説明

ノズル孔拭浄方法及び装置

【課題】液体塗布機のヘッドのノズル孔を混色等が生じないように拭浄する。
【解決手段】液体を吐出する多数のノズル孔をそれらの開口部が平面上に並ぶように複数列でヘッドに設け、ヘッドと拭浄体6とを一方向Yに相対移動させつつ、ノズル孔の開口部を拭浄体に接触させることにより、ノズル孔の開口部を拭浄する。ヘッドと拭浄体が一方向に相対移動する際にノズル孔の開口部の軌跡がノズル孔列8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2同士間で重なり合わないように、あらかじめ上記平面に垂直な軸の回りでヘッドを所望角度だけ回転させておく。拭浄体を介して異種類の液体がノズル孔の開口部に付着することがなく、異種類の液体同士の混合が防止され、適正な液体の塗布が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料、インク等の液体をノズル孔から微小な液滴にして吐出する液体塗布機におけるノズル孔の拭浄方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体塗布機である大型インクジェットプリンタは、多数のノズル孔から液体インクを微細な液滴にして紙等の被塗布体に向かって吐出するようになっている。各色のインクが所望の発射方式によりノズル孔から被塗布体に向かって微小な液滴となって発射され、この液滴の発射が各色ごとに繰り返されることにより、インクが被塗布体に所望の絵柄、パターン等として印刷され、あるいは塗布される(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような液体塗布機では、インク等の液体の塗布を繰り返すとインク滓等の異物がノズル孔の開口部に付着したり堆積したりし、そのため液滴の発射方向が逸れたり、液滴の大きさ、形状が変化したりして正常な塗布ができなくなる場合がある。これを防止するために、従来の液体塗布機は拭浄装置を備えることで定期的に、或いは液体塗布に異常が発生した場合等にノズル孔の拭浄を自動的に行うようになっている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−240158号公報
【特許文献2】特開2005−21809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液体塗布機は多数のノズル孔を一体的に保持したヘッドを有している。従来、ノズル孔を拭浄する際は、このヘッドをメンテナンス位置まで一方向に移動させた後に、作業者が拭浄シートを用いて手作業でノズル孔の開口部を拭いている。しかし、この手作業によるノズル孔の拭浄は時間と手間がかかって非効率であり、ひいては製品の生産効率の低下を招く。
【0006】
また、ヘッド毎に用意した拭浄装置により、ノズル孔の開口部と拭浄体とを接触させながら一方向及びこれに垂直な方向に動かして、ノズル孔の拭浄を行う場合もあるが、これは拭浄のための駆動機構が多くなるので、液体塗布機の価格が高くなる要因になる。
【0007】
また、ヘッドに設けられたノズル孔の列はヘッドの移動方向に対して所望角度だけ傾斜しているが、例えばノズル孔列ごとに色違いのインクを吐出する場合は、単に一方向にヘッドと拭浄シートを相対移動させただけでは、拭浄シートの同じ箇所に互いに色違いのインクを吐出するノズル孔が接触することとなり、ある色インクを吐出するノズル孔の開口部に他の色インクが付着して混色したインクが被塗布体に向かって吐出されることになる。これはカラーフィルタ等の品質低下、不良品の発生、歩留まりの低下等の原因となる。
【0008】
従って、本発明はこのような問題点を解決することができるノズル孔拭浄方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
【0010】
すなわち、請求項1に係る発明は、液体を吐出する多数のノズル孔(7)をそれらの開口部が平面(63p)上に並ぶように複数列でヘッド(63a,63b)に設け、ヘッド(63a,63b)と拭浄体(6)とを一方向(Y)に相対移動させつつ、ノズル孔(7)の開口部を拭浄体に接触させることにより、ノズル孔(7)の開口部を拭浄するノズル孔拭浄方法において、上記ヘッド(63a,63b)と上記拭浄体(6)が上記一方向(Y)に相対移動する際にノズル孔(7)の開口部の軌跡がノズル孔列(8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2)同士間で重なり合わないように、あらかじめ上記平面(63p)に垂直な軸の回りで上記ヘッド(63a,63b)を所望角度回転させておくことを特徴とするノズル孔拭浄方法である。
【0011】
請求項2に記載されるように、請求項1に記載のノズル孔拭浄方法において、上記ノズル孔列(8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2)が上記一方向(Y)と平行になるように上記ヘッド(63a,63b)を回転させておいてもよい。
【0012】
請求項3に記載されるように、請求項1に記載のノズル孔拭浄方法において、上記ヘッド(63a,63b)のノズル孔(7)が列ごとに互いに異なる液滴を吐出するものとしてもよい。
【0013】
請求項4に記載されるように、請求項1に記載のノズル孔拭浄方法において、上記ヘッド(63a,63b)を複数個設け、上記拭浄体(6)を上記一方向(Y)に所定の間隔を置いて複数箇所にわたって配置し、すべてのヘッド(63a,63b)を上記一方向(Y)に一列で走行させつつ、各ヘッド(63a,63b)のノズル孔(7)をヘッド(63a,63b)ごとに割り振った拭浄体(6)で拭浄するようにしてもよい。
【0014】
請求項5に記載されるように、請求項1に記載のノズル孔拭浄方法において、上記ヘッド(63a,63b)のノズル孔(7)の拭浄時に拭浄体(6)とノズル孔(7)の開口部とを上記一方向(Y)に垂直な方向(Z)で相対的に接触させ、拭浄後に拭浄体(6)とノズル孔(7)の開口部とを上記垂直な方向(Z)で相対的に離反させるようにしてもよい。
【0015】
請求項6に記載されるように、請求項1に記載のノズル孔拭浄方法において、上記ヘッド(63a,63b)のすべてのノズル孔(7)が拭浄された後、ヘッド(63a,63b)と上記拭浄体(6)とを上記一方向(Y)で相対移動させ、ヘッド(63a,63b)が上記拭浄体(6)上を通過する際にノズル孔(7)から拭浄体(6)に向かって液体を吐出させるようにしてもよい。
【0016】
また、請求項7に係る発明は、液体を吐出する多数のノズル孔(7)をそれらの開口部が平面(63p)上に並ぶように複数列でヘッド(63a、63b)に設け、ヘッド(63a、63b)と拭浄体(6)とを一方向(Y)に相対移動させつつ、ノズル孔(7)の開口部を拭浄体(6)に接触させることにより、ノズル孔(7)の開口部を拭浄するノズル孔拭浄装置において、上記ヘッド(63a、63b)と上記拭浄体(6)が上記一方向(Y)に相対移動する際にノズル孔(7)の開口部の軌跡がノズル孔列(8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2)同士間で重なり合わないように、あらかじめ上記平面(63p)に垂直な軸(Z)の回りで上記ヘッド(63a、63b)を所望角度回転させるヘッド回転手段(60)が設けられたノズル孔拭浄装置を採用する。
【0017】
請求項8に記載されるように、請求項7に記載のノズル孔拭浄装置において、上記ヘッド回転手段(60)が、上記ノズル孔列(8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2)の列方向が上記一方向(Y)と平行になるように上記ヘッド(63a、63b)を回転させておくものであってもよい。
【0018】
請求項9に記載されるように、請求項7に記載のノズル孔拭浄装置において、上記ヘッド(63a、63b)のノズル孔(7)は、列ごとに互いに異なる液滴を吐出するものであってもよい。
【0019】
請求項10に記載されるように、請求項7に記載のノズル孔拭浄装置において、上記ヘッド(63a、63b)が複数個設けられ、上記拭浄体(6)が上記一方向(Y)に所定の間隔を置いて複数箇所にわたって配置され、すべてのヘッド(63a、63b)が上記一方向(Y)に一列で走行しつつ、各ヘッド(63a、63b)のノズル孔(7)がヘッド(63a、63b)ごとに割り振られた拭浄体(6)で拭浄されるようにしたものであってもよい。
【0020】
請求項11に記載されるように、請求項7に記載のノズル孔拭浄装置において、上記ヘッド(63a、63b)のノズル孔(7)の拭浄時に拭浄体(6)とノズル孔(7)の開口部とが上記一方向(Y)に垂直な方向(Z)で相対的に接触し、拭浄後に拭浄体(6)とノズル孔(7)の開口部とが上記垂直な方向(Z)で相対的に離反するようになっているものであってもよい。
【0021】
請求項12に記載されるように、請求項7に記載のノズル孔拭浄装置において、上記ヘッド(63a、63b)のすべてのノズル孔(7)が拭浄された後、ヘッド(63a、63b)と上記拭浄体(6)とを上記一方向(Y)で相対移動させ、ヘッド(63a、63b)が上記拭浄体(6)上を通過する際にノズル孔(7)から拭浄体(6)に向かって液体を吐出させるようにしたものであってもよい。
【0022】
請求項13に記載されるように、請求項11に記載のノズル孔拭浄装置において、連続状の拭浄体(6)を繰出しロール(9)から巻取りロール(10)へと送るようにし、拭浄時に繰出しロール(9)と巻取りロール(10)との間の拭浄体(6)を昇降ロール(11)によってノズル孔(7)の開口部に向かって押し付けるようにしたものであってもよい。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に係る発明によれば、液体を吐出する多数のノズル孔(7)をそれらの開口部が平面(63p)上に並ぶように複数列でヘッド(63a,63b)に設け、ヘッド(63a,63b)と拭浄体(6)とを一方向(Y)に相対移動させつつ、ノズル孔(7)の開口部を拭浄体に接触させることにより、ノズル孔(7)の開口部を拭浄するノズル孔拭浄方法において、上記ヘッド(63a,63b)と上記拭浄体(6)が上記一方向(Y)に相対移動する際にノズル孔(7)の開口部の軌跡がノズル孔列(8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2)同士間で重なり合わないように、あらかじめ上記平面(63p)に垂直な軸の回りで上記ヘッド(63a,63b)を所望角度回転させておくので、ヘッド(63a,63b)のノズル孔(7)が列ごとに互いに異なる液体を吐出する場合であっても、各ブロックのノズル孔(7)の開口部はノズル孔(7)の列ごとに拭浄体(6)に対する接触位置が異なる。したがって、拭浄体(6)を介して異種類の液体がノズル孔(7)の開口部に付着することがなく、異種類の液体同士の混合が防止され、適正な液体の塗布が可能になる。
【0024】
請求項2に記載されるように、請求項1に記載のノズル孔拭浄方法において、上記ノズル孔列(8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2)が上記一方向(Y)と平行になるように上記ヘッド(63a,63b)を回転させておくものとすると、拭浄体(6)が例えばシートである場合にシートの蛇行や移動が防止され、適正な拭浄が可能になり、拭浄効果が向上する。
【0025】
請求項3に記載されるように、請求項1に記載のノズル孔拭浄方法において、上記ヘッド(63a,63b)のノズル孔(7)が列ごとに互いに異なる液滴を吐出するものとすれば、ノズル孔(7)の拭浄に伴う異種類の液滴の混合が防止される。ことに、液滴がインクである場合は、インク同士の混色を防止することができ、従って、拭浄後も適正な印刷を行うことができる。
【0026】
請求項4に記載されるように、請求項1に記載のノズル孔拭浄方法において、上記ヘッド(63a,63b)を複数個設け、上記拭浄体(6)を上記一方向(Y)に所定の間隔を置いて複数箇所にわたって配置し、すべてのヘッド(63a,63b)を上記一方向(Y)に一列で走行させつつ、各ヘッド(63a,63b)のノズル孔(7)をヘッド(63a,63b)ごとに割り振った拭浄体(6)で拭浄するようにした場合は、拭浄時間を短縮し、塗布効率を高めることができる。また、すべてのブロックを一列で同じ方向に相対移動させることから、拭浄体(6)の幅を狭くし、高価な拭浄体(6)の消費を低減することができる。
【0027】
請求項5に記載されるように、請求項1に記載のノズル孔拭浄方法において、上記ヘッド(63a,63b)のノズル孔(7)の拭浄時に拭浄体(6)とノズル孔(7)の開口部とを上記一方向(Y)に垂直な方向(Z)で相対的に接触させ、拭浄後に拭浄体(6)とノズル孔(7)の開口部とを上記垂直な方向(Z)で相対的に離反させるようにした場合は、ヘッド(63a,63b)と拭浄体(6)との相対移動を円滑化し、ノズル孔(7)の拭浄を効率的に行うことができる。
【0028】
請求項6に記載されるように、請求項1に記載のノズル孔拭浄方法において、上記ヘッド(63a,63b)のすべてのノズル孔(7)が拭浄された後、ヘッド(63a,63b)と上記拭浄体(6)とを上記一方向(Y)で相対移動させ、ヘッド(63a,63b)が上記拭浄体(6)上を通過する際にノズル孔(7)から拭浄体(6)に向かって液体を吐出させるようにした場合は、ノズル孔(7)の拭浄後における捨て打ちを可能にし、ノズル孔(7)に液体の適正なメニスカスを形成することができる。
【0029】
請求項7に係る発明によれば、液体を吐出する多数のノズル孔(7)をそれらの開口部が平面(63p)上に並ぶように複数列でヘッド(63a、63b)に設け、ヘッド(63a、63b)と拭浄体(6)とを一方向(Y)に相対移動させつつ、ノズル孔(7)の開口部を拭浄体(6)に接触させることにより、ノズル孔(7)の開口部を拭浄するノズル孔拭浄装置において、上記ヘッド(63a、63b)と上記拭浄体(6)が上記一方向(Y)に相対移動する際にノズル孔(7)の開口部の軌跡がノズル孔列(8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2)同士間で重なり合わないように、あらかじめ上記平面(63p)に垂直な軸(Z)の回りで上記ヘッド(63a、63b)を所望角度回転させるヘッド回転手段(60)が設けられたことから、各ヘッド(63a、63b)のノズル孔(7)が列ごとに互いに異なる液体を吐出する場合であっても、各ヘッド(63a、63b)のノズル孔(7)の開口部はノズル孔(7)の列ごとに拭浄体(6)に対する接触位置が相違する。したがって、拭浄体(6)を介して異種類の液体がノズル孔(7)の開口部に付着することがなく、したがって異種類の液体同士の混合を防止し、適正な液体の塗布を行うことができる。
【0030】
請求項8に記載されるように、請求項7に記載のノズル孔拭浄装置において、上記ヘッド回転手段(60)が、上記ノズル孔列(8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2)の列方向が上記一方向(Y)と平行になるように上記ヘッド(63a、63b)を回転させておくものである場合は、拭浄体(6)が例えばシートである場合にシートの蛇行や移動が防止され、適正な拭浄が可能になり、拭浄効果が向上する。
【0031】
請求項9に記載されるように、請求項7に記載のノズル孔拭浄装置において、上記ヘッド(63a、63b)のノズル孔(7)が列ごとに互いに異なる液滴を吐出するものとすれば、ノズル孔(7)の拭浄に伴う異種類の液滴の混合が防止される。ことに、液滴がインクである場合は、インク同士の混色を防止することができ、従って、拭浄後も適正な印刷を行うことができる。
【0032】
請求項10に記載されるように、請求項7に記載のノズル孔拭浄装置において、上記ヘッド(63a、63b)が複数個設けられ、上記拭浄体(6)が上記一方向(Y)に所定の間隔を置いて複数箇所にわたって配置され、すべてのヘッド(63a、63b)が上記一方向(Y)に一列で走行しつつ、各ヘッド(63a、63b)のノズル孔(7)がヘッド(63a、63b)ごとに割り振られた拭浄体(6)で拭浄されるようにしたものである場合は、拭浄時間を短縮し、塗布効率を高めることができる。また、拭浄体(6)の幅を狭くし、高価な拭浄体(6)の消費を低減することができる。
【0033】
請求項11に記載されるように、請求項7に記載のノズル孔拭浄装置において、上記ヘッド(63a、63b)のノズル孔(7)の拭浄時に拭浄体(6)とノズル孔(7)の開口部とが上記一方向(Y)に垂直な方向(Z)で相対的に接触し、拭浄後に拭浄体(6)とノズル孔(7)の開口部とが上記垂直な方向(Z)で相対的に離反するようになっているものである場合は、ヘッド(63a、63b)と拭浄体(6)との相対移動を円滑化し、ノズル孔(7)の拭浄を効率的に行うことができる。また、高精度に位置決めされているヘッド(63a、63b)やノズル孔(7)の位置ズレを防止することができる。
【0034】
請求項12に記載されるように、請求項7に記載のノズル孔拭浄装置において、上記ヘッド(63a、63b)のすべてのノズル孔(7)が拭浄された後、ヘッド(63a、63b)と上記拭浄体(6)とを上記一方向(Y)で相対移動させ、ヘッド(63a、63b)が上記拭浄体(6)上を通過する際にノズル孔(7)から拭浄体(6)に向かって液体を吐出させるようにしたものである場合は、ノズル孔(7)の拭浄後における捨て打ちを可能にし、ノズル孔(7)に液体の適正なメニスカスを形成することができる。
【0035】
請求項13に記載されるように、請求項11に記載のノズル孔拭浄装置において、連続状の拭浄体(6)を繰出しロール(9)から巻取りロール(10)へと送るようにし、拭浄時に繰出しロール(9)と巻取りロール(10)との間の拭浄体(6)を昇降ロール(11)によってノズル孔(7)の開口部に向かって押し付けるようにすれば、使用済みの拭浄体(6)と新しい拭浄体(6)との交換を速やかに行い、ノズル孔(7)の拭浄作業を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る拭浄装置を備えた液体塗布機の一例を示す概略斜視図である。
【図2】図(A)は、一ヘッドにおけるノズル孔列の模式縦断面図、図(B)は図(A)中B部拡大図である。
【図3】ヘッドが一列で拭浄部に進行する状態の一例を示す斜視図である。
【図4】拭浄部とヘッドのノズル孔列との拭浄中における位置関係の一例を示す斜視図である。
【図5】拭浄体とヘッドのノズル孔列との位置関係を示す平面図である。
【図6】拭浄体によるヘッドの拭浄工程の各ステップを示す工程図である。
【図7】拭浄工程の前半を示すフローチャートである。
【図8】拭浄工程の後半を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0038】
図1に示すように、液体塗布機は、例えば液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタの製造に使用することができるインクジェットプリンタとして構成される。
【0039】
このインクジェットプリンタは各種インクを吐出するヘッド63a、63bと被塗布体であるガラス基板18とをXY平面上で相対移動させるためのXY駆動機構を備える。
【0040】
XY駆動機構は、XY平面に垂直なZ方向へもヘッド63a、63bとガラス基板18とを相対移動可能にするため具体的にはXYZ駆動機構として構成される。
【0041】
すなわち、基台51上にX軸レール53,53が設けられ、X軸レール53,53上に移動テーブル52がX軸方向にスライド自在に乗せられる。この移動テーブル52は図示しないヘッド駆動部を駆動することによりX軸レール53,53上をX軸方向に往復移動可能である。
【0042】
移動テーブル52上には、回転テーブル55及びステージ56が上方へ順に積み重ねられる。回転テーブル55を図示しない回転駆動部を駆動して回転させることにより、移動テーブル52に対してステージ56が回転可能である。このステージ56上には、被塗布体である例えば2m×2mのガラス基板18が載置される。ステージ56は、その上面に図示しないバキューム孔を備えており、その上に載置されるガラス基板18を吸引可能である。
【0043】
また、基台51上には、X軸レール53,53、移動テーブル52、回転テーブル55、ステージ56及びガラス基板18を跨ぐように門形の支持アーム57が設置される。この支持アーム57の上端の水平部57aには、X軸レール53,53に対し直交方向に伸びるY軸レール58が固定される。このY軸レール58には、例えば二基のヘッド駆動部59が取り付けられる。各ヘッド駆動部59はその下側に回転部60を介し比較的低粘度の液体である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色インクをそれぞれ吐出するためのヘッド63a、63bを保持する。各ヘッド駆動部59は、それぞれヘッド63a、63bをZ方向(XY軸に垂直方向)に移動させてヘッド63a、63bをガラス基板18に対して接近または離反させる。また、ガラス基板18上でヘッド63a、63bをY方向に移動させる。
【0044】
移動テーブル52および各ヘッド駆動部59には、それぞれ原動機であるモータ、各種センサ等(図示せず)が設けられ、それらが信号線61、54を通して制御ユニット62に接続される。
【0045】
このXYZ駆動機構の駆動により、ガラス基板18とヘッド63a、63bはZ方向で相対移動した後、XY面を相対移動し、ガラス基板18の表面にカラーフィルタのパターンを印刷する。なお、回転テーブル55と回転部60の一方または双方の駆動により、ガラス基板18とヘッド63a、63bとの相対的な交差角度が事前に調整される。
【0046】
図1及び図5(B)に示すように、上記四基のヘッド63a、63bは、三本ずつノズル孔列8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2を有し、各ヘッド63a、63bの三つのノズル孔列8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2がそれぞれR,G,Bの色インクを吐出するように割り当てられる。すなわち、インクを吐出する列状に並んだノズル孔7が複数列配置されてなるノズル孔群が、それらの開口部が平面上に並ぶように液体塗布機内に配置され、このノズル孔群が四つにブロック化されて各ヘッド63a、63bに三列ずつ分配して平行に設けられる。
【0047】
ガラス基板18の大きさに変更があった場合、他の液体を吐出する場合等は、ノズル孔列を各ヘッド63a、63bに増設することも可能である。
【0048】
各ノズル孔列8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2のノズル孔7の開口部は、図2(A)に示すように、ヘッド63a、63bごとに同じ平面63p上に設けられる。一つのノズル孔列は、ノズル孔7を例えば100個以上備える。すべてのノズル孔7の開口部は、各ヘッド駆動部59のZ方向への駆動により同一平面上に揃えることが可能である。
【0049】
各ヘッド63a,63bへは図示しないRGBの各インク供給部からインクが供給されるようになっている。インク供給部は公知のものを使用するのでその詳細な説明は省略する。図2(B)に示すように、あるヘッド63a、63bに供給された例えばRインク24は該当するノズル孔列8R1、8R2のノズル孔7内に溜り、ノズル孔7の先端においてメニスカス24aを形成する。ノズル孔7内に溜ったインク24は、制御ユニット62からの信号によりノズル孔7の先端から微小な液滴となってガラス基板18の表面に向かって発射される。インク24を発射する手段としてはピエゾ方式、サーマルインクジェット方式等があるが、所望の発射方式が採用される。
【0050】
ヘッド63a、63bはガラス基板18の大きさに応じてその使用個数が定められ、その定め方によってステージ56のX方向への一ストロークで一枚のガラス基板18の全面に一度にパターンを形成することが可能である。また、ヘッド63a,63bの設置個数は二基に限らず、ガラス基板18の大きさ等に応じて自在に増減可能であり、ノズル孔列8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2の個数もヘッド63a,63bにつき三列に限るものではなく、ガラス基板18の大きさに変更があった場合等では、インクの使用色数に応じて自在に増減可能である。
【0051】
上記液体塗布機であるインクジェットプリンタのヘッド63a,63bのノズル孔7は、適正な印刷が行われるように、定期的に拭浄される。また、例えば、図2(B)に示すように、インクの組成分等がノズル孔7の開口部に異物aとなって付着或いは蓄積したとすると、ガラス基板18上に画素の混色、欠落等の印刷不良となって現れるので、そのような不具合が発見された場合もヘッド63a,63bについて拭浄が実行される。また、大きいメニスカス24bが形成された場合も、インクの安定的な吐出が妨げられるので、拭浄が実行される。
【0052】
図1に示すように、このインクジェットプリンタには、ヘッド63a,63bを定期的に拭浄するため或いは発見された不具合を除去するためにノズル孔拭浄装置が設けられている。
【0053】
ノズル孔拭浄装置の二基の拭浄部1,2が、図1に示すように、例えばインクジェットプリンタに隣接するように設けられる。もちろん拭浄部1,2は他の場所に設置することも可能である。この拭浄部1,2の真上へと、インクジェットプリンタにおける支持アーム57の水平部57a及びY軸レール58が伸びている。これにより、上記二基のヘッド63a,63bは一列になってY軸レール58の延長部58aを通り、拭浄部1,2の上へと移動可能である。二基のヘッド63a,63bは、各ヘッド63a,63bを支えるヘッド駆動部59の駆動によりY軸レール58上での間隔を自在に変えることができ、拭浄部1,2の上方へと移動するときは相互間の間隔を詰めることが可能である。
【0054】
ノズル孔拭浄装置の拭浄部は一基でもよいが、この実施の形態では二基の拭浄部1,2がY軸方向に所定の間隔を置いて設置される。二基の拭浄部1,2の設置間隔はそれらの上へと進行して来る上記ヘッド63a,63bの相互間の間隔にほぼ等しい。このように拭浄部1,2をY方向に所定の間隔を置いて複数箇所にわたって配置し、ヘッド63a,63bを各拭浄部1,2に割り振ってノズル孔7の拭浄を行うようにすることで、拭浄時間を短縮し、ひいては塗布効率を高めることができる。
【0055】
図3及び図4に示すように、ノズル孔拭浄装置の拭浄部1,2は、連続状の拭浄体6を繰り出す繰出しロール9と、繰出しロール9から繰り出された拭浄体6を巻き取る巻取りロール10と、拭浄時に繰出しロール9と巻取りロール10との間の拭浄体6をノズル孔7の開口部に対し接離させる昇降ロール11と、昇降ロール11をY方向で前後から挟むように配置される案内ロール12とを具備する。拭浄部1,2は図示しない筐体内に収納され、上記Y軸レール58の延長部58aの下方に設置される。
【0056】
拭浄体6は、印刷紙、不織布、発塵の少ない化学繊維製のクロス等により細長く形成され、両側が繰出しロール9と巻取りロール10に巻き付けられる。
【0057】
繰出しロール9、巻取りロール10、昇降ロール11及び案内ロール12は、図示しない筐体に回転可能に保持され、そのうち繰出しロール9及び巻取りロール10は、ラチェット機構及びモータにより一方向に間欠的に回転し、拭浄体6を一方向に一定長さずつ供給するようになっている。あるいは、ラチェット機構が省略され、エンコーダで搬送長さを確認しながら拭浄体6を一方向に一定長さずつ送るようになっている。昇降ロール11は、図示しないがブラケット、昇降シリンダ等を介して筐体に昇降可能に保持される。昇降ロール11は、上昇したときに繰出しロール9と巻取りロール10との間で停止した拭浄体6をヘッド63a,63bのノズル孔7の開口部が並んだ平面63pに対して押し付け、下降したときにこの平面63pから拭浄体6を離反させる。繰出しロール9、巻取りロール10、昇降ロール11及び案内ロール12の各軸は、X軸に平行に設けられ、そのため拭浄体6はY方向へと伸びた状態でヘッド63a,63bに接触可能となる。
【0058】
ノズル孔拭浄装置は、上記拭浄部1,2のほかに、各ヘッド63a,63bがY方向に移動する際に図5(A)のごとくノズル孔7の開口部の軌跡がノズル孔列8R1、8G1、8B1同士間あるいは8R2、8G2、8B2同士間で重なり合わないように、ヘッド63a,63bのノズル孔7の開口部が並んだ平面63pに垂直なZ軸の回りで各ヘッド63a,63bを所望角度回転させ停止させるヘッド回転手段と、すべてのヘッド63a,63bを一列でY方向に移動させるヘッド移動手段とを含んでいる。ヘッド回転手段は具体的には上記回転部60であり、ヘッド移動手段は具体的には上記ヘッド駆動部59である。
【0059】
次に、上記構成の拭浄装置の作用について液体塗布機の作用と共に説明する。
【0060】
(1)図示しないインク供給装置の作動により、すべてのノズル孔列8R1、8R2、8G1、8G2、8B1、8B2におけるノズル孔7の先端に図2(B)に示すようにそれぞれ該当するインクのメニスカス24aが形成される。ここで符号24aで示すメニスカスが正常なメニスカスである。
【0061】
(2)図1に示すように、ステージ56をXYZ駆動機構により駆動し、ステージ56上のガラス基板18を印刷開始位置へと移動させる。
【0062】
また、ヘッド駆動部59の作動により、所望のヘッド63a,63bの全ノズル孔列8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2のノズル孔7が、カラーフィルタのガラス基板18を正対する。
【0063】
さらに、各ヘッド63a,63bが回転部60の駆動により、図5(C)のごとく基準位置から所望角度βだけ回転し、各ノズル孔列8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2のノズル孔7のピッチがカラーフィルタに形成するべき画素のピッチに合致する。
【0064】
(3)しかる後、ヘッド63a,63b下でガラス基板18がX方向に移動し、ノズル孔列8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2がインクの微細な液滴をガラス基板18に対して発射する。
【0065】
ノズル孔列8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2の各ノズル孔7には、各種色インクが図2(B)に示すごときメニスカス24aを形成するように供給され、各ノズル孔7の先端からインクが液滴となって被塗布体であるガラス基板18に向かって吐出する。これにより、ガラス基板18上にR,G,Bのインクからなる塗膜が均一に精度良く形成される。
【0066】
ステージ56がX軸方向に一ストローク移動すると、ガラス基板18の表面にカラーフィルタの所定のパターンが形成される。
【0067】
(4)所定の印刷サイクルが完了した場合、或いは、印刷中にガラス基板18の表面にインクのドット(画素)抜けが発見された場合は、ノズル孔拭浄装置が起動し、図6、図7及び図8に示す手順で各ヘッド63a,63bのノズル孔7を拭浄する。
【0068】
(5)所定枚数のガラス基板18についてプリント(印刷)が完了すると(ステップS1)、ヘッド駆動部59の作動により、全ヘッド63a,63bが図5に示すホームポジションに戻りながら回転部60が駆動して全ヘッド63a,63bがそれぞれ回転し、印刷中は図5(C)の位置にあった各ヘッド63a,63bのノズル孔列8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2が同図(A)の位置へとY軸と角度αをなすように回転する(ステップS2、S3)。この角度αは、図5(A)に示す如く、各ヘッド63a,63bがY方向に移動する際にノズル孔7の開口部の軌跡がノズル孔列同士間で重なり合わないようにすることができる角度である。
【0069】
このように所望角度αだけY方向に傾斜するように回転させておくと、ノズル孔列8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2と拭浄体6との接触面積が拭浄体6の幅方向で広がり、各ノズル孔7を拭浄体6の異なる部分で拭いやすくなるという利点がある。
【0070】
或いは、図3、図4及び図5(B)に示す如く、ノズル孔列8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2がY方向に平行になるように各ヘッド63a,63bを回転させることも可能である。その場合は、拭浄体6の蛇行を防止し、ノズル孔7の開口部を拭浄体6で円滑に拭うことができる。
【0071】
(6)全ヘッド63a,63bが各々のヘッド駆動部59の駆動により必要に応じて相互の間隔を詰め、図3に示すように一列になってY方向に一定速度で進行し、図6(A)に示すクリーニング(拭浄)開始位置に到達する(ステップS4)。
【0072】
(7)二基のヘッド63a,63bが図6(A)に示す位置に到達すると、両拭浄部1,2の昇降ロール11が上昇し、繰出しロール9と巻取りロール10との間で停止した拭浄体6を押し上げる(ステップS5、S6)。このヘッド63a,63bの位置は例えばエンコーダからなるセンサにより検知される。全ヘッド63a,63bは一定速度で進行し、同図(B)に示すように、ヘッド63a,63bのノズル孔の開口部が並んだ平面63pが、繰出しロール9と巻取りロール10との間で停止した拭浄体6に対して押し付けられ、異物a、異常なメニスカス24b等が拭い取られる(ステップS7)。
【0073】
このとき図5(A)に示すように、ノズル孔列8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2がY方向に角度αだけ傾斜するように各ヘッド63a,63bが回転し、あるいは図5(A)に示すように、ノズル孔列8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2がY方向に平行になっているので、各ヘッド63a,63bがY方向に移動する際にノズル孔7の開口部の軌跡がノズル孔列同士間で重なり合わないように拭浄体に接触する。これにより、拭浄体6を介して異種類のインクがノズル孔7の開口部に付着することがなく、したがって異なる色インク同士の混合が防止され、適正なインクの塗布が可能になる。
【0074】
また、すべてのヘッド63a,63bが一列でY方向に移動するので、ヘッド63a,63b間での色違いのインクの混合も防止される。さらに、すべてのヘッド63a,63bが一列でY方向に移動することから、拭浄体6の幅を狭くすることができ、高価な拭浄体6の消費を低減することができる。
【0075】
(8)ヘッド63a,63bが図6(C)に示す位置に到達すると、図示しないエンコーダ等のセンサがこれを検知し、この検知信号に基づきヘッド63a,63bの拭浄が終了したと制御ユニット62が判断する(ステップS8)。これにより、昇降ロール11が下降し、繰出しロール9と巻取りロール10との間の拭浄体6がヘッド63a,63bの平面63pの延長平面から離反する(ステップS9)。
【0076】
(9)ヘッド63a,63bはもとの位置へとY方向に移動を開始し(ステップS10)、図6(D)に示すように、ステージ56側の拭浄部2における降下した拭浄体6に向かって各ヘッド63a,63bが走行しながらノズル孔7からインクを吐出する(ステップS11、S12)。これはいわゆる捨て打ちであり、この捨て打ちにより、ノズル孔7にインクの適正なメニスカス24aが形成され、また各ヘッド63a,63bの平面63pに適度な湿り気が与えられる。
【0077】
(10)図3及び図4に示すように、繰出しロール9と繰出しロール9が回転し、連続状の拭浄体6を使用分だけ巻き取り、新しい部分を繰り出す(ステップS13)。
【0078】
(11)各ヘッド63a,63bを図5(C)の塗布角度まで回転させる(ステップS14)。
【0079】
(12)全ヘッド63a,63bがもとの位置へと移動し続け(ステップS15)、もとの位置に復帰したことがエンコーダ等のセンサにより検知されると(ステップS16)、全ヘッド63a,63bが停止し、これにより拭浄が終了する。
【0080】
その後、制御ユニット62からの指令を待って印刷が再開される。
【0081】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態ではインクジェットプリンタのヘッドの拭浄を行うものとして説明したが、他の種類の液体塗布機のヘッドや、インク以外の液体を塗布するヘッドの拭浄についても適用可能である。また、三種の液体をガラス基板に塗布するヘッドの拭浄について説明したが、本発明は一種又は四種以上の液体を塗布するヘッドや、ガラス以外の基板に液体を塗布するヘッドの拭浄についても適用可能である。
【符号の説明】
【0082】
6…拭浄体
7…ノズル孔
8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2…ノズル孔列
9…繰出しロール
10…巻取りロール
11…昇降ロール
59…ヘッド駆動部
60…回転部
63a,63b…ヘッド
63p…平面
Y…ヘッドの進行方向
α…ヘッドの回転角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する多数のノズル孔をそれらの開口部が平面上に並ぶように複数列でヘッドに設け、ヘッドと拭浄体とを一方向に相対移動させつつ、ノズル孔の開口部を拭浄体に接触させることにより、ノズル孔の開口部を拭浄するノズル孔拭浄方法において、上記ヘッドと上記拭浄体が上記一方向に相対移動する際にノズル孔の開口部の軌跡がノズル孔列同士間で重なり合わないように、あらかじめ上記平面に垂直な軸の回りで上記ヘッドを所望角度回転させておくことを特徴とするノズル孔拭浄方法。
【請求項2】
請求項1に記載のノズル孔拭浄方法において、上記ノズル孔列の列方向が上記一方向と平行になるように上記ヘッドを回転させておくことを特徴とするノズル孔拭浄方法。
【請求項3】
請求項1に記載のノズル孔拭浄方法において、上記ヘッドのノズル孔が列ごとに互いに異なる液滴を吐出するものであることを特徴とするノズル孔拭浄方法。
【請求項4】
請求項1に記載のノズル孔拭浄方法において、上記ヘッドを複数個設け、上記拭浄体を上記一方向に所定の間隔を置いて複数箇所にわたって配置し、すべてのヘッドを上記一方向に一列で走行させつつ、各ヘッドのノズル孔をヘッドごとに割り振った拭浄体で拭浄することを特徴とするノズル孔拭浄方法。
【請求項5】
請求項1に記載のノズル孔拭浄方法において、上記ヘッドのノズル孔の拭浄時に拭浄体とノズル孔の開口部とを上記一方向に垂直な方向で相対的に接触させ、拭浄後に拭浄体とノズル孔の開口部とを上記垂直な方向で相対的に離反させることを特徴とするノズル孔拭浄方法。
【請求項6】
請求項1に記載のノズル孔拭浄方法において、上記ヘッドのすべてのノズル孔が拭浄された後、ヘッドと拭浄体とを上記一方向で相対移動させ、ヘッドが上記拭浄体上を通過する際にノズル孔から拭浄体に向かって液体を吐出させることを特徴とするノズル孔拭浄方法。
【請求項7】
液体を吐出する多数のノズル孔をそれらの開口部が平面上に並ぶように複数列でヘッドに設け、ヘッドと拭浄体とを一方向に相対移動させつつ、ノズル孔の開口部を拭浄体に接触させることにより、ノズル孔の開口部を拭浄するノズル孔拭浄装置において、上記ヘッドと上記拭浄体が上記一方向に相対移動する際にノズル孔の開口部の軌跡がノズル孔列同士間で重なり合わないように、あらかじめ上記平面に垂直な軸の回りで上記ヘッドを所望角度回転させるヘッド回転手段が設けられたことを特徴とするノズル孔拭浄装置。
【請求項8】
請求項7に記載のノズル孔拭浄装置において、上記ヘッド回転手段が、上記ノズル孔列の列方向が上記一方向と平行になるように上記ヘッドを回転させておくものであることを特徴とするノズル孔拭浄方法。
【請求項9】
請求項7に記載のノズル孔拭浄装置において、上記ヘッドのノズル孔が列ごとに互いに異なる液滴を吐出するものであることを特徴とするノズル孔拭浄装置。
【請求項10】
請求項7に記載のノズル孔拭浄装置において、上記ヘッドが複数個設けられ、上記拭浄体が上記一方向に所定の間隔を置いて複数箇所にわたって配置され、すべてのヘッドが上記一方向に一列で走行しつつ、各ヘッドのノズル孔がヘッドごとに割り振られた拭浄体で拭浄されるようにしたことを特徴とするノズル孔拭浄装置。
【請求項11】
請求項7に記載のノズル孔拭浄装置において、上記ヘッドのノズル孔の拭浄時に拭浄体とノズル孔の開口部とが上記一方向に垂直な方向で相対的に接触し、拭浄後に拭浄体とノズル孔の開口部とが上記垂直な方向で相対的に離反するようになっていることを特徴とするノズル孔拭浄装置。
【請求項12】
請求項7に記載のノズル孔拭浄装置において、上記ヘッドのすべてのノズル孔が拭浄された後、ヘッドと上記拭浄体とを上記一方向で相対移動させ、ヘッドが上記拭浄体上を通過する際にノズル孔から拭浄体に向かって液体を吐出させるようにしたことを特徴とするノズル孔拭浄装置。
【請求項13】
請求項11に記載のノズル孔拭浄装置において、連続状の拭浄体を繰出しロールから巻取りロールへと送るようにし、拭浄時に繰出しロールと巻取りロールとの間の拭浄体を昇降ロールによってノズル孔の開口部に向かって押し付けるようにしたことを特徴とするノズル孔拭浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−240507(P2010−240507A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−88781(P2009−88781)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】