説明

ノズルプレート及びその製造方法並びにノズルプレート付きインクジェットプリンタヘッド

【課題】本発明は、インクの吐出精密度を向上したノズルプレート及びこれを備えるインクジェットプリンタヘッドを提供する。
【解決手段】第1のシリコン基板153と、該第1のシリコン基板153とは異なる結晶方位を有し、第1のシリコン基板153と接合される第2のシリコン基板156とを含み、第1のシリコン基板153は第1の貫通ホール157aを有し、第2のシリコン基板153は第1の貫通ホール157aと連通しており、第1の貫通ホール157aと異なる構造を有する第2の貫通ホール157bとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルプレート及びその製造方法並びにノズルプレート付きインクジェットプリンタヘッドに関するものであり、より詳しくは、インクの吐出精密度を向上したノズルプレート及びその製造方法並びにノズルプレート付きインクジェットプリンタヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、インクジェットプリンタを用いてイメージを具現する技術が広く用いられている。最近では、カラーフィルタ(color filter)、太陽電池(Solar cell battery)、有機電界発光表示素子(OLED)及び印刷回路基板(Printed Circuit Board:PCB)の製造工程にインクジェットプリンタ技術を適用しようとする研究が進行している。
【0003】
インクジェットプリンタは、インクを吐出させるインクジェットプリンタヘッドを備える。該インクジェットプリンタヘッドは、ノズルパッケージと、該ノズルパッケージの下部に設けられ、最終的にインクを精密に吐出させるノズルプレートとを備える。該ノズルパッケージは、内部にインクが移動する供給流路を画定するプレート積層構造体を有する。また、該ノズルプレートは、該流路から供給されるインクを最終的に外部に吐出させる吐出流路を有する。
【0004】
普通、ノズルプレートは、ウェットエッチング工程によってシリコン基板に吐出流路を設けることによって製造される。例えば、ノズルプレートの製造は、所定のエッチング液を用いるウェットエッチング工程で、該シリコン基板に貫通ホールを設けてなされる。該吐出流路は、上開口が下開口に比べて大径を有して設けられる。そのため、該吐出流路は、略下方へ行くほどその断面積が小さくなるような四角柱、円柱、円錐などの形状を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0366651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前述のように、ウェットエッチング工程でノズルプレートを設ける場合、該吐出流路の精密な形成に限界がある。特に、前述のようなウェットエッチング工程によって該吐出流路を設ける場合、該吐出流路の最終端が鋭く設けられるため、製造されるインクジェットプリンタヘッドのインクの吐出精密度が低下するという現象が発生する。
【0007】
また、最近は、インクの吐出精密度を高めるために、該ノズルプレート内で吐出流路の形状が2種類以上の構造を有するものがある。例えば、該吐出流路は、傾斜した上部流路と垂直な下部流路とから成り、略漏斗(funnel)形状を有するように構成される。しかし、前述のような構造の吐出流路をウェットエッチング工程によって精密に制御して設けることは非常に難しく、仕上がりのノズルプレートの不良率が高くなる。
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、その目的は、インクの吐出精密度を向上したノズルプレート及びこれを備えるインクジェットプリンタヘッドを提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、インクの吐出精密度を向上したノズルプレートの製造方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明のさらに他の目的は、インクを最終的に外部に吐出させる吐出流路を精密に形成可能なノズルプレートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を解決するために、本発明の好適な実施の形態によるノズルプレートは、第1のシリコン基板と、該第1のシリコン基板とは異なる結晶方位を有し、該第1のシリコン基板と接合される第2のシリコン基板とを含み、前記第1のシリコン基板は第1の貫通ホールを有し、前記第2のシリコン基板は、該第1の貫通ホールと連通しており、該第1の貫通ホールと異なる構造を有する第2の貫通ホールを含むことができる。
【0012】
本発明の実施形態によれば、該第1のシリコン基板は、該第2のシリコン基板に比べて上部に配設され、該第1のシリコン基板は、[100]シリコンウェハであり、該第2のシリコン基板は、[110]シリコンウェハであってもよい。
【0013】
本発明の実施形態によれば、該第1の貫通ホールは、下方へ行くほどその断面積が小さくなる柱形状を有し、該第2の貫通ホールは、上下で同じ断面を有することができる。
【0014】
本発明の実施形態によれば、該第2のシリコン基板は、該第1のシリコン基板に比べて薄くてもよい。
【0015】
本発明の実施形態によれば、該第1の貫通ホール及び該第2の貫通ホールは、漏斗(funnel)構造を有することができる。
【0016】
本発明の実施形態によれば、該第1のシリコン基板と該第2のシリコン基板との間に介在する接合層を、さらに含むことができる。
【0017】
上記目的を解決するために、本発明の他の好適な実施形態によるノズルプレートは、第1のシリコン基板と、該第1のシリコン基板とは異なる結晶方位を有し、該第1のシリコン基板と接合される第2のシリコン基板と、該第1のシリコン基板及び該第2のシリコン基板を貫通し、該第1のシリコン基板と該第2のシリコン基板との境界面を基準に異なる形状を有する吐出流路とを有することができる。
【0018】
本発明の実施形態によれば、該第1のシリコン基板は、[100]シリコンウェハであり、該第2のシリコン基板は、[110]シリコンウェハであってもよい。
【0019】
本発明の実施形態によれば、該吐出流路は、該第1のシリコン基板に設けられ、下方へ行くほどその断面積が小さくなる第1の貫通ホールと、該第2のシリコン基板に設けられ、該第1の貫通ホールと連通する第2の貫通ホールとを含み、該第2の貫通ホールは上下で同じ断面を有することができる。
【0020】
本発明の実施形態によれば、該第2のシリコン基板は、該第1のシリコン基板に比べて薄くてもよい。
【0021】
本発明の実施形態によれば、該吐出流路は、該第1のシリコン基板に設けられる第1の貫通ホールと、該第2のシリコン基板に設けられ、該第1の貫通ホールと連通する第2の貫通ホールとを含み、該第1の貫通ホール及び該第2の貫通ホールは、漏斗構造をなすことができる。
【0022】
上記目的を解決するために、本発明のさらに他の好適な実施形態によるノズルプレートの製造方法は、結晶方位が異なるシリコンプレートを接合させて、プレート構造体を準備するステップと、該プレート構造体に吐出流路を設けたい領域を露出させるエッチング防止パターンを設けるステップと、該エッチング防止パターンをエッチングマスクとしてウェットエッチング工程を行って、該多層基板構造体に吐出流路を設けるステップと、該エッチング防止膜を除去するステップとを含むことができる。
【0023】
本発明の実施形態によれば、該多層基板構造体を準備するステップは、[100]結晶方位を有する第1のシリコンプレートを準備するステップと、[110]結晶方位を有する第2のシリコンプレートを準備するステップと、該第1のシリコンプレートと該第2のシリコンプレートとを接合するステップとを含むことができる。
【0024】
本発明の実施形態によれば、該多層基板構造体を準備するステップは、異なる結晶方位を有する第1のシリコンプレート及び第2のシリコンプレートを準備するステップと、該第1のシリコンプレートと該第2のシリコンプレートとをシリコン直接ボンディング(Silicon Direct Bonding:SDB)方法によって接合するステップとを含むことができる。
【0025】
本発明の実施形態によれば、該多層基板構造体を準備するステップは、該シリコンプレート間に接合層を介在し、該シリコンプレート間を接合するステップを含むことができる。
【0026】
本発明の実施形態によれば、該エッチング防止パターンを設けるステップは、該多層基板構造体を覆うシリコン窒化膜を設けるステップと、該吐出流路を設けたい領域上の該シリコン窒化膜を選択的に除去するステップとを含むことができる。
【0027】
本発明の実施形態によれば、該吐出流路を設けるステップは、該多層基板構造体をなすシリコンプレートのうち上部に配設されたシリコンプレートに第1の貫通ホールを設けるステップと、該シリコンプレートのうち下部に配設されるシリコンプレートに、該第1の貫通ホールと連通され、該第1の貫通ホールと異なる構造を有する第2の貫通ホールを設けるステップとを含むことができる。
【0028】
本発明の実施形態によれば、該吐出流路を設けるステップは、該多層基板構造体を貫通する漏斗形状の貫通ホールを設けるステップを含むことができる。
【0029】
本発明の実施形態によれば、該多層基板構造体を準備するステップは、[100]結晶方位を有する第1のシリコンプレートを準備するステップと、[110]結晶方位を有する第2のシリコンプレートを準備するステップとを含み、該吐出流路を設けるステップは、該第1のシリコンプレートに下方へ行くほどその断面積が減少する形状の第1の貫通ホールを設けるステップと、該第2のシリコンプレートに、該第1の貫通ホールに連通し上下で同じ断面を有する第2の貫通ホールを設けるステップとを含むことができる。
【0030】
本発明の実施形態によれば、該吐出流路を設けるステップは、該多層基板構造体をなすシリコンプレートのうち上部に配設されたシリコンプレートに相対的に下部に配設されたシリコンプレートを露出させる第1の貫通ホールを設けるステップと、該上部に配設されたシリコンプレートをエッチングマスクとして、該下部に配設されたシリコンプレートに、該第1の貫通ホールと連通する第2の貫通ホールを設けるステップとを含むことができる。
【0031】
本発明の実施形態によれば、該多層基板構造体を準備するステップは、該複数のシリコンプレートの相対的な厚さを調節するステップを含み、該複数のシリコンプレートの相対的な厚さを調節するステップは、該シリコンプレートのうちの少なくともいずれか一つをグラインディング(grinding)するステップを含むことができる。
【0032】
本発明の実施形態によれば、該吐出流路を設けるステップは、該多層基板構造体を異方性にエッチングするエッチング液を供給するステップを含むことができる。
【0033】
本発明の実施形態によれば、該エッチング液を供給するステップは、水酸化カリウム(KOH)エッチング液を供給するステップを含み、該水酸化カリウムエッチング液は、該多層基板構造体の下面を覆う該エッチング防止パターンが露出されるように、該多層基板構造体をエッチングすることができる。
【0034】
本発明の実施形態によれば、該吐出流路を設けるステップは、該エッチング液が該多層基板構造体をなすシリコンプレートのうち上部に配設されたシリコンプレートをエッチングして、該上部に配設されたシリコンプレートに第1の貫通ホールを設けるステップと、該エッチング液が該上部に配設されたシリコンプレートにより自己整列されつつ、該シリコンプレートのうち下部に配設されたシリコンプレートに、該第1の貫通ホールと連通する第2の貫通ホールを設けるステップとを含むことができる。
【0035】
本発明によるノズルプレートの製造方法は、結晶方位が異なるシリコンプレートから成るプレート構造体を準備するステップと、該プレート構造体に該シリコンプレート間の境界面を境にして異なる構造を有する吐出流路を設けるステップとを含むことができる。
【0036】
本発明の実施形態によれば、該吐出流路を設けるステップは、該プレート構造体に吐出流路を設けたい領域を露出させるエッチング防止パターンを設けるステップと、該エッチング防止パターンをエッチングマスクとしてウェットエッチング工程を行うステップを含むことができる。
【0037】
本発明の実施形態によれば、該吐出流路は、異なる形状の上部流路及び下部流路を含み、該吐出流路を設けるステップは、該上部流路と該下部流路との境界点を画定するステップを含み、該上部流路と該下部流路との境界点を画定するステップは、該シリコンプレートの相対厚さを調節して行うことができる。
【0038】
本発明の実施形態によれば、該プレート構造体は、上下に接合された第1のシリコンプレート及び第2のシリコンプレートを含み、該吐出流路を設けるステップは、該第1のシリコンプレートに該第2のシリコンプレートへ行くほどその断面積が減少する形状の第1の貫通ホールを設けるステップと、該第2のシリコンプレートに上下で同じ断面を有する第2の貫通ホールを設けるステップとを含むことができる。
【0039】
本発明によるインクジェットプリンタヘッドは、内部にインクが移動する供給流路を画定する空間を有する多層プレート構造体と、該多層プレート構造体の上部に配設されたアクチュエータと、該多層プレート構造体の下部に配設されたノズルプレートとを含み、該ノズルプレートは、第1のシリコン基板と、該第1のシリコン基板とは異なる結晶方位を有し、該第1のシリコン基板と接合される第2のシリコン基板と、該第1のシリコン基板と該第2のシリコン基板とを貫通して、該第1のシリコン基板と該第2のシリコン基板との境界面を境にして異なる構造の吐出流路とを有する。
【0040】
本発明の実施形態によれば、該第1のシリコン基板は、[100]シリコンウヱハであり、該第2のシリコン基板は、[110]シリコンウェハであってもよい。
【0041】
本発明の実施形態によれば、該第1のシリコン基板は、下方へ行くほどその断面積が小さくなる第1の貫通ホールを有し、該第2のシリコン基板は、該第1の貫通ホールと連通しており、上下で同じ断面を有する第2の貫通ホールを有することができる。
【0042】
本発明の実施形態によれば、該第1のシリコン基板は、該吐出流路の上部流路を画定する第1の貫通ホールを含み、該第2のシリコン基板は、該吐出流路の下部流路を画定する第2の貫通ホールを含み、該第1の貫通ホール及び該第2の貫通ホールは、漏斗構造をなして互いに連通させることができる。
【0043】
本発明の実施形態によれば、該第1のシリコン基板及び該第2のシリコン基板のうち相対的に低い位置に配設される基板は、薄い厚さを有することができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によるインクジェットプリンタヘッドは、互いに結合されたノズルパッケージ及びノズルプレートを備え、該ノズルプレートは、異なる結晶方向を有する複数のシリコン基板から成り、該シリコン基板間の境界面を境にして異なる形状を有する吐出流路を画定することができる。これにより、本発明によるノズルプレート及びこれを備えるインクジェットプリンタヘッドは、該シリコン基板の結晶方向によって異なるエッチング面が設けられる原理を用いて、区間別に異なる形状を有して設けられた吐出流路を備えることによって、インクの吐出精密度を向上させることができる。
【0045】
また、本発明によるノズルプレートの製造方法は、異なる結晶方向を有する複数のシリコン基板を接合させ、区間別に異なる形状を有する吐出流路を有する多層プレート構造体を製造することができる。該吐出流路の具体的な構造は、該シリコン基板の結晶方向及び相対的な厚さを調節することによって多様に変更することができる。これにより、本発明によるノズルプレートの製造方法は、複数のシリコン基板の結晶方向によって異なるエッチング面が設けられることを用いて、区間別に異なる形状を有する吐出流路を精密に形成でき、インクの吐出精密度を向上したノズルプレートを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態によるインクジェットプリンタヘッドを示す図面である。
【図2】図1中のノズルプレートを示す図面である。
【図3】本発明の実施形態によるノズルプレートの製造方法を示す順序図である。
【図4】本発明の実施形態によるノズルプレートの製造過程を説明する図面である。
【図5】同じく、ノズルプレートの製造過程を説明する図面である。
【図6】同じく、ノズルプレートの製造過程を説明する図面である。
【図7】同じく、ノズルプレートの製造過程を説明する図面である。
【図8】同じく、ノズルプレートの製造過程を説明する図面である。
【図9】同じく、ノズルプレートの製造過程を説明する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付の図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施の形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達され得るようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施の形態に限定されることなく他の形態で具体化することができる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることがある。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0048】
本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む」とは、言及された構成要素、ステップと、動作及び/又は素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップと、動作及び/又は素子の存在または追加を排除しないことに理解されたい。
【0049】
以下、添付図面を参照して、本発明によるノズルプレート及びその製造方法及び該ノズルプレート付きインクジェットプリンタヘッドについて詳細に説明する。
【0050】
図1は、本発明の実施形態によるインクジェットプリンタヘッドを示す図面であり、図2は、図1中のノズルプレートを示す図面である。
【0051】
図1及び図2などに示すように、本発明の実施形態によるインクジェットプリンタヘッド(inkjet printer head)100は、ノズルパッケージと、該ノズルパッケージに結合されるノズルプレート150とを含むことができる。
【0052】
該ノズルパッケージは、多層プレート構造体111及びアクチュエータ140を含むことができる。該多層プレート構造体111は、複数のプレートが積層された構造を有することができる。例えば、該多層プレート構造体111は、第1のプレート112と、第2のプレート122と、第3のプレート132とを含むことができる。該第1のプレート112は、該多層プレート構造体111の最下部に配設される。該第1のプレート112はインク2を収容するレザバー(reservoir)114を画定する貫通ホールを含むことができる。該第2のプレート122は、該第1のプレート112と該第3のプレート132との間に介在することができる。該第2のプレート122は、ノズルプレート15Oへのインク2の供給のための第1の供給流路124を画定する貫通ホールを含んでもよい。第3のプレート132は、第2のプレート122の上部に配設してもよい。第3のプレート132は、第2のプレート122及び最上部の保護板136とともに、インク2の供給のための第2の供給流路134を画定する貫通ホールを含むことができる。
【0053】
前述のように、第1〜第3のプレート112、122、132から成る該多層プレート構造体111は内部に、該ノズルプレート150にインク2を供給させるための供給流路を画定することができる。該供給流路は、レザバー114、第1の供給流路122、第2の供給流路132から成る空間であってもよい。
【0054】
アクチュエータ140は、多層プレート構造体111の上部に配設してもよい。該アクチュエータ140は、複数の電極及び該複数の電極間に配設された圧電体から成る駆動手段であってもよい。前述のような構造のアクチュエータ140は、インク2の供給時、該複数の電極へ所定の電圧が印加され、これにより該圧電体が駆動して多層プレート構造体111内の供給流路を膨張させることによって、インク2に流動圧を与えることができる。
【0055】
ノズルプレート150は多層基板構造体151を含むことができる。該多層基板構造体151は、複数の基板が上下に接合された構造を有することができる。例えば、該多層基板構造体151は、上下に接合された第1のシリコン基板153及び第2のシリコン基板156を含むことができる。
【0056】
第1のシリコン基板153は、第1の貫通ホール157aを有することができる。該第1の貫通ホール157aは、下へ行くほどその断面積が減少する形状を有することができる。すなわち、該第1の貫通ホール157aの上開口の幅は、該第2の貫通ホール157bの下開口の幅に比べて大きくなる。これにより、該第1の貫通ホール157aは略下方へ行くほどその断面積が減少する四角柱、円柱及び円錐のうちのいずれか一つの形状を有することができる。第2のシリコン基板156は、第1の貫通ホール157aと連通する第2の貫通ホール157bを有することができる。該第2の貫通ホール157bは、上下で同じ断面を有することができる。すなわち、該第2の貫通ホール157bの上開口の幅と該第2の貫通ホール157bの下開口の幅との大きさは、同一であってもよい。これにより、該第2の貫通ホール157bは略四角柱及び円柱のうちのいずれか一つの形状を有することができる。
【0057】
前述のような第1及び第2の貫通ホール157a、157bは漏斗形状の吐出流路157をなすことができる。すなわち、該第1の貫通ホール157aは該吐出流路157の上部流路を画定し、該第2の貫通ホール157bは該吐出流路157の下部流路を画定することができる。該吐出流路157はノズルパッケージから供給されるインク2を最終的に外部に吐出させる構成であってもよい。ここで、該第2のシリコン基板156は該第1のシリコン基板153に比べて、薄い厚さを有することができる。すなわち、該第1のシリコン基板153は第1の厚さ(T1)で構成され、該第2のシリコン基板156は該第1の厚さ(T1)に比べて薄い第2の厚さ(T2)で構成されてもよい。これにより、該第2の吐出ホール157bの上下長さは、該第1の吐出ホール157aの上下長さに比べて短くなる。
【0058】
一方、前述のような第1及び第2の貫通ホール157a、157bは一度のウェットエッチング工程によって設けることができる。これにより、該第1及び第2の貫通ホール157a、157bを設けるウェットエッチング工程は、同じエッチング液を使用して現場(in−situ)で行われてもよい。この時、該第1及び第2の貫通ホール157a、157bは異なる形状を有するため、前述のような吐出流路157を設けるために、該第1及び第2のシリコン基板153、156が異なる結晶方向を有するようにすることができる。例えば、該第1のシリコン基板153は[100]シリコンウェハであり、該第2のシリコン基板156は[110]シリコンウェハであってもよい。該多層基板積層体151をなすシリコン基板は[100]シリコンウェハ、[110]シリコンウェハ及び[111]シリコンウェハのうちのいずれか一つであって、これらの結合順序及び組合方式などは、好みの吐出流路の形状によって多様に変更及び変形されてもよい。
【0059】
前述のように、本発明によるインクジェットプリンタヘッド100はノズルパッケージ及びノズルプレート150を備え、該ノズルプレート150は異なる結晶方向を有する第1及び第2のシリコン基板153、156から成り、漏斗形状の吐出流路157を画定することができる。これにより、本発明によるノズルプレート150及びこれを備えるインクジェットプリンタヘッド100は、シリコン基板153、156の結晶方向によって異なるエッチング面が設けられるのを用いて、区間別に異なる形状を有する吐出流路157を精密に形成でき、インクの吐出精密度を向上させることができる。
【0060】
続いて、前述の本発明の実施形態によるノズルプレートの製造方法を詳細に説明する。ここで、前述の実施形態によるノズルプレート150に関し重複する内容は、省略または簡略化する。
【0061】
図3は、本発明の実施形態によるノズルプレートの製造方法を示す順序図で、図4〜図9は本発明の実施形態によるノズルプレートの製造過程を説明する図面である。
【0062】
図3及び図4などに示すように、異種接合構造を有するプレート積層体を準備する(S110)。例えば、該プレート積層体を準備するステップは、第1のシリコンプレート152を準備するステップと、第2のシリコンプレート154を準備するステップと、第1のシリコンプレート152と第2のシリコンプレート154とを上下に接合するステップとを含むことができる。
【0063】
ここで、第1のシリコンプレート152と第2のシリコンプレート154とは異なる結晶方位を有することができる。一例として、第1のシリコンプレート152としては[100]シリコンウェハが用いられ、第2のシリコンプレート154としては[110]シリコンウェハが用いられることができる。これにより、該プレート積層体は、異なる結晶方位を有するシリコンウェハが積膚された構造を有することができる。
【0064】
第1及び第2のシリコン基板152、154を接合するステップは、プレート積層体をシリコン直接接合方法(Silicon Direct Bonding:SDB)で接合して行われることができる。この場合、第1及び第2のシリコンプレート152、154間には別途の接合層が介在する必要がない。または、他の例として、第1及び第2のシリコンプレート152、154間に接合層を介在して、第1及び第2のシリコンプレート152、154を互いに接合させることができる。この場合、該接合層の厚さは、後続工程の吐出流路形成工程で、該吐出流路の形成を妨害しない程度に薄く設けられることが望ましい。
【0065】
図3及び図5などに示すように、第1及び第2のシリコンプレート152、154の相対厚さを調節する(S120)。例えば、第1のシリコンプレート152に比べて第2のシリコンプレート154の厚さが薄くなるように、該基板積層体を加工するステップを含むことができる。一例として、該基板積層体を加工するステップは、第2のシリコンプレート154の処理面を選択的にグラインデイング(grinding)して、薄い厚さの第2のシリコンプレート155を製造するステップを含むことができる。他の例として、該基板積層体を加工するステップは、第2のシリコンプレート154の処理面を選択的に湿式または乾式エッチング処理するステップを含んでもよい。これにより、第1のシリコンプレート152及び該第1のシリコンプレート152に比べて薄い第2のシリコンプレート155から成るプレート積層体が製造される。
【0066】
図3及び図6などに示すように、プレート積層体に吐出流路形成領域10を露出させるエッチング防止パターン158を形成する(S130)。例えば、該エッチング防止パターン158を設けるステップは、プレート積層体を均一な厚さで覆うシリコン窒化膜(SiN)を設けるステップと、該シリコン窒化膜に該プレート積層体の吐出流路形成領域10を露出させる開口158aを設けるステップとを含むことができる。
【0067】
図3、図7及び図8などに示すように、エッチング防止パターン158をエッチングマスクとして、プレート積層体に対してウェットエッチング工程を行う(S140)。該ウェットエッチング工程を行うステップは、該プレート積層体にエッチング液を供給するステップを含むことができる。該エッチング液としては水酸化カリウム(KOH)エッチング液が挙げられる。該基板積層体に供給される該水酸化カリウムエッチング液は、エッチング防止パターン158の開口158aを通じて露出されたプレート積層体の吐出流路形成領域10をエッチングすることができる。
【0068】
より詳細には、供給された該エッチング液は、まず第1のシリコンプレート(図6の152)をエッチングし、第1のシリコンプレート152に第1の貫通ホール157aを形成する。この時、該第1のシリコンプレート152は[100]結晶方位を有するシリコンウェハなので、該第1の貫通ホール157aは図7に示すように、下方へ行くほどその断面積の減少する四角柱または円柱形状に形成すことができる。該第1の貫通ホール157aの傾斜角度は、単結品インゴットを切断して第1のシリコンプレート152を準備する過程において、該単結品インゴットを切断する角度を調節することによって調節してもよい。これにより、下へ行くほどその断面積が減少する第1の貫通ホール157aを有する第1のシリコン基板153が形成される。
【0069】
続いて、該エッチング液は、第1のシリコン基板153をエッチングマスクとして第2のシリコンプレート(図7の155)をエッチングすることができる。この時、該エッチング液は、第1のシリコン基板153により自己整列(self−aligned)され、第1のシリコン基板153により選択的に露出された第2のシリコンプレート155の部分をエッチングすることができる。これにより、該第2のシリコンプレート155に第1の貫通ホール157aと連通する第2の貫通ホール157bを設けることができる。ここで、該第2のシリコン基板155は[110]結晶方位を有するシリコンウェハなので、該第2の貫通ホール157bは図8に示すように、垂直な円柱形状に形成することができる。該第2の貫通ホール157bの傾斜角度は、単結品インゴットを切断して第2のシリコンプレート154を準備する過程において、該単結晶インゴットを切断する角度を調節することによって調節してもよい。
【0070】
前述のような過程によって、漏斗形状を有する吐出流路157を画定する第1のシリコン基板153と第2のシリコン基板156との接合構造を製造することができる。該吐出流路157は区間別に異なる形状を有することができる。特に、該吐出流路157は第1のシリコン基板153と第2のシリコン基板156との境界面を境にして異なる形状を有するため,第1及び第2のシリコン基板153、156の相対厚さを調節することによって、吐出流路157の区間別形状を区分する基準を調節することができる。
【0071】
図3及び図9などに示すように、エッチング防止パターン158を除去する(S150)。該エッチング防止パターン158を除去するステップは、該プレート積層体に対してエッチング防止パターン158を選択的にエッチングするエッチング液を使用するウェットエッチング工程によって行われることができる。
【0072】
前述のように、本発明によるノズルプレート100の製造方法は、異なる結晶方向を有する第1及び第2のシリコン基板153、156を接合させて、区間別に異なる形状を有する吐出流路157を有する多層プレート構造体151を製造することができる。この時、該吐出流路157の具体的な構造は、該シリコン基板153、156の結晶方向及び相対的な厚さを調節することによって多様に変更することができる。これにより、本発明によるノズルプレート100の製造方法は、シリコン基板153、156の結晶方向によって異なるエッチング面が設けられることを用いて、区間別に異なる形状を有する吐出流路157を精密に形成できるため、インクの吐出精密度が向上したノズルプレート100を製造することができる。
【0073】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0074】
100 インクジェットプリンタヘッド
101 積層プレート構造体
112 第1のプレート
122 第2のプレート
132 第3のプレート
140 アクチュエータ
150 ノズルプレート
151 多層基板構造体
153 第1のシリコン基板
156 第2のシリコン基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシリコン基板と、
前記第1のシリコン基板にとは異なる結晶方位を有し、前記第1のシリコン基板と接合される第2のシリコン基板とを含み、
前記第1のシリコン基板は、第1の貫通ホールを有し、
前記第2のシリコン基板は、前記第1の貫通ホールと連通しており、前記第1の貫通ホールと異なる構造を有する第2の貫通ホールと、を含むノズルプレート。
【請求項2】
前記第1のシリコン基板は、前記第2のシリコン基板に比べて上部に配設され、
前記第1のシリコン基板は、[100]シリコンウェハであり、
前記第2のシリコン基板は、[110]シリコンウェハである、請求項1に記載のノズルプレート。
【請求項3】
前記第1の貫通ホールは、下方へ行くほどその断面積が小さくなる柱形状を有し、
前記第2の貫通ホールは、上下で同じ断面を有する、請求項1に記載のノズルプレート。
【請求項4】
前記第2のシリコン基板は、前記第1のシリコン基板に比べて薄い、請求項3に記載のノズルプレート。
【請求項5】
前記第1の貫通ホール及び前記第2の貫通ホールは、漏斗(funnel)構造をなす、請求項1に記載のノズルプレート。
【請求項6】
前記第1のシリコン基板と前記第2のシリコン基板との間に介在する接合層を、さらに含む、請求項1に記載のノズルプレート。
【請求項7】
第1のシリコン基板と、
前記第1のシリコン基板とは異なる結晶方位を有し、前記第1のシリコン基板と接合される第2のシリコン基板と、
前記第1のシリコン基板及び前記第2のシリコン基板を貫通して、前記第1のシリコン基板と前記第2のシリコン基板との境界面を境にして異なる形状を有する吐出流路と、を含むノズルプレート。
【請求項8】
前記第1のシリコン基板は、[100]シリコンウェハであり、
前記第2のシリコン基板は、[110]シリコシウェハである、請求項7に記載
のノズルプレート。
【請求項9】
前記吐出流路は、
前記第1のシリコン基板に設けられ、下方へ行くほどその断面積が小さくなる第1の貫通ホールと、
前記第2のシリコン基板に設けられ、前記第1の貫通ホールと連通し、上下で同じ断面を有する第2の貫通ホールとを含む、請求項7に記載のノズルプレート。
【請求項10】
前記第2のシリコン基板は、前記第1のシリコン基板に比べて薄い、請求項7に記載のノズルプレート。
【請求項11】
前記吐出流路は、
前記第1のシリコン基板に設けられる第1の貫通ホールと、
前記第2のシリコン基板に設けられ,前記第1の貫通ホールと連通する第2の貫通ホールとを含み、
前記第1の貫通ホール及び前記第2の貫通ホールは、漏斗構造をなす、請求項7に記載のノズルプレート。
【請求項12】
結晶方位が異なるシリコンプレートを接合させて、プレート構造体を準備するステップと、
前記プレート構造体に吐出流路を設けたい領域を露出させるエッチング防止パターンを設けるステップと、
前記エッチング防止パターンをエッチングマスクとしてウェットエッチング工程によって、前記多層基板構造体に吐出流路を設けるステップと、
前記エッチング防止膜を除去するステップと、を含むノズルプレートの製造方法。
【請求項13】
前記多層基板構造体を準備するステップは、
[100]結晶方位を有する第1のシリコンプレートを準備するステップと、
[110]結晶方位を有する第2のシリコンプレートを準備するステップと、
前記第1のシリコンプレートと前記第2のシリコンプレートとを接合するステップとを含む、請求項12に記載のノズルプレートの製造方法。
【請求項14】
前記多層基板構造体を準備するステップは、
異なる結晶方位を有する第1のシリコンプレート及び第2のシリコンプレートを準備するステップと、
前記第1のシリコンプレートと前記第2のシリコンプレートとをシリコン直接ボンディング(Silicon Direct Bonding:SDB)方法で接合するステップとを含む、請求項12に記載のノズルプレートの製造方法。
【請求項15】
前記多層基板構造体を準備するステップは、
前記シリコンプレートの間に接合層を介在させて、前記シリコンプレートを互いに接合するステップを含む、請求項12に記載のノズルプレートの製造方法。
【請求項16】
前記エッチング防止パターンを設けるステップは、
前記多層基板構造体を覆うシリコン窒化膜を設けるステップと、
前記吐出流路を設けたい領域上の前記シリコン窒化膜を選択的に除去するステップとを含む、請求項12に記載のノズルプレートの製造方法。
【請求項17】
前記吐出流路を設けるステップは、
前記多層基板構造体をなすシリコンプレートのうち上部に配設されたシリコンプレートに第1の貫通ホールを設けるステップと、
前記シリコンプレートのうち下部に配設されるシリコンプレートに、前記第1の貫通ホールと連通され、前記第1の貫通ホールと異なる構造を有する第2の貫通ホールを設けるステップとを含む、請求項12に記載のノズルプレートの製造方法。
【請求項18】
前記吐出流路を設けるステップは、
前記多層基板構造体を貫通する漏斗形状の貫通ホールを設けるステップを含む、請求項12に記載のノズルプレートの製造方法。
【請求項19】
前記多層基板構造体を準備するステップは、
[100]結晶方位を有する第1のシリコンプレートを準備するステップと、
[110]結晶方位を有する第2のシリコンプレートを準備するステップとを含み、
前記吐出流路を設けるステップは、
前記第1のシリコンプレートに下方へ行くほどその断面積が減少する形状の第1の貫通ホールを設けるステップと、
前記第2のシリコンプレートに、前記第1の貫通ホールに連通され、上下で同じ断面を有する第2の貫通ホールを設けるステップとを含む、請求項12に記載のノズルプレートの製造方法。
【請求項20】
前記吐出流路を設けるステップは、
前記多層基板構造体をなすシリコンプレートのうち上部に配設されたシリコンプレートに、相対的に下部に配設されたシリコンプレートを露出させる第1の貫通ホールを設けるステップと、
前記上部に配設されたシリコンプレートをエッチングマスクとして、前記下部に配設されたシリコンプレートに、前記第1の貫通ホールと連通する第2の貫通ホールを設けるステップとを含む、請求項12に記載のノズルプレートの製造方法。
【請求項21】
前記多層基板構造体を準備するステップは、前記シリコンプレートの相対的な厚さを調節するステップを含み、
前記シリコンプレートの相対的な厚さを調節するステップは、
前記シリコンプレートのうちの少なくともいずれか一つをグラインディングするステップを含む、請求項12に記載のノズルプレートの製造方法。
【請求項22】
前記吐出流路を設けるステップは、前記多層基板構造体を異方性にエッチングするエッチング液を供給するステップを含む、請求項12に記載のノズルプレートの製造方法。
【請求項23】
前記エッチング液を供給するステップは、水酸化カリウム(KOH)エッチング液を供給するステップを含み、
前記水酸化カリウムエッチング液は、前記多層基板構造体の下面を覆う前記エッチング防止パターンが露出されるように、前記多層基板構造体をエッチングする、請求項に記載22のノズルプレートの製造方法。
【請求項24】
前記吐出流路を設けるステップは、
前記エッチング液が前記多層基板構造体をなすシリコンプレートのうち上部に配設されたシリコンプレートをエッチングして、該上部に配設されたシリコンプレートに第1の貫通ホールを設けるステップと、
前記エッチング液が前記上部に配設されたシリコンプレートにより自己整列されつつ、前記シリコンプレートのうち下部に配設されたシリコンプレートに、前記第1の貫通ホールと連通する第2の貫通ホールを設けるステップとを含む、請求項22に記載のノズルプレートの製造方法。
【請求項25】
結晶方位が異なる複数のシリコンプレートから成るプレート構造体を準備するステップと、
前記プレート構造体に前記複数のシリコンプレート間の境界面を境にして異なる構造を有する吐出流路を設けるステップと、を含むノズルプレートの製造方法。
【請求項26】
前記吐出流路を設けるステップは、
前記プレート構造体に吐出流路を設けたい領域を露出させるエッチング防止パターンを設けるステップと、
前記エッチング防止パターンをエッチングマスクとしてウェットエッチング工程を行うステップとを含む、請求項25に記載のノズルプレートの製造方法。
【請求項27】
前記吐出流路は、異なる形状の上部流路及び下部流路を含み、
前記吐出流路を設けるステップは、前記上部流路と前記下部流路との境界点を画定するステップを含み、
前記上部流路と前記下部流路との境界点を画定するステップは、前記シリコンプレートの相対厚さを調節して行われる、請求項25に記載のノズルプレートの製造方法。
【請求項28】
前記プレート構造体は、上下に接合された第1のシリコンプレート及び第2のシリコンプレートを含み、
前記吐出流路を設けるステップは、
前記第1のシリコンプレートに、前記第2のシリコンプレートへ行くほどその断面積の減少する形状の第1の貫通ホールを設けるステップと、
前記第2のシリコンプレートに上下で同じ断面を有する第2の貫通ホールを設けるステップとを含む、請求項25に記載のノズルブレートの製造方法。
【請求項29】
内部にインクが移動する供給流路を画定する空間を有する多層プレート構造体と、
前記多層プレート構造体の上部に配設されたアクチュエータと、
前記多層プレート構造体の下部に配設されたノズルプレートとを含み、
前記ノズルプレートは、
第1のシリコン基板と、
前記第1のシリコン基板とは異なる結晶方位を有し、前記第1のシリコン基板と接合される第2のシリコン基板と、
前記第1のシリコン基板及び前記第2のシリコン基板を貫通して、前記第1のシリコン基板と前記第2のシリコン基板との境界面を境にして異なる構造の吐出流路とを含む、インクジェットプリンタヘッド。
【請求項30】
前記第1のシリコン基板は、[100]シリコンウェハであり、
前記第2のシリコン基板は、[110]シリコンウェハである、請求項29に記載のインクジェットプリンタヘッド。
【請求項31】
前記第1のシリコン基板は、下方へ行くほどその断面積が小さくなる第1の貫通ホールを有し、
前記第2のシリコン基板は、前記第1の貫通ホールと連通しており、上下で同じ断面を有する第2の貫通ホールを有する、請求項29に記載のインクジェットプリンタヘッド。
【請求項32】
前記第1のシリコン基板は、前記吐出流路の上部流路を画定する第1の貫通ホールを含み、
前記第2のシリコン基板は、前記吐出流路の下部流路を画定する第2の貫通ホールを含み、
前記第1の貫通ホール及び前記第2の貫通ホールは、漏斗構造をなして互いに連通される、請求項29に記載のインクジェットプリンタヘッド。
【請求項33】
前記第1のシリコン基板及び前記第2のシリコン基板のうち相対的に低い位置に配設される基板は、薄い厚さを有する、請求項29に記載のインクジェットプリンタヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−11371(P2012−11371A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261088(P2010−261088)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】