説明

ナビゲーション装置

【課題】走行不能となる事態を回避できるとともに、目的地まで効率的に走行できるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】車両に搭載されて経路案内を行うナビゲーション装置10において、地図データに基づいて出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、車両の走行に必要な燃料を補給する燃料補給地点の情報を含む地図情報を記憶する地図データベース24と、車両の走行中に燃料を補給した連続する2つの燃料補給地点の情報を記憶する記憶手段36と、地図情報に基づき、記憶された2つの燃料補給地点間の走行距離を算出して走行可能距離とする走行距離算出手段26と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されて経路案内を行うナビゲーション装置に関し、特に、車両の走行に必要な燃料を補給するための燃料補給地点を経由して目的地まで走行可能な経路案内を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載され、地図データベースに記憶された地図情報に基づき、現在位置または出発地から目的地までの経路を探索してディスプレイに表示させ、利用者を目的地まで案内するナビゲーション装置が知られている。また、ナビゲーション装置は、通常、GPS(Global Positioning System)に代表される全世界航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite Systems)を利用して車両の現在位置を検出する現在位置検出手段を備えており、検出した現在位置を探索した経路とともにディスプレイに表示された地図に重ねて表示させることもできる。
【0003】
ところで、車両は、ガソリン、ガス、電気等を燃料として走行するため、当然、所定距離を走行する毎に燃料を補給する必要がある。特に、電気自動車の場合、現状では、ガソリン車に比べて走行可能距離が短いだけでなく、充電施設がまだ十分に普及していないため、自車の走行可能距離を正しく把握するとともに、充電施設の位置を予め確認しておき、燃料補給を行いながら計画的に走行することが必要である。
【0004】
そこで、下記特許文献1(特開平10−26537号公報)に開示されたナビゲーション装置では、走行可能距離に基づく給油間隔を設定し、給油間隔以下の距離にある給油点を経由することを条件とした経路を探索して走行し、車両が給油点に接近したとき、ユーザに給油を促すメッセージを報知するように構成している。また、このナビゲーション装置では、給油点を経由することを条件とせずに経路を探索して走行し、車両の走行距離が予め設定された走行可能距離以下の一定距離に達したとき、給油を促すメッセージをユーザに報知するように構成している。ユーザは、報知されたメッセージに従って燃料を補給することにより、走行不能の事態に至ることなく目的地まで走行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−26537号公報(段落[0029]〜[0031]参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1に開示されたナビゲーション装置の場合、ユーザが車両の走行可能距離を把握していることを前提として給油点を報知し、または、給油が必要であることを報知するようにしている。従って、ユーザが走行可能距離を正しく把握できない場合には、燃料切れの状態が近づいても、燃料補給の報知が適切に行われないため、走行不能となるおそれがある。
【0007】
車両の走行可能距離は、車両の種類、搭乗者数や荷物の量に応じた積載重量、車両の使用期間、ユーザの運転技術等によって異なるため、正確に把握することは困難である。従って、走行不能となる事態を確実に回避するためには、十分に余裕のある走行可能距離を設定して、燃料補給地点を経由する経路探索を行う必要がある。
【0008】
しかしながら、設定する走行可能距離に余裕を持たせた場合、燃料補給地点を経由する回数が増加するため、目的地までの経路が長くなり、また、所要時間も長くなる不具合が生じる。特に、ガソリン車に比べて走行可能距離の短い電気自動車の場合、充電施設が十分に普及していないこともあり、このような不具合はさらに増大することになる。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解消することを課題とするものであり、走行不能となる事態を回避できるとともに、設定する走行可能距離に余裕を持たせた場合であっても、目的地まで効率的に走行できるナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
車両に搭載されて経路案内を行うナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、
前記車両の走行に必要な燃料を補給する燃料補給地点の情報を含む地図情報を記憶する地図データと、
前記地図データに基づいて出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記車両の走行中に燃料を補給した連続する2つの前記燃料補給地点の情報を記憶する記憶手段と、
記憶された前記2つの燃料補給地点間の走行距離を算出して走行可能距離とする走行距離算出手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記経路探索手段は、前記車両の走行可能距離の範囲内にある前記燃料補給地点を経由する経路を探索することを特徴とする。
【0012】
また、本願の請求項にかかる発明は、請求項1または2にかかる発明において、前記車両に燃料を補給したことを検出する燃料補給検出手段を備え、前記記憶手段は、燃料の補給を検出した前記燃料補給地点の情報を記憶することを特徴とする。
【0013】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項3にかかる発明において、前記経路探索手段は、燃料補給検出手段が燃料補給を検出した際、当該検出地点から目的地までの経路を再探索し、再探索した経路の距離が前記走行可能距離より短ければ、前記再探索した経路を報知することを特徴とする。
【0014】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる発明において、前記再探索した経路の距離が前記走行可能距離より長い場合、前記再探索した経路上に燃料補給地点が存在すれば当該再探索した経路を報知し、燃料補給地点が存在しなければ当該再探索した経路を報知しないことを特徴とする。
【0015】
まか、本願の請求項6にかかる発明は、請求項1〜5の何れかにかかる発明において、前記車両は、電気を燃料とする自動車であり、前記燃料補給地点には、充電施設が設置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1にかかる発明においては、
車両に搭載されて経路案内を行うナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、前記車両の走行に必要な燃料を補給する燃料補給地点の情報を含む地図情報を記憶する地図データと、前記地図データに基づいて出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、前記車両の走行中に燃料を補給した連続する2つの前記燃料補給地点の情報を記憶する記憶手段と、記憶された前記2つの燃料補給地点間の走行距離を算出して走行可能距離とする走行距離算出手段と、を備える。
【0017】
このような構成によれば、2つの燃料補給地点間の走行距離で走行可能な経路を探索することにより、走行不能となる事態を回避して目的地まで効率的に走行することができるようになる。
【0018】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記経路探索手段は、前記車両の走行可能距離の範囲内にある前記燃料補給地点を経由する経路を探索する。これにより、車両は、経路内の燃料補給地点で燃料を補給し、燃料切れになることなく目的地まで走行することができるようになる。
【0019】
請求項3にかかる発明においては、請求項1または2にかかる発明において、車両に燃料を補給したことを検出する燃料補給検出手段を備え、前記記憶手段は、燃料の補給を検出した前記燃料補給地点の情報を記憶する。これにより、燃料補給地点の情報を自動的に記憶(登録)することができるようになる。
【0020】
請求項4にかかる発明においては、請求項3にかかる発明において、経路探索手段は、燃料補給検出手段が燃料補給を検出した際、当該検出地点から目的地までの経路を再探索し、再探索した経路の距離が前記走行可能距離より短ければ、前記再探索した経路を報知する。これにより、ユーザは目的地までの残りの経路として燃料補給地点を経由せずに走行できる最適経路を走行することができるようになる。
【0021】
請求項5にかかる発明においては、請求項4にかかる発明において、前記再探索した経路の距離が前記走行可能距離より長い場合、前記再探索した経路上に燃料補給地点が存在すれば当該再探索した経路を報知し、燃料補給地点が存在しなければ当該再探索した経路を報知しない。これによりユーザは目的地までの残りの経路を燃料補給地点を経由する経路に従って燃料切れを起こすことなく走行することができるようになる。
【0022】
請求項6にかかる発明においては、請求項1〜5のいずれか1項にかかる発明において、前記車両が電気を燃料とする自動車であり、前記燃料補給地点に充電施設が設置されている場合、走行距離が短く、且つ、充電施設が十分に整備されていない電気自動車であっても、燃料切れになることなく、目的地まで確実に走行することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の処理フローチャートである。
【図3】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置により探索される経路の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーション装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例1】
【0025】
図1は、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置10の要部構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、車両に搭載され、車両の現在位置を地図画像とともにディスプレイに表示するとともに、現在位置または所望の出発地から目的地までの経路を探索してディスプレイに表示することにより、ユーザが目的地まで走行するための支援を行うものである。
【0026】
ここで、ナビゲーション装置10が搭載される車両には、ガソリン、軽油、重油、プロパン、アルコール等を燃料とするものに限らず、電気を燃料とするもの、あるいは、これらを組み合わせたものを燃料とするあらゆる形態の車両が含まれる。
【0027】
ナビゲーション装置10は、制御手段12、現在位置検出手段20、経路探索手段22、地図情報記憶手段24、走行距離算出手段26、通信手段28、入力手段32、出力手段34、燃料補給検出手段35および燃料補給地点記憶手段36を備えて構成される。
【0028】
制御手段12は、CPU14、ROM16およびRAM18を備えて構成されており、ROM16および/またはRAM18に記憶された制御プログラムをCPU14が実行することにより、下記に説明する各部の動作を制御・統括する。なお、制御手段12は、燃料補給地点記憶手段36に対して燃料補給地点の情報を記憶(登録)する記憶制御手段として機能する。
【0029】
現在位置検出手段20は、地球上空を周回している複数のGPS衛星からの信号を所定の時間間隔で受信し、この信号に含まれている時刻情報および衛星位置情報に基づいて車両の現在位置を検出する。なお、現在位置検出手段20は、車両に搭載されているジャイロスコープ、加速度センサ等の自律航法手段を用いて車両の現在位置を検出するものであってもよい。
【0030】
経路探索手段22は、ユーザが設定した出発地、目的地、経由地等の経路探索条件に従い、地図情報を参照して最適な経路を探索するものである。経路探索手段22は、出発地または現在位置に対応する道路のノードから、所望の経由地を経由して、目的地に対応するノードに至る間のリンクをダイクストラ法等の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間を累積し、総リンク長(走行距離)または総所要時間が最短となる経路を探索する。
【0031】
地図情報記憶手段24は、道路の分岐地点等の結節点をノードとする道路ノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路リンクデータと、地形図データとを含む地図情報を記憶する地図データベースである。
【0032】
道路ノードデータには、道路ノード番号、位置座標、接続リンク本数、分岐地点名称等が含まれる他、分岐地点から所定距離だけ離れた案内地点において、右左折、直進等の経路案内を行う経路案内データおよび案内地点の位置座標が記憶されている。
【0033】
道路リンクデータには、始点および終点となる道路ノード番号、道路種別、ノード間の距離情報であるリンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータには、さらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所、制限速度等のデータが付与される。道路種別とは、高速道路や有料道路の別、国道や都道府県道等の別を含む情報である。
【0034】
地形図データには、海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、ガソリンスタンド、充電施設等の燃料補給地点、駐車場、ショッピングセンタ、美術館、その他のランドマークを含む施設名称、施設位置、施設形状、施設種別を含む情報が含まれる。
【0035】
走行距離算出手段26は、当該車両のユーザが燃料補給地点に立ち寄って燃料補給を行った後、次の燃料補給地点に立ち寄るまでの車両の走行距離、すなわち、燃料補給後の走行可能距離を算出するものである。なお、燃料補給地点間の走行距離は、車両が備えている距離計から取得した情報に基づいて算出することが望ましいが、経路探索手段22で探索した経路の燃料補給地点を用いて、実際に燃料補給が行われた燃料補給地点間の距離として算出することもできる。
【0036】
通信手段28は、例えば、地図情報記憶手段24に記憶されている各種データを最新のデータに更新するため、外部の情報サーバ30と無線通信を行い、必要な情報を取得するものである。
【0037】
入力手段32は、経路探索を行うため、ユーザが出発地、目的地、経由地等の経路探索条件を入力するものである。また、入力手段32を用いて、燃料補給地点の情報を入力するようにしてもよい。
【0038】
出力手段34は、現在位置検出手段20により検出した車両の現在位置、地図情報記憶手段24に記憶された地図情報に基づく地図画像、経路探索手段22により探索された案内経路等を表示する液晶表示パネルと、ユーザに対して音声で必要な情報を提供するスピーカとから構成される。
【0039】
燃料補給検出手段35は、ガソリン車においては、燃料補給タンクリッドの開閉や給油状態を検出し、電気自動車においては、充電プラグの接続状態や充電状態を検出することで、燃料が補給されたことを検出する。
【0040】
燃料補給地点記憶手段36は、燃料補給検出手段35によって検出された燃料補給地点の情報、または、ユーザが入力手段32を用いて入力した燃料補給地点の情報を記憶する。
【0041】
次に、以上のように構成されるナビゲーション装置10を用いた経路案内処理について、図2のフローチャートおよび図3の説明図を用いて説明する。
【0042】
通常のナビゲーション装置における経路探索では、特に、出発地から目的地までの最適経路を探索する際、燃料補給地点を経由するように考慮した経路探索は行われない。従って、以下に説明する本実施例のナビゲーション装置10においては、燃料補給地点を経由する経路探索のモードを設け、ユーザが当該経路探索モードを選択した時に、以下の処理が行われるようにしてもよく、特定の経路探索モードを設けることなく、一般的な経路探索条件(出発地、目的地、必要に応じて所望の経由地や出発時刻、目的地到着希望時刻など)が設定され、経路探索を行う場合に、自動的に以下の処理が行われるようにしてもよい。以下の説明は後者の場合を例にしている。
【0043】
なお、本発明にかかるナビゲーション装置では、経路探索に先立ち、過去の走行において走行中に燃料を補給した連続する2つの前記燃料補給地点の情報を、燃料補給地点記憶手段36に記憶してあるものとする。従って、走行距離算出手段26は記憶された2つの燃料補給地点間の走行可能距離を算出することができる。
【0044】
走行に先立ち、入力手段32を用いて、出発地38、目的地40、所望の施設等の経由地を経路探索条件として設定する(ステップS101)。経由地がない場合には経路探索条件として経由地を設定する必要はない。また、経路探索の条件には、時間、距離、費用等の優先順位等を設定することもできる。なお、出発地38は、入力手段32を用いてユーザが任意に設定してもよいが、現在位置検出手段20により検出した車両の現在位置としてもよい。
【0045】
経路探索手段22は、経路探索条件が入力されると、地図情報記憶手段24に記憶されている地図情報を用いて、出発地38から目的地40までの最適経路42a、42bを探索する(ステップS102)。最適経路42a、42bは、出発地38に対応する道路のノードから目的地に対応する道路のノードに至るまでのリンクをダイクストラ法等の手法によって探索することによって得られる。
【0046】
最適経路42a、42bが探索されると、制御手段12は、最適経路42a、42bに沿って目的地40まで走行可能か否かを判定する。例えば、最適経路42a、42b上に燃料補給地点Fが存在する場合、制御手段12は、地図情報記憶手段24から読み出した出発地38、目的地40および燃料補給地点Fの位置情報に基づき、出発地38から燃料補給地点Fまでの最適経路42aの距離、および、燃料補給地点Fから目的地40までの最適経路42bの距離を算出し、最適経路42aに沿って現在の車両の燃料で出発地38から燃料補給地点Fまで十分に走行可能であるか否か、および、燃料補給地点Fで燃料を補給することを考慮して、最適経路42bに沿って燃料補給地点Fから目的地40まで十分に走行可能であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0047】
なお、十分に走行可能であるか否かを判定するための基準値である走行可能距離は、先に述べたように、経路探索に先立ち、過去の走行において走行中に燃料を補給した連続する2つの燃料補給地点の情報を、燃料補給地点記憶手段36に記憶してあり、走行距離算出手段26が記憶された2つの燃料補給地点間の走行距離を算出して走行可能距離とすることで得るようしているが、安全な走行可能距離を基準値として予めナビゲーション装置10に設定しておいてもよく、あるいは現在の車両の燃料で確実に走行可能な距離としてユーザが任意に入力、設定できるようにしてもよい。
【0048】
出発地38から目的地40まで最適経路42a、42bに沿って走行可能であると判定された場合(ステップS103、YES)、出力手段34は、走行可能である旨をユーザに報知し、ユーザは、最適経路42a、42bに沿って目的地40まで走行する(ステップS104)。なお、最適経路42a、42bは、地図情報記憶手段24から読み出した地図画像と、現在位置検出手段20により検出された車両の現在位置とともに、液晶表示パネル等の出力手段34に表示される。この場合、必要に応じて燃料補給地点Fで燃料補給を行い、途中で燃料切れになることなく、最適な最適経路42a、42bに沿って目的地40まで走行することができる。
【0049】
一方、現在の残燃料では燃料補給地点Fまで到達できない、または、燃料補給地点Fで燃料を補給したとしても、目的地40まで走行できないと判定された場合(ステップS103、NO)、出力手段34は、走行不能である旨をユーザに報知する。そこで、ユーザは、入力手段32を用いて、燃料補給地点を経由する経路探索モードに変更する。モード変更が行われると、経路探索手段22は、出発地38から目的地40まで、ユーザが確実に走行可能と判断できる所定距離内にある燃料補給地点A〜Eを経由する最適経路44a〜44fを探索する(ステップS105)。
【0050】
探索された燃料補給地点A〜Eを経由する経路44a〜44fは、地図情報記憶手段24から読み出した地図画像と、現在位置検出手段20により検出された車両の現在位置とともに、液晶表示パネル等の出力手段34に表示される。ユーザは、表示された燃料補給地点A〜Eを経由する経路44a〜44fに従い、目的地40に向かって走行する(ステップS106)。
【0051】
ユーザは、経路44a〜44fに沿って走行し、ユーザが出発地38から走行可能と判断できる範囲の燃料補給地点A〜Eの1つで燃料補給を行う。例えば、出発地38に最も近い燃料補給地点Aで1回目の燃料補給を行ったものとする。燃料補給検出手段35は、燃料補給が行われたことを検出し、制御手段12は、燃料補給を検出した時点における1回目の燃料補給地点Aの情報を地図情報記憶手段24から取得して燃料補給地点記憶手段36に記憶(登録)する(ステップS107)。なお、燃料補給を燃料補給検出手段35により自動検出する代わりに、入力手段32を用いてユーザが燃料補給地点Aの情報を燃料補給地点記憶手段36に記憶(登録)するようにしてもよい。
【0052】
ユーザは、燃料補給地点Aで燃料を補給した後、経路44a〜44fに沿って走行可能な所定距離だけ走行し、次の燃料補給地点B〜Eの1つ、例えば、燃料補給地点Cで2回目の燃料補給を行う。そして、1回目の燃料補給地点Aの場合と同様に、燃料補給検出手段35により燃料補給が行われたことを検出し、あるいは、入力手段32を用いて燃料補給地点Cの情報を入力し、2回目の燃料補給地点Cの情報として燃料補給地点記憶手段36に記憶(登録)する(ステップS107)。
【0053】
連続する2回の燃料補給を行った後、走行距離算出手段26は、燃料補給を行った2箇所の燃料補給地点A、Cの情報を燃料補給地点記憶手段36から読み出し、燃料補給地点A、C間の距離Xを算出する(ステップS108)。なお、距離Xは、車両が備えている距離計から取得した情報に基づいて算出することが望ましいが、地図情報記憶手段24に記憶されている燃料補給地点A、Cに係る情報に基づいて算出することもできる。
【0054】
燃料補給地点A、C間の距離Xが算出されると、経路探索手段22は、2回目の燃料補給地点Cから目的地40までの最適経路46を探索する(ステップS109)
次いで、制御手段12は、最適経路46に沿って燃料補給地点Cから目的地40まで走行可能か否かを判定する(ステップS110)。すなわち、制御手段12は、地図情報記憶手段24から読み出した燃料補給地点Cおよび目的地40の情報に基づき、燃料補給地点Cから目的地40までの最適経路46の距離Yを算出し、この距離Yと、ステップS108で算出した燃料補給地点A、C間の距離Xとを比較する。X≧Yであれば、最適経路46に沿って走行可能であると判定し(ステップS110、YES)、最適経路46をユーザに報知し、ユーザはこの最適経路46に沿って燃料補給地点Cから目的地40まで走行する(ステップS104)。X<Yであれば、燃料補給せずに最適経路46に沿って目的地40まで走行できないと判定し(ステップS110、NO)、この経路のユーザへの報知は行わない。ただし、最適経路46の途中に走行可能距離を満足する燃料補給地点が存在すれば当該経路をユーザに報知するようにしてもよい。
【0055】
燃料補給せずに最適経路46に沿って目的地40まで走行できないと判定した場合(ステップS110、NO)、燃料補給地点D、Eを経由する経路44d〜44fに沿って目的地40まで走行する(ステップS111)。なお、経路44d〜44f間の合計の距離が走行可能な距離Xよりも長い場合には、距離Xよりも短い位置にある燃料補給地点DまたはEで適宜燃料を補給して目的地40まで走行する。
【0056】
なお、上記の処理手順は、経路探索条件として燃料補給地点を考慮しない通常の条件が設定された場合を例に説明したが、経路探索の条件として当初から燃料補給地点を考慮した経路探索モードを選択できるようにしてもよい。この場合、図2のフローチャートのステップS105の処理から処理を開始すればよい。
【符号の説明】
【0057】
10・・・ナビゲーション装置
12・・・制御手段
20・・・現在位置検出手段
22・・・経路探索手段
24・・・地図情報記憶手段
26・・・走行距離算出手段
28・・・通信手段
30・・・情報サーバ
32・・・入力手段
34・・・出力手段
35・・・燃料補給検出手段
36・・・燃料補給地点記憶手段
38・・・出発地
40・・・目的地
42a、42b、46・・・希望経路
44a〜44f・・・経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されて経路案内を行うナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、
前記車両の走行に必要な燃料を補給する燃料補給地点の情報を含む地図情報を記憶する地図データと、
前記地図データに基づいて出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記車両の走行中に燃料を補給した連続する2つの前記燃料補給地点の情報を記憶する記憶手段と、
記憶された前記2つの燃料補給地点間の走行距離を算出して走行可能距離とする走行距離算出手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記経路探索手段は、前記車両の走行可能距離の範囲内にある前記燃料補給地点を経由する経路を探索することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記車両に燃料を補給したことを検出する燃料補給検出手段を備え、
前記記憶手段は、燃料の補給を検出した前記燃料補給地点の情報を記憶することを特徴とする請求項1または2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記経路探索手段は、燃料補給検出手段が燃料補給を検出した際、当該検出地点から目的までの経路を再探索し、再探索した経路の距離が前記走行可能距離より短ければ、前記再探索した経路を報知することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記再探索した経路の距離が前記走行可能距離より長い場合、前記再探索した経路上に燃料補給地点が存在すれば当該再探索した経路を報知し、燃料補給地点が存在しなければ当該再探索した経路を報知しないことを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記車両は、電気を燃料とする自動車であり、前記燃料補給地点には、充電施設が設置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−47479(P2012−47479A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187307(P2010−187307)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】