説明

ナビゲーション装置

【課題】装置内にフォントデータを格納していない文字フォントであっても、ディスプレイなどの表示画面に地図表示することができるナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】入力部1より入力された表示言語を選択する表示言語選択部2と、表示言語選択部2で選択した表示言語に対応するフォントデータの取得要求を外部のフォントデータベース29に送信するフォントデータ要求送信部3と、外部のフォントデータベース29から取得したフォントデータを受信するフォントデータ受信部6と、受信したフォントデータを記憶するフォントデータ記憶部8と、現在位置を検出する位置検出部20と、地図データベース14と、表示情報を作成する表示情報作成部16とを備え、フォントデータ記憶部8に格納していないフォントデータを外部のフォントデータベース29から取得して、使用者が希望する表示言語で表示部22に地図表示ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図表示に必要な文字フォントデータを外部から入手するナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にナビゲーション装置は、複数のGPS衛星からの電波を受信するGPS受信機や、方位センサ、車速センサなどからなる自律航法センサなどにより自車の現在位置を測位し、ディスプレイなどの表示画面に自車の現在位置や現在位置周辺の地図を表示するようになっている。ディスプレイなどの表示画面に表示される地図は、大容量のデータを記憶する記憶装置や記憶媒体より読み出されたものであり、道路情報や通行規制などの交通情報および代表的な建物や施設などの地点情報が一般的に含まれている。
【0003】
従来のナビゲーション装置には、現在地から使用者が希望する目的地までの誘導経路を作成し、交差点などの拡大表示や案内音声を出力することにより使用者を目的地まで誘導する経路誘導機能が搭載されている。
【0004】
この場合、ディスプレイなどの表示画面に表示される地図の文字フォントは、ナビゲーション装置内の記憶手段に格納されている漢字フォントや片仮名フォントおよびアルファベットフォントから、使用者が希望する文字フォントを選択していずれかを表示していた(例えば,特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−16075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のナビゲーション装置では、装置内に格納されているフォントデータの種類はワープロなどで使用されているフォントデータほども多くなく、また他国や他地域のフォントデータも含まれておらず、したがってこれらのナビゲーション装置にフォントデータを格納していない文字フォントは、ディスプレイなどの表示画面に表示される地図にその文字フォントを表示することができないという問題があった。
【0006】
これを解決するためには、ほとんどの種類のフォントデータや、ナビゲーション装置が使用される全ての国や地域の言語のフォントデータをナビゲーション装置内に格納する必要があるが、そのためには膨大な容量のフォント用メモリが必要となり現実的には極めて困難であるという課題を有していた。
【0007】
本発明は、従来の課題を解決するためになされたもので、ほとんどの種類のフォントデータやナビゲーション装置が使用される国や地域の言語または使用者の理解できる言語に応じたフォントデータをナビゲーション装置内に格納していない場合は、外部から必要なフォントデータを入手し、入手したフォントデータを使用してディスプレイなどの表示画面に表示される地図に文字フォントを表示することができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のナビゲーション装置は、表示面に表示する所望のフォント情報を入力する入力手段と、前記入力手段で入力した前記フォント情報に関するフォントデータの取得要求を外部のフォントデータ供給手段に送信するフォントデータ要求送信手段と、前記外部のフォントデータ供給手段から送信される前記取得要求した前記フォントデータを受信するフ
ォントデータ受信手段と、前記受信したフォントデータを記憶するフォントデータ記憶手段とを備えた構成を有している。
【0009】
この構成により、使用者が入力手段で入力した、表示面に表示する所望のフォント情報に関するフォントデータを外部のフォントデータ供給手段からナビゲーション装置内に取得して、取得した文字フォントを使用してディスプレイなどの表示画面に表示される地図内の地名や道路名および代表的な建物や施設などの名称を表示することができる。
【0010】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記入力手段が、前記表示面に表示したい表示言語を選択する表示言語選択手段を有し、前記フォントデータ要求送信手段が、前記表示言語選択手段で選択された表示言語に対応するフォントデータの取得要求を外部のフォントデータ供給手段に送信する構成を有している。
【0011】
この構成により、使用者が選択した表示言語に対応した文字フォントを外部のフォントデータ供給手段からナビゲーション装置内に取得して、取得した文字フォントを使用してディスプレイなどの表示画面に表示される地図内の地名や道路名および代表的な建物や施設などの名称を表示することができる。
【0012】
また、本発明のナビゲーション装置は、フォントデータ要求送信手段は、地図表示を行なうのに必要なフォントデータがフォントデータ記憶手段に格納されていない場合に、必要なフォントデータの取得要求を行なう構成を有している。
【0013】
この構成により、使用頻度の低い文字や新規に追加された文字など特定文字のフォントデータがナビゲーション装置内に格納されていない場合は、特定文字のフォントデータを外部のフォントデータ供給手段からナビゲーション装置内に取得して、取得した文字フォントを使用してディスプレイなどの表示画面に表示される地図内の地名や道路名および代表的な建物や施設などの名称を表示することができる。
【0014】
さらに、本発明のナビゲーション装置は、現在位置を検出する位置検出手段を備え、表示言語選択手段は位置検出手段で検出した現在位置の情報に基づいて表示言語を選択する構成を有している。
【0015】
この構成により、ナビゲーション装置を搭載した車両の現在位置が属する国や地域で使用される言語を自動的に選択して、その言語に対応したフォントデータを外部のフォントデータ供給手段からナビゲーション装置内に取得して、取得した文字フォントを使用してディスプレイなどの表示画面に表示される地図内の地名や道路名および代表的な建物や施設などの名称を表示することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のナビゲーション装置は、表示面に表示する所望のフォント情報を入力する入力手段と、前記入力手段で入力した前記フォント情報に関するフォントデータの取得要求を外部のフォントデータ供給手段に送信するフォントデータ要求送信手段と、前記外部のフォントデータ供給手段から送信される前記取得要求した前記フォントデータを受信するフォントデータ受信手段と、前記受信したフォントデータを記憶するフォントデータ記憶手段とを備えたことにより、ナビゲーション装置内に多数の文字フォントを格納するための膨大な容量のフォントメモリを必要とせず、装置の小型化および低廉化に貢献できる。
【0017】
また、ナビゲーション装置内に格納されていない特定文字フォントなども外部のフォントデータ供給手段から入手することにより、ディスプレイなどの表示画面に表示される地図内の地名や道路名および代表的な建物や施設などの名称を選択した言語で表示すること
が可能なナビゲーション装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態のナビゲーション装置について、図面を用いて説明する。
【0019】
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態のナビゲーション装置を図1および図2に示す。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の機能を示すブロック図である。
【0021】
図1において、まず本実施の形態のナビゲーション装置は、フォントデータ記憶部8に格納していない表示言語であって、使用したいフォント情報としての表示言語をリモコンやタッチパネルなどにより入力する入力部1と、入力部1で入力された表示言語を選択する表示言語選択部2と、表示言語選択部2で選択した表示言語に対応するフォントデータを外部に対して取得要求を行なうフォントデータ要求送信部3と、フォントデータ要求送信部3からの要求信号を受けて外部のフォントサーバからフォントデータを取得するよう制御する通信制御部4と、外部のフォントサーバとフォントデータの取得要求通信を行なう通信部5とを備えている。
【0022】
さらに、本実施の形態のナビゲーション装置は、通信部5および通信制御部4を介して外部のフォントサーバから取得したフォントデータの受信処理を行なうフォントデータ受信部6と、取得したフォントデータをフォントデータ記憶部8に保存するための処理を行なうフォントデータ保存部7と、取得したフォントデータを記憶するフォントデータ記憶部8と、フォントデータ記憶部8に記憶されているフォントデータを読み出すフォントデータ読出部9とを備えている。
【0023】
さらにまた、本実施の形態のナビゲーション装置は、英語用名称データ10、日本語用名称データ11、中国語用名称データ12、韓国語用名称データ13など複数の名称データを格納している地図情報データベース14と、表示言語選択部2で選択した表示言語に対応するひとつの名称データを地図情報データベース14から読み出す地図情報読出部15と、GPSアンテナ17を介して複数のGPS衛星からの電波を受信するGPS受信部18と、方位センサや車速センサや自律航法センサなどからなる自律航法センサ部19と、GPS受信部18および自立航法センサ部19からのデータに基づいて現在位置を測位する位置検出部20とを備えている。
【0024】
さらにまた、本実施の形態のナビゲーション装置は、フォントデータ読出部9によって読み出されたフォントデータと、地図情報読出部15で読み出された名称データと、位置検出部20で検出された現在位置情報に基づいて、読み出されたフォントデータで地図情報を作成する表示情報作成部16と、表示情報作成部16で作成されたデータをディスプレイなどの表示部22に表示するための制御を行なう表示制御部21とを備えている。
【0025】
なお、本実施の形態では、GPS受信部18と自律航法センサ部19の両方を備えているが、いずれか一方だけを備えていても良い。
【0026】
図2は、本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置との間でフォントデータの通信を行なうフォントサーバの機能を示すブロック図である。
【0027】
図2において、本実施の形態のフォントサーバは、図1に示すナビゲーション装置との間でデータの送受信を行なう通信部25と、通信部25を制御する通信制御部26と、フ
ォントデータ要求を受信処理するフォントデータ要求受信部27と、要求されたフォントデータをフォントデータベース29より読み出すフォントデータ読出部28と、フォントデータ読出部28で読み出したフォントデータを通信制御部26に送るフォントデータ送信部34とで構成されており、フォントデータベース29には英語用フォントデータ30、日本語用フォントデータ31、中国語用フォントデータ32、韓国語用フォントデータ33など言語の異なる複数のフォントデータが格納されている。
【0028】
以上のように構成されたナビゲーション装置について、図3を用いてその動作を説明する。
【0029】
図3は本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置のフォントデータ取得の動作を示すフローチャートである。
【0030】
まず、使用者は希望する表示言語をリモコンやタッチパネルなどの入力部1より入力して表示言語を指定し、表示言語選択部2により表示言語を選択する(S301)。選択された表示言語を取得するためにフォントデータ要求送信部3は、選択された表示言語に対応するフォントデータ取得要求の送信を通信制御部4に指示する(S302)。通信制御部4は、通信部5の通信動作を制御して外部のフォントサーバにフォントデータ要求を送信する(S303)。
【0031】
次に、外部のフォントサーバは、ナビゲーション装置からのフォントデータ要求を通信部25を介して通信制御部26が受信すると(S304)、フォントデータ要求受信部27にフォントデータ要求を送る(S305)。フォントデータ要求受信部27はフォントデータ要求を受信すると、フォントデータ読出部28に、フォントデータベース29より要求されたフォントデータに対応したフォントデータを読み出すように要求する(S306)。
【0032】
ここでフォントデータベース29は英語用フォントデータ30、日本語用フォントデータ31、中国語用フォントデータ32、韓国語用フォントデータ33など言語の異なる複数のフォントデータを備えており、フォントデータ読出部28は要求されたフォントデータを読み出す(S307)。
【0033】
フォントデータ読出部28は要求されたフォントデータの読み出しが終了すると、要求されたフォントデータの送信をフォントデータ送信部34に要求し(S308)、フォントデータ送信部34は通信制御部26にフォントデータの送信を指示し、通信部25よりフォントデータ要求のあったナビゲーション装置にフォントデータを送信する(S309)。
【0034】
次に、ナビゲーション装置側の通信制御部4は、通信部5の通信動作を制御して外部のフォントサーバから要求したフォントデータを受信し(S310)、受信したフォントデータをフォントデータ受信部6に送る。
【0035】
フォントデータ受信部6は要求したフォントデータを受信すると、フォントデータ保存部7に受信したフォントデータを送り、フォントデータ保存部7はフォントデータ記憶部8にフォントデータを記憶し(S311)、フォントデータ取得の動作を終了する。
【0036】
次に、ナビゲーション装置の表示部に地図表示を行なう名称データの表示動作について図4を用いて説明する。
【0037】
図4は、本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の名称データ表示動作を示
すフローチャートである。
【0038】
図4において、まず、位置検出部20は、GPS受信部18と自律航法センサ部19からのデータに基づいて現在位置を検出し(S401)、検出した現在位置情報に基づいて表示情報作成部16に位置情報を送る。
【0039】
表示情報作成部16は、位置検出部20から得られた車両の位置情報に基づいて地図情報読出部15に該当する地図情報の読み出しを要求する(S402)。地図情報読出部15は、英語用名称データ10、日本語用名称データ11、中国語用名称データ12、韓国語用名称データ13など複数の名称データを備えている地図情報データベース14から表示言語選択部2で選択された表示言語に対応する名称データを読み出す(S403)。
【0040】
次に、表示情報作成部16は、フォントデータ読出部9に選択されたフォントデータの読み出しを要求し、フォントデータ読出部9はフォントデータ記憶部8に記憶されているフォントデータを読み出す(S404)。
【0041】
表示情報作成部16は、フォントデータ読出部9によって読み出されたフォントデータによって、S403で読み出された名称データを地図情報として表示できるように地図の表示情報を作成する(S405)。
【0042】
表示情報作成部16は、表示制御部21に対して表示を要求し、作成した表示情報に基づいて表示制御部21は表示部22に、選択した表示言語で表示された地図情報を表示する(S406)。
【0043】
以上のように、本実施の形態1では、使用者がフォントデータ記憶部8内に格納されていない表示言語を選択し、選択された言語に対応した文字フォントを外部のフォントサーバからナビゲーション装置内に取得して、その文字フォントを使用してディスプレイなどの表示画面に表示される地図内の地名や道路名および代表的な建物や施設などの名称を選択した言語で表示できる。
【0044】
したがって、ナビゲーション装置内に多数の文字フォントを格納するための膨大な容量のフォントメモリを有する必要はない。
【0045】
なお、本実施の形態では、フォントデータ記憶部に格納されていない表示言語を選択することについて説明したが、フォントデータ記憶部内に格納されている表示言語を選択しても本発明は適用できる。
【0046】
また、受信したフォントデータを記憶するフォントデータ記憶部8は、カードメモリのような取り外し可能な記憶手段でも本発明は適用できる。
【0047】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置の機能を示すブロック図、図6は同実施の形態の動作を示すフローチャートであって、図1、図3と同一の構成要素には同一番号を付し、説明は省略する。
【0048】
本実施の形態のナビゲーション装置は、図1に示す実施の形態1のナビゲーション装置の構成に加えて、図5に示すように、表示言語選択部2で選択された表示言語で表示しようとした文字のフォントデータがフォントデータ記憶部8に存在するか否かを判定するフォントデータ判定部51を備えている。
【0049】
すなわち、本実施の形態では、表示言語選択部2が選択した表示言語で表示しようとした文字のフォントデータがフォントデータ記憶部8に存在するか否かを、図6に示すように、フォントデータ判定部51でまず判定し(S601)、フォントデータ記憶部8に存在しなかった場合に、外部のフォントデータサーバからフォントデータを取得するようにフォントデータ要求送信部3に指示をする(S302)。
【0050】
フォントデータ判定部51での判定の結果、表示言語選択部2が選択した表示言語で表示しようとした文字のフォントデータがフォントデータ記憶部8に存在した場合には、外部のフォントデータサーバからフォントデータを取得せず、図4に示すように、フォントデータ読出部9がフォントデータ記憶部8から読み出したフォントデータによる名称データの表示処理を表示制御部16が行なう(S405)。
【0051】
その他の動作に関しては、実施の形態1で説明した動作と同じである。
【0052】
以上のように、本実施の形態では、フォントデータ記憶部8に、選択された表示言語で表示しようとした文字のフォントデータがない場合に、自動的にフォントデータを外部のフォントサーバから取得でき、ナビゲーション装置のフォント用メモリ容量は少なくてすみ、装置の小型化および低廉化に貢献できる。
【0053】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3におけるナビゲーション装置の機能を示すブロック図であって、図5と同一の構成要素には同一番号を付し、説明は省略する。
【0054】
本実施の形態のナビゲーション装置は、図5に示す実施の形態2のナビゲーション装置の構成に加えて、位置検出部20から得られた位置情報に基づいて、測位した現在位置の属する国や地域を判定する位置判定部71を備えている。
【0055】
すなわち、本実施の形態では、位置判定部71によって現在位置の属する国や地域を判定し、その判定結果に基づいて、現在位置の属する国や地域の表示言語を表示言語選択部2で選択する。
【0056】
その他の動作に関しては、実施の形態2で説明した動作と同じである。
【0057】
以上のように、本実施の形態では、測位した現在位置が属する国や地域で使用される言語と測位した現在位置とが対応付けられるので、入力部1によって各地域や国の希望する表示言語を入力しなくても、フォントデータがフォントデータ記憶部8に存在しない場合に、自動的にその国や地域に対応したフォントデータが取得できる。
【0058】
また、走行によって言語の異なる国や地域に移動した場合でも、その国や地域で使用される表示言語を自動的に選択し、外部のフォントサーバから自動的にダウンロードできる。
【0059】
したがって、本実施の形態のナビゲーション装置は、地域や国に対応したフォントデータを備える必要はなく、フォント用メモリ容量は少なくてすみ、装置の小型化および低廉化に貢献できる。
【0060】
以上のように、これまでの実施の形態では、例えば、英語、日本語、中国語、韓国語、フランス語、ロシア語などと表示言語を切り替えることのできる従来のナビゲーション装置においては、全ての言語に対応した文字フォントを格納するために膨大な容量のフォント用メモリが必要となるが、これまでの本実施の形態のナビゲーション装置は、使用者が
希望する表示言語を選択したり、現在位置の地域や国に対応する表示言語が選択された場合、選択された表示言語に対応した文字フォントを随時外部のフォントサーバからナビゲーション装置内に取得するため、フォント用メモリ容量は少なくてすみ、装置の小型化および低廉化に貢献できる。
【0061】
また、ディスプレイなどの表示画面に表示される地図内の地名や道路名および代表的な建物や施設などの名称をその国や地域で使用されている言語で表示できるため、地名や道路名および代表的な建物や施設などの名称を表示した道路標識と同じ文字で画面表示されるので運転に不慣れな国や地域においても使用者に安心感をもたらすことができる。
【0062】
また、広大な面積を有する国や同一国で異民族が同居する国では地域によって使用する言語は異なるが、測位した現在位置が属する国や地域に対応した文字フォントを自動的に外部のフォントサーバからナビゲーション装置内にダウンロードするため、ディスプレイなどの表示画面に表示される地図内の地名や道路名および代表的な建物や施設などの名称をその国や地域で使用されている言語で表示することができる。
【0063】
また、レンタカーなどを利用して他国の人が言語の異なる国や地域を運転する場合は、使用者の理解できる言語を選択できるため、ディスプレイなどの表示画面に表示される地図内の地名や道路名および代表的な建物や施設などの名称を理解しやすい。
【0064】
なお、これまでの実施の形態では、各国の言語を表示するフォントデータに関して説明したが、本発明はこれに限らず、1つの国の中で、普段あまり使用されないフォントデータを使用者の要望により外部フォントデータから入手するようにしても、本発明の効果が得られることは言うまでもない。この場合は、入力部から所望のフォントデータの種類をフォント情報として入力したり、表示画面上で所望のフォントデータの種類を選択することにより、フォントデータの取得要求を行なえる。
【0065】
(実施の形態4)
中国では、文字コード規格が、これまで主流であった約7,500文字を収録した文字コード規格GB2312−80(以下、GB2312と表記する)から、約27,500文字を収録した新しい文字コード規格GB18030−2000(以下、GB18030と表記する)へ情報社会の発展に伴なって移行しつつある。
【0066】
新しい文字コード規格GB18030は従来の文字コード規格GB2312に比して文字数が多く、全ての文字についてのフォントデータをナビゲーション装置内に格納するためには膨大な容量のフォント用メモリが必要となるが、新しい文字コード規格GB18030には使用頻度が低い文字も多く含まれており、新しい文字コード規格GB18030の全ての文字フォントをナビゲーション装置内に格納することはフォント用メモリ容量の効率が悪い。
【0067】
本実施の形態4のナビゲーション装置は、図1〜図4に示す実施の形態1と同じ構成であって、フォントデータ記憶部8に使用頻度の高い従来の文字コード規格GB2312のフォントデータのみを格納しておき、装置内に格納していない使用頻度の低い文字をディスプレイなどの表示部22に表示する必要が発生したときは、表示に必要な文字のフォントデータを、外部のフォントサーバからナビゲーション装置内のフォントデータ記憶部8にダウンロードし、ダウンロードした文字フォントを使用して地図表示を行う。
【0068】
また、中国では、国内で使用される全ての文字(漢字)を収録できるように文字コードの規格整備が進められている。現在の文字コード規格が改定されて新しい文字コード規格が制定されて新しい文字が追加された場合、そのフォントデータをナビゲーション装置内
のフォントデータ記憶部8に格納していなければ新しく追加された文字を地図表示することはできないが、装置内に格納していない新しく追加された文字コード規格の文字をディスプレイなどの表示部22に表示する必要が発生したときは、表示に必要な文字のフォントデータを、外部のフォントサーバからナビゲーション装置内のフォントデータ記憶部8にダウンロードし、ダウンロードした文字フォントを使用して地図表示を行う。
【0069】
以上のように構成されたナビゲーション装置は、新しい文字コード規格GB18030に含まれている使用頻度の低い文字コードおよび新しく文字コード規格に追加された文字などの特定文字をナビゲーション装置内に格納しないため、膨大な容量のフォント用メモリは必要なくなる。
【0070】
またナビゲーション装置内に格納していない使用頻度の低い文字や新規に追加された文字などの特定文字は、外部のフォントサーバからナビゲーション装置内にダウンロードして、ダウンロードした文字フォントを使用するため、ナビゲーション装置内に格納していない文字フォントもディスプレイなどの表示画面に地図表示することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上のように、本発明にかかるナビゲーション装置は、ディスプレイなどの表示画面に地図表示を行なう際に、使用者の希望に応じて、または車両の現在位置が属する国や地域を自動的に判定して、その国や地域で使用される言語に対応したフォントデータを外部より取得し、ディスプレイなどの表示画面に地図表示を行なえるという効果を有し、特に多言語の地域を走行するナビゲーション装置などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の機能を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置と通信を行なうフォントサーバの機能を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置のフォントデータ取得の動作を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の名称データ表示処理を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置の機能を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置のフォントデータ取得の動作を示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態3におけるナビゲーション装置の機能を示すブロック図
【符号の説明】
【0073】
1 入力部
2 表示言語選択部
3 フォントデータ要求送信部
4 通信制御部
5 通信部
6 フォントデータ受信部
7 フォントデータ保存部
8 フォントデータ記憶部
9 フォントデータ読出部
10 英語用名称データ
11 日本語用名称データ
12 中国語用名称データ
13 韓国語用名称データ
14 地図情報データベース
15 地図情報読出部
16 表示情報作成部
17 GPSアンテナ
18 GPS受信部
19 自立航法センサ部
20 位置検出部
21 表示制御部
22 表示部
25 通信部
26 通信制御部
27 フォントデータ要求受信部
28 フォントデータ読出部
29 フォントデータベース
30 英語用フォントデータ
31 日本語用フォントデータ
32 中国語用フォントデータ
33 韓国語用フォントデータ
34 フォントデータ送信部
51 フォントデータ判定部
71 位置判定部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面に表示する所望のフォント情報を入力する入力手段と、前記入力手段で入力した前記フォント情報に関するフォントデータの取得要求を外部のフォントデータ供給手段に送信するフォントデータ要求送信手段と、前記外部のフォントデータ供給手段から送信される前記取得要求した前記フォントデータを受信するフォントデータ受信手段と、前記受信したフォントデータを記憶するフォントデータ記憶手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記入力手段が、前記表示面に表示したい表示言語を選択する表示言語選択手段を有し、前記フォントデータ要求送信手段が、前記表示言語選択手段で選択された表示言語に対応するフォントデータの取得要求を外部のフォントデータ供給手段に送信することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記フォントデータ要求送信手段は、地図表示を行なうのに必要な前記フォントデータが前記フォントデータ記憶手段に格納されていない場合に、前記必要なフォントデータの取得要求を行なうことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
現在位置を検出する位置検出手段をさらに備え、前記表示言語選択手段は、前記位置検出手段で検出した前記現在位置の情報に基づいて前記表示言語を選択することを特徴とする請求項2記載のナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−58347(P2006−58347A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−237157(P2004−237157)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】