説明

パウダリー−イオノン型の香気を有するナフタレノン誘導体

本発明は、有用な香料成分である5,5,8a−トリメチル−ナフタレノン誘導体に関する。さらに、本発明は、前記化合物を含有する組成物または製品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香料の分野に関する。特に好ましくは、以下に示す式(I)の化合物に関する。さらに本発明は、前記化合物の香料工業における使用ならびに前記化合物を含有する組成物または製品に関する。
【0002】
従来技術
文献US 3072709において、発明者は、2,5,5,8a−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノン、すなわち、本発明の一般式に含まれる化合物が有用な香料成分でありうることを挙げている(香気についての記載は提供されていない)。しかしながら数年の後に、US 3072709の発明者は、US特許に記載したプロトコールを適用することによっては実際には2,5,5,8a−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノンを得ることが不可能であることを示す刊行物(J.Org.Chem., 1971, 1195)を発行した。したがってUS 3072709では誤った構造を挙げており、かつ有効に開示された生成物は、3,4,4a、7,8,8a−ヘキサヒドロ−2α,4αβ,5,8αβ−テトラメチル−1(2H)−ナフタレノンであって、本発明による化合物ではない。
【0003】
結論として、本発明のすべての化合物は新規である。
【0004】
化合物ペルヒドロ−2,5,5,8a−テトラメチル−1−ナフタレノンおよびペルヒドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレノンは、本発明による化合物と最も近似する構造を有する公知の香料成分である(Helv.Chim.Acta, 1976, 1140参照)。第一に、強いアンバーの香気を有するものとして記載される一方で、第二に、ショウノウ様の香気を有するものとして記載されている。前記の構造的類似体は、本発明の一つとは顕著に異なる官能特性を有し、したがってこれらは、香料分野における本発明による化合物の有用性を示唆または想起させるものとしては考慮することはできず、それどころか、本発明の官能特性については何ら示されていない。
【0005】
発明の説明
驚くべきことに、式
【化1】

のその立体異性体の任意の形での化合物またはこれらの混合物が開示され、この場合、この化合物は、式中、点線は単結合または二重結合を示し、Rは水素原子またはメチル基を示し、かつRは水素原子またはメチル基またはエチル基を示す。香料成分として使用する場合には、たとえばパウダリー、イオノンおよび/またはウッディー型の香調を付与し、したがって、これらは本発明の第一の対象である。
【0006】
本発明の特別な実施態様よれば、香料成分は、式
【化2】

のその立体異性体の任意の形での化合物またはこれらの混合物であり、この場合、この化合物は、式中、Rは前記意味を示し、好ましくは水素原子である。
【0007】
式(II)の化合物において、式中、点線は単結合を示し、これは、相当するトランス立体配置において2位および8a位にメチル基を有するものを特に挙げることができる。 特に制限のない例として、2α,5,5,8aβ−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノンを挙げてもよく、この場合、これは、ペルヒドロ−2,5,5,8a−テトラメチル−1−ナフタレノンとは対照的に、強力なアンバーの香気を有するものではなく、むしろウッディー(アーシー−パチョリ型)、パウダリーおよびイオノン(バイオレット)ノートの香気を有する。実際に、この独特の香調の組合せは、快いウッディー、イロンおよびわずかにパチョリの香りの印象を生じさせることができる。この化合物は、特に、パウダリー、イオノンノートを付与するのに適しており、かつ、これと組合わされた成分または組成物のウッディーノートを増強させることができる。
【0008】
この化合物の2種のエナンチオマー、すなわち(2S,8aR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,5,6,7,8,8A−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノンおよび(2R,8aS)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,5,6,7,8,8A−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノンは、ラセミ体の一つと類似の官能特性を有するけれども異なる強度を示し、その際、(2S,8aR)エナンチオマーは、(2R,8aS)エナンチオマーよりもより強力である。
【0009】
本発明による他の化合物は、2α,5,5,8aα−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノンであり、この場合、これは、さらにパウダリー−イオノンの香気型を有するが、しかしながら、前記化合物とは、アーシー型のより顕著なボトムノートを有することならびによりドライであることによって区別される。
【0010】
さらに、イオノン、ローズ様、ダマスコンおよびアーシー、ウッディーの香気を有し、その際、ボトムノートはイオノン、スパイス様(サフラン)およびアーシー−ルート様(ベチュラ)型である、2,5,5,8a−テトラメチル−6,7,8,8a−テトラヒドロ−1(5H)−ナフタレノンを挙げることができる。我々の認識する限りにおいて、この化合物は、同時にダマスコンおよびウッディーのキャラクターを組み合わせる香気を有する唯一の化合物であり、したがって、新規の香りの創作における香料パレットのための独特かつ極めて有利なツールを示す。
【0011】
もう一つの例は、2α、6,5,5,8aβ−ペンタメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノンであり、この場合、この化合物は、パウダリー、イオノンおよびウッディー−シダー型の香調を有する。
【0012】
最終的に、本発明による例として、5,5,8a−トリメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノンを挙げることができ、この場合、これは、わずかにウォータリーおよびフローラルのウッディー型の香気を示す。
【0013】
したがって、本発明による化合物は、パウダリーおよび/又はウッディーの成分のファミリーに属し、かつ、パヒュームにウッディー、パウダリー、イオノン性および/またはイオノン様の香気を付与するのに特に有用であり、いくつかの場合において、添加された組成物または製品に森林(wood)を想起させる。
【0014】
本発明の特別な実施態様によれば、好ましい化合物は、2,5,5,8a−テトラメチル−6,7,8,8a−テトラヒドロ−1(5H)−ナフタレノン、(2S,8aR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,5,6,7,8,8A−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノンまたは2α、5,5,8aβ−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノンである。
【0015】
本発明の他の対象は、香料成分としての式(I)の化合物の使用に関する。いいかえれば、本発明は、香料組成物または賦香製品の香気特性を付与し、増強させ、改善させるか、あるいは改質化させるための方法に関し、この場合、この方法は、前記組成物または製品に、少なくとも式(I)の化合物の効果的量を添加することを含む。特に、本発明による化合物は、香料成分として、ウッディー、パウダリーおよび/またはイオノンの香調を付与、増強、改善または改質化するために使用することができる。用語「式(I)の化合物の使用」とは、本明細書中の範囲内においてはまた、式(I)の化合物を含有し、かつ活性成分として香料工業中において有利に使用することができる任意の組成物の使用であるとして理解されるべきである。
【0016】
実際に、香料成分として使用することができる前記組成物は、本発明の対象である。
【0017】
したがって、本発明の他の対象は:
i)香料成分として、前記に示す少なくとも1種の本発明による化合物、
ii)香料キャリアおよび香料ベースから成る群から選択された少なくとも1種の成分;および
iii)場合により、少なくとも1種の香料アジュバント、
を含有する香料組成物である。
【0018】
用語「香料キャリア」とは、本明細書中の範囲内において、香料の点において特に中性の材料、すなわち、香料成分の官能特性を顕著に変更させないものを意味する。前記キャリアは液体であってもよい。
【0019】
液体キャリアとしては、これに制限されるものではないが、乳化系、すなわち、溶剤および界面活性剤系、または、香料において通常の溶剤を示すものであってもよい。香料において通常使用される溶剤の性質および型の詳細な記載は、これに制限することができない。しかしながら、これに制限されるものではないが、溶剤として、たとえばジプロピレングリコール、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、ベンジルベンゾエート、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノールまたはエチルシトレートを挙げることができ、この場合、これらは最も通常使用されるものである。
【0020】
一般に「香料ベース」とは、本明細書中の範囲内において、少なくとも1種の香料補助成分を含有する組成物を意味する。
【0021】
前記香料補助成分は式(I)のものではない。さらに「香料補助成分」とは、本明細書中では、快楽効果を付与するために香料調製物または組成物に使用される化合物を意味する。いいかえれば、このような補助成分は、単に香気を有するのみならず、組成物の香気に積極的または快楽的な方法で付与または改質化することが可能であるとして、当業者に認識されるべきものである。
【0022】
ベース中に存在する香料補助成分の性質および型は、ここで詳細に記載されるものではないが、これは、任意の場合において制限されるものではなく、いわゆる当業者であれば、これをその一般的知識に基づいて、かつ意図する使用または適用および好適な官能的効果にしたがって選択することが可能である。一般的用語において、これらの香料補助成分は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペン系炭化水素、窒素または硫黄含有ヘテロ環式化合物およびエッセンシャルオイルと多様の化学群に属し、かつ前記香料補助成分は、中性または合成由来のものであってもよい。このような補助成分の例は、参考文献、例えばS. Arctander, Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USAによる書物またはその最新の版、または同様の種類の他の作品、ならびに香料分野における豊富な特許文献に見出すことができる。さらに、前記補助成分は、種々の型の香料化合物を、制御された方法で放出することが知られている化合物であってもよい。
【0023】
香料キャリアおよび香料ベースの双方を含有する組成物に関して、前記に示す以外の適した香料キャリアは、さらにエタノール、水/エタノール混合物、リモネンまたは他のテルペン、イソパラフィン、たとえば、商標IsoPar(R)(販売元:Exxon Chemical)またはグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、たとえば商標Dowanol(R)(販売元:Dow Chemical Company)として知られているものである。
【0024】
一般に、用語「香料アジュバント」とは、本願明細書中の範囲内において、付加的な効果、たとえば色、特に耐光性、化学的安定性等を付与することが可能な成分を意味するものとして理解される。香料ベース中で通常使用されるアジュバントの性質および型の詳細な記載はこれに制限されるものではないが、しかしながら、前記成分が当業者によく知られていることについては挙げるべきである。
【0025】
少なくとも1種の式(I)の化合物および少なくとも1種の香料キャリアから成る本発明による組成物は、本発明の好ましい実施態様ならびに少なくとも1種の式(I)の化合物を含有する香料組成物、少なくとも1種の香料キャリア、少なくとも1種の香料ベースおよび場合によっては少なくとも1種の香料アジュバントを含有する香料組成物を示す。
【0026】
本明細書中で、前記に挙げられた組成物中において、1種以上の式(I)の化合物が、パヒューマーに、本発明の種々の化合物の香気トナリティーを有し、この課題のための新規ツールを生じさせるアコート、パヒュームを製造させることができるものとして重要である可能性を挙げることは有用である。
【0027】
好ましくは、化学合成から適切な精製なしで直接得られる任意の混合物、この場合、この混合物は、本発明の化合物が、出発材料、中間生成物または最終生成物として含まれていてもよいものである、を、本発明による香料組成物として考慮することはできない。
【0028】
さらに本発明による化合物は、すべての現代香料分野において、前記化合物(I)が添加されることにより、消費製品の香気を積極的に付与または改善することが可能であることは有利であってもよい。したがって、賦香製品は:
i)香料成分として、前記に示す少なくとも1種の式(I)の化合物;および
ii)消費製品ベース
を含有し、この場合、これは、さらに本発明の対象である。
【0029】
明確にするために、「消費製品ベース」とは、本明細書中の範囲内において、香料成分と相溶性の消費製品を意味するものとして挙げられるべきである。いいかえれば、本発明による賦香製品は、機能的配合物ならびに付加的な効果を有する薬剤、この場合、これは消費製品に相当するたとえば洗剤またはエアフレッシュナーおよび少なくとも1種の本発明による化合物の嗅覚的効果量を含有する。
【0030】
消費製品の成分の性質および型については、本明細書中で詳細に記載しないが、いずれの場合においても制限されるものではなく、いわゆる当業者であれば、これをその一般知識に基づいて、かつ意図する使用または適用および好適な官能的効果にしたがって選択することが可能である。
【0031】
適した消費製品ベースの例は、固体または液体洗剤および衣料用柔軟剤ならびに香料において常用の他の製品、すなわちパヒューム、コロンまたはアフターシェイブローション、化粧石鹸、シャワーまたはバスジェル、ムース、オイルまたはジェル、衛生製品またはヘアケア製品、たとえばシャンプー、ボディケア製品、デオドラントまたは制汗剤、エアフレッシュナーおよびさらには化粧品調製物を含む。洗剤として、ここでは、意図する適用、たとえば洗剤組成物または種々の表面を洗浄または清浄化するための洗剤製品、たとえばテキスタイル、皿または硬質表面処理を意図したものであり、これらは、家庭内または工業的使用を意図するもののいずれであってもよい。他の賦香製品は、衣料用リフレッシュナー、アイロン用水、紙、布または漂白剤である。
【0032】
前記消費製品ベースのいくつかは、本発明による化合物のための攻撃的媒体(aggressive medium)を示すものであってもよく、したがって、これは本発明による化合物を早期の分解から、たとえばカプセル化によって保護することは必要不可欠であってもよい。
【0033】
本発明による化合物を種々の前記製品または組成物に混合することはできる割合は、広い範囲の値において可変である。これらの値は、賦香すべき製品の性質および好ましい官能的効果ならびに本発明による化合物が、当該技術分野において常用の香料補助成分、溶剤または添加剤と一緒に混合される場合には使用されたベース中の補助成分の性質に依存する。
【0034】
たとえば、香料組成物の場合には、混合される組成物の質量に対する本発明の化合物の典型的濃度は、0.001〜25質量%またはそれ以上の大きさである。これよりも低い濃度、たとえば、0.01〜15質量%の大きさの濃度は、これらの化合物を賦香製品に混合した場合に使用することができ、その際、%は、製品の質量に対する。
【0035】

本発明は以下の実施例にしたがって詳細に説明するが、その際、略記は、当該技術分野において通常の意味を有し、温度は摂氏度(℃);NMRスペクトルデータはCDCl中で(別記しない限りにおいて)Hおよび13Cに対して360または400MHzの装置で記録し、化学変位δはppmで、標準としてのTMSに対して示され、カップリング定数JはHzで示される。
【0036】
例1
式(I)の化合物の合成
a)2α,5,5,8aβ−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノン
ヘキサン中のEtAlCl(1M;192ml;192mmol)溶液を、N下で、12分に亘って、冷却した(−10〜−5℃)2−メチル−4−(2,6,6,−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)ブタノールのCHCl(500ml)中の撹拌溶液(40.0g、192mmol)に添加した。
【0037】
反応混合物を0℃で30分に亘って撹拌し、かつクロラール(37.5ml;56.6g;384mmol)で7分に亘って処理した。反応混合物を0℃で90分に亘って撹拌し、かつ撹拌しながら、5%HCl、氷およびEtOを含有するエルレンマイヤーフラスコ中に注ぎ入れた。5分に亘っての撹拌後に、この相を分離し、かつ有機相を連続的にHO(2×)、飽和NaHCO水溶液および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、かつ蒸発させた(62.9g)。バルブ−ツーバルブ(Bulb-to-bulb)蒸留(オーブン温度、125℃/0.02mb)により粗生成物が得られた。SiO(400g)上で2個のフラッシュクロマトグラフィーにより、シクロヘキサン/AcOEt 98:2を用いて粗生成物を精製し、29.64gの好ましい化合物(75%)が得られた。
【0038】
【表1】

【0039】
b)2α,5,5,8aα−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノン
THF(5ml)中のa)で得られた化合物の溶液(4.20g;20.40mmol)を、−30℃〜−20℃で10分に亘って、LDAの溶液(1.1等量;THF(25ml)中BuLi(1.62Mヘキサン中;21.3mmol)およびジイソプロピルアミン(22.3mmol)から製造されたもの)を用いて処理した。溶液を、−10℃で20分に亘って撹拌し、−78℃に冷却し、かつ滴下漏斗を介して、THF(50ml)中の2−ブタノール(15.0g;203.8mmol)の冷却された(−78℃)溶液(20.64g(24.1ml);19.0mmol)中に滴加した(10mlずつ)。透明な溶液を、−10℃で10分に亘って撹拌し、かつ2相系5%HCl/EtO中に激しく撹拌しながら注ぎ入れた。この相を分離し、かつ有機相を、飽和NaHCO水溶液、塩水(2X)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、蒸発させ(4.18)g、かつ、バルブ−ツーバルブで蒸留した(オーブン温度、125℃/0.02mbar)。収量:好ましい化合物4.05g(収率:96%)。
【0040】
【表2】

【0041】
c)2,5,5,8a−テトラメチル−6,7,8、8a−テトラヒドロ−1(5H)−ナフタレノン
i)1,2,3,4,4a,7−ヘキサヒドロ−1,1,4a,6−テトラメチル−5−(トリメチルシリルオキシ)ナフタレノン
THF(120ml)中の2α,5,5,8aβ−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノン(19.57g;95.02mmol)の溶液を、−30〜−20℃で、50分に亘って、LDA溶液(1.1等量;THF(100ml)中BuLi(1.44Mヘキサン中;104.5mmol)およびジイソプロピルアミン(11.52g:114.1mmol)から製造されたもの)を用いて処理した。黄色がかった橙色の溶液を−10℃で1時間に亘って撹拌し、−30℃に冷却し、かつ5分に亘ってTMSCl(20.64g;190.0mmol)を用いて処理した。透明な溶液を、−10℃で10分に亘って撹拌し、かつ、激しく撹拌しながら、飽和NaHCO水溶液およびペンタンから成る2相系中に注ぎ入れた。この相を分離し、かつ有機相を、飽和NaCl水溶液で2回に亘って洗浄し、乾燥させ(NaSO)、かつ、蒸発させ(26.75g)、かつ、バルブ−ツーバルブで蒸留した(オーブン温度、125℃/0.02mbar)。収量:25.41g(96%)
【表3】

【0042】
ii)2,5,5,8aβ−テトラメチル−2α−[トリメチルシリルオキシ]−3,5,6,7,8,8A−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノン
CHCl(200ml)中の1,2,3,4,4a,7−ヘキサヒドロ−1,1,4a,6−テトラメチル−5−(トリメチルシリルオキシ)ナフタレノン(25.41g;91.4mmol)の溶液を、0℃で、CHCl(250ml)中の70%mCPBAの溶液(25.49g;103.4mmol)を用いて滴加処理した(90分)。この反応を、10%のNaSO水溶液(200ml)を用いて停止させ(quench)、この相を分離し、かつ有機相を洗浄し(2×5%NaOH、その後に2×飽和NaCl水溶液)、乾燥させ(NaSO)、かつ蒸発させ、好ましい生成物26.47gが得られた。
【0043】
【表4】

【0044】
iii)2,5,5,8αβ−テトラメチル−1−オキソ−1,2,3,5,6,7,8,8A−オクタヒドロ−2α−ナフタレニルアセテート
ACO(100ml)中の粗2,5,5,8aβ−テトラメチル−2α−[トリメチルシリルオキシ]−3,5,6,7,8,8A−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノン(26.47g;最大値91.4mmol)の溶液を、25℃で、pTsOH.HO(1.0g)およびHO(2ml)で処理し、かつ、1時間に亘って撹拌した。さらに、水を添加し(100ml)、かつ反応混合物を30分に亘って撹拌した。この生成物をEtOで抽出し、連続的に5%NaOH(3X)、HOおよび飽和NaCl水溶液(2×)を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、かつ蒸発させ(22.73g)、かつバルブ−ツーバルブ蒸留し(オーブン温度、125℃/0.02mbar)、これにより好ましい生成物21.98g(収率80%)が得られた。
【0045】
【表5】

【0046】
iv)2,5,5,8a−テトラメチル−6,7,8,8a−テトラヒドロ−1(5H)−ナフタレノン
DBU(1.03g;6.74mmol)中の2,5,5,8aβ−テトラメチル−1−オキソ−1,2,3,5,6,7,8,8A−オクタヒドロ−2α−ナフタレニルアセテート(3.37mmol)の溶液を、6時間に亘って120℃で加熱した。反応混合物を室温で冷却し、かつ5%のHCl、氷およびEtO中に注ぎ入れた。生成物を、EtOで抽出し、かつHO、飽和NaHCO水溶液(2×)および飽和NaCl水溶液を用いて連続的に洗浄し、乾燥させ(NaSO)、かつ蒸発させた(0.79g)。シクロヘキサン/AcOEt96:4を用いての、SiO(50g)上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製によって、ヘプタンから晶出しうる好ましい生成物473mg(69%)が得られた。
【0047】
【表6】

【0048】
d)(2R,8aS)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレン
i)(2R)−2−メチル−4−(2,6,6−テトラメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)ブタノール
EtO(15ml)中の酸(2R)−2−メチル−4−(2,6,6,−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)ブタン酸(ラセミ酸と(−)−(S)−1−フェニルエチルアミンとの光学分離により得られたもの)を、N下で、EtO(35ml)中のLiAlH(1.36g;35.64mmol)の撹拌懸濁液に滴加した。穏やかに還流する反応混合物を、還流下で2時間に亘って維持し、0℃に冷却し、かつ水1.5mlの水、1.5mlの5%NaOHおよび3X1.5mlの水を用いて注意深く処理した。この懸濁液を乾燥させ(NaSO)、濾過し(セライト)、濃縮し(3.73g)、かつ、生成物をバルブ−ツーバルブ蒸留することによって(オーブン温度、130℃/0.04mbar)、3.51gの(2R)−2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)ブタノール(純度97%;収率91%)が得られた。[α]20(CHCl;c=1.57)+8.9(97%ee)。
【0049】
ii)(2R)−2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)ブタナール
CHCl(15ml)中のDMSOの溶液(2.65ml;2.91g、37.24mmol)を、−78℃で15分間に亘って、CHCl(40ml)中のオキサリルクロリド(2.23ml;3.29g;25.90mmol)の溶液に滴加した。CHCl(40ml)中の(2R)−2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)ブタノール(3.50g;97%純度;16.19mmol)の溶液を、前記混合物に、温度が−65℃を上回らない程度に滴加した。装入後(30分)に、乳濁懸濁液を−78℃で30分に亘って撹拌し、その後にNEt(10.84ml;7.83g;77.71mmol)を滴加し、かつ温度を0℃にすることが可能であった。この混合物を水中に注ぎ入れ、かつ生成物をペンタンで抽出し、塩水(2×)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、かつ、蒸発させた。生成物を、バルブ−ツーバルブで蒸留した(オーブン温度、100℃/0.6mbar):(2R)−2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)ブタナール(純度96%;収率90%)3.16g。[α]20(CHCl;c=1.10)−21.8。
【0050】
(iii)(2R,8aS)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタタレノン
例1aで記載するようにおこない、(2R)−2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)ブタナール(1.61g、7.76mmol)を、ヘキサン中のEtAlCl(1M;7.76ml;7.76mmol)を用いて、相当するナフタレノールに変換し(1.16g;クロマトグラフィー後72%;[α]20(CHCl;c=1.52)−119;GC後97%ee)、これを酸化させ(Jones 酸化)(903mg;4.34mmol)、好ましい化合物が得られた([α]20(CHCl;c=2.50)−130(97%ee))(877mg;収率=98%)。NMRスペクトルは、ラセミ化合物(例1a)と同様であった。
【0051】
(e)(2S,8aR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノン
これは、例1dで記載したようにしておこなったが、しかしながら、酸(2S)−2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−シクロヘキセン−1−イル)ブタン酸(ラセミ酸と(−)−(S)−1−フェニルエチルアミンとの光学分離によって得られた)から出発した。NMRスペクトルは、ラセミ化合物(例1a)と同様であった。
【0052】
例2
2α、6,5,5,8aβ−ペンタメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノンの合成
2−メチル−2−[2−(2,5,6,6,−テトラメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)エチル]オキシランの製造
ジメチルスルフェート(31.52g;250.2mmol)を、N下で、10分に亘って、DSMO(200ml)中のMeS(16.80g;271.0mmol)のゆっくりと撹拌した溶液に添加した。温度は46℃に上昇し(30分後)、かつ室温に維持した。激しい撹拌下で、NaOH顆粒(60g;1.50モル)を少量ずつ添加し、引き続いて(±)−ジヒドロ−β−イロン(43.36g;208.5mmol)を迅速に添加した。撹拌を、67時間に亘って継続した(97%変換率)。
【0053】
この反応混合物を、氷/飽和NaCl水溶液中に注ぎ入れ、かつ生成物をペンタン(2×)で抽出し、かつ水(4×)で洗浄した。有機相を10%のアンモニアを用いて2時間に亘って撹拌し(過剰量のジメチルスルフェートで反応させ)、分離し、かつ飽和NaCl水溶液(4×)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、かつ蒸発させた。生成物をバルブ−ツーバルブ蒸留し(オーブン温度、100〜120℃/0.01mb)、これにより相当するエポキシド(38.04g、収率82%)がジアステレオマーの混合物として得られた(約1:1;GC分離なし)。
【0054】
95%純度の生成物は、後続の工程のために十分に純粋であるが、しかしながらさらに、シクロヘキサン/AcOEt=98:2を用いてのクロマトグラフィー(SiO)での再精製、引き続いての純粋な化合物を介してのNバブリングをおこなった。
【0055】
【表7】

【0056】
2−メチル−4−(2,5,6,6,−テトラメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)ブタナールの製造
トルエン(260ml)中Filtrol G13(2.60g)および工程1で得られたエポキシド(26.48g;119.0mmol)の混合物を、35℃で30分に亘って加熱し、その後に室温に冷却し、かつセライト上で濾過し、蒸発させ(27.04g)およびバルブ−ツーバルブで蒸留することによって(オーブン温度、125゜/0.1mb)相当するアルデヒドがジアステレオマーの混合物として(約1:1)得られた(17.09g;GCによる80%純度)。生成物を、シクロヘキサン/AcOEt=95:5を用いてのカラムクロマトグラフィー(SiO(320g))により精製した。純度8:13.23g(収率50%)。
【0057】
【表8】

【0058】
標題化合物の製造
ヘキサン中のEtAlClの溶液(1M;22.52ml;22.52mmol)を、N下で、10分に亘って添加し、CHCl(100ml)中の工程2で得られたアルデヒドの冷却した(−15℃〜−5℃)撹拌溶液(5.0g;22.52mmol)に添加した。−5℃で30分に亘って撹拌した後に、反応混合物を撹拌下で、5%HCl、氷およびEtOを含有するエルレンマイヤーフラスコ中に注ぎ入れた。この相を分離し、かつ有機相を連続的にHO、飽和NaHCO水溶液および飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、かつ蒸発させた(5.01g、得られたナフタレノールの2個のジアステレオマー)。精製することなく、得られたナフタレノールを、アセトン(70ml)中で溶解させ、0℃で冷却し、かつJones試薬(2.5M;9.91ml;1.1等量)を用いて滴加処理した。緑色の懸濁液を1時間に亘って撹拌した後に、この反応混合物を撹拌下で、飽和NaHCO水溶液およびペンタンを含有するエルレンマイヤーフラスコ中に注ぎ入れた。この相を分離し、かつペンタンで3回に亘って再抽出し、かつ捕集された有機相を連続的に飽和NaHCO水溶液、5%NaOHおよび飽和NaCl溶液を用いて洗浄し、乾燥させ(NaSO)、かつ蒸発させた。生成物を、3回に亘ってシクロヘキサン/AcOEt=96:4を用いてのクロマトグラフィー(SiO(250g))によって精製し、70%の収率で標題ナフタレノンが得られた。
【0059】
【表9】

【0060】
例3
5,5,8a−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノンの合成
i)5,5,8aβ−トリメチル−1,2,3,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−1α−ナフタレノール
ヘキサン中のEtAlCl(1M;8.56ml;8.56mmol)の溶液を、N下で、CHCl(30ml)中の4−(2,6,6,−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)ブタナール(1.66g;8.56mmol)(M. P. Zink et al., HeIv. Chim. Acta 1976, 59, 32)の冷却された(−10℃)撹拌溶液に添加した。この反応混合物を、−8℃で1時間に亘って撹拌し、かつ撹拌下で5%HCl、氷およびEtO中に注ぎ入れた。この相を分離し、かつ有機相を連続的にHO(2×)で、飽和NaHCO水溶液および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、かつ蒸発させた(1.64g)。シクロヘキサン/AcOEt95:5を用いてのSiO(100g)上のフラッシュクロマトグラフィーにより、720mgのナフタレノール(純度94%;収率41%)が得られた。
【0061】
【表10】

【0062】
ii)5,5,8a−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノン
前記で得られたナフタレノール(303mg;94%純度;1.47mmol)を、アセトン(5ml)中で溶解し、0℃に冷却し、かつJones試薬(2.5M;0.70ml;1.76mmol)を用いて滴加処理した。緑色の懸濁液を0℃で15分に亘って撹拌した後に、反応混合物を5%NaOH中に注ぎ入れ、かつペンタンで抽出した。この相を分離し、かつペンタンで2回に亘って再抽出し、かつ水および塩水を用いて洗浄し、乾燥(NaSO)させ、かつ、蒸発させた(310mg)。生成物をバルブ−ツーバルブ蒸留し(オーブン温度、90℃/0.5mbar)、これにより好ましい化合物(純度95%、収率86%)が得られた。
【0063】
【表11】

【0064】
例4
香料組成物の製造
洗剤のためのミルキーフローラル型の香料組成物を、以下の成分を混合することにより製造した:
【表12】

*ジプロピレングリコール中
1)1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,1,2,3,3,−ペンタメチル−4−インデノン;出所:International Flavors & Fragrances, USA;
2)ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチル−ナフト[2,1−b]フラン;出所:Firmenich SA, Switzerland;
3)出所:Givaudan-Roure SA, Vernier, Switzerland;
4)3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール;出所:Firmenich SA, Switzerland;
5)1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン;出所:Firmenich SA, Switzerland;
6)メチル 2,2−ジメチル−6−メチレン−1−シクロヘキサンカルボキシレート;出所:Firmenich SA, Switzerland;
7)2−tert−ブチル−1−シクロヘキシルアセテート;出所:International Flavors & Fragrances, USA;
2α,5,5,8aβ−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノン400質量部を、前記香料組成物に添加することによって、当該組成物に強力なパウダリーイロンのコノテーションを付与し、顕著に増大したボリュームおよび甘さを備えた香りを提供した。
【0065】
2,5,5,8a−テトラメチル−6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(5H)−ナフタレノン400質量部を、前記香料組成物に添加することによって、ダマスコンが実際には存在しないにもかかわらず、クリアーなダマスコンの側面を有する香りを生じた。さらに、フローラルおよびウッディーのノートは、明らかに顕著になった。
【0066】
例5
香料組成物の製造
男性用オードトワレを以下の成分を、以下の成分を混合することにより製造した:
【表13】

【0067】
【表14】

*ジプロピレングリコール中
1)ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチル−ナフト[2,1−b]フラン;出所:Firmenich SA, Switzerland;
2)ペンタデセノリド;出所:Firmenich SA, Switzerland;
3)メチルジヒドロジャスモナート;出所:Firmenich SA, Switzerland;
4)メチルイオノン異性体混合物;出所:Firmenich SA, Switzerland;
5)3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパノール;出所:Firmenich SA, Switzerland;
6)4/3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド;出所:International Flavors & Fragrances, USA;
7)3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール;出所:Firmenich SA, Switzerland;
8)2−tert−ブチル−1−シクロヘキシルアセテート;出所:International Flavors & Fragrances, USA;
2α,5,5,8aβ−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノン400質量部を、前記オードトワレに添加することによって、当該組成物にウッディーのキャラクターを増進させた(exalted)。この効果は、蒸発時であっても認知可能であり、その間にこの香気はよりウッディー−パウダリーなものとなった。
【0068】
2,5,5,8a−テトラメチル−6,7,8,8a−テトラヒドロ−1(5H)−ナフタレノン 400質量部の添加は、オードトワレに、より顕著にウッディーであるがしかしながらフィフレント(fiffrent)な性質であり、よりエーテル様かつフローラルを付与した。このようにして得られた新規の香りは顕著にエアリアル(aerial)な側面を有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、点線は単結合または二重結合を示し、Rは水素原子またはメチル基を示し、かつRは水素原子またはメチル基またはエチル基を示す]のその立体異性体の任意の形での化合物またはこれらの混合物。
【請求項2】

【化2】

[式中、Rは前記意味を有し、好ましくは水素原子である]のその立体異性体の任意の形での請求項1に記載の化合物またはこれらの混合物。
【請求項3】
2α,5,5,8aβ−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノン、(2S,8aR)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,5,6,7,8,8A−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノン、(2R,8aS)−2,5,5,8a−テトラメチル−3,5,6,7,8,8A−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノン、2α,5,5,8aα−テトラメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノン、2,5,5,8a−テトラメチル−6,7,8,8a−テトラヒドロ−1(5H)−ナフタレノン、2α,6,5,5,8αβ−ペンタメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノンまたは5,5,8a−トリメチル−3,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−ナフタレノンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
i)香料成分として、請求項1に記載の少なくとも1種の式(I)の化合物;
ii)香料キャリアおよび香料ベースから成る群から選択される少なくとも1種の成分;および
iii)場合により、少なくとも1種の香料アジュバント:
を含有する香料組成物。
【請求項5】
i)香料成分として、請求項1に記載の少なくとも1種の式(I)の化合物および
ii)消費製品ベース;
を含有する賦香製品。
【請求項6】
消費製品ベースが固体または液体洗剤、衣料用柔軟剤、パヒューム、コロンまたはアフターシェイブローション、化粧石鹸、シャワーまたはバスソルト、ムース、オイルまたはジェル、衛生製品、ヘアケア製品、シャンプー、ボディケア製品、デオドラントまたは制汗剤、エアフレッシュナー、化粧品調製物、衣料用リフレッシュナー、アイロン用水、紙、布または漂白剤である、請求項5に記載の賦香製品。
【請求項7】
請求項1に記載の式(I)の化合物の香料成分としての使用。
【請求項8】
式(I)の化合物が、ウッディー、パウダリーおよび/またはイオノン型の香気を付与する、請求項7に記載の使用。

【公表番号】特表2009−501779(P2009−501779A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522104(P2008−522104)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052177
【国際公開番号】WO2007/010420
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(390009287)フイルメニツヒ ソシエテ アノニム (146)
【氏名又は名称原語表記】FIRMENICH SA
【住所又は居所原語表記】1,route des Jeunes, CH−1211 Geneve 8, Switzerland
【Fターム(参考)】