説明

ナビゲーション装置及び方法

本発明の実施形態は、地図データの1つ以上の道路区分に対する速度情報を判定する方法5であって、1つ以上の道路区分に関するプローブデータ(530)を受信すること(610)と、プローブデータ(530)に基づいて1つ以上の道路区分に対する速度式(550)を判定すること(650)と、速度式(530)に従って1つ以上の道路区分に対する速度情報を判定することとを有することを特徴とする方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及びナビゲーション装置に対する速度情報を判定する方法に関する。本発明の例示的な実施形態は、ポータブルナビゲーション装置(いわゆるPND)、特に全地球測位システム(GPS)信号受信/処理機能性を含むPNDに関する。他の実施形態は、更に一般的には、経路計画機能性を提供し且つ好ましくはナビゲーション機能性を更に提供するためにナビゲーションソフトウェアを実行するように構成される何らかの種類の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(全地球測位システム)信号受信/処理機能性を含むポータブルナビゲーション装置(PND)は周知であり、車両搭載型のナビゲーションシステム又は他の車両ナビゲーションシステムとして広く採用される。
【0003】
一般に、現代のPNDは、プロセッサ、メモリ(揮発性及び不揮発性のうちの少なくとも一方であり、通常は双方)及び前記メモリ内に格納された地図データを備える。プロセッサ及びメモリは協働して、ソフトウェアオペレーティングシステムが確立されてもよい実行環境を提供する。更に、PNDの機能性を制御可能にするため及び種々の他の機能を提供するために1つ以上の追加のソフトウェアプログラムが提供されることは一般的である。
【0004】
通常、これらの装置は、ユーザが装置と対話し且つ装置を制御できるようにする1つ以上の入力インタフェースと、情報がユーザに中継されるようにする1つ以上の出力インタフェースとを更に備える。出力インタフェースの例は、表示装置及び可聴出力用スピーカを含む。入力インタフェースの例は、装置のオン/オフ動作又は他の特徴を制御するための1つ以上の物理ボタン(これらのボタンは、必ずしも装置自体に存在する必要はなく、装置が車両に組み込まれる場合はステアリングホイール上に存在してもよい)及びユーザの音声を検出するためのマイクを含む。特に好適な構成において、出力インタフェースディスプレイは、ユーザが触れることにより装置を動作できるようにする入力インタフェースを更に提供するためにタッチセンシティブディスプレイとして(例えば、タッチセンシティブオーバーレイにより)構成されてもよい。
【0005】
また、この種の装置は、装置との間で電力及びオプションとしてデータ信号を送受信可能にする1つ以上の物理コネクタインタフェースと、オプションとして、セルラ通信、並びに他の信号ネットワーク及びデータネットワーク、例えばWi−Fi及びWi−MaxGSM等を介する通信を可能にする1つ以上の無線送信機/受信機とを含むことが多い。
【0006】
この種のPND装置はGPSアンテナを更に含み、これにより場所データを含む衛星放送信号は受信され、その後装置の現在地を判定するために処理される。
【0007】
PND装置は、現在の角加速度及び直線加速度を判定するため、並びにその後GPS信号から取得された場所情報と関連して装置及び装置が搭載されている車両の速度及び相対変位を判定するために処理可能な信号を生成する電子ジャイロスコープ及び加速度計を更に含んでもよい。通常、そのような特徴は、車両搭載型のナビゲーションシステムに装備されるのが最も一般的であるが、PND装置に装備するのが好都合な場合はPND装置に装備されてもよい。
【0008】
そのようなPNDの有用性は、第1の場所(通常は出発地又は現在地)と第2の場所(通常は目的地)との間の経路を判定する能力において主に示される。これらの場所は、例えば郵便番号、道路名及び番地、事前に格納された「既知の」目的地(有名な場所、市営の場所(運動場又は水泳プール等)又は他の地点情報等)及びお気に入りの目的地又は最近訪問した目的地を用いて、種々の異なる方法のうちのいずれかによって、装置のユーザにより入力可能である。
【0009】
通常、PNDは、地図データから出発地の住所の場所と目的地の住所の場所との間の「最善」又は「最適」な経路を計算することがソフトウェアにより可能になる。「最善」又は「最適」な経路は所定の基準に基づいて判定され、必ずしも最速又は最短の経路である必要はない。運転者を誘導する際に沿う経路の選択は非常に高度であり、選択された経路は、既存の交通道路情報、予測された交通道路情報、動的に及び/又は無線で受信された交通道路情報、道路速度に関する履歴情報、並びに道路選択を判定する要因に対する運転者自身の好み(例えば運転者は、経路が高速自動車道路又は有料道路を含むべきではないと指定してもよい)を考慮に入れてもよい。
【0010】
更に装置は、道路及び交通の状態を継続的に監視し、状況変化によりとられる残りの行程に対して経路を変更するように提案又は選択してもよい。種々の技術(例えば、移動電話データ交換、固定カメラ、GPSフリートトラッキング)に基づくリアルタイム交通監視システムは、交通遅滞を識別し且つ通知システムに情報を供給するために使用されている。
【0011】
この種のPNDは、通常は車両のダッシュボード又はフロントガラスに搭載されるが、車両のラジオに搭載されたコンピュータの一部又は実際は車両自体の制御システムの一部として形成されてもよい。ナビゲーション装置は、PDA(ポータブルデジタルアシスタント)、メディアプレーヤ又は移動電話等のハンドヘルドシステムの一部であってもよく、その場合、ハンドヘルドシステムの標準的な機能性は、経路の計算及び計算された経路に沿うナビゲーションの双方を実行するために装置にソフトウェアをインストールすることにより拡張される。
【0012】
経路計画/ナビゲーション機能性は、適切なソフトウェアを実行するデスクトップ又は移動演算リソースにより提供されてもよい。例えば、Royal Automobil Club(RAC)は、http://www.rac.co.ukにおいてオンライン経路計画/ナビゲーション機能を提供する。この機能により、ユーザは出発点及び目的地を入力でき、その結果、ユーザのPCが接続されるサーバは経路(この経路全般に関してはユーザが指定してもよい)を計算し、地図を生成し、選択された出発点から選択された目的地にユーザを誘導するための全ナビゲーション命令の集合を生成する。この機能は、計算された経路の疑似3次元レンダリング及び経路に沿って移動するユーザをシミュレートすることにより計算された経路のプレビューをユーザに提供する経路プレビュー機能性を更に提供する。
【0013】
PNDの場合、経路が計算されると、ユーザはナビゲーション装置と対話し、オプションとして提案された経路のリストから所望の計算された経路を選択する。オプションとして、ユーザは、例えばある特定の行程に対して特定の経路、道路、場所又は基準が回避されるべきであるか又は必須であると指定することにより、経路選択処理に介入するか又は経路選択処理を誘導してもよい。PNDの経路計算の面は1つの主要な機能を成し、そのような経路に沿うナビゲーションは別の主要な機能である。
【0014】
計算された経路に沿うナビゲーション中、そのようなPNDが、選択された経路に沿ってその経路の終点、すなわち所望の目的地にユーザを誘導するための視覚命令及び/又は可聴命令を提供することは一般的である。また、PNDがナビゲーション中に地図情報を画面上に表示することも一般的であり、そのような情報は、表示される地図情報が装置の現在地を示し、従ってユーザの現在地又は装置が車両ナビゲーションに使用されている場合はユーザの車両の現在地を示すように、画面上で定期的に更新される。
【0015】
画面上に表示されるアイコンは、通常は装置の現在地を示し、装置の現在地の近傍の現在の道路及び周辺の道路の地図情報、並びに同様に表示されている他の地図特徴と共に中央に配置される。更にナビゲーション情報は、オプションとして、表示された地図情報の上方、下方又は片側のステータスバーに表示されてもよい。ナビゲーション情報の例は、次にユーザが現在の道路からそれる必要のある地点までの距離を含み、そのそれることの特性は、例えば左折又は右折である方向転換の特定の種類を示す更なるアイコンにより示されてもよい。また、ナビゲーション機能は、経路に沿ってユーザを誘導する可聴命令の内容、継続時間及びタイミングを判定する。理解されるように、「100m先で左折」等の単純な命令は多大な処理及び解析を必要とする。上述のように、装置とのユーザ対話はタッチスクリーンにより行われてもよく、それに加えて又はその代わりに、ステアリングコラムリモコン、音声起動又は他の何らかの適切な方法により行われてもよい。
【0016】
装置により提供される更なる重要な機能は、ユーザがナビゲーション中に事前に計算された経路からそれる(誤って又は故意に)場合、別の経路がより適切であるとリアルタイムの交通状態が示し且つ装置がそのような状態を適切に自動認識できる場合、又はユーザが何らかの理由で積極的に装置に経路の再計算を実行させる場合における自動経路再計算である。
【0017】
また、ユーザが定義した基準で経路を計算できることは既知である。例えばユーザは、景色のよい経路が装置により計算されることを好むか、あるいは交通渋滞が発生する可能性が高いか、予想されるか又は現在発生しているどんな道路も回避することを希望する場合がある。その場合、装置のソフトウェアは種々の経路を計算し、例えば景色が美しい所としてタグ付けされた地点情報(POIとして知られる)を経路に沿って最も多く含む経路をより有利に重み付けするか、あるいは特定の道路で発生しやすい交通状態を示す格納された情報を使用することにより、起こる可能性のある渋滞又はそれによる遅滞のレベルに関して計算された経路を順序付けする。他のPOI及び交通情報を使用する経路計算及びナビゲーション基準も可能である。
【0018】
経路計算機能及びナビゲーション機能はPNDの全体的な有用性の基本になるものであるが、装置を単に情報表示、すなわち「フリードライビング」のために使用することが可能である。この場合、装置の現在地に関連する地図情報のみが表示され、経路は計算されず、ナビゲーションは現時点で装置により実行されない。そのような動作モードは、ユーザが移動時に沿うのが望ましい経路を既に認識しており且つナビゲーション支援を必要としない場合に適用可能であることが多い。
【0019】
上述の種類の装置、例えばTomTom International B.V.により製造及び供給される720Tモデルは、ユーザが1つの位置から別の位置へナビゲートできるようにする信頼性の高い手段を提供する。
【0020】
上述のように、一般に、ナビゲーション装置は地図データに基づいて2つ以上の場所の間の経路を計算するように構成される。経路計算処理の一部として、参照される地図データの一部は地図データの1つ以上の道路区分に関連付けられる速度情報である。速度情報に基づいて、経路は1つ以上の基準に従って判定されてもよい。通常、速度情報は、1つ以上の道路区分に関連付けられる1つ以上の特徴に従って、それらの道路区分の各々に与えられる。例えば英国において、3車線の高速自動車道路を表す道路区分は、それらの道路区分における平均移動速度が時速65マイルであることを示す関連平均速度情報を有してもよい。同様に、幹線道路を表す道路区分は時速60マイルの関連平均速度情報を有してもよい。しかし、道路区分に関連付けられる速度情報は必ずしも正確ではない。例えば、同一の関連速度情報を有する2つの道路区分は、実際は異なる平均速度を有する場合がある。更に、複数の道路区分に関連付けられる速度情報を地図データに格納するには、非常に多くの記憶空間を必要とする場合がある。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態の目的は、1つ以上の道路区分に関連付けられる速度情報の精度を向上することである。本発明のいくつかの実施形態の目的は、地図データに必要な記憶空間を減少することである。
【発明の概要】
【0022】
この目的のため、本発明の現時点で好適な一実施形態は、地図データの1つ以上の道路区分に対する速度情報を判定する方法であって、1つ以上の道路区分に関するプローブデータを受信することと、プローブデータに基づいて1つ以上の道路区分に対する速度式を判定することと、速度式に従って1つ以上の道路区分に対する速度情報を判定することとを有することを特徴とする方法を提供する。
【0023】
本発明の更に好適な一実施形態は、速度式に従って地図データの1つ以上の道路区分に対する速度情報を判定するように構成された速度判定モジュールを備えるナビゲーション装置を提供する。
【0024】
本発明の別の実施形態は、プローブデータを受信するように構成されたサーバと、速度式に従って地図データの1つ以上の道路区分に対する速度情報を判定するように構成された速度判定モジュールを備えるナビゲーション装置とを備えることを特徴とするシステムを提供する。サーバは、プローブデータに基づいて1若しくは複数の道路区分に対する速度式を判定し且つ判定された速度式をナビゲーション装置に通信するように構成され、ナビゲーション装置の速度判定モジュールは、速度式を使用して速度情報を判定するように構成される。
【0025】
本発明の更に別の実施形態は、コンピュータソフトウェアに関する。コンピュータソフトウェアは、実行環境において実行された場合にプロセッサに1つ以上の道路区分に関するプローブデータを受信させ、プローブデータに基づいて1つ以上の道路区分に対する速度式を判定させ且つ速度式に従って1つ以上の道路区分に対する速度情報を判定させるように動作可能である1つ以上のソフトウェアモジュールを含むことを特徴とする。
【0026】
上記の実施形態の利点は以下に記載され、上記の各実施形態の更なる詳細及び特徴は添付の従属請求項及び以下の詳細な説明中で定義される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、全地球測位システム(GPS)を概略的に示す図である。
【図2】図2は、ナビゲーション装置を提供するように構成された電子構成要素を概略的に示す図である。
【図3】図3は、ナビゲーション装置が無線通信チャネルを介して情報を受信する方法を概略的に示す図である。
【図4A】図4Aは、ナビゲーション装置を例示的に示す斜視図である。
【図4B】図4Bは、ナビゲーション装置を例示的に示す斜視図である。
【図5】図5は、ナビゲーション装置により採用されるソフトウェアを概略的に示す図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に係るシステムを示す図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に係る方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
添付の図面を参照して、図示される例により本発明の教示の種々の態様及びそれら教示を実現する構成を以下に説明する。
【0029】
PNDを特に参照して、本発明の好適な実施形態を以下に説明する。尚、本発明の教示はPNDに限定されず、経路計画/ナビゲーション機能性を提供するためにナビゲーションソフトウェアを実行するように構成されるどんな種類の処理装置にも普遍的に適用可能である。従って、本出願において、ナビゲーション装置は、PND、車両に内蔵されたナビゲーション装置又は実際は経路計画/ナビゲーションソフトウェアを実行する演算リソース(デスクトップ又はポータブルパーソナルコンピュータ(PC)、移動電話、あるいはポータブルデジタルアシスタント(PDA)等)として実現されるかに関わらず、どんな種類の経路計画/ナビゲーション装置も含む(それらに限定されない)ことを意図する。
【0030】
図1は、ナビゲーション装置により使用可能な全地球測位システム(GPS)の一例を示す。そのようなシステムは既知であり、種々の目的で使用される。一般に、GPSは、連続した位置、速度、時間及びいくつかの例においては無数のユーザに対する方向情報を判定できる衛星無線を使用したナビゲーションシステムである。以前はNAVSTARとして知られていたGPSは、極めて正確な軌道で地球を周回する複数の衛星を含む。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は自身の場所をいかなる数の受信ユニットにも中継できる。
【0031】
特にGPSデータを受信できる装置がGPS衛星信号に対する無線周波数の走査を開始する場合にGPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は、複数の異なる従来の方法のうちの1つを用いて、その衛星の正確な場所を判定する。殆どの例において、装置は、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置は、通常は2つの信号のみでは判定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号から判定することができる)。幾何学的三角測量を実現すると、受信機は、3つの既知の位置を利用して衛星に対する自身の2次元位置を判定する。これは既知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算により既知の方法でその3次元位置を計算できる。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
【0032】
図1に示すように、GPSシステム全体を図中符号100で示す。複数の衛星120は、地球124の周囲の軌道上にある。各衛星120の軌道は、他の衛星120の軌道と必ずしも同期せず、実際には非同期である可能性が高い。GPS受信機140は、種々の衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を受信するものとして示される。
【0033】
各衛星120から継続的に送信されたスペクトル拡散信号160は、極めて正確な原子時計を用いて達成された非常に正確な周波数標準を利用する。各衛星120は、そのデータ信号送信160の一部として、その特定の衛星120を示すデータストリームを送信する。一般に、GPS受信装置140は、GPS受信装置140に対する少なくとも3つの衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を取得し、三角測量によりその2次元位置を計算することが当業者には理解される。追加の信号を取得した結果、全部で4つの衛星120から信号160を取得することになり、それによりGPS受信装置140は、その3次元位置を既知の方法で計算できる。
【0034】
図2は、本発明の好適な一実施形態に係るナビゲーション装置200の電子構成要素をブロック構成要素の形式で例示的に示す図である。尚、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎない。
【0035】
ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に配置される。筐体は、入力装置220及び表示画面240に接続されるプロセッサ210を含む。入力装置220は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル及び/又は情報を入力するために利用される他の何らかの既知の入力装置を含むことができ、表示画面240は、例えばLCDディスプレイ等の何らかの種類の表示画面を含むことができる。特に好適な構成において、入力装置220及び表示画面240はタッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置に一体化され、それによりユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタンのうちの1つを操作するために表示画面240の一部分に触れるだけでよい。
【0036】
ナビゲーション装置は、例えば可聴出力装置(例えばスピーカ)である出力装置260を含んでもよい。出力装置260がナビゲーション装置200のユーザに対する可聴情報を生成できるため、同様に、入力装置240は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアも含むことができると理解される。
【0037】
ナビゲーション装置200において、プロセッサ210は、接続225を介して入力装置220に動作可能に接続され且つ入力装置220から入力情報を受信するように設定される。また、プロセッサ210は、情報を出力するために、出力接続245を介して表示画面240及び出力装置260の少なくとも一方に動作可能に接続される。更に、プロセッサ210は、接続235を介してメモリリソース230に動作可能に結合され、接続275を介して入出力(I/O)ポート270との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート270は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置280に接続可能である。例えばメモリリソース230は、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ及び例えばフラッシュメモリ等のデジタルメモリである不揮発性メモリを含む。外部I/O装置280は、例えばイヤホン等の外部リスニングデバイスを含んでもよいが、これに限定されない。更に、I/O装置280への接続は、例えばイヤホン又はヘッドホンへの接続のため及び/又は移動電話への接続のために例えばハンズフリー動作及び/又は音声起動動作を行うカーステレオユニット等の他の何らかの外部装置への有線接続又は無線接続であってもよい。この場合、移動電話接続は、ナビゲーション装置200とインターネット又は例えば他の何らかのネットワークとの間のデータ接続を確立するため、並びに/あるいはインターネット又は例えば他の何らかのネットワークを介するサーバへの接続を確立するために使用されてもよい。
【0038】
図2は、接続255を介するプロセッサ210とアンテナ/受信機250との間の動作可能な接続を更に示す。この場合、アンテナ/受信機250は、例えばGPSアンテナ/受信機であってもよい。図中符号250で示されるアンテナ及び受信機は図示するために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は別個に配置された構成要素であってもよく、アンテナは例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるだろう。
【0039】
更に、図2に示す電子構成要素は従来の方法で電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当業者により理解されるように、図2に示す構成要素の異なる構成は本出願の範囲に含まれると考えられる。例えば図2に示す構成要素は、有線接続及び/又は無線接続等を介して互いに通信していてもよい。従って、本出願のナビゲーション装置200の範囲は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200を含む。
【0040】
更に、図2のポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200は、例えば自転車、オートバイ、自動車又は船舶等の乗り物に既知の方法で接続されるか又は「ドッキング」される。その場合、そのようなナビゲーション装置200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションとして使用するためにドッキング場所から取外し可能である。
【0041】
次に図3を参照すると、ナビゲーション装置200は、デジタル接続(例えば既知のBluetooth(登録商標)技術を介するデジタル接続等)を確立する移動装置(不図示)(移動電話、PDA及び/又は移動電話技術を用いる何らかの装置等)を介して、サーバ302との「モバイル」ネットワーク接続又は電気通信ネットワーク接続を確立してもよい。従って、そのネットワークサービスプロバイダを介して、移動装置は、サーバ302とのネットワーク接続(例えば、インターネットを介する)を確立できる。そのため、「モバイル」ネットワーク接続は、情報に対する「リアルタイム」又は少なくとも「最新」のゲートウェイを提供するために、ナビゲーション装置200(単体で及び/又は車両に搭載されて走行するため移動装置であってもよく、多くの場合は移動装置である)とサーバ302との間に確立される。
【0042】
例えばインターネット(ワールドワイドウェブ等)を使用した移動装置(サービスプロバイダを介する)とサーバ302等の別の装置との間のネットワーク接続の確立は、既知の方法で行われる。これは、例えばTCP/IP階層プロトコルの使用を含む。移動装置は、CDMA、GSM、WAN等のいかなる数の通信規格も利用できる。
【0043】
そのため、例えば移動電話又はナビゲーション装置200内の移動電話技術を介するデータ接続を介して達成されるインターネット接続が利用されてもよい。この接続の場合、サーバ302とナビゲーション装置200との間のインターネット接続が確立される。これは、例えば、移動電話又は他の移動装置及びGPRS(汎用パケット無線サービス)接続(GPRS接続は、通信会社により提供される移動装置用高速データ接続であり、GPRSはインターネットへの接続方法である)を介して行われる。
【0044】
更に、ナビゲーション装置200は、移動装置とのデータ接続を完了し、例えば既存のBluetooth技術を介して既知の方法でインターネット及びサーバ302とのデータ接続を最終的に完了する。この場合、データプロトコルは、例えばGSM規格に対するデータプロトコル規格であるGSRM等のいかなる数の規格も利用できる。
【0045】
ナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200自体の内部にそれ自体の移動電話技術を含んでもよい(例えばアンテナを含むか、あるいはオプションとしてナビゲーション装置200の内部アンテナを使用する)。ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、上述のような内部構成要素を含むことができ且つ/又は例えば必要な移動電話技術及び/又はアンテナを備える挿入可能なカード(例えば、加入者識別モジュール、すなわちSIMカード)を含むことができる。そのため、ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、何らかの移動装置と同様の方法で、例えばインターネットを介して、ナビゲーション装置200とサーバ302との間にネットワーク接続を同様に確立できる。
【0046】
GRPS電話設定の場合、多様な移動電話の機種、製造業者等と共に正しく動作するために、Bluetooth対応のナビゲーション装置が使用されてもよく、機種/製造業者専用設定は、例えばナビゲーション装置200に格納されてもよい。この情報のために格納されたデータは更新可能である。
【0047】
図3において、ナビゲーション装置200は、多くの異なる構成のいずれかにより実現可能な汎用通信チャネル318を介してサーバ302と通信しているものとして示される。通信チャネル318を介する接続がサーバ302とナビゲーション装置200との間に確立される場合、サーバ302及びナビゲーション装置200は通信可能である(尚、そのような接続は、移動装置を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介する直接接続等である)。
【0048】
サーバ302は、図示しない他の構成要素に加えて、メモリ306に動作可能に接続され且つ有線又は無線接続314を介して大容量データ記憶装置312に動作可能に更に接続されるプロセッサ304を含む。プロセッサ304は、通信チャネル318を介してナビゲーション装置200との間で情報を送信及び送出するために、送信機308及び受信機310に動作可能に更に接続される。送受信される信号は、データ信号、通信信号及び/又は他の伝搬信号を含んでもよい。送信機308及び受信機310は、ナビゲーションシステム200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計されてもよい。尚、送信機308及び受信機310の機能は1つの信号送受信機に組み合わされてもよい。
【0049】
サーバ302は、大容量記憶装置312に更に接続される(又は大容量記憶装置312を含む)。尚、大容量記憶装置312は、通信リンク314を介してサーバ302に結合されてもよい。大容量記憶装置312は、大量のナビゲーションデータ及び地図情報を含む。また、大容量記憶装置312は、サーバ302とは別個の装置であってもよく又はサーバ302に組み込まれてもよい。
【0050】
ナビゲーション装置200は、通信チャネル318を介してサーバ302と通信するように構成され、図2に関して上述したように、プロセッサ、メモリ等を含み、通信チャネル318を介して信号及び/又はデータを送出する送信機320及び受信する受信機322を更に含む。尚、これらの装置はサーバ302以外の装置と通信するために更に使用可能である。更に、送信機320及び受信機322はナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機320及び受信機322の機能は単一の送受信機に組み合わされてもよい。
【0051】
サーバメモリ306に格納されたソフトウェアは、プロセッサ304に命令を提供し、サーバ302がナビゲーション装置200にサービスを提供できるようにする。サーバ302により提供される1つのサービスは、ナビゲーション装置200からの要求の処理及び大容量データ記憶装置312からナビゲーション装置200へのナビゲーションデータの送信を含む。サーバ302により提供される別のサービスは、所望のアプリケーションに対する種々のアルゴリズムを使用したナビゲーションデータの処理及びナビゲーション装置200へのこれらの計算の結果の送出を含む。
【0052】
一般に、通信チャネル318は、ナビゲーション装置200とサーバ302とを接続する伝搬媒体又はパスを表す。サーバ302及びナビゲーション装置200の双方は、通信チャネルを介してデータを送信する送信機及び通信チャネルを介して送信されたデータを受信する受信機を含む。
【0053】
通信チャネル318は特定の通信技術に限定されない。更に、通信チャネル318は単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル318は、種々の技術を使用する複数の通信リンクを含んでもよい。例えば通信チャネル318は、電気通信、光通信及び/又は電磁通信等のためのパスを提供するように構成可能である。そのため、通信チャネル318は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、変換器、無線周波数(RF)波、大気、空所等のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に、通信チャネル318は、例えば、ルータ、リピータ、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含むことができる。
【0054】
1つの例示的な構成において、通信チャネル318は電話及びコンピュータネットワークを含む。更に、通信チャネル318は、無線周波数、マイクロ波周波数、赤外線通信等の無線通信に対応できてもよい。更に、通信チャネル318は衛星通信に対応できる。
【0055】
通信チャネル318を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされるか又は望まれる信号を含むが、それらに限定されない。例えば、信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、汎ヨーロッパデジタル移動通信システム(GSM)等のセルラ通信技術において使用されるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル318を介して送信可能である。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号及び/又は圧縮信号であってもよい。
【0056】
サーバ302は、無線チャネルを介してナビゲーション装置200によりアクセス可能なリモートサーバを含む。サーバ302は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に配置されるネットワークサーバを含んでもよい。
【0057】
サーバ302は、デスクトップ又はラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル318は、パーソナルコンピュータとナビゲーション装置200との間に接続されたケーブルであってもよい。あるいは、パーソナルコンピュータは、ナビゲーション装置200とサーバ302との間に接続されて、サーバ302とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立してもよい。あるいは、インターネットを介してサーバ302にナビゲーション装置200を接続するために、移動電話又は他のハンドヘルド装置はインターネットへの無線接続を確立してもよい。
【0058】
ナビゲーション装置200は、情報ダウンロードを介してサーバ302から情報を受信してもよい。情報は、自動的に又はユーザがサーバ302にナビゲーション装置200を接続する際に定期的に更新されてもよく、並びに/あるいは例えば無線移動接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ302とナビゲーション装置200との間により継続して又は頻繁に接続が確立される際に更に動的に更新されてもよい。多くの動的計算のため、サーバ302内のプロセッサ304が大量の処理要求を処理するために使用されてもよい。しかし、ナビゲーション装置200のプロセッサ210も同様に、多くの場合はサーバ302への接続に関係なく、多くの処理及び計算を処理できる。
【0059】
図2において上述したように、ナビゲーション装置200は、プロセッサ210、入力装置220及び表示画面240を含む。入力装置220及び表示画面240は、例えば情報の入力(直接入力、メニュー選択等を介する)及びタッチパネル画面を介する情報の表示の双方を可能にするため、一体型入力表示装置に一体化される。当業者には周知であるように、そのような画面は例えば接触入力LCD画面であってもよい。更にナビゲーション装置200は、例えば音声入力/出力装置等の何らかの追加の入力装置220及び/又は何らかの追加の出力装置241も含むことができる。
【0060】
図4A及び図4Bは、ナビゲーション装置200を示す斜視図である。図4Aに示すように、ナビゲーション装置200は、一体型入力表示装置290(例えば、タッチパネル画面)及び図2の他の構成要素(内部GPS受信機250、マイクロプロセッサ210、電源、メモリシステム230等を含むが、それらに限定されない)を含むユニットであってもよい。
【0061】
ナビゲーション装置200はアーム292上に位置してもよく、アーム292自体は、吸引カップ294を使用して車両のダッシュボード/窓等に固定されてもよい。このアーム292は、ナビゲーション装置200がドッキング可能なドッキングステーションの一例である。
【0062】
図4Bに示すように、ナビゲーション装置200は、例えばアーム292にナビゲーション装置292を嵌合接続することにより、ドッキングステーションのアーム292にドッキングされるか又は接続される。この場合、ナビゲーション装置200は、図4Bの矢印で示すようにアーム292上で回動可能であってもよい。ナビゲーション装置200とドッキングステーションとの間の接続を解除するには、例えばナビゲーション装置200上のボタンが押下されてもよい。ナビゲーション装置とドッキングステーションとを接続及び分離する他の同様に適切な構成は当業者には既知である。
【0063】
次に添付の図面の図5を参照すると、メモリリソース230は、機能ハードウェア構成要素460により実行するオペレーティングシステム470をメモリリソース230からロードするためにプロセッサ210により実行されるブートローダプログラム(不図示)を格納する。オペレーティングシステム470は、アプリケーションソフトウェア480が実行可能な環境を提供する。オペレーティングシステム470は機能ハードウェア構成要素460を制御し、アプリケーションソフトウェア480と機能ハードウェア構成要素460との間に常駐する。アプリケーションソフトウェア480は、例えば地図の閲覧、経路計画、ナビゲーション機能及びそれに関連する他の何らかの機能であるナビゲーション装置200の主要機能をサポートするGUIを含む操作環境を提供する。
【0064】
本発明の第1の実施形態に従って、この機能性の一部は速度判定(SD)モジュール490を含む。以下の図面と関連して、この機能を以下に詳細に説明する。
【0065】
本発明の第1の実施形態において、速度判定モジュール490は、地図データの少なくとも1つの道路区分に関連付けられる速度情報を判定するように構成される。速度情報は、道路区分に関連付けられる1つ以上の属性に従ってSDモジュール490により判定される。速度判定モジュール490は、独立変数として道路区分の属性を使用する式を用いて道路区分に対する速度情報を判定するように構成される。式により判定される速度情報は、道路区分の平均速度、すなわち、車両が道路区分を走行する予想平均速度であってもよい。本発明の第1の実施形態を以下に更に詳細に説明する。
【0066】
図6を参照すると、本発明の一実施形態に係るシステム500が示される。システムは、ナビゲーション装置520と少なくとも定期的に通信するサーバ510を備える。サーバ510は、1つ以上の供給元からプローブデータを受信するように構成される。プローブデータ530は、1つ以上のマッピング車両(不図示)から受信されてもよい。マッピング車両は、通常は受信したGPS信号から導出され、道路網を移動して道路網に関する情報を取り込み且つ格納するように構成される種々のセンサ及び場所判定機器を搭載した車両である。通常、マッピング車両は、例えば25m毎である道路網の所定の間隔で場所情報を格納するが、他の距離又は時間間隔が選択されてもよいことは理解されるだろう。更に、道路網におけるマッピング車両の移動速度が判定されるように、場所情報に関連付けられる時間情報が更に格納されてもよい。マッピング車両は、道路の標示、標識及び他の情報の判定に使用されてもよい道路網の動画及び/又は静止画等の他の情報を更に格納してもよい。その代わりに又はそれに加えて、プローブデータ530は、道路網を走行する1つ以上のナビゲーション装置200、すなわち、前述のように「フリードライビング」中であるか又はユーザに経路案内を提供している1つ以上のナビゲーション装置200から受信されてもよい。そのようなナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200により行われた行程を示す行程情報の形態でプローブデータ530を通信前に少なくとも一時的に格納するか又は通信してもよい。道路区分に沿うナビゲーション装置200の速度がプローブデータ530から判定されてもよいように、プローブデータ530は所定の時間間隔でナビゲーション装置200の場所情報を含んでもよく、あるいは所定の距離情報でナビゲーション装置200の場所及び関連する時間情報を含んでもよい。プローブデータ530は1つ以上のマッピング車両及びナビゲーション装置からのデータ、並びに1つ以上の追加の供給元からのデータの組み合わせを含んでもよいことが理解されるだろう。
【0067】
サーバ510は、速度式判定(SFD)モジュール540を含む。SFDモジュール540は、受信したプローブデータ530から1つ以上の道路区分に対する速度式を動作可能に判定するように構成される。判定された速度式により、道路区分に関連付けられる属性から道路区分における移動速度を判定できる。理想的には、地図データの道路区分に関連付けられる速度情報の量を削減することにより地図データに必要なデータ記憶容量を減少するため、SFDモジュール540により判定された速度式は地図データの複数の道路区分に適用可能である。すなわち、速度式は、地図データに必要なデータ記憶容量が減少するように、複数の道路区分に対する速度情報の判定に適用可能である。いくつかの実施形態において、速度式550により判定される速度情報は、各道路区分に沿う平均移動速度である。
【0068】
いくつかの実施形態において、SFDモジュール540は以下の形式の多項式を使用して、複数の道路区分に沿う平均速度を判定するように構成される:
AvgSpeed=a+b+b+...b
式中、aは定数であり、b〜bは重み係数であり、x〜xは道路区分に関連付けられる独立変数である。例えば、xは道路区分の車線数を表してもよく、xは道路区分の分類を表してもよい。
【0069】
図7は、SFDモジュール540により実行される方法700を示す。
【0070】
ステップ610において、上述のようにプローブデータ530が受信される。
【0071】
ステップ620において、速度式がSFDモジュール540により判定される1つ以上の道路区分が選択される。プローブデータ530が受信された全ての道路区分に対して速度式が判定される場合、ステップ620は省略されてもよい。しかし、いくつかの実施形態において、速度式は、プローブデータが取得されたいくつかの選択された道路区分のみに対して判定されてもよい。
【0072】
ステップ630において、選択された各道路区分に対する平均速度がSFDモジュール540により判定される。プローブデータ530が各道路区分の平均速度を既に含む実施形態において、ステップ630は省略されてもよい。しかし、いくつかの実施形態において、選択された各道路区分の平均速度はプローブデータ530から取得される必要がある。例えば、プローブデータが所定の時間間隔で一連の連続した場所測定値を含む場合、SFDモジュール540は、選択された道路区分の各道路区分に対するプローブデータを提供する全車両の平均速度を判定する。
【0073】
ステップ640において、SFDモジュール540は選択された道路区分に関連付けられる独立変数を判定するように構成される。いくつかの実施形態において、独立変数は全ての道路区分に関連付けられる変数である。例えば、選択された道路区分の1つ以上が特定の関連変数を有するが他の選択された道路区分がその変数を共有しない場合、その変数はステップ640において考慮されない。640の結果、選択された道路区分の全てにより共有される複数の独立変数が判定される。独立変数は、道路区分の車線数を示す変数、道路区分に沿う舗道の種類(存在する場合)を示す変数、道路区分の分類、すなわち道路の種類を示す変数、道路区分が出入経路、すなわち入口及び出口を有するか(主要幹線道路又は高速自動車道路の区分等のいくつかの区分は入口を有さない場合があり、すなわち、区分は入口ランプ又は出入道路の入口/出口まで延在しない場合がある)を示す変数、道路区分の通行を許可される車両の種類を示す変数、道路区分が位置する管理領域、例えば道路区分が位置する州(例えば、Arizonaにおける最高速度はMassachusettsより時速10マイル速い)を示す変数、並びに道路区分が農村部又は都市部を通過するかを示す変数を含んでもよい。道路区分に関連付けられる変数の上記のリストは全ての変数を含むものではなく、他の変数又は代替の変数が考慮されてもよいことは理解されるだろう。ステップ640において、変数が実際に互いに独立するかを考慮する必要がある。例えばいくつかの地図データベースにおいて、複数の道路分類の種類は同様の特徴を有する道路区分をグループ化するために利用される。これらの道路分類は、各道路区分の種々の要素又は特徴を考慮してもよい。しかし、各グループの道路区分の特徴は一部重複する場合があるため、分類は実際は独立していない。
【0074】
ステップ650において、道路区分に対する速度式がステップ640で選択された変数に従って判定される。ステップ650において、速度式を判定するために重回帰分析が利用されてもよい。ステップ640で判定された独立変数の複数の異なる組み合わせが使用されてもよく、ステップ630で判定された平均速度との誤差が最小である速度式を判定するために各組み合わせの残差分散が比較される。ステップ650は、ステップ640で選択された変数の一部又は全てを更に選択し且つ速度式が基づく式にそれらの変数を適用することにより実行されてもよい。式は、以下の形式であってもよい:
AvgSpeed=a+b+b+...b
ステップ650の第1の反復において、640で選択された変数の全てが最小の残差分散又は決定係数値を提供すると判定された式、並びにa及びb〜bの値に組み込まれてもよい。ステップ650の1つ以上の更なる反復において、ステップ640で選択された変数の全てを組み込んだ式より小さい残差分散又は決定係数値を有する式が見つけられるかを判定するため、変数の1つ以上が式から省略されてもよい。ステップ650の結果、ステップ640で選択された独立変数の一部又は全て、並びに最小の残差分散又は決定係数値を生じると判定されたa及びb〜bを含む平均速度式が判定される。他の実施形態において、選択された変数に基づく速度式を判定するため、ステップ650はクラスタ分析、非線形回帰又は多変量統計モデルの使用を利用してもよい。
【0075】
ステップ660において、ステップ650で判定された速度式の項のうち速度式の精度に及ぼす影響が相対的に低い多くの項を省略できるかを判定するため、1つ以上の更なる技術が利用されてもよい。例えば、速度式の精度の低下が所定量より少ない項bが削除されてもよい場合、ステップ670において、この項は速度式から削除又は除去される。所定量は、例えばステップ630で判定された平均速度から時速0.5km、1km又は2kmの差分であってもよいが、他の値が選択されてもよいことは理解されるだろう。速度式から除去される項は、主成分分析の結果として判定されてもよい。
【0076】
方法600の結果、複数の道路区分に関連付けられる属性からそれらの道路区分の平均速度を判定できる速度式が判定される。
【0077】
速度式550の判定後、これは図6に示すように1つ以上のナビゲーション装置に通信されてもよい。速度式550は、ナビゲーション装置520に無線通信されてもよく、あるいはナビゲーション装置520が例えばインターネットを介してサーバ510と通信状態にあるホストコンピュータに接続される間に通信されてもよい。いくつかの実施形態において、速度式550は、平均速度を判定するためにこの速度式が使用されてもよい道路区分を識別する情報に関連付けられてもよい。ナビゲーション装置520は、平均速度を判定するために各速度式が使用されてもよい道路区分の各指標と共に、2つ以上の速度式550をサーバ510から受信してもよい。これは、より多くの道路区分に適用される1つの式の精度が低下する場合に平均速度計算の精度が向上すると同時に地図データに必要なデータ記憶容量が減少するという利点を有する。
【0078】
1つ以上の速度式がナビゲーション装置520により受信されると、SDモジュール490は、道路区分を走行する平均速度を判定するために当該道路区分に対する速度式を利用してもよい。平均速度は、必要に応じて例えば経路計算中に判定されてもよい。従って、ナビゲーション装置520のメモリ230に格納される地図データのサイズは縮小されてもよい。
【0079】
本発明の他の実施形態において、サーバ510により判定された1つ以上の速度式は地図データプロバイダ(不図示)に通信される。地図データプロバイダは、1つ以上の速度式を使用して地図データの1つ以上の道路区分の平均速度を判定し、平均速度は1つ以上のナビゲーション装置200に後で通信される。例えば、速度式のうちの1つを使用して判定された関連平均速度を有する道路区分を含む地図データは、新規のナビゲーション装置200に組み込まれるか、あるいは更新地図データとして既存のナビゲーション装置に提供される。これらの実施形態において、地図データに必要なデータ記憶容量は減少されないが、速度式を使用して判定された地図データの平均速度は、受信したプローブデータに基づくため、精度が向上する。
【0080】
他の実施形態において、1つ以上の速度式は、ナビゲーション装置520からの要求時に道路区分に対する平均速度を判定するためにサーバ510により利用されてもよい。例えば、ある特定の道路区分に対する速度情報を要求するナビゲーション装置520は、サーバ510にメッセージを通信してもよい。メッセージの受信に応答して、サーバ510は識別された道路区分に適用可能な速度式を使用して、当該道路区分に対する計算された平均速度を示す応答メッセージをナビゲーション装置520に返す。
【0081】
道路区分に対する速度情報を計算できる式が判定されてもよく且つ速度式がプローブデータから判定される構成を本発明の教示が提供することは前述より明らかである。このように、道路区分に対する速度情報の精度は向上されてもよい。いくつかの実施形態において、本発明の一実施形態により判定された少なくとも1つの速度式は、ナビゲーション装置に格納された地図データの1つ以上の道路区分に対する速度情報を判定するためにナビゲーション装置のプロセッサが使用するため、ナビゲーション装置に格納される。地図データに必要な記憶容量は減少されるという利点を有する。速度情報は、1つ以上の道路区分の平均速度であってもよい。
【0082】
以上、本発明の種々の態様及び実施形態を説明したが、本発明の範囲は本明細書に記載される特定の構成に限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれる全ての構成、並びにそれらに対する変更及び変形を含むように拡張されることが理解されるだろう。
【0083】
例えば、前述の詳細な説明中で説明した実施形態はGPSを参照するが、ナビゲーション装置は、GPSの代わりに(又は実際はGPSに追加して)どんな種類の位置検知技術を利用してもよい。例えば、ナビゲーション装置は、欧州のGalileoシステム等の他のグローバルナビゲーション衛星システムを利用してもよい。同様に、ナビゲーション装置は衛星の使用に限定されず、地上ビーコン又は装置が地理的場所を判定できるようにする他のどんな種類のシステムを使用しても容易に機能できる。
【0084】
好適な実施形態はある特定の機能性をソフトウェアにより実現するが、その機能性はハードウェアにおいて(例えば、1つ以上のASIC(特定用途向け集積回路)により)単独で実現されてもよく、あるいは実際はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現されてもよいことが当業者には理解されるだろう。そのため、本発明の範囲は、ソフトウェアで実現されることのみに限定されると解釈されるべきではない。
【0085】
最後に、添付の特許請求の範囲は本明細書中で説明した特徴の特定の組み合わせを記載するが、本発明の範囲は、以下に特許請求される特定の組み合わせに限定されるのではなく、特定の組み合わせが添付の特許請求の範囲に特に記載されているか否かに関わらず、本明細書中で開示された特徴又は実施形態のどんな組み合わせも含むように拡張される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データの1つ以上の道路区分に対する速度情報を判定する方法であって、
前記1つ以上の道路区分に関するプローブデータ(530)を受信すること(610)を有し、
前記方法は、
前記プローブデータ(530)に基づいて前記1つ以上の道路区分に対する速度式(550)を判定すること(650)と、
前記速度式(530)に従って前記1つ以上の道路区分に対する前記速度情報を判定することと
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記プローブデータ(530)から、それぞれの道路区分について、平均速度を判定すること(630)を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記速度式(550)は、回帰分析により判定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記速度式(550)の判定で使用するための前記道路区分に関連づけられている1以上の独立変数を選択すること(640)を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
1以上のナビゲーション装置(520)に対して前記速度式(550)を通信することを有し、前記速度情報の判定は、前記ナビゲーション装置(520)のプロセッサにより実行されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記速度情報の精度を所定量より多く下げることなく、何れかの項が前記速度式(550)から削除されるのか否かを判定すること(660)を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記プローブデータ(530)は、位置計測値の列を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
ナビゲーション装置(520)であって、
速度式(550)に従って、地図データ内の1つ以上の道路区分について、速度情報を判定するように構成されている速度判定モジュール(490)を有することを特徴とするナビゲーション装置(520)。
【請求項9】
前記速度判定モジュール(490)は、前記速度式(550)を用いて前記速度情報を判定し且つ前記1つ以上の道路区分に関連づけられている属性を判定するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記速度式(550)は、多項式及び前記1つ以上の道路区分に関連づけられている属性を含む前記多項式の1つ以上の項、であることを特徴とする請求項8又は9に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
サーバ(510)から、1つ以上の速度式を受信するための通信手段を有することを特徴とする請求項8乃至10の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
システムであって、
プローブデータ(530)を受信するように構成されているサーバ(510)を有し、
前記システムは、
請求項8乃至11の何れか1項に記載のナビゲーション装置(520)を有し、
前記サーバ(510)は、前記プローブデータ(530)に基づいて1つ若しくは道路区分に対する速度式を判定し且つ前記ナビゲーション装置(520)に対して前記判定された速度式(550)を通信するように構成されており、
前記ナビゲーション装置(520)の前記速度判定モジュール(490)は、前記速度式(550)を用いて前記速度情報を判定するように構成されている
ことを特徴とするシステム。
【請求項13】
前記サーバ(510)は、1つ以上のナビゲーション装置及び/又はマッピング車両から前記プローブデータ(530)を受信するように構成されていることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記サーバ(510)は、前記プローブデータ(530)に従って前記1つ以上の道路区分を走向する平均速度に基づいて、前記速度式(550)を判定するように構成されていることを特徴とする請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の前記方法を、コンピュータによる実行時に、実行するコンピュータ読み取り可能なコードを有することを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−526307(P2012−526307A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508461(P2012−508461)
【出願日】平成21年12月31日(2009.12.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/069889
【国際公開番号】WO2010/129000
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(507388889)テレ アトラス ノース アメリカ インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】