説明

ナビゲーション装置

【課題】特定のレースのコースと同様の性質をもったルートを探索する「ナビゲーション装置」を提供する。
【解決手段】地図40上でカーソル45により模擬対象コースの設定を受け付け(b)、模擬対象コースのコース特性(距離、累計高低差、平均斜度、最小カーブ半径、カーブ通過数)を算出する。そして、現在位置、もしくは、別途ユーザから指定された地点をスタート地点とする、コース特性が指定コース特性に近似するトレーニングコースのルートを探索し、探索したルートをトレーニングコースのルートとして保存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置における経路探索の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置における経路探索の技術としては、目的地までの経路を探索する技術や、所要時間が指定した時間となる環状のルートや、走行距離が指定した距離となる環状のルートを探索する技術などが知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-211497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、マラソンや自転車のロードレースの練習のために、参加予定または目標としている特定のレースのコースを模擬するトレーニングコースのルートを探索したい場合がある。しかしながら、レースのコースの性質は、距離のみならず様々な要因によって異なるものとなる。
【0005】
よって、このようなトレーニングコースの探索を、上述したような走行距離が指定した距離となる環状のルートを探索する技術によって行ったのでは、特定のレースのコースと同様の性質をもったルートは、これを探索することができない。
そこで、本発明は、ナビゲーション装置において、特定のレースのコースと同様の性質をもったルートを探索可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題達成のために、本発明は、ルートを探索し、探索したルートの案内を行うナビゲーション装置に、現在位置を算出する現在位置算出手段と、ユーザによって選択された地域の地図上で指定されたコースを、模擬対象コースとして設定する模擬対象コース設定手段と、前記模擬対象コース設定手段が設定した前記模擬対象コースの特性値を算出する指定コース特性算出手段と、前記現在位置算出手段が算出した現在位置もしくはユーザによって指定された地点をスタート地点とするコースであって、コースの特性値が、前記指定コース特性算出手段が算出した前記模擬対象コースの特性値と近似するコースのルートを探索し、探索したトレーニングコースのルートを表すデータをトレーニングコースデータとして保存するトレーニングコース設定手段とを設けたものである。ただし、前記特性値は、コースに含まれる登り路の標高差の合計を示す第1の特性と、コースに含まれる登り路の斜度の平均を示す第2の特性と、コースに含まれるカーブの最小半径を示す第3の特性と、コースに含まれるカーブの数を示す第4の特性と、コースの道のり距離を示す第5の特性とのうちの、いずれか少なくとも一つの特性の値を表すものである。
【0007】
また、本発明は、前記課題達成のために、ルートを探索し、探索したルートの案内を行うナビゲーション装置に、現在位置を算出する現在位置算出手段と、特性値の数値入力を受け付ける指定コース特性設定手段と、前記現在位置算出手段が算出した現在位置もしくはユーザによって指定された地点をスタート地点とするコースであって、コースの特性値が、前記指定コース特性設定手段が数値入力を受け付けた特性値と近似するコースのルートを探索し、探索したトレーニングコースのルートを表すデータをトレーニングコースデータとして保存するトレーニングコース設定手段とを備えたものである。ここで、前記特性値は、コースに含まれる登り路の標高差の合計を示す第1の特性と、コースに含まれる登り路の斜度の平均を示す第2の特性と、コースに含まれるカーブの最小半径を示す第3の特性と、コースに含まれるカーブの数を示す第4の特性とのうちの少なくとも一つ特性と、コースの道のり距離を示す第5の特性との値を表すものであるものである。
【0008】
これらのようなナビゲーション装置によれば、コースに含まれる登り路の標高差の合計や、コースに含まれる登り路の斜度の平均や、コースに含まれるカーブの最小半径や、コースに含まれるカーブの数や、コースの距離などについて、地図上で指定した特定のレースのコースや、特性値を入力した特定のレースのコースと、同様の性質をもったルートをトレーニングコースのルートとして探索することができるようになる。
【0009】
ここで、このようなナビゲーション装置には、前記保存されているトレーニングコースデータが表すルートに従った走行を案内するトレーニングコース案内手段を設けるようにすれば、ナビゲーション装置において、ユーザがトレーニングコースを走行するトレーニング時にトレーニングコースの道案内も行えるようになる。
【0010】
また、この場合には、ナビゲーション装置に、前記トレーニング案内手段が行った前記案内の各回についてのトレーニングデータを生成して記憶するトレーニングデータ生成手段を設ける用にしてもよい。ただし、前記各回のトレーニングデータには、当該回の案内に従って前記トレーニングコースデータが表すルートの走行完了にユーザが要した所要時間と、当該回の案内を行っていた期間中の各時点において前記現在位置算出手段が現在位置として算出した位置を表す走行履歴とを登録する。また、この場合には、前記トレーニング案内手段において、地図上に前記トレーニングコースデータが表すルートと、前記現在位置算出手段が算出している現在位置を表すマークと、登録されている所要時間が最短であるトレーニンデータの走行履歴が表す、案内開始時からの経過時間が、現時点の今回の前記案内の開始時からの経過時間と同じである時点において前記現在位置算出手段が現在位置として算出した位置を表すマークとを示したトレーニングコース案内画面を表示するようにする。
【0011】
このようにすることにより、ユーザは、トレーニングコースの案内を受けながら走行するトレーニングの各回において、当該トレーニングを、現在の自己の走行ペースを、当該トレーニングコースのベストタイム走行時の走行ペースと比較しながらを行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、ナビゲーション装置において、特定のレースのコースと同様の性質をもったルートを探索することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置が記憶するコースデータを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るコース設定処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示す。
ナビゲーション装置1は携帯型の装置もしくは自転車に装着可能な装置であり、ナビゲーション装置1は、スピーカ11、操作部12、表示装置13、GPS受信機などの現在位置と現在の進行方向を算出する装置であるところの現在状態算出部14、ルート探索部15、標高の情報を含む3次元の地図を表す地図データと後述するコースデータとを記憶したHDDなどの記憶装置16、メモリ17、スピーカ11を用いて音声を出力する音声出力部18、制御部19、案内画像生成部20、操作部12や表示装置13を用いたGUIをユーザに提供するGUI制御部21とを有する。
【0015】
但し、以上のナビゲーション装置1は、ハードウエア的には、マイクロプロセッサや、メモリや、その他のグラフィックプロセッサやジオメトリックプロセッサ等の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたCPU回路であって良く、この場合、以上に示したナビゲーション装置1の各部は、マイクロプロセッサが予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現されるものであって良い。また、この場合、このようなプログラムは、記録媒体や適当な通信路を介して、ナビゲーション装置1に提供されるものであって良い。
【0016】
さて、このような構成において、ナビゲーション装置1の現在状態算出部14は、算出した現在位置に対して、記憶装置16から読み出した地図データが示す地図とのマップマッチング処理などを施して、現在位置として最も確からしい座標と、現在の進行方向として最も確からしい方向とを、それぞれ現在位置、現在進行方位として決定し、メモリ17に設定する。
【0017】
次に、制御部19は、ユーザの目的地設定要求に応じて、ユーザから操作部12、GUI制御部21を介して目的地の設定を受け付け、これをメモリ17にセットする。そして、制御部19は、目的地の設定を受け付けたならば、メモリ17にセットされた目的地までの推奨ルートをルート探索部15に探索させる。ルート探索部15は、地図データを記憶装置16から読み出し、メモリ17に設定されている現在位置から目的地までの最小コストの経路を、距離最小などの所定のコストモデルに基づいて推奨ルートとして算出し、算出した推奨ルートの経路データを、メモリ17にセットする。また、制御部19は、メモリ17にセットされた現在位置が目的地近傍となったならば、目的地到着と判定し、メモリ17にセットされている目的地と推奨ルートをクリアする処理も行う。
【0018】
また、案内画像生成部20は、地図データに基づく、現在位置を基準とした現在位置周辺の地図の描画と、メモリ17にセットされた現在位置を表す現在位置マークの地図上への描画と、図4aに示すような案内画像を生成し、GUI制御部21を介して表示装置13に表示する。なお、図4aにおいて、40が地図を、41が現在位置マークを表している。また、目的地や経路データがメモリ17にセットされている場合には、案内画像生成部20は、経路データが示す推奨ルートを表す推奨ルート図形や、目的地を表す目的地マークも、案内画像の地図40上に描画する。
【0019】
次に、記憶装置16に記憶される前述したコースデータについて説明する。
ここで、コースデータは、詳細は後述するが、ユーザが設定保存したトレーニングコース毎に設けられる、当該トレーニングコースに関する各種情報を表すデータである。ここで、トレーニングコースとは、ユーザが、マラソンや自転車のロードレースのトレーニングに用いるコースである。
【0020】
さて、図2に示すようにコースデータの各々には、対応するトレーニングコースのコース名、対応するトレーニングコースの特性を表すコース特性、対応するトレーニングコースのルートを表すルートデータ、対応するトレーニングコースで行ったトレーニングの履歴を表すトレーニングデータ、ベストレコードポインタとが登録される。
【0021】
また、コース特性としては、トレーニングコースの道のり距離を表す距離、トレーニングコース中の登り路の標高差の合計である累計高低差、トレーニングコース中の登り路の斜度の平均である平均斜度、トレーニングコース中のカーブの最小半径である最小カーブ半径、トレーニングコース中のカーブ数であるカーブ通過数などが登録される。
【0022】
また、トレーニングデータは、対応するトレーニングコースで行ったトレーニング毎に対応する走行レコードが登録され、各走行レコードには対応するトレーニングを行った日時、対応するトレーニングにおけるトレーニングコースの完走に要した時間を表す要走行時間、対応するトレーニングコース走行期間中の各時点(たとえば、10秒毎の)のトレーニングコース上のユーザの位置を記憶した走行履歴が格納される。
【0023】
そして、ベストレコードポインタには、要走行時間が最小の走行レコードの識別が登録される。
さて、このようなナビゲーション装置1の構成において、制御部19は、図4aに示したメニューボタン42から呼出可能なメニューによって、ユーザから操作部12、GUI制御部21を介して、トレーニングコース設定要求を受け取ったならば、上述したトレーニングコースの設定のために、コース設定処理を行う。
【0024】
図3に、このコース設定処理の手順を示す。
図示するように、このコース設定処理では、まず、図4bに示すコース設定画面を表示し(ステップ302)、「模擬対象コース指定」ボタン43と、「数値入力」ボタン44のいずれかのボタン操作を受け付ける(ステップ304、306)。
そして、「模擬対象コース指定」ボタン43の操作を受け付けたならば(ステップ304)、図4cに示すようなコース受け付け画面を表示し、模擬対象コースの設定を受け付ける(ステップ322)。ここで、制御部19は、コース受け付け画面に、案内画像生成部20を介して、ユーザ操作に応じて定まるユーザの所望の地域の地図40を、ユーザ操作に応じて定まるユーザ所望の縮尺で表示する。また、制御部19は、コース受け付け画面の地図40上で、カーソル45による位置入力による地点指定操作を受け付けて、指定された地図40上の地点を指定順に結ぶルートを設定する。そして、完了ボタン47が操作されたならば、最初に指定された地点をスタート地点、完了ボタン47操作前に最後に指定された地点をゴール地点とする、設定したルートのコースを模擬対象コースとして受け付ける。
【0025】
ここで、ユーザは、このコース受け付け画面を用いて、設定するトレーニングコースで模擬しようとするレースのコースを模擬対象コースとして設定する。
さて、このようにして、模擬対象コースの設定を受け付けたならば、模擬対象コースのコース特性(距離、累計高低差、平均斜度、最小カーブ半径、カーブ通過数)を算出し、指定コース特性として設定しステップ312に進む。
一方、図4bに示すコース設定画面において、「数値入力」ボタン44の操作を受け付けた場合には(ステップ306)、図4dに示す数値入力画面を表示し、設定するトレーニングコースのコース特性(距離、累計高低差、平均斜度、最小カーブ半径、カーブ通過数)の数値の入力を受け付け、完了ボタン48が操作されたならば、入力された数値によるコース特性を、指定コース特性として設定しステップ312に進む。
【0026】
そして、このようにしてステップ312に進んだならば、メモリ17に設定されている現在位置、もしくは、別途ユーザから指定された地点をスタート地点とする、コース特性が指定コース特性に最も近似するトレーニングコースのルートを探索させる(ステップ312)。
【0027】
ここで、このルートの探索は、たとえば、次のように行う。
まず、スタート地点をゴール地点に設定し、指定コース特性の距離に応じて、地図上に探索範囲を設定する。探索範囲は、たとえば、スタート地点からの距離が、指定コース特性の距離の半分の距離以内の範囲とする。すなわち、指定コース特性の距離が10kmであれば、スタート地点から5km以内の範囲を探索範囲とする。
そして、探索範囲内に存在する、スタート地点からゴール地点に至るルートを全て探索する。
【0028】
そして、探索したルートのコース特性を求め、求めたコース特性と、指定コース特性の非近似度を求める。ここで、非近似度は抽出したルートのコース特性と指定コース特性との累距離の誤差をE0、抽出したルートのコース特性と指定コース特性との累計高低差の誤差をE1、抽出したルートのコース特性と指定コース特性との平均斜度の誤差をE2、抽出したルートのコース特性と指定コース特性との最小カーブ半径の誤差をE3、抽出したルートのコース特性と指定コース特性とのカーブ通過数の誤差をE4として、k0×E0+k1×E1+k2×E2+k3×E4+k4×E4として求める。但し、knは、係数であり、距離、累計高低差、平均斜度、最小カーブ半径、カーブ通過数の各々を相対的にどのように重要視するかに応じて予め定める。なお、数値入力画面でユーザから指定コース特性が設定されている場合において、累計高低差、平均斜度、最小カーブ半径、カーブ通過数のうち、ユーザから数値入力画面で数値が指定されなかったものの、抽出したルートのコース特性と指定コース特性との誤差は0とする。
【0029】
そして、探索したルートのうちの求めた非近似度が最小のルートをトレーニングコースのルートとする。
次に、このようにしてトレーニングコースのルートを探索したならば、探索されたトレーニングコースのルートを地図上で表す図5aに示すようなトレーニングコース確認画面を、案内画像生成部20に表示させる(ステップ314)。ここで、図5aに示すトレーニングコース確認画面において、Sマーク50がトレーニングコースのスタート地点を表し、ルート図形51がトレーニングコースのルートを表し、ゴールマーク52がトレーニングコースのゴール地点を表している。
【0030】
そして、トレーニングコース確認画面の保存ボタン53がユーザによって操作されたならば(ステップ316)、記憶装置16に新たに、トレーニングコース確認画面に表示しているトレーニングコースのコースデータを作成する(ステップ318)。
すなわち、このコースデータの作成では、まず、ユーザからトレーニングコースの名称の指定を受け付ける。そして、指定された名称をコース名とし、指定コース特性をコース特性、探索したトレーニングコースのルートを表すデータをルートデータとして登録したコースデータを新たに作成し記憶装置16に格納する。なお、この時点で、新たに作成したコースデデータのトレーニングデータ、ベストレコードポインタには何も登録しない。
【0031】
そして、ステップ316でコースデータを作成したトレーニングコースをカレントコースに設定し、コース案内処理を起動し(ステップ320)、処理を終了する。
以上、制御部19が行うコース設定処理について説明した。
次に、制御部19が行うコース案内処理について説明する。
コース案内処理は、上述のようにコース設定処理のステップ320で起動される他、以下のようにして起動されることもある。
すなわち、制御部19は、図4aに示したメニューボタン42から呼出可能なメニューによって、ユーザから操作部12、GUI制御部21を介して、トレーニングコース呼出要求を受け取ったならば、図5bに示すような、コースデータが記憶装置16に記憶されている各トレーニングコースのコースデータに登録されているコース名の一覧を表したコース呼出画面を表示し、ユーザよりトレーニングコースの選択を受け付ける。そして、選択を受け付けたトレーニングコースをカレントコースに設定し、コース案内処理を起動する。
【0032】
次に、これらのように起動されたコース案内処理では、まず、図5cに示すようなカレントコース確認画面を表示する。図示するように、カレントコース確認画面では、カレントコースに設定されているトレーニングコースのコースデータのルートデータに基づいて、地図40上に、現在位置41、カレントコースに設定されているトレーニングコースのスタート地点を表すSマーク50、カレントコースに設定されているトレーニングコースのルート図形51、カレントコースに設定されているトレーニングコースのゴール地点を表すゴールマーク52を表示する。
【0033】
そして、カレントコース確認画面で、現在位置がカレントコースに設定されているトレーニングコースのスタート地点にあるときに、案内開始ボタン54が操作されたならば、図5dに示すコース案内画面の表示によるカレントコースの案内を開始する。
図5dに示すように、コース案内画面では、地図40上に、現在位置41や、カレントコースに設定されているトレーニングコースのルート51などを表示する。
また、制御部19は、トレーニングコースのルート51に従って走行する場合に、右左折等の進路変更を行うべき地点に、現在位置が接近したならば、進路変更方向を案内する音声メッセージを音声出力部18を用いてスピーカ11から出力する処理なども行う。
よって、ユーザは、コース案内画面の表示や、音声メッセージによって、カレントコースに設定されているトレーニングコースに沿った走行案内を受けることができる。
次に、制御部19は、このコース案内画面に、案内開始ボタン54が操作されカレントコースの案内を開始してからの経過時間551、カレントコースの案内を開始してからの移動速度の平均値552、カレントコースの案内を開始してからの走行距離553を表示する。また、コース案内画面には、カレントコースに設定されているトレーニングコースのコースデータのコース特性に登録されている、カレントコースに設定されているトレーニングコースの道のり距離を表す距離561、当該コースデータのベストレコードポインタが識別を示す走行レコードに登録されている(過去に当該トレーニングコースを最短で走行完了したときの記録となる)要走行時間562も表示する。
【0034】
また、制御部19は、カレントコースの案内を開始したならば、カレントコースに設定されているトレーニングコースのコースデータのトレーニングデータに新たな走行レコードを作成し、日時として現在日時を登録する。そして、作成した走行レコードの走行履歴に、定期的(たとえば、10秒毎)に、カレントコースの案内を開始してからの経過時間に対応づけて現在位置を蓄積していく処理を行う。
【0035】
そして、制御部19は、このコース案内画面の地図40上には、カレントコースに設定されているトレーニングコースのコースデータのベストレコードポインタが識別を示す走行レコードに登録されている走行履歴に、現在の経過時間551と同じ経過時間に対応づけて記録されている現在位置、すなわち、当該トレーニングコースを、過去のベストタイム走行時と同じように走行した場合の現在位置を表すマーク57も表示する。
【0036】
よって、ユーザは、このようなコース案内画面の表示より、現在の自己の走行ペースを把握したり、現在の自己の走行状態の当該トレーニングコースのベストタイム走行時との比較を把握しながら、当該トレーニングコースを走行するトレーニングを行うことができる。
【0037】
さて、制御部19は、ユーザが、ゴール地点に到達しトレーニングコースの走行を完了したならば、カレントコースの案内の開始時に作成した走行レコードに、ゴール地点時のカレントコースの案内を開始してからの経過時間を、要走行時間として登録する。
また、登録した要走行時間が、同トレーニングデータに含まれる他の走行レコードに登録されている要走行時間のいずれよりも短ければ、カレントコースに設定されているトレーニングコースのコースデータのベストレコードポインタを、カレントコースの案内の開始時に作成した走行レコードの識別を表すものに更新する。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上の実施形態では、ナビゲーション装置1が、携帯型の装置もしくは自転車に装着可能な装置であるものとして説明したが、ナビゲーション装置1は、自動車に搭載される車載型の装置であってもよい。また、この場合には、ナビゲーション装置1において、コース案内処理を行わずに、コース設定処理によるトレーニングコースの設定とコースデータの作成のみを行うようにしてもよい。また、この場合、作成したコースデータを、外部装置に出力できるようにナビゲーション装置1は構成する。
【符号の説明】
【0039】
1…ナビゲーション装置、11…スピーカ、12…操作部、13…表示装置、14…現在状態算出部、15…ルート探索部、16…記憶装置、17…メモリ、18…音声出力部、19…制御部、20…案内画像生成部、21…GUI制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルートを探索し、探索したルートの案内を行うナビゲーション装置であって、
現在位置を算出する現在位置算出手段と、
ユーザによって選択された地域の地図上で指定されたコースを、模擬対象コースとして設定する模擬対象コース設定手段と、
前記模擬対象コース設定手段が設定した前記模擬対象コースの特性値を算出する指定コース特性算出手段と、
前記現在位置算出手段が算出した現在位置もしくはユーザによって指定された地点をスタート地点とするコースであって、コースの特性値が、前記指定コース特性算出手段が算出した前記模擬対象コースの特性値と近似するコースのルートを探索し、探索したトレーニングコースのルートを表すデータをトレーニングコースデータとして保存するトレーニングコース設定手段とを有し、
前記特性値は、コースに含まれる登り路の標高差の合計を示す第1の特性と、コースに含まれる登り路の斜度の平均を示す第2の特性と、コースに含まれるカーブの最小半径を示す第3の特性と、コースに含まれるカーブの数を示す第4の特性と、コースの道のり距離を示す第5の特性とのうちの、いずれか少なくとも一つの特性の値を表すものであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
ルートを探索し、探索したルートの案内を行うナビゲーション装置であって、
現在位置を算出する現在位置算出手段と、
特性値の数値入力を受け付ける指定コース特性設定手段と、
前記現在位置算出手段が算出した現在位置もしくはユーザによって指定された地点をスタート地点とするコースであって、コースの特性値が、前記指定コース特性設定手段が数値入力を受け付けた特性値と近似するコースのルートを探索し、探索したトレーニングコースのルートを表すデータをトレーニングコースデータとして保存するトレーニングコース設定手段とを有し、
前記特性値は、コースに含まれる登り路の標高差の合計を示す第1の特性と、コースに含まれる登り路の斜度の平均を示す第2の特性と、コースに含まれるカーブの最小半径を示す第3の特性と、コースに含まれるカーブの数を示す第4の特性とのうちの少なくとも一つ特性と、コースの道のり距離を示す第5の特性との値を表すものであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のナビゲーション装置であって、
前記保存されているトレーニングコースデータが表すルートに従った走行を案内するトレーニングコース案内手段を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3記載のナビゲーション装置であって、
前記トレーニング案内手段が行った前記案内の各回についてのトレーニングデータを生成して記憶するトレーニングデータ生成手段を有し、
前記各回のトレーニングデータには、当該回の案内に従って前記トレーニングコースデータが表すルートの走行完了にユーザが要した所要時間と、当該回の案内を行っていた期間中の各時点において前記現在位置算出手段が現在位置として算出した位置を表す走行履歴とが登録されており、
前記トレーニング案内手段は、地図上に前記トレーニングコースデータが表すルートと、前記現在位置算出手段が算出している現在位置を表すマークと、登録されている所要時間が最短であるトレーニンデータの走行履歴が表す、案内開始時からの経過時間が、現時点の今回の前記案内の開始時からの経過時間と同じである時点において、前記現在位置算出手段が現在位置として算出した位置を表すマークとを示したトレーニングコース案内画面を表示することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−237289(P2011−237289A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109130(P2010−109130)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】