説明

パターン形成方法

【課題】現像欠陥の発生を抑制できるパターン形成方法を提供すること。
【解決手段】パターン形成方法は、基板1上にレジストパターンとなるレジスト膜2を形成する。レジスト膜2に第1の光6を照射してレジスト膜2に対してパターン露光を行う。前記レジストパターンを形成するために、前記パターン露光を行ったレジスト膜2に対して現像を行う。前記現像を行う時における欠陥の発生を抑制するために、前記パターン露光を行った後、かつ、前記現像を行う前に、前記パターン露光を行ったレジスト膜2に第2の光10を照射してレジスト膜2の表面に対して改質処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置の製造に使用されるパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の微細化に伴い、回路パターンの線幅の縮小化が求められている。このような縮小化の要求に対応するべくリソグラフィ技術では、レジストの露光に用いる光の波長をより短波長にすることで対応している。hp22nm以降のリソグラフィ技術においては、EUV(Extreme Ultra Violet)光と呼ばれる波長領域の露光光を用いることが検討されている。EUV光を用いれば、従来の露光プロセス(例えば、ArF液浸露光プロセス)では、達成できなかったパターン幅やパターンピッチの縮小化にも対応可能と考えられている。
【0003】
EUV光を用いた露光プロセス(EUV露光プロセス)で使用されるレジスト材料は、生産性向上の面から高感度が求められる。そのため、EUV露光プロセスで使用されるレジスト材料は、PAG(光酸発生剤)やアミン(Quencher)など、ArF液浸露光プロセスに用いられているレジスト材料よりも多くの添加剤を含んでいる。
【0004】
PAGやアミンなどの分解物は現像液に溶けにくい。そのため、EUV露光プロセスの現像工程においては、上記分解物を核として、レジスト膜の表面や、レジスト膜の下層と基板との界面に、多数の欠陥(現像欠陥)が発生する。
【0005】
このようにEUV露光プロセスは、従来の露光プロセスに比べて、基本的なリソグラフィ性能(感度、解像性、ライン幅ラフネス(LWR: Line Width Roughness))は高いが、現像欠陥の点で課題を抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−77052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、レジスト膜の現像時における欠陥の発生を抑制できるパターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態のパターン形成方法は以下を含む。基板上にレジストパターンとなるレジスト膜を形成する。前記レジスト膜に第1の光を照射して、前記レジスト膜に対してパターン露光を行う。前記レジストパターンを形成するために、前記パターン露光を行った前記レジスト膜に対して現像を行う。前記現像を行う時における欠陥の発生を抑制するために、前記パターン露光を行った後、かつ、前記現像を行う前に、前記パターン露光を行った前記レジスト膜に第2の光を照射して前記レジスト膜の表面に対して改質処理を行う。
【0009】
実施形態のパターン形成方法は以下を含む。基板上にレジストパターンとなるレジスト膜を形成する。前記レジスト膜上に樹脂層を形成する。前記樹脂層を介して前記レジスト膜に第1の光を照射して、前記レジスト膜に対してパターン露光を行う。前記レジストパターンを形成するために、前記パターン露光を行った前記レジスト膜に対して現像を行う。前記現像を行う時における欠陥の発生を抑制するために、前記パターン露光を行った後、かつ、前記現像を行う前に、前記樹脂層に第2の光を照射することにより、前記樹脂層の裏面と接している前記レジスト膜の表面に対して改質処理を行う。
【0010】
実施形態のパターン形成方法は以下を含む。基板上にレジストパターンとなるレジスト膜を形成する。前記レジスト膜に第1の光を照射して、前記レジスト膜に対してパターン露光を行う。前記パターン露光を行った前記レジスト膜上に樹脂層を形成する。前記レジストパターンを形成するために、前記パターン露光を行った前記レジスト膜に対して現像を行う。前記現像を行う時における欠陥の発生を抑制するために、前記パターン露光を行った後、かつ、前記現像を行う前に、前記樹脂層に第2の光を照射することにより、前記樹脂層の裏面と接している前記レジスト膜の表面に対して改質処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、第1の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。
【図2】図2は、図1に続く第1の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。
【図3】図3は、図2に続く第1の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。
【図4】図4は、図3に続く第1の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。
【図5】図5は、図4に続く第1の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。
【図6】図6は、第2の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。
【図7】図7は、図6に続く第2の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。
【図8】図8は、図7に続く第2の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。
【図9】図9は、図8に続く第2の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。
【図10】図10は、図9に続く第2の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。
【図11】図11は、第3の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。
【図12】図12は、図11に続く第3の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。
【図13】図13は、図12に続く第3の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1−図5は、第1の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。
【0014】
[図1]
半導体基板を含む基板1上にレジスト膜2を形成する。半導体基板は、例えば、300mm径のシリコンウェハである。本実施形態ではレジスト膜2はポジ型とするが、ネガ型でも構わない。
【0015】
レジスト膜2は、パターン形成のために使用される露光光(本実施形態では波長13.5nmのEUV光)に反応して酸を発生する酸発生剤(第1の酸発生剤)3を含む。第1の酸発生剤3はレジスト膜2内に一様に分布する。第1の酸発生剤3は、例えば、パラトルエンスルフォン酸トリフェニルスルフォニウムである。
【0016】
レジスト膜2は、さらに、PEB(ポスト・エキスポージャー・ベーク)に使用されるフラッシュランプの光(本実施形態では波長が約300nm−1100nmnmの範囲に含まれる光)に反応して酸を発生する酸発生剤(第2の酸発生剤)4を含む。第2の酸発生剤4はレジスト膜2の表面部分(表層)に偏在して分布する。第2の酸発生剤4は、例えば、パーフルオロプロパンスルホン酸トリフェニルスルフォニウムである。
【0017】
[図2]
レジスト膜2にEUV光5(第1の光)を照射する(パターン露光)。以下、光が照射される側のレジスト膜2の表面を主面と呼ぶ。EUV光5は図示しないEUVマスク(反射型)で反射したEUV光である。したがって、EUV光5はレジスト膜2の主面の一部に選択的に照射される。EUV光5が照射された部分のレジスト膜2中の酸発生剤3はEUV光5と反応して酸を発生する。したがって、EUV光5が照射された部分のレジスト膜から選択的に酸が発生する。
【0018】
[図3]
フラッシュランプ6を用いてレジスト膜2の主面に光(ランプ光)7(第2の光)を照射する(PEB)。EUV光5はレジスト膜の主面の一部にしか照射されないが、ランプ光7はレジスト膜の主面の全体に照射される。フラッシュランプ6は、例えば、キセノンフラッシュランプである。フラッシュランプ6による加熱は、レジスト膜2の表面温度がレジスト膜2のガラス転移温度(一般的には180度以下)となるように制御する必要がある。レジスト膜2の表面温度を制御するために、レジスト膜2とフラッシュランプ6との間にフィルタを挟んでも構わない。
【0019】
フラッシュランプによる加熱(PEB)は、数十μm秒から数m秒の間に終了する。このPEBにより、EUV光5が照射された部分のレジスト膜2では、酸発生剤3から発生した酸によってレジスト樹脂を構成するポリマーの溶解抑制基(保護基)がはずれる反応が起こる。その結果、EUV光5が照射された部分のレジスト膜2は、現像液に溶解する構造に変化する。
【0020】
また、ランプ光7が照射されたレジスト膜2の表面部分に偏在する酸発生剤4は、ランプ光7と反応して酸を発生する。この発生した酸によってレジスト膜2の表面部分のレジスト樹脂の溶解抑制基(保護基)がはずれる反応が起こる。その結果、ランプ光7が照射された部分のレジスト膜2の極薄い表面部分(極表層)は、現像液に溶解する構造に変化する(改質処理)。このように本実施形態のフラッシュランプによる加熱は、本来のPEBの役割の他に、レジスト膜2を改質するための改質処理の役割も兼ねている。
【0021】
フラッシュランプによる加熱の終了後、クリーニングプレートにてレジスト膜2が形成された基板1を移動し、これら1,2を常温まで冷却する。
【0022】
[図4]
常温まで冷却された後、基板1上のレジスト膜2に、2.38重量%のTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液を供給することにより、現像処理を行う。
【0023】
上記現像処理によって、レジスト膜2のうち、EUV光5が照射された部分は選択的に除去されて、基板1上に形成するべきパターンに対応した開口部を含むレジスト膜(レジストパターン)2が得られる。
【0024】
また、上記現像処理によって、レジスト膜2の極表層(ランプ光7が照射された部分)は溶解する。そのため、レジスト膜2のうち、EUV光5が照射されなかった部分においてはその極表層が溶解し、親水性の表面が露出する。これにより、表面が親水性のレジストパターン2が得られる。親水性の指標となるレジスト表層の水に対する接触角は、レジスト膜2の形成後は70度以上であったが、現像処理後は45度であった。これらの値(70度、45度)は一例であって、一般に、レジスト膜形成後の接触角は65度以上であるが、実施形態によれば、現像処理後の接触角を55度以下にできる。
【0025】
酸発生剤3,4やレジスト膜2からはずれた溶解抑制基(保護基)などの溶解性生物を核とする溶解性生物(レジスト欠陥の原因)は、レジスト膜2の親水性の表面には付着しにくい。したがって、本実施形態によれば、レジスト膜2の現像時におけるレジスト欠陥の発生を抑制でき、その結果として、歩留まりの向上を図れるようになる。
【0026】
また、フラッシュランプ6を用いてPEBを行うことにより、加熱時間を短くすることができるので、酸発生剤3から発生する酸化の拡散長を短くできる。しかも、本実施形態の場合、PEB後に基板1およびレジスト膜2を冷却しているので、酸化の拡散長を効果的に短くできる。その結果、レジストパターン2の解像性能およびLWRは改善される。
【0027】
かくして本実施形態によれば、レジストパターンの解像性能およびLWRを改善しながら(高解像度、低LWR)、現像欠陥を低減することが可能となる。
【0028】
[図5]
図4の工程の後は周知の工程が続く。すなわち、レジストパターン2をマスクにして基板1がエッチングされ、微細パターンが形成される。
【0029】
ここで、レジストパターン2の下地(基板1の最上層)がポリシリコン膜や金属膜の場合、微細な電極パターンや配線パターンなどが形成される。レジストパターン2の下地(基板1の最上層)が絶縁膜の場合、微細なコンタクトホールパターンやゲート絶縁膜などが形成される。レジストパターン2の下地が半導体基板の場合、微細な素子分離溝(STI)などが形成される。
【0030】
以上述べたレジストの塗布、レジストパターンの形成、基板のエッチングを繰り返して必要な微細パターンを形成し、半導体装置を製造する。
【0031】
(第2の実施形態)
図6−図10は、第2の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。
【0032】
なお、以下の図において、既出の図と対応する部分には既出の図と同一符号を付してあり、詳細な説明は省略する。
【0033】
[図6]
基板1上にレジスト膜2aを形成する。レジスト膜2aは塗布装置を用いて形成する。レジスト膜2aは、パターン形成のために使用される露光光(本実施形態では波長13.5nmのEUV光)に反応して酸を発生する酸発生剤(第1の酸発生剤)3を含む。第1の酸発生剤3はレジスト膜2a内に一様に分布する。
【0034】
レジスト膜2a上に樹脂層20を形成する。樹脂層20は、添加剤として、PEBに使用されるフラッシュランプの光(本実施形態では波長が約300nm−1100nmnmの範囲に含まれる光)に反応して酸を発生する酸発生剤(第2の酸発生剤)4を含む。第2の酸発生剤4は樹脂層20内に一様に分布する。樹脂層20は、レジスト膜2aを現像する時に使用される現像液で溶解する。樹脂層20の材料は、例えば、ポリヒドロキシスチレンをベースとした樹脂やメタクリル樹脂をベースとした樹脂である。
【0035】
[図7]
樹脂層20を介してレジスト膜2aにEUV光5を照射する(パターン露光)。以下、光が照射される側のレジスト膜2aおよび樹脂層20の表面を主面と呼ぶ。EUV光5が照射された部分のレジスト膜2a中の第1の酸発生剤3はEUV光5と反応して酸を発生する。したがって、EUV光5が照射された部分のレジスト膜2aから選択的に酸が発生する。
【0036】
[図8]
フラッシュランプ6を用いてレジスト膜2aおよび樹脂層20の主面にランプ光7を照射する(PEB)。フラッシュランプ6による加熱は、レジスト膜2aの表面温度がレジスト膜2aのガラス転移温度(一般的には180度以下)となるように制御する必要がある。レジスト膜2aの表面温度を制御するために、レジスト膜2aとフラッシュランプ6との間にフィルタを挟んでも構わない。
【0037】
フラッシュランプによる加熱(PEB)は、数十μm秒から数m秒の間に終了する。このPEBにより、EUV光5が照射された部分のレジスト膜2aでは、酸発生剤3から発生した酸によってレジスト樹脂を構成するポリマーの溶解抑制基(保護基)がはずれる反応が起こる。その結果、EUV光5が照射された部分のレジスト膜2aは、現像液に溶解する構造に変化する。
【0038】
また、樹脂層20中の酸発生剤4はランプ光7と反応して酸を発生する。この発生した酸がレジスト膜2aの表面部分に接することにより、レジスト膜2aの表面部分のレジスト樹脂の溶解抑制基(保護基)がはずれる反応が起こる。その結果、ランプ光7が照射された部分のレジスト膜2の極薄い表面部分(極表層)は、現像液に溶解する構造に変化する(改質処理)。
【0039】
フラッシュランプによる加熱後、クリーニングプレートにてレジスト膜2aおよび樹脂層20が形成された基板1を移動し、これら1,2a,20を常温まで冷却する。
【0040】
[図9]
常温まで冷却された後、基板1上のレジスト膜2aおよび樹脂層20に、2.38重量%のTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液を供給することにより、現像処理を行う。
【0041】
上記現像処理によって、樹脂層20は溶解するとともに、レジスト膜2aのうち、EUV光5が照射された部分は選択的に除去されることにより、レジストパターン2aが形成される。
【0042】
また、上記現像処理によって、レジスト膜2aの極表層(改質処理された部分)は溶解する。そのため、レジスト膜2aのうち、EUV光5が照射されなかった部分においてはその極表層が溶解し、親水性の表面が露出する。これにより、表面が親水性のレジストパターン2aが得られる。親水性の指標となるレジスト表層の水に対する接触角は、レジスト膜2の形成後は70度以上であったが、現像処理後は45度であった。これらの値(70度、45度)は一例であって、一般に、レジスト膜形成後の接触角は65度以上であるが、実施形態によれば、現像処理後の接触角を55度以下にできる。
【0043】
酸発生剤3,4やレジスト膜2aからはずれた溶解抑制基(保護基)などの溶解性生物を核とする溶解性生物(レジスト欠陥の原因)は、レジスト膜2aの親水性の表面には付着しにくい。したがって、本実施形態によれば、レジスト膜2aの現像時におけるレジスト欠陥の発生を抑制でき、その結果として、歩留まりの向上を図れるようになる。
【0044】
また、フラッシュランプ6を用いてPEBを行うことにより、加熱時間を短くすることができるので、酸発生剤3から発生する酸化の拡散長を短くできる。しかも、本実施形態の場合、PEB後に基板1、レジスト膜2aおよび樹脂層20を冷却しているので、酸化の拡散長を効果的に短くできる。その結果、レジストパターン2aの解像性能およびLWRは改善される。
【0045】
かくして本実施形態によれば、レジストパターンの解像性能およびLWRを改善しながら(高解像度、低LWR)、現像欠陥を低減することが可能となる。
【0046】
[図10]
図9の工程の後は周知の工程が続く。すなわち、レジストパターン2aをマスクにして基板1がエッチングされ、微細パターンが形成される。
【0047】
以上述べたレジストの塗布、レジストパターンの形成、基板のエッチングを繰り返して必要な微細パターンを形成し、半導体装置を製造する。
【0048】
(第3の実施形態)
図11−図13は、第3の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。本実施形態が第2の実施形態と異なる点は、EUV露光後、かつ、PEB前に、樹脂層20を形成することにある。
【0049】
[図11]
半導体基板を含む基板1上にレジスト膜2aを形成する。
【0050】
[図12]
レジスト膜2aにEUV光5を照射する(パターン露光)。EUV光5が照射された部分のレジスト膜2a中の第1の酸発生剤3はEUV光5と反応して酸を発生する。したがって、EUV光5が照射された部分のレジスト膜2aから選択的に酸が発生する。
【0051】
[図13]
レジスト膜2a上に樹脂層20を形成する。
【0052】
その後、第2の実施形態の図8の工程(PEB)、図9の工程(現像)および図10の工程(エッチング)の工程が行われる。
【0053】
本実施形態でも第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0054】
なお、第1−第3の実施形態では、フラッシュランプを用いてPEBを行ったが、ハロゲンランプやCO2 レーザーなど、EUVより長い波長の光源を持つランプやレーザーを用いてPEBを行っても構わない。
【0055】
また、露光光はEUV光には限定されず、ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光または電子線でも構わない。この場合、露光光に反応する第1および第2の酸発生剤を用いる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1…基板、2,2a…レジスト膜、3…第1の酸発生剤、4…第2の酸発生剤、5…EUV光(第1の光)、6…フラッシュランプ、7…ランプ光(第2の光)、20…樹脂層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にレジストパターンとなる第1の酸発生剤および第2の酸発生剤を含むレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜にEUV光を照射して、前記レジスト膜に対してパターン露光を行う工程と、
前記レジストパターンを形成するために、前記パターン露光を行った前記レジスト膜に対して現像液を用いて現像を行う工程と、
前記現像を行う工程時における欠陥の発生を抑制するために、前記パターン露光を行う工程の後、かつ、前記現像を行う工程の前に、前記パターン露光を行った前記レジスト膜にフラッシュランプの光を照射して前記レジスト膜の表面に対して改質処理を行う工程とを含み、
前記第1の酸発生剤は、前記レジスト膜内に一様に分布し、かつ、前記EUV光およびフラッシュランプの光のうち前記EUV光が照射されると、前記レジスト膜を前記現像液に対して可溶化する酸を発生し、
前記第2の酸発生剤は、前記レジスト膜の表層内に偏在して分布し、かつ、前記EUV光およびフラッシュランプの光のうち前記フラッシュランプの光が照射されると、前記レジスト膜を前記現像液に対して可溶化する酸を発生し、
前記改質処理は、前記レジスト膜の前記表層を前記現像液に対して可溶化する構造に変える処理であり、
前記改質処理により可溶化された部分の前記レジスト膜は、前記現像液により溶解して一定以上の親水性を有するように変化することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】
基板上にレジストパターンとなるレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜に第1の光を照射して、前記レジスト膜に対してパターン露光を行う工程と、
前記レジストパターンを形成するために、前記パターン露光を行った前記レジスト膜に対して現像を行う工程と、
前記現像を行う工程時における欠陥の発生を抑制するために、前記パターン露光を行う工程の後、かつ、前記現像を行う工程の前に、前記パターン露光を行った前記レジスト膜に第2の光を照射して前記レジスト膜の表面に対して改質処理を行う工程と
を含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項3】
前記現像を行う工程は、現像液を用いて前記レジスト膜を現像し、
前記レジスト膜は第1の酸発生剤および第2の酸発生剤を含み、
前記第1の酸発生剤は、前記レジスト膜内に一様に分布し、かつ、前記第1および第2の光のうち前記第1の光が照射されると、前記レジスト膜を前記現像液に対して可溶化する酸を発生し、
前記第2の酸発生剤は、前記レジスト膜の表層内に偏在して分布し、かつ、前記第1および第2の光のうち前記第2の光が照射されると、前記レジスト膜を前記現像液に対して可溶化する酸を発生し、
前記改質処理は、前記レジスト膜の前記表層を前記現像液に対して可溶化する構造に変える処理であることを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
【請求項4】
基板上にレジストパターンとなるレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜上に樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層を介して前記レジスト膜に第1の光を照射して、前記レジスト膜に対してパターン露光を行う工程と、
前記レジストパターンを形成するために、前記パターン露光を行った前記レジスト膜に対して現像を行う工程と、
前記現像を行う工程時における欠陥の発生を抑制するために、前記パターン露光を行う工程の後、かつ、前記現像を行う工程の前に、前記樹脂層に第2の光を照射することにより、前記樹脂層の裏面と接している前記レジスト膜の表面に対して改質処理を行う工程と
を含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項5】
基板上にレジストパターンとなるレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜に第1の光を照射して、前記レジスト膜に対してパターン露光を行う工程と、
前記パターン露光を行った前記レジスト膜上に樹脂層を形成する工程と、
前記レジストパターンを形成するために、前記パターン露光を行った前記レジスト膜に対して現像を行う工程と、
前記現像を行う工程時における欠陥の発生を抑制するために、前記パターン露光を行う工程の後、かつ、前記現像を行う工程の前に、前記樹脂層に第2の光を照射することにより、前記樹脂層の裏面と接している前記レジスト膜の表面に対して改質処理を行う工程と
を含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項6】
前記現像を行う工程は、現像液を用いて前記レジスト膜を現像し、
前記レジスト膜は第1の酸発生剤を含み、
前記第1の酸発生剤は、前記レジスト膜内に一様に分布し、かつ、前記第1および第2の光のうち前記第1の光が照射されると、前記レジスト膜を前記現像液に対して可溶化する酸を発生し、
前記樹脂層は第2の酸発生剤を含み、
前記第2の酸発生剤は、前記樹脂層内に一様に分布し、かつ、前記第1および第2の光のうち前記第2の光が照射されると、前記樹脂層を前記現像液に対して可溶化する酸を発生し、
前記改質処理は、前記樹脂層から発生した酸により、前記樹脂層の裏面と接している前記レジスト膜の表面を前記現像液に対して可溶化する構造に変える処理であることを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
【請求項7】
前記改質処理により可溶化された部分の前記レジスト膜は、前記現像液により溶解して一定以上の親水性を有するように変化することを特徴とする請求項3または6に記載のパターン形成方法。
【請求項8】
前記第1の光はEUV光であり、前記第2の光はフラッシュランプの光であることを特徴する請求項2ないし7のいずれか1項に記載のパターン形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−57877(P2013−57877A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197247(P2011−197247)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】