説明

ナビゲーション装置、及び、プログラム

【課題】 多様な目的条件に応じて、適切な移動ルートを提示できるナビゲーションシステム等を提供する。
【解決手段】 ルート抽出処理部206は、目的条件指定情報205にて指定された目的条件に対応するリンク情報(走行目的に応じて各区間距離が補正されたリンク情報)を、基本地図データ202から特定する。そして、目的区間指定情報204により指定された出発地から目的地までを結ぶ走行ルートを、特定したリンク情報及び、ノード情報(基本地図データ202)から抽出し、抽出した走行ルートを示すルート候補データ207を生成する。ルート決定/表示処理部208は、ルート候補データ207に示される複数の走行ルートの中から1つの走行ルートを決定し、決定した走行ルートを誘導走行ルートとして表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、地図データ提供方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両(自動車等)に搭載されて使用されるナビゲーションシステムが広く普及している。
このナビゲーションシステムは、例えば、利用者により出発地及び目的地が指定されると、出発地から目的地までの誘導ルートを適宜検索(探索)し、検索により得た誘導ルートを地図画像上に示してモニタに表示する。また、ナビゲーションシステムは、自車(自己車両)の現在位置を示す自車シンボルを、この誘導ルートが示された地図画像上に合成して表示する。
そして、利用者は、地図画像上の自車シンボルにて自車の現在位置を把握しつつ、誘導ルートに沿って自車を運転することにより、目的地まで容易に到達することができる。
【0003】
このようなナビゲーションシステムは、誘導ルートを検索するために、例えば、リンクと呼ばれる各道路の要素となる区間情報及び、ノードと呼ばれる交差点・分岐点情報等から構成される道路網情報を予め記憶している。そして、これら記憶している道路網情報の中から、出発地から目的地までの距離が最短距離となる、若しくは、所要時間が最短時間となるようなリンク及びノードの組み合わせを検索し、誘導ルートとして提示している。
【0004】
そして、このようなナビゲーションシステムの表示に関する技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−159194号公報 (第3−4頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のナビゲーションシステムは、上述したように、出発地から目的地までの誘導ルートを検索する際に、最短距離や最短時間となるような誘導ルートを検索している。
しかしながら、このようにして検索された誘導ルートが、必ずしも利用者の満足するものとならない場合も多い。つまり、利用者毎に走行する目的や条件が異なっているため、一律に、最短距離や最短時間の誘導ルートを提示しても、その誘導ルートを走行した利用者によっては、種々の不都合が生じる場合もあった。
【0007】
例えば、利用者のニーズの一例として、a)最も燃料消費の少ない(省エネルギとなる)走行ルートを望む場合、b)利用者(運転者)が運転に不慣れな初心者や高齢者であるため、できるだけ右折やレーンチェンジが少ない走行ルートを望む場合、そして、c)搭乗者が乳幼児や病人であるため、できるだけ乗り心地のよい走行ルートを望む場合等が挙げられる。
このような場合に、提示された最短距離や最短時間の誘導ルートに沿って走行すると、省エネルギに反したり、初心者等にとって運転が困難であったり、そして、揺れ等により乳幼児等に必要以上の苦痛を強いることとなってしまう。
【0008】
つまり、利用者が省エネルギを望む場合であっても、例えば、アップダウンの多い山越えのような誘導ルートが検索されてしまうと、たとえ、最短距離や最短時間であっても、省エネルギに反することになる。
また、運転者が初心者等の場合に、例えば、右折やレーンチェンジを多用する誘導ルートが検索されてしまうと、初心者等に難易度の高い運転を強いることになり、場合によっては、誘導ルートに沿った走行を運転者が途中で諦めてしまうこともある。
更に、搭乗者が乳幼児等の場合に、路面の凹凸の大きい(多い)未舗装道路等の誘導ルートが検索されてしまうと、乗り心地の悪さから、乳幼児等が泣き出してしまうこともある。
【0009】
すなわち、従来のナビゲーションシステムでは、多様な目的条件に応じた適切な誘導ルートが検索されないという問題があった。
【0010】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、多様な目的条件に応じて、適切な移動ルートを検索することのできるナビゲーションシステム、地図データ提供方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るナビゲーションシステムは、
交通網を規定する複数のノード及びリンクを含んで構成され、少なくとも各リンクにそれぞれ所定の判断用項目が設定されている交通網情報を記憶する交通網情報記憶手段と、
複数の目的条件に対応して、前記交通網情報の各判断用項目に対する重み値を記憶する重み情報記憶手段と、
任意に指定される目的条件を取得する目的条件取得手段と、
前記目的条件取得手段により取得された目的条件に対応する前記重み情報記憶手段の重み値及び、前記交通網情報の各判断用項目に従って、少なくとも各リンクの設定値を補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された交通網情報を提供する提供手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、補正手段は、目的条件取得手段により取得された目的条件に対応する重み情報記憶手段の重み値及び、交通網情報の各判断用項目に従って、少なくとも各リンクの設定値(例えば、区間距離若しくは、区間所要時間)を補正する。提供手段は、補正手段により補正された交通網情報を提供する。この結果、多様な目的条件に応じて、適切な移動ルートを検索することができる。また、本発明では、交通情報を目的条件に応じて補正するため、既存のルート検索ロジックを変更することなく、目的のルートを検索できる。
【0013】
上記のナビゲーションシステムは、前記補正手段により補正された交通網情報を検索するルート検索手段を更に備え、
前記補正手段は、前記重み情報記憶手段の重み値及び、前記交通網情報の各判断用項目に従って、少なくとも各リンクの区間距離を補正し、
前記ルート検索手段は、前記補正手段により補正された交通網情報を検索し、少なくとも2地点を最短距離で結ぶ移動ルートを検索してもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るナビゲーションシステムは、
交通網を構成する複数のノード及びリンクの基本項目を規定する基本地図データと、
少なくとも各リンクの判断用項目を規定する判断用地図データと、
複数の目的条件に対応して、前記判断用地図データの各判断用項目に対する重みデータを規定する重みデータテーブルと、
任意に指定される目的条件を取得する目的条件取得手段と、
前記目的条件取得手段により取得された目的条件に対応する前記重みデータテーブルの重みデータ及び、前記判断用地図データの各判断項目に従って、前記基本地図データの少なくとも各リンクの基本項目を補正する補正手段と、
前記補正手段により基本項目が補正された基本地図データを提供する提供手段と、
を備えることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、補正手段は、目的条件取得手段により取得された目的条件に対応する重みデータテーブルの重みデータ及び、判断用地図データの各判断項目に従って、基本地図データの少なくとも各リンクの基本項目(例えば、区間距離若しくは、区間所要時間)を補正する。提供手段は、補正手段により基本項目が補正された基本地図データを提供する。この結果、多様な目的条件に応じて、適切な移動ルートを検索することができる。また、本発明では、基本地図データを目的条件に応じて補正するため、既存のルート検索ロジックを変更することなく、目的のルートを検索できる。
【0016】
上記のナビゲーションシステムは、前記補正手段により補正された基本地図データから、任意の複数地点を結ぶ移動ルートを抽出するルート抽出手段を更に備え、
前記補正手段は、前記重みデータテーブルの重みデータ及び、前記判断用地図データの各判断項目に従って、前記基本地図データの各リンクの区間距離を補正し、
前記ルート抽出手段は、前記補正手段により補正された基本地図データを検索し、最短距離となる移動ルートを抽出してもよい。
【0017】
前記提供手段は、前記補正手段により補正された基本地図データを通信回線または記録媒体によってナビゲーションが行われる移動端末に提供してもよい。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るナビゲーションシステムは、
複数の端末とサーバとがネットワークを介して接続されたナビゲーションシステムであって、
前記サーバは、
交通網を規定する複数のノード及びリンクを含んで構成され、少なくとも各リンクにそれぞれ所定の判断用項目が設定されている基準交通網情報を記憶する基準交通網情報記憶手段と、
複数の目的条件に対応して、前記基準交通網情報の各判断用項目に対する重み値を記憶する重み情報記憶手段と、
各目的条件に対応する前記重み情報記憶手段の重み値及び、前記基準交通網情報の各判断用項目に従って、少なくとも各リンクの設定値をそれぞれ補正することにより、各目的条件に対応した交通網情報をそれぞれ生成する交通網情報生成手段と、
前記交通網情報生成手段により生成された各交通網情報を前記各端末にそれぞれ送信する送信手段と、を備え、
前記各端末は、
前記サーバから送信される各交通網情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した各交通網情報を記憶する記憶手段と、
任意に指定される目的条件を取得する目的条件取得手段と、
前記目的条件取得手段により取得された目的条件に対応する交通網情報を前記記憶手段から特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された交通網情報を検索し、少なくとも2地点を結ぶ移動ルートを検索するルート検索手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、サーバにおいて、交通網情報生成手段が、各目的条件に対応する重み情報記憶手段の重み値及び、基準交通網情報の各判断用項目に従って、少なくとも各リンクの設定値をそれぞれ補正することにより、各目的条件に対応した交通網情報をそれぞれ生成し、送信手段が、交通網情報生成手段により生成された各交通網情報を各端末にそれぞれ送信する。
一方、各端末において、受信手段が、サーバから送信される各交通網情報を受信し、記憶手段が、受信された各交通網情報を記憶し、特定手段が、目的条件取得手段により取得された目的条件に対応する交通網情報を記憶手段から特定し、そして、ルート検索手段が、特定された交通網情報を検索し、少なくとも2地点を結ぶ移動ルートを検索する。
この結果、多様な目的条件に応じて、適切な移動ルートを検索することができる。
【0020】
前記各端末は、
移動に伴う所定の計測データを計測する計測手段と、
前記計測手段が計測した計測データを、少なくともリンクに対応させて成る移動データを生成する移動データ生成手段と、
前記移動データ生成手段が生成した移動データを前記サーバに送信する移動データ送信手段と、を更に備え、
前記サーバは、
前記各端末から送信される移動データをそれぞれ受信する移動データ受信手段と、
前記移動データ受信手段により受信された移動データを分析して基準交通網情報を生成する基準交通情報生成手段と、を更に備えてもよい。
【0021】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る地図データ提供方法は、
交通網を構成する複数のノード及びリンクの基本項目を規定する基本地図データと、少なくとも各リンクの判断用項目を規定する判断用地図データと、複数の目的条件に対応して、前記判断用地図データの各判断用項目に対する重みデータを規定する重みデータテーブルと、を備えたナビゲーションシステムにおける地図データ提供方法であって、
任意に指定される目的条件を取得する目的条件取得ステップと、
前記目的条件取得ステップにて取得された目的条件に対応する重みデータテーブルの重みデータ及び、判断用地図データの各判断項目に従って、基本地図データの少なくとも各リンクの基本項目を補正する補正ステップと、
前記補正ステップにて基本項目が補正された基本地図データを提供する提供ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0022】
上記目的を達成するため、本発明の第5の観点に係るプログラムは、
交通網を構成する複数のノード及びリンクの基本項目を規定する基本地図データと、少なくとも各リンクの判断用項目を規定する判断用地図データと、複数の目的条件に対応して、前記判断用地図データの各判断用項目に対する重みデータを規定する重みデータテーブルと、を備えたコンピュータに、任意に指定される目的条件を取得する目的条件取得ステップと、前記目的条件取得ステップにて取得された目的条件に対応する重みデータテーブルの重みデータ及び、判断用地図データの各判断項目に従って、基本地図データの少なくとも各リンクの基本項目を補正する補正ステップと、前記補正ステップにて基本項目が補正された基本地図データを提供する提供ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、多様な目的条件に応じて、適切な移動ルートを検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るナビゲーションシステムの構成の一例を示す模式図である。
【図2】管理サーバの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】ノード情報の一例を示す模式図である。
【図4】リンク情報の一例を示す模式図である。
【図5】目的別距離換算用重みデータテーブルの一例を示す模式図である。
【図6】走行目的に応じて区間距離が補正されたリンク情報の一例を示す模式図であって、(a)が省エネルギに対応した図であり、(b)が初心者・高齢者(運転者)に対応した図であり、(c)が乳幼児・病人(搭乗者)に対応した図である。
【図7】(a),(b)共に、区間距離が補正されたリンクを説明するための模式図である。
【図8】車載端末の構成の一例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係るナビゲーションシステムの論理構成の一例を示すブロック図である。
【図10】管理サーバにて実行されるデータ変換処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】車載端末にて実行されるナビゲーション処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るナビゲーションシステムの論理構成の一例を示すブロック図である。
【図13】リンク情報の一例を示す模式図である。
【図14】目的別距離換算用重みデータテーブルの一例を示す模式図である。
【図15】車載端末にて実行される走行データ作成/送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】管理サーバにて実行されるデータ分析/集約処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態にかかるナビゲーションシステムについて、以下図面を参照して説明する。
【0026】
(実施形態1)
図1は、この発明の第1の実施の形態に適用されるナビゲーションシステムの構成の一例を示す模式図である。図示するように、このシステムは、管理サーバ1と、利用者の車両(車両Va,Vb等)に搭載された車載端末2とが、無線通信ネットワーク9を介して接続されて構成される。
【0027】
管理サーバ1は、各車載端末2を管理するサーバであり、図2に示すように、CPU11と、記憶装置12と、RAM13と、表示装置14と、ディスクドライブ15と、入力装置16と、通信装置17とを含んで構成される。
【0028】
CPU(Central Processing Unit)11は、例えば、RAM13(後述するプログラム実行領域13a)に読み出したプログラムを実行することにより、管理サーバ1全体を制御する。
具体的にCPU11は、後述するデータ変換処理を実行し、道路網を規定する道路網情報(後述するリンク情報の各区間距離)を、走行目的(走行条件)に応じて補正(変換)する。そして、補正した道路網情報等を、各車載端末2に向けて送信し、若しくは、ディスクdに記録して各車載端末2が利用できるようにする。
【0029】
記憶装置12は、例えば、ハードディスク等からなり、プログラム記憶領域12a及び、データ記憶領域12b等を確保(記憶)している。
プログラム記憶領域12aには、後述するデータ変換処理等を含む種々のプログラムが予め記憶されている。
一方、データ記憶領域12bには、地図データ及び、テーブルデータ等が記憶されている。これら地図データ及び、テーブルデータについて、具体的に説明する。
【0030】
まず、地図データには、表示用の地図画像の他に、道路網を規定する道路網情報等が含まれている。一例として道路網情報は、図3に示すノード情報及び、図4に示すリンク情報から構成される。
【0031】
ノード情報は、交差点や分岐点等となるノードを規定する情報であって、図3に示すように、ノード番号、リンク接続情報、及び、位置情報等の情報を含んでいる。そして、各ノードは、ノード番号によって管理されている。
【0032】
また、リンク情報は、ノード間を結ぶ区間道路となるリンクを規定する情報であって、図4に示すように、リンク番号、ノード接続情報、区間距離、渋滞度、信号数、最大カーブ曲率、道幅、車線数、年間事故件数、最大勾配、平均勾配、及び、路面の凹凸等の情報を含んでいる。そして各リンクは、それぞれリンク番号によって管理されている。
なお、図4中におけるノード接続情報、区間距離は、走行ルートの検索等に使用される基本データ項目である。また、渋滞度、信号数、最大カーブ曲率、道幅、車線数、年間事故件数、最大勾配、平均勾配、及び、路面の凹凸等の情報は、多目的ルートの判断(リンク情報の補正)等に使用される判断用データ項目である。
【0033】
一方、テーブルデータには、一例として、図5に示す目的別距離換算用重みデータテーブルが含まれている。
この目的別距離換算用重みデータテーブルは、種々の走行目的(走行条件)に対応して、リンク情報(各リンクの区間距離)を換算(補正)するための重み値を規定したテーブルであり、図5に示すように、区間距離、渋滞度、信号数、道幅、最大カーブ曲率、車線数、年間事故件数、最大勾配、平均勾配、及び、路面の凹凸等の判断要素に対する重み値が走行目的別に規定されている。
この図5中には、走行目的の一例として、省エネルギ(省エネを優先)、運転者の特性(初心者や狭い道が苦手等)、及び、搭乗者の特性(乳幼児や酔い易い体質等)が含まれている。
【0034】
図2に戻って、RAM(Random Access Memory)13は、例えば、ダイナミックRAM等からなり、プログラム実行領域13a及び、作業領域13b等を確保している。
このプログラム実行領域13aには、CPU11により実行されるプログラムが記憶装置12(プログラム記憶領域12a)から適宜読み出されて記憶される。
【0035】
また、作業領域13bには、CPU11がプログラムを実行する際に必要となる作業データ等が適宜記憶される。
例えば、作業領域13bには、図6(a)〜(c)等に示すような補正(変換)後のリンク情報が記憶される。
これらのリンク情報は、CPU11が後述のデータ変換処理を実行することにより、走行目的(走行条件)に応じて、データ変換された情報である。つまり、図5のリンク情報における各区間情報が、走行目的に応じて、それぞれ補正されたものである。
具体的には、図6(a)が、省エネルギを走行目的として補正されたリンク情報であり、また、図6(b)が、初心者や高齢者が運転することを走行条件として補正されたリンク情報であり、そして、図6(c)が、乳幼児や病人が搭乗することを走行条件として補正されたリンク情報である。
【0036】
そして、出発地から目的地までの距離が最短距離となる走行ルートを検索する際に、各区間距離の補正により、そのリンクが検索され難くなり、若しくは、検索され易くなる。
例えば、図7(a)に示すリンクn(実際の区間距離:10km)が、アップダウンの激しい区間である場合や、未舗装の区間である場合において、省エネルギを走行目的とする場合には、図7(b)に示すように、実際の区間距離よりも長く(例えば、15km)補正される。これにより、リンクnは、補正前よりも走行ルートとして検索され難くなる。
なお、逆に、実際の区間距離よりも短く補正すれば、そのリンクは、走行ルートとして検索され易くなる。
【0037】
図2に戻って、表示装置14は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等からなり、管理サーバ1の動作状況等を示す情報を表示する。
【0038】
ディスクドライブ15は、例えば、記録可能な(データ書き込み可能な)CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)等からなるディスクdに、地図データ(表示用の地図画像及び、上述した道路網情報等)を書き出す。なお、このディスクドライブ15にて地図データが書き込まれたディスクdが、車載端末2(後述するディスクドライブ27)にて使用される。
【0039】
入力装置16は、例えば、キーボードやマウス等からなり、管理サーバ1を運用するオペレータ等の操作に従って、種々の情報を入力する。
【0040】
通信装置17は、例えば、無線通信ネットワーク9と接続可能なモデムやNIC(Network Interface Card)等からなり、無線通信ネットワーク9を介して、各車載端末2との間で種々のデータを送受信する。
例えば、通信装置17は、走行目的に応じて区間距離を補正したリンク情報(上述した図6(a)〜(c)に示すリンク情報)を含んだ道路網情報等を、無線通信ネットワーク9を介して各車載端末2に送信する。
【0041】
これに対して、車載端末2は、例えば、通信機能を有するナビゲーション装置等からなり、図8に示すように、CPU21と、RAM22と、記憶装置23と、表示装置24と、通信装置25と、入力装置26と、ディスクドライブ27と、センサ群28とを含んで構成される。
【0042】
CPU21は、例えば、RAM22(後述するプログラム実行領域22a)に読み出したプログラムを実行することにより、車載端末2全体を制御する。
具体的にCPU21は、後述するナビゲーション処理を実行し、走行目的に応じて補正された道路網情報(リンク情報等)を使用して、出発地から目的地までの距離が最短距離となるリンク及びノードの組み合わせの走行ルートを検索する。そして、利用者により選択された走行ルート(誘導走行ルート)に沿って利用者を目的地まで適切に誘導する。
【0043】
RAM22は、例えば、ダイナミックRAM等からなり、プログラム実行領域22a、及び、作業領域22b等を確保している。
そして、プログラム実行領域22aには、CPU11により実行される種々のプログラムが適宜読み出されて記憶され、また、作業領域22bには、作業データ等が適宜記憶される。
【0044】
記憶装置23は、例えば、不揮発性メモリ、若しくは、ハードディスク等からなり、プログラム記憶領域23a及び、データ記憶領域23b等を確保している。
このプログラム記憶領域23aには、CPU21が実行する種々のプログラムが予め記憶されている。
また、データ記憶領域23bには、各プログラムに対応した種々のデータが記憶される。例えば、データ記憶領域23bには、管理サーバ1から送られたリンク情報(上述した図6(a)〜(c)に示すようなリンク情報)を含んだ道路網情報等が記憶される。
【0045】
表示装置24は、例えば、LCD等からなり、CPU21が生成した種々の画像を表示する。
具体的に表示装置24は、CPU21が後述するナビゲーション処理を実行する際に、目的地等を利用者に設定させるための設定画像(地名一覧や地図画像等)を表示したり、走行目的(走行条件)を利用者に選択させるための選択画像(目的一覧等)を表示したりする。
また、目的地までの誘導走行ルートが決定された後では、誘導走行ルートを示す地図画像上の道路を特定の色で塗りつぶし(色分けし)、その地図画像上に、自車(自己車両)の現在位置を示す自車シンボルを重畳したナビゲーション画像を表示する。
【0046】
通信装置25は、例えば、無線通信ネットワーク9に適合した無線通信を行うための送受信ユニット等からなり、無線通信ネットワーク9を介して、管理サーバ2との間で、種々のデータを送受信する。
例えば、通信装置25は、管理サーバ2から送られるリンク情報(上述した図6(a)〜(c)に示すようなリンク情報)を含んだ道路網情報等を受信する。
【0047】
入力装置26は、例えば、車載端末2の操作パネルに配置されたキースイッチ等からなり、利用者の操作に従って、種々の指示情報を入力する。
なお、入力装置26は、他に、リモコン(リモートコントローラ)や、表示装置24の前面に配置されたタッチパネル等であってもよい。
【0048】
ディスクドライブ27は、例えば、CDやDVD等からなるディスクd(管理サーバ1にて作成されたもの)を装着し、ディスクdに記憶された地図データ(表示用の地図画像及び、上述した道路網情報等)を読み出す。
【0049】
センサ群28は、利用者の車両(車両Va,Vb等)に設置された各種センサからなり、車両内における種々のデータを適宜計測する。
具体的にセンサ群28には、走行距離センサ、車速センサ、位置センサ(GPS;Global Positioning System)、ジャイロセンサ、加速度センサ、燃料消費計、及び、傾斜度センサ等が含まれている。そして、センサ群28は、計測したデータをCPU21に適宜供給する。
【0050】
次に、上述した管理サーバ1及び、車載端末2の論理構成(機能構成)について、図9のブロック図を参照して説明する。
【0051】
まず管理サーバ1について説明する。管理サーバ1は、図示するように、多目的ルート判断用地図データ101と、目的別距離換算用重みデータテーブル102と、地図データ変換処理部103と、基本地図データ104と、ディスク作成処理部105と、から構成される。
なお、図中の地図データ変換処理部103及び、ディスク作成処理部105は、物理的には、CPU11の処理内容となる。
【0052】
多目的ルート判断用地図データ101は、例えば、上述した図3に示すノード情報及び、図4に示すリンク情報(各区間距離が補正されていないリンク情報)を含んだ地図データからなる。
【0053】
目的別距離換算用重みデータテーブル102は、例えば、上述した図5に示すようなデータテーブルである。つまり、種々の走行目的(走行条件)に対応して、多目的ルート判断用地図データ101(リンク情報の各区間距離)を補正(変換)するための重み値をそれぞれ規定したテーブルである。
【0054】
地図データ変換処理部103は、多目的ルート判断用地図データ101を、目的別距離換算用重みデータテーブル102を用いてデータ変換する。具体的には、上述した図4に示すリンク情報の判断用データ項目に、図5に示す目的別距離換算用重みデータテーブルの対応する重みデータを乗じる等により、目的条件に応じて各リンクの区間距離を補正する。そして、補正したリンク情報(図6(a)〜(c)に示すようなリンク情報)を含んだ基本地図データ104を生成する。
【0055】
基本地図データ104は、地図データ変換処理部103により各区間距離が補正されたリンク情報を含んだ地図データである。例えば、基本地図データ104には、図3に示すノード情報及び、図6(a)〜(c)に示すリンク情報を含んだ道路網情報が含まれている。
このような基本地図データ104は、例えば、通信装置17により、無線通信ネットワーク9を介して、各車載端末2に送信される。
【0056】
ディスク作成処理部105は、基本地図データ104をディスクdに書き込む。つまり、上述の補正されたリンク情報を含んだ地図データをディスクdに記録する。
【0057】
次に、車載端末2について説明する。車載端末2は、図示するように、ディスク読取処理部201と、基本地図データ202と、目的区間設定/更新処理部203と、目的区間指定情報204と、目的条件指定情報205と、ルート抽出処理部206と、ルート候補データ207と、ルート決定/表示処理部208と、から構成される。
なお、図中のディスク読取処理部201、目的区間設定/更新処理部203、ルート抽出処理部206、及び、ルート決定/表示処理部208は、物理的には、CPU21の処理内容となる。
【0058】
ディスク読取処理部201は、ディスクdに記憶されたデータを読み出す。例えば、ディスク読取処理部201は、走行目的(走行条件)に応じて補正されたリンク情報(図6(a)〜(c)に示すリンク情報)を含んだ地図データをディスクdから読み出す。
【0059】
基本地図データ202は、ディスク読取処理部201によりディスクdから読み出され、若しくは、管理サーバ1から送信された地図データである。例えば、基本地図データ202は、図3に示すノード情報及び、図6(a)〜(c)に示す走行目的に応じて各区間距離が補正されたリンク情報等を含んでいる。
【0060】
目的区間設定/更新処理部203は、入力装置26やセンサ群28からの入力に基づいて、出発地及び目的地等を特定し、目的区間指定情報204を生成する。例えば、出発地及び目的地の各地名や地図上の各位置が入力装置26から入力されると、目的区間設定/更新処理部203は、これら入力された情報に基づいて、出発地及び目的地のそれぞれに対応するノード及びリンクを検索する。そして、検索により得られたノード及びリンクを目的区間指定情報204として作業領域22b内に記憶する。
また、目的区間設定/更新処理部203は、センサ群28からの入力に基づいて、目的区間指定情報204を更新する。例えば、センサ群28の位置センサ(GPS)等から現在位置の変更(後述する誘導走行ルートからの逸脱等)が検出された場合に、目的区間指定情報204の内容(出発地に対応するノード及びリンク等)を更新する。
【0061】
目的区間指定情報204は、目的区間設定/更新処理部203により設定(生成)された(若しくは、誘導走行ルートからの逸脱等の際に更新された)出発地及び目的地のそれぞれに対応するノード及びリンクの情報である。
【0062】
目的条件指定情報205は、入力装置26から入力された目的条件(走行目的)を指定する情報である。
例えば、目的条件指定情報205は、省エネルギを優先、初心者/高齢者が運転者、狭い道の苦手な運転者、乳幼児/病人が搭乗者、及び、酔い易い体質の搭乗者等といった目的条件の内、何れかの目的条件を指定する情報からなる。
【0063】
ルート抽出処理部206は、目的条件指定情報205に従って、指定された目的条件に対応するリンク情報(走行目的に応じて各区間距離が補正されたリンク情報)を、基本地図データ202から特定する。そして、目的区間指定情報204により指定された出発地から目的地までを結ぶ走行ルートを、特定したリンク情報及び、ノード情報(基本地図データ202)から抽出し、抽出した走行ルートを示すルート候補データ207を生成する。
例えば、ルート抽出処理部206は、基本地図データ202における図3に示すようなノード情報及び、図6(a)〜(c)の何れかに示すようなリンク情報(目的条件に対応するリンク情報)を使用して、距離を優先して、出発地から目的地までの複数の走行ルートを検索(抽出)する。
その際、リンク情報の各区間距離が走行目的に応じて適切に補正されているため、適切な走行ルートが検索される。
【0064】
ルート候補データ207は、ルート抽出処理部206により抽出された走行ルート(出発地から目的地までの複数の走行ルート)を示す情報である。例えば、ルート候補データ207は、各走行ルートを、ノード番号及びリンク番号の配列にてそれぞれ表している。
【0065】
ルート決定/表示処理部208は、ルート候補データ207に示される複数の走行ルートの中から1つの走行ルートを決定し、決定した走行ルートを誘導走行ルートとして表示する。
例えば、ルート決定/表示処理部208は、各走行ルートの概略を提示し、利用者により選択された1つの走行ルートを誘導走行ルートとして決定する。そして、地図画像を表示する際に、決定した誘導走行ルートに対応する道路を特定の色で塗りつぶす(色分けする)ことにより、利用者が地図画像上の誘導走行ルートを識別可能に表示する。
【0066】
以下、この発明の第1の実施の形態にかかるナビゲーションシステムの動作について、図面を参照して説明する。
まず、管理サーバ1の動作について、図10を参照して説明する。図10は、管理サーバ1が実行するデータ変換処理を説明するためのフローチャートである。
【0067】
この処理は、例えば、記憶装置12(プログラム記憶領域12a)に記憶された対象のプログラムが、RAM13(プログラム実行領域13a)に読み出された後に、CPU11により実行される。
【0068】
まず、CPU11は、目的別距離換算用重みデータテーブル内の目的条件を1つ選択する(ステップS11)。つまり、CPU11は、図5に示す目的別距離換算用重みデータテーブルにおける、省エネを優先、運転者が初心者/高齢者、運転者が狭い道が苦手、搭乗者が乳幼児/病人、及び、搭乗者が酔い易い体質等の中から、1つの目的条件を選択する。
【0069】
CPU11は、記憶装置12に記憶された道路網情報(リンク情報)からリンクを1つ選択する(ステップS12)。つまり、図4に示すリンク情報(区間距離の補正がされていないリンク情報)のリンクを1つ選択する。
【0070】
更に、CPU11は、目的別距離換算用重みデータテーブル内の判断要素を1つ選択する(ステップS13)。つまり、図5に示す目的別距離換算用重みデータテーブルにおける、区間距離、渋滞度、信号数、道幅、最大カーブ曲線、車線数、年間事故件数、最大勾配、平均勾配、及び、路面の凹凸等の中から、1つの判断要素を選択する。
【0071】
そして、CPU11は、選択した判断要素について、選択された目的条件における重み値と、選択されたリンクにおける判断要素の値とを乗算する(ステップS14)。
例えば、図5に示す目的別距離換算用重みデータテーブルにおいて、判断要素として「区間距離」が選択され、目的条件として「省エネを優先」が指定され、そして、図4に示すリンク情報において、「リンク1」(リンク番号)が選択されている場合に、CPU11は、図5の「1」(区間距離,省エネを優先)と、図4の「5.16」(区間距離)とを乗算する。
【0072】
CPU11は、目的別距離換算用重みデータテーブルの距離比例フラグを参照して、この判断要素が距離に比例するか否かを判別する(ステップS15)。
CPU11は、判断要素が距離に比例しないと判別すると、後述するステップS17に処理を進める。一方、判断要素が距離に比例すると判別した場合に、CPU11は、更に距離を乗算する(ステップS16)。
例えば、図5に示す目的別距離換算用重みデータテーブルにおいて、判断要素として「渋滞度」が選択され、目的条件として「省エネを優先」が指定され、そして、図4に示すリンク情報において、「リンク1」(リンク番号)が選択されている場合に、CPU11は、図5の「0.04」(区間距離,省エネを優先)と、図4の「2」(渋滞度)とを乗算した状態で、更に、「5.16」(区間距離)を乗算する。
【0073】
CPU11は、演算結果を、選択したリンクに対する距離換算値に加算する(ステップS17)。なお、各リンクに対応する距離換算値の初期値は、「0」にセットされている。
【0074】
CPU11は、他の判断要素があるか否かを判別する(ステップS18)。つまり、CPU11は、全ての判断要素に対して乗算を終えたか否かを判別する。
【0075】
CPU11は、他の判断要素があると判別すると、ステップS13に処理を戻し、上述のステップS13〜S18の処理を繰り返し実行する。
一方、他の判断要素がないと判別した場合に、CPU11は、他のリンクがあるか否かを判別する(ステップS19)。つまり、CPU11は、リンク情報中の全てのリンクに対して処理を終えたか否かを判別する。
【0076】
CPU11は、他のリンクがあると判別すると、ステップS12に処理を戻し、上述のステップS12〜S19の処理を繰り返し実行する。
一方、他のリンクがないと判別した場合に、CPU11は、補正されていないリンク情報を複製した後に、複製した各リンクの区間距離に対応する距離換算値をセットして、目的条件に対応するリンク情報を作成する(ステップS20)。
例えば、省エネルギを目的条件としている場合に、CPU11は、図4に示す補正されていないリンク情報を複製した後に、図6(a)に示すように、今回求めた各距離換算値を、対応するリンクの区間距離にセットして、省エネ向けの区間距離に補正したリンク情報を作成する。
【0077】
CPU11は、他の目的条件があるか否かを判別する(ステップS21)。つまり、CPU11は、全ての目的条件に対応したリンク情報(区間距離を補正したリンク情報)の作成を終えたか否かを判別する。
CPU11は、他の目的条件があると判別すると、ステップS11に処理を戻し、上述のステップS11〜S21の処理を繰り返し実行する。
【0078】
一方、他の目的条件がないと判別した場合に、CPU11は、作成したリンク情報を含む道路網情報等を各車載端末2に送信する(ステップS22)。
例えば、通信装置17は、走行目的に応じて区間距離を補正したリンク情報(上述した図6(a)〜(c)に示すようなリンク情報)を含んだ道路網情報等を、無線通信ネットワーク9を介して各車載端末2に送信する。
なお、道路網情報等を記録媒体にて配布する場合に、CPU11は、ディスクドライブ15を制御して、このような道路網情報等をディスクdに記録する。そして、ディスクdに記録された道路網情報等が各車載端末2にて読み出される。
【0079】
このように、上述したデータ変換処理によって、道路網情報(リンク情報の各区間距離)が、種々の目的条件に応じて補正され、そして、補正された道路網情報等が各車載端末2に供給される。
【0080】
次に、車載端末2の動作について、図11を参照して説明する。図11は、車載端末2が実行するナビゲーション処理を説明するためのフローチャートである。
【0081】
この処理は、例えば、記憶装置23(プログラム記憶領域23a)に記憶された対象のプログラムが、RAM22(プログラム実行領域22a)に読み出された後に、CPU21により実行される。なお、上述したデータ変換処理により、種々の走行目的に応じて補正された道路網情報(各区間距離が補正されたリンク情報)等が、管理サーバ1から送信され、若しくは、ディスクdから読み出され、記憶装置23(データ記憶領域23b)に格納されているものとする。
【0082】
まず、CPU21は、目的条件(走行目的)を取得する(ステップS31)。
例えば、CPU21は、表示装置24に、省エネルギを優先、初心者/高齢者が運転者、狭い道の苦手な運転者、乳幼児/病人が搭乗者、及び、酔い易い体質の搭乗者等といった目的条件の一覧を表示し、利用者により入力装置26を介して選択された何れかの目的条件を取得する。
【0083】
そして、CPU21は、記憶装置23に記憶している道路網情報から、目的条件に対応したリンク情報を特定する(ステップS32)。つまり、CPU21は、指定された目的条件(走行目的)に応じて各区間距離が補正されているリンク情報を特定する。
例えば、目的条件が「省エネルギを優先」である場合に、CPU21は、図6(a)〜(c)のリンク情報から、図6(a)に示すリンク情報を特定する。
【0084】
CPU21は、出発地及び目的地のそれぞれに対応するノード及びリンクを示す目的区間指定情報を生成する(ステップS33)。
例えば、CPU21は、出発地及び目的地の各地名や地図上の各位置が、利用者の操作により入力装置26から入力されると、記憶装置23に記憶した道路網情報から、出発地及び目的地のそれぞれに対応するノード及びリンクを検索し、目的区間指定情報を生成する。
【0085】
CPU21は、生成した目的区間指定情報を使用して、出発地から目的地までのルート候補を、ステップS32にて特定したリンク情報を含む道路網情報から検索する(ステップS34)。
例えば、CPU21は、図3に示すノード情報及び、図6(a)に示すリンク情報(目的条件が「省エネルギを優先」である場合)から、距離を優先して、出発地から目的地までの複数の走行ルートを抽出する。
なおこの際、各区間距離が走行目的に応じて適切に補正されているため、適切な走行ルートが検索される
【0086】
CPU21は、ルート候補の中から、誘導走行ルートを決定する(ステップS35)。
例えば、CPU21は、検索された各走行ルートの概略等をそれぞれ表示装置24に表示し、入力装置26を介して利用者により選択された走行ルートを、誘導走行ルートとして決定する。
【0087】
CPU21は、決定した誘導走行ルートを表示する(ステップS36)。
例えば、CPU21は、表示装置24に地図画像を表示する際に、決定された誘導走行ルートを示す道路を特定の色で塗りつぶして(色分けして)表示する。そして、誘導走行ルートが色分けされて表示された地図画像上に、自車の現在位置を示す自車シンボルを合成する。
つまり、利用者は、地図画像上の自車シンボルにて自車の現在位置を把握しつつ、誘導ルートに沿って自車を運転することになる。なお、CPU21は、誘導走行ルートに従って右左折が必要となる交差点(ノード)の手前等では、適宜、その旨を報知する画像等を表示装置24に表示するなどして、誘導走行ルートに沿った利用者の運転を補助してもよい。
【0088】
これらと並行してCPU21は、自車が誘導走行ルートから逸脱しているか否かを判別する(ステップS37)。
例えば、CPU21は、センサ群28の位置センサ(GPS)等から得られた現在の位置情報と、誘導走行ルート(誘導走行ルートを構成するノード等の位置情報)とを比較して、自車が誘導走行ルートから逸脱しているか否かを判別する。
【0089】
CPU21は、自車が誘導走行ルートから逸脱していると判別すると、走行経路の再検索を行うため、目的区間指定情報を更新する(ステップS38)。
例えば、CPU21は、誘導走行ルートからの自車の逸脱後に、センサ群28の位置センサ(GPS)等から現在位置を取得すると、道路網情報から、出発地(現在地)に対応するノード及びリンクを検索し、目的区間指定情報を更新する。
そして、CPU21は、ステップS34に処理を戻し、上述したステップS34以降の処理を再度実行する。つまり、走行目的に応じて補正されたリンク情報(各区間距離が補正されたリンク情報)を使用して走行ルートを再度検索する。そして、誘導走行ルートを決定して表示する。
【0090】
一方、ステップS37にて、自車が誘導走行ルートから逸脱していないと判別された場合に、CPU21は、自車が目的地に到着したか否かを判別する(ステップS39)。
例えば、CPU21は、センサ群28の位置センサ(GPS)等から得られた現在の位置情報と、目的区間指定情報の目的地に対応するノード等の位置情報とを比較して、自車が目的地に到着しているか否かを判別する。
【0091】
CPU21は、目的地に到着していないと判別すると、ステップS36に処理を戻し、上述のステップS36〜S39等の処理を繰り返し実行する。
一方、目的地に到着したと判別した場合に、CPU21は、ナビゲーション処理を終了する。
【0092】
このように上述したナビゲーション処理により、多様な目的条件に応じて、適切な走行ルートを検索することができる。また、道路網情報を目的条件に応じて補正するため、既存のルート検索ロジックを変更することなく、目的のルートを検索できる。
【0093】
上記の実施の形態では、多目的ルート判断用地図データ(図4に示すリンク情報の判断用データ項目)が予め作成されている場合について説明したが、車載端末2を搭載した各車両(車両Va,Vb等)から得られるデータを集計して、多目的ルート判断用地図データを作成(更新)するようにしてもよい。
【0094】
例えば、車載端末2(各車載端末2)は、センサ群28の傾斜度センサから走行路の傾斜度を得ると、リンクに対応させて逐次蓄積する。そして、蓄積した傾斜度に基づいてリンクにおける最大勾配データ(最大値)や平均勾配データ(平均値)を特定する。
また、車載端末2は、センサ群28の加速度センサから加速度を得て逐次蓄積し、蓄積した加速度の最大値や平均値に基づいて、走行路面の凹凸レベルのデータを特定する。
更に、車載端末2は、センサ群28のジャイロセンサ及び車速センサから計測データを得た場合に、この計測データを逐次蓄積し、蓄積した計測データの最大値等に基づいて、走行路の最大カーブ曲率のデータを特定する。
そして、車載端末2は、このようにして得た各種データを走行データとして、管理サーバ1に送信する。
一方、管理サーバ1は、車載端末2(各車載端末2)から走行データを得ると、分析等を行い、多目的ルート判断用地図データを作成(更新)する。
【0095】
また、実際の車両の走行により計測された燃料消費量等のデータから車両の燃費係数を求め、この燃費係数を新たな判断要素として、多目的ルート判断用地図データ等に追加できるようにしてもよい。
以下、多目的ルート判断用地図データを適宜作成(更新)することのできるナビゲーションシステムについて説明する。
【0096】
(実施形態2)
図12は、この発明の第2の実施の形態に適用されるナビゲーションシステムの論理構成(機能構成)を説明するためのブロック図である。
このナビゲーションシステムは、一例として、車載端末2が燃費係数を含んだ走行データを管理サーバ1に送信し、管理サーバ1が燃費係数を判断要素に含んだ多目的ルート判断用地図データを作成(更新)することを特徴とする。
【0097】
まず、車載端末2について説明する。図示するように、車載端末2は、基本地図データ221と、現在位置判定処理部222と、現在状態判定処理部223と、走行データ作成/送信処理部224と、走行データ225と、から構成される。
なお、車載端末2の物理的な構成は、上述した第1の実施の形態(図8)と同様である。そして、図12中の現在位置判定処理部222、現在状態判定処理部223、及び、走行データ作成/送信処理部224は、物理的には、CPU21の処理内容となる。
【0098】
基本地図データ221は、例えば、上述した図3に示すノード情報及び、図4に示すリンク情報等からなる。
【0099】
現在位置判定処理部222は、センサ群28の位置センサ(GPS)等から得られた現在の位置情報に基づいて、基本地図データ221から現在位置に対応するリンク等を判定(特定)する。
【0100】
現在状態判定処理部223は、センサ群28の各種センサから得られたデータに従って、現在走行している走行路の状態を判定(特定)する。
例えば、現在状態判定処理部223は、センサ群28の燃料消費計から走行路の燃料消費量を得ると、リンクに対応させて逐次蓄積する。そして、蓄積した燃料消費量に基づいてリンクにおける燃費係数を特定する。
【0101】
走行データ作成/送信処理部224は、現在状態判定処理部223が特定した燃料係数を集計して走行データ225を作成する。例えば、各リンクに対応した燃費係数を含んだ走行データ225を作成する。
また、走行データ作成/送信処理部224は、所定のタイミングにて走行データ225を管理サーバ1に向けて送信する。例えば、走行データ作成/送信処理部224は、定期的に管理サーバ1にアクセスし、その際、未送信となっている走行データ225を管理サーバ1に送信する。
【0102】
走行データ225には、例えば、各リンクに対応した燃費係数が含まれている。
【0103】
次に、管理サーバ1について説明する。図示するように、管理サーバ1は、走行データ111と、データ分析/集約処理部112と、多目的ルート判別用地図データ113と、から構成される。
なお、管理サーバ1の物理的な構成は、上述した第1の実施の形態(図2)と同様である。そして、図12中のデータ分析/集約処理部112は、物理的には、CPU11の処理内容となる。
【0104】
走行データ111は、車載端末2から送信されたデータであり、例えば、各リンクに対応した燃費係数を含んでいる。
【0105】
データ分析/集約処理部112は、走行データ111を分析/集約し、多目的ルート判断用地図データ113を作成(更新)する。
例えば、データ分析/集約処理部112は、各リンクに対応した燃費係数を分析等し、判断要素に燃費係数を含んだ多目的ルート判断用地図データ113を作成する。
つまり、データ分析/集約処理部112は、分析した燃費係数に基づいて、図13に示すようなリンク情報中の各燃料係数に値を設定する。なお、リンク情報中の各燃料係数には、初期値として「0」が設定されており、適宜更新される。
【0106】
多目的ルート判断用地図データ113は、データ分析/集約処理部112により作成(更新)された、上述した図13に示すリンク情報等からなる。
なお、管理サーバ1は、図13に示すリンク情報に対応して、図14に示すような燃料係数を使用して省エネを優先する(燃料係数有り)が目的条件に付加された目的別距離換算よう重みデータテーブルも記憶している。
れる。
【0107】
以下、この発明の第2の実施の形態にかかるナビゲーションシステムの動作について、図15及び図16を参照して説明する。図15は、車載端末2が行う走行データ作成/送信処理を説明するためのフローチャートである。また、図16は、管理サーバ1が行うデータ分析/集約処理を説明するためのフローチャートである。
【0108】
最初に図15を参照して、車載端末2が行う走行データ作成/送信処理について説明する。この処理は、例えば、記憶装置23(プログラム記憶領域23a)に記憶された対象のプログラムが、RAM22(プログラム実行領域22a)に読み出された後に、CPU21により実行される。
【0109】
まず、CPU21は、現在位置に対応するリンクを特定する(ステップS41)。
例えば、CPU21は、センサ群28の位置センサ(GPS)等から得られた現在の位置情報に従って、図4に示すようなリンク情報から、現在位置に対応するリンクを特定する。
【0110】
CPU21は、リンクの移動が有ったか否かを判別する(ステップS42)。つまり、車載端末2を搭載した車両の走行に伴って、リンクをまたぐ移動が生じたか否かを判別する。
【0111】
CPU21は、移動がないと判別すると、センサ群28から取得した燃料消費量のデータを、現在のリンクに対応させて、一定時間毎に蓄積する(ステップS43)。つまり、センサ群28の燃料消費計から取得した燃料消費量を、現在位置に対応するリンクに対応させて逐次蓄積する。
そして、CPU21は、燃料消費量のデータを蓄積後に、上述のステップS41に処理を戻す。
【0112】
一方、ステップS42にて、移動が有ったと判別した場合に、CPU21は、移動前のリンクの区間距離と、計測された燃料消費量とに基づいて燃料消費率(燃費)を算出し、リンクと対応づけて記憶する(ステップS44)。
【0113】
CPU21は、データが十分に記憶されたか否かを判別する(ステップS45)。つまり、燃料係数を算出するのに十分な燃料消費率が記憶されたか否かを判別する。
【0114】
CPU21は、データが十分でないと判別すると、ステップS41に処理を戻し、上述のステップS41〜S45の処理を繰り返し実行する。
一方、データが十分であると判別した場合に、CPU21は、複数のリンクから得られた燃費(燃料消費率)を平均化する(ステップS46)。つまり、車両固有の平均燃費(平均燃料消費率)を求める。
【0115】
そして、CPU21は、各リンクの燃費係数を算出し、走行データとして管理サーバ1に送信する(ステップS47)。
例えば、CPU21は、各リンクに対して、リンクの燃費を平均燃費で除算し、除算結果から1を引くことにより燃費係数を算出する。そして、各リンクに対応した燃費係数を含んだ走行データを作成して、管理サーバ1に送信する。
このようにして、車載端末2にて作成された走行データ(各リンクに対応した燃料係数)が、管理サーバ2に送信される。
【0116】
次に図16を参照して、管理サーバ1が行うデータ分析/集約処理について説明する。この処理は、例えば、記憶装置12(プログラム記憶領域12a)に記憶された対象のプログラムが、RAM13(プログラム実行領域13a)に読み出された後に、CPU11により実行される。
【0117】
まず、CPU11は、車載端末2から送られる走行データを受信するまで、後続処理の実行を待機する(ステップS51)。
つまり、上述した走行データ作成/送信処理により送られる走行データを受信するまで待機する。
【0118】
そして、走行データを受信すると、CPU11は、受信した走行データに基づいて、多目的ルート判断用地図データを作成(更新)する(ステップS52)。
つまり、CPU11は、走行データに含まれる燃費係数に基づいて、上述した図13に示すリンク情報中の燃料係数にそれぞれ値を設定する。なお、既に値が設定されている場合には、適宜更新される。
【0119】
CPU11は、予め定められた定期配信タイミング(時期)が到来したか否かを判別する(ステップS53)。
CPU11は、定期配信タイミングでないと判別すると、ステップS51に処理を戻し、上述のステップS51〜S53の処理を繰り返し実行する。
【0120】
一方、定期配信タイミングであると判別した場合に、CPU11は、データ変換処理を実行する(ステップS54)。
すなわち、CPU11は、上述した図10に示すデータ変換処理を実行する。その際、CPU11は、図13に示すリンク情報の各区間距離を、図14に示す目的別距離換算用重みデータテーブルを用いてデータ変換する。具体的には、図13に示す燃料係数を含む判断要素に、図14に示す燃料係数を含む重みデータを乗じる等により、目的条件に応じて各リンクの区間距離を補正する。
そして、CPU11は、目的条件に応じて補正したリンク情報を含む道路網情報を各車載端末2に送信する。
【0121】
このようにして、送られた道路網情報を受信した後に、車載端末2は、上述のナビゲーション処理を行うことにより、多様な目的条件に応じて、適切な走行ルートを検索することができる。
【0122】
上記の実施の形態では、発明の理解を容易にするために、車載端末2が最短距離となる走行ルートを検索することを前提として、管理サーバ1が、走行目的(走行条件)に応じて各ノードの区間距離を補正(変換)する場合について説明した。
しかしながら、車載端末2が最短時間となる走行ルートを検索する場合等でも適宜適用可能である。
例えば、図4等に示すリンク情報には、基本データ項目として区間所要時間が設定されており、また、図5等に示す目的別距離換算用重みデータテーブルには、時間比例フラグの他、目的条件に応じた適切な重み値が設定されている。
そして、管理サーバ1は、上述したデータ変換処理を同様に実行して、リンク情報の各区間所要時間を、走行目的(走行条件)に応じて補正(変換)する。そして、補正したリンク情報を含む道路網情報等を、各車載端末2に向けて送信等する。
【0123】
一方、車載端末2は、上述したナビゲーション処理を実行し、走行目的に応じて各区間所要時間が補正されたリンク情報を含む道路網情報を使用して、出発地から目的地までの所要時間が最短時間となるリンク及びノードの組み合わせの走行ルートを検索する。そして、利用者により選択された走行ルート(誘導走行ルート)に沿って利用者を目的地まで適切に誘導する。
この場合も、多様な目的条件に応じて、適切な走行ルートを検索することができる。
【0124】
上記の実施形態では、車両に搭載する車載端末2を一例として説明したが、ナビゲーション処理を行う端末は、車載用の端末に限られず任意である。例えば、歩行者等が携帯する携帯端末等であってもよい。
そして、利用者が移動する対象は、道路網に限られず、種々の交通網(鉄道や航空機等の網)に適宜適用可能である。
【0125】
なお、この発明の実施の形態にかかるナビゲーションシステムは、専用機器によらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、コンピュータに上述のいずれかを実行するためのプログラムを格納した媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM等)から当該プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するナビゲーションシステムを構成することができる。
【0126】
また、コンピュータにプログラムを供給するための手法は、任意である。例えば、通信回線、通信ネットワーク、通信システム等を介して供給してもよい。一例を挙げると、通信ネットワークの掲示板(BBS)に当該プログラムを掲示し、これをネットワークを介して搬送波に重畳して配信する。
そして、このプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行することができる。
【0127】
以上説明したように、本発明によれば、多様な目的条件に応じて、適切な移動ルートを検索することができる。
【符号の説明】
【0128】
1・・・管理サーバ、2・・・車載端末、9・・・無線通信ネットワーク、11・・・CPU、12・・・記憶装置、13・・・RAM、14・・・表示装置、15・・・ディスクドライブ、16・・・入力装置、17・・・通信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・記憶装置、24・・・表示装置、25・・・通信装置、26・・・入力装置、27・・・ディスクドライブ、28・・・センサ群、d・・・ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通網を規定する複数のノード及びリンクを含んで構成され、少なくとも各リンクにそれぞれ所定の判断用項目が設定されている交通網情報を記憶する交通網情報記憶手段と、
複数の目的条件に対応して、前記交通網情報の各判断用項目に対する重み値を記憶する重み情報記憶手段と、
任意に指定される目的条件を取得する目的条件取得手段と、
前記目的条件取得手段により取得された目的条件に対応する前記重み情報記憶手段の重み値及び、前記交通網情報の各判断用項目に従って、少なくとも各リンクの設定値を補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された交通網情報を提供する提供手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記補正手段により補正された交通網情報を検索するルート検索手段を更に備え、
前記補正手段は、前記重み情報記憶手段の重み値及び、前記交通網情報の各判断用項目に従って、少なくとも各リンクの区間距離を補正し、
前記ルート検索手段は、前記補正手段により補正された交通網情報を検索し、少なくとも2地点を最短距離で結ぶ移動ルートを検索する、
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
交通網を構成する複数のノード及びリンクの基本項目を規定する基本地図データと、
少なくとも各リンクの判断用項目を規定する判断用地図データと、
複数の目的条件に対応して、前記判断用地図データの各判断用項目に対する重みデータを規定する重みデータテーブルと、
任意に指定される目的条件を取得する目的条件取得手段と、
前記目的条件取得手段により取得された目的条件に対応する前記重みデータテーブルの重みデータ及び、前記判断用地図データの各判断項目に従って、前記基本地図データの少なくとも各リンクの基本項目を補正する補正手段と、
前記補正手段により基本項目が補正された基本地図データを提供する提供手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記補正手段により補正された基本地図データから、任意の複数地点を結ぶ移動ルートを抽出するルート抽出手段を更に備え、
前記補正手段は、前記重みデータテーブルの重みデータ及び、前記判断用地図データの各判断項目に従って、前記基本地図データの各リンクの区間距離を補正し、
前記ルート抽出手段は、前記補正手段により補正された基本地図データを検索し、最短距離となる移動ルートを抽出する、
ことを特徴とする請求項3に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記提供手段は、前記補正手段により補正された基本地図データを通信回線または記録媒体によってナビゲーションが行われる移動端末に提供する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
複数の端末とサーバとがネットワークを介して接続されたナビゲーションシステムであって、
前記サーバは、
交通網を規定する複数のノード及びリンクを含んで構成され、少なくとも各リンクにそれぞれ所定の判断用項目が設定されている基準交通網情報を記憶する基準交通網情報記憶手段と、
複数の目的条件に対応して、前記基準交通網情報の各判断用項目に対する重み値を記憶する重み情報記憶手段と、
各目的条件に対応する前記重み情報記憶手段の重み値及び、前記基準交通網情報の各判断用項目に従って、少なくとも各リンクの設定値をそれぞれ補正することにより、各目的条件に対応した交通網情報をそれぞれ生成する交通網情報生成手段と、
前記交通網情報生成手段により生成された各交通網情報を前記各端末にそれぞれ送信する送信手段と、を備え、
前記各端末は、
前記サーバから送信される各交通網情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した各交通網情報を記憶する記憶手段と、
任意に指定される目的条件を取得する目的条件取得手段と、
前記目的条件取得手段により取得された目的条件に対応する交通網情報を前記記憶手段から特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された交通網情報を検索し、少なくとも2地点を結ぶ移動ルートを検索するルート検索手段と、を備える、
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記各端末は、
移動に伴う所定の計測データを計測する計測手段と、
前記計測手段が計測した計測データを、少なくともリンクに対応させて成る移動データを生成する移動データ生成手段と、
前記移動データ生成手段が生成した移動データを前記サーバに送信する移動データ送信手段と、を更に備え、
前記サーバは、
前記各端末から送信される移動データをそれぞれ受信する移動データ受信手段と、
前記移動データ受信手段により受信された移動データを分析して基準交通網情報を生成する基準交通情報生成手段と、を更に備える、
ことを特徴とする請求項6に記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
交通網を構成する複数のノード及びリンクの基本項目を規定する基本地図データと、少なくとも各リンクの判断用項目を規定する判断用地図データと、複数の目的条件に対応して、前記判断用地図データの各判断用項目に対する重みデータを規定する重みデータテーブルと、を備えたナビゲーションシステムにおける地図データ提供方法であって、
任意に指定される目的条件を取得する目的条件取得ステップと、
前記目的条件取得ステップにて取得された目的条件に対応する重みデータテーブルの重みデータ及び、判断用地図データの各判断項目に従って、基本地図データの少なくとも各リンクの基本項目を補正する補正ステップと、
前記補正ステップにて基本項目が補正された基本地図データを提供する提供ステップと、
を備えることを特徴とする地図データ提供方法。
【請求項9】
交通網を構成する複数のノード及びリンクの基本項目を規定する基本地図データと、少なくとも各リンクの判断用項目を規定する判断用地図データと、複数の目的条件に対応して、前記判断用地図データの各判断用項目に対する重みデータを規定する重みデータテーブルと、を備えたコンピュータに、任意に指定される目的条件を取得する目的条件取得ステップと、前記目的条件取得ステップにて取得された目的条件に対応する重みデータテーブルの重みデータ及び、判断用地図データの各判断項目に従って、基本地図データの少なくとも各リンクの基本項目を補正する補正ステップと、前記補正ステップにて基本項目が補正された基本地図データを提供する提供ステップとを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−197406(P2010−197406A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128363(P2010−128363)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【分割の表示】特願2003−329482(P2003−329482)の分割
【原出願日】平成15年9月22日(2003.9.22)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】