説明

ナビゲーション装置

【課題】 情報が無味乾燥なものになることがなく、利用者に常に豊かな情報を提供することができるナビゲーション装置を得る。
【解決手段】 情報を取得する情報取得手段11と、取得した情報を表示情報に変換する情報変換手段13と、表示領域内の複数の矩形領域の表示情報の内容を判断する矩形領域判断手段17と、判断された矩形領域に適した追加情報を追加する情報追加手段18と、追加情報を含む情報を出力する出力手段19を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報を表示する情報表示装置の分野に属し、特に移動体に搭載されるナビゲーションシステムにおいて地図情報を表示する情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の情報表示装置の例として、例えば特開2001−99666号公報には、表示装置で表示する画像の色相及び輝度が所定値以上変化しない領域または、所定の空間周波数以上の画像がない領域を抽出し、抽出した領域の大きさが所定値以上のときに、抽出した領域において新たな情報を元の情報に重畳または置換して表示することを特徴とする車載用ナビゲーション装置が開示されている。
【0003】
これによれば、表示装置の画面に表示される地図情報において情報量が極めて低い表示領域が抽出され、その領域がある程度大きな領域であるときに、その領域に新たな情報を表示させることにより、表示される情報量を増加させることができ、利用者が倦厭感を抱き難い車載用ナビゲーション装置を提供することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−99666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の情報表示装置においては、表示画像の色相・輝度の変化量や空間周波数が所定値以下の領域を、情報量が極めて低い表示領域と定義して抽出しているため、例えばこの装置を搭載した車両がカーブの続く海岸線沿いや山間部や大きな公園のそばを走行すると、地図表示画面の海岸線付近や緑地境界付近における色相・輝度の変化量が所定値以下の領域が頻繁に増減することになり、新たな追加情報を表示すべき領域を効率よく抽出することができないという問題があった。
【0006】
さらに、例えば地図表示画面に河川と海が同じ青色で表示されている場合に、色相に基いて新たな情報を選択する手法では、例えば、海ではタンカー、河川ではカヌーというように、表示属性に応じて異なる追加情報を選択するようなことができないという問題があった。
【0007】
さらに、表示画像の色相・輝度の変化量や空間周波数により領域を抽出する手法では、表示属性が同一で情報量の低い表示領域の大きさを精度よく求めることが難しいので、表示領域の属性とその大きさに応じて新たな追加情報を選択するようなことができないという問題があった。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、情報が無味乾燥なものになることがなく、利用者に常に豊かな情報を提供することができる情報表示装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るナビゲーション装置においては、地図情報を取得する地図情報取得手段と、この地図情報取得手段からの地図情報に関する情報を複数の矩形領域に分割し、前記矩形領域毎に矩形領域内の追加表示情報が追加可能な空きスペースを判断する矩形領域判断手段と、判断された前記矩形領域内の追加表示情報が追加可能な空きスペースに基いて、船舶類及び魚類並びに樹木類、鳥類、昆虫類及び噴水に関する表示情報並びに施設類に関する表示情報の何れかを追加表示情報として追加する表示情報追加手段と、前記追加表示情報が追加された3D表示の地図を表示出力する表示装置と、を備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果がある。
【0011】
この発明に係る情報表示装置によれば、情報を取得する情報取得手段と、取得した情報を表示情報に変換する情報変換手段と、表示情報の表示領域内の複数の矩形領域の表示情報の内容を判断する矩形領域判断手段と、判断された矩形領域に適した追加情報を追加する情報追加手段と、追加情報を含む情報を出力する出力手段を備えるようにしたので、情報が無味乾燥なものになることがなく、利用者に常に豊かな情報を提供することができる情報表示装置が得られるという効果がある。
【0012】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、情報は地図情報であるようにしたので、地図情報が無味乾燥なものになることがなく、利用者に常に豊かな地図情報を提供することができるという効果がある。
【0013】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、矩形領域判断手段は、表示情報の表示領域を複数の矩形領域に分割し各々の矩形領域の表示情報の種別を判定する矩形種別判定手段と、同じ種別の矩形領域の範囲を判定する矩形範囲判定手段と、同じ種別の矩形領域を統合する矩形統合手段を備えるようにしたので、容易に矩形領域の情報の内容とその範囲を判断することができるという効果がある。
【0014】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、情報追加手段は、追加情報として表示情報または音声情報を追加するようにしたので、利用者にさらに豊かな情報を提供することができるという効果がある。
【0015】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、情報追加手段は、追加情報を選択する追加情報選択手段を備えるようにしたので、最適な追加情報を出力することができるという効果がある。
【0016】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、追加情報選択手段は、矩形領域の範囲に基いて追加情報を選択するようにしたので、矩形領域の範囲に適した追加情報を出力することができるという効果がある。
【0017】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、追加情報選択手段は、矩形領域の表示情報の有無に基いて追加情報を選択するようにしたので、矩形領域の表示情報の内容に適した追加情報を出力することができるという効果がある。
【0018】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、追加情報選択手段は、表示情報の表示モードに基いて追加情報を選択するようにしたので、表示モードに適した追加情報を出力することができるという効果がある。
【0019】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、追加情報選択手段は、矩形領域の表示情報に含まれるポリゴンの属性に基いて追加情報を選択するようにしたので、ポリゴンの属性に適した追加情報を出力することができるという効果がある。
【0020】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、ポリゴンの属性は地図情報における水系、緑地系、施設系の何れかであるようにしたので、地図情報におけるポリゴンの属性に適した追加情報を出力することができるという効果がある。
【0021】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、追加情報選択手段は、ポリゴンの属性が水系の場合は、船舶類・魚類等に関する表示情報、または船舶類の汽笛音・河川のせせらぎ音・海や湖の波打ち音等の音声情報を追加情報として選択するようにしたので、地図情報における水系ポリゴンに適した追加情報を出力することができるという効果がある。
【0022】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、追加情報選択手段は、ポリゴンの属性が緑地系の場合は、樹木類・鳥類・昆虫類・噴水等に関する表示情報、または樹木類の風きり音・鳥類や昆虫類の鳴声・噴水音等の音声情報を追加情報として選択するようにしたので、地図情報における緑地系ポリゴンに適した追加情報を出力することができるという効果がある。
【0023】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、追加情報選択手段は、ポリゴンの属性が施設系の場合は、施設類に関する表示情報、または施設類に関連する音声情報を追加情報として選択するようにしたので、地図情報における施設系ポリゴンに適した追加情報を出力することができるという効果がある。
【0024】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、追加情報選択手段は、ポリゴンの属性に基いて、ポリゴンの輪郭線近傍に視覚的な高低差を付加する追加情報を選択するようにしたので、地図情報におけるポリゴンの視認性を向上することができるという効果がある。
【0025】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、追加情報選択手段は、ポリゴンの属性が水系の場合は、ポリゴンの輪郭線近傍において視覚的に周辺より低くみせる追加情報を選択するようにしたので、地図情報における水系ポリゴンの視認性を向上することができるという効果がある。
【0026】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、追加情報選択手段は、ポリゴンの属性が緑地系の場合は、ポリゴンの輪郭線近傍において視覚的に周辺より高くみせる追加情報を選択するようにしたので、地図情報における緑地系ポリゴンの視認性を向上することができるという効果がある。
【0027】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、追加情報選択手段は、情報取得手段から得られる現在の季節・年月日・時刻・天候・地域・利用継続時間に関する情報の何れかまたは何れかの組み合わせに基いて追加情報を選択するようにしたので、現在の季節・年月日・時刻・天候・地域・利用継続時間に適した追加情報を出力することができるという効果がある。
【0028】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、追加情報選択手段は、表示情報の背景情報を選択するようにしたので、利用者に豊かな背景情報を提供することができるという効果がある。
【0029】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、背景情報は鳥瞰図で表示した地図情報における背景情報であるようにしたので、鳥瞰図で表示した地図情報において豊かな背景情報を提供することができるという効果がある。
【0030】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、追加情報選択手段は、矩形領域の表示情報の有無に基いて、街並みまたは山並みの何れかを表現する表示情報を背景情報として選択するようにしたので、鳥瞰図で表示した地図情報においてさらに豊かな背景情報を提供することができるという効果がある。
【0031】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、追加情報の出力有無を切り換える追加情報出力切換手段を備えるようにしたので、利用者の嗜好により追加情報の出力有無を切り換えることができるという効果がある。
【0032】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、追加情報を指定する追加情報指定手段を備えるようにしたので、利用者の嗜好により追加情報を指定することができるという効果がある。
【0033】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、外部から追加情報を入力する追加情報入力手段を備えるようにしたので、利用者の嗜好により外部から追加情報を入力することができるという効果がある。
【0034】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、外部から入力された追加情報を記憶する追加情報記憶手段を備えるようにしたので、外部から入力された追加情報を再利用することができるという効果がある。
【0035】
また、この発明に係る情報表示装置によれば、移動体に搭載され、ナビゲーションシステムにおける地図情報の表示に適用されるようにしたので、ナビゲーションシステムにおける地図情報が無味乾燥なものになることがなく、移動体に搭乗した利用者に常に豊かな地図情報を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の実施の形態1における情報表示装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1における情報表示装置の機器構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1における情報表示装置の概略動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1における情報表示装置の矩形種別判定手段14の詳細動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1における情報表示装置の矩形範囲判定手段15の詳細動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1における情報表示装置の矩形統合手段16の詳細動作を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1における情報表示装置の情報追加手段18および出力手段19の詳細動作を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態1における情報表示装置の表示画面上の動作を示す説明図である。
【図9】この発明の実施の形態1における情報表示装置の表示画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における情報表示装置の機能構成を示すブロック図である。ここでは、移動体としての車両に搭載するナビゲーションシステムに利用した場合の一例を示している。
【0038】
11は地図情報等の情報を記憶媒体あるいは外部より取得する情報取得手段、12は車両の現在位置を検出する位置検出手段、13は取得した情報を表示情報に変換する情報変換手段である。また、14は表示情報の表示領域を複数の矩形領域に分割し各々の矩形領域の表示情報の種別を判定する矩形種別判定手段、15は同じ種別の矩形領域の範囲を判定する矩形範囲判定手段、16は同じ種別の矩形領域を統合する矩形統合手段であり、これらは矩形領域判断手段17を構成している。また、18は判断された矩形領域に適した追加情報を追加する情報追加手段、19は追加情報を含む情報を出力する出力手段である。
【0039】
位置検出手段12は、車両の絶対位置や移動方位を検出するGPS( Global Positioning System 、全地球的測位システム)、方位センサーとしてのジャイロ、距離センサーとしての車速センサー等を利用して車両の概略位置を求め、情報取得手段11から得られる地図情報と概略位置からマップマッチング処理を施し、車両の正確な現在位置を確定する。
【0040】
情報変換手段13は、位置検出手段12から自車位置を得たとき、ある縮尺に該当する自車周辺の地図情報を情報取得手段11から読み出して表示情報に変換し、表示画面に適合するように表示情報を編集するとともに、矩形種別判定手段14に表示情報を渡す。ここで作成された表示情報は、後に情報追加手段18により追加される追加情報とともに、出力手段19の出力する表示画面に重畳表示される。
【0041】
矩形種別判定手段14は、表示情報の表示領域を所定の矩形領域に分割し、各矩形領域に重なる表示情報の種別を判断し、矩形範囲判定手段15に全ての矩形領域がいずれの種別に属するかを通知する。
【0042】
矩形範囲判定手段15は、各矩形領域の表示情報の種別を基に、追加情報を表示可能な空きスペースが多いか否かを判断し、その結果を矩形統合手段16に通知する。
【0043】
矩形統合手段16は、空きスペースの量に応じて矩形種別毎に矩形領域を統合し、統合結果及び中心位置、表示情報に含まれるポリゴンの属性等を情報追加手段18に通知する。
【0044】
情報追加手段18は、追加情報を選択する追加情報選択手段(図示せず)を備え、空きスペースの量に応じて3D( Three-Dimensional 、3次元)の鳥瞰図表示の地図の背景情報の描画を変えたり、統合された矩形領域の中心位置、大きさ、ポリゴンの属性等より所定の表示情報を空きスペースに描画したり、ポリゴンの属性に応じた音声を出力したりする。
【0045】
出力手段19は表示画面を表示するディスプレイモニターや音声を出力するスピーカー等から構成される。
【0046】
図2は、実施の形態1における情報表示装置の機器構成を示すブロック図であり、図1における機能構成を実現する具体的な機器の構成を示している。
【0047】
21は例えばCD−ROM( Compact Disc - Read Only Memory )やDVD−ROM( Digital Versatile Disk - Read Only Memory )等の情報記憶媒体から地図情報を読み出すドライブであり、図1における情報取得手段11に対応している。
【0048】
22は絶対位置や移動方位を検出するセンサーであるGPS受信機、23は車両の旋回時の角速度を検出するジャイロ、24は車両の走行速度や走行距離を検出し所定走行距離毎に車速パルス信号を発生する車速センサーであり、これらは図1における位置検出手段12の一部に対応している。
【0049】
ドライブ21から読み出した地図情報、GPS受信機22から通知された絶対位置や移動方位、車速センサー24からの車速パルス信号、ジャイロ23からの角速度等の情報は、I/F( Interface 、インターフェース)回路25を介してナビECU( Electronic Control Unit 、電子制御装置)26に入力される。
【0050】
ナビECU26は、上記の地図情報、絶対位置、移動方位、車速パルス信号、角速度等の情報に基いて、図1における位置検出手段12、情報変換手段13、矩形種別判定手段14、矩形範囲判定手段15、矩形統合手段16、情報追加手段18の機能を実現する情報処理を行う。27はこの際の処理プログラムや処理データを記憶する記憶手段としての外部メモリーである。
【0051】
28は表示情報を画面に表示出力するディスプレイモニター、29は音声を出力するスピーカーであり、これらは図1の出力手段19に対応している。
【0052】
次に、実施の形態1における情報表示装置の動作について、上記の図1、図2及び以下に述べる図3〜図9を参照しながら説明する。
【0053】
図3は、情報表示装置の概略動作を示すフローチャート、図4から図7は各々、矩形種別判定手段14、矩形範囲判定手段15、矩形統合手段16、情報追加手段18の詳細動作を示すフローチャートである。また、図8は情報表示装置の表示画面上の動作を示す説明図、図9は表示画面例を示す図である。
【0054】
図3は、実施の形態1における情報表示装置の概略動作を示すフローチャートである。
【0055】
ステップS31において、矩形種別判定手段14は、表示情報の表示領域を複数の矩形領域に分割し各々の矩形領域の表示情報の種別を判定する。例えば、表示領域を縦方向及び横方向について、横方向に12分割、縦方向に8分割、といった所定の複数の矩形領域に分け、描画される地図情報に含まれる道路線や地名やポリゴンと、各矩形領域との重なりを判断して、各矩形領域の種別を判定する。
【0056】
矩形領域の種別の詳細としては、道路線や地名と重なる矩形領域をナビゲーション矩形と判定し、ナビゲーション矩形以外のもので例えば、海、河川、湖、池、沼、渓流といった水系のポリゴンや、公園、山、森、林、ゴルフ場、庭園、寺院といった緑地系のポリゴンのみが描画される矩形領域をポリゴン矩形と判定し、ナビゲーション矩形とポリゴン矩形のいずれにも属さない矩形領域を地図無し矩形と判定する。
【0057】
ステップS32において、矩形範囲判定手段15は、同じ種別の矩形領域の範囲を判定する。例えば、表示領域を縦・横各々2つに分割した右上、右下、左上、左下のそれぞれの領域に、ナビゲーション矩形の数が所定数(例えば1つ)以上あるときは、地図情報の情報量が多い市街地モードであり、追加情報を表示可能な空きスペースが少ないと判定し、それ以外は地図情報の情報量が少ない郊外モードであり、追加情報を表示可能な空きスペースが多いと判定する。
【0058】
ステップS33において、矩形統合手段16は、同じ種別の矩形領域を統合する。例えば、郊外モードと判定された場合は、地図無し矩形毎、または同じ属性どうしのポリゴン矩形毎に矩形領域を統合し、統合した矩形領域の中点を求め、追加情報を表示可能な領域を特定する。
【0059】
ステップS34において、情報追加手段18は、統合した矩形領域の中点の位置にその矩形領域に適した特定の表示情報を追加したり、その矩形領域の種別に適した音声情報を追加する。さらに、例えば地図を3D表示していれば、市街地モードの場合は、背景にビル街等の街並みを表現する表示情報を追加し、郊外モードの場合は、背景に山並みを表現する表示情報を追加する。最後に、出力手段19は、これらの追加情報を含む情報を表示や音声により出力する。
【0060】
以上が、実施の形態1における情報表示装置の概略動作である。次に、図1における矩形領域判断手段17を構成する矩形種別判定手段14、矩形範囲判定手段15、矩形統合手段16の各手段の詳細動作について説明していく。
【0061】
図4は、実施の形態1における情報表示装置の矩形種別判定手段14の詳細動作を示すフローチャートである。
【0062】
ステップS401において、情報変換手段13から地図表示を行うための地図情報に含まれる道路線や鉄道線等のライン座標、地名やマーク表示等の位置座標、ポリゴンの位置座標と属性等を得るとともに、表示領域を例えば横方向に12分割、縦方向に8分割、といった所定の複数の矩形領域に分割し、各矩形領域の種別をいずれも地図無し矩形として初期化を行う。
【0063】
ステップS402において、各矩形領域の各辺が道路線や鉄道線等のライン座標を有する線分と交わらないかを調べ、交わる場合はステップS403に進み、当該矩形領域の種別をナビゲーション矩形と判定してステップS408へ進む。
【0064】
一方、ステップS402において、各矩形領域の各辺が道路線や鉄道線等のライン座標を有する線分と交わらない場合はステップS404に進む。
【0065】
ステップS404において、各矩形領域に地名やマーク等のドット座標を示す位置データがないかを調べ、ある場合はステップS405に進み、当該矩形領域の種別をナビゲーション矩形と判定してステップS408へ進む。
【0066】
一方、ステップS404において、各矩形領域に地名やマーク等のドット座標を示す位置データがない場合はステップS406に進む。
【0067】
ステップS406において、各矩形領域の各辺がポリゴンのドット座標を有する線分と交わらないかを調べ、交わる場合はそのポリゴンの属性を取得してステップS407へ進み、当該矩形領域の種別をポリゴン矩形と判定して、ステップS408に進む。
【0068】
一方、ステップS406において、各矩形領域の各辺がポリゴンのドット座標を有する線分と交わらない場合はステップS408に進む。
【0069】
ステップS408において、全ての矩形領域について種別を判定したかどうかを調べ、全ての矩形領域について種別を判定していない場合は、ステップS409に進んで次に判定対象とする矩形領域を求めた後ステップS402に戻り上記と同様の処理を行い、そうでなければリターンする。
【0070】
図5は、実施の形態1における情報表示装置の矩形範囲判定手段15の詳細動作を示すフローチャートであり、図4で示した矩形種別判定手段14からの出力結果に含まれるナビゲーション矩形の数を用いて、追加情報を表示可能な空きスペースの有無をどのように判定するかを示している。
【0071】
ステップS501において、矩形種別判定手段14から表示領域を所定分割した各矩形領域の種別情報を得るとともに、表示領域の任意の領域、例えば表示領域で縦、横各々2つに分割した右上・右下・左上・左下の領域のナビゲーション矩形数を0にクリアし、表示領域の状態を郊外モードとして初期化する。
【0072】
ステップS502において、判定対象とするナビゲーション矩形が表示領域の右上の領域にある場合は、ステップS503に進んで表示領域の右上領域のナビゲーション矩形数に+1を加算した後ステップS510に進み、そうでなければステップS504に進む。
【0073】
ステップS504において、判定対象とするナビゲーション矩形が表示領域の右下の領域にある場合は、ステップS505に進んで表示領域の右下領域のナビゲーション矩形数に+1を加算した後ステップS510に進み、そうでなければステップS506に進む。
【0074】
ステップS506において、判定対象とするナビゲーション矩形が表示領域の左上の領域にある場合は、ステップS507に進んで表示領域の左上領域のナビゲーション矩形数に+1を加算した後ステップS510に進み、そうでなければステップS508に進む。
【0075】
ステップS508において、判定対象とするナビゲーション矩形が表示領域の左下の領域にある場合は、ステップS509に進んで表示領域の左下領域のナビゲーション矩形数に+1を加算した後ステップS510に進み、そうでなければそのままステップS510に進む。
【0076】
ステップS510において、表示領域右上、右下、左上、左下の各領域のナビゲーション矩形数が例えば各々1つ以上といった所定数以上であれば、ステップS511に進み、表示領域の状態を地図情報の情報量が多い市街地モードであり追加情報を表示可能な空きスペースが少ないと判定してリターンし、そうでなければ、表示領域の状態を地図情報の情報量が少ない郊外モードであり追加情報を表示可能な空きスペースが多いと判定してステップS512に進む。
【0077】
ステップS512において、全てのナビゲーション矩形について領域判定したかどうかを調べ、全てのナビゲーション矩形について領域判定していない場合は、ステップS513に進んで次に判定対象とするナビゲーション矩形を求めた後ステップS502に戻り上記と同様の処理を行い、そうでなければリターンする。
【0078】
図6は、実施の形態1における情報表示装置の矩形統合手段16の詳細動作を示すフローチャートであり、表示領域の状態が地図情報の情報量が少ない郊外モードであり、追加情報を表示可能な空きスペースが多い状態にある場合に、例えば矩形領域内の表示情報に含まれるポリゴンの属性が同一の各ポリゴン矩形を統合し、統合した矩形領域の中心位置、大きさ等を求める処理を示している。
【0079】
ステップS601において、矩形範囲判定手段15の結果より、市街地モードであればリターンし、郊外モードであれば矩形領域の統合枠の大きさを最大値にセットする。
【0080】
ここで、矩形領域の統合枠とは、ナビゲーション矩形、ポリゴン矩形、地図無し矩形の種別を判定した矩形領域の、例えば縦・横方向をそれぞれ2倍、3倍、4倍した3種類のものであり、前記の各矩形領域を包含するものである。
【0081】
ステップS602において、ある統合枠内の矩形領域が、全て同じポリゴン属性のポリゴン矩形であり、かつ、これらの全てのポリゴン矩形はまだ未統合であるかどうかを調べ、YESであればステップS603に進み、NOであればステップS604に進む。
【0082】
ステップS603において、統合枠の中心位置を追加情報表示位置として求め、さらに矩形領域の統合枠に対応する追加情報の描画範囲を確定する。さらにポリゴン矩形の場合は、ポリゴン属性を取り出し、ポリゴン属性に応じた追加情報の描画範囲を確定する。また、統合枠内の矩形領域を全て統合済みとした後、ステップS605に進む。
【0083】
ステップS604において、統合枠内の矩形領域が、全て未統合の地図無し矩形かどうかを調べ、YESであればステップS603に進み上記と同様の処理を行い、NOであればステップS605に進む。
【0084】
ステップS605において、全ての統合枠について確認したかを調べ、NOであればステップS606に進み、YESであればステップS607に進む。
【0085】
ステップS606において、統合枠を次のものに更新した後、ステップS602に戻り、上記と同様の処理を行い、矩形領域の統合の判定を行う。
【0086】
ステップS607において、統合枠が最小かを調べ、最小でなければ、統合枠の大きさを一つ小さくし、ステップS602に戻り、再度上記と同様の処理を行い、矩形領域の統合の判定を行う。一方、統合枠が最小であれば、リターンする。
【0087】
ここで、統合枠を大きいものから小さいものにする理由として、より大きな統合枠であるほどより多量の追加情報を表示することができるためである。
【0088】
以上が、実施の形態1における情報表示装置の矩形領域判断手段17の詳細動作である。次に、図1における情報追加手段18および出力手段19の詳細動作について説明する。
【0089】
図7は、実施の形態1における情報表示装置の情報追加手段18および出力手段19の詳細動作を示すフローチャートであり、矩形統合手段16の出力結果をもとに、追加する表示情報や音声情報を選択して出力する処理を示している。
【0090】
情報追加手段18は、まずステップS701において、表示領域の状態が市街地モードかつ3Dの鳥瞰図等の2D( Two-Dimensional 、2次元)の平面表示以外の表示かを調べ、YESであればステップS702に進み、3D表示の地図の背景にビル群等の街並みを表現する表示情報を追加してステップS707に進む。一方、NOであればステップS703に進む。
【0091】
ステップS703において、郊外モードかつ3D表示かを調べ、YESであればステップS704に進み、3D表示の地図の背景に山並みを表現する表示情報を追加してステップS705に進む。一方、NOであればステップS706に進む。
【0092】
ステップS705において、3D表示用の情報から、ポリゴン矩形の場合はポリゴン属性と描画する矩形領域の位置や範囲に対応した追加情報を選択し、地図無し矩形の場合は描画する矩形領域の位置や範囲に対応した追加情報を選択して、ステップS707に進む。
【0093】
ステップS706において、2D表示用の情報から、ポリゴン矩形の場合はポリゴン属性と描画する矩形領域の位置や範囲に対応した追加情報を選択し、地図無し矩形の場合は描画する矩形領域の位置や範囲に対応した追加情報を選択して、ステップS707へ進む。
【0094】
ステップS707において、出力手段19により、所定の位置に選択した追加情報を描画した表示情報を表示し、画面中心位置に最も近い位置にあるポリゴンの属性に対応した音声情報を発音する。
【0095】
以上が、実施の形態1における情報表示装置の詳細動作である。次に、表示画面上における矩形領域判断手段17、情報追加手段18、出力手段19の動作について説明する。図8は、情報表示装置の表示画面上の動作を示す説明図である。
【0096】
表示画面上は、画面中央付近を湾曲して縦方向に伸びる道路線があり、右側の塗りつぶし領域で表示されたポリゴンとして、河川という属性のポリゴンが上にあり、海という属性のポリゴンが下にあり、それぞれの名称としてA川、B海岸と表示されている。
【0097】
また、地図上の車両位置を示す自車マークとしての矢印マークが画面中央に表示されている。この自車マークは、矩形種別判定手段14におけるナビゲーション矩形の判定には用いられない。
【0098】
このように、図8の例においては、ナビゲーション矩形に該当する地図情報の情報量としては非常に少ない表示領域の場合を示しており、追加情報を表示するのに適した表示画面の例を示している。
【0099】
まず、矩形種別判定手段14は、表示領域を複数の矩形領域801に分割する。図8においては、横方向に12分割、縦方向に8分割した例を示している。
【0100】
次に、矩形種別判定手段14は、これらの矩形領域801の種別として、ナビゲーション矩形、ポリゴン矩形、地図無し矩形を判定する。ここで、802はポリゴン矩形、803は地図無し矩形であり、これら以外の矩形領域はナビゲーション矩形である。
【0101】
次に、矩形範囲判定手段15は、表示領域の縦、横を各々2分割した右上、右下、左上、左下の各領域804におけるナビゲーション矩形の数に基いて追加情報を表示可能な空きスペースの有無を判定する。図8の例では、左上、左下の領域804にナビゲーション矩形がないので、表示領域の状態としては地図情報の情報量が少ない郊外モードであり、追加情報を表示可能な空きスペースがあるという判定になる。
【0102】
次に、矩形統合手段16は、図8に大きい順で示した統合枠805、806、807(矩形領域801の縦・横方向をそれぞれ4倍、3倍、2倍した3種類の大きさの領域に相当する)によりポリゴン矩形802や地図無し矩形803の矩形領域を統合し、統合枠805、806、807の中心位置を追加情報表示位置808、809、810、811として求め、さらに統合枠805、806、807に対応する追加情報の描画範囲を確定する。
【0103】
次に、情報追加手段18は、統合枠805、806、807により統合されたポリゴン矩形802や地図無し矩形803の矩形領域に適した追加情報を選択する。すなわち、ポリゴン矩形802の場合はポリゴン属性と描画する矩形領域の位置や範囲に対応した追加情報を選択し、地図無し矩形803の場合は描画する矩形領域の位置や範囲に対応した追加情報を選択する。また、画面中心位置に最も近いポリゴン矩形802の矩形領域の追加情報表示位置811におけるポリゴン属性が海であるので、海の波音812を選択する。
【0104】
最後に、出力手段19は、追加情報表示位置808、809、810、811の各位置に、情報追加手段18により選択された追加情報を表示出力し、また選択された海の波音812を音声出力する。
【0105】
次に、実施の形態1における情報表示装置の出力手段19による表示画面例について説明する。図9は、実施の形態1における情報表示装置の表示画面例を示す図である。
【0106】
図9(a)は郊外モードに対応する通常の表示画面例であり、図9(b)はこの発明を適用した表示画面例である。図9(b)における901はスキー場の属性のポリゴン矩形の領域にスキーヤーを表現した追加情報を表示した例、902は地図無し矩形の領域に任意な追加情報を表示した例、903は海の属性のポリゴン矩形の領域にヨットを表現した追加情報を表示した例である。
【0107】
このように、この発明を適用した図9(b)の表示画面は、適用しない図9(a)の表示画面のように無味乾燥なものではなくなり、豊かな表示画面になっていることがわかる。
【0108】
次に、実施の形態1の情報追加手段18におけるポリゴンの属性に基く追加情報の選択例について述べる。実施の形態1の地図情報におけるポリゴンの属性としては、水系、緑地系、施設系等がある。
【0109】
水系は、海、河川、湖、池、沼、渓流等の属性であり、追加情報としてはそれぞれの属性に対して例えば、船舶類・魚類等に関する表示情報を選択し、また船舶類の汽笛音・河川のせせらぎ音・海や湖の波打ち音等の音声情報を選択する。
【0110】
緑地系は、公園、山、森、林、ゴルフ場、庭園、寺院等の属性であり、追加情報としてはそれぞれの属性に対して例えば、樹木類・鳥類・昆虫類・噴水等に関する表示情報を選択し、また樹木類の風きり音・鳥類や昆虫類の鳴声・噴水音、ゴルフ場であれば「ナイスショット」といった固有音声等の音声情報を選択する。
【0111】
施設系は、工場、遊園地、動物園等の属性であり、追加情報としてはそれぞれの属性に対して例えば、工場の煙突等の施設類に関する表示情報を選択し、また遊園地のにぎやかな音等の施設類に関連する音声情報を選択する。
【0112】
このように、実施の形態1によれば、情報を取得する情報取得手段11と、取得した情報を表示情報に変換する情報変換手段13と、表示情報の表示領域内の複数の矩形領域の表示情報の内容を判断する矩形領域判断手段17と、判断された矩形領域に適した追加情報を追加する情報追加手段18と、追加情報を含む情報を出力する出力手段19を備えるようにしたので、情報が無味乾燥なものになることがなく、利用者に常に豊かな情報を提供することができる情報表示装置が得られる。
【0113】
また、実施の形態1によれば、情報は地図情報であるようにしたので、地図情報が無味乾燥なものになることがなく、利用者に常に豊かな地図情報を提供することができる。
【0114】
また、実施の形態1によれば、矩形領域判断手段17は、表示情報の表示領域を複数の矩形領域に分割し各々の矩形領域の表示情報の種別を判定する矩形種別判定手段14と、同じ種別の矩形領域の範囲を判定する矩形範囲判定手段15と、同じ種別の矩形領域を統合する矩形統合手段16を備えるようにしたので、容易に矩形領域の情報の内容とその範囲を判断することができる。
【0115】
また、実施の形態1によれば、情報追加手段18は、追加情報として表示情報または音声情報を追加するようにしたので、利用者にさらに豊かな情報を提供することができる。
【0116】
また、実施の形態1によれば、情報追加手段18は、追加情報を選択する追加情報選択手段を備えるようにしたので、最適な追加情報を出力することができる。
【0117】
また、実施の形態1によれば、追加情報選択手段は、矩形領域の範囲に基いて追加情報を選択するようにしたので、矩形領域の範囲に適した追加情報を出力することができる。
【0118】
また、実施の形態1によれば、追加情報選択手段は、矩形領域の表示情報の有無に基いて追加情報を選択するようにしたので、矩形領域の表示情報の内容に適した追加情報を出力することができる。
【0119】
また、実施の形態1によれば、追加情報選択手段は、表示情報の表示モードに基いて追加情報を選択するようにしたので、表示モードに適した追加情報を出力することができる。
【0120】
また、実施の形態1によれば、追加情報選択手段は、矩形領域の表示情報に含まれるポリゴンの属性に基いて追加情報を選択するようにしたので、ポリゴンの属性に適した追加情報を出力することができる。
【0121】
また、実施の形態1によれば、ポリゴンの属性は地図情報における水系、緑地系、施設系の何れかであるようにしたので、地図情報におけるポリゴンの属性に適した追加情報を出力することができる。
【0122】
また、実施の形態1によれば、追加情報選択手段は、ポリゴンの属性が水系の場合は、船舶類・魚類等に関する表示情報、または船舶類の汽笛音・河川のせせらぎ音・海や湖の波打ち音等の音声情報を追加情報として選択するようにしたので、地図情報における水系ポリゴンに適した追加情報を出力することができる。
【0123】
また、実施の形態1によれば、追加情報選択手段は、ポリゴンの属性が緑地系の場合は、樹木類・鳥類・昆虫類・噴水等に関する表示情報、または樹木類の風きり音・鳥類や昆虫類の鳴声・噴水音等の音声情報を追加情報として選択するようにしたので、地図情報における緑地系ポリゴンに適した追加情報を出力することができる。
【0124】
また、実施の形態1によれば、追加情報選択手段は、ポリゴンの属性が施設系の場合は、施設類に関する表示情報、または施設類に関連する音声情報を追加情報として選択するようにしたので、地図情報における施設系ポリゴンに適した追加情報を出力することができる。
【0125】
また、実施の形態1によれば、追加情報選択手段は、表示情報の背景情報を選択するようにしたので、利用者に豊かな背景情報を提供することができる。
【0126】
また、実施の形態1によれば、背景情報は鳥瞰図で表示した地図情報における背景情報であるようにしたので、鳥瞰図で表示した地図情報において豊かな背景情報を提供することができる。
【0127】
また、実施の形態1によれば、追加情報選択手段は、矩形領域の表示情報の有無に基いて、街並みまたは山並みの何れかを表現する表示情報を背景情報として選択するようにしたので、鳥瞰図で表示した地図情報においてさらに豊かな背景情報を提供することができる。
【0128】
また、実施の形態1によれば、車両に搭載され、ナビゲーションシステムにおける地図情報の表示に適用されるようにしたので、ナビゲーションシステムにおける地図情報が無味乾燥なものになることがなく、車両に搭乗した利用者に常に豊かな地図情報を提供することができる。
【0129】
実施の形態2.
実施の形態2として、図1の構成において、追加情報選択手段は、情報取得手段11から得られる現在の季節・年月日・時刻・天候・地域・利用継続時間に関する情報の何れかまたは何れかの組み合わせに基いて追加情報を選択するようにしてもよい。
【0130】
実施の形態1の地図無し矩形の領域において、例えば天候が晴れの場合は、表示情報として明るく目立つものを選択し、例えば天候が雨天であれば、音声情報として雨音等を選択するようにしてもよい。
【0131】
これによれば、現在の季節・年月日・時刻・天候・地域・利用継続時間に適した追加情報を出力することができる。
【0132】
実施の形態3.
実施の形態3として、図1の構成において、追加情報の出力有無を切り換える追加情報出力切換手段(図示せず)を備えるようにしてもよい。
【0133】
例えば、利用者がリモコンやタッチパネルによるメニュー等の操作により、追加情報の表示出力や音声出力のON/OFFの切り換え設定ができるように構成してもよい。
【0134】
これによれば、利用者の嗜好により追加情報の出力有無を切り換えることができる。
【0135】
実施の形態4.
実施の形態4として、図1の構成において、追加情報選択手段は、ポリゴンの属性に基いて、ポリゴンの輪郭線近傍に視覚的な高低差を付加する追加情報を選択するようにしてもよい。
【0136】
例えば、水系ポリゴンについては、所定ドット下側にずらし、緑地系ポリゴンについては所定ドット上側にずらして、周囲との高低差をつけたように表示することにより、ポリゴンとその他表示領域との境界を明確にしたり、無味乾燥なポリゴン矩形や地図無し矩形の領域を低減するようにしてもよい。
【0137】
これによれば、地図情報における各属性のポリゴンの視認性を向上することができる。
【0138】
実施の形態5.
実施の形態5として、図1の構成において、追加情報を指定する追加情報指定手段(図示せず)を備えるようにしてもよい。
【0139】
例えば、利用者がリモコンやタッチパネルによるメニュー等の操作により、追加情報を直接指定できるように構成してもよい。
【0140】
これによれば、利用者の嗜好により追加情報を指定することができる。
【0141】
実施の形態6.
実施の形態6として、図1の構成において、外部から追加情報を入力する追加情報入力手段(図示せず)や、外部から入力された追加情報を記憶する追加情報記憶手段(図示せず)を備えるようにしてもよい。
【0142】
例えば、図1における情報取得手段11等を利用して外部の記憶媒体の読取や外部の情報サーバー等との通信により、新しい追加情報を入力できるように構成したり、また入力された追加情報を図2におけるドライブ21に挿入する書き込み可能記憶媒体や外部メモリー27等に記憶するように構成してもよい。
【0143】
これによれば、利用者の嗜好により外部から追加情報を入力することができ、また、入力された追加情報を再利用することができる。
【0144】
尚、実施の形態では、位置検出手段12として、ジャイロ23、車速センサー24、GPS受信機22、マップマッチング等を利用した場合の例を示したが、光ファイバージャイロ、振動ジャイロ、加速度センサー等の他のセンサーや、D−GPS( Differential GPS )や、PHS( Personal Handyphone System )や携帯電話における位置情報サービス等の無線ネットワーク網を利用したものであってもよい。
【0145】
また、実施の形態では、情報取得手段11として、例えばCD−ROMやDVD−ROM等の情報記憶媒体に記憶された地図情報を読取るドライブ21を利用し、処理プログラムや処理データを記憶する記憶手段として外部メモリー27を利用した場合の例を示したが、これらに限定されるものではなく、フラッシュメモリー( Flash Memory )等の他のメモリーIC( Integrated Circuit )や、CD−R( Recordable )、DVD−R、CD−RW( Rewritable )、DVD−RW、DVD−RAM( Random Access Memory )、MD( Mini Disk )等の他の光ディスクや、フレキシブルディスク、ハードディスク等の磁気ディスクや、ICメモリーカード、磁気メモリーカード、光メモリーカード等のメモリーカードや、カセットテープ等の磁気テープや、他の読み書き可能な不揮発性の記憶媒体を利用してもよい。
【0146】
また、ドライブ21と外部メモリー27がこれらの何れかの記憶媒体を共用するようにしてもよく、これにより装置を簡略化することができる。
【0147】
また、無線により外部の情報サーバ等とデータ通信を行えるように構成して、インターネット等を利用して外部から地図情報、追加情報、その他の情報を取得したり、外部へ表示情報を送信し、外部で矩形領域の判断処理や追加情報の出力処理を行い、処理結果を受信して利用するようにしてもよく、これによりさらに装置を簡略化することが可能である。
【0148】
また、実施の形態では、追加情報出力切換手段や追加情報指定手段としてリモコンやタッチパネル等の入力装置を利用する例を述べたが、操作スイッチ、タッチペン、マウス、トラックボール、操作パッド、音声認識装置等の他の入力機器を用いてもよい。
【0149】
また、実施の形態では、情報取得手段11が取得する情報としてナビゲーションシステムにおける地図情報を取得する場合の例を示したが、これらに限定されるものではなく、他の画像情報、映像情報、写真情報、文書情報、文字情報、プログラム情報等であってもよい。
【0150】
また、実施の形態では、情報追加手段18が追加する情報として地図関連の表示情報や自然音等の音声情報を追加する場合の例を示したが、これらに限定されるものではなく、静止画、動画、文字、キャラクター等の他の表示情報や、人の発声音、音声合成音、音楽、楽器音等の他の音声情報であってもよい。
【0151】
また、実施の形態では、地図情報の3D鳥瞰図表示と2D表示を別々の表示モードとして述べているが、3D鳥瞰図を表示する場合に、2Dの表示画面にて追加情報を付加した後に、3D鳥瞰図表示化するようにしてもよい。
【0152】
また、実施の形態では、出力手段19としてディスプレイモニター28等の表示装置やスピーカー29等の音声出力装置を利用した例を示したが、CRT( Cathode Ray Tube 、陰極線管)ディスプレイ、LCD( Liquid Crystal Display 、液晶表示素子)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、EL( Electro Luminescence 、電界発光)ディスプレイ、LED( Light Emitting Diode 、発光ダイオード)ディスプレイ、VFD( Vacuum Fluorescent Display 、蛍光表示管)ディスプレイ、投射型ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、携帯表示端末等の他の種々のディスプレイモニターや、ヘッドホン、イヤホン、音声合成装置等の音声出力機器や、プリンター等の他の出力機器を用いてもよい。
【0153】
また、実施の形態では、主に車両に搭載されるナビゲーションシステムを想定した場合の例を示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、列車、船舶、飛行機等の他の移動体に搭載されるナビゲーションシステムや、PDA( Personal Digital Assistant )等の人の持ち歩く携帯情報端末機器等に適用してもよい。さらに、移動体に搭載される機器に限らず、事務所等に固定設置される情報表示装置に応用してもよく、このような場合でも同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0154】
11 情報取得手段、12 位置検出手段、13 情報変換手段、14 矩形種別判定手段、15 矩形範囲判定手段、16 矩形統合手段、17 矩形領域判断手段、18 情報追加手段、19 出力手段、21 ドライブ、22 GPS受信機、23 ジャイロ、24 車速センサー、25 I/F回路、26 ナビECU、27 外部メモリー、28 ディスプレイモニター、29 スピーカー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を取得する地図情報取得手段と、
この地図情報取得手段からの地図情報に関する情報を複数の矩形領域に分割し、前記矩形領域毎に矩形領域内の追加表示情報が追加可能な空きスペースを判断する矩形領域判断手段と、
判断された前記矩形領域内の追加表示情報が追加可能な空きスペースに基いて、船舶類及び魚類並びに樹木類、鳥類、昆虫類及び噴水に関する表示情報並びに施設類に関する表示情報の何れかを追加表示情報として追加する表示情報追加手段と、
前記追加表示情報が追加された3D表示の地図を表示出力する表示装置と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
表示情報追加手段は、背景情報を追加表示情報として追加することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
表示情報追加手段は、背景情報として街並みまたは山並みの何れかを追加することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
表示情報追加手段は、現在の季節、年月日、時刻、天候、地域及び利用継続時間に関する情報の何れかまたは何れかの組み合わせに基いて追加表示情報を追加することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
追加表示情報の出力有無を切り換える追加表示情報出力切換手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
追加表示情報を指定する追加表示情報指定手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
外部から追加表示情報を入力する追加表示情報入力手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
外部から入力された追加表示情報を記憶する追加表示情報記憶手段を備えたこと特徴とする請求項7に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−33062(P2010−33062A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211794(P2009−211794)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【分割の表示】特願2001−241944(P2001−241944)の分割
【原出願日】平成13年8月9日(2001.8.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】