説明

ハイブリッド駆動装置

【課題】軸間の相互位置を変更することなく、エンジン側トータルギヤ比を任意に設定変更可能とするとともに、ギヤノイズ低減対策を容易とする。
【解決手段】ハイブリッド駆動装置は、エンジンE/Gと、発電機Gと、それらを連結する差動歯車装置Pと、電動機Mと、ディファレッシャル装置Dを備える。また、差動歯車装置Pの出力要素23をディファレッシャル装置Dに連結するエンジン及び発電機側動力伝達系と、電動機Mをディファレッシャル装置Dに連結する電動機側動力伝達系とを備える。エンジンE/Gと発電機Gと差動歯車装置Pは、同軸に配置され、電動機Mとディファレンシャル装置Dの出力軸は、エンジンE/Gと発電機Gと差動歯車装置Pの軸と並行するそれぞれ異なる軸上に配置され、電動機側動力伝達系は、エンジン及び発電機側動力伝達系を介してディファレンシャル装置Dに駆動連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力源としてエンジンと電動機を用いるハイブリッド駆動装置に関し、特に、ハイブリッド駆動装置におけるエンジン側と電動機側の動力伝達系の駆動連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
動力源としてエンジン(燃焼機関)と電動機を用いるハイブリッド駆動装置は、2系統の動力をディファレンシャル装置に伝達することから、種々のパワートレイン構成を採ることができる。こうした中で、エンジンからの出力と電動機からの出力を、それぞれ任意のギヤ比を設定してディファレンシャル装置に伝達する点に優れた構成の駆動装置として、特開平8−183347号公報に開示の技術がある。この駆動装置では、第1の軸線上にエンジン及び発電機、第2の軸線上に電動機、第3の軸線上にカウンタシャフト、第4の軸線上にディファレンシャル装置を配置し、エンジンと発電機を、差動歯車装置を介してカウンタシャフトに連結し、電動機とディファレンシャル装置を直接カウンタシャフトに連結した構成が採られており、2系統の動力をカウンタシャフトを介して車輪に伝達することから、カウンタドリブンギヤ(上記公報の用語で第3ギヤ32)を、エンジン側に駆動連結されたドライブギヤ(同じく第1ギヤ15)とモータ側に駆動連結されたドライブギヤ(同じく第2ギヤ27)に噛合させ、エンジンとモータ双方からの出力が夫々任意のギヤ比でカウンタシャフトに入力されるようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のようなハイブリッド駆動装置におけるエンジンに関して、燃費重視の車両、あるいは加速重視の車両等、車両により要求が異なることは珍しくないが、その場合、前者はエンジンから車輪までのトータルギヤ比を高めに、後者は低めに設定する必要がある。こうした要請に対応する場合、上記ハイブリッド駆動装置では、エンジン側トータルギヤ比を変更するには、差動歯車装置とカウンタシャフトを連結する歯車対の径を、変更することになるが、これに伴い電動機とカウンタシャフトを連結する歯車対の径も変更せざるを得えず、電動機側のギヤ比にまで影響を与えてしまうことになる。また、このように歯車径が変更されることに伴なって、第3軸上のカウンタシャフトと第4軸上のデイフアレンシヤル装置との軸間距離も変わることになるので、これらを包囲するケーシング形状までも変更しなければならなくなってしまう。
【0004】
更に、ギヤノイズの観点からも、カウンタドリブンギヤにエンジン側ドライブギヤとモータ側ドライブギヤとが同時に噛合しており、エンジン側ドライブギヤ対カウンタドリブンギヤ間、モータ側ドライブギヤ対カウンタドリブンギヤ間の歯面精度を同時に満たさなければならず、非常に工数がかかってしまう。そして、噛合次数(ノイズ周波数)が同じであるため、より大きなギヤノイズを発生してしまうばかりか、ノイズ要因の噛合部が、カウンタドリブンギヤ対エンジン側ドライブギヤ間なのか、カウンタドリブンギヤ対モータ側ドライブギヤ間なのかをノイズ周波数のずれから判定することができず、ノイズ低減の対策が講じられない。
【0005】
そこで、本発明は、エンジン及び発電機、電動機、ディファレンシャル装置の軸位置を変更することなく、エンジン側及び電動機側のトータルギヤ比を任意に設定し、更には変更することができるハイブリッド駆動装置を提供することを第1の目的とする。次に本発明は、ハイブリッド駆動装置において、低減を要するようなギヤノイズが発生した場合のノイズ低減対策を容易にすることを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明は、エンジンと、発電機と、前記エンジンと発電機を連結する差動歯車装置と、電動機と、ディファレンシャル装置を備え、差動歯車装置の出力要素がエンジン及び発電機側動力伝達系を介してディファレンシャル装置に駆動連結され、電動機が電動機側動力伝達系を介してディファレンシャル装置に駆動連結されたハイブリッド駆動装置において、前記エンジンと発電機と差動歯車装置は、同軸に配置され、電動機とディファレンシャル装置の出力軸は、前記エンジンと発電機と差動歯車装置の軸と並行するそれぞれ異なる軸上に配置され、前記電動機側動力伝達系は、エンジン及び発電機側動力伝達系を介してディファレンシャル装置に駆動連結されたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、エンジン及び発電機側動力伝達系と電動機側動力伝達系を合流させながら、エンジン側、電動機側双方のギヤ比の選定変更に際して、エンジン及び発電機、電動機、ディファレンシャル装置の各軸間の動力伝達要素で対応できるため、主要な軸の位置を変更しない対応が可能となり、その結果、ギヤ比設定変更前後のケーシングも統一することができる。
【0008】
具体的には、前記エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素とディファレンシャル装置のデフ入力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸と差動歯車装置の出力要素とを駆動連結する動力伝達要素で構成される。
なお、各動力伝達系(前記エンジン及び発電機側動力伝達系又は前記電動機側動力伝達系)は、所定の要素間を駆動連結して動力伝達を行う系の全体を指し、このような動力伝達系の中に1又は2以上のギヤ、ギヤ機構、スプロケット、チェーン等で構成される動力伝達要素が含まれる。したがって、本願において、これらの動力伝達系が所定の「動力伝達要素で構成される」との記載は、各動力伝達系が当該所定の動力伝達要素を含んで構成されることを意味している。
【0009】
より具体的には、前記エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素に連結されたカウンタドライブギヤと、該カウンタドライブギヤとデフ入力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸に固定された電動機出力ギヤと、該電動機出力ギヤと前記カウンタドライブギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成される。
【0010】
これらの構成によれば、エンジン側、電動機側双方のギヤ比の選定変更に際して、エンジン及び発電機、電動機、ディファレンシャル装置の各軸間の動力伝達要素で対応できるため、主要な軸の位置を変更しない対応が可能となり、その結果、ギヤ比設定変更前後のケーシングも統一することができる。
【0011】
上記の構成において、前記エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素に連結された第1のカウンタドライブギヤと、該第1のカウンタドライブギヤとデフ入力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸に固定された電動機出力ギヤと、該電動機出力ギヤと差動歯車装置の出力要素に連結された第2のカウンタドライブギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成されるのが有効である。
【0012】
この構成によれば、電動機側動力伝達経路からエンジン側動力伝達経路への入力部が、エンジン側動力伝達経路から独立した経路となるため、低減を必要とするギヤノイズが発生した場合のノイズ低減対策が容易となる。
【0013】
また、上記の構成において、前記電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸に固定されたスプロケットと、差動歯車装置の出力要素に連結されたスプロケットと、両スプロケットに掛け渡されたチェーンとで構成されるのも有効である。
なお、上記と同様に、本願において、各動力伝達系が前記2個のスプロケットとチェーンと「で構成される」との記載は、各動力伝達系が当該2個のスプロケット及びチェーンを含んで構成されることを意味している。
【0014】
この構成によれば、電動機側動力伝達系がギヤ比の変更に伴う軸間距離の制約を受けない機構となるため、電動機側トータルギヤ比の設定、変更が容易となる。また、エンジン側トータルギヤ比を変更する場合の電動機側トータルギヤ比の固定も容易となる。
【0015】
次に本発明は、エンジンと、発電機と、前記エンジンと発電機を連結する差動歯車装置と、電動機とを備え、差動歯車装置の出力要素がエンジン及び発電機側動力伝達系を介して車輪に駆動連結され、電動機が電動機側動力伝達系を介して車輪に駆動連結されたハイブリッド駆動装置において、エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素に連結された第1のカウンタドライブギヤと、該第1のカウンタドライブギヤと車輪とを駆動連結する動力伝達要素で構成され、電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸に固定された電動機出力ギヤと、該電動機出力ギヤと差動歯車装置の出力要素に連結された第2のカウンタドライブギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、電動機側動力伝達系が、エンジン及び発電機側動力伝達系を介して車輪に駆動連結されたことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、エンジン及び発電機側動力伝達系を介する電動機側動力伝達系の動力の伝達を行ないながら、同時噛合いのない動力伝達系を構成することができるため、低減を必要とするギヤノイズが発生した場合のノイズ低減対策が容易となる。
【0017】
また、上記の目的を達成するための、本発明とは異なる形態(以下、「関連形態」とする。)のハイブリッド駆動装置の構成として、エンジンと、発電機と、前記エンジンと発電機を連結する差動歯車装置と、電動機と、ディファレンシャル装置を備え、差動歯車装置の出力要素がエンジン及び発電機側動力伝達系を介してディファレンシャル装置に駆動連結され、電動機が電動機側動力伝達系を介してディファレンシャル装置に駆動連結されたハイブリッド駆動装置において、前記エンジンと発電機と差動歯車装置は、同軸に配置され、電動機とディファレンシャル装置の出力軸は、前記エンジンと発電機と差動歯車装置の軸と並行するそれぞれ異なる軸上に配置され、エンジン及び発電機側動力伝達系と電動機側動力伝達系は、それぞれ別個の動力伝達要素で構成され、それぞれの動力伝達系の最下流においてディファレンシャル装置に駆動連結された構成がある。
【0018】
この構成によれば、エンジン及び発電機側動力伝達系によるエンジン側からディファレンシャル装置への動力伝達と、電動機側動力伝達系による電動機からディファレンシャル装置への動力伝達がそれぞれの伝達経路で別個に行われるので、エンジン側と電動機からの出力を完全に独立させることができ、双方のディファレンシャル装置に至るまでのトータルギヤ比を自由に設定することができる。また、双方の動力伝達経路が独立しているため、低減を必要とするギヤノイズが発生した場合のノイズ低減対策も容易となる。
【0019】
具体的には、前記エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素とディファレンシャル装置のデフ入力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸と前記デフ入力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成される。
【0020】
この構成によれば、エンジン側、電動機側双方のギヤ比の選定変更に際して、エンジン及び発電機、電動機、ディファレンシャル装置の各軸間の動力伝達要素で対応できるため、主要な軸の位置を変更しない対応が可能となり、その結果、ギヤ比設定変更前後のケーシングも統一することができる。
【0021】
上記の構成において、前記ディファレンシャル装置のデフ入力ギヤは、第1及び第2のデフ入力ギヤから成り、エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素と第1のデフ入力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸と第2のデフ入力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成されるのが有効である。
【0022】
この構成によれば、エンジン側、電動機側双方の動力伝達経路がディファレンシャル装置への入力部についても独立した経路となるため、低減を必要とするギヤノイズが発生した場合のノイズ低減対策が一層容易となる。
【0023】
また、前記関連形態に係るハイブリッド駆動装置の別の構成として、エンジンと、発電機と、前記エンジンと発電機を連結する差動歯車装置と、電動機と、ディファレンシャル装置を備え、差動歯車装置の出力要素がエンジン及び発電機側動力伝達系を介してディファレンシャル装置に駆動連結され、電動機が電動機側動力伝達系を介してディファレンシャル装置に駆動連結されたハイブリッド駆動装置において、前記エンジンと発電機と差動歯車装置は、同軸に配置され、電動機とディファレンシャル装置の出力軸は、前記エンジンと発電機と差動歯車装置の軸と並行するそれぞれ異なる軸上に配置され、エンジン及び発電機側動力伝達系は、電動機側動力伝達系を介してディファレンシャル装置に駆動連結された構成がある。
【0024】
この構成によれば、エンジン側と電動機側の動力伝達流れにおいて、電動機側の動力伝達流れが下流側に位置するため、本質的にエンジン及び発電機側動力伝達系のトータルギヤ比の変更に際して、電動機側動力伝達系のトータルギヤ比に影響を与えないようにすることができる。
【0025】
具体的には、前記電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸とディファレンシャル装置のデフ入力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素と前記電動機のロータ軸とを駆動連結する動力伝達要素で構成される。
【0026】
より具体的には、前記電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸に固定された電動機出力ギヤと、該電動機出力ギヤとデフ入力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素と前記電動機出力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成される。
【0027】
これらの構成によれば、エンジン側、電動機側双方のギヤ比の選定変更に際して、エンジン及び発電機、電動機、ディファレンシャル装置の各軸間の動力伝達要素で対応できるため、主要な軸の位置を変更しない対応が可能となり、その結果、ギヤ比設定変更前後のケーシングも統一することができる。
【0028】
上記の構成において、前記電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸に固定された第1の電動機出力ギヤと、該第1の電動機出力ギヤとデフ入力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素と電動機のロータ軸に固定された第2の電動機出力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成されるのが有効である。
【0029】
この構成によれば、エンジン側動力伝達経路から電動機側動力伝達経路への入力部が、電動機側動力伝達経路から独立した経路となるため、低減を必要とするギヤノイズが発生した場合のノイズ低減対策が容易となる。
【0030】
また、上記の構成において、前記エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素に連結されたスプロケットと、電動機のロータ軸に固定されたスプロケットと、両スプロケットに掛け渡されたチェーンとで構成されるのも有効である。
【0031】
この構成によれば、エンジン側動力伝達系がギヤ比の変更に伴う軸間距離の制約を受けない機構となるため、エンジン側トータルギヤ比単独の変更が容易となる。
【0032】
また、前記関連形態に係るハイブリッド駆動装置の構成として、エンジンと、発電機と、前記エンジンと発電機を連結する差動歯車装置と、電動機とを備え、差動歯車装置の出力要素がエンジン及び発電機側動力伝達系を介して車輪に駆動連結され、電動機が電動機側動力伝達系を介して車輪に駆動連結されたハイブリッド駆動装置において、それぞれの前記動力伝達系と車輪とを駆動連結するアウトプットシャフトを備え、エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素とアウトプットシャフトに固定された第1のアウトプットギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸とアウトプットシャフトに固定された第2のアウトプットギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成されるものがある。
【0033】
この構成によれば、エンジン及び発電機側動力伝達系によるエンジン側からアウトプットシャフトへの動力伝達と、電動機側動力伝達系による電動機からアウトプットシャフトへの動力伝達がそれぞれの伝達経路で別個に行われるので、エンジン側と電動機からの出力を完全に独立させることができ、双方のアウトプットシャフトに至るまでのトータルギヤ比を自由に設定することができる。また、双方の動力伝達経路が独立しているため、低減を必要とするギヤノイズが発生した場合のノイズ低減対策も容易となる。
【0034】
更に、前記関連形態に係るハイブリッド駆動装置の構成として、エンジンと、発電機と、前記エンジンと発電機を連結する差動歯車装置と、電動機とを備え、差動歯車装置の出力要素がエンジン及び発電機側動力伝達系を介して車輪に駆動連結され、電動機が電動機側動力伝達系を介して車輪に駆動連結されたハイブリッド駆動装置において、電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸に固定された第1の電動機出力ギヤと、該第1の電動機出力ギヤと車輪とを駆動連結する動力伝達要素で構成され、エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素と電動機のロータ軸に固定された第2の電動機出力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、エンジン及び発電機側動力伝達系が、電動機側動力伝達系を介して車輪に駆動連結された構成がある。
【0035】
この構成によれば、電動機側動力伝達系を介するエンジン及び発電機側動力伝達系の動力の伝達を行ないながら、同時噛合いのない動力伝達系を構成することができるため、低減を必要とするギヤノイズが発生した場合のノイズ低減対策が容易となる。
【0036】
上記の各構成を通じて、動力伝達要素はアイドルギヤを有する構成とすることができる。
【0037】
この構成によれば、エンジン及び発電機側動力伝達系と電動機側動力伝達系を構成する各動力伝達要素を全て同一平面内に配置する構成となるため、駆動装置の軸長が制約される場合の配置として有利となる。
【0038】
上記の各構成を通じて、動力伝達要素はカウンタ減速ギヤ機構を有する構成とすることができる。
【0039】
この構成によれば、主要な軸のみならず各動力伝達要素の軸位置も変更することなくエンジン側、電動機側双方のトータルギヤ比を変更することができる。
【0040】
上記の各構成を通じて、エンジン及び発電機側動力伝達系と電動機側動力伝達系の動力伝達要素のうち、いずれか一方の動力伝達要素は、アイドルギヤを有し、他方の動力伝達要素は、カウンタ減速ギヤ機構を有する構成を採ることもできる。
【0041】
この構成によれば、トータルギヤ比の変更に伴う各動力伝達要素の軸位置の変更の要否と駆動装置の軸長の制約とに柔軟に対応可能となる。
【0042】
また、上記の各構成を通じて、エンジン及び発電機側動力伝達系と電動機側動力伝達系のうち少なくとも一方に同軸減速機構が介挿された構成を採るのも有効である。
【0043】
この構成によれば、トータルギヤ比の変更に伴う各動力伝達要素の軸位置の変更を一切不要とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本発明の実施形態を説明する前に、本発明とは異なるが関連する形態に係るハイブリッド駆動装置の構成について、関連形態1〜10として、図面に基づいて説明する。この関連形態1〜10のハイブリッド駆動装置は、後述する本発明に係る第1〜第8実施形態とは異なり、エンジン及び発電機側動力伝達系と電動機側動力伝達系とを、それぞれ別個の伝達経路で構成して別系統とし、それぞれの動力伝達系の最下流においてディファレンシャル装置Dに駆動連結された構成となっている。まず図1は、関連形態1のハイブリッド駆動装置のパワートレインを、軸間を展開してスケルトンで示す。この装置は、エンジンE/Gと、発電機Gと、エンジンE/Gと発電機Gを連結する差動歯車装置Pと、電動機Mと、ディファレンシャル装置Dを備え、シングルピニオン構成のプラネタリギヤセットからなる差動歯車装置Pの出力要素がエンジン及び発電機側動力伝達系(以下の説明においてはエンジン側動力伝達系と略記する)を介してディファレンシャル装置Dに駆動連結され、電動機Mが電動機側動力伝達系を介してディファレンシャル装置Dに駆動連結されたことを基本構成とする。そして、この形態における駆動装置は、エンジンE/Gと発電機Gと差動歯車装置Pが、同軸(共通の軸上)に配置され、電動機Mとディファレンシャル装置Dの出力軸が、前記エンジンE/Gと発電機Gと差動歯車装置Pの軸(前記共通の軸)と並行するそれぞれ異なる軸上に配置されたフロントエンジン・フロントドライブ(FF)車又はリヤエンジン・リヤドライブ(RR)車用の横置式の駆動装置とされている。
【0045】
この駆動装置では、エンジン側動力伝達系と電動機側動力伝達系は、それぞれ別個の伝達経路を構成する動力伝達要素で構成され、それぞれの動力伝達系の動力伝達流れの最下流においてディファレンシャル装置Dに連結されている。
【0046】
エンジンE/Gは、その出力軸11を差動歯車装置Pを構成するプラネタリギヤのキャリア21に連結させて発電機Gとエンジン側動力伝達系とに連結され、発電機Gは、そのロータ軸31を差動歯車装置Pのサンギヤ22に連結させてエンジンE/Gとエンジン側動力伝達系とに連結されている。したがって、差動歯車装置Pのリングギヤ23がエンジンE/Gの動力をエンジン側動力伝達系に伝達する出力要素として機能する。
【0047】
エンジン側動力伝達系は、差動歯車装置Pの出力要素であるリングギヤ23とディファレンシャル装置Dの入力ギヤとしてデフケース60に固定されたデフリングギヤ49とを連結する動力伝達要素で構成され、電動機側動力伝達系は、電動機Mのロータ軸51をディファレンシャル装置Dのデフリングギヤ49に駆動連結する動力伝達要素で構成されている。
【0048】
この形態におけるエンジン側動力伝達系の動力伝達要素は、リングギヤ23に連結されたカウンタドライブギヤ41と、このカウンタドライブギヤ41とデフリングギヤ49に噛合するアイドルギヤ42とで構成されている。そして、電動機側動力伝達系の動力伝達要素は、ロータ軸51に固定された電動機出力ギヤ45で構成され、電動機出力ギヤ45は、ディファレンシャル装置Dのデフリングギヤ49に噛合している。
【0049】
図2に軸の実際の位置関係を示すように、この駆動装置は、エンジンE/G(図1参照)と発電機Gが同軸の第1軸上に、電動機Mが第2軸上に、またディファレンシャル装置D(図1参照)が第3軸上に互いに並行に配置された構成とされている。そして、第1軸上のカウンタドライブギヤ41がアイドルギヤ42を介して第3軸上のディファレンシャル装置Dのデフリングギヤ49に噛合し、第2軸上の電動機出力ギヤ45が同じデフリングギヤ49に異なる周方向位置で噛合している。
【0050】
こうした構成からなるハイブリッド駆動装置では、電動機Mとディファレンシャル装置Dは、電動機側動力伝達系の要素を介するものの、動力伝達上は直に連結された関係となるのに対して、エンジンE/Gと発電機Gは、相互かつディファレンシャル装置Dに対して差動歯車装置Pを介して動力伝達上は間接的に連結された関係となる。これにより、ディファレンシャル装置Dを介して車両の走行負荷を受けるリングギヤ23に対して、発電機Gの発電負荷を調整することで、エンジン出力を駆動力と発電エネルギ(バッテリ充電)とに利用する割合を適宜調整した走行が可能となる。また、発電機Gを電動機として駆動させることで、キャリア21にかかる反力が逆転するため、その際に適宜の図示しない手段でキャリア21を駆動装置ケーシングに係止することで、発電機Gの出力をリングギヤ23に伝達することができ、電動機Mと発電機Gの同時出力による車両発進時の駆動力の強化(パラレルモードの走行)が可能となる。
【0051】
次に、この関連形態1に係る発明の主題とするエンジン側ギヤ比の変更について説明する。図2に実際の軸位置とギヤ噛合の関係を示すように、所定のギヤ比を持つカウンタドライブギヤ41とデフリングギヤ49は、同様に他の所定のギヤ比を持つ出力ギヤ45とデフリングギヤ49で構成される電動機側動力伝達系に対して別個のものとされているため、ギヤ比変更の要求に応じてカウンタドライブギヤ41の径を変更した場合、これに噛合するアイドルギヤ42の軸位置は変更を要するが、それ以外のギヤについては、径の変更も、また、軸位置の変更も必要としない。
【0052】
こうして、この駆動装置によれば、エンジンE/G側と電動機M側の出力が完全に独立した構成となるため、エンジン側のトータルギヤ比を自由に設定することができる。その際、各主要なギヤの軸間距離も変わることがなく、ケーシングも統一することができる。
【0053】
また、この駆動装置によれば、エンジン側動力伝達系と電動機側動力伝達系とを介して伝達される動力をディファレンシャル装置に至る途中で合流させることがないので、低減すべきギヤノイズが発生した場合のノイズ発生部の特定が容易となり、ノイズ低減対策も容易となる。
【0054】
次に、図3及び図4は、関連形態2を関連形態1の場合と同様の手法で示す。この形態では、エンジン側動力伝達系の動力伝達要素は、リングギヤ23に連結されたカウンタドライブギヤ41と、カウンタドライブギヤ41に噛合するカウンタドリブンギヤ43と、カウンタドリブンギヤ43に連結され、デフリングギヤ49に噛合するピニオンギヤ44からなるカウンタ減速ギヤ機構とされている。一方、電動機側動力伝達系には、同軸減速機構Rが介挿されている。この同軸減速機構Rについては、特に具体的構成を図示しないが、プラネタリギヤセットで代表されるような、任意の同軸減速機構が用いられる。この場合、同軸減速機構Rは、その入力要素をロータ軸51に連結し、出力要素に連結する軸52をデフリングギヤ49に噛合する出力ギヤ45に連結させた配置とされる。したがって、この場合の電動機側動力伝達系の動力伝達要素は、同軸減速機構Rと出力ギヤ45となる。その余の構成については、実質上関連形態1と同様であるので、該当する要素に同様の参照符号を付して説明に代える。なお、この点は、後続の全ての他の関連形態及び実施形態についても同様とする。
【0055】
こうした形態を採った場合、所定のギヤ比を持つカウンタドライブギヤ41とカウンタドリブンギヤ43で構成される歯車対は、同様に他の所定のギヤ比を持つピニオンギヤ44とデフリングギヤ49で構成される歯車対に対して別個のものとされているため、ギヤ比変更の要求に応じてカウンタドライブギヤ41の径を変更した場合、これに噛合するカウンタドリブンギヤ43の径は変更を要するが、他のギヤについては、径の変更を要しない。そして、この場合も、上記のようにギヤ比の変更が他の歯車対に影響しないため、カウンタ減速軸の位置も不変である。更に、この場合、電動機側動力伝達系に介挿された同軸減速機構Rの減速比を変更することで、電動機側のギヤ比についても、他のギヤの径や軸位置を変更することなく自由に設定することができる。したがって、この駆動装置によっても、関連形態1の場合と同様の効果を達成することができる。
【0056】
なお、電動機側のギヤ比の変更を想定しない場合、電動機側動力伝達系を単純化することもできる。次の図5はこうした場合の関連形態3のパワートレイン構成をスケルトンで示す。この形態における軸位置関係については、前記関連形態2の場合と全く同様となるので、図4の参照を以て図示に代える。この形態では、電動機側動力伝達系の同軸減速機構Rがなくされている。その余の点は関連形態2と同様である。
【0057】
次に、図6及び図7は、関連形態4を関連形態1の場合と同様の手法で示す。この形態では、前記関連形態1と同様にエンジン側動力伝達系の動力伝達要素をカウンタドライブギヤ41と、アイドルギヤ42とし、差動歯車装置Pの出力要素としてのリングギヤ23とカウンタドライブギヤ41との間に同軸減速機構Rを介挿した構成が採られている。この同軸減速機構Rは、関連形態2の電動機側の同軸減速機構と同様のものを用いることができる。また、電動機側動力伝達系については、前記関連形態2のものと同様とされている。
【0058】
こうした形態を採った場合、関連形態1のようにカウンタドライブギヤ41とアイドルギヤ42の噛合径を変更するまでもなく、リングギヤ23とカウンタドライブギヤ41との間に介挿した同軸減速機構Rの減速比を変更することで、エンジン側ギヤ比を電動機側ギヤ比に影響を与えることなく変更することができる。そして、これと全く逆のことが電動機側ギヤ比についても言える。
【0059】
次に、図8及び図9は、関連形態5を関連形態1の場合と同様の手法で示す。この形態では、エンジン側動力伝達系の動力伝達要素は、カウンタドライブギヤ41と、カウンタドライブギヤ41に噛合するカウンタドリブンギヤ43と、カウンタドリブンギヤ43に連結され、デフリングギヤ49に噛合するピニオンギヤ44からなるカウンタ減速ギヤ機構とされ、電動機側動力伝達系の動力伝達要素は、ロータ軸51に固定された電動機出力ギヤ45と、電動機出力ギヤ45に噛合するカウンタドリブンギヤ47と、カウンタドリブンギヤ47に連結され、デフリングギヤ49に噛合するピニオンギヤ48からなるカウンタ減速ギヤ機構とされている。
【0060】
こうした形態を採った場合、エンジン側ギヤ比については、カウンタドライブギヤ41とカウンタドリブンギヤ43の噛合径の変更、電動機側ギヤ比については、出力ギヤ45とカウンタドリブンギヤ47の噛合径の変更により、相互のギヤ比に影響を与えることなく変更することができる。
【0061】
次に、図10及び図11は、関連形態6を関連形態1の場合と同様の手法で示す。この形態では、前記関連形態5におけるエンジン側動力伝達系の動力伝達要素を先の関連形態4におけるエンジン側動力伝達系の動力伝達要素に置換えた構成、すなわち差動歯車装置Pの出力要素としてのリングギヤ23とカウンタドライブギヤ41との間に同軸減速機構Rを介挿した構成が採られている。したがって、この場合のエンジン側動力伝達系の動力伝達要素は、同軸減速機構Rとカウンタドライブギヤ41とアイドルギヤ42の3者で構成される。
【0062】
こうした形態を採った場合、エンジン側ギヤ比については、同軸減速機構Rの減速比又はデフリングギヤ49に対するカウンタドライブギヤ41の径若しくはその両方の変更、電動機側ギヤ比については、電動機出力ギヤ45とカウンタドリブンギヤ47の噛合径の変更により、相互のギヤ比に影響を与えることなく変更することができる。
【0063】
次に図12は、関連形態7を関連形態1の場合と同様のスケルトンで示す。この形態における軸位置関係については、前記関連形態6の場合と全く同様となるので、図11の参照を以て図示に代える。この形態では、前記関連形態6に対して、差動歯車装置Pの出力要素としてのリングギヤ23とカウンタドライブギヤ41との間の同軸減速機構Rを除去した構成が採られている。
【0064】
こうした形態を採った場合、エンジン側ギヤ比については、デフリングギヤ49に対するカウンタドライブギヤ41の径の変更、電動機側ギヤ比については、電動機出力ギヤ45とカウンタドリブンギヤ47の噛合径の変更により、相互のギヤ比に影響を与えることなく変更することができる。
【0065】
ところで、前記各形態では、エンジン側動力伝達系と電動機側動力伝達系を別系統としながらも、動力伝達流れ上で最終的に共通のデフリングギヤ49に合流させる形態を採ったが、この最終的な合流部についてもギヤノイズ対策を考慮して分離させることができる。次にこうした場合の形態を3例説明する。
【0066】
図13にパワートレイン構成をスケルトンで示す関連形態8は、先の図8及び図9に示す関連形態5と同様のトレイン構成において、ディファレンシャル装置Dのデフリングギヤ49が、第1及び第2のデフリングギヤ49A,49Bから成るものとされ、エンジン側動力伝達系は、差動歯車装置Pの出力要素23と第1のデフリングギヤ49Aとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、電動機側動力伝達系は、電動機Mのロータ軸51と第2のデフリングギヤ49Bとを駆動連結する動力伝達要素で構成されている。
【0067】
こうした構成を採る場合、パワートレイン全体を通じて全ての動力伝達要素の噛合部を異なる歯車同士の噛合いとすることができるため、各噛合部について発生するノイズ周波数が異なることで、低減を必要とするようなノイズが発生した場合の対策は一層容易となる。
【0068】
次の図14にパワートレイン構成をスケルトンで示す関連形態9は、先の図10及び図11に示す関連形態6と同様のトレイン構成において、同様にデフリングギヤを第1及び第2のデフリングギヤ49A,49Bから成るものとし、差動歯車装置Pの出力要素23と第1のデフリングギヤ49Aがアイドルギヤ42で駆動連結され、電動機Mのロータ軸51と第2のデフリングギヤ49Bがカウンタ減速ギヤ機構で駆動連結された構成としている。
【0069】
同様に図15にパワートレイン構成をスケルトンで示す関連形態10は、先の図12に示す関連形態7と同様のトレイン構成において、デフリングギヤに上記2つの形態と同様の改変を施したものである。
【0070】
以上の各形態は、エンジン側ギヤ比の変更の容易性と、ギヤノイズ対策の容易性の両立を狙ってエンジン側動力伝達系と電動機側動力伝達系を別系統としたものである。ところで、ギヤ比の変更の容易性に主眼を置いた場合、一方の動力伝達系を他方の動力伝達系を経てディファレンシャル装置に駆動連結する構成を採ることもできる。そこで、本発明に係るハイブリッド駆動装置は、電動機側動力伝達系を、エンジン側動力伝達系を経てディファレンシャル装置に駆動連結する構成としている。以下に、このような構成を採る本発明の一連の実施形態について説明する。
【0071】
まず図16にスケルトンで示す、本発明が適用された第1実施形態のハイブリッド駆動装置は、先の各関連形態と同様に、エンジンE/Gと、発電機Gと、エンジンE/Gと発電機Gを連結する差動歯車装置Pと、電動機Mと、ディファレンシャル装置Dを備え、差動歯車装置Pの出力要素がエンジン側動力伝達系を介してディファレンシャル装置Dに駆動連結され、電動機Mが電動機側動力伝達系を介してディファレンシャル装置Dに駆動連結されたことを基本構成とする。そして、この駆動装置の場合も、エンジンE/Gと発電機Gと差動歯車装置Pは、同軸(共通の軸上)に配置され、電動機Mとディファレンシャル装置Dの出力軸は、前記エンジンE/Gと発電機Gと差動歯車装置Pの軸(前記共通の軸)と並行するそれぞれ異なる軸上に配置されたフロントエンジン・フロントドライブ(FF)車又はリヤエンジン・リヤドライブ(RR)車用の横置式の駆動装置とされている。
【0072】
この駆動装置もシングルピニオン構成のプラネタリギヤセットから成る差動歯車装置Pの出力要素をディファレンシャル装置Dに連結するエンジン側動力伝達系と、電動機Mをディファレンシャル装置Dに連結する電動機側動力伝達系とを有する点は同様であるが、この装置の場合、電動機側動力伝達系は、エンジン側動力伝達系を介してディファレンシャル装置Dに連結されている。詳しくは、エンジン側動力伝達系は、差動歯車装置Pの出力要素23とディファレンシャル装置Dのデフリングギヤ49とを駆動連結する動力伝達要素で構成され、電動機側動力伝達系は、電動機Mのロータ軸51と差動歯車装置Pの出力要素23とを駆動連結する動力伝達要素で構成されている。
【0073】
この形態におけるエンジン側動力伝達系では、差動歯車装置Pの出力要素としてのリングギヤ23に連結されたカウンタドライブギヤ41と、カウンタドライブギヤ41とデフリングギヤ49とを駆動連結するアイドルギヤ42が動力伝達要素を構成し、電動機側動力伝達系では、電動機Mのロータ軸51に固定された電動機出力ギヤ45と、電動機出力ギヤ45とカウンタドライブギヤ41とを駆動連結するアイドルギヤ46が動力伝達要素を構成している。
【0074】
こうした構成を採った場合、エンジン側動力伝達系と電動機側動力伝達系を合流させながら、エンジン側、電動機側双方のギヤ比の選定変更に際して、エンジン及び発電機、電動機、ディファレンシャル装置の各軸間の動力伝達要素で対応できるため、主要な軸の位置を変更しない対応が可能となり、その結果、ギヤ比設定変更前後のケーシングも統一することができる。この点は、後続の一連の実施形態について同様である。
【0075】
次の図17にスケルトンで示す第2実施形態では、第1実施形態の電動機側動力伝達系のアイドルギヤ46に代えてカウンタ減速ギヤ機構が用いられている。
【0076】
また、次の図18にスケルトンで示す第3実施形態では、第1実施形態のエンジン側動力伝達系のアイドルギヤ42に代えてカウンタ減速ギヤ機構が用いられている。
【0077】
また、次の図19にスケルトンで示す第4実施形態では、エンジン側動力伝達系、電動機側動力伝達系共にアイドルギヤに代えてカウンタ減速ギヤ機構が用いられている。
【0078】
次の図20にスケルトンで示す第5実施形態は、前3者の実施形態における改変とは主旨が異なるもので、カウンタドライブギヤ41を先のデフリングギヤ49の場合と同様の狙いから二分する構成が採られており、この場合、エンジン側動力伝達系は、差動歯車装置Pの出力要素23に連結された第1のカウンタドライブギヤ41Aと、該カウンタドライブギヤ41Aとデフリングギヤ49とを駆動連結する動力伝達要素(すなわちアイドルギヤ42)で構成され、電動機側動力伝達系は、電動機Mのロータ軸51に固定された電動機出力ギヤ45と、電動機出力ギヤ45と差動歯車装置Pの出力要素23に連結された第2のカウンタドライブギヤ41Bとを駆動連結する動力伝達要素(すなわちアイドルギヤ46)で構成されている。
【0079】
次の図21にスケルトンで示す第6実施形態は、上記第5実施形態におけるエンジン側動力伝達系、電動機側動力伝達系の両アイドルギヤを共にカウンタ減速ギヤ機構に置き換えたものである。
【0080】
次の図22にスケルトンで示す第7実施形態は、電動機側動力伝達系を、同方向回転伝達機構としてのチェーン伝動機構としたもので、この場合の動力伝達要素は、電動機Mのロータ軸51に固定されたスプロケット71と、差動歯車装置Pの出力要素23に連結されたスプロケット73と、両スプロケットに掛け渡されたチェーン72とで構成される。
【0081】
次の図23にスケルトンで示す第8実施形態は、前記第7実施形態において、電動機側動力伝達系について、同軸減速装置Rを介挿し、エンジン側動力伝達系のカウンタ減速ギヤ機構をアイドルギヤ42に換えたものである。
【0082】
次に、本発明に関連するハイブリッド駆動装置の他の構成について、関連形態11〜18として、図面に基づいて説明する。この関連形態11〜18のハイブリッド駆動装置は、エンジン側動力伝達系を、電動機側動力伝達系を経てディファレンシャル装置に駆動連結する構成としている。以下に、このような構成を採る関連形態について説明する。
【0083】
まず図24及び図25は、関連形態11のハイブリッド駆動装置のパワートレインについて、軸間を展開したスケルトンと、駆動装置を軸方向にみたギヤ噛合図で示す。この装置も、エンジンE/Gと、発電機Gと、エンジンE/Gと発電機Gを連結する差動歯車装置Pと、電動機Mと、ディファレンシャル装置Dを備える基本構成は、先の各関連形態及び各実施形態と同様である。そして、この駆動装置では、シングルピニオン構成のプラネタリギヤセットからなる差動歯車装置Pの出力要素をディファレンシャル装置Dに駆動連結するエンジン側動力伝達系は、電動機Mをディファレンシャル装置Dに連結する電動機側動力伝達系を介してディファレンシャル装置Dに連結されている。
【0084】
この形態における電動機側動力伝達系の動力伝達要素は、ロータ軸51に固定された電動機出力ギヤ45と、この電動機出力ギヤ45とデフリングギヤ49に噛合するアイドルギヤ46とで構成されている。そして、エンジン側動力伝達系の動力伝達要素は、差動歯車装置Pのリングギヤ23に連結されたカウンタドライブギヤ41と、カウンタドライブギヤ41とモータ出力ギヤ45とに噛合するアイドルギヤ42で構成されている。
【0085】
こうした構成を採る場合も、図25に実際の軸位置とギヤ噛合の関係を示すように、エンジン側のトータルギヤ比は、所定のギヤ比を持つカウンタドライブギヤ41と電動機出力ギヤ45とのギヤ比と、電動機出力ギヤ45とデフリングギヤ49とのギヤ比、すなわち電動機側ギヤ比とで決定されているが、エンジン側トータルギヤ比のみを変更する場合は、カウンタドライブギヤ41の径を変更し、それにより変化するカウンタドライブギヤ41と電動機出力ギヤ45との間隔をアイドルギヤ42の軸位置をずらすことで対応できる。また、電動機側ギヤ比も併せて変更する場合は、電動機出力ギヤ45の径を変更し、それにより変化する電動機出力ギヤ45とデフリングギヤ49との間隔と、電動機出力ギヤ45とカウンタドライブギヤ41との間隔を、それぞれのアイドルギヤ46,42の軸位置をずらすことで対応できる。このようにして、カウンタドライブギヤ41、電動機出力ギヤ45、デフリングギヤ49のいずれの径を変更する場合も、それらの径を併せて変更する場合も、両アイドルギヤの軸位置をずらすことで対応できる。
【0086】
こうして、この駆動装置によれば、エンジンE/G、電動機M、ディファレンシャル装置Dが配置された主要な3軸の位置を固定したままでエンジン側トータルギヤ比を変更でき、必要に応じて電動機側のギヤ比も変更することができるため、各ギヤ比変更の要請に対して駆動装置ケーシングの大幅な変更を要することなく対応できる。また、特にこの両動力伝達系にアイドルギヤを用いる形態では、全ての動力伝達要素を同一面内に纏めて配置することができるため、駆動装置のコンパクト化の利点が得られる。
【0087】
次に、図26及び図27は、関連形態12を示す。この形態では、エンジン側動力伝達系の動力伝達要素については前記関連形態11と同様とし、電動機側動力伝達系の動力伝達要素のみ、減速機能と持ったカウンタギヤ機構に変更している。この形態のカウンタ減速ギヤ機構は、電動機Mのロータ軸51に固定した電動機出力ギヤ45と、電動機出力ギヤ45に噛合するカウンタドリブンギヤ47と、カウンタドリブンギヤ47に連結され、デフリングギヤ49に噛合するピニオンギヤ48とから構成されている。
【0088】
こうした形態を採った場合、図27の実際の軸位置と動力伝達要素の関係を参照して、電動機側動力伝達系のギヤ比を変更することでエンジン側トータルギヤ比を変更することができる。この場合の変更要素は、電動機出力ギヤ45対カウンタドリブンギヤ47の径比、あるいはピニオンギヤ48対デフリングギヤ49の径比となり、電動機出力ギヤ45の径を変更する場合のみ、アイドルギヤ42の軸位置をずらす必要が生じる。
【0089】
次の図28にスケルトンで示す関連形態13は、関連形態12とは逆に、エンジン側動力伝達系の動力伝達要素をカウンタ減速ギヤ機構に変更している。
【0090】
次に、図29は、先の図20及び図21に示す第5実施形態と同様の理由から電動機出力ギヤ45を二分した関連形態14を示す。この形態は、先の関連形態11を基本として、エンジン側動力伝達系のアイドルギヤ42が電動機Mのロータ軸51に固定の一方の電動機出力ギヤ45Bに噛合し、他方の電動機出力ギヤ45Bがアイドルギヤ46を介してデフリングギヤ49に噛合する構成とされている。
【0091】
こうした形態を採る場合、電動機出力ギヤのカウンタドライブギヤ41及びデフリングギヤ49に対する噛合径を個々に変更可能となるため、エンジン側動力伝達系、電動機側動力伝達系共にギヤ比の変更が容易に可能である。
【0092】
次の図30に示す関連形態15は、前記関連形態14における電動機側動力伝達系のアイドルギヤをカウンタ減速ギヤ機構に変更したものである。
【0093】
次の図31は先の関連形態14を最も単純化した関連形態16を示す。この形態では、エンジン側動力伝達系、電動機側動力伝達系とも中間の伝達要素を介さずに直接駆動連結した構成が採られている。すなわち、エンジン側動力伝達系を構成するカウンタドライブギヤ41は、電動機Mのロータ軸51に固定の電動機出力ギヤ45Bに噛合し、電動機側動力伝達系を構成する電動機出力ギヤ45Aはデフリングギヤ49に噛合している。
【0094】
こうした形態を採った場合でも、エンジン側トータルギヤ比については、カウンタドライブギヤと電動機出力ギヤの噛合径比の変更により電動機側ギヤ比に影響を与えることなく可能である。
【0095】
次に、図32及び図33は、先の関連形態14におけるエンジン側動力伝達系の伝動手段を、チェーン伝動機構に変更した関連形態17を示す。具体的には、チェーン伝動機構を構成する動力伝達要素は、差動歯車装置Pのリングギヤ23に連結されたスプロケット71と、電動機Mのロータ軸51に固定されたスプロケット73と、両スプロケット71,73に掛け渡されたチェーン72とで構成されている。
【0096】
こうした形態を採った場合、図33の実際の軸位置と伝動手段の関係を参照して、エンジン側のトータルギヤ比は、所定の減速比を持つ2つのスプロケット71,73の径差によるギヤ比と、電動機出力ギヤ45とデフリングギヤ49とのギヤ比、すなわち電動機側ギヤ比とで決定されている。この形態では、エンジン側トータルギヤ比のみを変更する場合は、両スプロケット71,73の径差を変更するのみで全ての軸位置をずらすことなく対応できる。また、電動機側ギヤ比も併せて変更する場合は、先の関連形態11の説明で述べたとおりである。このようにして、本形態でも、前記関連形態11の場合と同様に各減速比変更の要請に対して駆動装置ケーシングの大幅な変更を要することなく対応できる。特に、実際上要求度の高いエンジン側のトータルギヤ比の変更の場合には、統一した変速機ケーシングのままで対応できる。
【0097】
次に、図34及び図35は、関連形態18を示す。この形態では、エンジン側動力伝達系の動力伝達要素については前記関連形態17と同様とし、電動機側動力伝達系の動力伝達要素を上記関連形態12と同様としている。
【0098】
こうした形態を採った場合、図35の実際の軸位置と動力伝達要素の関係を参照して、エンジン側トータルギヤ比については、スプロケット径の変更、電動機側ギヤ比については、電動機出力ギヤ45対カウンタドリブンギヤ47の径比の変更で、それぞれに、しかも一切軸位置を変更することなくギヤ比変更への対応が可能となる。
【0099】
以上、本発明の実施形態及び関連形態について3つの系列に分けて、専らFF車又はRR車用の横置式の駆動装置を例として説明したが、本発明はフロントエンジン・リヤドライブ(FR)車用の縦置式の駆動装置の形態で具体化することも可能である。こうした形態を採る場合、エンジンと、発電機と、エンジンと発電機を連結する差動歯車装置と、電動機とを備え、差動歯車装置の出力要素がエンジン側動力伝達系を介して車輪に駆動連結され、電動機が電動機側動力伝達系を介して車輪に駆動連結された点を基本構成とする。そして、駆動装置は、それぞれの前記動力伝達系と車輪とを駆動連結するアウトプットシャフトを備えるものとする。
【0100】
この場合、先の第1の系列の関連形態1〜10に関して、エンジン側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素とアウトプットシャフトに固定した第1のアウトプットギヤとを連結する動力伝達要素で構成され、電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸とアウトプットシャフトに固定した第2のアウトプットギヤとを連結する動力伝達要素で構成されたものとすることができる。こうした形態を採る場合、具体的構成の図示は省略するが、図13及び図14を参照して、関連形態9及び10におけるディファレンシャル装置をアウトプットシャフトに置換え、デフリングギヤをアウトプットギヤに置換えることで自ずと明らかである。
【0101】
また、この方式についても、先の第2系列に係る本発明の第1〜第8実施形態と同様に、エンジン側動力伝達系が、差動歯車装置の出力要素に連結された第1のカウンタドライブギヤと車輪とをアウトプットシャフトを介して駆動連結する動力伝達要素で構成され、電動機側動力伝達系が、電動機のロータ軸に固定した電動機出力ギヤと差動歯車装置の出力要素に連結された第2のカウンタドライブギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、電動機側動力伝達系が、エンジン側動力伝達系を介して車輪に駆動連結された構成を採ることができる。
【0102】
この場合についても、具体的構成の図示は省略するが、図20及び図21を参照して、各実施形態におけるディファレンシャル装置をアウトプットシャフトに置換えることで自ずと明らかである。
【0103】
また、先の第3の系列の関連形態11〜18と同様に、電動機側動力伝達系が、電動機のロータ軸に固定した第1の電動機出力ギヤと車輪とを駆動連結する動力伝達要素で構成され、エンジン側動力伝達系が、差動歯車装置の出力要素と電動機のロータ軸に固定した第2の電動機出力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、エンジン側動力伝達系が、電動機側動力伝達系を介して車輪に駆動連結された構成を採ることもできる。
【0104】
この場合についても、具体的構成の図示は省略するが、図29〜図31を参照して、各実施形態におけるディファレンシャル装置をアウトプットシャフトに置換えることで自ずと明らかである。
【0105】
以上、本発明を多数の実施形態を挙げて詳説したが、これらの実施形態は、本発明の技術思想を網羅するものではなく、本発明は、特許請求の範囲に記載の事項の範囲内で種々に具体的構成を変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】関連形態1に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図2】関連形態1の駆動装置の動力伝達系の各歯車の噛合関係を示す配置図である。
【図3】関連形態2に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図4】関連形態2の駆動装置の動力伝達系の各歯車の噛合関係を示す配置図である。
【図5】関連形態3に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図6】関連形態4に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図7】関連形態4の駆動装置の動力伝達系の各歯車の噛合関係を示す配置図である。
【図8】関連形態5に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図9】関連形態5の駆動装置の動力伝達系の各歯車の噛合関係を示す配置図である。
【図10】関連形態6に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図11】関連形態6の駆動装置の動力伝達系の各歯車の噛合関係を示す配置図である。
【図12】関連形態7に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図13】関連形態8に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図14】関連形態9に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図15】関連形態10に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図16】本発明の第1実施形態に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図17】本発明の第2実施形態に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図18】本発明の第3実施形態に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図19】本発明の第4実施形態に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図20】本発明の第5実施形態に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図21】本発明の第6実施形態に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図22】本発明の第7実施形態に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図23】本発明の第8実施形態に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図24】関連形態11に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図25】関連形態11の駆動装置の動力伝達系の各歯車の噛合関係を示す配置図である。
【図26】関連形態12に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図27】関連形態12の駆動装置の動力伝達系の各歯車の噛合関係を示す配置図である。
【図28】関連形態13に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図29】関連形態14に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図30】関連形態15に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図31】関連形態16に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図32】関連形態17に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図33】関連形態17の駆動装置の動力伝達系の各歯車の噛合関係を示す配置図である。
【図34】関連形態18に係るハイブリッド駆動装置のスケルトン図である。
【図35】関連形態18の駆動装置の動力伝達系の各歯車の噛合関係を示す配置図である。
【符号の説明】
【0107】
E/G エンジン
G 発電機
P 差動歯車装置
M 電動機
D ディファレンシャル装置
R 同軸減速機構
23 リングギヤ(出力要素)
41 カウンタドライブギヤ
41A 第1のカウンタドライブギヤ
41B 第2のカウンタドライブギヤ
42 アイドルギヤ
43 カウンタドリブンギヤ(カウンタ減速ギヤ機構)
44 ピニオンギヤ(カウンタ減速ギヤ機構)
45 電動機出力ギヤ
45A 第1の電動機出力ギヤ
45B 第2の電動機出力ギヤ
46 アイドルギヤ
47 カウンタドリブンギヤ(カウンタ減速ギヤ機構)
48 ピニオンギヤ(カウンタ減速ギヤ機構)
49 デフリングギヤ(デフ入力ギヤ)
49A (第1のデフ入力ギヤ)
49B (第2のデフ入力ギヤ)
51 ロータ軸
71 スプロケット
72 チェーン
73 スプロケット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、発電機と、前記エンジンと発電機を連結する差動歯車装置と、電動機と、ディファレンシャル装置を備え、差動歯車装置の出力要素がエンジン及び発電機側動力伝達系を介してディファレンシャル装置に駆動連結され、電動機が電動機側動力伝達系を介してディファレンシャル装置に駆動連結されたハイブリッド駆動装置において、
前記エンジンと発電機と差動歯車装置は、同軸に配置され、電動機とディファレンシャル装置の出力軸は、前記エンジンと発電機と差動歯車装置の軸と並行するそれぞれ異なる軸上に配置され、
前記電動機側動力伝達系は、エンジン及び発電機側動力伝達系を介してディファレンシャル装置に駆動連結されたことを特徴とするハイブリッド駆動装置。
【請求項2】
前記エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素とディファレンシャル装置のデフ入力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、
電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸と差動歯車装置の出力要素とを駆動連結する動力伝達要素で構成される、請求項1記載のハイブリッド駆動装置。
【請求項3】
前記エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素に連結されたカウンタドライブギヤと、該カウンタドライブギヤとデフ入力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、
電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸に固定された電動機出力ギヤと、該電動機出力ギヤと前記カウンタドライブギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成される、請求項2記載のハイブリッド駆動装置。
【請求項4】
前記エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素に連結された第1のカウンタドライブギヤと、該第1のカウンタドライブギヤとデフ入力ギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、
電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸に固定された電動機出力ギヤと、該電動機出力ギヤと差動歯車装置の出力要素に連結された第2のカウンタドライブギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成される、請求項2記載のハイブリッド駆動装置。
【請求項5】
前記電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸に固定されたスプロケットと、差動歯車装置の出力要素に連結されたスプロケットと、両スプロケットに掛け渡されたチェーンとで構成される、請求項2記載のハイブリッド駆動装置。
【請求項6】
エンジンと、発電機と、前記エンジンと発電機を連結する差動歯車装置と、電動機とを備え、差動歯車装置の出力要素がエンジン及び発電機側動力伝達系を介して車輪に駆動連結され、電動機が電動機側動力伝達系を介して車輪に駆動連結されたハイブリッド駆動装置において、
エンジン及び発電機側動力伝達系は、差動歯車装置の出力要素に連結された第1のカウンタドライブギヤと、該第1のカウンタドライブギヤと車輪とを駆動連結する動力伝達要素で構成され、
電動機側動力伝達系は、電動機のロータ軸に固定された電動機出力ギヤと、該電動機出力ギヤと差動歯車装置の出力要素に連結された第2のカウンタドライブギヤとを駆動連結する動力伝達要素で構成され、
電動機側動力伝達系が、エンジン及び発電機側動力伝達系を介して車輪に駆動連結されたことを特徴とするハイブリッド駆動装置。
【請求項7】
前記動力伝達要素はアイドルギヤを有する、請求項2〜6のいずれか1項記載のハイブリッド駆動装置。
【請求項8】
前記動力伝達要素はカウンタ減速ギヤ機構を有する、請求項2〜6のいずれか1項記載のハイブリッド駆動装置。
【請求項9】
前記エンジン及び発電機側動力伝達系と電動機側動力伝達系の動力伝達要素のうち、いずれか一方の動力伝達要素は、アイドルギヤを有し、他方の動力伝達要素は、カウンタ減速ギヤ機構を有する、請求項2〜6のいずれか1項記載のハイブリッド駆動装置。
【請求項10】
前記エンジン及び発電機側動力伝達系と電動機側動力伝達系のうち少なくとも一方に同軸減速機構が介挿された、請求項1〜6のいずれか1項記載のハイブリッド駆動装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2006−341849(P2006−341849A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−208757(P2006−208757)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【分割の表示】特願2000−295672(P2000−295672)の分割
【原出願日】平成12年9月28日(2000.9.28)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】