パターン形成方法
【課題】半導体装置等の製造に用いられるインプリントリソグラフィ方法において、パターン欠陥を低減することができるパターン形成方法を提供する。
【解決課題】パターンを有するテンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給し、硬化剤が供給されたテンプレートと被処理基板を接触させ、テンプレートと被処理基板を接触させた状態で光を硬化剤に照射することにより硬化剤を硬化し、硬化剤を硬化後、テンプレートを被処理基板から離して硬化剤パターンを被処理基板上に形成し、硬化剤パターンに基づき、被処理基板を加工することを特徴とするパターン形成方法。
【解決課題】パターンを有するテンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給し、硬化剤が供給されたテンプレートと被処理基板を接触させ、テンプレートと被処理基板を接触させた状態で光を硬化剤に照射することにより硬化剤を硬化し、硬化剤を硬化後、テンプレートを被処理基板から離して硬化剤パターンを被処理基板上に形成し、硬化剤パターンに基づき、被処理基板を加工することを特徴とするパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の製造工程、ハードディスクの製造工程、フォトアレイの製造工程などに用いられるパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や記録媒体等のパターン形成方法として光インプリントリソグラフィ法が提案されている。
【0003】
インプリントリソグラフィ法では、まず、インクジェット法により、光硬化樹脂の液滴を基板上の所望の位置に配置する。次に、基板と石英テンプレートを樹脂を介して接触させ、テンプレートに形成されている掘り込みパターン内に光硬化樹脂を充填する。次に、テンプレートを通して樹脂に光を照射し、樹脂を硬化させる。続いて、テンプレートを基板から離型し、エッチング等により基板上の樹脂の残膜を除去する。最後に、残膜が除去された樹脂パターンに基づいて基板を加工して、基板にパターンを形成する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、インクジェット法による光硬化樹脂の塗布には、ピコリットルオーダーの吐出量制御が求められる。テンプレートに形成されるテンプレートパターンの情報から、パターンの密度等に応じて基板上に塗出すべき光硬化樹脂の最適分布を計算し、吐出分布を制御される。
【0005】
テンプレートパターンへの光硬化樹脂の充填は、毛細管現象により進行する。テンプレートパターン内部に樹脂が充填される過程において、テンプレート内部に密閉された気体(プロセス雰囲気)は光硬化樹脂に拡散、溶解する。これにより、テンプレートパターン内に樹脂が完全に充填される。
【0006】
しかし、溶媒である光硬化樹脂の量は前述の塗出分布で決定されているため、テンプレートパターン内部の気体が光硬化樹脂に完全に溶解するために必要な樹脂量がテンプレートパターン近傍に存在しない場合に、前述の未充填欠陥が生じる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−88376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、半導体装置等の製造に用いられるインプリントリソグラフィ方法において、パターン欠陥を低減することができるパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係るパターン形成方法は、パターンを有するテンプレートの前記パターンに選択的に硬化剤を供給する工程と、前記硬化剤が供給されたテンプレートと被処理基板を接触させる工程と、前記テンプレートと前記被処理基板を接触させた状態で光を前記硬化剤に照射することにより前記硬化剤を硬化する工程と、前記硬化剤を硬化後、前記テンプレートを前記被処理基板から離して硬化剤パターンを前記被処理基板上に形成する工程と、前記硬化剤パターンに基づき、前記被処理基板を加工する工程と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、半導体装置等の製造に用いられるインプリントリソグラフィ方法において、パターン欠陥を低減することができるパターン形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係るパターン形成方法を実施するためのインプリント装置の概略図。
【図2】第1の実施形態に係るパターン形成方法を説明する工程図。
【図3】第1の実施形態に係るパターン形成方法で用いられるスリットノズルの説明図。
【図4】第2の実施形態に係るパターン形成方法を実施するためのインプリント装置の概略図。
【図5】第2の実施形態に係るパターン形成方法を説明する工程図。
【図6】第3の実施形態に係るパターン形成方法を説明する工程図。
【図7】第4の実施形態に係るパターン形成方法を説明する工程図。
【図8】第4の実施形態に係るパターン形成方法を説明する工程図。
【図9】第5の実施形態に係るパターン形成方法を説明する工程図。
【図10】第5の実施形態に係るパターン形成方法を説明する工程図。
【図11】第7の実施形態に係るパターン形成方法における気泡除去工程の説明図。
【図12】第8の実施形態に係るパターン形成方法におけるテンプレート撥水化処理工程の説明図。
【図13】第9の実施形態に係るパターン形成方法におけるテンプレート親水化処理工程の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る光インプリント法を実施するためのインプリント装置を、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るパターン形成方法に用いるインプリント装置の概略構成図である。
【0014】
図1に示すように、インプリント装置100は、被処理基板200の主面(被パターン形成面)を上に向けて固定する被処理基板チャック104と、これを3次元的に移動させるための被処理基板用ステージ103と、スリットノズル108上に光硬化剤を供給する光硬化剤塗布手段105と、凹部パターンが形成されたインプリント用テンプレート300を凹部パターン形成面が下方に向くように保持するテンプレート保持手段107と、テンプレート300の凹部パターン内に硬化剤を充填するため、テンプレート凹部パターン形成面に対して硬化剤を接触させつつ相対移動するスリットノズル108と、テンプレート300を介して光硬化剤を硬化するための光を照射する光源(例えば、UVランプ)106と、テンプレート上に残留した硬化剤を除去するためのクリーニングノズル109と、を具備している。インプリント用のテンプレート300は、透明な石英基板にプラズマエッチングで凹部パターンが形成されたもの等である。なお、被処理基板200及びテンプレート300は、図1の装置100を利用する際に装置内部にセットされるものであり、本装置100の構成には含まれない。また、クリーニングノズル109は省略可能である。
【0015】
続いて、本実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を、図2(a)〜図2(f)を参照して説明する。図2(a)〜図2(f)は、本実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を示す工程図である。なお、図2(a)及び図2(b)における、上図は工程平面図であり、下図は工程断面図であり、それぞれの位置関係が対応している。図2(c)〜図2(f)は、工程断面図である。
【0016】
まず、図2(a)に示すように、図1に示したインプリント装置のスリットノズル108に光硬化剤塗布手段105(図示を省略)から硬化剤を供給し、硬化剤のパドル(液溜)201を形成する。テンプレート300のパターン301が形成された面は下方を向き、スリットノズル108の上方に形成された硬化剤パドル201と相対させる。ここで、パドル201の長さ、幅、高さは、それぞれ26mm、3mm、1mm程度であり、液量は約80nlである。テンプレート300表面のパターン301は、26mm×33mmの領域に形成されている。供給する光硬化剤201の液量は、硬化剤201を充填すべきテンプレートパターン301の総体積と同じ体積のプロセス雰囲気(パターン301内部の雰囲気)が完全に溶解可能な液量以上に設定される。例えば、パターン開口率25%、パターン深さ100nmのテンプレートに対して、プロセス雰囲気の飽和溶解量が10ml/lである光硬化剤201を使用する場合、21.45nl以上の液量のパドルを使用する。
【0017】
次に、図2(b)に示すように、スリットノズル108上のパドル201をテンプレート300のパターン面に接触させつつ、スリットノズル108をテンプレート300との平行を保ちながらテンプレート300のパターンエリアに対してスキャンする。この際、スリットノズル108及びテンプレート300のいずれか、あるいはそれら両方を移動させることで、スリットノズル108をテンプレート300に対して相対移動する。ここで、離型処理が施された石英テンプレート300に対する硬化剤201の静止接触角は70°前後である。
【0018】
パドル201とテンプレートパターン301が接触すると、毛細管現象により瞬時にパターン301内に硬化剤201が進入し、充填が完了する。テンプレートパターン301内にプロセス雰囲気が一時封入されても、硬化剤パドル201で封止されたプロセス雰囲気は100μm/s程度の速度で硬化剤201中に拡散、溶解する。このため、硬化剤201がパターン301内に十分に充填されないことによる欠陥に至ることはない。
【0019】
図3に、スキャン時のスリットノズル108に形成される硬化剤201の様子を示す。図3の上図はスリットノズル108の平面図、下図はスリットノズル108の断面図である。スリットノズル108には、硬化剤201の給液ライン109及び廃液ライン110が接続されている。図3(a)に示すように、スキャン開始前には、硬化剤201が光硬化剤塗布手段105(図示を省略)から給液ライン110を通してスリットノズル108に供給される。図3(b)及び図3(c)に示すように、スキャン中には、スリットノズル108上の硬化剤201へプロセス雰囲気が溶解されていく。図3(d)に示すように、スキャン終了後、スリットノズル108の硬化剤201の残液は廃液ライン111からすべて排出される。次のスキャン開始時には、図3(a)に示すように、新たな硬化剤201が供給される。このため、硬化剤201へのプロセス雰囲気の拡散、溶解性能は常に安定しており、パターン欠陥を安定して防止することができる。
【0020】
テンプレートパターン301以外の領域の一部に不要な光硬化剤201が残留した場合、図2(c)に示すように、クリーニングノズル109をテンプレート300の表面に対してスキャンすることで、不要な硬化剤201を除去することができる。クリーニングノズル109は、N2ガスの吹き出し口と吸い込み口を備えており、スキャン時には、吹き出し口から残留する光硬化剤201にN2ガスを吹き付け、吸い込み口から硬化剤201とN2ガスを吸い込むことで、残留硬化剤201を除去することができる。なお、このクリーニングノズル109を用いたクリーニング工程は、不要な硬化剤201の残留がなければ、省略することができる。
【0021】
続いて、テンプレートパターン301に硬化剤201を充填したのち、図2(d)に示すように、テンプレート300と基板200表面を平行に保持しながら徐々に接近させ接触させ、基板と密着させる。
【0022】
続いて、図2(e)に示すように、テンプレート300を介して光硬化剤201にUV光を照射して光硬化させる。
【0023】
最後に、図2(f)に示すように、テンプレート300を基板200から離型し、硬化剤パターン202を形成する。
【0024】
さらに、硬化剤パターンを形成後、硬化剤パターンをマスクに、基板200を加工することにより、基板200にパターンを形成することができる。
【0025】
本実施形態に係るパターン形成方法によれば、テンプレート300のパターン301に硬化剤を選択的に供給することで硬化剤201の未充填を防ぐことができるので、硬化剤パターン202の欠陥を低減することができる。
【0026】
なお、本実施形態に係るパターン形成方法では、テンプレート300のパターン面を、鉛直下方を向くように保持し、スリットノズル108の鉛直上方に硬化剤パドル201を供給する配置を記載したが、テンプレート300のパターン301面を鉛直上方を向くように保持し、スリットノズル108の鉛直下方に硬化剤パドル201を形成するような配置で実施することもできる。この場合、装置100の構成において、テンプレート保持手段107が、テンプレートパターン面が上方を向くようにテンプレート300を保持する。
【0027】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る光インプリント法を実施するためのインプリント装置を、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るインプリント法を実施するためのインプリント装置の概略図である。
【0028】
図4に示すインプリント装置400は、被処理基板500の主面(被パターン形成面)を下方に向けて固定する被処理基板チャック404と、これを3次元的に移動させるための被処理基板用ステージ403、テンプレート600の凹凸パターンに選択的に光硬化材料を供給する光硬化剤塗布手段405と、インプリント用テンプレート600を凹部パターン形成面が上方に向くように保持するテンプレート保持手段407と、テンプレート600に塗布された光硬化剤をパターン内に充填するためのスキージ408と、テンプレートを介して光硬化剤を硬化するための光を照射する光源406(例えばUVランプなど)と、不要な硬化剤を除去するためのクリーニングノズル409と、を具備している。インプリント用のテンプレート600は、透明な石英基板にプラズマエッチングで凹凸のパターンが形成されたもの等である。なお、被処理基板500及びテンプレート600は、図10の装置400を利用する際に装置内部にセットされるものであり、本装置400の構成には含まれない。また、クリーニングノズル409は省略可能である。図1に示すインプリント装置と異なる点は、被処理基板500の主面が下方に向くように保持されている点、スリットノズル108の代わりにスキージ408が搭載されている点である。
【0029】
続いて、本実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を、図5(a)〜図5(c)を参照して説明する。図5(a)〜図5(c)は、本実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を示す工程図である。なお、図5(a)、図5(b)における、上図は工程平面図であり、下図は工程断面図であり、それぞれの位置関係が対応している。図5(c)は、工程断面図である。
【0030】
まず、図5(a)に示すように、テンプレート600の掘り込みパターン601が形成された領域外のパターン隣接領域に光硬化剤塗布手段405(図示を省略)から光硬化剤501を吐出し、直線状に硬化剤液滴501を並べる。ここで、液滴501の量は500nl/ドット、滴下数は7ドット、滴下ピッチは4.3mmである。滴下した光硬化樹脂501の総量は3.5ulになる。
【0031】
テンプレート600表面の掘り込みパターン601は、26mm×33mmの領域に形成されている。供給する光硬化剤501の総液量は、テンプレート600に形成した掘り込みパターン601の総体積以上に設定する。
【0032】
次に、図5(b)に示すように、剣スキージ408により液滴501をテンプレート600表面に沿って相対移動させる。移動開始直後に液滴501は互いに結合し、スリット状のパドル(液溜まり)501を形成する。パドル(液溜まり)501はテンプレート600に接触しつつ、スキージ408によりテンプレート600に対して相対移動する。テンプレート600の掘り込みパターン形成領域をスキャンすると、毛細管現象により瞬時にパターン601内に硬化剤501が進入し充填が完了する。スキャンが終了後、スリット状パドルの残液501は、装置400に設置された回収機構によりテンプレート表面から完全に除去される。なお、第1の実施形態と同様、クリーニングノズル409をスキャンすることで、残留液滴501を除去することも可能である。
【0033】
次に、図5(c)に示すように、テンプレート600と基板500を平行に保持しながら徐々に接近させ接触させ、テンプレート600と基板500とを密着させる。
【0034】
その後は、図2(e)及び図2(f)に示す工程と同様、テンプレート600を介して光硬化剤501に光を照射して光硬化させ、テンプレート600を基板500から離型して、基板500上に光硬化剤パターンを形成する。さらに、光硬化剤パターンをマスクに基板500を加工して、基板500にパターンを形成する。
【0035】
本実施形態に係るパターン形成方法によれば、テンプレート600のパターン601に硬化剤501を選択的に供給することで硬化剤501の未充填を防ぐことができるので、硬化剤パターンの欠陥を低減することができる。
【0036】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を、図6(a)〜図6(c)を参照して説明する。図6(a)〜図6(c)は、本実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を示す工程図である。なお、図6(a)、図6(b)における、上図は工程平面図であり、下図は工程断面図であり、それぞれの位置関係が対応している。図6(c)は、工程断面図である。
【0037】
なお、本実施形態に係るインプリント法を実施するためのインプリント装置は、図4に示すインプリント装置とほぼ同様の構成であり図示を省略するが、テンプレート保持機構407が、保持されているテンプレートを回転させることができるように構成されている点、スキージ408が備えられていない点で異なる。
【0038】
まず、図6(a)に示すように、テンプレート800を回転させながら、テンプレート800表面の掘り込みパターン801が形成された領域の中央付近に硬化剤塗布手段(硬化剤塗布ノズル)805から、光硬化剤701を吐出し、回転塗布を行う。硬化剤液701が、テンプレート800に接触しつつ、塗布地点からテンプレート800の外周方向へ相対移動し、テンプレート800の掘り込みパターン801領域を通過する際、毛細管現象により瞬時にパターン801内に硬化剤液701が進入し充填が完了する。
【0039】
次に、図6(b)に示すように、硬化剤塗布ノズル805からの硬化剤液701の供給を停止後、テンプレート800の回転を継続することで掘り込みパターン801以外に付着した硬化剤液701をテンプレート800から完全に除去する。その際、テンプレート800の表面に残存した硬化剤液701は、回転による遠心力によりテンプレート800の外周方向へ移動し、さらにテンプレート外部へ移動する。その後、テンプレート800の回転を停止する。
【0040】
次に、図6(c)に示すように、テンプレート800と基板700を平行に保持しながら徐々に接近させ接触させ、テンプレート800と基板700とを密着させる。
【0041】
その後は、図2(e)及び図2(f)に示す工程と同様、テンプレート800を介して光硬化剤701に光を照射して光硬化させ、テンプレート800を基板700から離型して、基板700上に光硬化剤パターンを形成する。さらに、光硬化剤パターンをマスクに基板700を加工して、基板700にパターンを形成する。
【0042】
本実施形態に係るパターン形成方法によれば、回転塗布により、テンプレートパターン801内のプロセス雰囲気が溶解するのに必要な量の硬化剤501をテンプレートに塗布することができる。テンプレート800のパターン801に硬化剤701を選択的に供給することで硬化剤501の未充填を防ぐことができ、硬化剤パターンの欠陥を低減することができる。
【0043】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を、図7(a)〜図7(e)、図8(a)〜(e)を参照して説明する。図7(a)〜(e)、図8(a)〜(e)は、第4の実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を説明する工程断面図である。図7(a)〜(e)は、テンプレートのパターン面を下方、被処理基板を上方に向けて保持して被処理基板上にパターンを形成する方法を示しており、図8(a)〜(e)は、テンプレートのパターン面を下方、被処理基板を上方に向けて保持して被処理基板上にパターンを形成する方法を示している。
【0044】
まず、図7(a)、図8(a)に示すように、テンプレート1000に形成されたパターン1001内に光硬化剤901を充填する。ここでの充填方法は、第1乃至第3の実施形態に係るパターン形成方法で説明したような方法、すなわち、スリットノズル、スキージ、回転塗布を利用した充填方法のいずれかを利用することができる。スリットノズルを用いた硬化剤901の充填方法では、図7(a)のように、テンプレート1000のパターン形成面が下方、被処理基板900が上方に向けられて保持される。一方、スキージや回転塗布を用いた硬化剤901の充填方法では、図8(a)のように、テンプレート1000のパターン形成面が上方に、被処理基板900が下方に向けられて保持される。
【0045】
続いて、テンプレート1000のパターン形成面が下方に向けられている場合には、図7(b)に示すように、インクジェット法によりテンプレート1000下方に保持された基板900上に光硬化剤901を最適な分布で滴下する。あるいは、図7(b’)に示すように、回転塗布法により、ノズル1002から基板900上に膜状の硬化剤901を形成してもよい。なお、基板900上への硬化剤901の形成は、テンプレート1000のパターンに硬化剤を充填する工程より前に行ってもよい。
【0046】
一方、テンプレート1000のパターン形成面が上方に向けられている場合には、図8(b)に示すように、ノズル1002からインクジェット法によりテンプレート1000のパターン形成面上に光硬化剤901を最適な分布で滴下する。あるいは、図8(b’)に示すように、回転塗布法により、ノズル1002からテンプレート1000のパターン形成面上に膜状の硬化剤901を形成してもよい。それらの結果、硬化剤901はテンプレート1000のパターン外部の表面上に形成される。
【0047】
このとき、掘り込みパターン1001内部には既に硬化剤901が充填されているため、硬化剤901の滴下分布は使用するテンプレート1000の掘り込みパターン(形状、サイズ、深さ、密度など)に依存しない。総滴下量は、テンプレート1000と基板900とを接触させた際に生じる硬化剤901の残膜(RLT)が、所望の膜厚となるように調整してある。例えば、RLT膜厚として15nmを得るには、総滴下量を約13nlにする。
【0048】
次に、図7(c)又は図8(c)に示すように、被処理基板900とテンプレート1000を相対移動させて、被処理基板900とテンプレート1000とを硬化剤901を介して密着させる。このとき、テンプレート1000または基板900の表面に形成した硬化剤液滴901の頭頂部がテンプレートに最初に接触する。接触と同時に毛細管現象による毛管力が働き、基板表面とテンプレート表面に形成された隙間に沿って硬化剤液901が広がり基板900とテンプレート1000が自動的に密着する。この際、被処理基板900とテンプレート1000の界面には硬化剤901の残膜が形成される。
【0049】
続いて、図7(d)又は図8(d)に示すように、テンプレート1000を介して光硬化樹脂901にUV光を照射して光硬化させる。
【0050】
さらに、図7(e)又は図8(e)に示すように、テンプレート1000を基板200から離型し、硬化剤パターン902を形成する。
【0051】
さらに、図7(f)又は図8(f)に示すように、硬化剤パターン902の残膜をエッチングにより除去したのち、硬化剤パターンをマスクに、基板900を加工することにより、基板900にパターンを形成することができる。
【0052】
本実施形態に係るパターン形成方法によれば、前述の実施形態に係るパターン形成方法と同様、テンプレート1000のパターン1001に充填される硬化剤901の未充填を防ぐことができるので、硬化剤パターンの欠陥を低減することができる。
【0053】
(第5の実施形態)
第5の実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を、図9(a)〜図9(d)及び図10(a)〜図10(d)を参照して説明する。図9(a)〜(d)及び図10(a)〜図10(d)は、第5の実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を説明する工程断面図である。図9(a)〜(d)は、テンプレートのパターン形成面を下方、被処理基板を上方に向けて保持して被処理基板上にパターンを形成する方法を示しており、図10(a)〜(d)は、テンプレートのパターン形成面をを下方、被処理基板を上方に向けて保持して被処理基板上にパターンを形成する方法を示している。
【0054】
まず、図9(a)、図10(a)に示すように、テンプレート1300に形成されたパターン1301内に光硬化剤1201を充填する。ここでの充填方法は、第1乃至第3の実施形態に係るパターン形成方法で説明したような方法、すなわち、スリットノズル、スキージ、回転塗布を利用した充填方法のいずれかを利用することができる。図9(a)のように、スリットノズルを用いた硬化剤1201の充填方法では、テンプレート1300のパターン形成面が下方、被処理基板1200が上方に向けられて保持される。一方、図10(a)のように、スキージや回転塗布を用いた硬化剤1201の充填方法では、テンプレート1300のパターン形成面が上方に、被処理基板1200が下方に向けられて保持される。供給する光硬化剤1201の液量は、テンプレート1300に形成した掘り込みパターン1301の総体積と同じ体積のプロセス雰囲気が完全に溶解可能な液量以上に設定してある。また、必要であれば、第1の実施形態等と同様、充填後に生じた余分な硬化剤1201をクリーニングノズルにより除去する。
【0055】
本実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法では、この硬化剤1201の充填工程の際、テンプレート1300の少なくともパターン形成面が−25℃に保持されている。硬化剤1201をテンプレート1300に接触させる前に、テンプレート1300の温度が−25℃に保持されていることが好ましい。テンプレート1300の温度を調整した後、テンプレート1300をインプリント装置に設置してもよいし、インプリント装置内に設けられた温度調整手段によりテンプレート1300の温度を調整してもよい。
【0056】
硬化剤1201の充填が完了したのち、図9(b)、図10(b)に示すように、テンプレートのパターン面近傍に配置したホットプレート等の加熱装置1202を用いて、テンプレート1300の温度を室温、例えば25℃まで上昇させる。これにより、図9(c)、図10(c)に示すように、パターン1301の内部に充填された硬化剤1201の体積が1%程度膨張し、テンプレート1300のパターン面に対して硬化剤1201の表面が盛り上がる。
【0057】
なお、加熱装置1202は、インプリント装置内に保持されるテンプレート1300の近傍に設置されており、図9(b)、図10(b)のように保持されたテンプレート1300のパターン面側近傍に設けられてもよいし、あるいは、テンプレートのパターン面と反対の面側近傍に設けられていてもよい。また、図9(b)、図10(b)では、加熱装置1202を用いたが、加熱装置を用いずに、一定時間室温で保持することにより、テンプレート1300及び硬化剤1201の温度を上昇させてもよい。
【0058】
続いて、図9(d)、図10(d)に示すように、テンプレート1300のパターン形成面と基板1200を平行に保持しながら徐々に接近させ接触させ、テンプレート1300と基板1200とを密着させる。
【0059】
その後、前述の第1の実施形態等と同様、テンプレート1300を介して光硬化剤1201に光を照射して光硬化させる。硬化剤1201を十分に硬化させた後、テンプレート1300を基板1200から離型して、基板1200上に硬化剤パターンを形成する。さらに、硬化剤パターンをマスクに、基板1200を加工して、基板1200にパターンを形成する。
【0060】
本実施形態に係るパターン形成方法によれば、テンプレート1300のパターン1301に充填される硬化剤1201の未充填を防ぐことができるので、硬化剤パターンの欠陥を低減することができる。
【0061】
また、本実施形態に係るパターン形成方法によれば、基板側に光硬化剤層を形成しなくても、基板とテンプレートに充填された硬化剤が接触しやすくなり、転写欠陥を低減することができる。
【0062】
(第6の実施形態)
本実施形態に係るパターン形成方法を説明する。本実施形態に係るパターン形成方法は、前述または後述の各実施形態に係るインプリント法を用いたパターン形成方法等、すなわち、テンプレート基板の凹部に選択的に硬化剤を充填するパターン形成方等において、硬化剤に撥水性添加剤を含有したことを特徴とする。その他の構成・方法は、他の実施形態に係るパターン形成方法と同様であるので、説明を省略する。
【0063】
硬化剤に添加する撥水性添加剤としては、フッ素を含有した界面活性剤などを用いることができる。界面活性剤の種類としては脂肪酸系、直鎖アルキルベンゼン系、高級アルコール系、アルファオレフィン系、ノルマルパラフィン系、アルキルフェノール系、アミノ酸系、ベタイン系、アミンオキシド系、第四級アンモニウム塩系などから選択されることが望ましい。
【0064】
スリットノズルやスキージを用いて、あるいは、回転塗布法により、テンプレートに対して硬化剤を接触させつつ相対的に移動させてテンプレートパターンに硬化剤を充填する際、撥水性添加剤を含有した硬化剤を用いることで、テンプレートに対する硬化剤の後退接触角を大きくすることができる。たとえば、後退接触角を30°以上とすることができる。これにより、硬化剤がパターン以外のテンプレート部分に残留しにくくなり、さらには離型時の離型性が向上するため、欠陥を低減することができる。
【0065】
なお、撥水性添加剤を含まなくともテンプレートに対する後退接触角が大きい(例えば、30°以上)硬化剤であれば、前述の効果を得ることができる。
【0066】
(第7の実施形態)
本実施形態に係るパターン形成方法を、図11を参照して説明する。本実施形態に係るパターン形成方法は、前述または後述の各実施形態に係るインプリント法を用いたパターン形成方法、すなわち、テンプレート基板に対して硬化剤を接触させつつ相対移動させて、硬化剤をテンプレートパターンに充填するパターン形成方法において、テンプレートパターンに充填された硬化剤中または硬化剤とテンプレートの界面に発生した気泡を除去することを特徴とする。その他の構成・方法は、他の実施形態に係るパターン形成方法と同様であるので、説明を省略する。
【0067】
図11は、本実施形態に係るパターン形成方法における気泡除去工程を説明する図である。図11に示すように、本実施形態に係るパターン形成方法における気泡除去工程では、テンプレート1500のパターン1501に対して硬化剤1401を接触させつつ相対的に移動させることで硬化剤1401を充填した後、基板1400とテンプレート1500を接着させる前、テンプレート1500周辺のプロセス雰囲気を真空ポンプ1502で排出し、硬化剤1401内の気泡を除去する。特に、テンプレート1500のパターン形成面を上方に向けて硬化剤を充填する場合、例えば前述の実施形態のようにスキージを用いて硬化剤1401を充填する場合には、硬化剤1401内あるいは硬化剤1401とテンプレート1500の界面に気泡が発生しやすいので、真空ポンプによる圧力制御により大きな気泡除去効果が得られる。また、テンプレート1500のパターン外部の表面上に硬化剤1401を塗布する場合は、その塗布工程前に、気泡除去を実施することが好ましい。
【0068】
真空ポンプ1502は、インプリント装置内に設置されており、装置内に保持されたテンプレート1500及びテンプレート1500の周辺雰囲気(供給された硬化剤1401の周辺の雰囲気)を囲うような容器1503を有し、容器1503内の気体を排出あるいは容器1503内へ気体を導入することで、容器1503内の圧力を調整することができる。
【0069】
真空ポンプ1502を用いて容器1503内の気体を排出することにより、容器1503内、すなわち供給された硬化剤1401の周辺の雰囲気が減圧され、充填された硬化剤1401内あるいは硬化剤1401とテンプレート1500の界面に生じた微小な気泡(プロセス雰囲気)が脱泡される。これにより、硬化剤1401の欠陥及び硬化剤に形成されるパターンの欠陥を防止することができる。
【0070】
なお、前述または後述の各実施形態に係るテンプレートパターンに選択的に硬化剤を供給するパターン形成方法以外であっても、テンプレート基板に対して硬化剤を接触させつつ相対移動させて、硬化剤をテンプレートパターンに充填するパターン形成方法であれば、本実施形態に係る気泡除去工程を適用できる。
【0071】
(第8の実施形態)
本実施形態に係るパターン形成方法を、図12を参照して説明する。本実施形態に係るパターン形成方法は、前述または後述の各実施形態に係るインプリント法を用いたパターン形成方法、すなわち、テンプレート基板の凹部に選択的に硬化剤を充填するパターン形成方法において、テンプレートに撥水化処理を施すことを特徴とする。その他の構成・方法は、他の実施形態に係るパターン形成方法と同様であるので、説明を省略する。
【0072】
図12は、本実施形態に係るパターン形成方法における撥水化処理工程を説明する図である。図12に示すように、本実施形態に係るパターン形成方法における撥水化処理工程では、テンプレート1700をチャンバー内1701に保持して、室温でドライ窒素ガス(N2)によりバブリングしたヘキサメチルジシラザン(HMDS)1702をチャンバー1701内に導入し,テンプレート1700をHMDS雰囲気に60秒間晒すことでテンプレート1700表面を撥水化した。テンプレートに硬化剤を塗布する前、あるいは、基板上に塗布された硬化剤にテンプレートを接触させる前に、テンプレートを撥水化させることが好ましい。
【0073】
撥水化処理の前後でテンプレート1700に対する純水の接触角は約20°から60°まで上昇した。なお、本実施形態に係るパターン形成方法における撥水性処理剤としては、HMDSに限定されず、シリコンを含有しないフッ素系化合物であることが望ましい。
【0074】
スリットノズルやスキージを用いて、あるいは、回転塗布法により、テンプレートに対して硬化剤を接触させつつ相対的に移動させてテンプレートパターンに硬化剤を充填する際、テンプレートに撥水化処理を施しておくことで、テンプレートに対する硬化剤の後退接触角を大きくすることができる。たとえば、後退接触角を30°以上とすることができる。これにより、硬化剤がパターン以外のテンプレート部分に残留しにくくなり、さらには離型時の離型性が向上するため、欠陥を低減することができる。
【0075】
なお、テンプレート材料を適宜選択することにより、テンプレートに対する硬化剤の後退接触角を大きくする(例えば、30°以上)ことができれば、テンプレートを撥水化処理しなくともよい。そのようなテンプレートを用いることで前述の効果を得ることができる。
【0076】
(第9の実施形態)
本実施形態に係るパターン形成方法を、図13を参照して説明する。本実施形態に係るパターン形成方法は、前述または後述の各実施形態に係るインプリント法を用いたパターン形成方法、すなわち、テンプレート基板の凹部に選択的に硬化剤を充填するパターン形成方法において、テンプレートのパターン内部の底面及び側面部を親水化することを特徴とする。その他の構成・方法は、他の実施形態に係るパターン形成方法と同様であるので、説明を省略する。
【0077】
図13は、本実施形態に係るパターン形成方法における親水化処理工程を説明する図である。この親水化処理工程では、まず、図13(a)に示すように、ALD(Atomic Layer Deposition)法により、テンプレート1900のパターン1901が形成された面に金属膜、金属酸化膜、金属窒化膜のいずれかの親水性の金属含有膜1902を形成する。金属含有膜1902は、Si、Ti及びAlのいずれか一つの金属を含む膜であることが望ましい。なお、この親水化処理工程は、テンプレート1900のパターン1901内部に硬化剤を充填する前であれば、いつでも実施することができる。
【0078】
続いて、図13(b)に示すように、CMP法を用いて、テンプレート1900の金属含有膜1902を研磨除去する。これにより、テンプレート1900の表面を露出させるとともに、テンプレート1900のパターン1901内部の底面及び側面に選択的に金属含有膜1902を形成する。さらに、その後、第8の実施形態で説明したようなテンプレート1900のパターン1901形成面の撥水化処理を行ってもよい。
【0079】
その後、他の実施形態と同様の方法により、親水性の金属含有膜1902が形成されたテンプレート1900を用いて、硬化剤パターンを形成する。
【0080】
本実施形態に係るパターン形成方法では、テンプレートパターン内部を親水化することにより、テンプレートパターン内部のみ硬化剤の接触角を低減することができるため、毛管力が強まり、充填性が向上する。一方、テンプレート表面はテンプレートパターン内部に対して相対的に撥水性であり、硬化剤がパターン以外の部分に残留しにくくなり、パターン転写時の欠陥を低減することができる。
【符号の説明】
【0081】
200、500、700、900、1200・・・被処理基板
300、600、800、1000、1300、1500、1700、1900・・・テンプレート
301、601、801、1001、1301、1501、1901・・・テンプレートパターン
201、501、701、901、1201、1401・・・硬化剤
202、902・・・硬化剤パターン
108・・・スリットノズル
109・・・スキージ
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の製造工程、ハードディスクの製造工程、フォトアレイの製造工程などに用いられるパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や記録媒体等のパターン形成方法として光インプリントリソグラフィ法が提案されている。
【0003】
インプリントリソグラフィ法では、まず、インクジェット法により、光硬化樹脂の液滴を基板上の所望の位置に配置する。次に、基板と石英テンプレートを樹脂を介して接触させ、テンプレートに形成されている掘り込みパターン内に光硬化樹脂を充填する。次に、テンプレートを通して樹脂に光を照射し、樹脂を硬化させる。続いて、テンプレートを基板から離型し、エッチング等により基板上の樹脂の残膜を除去する。最後に、残膜が除去された樹脂パターンに基づいて基板を加工して、基板にパターンを形成する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、インクジェット法による光硬化樹脂の塗布には、ピコリットルオーダーの吐出量制御が求められる。テンプレートに形成されるテンプレートパターンの情報から、パターンの密度等に応じて基板上に塗出すべき光硬化樹脂の最適分布を計算し、吐出分布を制御される。
【0005】
テンプレートパターンへの光硬化樹脂の充填は、毛細管現象により進行する。テンプレートパターン内部に樹脂が充填される過程において、テンプレート内部に密閉された気体(プロセス雰囲気)は光硬化樹脂に拡散、溶解する。これにより、テンプレートパターン内に樹脂が完全に充填される。
【0006】
しかし、溶媒である光硬化樹脂の量は前述の塗出分布で決定されているため、テンプレートパターン内部の気体が光硬化樹脂に完全に溶解するために必要な樹脂量がテンプレートパターン近傍に存在しない場合に、前述の未充填欠陥が生じる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−88376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、半導体装置等の製造に用いられるインプリントリソグラフィ方法において、パターン欠陥を低減することができるパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係るパターン形成方法は、パターンを有するテンプレートの前記パターンに選択的に硬化剤を供給する工程と、前記硬化剤が供給されたテンプレートと被処理基板を接触させる工程と、前記テンプレートと前記被処理基板を接触させた状態で光を前記硬化剤に照射することにより前記硬化剤を硬化する工程と、前記硬化剤を硬化後、前記テンプレートを前記被処理基板から離して硬化剤パターンを前記被処理基板上に形成する工程と、前記硬化剤パターンに基づき、前記被処理基板を加工する工程と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、半導体装置等の製造に用いられるインプリントリソグラフィ方法において、パターン欠陥を低減することができるパターン形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係るパターン形成方法を実施するためのインプリント装置の概略図。
【図2】第1の実施形態に係るパターン形成方法を説明する工程図。
【図3】第1の実施形態に係るパターン形成方法で用いられるスリットノズルの説明図。
【図4】第2の実施形態に係るパターン形成方法を実施するためのインプリント装置の概略図。
【図5】第2の実施形態に係るパターン形成方法を説明する工程図。
【図6】第3の実施形態に係るパターン形成方法を説明する工程図。
【図7】第4の実施形態に係るパターン形成方法を説明する工程図。
【図8】第4の実施形態に係るパターン形成方法を説明する工程図。
【図9】第5の実施形態に係るパターン形成方法を説明する工程図。
【図10】第5の実施形態に係るパターン形成方法を説明する工程図。
【図11】第7の実施形態に係るパターン形成方法における気泡除去工程の説明図。
【図12】第8の実施形態に係るパターン形成方法におけるテンプレート撥水化処理工程の説明図。
【図13】第9の実施形態に係るパターン形成方法におけるテンプレート親水化処理工程の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る光インプリント法を実施するためのインプリント装置を、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るパターン形成方法に用いるインプリント装置の概略構成図である。
【0014】
図1に示すように、インプリント装置100は、被処理基板200の主面(被パターン形成面)を上に向けて固定する被処理基板チャック104と、これを3次元的に移動させるための被処理基板用ステージ103と、スリットノズル108上に光硬化剤を供給する光硬化剤塗布手段105と、凹部パターンが形成されたインプリント用テンプレート300を凹部パターン形成面が下方に向くように保持するテンプレート保持手段107と、テンプレート300の凹部パターン内に硬化剤を充填するため、テンプレート凹部パターン形成面に対して硬化剤を接触させつつ相対移動するスリットノズル108と、テンプレート300を介して光硬化剤を硬化するための光を照射する光源(例えば、UVランプ)106と、テンプレート上に残留した硬化剤を除去するためのクリーニングノズル109と、を具備している。インプリント用のテンプレート300は、透明な石英基板にプラズマエッチングで凹部パターンが形成されたもの等である。なお、被処理基板200及びテンプレート300は、図1の装置100を利用する際に装置内部にセットされるものであり、本装置100の構成には含まれない。また、クリーニングノズル109は省略可能である。
【0015】
続いて、本実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を、図2(a)〜図2(f)を参照して説明する。図2(a)〜図2(f)は、本実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を示す工程図である。なお、図2(a)及び図2(b)における、上図は工程平面図であり、下図は工程断面図であり、それぞれの位置関係が対応している。図2(c)〜図2(f)は、工程断面図である。
【0016】
まず、図2(a)に示すように、図1に示したインプリント装置のスリットノズル108に光硬化剤塗布手段105(図示を省略)から硬化剤を供給し、硬化剤のパドル(液溜)201を形成する。テンプレート300のパターン301が形成された面は下方を向き、スリットノズル108の上方に形成された硬化剤パドル201と相対させる。ここで、パドル201の長さ、幅、高さは、それぞれ26mm、3mm、1mm程度であり、液量は約80nlである。テンプレート300表面のパターン301は、26mm×33mmの領域に形成されている。供給する光硬化剤201の液量は、硬化剤201を充填すべきテンプレートパターン301の総体積と同じ体積のプロセス雰囲気(パターン301内部の雰囲気)が完全に溶解可能な液量以上に設定される。例えば、パターン開口率25%、パターン深さ100nmのテンプレートに対して、プロセス雰囲気の飽和溶解量が10ml/lである光硬化剤201を使用する場合、21.45nl以上の液量のパドルを使用する。
【0017】
次に、図2(b)に示すように、スリットノズル108上のパドル201をテンプレート300のパターン面に接触させつつ、スリットノズル108をテンプレート300との平行を保ちながらテンプレート300のパターンエリアに対してスキャンする。この際、スリットノズル108及びテンプレート300のいずれか、あるいはそれら両方を移動させることで、スリットノズル108をテンプレート300に対して相対移動する。ここで、離型処理が施された石英テンプレート300に対する硬化剤201の静止接触角は70°前後である。
【0018】
パドル201とテンプレートパターン301が接触すると、毛細管現象により瞬時にパターン301内に硬化剤201が進入し、充填が完了する。テンプレートパターン301内にプロセス雰囲気が一時封入されても、硬化剤パドル201で封止されたプロセス雰囲気は100μm/s程度の速度で硬化剤201中に拡散、溶解する。このため、硬化剤201がパターン301内に十分に充填されないことによる欠陥に至ることはない。
【0019】
図3に、スキャン時のスリットノズル108に形成される硬化剤201の様子を示す。図3の上図はスリットノズル108の平面図、下図はスリットノズル108の断面図である。スリットノズル108には、硬化剤201の給液ライン109及び廃液ライン110が接続されている。図3(a)に示すように、スキャン開始前には、硬化剤201が光硬化剤塗布手段105(図示を省略)から給液ライン110を通してスリットノズル108に供給される。図3(b)及び図3(c)に示すように、スキャン中には、スリットノズル108上の硬化剤201へプロセス雰囲気が溶解されていく。図3(d)に示すように、スキャン終了後、スリットノズル108の硬化剤201の残液は廃液ライン111からすべて排出される。次のスキャン開始時には、図3(a)に示すように、新たな硬化剤201が供給される。このため、硬化剤201へのプロセス雰囲気の拡散、溶解性能は常に安定しており、パターン欠陥を安定して防止することができる。
【0020】
テンプレートパターン301以外の領域の一部に不要な光硬化剤201が残留した場合、図2(c)に示すように、クリーニングノズル109をテンプレート300の表面に対してスキャンすることで、不要な硬化剤201を除去することができる。クリーニングノズル109は、N2ガスの吹き出し口と吸い込み口を備えており、スキャン時には、吹き出し口から残留する光硬化剤201にN2ガスを吹き付け、吸い込み口から硬化剤201とN2ガスを吸い込むことで、残留硬化剤201を除去することができる。なお、このクリーニングノズル109を用いたクリーニング工程は、不要な硬化剤201の残留がなければ、省略することができる。
【0021】
続いて、テンプレートパターン301に硬化剤201を充填したのち、図2(d)に示すように、テンプレート300と基板200表面を平行に保持しながら徐々に接近させ接触させ、基板と密着させる。
【0022】
続いて、図2(e)に示すように、テンプレート300を介して光硬化剤201にUV光を照射して光硬化させる。
【0023】
最後に、図2(f)に示すように、テンプレート300を基板200から離型し、硬化剤パターン202を形成する。
【0024】
さらに、硬化剤パターンを形成後、硬化剤パターンをマスクに、基板200を加工することにより、基板200にパターンを形成することができる。
【0025】
本実施形態に係るパターン形成方法によれば、テンプレート300のパターン301に硬化剤を選択的に供給することで硬化剤201の未充填を防ぐことができるので、硬化剤パターン202の欠陥を低減することができる。
【0026】
なお、本実施形態に係るパターン形成方法では、テンプレート300のパターン面を、鉛直下方を向くように保持し、スリットノズル108の鉛直上方に硬化剤パドル201を供給する配置を記載したが、テンプレート300のパターン301面を鉛直上方を向くように保持し、スリットノズル108の鉛直下方に硬化剤パドル201を形成するような配置で実施することもできる。この場合、装置100の構成において、テンプレート保持手段107が、テンプレートパターン面が上方を向くようにテンプレート300を保持する。
【0027】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る光インプリント法を実施するためのインプリント装置を、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るインプリント法を実施するためのインプリント装置の概略図である。
【0028】
図4に示すインプリント装置400は、被処理基板500の主面(被パターン形成面)を下方に向けて固定する被処理基板チャック404と、これを3次元的に移動させるための被処理基板用ステージ403、テンプレート600の凹凸パターンに選択的に光硬化材料を供給する光硬化剤塗布手段405と、インプリント用テンプレート600を凹部パターン形成面が上方に向くように保持するテンプレート保持手段407と、テンプレート600に塗布された光硬化剤をパターン内に充填するためのスキージ408と、テンプレートを介して光硬化剤を硬化するための光を照射する光源406(例えばUVランプなど)と、不要な硬化剤を除去するためのクリーニングノズル409と、を具備している。インプリント用のテンプレート600は、透明な石英基板にプラズマエッチングで凹凸のパターンが形成されたもの等である。なお、被処理基板500及びテンプレート600は、図10の装置400を利用する際に装置内部にセットされるものであり、本装置400の構成には含まれない。また、クリーニングノズル409は省略可能である。図1に示すインプリント装置と異なる点は、被処理基板500の主面が下方に向くように保持されている点、スリットノズル108の代わりにスキージ408が搭載されている点である。
【0029】
続いて、本実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を、図5(a)〜図5(c)を参照して説明する。図5(a)〜図5(c)は、本実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を示す工程図である。なお、図5(a)、図5(b)における、上図は工程平面図であり、下図は工程断面図であり、それぞれの位置関係が対応している。図5(c)は、工程断面図である。
【0030】
まず、図5(a)に示すように、テンプレート600の掘り込みパターン601が形成された領域外のパターン隣接領域に光硬化剤塗布手段405(図示を省略)から光硬化剤501を吐出し、直線状に硬化剤液滴501を並べる。ここで、液滴501の量は500nl/ドット、滴下数は7ドット、滴下ピッチは4.3mmである。滴下した光硬化樹脂501の総量は3.5ulになる。
【0031】
テンプレート600表面の掘り込みパターン601は、26mm×33mmの領域に形成されている。供給する光硬化剤501の総液量は、テンプレート600に形成した掘り込みパターン601の総体積以上に設定する。
【0032】
次に、図5(b)に示すように、剣スキージ408により液滴501をテンプレート600表面に沿って相対移動させる。移動開始直後に液滴501は互いに結合し、スリット状のパドル(液溜まり)501を形成する。パドル(液溜まり)501はテンプレート600に接触しつつ、スキージ408によりテンプレート600に対して相対移動する。テンプレート600の掘り込みパターン形成領域をスキャンすると、毛細管現象により瞬時にパターン601内に硬化剤501が進入し充填が完了する。スキャンが終了後、スリット状パドルの残液501は、装置400に設置された回収機構によりテンプレート表面から完全に除去される。なお、第1の実施形態と同様、クリーニングノズル409をスキャンすることで、残留液滴501を除去することも可能である。
【0033】
次に、図5(c)に示すように、テンプレート600と基板500を平行に保持しながら徐々に接近させ接触させ、テンプレート600と基板500とを密着させる。
【0034】
その後は、図2(e)及び図2(f)に示す工程と同様、テンプレート600を介して光硬化剤501に光を照射して光硬化させ、テンプレート600を基板500から離型して、基板500上に光硬化剤パターンを形成する。さらに、光硬化剤パターンをマスクに基板500を加工して、基板500にパターンを形成する。
【0035】
本実施形態に係るパターン形成方法によれば、テンプレート600のパターン601に硬化剤501を選択的に供給することで硬化剤501の未充填を防ぐことができるので、硬化剤パターンの欠陥を低減することができる。
【0036】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を、図6(a)〜図6(c)を参照して説明する。図6(a)〜図6(c)は、本実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を示す工程図である。なお、図6(a)、図6(b)における、上図は工程平面図であり、下図は工程断面図であり、それぞれの位置関係が対応している。図6(c)は、工程断面図である。
【0037】
なお、本実施形態に係るインプリント法を実施するためのインプリント装置は、図4に示すインプリント装置とほぼ同様の構成であり図示を省略するが、テンプレート保持機構407が、保持されているテンプレートを回転させることができるように構成されている点、スキージ408が備えられていない点で異なる。
【0038】
まず、図6(a)に示すように、テンプレート800を回転させながら、テンプレート800表面の掘り込みパターン801が形成された領域の中央付近に硬化剤塗布手段(硬化剤塗布ノズル)805から、光硬化剤701を吐出し、回転塗布を行う。硬化剤液701が、テンプレート800に接触しつつ、塗布地点からテンプレート800の外周方向へ相対移動し、テンプレート800の掘り込みパターン801領域を通過する際、毛細管現象により瞬時にパターン801内に硬化剤液701が進入し充填が完了する。
【0039】
次に、図6(b)に示すように、硬化剤塗布ノズル805からの硬化剤液701の供給を停止後、テンプレート800の回転を継続することで掘り込みパターン801以外に付着した硬化剤液701をテンプレート800から完全に除去する。その際、テンプレート800の表面に残存した硬化剤液701は、回転による遠心力によりテンプレート800の外周方向へ移動し、さらにテンプレート外部へ移動する。その後、テンプレート800の回転を停止する。
【0040】
次に、図6(c)に示すように、テンプレート800と基板700を平行に保持しながら徐々に接近させ接触させ、テンプレート800と基板700とを密着させる。
【0041】
その後は、図2(e)及び図2(f)に示す工程と同様、テンプレート800を介して光硬化剤701に光を照射して光硬化させ、テンプレート800を基板700から離型して、基板700上に光硬化剤パターンを形成する。さらに、光硬化剤パターンをマスクに基板700を加工して、基板700にパターンを形成する。
【0042】
本実施形態に係るパターン形成方法によれば、回転塗布により、テンプレートパターン801内のプロセス雰囲気が溶解するのに必要な量の硬化剤501をテンプレートに塗布することができる。テンプレート800のパターン801に硬化剤701を選択的に供給することで硬化剤501の未充填を防ぐことができ、硬化剤パターンの欠陥を低減することができる。
【0043】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を、図7(a)〜図7(e)、図8(a)〜(e)を参照して説明する。図7(a)〜(e)、図8(a)〜(e)は、第4の実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を説明する工程断面図である。図7(a)〜(e)は、テンプレートのパターン面を下方、被処理基板を上方に向けて保持して被処理基板上にパターンを形成する方法を示しており、図8(a)〜(e)は、テンプレートのパターン面を下方、被処理基板を上方に向けて保持して被処理基板上にパターンを形成する方法を示している。
【0044】
まず、図7(a)、図8(a)に示すように、テンプレート1000に形成されたパターン1001内に光硬化剤901を充填する。ここでの充填方法は、第1乃至第3の実施形態に係るパターン形成方法で説明したような方法、すなわち、スリットノズル、スキージ、回転塗布を利用した充填方法のいずれかを利用することができる。スリットノズルを用いた硬化剤901の充填方法では、図7(a)のように、テンプレート1000のパターン形成面が下方、被処理基板900が上方に向けられて保持される。一方、スキージや回転塗布を用いた硬化剤901の充填方法では、図8(a)のように、テンプレート1000のパターン形成面が上方に、被処理基板900が下方に向けられて保持される。
【0045】
続いて、テンプレート1000のパターン形成面が下方に向けられている場合には、図7(b)に示すように、インクジェット法によりテンプレート1000下方に保持された基板900上に光硬化剤901を最適な分布で滴下する。あるいは、図7(b’)に示すように、回転塗布法により、ノズル1002から基板900上に膜状の硬化剤901を形成してもよい。なお、基板900上への硬化剤901の形成は、テンプレート1000のパターンに硬化剤を充填する工程より前に行ってもよい。
【0046】
一方、テンプレート1000のパターン形成面が上方に向けられている場合には、図8(b)に示すように、ノズル1002からインクジェット法によりテンプレート1000のパターン形成面上に光硬化剤901を最適な分布で滴下する。あるいは、図8(b’)に示すように、回転塗布法により、ノズル1002からテンプレート1000のパターン形成面上に膜状の硬化剤901を形成してもよい。それらの結果、硬化剤901はテンプレート1000のパターン外部の表面上に形成される。
【0047】
このとき、掘り込みパターン1001内部には既に硬化剤901が充填されているため、硬化剤901の滴下分布は使用するテンプレート1000の掘り込みパターン(形状、サイズ、深さ、密度など)に依存しない。総滴下量は、テンプレート1000と基板900とを接触させた際に生じる硬化剤901の残膜(RLT)が、所望の膜厚となるように調整してある。例えば、RLT膜厚として15nmを得るには、総滴下量を約13nlにする。
【0048】
次に、図7(c)又は図8(c)に示すように、被処理基板900とテンプレート1000を相対移動させて、被処理基板900とテンプレート1000とを硬化剤901を介して密着させる。このとき、テンプレート1000または基板900の表面に形成した硬化剤液滴901の頭頂部がテンプレートに最初に接触する。接触と同時に毛細管現象による毛管力が働き、基板表面とテンプレート表面に形成された隙間に沿って硬化剤液901が広がり基板900とテンプレート1000が自動的に密着する。この際、被処理基板900とテンプレート1000の界面には硬化剤901の残膜が形成される。
【0049】
続いて、図7(d)又は図8(d)に示すように、テンプレート1000を介して光硬化樹脂901にUV光を照射して光硬化させる。
【0050】
さらに、図7(e)又は図8(e)に示すように、テンプレート1000を基板200から離型し、硬化剤パターン902を形成する。
【0051】
さらに、図7(f)又は図8(f)に示すように、硬化剤パターン902の残膜をエッチングにより除去したのち、硬化剤パターンをマスクに、基板900を加工することにより、基板900にパターンを形成することができる。
【0052】
本実施形態に係るパターン形成方法によれば、前述の実施形態に係るパターン形成方法と同様、テンプレート1000のパターン1001に充填される硬化剤901の未充填を防ぐことができるので、硬化剤パターンの欠陥を低減することができる。
【0053】
(第5の実施形態)
第5の実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を、図9(a)〜図9(d)及び図10(a)〜図10(d)を参照して説明する。図9(a)〜(d)及び図10(a)〜図10(d)は、第5の実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法を説明する工程断面図である。図9(a)〜(d)は、テンプレートのパターン形成面を下方、被処理基板を上方に向けて保持して被処理基板上にパターンを形成する方法を示しており、図10(a)〜(d)は、テンプレートのパターン形成面をを下方、被処理基板を上方に向けて保持して被処理基板上にパターンを形成する方法を示している。
【0054】
まず、図9(a)、図10(a)に示すように、テンプレート1300に形成されたパターン1301内に光硬化剤1201を充填する。ここでの充填方法は、第1乃至第3の実施形態に係るパターン形成方法で説明したような方法、すなわち、スリットノズル、スキージ、回転塗布を利用した充填方法のいずれかを利用することができる。図9(a)のように、スリットノズルを用いた硬化剤1201の充填方法では、テンプレート1300のパターン形成面が下方、被処理基板1200が上方に向けられて保持される。一方、図10(a)のように、スキージや回転塗布を用いた硬化剤1201の充填方法では、テンプレート1300のパターン形成面が上方に、被処理基板1200が下方に向けられて保持される。供給する光硬化剤1201の液量は、テンプレート1300に形成した掘り込みパターン1301の総体積と同じ体積のプロセス雰囲気が完全に溶解可能な液量以上に設定してある。また、必要であれば、第1の実施形態等と同様、充填後に生じた余分な硬化剤1201をクリーニングノズルにより除去する。
【0055】
本実施形態に係るインプリント法によるパターン形成方法では、この硬化剤1201の充填工程の際、テンプレート1300の少なくともパターン形成面が−25℃に保持されている。硬化剤1201をテンプレート1300に接触させる前に、テンプレート1300の温度が−25℃に保持されていることが好ましい。テンプレート1300の温度を調整した後、テンプレート1300をインプリント装置に設置してもよいし、インプリント装置内に設けられた温度調整手段によりテンプレート1300の温度を調整してもよい。
【0056】
硬化剤1201の充填が完了したのち、図9(b)、図10(b)に示すように、テンプレートのパターン面近傍に配置したホットプレート等の加熱装置1202を用いて、テンプレート1300の温度を室温、例えば25℃まで上昇させる。これにより、図9(c)、図10(c)に示すように、パターン1301の内部に充填された硬化剤1201の体積が1%程度膨張し、テンプレート1300のパターン面に対して硬化剤1201の表面が盛り上がる。
【0057】
なお、加熱装置1202は、インプリント装置内に保持されるテンプレート1300の近傍に設置されており、図9(b)、図10(b)のように保持されたテンプレート1300のパターン面側近傍に設けられてもよいし、あるいは、テンプレートのパターン面と反対の面側近傍に設けられていてもよい。また、図9(b)、図10(b)では、加熱装置1202を用いたが、加熱装置を用いずに、一定時間室温で保持することにより、テンプレート1300及び硬化剤1201の温度を上昇させてもよい。
【0058】
続いて、図9(d)、図10(d)に示すように、テンプレート1300のパターン形成面と基板1200を平行に保持しながら徐々に接近させ接触させ、テンプレート1300と基板1200とを密着させる。
【0059】
その後、前述の第1の実施形態等と同様、テンプレート1300を介して光硬化剤1201に光を照射して光硬化させる。硬化剤1201を十分に硬化させた後、テンプレート1300を基板1200から離型して、基板1200上に硬化剤パターンを形成する。さらに、硬化剤パターンをマスクに、基板1200を加工して、基板1200にパターンを形成する。
【0060】
本実施形態に係るパターン形成方法によれば、テンプレート1300のパターン1301に充填される硬化剤1201の未充填を防ぐことができるので、硬化剤パターンの欠陥を低減することができる。
【0061】
また、本実施形態に係るパターン形成方法によれば、基板側に光硬化剤層を形成しなくても、基板とテンプレートに充填された硬化剤が接触しやすくなり、転写欠陥を低減することができる。
【0062】
(第6の実施形態)
本実施形態に係るパターン形成方法を説明する。本実施形態に係るパターン形成方法は、前述または後述の各実施形態に係るインプリント法を用いたパターン形成方法等、すなわち、テンプレート基板の凹部に選択的に硬化剤を充填するパターン形成方等において、硬化剤に撥水性添加剤を含有したことを特徴とする。その他の構成・方法は、他の実施形態に係るパターン形成方法と同様であるので、説明を省略する。
【0063】
硬化剤に添加する撥水性添加剤としては、フッ素を含有した界面活性剤などを用いることができる。界面活性剤の種類としては脂肪酸系、直鎖アルキルベンゼン系、高級アルコール系、アルファオレフィン系、ノルマルパラフィン系、アルキルフェノール系、アミノ酸系、ベタイン系、アミンオキシド系、第四級アンモニウム塩系などから選択されることが望ましい。
【0064】
スリットノズルやスキージを用いて、あるいは、回転塗布法により、テンプレートに対して硬化剤を接触させつつ相対的に移動させてテンプレートパターンに硬化剤を充填する際、撥水性添加剤を含有した硬化剤を用いることで、テンプレートに対する硬化剤の後退接触角を大きくすることができる。たとえば、後退接触角を30°以上とすることができる。これにより、硬化剤がパターン以外のテンプレート部分に残留しにくくなり、さらには離型時の離型性が向上するため、欠陥を低減することができる。
【0065】
なお、撥水性添加剤を含まなくともテンプレートに対する後退接触角が大きい(例えば、30°以上)硬化剤であれば、前述の効果を得ることができる。
【0066】
(第7の実施形態)
本実施形態に係るパターン形成方法を、図11を参照して説明する。本実施形態に係るパターン形成方法は、前述または後述の各実施形態に係るインプリント法を用いたパターン形成方法、すなわち、テンプレート基板に対して硬化剤を接触させつつ相対移動させて、硬化剤をテンプレートパターンに充填するパターン形成方法において、テンプレートパターンに充填された硬化剤中または硬化剤とテンプレートの界面に発生した気泡を除去することを特徴とする。その他の構成・方法は、他の実施形態に係るパターン形成方法と同様であるので、説明を省略する。
【0067】
図11は、本実施形態に係るパターン形成方法における気泡除去工程を説明する図である。図11に示すように、本実施形態に係るパターン形成方法における気泡除去工程では、テンプレート1500のパターン1501に対して硬化剤1401を接触させつつ相対的に移動させることで硬化剤1401を充填した後、基板1400とテンプレート1500を接着させる前、テンプレート1500周辺のプロセス雰囲気を真空ポンプ1502で排出し、硬化剤1401内の気泡を除去する。特に、テンプレート1500のパターン形成面を上方に向けて硬化剤を充填する場合、例えば前述の実施形態のようにスキージを用いて硬化剤1401を充填する場合には、硬化剤1401内あるいは硬化剤1401とテンプレート1500の界面に気泡が発生しやすいので、真空ポンプによる圧力制御により大きな気泡除去効果が得られる。また、テンプレート1500のパターン外部の表面上に硬化剤1401を塗布する場合は、その塗布工程前に、気泡除去を実施することが好ましい。
【0068】
真空ポンプ1502は、インプリント装置内に設置されており、装置内に保持されたテンプレート1500及びテンプレート1500の周辺雰囲気(供給された硬化剤1401の周辺の雰囲気)を囲うような容器1503を有し、容器1503内の気体を排出あるいは容器1503内へ気体を導入することで、容器1503内の圧力を調整することができる。
【0069】
真空ポンプ1502を用いて容器1503内の気体を排出することにより、容器1503内、すなわち供給された硬化剤1401の周辺の雰囲気が減圧され、充填された硬化剤1401内あるいは硬化剤1401とテンプレート1500の界面に生じた微小な気泡(プロセス雰囲気)が脱泡される。これにより、硬化剤1401の欠陥及び硬化剤に形成されるパターンの欠陥を防止することができる。
【0070】
なお、前述または後述の各実施形態に係るテンプレートパターンに選択的に硬化剤を供給するパターン形成方法以外であっても、テンプレート基板に対して硬化剤を接触させつつ相対移動させて、硬化剤をテンプレートパターンに充填するパターン形成方法であれば、本実施形態に係る気泡除去工程を適用できる。
【0071】
(第8の実施形態)
本実施形態に係るパターン形成方法を、図12を参照して説明する。本実施形態に係るパターン形成方法は、前述または後述の各実施形態に係るインプリント法を用いたパターン形成方法、すなわち、テンプレート基板の凹部に選択的に硬化剤を充填するパターン形成方法において、テンプレートに撥水化処理を施すことを特徴とする。その他の構成・方法は、他の実施形態に係るパターン形成方法と同様であるので、説明を省略する。
【0072】
図12は、本実施形態に係るパターン形成方法における撥水化処理工程を説明する図である。図12に示すように、本実施形態に係るパターン形成方法における撥水化処理工程では、テンプレート1700をチャンバー内1701に保持して、室温でドライ窒素ガス(N2)によりバブリングしたヘキサメチルジシラザン(HMDS)1702をチャンバー1701内に導入し,テンプレート1700をHMDS雰囲気に60秒間晒すことでテンプレート1700表面を撥水化した。テンプレートに硬化剤を塗布する前、あるいは、基板上に塗布された硬化剤にテンプレートを接触させる前に、テンプレートを撥水化させることが好ましい。
【0073】
撥水化処理の前後でテンプレート1700に対する純水の接触角は約20°から60°まで上昇した。なお、本実施形態に係るパターン形成方法における撥水性処理剤としては、HMDSに限定されず、シリコンを含有しないフッ素系化合物であることが望ましい。
【0074】
スリットノズルやスキージを用いて、あるいは、回転塗布法により、テンプレートに対して硬化剤を接触させつつ相対的に移動させてテンプレートパターンに硬化剤を充填する際、テンプレートに撥水化処理を施しておくことで、テンプレートに対する硬化剤の後退接触角を大きくすることができる。たとえば、後退接触角を30°以上とすることができる。これにより、硬化剤がパターン以外のテンプレート部分に残留しにくくなり、さらには離型時の離型性が向上するため、欠陥を低減することができる。
【0075】
なお、テンプレート材料を適宜選択することにより、テンプレートに対する硬化剤の後退接触角を大きくする(例えば、30°以上)ことができれば、テンプレートを撥水化処理しなくともよい。そのようなテンプレートを用いることで前述の効果を得ることができる。
【0076】
(第9の実施形態)
本実施形態に係るパターン形成方法を、図13を参照して説明する。本実施形態に係るパターン形成方法は、前述または後述の各実施形態に係るインプリント法を用いたパターン形成方法、すなわち、テンプレート基板の凹部に選択的に硬化剤を充填するパターン形成方法において、テンプレートのパターン内部の底面及び側面部を親水化することを特徴とする。その他の構成・方法は、他の実施形態に係るパターン形成方法と同様であるので、説明を省略する。
【0077】
図13は、本実施形態に係るパターン形成方法における親水化処理工程を説明する図である。この親水化処理工程では、まず、図13(a)に示すように、ALD(Atomic Layer Deposition)法により、テンプレート1900のパターン1901が形成された面に金属膜、金属酸化膜、金属窒化膜のいずれかの親水性の金属含有膜1902を形成する。金属含有膜1902は、Si、Ti及びAlのいずれか一つの金属を含む膜であることが望ましい。なお、この親水化処理工程は、テンプレート1900のパターン1901内部に硬化剤を充填する前であれば、いつでも実施することができる。
【0078】
続いて、図13(b)に示すように、CMP法を用いて、テンプレート1900の金属含有膜1902を研磨除去する。これにより、テンプレート1900の表面を露出させるとともに、テンプレート1900のパターン1901内部の底面及び側面に選択的に金属含有膜1902を形成する。さらに、その後、第8の実施形態で説明したようなテンプレート1900のパターン1901形成面の撥水化処理を行ってもよい。
【0079】
その後、他の実施形態と同様の方法により、親水性の金属含有膜1902が形成されたテンプレート1900を用いて、硬化剤パターンを形成する。
【0080】
本実施形態に係るパターン形成方法では、テンプレートパターン内部を親水化することにより、テンプレートパターン内部のみ硬化剤の接触角を低減することができるため、毛管力が強まり、充填性が向上する。一方、テンプレート表面はテンプレートパターン内部に対して相対的に撥水性であり、硬化剤がパターン以外の部分に残留しにくくなり、パターン転写時の欠陥を低減することができる。
【符号の説明】
【0081】
200、500、700、900、1200・・・被処理基板
300、600、800、1000、1300、1500、1700、1900・・・テンプレート
301、601、801、1001、1301、1501、1901・・・テンプレートパターン
201、501、701、901、1201、1401・・・硬化剤
202、902・・・硬化剤パターン
108・・・スリットノズル
109・・・スキージ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンを有するテンプレートの前記パターンに選択的に硬化剤を供給する工程と、
前記硬化剤が供給されたテンプレートと被処理基板を接触させる工程と、
前記テンプレートと前記被処理基板を接触させた状態で光を前記硬化剤に照射することにより前記硬化剤を硬化する工程と、
前記硬化剤を硬化後、前記テンプレートを前記被処理基板から離して硬化剤パターンを前記被処理基板上に形成する工程と、
前記硬化剤パターンに基づき、前記被処理基板を加工する工程と、
を具備することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給する工程は、
前記テンプレートに対して前記硬化剤を接触させつつ相対的に移動させる工程を含むことを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記硬化剤は、撥水性添加剤を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のパターン形成方法。
【請求項4】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給する工程の前に、
前記テンプレートのパターン形成面を撥水化処理する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のパターン形成方法
【請求項5】
前記テンプレートに対して前記硬化剤を接触させつつ相対的に移動させる工程において、前記テンプレートに対する前記硬化剤の後退接触角を30°以上とすることを特徴とする請求項2記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給した後、前記テンプレートと前記被処理基板を接触させる前に、前記テンプレートのパターン外部に残留する硬化剤を除去することを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項7】
前記テンプレートと前記被処理基板を接触させる前に、前記テンプレートのパターン外部の表面上又は前記被処理基板表面上に光照射により硬化する硬化剤を供給することを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項8】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給する工程は、
前記硬化剤をノズル上に供給する工程と、
前記硬化剤が前記テンプレートに接触するように、前記ノズルと前記テンプレートを相対移動させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項9】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給する工程は、
前記テンプレート上に硬化剤を供給する工程と、
前記テンプレート上に供給された硬化剤をスキージを用いて前記前記テンプレートに対して相対的に移動させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項10】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給する工程は、
前記テンプレートを回転させる工程と、
回転する前記テンプレート上に硬化剤を滴下する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項11】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給した後、前記テンプレートと前記被処理基板を接触する前に、前記テンプレートの温度を上昇させることを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項12】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給した後、前記テンプレートと前記被処理基板を接触させる前に、前記テンプレートに供給された硬化剤の周囲の雰囲気を減圧することを特徴とする請求項2記載のパターン形成方法。
【請求項13】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給する際、前記テンプレートはパターン面が上方に向けられていることを特徴とする請求項12記載のパターン形成方法
【請求項1】
パターンを有するテンプレートの前記パターンに選択的に硬化剤を供給する工程と、
前記硬化剤が供給されたテンプレートと被処理基板を接触させる工程と、
前記テンプレートと前記被処理基板を接触させた状態で光を前記硬化剤に照射することにより前記硬化剤を硬化する工程と、
前記硬化剤を硬化後、前記テンプレートを前記被処理基板から離して硬化剤パターンを前記被処理基板上に形成する工程と、
前記硬化剤パターンに基づき、前記被処理基板を加工する工程と、
を具備することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給する工程は、
前記テンプレートに対して前記硬化剤を接触させつつ相対的に移動させる工程を含むことを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記硬化剤は、撥水性添加剤を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のパターン形成方法。
【請求項4】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給する工程の前に、
前記テンプレートのパターン形成面を撥水化処理する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のパターン形成方法
【請求項5】
前記テンプレートに対して前記硬化剤を接触させつつ相対的に移動させる工程において、前記テンプレートに対する前記硬化剤の後退接触角を30°以上とすることを特徴とする請求項2記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給した後、前記テンプレートと前記被処理基板を接触させる前に、前記テンプレートのパターン外部に残留する硬化剤を除去することを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項7】
前記テンプレートと前記被処理基板を接触させる前に、前記テンプレートのパターン外部の表面上又は前記被処理基板表面上に光照射により硬化する硬化剤を供給することを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項8】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給する工程は、
前記硬化剤をノズル上に供給する工程と、
前記硬化剤が前記テンプレートに接触するように、前記ノズルと前記テンプレートを相対移動させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項9】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給する工程は、
前記テンプレート上に硬化剤を供給する工程と、
前記テンプレート上に供給された硬化剤をスキージを用いて前記前記テンプレートに対して相対的に移動させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項10】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給する工程は、
前記テンプレートを回転させる工程と、
回転する前記テンプレート上に硬化剤を滴下する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項11】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給した後、前記テンプレートと前記被処理基板を接触する前に、前記テンプレートの温度を上昇させることを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
【請求項12】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給した後、前記テンプレートと前記被処理基板を接触させる前に、前記テンプレートに供給された硬化剤の周囲の雰囲気を減圧することを特徴とする請求項2記載のパターン形成方法。
【請求項13】
前記テンプレートのパターンに選択的に硬化剤を供給する際、前記テンプレートはパターン面が上方に向けられていることを特徴とする請求項12記載のパターン形成方法
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−61001(P2011−61001A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209086(P2009−209086)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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