バッテリ交換ステーション
【課題】バッテリ交換ステーションにおいて、放電したバッテリを取り出し、充電済みのバッテリを電気自動車に挿入するのを迅速に行う。
【解決手段】放電したバッテリは収納庫に保管され、ここで充電され、充電済みバッテリは、自動ロボットメカニズムによって収納庫から移動され、バッテリ交換システムに供給し、バッテリ交換システムは、自動車102から放電したバッテリを取り外した後に、この充電済みバッテリを自動車102に挿入する。バッテリの挿入と取り外しは垂直方向に、自動車102の底部の中に挿入され、また底部から出されるように行われる。バッテリ交換システムは、自動車102の下のサービスベイの中にある。スライディングドアシステム700は、スライディングドア704をガイド802が車輪に接触するまで開く。開口部の大きさは、自動車102の大きさに応じて変化する。
【解決手段】放電したバッテリは収納庫に保管され、ここで充電され、充電済みバッテリは、自動ロボットメカニズムによって収納庫から移動され、バッテリ交換システムに供給し、バッテリ交換システムは、自動車102から放電したバッテリを取り外した後に、この充電済みバッテリを自動車102に挿入する。バッテリの挿入と取り外しは垂直方向に、自動車102の底部の中に挿入され、また底部から出されるように行われる。バッテリ交換システムは、自動車102の下のサービスベイの中にある。スライディングドアシステム700は、スライディングドア704をガイド802が車輪に接触するまで開く。開口部の大きさは、自動車102の大きさに応じて変化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]
発明の分野
本発明は一般に、交換式バッテリを搭載する電気自動車の分野に関し、特にこのような電気バッテリを取り替えるための交換ステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]
発明の背景
輸送手段(たとえば、車、トラック、飛行機、船舶等)は、現代経済と切っても切り離せない。残念ながら、自動車の動力に用いられる石油等の化石燃料には、数々の欠点がある。たとえば、このような化石燃料の限られた産出国である他国への依存、環境汚染、気候変動等である。これらの問題の1つの解決策として、自動車の燃費の改善が挙げられる。近年、ガソリンと電気のハイブリッド車が導入されており、その燃費は同クラスの従来の非ハイブリッド車の燃費より格段によい。しかしながら、ハイブリッド車によって化石燃料が不要となるわけではない。
【0003】
[0003]
上記の問題の別の解決策は、燃料電池やバッテリにより電源供給されるエンジンをはじめとするクリーンエンジン技術を利用することである。しかし、このようなクリーンエンジン技術の多くが依然として現実的ではない。たとえば、燃料電池式車両は未だ開発段階にあり、高価である。同様に、バッテリ技術も、長距離にわたって電気自動車に電源供給できるレベルには達していない。バッテリはコストが高く、車両本体の価格に40%も上乗せすることになるかもしれない。さらに、バッテリの再充電には何時間もかかることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]
そこで、上記のような欠点に対処する自動車システムを提供することが強く望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]
概要
上記の欠点を克服するために、充電スポットとバッテリ交換ステーションのネットワークを展開し、電気自動車の利用者が、自分の車を常に充電された利用可能な状態に保つことができるようにする。いくつかの実施形態は、バッテリ交換ステーションにおいて、消費し、使い切った(または略放電した)バッテリパックをフル充電された(または略フル充電された)バッテリパックに迅速に交換するシステムと方法を提供する。この迅速な交換は、バッテリ再充電の所要時間よりずっと短い時間、たとえば、一般的に40秒から5分で行われる。したがって、利用者が電気自動車でバッテリによる航続可能距離より長い距離を移動する場合も、長時間かかる再充電は無用となる。電気自動車はバッテリによって電源供給されるため、化石燃料への依存度が低減され、またバッテリの充電に必要なエネルギーは、再生可能および/またはクリーン資源(たとえば、太陽エネルギー、風力、水力発電力等)から生成することができる。
【0006】
[0006]
さらに、電気自動車のバッテリは車両本体の初期費用から分離できるため、電気自動車のコストを大幅に削減できる。また、たとえばバッテリを自動車の利用者以外、たとえば金融機関やサービスプロバイダ等が所有することができる。このような構想の詳細な説明は、2008年9月19日出願の「電子自動車ネットワーク(Electronic Vehicle Network)」と題する米国特許出願第12/234,591号に記載されており、その開示内容を参照により本願に援用する。上記のようにすることで、バッテリは消費者が購入する自動車の一部ではなく、長期間にわたって収益化される充電網(electric recharge grid)(ERG)インフラストラクチャの構成要素として扱ってもよい。
【0007】
[0007]
以下に、電気自動車のバッテリの取り替え、交換または置換のためのシステムと方法を詳細に説明する。消費したバッテリを充電済みバッテリに交換するために、バッテリ交換ステーションが設置される。いくつかの実施形態は、放電したバッテリを充電済みバッテリに交換でき、放電したバッテリを別の自動車に挿入するために充電できるバッテリ交換ステーションのネットワークを提供する。バッテリ交換ステーションは、古い放電したバッテリを新しい充電済みバッテリに交換しやすくするための各種のメカニズムを備える。本明細書で説明する交換ステーションのサブシステムと同じものを別の構成となるように組み立てて、個々の交換ステーションを現地のニーズと制約に合わせて構築することができる。
【0008】
[0008]
いくつかの実施形態は、自動車の下面にアクセスできるようにするためのスライディングドアシステムを提供する。このスライディングドアシステムは、第一の方向にスライドするように構成されたドアと、自動車の少なくとも1つの車輪を支持しながら、第一の方向とは反対の第二の方向にスライドするように構成された、ドア自体に設けられたコンベヤシステムと、を備える。
【0009】
[0009]
いくつかの実施形態において、ドアは、少なくとも1本のレールにスライド自在に連結される。いくつかの実施形態において、スライディングドアシステムはサービスベイに連結されるように構成され、ドアがスライドするとサービスベイの上に開口部が出現する。いくつかの実施形態において、出現する開口部の大きさは可変的であり、自動車のホイールベースまたはトラックのうちの1つまたは複数に関して大きさを調整できる。いくつかの実施形態において、出現する開口部は、そこからその自動車のためのバッテリを受けられるような大きさである。
【0010】
[0010]
いくつかの実施形態において、コンベヤシステムは、各々別の車輪を支持するように構成された1本または複数のコンベヤベルトである。いくつかの実施形態において、1本または複数のコンベヤベルトは、第一のコンベヤベルトと第二のコンベヤベルトを含む。大きさの異なる車両を支持するために第一のコンベヤベルトは第二のコンベヤベルトより大きい。いくつかの実施形態において、1本または複数のコンベヤベルトはそれぞれ、上側支持面を有する。上側支持面は、ドアと同一平面である。いくつかの実施形態において、1本または複数のコンベヤベルトは、動力がなくても自由に回転できる。
【0011】
[0011]
いくつかの実施形態において、スライディングドアシステムは1つまたは複数の電気モータを有し、各電気モータはそれぞれのコンベヤベルトを回転させる。いくつかの実施形態において、1本または複数のコンベヤベルトは、自動車のヨーを変更するように構成される。いくつかの実施形態において、コンベヤシステムは1つまたは複数のローラパッドであり、それぞれが別の車輪を支持する。
【0012】
[0012]
いくつかの実施形態は、自動車の整備方法を提供する。この方法には、ドアとドア自体に設けられたコンベヤシステムとを備えるスライディングドアシステムを設置するステップと、スライディングドアシステムの上で自動車を受け、このとき自動車の少なくとも1つの車輪がコンベヤシステムの上に載るようにするステップと、ドアを第一の方向にスライドさせながら、その一方でコンベヤシステムを、上記の少なくとも1つの車輪を支持したまま第一の方向とは反対の第二の方向にスライドさせるようにするステップと、を含み、ドアをスライドさせるステップとコンベヤシステムをスライドさせるステップとは、少なくとも部分的に同時に起こる。
【0013】
[0013]
いくつかの実施形態において、第一の方向は、自動車の縦軸に対して垂直で、自動車の下面に平行である。
【0014】
[0014]
いくつかの実施形態において、その方法はまた、ドアの上のコンベヤシステムの付近に設けられる第一のガイドを設置するステップと、上記の少なくとも1つの車輪が第一のガイドと接触したら、スライドを停止させるステップと、を含む。
【0015】
[0015]
いくつかの実施形態において、その方法はまた、ドアの付近に設けられる第二のガイドを設置するステップと、第二のガイドの付近にドアから離して設けられ、第二の車輪を支持する第二のコンベヤベルトを配置するステップと、第二のコンベヤシステムを第一の方向にスライドさせて、第二の車輪が第二のガイドに接触するまで自動車を第一の方向に並進移動させるステップと、を含む。
【0016】
[0016]
いくつかの実施形態において、その方法はまた、自動車の各車輪のためのコンベヤシステムとこれに対応するガイドを設置するステップと、各コンベヤシステムを、それぞれに関連する車輪がそれに対応するガイドに当たるまで回転させることよって、自動車のヨーを変更するステップと、を含む。
【0017】
[0017]
いくつかの実施形態において、その方法はまた、1つまたは複数の上昇式支持手段を設置するステップと、1つまたは複数の上昇式支持手段に載せた自動車を上昇させて、その自動車のロールとピッチを変更するステップと、を含む。
【0018】
[0018]
いくつかの実施形態はバッテリ交換ステーションを提供し、これは、第一の再充電式バッテリを少なくとも一部電気自動車の下面の空洞から、その少なくとも一部自動車の底面により形成される平面に対して略垂直な第一の軸に沿って下降させ、第二の再充電式バッテリを第一の軸に平行な第二の軸に沿って、少なくとも一部電気自動車の下面の空洞の中へと上昇させるように構成されたバッテリ交換システムを備える。
【0019】
[0019]
いくつかの実施形態において、バッテリ交換ステーションはまた、複数の異なる大きさの再充電式バッテリを充電するように構成された収納庫を備える。
【0020】
[0020]
いくつかの実施形態において、バッテリ交換ステーションのバッテリ交換システムは、少なくとも1本のレールにスライド自在に連結されたシャトルと、交換台と、シャトルと交換台との間に連結された油圧リフトまたはシザーリフトメカニズムと、を備える。いくつかの実施形態において、バッテリ交換システムは、交換台に連結され、第一と第二の再充電式バッテリをバッテリ交換システムに一時的に固定するように構成されたグリッパをさらに備える。いくつかの実施形態において、バッテリ交換システムは、少なくとも3自由度を有する。いくつかの実施形態において、バッテリ交換システムは、静止位置において地下に位置付けられる。他の実施形態において、バッテリ交換システムは、静止位置において高床式に位置付けられる。
【0021】
[0021]
いくつかの実施形態において、バッテリ交換ステーションは、交換台と、少なくとも一部電気自動車の下面の空洞との位置整合状態を測定するように構成されたインデクシングシステムをさらに備える。
【0022】
[0022]
いくつかの実施形態において、バッテリ交換ステーションのバッテリ交換システムは、少なくとも一部電気自動車のロックを電子的に作動させるように構成されたロック解除メカニズムをさらに備える。いくつかの実施形態において、バッテリ交換システムは、少なくとも一部電気自動車のロックを機械的に作動させるように構成されたロック解除メカニズムを備える。
【0023】
[0023]
いくつかの実施形態は、少なくとも一部電気自動車のバッテリを交換する方法を提供する。この方法は、少なくとも一部電気自動車の下面の空洞から、第一の再充電式バッテリを少なくとも一部自動車の底面により形成される平面に対して略垂直な第一の軸に沿って下降させることにより、第一の再充電式バッテリを取り外すステップと、少なくとも一部電気自動車の下面の空洞の中に、第二のバッテリを第一の軸に平行な第二の軸に沿って上昇させることによって挿入するステップと、を含む。いくつかの実施形態において、第一の軸と第二の軸は同一直線上にある。
【0024】
[0024]
いくつかの実施形態において、その方法は、挿入するステップの前に、第二のバッテリをバッテリ充電収納庫から取り出すステップと、第二のバッテリを一時的にスタンバイ位置に保管するステップと、を含む。
【0025】
[0025]
いくつかの実施形態において、その方法は、自動ロボットメカニズムで第二のバッテリをバッテリ充電収納庫内部のラックモジュールから取り出すステップと、第二のバッテリを自動ロボットメカニズムからバッテリ交換システムへと運ぶステップと、を含む。
【0026】
[0026]
いくつかの実施形態において、その方法は、取り外すステップの後に、第一の再充電式バッテリをバッテリ充電収納庫に移動させるステップを含む。いくつかの実施形態において、その方法は、取り外すステップの前に、第一のバッテリを少なくとも一部電気自動車に取り付けているロックを機械的に外すステップを含む。
【0027】
[0027]
いくつかの実施形態において、機械的に外すステップは、キーを少なくとも一部電気自動車のロックの中に挿入するステップと、キーを交換台の中まで引き戻すステップと、を含む。
【0028】
[0028]
いくつかの実施形態において、交換する方法は5分未満で行われる。
【0029】
[0029]
いくつかの実施形態において、その方法は、取り外すステップの前に、第一のバッテリの少なくとも一部を洗浄するステップを含む。
【0030】
[0030]
いくつかの実施形態において、取り外すステップは第一の場所で行われ、挿入するステップは第二の場所で行われる。
【0031】
[0031]
いくつかの実施形態において、その方法は、取り外すステップの前に、自動車をサービスベイの上の第一の場所に自動的に並進移動させるステップと、挿入するステップの後に、自動車を第一の場所とは異なる第二の場所に自動的に並進移動させるステップと、を含む。
【0032】
[0032]
いくつかの実施形態は、大きさの異なるバッテリを充電するための複数のラックモジュールを有する拡張可能なモジュール式ラックシステムを提供する。いくつかの実施形態において、各ラックモジュールは、少なくとも2つの大きさのバッテリを充電するように構成される。いくつかの実施形態において、複数のラックモジュールは第一のラックモジュールと第二のラックモジュールを含む。第一のラックモジュールは第一の大きさのバッテリを充電するように構成され、第二のラックモジュールは第一のサイズのバッテリとは異なる第二のサイズのバッテリを充電するように構成される。いつくかの実施形態において、各ラックモジュールは、個々のバッテリが所定の位置にあることを感知するバッテリ感知センサと、バッテリの位置付けを可能にする1つまたは複数のバッテリ位置決め構造物と、充電のためにバッテリと取り外し自在に結合するコネクタアクチュエータアームと、を備える。いくつかの実施形態において、モジュール式ラックシステムは全体が地下にある。
【0033】
[0033]
図面の簡単な説明
本発明の上記の態様および他の態様ならびにその実施形態をよりよく理解するために、次に挙げる図面とともに以下の「発明を実施するための形態」を参照するべきである。これらの図面にはバッテリ交換ステーションのさまざまな部分が描かれている。図に直接描かれているもの以外にも、本発明による構想を包含する各種の実施形態を考案できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
[0034]
【図1】いくつかの実施形態による電気自動車ネットワークを示す図である。[0035]
【図2】バッテリ交換ステーションの1つの実施形態の斜視図である。[0036]
【図3】交換ステーションの取替えレーンが高床式に構築されたバッテリ交換ステーションの1つの実施形態の部分切欠き側面図である。[0037]
【図4】交換ステーションの取替えレーンが地表面に構築された交換ステーションの1つの実施形態の部分切欠き側面図である。[0038]
【図5A】バッテリが挿入された状態の電気自動車の斜視図である。[0039]
【図5B】バッテリが途中まで取り外された状態の電気自動車の斜視図である。[0040]
【図6A】いくつかの実施形態によるバッテリ交換ステーションの取替えレーンと収納庫の部分切欠き斜視図である。[0041]
【図6B】図6Aの取替えレーンと収納庫の部分切欠き斜視図である。[0042]
【図7A】閉じた状態のスライディングドアシステムの斜視図である。[0043]
【図7B】開いた状態の図7Aのスライディングドアシステムの斜視図である。[0044]
【図8A】途中まで開いた位置にある取替えステーションのスライディングドアの上に支持されている自動車の部分切欠き正面図である。[0045]
【図8B】完全に開いた位置にある取替えステーションのスライディングドアの上に支持されている自動車の部分切欠き正面図である。[0046]
【図9】いくつかの実施形態による収納庫と取替えレーンステーションの内部構成要素の斜視図である。[0047]
【図10A】厚型バッテリパックを充電し、保管するように構成されたラックモジュールの詳細な斜視図である。[0048]
【図10B】平型バッテリパックを充電し、保管するように構成されたラックモジュールの詳細な斜視図である。[0049]
【図11A】いくつかの実施形態による、一部が地面より高い位置にある拡張可能なモジュール式収納庫の部分切欠き側面図である。[0050]
【図11B】いくつかの実施形態による、全体が地下にある拡張可能なモジュール式収納庫の部分切欠き側面図である。[0051]
【図12】図9の自動ロボットメカニズムの詳細な斜視図である。[0052]
【図13】いくつかの実施形態によるバッテリ交換システムの斜視図である。[0053]
【図14】図13のバッテリ交換システムの詳細な斜視図である。[0054]
【図15】いくつかの実施形態による、バッテリ交換システムと収納庫の斜視図である。[0055]
【図16A】バッテリ交換工程の一部のフローチャートである。[0056]
【図16B】バッテリ交換工程の一部のフローチャートである。
【0035】
[0057]
図面全体を通じて、対応する部分には同様の参照番号が付されている。
【発明を実施するための形態】
【0036】
[0058]
実施形態の説明
ここで、添付の図面に描かれている実施形態の例について詳しく言及する。以下の詳細な説明の中で、本発明が十分に理解できるように、具体的な詳細事項が多数示されている。しかしながら、当業者にとって、本発明がこれらの具体的な詳細事項がなくても実施できることは明白であろう。また別の場合では、公知の方法、手順、構成要素については、実施形態の態様を不必要に曖昧にすることがないように、詳しく説明しなかった。
【0037】
[0059]
本明細書における本発明の説明で用いられる用語は、特定の実施形態を説明することを目的としており、本発明を限定するものではない。本発明の説明と添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形の「a」、「an」、「the」は、文脈上明確に単数である場合以外、複数形も含むものとする。本明細書中の「および/または」は、そこに関連して列挙された項目の1つまたは複数およびすべての考えられる組み合わせを指し、これを包含するものと理解される。
【0038】
[0060]
本発明は、電気自動車用交換ステーションに関する。交換ステーションは、電気自動車から少なくとも部分的に放電したバッテリを取り外し、少なくとも部分的に充電されたバッテリに交換する。いくつかの実施形態において、ステーションは完全自動化され、交換工程は完全自動化されている。運転者は、バッテリ交換工程中に車から降りたいと望んでもよく、この場合、運転者は交換工程が終わるまで、待合エリアで待つことかできる。いくつかの実施形態において、待合エリアにはベンチ、気晴らしのための設備、情報ビデオ、自動販売機、ATM等がある。バッテリは、最小限の時間で交換される。いくつかの実施形態において、交換工程は5分未満で行われる。別の実施形態では、交換が4分未満で行われる。さらに別の実施形態において、交換は1分未満で行われる。最後に、いくつかの実施形態において、交換は40秒で行われる。
【0039】
[0061]
図1は、いくつかの実施形態による、電気自動車ネットワーク100を示す。電気自動車ネットワーク100には、少なくとも一部電気自動車102と、自動車102に着脱式に連結されるように構成されたバッテリ104とが含まれる。いくつかの実施形態において、バッテリ104は、バッテリ(たとえば、リチウムイオンバッテリ、鉛酸バッテリ、ニッケル水素バッテリ等)、コンデンサ、反応セル(たとえば、亜鉛空気電池)等、電気エネルギーを貯蓄することができるデバイスを含む。いくつかの実施形態において、バッテリ104は、複数の個別バッテリセルまたは化学モジュールを含む。いくつかの実施形態において、バッテリ104はまた、冷却メカニズムのほか、自動車102またはバッテリ交換ステーション106の各種の要素に接続するための機械的および電気的コネクタを有する。
【0040】
[0062]
いくつかの実施形態において、自動車102は、自動車の1つまたは複数の車輪を駆動する電気モータ103を備える。これらの実施形態において、電気モータ103はバッテリ104(説明しやすいように、自動車と分離して示されている)からエネルギーを受け取る。自動車102のバッテリ104は、利用者110の家130で、あるいは1つまたは複数の充電ステーション132で充電されてもよい。たとえば、充電ステーション132は、ショッピングセンターのパーキングロットにあってもよい。さらに、いくつかの実施形態において、自動車102のバッテリ104は、1つまたは複数のバッテリ交換ステーション106で、充電済みバッテリと交換することができる。したがって、利用者が自動車のバッテリの1回充電での航続距離を超えて移動する場合、放電した(または部分的に放電した)バッテリを充電済み(または部分的に充電済み)のバッテリに交換できるため、利用者は最初のバッテリが再充電されるのを待たずに、ドライブを続けることが可能である。これらの構成要素と関連する電源およびデータネットワークとの関係は、2008年9月19日出願の「電子自動車ネットワーク(Electronic Vehicle Network)」と題する米国特許出願第12/234,591号に詳しく記載されており、その開示内容は参照により本願に援用される。
【0041】
[0063]
交換ステーション106は、以下に詳細に説明するさまざまな構成要素で構成される。交換ステーション106の設計はモジュール式であることに注意すべきである。したがって、同じサブシステムを異なる構成になるように組み立てて、各ステーションを現地のニーズと制約に合わせることができる。さらに、交換ステーション106の構成要素の多くは、それ自体がモジュール式であるため、サービスに対する需要の増大に伴うサービスステーション106の拡張をサポートできる。たとえば、図11A、11Bに関して後に説明するように、交換ステーション106は、既存の収納庫の上にラックまたはラックモジュールを追加することにより、より多くのバッテリ104を収容するように構成しなおすことができる。同様に、自動ロボットメカニズムならびに制御用ソフトウェアおよびハードウェアも、追加されたバッテリに作業を実施できるように容易に構成しなおすことが可能な設計である。
【0042】
[0064]
図2は、バッテリ交換ステーション106の1つの実施形態の斜視図である。図2に示されるように、バッテリ交換ステーション106は、少なくとも1つの取替えレーン202と、バッテリを保管し、充電する収納庫204を備える。収納庫204は、バッテリと自動装置を風雨、不正使用、犯罪および破壊行為から保護する外被208によって被覆される。取替えレーン202は、交換ステーションの中の、電気自動車102が入口から出口まで移動する領域であり、この領域で電気自動車に対してバッテリの洗浄やバッテリの交換等のいくつかの作業が実施される。バッテリ交換ステーション106を構成する1つのブロックには、消費したバッテリを充電済みバッテリに交換する1つのステーションを備える少なくとも1つの取替えレーン202がある。取替えレーン202は、相互に関して直列にも並列にも配置できる。いくつかの実施形態において、図2に示されるように、収納庫204は交換ステーション106の中央にあり、そのいずれかの側に1つの取替えレーン202がある。いくつかの実施形態において、収納庫204の両側にそれぞれ1つまたは複数の取替えレーン202がある。いくつかの実施形態において、複数の取替えレーン202が連続して直列に設けられる。いくつかの実施形態において、消耗したバッテリを充電済みバッテリと交換する複数の取替えステーションに対して、1つの取替えレーン202における1つの洗浄ステーションで作業が行われる。バッテリ交換ステーション106は、取替えが地下で行われる形式と地上で行われる形式で構築できる。
【0043】
[0065]
電気自動車102は、いくつかの実施形態において、バッテリ交換ステーション106に入ると、取替えレーン202の入口にある入口ゲート(図示せず)に遭遇する。入口ゲートにより、自動車102が並ばずに、あるいは望ましくない状態で取替えレーンに進入することが防止される。入口ゲートはまた、交通量が多いときに、自動車が取替えレーン202に入るまで待つ場所でもある。
【0044】
[0066]
いくつかの実施形態において、利用者110(図1)には、まずバッテリ交換ステーションに入ると、ドライバインタフェース206も見える。ドライバインタフェース206は、利用者110と通信する信号灯、ディスプレイまたは音声デバイスのセットである。図2に示されるドライバインタフェース206の1つの実施形態は、収納庫204の外壁の一部に設けられたアニメーションディスプレイである。ドライバインタフェース206は利用者110に一連の説明を提供し、利用者に対してその自動車102をステーションの自動装置に安全にセットする方法を指示する。ドライバインタフェース206はそのほかに、運転者と同乗者に対して、バッテリ交換ステーションで利用できる他のサービスに関する情報を提供してもよい。ドライバインタフェースの中には、電気自動車102の内部に取り付けられ、自動車102の中にいる運転者や同乗者とやりとりができるものがある。電気自動車102は、適当なタイミングで、ゲートとドライバインタフェース206(自動車の中または外)のいずれかまたは両方から信号を受け取ることにより前進できる。いくつかの実施形態において、運転者が自動車を前進させる。他の実施形態において、自動車は遠隔システムによって制御されながら、自力で自動的に前進する。また別の実施形態においては、自動車は自動車並進移動システム610(図6Bに関して説明)によって移動される。
【0045】
[0067]
図3は、高床式取替えレーン302を有する交換ステーション106の実施形態を示す。図3に示されるように、高床式の取替えでは、自動車102が交換用傾斜台304の上にあることが必要となる。いくつかの実施形態において、利用者110は自動車102を運転して交換用傾斜台の上に乗せる。いくつかの実施形態において、自動車は自動車並進移動システム610(図6Bに関して説明)によって自動的に傾斜台304の上に並進移動される。高床式取替えレーン302の場合、地下式取替えレーン(図4に関して説明)より設置時間が短くて済むが、これは地下掘削のインフラストラクチャがほとんど、またはまったく必要ないからである。この種の高床式取替えレーン302は特に、仮設のバッテリ交換ステーション106が必要な場所において有益である。
【0046】
[0068]
図4は、地上式取替えレーン402を有する交換ステーション106の実施形態を示す。この実施形態では、取替えメカニズムは地下に埋められている。図4に示されるように、地下で取替えが行われることにより、ステーション内の自動車102の移動はすべて地表面上で行われるため、運転者にはより利用しやすいと感じられる。地上式取替えレーン402の場合には、ある程度の地下掘削が必要となる。たとえば、1つまたは複数のサービスベイ618(図6に関して説明)である。図3、4に示される実施形態のどちらにおいても、場所によってスペース面の制約があれば、図2の収納庫204に関する取替えレーンの位置を変更することができる。
【0047】
[0069]
図5A、5Bは、少なくとも一部電気自動車102の斜視図である。図5Aは、自動車102にバッテリ104が取り付けられた状態を示す。図5Bは、自動車102からバッテリ104が取り外された状態を示し、バッテリ104を格納するように構成された自動車の空洞108が見えている。本明細書で説明する実施形態は、少なくとも部分的に放電したバッテリ104を取り外し、少なくとも部分的に充電されたバッテリ104を自動車102の空洞108に挿入することに関する。大きさの異なる自動車にサービスを提供するために、これらの実施形態は、大きさの異なる複数の自動車の違いに対応することができる。これらの実施形態はまた、各自動車と交換ステーションの各種の要素との間の直線方向および回転方向の位置ずれにも対応できる。図5Aには、定義された座標系と自動車の寸法が示されており、これらには後の説明の中で言及される。図5Aに示される座標系では、X軸が自動車の前部から後部への長さに平行であり、Z軸は自動車の上部から下部への高さに平行であり、Y軸は自動車の片側から反対側への幅に平行である。自動車のロールとは、X軸を中心とした回転である。自動車のヨーとは、Z軸を中心とした回転である。自動車のピッチとは、Y軸を中心とした回転である。自動車は車種によって長さ(X軸に沿う)が異なり、したがってホイールベース(図のように、前輪と後輪の間の距離)が異なる。自動車によって幅も異なり、したがってトラック(図のように、自動車の片側の車輪と反対側の車輪の間の距離)も異なる。さらに、自動車によってタイヤのサイズ(直径と幅)も異なる。
【0048】
[0070]
図6A、6Bは、取替えレーン202と収納庫204の一部の要素を示す。いくつかの実施形態において、取替えレーン202には、洗浄ステーション602、取替えステーション604、メンテナンスベイ(図示せず)または待合エリア608等の複数のサブステーションが設けられる。いくつかの実施形態において、自動車102は自動車並進移動システム610によって取替えレーン202に沿って自動的に運ばれる。したがって、それぞれの運転者が自動車102を前進させずに、自動車102を取替えレーン内の1つのサブステーションから別のサブステーションに移動することができる。
【0049】
[0071]
図6Bに示されるように、いくつかの実施形態において、自動車並進移動システム610は複数の個別のコンベヤ606を備え、取替えレーン202に沿って設置されているサブステーションへと自動車102を取替えレーン202に沿って輸送する。図6Bは、直列に設置された複数のコンベヤ606を利用した取替えレーン202の実施形態を示す。いくつかの実施形態において、洗浄ステーション602、取替えステーション604および待合エリア608の中の適正な位置に移動させるための個別のコンベヤ606が設置される。いくつかの実施形態において、自動車並進移動システム610の中でいくつかのコンベヤ606だけが使用される。いくつかの実施形態において、1本の長いコンベヤで自動車を取替えレーン202の入口から出口まで運ぶ。
【0050】
[0072]
図には示されていないが、いくつかの実施形態において、1本の個別のコンベヤシステム606は、バッテリ交換プロセスの故障やその他の自動車の異常が発生した場合に、自動車102をメンテナンスベイエリアに退避させるために使用される。メンテナンスベイでは故障点検作業が行われ、場合に応じて利用者110に代わりの自動車102が提供される。
【0051】
[0073]
いくつかの実施形態において、自動車並進移動システム610は、ステーションの入口で運転者が自動車102から降り、回収に戻っていなければ、バッテリ交換工程が完了した自動車102を待合エリア608に運ぶこともできる。このようにすれば、運転者が運転席に戻っていない場合や運転者が自動車をすぐに回収できない場合にも、その自動車が取替えレーン202の出口を塞いでしまうことはない。
【0052】
[0074]
各コンベヤシステム606は、駆動モータ(図示せず)と、各端で固定ギア614の周囲に巻かれる駆動チェーン612を備える。いくつかの実施形態において、「スキーリフト」スタイルのコンベヤは、自動車の車輪と接触して自動車102を前方に押し進めるTバー等の自動車並進移動要素616を利用する。いくつかの実施形態において、自動車102を前方に移動させるための3つの別々のコンベヤシステムがある。第一のコンベヤシステムの自動車並進移動要素616は、自動車の後輪と接触して自動車102を洗浄ステーション602へと押し進める。第二のコンベヤシステムの自動車並進移動要素616は、自動車102の前輪と接触して、これを取替えステーション604へと押し進める。交換工程が完了すると、第二のコンベヤは自動車の後輪と接触して自動車102を押し進め、その後第三のコンベヤシステムの自動車並進移動要素616が自動車の前輪と接触し、自動車102を待合エリア608へと押し進める。
【0053】
[0075]
いくつかの実施形態において、取替えレーン202には、洗浄ステーション602および/または取替えステーション604が設けられ、その各々がそれぞれのサービスベイ618の中に格納されている。いくつかの実施形態において、スライディングドアシステム(図7A、7Bに関して説明)によってサービスベイ618の開口部620が現れる。いくつかの実施形態において、サービスベイ618には洗浄ステーション602が格納される。いくつかの実施形態において、自動車は洗浄ステーション602で洗浄されてから、取替えステーション604に入るため、放電したバッテリを取り外しやすく、放電したバッテリの汚れやごみの多くが取替えステーション604や収納庫204に入らない。洗浄ステーション602では、自動車102の底面とバッテリ104が洗浄され、バッテリ104の底部分についているかもしれない汚れ、泥、融雪剤その他のごみが除去される。いくつかの実施形態において、洗浄ステーションの構成要素として、ブラシ、スポンジ、ウォータージェット、エアナイフ、送風機、またはドライアイス粒吹付け洗浄機のうちの1つまたはいくつかが備えられる。いくつかの実施形態において、洗浄ステーション602にスライディングドアシステムの代わりに多孔質スクリーンを用い、洗浄液を自動車102とバッテリ104の底部に噴霧し、バッテリ104に空気を吹きかけて乾燥させることができるようにする。いくつかの実施形態において、ドライアイス粒を自動車とバッテリに吹き付け、汚れやごみを除去すれば、乾燥が不要である。
【0054】
[0076]
図7A、7Bはスライディングドアシステム700の、開いた状態と閉じた状態の斜視図である。このスライディングドアシステム700は、ドア704と、ドア704自体に設けられた少なくとも1つのコンベヤシステム706を備える。いくつかの実施形態において、スライディングドアシステム700は取替えステーション604、洗浄ステーション602および/またはメンテナンスベイに使用できる。スライディングドアシステム700は、サービスベイ618に連結され、サービスベイ618の上に開口部620を出現させるように構成される。この実施形態において、スライディングドアシステム700を取替えステーション604に関して説明する。前述のように、いくつかの実施形態において、自動車102は、自動車並進移動システム610のコンベヤ606によって取替えステーション604に並進移動される。特に、図7Aに示されるように、コンベヤ606は、各端において固定ギア614に巻かれたチェーン612に取り付けられた自動車並進移動要素616を備える。自動車102は、コンベヤシステム706または718の付近に位置付けられた車輪停止ユニット702によって停止される。いくつかの実施形態において、車輪停止ユニット702は、自動車の後輪の一方を、コンベヤシステム706の上の所定の位置で停止させるように設計される。
【0055】
[0077]
開口部620は、大きさの異なる自動車102とバッテリ104を収容するように設計される。電気自動車のメーカは、電気自動車102に搭載される電気エネルギー容量をなるべく大きくするために、バッテリの収容に利用できる容積を最大限にするであろう。この事実により、より大型の自動車は、より小型の自動車に搭載できるものより大きなバッテリ104を収容してもよい。取替えステーション604のスライディングドアシステム700は、最大のバッテリ104でも十分容易に取り外せるような大きさでなければならない。また、小型の自動車102が開口部620から落下しないような小ささでなければならない。1つの解決策は、開口部620が自動車102の大きさに応じて変化するようなスライディングドアシステム700を利用することである。
【0056】
[0078]
図7A、7Bは、2つのドアコンベアシステム706を有するスライディングドアシステム700の実施形態を示す。他の実施形態では、ドアコンベヤシステム706が1つである。各ドアコンベヤシステム706は、自動車102の異なる車輪を支持するように構成される。ドア704は、少なくとも1本のレール708にスライド自在に連結される。ドア704が図7Bの矢印710が示すようにスライドして開くと、コンベヤシステム706の上側支持面は図7Bの矢印712によって示される反対方向にスライドする。同様に、ドア704がスライドして閉じると、コンベヤシステム706の上側支持面はまたドア704の方向と反対方向にスライドする(すなわち、閉じる際のドア704とコンベヤ706の移動方向は、開く際の方向を示す矢印710、712の正反対である)。各ドアコンベヤシステム706はドア704と相対的に移動し、各ドアコンベヤシステム706はドア704の移動にかかわらず、自動車102の車輪を実質的に静止した位置で支持する。いくつかの実施形態において、コンベヤシステム706は2本のゴムベルトを備え、これらのゴムベルトはベルトの下でドアに回転自在に連結されたローラに伴って上でスライドする。ゴムベルトは、「歩く歩道」のような基本的なコンベヤデバイスを形成する。いくつかの実施形態において、ベルトはローラを取り囲み、ローラによって支持され、ベルトの下面がローラの下に位置してドア704の内部または下側に格納され、コンベヤベルトの上面がドア704の上面と略同一平面となる。いくつかの実施形態において、ローラの軸は取替えレーン202の方向に平行である。これによって、ドア704は自動車の車輪に関して、取替えレーン202の方向に垂直な方向にスライドできる。ベルトはまた、玉軸受その他適当な回転メカニズムによって支持されてもよい。いくつかの実施形態において、コンベヤ706は玉軸受のローラパッド722である。したがって、ベルトまたはローラパッドが、ドアの表面により形成される平面内でスライドし、および/またはZ軸を中心に旋回できるため、自動車のヨーもまた、スライディングドア704とコンベヤシステム706によって修正できる。
【0057】
[0079]
図7A、7Bに示されるように、各ドアコンベヤシステム706の幅(W)は、ドア704の幅より若干小さく、この幅は、ドアが開いたときに自動車の車輪を支持するものとして必要であり、また幅の異なる、特にトラック、すなわち同じ車軸上の車輪の間の幅の異なる自動車を支持する。さらに、図7A、7Bに示されるように、ドアコンベヤシステム706の長さも違っていてもよい。いくつかの実施形態では、長いコンベヤシステム716(長さL1)と短いコンベヤシステム714(長さL2)が用いられる。このように短いコンベヤシステム714と長いコンベヤシステム716を組み合わせることによって、より長いホイールベースの自動車に、より短いホイールベースの自動車と同じスライディングドアシステム700を使用することができる。第一の車輪(この実施形態では後輪)が車輪停止ユニット702によって停止されるため、この車輪は、自動車がどれだけ大きくても概して同じ位置に停止し、したがって、どのような大きさの自動車も、その1つの車輪が短いコンベヤシステム704によって支持されることになる。しかしながら、それ以外の車輪は、長さ、特に自動車102のホイールベースに応じて、長いコンベヤシステム716の中の異なる部分に位置付けられる。より長い自動車の場合、1つの車輪は長いコンベヤシステム716の中の、狭いコンベヤシステム714から遠い部分に位置付けられ、短い自動車の車輪は、長いコンベヤシステム716の中の、狭いコンベヤシステム714に近い部分に位置付けられる。
【0058】
[0080]
図8A、8Bは、スライディングドアシステム700の開く様子を示した側面図である。自動車102が、その車輪がコンベヤシステム706の上で支持される位置まで移動すると、取替えステーションのドア704は、図8Aの矢印806のように開く。ドア704は、コンベヤシステム706によって支持される車輪がスライディングドアのガイド802に接触するまで開く。図8A、8Bに示されるように、いくつかの実施形態において、ドアは自動車の駆動方向に垂直な方向に開く。したがって、ガイド802は、車輪の側壁と接触する。別の実施形態において、スライディング方向は、自動車の駆動方向に平行であってもよい。しかしながら、ほとんどの場合、スライドの方向は、自動車の縦軸に垂直(図5AのZ軸に垂直)である。
【0059】
[0081]
図7A、7Bに戻ると、いくつかの実施形態において、スライディングドアシステム700は、ドア704自体には含まれない別のコンベヤシステム718を備えていてもよい。別のコンベヤシステム718は、ドア704の付近に位置付けられる。これらの別のコンベヤシステム718は、ドアコンベヤシステム706について前述したものと同じ特性と寸法を有していてもよいが、ドアコンベヤシステム706ほど幅が広くない。別のコンベヤシステム718はそれぞれ、ドアコンベヤシステム706とは異なる車輪を支持するように構成される。別のコンベヤシステム718の各々とドア704の間には別のガイド804があり、これは、スライディングドア704と一緒に移動しないため、静止ガイドと呼ばれる。ドア704を矢印806で示される第一の方向にスライドさせることによってスライディングドアシステム700が開いたとき、ドアコンベヤシステム706の支持面はドア704と反対方向への移動をすぐには開始しない。その代わりに、ドア704はその移動とともに自動車102を引きずり、その間、別のコンベヤシステム718の支持面がドアと同じ方向に、自動車の、スライディングドア704によって支持されている側と反対側の車輪が静止ガイド804に接触するまでスライドする。その後もスライディングドア704は開き続け、その間、ドアコンベヤシステム706の上面はドアの方向と反対の方向に、自動車の反対側の車輪がスライディングドアガイド802に当たって停止するまでスライドする。いくつかの実施形態において、スライディングドアのガイド802と静止ガイド804には、圧力センサが備えられる。これらのセンサによって、制御システムは、車輪がスライディングドアガイド802と接触したら、それ以上は開放動作を行わないようにドア704を停止させる。
【0060】
[0082]
いくつかの実施形態において、上記のようなデュアルコンベヤシステムの設計は、1つまたは複数のドアコンベヤシステム706とドアの中にはない1つまたは複数の別のコンベヤシステム718を有し、これによって自動車メーカはサービスベイ618にさまざまな大きさの開口部620を出現させることができる。開口部620の大きさは、ドア704が図8A、8Bに示されるように自動車102の側面へと(図5AのY軸に平行な軸に沿って)スライドするか、自動車の前方または後方に(図5AのX軸に平行な軸に沿って)スライドするかに応じて自動車のトラックまたはホイールベースに関して決定される。このデュアルコンベヤシステムは、自動車の下のアクセス面積をできるだけ大きくして、自動車の車輪間の距離と同じ広さになるようにすることができ、これは、車輪間の領域が略完全に露出するまでドア704が開くからである。このようにして、自動車102の下面の幅のほとんど全部(車輪の幅を除く)が露出する。したがって、開口部620は、そこを通ってバッテリ104を移動させるのに余裕のある大きさとなる。
【0061】
[0083]
自動車102の側面は、車内の人員を保護するために、側面衝撃エネルギーを吸収する緩衝領域としての役割を果たすため、一般的にはバッテリ104を収容するのに用いられない点に注意するべきである。したがって、バッテリが車輪間の幅より大きいことはないので、車輪より広くドア704を開ける必要はない。また、開口部620の大きさを変化させることはドアコンベヤシステム706だけでも実現できるが、デュアルコンベヤシステムの設計を利用すれば、開口部をそれより若干大きくすることができる点にも注意するべきである。
【0062】
[0084]
いくつかの実施形態において、コンベヤシステム706、718は受動的に構成されており、すなわち、動力を用いずに自由に回転できる。他の実施形態において、コンベヤシステム706、718は1つまたは複数の電気モータに連結されており、電気モータがコンベヤシステム706、718を移動させる。いくつかの実施形態において、各コンベヤシステム706、718は、別々の電気モータによって作動される。各コンベヤシステムを別に作動させることを利用して、自動車のヨーの位置ずれを修正できる。いくつかの実施形態において、取替えステーションのスライディングドア704は、カバーされた領域の下でスライドする。これにより、人は交換工程中にスライディングドアシステム700の障害とならずに自動車102の付近を歩くことができる。カバーされた領域により、作業中にドア704を汚さず、保護された状態に保つこともできる。
【0063】
[0085]
スライディングドアシステム700のドア704が開くと、自動車に対して、バッテリ交換工程の準備が行われる。交換ステーション106に進入する自動車102はそれぞれ、図5に示されるようなヨー、ピッチおよびロールの方向が若干異なる。ヨーの方向のずれは、自動車102がサービスベイ618の上の領域に進入する際に、取替えレーン202の方向と完全に一致していないことから生じる。いくつかの実施形態において、自動車102のヨーは、前述のように、スライディングドア704とコンベヤシステム(706または706と718)を使って自動車の車輪を位置付けることによって修正できる。自動車のロールとピッチは、自動車の重量の偏り、自動車の車輪の圧力、自動車の重量および自動車のサスペンションの設定の違いから生じるかもしれない。いくつかの実施形態において、自動車のロールとピッチには、図7A、7Bに示される2つの上昇式支持手段720で対処する。支持手段720は、一方がスライディングドア704の上、もう一方が静止ガイド804の近くに設置される。2つの上昇式支持手段720は、ガイド802、804の付近に設置されるため、自動車の大きさに関係なく、一般的には車体の側方構造梁の下の後輪と前輪の間に位置付けられるが、これは、スライディングドアガイド802と804によって取替えステーションのドア704が自動車の車輪の内側側面まで略完全に開くからである。上昇式支持手段720は、バッテリ104の重量と同じまたはそれより大きな重量によるサスペンションやタイヤの沈下を補償するのに十分な高さまでわずかに上昇する。上昇式支持手段720は所定の高さまで立ち上がるため、自動車104は若干持ち上がり、ロールとピッチの角度が修正される。このようにして、自動車の座標系が取替えレーンの座標系と平行になる。取替えレーンに関する自動車のヨー、ピッチ、ロールの方向のずれは、これらのメカニズムを使って最小限にされる。水平面(図5のX−Z面)の自動車の位置付けが設定され(自動車の車輪停止ユニット802、804によって行われる)、地表面より上への自動車の上昇位置が所定の高さに設定される(上昇式支持手段720によって行われる)。あるいは、バッテリ104とバッテリ交換システム1300(図13に関して説明)で方向のずれに対応してもよい。これで、自動車102の位置付け、ひいてはその自動車のためのバッテリベイ108とバッテリ104が十分に定まったため、バッテリ交換工程を開始できる。
【0064】
[0086]
前述のような自動車の位置整合工程中またはその前に、バッテリ交換ステーション106の他のサブユニットが、自動車102の中に挿入されるべき、適当なサイズの充電済みバッテリ104を準備する。この工程の一部は収納庫204の中のメカニズム(図9に関して説明)を利用し、この工程の一部はバッテリ交換システム1300(図13に関して説明)を利用する。
【0065】
[0087]
図9は、収納庫204の内部構成要素および、それらと洗浄ステーション602と取替えステーション604との関係を示す斜視図である。収納庫204はモジュール式ラックシステム902を備え、それぞれが異なるバッテリ104を充電するためのラックモジュール904を有する。この拡張可能なモジュール式システムは、大きさの異なるさまざまなバッテリを充電するように構成されている。図9は、平型バッテリ906と厚型バッテリ908を保管し、充電する実施形態を示す。いくつかの実施形態において、バッテリ104を保護するために、ラック902には強制空冷ダクトと耐火性の隔離板も用いられる。
【0066】
[0088]
収納庫204は、自動ロボットメカニズム910も備える。いくつかの実施形態において、自動ロボットメカニズム910は、レール914の上で移動するロボット912を備える。図9の実施形態では、バッテリ保管ラック902が取替えステーション604(および洗浄ステーション608)と自動ロボットメカニズム910の間に設置されている。ロボット912は、収納庫内のラックの長さに沿って、1本または複数のレール914に沿って移動する。いくつかの実施形態において、ロボット912は、収納庫保管ラック902の、自動車102の反対側から適当な大きさのバッテリ104を取り出し、このバッテリ104をラック902の開口部916から移送させるように構成される。
【0067】
[0089]
いくつかの実施形態において、ラックモジュール904のすべてが充電に使用される。したがって、切換盤が、充電のための電力を充電が必要なバッテリ104の収容されているラックモジュール904へと回す。別の実施形態において、充電用のラックモジュール904とバッテリを保管するだけの別のラックモジュール904が設けられる。いくつかの実施形態において、自動ロボットメカニズム910は、必要に応じて充電用ラックモジュール904と保管用ラックモジュールとの間でバッテリ104を入れ替える。
【0068】
[0090]
図10A、10Bは、ラックモジュール904の2つの実施形態を示す斜視図である。平型バッテリ用ラックモジュール1006は平型バッテリ906を保管、充電するように構築され、厚型バッテリ用ラックモジュール1008は厚型バッテリ908を保管、充電するように構成される。収納庫204は、図10A、10Bに示される2つを含む各種の構成のラック902を収容できるように構成される。各ラックモジュール904には、そこに支持される特定のタイプのバッテリに合った機械的および電気的インタフェースが備えられている。
【0069】
[0091]
図10Aは、厚型バッテリ908とこれに対応する厚型バッテリ用ラックモジュール1008の実施形態を示す。厚型バッテリ用ラックモジュール1008は、バッテリ位置決め構造物1010、バッテリ感知センサ1012、フレーム位置決め穴1014、コネクタアクチュエータアーム1016を備える。バッテリ位置決め構造物1010により、厚型バッテリ908を特定の位置に位置付けやすくなる。厚型バッテリ908が所定の位置にあることをバッテリ感知センサ1012が感知すると、コネクタアクチュエータアーム1016が厚型バッテリ908に結合し、充電を開始する。いくつかの実施形態において、コネクタアクチュエータアーム1016は厚型バッテリ908の電気接続インタフェースで厚型バッテリに結合し、この接続インタフェースは使用中に自動車102に厚型バッテリ908を電気的に接続するためにも使用される。
【0070】
[0092]
図10Bは、図10Aに示されているものと同じ要素(バッテリ位置決め構造物1010、バッテリ感知センサ1012、フレーム位置決め穴1014、コネクタアクチュエータアーム1016)が、平型バッテリ906を保管、充電するように構築された平型バッテリ用ラックモジュール1006で使用されている様子を示す。図と同じ要素は、図11A、11Bに示されるものとは異なる寸法のバッテリを扱う場合にも使用される。
【0071】
[0093]
図11A、11Bは、収納庫204が、個々の場所のニーズに応じてさまざまな方法で構成できることを示す部分切欠き側面図である。いくつかの実施形態において、バッテリ104のいくつかがラック902のラックモジュール904に保管される。図11A、11Bは、自動ロボットメカニズム910の両側にラック902があることを示す。いくつかの実施形態では、ラック902は自動ロボットメカニズム910の片側だけにある。いくつかの実施形態において、地下で保管されるバッテリ104と地上で保管されるバッテリがある。いくつかの実施形態において、すべてのリチウムバッテリが地下で保管される。バッテリ104を地下に保管する場合、地殻による断熱効果および安定した温度分布域の恩恵を受けるため、収納庫204の冷暖房費を削減できる。さらに、バッテリ104は自動車による衝突から保護され、外部で火災が発生した場合の安全性もより高い。また、バッテリ104が爆発し、あるいは火災の原因となったとしても、地下にあるために、利用者110や整備士が保護される可能性が高くなる。
【0072】
[0094]
いくつかの実施形態において、収納庫204は、図11に示されるようなモジュール式である。収納庫204は、既存のラック902とラックモジュール904にラック902またはラックモジュール904を追加することによって、より多くのバッテリ104を収容するように構成しなおすことができる。いくつかの実施形態において、新しいラックモジュール904が既存のラックモジュール904の上に追加されるため、収納庫の容量が大きくなると、収納庫の高さまたは長さも大きくなる。このようなモジュール式の設計によって、収納庫の壁の高さまたは長さを大きくするだけで、収納庫204の総容量または体積を簡単に増大させることができる。
【0073】
[0095]
図12は、自動ロボットメカニズム910の斜視図である。ロボットメカニズムは、レール914と、並進移動台1202、本体1204、中央垂直レール1206、1つまたは複数の支持アーム1208を有するロボット912と、を備える。ロボット912は3つの並進移動軸を有し、これらは3自由度に対応する。取替えレーン202が収納庫204の両側にあるバッテリ交換ステーション106の実施形態において、ロボット912は、ロボット本体1204のどちらの側(Y方向)にも延びる並進移動台1202を有する。並進移動台1202は、バッテリ104の下でスライドし、バッテリをある位置から別の位置まで持ち上げる。いくつかの実施形態において、厚型バッテリ908の場合、2つの並進移動台1202のうちの一方のみが用いられる。ロボット912は、収納庫204の内部で取替えレーン202に平行なレール914に沿ってX方向に移動する。並進移動台1202はまた、図のように、中央垂直レールまたはラダー1206によって、Z方向に上下に並進移動することもできる。ロボット912は、収納庫(図示せず)の上の1本または複数のレール914に沿って移動する1つまたは複数の上側支持アーム1208によって支持され、ロボット912のよじれまたは屈曲による位置ずれが防止される。このようなメカニズムが協働することによって、自動ロボットメカニズムは異なる形状のバッテリを上下に移動させ、ラックモジュール904から出し入れするほか、バッテリ交換システム1300(後述)へと運ぶことができる。
【0074】
[0096]
図13は、いくつの実施形態のバッテリ交換システム1300の斜視図である。バッテリ交換システムは、シャトル1302と、交換台1304と、上昇メカニズム1306と、1つまたは複数のスタンバイ位置1308と、シャトルトラック1310と、を備える。バッテリ交換システム1300は、バッテリ104を自動車102の中に挿入し、またバッテリ104を自動車102から取り外す。バッテリ交換システム1300はまた、バッテリ104を収納庫204に、また収納庫204から移動させる。
【0075】
[0097]
いくつかの実施形態において、バッテリ交換システム1300は、並進移動の3自由度を有し、さまざまな種類の自動車102とバッテリ104を扱うことができる。いくつかの実施形態において、バッテリ交換システム1300は1または複数の回転自由度を有し、これによってシステムはバッテリを電気自動車内の正しい位置に位置決めすることができる。シャトル1302は、収納庫204と取替えステーション604の間で、取替えレーン202の方向に対して垂直な方向に移動する。シャトル1302は、バッテリ104を支持するように構成された交換台1304を備える。交換台1304は、図14に関してより詳細に説明する上昇メカニズム1306によって垂直に上昇するように構成され、また、取替えレーンの方向に、前後に(シャトルトラック1310の軸に垂直に)もスライドできる。いくつかの実施形態において、交換台は垂直軸を中心に回転するようにも構成されており、交換台1304(およびそれによって支持されるバッテリ104)と自動車102のバッテリベイ108との間にヨー方向のずれがあった場合に、これを修正できる。
【0076】
[0098]
図14は、バッテリ交換システム1300の部分の詳細な斜視図である。交換台1304は、バッテリ104を保持するように構成されたグリッパ1402を有する。グリッパは、バッテリ104を安全に交換しながら、バッテリ104を安全に把持するのに必要なすべてのハードウェアを備える。大きさの異なるバッテリのために異なるグリッパ1402を設けてもよいし、ユニバーサル(または一部ユニバーサル)のグリッパ1402を設けてもよい。いくつかの実施形態において、ラックは収納庫204の中に、大きさの異なるバッテリ104のためのいくつかのグリッパ1402を格納するように設置される。このような実施形態においては、必要に応じて、自動ロボットメカニズム910によって適当なグリッパ1402が取り出され、交換台1304に取り付けられる。すると、適当な大きさのバッテリが(それが交換台に取り付けられる前後のいずれにも)、グリッパ1402によって取り扱われる。ステーション管理システムが、現在交換台1304に取り付けられているものとは異なるグリッパを必要とする自動車が来たことを把握すると、グリッパ1402が交換される。
【0077】
[0099]
交換台1304とそこに載っているバッテリ104を上昇させて、自動車102の空洞またはベイ108に挿入するためには、さまざまなタイプの上昇メカニズム1306が利用できる。いくつかの実施形態において、交換台1304はシザーリフトによって上昇される。いくつかの実施形態において、交換台1304は油圧リフトによって上昇され、他の実施形態ではまた別の上昇形態が用いられる。
【0078】
[00100]
いくつかの実施形態において、シャトル1302は1つまたは複数のインデクシングシステム1404も利用する。インデクシングシステム1404は、交換台1304と自動車102の下面の空洞108またはバッテリ104の間の位置整合状態を測定し、自動車102とバッテリ104を位置決めし、および/または交換台1304とグリッパ1402を調整して、グリッパ1402が放電したバッテリ104を把持し、これを電気自動車102から取り外せる位置になるように構成する。いくつかの実施形態において、インデクシングシステム1404は、カメラを使って交換台1304の上のバッテリの位置を特定する画像処理システムを備える。インデクシングシステム1404は、バッテリ交換システム1300のバッテリまたはベイとの位置合わせを支援する。いくつかの実施形態において、交換台1304およびグリッパ1402と自動車102内の放電したバッテリ104との最終的な位置合わせは、バッテリ104の底部分のパイロット穴の中に入るようになっている位置決めピンを用いて行われ、これについては2009年4月23日出願の「電気自動車バッテリシステム(Electric Vehicle Battery System)」と題する米国特許出願第12/428,932号に記載されている。
【0079】
[00101]
いくつかの実施形態において、バッテリ交換システム1300は、2009年4月23日出願の「電気自動車バッテリシステム(Electric Vehicle Battery System)」と題する米国特許出願第12/428,932号に記載されているような、ロックを解除するための1つまたは複数のロック解除メカニズム1406も備える。いくつかの実施形態において、ロック解除メカニズム1406は、バッテリを自動車102に取り付けているロックを電子的に作動させ、これを解除するように構成される。いくつかの実施形態において、ロック解除メカニズム1406は、自動車のロックを機械的に作動させ、これを解除するように構成される。いくつかの実施形態において、自動車102は作動させる必要のある2つのロックを有するか、あるいは電子的および機械的両方の作動が必要となる1つのロックを有する。いくつかの実施形態において、ロック解除メカニズム1406はキーである。いくつかの実施形態において、キーはグリッパ1402についている。別の実施形態において、キーは交換台1304またはシャトル1303の一部である。いくつかの実施形態において、キーは、ロックを解除した後、交換台1304の中に引き戻る。
【0080】
[00102]
図15は、バッテリ交換システム1300の構成要素と収納庫204の一部の構成要素の斜視図である。図15の実施形態では、シャトルトラック1310が収納庫204のラック902の開口部916の中に延びており、シャトル1302が開口部916の中に位置付けられ、バッテリ104を自動ロボットメカニズム910から受け取り、あるいはバッテリ104を自動ロボットメカニズム910まで持っていくことができる。いくつかの実施形態において、シャトル1302は、自動ロボットメカニズム910のロボット912がその上を移動するレール914に垂直に延びるトラック1310に沿って移動する。
【0081】
[00103]
図15はまた、シャトルラック1310が1つまたは複数のバッテリスタンバイ位置1308まで延びることを示しており、バッテリスタンバイ位置ではバッテリが交換工程中に一時的に保管される。いくつかの実施形態において、放電したバッテリ104が自動車102から取り外されるまで、フル充電されたバッテリ104がスタンバイ位置1308に一時的に保管される。他の実施形態においては、フル充電されたバッテリ104が自動車の中に挿入されるまで、放電したバッテリ104がスタンバイ位置に一時的に保管される。いくつかの実施形態においては、放電したバッテリの取り外しとフル充電されたバッテリの挿入にはそれぞれ別のバッテリ交換システム1300を用いるため、スタンバイ位置は不要である。いくつかの実施形態において、放電したバッテリ104が取り外され、収納庫202に戻されてから、自動ロボットメカニズム910が新しい充電済みバッテリをバッテリ交換システム1300に運ぶため、スタンバイ位置は必要ない。
【0082】
[00104]
図16A、16Bは、上記のステップの一部または全部を含むバッテリ交換方法を示すフローチャートである。電気自動車は、バッテリ交換ステーションに接近すると、バッテリ交換ステーションと無線通信して、その自動車に必要なバッテリの種類を知らせる(1602)。適当なバッテリが利用可能であれば、バッテリ交換ステーションはその自動車のためのバッテリとレーンを確保する(1603)。自動ロボットメカニズムは、適当なタイプのグリッパが交換台に取り付けられているか否かを判断し、必要に応じて適当なグリッパを取って来て、交換台に取り付ける(1604)。自動ロボットシステムは、適当なタイプの充電済みバッテリを収納庫内のラックモジュールから取って来る(1606)。いくつかの実施形態において、自動ロボットシステムは、自動車の洗浄中に充電済みバッテリを取って来る。いくつかの実施形態において、自動ロボットメカニズムは、自動車が取替えレーンに入るのを待っている間、またはその前に、充電済みバッテリを取り出す。これらのステップのタイミングは、バッテリ交換ステーションの作業負荷に応じて異なっていてもよい。充電済みバッテリは、収納庫の開口部から運ばれ、この開口部からバッテリ交換システムに届けられる(1608)。バッテリは、交換装置用シャトルの交換台の上のグリッパに装填される。次に、いくつかの実施形態において、交換台が取替えステーションのサービスベイに移動して、充電済みバッテリをスタンバイ位置に運ぶ(1610)。スタンバイ位置は、交換工程の時間を節約するために、バッテリ交換作業中にバッテリを支持する台である。いくつかの実施形態において、シャトルはスタンバイ位置に充電済みバッテリを置く。いくつかの実施形態において、スタンバイ位置には、バッテリが必要な次の何台かの自動車のために、同時に複数の充電済みバッテリを並べて置いておく。スライディングドアシステムは、自動車の車輪を支持しながら、スライドして、自動車のバッテリベイまたは空洞の真下のサービスベイの開口部を出現させる(1612)。いくつかの実施形態において、スライディングドアシステムはまた、自動車のピッチ、ヨー、ロールの方向を修正する(1613)。開口部は可変的であり、自動車の寸法に応じて決まる。取替えピットに続くドアが開くと、シャトルの上昇メカニズムは、自動車の底面により形成される平面に略垂直な縦軸に沿って(図5AのZ軸に沿って)交換台を上昇させる(1614)。いくつかの実施形態において、交換台は、位置決めピンおよび/またはカメラあるいはその他のフィードバックメカニズムを使って、放電したバッテリの位置で停止する(1616)。いくつかの実施形態において、交換台は3自由度を有しているため、放電したバッテリの位置に停止することができ、また、自動車の回転、すなわちヨーに合わせて回転することもできる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のロック解除メカニズムが電気自動車にロックされたバッテリを外す(1618)。放電したバッテリのロックが解除されると、電気自動車のバッテリベイのバッテリの外れ止めが外れ、バッテリが交換台の上に解放される。交換台のグリッパが、放電したバッテリを受け取る(1620)。いくつかの実施形態において、交換台に取り付けられたグリッパは、自動車の中の外れ止めメカニズムを作動させて、外れ止めのロックを解除し、バッテリを解放する。放電したバッテリが自動車との外れ止めから外され、グリッパに取り付けられると、上昇メカニズムがこの放電したバッテリを、自動車の底面により形成される平面に略垂直な縦軸に沿って(図5AのZ軸に沿って)自動車から下降させる(1622)。シャトルはレールに沿って移動して、交換台を放電したバッテリと共に収納庫の開口部へと運び、この開口部からバッテリが自動ロボットメカニズムに運ばれる(1624)。次に、バッテリ交換システムは、充電済みバッテリが一時的に保管されているスタンバイエリアに戻り、このバッテリを取り出す(1626)。自動車内の放電したバッテリがあった場所に関する、記録されたデジタルデータに基づき、バッテリ交換システムは充電済みバッテリを自動車の空洞の位置に合わせる(1628)。上昇メカニズムは、自動車の底面により形成される平面に略垂直な縦軸に沿って(図5AのZ軸に沿って)充電済みバッテリを電気自動車の空洞の中へと上昇させる(1630)。バッテリ交換システムは、自動車が充電済みバッテリをロックするまで、充電バッテリを支持する。いくつかの実施形態において、グリッパは、バッテリを自動車に取り付け、外れ止めをかける作動装置を備える。次に、上昇メカニズムが交換台とグリッパを引き戻す(1632)。いくつかの実施形態において、自動車の安全点検が行われる。安全点検が問題なく完了したら、上昇システムが引き戻され、取替えステーションのドアが閉じる(1634)。その後、自動車車輪停止ユニットが解除され、自動車は取替えレーンの出口へと運ばれる。いくつかの実施形態において、交換ステーションは会計の目的のためにバッテリ交換を記録する(1635)。いくつかの実施形態において、車輪停止ユニットが外れたら、運転者が自動車を運転して交換ステーションから出る。いくつかの実施形態において、放電したバッテリを充電済みバッテリに交換するこの方法は5分未満で行われる。いくつかの実施形態において、自動車が取替えレーンに入ってから出るまで5分未満である。
【0083】
[00105]
図3、4に関して述べたように、取替え工程は地下で行ってもよいし、高床式で行ってもよい。地下式の実施形態では、バッテリ交換システムは、その静止位置において地下にある。交換台とグリッパは、自動車から放電したバッテリを受け取り、充電済みバッテリを自動車の空洞に挿入するのに必要な高さだけ地上に出る。いくつかの実施形態において、スタンバイエリアは、充電済みバッテリではなく放電したバッテリのために使用してもよいことに注意するべきである。このような実施形態では、充電済みバッテリが自動車に挿入されている間に、放電したバッテリがスタンバイエリアに移動される。その後、放電したバッテリは収納庫に移動される。同様に、いくつかの実施形態において、スタンバイエリアは充電済みバッテリと放電したバッテリの両方に使用される。この実施形態においては、放電したバッテリがスタンバイユニットまで移動されるため、収納庫までの移動回数が減る。すると、充電済みバッテリがスタンバイユニットから取り出され、充電済みバッテリが自動車に挿入された後で、放電したバッテリが収納庫に移動される。また別の実施形態において、スタンバイユニットは使用されない。放電したバッテリが収納庫に運ばれてから、充電済みバッテリが収納庫から取り出される。いくつかの実施形態において、2つのバッテリ交換システムが2つのスライディングドアシステムと一緒に使用される。この実施形態では、第一のバッテリ交換システムが第一の場所で放電したバッテリを取り外し、次に車は第二の場所まで移動され、ここで第二のバッテリ交換システムが充電済みバッテリを挿入する。この実施形態により、一方の車からは、その前に並んでいる別の車に充電済みバッテリが挿入されている間に、放電したバッテリが取り外せる。
【0084】
[00106]
いくつかの実施形態において、充電済みバッテリを取り出すステップの間に、交換ステーションシステムは他の準備作業を行う。取替えレーンが空いたら、ドライバインタフェースが運転者に取替えレーンに進入してもよいことを伝える(1636)。いくつかの実施形態において、取替えレーン内の自動車並進移動システムが自動車を1つのサブステーションから次のサブステーションに移動させる。いくつかの実施形態において、自動車は洗浄ステーションに停止し、ここで汚れとごみがバッテリの下面から除去される(1638)。いくつかの実施形態において、洗浄ステーションでは自動車の外側全体が洗浄される。次に、並進移動システムが自動車を取替えステーションに移動させる(1640)。取替えステーションは、取替えレーンに沿って設けられた場所であり、ここで自動車が停止して、車輪停止ユニットによって動かないようにされる。自動車が取替えステーションまで運ばれ、その位置が停止ユニットによってセットされると、ステップ(1612)で説明したように、スライディングドアシステムがサービスベイの開口部を出現させる。
【0085】
[00107]
同様に、いくつかの実施形態において、充電済みバッテリがスタンバイユニットから取り出され、自動車に挿入される(ステップ1626−1632)間に、自動ロボットメカニズムは、放電したバッテリを収納庫内の開口部からそれぞれの適正なラックモジュールに移動させる(1642)。次に、ラックモジュールのアクチュエータアームが放電したバッテリと結合し、その再充電を開始する(1644)。
【0086】
[00108]
いくつかの実施形態において、バッテリ交換ステーションは、ステーションに入ってくる交通量が多いラッシュアワーにステーションをなるべく効率化するために、最小限のバッテリを収容するように構築される。この工程にとっての問題は、バッテリ交換の所要時間である。したがって、充電システムは、交換サイクルが完了したらすぐに新しい充電済みバッテリを供給できるように設計される。ラッシュアワーにステーションに入って来た放電したバッテリについては、すぐに高速充電を開始する。フル充電が終了したバッテリは即座に自動車に搭載できる状態である。充電システムは、1回の交換サイクルで充電済みバッテリを供給するのに必要な数のバッテリを同時に充電する。たとえば、バッテリの充電に40分かかり、1回の交換サイクルが4分間であるとすると、ステーションは、同時に10個のバッテリを充電するように設計される。したがって、4分ごとに、新しい充電済みバッテリが自動車に挿入できる状態となる。このようにして、利用者の要求を満たしながら、最小限のバッテリが保管される。ステーションに入って来る交通量が減少したら、ステーション管理システムは充電速度を落とすか、あるいは電気料が安くなる時間まで充電を遅らせてもよい。電気自動車システムの1つの利点は、バッテリが最大速度で充電される「ラッシュアワー」を除けば、バッテリの充電を他の電力消費量の「低い」時間帯に行うことができ、その結果、電力会社がより有効に送電網を管理することが可能となる点である。さらに、いくつかの実施形態において、不要なフル充電済みバッテリから電気を送電網に戻し、ピーク需要を緩和することができる。
【0087】
[00109]
以上、いくつかのバッテリ交換方法を説明した。シャトルモジュールは、保管および充電領域から自動車交換領域までのバッテリの移動を管理する。上述したとおりのメカニズムは必要ではないことに注意するべきである。たとえば、バッテリ交換は一部のみ自動化され、人間または人間が制御する機械で上記の作業を実行する。
【0088】
[00110]
ハードウェアとソフトウェアによる制御手段
[00111]
交換ステーションでは、いくつかのハードウェアおよびソフトウェアによる制御手段を利用する。リアルタイム中央制御装置が複数のPLC(プログラマブルロジックコントローラ)を監視する。各PLCは自動装置に関連付けられ、その装置の動作を制御する。PLCはその制御下にある自動装置の位置、速度、加速、状態を監視する。リアルタイム中央制御装置は、ステーション内で行われる各工程に関する決定を下し、命令を与えるステーション管理システムに従属する。
【0089】
[00112]
ステーション管理システムは、バッテリ交換ステーションで行われるほとんどすべての事柄と作業を制御するソフトウェアとハードウェアによるシステムである。管理システムは、整備および管理センターならびに、バッテリ交換ステーションの近辺にいる電気自動車と通信する。管理システムは、ステーションの運営に関する基本的な決定を下すことができる。いくつかの実施形態において、ステーション管理システムは、異常な作業状態となった場合、何らかの遠隔支援を求めてもよい。バッテリ交換ステーションのサブシステムのほとんどすべてがステーション管理システムに従属し、管理システムに状況報告を送信する。
【0090】
[00113]
電力管理システムは、送電網からステーションサブシステムへの電流の供給を監視し、その供給が行われるようにする。電力管理制御装置は、ステーションの電気系統の動作を監視する。
【0091】
[00114]
HVAC(暖房換気空調システム)は、交換ステーション内の内部環境を略連続的に監視する。温度、湿度、圧力は常に監視され、これらのパラメータがその許容値を超えないように制御される。充電工程中、バッテリと充電システムから大量の熱が放出される。HVACシステムは、正方向の気流を用いてバッテリ充電領域から熱を排出することによって保管室の温度を制御する。あるバッテリパックの設計では、充電工程中にバッテリの温度を安全な範囲に保つために、バッテリパックの中にある冷却ダクト内に冷気を吹き込む。換気システムは1時間に数回、内部大気の入れ替えを行い、ステーションの構造物や地下に有毒ガスや可燃性ガスが蓄積されないようにする。換気システムは、ステーションの外からフィルタを通した空気を吸い込み、ステーションの内部空洞と外部環境との間に正の圧力差を生じさせる。このようにすることによって、異なる汚染物質や燃料蒸気(付近のガソリンステーションから入ってくるかもしれない)はステーション構造内にほとんど入らず、地下式取替えピットおよび収納庫内のバッテリ充電器への侵入が遮断される。
【0092】
[00115]
ステーションはまた有毒ガス検出システムを備え、バッテリが不正使用され、バッテリセルの温度暴走が発生した場合に、水素その他の炭化水素または可燃性および有毒ガスの放出を検出する。可燃性ガスが検出された場合、ガス分析センサがすべての電力システムをシャットダウンし、アラームを発生する。HVACシステムは、ステーションの内部空洞を換気して、可燃性ガスの濃度を下げる。火災が発生した場合、ステーションの換気が停止し、消火システムが消火する。
【0093】
[00116]
火災検知消火システムは、火災が検知されると起動される、環境にやさしいガスを使用する冗長的消火システムである。火災検知消火システムは、ステーション管理システムに従属する。
【0094】
[00117]
ステーションの構造は、バッテリ充電領域の温度と湿度を管理するための空調制御装置を備える。安全のために、バッテリ保管領域は耐火性を有するものとする。バッテリ交換ステーション内で火災が発生した場合のために、ステーションは火災検知消火ユニットを備える。いくつかの実施形態において、消火には環境にやさしいガスを用いる。予備のための粉末消火システムも用意し、ガス消火システムに追加して使用してもよい。いくつかの実施形態において、バッテリ保管領域は、自動車による衝突に耐えられるものとする。交換ステーションは風雨に曝される自立構造物であるため、空調制御装置が有益である。いくつかの実施形態において、バッテリ交換ステーション内の雰囲気を制御するHVACシステムが設置される。いくつかの実施形態において、HVACシステムはバッテリ保管および充電領域の中の空調状態だけを制御する。いくつかの実施形態において、屋根の上にHVCAシステムのコンデンシングユニットを設置する。いくつかの実施形態において、HVACシステムはバッテリパック内にある冷却ダクトに冷気を送り込む。いくつかの実施形態において、HVACシステムのための暖房要素には温水コイルが含まれる。給気にはファンも使用され、新鮮の空気を取り入れ、また周囲の条件に応じて適当に加熱または冷却された空気をユニットに供給することができる。いくつかの実施形態において、バッテリ保管領域は通常の動作中、環境から密閉される。バッテリ保管領域からは、バッテリが地下のロボットの上に降ろされるため、外的環境から比較的保護される。いくつかの実施形態において、バッテリ保管領域には、絶縁材料の層が設けられる。いくつかの実施形態において、バッテリ保管領域は、バッテリ保管領域を手で開けるためのパネルその他のメカニズムを有する。これは、バッテリを最初にシステムの中に装填し、異常が発生したバッテリを取り外す際に有益である。また、ASRSシステムの中の故障しているかもしれない部分のメンテナンスを行うためにも有益である。いくつかの実施形態において、ステーションは自動車、取替えシステム、バッテリ保管場所を風雨から保護するのに役立つ屋根を有し、この尾根によって夏は日差しから涼しく保たれ、冬は雨や雪から保護される。
【0095】
[00118]
バッテリ充電システムは、バッテリ充電工程を管理、監視するシステムである。充電システムは、バッテリ充電器に接続される中央充電制御装置を備える。いくつかの実施形態において、高速充電器は、バッテリをその最大許容充電速度で充電できる。いくつかの実施形態において、より低速の充電器が使用される。中央充電システム制御装置は充電工程を監視し、ステーション管理システムに対し、毎回の充電作業の充電状態を知らせる。
【0096】
[00119]
以上は、説明のために、具体的な実施形態に関して記載された。しかしながら、例としての上記の説明はすべてではなく、本発明を開示された詳細な形態に限定するものではない。上記の教示から、多くの変更版や改変版を実現できる。実施形態は、本発明の原理とその現実的な応用を最もよく説明し、それによって当業者が本発明と、所期の具体的用途に適したさまざまな変更を加えた各種の実施形態を最もよく利用できるようにするために選択、説明された。
【技術分野】
【0001】
[0001]
発明の分野
本発明は一般に、交換式バッテリを搭載する電気自動車の分野に関し、特にこのような電気バッテリを取り替えるための交換ステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]
発明の背景
輸送手段(たとえば、車、トラック、飛行機、船舶等)は、現代経済と切っても切り離せない。残念ながら、自動車の動力に用いられる石油等の化石燃料には、数々の欠点がある。たとえば、このような化石燃料の限られた産出国である他国への依存、環境汚染、気候変動等である。これらの問題の1つの解決策として、自動車の燃費の改善が挙げられる。近年、ガソリンと電気のハイブリッド車が導入されており、その燃費は同クラスの従来の非ハイブリッド車の燃費より格段によい。しかしながら、ハイブリッド車によって化石燃料が不要となるわけではない。
【0003】
[0003]
上記の問題の別の解決策は、燃料電池やバッテリにより電源供給されるエンジンをはじめとするクリーンエンジン技術を利用することである。しかし、このようなクリーンエンジン技術の多くが依然として現実的ではない。たとえば、燃料電池式車両は未だ開発段階にあり、高価である。同様に、バッテリ技術も、長距離にわたって電気自動車に電源供給できるレベルには達していない。バッテリはコストが高く、車両本体の価格に40%も上乗せすることになるかもしれない。さらに、バッテリの再充電には何時間もかかることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]
そこで、上記のような欠点に対処する自動車システムを提供することが強く望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]
概要
上記の欠点を克服するために、充電スポットとバッテリ交換ステーションのネットワークを展開し、電気自動車の利用者が、自分の車を常に充電された利用可能な状態に保つことができるようにする。いくつかの実施形態は、バッテリ交換ステーションにおいて、消費し、使い切った(または略放電した)バッテリパックをフル充電された(または略フル充電された)バッテリパックに迅速に交換するシステムと方法を提供する。この迅速な交換は、バッテリ再充電の所要時間よりずっと短い時間、たとえば、一般的に40秒から5分で行われる。したがって、利用者が電気自動車でバッテリによる航続可能距離より長い距離を移動する場合も、長時間かかる再充電は無用となる。電気自動車はバッテリによって電源供給されるため、化石燃料への依存度が低減され、またバッテリの充電に必要なエネルギーは、再生可能および/またはクリーン資源(たとえば、太陽エネルギー、風力、水力発電力等)から生成することができる。
【0006】
[0006]
さらに、電気自動車のバッテリは車両本体の初期費用から分離できるため、電気自動車のコストを大幅に削減できる。また、たとえばバッテリを自動車の利用者以外、たとえば金融機関やサービスプロバイダ等が所有することができる。このような構想の詳細な説明は、2008年9月19日出願の「電子自動車ネットワーク(Electronic Vehicle Network)」と題する米国特許出願第12/234,591号に記載されており、その開示内容を参照により本願に援用する。上記のようにすることで、バッテリは消費者が購入する自動車の一部ではなく、長期間にわたって収益化される充電網(electric recharge grid)(ERG)インフラストラクチャの構成要素として扱ってもよい。
【0007】
[0007]
以下に、電気自動車のバッテリの取り替え、交換または置換のためのシステムと方法を詳細に説明する。消費したバッテリを充電済みバッテリに交換するために、バッテリ交換ステーションが設置される。いくつかの実施形態は、放電したバッテリを充電済みバッテリに交換でき、放電したバッテリを別の自動車に挿入するために充電できるバッテリ交換ステーションのネットワークを提供する。バッテリ交換ステーションは、古い放電したバッテリを新しい充電済みバッテリに交換しやすくするための各種のメカニズムを備える。本明細書で説明する交換ステーションのサブシステムと同じものを別の構成となるように組み立てて、個々の交換ステーションを現地のニーズと制約に合わせて構築することができる。
【0008】
[0008]
いくつかの実施形態は、自動車の下面にアクセスできるようにするためのスライディングドアシステムを提供する。このスライディングドアシステムは、第一の方向にスライドするように構成されたドアと、自動車の少なくとも1つの車輪を支持しながら、第一の方向とは反対の第二の方向にスライドするように構成された、ドア自体に設けられたコンベヤシステムと、を備える。
【0009】
[0009]
いくつかの実施形態において、ドアは、少なくとも1本のレールにスライド自在に連結される。いくつかの実施形態において、スライディングドアシステムはサービスベイに連結されるように構成され、ドアがスライドするとサービスベイの上に開口部が出現する。いくつかの実施形態において、出現する開口部の大きさは可変的であり、自動車のホイールベースまたはトラックのうちの1つまたは複数に関して大きさを調整できる。いくつかの実施形態において、出現する開口部は、そこからその自動車のためのバッテリを受けられるような大きさである。
【0010】
[0010]
いくつかの実施形態において、コンベヤシステムは、各々別の車輪を支持するように構成された1本または複数のコンベヤベルトである。いくつかの実施形態において、1本または複数のコンベヤベルトは、第一のコンベヤベルトと第二のコンベヤベルトを含む。大きさの異なる車両を支持するために第一のコンベヤベルトは第二のコンベヤベルトより大きい。いくつかの実施形態において、1本または複数のコンベヤベルトはそれぞれ、上側支持面を有する。上側支持面は、ドアと同一平面である。いくつかの実施形態において、1本または複数のコンベヤベルトは、動力がなくても自由に回転できる。
【0011】
[0011]
いくつかの実施形態において、スライディングドアシステムは1つまたは複数の電気モータを有し、各電気モータはそれぞれのコンベヤベルトを回転させる。いくつかの実施形態において、1本または複数のコンベヤベルトは、自動車のヨーを変更するように構成される。いくつかの実施形態において、コンベヤシステムは1つまたは複数のローラパッドであり、それぞれが別の車輪を支持する。
【0012】
[0012]
いくつかの実施形態は、自動車の整備方法を提供する。この方法には、ドアとドア自体に設けられたコンベヤシステムとを備えるスライディングドアシステムを設置するステップと、スライディングドアシステムの上で自動車を受け、このとき自動車の少なくとも1つの車輪がコンベヤシステムの上に載るようにするステップと、ドアを第一の方向にスライドさせながら、その一方でコンベヤシステムを、上記の少なくとも1つの車輪を支持したまま第一の方向とは反対の第二の方向にスライドさせるようにするステップと、を含み、ドアをスライドさせるステップとコンベヤシステムをスライドさせるステップとは、少なくとも部分的に同時に起こる。
【0013】
[0013]
いくつかの実施形態において、第一の方向は、自動車の縦軸に対して垂直で、自動車の下面に平行である。
【0014】
[0014]
いくつかの実施形態において、その方法はまた、ドアの上のコンベヤシステムの付近に設けられる第一のガイドを設置するステップと、上記の少なくとも1つの車輪が第一のガイドと接触したら、スライドを停止させるステップと、を含む。
【0015】
[0015]
いくつかの実施形態において、その方法はまた、ドアの付近に設けられる第二のガイドを設置するステップと、第二のガイドの付近にドアから離して設けられ、第二の車輪を支持する第二のコンベヤベルトを配置するステップと、第二のコンベヤシステムを第一の方向にスライドさせて、第二の車輪が第二のガイドに接触するまで自動車を第一の方向に並進移動させるステップと、を含む。
【0016】
[0016]
いくつかの実施形態において、その方法はまた、自動車の各車輪のためのコンベヤシステムとこれに対応するガイドを設置するステップと、各コンベヤシステムを、それぞれに関連する車輪がそれに対応するガイドに当たるまで回転させることよって、自動車のヨーを変更するステップと、を含む。
【0017】
[0017]
いくつかの実施形態において、その方法はまた、1つまたは複数の上昇式支持手段を設置するステップと、1つまたは複数の上昇式支持手段に載せた自動車を上昇させて、その自動車のロールとピッチを変更するステップと、を含む。
【0018】
[0018]
いくつかの実施形態はバッテリ交換ステーションを提供し、これは、第一の再充電式バッテリを少なくとも一部電気自動車の下面の空洞から、その少なくとも一部自動車の底面により形成される平面に対して略垂直な第一の軸に沿って下降させ、第二の再充電式バッテリを第一の軸に平行な第二の軸に沿って、少なくとも一部電気自動車の下面の空洞の中へと上昇させるように構成されたバッテリ交換システムを備える。
【0019】
[0019]
いくつかの実施形態において、バッテリ交換ステーションはまた、複数の異なる大きさの再充電式バッテリを充電するように構成された収納庫を備える。
【0020】
[0020]
いくつかの実施形態において、バッテリ交換ステーションのバッテリ交換システムは、少なくとも1本のレールにスライド自在に連結されたシャトルと、交換台と、シャトルと交換台との間に連結された油圧リフトまたはシザーリフトメカニズムと、を備える。いくつかの実施形態において、バッテリ交換システムは、交換台に連結され、第一と第二の再充電式バッテリをバッテリ交換システムに一時的に固定するように構成されたグリッパをさらに備える。いくつかの実施形態において、バッテリ交換システムは、少なくとも3自由度を有する。いくつかの実施形態において、バッテリ交換システムは、静止位置において地下に位置付けられる。他の実施形態において、バッテリ交換システムは、静止位置において高床式に位置付けられる。
【0021】
[0021]
いくつかの実施形態において、バッテリ交換ステーションは、交換台と、少なくとも一部電気自動車の下面の空洞との位置整合状態を測定するように構成されたインデクシングシステムをさらに備える。
【0022】
[0022]
いくつかの実施形態において、バッテリ交換ステーションのバッテリ交換システムは、少なくとも一部電気自動車のロックを電子的に作動させるように構成されたロック解除メカニズムをさらに備える。いくつかの実施形態において、バッテリ交換システムは、少なくとも一部電気自動車のロックを機械的に作動させるように構成されたロック解除メカニズムを備える。
【0023】
[0023]
いくつかの実施形態は、少なくとも一部電気自動車のバッテリを交換する方法を提供する。この方法は、少なくとも一部電気自動車の下面の空洞から、第一の再充電式バッテリを少なくとも一部自動車の底面により形成される平面に対して略垂直な第一の軸に沿って下降させることにより、第一の再充電式バッテリを取り外すステップと、少なくとも一部電気自動車の下面の空洞の中に、第二のバッテリを第一の軸に平行な第二の軸に沿って上昇させることによって挿入するステップと、を含む。いくつかの実施形態において、第一の軸と第二の軸は同一直線上にある。
【0024】
[0024]
いくつかの実施形態において、その方法は、挿入するステップの前に、第二のバッテリをバッテリ充電収納庫から取り出すステップと、第二のバッテリを一時的にスタンバイ位置に保管するステップと、を含む。
【0025】
[0025]
いくつかの実施形態において、その方法は、自動ロボットメカニズムで第二のバッテリをバッテリ充電収納庫内部のラックモジュールから取り出すステップと、第二のバッテリを自動ロボットメカニズムからバッテリ交換システムへと運ぶステップと、を含む。
【0026】
[0026]
いくつかの実施形態において、その方法は、取り外すステップの後に、第一の再充電式バッテリをバッテリ充電収納庫に移動させるステップを含む。いくつかの実施形態において、その方法は、取り外すステップの前に、第一のバッテリを少なくとも一部電気自動車に取り付けているロックを機械的に外すステップを含む。
【0027】
[0027]
いくつかの実施形態において、機械的に外すステップは、キーを少なくとも一部電気自動車のロックの中に挿入するステップと、キーを交換台の中まで引き戻すステップと、を含む。
【0028】
[0028]
いくつかの実施形態において、交換する方法は5分未満で行われる。
【0029】
[0029]
いくつかの実施形態において、その方法は、取り外すステップの前に、第一のバッテリの少なくとも一部を洗浄するステップを含む。
【0030】
[0030]
いくつかの実施形態において、取り外すステップは第一の場所で行われ、挿入するステップは第二の場所で行われる。
【0031】
[0031]
いくつかの実施形態において、その方法は、取り外すステップの前に、自動車をサービスベイの上の第一の場所に自動的に並進移動させるステップと、挿入するステップの後に、自動車を第一の場所とは異なる第二の場所に自動的に並進移動させるステップと、を含む。
【0032】
[0032]
いくつかの実施形態は、大きさの異なるバッテリを充電するための複数のラックモジュールを有する拡張可能なモジュール式ラックシステムを提供する。いくつかの実施形態において、各ラックモジュールは、少なくとも2つの大きさのバッテリを充電するように構成される。いくつかの実施形態において、複数のラックモジュールは第一のラックモジュールと第二のラックモジュールを含む。第一のラックモジュールは第一の大きさのバッテリを充電するように構成され、第二のラックモジュールは第一のサイズのバッテリとは異なる第二のサイズのバッテリを充電するように構成される。いつくかの実施形態において、各ラックモジュールは、個々のバッテリが所定の位置にあることを感知するバッテリ感知センサと、バッテリの位置付けを可能にする1つまたは複数のバッテリ位置決め構造物と、充電のためにバッテリと取り外し自在に結合するコネクタアクチュエータアームと、を備える。いくつかの実施形態において、モジュール式ラックシステムは全体が地下にある。
【0033】
[0033]
図面の簡単な説明
本発明の上記の態様および他の態様ならびにその実施形態をよりよく理解するために、次に挙げる図面とともに以下の「発明を実施するための形態」を参照するべきである。これらの図面にはバッテリ交換ステーションのさまざまな部分が描かれている。図に直接描かれているもの以外にも、本発明による構想を包含する各種の実施形態を考案できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
[0034]
【図1】いくつかの実施形態による電気自動車ネットワークを示す図である。[0035]
【図2】バッテリ交換ステーションの1つの実施形態の斜視図である。[0036]
【図3】交換ステーションの取替えレーンが高床式に構築されたバッテリ交換ステーションの1つの実施形態の部分切欠き側面図である。[0037]
【図4】交換ステーションの取替えレーンが地表面に構築された交換ステーションの1つの実施形態の部分切欠き側面図である。[0038]
【図5A】バッテリが挿入された状態の電気自動車の斜視図である。[0039]
【図5B】バッテリが途中まで取り外された状態の電気自動車の斜視図である。[0040]
【図6A】いくつかの実施形態によるバッテリ交換ステーションの取替えレーンと収納庫の部分切欠き斜視図である。[0041]
【図6B】図6Aの取替えレーンと収納庫の部分切欠き斜視図である。[0042]
【図7A】閉じた状態のスライディングドアシステムの斜視図である。[0043]
【図7B】開いた状態の図7Aのスライディングドアシステムの斜視図である。[0044]
【図8A】途中まで開いた位置にある取替えステーションのスライディングドアの上に支持されている自動車の部分切欠き正面図である。[0045]
【図8B】完全に開いた位置にある取替えステーションのスライディングドアの上に支持されている自動車の部分切欠き正面図である。[0046]
【図9】いくつかの実施形態による収納庫と取替えレーンステーションの内部構成要素の斜視図である。[0047]
【図10A】厚型バッテリパックを充電し、保管するように構成されたラックモジュールの詳細な斜視図である。[0048]
【図10B】平型バッテリパックを充電し、保管するように構成されたラックモジュールの詳細な斜視図である。[0049]
【図11A】いくつかの実施形態による、一部が地面より高い位置にある拡張可能なモジュール式収納庫の部分切欠き側面図である。[0050]
【図11B】いくつかの実施形態による、全体が地下にある拡張可能なモジュール式収納庫の部分切欠き側面図である。[0051]
【図12】図9の自動ロボットメカニズムの詳細な斜視図である。[0052]
【図13】いくつかの実施形態によるバッテリ交換システムの斜視図である。[0053]
【図14】図13のバッテリ交換システムの詳細な斜視図である。[0054]
【図15】いくつかの実施形態による、バッテリ交換システムと収納庫の斜視図である。[0055]
【図16A】バッテリ交換工程の一部のフローチャートである。[0056]
【図16B】バッテリ交換工程の一部のフローチャートである。
【0035】
[0057]
図面全体を通じて、対応する部分には同様の参照番号が付されている。
【発明を実施するための形態】
【0036】
[0058]
実施形態の説明
ここで、添付の図面に描かれている実施形態の例について詳しく言及する。以下の詳細な説明の中で、本発明が十分に理解できるように、具体的な詳細事項が多数示されている。しかしながら、当業者にとって、本発明がこれらの具体的な詳細事項がなくても実施できることは明白であろう。また別の場合では、公知の方法、手順、構成要素については、実施形態の態様を不必要に曖昧にすることがないように、詳しく説明しなかった。
【0037】
[0059]
本明細書における本発明の説明で用いられる用語は、特定の実施形態を説明することを目的としており、本発明を限定するものではない。本発明の説明と添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形の「a」、「an」、「the」は、文脈上明確に単数である場合以外、複数形も含むものとする。本明細書中の「および/または」は、そこに関連して列挙された項目の1つまたは複数およびすべての考えられる組み合わせを指し、これを包含するものと理解される。
【0038】
[0060]
本発明は、電気自動車用交換ステーションに関する。交換ステーションは、電気自動車から少なくとも部分的に放電したバッテリを取り外し、少なくとも部分的に充電されたバッテリに交換する。いくつかの実施形態において、ステーションは完全自動化され、交換工程は完全自動化されている。運転者は、バッテリ交換工程中に車から降りたいと望んでもよく、この場合、運転者は交換工程が終わるまで、待合エリアで待つことかできる。いくつかの実施形態において、待合エリアにはベンチ、気晴らしのための設備、情報ビデオ、自動販売機、ATM等がある。バッテリは、最小限の時間で交換される。いくつかの実施形態において、交換工程は5分未満で行われる。別の実施形態では、交換が4分未満で行われる。さらに別の実施形態において、交換は1分未満で行われる。最後に、いくつかの実施形態において、交換は40秒で行われる。
【0039】
[0061]
図1は、いくつかの実施形態による、電気自動車ネットワーク100を示す。電気自動車ネットワーク100には、少なくとも一部電気自動車102と、自動車102に着脱式に連結されるように構成されたバッテリ104とが含まれる。いくつかの実施形態において、バッテリ104は、バッテリ(たとえば、リチウムイオンバッテリ、鉛酸バッテリ、ニッケル水素バッテリ等)、コンデンサ、反応セル(たとえば、亜鉛空気電池)等、電気エネルギーを貯蓄することができるデバイスを含む。いくつかの実施形態において、バッテリ104は、複数の個別バッテリセルまたは化学モジュールを含む。いくつかの実施形態において、バッテリ104はまた、冷却メカニズムのほか、自動車102またはバッテリ交換ステーション106の各種の要素に接続するための機械的および電気的コネクタを有する。
【0040】
[0062]
いくつかの実施形態において、自動車102は、自動車の1つまたは複数の車輪を駆動する電気モータ103を備える。これらの実施形態において、電気モータ103はバッテリ104(説明しやすいように、自動車と分離して示されている)からエネルギーを受け取る。自動車102のバッテリ104は、利用者110の家130で、あるいは1つまたは複数の充電ステーション132で充電されてもよい。たとえば、充電ステーション132は、ショッピングセンターのパーキングロットにあってもよい。さらに、いくつかの実施形態において、自動車102のバッテリ104は、1つまたは複数のバッテリ交換ステーション106で、充電済みバッテリと交換することができる。したがって、利用者が自動車のバッテリの1回充電での航続距離を超えて移動する場合、放電した(または部分的に放電した)バッテリを充電済み(または部分的に充電済み)のバッテリに交換できるため、利用者は最初のバッテリが再充電されるのを待たずに、ドライブを続けることが可能である。これらの構成要素と関連する電源およびデータネットワークとの関係は、2008年9月19日出願の「電子自動車ネットワーク(Electronic Vehicle Network)」と題する米国特許出願第12/234,591号に詳しく記載されており、その開示内容は参照により本願に援用される。
【0041】
[0063]
交換ステーション106は、以下に詳細に説明するさまざまな構成要素で構成される。交換ステーション106の設計はモジュール式であることに注意すべきである。したがって、同じサブシステムを異なる構成になるように組み立てて、各ステーションを現地のニーズと制約に合わせることができる。さらに、交換ステーション106の構成要素の多くは、それ自体がモジュール式であるため、サービスに対する需要の増大に伴うサービスステーション106の拡張をサポートできる。たとえば、図11A、11Bに関して後に説明するように、交換ステーション106は、既存の収納庫の上にラックまたはラックモジュールを追加することにより、より多くのバッテリ104を収容するように構成しなおすことができる。同様に、自動ロボットメカニズムならびに制御用ソフトウェアおよびハードウェアも、追加されたバッテリに作業を実施できるように容易に構成しなおすことが可能な設計である。
【0042】
[0064]
図2は、バッテリ交換ステーション106の1つの実施形態の斜視図である。図2に示されるように、バッテリ交換ステーション106は、少なくとも1つの取替えレーン202と、バッテリを保管し、充電する収納庫204を備える。収納庫204は、バッテリと自動装置を風雨、不正使用、犯罪および破壊行為から保護する外被208によって被覆される。取替えレーン202は、交換ステーションの中の、電気自動車102が入口から出口まで移動する領域であり、この領域で電気自動車に対してバッテリの洗浄やバッテリの交換等のいくつかの作業が実施される。バッテリ交換ステーション106を構成する1つのブロックには、消費したバッテリを充電済みバッテリに交換する1つのステーションを備える少なくとも1つの取替えレーン202がある。取替えレーン202は、相互に関して直列にも並列にも配置できる。いくつかの実施形態において、図2に示されるように、収納庫204は交換ステーション106の中央にあり、そのいずれかの側に1つの取替えレーン202がある。いくつかの実施形態において、収納庫204の両側にそれぞれ1つまたは複数の取替えレーン202がある。いくつかの実施形態において、複数の取替えレーン202が連続して直列に設けられる。いくつかの実施形態において、消耗したバッテリを充電済みバッテリと交換する複数の取替えステーションに対して、1つの取替えレーン202における1つの洗浄ステーションで作業が行われる。バッテリ交換ステーション106は、取替えが地下で行われる形式と地上で行われる形式で構築できる。
【0043】
[0065]
電気自動車102は、いくつかの実施形態において、バッテリ交換ステーション106に入ると、取替えレーン202の入口にある入口ゲート(図示せず)に遭遇する。入口ゲートにより、自動車102が並ばずに、あるいは望ましくない状態で取替えレーンに進入することが防止される。入口ゲートはまた、交通量が多いときに、自動車が取替えレーン202に入るまで待つ場所でもある。
【0044】
[0066]
いくつかの実施形態において、利用者110(図1)には、まずバッテリ交換ステーションに入ると、ドライバインタフェース206も見える。ドライバインタフェース206は、利用者110と通信する信号灯、ディスプレイまたは音声デバイスのセットである。図2に示されるドライバインタフェース206の1つの実施形態は、収納庫204の外壁の一部に設けられたアニメーションディスプレイである。ドライバインタフェース206は利用者110に一連の説明を提供し、利用者に対してその自動車102をステーションの自動装置に安全にセットする方法を指示する。ドライバインタフェース206はそのほかに、運転者と同乗者に対して、バッテリ交換ステーションで利用できる他のサービスに関する情報を提供してもよい。ドライバインタフェースの中には、電気自動車102の内部に取り付けられ、自動車102の中にいる運転者や同乗者とやりとりができるものがある。電気自動車102は、適当なタイミングで、ゲートとドライバインタフェース206(自動車の中または外)のいずれかまたは両方から信号を受け取ることにより前進できる。いくつかの実施形態において、運転者が自動車を前進させる。他の実施形態において、自動車は遠隔システムによって制御されながら、自力で自動的に前進する。また別の実施形態においては、自動車は自動車並進移動システム610(図6Bに関して説明)によって移動される。
【0045】
[0067]
図3は、高床式取替えレーン302を有する交換ステーション106の実施形態を示す。図3に示されるように、高床式の取替えでは、自動車102が交換用傾斜台304の上にあることが必要となる。いくつかの実施形態において、利用者110は自動車102を運転して交換用傾斜台の上に乗せる。いくつかの実施形態において、自動車は自動車並進移動システム610(図6Bに関して説明)によって自動的に傾斜台304の上に並進移動される。高床式取替えレーン302の場合、地下式取替えレーン(図4に関して説明)より設置時間が短くて済むが、これは地下掘削のインフラストラクチャがほとんど、またはまったく必要ないからである。この種の高床式取替えレーン302は特に、仮設のバッテリ交換ステーション106が必要な場所において有益である。
【0046】
[0068]
図4は、地上式取替えレーン402を有する交換ステーション106の実施形態を示す。この実施形態では、取替えメカニズムは地下に埋められている。図4に示されるように、地下で取替えが行われることにより、ステーション内の自動車102の移動はすべて地表面上で行われるため、運転者にはより利用しやすいと感じられる。地上式取替えレーン402の場合には、ある程度の地下掘削が必要となる。たとえば、1つまたは複数のサービスベイ618(図6に関して説明)である。図3、4に示される実施形態のどちらにおいても、場所によってスペース面の制約があれば、図2の収納庫204に関する取替えレーンの位置を変更することができる。
【0047】
[0069]
図5A、5Bは、少なくとも一部電気自動車102の斜視図である。図5Aは、自動車102にバッテリ104が取り付けられた状態を示す。図5Bは、自動車102からバッテリ104が取り外された状態を示し、バッテリ104を格納するように構成された自動車の空洞108が見えている。本明細書で説明する実施形態は、少なくとも部分的に放電したバッテリ104を取り外し、少なくとも部分的に充電されたバッテリ104を自動車102の空洞108に挿入することに関する。大きさの異なる自動車にサービスを提供するために、これらの実施形態は、大きさの異なる複数の自動車の違いに対応することができる。これらの実施形態はまた、各自動車と交換ステーションの各種の要素との間の直線方向および回転方向の位置ずれにも対応できる。図5Aには、定義された座標系と自動車の寸法が示されており、これらには後の説明の中で言及される。図5Aに示される座標系では、X軸が自動車の前部から後部への長さに平行であり、Z軸は自動車の上部から下部への高さに平行であり、Y軸は自動車の片側から反対側への幅に平行である。自動車のロールとは、X軸を中心とした回転である。自動車のヨーとは、Z軸を中心とした回転である。自動車のピッチとは、Y軸を中心とした回転である。自動車は車種によって長さ(X軸に沿う)が異なり、したがってホイールベース(図のように、前輪と後輪の間の距離)が異なる。自動車によって幅も異なり、したがってトラック(図のように、自動車の片側の車輪と反対側の車輪の間の距離)も異なる。さらに、自動車によってタイヤのサイズ(直径と幅)も異なる。
【0048】
[0070]
図6A、6Bは、取替えレーン202と収納庫204の一部の要素を示す。いくつかの実施形態において、取替えレーン202には、洗浄ステーション602、取替えステーション604、メンテナンスベイ(図示せず)または待合エリア608等の複数のサブステーションが設けられる。いくつかの実施形態において、自動車102は自動車並進移動システム610によって取替えレーン202に沿って自動的に運ばれる。したがって、それぞれの運転者が自動車102を前進させずに、自動車102を取替えレーン内の1つのサブステーションから別のサブステーションに移動することができる。
【0049】
[0071]
図6Bに示されるように、いくつかの実施形態において、自動車並進移動システム610は複数の個別のコンベヤ606を備え、取替えレーン202に沿って設置されているサブステーションへと自動車102を取替えレーン202に沿って輸送する。図6Bは、直列に設置された複数のコンベヤ606を利用した取替えレーン202の実施形態を示す。いくつかの実施形態において、洗浄ステーション602、取替えステーション604および待合エリア608の中の適正な位置に移動させるための個別のコンベヤ606が設置される。いくつかの実施形態において、自動車並進移動システム610の中でいくつかのコンベヤ606だけが使用される。いくつかの実施形態において、1本の長いコンベヤで自動車を取替えレーン202の入口から出口まで運ぶ。
【0050】
[0072]
図には示されていないが、いくつかの実施形態において、1本の個別のコンベヤシステム606は、バッテリ交換プロセスの故障やその他の自動車の異常が発生した場合に、自動車102をメンテナンスベイエリアに退避させるために使用される。メンテナンスベイでは故障点検作業が行われ、場合に応じて利用者110に代わりの自動車102が提供される。
【0051】
[0073]
いくつかの実施形態において、自動車並進移動システム610は、ステーションの入口で運転者が自動車102から降り、回収に戻っていなければ、バッテリ交換工程が完了した自動車102を待合エリア608に運ぶこともできる。このようにすれば、運転者が運転席に戻っていない場合や運転者が自動車をすぐに回収できない場合にも、その自動車が取替えレーン202の出口を塞いでしまうことはない。
【0052】
[0074]
各コンベヤシステム606は、駆動モータ(図示せず)と、各端で固定ギア614の周囲に巻かれる駆動チェーン612を備える。いくつかの実施形態において、「スキーリフト」スタイルのコンベヤは、自動車の車輪と接触して自動車102を前方に押し進めるTバー等の自動車並進移動要素616を利用する。いくつかの実施形態において、自動車102を前方に移動させるための3つの別々のコンベヤシステムがある。第一のコンベヤシステムの自動車並進移動要素616は、自動車の後輪と接触して自動車102を洗浄ステーション602へと押し進める。第二のコンベヤシステムの自動車並進移動要素616は、自動車102の前輪と接触して、これを取替えステーション604へと押し進める。交換工程が完了すると、第二のコンベヤは自動車の後輪と接触して自動車102を押し進め、その後第三のコンベヤシステムの自動車並進移動要素616が自動車の前輪と接触し、自動車102を待合エリア608へと押し進める。
【0053】
[0075]
いくつかの実施形態において、取替えレーン202には、洗浄ステーション602および/または取替えステーション604が設けられ、その各々がそれぞれのサービスベイ618の中に格納されている。いくつかの実施形態において、スライディングドアシステム(図7A、7Bに関して説明)によってサービスベイ618の開口部620が現れる。いくつかの実施形態において、サービスベイ618には洗浄ステーション602が格納される。いくつかの実施形態において、自動車は洗浄ステーション602で洗浄されてから、取替えステーション604に入るため、放電したバッテリを取り外しやすく、放電したバッテリの汚れやごみの多くが取替えステーション604や収納庫204に入らない。洗浄ステーション602では、自動車102の底面とバッテリ104が洗浄され、バッテリ104の底部分についているかもしれない汚れ、泥、融雪剤その他のごみが除去される。いくつかの実施形態において、洗浄ステーションの構成要素として、ブラシ、スポンジ、ウォータージェット、エアナイフ、送風機、またはドライアイス粒吹付け洗浄機のうちの1つまたはいくつかが備えられる。いくつかの実施形態において、洗浄ステーション602にスライディングドアシステムの代わりに多孔質スクリーンを用い、洗浄液を自動車102とバッテリ104の底部に噴霧し、バッテリ104に空気を吹きかけて乾燥させることができるようにする。いくつかの実施形態において、ドライアイス粒を自動車とバッテリに吹き付け、汚れやごみを除去すれば、乾燥が不要である。
【0054】
[0076]
図7A、7Bはスライディングドアシステム700の、開いた状態と閉じた状態の斜視図である。このスライディングドアシステム700は、ドア704と、ドア704自体に設けられた少なくとも1つのコンベヤシステム706を備える。いくつかの実施形態において、スライディングドアシステム700は取替えステーション604、洗浄ステーション602および/またはメンテナンスベイに使用できる。スライディングドアシステム700は、サービスベイ618に連結され、サービスベイ618の上に開口部620を出現させるように構成される。この実施形態において、スライディングドアシステム700を取替えステーション604に関して説明する。前述のように、いくつかの実施形態において、自動車102は、自動車並進移動システム610のコンベヤ606によって取替えステーション604に並進移動される。特に、図7Aに示されるように、コンベヤ606は、各端において固定ギア614に巻かれたチェーン612に取り付けられた自動車並進移動要素616を備える。自動車102は、コンベヤシステム706または718の付近に位置付けられた車輪停止ユニット702によって停止される。いくつかの実施形態において、車輪停止ユニット702は、自動車の後輪の一方を、コンベヤシステム706の上の所定の位置で停止させるように設計される。
【0055】
[0077]
開口部620は、大きさの異なる自動車102とバッテリ104を収容するように設計される。電気自動車のメーカは、電気自動車102に搭載される電気エネルギー容量をなるべく大きくするために、バッテリの収容に利用できる容積を最大限にするであろう。この事実により、より大型の自動車は、より小型の自動車に搭載できるものより大きなバッテリ104を収容してもよい。取替えステーション604のスライディングドアシステム700は、最大のバッテリ104でも十分容易に取り外せるような大きさでなければならない。また、小型の自動車102が開口部620から落下しないような小ささでなければならない。1つの解決策は、開口部620が自動車102の大きさに応じて変化するようなスライディングドアシステム700を利用することである。
【0056】
[0078]
図7A、7Bは、2つのドアコンベアシステム706を有するスライディングドアシステム700の実施形態を示す。他の実施形態では、ドアコンベヤシステム706が1つである。各ドアコンベヤシステム706は、自動車102の異なる車輪を支持するように構成される。ドア704は、少なくとも1本のレール708にスライド自在に連結される。ドア704が図7Bの矢印710が示すようにスライドして開くと、コンベヤシステム706の上側支持面は図7Bの矢印712によって示される反対方向にスライドする。同様に、ドア704がスライドして閉じると、コンベヤシステム706の上側支持面はまたドア704の方向と反対方向にスライドする(すなわち、閉じる際のドア704とコンベヤ706の移動方向は、開く際の方向を示す矢印710、712の正反対である)。各ドアコンベヤシステム706はドア704と相対的に移動し、各ドアコンベヤシステム706はドア704の移動にかかわらず、自動車102の車輪を実質的に静止した位置で支持する。いくつかの実施形態において、コンベヤシステム706は2本のゴムベルトを備え、これらのゴムベルトはベルトの下でドアに回転自在に連結されたローラに伴って上でスライドする。ゴムベルトは、「歩く歩道」のような基本的なコンベヤデバイスを形成する。いくつかの実施形態において、ベルトはローラを取り囲み、ローラによって支持され、ベルトの下面がローラの下に位置してドア704の内部または下側に格納され、コンベヤベルトの上面がドア704の上面と略同一平面となる。いくつかの実施形態において、ローラの軸は取替えレーン202の方向に平行である。これによって、ドア704は自動車の車輪に関して、取替えレーン202の方向に垂直な方向にスライドできる。ベルトはまた、玉軸受その他適当な回転メカニズムによって支持されてもよい。いくつかの実施形態において、コンベヤ706は玉軸受のローラパッド722である。したがって、ベルトまたはローラパッドが、ドアの表面により形成される平面内でスライドし、および/またはZ軸を中心に旋回できるため、自動車のヨーもまた、スライディングドア704とコンベヤシステム706によって修正できる。
【0057】
[0079]
図7A、7Bに示されるように、各ドアコンベヤシステム706の幅(W)は、ドア704の幅より若干小さく、この幅は、ドアが開いたときに自動車の車輪を支持するものとして必要であり、また幅の異なる、特にトラック、すなわち同じ車軸上の車輪の間の幅の異なる自動車を支持する。さらに、図7A、7Bに示されるように、ドアコンベヤシステム706の長さも違っていてもよい。いくつかの実施形態では、長いコンベヤシステム716(長さL1)と短いコンベヤシステム714(長さL2)が用いられる。このように短いコンベヤシステム714と長いコンベヤシステム716を組み合わせることによって、より長いホイールベースの自動車に、より短いホイールベースの自動車と同じスライディングドアシステム700を使用することができる。第一の車輪(この実施形態では後輪)が車輪停止ユニット702によって停止されるため、この車輪は、自動車がどれだけ大きくても概して同じ位置に停止し、したがって、どのような大きさの自動車も、その1つの車輪が短いコンベヤシステム704によって支持されることになる。しかしながら、それ以外の車輪は、長さ、特に自動車102のホイールベースに応じて、長いコンベヤシステム716の中の異なる部分に位置付けられる。より長い自動車の場合、1つの車輪は長いコンベヤシステム716の中の、狭いコンベヤシステム714から遠い部分に位置付けられ、短い自動車の車輪は、長いコンベヤシステム716の中の、狭いコンベヤシステム714に近い部分に位置付けられる。
【0058】
[0080]
図8A、8Bは、スライディングドアシステム700の開く様子を示した側面図である。自動車102が、その車輪がコンベヤシステム706の上で支持される位置まで移動すると、取替えステーションのドア704は、図8Aの矢印806のように開く。ドア704は、コンベヤシステム706によって支持される車輪がスライディングドアのガイド802に接触するまで開く。図8A、8Bに示されるように、いくつかの実施形態において、ドアは自動車の駆動方向に垂直な方向に開く。したがって、ガイド802は、車輪の側壁と接触する。別の実施形態において、スライディング方向は、自動車の駆動方向に平行であってもよい。しかしながら、ほとんどの場合、スライドの方向は、自動車の縦軸に垂直(図5AのZ軸に垂直)である。
【0059】
[0081]
図7A、7Bに戻ると、いくつかの実施形態において、スライディングドアシステム700は、ドア704自体には含まれない別のコンベヤシステム718を備えていてもよい。別のコンベヤシステム718は、ドア704の付近に位置付けられる。これらの別のコンベヤシステム718は、ドアコンベヤシステム706について前述したものと同じ特性と寸法を有していてもよいが、ドアコンベヤシステム706ほど幅が広くない。別のコンベヤシステム718はそれぞれ、ドアコンベヤシステム706とは異なる車輪を支持するように構成される。別のコンベヤシステム718の各々とドア704の間には別のガイド804があり、これは、スライディングドア704と一緒に移動しないため、静止ガイドと呼ばれる。ドア704を矢印806で示される第一の方向にスライドさせることによってスライディングドアシステム700が開いたとき、ドアコンベヤシステム706の支持面はドア704と反対方向への移動をすぐには開始しない。その代わりに、ドア704はその移動とともに自動車102を引きずり、その間、別のコンベヤシステム718の支持面がドアと同じ方向に、自動車の、スライディングドア704によって支持されている側と反対側の車輪が静止ガイド804に接触するまでスライドする。その後もスライディングドア704は開き続け、その間、ドアコンベヤシステム706の上面はドアの方向と反対の方向に、自動車の反対側の車輪がスライディングドアガイド802に当たって停止するまでスライドする。いくつかの実施形態において、スライディングドアのガイド802と静止ガイド804には、圧力センサが備えられる。これらのセンサによって、制御システムは、車輪がスライディングドアガイド802と接触したら、それ以上は開放動作を行わないようにドア704を停止させる。
【0060】
[0082]
いくつかの実施形態において、上記のようなデュアルコンベヤシステムの設計は、1つまたは複数のドアコンベヤシステム706とドアの中にはない1つまたは複数の別のコンベヤシステム718を有し、これによって自動車メーカはサービスベイ618にさまざまな大きさの開口部620を出現させることができる。開口部620の大きさは、ドア704が図8A、8Bに示されるように自動車102の側面へと(図5AのY軸に平行な軸に沿って)スライドするか、自動車の前方または後方に(図5AのX軸に平行な軸に沿って)スライドするかに応じて自動車のトラックまたはホイールベースに関して決定される。このデュアルコンベヤシステムは、自動車の下のアクセス面積をできるだけ大きくして、自動車の車輪間の距離と同じ広さになるようにすることができ、これは、車輪間の領域が略完全に露出するまでドア704が開くからである。このようにして、自動車102の下面の幅のほとんど全部(車輪の幅を除く)が露出する。したがって、開口部620は、そこを通ってバッテリ104を移動させるのに余裕のある大きさとなる。
【0061】
[0083]
自動車102の側面は、車内の人員を保護するために、側面衝撃エネルギーを吸収する緩衝領域としての役割を果たすため、一般的にはバッテリ104を収容するのに用いられない点に注意するべきである。したがって、バッテリが車輪間の幅より大きいことはないので、車輪より広くドア704を開ける必要はない。また、開口部620の大きさを変化させることはドアコンベヤシステム706だけでも実現できるが、デュアルコンベヤシステムの設計を利用すれば、開口部をそれより若干大きくすることができる点にも注意するべきである。
【0062】
[0084]
いくつかの実施形態において、コンベヤシステム706、718は受動的に構成されており、すなわち、動力を用いずに自由に回転できる。他の実施形態において、コンベヤシステム706、718は1つまたは複数の電気モータに連結されており、電気モータがコンベヤシステム706、718を移動させる。いくつかの実施形態において、各コンベヤシステム706、718は、別々の電気モータによって作動される。各コンベヤシステムを別に作動させることを利用して、自動車のヨーの位置ずれを修正できる。いくつかの実施形態において、取替えステーションのスライディングドア704は、カバーされた領域の下でスライドする。これにより、人は交換工程中にスライディングドアシステム700の障害とならずに自動車102の付近を歩くことができる。カバーされた領域により、作業中にドア704を汚さず、保護された状態に保つこともできる。
【0063】
[0085]
スライディングドアシステム700のドア704が開くと、自動車に対して、バッテリ交換工程の準備が行われる。交換ステーション106に進入する自動車102はそれぞれ、図5に示されるようなヨー、ピッチおよびロールの方向が若干異なる。ヨーの方向のずれは、自動車102がサービスベイ618の上の領域に進入する際に、取替えレーン202の方向と完全に一致していないことから生じる。いくつかの実施形態において、自動車102のヨーは、前述のように、スライディングドア704とコンベヤシステム(706または706と718)を使って自動車の車輪を位置付けることによって修正できる。自動車のロールとピッチは、自動車の重量の偏り、自動車の車輪の圧力、自動車の重量および自動車のサスペンションの設定の違いから生じるかもしれない。いくつかの実施形態において、自動車のロールとピッチには、図7A、7Bに示される2つの上昇式支持手段720で対処する。支持手段720は、一方がスライディングドア704の上、もう一方が静止ガイド804の近くに設置される。2つの上昇式支持手段720は、ガイド802、804の付近に設置されるため、自動車の大きさに関係なく、一般的には車体の側方構造梁の下の後輪と前輪の間に位置付けられるが、これは、スライディングドアガイド802と804によって取替えステーションのドア704が自動車の車輪の内側側面まで略完全に開くからである。上昇式支持手段720は、バッテリ104の重量と同じまたはそれより大きな重量によるサスペンションやタイヤの沈下を補償するのに十分な高さまでわずかに上昇する。上昇式支持手段720は所定の高さまで立ち上がるため、自動車104は若干持ち上がり、ロールとピッチの角度が修正される。このようにして、自動車の座標系が取替えレーンの座標系と平行になる。取替えレーンに関する自動車のヨー、ピッチ、ロールの方向のずれは、これらのメカニズムを使って最小限にされる。水平面(図5のX−Z面)の自動車の位置付けが設定され(自動車の車輪停止ユニット802、804によって行われる)、地表面より上への自動車の上昇位置が所定の高さに設定される(上昇式支持手段720によって行われる)。あるいは、バッテリ104とバッテリ交換システム1300(図13に関して説明)で方向のずれに対応してもよい。これで、自動車102の位置付け、ひいてはその自動車のためのバッテリベイ108とバッテリ104が十分に定まったため、バッテリ交換工程を開始できる。
【0064】
[0086]
前述のような自動車の位置整合工程中またはその前に、バッテリ交換ステーション106の他のサブユニットが、自動車102の中に挿入されるべき、適当なサイズの充電済みバッテリ104を準備する。この工程の一部は収納庫204の中のメカニズム(図9に関して説明)を利用し、この工程の一部はバッテリ交換システム1300(図13に関して説明)を利用する。
【0065】
[0087]
図9は、収納庫204の内部構成要素および、それらと洗浄ステーション602と取替えステーション604との関係を示す斜視図である。収納庫204はモジュール式ラックシステム902を備え、それぞれが異なるバッテリ104を充電するためのラックモジュール904を有する。この拡張可能なモジュール式システムは、大きさの異なるさまざまなバッテリを充電するように構成されている。図9は、平型バッテリ906と厚型バッテリ908を保管し、充電する実施形態を示す。いくつかの実施形態において、バッテリ104を保護するために、ラック902には強制空冷ダクトと耐火性の隔離板も用いられる。
【0066】
[0088]
収納庫204は、自動ロボットメカニズム910も備える。いくつかの実施形態において、自動ロボットメカニズム910は、レール914の上で移動するロボット912を備える。図9の実施形態では、バッテリ保管ラック902が取替えステーション604(および洗浄ステーション608)と自動ロボットメカニズム910の間に設置されている。ロボット912は、収納庫内のラックの長さに沿って、1本または複数のレール914に沿って移動する。いくつかの実施形態において、ロボット912は、収納庫保管ラック902の、自動車102の反対側から適当な大きさのバッテリ104を取り出し、このバッテリ104をラック902の開口部916から移送させるように構成される。
【0067】
[0089]
いくつかの実施形態において、ラックモジュール904のすべてが充電に使用される。したがって、切換盤が、充電のための電力を充電が必要なバッテリ104の収容されているラックモジュール904へと回す。別の実施形態において、充電用のラックモジュール904とバッテリを保管するだけの別のラックモジュール904が設けられる。いくつかの実施形態において、自動ロボットメカニズム910は、必要に応じて充電用ラックモジュール904と保管用ラックモジュールとの間でバッテリ104を入れ替える。
【0068】
[0090]
図10A、10Bは、ラックモジュール904の2つの実施形態を示す斜視図である。平型バッテリ用ラックモジュール1006は平型バッテリ906を保管、充電するように構築され、厚型バッテリ用ラックモジュール1008は厚型バッテリ908を保管、充電するように構成される。収納庫204は、図10A、10Bに示される2つを含む各種の構成のラック902を収容できるように構成される。各ラックモジュール904には、そこに支持される特定のタイプのバッテリに合った機械的および電気的インタフェースが備えられている。
【0069】
[0091]
図10Aは、厚型バッテリ908とこれに対応する厚型バッテリ用ラックモジュール1008の実施形態を示す。厚型バッテリ用ラックモジュール1008は、バッテリ位置決め構造物1010、バッテリ感知センサ1012、フレーム位置決め穴1014、コネクタアクチュエータアーム1016を備える。バッテリ位置決め構造物1010により、厚型バッテリ908を特定の位置に位置付けやすくなる。厚型バッテリ908が所定の位置にあることをバッテリ感知センサ1012が感知すると、コネクタアクチュエータアーム1016が厚型バッテリ908に結合し、充電を開始する。いくつかの実施形態において、コネクタアクチュエータアーム1016は厚型バッテリ908の電気接続インタフェースで厚型バッテリに結合し、この接続インタフェースは使用中に自動車102に厚型バッテリ908を電気的に接続するためにも使用される。
【0070】
[0092]
図10Bは、図10Aに示されているものと同じ要素(バッテリ位置決め構造物1010、バッテリ感知センサ1012、フレーム位置決め穴1014、コネクタアクチュエータアーム1016)が、平型バッテリ906を保管、充電するように構築された平型バッテリ用ラックモジュール1006で使用されている様子を示す。図と同じ要素は、図11A、11Bに示されるものとは異なる寸法のバッテリを扱う場合にも使用される。
【0071】
[0093]
図11A、11Bは、収納庫204が、個々の場所のニーズに応じてさまざまな方法で構成できることを示す部分切欠き側面図である。いくつかの実施形態において、バッテリ104のいくつかがラック902のラックモジュール904に保管される。図11A、11Bは、自動ロボットメカニズム910の両側にラック902があることを示す。いくつかの実施形態では、ラック902は自動ロボットメカニズム910の片側だけにある。いくつかの実施形態において、地下で保管されるバッテリ104と地上で保管されるバッテリがある。いくつかの実施形態において、すべてのリチウムバッテリが地下で保管される。バッテリ104を地下に保管する場合、地殻による断熱効果および安定した温度分布域の恩恵を受けるため、収納庫204の冷暖房費を削減できる。さらに、バッテリ104は自動車による衝突から保護され、外部で火災が発生した場合の安全性もより高い。また、バッテリ104が爆発し、あるいは火災の原因となったとしても、地下にあるために、利用者110や整備士が保護される可能性が高くなる。
【0072】
[0094]
いくつかの実施形態において、収納庫204は、図11に示されるようなモジュール式である。収納庫204は、既存のラック902とラックモジュール904にラック902またはラックモジュール904を追加することによって、より多くのバッテリ104を収容するように構成しなおすことができる。いくつかの実施形態において、新しいラックモジュール904が既存のラックモジュール904の上に追加されるため、収納庫の容量が大きくなると、収納庫の高さまたは長さも大きくなる。このようなモジュール式の設計によって、収納庫の壁の高さまたは長さを大きくするだけで、収納庫204の総容量または体積を簡単に増大させることができる。
【0073】
[0095]
図12は、自動ロボットメカニズム910の斜視図である。ロボットメカニズムは、レール914と、並進移動台1202、本体1204、中央垂直レール1206、1つまたは複数の支持アーム1208を有するロボット912と、を備える。ロボット912は3つの並進移動軸を有し、これらは3自由度に対応する。取替えレーン202が収納庫204の両側にあるバッテリ交換ステーション106の実施形態において、ロボット912は、ロボット本体1204のどちらの側(Y方向)にも延びる並進移動台1202を有する。並進移動台1202は、バッテリ104の下でスライドし、バッテリをある位置から別の位置まで持ち上げる。いくつかの実施形態において、厚型バッテリ908の場合、2つの並進移動台1202のうちの一方のみが用いられる。ロボット912は、収納庫204の内部で取替えレーン202に平行なレール914に沿ってX方向に移動する。並進移動台1202はまた、図のように、中央垂直レールまたはラダー1206によって、Z方向に上下に並進移動することもできる。ロボット912は、収納庫(図示せず)の上の1本または複数のレール914に沿って移動する1つまたは複数の上側支持アーム1208によって支持され、ロボット912のよじれまたは屈曲による位置ずれが防止される。このようなメカニズムが協働することによって、自動ロボットメカニズムは異なる形状のバッテリを上下に移動させ、ラックモジュール904から出し入れするほか、バッテリ交換システム1300(後述)へと運ぶことができる。
【0074】
[0096]
図13は、いくつの実施形態のバッテリ交換システム1300の斜視図である。バッテリ交換システムは、シャトル1302と、交換台1304と、上昇メカニズム1306と、1つまたは複数のスタンバイ位置1308と、シャトルトラック1310と、を備える。バッテリ交換システム1300は、バッテリ104を自動車102の中に挿入し、またバッテリ104を自動車102から取り外す。バッテリ交換システム1300はまた、バッテリ104を収納庫204に、また収納庫204から移動させる。
【0075】
[0097]
いくつかの実施形態において、バッテリ交換システム1300は、並進移動の3自由度を有し、さまざまな種類の自動車102とバッテリ104を扱うことができる。いくつかの実施形態において、バッテリ交換システム1300は1または複数の回転自由度を有し、これによってシステムはバッテリを電気自動車内の正しい位置に位置決めすることができる。シャトル1302は、収納庫204と取替えステーション604の間で、取替えレーン202の方向に対して垂直な方向に移動する。シャトル1302は、バッテリ104を支持するように構成された交換台1304を備える。交換台1304は、図14に関してより詳細に説明する上昇メカニズム1306によって垂直に上昇するように構成され、また、取替えレーンの方向に、前後に(シャトルトラック1310の軸に垂直に)もスライドできる。いくつかの実施形態において、交換台は垂直軸を中心に回転するようにも構成されており、交換台1304(およびそれによって支持されるバッテリ104)と自動車102のバッテリベイ108との間にヨー方向のずれがあった場合に、これを修正できる。
【0076】
[0098]
図14は、バッテリ交換システム1300の部分の詳細な斜視図である。交換台1304は、バッテリ104を保持するように構成されたグリッパ1402を有する。グリッパは、バッテリ104を安全に交換しながら、バッテリ104を安全に把持するのに必要なすべてのハードウェアを備える。大きさの異なるバッテリのために異なるグリッパ1402を設けてもよいし、ユニバーサル(または一部ユニバーサル)のグリッパ1402を設けてもよい。いくつかの実施形態において、ラックは収納庫204の中に、大きさの異なるバッテリ104のためのいくつかのグリッパ1402を格納するように設置される。このような実施形態においては、必要に応じて、自動ロボットメカニズム910によって適当なグリッパ1402が取り出され、交換台1304に取り付けられる。すると、適当な大きさのバッテリが(それが交換台に取り付けられる前後のいずれにも)、グリッパ1402によって取り扱われる。ステーション管理システムが、現在交換台1304に取り付けられているものとは異なるグリッパを必要とする自動車が来たことを把握すると、グリッパ1402が交換される。
【0077】
[0099]
交換台1304とそこに載っているバッテリ104を上昇させて、自動車102の空洞またはベイ108に挿入するためには、さまざまなタイプの上昇メカニズム1306が利用できる。いくつかの実施形態において、交換台1304はシザーリフトによって上昇される。いくつかの実施形態において、交換台1304は油圧リフトによって上昇され、他の実施形態ではまた別の上昇形態が用いられる。
【0078】
[00100]
いくつかの実施形態において、シャトル1302は1つまたは複数のインデクシングシステム1404も利用する。インデクシングシステム1404は、交換台1304と自動車102の下面の空洞108またはバッテリ104の間の位置整合状態を測定し、自動車102とバッテリ104を位置決めし、および/または交換台1304とグリッパ1402を調整して、グリッパ1402が放電したバッテリ104を把持し、これを電気自動車102から取り外せる位置になるように構成する。いくつかの実施形態において、インデクシングシステム1404は、カメラを使って交換台1304の上のバッテリの位置を特定する画像処理システムを備える。インデクシングシステム1404は、バッテリ交換システム1300のバッテリまたはベイとの位置合わせを支援する。いくつかの実施形態において、交換台1304およびグリッパ1402と自動車102内の放電したバッテリ104との最終的な位置合わせは、バッテリ104の底部分のパイロット穴の中に入るようになっている位置決めピンを用いて行われ、これについては2009年4月23日出願の「電気自動車バッテリシステム(Electric Vehicle Battery System)」と題する米国特許出願第12/428,932号に記載されている。
【0079】
[00101]
いくつかの実施形態において、バッテリ交換システム1300は、2009年4月23日出願の「電気自動車バッテリシステム(Electric Vehicle Battery System)」と題する米国特許出願第12/428,932号に記載されているような、ロックを解除するための1つまたは複数のロック解除メカニズム1406も備える。いくつかの実施形態において、ロック解除メカニズム1406は、バッテリを自動車102に取り付けているロックを電子的に作動させ、これを解除するように構成される。いくつかの実施形態において、ロック解除メカニズム1406は、自動車のロックを機械的に作動させ、これを解除するように構成される。いくつかの実施形態において、自動車102は作動させる必要のある2つのロックを有するか、あるいは電子的および機械的両方の作動が必要となる1つのロックを有する。いくつかの実施形態において、ロック解除メカニズム1406はキーである。いくつかの実施形態において、キーはグリッパ1402についている。別の実施形態において、キーは交換台1304またはシャトル1303の一部である。いくつかの実施形態において、キーは、ロックを解除した後、交換台1304の中に引き戻る。
【0080】
[00102]
図15は、バッテリ交換システム1300の構成要素と収納庫204の一部の構成要素の斜視図である。図15の実施形態では、シャトルトラック1310が収納庫204のラック902の開口部916の中に延びており、シャトル1302が開口部916の中に位置付けられ、バッテリ104を自動ロボットメカニズム910から受け取り、あるいはバッテリ104を自動ロボットメカニズム910まで持っていくことができる。いくつかの実施形態において、シャトル1302は、自動ロボットメカニズム910のロボット912がその上を移動するレール914に垂直に延びるトラック1310に沿って移動する。
【0081】
[00103]
図15はまた、シャトルラック1310が1つまたは複数のバッテリスタンバイ位置1308まで延びることを示しており、バッテリスタンバイ位置ではバッテリが交換工程中に一時的に保管される。いくつかの実施形態において、放電したバッテリ104が自動車102から取り外されるまで、フル充電されたバッテリ104がスタンバイ位置1308に一時的に保管される。他の実施形態においては、フル充電されたバッテリ104が自動車の中に挿入されるまで、放電したバッテリ104がスタンバイ位置に一時的に保管される。いくつかの実施形態においては、放電したバッテリの取り外しとフル充電されたバッテリの挿入にはそれぞれ別のバッテリ交換システム1300を用いるため、スタンバイ位置は不要である。いくつかの実施形態において、放電したバッテリ104が取り外され、収納庫202に戻されてから、自動ロボットメカニズム910が新しい充電済みバッテリをバッテリ交換システム1300に運ぶため、スタンバイ位置は必要ない。
【0082】
[00104]
図16A、16Bは、上記のステップの一部または全部を含むバッテリ交換方法を示すフローチャートである。電気自動車は、バッテリ交換ステーションに接近すると、バッテリ交換ステーションと無線通信して、その自動車に必要なバッテリの種類を知らせる(1602)。適当なバッテリが利用可能であれば、バッテリ交換ステーションはその自動車のためのバッテリとレーンを確保する(1603)。自動ロボットメカニズムは、適当なタイプのグリッパが交換台に取り付けられているか否かを判断し、必要に応じて適当なグリッパを取って来て、交換台に取り付ける(1604)。自動ロボットシステムは、適当なタイプの充電済みバッテリを収納庫内のラックモジュールから取って来る(1606)。いくつかの実施形態において、自動ロボットシステムは、自動車の洗浄中に充電済みバッテリを取って来る。いくつかの実施形態において、自動ロボットメカニズムは、自動車が取替えレーンに入るのを待っている間、またはその前に、充電済みバッテリを取り出す。これらのステップのタイミングは、バッテリ交換ステーションの作業負荷に応じて異なっていてもよい。充電済みバッテリは、収納庫の開口部から運ばれ、この開口部からバッテリ交換システムに届けられる(1608)。バッテリは、交換装置用シャトルの交換台の上のグリッパに装填される。次に、いくつかの実施形態において、交換台が取替えステーションのサービスベイに移動して、充電済みバッテリをスタンバイ位置に運ぶ(1610)。スタンバイ位置は、交換工程の時間を節約するために、バッテリ交換作業中にバッテリを支持する台である。いくつかの実施形態において、シャトルはスタンバイ位置に充電済みバッテリを置く。いくつかの実施形態において、スタンバイ位置には、バッテリが必要な次の何台かの自動車のために、同時に複数の充電済みバッテリを並べて置いておく。スライディングドアシステムは、自動車の車輪を支持しながら、スライドして、自動車のバッテリベイまたは空洞の真下のサービスベイの開口部を出現させる(1612)。いくつかの実施形態において、スライディングドアシステムはまた、自動車のピッチ、ヨー、ロールの方向を修正する(1613)。開口部は可変的であり、自動車の寸法に応じて決まる。取替えピットに続くドアが開くと、シャトルの上昇メカニズムは、自動車の底面により形成される平面に略垂直な縦軸に沿って(図5AのZ軸に沿って)交換台を上昇させる(1614)。いくつかの実施形態において、交換台は、位置決めピンおよび/またはカメラあるいはその他のフィードバックメカニズムを使って、放電したバッテリの位置で停止する(1616)。いくつかの実施形態において、交換台は3自由度を有しているため、放電したバッテリの位置に停止することができ、また、自動車の回転、すなわちヨーに合わせて回転することもできる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のロック解除メカニズムが電気自動車にロックされたバッテリを外す(1618)。放電したバッテリのロックが解除されると、電気自動車のバッテリベイのバッテリの外れ止めが外れ、バッテリが交換台の上に解放される。交換台のグリッパが、放電したバッテリを受け取る(1620)。いくつかの実施形態において、交換台に取り付けられたグリッパは、自動車の中の外れ止めメカニズムを作動させて、外れ止めのロックを解除し、バッテリを解放する。放電したバッテリが自動車との外れ止めから外され、グリッパに取り付けられると、上昇メカニズムがこの放電したバッテリを、自動車の底面により形成される平面に略垂直な縦軸に沿って(図5AのZ軸に沿って)自動車から下降させる(1622)。シャトルはレールに沿って移動して、交換台を放電したバッテリと共に収納庫の開口部へと運び、この開口部からバッテリが自動ロボットメカニズムに運ばれる(1624)。次に、バッテリ交換システムは、充電済みバッテリが一時的に保管されているスタンバイエリアに戻り、このバッテリを取り出す(1626)。自動車内の放電したバッテリがあった場所に関する、記録されたデジタルデータに基づき、バッテリ交換システムは充電済みバッテリを自動車の空洞の位置に合わせる(1628)。上昇メカニズムは、自動車の底面により形成される平面に略垂直な縦軸に沿って(図5AのZ軸に沿って)充電済みバッテリを電気自動車の空洞の中へと上昇させる(1630)。バッテリ交換システムは、自動車が充電済みバッテリをロックするまで、充電バッテリを支持する。いくつかの実施形態において、グリッパは、バッテリを自動車に取り付け、外れ止めをかける作動装置を備える。次に、上昇メカニズムが交換台とグリッパを引き戻す(1632)。いくつかの実施形態において、自動車の安全点検が行われる。安全点検が問題なく完了したら、上昇システムが引き戻され、取替えステーションのドアが閉じる(1634)。その後、自動車車輪停止ユニットが解除され、自動車は取替えレーンの出口へと運ばれる。いくつかの実施形態において、交換ステーションは会計の目的のためにバッテリ交換を記録する(1635)。いくつかの実施形態において、車輪停止ユニットが外れたら、運転者が自動車を運転して交換ステーションから出る。いくつかの実施形態において、放電したバッテリを充電済みバッテリに交換するこの方法は5分未満で行われる。いくつかの実施形態において、自動車が取替えレーンに入ってから出るまで5分未満である。
【0083】
[00105]
図3、4に関して述べたように、取替え工程は地下で行ってもよいし、高床式で行ってもよい。地下式の実施形態では、バッテリ交換システムは、その静止位置において地下にある。交換台とグリッパは、自動車から放電したバッテリを受け取り、充電済みバッテリを自動車の空洞に挿入するのに必要な高さだけ地上に出る。いくつかの実施形態において、スタンバイエリアは、充電済みバッテリではなく放電したバッテリのために使用してもよいことに注意するべきである。このような実施形態では、充電済みバッテリが自動車に挿入されている間に、放電したバッテリがスタンバイエリアに移動される。その後、放電したバッテリは収納庫に移動される。同様に、いくつかの実施形態において、スタンバイエリアは充電済みバッテリと放電したバッテリの両方に使用される。この実施形態においては、放電したバッテリがスタンバイユニットまで移動されるため、収納庫までの移動回数が減る。すると、充電済みバッテリがスタンバイユニットから取り出され、充電済みバッテリが自動車に挿入された後で、放電したバッテリが収納庫に移動される。また別の実施形態において、スタンバイユニットは使用されない。放電したバッテリが収納庫に運ばれてから、充電済みバッテリが収納庫から取り出される。いくつかの実施形態において、2つのバッテリ交換システムが2つのスライディングドアシステムと一緒に使用される。この実施形態では、第一のバッテリ交換システムが第一の場所で放電したバッテリを取り外し、次に車は第二の場所まで移動され、ここで第二のバッテリ交換システムが充電済みバッテリを挿入する。この実施形態により、一方の車からは、その前に並んでいる別の車に充電済みバッテリが挿入されている間に、放電したバッテリが取り外せる。
【0084】
[00106]
いくつかの実施形態において、充電済みバッテリを取り出すステップの間に、交換ステーションシステムは他の準備作業を行う。取替えレーンが空いたら、ドライバインタフェースが運転者に取替えレーンに進入してもよいことを伝える(1636)。いくつかの実施形態において、取替えレーン内の自動車並進移動システムが自動車を1つのサブステーションから次のサブステーションに移動させる。いくつかの実施形態において、自動車は洗浄ステーションに停止し、ここで汚れとごみがバッテリの下面から除去される(1638)。いくつかの実施形態において、洗浄ステーションでは自動車の外側全体が洗浄される。次に、並進移動システムが自動車を取替えステーションに移動させる(1640)。取替えステーションは、取替えレーンに沿って設けられた場所であり、ここで自動車が停止して、車輪停止ユニットによって動かないようにされる。自動車が取替えステーションまで運ばれ、その位置が停止ユニットによってセットされると、ステップ(1612)で説明したように、スライディングドアシステムがサービスベイの開口部を出現させる。
【0085】
[00107]
同様に、いくつかの実施形態において、充電済みバッテリがスタンバイユニットから取り出され、自動車に挿入される(ステップ1626−1632)間に、自動ロボットメカニズムは、放電したバッテリを収納庫内の開口部からそれぞれの適正なラックモジュールに移動させる(1642)。次に、ラックモジュールのアクチュエータアームが放電したバッテリと結合し、その再充電を開始する(1644)。
【0086】
[00108]
いくつかの実施形態において、バッテリ交換ステーションは、ステーションに入ってくる交通量が多いラッシュアワーにステーションをなるべく効率化するために、最小限のバッテリを収容するように構築される。この工程にとっての問題は、バッテリ交換の所要時間である。したがって、充電システムは、交換サイクルが完了したらすぐに新しい充電済みバッテリを供給できるように設計される。ラッシュアワーにステーションに入って来た放電したバッテリについては、すぐに高速充電を開始する。フル充電が終了したバッテリは即座に自動車に搭載できる状態である。充電システムは、1回の交換サイクルで充電済みバッテリを供給するのに必要な数のバッテリを同時に充電する。たとえば、バッテリの充電に40分かかり、1回の交換サイクルが4分間であるとすると、ステーションは、同時に10個のバッテリを充電するように設計される。したがって、4分ごとに、新しい充電済みバッテリが自動車に挿入できる状態となる。このようにして、利用者の要求を満たしながら、最小限のバッテリが保管される。ステーションに入って来る交通量が減少したら、ステーション管理システムは充電速度を落とすか、あるいは電気料が安くなる時間まで充電を遅らせてもよい。電気自動車システムの1つの利点は、バッテリが最大速度で充電される「ラッシュアワー」を除けば、バッテリの充電を他の電力消費量の「低い」時間帯に行うことができ、その結果、電力会社がより有効に送電網を管理することが可能となる点である。さらに、いくつかの実施形態において、不要なフル充電済みバッテリから電気を送電網に戻し、ピーク需要を緩和することができる。
【0087】
[00109]
以上、いくつかのバッテリ交換方法を説明した。シャトルモジュールは、保管および充電領域から自動車交換領域までのバッテリの移動を管理する。上述したとおりのメカニズムは必要ではないことに注意するべきである。たとえば、バッテリ交換は一部のみ自動化され、人間または人間が制御する機械で上記の作業を実行する。
【0088】
[00110]
ハードウェアとソフトウェアによる制御手段
[00111]
交換ステーションでは、いくつかのハードウェアおよびソフトウェアによる制御手段を利用する。リアルタイム中央制御装置が複数のPLC(プログラマブルロジックコントローラ)を監視する。各PLCは自動装置に関連付けられ、その装置の動作を制御する。PLCはその制御下にある自動装置の位置、速度、加速、状態を監視する。リアルタイム中央制御装置は、ステーション内で行われる各工程に関する決定を下し、命令を与えるステーション管理システムに従属する。
【0089】
[00112]
ステーション管理システムは、バッテリ交換ステーションで行われるほとんどすべての事柄と作業を制御するソフトウェアとハードウェアによるシステムである。管理システムは、整備および管理センターならびに、バッテリ交換ステーションの近辺にいる電気自動車と通信する。管理システムは、ステーションの運営に関する基本的な決定を下すことができる。いくつかの実施形態において、ステーション管理システムは、異常な作業状態となった場合、何らかの遠隔支援を求めてもよい。バッテリ交換ステーションのサブシステムのほとんどすべてがステーション管理システムに従属し、管理システムに状況報告を送信する。
【0090】
[00113]
電力管理システムは、送電網からステーションサブシステムへの電流の供給を監視し、その供給が行われるようにする。電力管理制御装置は、ステーションの電気系統の動作を監視する。
【0091】
[00114]
HVAC(暖房換気空調システム)は、交換ステーション内の内部環境を略連続的に監視する。温度、湿度、圧力は常に監視され、これらのパラメータがその許容値を超えないように制御される。充電工程中、バッテリと充電システムから大量の熱が放出される。HVACシステムは、正方向の気流を用いてバッテリ充電領域から熱を排出することによって保管室の温度を制御する。あるバッテリパックの設計では、充電工程中にバッテリの温度を安全な範囲に保つために、バッテリパックの中にある冷却ダクト内に冷気を吹き込む。換気システムは1時間に数回、内部大気の入れ替えを行い、ステーションの構造物や地下に有毒ガスや可燃性ガスが蓄積されないようにする。換気システムは、ステーションの外からフィルタを通した空気を吸い込み、ステーションの内部空洞と外部環境との間に正の圧力差を生じさせる。このようにすることによって、異なる汚染物質や燃料蒸気(付近のガソリンステーションから入ってくるかもしれない)はステーション構造内にほとんど入らず、地下式取替えピットおよび収納庫内のバッテリ充電器への侵入が遮断される。
【0092】
[00115]
ステーションはまた有毒ガス検出システムを備え、バッテリが不正使用され、バッテリセルの温度暴走が発生した場合に、水素その他の炭化水素または可燃性および有毒ガスの放出を検出する。可燃性ガスが検出された場合、ガス分析センサがすべての電力システムをシャットダウンし、アラームを発生する。HVACシステムは、ステーションの内部空洞を換気して、可燃性ガスの濃度を下げる。火災が発生した場合、ステーションの換気が停止し、消火システムが消火する。
【0093】
[00116]
火災検知消火システムは、火災が検知されると起動される、環境にやさしいガスを使用する冗長的消火システムである。火災検知消火システムは、ステーション管理システムに従属する。
【0094】
[00117]
ステーションの構造は、バッテリ充電領域の温度と湿度を管理するための空調制御装置を備える。安全のために、バッテリ保管領域は耐火性を有するものとする。バッテリ交換ステーション内で火災が発生した場合のために、ステーションは火災検知消火ユニットを備える。いくつかの実施形態において、消火には環境にやさしいガスを用いる。予備のための粉末消火システムも用意し、ガス消火システムに追加して使用してもよい。いくつかの実施形態において、バッテリ保管領域は、自動車による衝突に耐えられるものとする。交換ステーションは風雨に曝される自立構造物であるため、空調制御装置が有益である。いくつかの実施形態において、バッテリ交換ステーション内の雰囲気を制御するHVACシステムが設置される。いくつかの実施形態において、HVACシステムはバッテリ保管および充電領域の中の空調状態だけを制御する。いくつかの実施形態において、屋根の上にHVCAシステムのコンデンシングユニットを設置する。いくつかの実施形態において、HVACシステムはバッテリパック内にある冷却ダクトに冷気を送り込む。いくつかの実施形態において、HVACシステムのための暖房要素には温水コイルが含まれる。給気にはファンも使用され、新鮮の空気を取り入れ、また周囲の条件に応じて適当に加熱または冷却された空気をユニットに供給することができる。いくつかの実施形態において、バッテリ保管領域は通常の動作中、環境から密閉される。バッテリ保管領域からは、バッテリが地下のロボットの上に降ろされるため、外的環境から比較的保護される。いくつかの実施形態において、バッテリ保管領域には、絶縁材料の層が設けられる。いくつかの実施形態において、バッテリ保管領域は、バッテリ保管領域を手で開けるためのパネルその他のメカニズムを有する。これは、バッテリを最初にシステムの中に装填し、異常が発生したバッテリを取り外す際に有益である。また、ASRSシステムの中の故障しているかもしれない部分のメンテナンスを行うためにも有益である。いくつかの実施形態において、ステーションは自動車、取替えシステム、バッテリ保管場所を風雨から保護するのに役立つ屋根を有し、この尾根によって夏は日差しから涼しく保たれ、冬は雨や雪から保護される。
【0095】
[00118]
バッテリ充電システムは、バッテリ充電工程を管理、監視するシステムである。充電システムは、バッテリ充電器に接続される中央充電制御装置を備える。いくつかの実施形態において、高速充電器は、バッテリをその最大許容充電速度で充電できる。いくつかの実施形態において、より低速の充電器が使用される。中央充電システム制御装置は充電工程を監視し、ステーション管理システムに対し、毎回の充電作業の充電状態を知らせる。
【0096】
[00119]
以上は、説明のために、具体的な実施形態に関して記載された。しかしながら、例としての上記の説明はすべてではなく、本発明を開示された詳細な形態に限定するものではない。上記の教示から、多くの変更版や改変版を実現できる。実施形態は、本発明の原理とその現実的な応用を最もよく説明し、それによって当業者が本発明と、所期の具体的用途に適したさまざまな変更を加えた各種の実施形態を最もよく利用できるようにするために選択、説明された。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の方向にスライドするように構成されたドアと、
自動車の少なくとも1つの車輪を支持しながら、前記第一の方向と反対の第二の方向にスライドするように構成された、前記ドア自体に設けられたコンベヤシステムと、
を備える、自動車の下側にアクセスできるようにするためのスライディングドアシステム。
【請求項2】
前記ドアが、少なくとも1本のレールにスライド自在に連結される請求項1に記載のスライディングドアシステム。
【請求項3】
前記スライディングドアシステムがサービスベイに連結されるように構成され、前記ドアがスライドすると、前記サービスベイの上に開口部が出現する請求項1に記載のスライディングドアシステム。
【請求項4】
出現する前記開口部の大きさが可変的であり、前記自動車のホイールベースまたはトラックのうちの1つまたは複数に関して大きさが調整される請求項3に記載のスライディングドアシステム。
【請求項5】
出現する前記開口部が、そこから前記自動車のためのバッテリを受けることができる大きさである請求項3に記載のスライディングドアシステム。
【請求項6】
前記コンベヤシステムが、それぞれ別の車輪を支持するように構成された1本または複数のコンベヤベルトである請求項1に記載のスライディングドアシステム。
【請求項7】
前記1本または複数のコンベヤベルトが第一のコンベヤベルトと第二のコンベヤベルトとを含み、大きさの異なる自動車を支持するために前記第一のコンベヤベルトが前記第二のコンベヤベルトより大きい請求項6に記載のスライディングドアシステム。
【請求項8】
前記1本または複数のコンベヤベルトがそれぞれ上側支持面を有し、前記上側支持面が前記ドアと同一平面である請求項6に記載のスライディングドアシステム。
【請求項9】
前記1本または複数のコンベヤベルトが、動力がなくても自由に回転できる請求項6に記載のスライディングドアシステム。
【請求項10】
1つまたは複数の電気モータであって、それぞれ別のコンベヤベルトを回転させる電気モータをさらに備える請求項6に記載のスライディングドアシステム。
【請求項11】
前記1本または複数のコンベヤベルトが、前記自動車のヨーを変更するように構成されている請求項10に記載のスライディングドアシステム。
【請求項12】
前記コンベヤシステムが、それぞれ別の車輪を支持する1つまたは複数のローラパッドである請求項1に記載のスライディングドアシステム。
【請求項13】
ドアと、
前記ドアの中に設けられたコンベヤシステムと、
を備えるスライディングドアシステムを設置するステップと、
自動車の少なくとも1つの車輪が前記コンベヤシステムの上に静止するように、前記スライディングドアシステムの上で前記自動車を受けるステップと、
前記ドアを第一の方向にスライドさせ、その一方で前記コンベヤシステムが前記少なくとも1つの車輪を支持しながら前記第一の方向と反対の第二の方向にスライドできるようにするステップと、
を含み、
前記ドアをスライドさせる前記ステップと前記コンベヤシステムをスライドさせる前記ステップが少なくとも部分的に同時に行われる自動車を整備する方法。
【請求項14】
前記第一の方向が前記自動車の縦軸に垂直であり、前記自動車の下面に平行である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ドアに前記コンベヤシステムに隣接させて位置付けられる第一のガイドを設置するステップと、
前記少なくとも1つの車輪が前記第一のガイドと接触したら、前記スライドさせるステップを停止するステップと、
をさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ドアに隣接させて位置付けられる第二のガイドを設置するステップと、
前記ドアから離して、前記第二のガイドに隣接させて位置付けられる、第二の車輪を支持するための第二のコンベヤシステムを設置するステップと、
前記第二のコンベヤシステムが前記第一の方向にスライドし、前記第二の車輪が前記第二のガイドに接触するまで前記自動車を前記第一の方向に並進移動させるステップと、
をさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記自動車の各車輪のためのコンベヤシステムとこれに対応するガイドを設置するステップと、
各コンベヤシステムを、それぞれの車輪が対応するガイドに当たるまで回転させることによって、前記自動車のヨーを変更するステップと、
をさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
1つまたは複数の上昇式支持手段を設置するステップと、
前記1つまたは複数の上昇式支持手段の上の前記自動車を上昇させて、前記自動車のロールとピッチを変更するステップと、
をさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項19】
第一の再充電式バッテリを、少なくとも一部電気自動車の下面の空洞から、前記少なくとも一部自動車の底面により形成される平面に略垂直な第一の軸に沿って下降させ、
第二の再充電式バッテリを、前記少なくとも一部自動車の前記下面の前記空洞の中に、前記第一の軸に平行な第二の軸に沿って上昇させる
ように構成されたバッテリ交換システム
を備えるバッテリ交換ステーション。
【請求項20】
大きさの異なる複数の再充電式バッテリを充電するように構成された収納庫をさらに備える請求項19に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項21】
前記バッテリ交換システムが、
少なくとも1本のレールにスライド自在に連結されるシャトルと、
交換台と、
前記シャトルと前記交換台との間に連結される油圧またはシザーリフトメカニズムと、
をさらに備える請求項19に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項22】
前記バッテリ交換システムが、
前記交換台に連結され、前記第一と第二の再充電式バッテリを前記バッテリ交換システムに一時的に固定するように構成されたグリッパ
をさらに備える請求項21に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項23】
前記バッテリ交換システムが少なくとも3自由度を有する請求項19に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項24】
前記バッテリ交換システムが、静止位置において地下に位置付けられる請求項19に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項25】
前記バッテリ交換システムが、静止位置において高床式に位置付けられる請求項19に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項26】
前記交換台と、前記少なくとも一部電気自動車の前記下面の前記空洞との位置整合状態を測定するように構成されたインデクシングシステム
をさらに備える請求項21に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項27】
前記バッテリ交換システムが、
前記少なくとも一部電気自動車のロックを電子的に作動させるように構成されたロック解除メカニズム
をさらに備える請求項19に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項28】
前記バッテリ交換システムが、
前記少なくとも一部電気自動車のロックを機械的に作動させるように構成されたロック解除メカニズム
をさらに備える請求項19に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項29】
少なくとも一部電気自動車のバッテリを交換する方法であって、
第一の再充電式バッテリを、前記第一の再充電式バッテリを前記少なくとも一部自動車の底面により形成される平面に略垂直な第一の軸に沿って下降させることにより、少なくとも一部電気自動車の下面の空洞から取り外すステップと、
第二のバッテリを前記第一の軸に平行な第二の軸に沿って上昇させることによって、前記少なくとも一部電気自動車の前記下面の前記空洞の中に前記第二のバッテリを挿入するステップを含む方法。
【請求項30】
前記第一の軸と前記第二の軸が同一直線上にある請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記挿入するステップの前に、前記第二のバッテリをバッテリ充電収納庫から取り出すステップと、
前記第二のバッテリをスタンバイ位置に一時的に保管するステップと、
をさらに含む請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記取り出すステップが、
自動ロボットメカニズムで、前記バッテリ充電収納庫の中のラックモジュールから前記第二のバッテリを取り出すステップと、
前記第二のバッテリを前記自動ロボットメカニズムから前記バッテリ交換システムに運ぶステップと、
を含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記取り外すステップの後に、前記第一の再充電式バッテリをバッテリ充電収納庫に移動させるステップ
をさらに含む請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記取り出すステップの前に、前記第一のバッテリを前記少なくとも一部電気自動車に取り付けているロックを機械的に解除するステップ
をさらに含む請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記機械的にロックを解除するステップが、
前記少なくとも一部電気自動車のロックにキーを挿入するステップと、
前記キーを前記交換台の中まで引き戻すステップと、
を含む請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記交換する方法が5分未満で行われる請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記取り外すステップの前に、前記第一のバッテリの少なくとも一部を洗浄するステップ
をさらに含む請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記取り外すステップが第一の位置で行われ、前記挿入するステップが第二の位置で行われる請求項29に記載の方法。
【請求項39】
前記取り外すステップの前に、前記自動車をサービスベイの上の第一の位置に自動的に並進移動させるステップと、
前記挿入するステップの後に、前記自動車を前記第一の位置とは異なる第二の位置に自動的に並進移動させるステップと、
をさらに含む請求項29に記載の方法。
【請求項40】
大きさの異なるバッテリを充電するための複数のラックモジュールを備える、拡張可能なモジュール式ラックシステム。
【請求項41】
それぞれのラックモジュールが、大きさの異なる少なくとも2つのバッテリを充電するように構成される請求項40に記載の拡張可能なモジュール式システム。
【請求項42】
前記複数のラックモジュールが第一のラックモジュールと第二のラックモジュールを含み、前記第一のラックモジュールが第一の大きさのバッテリを充電するように構成され、前記第二のラックモジュールが、前記第一の大きさの前記バッテリとは異なる第二の大きさのバッテリを充電するように構成される請求項40に記載の拡張可能なモジュール式システム。
【請求項43】
それぞれのラックモジュールが、
個々のバッテリが所定の位置にあることを感知するバッテリ感知センサと、
前記バッテリを位置付けることができるようにする1つまたは複数のバッテリ位置決め構造物と、
充電のために前記バッテリと取り外し可能に結合するコネクタアクチュエータアームと、
を備える請求項40に記載の拡張可能なモジュール式システム。
【請求項44】
前記モジュール式ラックシステムが完全に地下にある請求項40に記載の拡張可能なモジュール式システム。
【請求項1】
第一の方向にスライドするように構成されたドアと、
自動車の少なくとも1つの車輪を支持しながら、前記第一の方向と反対の第二の方向にスライドするように構成された、前記ドア自体に設けられたコンベヤシステムと、
を備える、自動車の下側にアクセスできるようにするためのスライディングドアシステム。
【請求項2】
前記ドアが、少なくとも1本のレールにスライド自在に連結される請求項1に記載のスライディングドアシステム。
【請求項3】
前記スライディングドアシステムがサービスベイに連結されるように構成され、前記ドアがスライドすると、前記サービスベイの上に開口部が出現する請求項1に記載のスライディングドアシステム。
【請求項4】
出現する前記開口部の大きさが可変的であり、前記自動車のホイールベースまたはトラックのうちの1つまたは複数に関して大きさが調整される請求項3に記載のスライディングドアシステム。
【請求項5】
出現する前記開口部が、そこから前記自動車のためのバッテリを受けることができる大きさである請求項3に記載のスライディングドアシステム。
【請求項6】
前記コンベヤシステムが、それぞれ別の車輪を支持するように構成された1本または複数のコンベヤベルトである請求項1に記載のスライディングドアシステム。
【請求項7】
前記1本または複数のコンベヤベルトが第一のコンベヤベルトと第二のコンベヤベルトとを含み、大きさの異なる自動車を支持するために前記第一のコンベヤベルトが前記第二のコンベヤベルトより大きい請求項6に記載のスライディングドアシステム。
【請求項8】
前記1本または複数のコンベヤベルトがそれぞれ上側支持面を有し、前記上側支持面が前記ドアと同一平面である請求項6に記載のスライディングドアシステム。
【請求項9】
前記1本または複数のコンベヤベルトが、動力がなくても自由に回転できる請求項6に記載のスライディングドアシステム。
【請求項10】
1つまたは複数の電気モータであって、それぞれ別のコンベヤベルトを回転させる電気モータをさらに備える請求項6に記載のスライディングドアシステム。
【請求項11】
前記1本または複数のコンベヤベルトが、前記自動車のヨーを変更するように構成されている請求項10に記載のスライディングドアシステム。
【請求項12】
前記コンベヤシステムが、それぞれ別の車輪を支持する1つまたは複数のローラパッドである請求項1に記載のスライディングドアシステム。
【請求項13】
ドアと、
前記ドアの中に設けられたコンベヤシステムと、
を備えるスライディングドアシステムを設置するステップと、
自動車の少なくとも1つの車輪が前記コンベヤシステムの上に静止するように、前記スライディングドアシステムの上で前記自動車を受けるステップと、
前記ドアを第一の方向にスライドさせ、その一方で前記コンベヤシステムが前記少なくとも1つの車輪を支持しながら前記第一の方向と反対の第二の方向にスライドできるようにするステップと、
を含み、
前記ドアをスライドさせる前記ステップと前記コンベヤシステムをスライドさせる前記ステップが少なくとも部分的に同時に行われる自動車を整備する方法。
【請求項14】
前記第一の方向が前記自動車の縦軸に垂直であり、前記自動車の下面に平行である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ドアに前記コンベヤシステムに隣接させて位置付けられる第一のガイドを設置するステップと、
前記少なくとも1つの車輪が前記第一のガイドと接触したら、前記スライドさせるステップを停止するステップと、
をさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ドアに隣接させて位置付けられる第二のガイドを設置するステップと、
前記ドアから離して、前記第二のガイドに隣接させて位置付けられる、第二の車輪を支持するための第二のコンベヤシステムを設置するステップと、
前記第二のコンベヤシステムが前記第一の方向にスライドし、前記第二の車輪が前記第二のガイドに接触するまで前記自動車を前記第一の方向に並進移動させるステップと、
をさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記自動車の各車輪のためのコンベヤシステムとこれに対応するガイドを設置するステップと、
各コンベヤシステムを、それぞれの車輪が対応するガイドに当たるまで回転させることによって、前記自動車のヨーを変更するステップと、
をさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
1つまたは複数の上昇式支持手段を設置するステップと、
前記1つまたは複数の上昇式支持手段の上の前記自動車を上昇させて、前記自動車のロールとピッチを変更するステップと、
をさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項19】
第一の再充電式バッテリを、少なくとも一部電気自動車の下面の空洞から、前記少なくとも一部自動車の底面により形成される平面に略垂直な第一の軸に沿って下降させ、
第二の再充電式バッテリを、前記少なくとも一部自動車の前記下面の前記空洞の中に、前記第一の軸に平行な第二の軸に沿って上昇させる
ように構成されたバッテリ交換システム
を備えるバッテリ交換ステーション。
【請求項20】
大きさの異なる複数の再充電式バッテリを充電するように構成された収納庫をさらに備える請求項19に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項21】
前記バッテリ交換システムが、
少なくとも1本のレールにスライド自在に連結されるシャトルと、
交換台と、
前記シャトルと前記交換台との間に連結される油圧またはシザーリフトメカニズムと、
をさらに備える請求項19に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項22】
前記バッテリ交換システムが、
前記交換台に連結され、前記第一と第二の再充電式バッテリを前記バッテリ交換システムに一時的に固定するように構成されたグリッパ
をさらに備える請求項21に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項23】
前記バッテリ交換システムが少なくとも3自由度を有する請求項19に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項24】
前記バッテリ交換システムが、静止位置において地下に位置付けられる請求項19に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項25】
前記バッテリ交換システムが、静止位置において高床式に位置付けられる請求項19に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項26】
前記交換台と、前記少なくとも一部電気自動車の前記下面の前記空洞との位置整合状態を測定するように構成されたインデクシングシステム
をさらに備える請求項21に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項27】
前記バッテリ交換システムが、
前記少なくとも一部電気自動車のロックを電子的に作動させるように構成されたロック解除メカニズム
をさらに備える請求項19に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項28】
前記バッテリ交換システムが、
前記少なくとも一部電気自動車のロックを機械的に作動させるように構成されたロック解除メカニズム
をさらに備える請求項19に記載のバッテリ交換ステーション。
【請求項29】
少なくとも一部電気自動車のバッテリを交換する方法であって、
第一の再充電式バッテリを、前記第一の再充電式バッテリを前記少なくとも一部自動車の底面により形成される平面に略垂直な第一の軸に沿って下降させることにより、少なくとも一部電気自動車の下面の空洞から取り外すステップと、
第二のバッテリを前記第一の軸に平行な第二の軸に沿って上昇させることによって、前記少なくとも一部電気自動車の前記下面の前記空洞の中に前記第二のバッテリを挿入するステップを含む方法。
【請求項30】
前記第一の軸と前記第二の軸が同一直線上にある請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記挿入するステップの前に、前記第二のバッテリをバッテリ充電収納庫から取り出すステップと、
前記第二のバッテリをスタンバイ位置に一時的に保管するステップと、
をさらに含む請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記取り出すステップが、
自動ロボットメカニズムで、前記バッテリ充電収納庫の中のラックモジュールから前記第二のバッテリを取り出すステップと、
前記第二のバッテリを前記自動ロボットメカニズムから前記バッテリ交換システムに運ぶステップと、
を含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記取り外すステップの後に、前記第一の再充電式バッテリをバッテリ充電収納庫に移動させるステップ
をさらに含む請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記取り出すステップの前に、前記第一のバッテリを前記少なくとも一部電気自動車に取り付けているロックを機械的に解除するステップ
をさらに含む請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記機械的にロックを解除するステップが、
前記少なくとも一部電気自動車のロックにキーを挿入するステップと、
前記キーを前記交換台の中まで引き戻すステップと、
を含む請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記交換する方法が5分未満で行われる請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記取り外すステップの前に、前記第一のバッテリの少なくとも一部を洗浄するステップ
をさらに含む請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記取り外すステップが第一の位置で行われ、前記挿入するステップが第二の位置で行われる請求項29に記載の方法。
【請求項39】
前記取り外すステップの前に、前記自動車をサービスベイの上の第一の位置に自動的に並進移動させるステップと、
前記挿入するステップの後に、前記自動車を前記第一の位置とは異なる第二の位置に自動的に並進移動させるステップと、
をさらに含む請求項29に記載の方法。
【請求項40】
大きさの異なるバッテリを充電するための複数のラックモジュールを備える、拡張可能なモジュール式ラックシステム。
【請求項41】
それぞれのラックモジュールが、大きさの異なる少なくとも2つのバッテリを充電するように構成される請求項40に記載の拡張可能なモジュール式システム。
【請求項42】
前記複数のラックモジュールが第一のラックモジュールと第二のラックモジュールを含み、前記第一のラックモジュールが第一の大きさのバッテリを充電するように構成され、前記第二のラックモジュールが、前記第一の大きさの前記バッテリとは異なる第二の大きさのバッテリを充電するように構成される請求項40に記載の拡張可能なモジュール式システム。
【請求項43】
それぞれのラックモジュールが、
個々のバッテリが所定の位置にあることを感知するバッテリ感知センサと、
前記バッテリを位置付けることができるようにする1つまたは複数のバッテリ位置決め構造物と、
充電のために前記バッテリと取り外し可能に結合するコネクタアクチュエータアームと、
を備える請求項40に記載の拡張可能なモジュール式システム。
【請求項44】
前記モジュール式ラックシステムが完全に地下にある請求項40に記載の拡張可能なモジュール式システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【公開番号】特開2012−6591(P2012−6591A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−168486(P2011−168486)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【分割の表示】特願2011−504247(P2011−504247)の分割
【原出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(509058335)ベター プレイス ,ゲーエムベーハー (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168486(P2011−168486)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【分割の表示】特願2011−504247(P2011−504247)の分割
【原出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(509058335)ベター プレイス ,ゲーエムベーハー (7)
【Fターム(参考)】
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