説明

ナビゲーション装置

【課題】使用者の快適性を向上できるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】使用者による目的地の入力を行う操作部10と、施設と該施設に必要な持ち物とを関連付けて記憶するデータベース13とを備え、目的地に設定された施設に対応する持ち物をデータベース13から抽出する。データベース13から抽出した持ち物を表示部11の表示等によって使用者に報知した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路を探索して使用者を案内するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置は特許文献1に開示されている。このナビゲーション装置は使用者により目的地が入力されると目的地までの経路を探索して表示部の地図上に表示する。また、目的地や経路途中の施設の営業時間、料金、内容案内等の施設情報を取得して表示部に表示する。これにより、使用者は目的地の施設について予め把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−207353号公報(第3頁−第9頁、第2図)
【特許文献2】特開2002−131064号公報(第3頁−第5頁、第8図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ナビゲーション装置は観光等によって目的地の内容や目的地までの経路を使用者がよく知らない場合に利用される。しかしながら、上記従来のナビゲーション装置の案内により目的地に到着した際に、使用者が目的地の施設で所持していないと不便な物品を持参するのを忘れる場合がある。例えば、目的地の施設が神社や寺院の場合に女性がハイヒールを履いており、運動靴を持参していないため歩きにくくなる。従って、使用者が目的地で十分楽しむことができず、使用者の快適性が低下する問題があった。
【0005】
本発明は、使用者の快適性を向上できるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、使用者による目的地の入力を行う操作部と、施設と該施設に必要な持ち物とを関連付けて記憶するデータベースとを備え、目的地に設定された施設に対応する持ち物を前記データベースから抽出して使用者に報知することを特徴としている。
【0007】
この構成によると、使用者による操作部の操作によって目的地が設定されると目的地までの経路が探索される。また、データベースから目的地の施設に関連付けられた持ち物が抽出され、表示や音声によって報知される。これにより、使用者は目的地の施設で必要な持ち物を持参して目的地まで経路案内される。
【0008】
また本発明は、上記構成のナビゲーション装置において、目的地に応じて抽出された持ち物を一覧表示する表示部を備え、前記表示部に表示された持ち物の選択操作によって該持ち物の購入施設を検索して前記表示部に一覧表示するとともに、一覧表示された購入施設の選択操作によって該購入施設が目的地までの経路の経由地に設定されることを特徴としている。
【0009】
この構成によると、目的地を設定すると目的地の施設に関連付けられた持ち物が表示部に一覧表示される。一覧表示された持ち物から一または複数の持ち物を選択操作すると、選択された持ち物を購入できる購入施設を検索して表示部に一覧表示する。更に一覧表示された購入施設から所望の購入施設を選択操作すると、選択された購入施設が経路の経由地に設定される。これにより、使用者は持ち物を購入するために購入施設まで経路案内される。
【0010】
また本発明は、上記構成のナビゲーション装置において、前記データベースが施設の種別毎に持ち物を関連付けて記憶することを特徴としている。この構成によると、データベースには各施設に対して神社、寺院、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、公園等の種別の情報が記憶される。そして、施設の各種別に対して必要な持ち物が関連付けられる。これにより、施設毎に持ち物を関連付けるよりもデータ量が削減される。
【0011】
また本発明は、上記構成のナビゲーション装置において、目的地の天気を取得する通信部を備えるとともに前記データベースが天気に応じて必要な持ち物を関連付けて記憶し、目的地の天気に対応する持ち物を前記データベースから抽出して使用者に報知することを特徴としている。この構成によると、データベースから目的地の天気に関連付けられた持ち物が抽出され、表示や音声によって報知される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、施設と該施設に必要な持ち物とを関連付けて記憶するデータベースを備え、目的地に設定された施設に対応する持ち物をデータベースから抽出して使用者に報知するので、目的地の施設に必要な持ち物の持参忘れを防止して使用者の快適性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態のナビゲーション装置の経路案内開始時の動作を示すフローチャート
【図3】本発明の実施形態のナビゲーション装置の目的地の施設検索画面を示す図
【図4】本発明の実施形態のナビゲーション装置の目的地の設定画面を示す図
【図5】本発明の実施形態のナビゲーション装置の持ち物リストの表示画面を示す図
【図6】本発明の実施形態のナビゲーション装置の持ち物の購入施設の検索画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は一実施形態の車載用のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は各部を制御する制御部2を備えている。制御部2はCPU3、描画チップ4、入出力部5、メモリ6を内部に有している。
【0015】
CPU3は各部を制御するための演算を行う。描画チップ4は表示部11の表示処理を行う。入出力部5は各部との信号の入出力を行う。メモリ6はROM及びRAMから成り、ナビゲーション装置1の動作プログラムや設定条件を格納するとともにCPU3による演算の一時記憶を行う。
【0016】
制御部2にはGPS部7、ジャイロセンサ8、車速センサ9、操作部10、表示部11、通信部12及び地図データ部13が接続される。GPS部7はGPSの電波を受信してナビゲーション装置1の現在位置を検知する。ジャイロセンサ8は自動車が曲がる際に加わる加速度を検知して曲がった角度を検出する。ジャイロセンサ8によってGPSの電波が届かない場所で自動車が曲がったことを検知する。車速センサ9は自動車の速度を検出し、GPSの電波が届かない場所での自動車の進行状態が検知される。
【0017】
地図データ部13はHDD、CD、DVD、フラッシュメモリ等から成り、地図データを格納するとともに詳細を後述する施設情報等のデータベースを格納する。表示部11は液晶パネルや有機ELパネル等から成り、地図データによる地図や操作メニューの表示を行う。操作部10は筐体上に設けられる操作キー、表示部11上に設けられるタッチパネル、リモートコントローラ等から成る。操作部10によって使用者によるメニュー操作や入力操作が行われる。通信部12は外部機関と通信を行って情報を取得する。
【0018】
ナビゲーション装置1は操作部10の操作によって出発地及び目的地が設定され、メモリ6に格納された動作プログラムによって目的地までの経路を探索して案内する。図2は経路案内開始時の動作を示すフローチャートである。
【0019】
ステップ#11では操作部10の操作によって目的地が設定されるまで待機する。図3は目的地の施設検索時の表示部11の表示画面を示している。表示部11には地図データ部13に格納された施設が一覧表示される。所望の施設を選択すると図4に示すように地図上に該施設のマーク21及び目的地の決定を指示するラベル22が表示される。ラベル22の押下等により該施設が目的地に設定される。操作部10の入力により施設の種別を絞り込んだ後に一覧から施設を特定してもよく、住所や電話番号を入力して施設を特定してもよい。
【0020】
目的地が設定されるとステップ#12で施設情報が検索され、ステップ#13で通信部12を介して目的地の天気の情報が取得される。地図データ部13には表1に示すように施設名、施設の種別(神社・寺院・コンビニエンスストア・ガソリンスタンド・公園等)、施設の経緯度、施設に必要な持ち物のリスト等の施設情報のデータベースが格納される。即ち、施設と施設に必要な持ち物とが関連付けられている。
【0021】
【表1】

【0022】
例えば、目的地の施設が神社や寺院では地面が石畳であることが多く、ハイヒールでは歩きにくいため運動靴を持参すると歩きやすい。このため、施設に必要な持ち物のデータとして運動靴が記憶される。また、目的地の施設がキャンプ場ではバーベキューセット(炭、網等)や食材等が必要な持ち物として記憶される。
【0023】
また、地図データ部13には天気に応じて必要な持ち物を関連付けたデータベースが保管される。例えば、雨の場合は傘や長靴等の持ち物が関連付けられ、花粉が多い場合はマスク等の持ち物が関連付けられる。
【0024】
ステップ#14では目的地の施設及び天気に応じた持ち物のリストが地図データ部13から取得され、ステップ#15で表示部11に表示される。図5はこの状態の表示部11の表示画面を示している。表示部11には図4の表示画面上に持ち物を表示するリストウィンドウ23が表示される。
【0025】
リストウィンドウ23には施設に必要な持ち物の項目が一覧表示され、各項目の先頭にはチェックボックス24が設けられる。リストウィンドウ23の下部にはボタン25、26が表示される。ボタン25はチェックボックス24にチェックされた持ち物の購入施設の検索を指示する。ボタン26は購入施設の検索を行わずにリストウィンドウ23を閉じる。
【0026】
ステップ#16ではボタン25の操作により持ち物の購入施設の検索の指示があったか否かが判断される。購入施設の検索の指示がない場合はステップ#21に移行する。購入施設の検索の指示があった場合はステップ#17で購入施設の検索が行われる。地図データ部13には表2に示すように、種々の持ち物とこれを購入可能な施設(以下、「購入施設」という場合がある)の種別とを関連付けたデータベースが保管される。
【0027】
【表2】

【0028】
そして、各持ち物を購入可能な施設の種別に該当する施設が地図データ部13から取得され、ステップ#18で表示部11に一覧表示される。図6はこの時の表示部11の表示画面を示している。所望の購入施設を選択して表示画面の下部に設けられたボタン27の操作によって購入施設が選択決定される。
【0029】
ステップ#19では一覧表示された購入施設から所望の購入施設が選択されるまで待機する。ボタン27の操作によって持ち物の購入施設が選択決定されるとステップ#20に移行する。ステップ#20では選択された購入施設が経路案内の経由地に設定される。尚、複数の持ち物がある場合はステップ#17〜#20が繰り返し行われる。この時、チェックボックス24にチェックされた複数または全部の持ち物を購入可能な購入施設を優先して表示するとより望ましい。
【0030】
ステップ#21では経由地を含む目的地までの経路探索が行われる。経路探索が終了するとステップ#22で目的地までの経路案内が開始される。これにより、目的地に到着するまで経路案内が行われる。
【0031】
本実施形態によると、施設と該施設に必要な持ち物とを関連付けて記憶するデータベースを備え、目的地に設定された施設に対応する持ち物をデータベースから抽出して使用者に表示部11の表示により報知するので、目的地の施設に必要な持ち物の持参忘れを防止して使用者の快適性を向上することができる。この時、目的地の施設に応じた持ち物を音声により使用者に報知してもよい。
【0032】
尚、地図データ部13に保管される施設情報のデータベースは各施設のレコード毎に持ち物のリストのデータを保管している。このため、種別の同じ複数の施設に対して重複した持ち物のデータが記憶され、データベースの容量が大きくなる。このため、表3に示すように施設情報のデータベースは施設と施設の種別とを関連付け、表4に示すように施設の種別と持ち物とを関連付けたデータベースを設けてもよい。これにより、データベースの容量を削減して施設と持ち物とを関連付けることができる。
【0033】
【表3】

【0034】
【表4】

【0035】
また、一覧表示された持ち物の選択操作によって該持ち物の購入施設を検索して一覧表示し、購入施設の選択操作によって該購入施設が目的地までの経路の経由地に設定されるので、容易に購入施設を経由地に設定して目的地の施設に必要な持ち物を購入することができ、使用者の利便性をより向上することができる。
【0036】
また、通信部12によって目的地の天気を取得して目的地の天気に対応する持ち物をデータベースから抽出して使用者に報知するので、例えば目的地が雨の時に傘の持参忘れを防止することができる。従って、使用者の快適性をより向上することができる。この時、目的地の天気に応じた持ち物を音声により使用者に報知してもよい。
【0037】
本実施形態において、施設に関連付けられる持ち物の情報を地図データ部13に保管しているが、外部のデータベースに保管して通信部12により取得してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によると、目的地までの経路を探索して使用者を案内するナビゲーション装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 ナビゲーション装置
2 制御部
3 CPU
4 描画チップ
5 入出力部
6 メモリ
7 GPS部
8 ジャイロセンサ
9 車速センサ
10 操作部
11 表示部
12 通信部
13 地図データ部
21 マーク
22 ラベル
23 リストウィンドウ
24 チェックボックス
25、26、27 ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者による目的地の入力を行う操作部と、施設と該施設に必要な持ち物とを関連付けて記憶するデータベースとを備え、目的地に設定された施設に対応する持ち物を前記データベースから抽出して使用者に報知することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
目的地に応じて抽出された持ち物を一覧表示する表示部を備え、前記表示部に表示された持ち物の選択操作によって該持ち物の購入施設を検索して前記表示部に一覧表示するとともに、一覧表示された購入施設の選択操作によって該購入施設が目的地までの経路の経由地に設定されることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記データベースが施設の種別毎に持ち物を関連付けて記憶することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
目的地の天気を取得する通信部を備えるとともに前記データベースが天気に応じて必要な持ち物を関連付けて記憶し、目的地の天気に対応する持ち物を前記データベースから抽出して使用者に報知することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−2367(P2011−2367A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146437(P2009−146437)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】