説明

ナビゲーション装置及びプログラム

【課題】簡単な操作で引っ越しの際に必要な施設を検索可能にする。
【解決手段】自宅の位置を登録する自宅登録手段(4a)と、前記自宅登録手段により自宅の位置が変更された場合に、変更された自宅の位置に基づいて引っ越し関連施設を登録する引っ越し関連施設登録手段(4c)と、前記引っ越し関連施設を案内する制御手段(4f)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自宅を変更したとき引っ越し関連施設を検索して優先的に案内するナビゲーション装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施設検索においてジャンルを選択し、選択されたジャンル毎に周辺施設を検索し、どのようなジャンルの施設であっても現在地から近い順に目的とする施設を検索してレスポンスを向上させるようにしたものが提案されている(特許文献1)。
また、施設名称データベースに文字種別毎の施設名称データを格納するとともに、文字種別を選択可能にし、入力された文字種別に対応した施設名称を検索することで施設検索のヒット率を向上させるようにしたものも提案されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2005−291892
【特許文献1】特開2006−138743
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1、特許文献2では施設検索の際のレスポンスや、ヒット率の向上を図ることは可能であるが、ユーザが引っ越しをしてそのための必要な手続きを行う場合の施設検索の対応には必ずしも十分ではない。そのため、引っ越しに必要な手続きを行う施設の検索や目的地の設定などをユーザ主導で行う必要があり、手間がかかるとともに手続き漏れが生じてしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記課題を解決しようとするもので、簡単な操作で引っ越しの際に必要な施設を検索することができ、ユーザの手間を軽減するとともに、引っ越しに必要な手続きの漏れを少なくすることを目的とする。
本発明は、自宅の位置を登録する自宅登録手段と、前記自宅登録手段により自宅の位置が変更された場合に、変更された自宅の位置に基づいて引っ越し関連施設を登録する引っ越し関連施設登録手段と、前記引っ越し関連施設を案内する制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、ナビゲーション装置を制御するプログラムにおいて、自宅の位置を登録するステップ、自宅の位置が変更された場合に、変更された自宅の位置に基づいて引っ越し関連施設を登録するステップ、引っ越し関連施設を案内するステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、自宅を変更したとき引っ越し関連施設を検索して優先的に案内するので、引っ越しの際に必要な施設を知るための手間が軽減されるとともに、引っ越しに必要な手続き漏れを少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本実施形態に係るナビゲーション装置の例を示す図である。自宅や目的地の情報を入力するキーボード、マウス、タッチパネル、操作キー等からなる入力装置1、現在位置に関する情報を検出する現在位置検出装置2、地図データ、道路データ、引っ越し関連の施設を含む施設データ、交差点データ、経路の探索に必要なナビゲーション用データ、経路案内に必要な表示/音声の案内データ、さらに地図の表示、経路探索、音声案内等の案内を行うためのプログラム(アプリケーション及び/又はOS)等を記憶した情報記憶装置3、自宅の位置を登録する自宅登録手段(4a)、自宅の位置を変更した日付を設定する自宅変更日付設定手段4b、引っ越し関連施設を登録する引っ越し関連施設登録手段4c、自宅変更日付から所定期間内における施設検索入力条件が引っ越しに関連したものか否かを判断する入力条件判断手段4d、入力条件が引っ越しに関連したものであると判断したとき当該入力条件を引っ越し関連施設を検索する入力条件に変換して施設検索する施設検索手段4e、検索された引っ越し関連施設を優先的に案内する制御手段4fを備え、ナビゲータ処理手段として地図の表示処理、経路探索処理、経路案内に必要な表示/音声案内処理、さらにシステム全体の制御を行う中央処理装置4、車両の走行に関する情報である、例えば道路情報、交通情報を送受信したり、車両の現在位置に関する情報を検出したり、さらに現在位置に関する情報を送受信したりする情報送受信装置5、経路案内に関する情報を出力するディスプレイやスピーカその他の出力装置6から構成されている。
【0007】
図2は引っ越し関連施設を検索して案内する処理フローを示す図である。
本実施形態に係わるナビゲーション装置では、自宅までの帰路を探索する場合等に自宅を検索する手間を軽減するために、ユーザが自宅の位置を登録し簡単に呼び出せるようになっている。ユーザが引っ越して自宅の位置を変更すると中央処理装置4の自宅変更日付設定手段4aが起動して自宅変更日付を設定する、若しくはユーザ操作により自宅変更日付設定手段4aを起動して自宅変更日付を設定する(ステップS1)。自宅変更日付が設定されると、中央処理装置4の引っ越し関連施設登録手段4bが起動して引っ越し関連施設が登録されるか、若しくはユーザの選択により引っ越し関連施設登録手段を起動させることで引っ越し関連施設の登録が行われる(ステップS2)。引っ越し関連施設は、例えば、住所変更のための市役所や区役所、免許更新のための警察署や免許更新センタ、子供の転校先の学校等の施設が含まれ、引っ越し関連施設登録手段は、例えば、変更した自宅の市区町村エリア内のこれらの施設を引っ越し関連施設として登録する。ユーザが施設検索のために50音入力手段等で検索文字を入力すると(ステップS3)、自宅変更日付から所定期間内、例えば3カ月以内か否かが判断される(ステップS4)。これは、自宅変更日付から、例えば半年も経過した時点では、引っ越しに必要な手続きは既に済んでいると考えられるからである。従って、自宅変更日付から所定期間を過ぎている場合には、ステップS3で入力された文字入力条件から始まる通常の施設検索を行って検索された施設が表示される(ステップS5)。
【0008】
ステップS3の検索文字入力が自宅変更日付から所定期間内のとき、入力条件は引っ越しに関連があるか否かが判断される(ステップS6)。入力条件が引っ越しに関連あるかか否かの判断は、例えば、名称検索の場合に、「めんきょ」は免許更新を行うことを想定し、「住所」は住所変更を行うことを想定することで行う。入力条件が引っ越しに関連ないと判断された場合は、ステップS5に移行して通常の施設検索を行う。入力条件が引っ越しに関連があると判断した場合、この入力条件から類推される施設を検索する(ステップS7)。この処理は、当該入力条件を引っ越し関連施設を検索する入力条件に変換して行う処理であり、上記したように、「めんきょ」と入力された場合は「免許更新」と検索入力条件を変換し、「住所」と入力された場合は、「住所変更」と検索入力条件を変換して施設を検索する処理である。次いで、引っ越しに関連する施設が検索されたか否か判断し(ステップS8)、検索されなかった場合は処理は終了し、検索された場合は、当該施設は既に到着済みか否か判断する(ステップS9)。この処理は引っ越しに必要な手続きは既に済んでいるか否かを判断する処理であり、既に到着済みの場合は引っ越しに必要な手続きは既に済んでいるとして処理は終了する。到着済みか否かの判断は、後述するように、例えば、所定時間当該施設に停車したか否かで行い、到着済みの引っ越し関連施設にはそのことを示すフラグを付しておくようにする。到着済みでない場合は、検索された引っ越し関連の施設を優先的に表示して案内を行う(ステップS10)。なお、上記説明では引っ越し関連の施設を優先的に表示する点のみ説明したが、引っ越し関連施設以外で入力した文字列と名称の類似した一般の施設も検索して優先度を下げて表示するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0009】
図3は引っ越し関連施設に到着済みか否かの判断処理の例を示す図である。
上記したように、自宅変更日付から所定期間経過した時点では、引っ越しに必要な手続きは既に済んでいると考えられるので、引っ越し関連施設に到着済みか否かの判断も自宅変更日付から所定期間内の場合のみ行う。そのため、まず、その判断処理を行い(ステップS21)、所定期間を過ぎていれば処理は終了する。自宅変更日付から所定期間内において、所定時間以上施設に停車した場合(ステップS22)、当該施設は引っ越し関連施設に該当するか否か判断する(ステップS23)。これらの処理は、目的地として設定していれば本来引っ越し関連施設か否か分かるので、むしろ目的地としては設定していないが、別の手段で調べて行ったり、看板を見て急に入ったような施設に所定時間以上滞在した場合の処理である。そして、当該施設が引っ越し関連施設に該当する場合は、当該施設を到着状態に設定する(ステップS24)。
【0010】
図4は自宅登録時に引っ越し関連施設を登録する例の処理フローを示す図である。
新たに自宅を地点登録すると(ステップS31)、過去の自宅登録地点に今回新たに登録した自宅付近のもがあるか否か判断する(ステップS32)。これは、例えば、愛知→大阪→東京→愛知のように引っ越しした場合、過去に自宅登録したデータを保存しておき、過去に自宅登録した同じ愛知県の市区町村内に戻ったのか否かの判断である。今回の自宅登録地点が過去の自宅登録地点と同じ市区町村内の場合(ステップS32Y)、当該過去履歴の自宅設定期間が長い、例えば数年に達するか否か判断し(ステップS33)、長い場合には今回登録した自宅近辺の引っ越し関連施設は熟知しているものとして処理は終了する。ステップS32で過去の自宅登録地点が今回の登録地点と同じ市区町村でない場合、ステップS33で過去履歴の自宅設定期間が短い場合には、自宅変更日付を設定し(ステップS34)、引っ越し関連施設を登録する(ステップS35)。図2の例では施設検索時に引っ越し関連施設を登録したが、図4の例のように自宅登録の変更時に引っ越し関連施設を登録してもよく、登録した引っ越し関連施設は未到着の状態で管理する。
【0011】
図5は引っ越し関連施設検索画面の例を示す図である。
図5(a)は「けい」と文字入力した場合の検索例であり、ナビゲーション装置ではこの入力条件を自宅変更日付から所定期間内で引っ越しに関連したものと判断し、「けい」を「けいさつ」という検索する入力条件に変換して施設検索を行って岡崎警察署を優先的に表示している。もちろん、優先度は低いが「けい」の名称に類似した施設も検索され、総数で313件の施設が検索されている。
図5(b)は「めんきょ」と文字入力した場合の検索例であり、ナビゲーション装置ではこの入力条件を自宅変更日付から所定期間内で引っ越しに関連したものと判断し、「めんきょ」を「めんきょこうしん」という入力条件に変換して施設検索を行って岡崎警察署を優先的に表示している。この場合も優先度は低いが「めんきょ」の名称に類似した施設も検索され、総数で392件の施設が検索されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置の例を示すブロック図である。
【図2】引っ越し関連施設を検索して案内する処理フローを示す図である。
【図3】引っ越し関連施設に到着済みか否かの判断処理の例を示す図である。
【図4】自宅登録時の処理フローの例を示す図である。
【図5】引っ越し関連施設検索画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0013】
1…入力装置、2…現在位置検出装置、3…情報記憶装置、4…中央処理装置、4a…自宅登録手段、4b…自宅変更日付設定手段、4c…引っ越し関連施設登録手段、4d…入力条件判断手段、4e…施設検索手段、4f…制御手段、5…情報送受信装置、6…出力装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自宅の位置を登録する自宅登録手段と、
前記自宅登録手段により自宅の位置が変更された場合に、変更された自宅の位置に基づいて引っ越し関連施設を登録する引っ越し関連施設登録手段と、
前記引っ越し関連施設を案内する制御手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
自宅の位置が変更された日付を設定する自宅変更日付設定手段を備え、前記制御手段は、自宅変更日付から所定期間内において引っ越し関連施設を案内する請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
条件を入力して施設を検索する施設検索手段を備え、
前記施設検索手段は、入力条件が引っ越しに関連していると判断したとき当該入力条件を引っ越し関連施設を検索する入力条件に変換して施設を検索し、前記制御手段は検索された引っ越し関連施設を案内する請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御手段は、引っ越し関連施設が既に到着済みか否か判断し、到着済みでないとき優先的に案内する請求項1乃至3いずれか記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記自宅変更日付設定手段は、過去の自宅登録に新自宅登録近辺のものがないことを条件に自宅変更日付を設定する請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記自宅変更日付設定手段は、過去の自宅登録に新自宅登録近辺のものがあったとき、その自宅設定期間が所定期間内であることを条件に自宅変更日付を設定することを特徴とする請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記引っ越し関連施設登録手段は、自宅変更日付が設定されたことを条件に引っ越し関連施設を登録する請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
ナビゲーション装置を制御するプログラムにおいて、
自宅の位置を登録するステップ、
自宅の位置が変更された場合に、変更された自宅の位置に基づいて引っ越し関連施設を登録するステップ、
引っ越し関連施設を案内するステップ、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−115593(P2009−115593A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288496(P2007−288496)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】