障害、及び広場恐怖症、社会恐怖症、特定の恐怖症などの恐怖症を含む。さらに、本発明の化合物を使用して治療可能な不安障害は、アメリカ精神医学会:「精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistic Manual of Mental Disorders)」(4版、編集、ワシントン, DC、American Psychiatric Association、2000)の429〜484ページに見出すことができる。
【0034】
本発明の別の態様によれば、偏頭痛を治療するための薬剤の製造における、上記の式I又は式Xの化合物の使用が提供される。
本発明の別の態様によれば、心血管障害に罹患した対象を治療するための薬剤の製造における、上記の式I又は式Xの化合物の使用が提供される。
本発明の別の態様によれば、高血圧又は慢性若しくはうっ血性心不全を治療するための薬剤の製造における、上記の式I又は式Xの化合物の使用が提供される。
【0035】
本発明の別の態様によれば、1つ以上の次の徴候:狭心症、不整脈、及びレイノー現象などの循環障害を治療するための薬剤の製造における、上記の式I又は式Xの化合物の使用が提供される。
本発明の別の態様によれば、ドーパミン-β-ヒドロキシラーゼを阻害するのに使用するための薬剤の製造における、上記の式I又は式Xの化合物の使用が提供される。
【0036】
本発明の別の態様によれば、治療上有効な量の上記の式I又は式Xの化合物を、これを必要とする患者に投与することを含む、不安障害の治療方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、治療上有効な量の上記の式I又は式Xの化合物を、これを必要とする患者に投与することを含む、偏頭痛の治療方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、治療上有効な量の上記の式I又は式Xの化合物を、これを必要とする患者に投与することを含む、心血管障害の治療方法が提供される。
【0037】
本発明の別の態様によれば、治療上有効な量の上記の式I又は式Xの化合物を、これを必要とする患者に投与することを含む、高血圧の治療方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、治療上有効な量の上記の式I又は式Xの化合物を、これを必要とする患者に投与することを含む、慢性又はうっ血性心不全の治療方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、治療上有効な量の上記の式I又は式Xの化合物を、これを必要とする患者に投与することを含む、1つ以上の次の徴候:狭心症、不整脈、及びレイノー現象などの循環障害の治療方法が提供される。
【0038】
上記の治療方法は、下記の化合物の分類の1つからの薬剤の同時又は順次の投与をさらに含むことができる。
利尿薬;β-アドレナリンアンタゴニスト;α2-アドレナリンアゴニスト;α1-アドレナリンアンタゴニスト;二重β-及びα-アドレナリンアンタゴニスト;カルシウムチャネル遮断薬;カリウムチャンネル活性化剤;抗不整脈薬;ACE阻害剤;AT1受容体アンタゴニスト;レニン阻害剤;脂質降下薬、バソペプチダーゼ阻害剤;硝酸薬;エンドセリンアンタゴニスト;中性エンドペプチダーゼ阻害剤;抗アンジオテンシンワクチン;血管拡張剤;ホスホジエステラーゼ阻害剤;強心配糖体;セロトニンアンタゴニスト;CNS作用薬;カルシウム感受性増強薬;HMG CoA還元酵素阻害剤;バソプレシンアンタゴニスト;アデノシンA1受容体アンタゴニスト;心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)アゴニスト;キレート化剤;コルチコトロピン放出因子受容体;グルカゴン様ペプチド-1アゴニスト;ナトリウムカリウムATPアーゼ阻害剤;糖化最終産物(AGE)架橋破壊剤;混合性のネプリライシン/エンドセリン変換酵素(NEP/ECE)阻害剤;ノシセプチン受容体(ORL-1)アゴニスト(例えば、アルプラゾラム);キサンチン酸化酵素阻害剤;ベンゾジアゼピンアゴニスト;心筋ミオシン活性化剤;キマーゼ阻害剤;内皮型一酸化窒素合成酵素(ENOS)転写エンハンサー;及びチオルファンなどの中性エンドペプチダーゼ阻害剤である。
【0039】
特に指定しない限り、本明細書においては、用語アルキル(単独で使用されるか、又は他の部分と組み合わせて使用されるかどうかにかかわらず)は、直鎖又は分枝の炭化水素鎖を意味し、炭素原子1〜6個を含み、アリール、アルコキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニル、又はヒドロキシカルボニル基によって任意に置換され;用語アリール(単独で使用されるか、又は他の部分と組み合わせて使用されるかどうかにかかわらず)は、フェニル又はナフチル基を意味し、アルキル、アルキルオキシ、ハロゲン、又はニトロ基によって任意に置換され;かつ用語ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味し;用語ヘテロアリールは、ヘテロ芳香族基を意味する。さらに、特に指定しない限り、用語「アルコキシ」及び「アルキルオキシ」は交換可能である。
【0040】
(材料及び方法)
雄のNMRIマウスをHarlan-Interfauna(スペイン)より入手し、制御された環境条件下(12時間の明/暗周期、及び室温22±1℃)にて1つのケージあたり10匹を保った。餌及び生水を適宜与え、実験は日中に行った。
【0041】
時間=0時間で、経口的経管栄養によって輸送される所与の投与量の試験化合物(図2参照)又はビヒクル(水)のいずれかが動物に投与される。服用後9時間で、動物を斬首により屠殺し、心臓(左心房と左心室)及び脳(頭頂葉皮質)を分離し、秤量し、暗所にて12時間、4℃で多量の0.2M過塩素酸中で保管した。インキュベーションの後、インキュベート物の遠心濾過(0.2μM/10分/〜5000rpm、4℃)によって、得られる上清を採取した。分析まで、上清を-80℃で凍結保管した。電気化学検出を備えた高圧液体クロマトグラフィーによって、上清中のドーパミン及びノルアドレナリンの定量を行った。
【実施例】
【0042】
(実施例1)
((R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン)
メタノール(15ml)及びジクロロメタン(15ml)の混合物中の(R)-5-(2-アミノエチル)-l-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン(2.36g、7.58mmol)及びベンズアルデヒド(0.85ml、8.34mmol)に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.67g、10.66mmol)を20〜25℃で一度に添加した。該混合物を64時間撹拌し、1NのHCl(12ml)で撹拌しながらクエンチし、続いて3NのNaOH(12ml)を加えた。該混合物をDCM(100ml)を用いて抽出し、有機相を鹹水(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発乾固した。残渣を、溶出液として酢酸エチル及び酢酸エチルとメタノールとの混合物(9:1)を用いてシリカゲルカラムで精製した。生成物を含有する画分を採取し、減圧下でおよそ20mlまで蒸発させ、次いで、氷上で冷却した。沈殿物を収集し、酢酸エチル-石油エーテル(1:1)混合物で洗浄し、空気中で乾燥した。収量は1.25g(41%)であり、生成物はmp188〜9O℃(2-プロパノール-DCM)を有した。
上記発明が請求項の範囲内で改変され得ることは理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、並びにその個々の(R)-及び(S)-鏡像異性体、若しくはその鏡像異性体の混合物、又はこれらの医薬として許容し得る塩、若しくはエステル:
【化1】

(式中、R1、R2及びR3は、同じであるか又は異なり、かつ水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノ基を表し;R4は、-アルキル-アリール又は-アルキル-ヘテロアリールを表し;Xは、CH2、酸素原子、又はイオウ原子を表し;nは、2又は3であり;ここで、用語アルキルは、直鎖又は分枝の炭化水素鎖を意味し、炭素原子1〜6個を含み、アリール、アルコキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニル、又はヒドロキシカルボニル基によって任意に置換され;用語アリールは、フェニル又はナフチル基を意味し、アルキル、アルキルオキシ、ハロゲン、又はニトロ基によって任意に置換され;用語ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味し;用語ヘテロアリールは、ヘテロ芳香族基を意味する。)。
【請求項2】
前記nが2である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
前記XがOである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
前記R4が-CH2-アリール又は-CH2-ヘテロアリールを表す、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
前記R4のアリール基が非置換である、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
前記R4のアリール基がフェニルである、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
前記R1、R2及びR3の1つが水素であり、かつ他がフッ素である、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物がR-鏡像異性体からなる、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
前記式Iの化合物の塩酸塩である、請求項1〜8のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
式Iの化合物の個々の(R)-及び(S)-鏡像異性体、又は鏡像異性体の混合物、並びに医薬として許容し得る塩、又はエステルの製造方法であって、式IIIの化合物の個々の(R)-若しくは(S)-鏡像異性体、又は鏡像異性体の混合物:
【化2】

(式中、X、R1、R2、R3及びnは、請求項1におけるものと同じ意味を有する。)と式IVの化合物:
【化3】

(式中、R5は、アリール又はヘテロアリールを表し、ここで、用語アリールは、フェニル又はナフチル基を意味し、アルキル、アルキルオキシ、ハロゲン、又はニトロ基によって任意に置換され;用語ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味し;用語ヘテロアリールは、ヘテロ芳香族基を意味する。)とを還元的アルキル化の条件下で反応させることを含む、前記方法。
【請求項11】
式Xの化合物、その(R)若しくは(S)鏡像異性体、又は(R)及び(S)鏡像異性体の混合物、又は医薬として許容し得る塩、若しくはエステル:
【化4】


【請求項12】
前記化合物が式Xの化合物の(R)鏡像異性体である、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
前記式Xの化合物の塩酸塩である、請求項11又は12記載の化合物。
【請求項14】
還元的アルキル化反応条件下での(R)-5-(2-アミノエチル)-l-(6,8-ジフルオロ-クロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン及びベンズアルデヒドの処理を含む、請求項11〜13のいずれか一項記載の式Xの化合物の製造方法。
【請求項15】
前記還元的アルキル化が還元剤の存在下で行われる、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記還元剤が、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、又は水素化触媒存在下の水素である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記処理がメタノール及びジクロロメタンの混合物中で行われる、請求項14〜16のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
前記方法が精製工程をさらに含む、請求項14〜17のいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
治療上有効な量の請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物と、医薬として有効な担体との組み合わせを含む、医薬組成物。
【請求項20】
1つ以上の下記部類の化合物から選択される化合物をさらに含む、請求項19記載の医薬組成物:
利尿薬;β-アドレナリンアンタゴニスト;α2-アドレナリンアゴニスト;α1-アドレナリンアンタゴニスト;二重β-及びα-アドレナリンアンタゴニスト;カルシウムチャネル遮断薬;カリウムチャンネル活性化剤;抗不整脈薬;ACE阻害剤;AT1受容体アンタゴニスト;レニン阻害剤;脂質降下薬、バソペプチダーゼ阻害剤;硝酸薬;エンドセリンアンタゴニスト;中性エンドペプチダーゼ阻害剤;抗アンジオテンシンワクチン;血管拡張剤;ホスホジエステラーゼ阻害剤;強心配糖体;セロトニンアンタゴニスト;CNS作用薬;カルシウム感受性増強薬;HMG CoA還元酵素阻害剤;バソプレシンアンタゴニスト;アデノシンA1受容体アンタゴニスト;心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)アゴニスト;キレート化剤;コルチコトロピン放出因子受容体;グルカゴン様ペプチド-1アゴニスト;ナトリウムカリウムATPアーゼ阻害剤;糖化最終産物(AGE)架橋破壊剤;混合性のネプリライシン/エンドセリン変換酵素(NEP/ECE)阻害剤;ノシセプチン受容体(ORL-1)アゴニスト;キサンチン酸化酵素阻害剤;ベンゾジアゼピンアゴニスト;心筋ミオシン活性化剤;キマーゼ阻害剤;内皮型一酸化窒素合成酵素(ENOS)転写エンハンサー;及び中性エンドペプチダーゼ阻害剤。
【請求項21】
薬剤として使用するための、請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物。
【請求項22】
ドーパミンからノルアドレナリンへのヒドロキシル化の低減が治療上有益である場合に、疾患の治療のための薬剤の製造における、請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項23】
不安障害に罹患した対象を治療するための薬剤の製造における、請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項24】
偏頭痛を治療するための薬剤の製造における、請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項25】
心血管障害に罹患した対象を治療するための薬剤の製造における、請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項26】
高血圧、又は慢性若しくはうっ血性心不全を治療するための薬剤の製造における、請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項27】
1つ以上の次の徴候:狭心症、不整脈、及びレイノー現象などの循環障害を治療するための薬剤の製造における、請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項28】
ドーパミン-β-ヒドロキシラーゼを阻害するのに使用するための薬剤の製造における、請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項29】
治療上有効な量の請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物を、これを必要とする患者に投与することを含む、不安障害の治療方法。
【請求項30】
治療上有効な量の請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物を、これを必要とする患者に投与することを含む、偏頭痛の治療方法。
【請求項31】
治療上有効な量の請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物を、これを必要とする患者に投与することを含む、心血管障害の治療方法。
【請求項32】
治療上有効な量の請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物を、これを必要とする患者に投与することを含む、高血圧の治療方法。
【請求項33】
治療上有効な量の請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物を、これを必要とする患者に投与することを含む、慢性又はうっ血性心不全の治療方法。
【請求項34】
治療上有効な量の請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物を、これを必要とする患者に投与することを含む、1つ以上の次の徴候:狭心症、不整脈、及びレイノー現象などの循環障害を治療する方法。
【請求項35】
1つ以上の下記分類の化合物から選択される化合物の投与をさらに含む、請求項29〜34のいずれか一項記載の方法:
利尿薬;β-アドレナリンアンタゴニスト;α2-アドレナリンアゴニスト;α1-アドレナリンアンタゴニスト;二重β-及びα-アドレナリンアンタゴニスト;カルシウムチャネル遮断薬;カリウムチャンネル活性化剤;抗不整脈薬;ACE阻害剤;AT1受容体アンタゴニスト;レニン阻害剤;脂質降下薬、バソペプチダーゼ阻害剤;硝酸薬;エンドセリンアンタゴニスト;中性エンドペプチダーゼ阻害剤;抗アンジオテンシンワクチン;血管拡張剤;ホスホジエステラーゼ阻害剤;強心配糖体;セロトニンアンタゴニスト;CNS作用薬;カルシウム感受性増強薬;HMG CoA還元酵素阻害剤;バソプレシンアンタゴニスト;アデノシンA1受容体アンタゴニスト;心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)アゴニスト;キレート化剤;コルチコトロピン放出因子受容体;グルカゴン様ペプチド-1アゴニスト;ナトリウムカリウムATPアーゼ阻害剤;糖化最終産物(AGE)架橋破壊剤;混合性のネプリライシン/エンドセリン変換酵素(NEP/ECE)阻害剤;ノシセプチン受容体(ORL-1)アゴニスト;キサンチン酸化酵素阻害剤;ベンゾジアゼピンアゴニスト;心筋ミオシン活性化剤;キマーゼ阻害剤;内皮型一酸化窒素合成酵素(ENOS)転写エンハンサー;及び中性エンドペプチダーゼ阻害剤。
【請求項36】
前記列挙した分類の化合物から選択される化合物の投与が、請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物の投与と同時である、請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記列挙した分類の化合物から選択される化合物の投与が、請求項1〜9、11〜13のいずれか一項記載の化合物の投与と順次である、請求項35記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−526136(P2010−526136A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507348(P2010−507348)
【出願日】平成20年5月6日(2008.5.6)
【国際出願番号】PCT/PT2008/000019
【国際公開番号】WO2008/136695
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(596095518)バイアル−ポルテラ アンド シーエー,エス.エー. (25)
【Fターム(参考)】