説明

バルブ

【課題】 耐摩擦性、耐薬品性、耐熱性と耐クリープ性を兼備すると共に、耐クリープ性を発現する温度範囲を広げ、もって耐クリープ性を損なうことなくシール性能を著しく向上させたバルブを提供すること。
【解決手段】 バルブ構造体の運動部分をシールするパッキン8或いは固定部分をシールするガスケット13等のバルブシール材を装着して当該部分を密封シールするバルブにおいて、バルブシール材は、ポリテトラフルオロエチレンと、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体とからなり、かつテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を重量比率で3〜15%含有する樹脂混合物に、それぞれ重量比率で5〜30%のカーボン繊維及び5〜30%のカーボンブラックを混入して成形したバルブ装着用の成形品であるバルブである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水・油・ガス等の生活関連分野、或いは化学工業・石油化学工業・薬品工業・飲料食品工業等のあらゆる製造工業分野において、流体を制御するために用いられる特殊バルブシール材を装着したバルブに関し、特に、耐クリープ性を有し、優れたシール性能を発揮するボールシートを装着したボールバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のバルブシール材料には、耐摩擦性、耐薬品性或いは耐温度性等に優れるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が広く一般に使用されている。しかし、このPTFEは、応力によりクリープしやすく、耐クリープ性に劣る欠点を有している。特に、PTFE製のボールシートを用いたいわゆるフローティングタイプのボールバルブは、上流側に圧力が加えられると、弁体であるボールが下流側のボールシートを圧縮して変形し、クリープを発生して永久変形を起こし、ボールバルブとしての機能を著しく低下させる。その他、耐クリープ性を高めるために、フィラーを多く配合することも行われているが、却ってシール性能が低下するという問題を有している。
そこで、このような問題を解決するため各種の発明が提案されている。まず、PTFEにテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を混合したボールシートを成形し、このボールシートを装着したボールバルブが提案されている(特許文献1参照)。このボールシートは、PTFEが有する特性とPFAが有する耐クリープ性とを兼備したものである。次いで、PTFEにPFAを混合したものに、さらに、カーボン繊維を特定量配合して耐摩耗性を向上させたボールシートを成形し、このボールシートを装着したボールバルブが提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特公平4−59502号公報
【特許文献2】特許第2579756号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1及び2は、PTFEの特性のみならず、耐クリープ性ならびに耐摩耗性を有するボールシートではあるが、バルブの適用流体・圧力・温度・バルブ口径等の条件に対応したバルブの高性能化への要望が強く、それに伴って、バルブシール材の密封性能をより向上させたバルブの開発が切望されている。
【0004】
本発明は、上述の要求に対応するため、鋭意研究の結果、開発に至ったものであり、その目的とするところは、耐摩擦性、耐薬品性、耐熱性と耐クリープ性を兼備すると共に、耐クリープ性を発現する温度範囲を広げ、もって耐クリープ性を損なうことなくシール性能を著しく向上させたバルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、バルブ構造体の運動部分をシールするパッキン或いは固定部分をシールするガスケット等のバルブシール材を装着して当該部分を密封シールするバルブにおいて、バルブシール材は、ポリテトラフルオロエチレンと、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体とからなり、かつテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を重量比率で3〜15%含有する樹脂混合物に、それぞれ重量比率で5〜30%のカーボン繊維及び5〜30%のカーボンブラックを混入して成形したバルブ装着用の成形品であるバルブである。
【0006】
請求項2に係る発明は、ポリテトラフルオロエチレンは、パーフルオロアルコキシを重合させて変性した変性ポリテトラフルオロエチレンであるバルブである。
【0007】
請求項3に係る発明は、カーボン繊維は、平均繊維径が5〜30μmで、かつ平均繊維長が50〜1000μmであるバルブである。
【0008】
請求項4に係る発明は、カーボンブラックは、平均粒径が0.1μm以上であるバルブである。
【0009】
請求項5に係る発明は、バルブ構造体の運動部分をシールするパッキンであるバルブシール材は、バルブボデーと貫通孔を有するボールとの間に密封状に介在させて流路と弁室とを隔絶するボールバルブ用の環状ボールシートであるバルブである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明におけるバルブによると、PTFEとPFAとの混合物にカーボン繊維及びカーボンブラックを特定量配合した成形品であるバルブシール材を装着したから、PTFEに由来する耐摩耗性や耐薬品性、耐熱性と、PFAに由来する耐クリープ性とを兼備するとともに、カーボン繊維及びカーボンブラックを加えることで耐クリープ性を発現する温度範囲を広げることが可能となった。更に、成形品の混合物であるPFAは、焼成時に溶融して流動するため、PTFEとカーボンファイバやカーボンブラックとの空隙を埋める効果があり、透過性の強い流体、例えば、He(ヘリウム)等の分子量の少ないガスなどに対しても、耐薬品透過性が従来品より著しく改良されており、耐クリープ性を損なうことなくシール性能を向上させたバルブを得ることができる。よって、従来よりも耐クリープ性及びシール性能を格段に向上させたバルブを提供することが可能となった。
【0011】
請求項2に係る発明によると、バルブシール材の成形時には、変性PTFEを用いることによりPFAとの親和性を高めることができ、バルブシール材の機能性をより向上させることのできるバルブである。
【0012】
請求項3に係る発明によると、バルブシール材や成形品の耐クリープ性を広い温度範囲においてより効果的に向上させることができ、また、高い静電防止効果を発揮してバルブや成形品を装着した後の安全性も高めることができるバルブである。
【0013】
請求項4に係る発明によると、バルブシール材や成形品の耐クリープ性及びシール性能を更に高めることのできるバルブである。
【0014】
請求項5に係る発明によると、ボールシートとしてボールバルブに使用した場合、ボールシートのシート本体を透過しようとする流体の漏れも確実に防ぐことにより高いシール性能を発揮することができ、高い耐摩擦性や耐薬品性、耐温度性などが求められる使用状況において、優れたシール性能及び耐クリープ性を発揮することが可能なバルブを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明におけるバルブにおいて、これをボールシートを装着したフローテイング型のボールバルブに適用した実施形態の一例を図面に基づいて詳述する。
図1は、ボールシートを装着した状態の一例を示すボールバルブの縦断面図である。図中1は、バルブボデーであり、このバルブボデー1には、内部に弁室2とこの弁室2の両側に弁室2に連通する入口側流路3と出口側流路4を有する。5は貫通孔6を有するボールで、このボール5に連結されたステム7を回転させることによって前記流路3、4を互いに連通させる開位置と前記流路3、4を互いに隔絶するようにする閉位置との間に、前記ボール5を回転可能に弁室2内に組み込まれている。
【0016】
同図において、8は環状のボールシート(バルブシール材)であり、このボールシート8は、バルブ構造体の運動部分であるボール5をシールするボールバルブ用のパッキンであり、このボールシート8によりバルブボデー1とボール5との間に密封状に介在させて、全開状態あるいは全閉状態の時に流路3、4と弁室2とを隔絶している。ボールシート8は、バルブボデー1内に形成した段部9に装着可能な環状体であり、ボール5の閉止時に、一次側の流体圧によってボール5が二次側に押圧され、ボールシート8の外周側の肩部10が段部面の一部に圧接されて密封シールされ、かつ、ボールシート8の内周面の一部であるリップ部11がボール面に圧接されて密封シールされて、バルブボデー1とボール5とをシールしている。
【0017】
本発明におけるバルブシール材は、上記のボールシート8以外に、ボデー1aとキャップ1bとの嵌合面をボルト・ナット14によって締め付け固定されるガスケット13にも適用できる。また、ステム7とバルブボデー1との間に装着されるスラストワッシャ15やステムベアリング16等の運動部分にも適用可能である。本例は、2方弁のボールバルブについて説明するが、3方弁、4方弁等のボールバルブに用いるボールシートにも当然に適用できる。
【0018】
次に、上記のボールバルブに用いたボールシート8を含む成形品の組成物について説明する。
本例におけるバルブのボールシート8は、PTFEとPFAとの樹脂混合物にカーボン繊維及びカーボンブラックを特定量配合したものである。
PTFEには制限がなく、市販品を含め、種々の分子量のものを使用できるが、全量に対し98%質量以上の四弗化エチレンとパーフルオロアルキルトリフルオロエチレンあるいはオキシパーフルオロアルキルトリフルオロエチレンとを乳化重合せしめて顆粒状とした市販のペースト押出用四弗化エチレン樹脂粉末が好ましい。中でも、PTFEに1重量%以下のパーフルオロアルコキシを共重合させた変性PTFEは、PFAとの親和性が高まるため好ましい。このような変性PTFEとして、三井・デュポンフロロケミカル社製の「62J」や同「70J」、ダイキン工業社製の「M111」や同「M112」を市場から入手することができる。
【0019】
PFAにも制限はなく、市販品を含め、種々の分子量のものを使用できる。このPFAは、上記PTFEとの樹脂混合物中に重量比率で3〜15%となるように配合される。PTFEは熱溶融性が低いため、カーボン繊維やカーボンブラックとの間で微小隙間を形成し、バルブシール材や成形品の耐クリープ性やシール性能を低下させることが考えられる。そこで、熱溶融性のPFAを配合することにより、PTFEとカーボン繊維との間の微小隙間を埋めてバルブシール材や成形品の耐クリープ性及びシール性能を高める。このような微小隙間の閉塞作用を確実に発現するには、PFAが樹脂混合物中に3質量%以上、好ましくは5質量%以上配合する必要がある。但し、PFAの配合比率が高まるのに従ってPTFEによる耐摩擦性や耐薬品性、耐熱性等が十分に発現しなくなる。また、PFAは一般に高価であることから、配合比率が高まるのに従ってコストも上昇する。そこで、本発明では、これらを勘案して樹脂混合物におけるPFAの配合比率の上限を30質量%とする。
【0020】
上記樹脂混合物には、カーボン繊維が配合される。カーボン繊維の配合により、バルブシール材や成形品は広い温度範囲において耐クリープ性に優れるようになる。また、静電気防止効果が付加されるため、バルブや成形品を装着した装置の安全性が高まるという利点もある。カーボン繊維としては、平均繊維径が5〜30μm、好ましくは7〜15μmで、平均繊維長が50〜1000μm、好ましくは70〜200μmの比較的短寸のものが好ましい。
【0021】
本例において、カーボン繊維の配合量は、樹脂組成物全量の5〜30質量%とする。カーボン繊維の配合量が5質量%未満では上記の効果が十分に発現せず、30質量%を超えると相対的に樹脂混合物やカーボンブラックの配合量が減り、耐クリープ性やシール性能に悪影響が出てくる。
【0022】
上記樹脂混合物には、更にカーボンブラックが配合される。カーボンブラックの配合により、バルブシール材や成形品の耐クリープ性が更に向上する。カーボンブラックの種類には制限がないが、平均粒径0.1μm以上、好ましくは0.2μm以上の比較的大径のものを使用することにより、耐クリープ性及びシール性能が更に高まる。
本例において、カーボンブラックの配合量は、樹脂組成物全量の5〜30質量%とする。カーボンブラックの配合量が5質量%未満では上記の効果が十分に発現できず、30質量%を超えると相対的に樹脂混合物やカーボン繊維の配合量が減り、特にシール性能に悪影響が出てくる。
このカーボンブラックの含有により、上記樹脂混合物の含有量を低限して、熱サイクル負荷時における上記樹脂混合物の膨張・収縮による空隙の発生を抑制すると共に、この空隙をカーボンブラックが埋めるよう作用することで、耐熱性や耐摩耗性を確保しつつ、透過漏れを防止している。
上記のカーボン繊維及びカーボンブラックは、樹脂混合物への分散性を高めるために、カップリング剤等を用いて表面改質してもよい。
【0023】
さらに、本例のバルブにおける樹脂組成物には、耐クリープ性やシール性能を損なわない範囲で、従来からフッ素樹脂材料に使用される添加剤を配合してもよい。
この樹脂組成物は、PTFE粉末、PFA粉末、カーボン繊維及びカーボンブラックを所定割合で攪拌、混合することにより得られる。この場合、必要に応じて添加剤を加えてもよい。バルブシール材や成形品とするには、それぞれの金型に樹脂組成物を充填し、加熱圧縮すればよい。
【実施例】
【0024】
以下に、本発明における実施例1乃至5を比較例1乃至5と対比しながら説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
【0025】
表1に示すように、パーフルオロアルコキシを共重合させた変性PTFE(三井・デュポンフロロケミカル社製「62−J」)、PFA(三井・デュポンフロロケミカル社製「MP−10」)、カーボン繊維(呉羽化学社製「クレカチョップ」;平均繊維径12.5μm、平均繊維長130μm)、カーボンブラック(MT−カーボン;平均粒径0.2〜0.5μm)を混合し、下記の試験に適した形状に圧縮成形、焼成した後切削加工して試験片を作製した。そして、試験片を下記の試験に供し、各種の試験結果を後述する。
【0026】
【表1】



【0027】
(1)熱サイクル試験
表1における実施例1及び比較例3の組成にて作成したボールシート8をボールバルブに組み込み、熱サイクル試験におけるシート漏れ量を測定し、その結果を表2に示す。
供試品のボールバルブには、ステンレス製のフローティング型バルブ(呼び径50A)を用い、図2において、バルブ本体20を高温炉21に収納して、常温下(約15℃)にて24時間保持し、その後高温下(バルブ温度約265℃)にて24時間保持し、更に常温に降下するという熱サイクルを負荷し、それぞれの温度に保持した後における弁座漏れ量を測定した。
弁座漏れ量は、全閉状態のバルブの一次側からヘリウムガス(圧力0.9MPa)を供給し、ボールシート8を通過してバルブ二次側に漏れたヘリウムガスの容量を水上置換法で測定した。
【0028】
【表2】

【0029】
表2において、1回目の高温状態を終え、常温に戻した後の実施例1の弁座漏れ量は、比較例3に比して約25%抑制されており、その後、2回目の高温状態を終え、常温に戻した後の実施例1における弁座漏れ量は、比較例3に比してほとんど漏れのないことが確認された。
したがって、本例における成形品であるバルブシール材を装着したバルブ本体とすることにより、高温サイクル下においても、弁座漏れを生じにくいバルブを得ることができる。
【0030】
(2)ガス透過性試験
直径10mmで厚さ2mmの試験片を用意し、図3に示すように、この試験片30を上下一対の試験治具31、32で挟み込み、水中(13℃)またはシリコンオイル中(10℃)に浸漬して窒素ガスを試験治具に導入し、試験片30を透過した窒素ガス量を測定部33に導いて水またはシリコンオイルの置換量から求めた。尚、試験片30のガス透過面積は98.5cmである。試験は、試験片30に2MPaの面圧がかかるように窒素ガスを24時間連続して供給し、そのときの透過総量を求めた。この結果を表1に併記する。
【0031】
(3)圧縮クリープ特性試験
AS5−6−0140cに準拠し、直径12.7mmで高さ12.7mmの円筒状の試験片に200℃の大気中で6:9Mpaの荷重を付加し、荷重負荷後10秒後の高さ(T1)及び荷重付加後24時間後の高さ(T2)を測定し、下記式より圧縮クリープ率(D)を求めた。結果を表1に併記する。
D=〔(T1−T2)/12.7〕×100(%)
【0032】
(4)永久クリーブ特性試験
AS5−6−0141cに準拠し、直径12.7mmで高さ12.7mmの円筒状の試験片に200℃の大気中で6.9MPaの荷重を付加し、荷重を24時間付加した後、荷重を解除して30分経過した時の高さ(T3)を測定し、下記式より圧縮永久変形率(E)を求めた。結果を表1に併記する。
E=〔(12.7−T3)/12.7〕×100(%)
【0033】
表1に示すように、本発明に従う各実施例の試験片は、シール性能及び耐クリープ性に優れている。
これに対し、比較例1の試験片は特許文献2に従うものであるが、カーボンブラックを含有しないため、耐クリープ性が実施例1の試験片に比べると劣っている。また、比較例2は、カーボンブラックを過剰に含有するため、シール性能に悪影響を与え、更に耐クリープ性も悪化する。
その他の成分に関しては、PFAを含有しない比較例3の試験片はシール性能が大きく劣っている。また、カーボン繊維を含有しない比較例4の試験片は耐クリープ性が大きく劣っており、カーボン繊維が耐クリープ性の向上に寄与することが確認された。しかし、比較例5の試験片のようにカーボン繊維を過剰に含有しても耐クリープ性の向上は少なく、むしろシール性能に悪影響が出てくる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
耐摩擦性、耐薬品性、耐熱性、耐クリープ性を有し、もってシール性能に優れたパッキンやガスケット等のシール材に用いることができ、そのシール材の形状には制限がなく、フローティング型のボールバルブのみならず、トラニオン型のボールバルブ、バタフライバルブ、グローブバルブ、ゲートバルブ、その他のバルブに広く用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明におけるバルブの一例を示す半截断面図である。
【図2】熱サイクル試験の試験装置を示す模式図である。
【図3】ガス透過試験の試験方法を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0036】
1 バルブボデー
2 弁室
3 入口側流路
4 出口側流路
5 ボール
6 貫通孔
8 ボールシート
13 ガスケット
15 スラストワッシャ
16 ステムベアリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ構造体の運動部分をシールするパッキン或いは固定部分をシールするガスケット等のバルブシール材を装着して当該部分を密封シールするバルブにおいて、前記バルブシール材は、ポリテトラフルオロエチレンと、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体とからなり、かつテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を重量比率で3〜15%含有する樹脂混合物に、それぞれ重量比率で5〜30%のカーボン繊維及び5〜30%のカーボンブラックを混入して成形したバルブ装着用の成形品であることを特徴とするバルブ。
【請求項2】
前記ポリテトラフルオロエチレンは、パーフルオロアルコキシを重合させて変性した変性ポリテトラフルオロエチレンである請求項1記載のバルブ。
【請求項3】
前記カーボン繊維は、平均繊維径が5〜30μmで、かつ平均繊維長が50〜1000μmである請求項1又は2記載のバルブ。
【請求項4】
前記カーボンブラックは、平均粒径が0.1μm以上である請求項1乃至3の何れか1項記載のバルブ。
【請求項5】
前記バルブ構造体の運動部分をシールするパッキンであるバルブシール材は、バルブボデーと貫通孔を有するボールとの間に密封状に介在させて、少なくとも弁閉止時に流路と弁室とを隔絶するボールバルブ用の環状ボールシートである請求項1乃至4の何れか1項に記載のバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−258222(P2006−258222A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78462(P2005−78462)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(390002381)株式会社キッツ (223)
【Fターム(参考)】