説明

パターン形成装置

【課題】異物による液滴吐出ヘッドや基板の損傷を防止するパターン形成装置を提供する。
【解決手段】CF基板Wに付着した異物を、第1異物検出センサ81及び第2異物検出センサ82で検出する。第1異物検出センサ81は、第1投光部81Aから第1受光部81Bに向かって第1検出光L1を出射する。一方、第2異物検出センサ82は、第2投光部82Aから第2受光部82Bに向かって第2検出光L2を出射する。すなわち、検出光の向きが反対となる異物検出センサを設けた。また、基板ステージ14上の異物を検出する第3異物検出センサ83と、検査ユニット70の検査台72、フラッシング回収台73、及び、重量測定ユニット74の上面の異物を検出する第4異物検出センサ84とを設けた。従って、基板ステージ14及び検査ユニット70を液滴吐出ヘッドの直下に移動させる前に、異物を検出して液滴吐出ヘッドや基板の損傷を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、機能液を使って基板上に所望のパターンを形成する装置として、機能液を液
滴にして吐出するインクジェット装置、すなわち液滴吐出装置が知られている。液滴吐出
装置は、ステージに載置される基板と機能液を液滴にして吐出する液滴吐出ヘッドとを2
次元的に相対移動させながら、液滴吐出ヘッドから吐出される機能液の液滴を基板上の任
意の箇所に配置することによりパターンを形成する。
【0003】
液滴吐出ヘッドは、別設のタンクなどから機能液が供給されるとともに、供給された機
能液をその内部に設けたインク室(キャビティ)に一時的に貯留する。そして、ステージ
と相対向するように設けたノズルプレートに多数形成されたノズル孔からインク室に貯留
した機能液を液滴にして吐出する。
【0004】
近年では、複数の液滴吐出ヘッドを1つのキャリッジに搭載し、さらに、そのキャリッ
ジを複数搭載した多キャリッジタイプの液滴吐出装置が知られている。このような液滴吐
出装置は、大画面カラーフィルタの製造などに用いられ、複数のキャリッジから同時に液
滴を吐出することで、その描画速度を向上させている。
【0005】
ところで、液滴吐出装置が基板にパターンを形成しているとき、液滴吐出ヘッドのノズ
ルプレートと基板との間隔であるプラテンギャップは、例えば0.3mmと非常に小さい
。従って、基板に塵埃などの異物が付着していると、様々な問題が発生する。例えば、ス
テージに載置した基板の上面に異物が付着していると、その異物が液滴吐出ヘッドに接触
してしまい、基板や液滴吐出ヘッドを傷つけるといった問題が挙げられる。また、基板の
下面に異物が付着していると、その付近の基板がステージに対して盛り上がった状態とな
り、基板と液滴吐出ヘッドとが接触し、基板が破損してしまうといった問題が挙げられる

【0006】
これらの問題を解決する方法として、投光部と受光部とを設け、基板をその間を通過さ
せて、投光部から基板の上面に沿うように出射させた検出光を受光部で受光し、その受光
部が受光した光量に基づいて基板に付着した異物を検出する異物検出装置が提案されてい
る(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−85960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の方法では、例えば、基板が上述した大画面カラーフィルタ
の製造に用いられる大型のガラス基板であった場合には、投光部から発せられた検出光は
、受光部に近づくにつれて拡散してしまう。そして、検出光が拡散してしまうことによっ
て、ガラス基板において、受光部に近い領域に位置している異物の検出精度が低下してし
まう。従って、本来検出される同じ大きさの異物であっても、その位置(投光部からの距
離)によって、異物として検出することができなかった。つまり、基板を液滴吐出ヘッド
の直下を通過させているときに、異物が検出されていないのにも関わらず、液滴吐出ヘッ
ドや基板などが損傷してしまうことがあった。
【0009】
また、液滴吐出ヘッドの直下に移動配置され、液滴吐出ヘッドから吐出される液滴の検
査を行う検査ユニットが設けられた液滴吐出装置が実用化されている。そして、検査ユニ
ットを液滴吐出ヘッドの直下に移動させたときに、検査ユニットのメンテナンス時に作業
者が置き忘れた異物(工具など)によって液滴吐出ヘッドを損傷してしまうこともあった

【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、異物による液滴
吐出ヘッドや基板の損傷を防止するパターン形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のパターン形成装置は、搬送テーブルに載置された基板を主走査方向に搬送させ
、前記主走査方向に直交する副走査方向に並設されたキャリッジに設けた液滴吐出ヘッド
の各ノズルから機能液を液滴にして吐出し、前記基板にパターンを形成するパターン形成
装置であって、前記搬送テーブルの搬送経路を挟んで、前記基板の上面に沿って第1検出
光を出射する第1投光部と前記第1検出光を受光する第1受光部とが設けられ、前記第1
受光部が受光した受光量に基づいて、前記基板に付着した異物を検出する第1異物検出セ
ンサと、前記搬送テーブルの搬送経路を挟んで、前記基板の上面に沿って第2検出光を出
射する第2投光部と前記第2検出光を受光する第2受光部とが設けられ、前記第2受光部
が受光した受光量に基づいて、前記基板に付着した異物を検出する第2異物検出センサと
、を備えるとともに、前記第1投光部と前記第2投光部とを、前記搬送経路を挟んで反対
側に設けた。
【0012】
本発明のパターン形成装置によれば、例えば、基板が大型であるときに、第1異物検出
センサの第1検出光が拡散して異物の検出精度が低下してしまう領域、すなわち基板の第
1受光部に近い領域に付着した異物を、検出光の向きが反対の第2異物検出センサを設け
ることによって、第2異物検出センサがその異物を精度よく検出することができる。つま
り、第1及び第2異物検出センサが協働することによって、基板の全領域において、精度
よく異物を検出することができる。その結果、例えば、異物を検出したときに搬送テーブ
ルの搬送動作を停止させることで、基板に付着した異物に起因する液滴吐出ヘッドの損傷
や基板の損傷を防止することができる。
【0013】
このパターン形成装置は、前記第1及び第2検出光の光軸を、前記基板側に傾斜させる
ことが好ましい。
このパターン形成装置によれば、各投光部から出射された検出光の一部を、基板に反射
させることによって、対応する受光部が受光する光量を増大させることができる。従って
、基板に異物が付着しているとき、各検出光を受光する受光部において、異物が付着して
いない部分と異物が付着している部分とのコントラストを高くすることができる。その結
果、基板に付着した異物を精度よく検出することができる。
【0014】
このパターン形成装置は、前記第1検出光の光軸の直下に、前記基板が位置しているこ
とを検出する第1基板検出センサと、前記第2検出光の光軸の直下に、前記基板が位置し
ていることを検出する第2基板検出センサと、前記第1基板検出センサからの検出信号に
基づいて、前記第1異物検出センサを駆動制御するとともに、前記第2基板検出センサか
らの検出信号に基づいて、前記第2異物検出センサを駆動制御する異物検出センサ制御手
段とを設けることが好ましい。
【0015】
このパターン形成装置によれば、例えば、第1検出光の光軸の直下に、基板が位置して
いるときにだけ、第1投光部から第1検出光を出射させることができる。また、第2検出
光の光軸の直下に、基板が位置しているときにだけ、第2投光部から第2検出光を出射さ
せることができる。すなわち、各検出光の一部を基板で反射させることができず、各受光
部が受光する受光量が低下してしまうときには、第1及び第2異物検出センサを停止させ
ることができる。従って、検出光の直下に基板がないときに、受光部が受光する受光量が
低下することによる、異物の誤検出を防止することができる。
【0016】
このパターン形成装置は、前記搬送テーブルの上面における異物を検出する搬送テーブ
ル異物検出センサを設けることが好ましい。
このパターン形成装置によれば、例えば、搬送ステージのメンテナンス時に置き忘れた
工具などの異物を搬送テーブル異物検出センサが検出することができる。その結果、例え
ば、搬送テーブル異物検出センサが異物を検出したときに搬送テーブルの搬送動作を停止
させることで、搬送テーブルの上面における異物に起因するキャリッジ(液滴吐出ヘッド
)の損傷や基板の損傷を防止することができる。
【0017】
このパターン形成装置は、前記搬送テーブルとは独立して前記主走査方向に往復移動す
るとともに、前記液滴吐出ヘッドの直下に移動配置され、前記液滴吐出ヘッドから吐出さ
れる液滴の検査を行う検査ユニットを設けるとともに、前記検査ユニットにおける異物を
検出する検査ユニット異物検出センサを設けてもよい。
【0018】
このパターン形成装置によれば、検査ユニットをキャリッジ(液滴吐出ヘッド)の直下
に移動させる前に、例えば、検査ユニットのメンテナンス時に置き忘れた工具などの異物
を検出することができる。その結果、検査ユニットの異物に起因するキャリッジ(液滴吐
出ヘッド)の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図。
【図2】キャリッジプレートとキャリッジの関係を表す平面図。
【図3】(a)液滴吐出ヘッドを基板ステージ側から見た斜視図、(b)液滴吐出ヘッドのポンプ部断面図。
【図4】各異物検出センサの配置位置を示す模式図。
【図5】第1異物検出センサが第1検出光を出射した時の模式図。
【図6】液滴吐出装置の電気的構成を説明するための電気ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施したパターン形成装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、ブラックマトリクスが形成されたガラス基板に赤、緑、青のカラーフィルタを
形成するためのパターン形成装置としての液滴吐出装置1の概略構成を示している。液滴
吐出装置1は、図1に示すように、床面に主走査方向(X軸方向)に延在した基台2が設
置され、その上面に2aに一対のX軸ガイドレール11が主走査方向(X軸方向)に敷設
され、その一対のX軸ガイドレール11には搬送テーブルを構成するX軸移動テーブル1
2が載置されている。X軸移動テーブル12は、X軸ガイドレール11に沿って主走査方
向に移動可能に搭載されている。一対のX軸ガイドレール11には、X軸リニアモータM
1が備えられ、X軸リニアモータM1は、一対のX軸ガイドレール11に載置されたX軸
移動テーブル12を、エアスライダ(図示省略)を介してX軸方向に往復移動させる。
【0021】
尚、図1において、主走査方向をX軸方向、主走査方向(X軸方向)に直交する副走査
方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向(上下方向)をZ軸方向、Z軸方
向回りの回動方向をθ方向と表記する。
【0022】
X軸移動テーブル12の上面には、搬送テーブルを構成する基板ステージ14が設けら
れている。基板ステージ14は、真空吸着テーブルであって、その上面にガラス基板より
なるカラーフィルタ基板(CF基板という)Wを吸着固定し、同CF基板Wを搬送する。
基板ステージ14は、X軸移動テーブル12と基板ステージ14との間に設けた破線で示
すステージ回動機構16によって、X軸移動テーブル12に対してθ方向に回動可能に支
持固定されている。
【0023】
従って、基板ステージ14(CF基板W)は、X軸移動テーブル12とともにX軸方向
(主走査方向)に移動する。また、基板ステージ14(CF基板W)は、X軸移動テーブ
ル12の平面(XY平面(水平面))に対して平行にθ方向に回動する。
【0024】
前記X軸ガイドレール11の上方向をY軸方向に跨ぐように、一対のY軸ガイドレール
18が配設されている。一対のY軸ガイドレール18の一端の支柱19aは、基台2の上
面2a一側に立設され、他端の支柱19bは基台2から離間した床に立設されている。ま
た、基台2の上面2a他側には、支柱19cが立設されている。一対のY軸ガイドレール
18は、X軸方向に予め定めた間隔をおいて平行に配設されている。尚、本実施形態では
、Y軸方向に平行に延びた一対のY軸ガイドレール18において、基台2の上方位置を作
業領域、基台2から離間した位置を待機領域としている。
【0025】
一対のY軸ガイドレール18の間に、複数(本実施形態では、6個)のキャリッジプレ
ート21が差し渡されるように配置されている。そして、各キャリッジプレート21は、
Y軸ガイドレール18に沿って副走査方向(Y軸方向)に移動可能に載置されている。一
対のY軸ガイドレール18には、Y軸リニアモータM2を備え、Y軸リニアモータM2は
、一対のY軸ガイドレール18に載置された各キャリッジプレート21をそれぞれエアス
ライダ(図示省略)を介してY軸方向に往復移動させる。つまり、各キャリッジプレート
21は、Y軸ガイドレール18上の作業領域と待機領域との間を往復移動するようになっ
ている。
【0026】
各キャリッジプレート21の上面には、機能液供給ユニット22とヘッド用電装ユニッ
ト23とが載置されている。機能液供給ユニット22は、機能液F(図3(b)参照)を
所定量貯蔵して、各液滴吐出ヘッド40(図3(a),(b)参照)に機能液Fを供給す
るための供給回路装置である。ヘッド用電装ユニット23は、各液滴吐出ヘッド40を駆
動するための電気信号を供給するための電気回路装置である。
【0027】
また、ここでいう機能液Fとは、CF基板Wに形成されたブラックマトリクスの枠内に
配置される赤、緑、青のフィルタ用インクである。機能液Fは、CF基板Wに形成された
ブラックマトリクスの枠内に配置された後に乾燥されると、赤、緑、青のフィルタとなる

【0028】
図2に示すように、各キャリッジプレート21の下面の中央位置には、吊下機構25が
設けられ、その吊下機構25の下端部にキャリッジ30が取着されている。
吊下機構25は、吊下基板26と、吊下回動枠27と、吊下支持枠28とを有している
。吊下基板26は、キャリッジプレート21の下面中央位置に連結固定され、その下端部
に吊下回動枠27を連結している。吊下回動枠27は、その下端部に吊下支持枠28をθ
方向に回動可能に連結支持している。吊下回動枠27には、θ軸回動モータ(図示省略)
を有し、θ軸回動モータは吊下支持枠28を吊下基板26(キャリッジプレート21)に
対してθ方向に回動させるようになっている。吊下支持枠28には、キャリッジ30が支
持固定され、吊下機構25に垂設されたキャリッジ30をθ方向に回動させる。
【0029】
キャリッジ30は、略直方体形状のキャリッジ枠31を有している。キャリッジ枠31
には、X軸方向及びY軸方向のそれぞれの両側面に開口部が設けられており(X軸方向の
各開口部は図示省略)、キャリッジ枠31の内側に対して、周囲の空気が流出入できるよ
うになっている。また、キャリッジ30の略直方体形状のキャリッジ枠31の下端部には
、ユニットプレート34が図示しないネジ等により固設されている。ユニットプレート3
4には、液滴吐出ヘッド40が着脱可能に、かつ、精度よく位置決め固定されて取り付け
られている。本実施形態では、X軸方向に沿って並設された3個の液滴吐出ヘッド40が
、Y軸方向と平行に2列、すなわち合計6個の液滴吐出ヘッド40が取り付けられている
。尚、キャリッジ枠31の内側は、配管や配線などが配設されているが、表示すると煩雑
になるため図示を省略している。
(液滴吐出ヘッド40)
次に、ユニットプレート34に取着した液滴吐出ヘッド40について図3を参照して説
明する。図3(a)は、液滴吐出ヘッド40を基板ステージ14側から見た外観斜視図で
ある。この液滴吐出ヘッド40は、2つの接続針42を有する液体導入部41と、液体導
入部41の側方に連なるヘッド基板43と、液体導入部41に連なるポンプ部44と、ポ
ンプ部44に連なるノズルプレート45とを備えている。
【0030】
液体導入部41の接続針42には、機能液供給ユニット22に接続した図示しない配管
接続部材が接続されている。ヘッド基板43には、一対のヘッドコネクタ43Aが実装さ
れており、当該ヘッドコネクタ43Aを介して、ヘッド用電装ユニット23に接続された
図示しないフレキシブルフラットケーブルが接続される。
【0031】
一方、ポンプ部44とノズルプレート45とにより、方形のヘッド本体40Aが構成さ
れている。
ノズルプレート45のノズル形成面45aには、液滴Fbを吐出する吐出ノズル46か
らなる2本のノズル列47が形成されている。2本のノズル列47は相互に平行に列設さ
れており、各ノズル列47は、等ピッチで並設された180個(図示では模式的に表して
いる)の吐出ノズル46で構成されている。すなわち、ヘッド本体40Aのノズル形成面
45aには、その中心線を挟んで2本のノズル列47が対称に配設されている。
【0032】
図3(b)は、液滴吐出ヘッド40のポンプ部44の内部を示し、各吐出ノズル46の
上側にそれぞれキャビティ52、振動板53及び圧電素子PZを有している。各キャビテ
ィ52は、それぞれ図示しない配管接続部材を介して機能液供給ユニット22に接続され
、同機能液供給ユニット22からの機能液F(フィルタ用インク)を収容し、そのフィル
タ用インクを吐出ノズル46に供給する。振動板53は、各キャビティ52に対向する領
域をZ方向に振動することによって、該キャビティ52の容積を拡大及び縮小させて、こ
れに伴って吐出ノズル46のメニスカスを振動させる。各圧電素子PZは、それぞれ所定
の駆動波形信号を受けるとき、Z方向に収縮して伸張することによって、振動板53の各
領域をZ方向に振動させる。各キャビティ52は、それぞれの振動板53がZ方向に振動
するとき、収容するフィルタ用インクの一部を所定重量の液滴Fbにして吐出ノズル46
から吐出させる。
【0033】
ポンプ部44の基部側、すなわちヘッド本体40Aの基部側は、液体導入部41を受け
るべく方形フランジ状にフランジ部48が形成されている。このフランジ部48は、抜け
止めの役目を果たすとともに、ヘッド止めネジ(図示せず)でユニットプレート34と連
結固定される連結部の役目を果たす。フランジ部48には、液滴吐出ヘッド40をユニッ
トプレート34に固定する小ネジ用のネジ孔(雌ネジ)49が一対形成されている。つま
り、液滴吐出ヘッド40は、ユニットプレート34の所定の位置に形成された貫通穴(図
示せず)に、ヘッド本体40Aを貫挿させて、ユニットプレート34を貫挿してネジ孔4
9と螺合するヘッド止めネジ(図示せず)によってユニットプレート34に固定される。
【0034】
図2及び図3に示したX軸、Y軸、Z軸は、図1に示したX軸、Y軸、Z軸と同一であ
る。すなわち、ユニットプレート34が液滴吐出装置1に取り付けられた状態では、液滴
吐出ヘッド40に形成されたノズル列47(図3(a)参照)は、Y軸方向に延在する構
成になっている。
(検査ユニット70)
次に、液滴吐出ヘッド40から吐出される液滴を検査する検査ユニット70について説
明する。
【0035】
図1に示すように、前記基台2に敷設された一対のX軸ガイドレール11には、検査ユ
ニット70がX軸ガイドレール11に沿って主走査方向に移動可能に配置されている。
詳述すると、検査ユニット70は、移動テーブル71を有し、移動テーブル71は、X
軸ガイドレール11に沿って主走査方向に移動可能に搭載されている。そして、移動テー
ブル71は、一対のX軸ガイドレール11に備えられたX軸リニアモータM1にてエアス
ライダ(図示省略)を介してX軸方向に往復移動する。
【0036】
移動テーブル71の上面の基板ステージ14側には、検査台72が設置固定されている
。検査台72は、Y軸方向に沿って長く延び、その上面に、例えばフィルムコーティング
が施された、被検出紙Pが配置されている。検査台72に配置した被検出紙Pは、検査台
72が液滴吐出ヘッド40の直下に案内された時に、各キャリッジ30の液滴吐出ヘッド
40の各吐出ノズル46から吐出された液滴Fbが着弾されるようになっている。
【0037】
移動テーブル71の上面であって検査台72に隣接した位置には、フラッシング回収台
73が前記キャリッジ30の数(6個)だけ設けられ、その各フラッシング回収台73が
Y軸方向に沿って並設されている。
【0038】
フラッシング回収台73の受け口73aは、各フラッシング回収台73が対応するキャ
リッジ30の直下に案内された時に、各キャリッジ30の液滴吐出ヘッド40の各吐出ノ
ズル46から液滴Fbが吐出され(フラッシングされ)、その液滴Fbを受け止める収容
するようになっている。つまり、CF基板Wに液滴Fbでカラーフィルタを描画する前に
フラッシング動作され、そのフラッシングに基づく液滴Fbをフラッシング回収台73で
回収する。
【0039】
移動テーブル71の上面であって並設されたフラッシング回収台73に隣接した位置に
は、重量測定ユニット74が前記キャリッジ30の数(6個)だけ設けられ、各重量測定
ユニット74はY軸方向に沿って並設されている。
【0040】
重量測定ユニット74は、対応するキャリッジ30の直下に案内された時に、各キャリ
ッジ30の液滴吐出ヘッド40の各吐出ノズル46から吐出された液滴Fbが着弾し、そ
の重量を計測するようになっている。つまり、CF基板Wに液滴Fbでパターンを形成す
る前に、各キャリッジ30の液滴吐出ヘッド40の各吐出ノズル46から液滴Fbの吐出
重量を計測する。尚、本実施形態では、検査台72、フラッシング回収台73、及び、重
量測定ユニット74は、その上面が略同じ高さになるように設けられている。
【0041】
次に、CF基板Wに付着した異物を検出する第1及び第2異物検出センサ81,82に
ついて説明する。
図4は、各異物検出センサの配置位置を示す模式図である。図4に示すように、基板ス
テージ14側に位置するY軸ガイドレール18の支柱19aと19cとを利用して、第1
異物検出センサ81が設けられている。
【0042】
第1異物検出センサ81の第1投光部81Aは、支柱19cの内側に設けられ、図示し
ないレーザ光源を有し、レーザ光からなる所定光量の第1検出光L1を出射する。第1受
光部81Bは、第1投光部81Aと相対向するように支柱19aに設けられ、第1投光部
81Aから出射された第1検出光L1を受光して、その受光量を検出する。
【0043】
第1投光部81Aは、図5に示すように、基板ステージ14に載置されたCF基板Wの
側面Wbに第1検出光L1の下部が対向するとともに、CF基板Wの上面Waに沿うよう
に第1検出光L1を出射させている。すなわち、CF基板Wの上面Waに異物が付着して
いるときには、その異物によって第1検出光L1が遮断され、第1受光部81Bが受光す
る受光量が低下するようになっている。一方、CF基板Wの下面Wcに異物が付着してい
るときには、異物が付着している近辺のCF基板Wが基板ステージ14に対して浮き上が
った状態となることから、その浮き上がった部分によって、第1検出光L1が遮断され、
第1受光部81Bの受光量が低下するようになっている。
【0044】
また、第1投光部81Aは、水平方向に対してCF基板W側に所定の傾斜角θkをなす
ように、第1検出光L1の光軸AX1を傾斜させている。第1検出光L1の光軸AX1を
傾斜させることによって、図5に矢印で示すように、第1検出光L1の一部がCF基板W
で反射し、その反射した第1検出光L1を第1受光部81Bに入射させることができる。
すなわち、第1受光部81Bに入射する第1検出光L1の光量を増大させることができる
。従って、CF基板Wに異物が付着しているとき、第1検出光L1を受光する第1受光部
81Bにおいて、CF基板Wに異物が付着していない部分と異物が付着している部分との
コントラストを高くすることができる。つまり、第1検出光L1の拡散による影響を低減
し、CF基板Wに付着した異物を精度よく検出することができるようになっている。
【0045】
また、図2に示すように、基板ステージ14側のY軸ガイドレール18において、基板
ステージ14の上面と相対向する面18aには、第1基板検出センサ81Cが設けられて
いる。第1基板検出センサ81Cは、図4に示すように、第1異物検出センサ81の第1
検出光L1の光軸AX1の直上に設けられ、第1検出光L1の光軸AX1の直下にCF基
板Wが配置されているか否かを検出するセンサである。そして、第1基板検出センサ81
Cによって第1検出光L1の光軸AX1の直下にCF基板Wが検出されているとき、第1
異物検出センサ81は、第1投光部81Aから第1検出光L1を出射するようになってい
る。
【0046】
図4に示すように、第1異物検出センサ81に隣接した位置には、第2異物検出センサ
82が設けられている。第2異物検出センサ82は、第1異物検出センサ81と検出光の
向きが反対になるように、支柱19aに第2投光部82Aを設け、支柱19cに第2受光
部82Bを設けただけなので、その詳細な説明は省略する。
【0047】
また、第2投光部82Aから出射される第2検出光L2の光軸の直上には、第2基板検
出センサ82Cが設けられている(図2及び図4参照)。第2基板検出センサ82Cは、
第1基板検出センサ81Cと同様に、第2異物検出センサ82の第2検出光L2の光軸の
直下にCF基板Wが配置されているか否かを検出するセンサである。第2異物検出センサ
82と第2基板検出センサ82Cとの関係は、第1異物検出センサ81と第1基板検出セ
ンサ81Cとの関係と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0048】
次に、基板ステージ14の上面における異物を検出する、搬送テーブル異物検出センサ
としての第3異物検出センサ83について説明する。第3異物検出センサ83は、基板ス
テージ14に付着した異物やメンテナンス時に置き忘れた工具などを検出するセンサであ
る。図4のように、第3異物検出センサ83は、第2異物検出センサ82に隣接した位置
に設けられ、投光部及び受光部を有する投受光部83Aと、投受光部83Aの投光部から
出射された検出光L3を同投受光部83Aの受光部に反射させる反射板83Bとを備えて
いる。
【0049】
投受光部83Aの投光部は、図示しないレーザ光源を有し、反射板83Bに向かってレ
ーザ光からなる所定の光量の検出光L3を出射している。検出光L3は、投受光部83A
と反射板83Bとの間を基板ステージ14が通過するときには、基板ステージ14の上面
に沿うように出射されている。反射板83Bは、投受光部83Aの投光部から出射された
検出光L3を、投受光部83Aの受光部に向かって反射させる。投受光部83Aの受光部
は、反射板83Bにて反射された検出光L3を受光して、その光量を検出する。すなわち
、基板ステージ14の上面に異物があるときには、検出光L3が遮断され、投受光部83
Aの受光部が受光する光量が低下するようになっている。
【0050】
次に、検査ユニット70における異物を検出する、検査ユニット異物検出センサとして
の第4異物検出センサ84について説明する。
第4異物検出センサ84は、検査ユニット70の検査台72、フラッシング回収台73
、重量測定ユニット74の上面に付着した異物や検査台72の被検出紙Pの紙浮き、及び
、メンテナンス時に置き忘れた工具などを検出する装置である。
【0051】
第4異物検出センサ84は、第3異物検出センサ83と同様に、投光部及び受光部を有
する投受光部84Aと、投受光部84Aの投光部から出射された検出光L4を同投受光部
84Aの受光部に反射させる反射板84Bとを備えている。図1に示すように、第4異物
検出センサ84の投受光部84Aは、検査ユニット70側のY軸ガイドレール18の支柱
19aに隣接した位置に設けられた固定部材85aによって所定の高さになるように設け
られている。また、反射板84Bは、検査ユニット70側のY軸ガイドレール18の支柱
19cに隣接した位置に設けられた固定部材85bによって投受光部84Aと相対向する
ように設けられている。
【0052】
投受光部84Aの投光部は、図示しないレーザ光源を有し、反射板84Bに向かってレ
ーザ光からなる所定の光量の検出光L4を出射している。検出光L4は、投受光部84A
と反射板84Bとの間を検査ユニット70が通過するときには、検査ユニット70の検査
台72、フラッシング回収台73、重量測定ユニット74のそれぞれの上面に沿うように
出射されている。反射板84Bは、投受光部84Aの投光部から出射された検出光L4を
、投受光部84Aの受光部に向かって反射させる。投受光部84Aの受光部は、反射板8
4Bにて反射された検出光L4を受光して、その光量を検出する。すなわち、検査ユニッ
ト70の上面に異物があるときには、検出光L4が遮断され、投受光部84Aの受光部が
受光する光量が低下するようになっている。
【0053】
次に、液滴吐出装置1の電気的構成を図6に従って説明する。図6は、液滴吐出装置1
の電気的構成を示すブロック図である。
図6において、制御装置100は、CPU101、ROM102、RAM103等を有
している。制御装置100は、格納された各種データ及び各種制御プログラムに従って、
X軸移動テーブル12の搬送処理、各キャリッジプレート21の搬送処理、各キャリッジ
30に設けた各液滴吐出ヘッド40の液滴吐出処理などを実行する。また、制御装置10
0は、CF基板Wや基板ステージ14、及び、検査ユニット70の異物検出処理などを実
行する。
【0054】
制御装置100には、各種操作スイッチとディスプレイを有した入出力装置104が接
続されている。入出力装置104は、液滴吐出装置1が実行する各種処理の処理状況を表
示する。入出力装置104は、CF基板Wに液滴Fbでパターンを形成するための描画デ
ータ(ビットマップデータBD)を生成し、そのビットマップデータBDを制御装置10
0に入力する。また、制御装置100は、入力されたビットマップデータBDをRAM1
03に記憶する。
【0055】
ビットマップデータBDは、各ビットの値(0あるいは1)に応じて各圧電素子PZの
オンあるいはオフを規定したデータである。ビットマップデータBDは、液滴吐出ヘッド
40(各吐出ノズル46)の直下をCF基板Wが通過する際、CF基板Wの予め特定され
た各位置に、液滴Fbを吐出するか否かを規定したデータである。
【0056】
すなわち、ビットマップデータBDは、CF基板Wに液滴Fbでカラーフィルタのパタ
ーンを形成するために、液滴吐出ヘッド40(各吐出ノズル46)の直下を、何度もCF
基板を往復動させ、その往動及び復動する毎に、カラーフィルタのパターンを形成するた
めに用意された、配置位置に液滴Fbを吐出するか否かを規定したデータである。
【0057】
詳述すると、X軸移動テーブル12(CF基板W)が液滴吐出ヘッド40(各吐出ノズ
ル46)の直下を往動及び復動する毎に用意された、各往動及び各復動に対応するビット
マップデータBDを使って、液滴Fbを吐出させれば、CF基板Wにカラーフィルタのパ
ターンが描画されることになる。
【0058】
そして、本実施形態では、このCF基板Wに描画するパターンは、予め設計等で求め、
その求めたパターンからビットマップデータBDが作成される。
制御装置100には、X軸リニアモータ駆動回路105が接続されている。制御装置1
00は、駆動制御信号をX軸リニアモータ駆動回路105に出力する。X軸リニアモータ
駆動回路105は、制御装置100からの駆動制御信号に応答して、X軸移動テーブル1
2(CF基板W)を移動させるためのX軸リニアモータM1を駆動させる。また、制御装
置100は、検査ユニット70によって液滴Fbの検査を行う場合に、検査ユニット70
を移動させるための駆動制御信号をX軸リニアモータ駆動回路105に出力する。X軸リ
ニアモータ駆動回路105は、制御装置100からの検査ユニット70を移動させるため
の駆動制御信号に応答して、移動テーブル71を移動させるためのX軸リニアモータM1
を駆動させる。
【0059】
制御装置100には、Y軸リニアモータ駆動回路106が接続されている。制御装置1
00は、駆動制御信号をY軸リニアモータ駆動回路106に出力する。Y軸リニアモータ
駆動回路106は、制御装置100からの駆動制御信号に応答して、各キャリッジプレー
ト21を移動させるためのY軸リニアモータM2を駆動させる。
【0060】
制御装置100には、液滴吐出ヘッド40毎に設けられたヘッド駆動回路108が接続
されている。制御装置100は、所定の吐出周波数に同期させた吐出タイミング信号LT
をヘッド駆動回路108に出力する。制御装置100は、各圧電素子PZを駆動するため
の駆動電圧COMを所定の吐出周波数に同期させて、それぞれ対応するヘッド駆動回路1
08に出力する。
【0061】
制御装置100は、ビットマップデータBDを利用して所定の周波数に同期したパター
ン形成用制御信号SIを生成し、パターン形成用制御信号SIをヘッド駆動回路108に
シリアル転送する。ヘッド駆動回路108は、制御装置100からのパターン形成用制御
信号SIを各圧電素子PZに対応させて順次シリアル/パラレル変換する。ヘッド駆動回
路108は、制御装置100からの吐出タイミング信号LTを受けるたびに、シリアル/
パラレル変換したパターン形成用制御信号SIをラッチし、パターン形成用制御信号SI
によって選択される圧電素子PZにそれぞれ駆動電圧COMを供給する。
【0062】
制御装置100には、基板検出センサ駆動回路110が接続されている。制御装置10
0は、制御駆動信号を基板検出センサ駆動回路110に出力する。基板検出センサ駆動回
路110は、制御装置100からの駆動制御信号に応答して、第1基板検出センサ81C
と第2基板検出センサ82Cのそれぞれを駆動させる。基板検出センサ駆動回路110は
、第1及び第2基板検出センサ81C,82Cが、それぞれ対応した検出光の光軸の直下
にCF基板Wが位置していることを検出すると、その検出信号Sa,Sbを制御装置10
0に出力する。尚、本実施形態では、液滴吐出装置1の稼動中は常に、第1及び第2基板
検出センサ81C,82Cをそれぞれ駆動制御するようになっている。
【0063】
制御装置100には、第1異物検出センサ駆動回路111が接続されている。異物検出
センサ制御手段としての制御装置100は、第1基板検出センサ81Cから検出信号Sa
が入力されているとき、第1異物検出センサ駆動回路111に駆動制御信号を出力する。
第1異物検出センサ駆動回路111は、制御装置100からの駆動制御信号に応答して、
第1投光部81Aから第1検出光L1を出射させる。第1異物検出センサ駆動回路111
は、第1異物検出センサ81の第1受光部81Bが受光した受光量の検出値を、制御装置
100に出力する。制御装置100は、第1異物検出センサ81からの検出結果を受けて
、第1異物検出センサ81からの検出値とROM102に予め定めた第1の閾値とを比較
する。制御装置100は、第1異物検出センサ81からの検出値が、第1の閾値よりも小
さいときには、CF基板Wに異物が付着していると判断し、X軸リニアモータM1を駆動
制御して基板ステージ14(X軸移動テーブル12)の搬送動作を直ちに停止させ、入出
力装置104に設けた図示しない警報ランプを点灯させる。
【0064】
制御装置100には、第2異物検出センサ駆動回路112が接続されている。異物検出
センサ制御手段としての制御装置100は、第2基板検出センサ82Cから検出信号Sb
が入力されているとき、第2異物検出センサ駆動回路112に駆動制御信号を出力する。
第2異物検出センサ駆動回路112は、制御装置100からの駆動制御信号に応答して、
第2投光部82Aから第2検出光L2を出射させる。第2異物検出センサ駆動回路112
は、第2異物検出センサ82の第2受光部82Bが受光した受光量の検出値を、制御装置
100に出力する。制御装置100は、第2異物検出センサ82からの検出結果を受けて
、第2異物検出センサ82からの検出値と前記第1の閾値とを比較する。制御装置100
は、第2異物検出センサ82からの検出値が、前記第1の閾値よりも小さいときには、C
F基板Wに異物が付着していると判断し、X軸リニアモータM1を駆動制御して基板ステ
ージ14(X軸移動テーブル12)の搬送動作を直ちに停止させ、入出力装置104に設
けた図示しない警報ランプを点灯させる。
【0065】
制御装置100には、第3異物検出センサ駆動回路113が接続されている。制御装置
100は、第3異物検出センサ駆動回路113に駆動制御信号を出力する。第3異物検出
センサ駆動回路113は、制御装置100からの駆動制御信号に応答して、第3異物検出
センサ83を駆動し、投受光部83Aの投光部から検出光L3を出射させる。また、第3
異物検出センサ駆動回路113は、投受光部83Aの受光部が受光した受光量の検出値を
、制御装置100に出力する。制御装置100は、第3異物検出センサ駆動回路113か
らの検出結果を受けて、第3異物検出センサ83からの検出値とROM102に予め定め
た第2の閾値とを比較する。制御装置100は、第3異物検出センサ83からの検出値が
、第2の閾値よりも小さいときには、基板ステージ14に異物が存在していると判断し、
X軸リニアモータM1を駆動制御して基板ステージ14(X軸移動テーブル12)の搬送
動作を直ちに停止させ、入出力装置104に設けた図示しない警報ランプを点灯させる。
尚、本実施形態では、制御装置100は、液滴吐出装置1の稼動中は常に、第3異物検出
センサ83を駆動するようになっている。
【0066】
制御装置100には、第4異物検出センサ駆動回路114が接続されている。制御装置
100は、第4異物検出センサ駆動回路114に駆動制御信号を出力する。第4異物検出
センサ駆動回路114は、制御装置100からの駆動制御信号に応答して、第4異物検出
センサ84を駆動し、投受光部84Aの投光部から検出光L4を出射させる。また、第4
異物検出センサ駆動回路114は、投受光部84Aの受光部が受光した受光量の検出値を
、制御装置100に出力する。制御装置100は、第4異物検出センサ駆動回路114か
らの検出結果を受けて、第4異物検出センサ84からの検出値と前記第2の閾値とを比較
する。制御装置100は、第4異物検出センサ84からの検出値が、前記第2の閾値より
も小さいときには、検査ユニット70に異物が存在していると判断し、X軸リニアモータ
M1を駆動制御して、移動テーブル71の搬送動作を直ちに停止させ、入出力装置104
に設けた図示しない警報ランプを点灯させる。尚、本実施形態では、制御装置100は、
液滴吐出装置1の稼動中は常に、第4異物検出センサ84を駆動するようになっている。
【0067】
次に、上記のように構成した液滴吐出装置1の異物検出方法について説明する。
これから、液滴吐出装置1は、基板ステージ14に新たに配置されたCF基板Wにパタ
ーンを形成する。
【0068】
制御装置100は、X軸リニアモータM1を駆動して基板ステージ14(X軸移動テー
ブル12)をX軸方向に移動させる。やがて、第1基板検出センサ81CがCF基板Wを
検出し、その検出信号Saを制御装置100に出力する。制御装置100は、検出信号S
aが入力されると、第1異物検出センサ駆動回路111を介して、第1異物検出センサ8
1を駆動し、第1投光部81Aから第1検出光L1を第1受光部81Bに向かって出射す
る。第1受光部81Bは、受光した第1検出光L1の検出値を、第1異物検出センサ駆動
回路111を介して、制御装置100に出力する。制御装置100は、第1異物検出セン
サ81からの検出値とROM102に予め定めた第1の閾値とを比較し、CF基板Wに付
着した異物を検出する。
【0069】
続いて、第2基板検出センサ82CがCF基板Wを検出し、その検出信号Sbを制御装
置100に出力する。制御装置100は、検出信号Sbが入力されると、第2異物検出セ
ンサ82を駆動して、第2投光部82Aから第2検出光L2を第2受光部82Bに向かっ
て出射する。第2受光部82Bは、受光した第2検出光L2の検出値を、第2異物検出セ
ンサ駆動回路112を介して、制御装置100に出力する。制御装置100は、第2異物
検出センサ82からの検出値とROM102に予め定めた第1の閾値とを比較し、CF基
板Wに付着した異物を検出する。
【0070】
そして、第1及び第2基板検出センサ81C,82Cは、その直下にCF基板Wを検出
しなくなると、検出信号Sa,Sbの制御装置100への出力を停止するとともに、制御
装置100は、第1及び第2異物検出センサ駆動回路111,112を介して、第1及び
第2異物検出センサ81,82を停止させる。
【0071】
ここで、第1異物検出センサ81の第1投光部81Aから出射された第1検出光L1は
、第1受光部81Bに近づくにつれて拡散してしまい、CF基板Wに付着した異物の検出
精度が低下する。しかし、第1異物検出センサ81と検出光の向きが反対である第2異物
検出センサ82を設けたことによって、第1異物検出センサ81の検出精度が低下した領
域において、第2異物検出センサ82が精度よく異物を検出することができる。つまり、
第1及び第2異物検出センサ81,82が協働することによって、CF基板Wの全領域に
おいて精度よく異物を検出することができる。
【0072】
また、CF基板Wが第1及び第2検出光L1,L2の光軸の直下に位置していないとき
には、第1及び第2検出光L1,L2の一部をCF基板Wで反射させて、第1及び第2受
光部81B,82Bに入射させることができないため、第1及び第2受光部81B,82
Bが受光する受光量が低下する。このとき、第1及び第2受光部81B,82Bが受光し
た受光量の検出値が第1の閾値を下回ってしまい、制御装置100がCF基板Wに異物が
付着していると誤検出してしまうことがある。しかし、第1及び第2基板検出センサ81
C,82Cを設けることによって、その受光量の低下による、異物の誤検出を防止するこ
とができる。
【0073】
制御装置100は、第3異物検出センサ駆動回路113を介して、第3異物検出センサ
83を常に駆動させ、第3異物検出センサ83の投受光部83Aの投光部から検出光L3
を出射させている。投受光部83Aは、反射板83Bで反射された検出光L3を投受光部
83Aの受光部で受光し、その検出値を第3異物検出センサ駆動回路113を介して、制
御装置100に出力する。制御装置100は、第3異物検出センサ83からの検出値とR
OM102に予め定めた第2の閾値とを比較し、基板ステージ14に付着した異物やメン
テナンス時に置き忘れた工具などを検出する。
【0074】
つまり、CF基板Wに付着した異物を第1及び第2異物検出センサ81,82が検出し
、基板ステージ14の上面に付着した異物やメンテナンス時に置き忘れた工具などを第3
異物検出センサ83が検出する。従って、CF基板Wを載置した基板ステージ14を、キ
ャリッジ30の直下に移動させる前に、CF基板Wに付着した異物、及び、基板ステージ
14に付着した異物やメンテナンス時に置き忘れた工具などを検出することができる。そ
の結果、それらに起因するキャリッジ30(液滴吐出ヘッド40)及びCF基板Wの損傷
を防止することができる。
【0075】
一方、液滴吐出ヘッド40から吐出される液滴の検査を行うとき、制御装置100は、
X軸リニアモータM1を駆動させて、検査ユニット70の移動テーブル71を反X軸方向
に搬送する。制御装置100は、第4異物検出センサ駆動回路114を介して、第4異物
検出センサ84を常に駆動させ、第4異物検出センサ84の投受光部84Aの投光部から
検出光L4を出射させている。投受光部84Aは、反射板84Bで反射された検出光L4
を投受光部84Aの受光部で受光し、その検出値を第4異物検出センサ駆動回路114を
介して、制御装置100に出力する。制御装置100は、第4異物検出センサ84からの
検出値をROM102に予め定めた第2の閾値と比較し、検査ユニット70の検査台72
、フラッシング回収台73、重量測定ユニット74の上面に付着した異物や検査台72の
被検出紙Pの紙浮き、及び、メンテナンス時に置き忘れた工具などの異物を検出する。
【0076】
従って、検査ユニット70をキャリッジ30(液滴吐出ヘッド40)の直下に移動させ
る前に、検査ユニット70の検査台72、フラッシング回収台73、重量測定ユニット7
4の上面に付着した異物や検査台72の被検出紙Pの紙浮き、及び、メンテナンス時に置
き忘れた工具などを検出することができる。その結果、それらに起因するキャリッジ30
(液滴吐出ヘッド40)の損傷を防止することができる。
【0077】
上記実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態によれば、基板ステージ14側のY軸ガイドレール18の支柱19
cに設けた第1投光部81Aから支柱19aに設けた第1受光部81Bに第1検出光L1
を出射する第1異物検出センサ81を設けた。また、第1異物検出センサ81とは検出光
の向きが反対となるように、支柱19aに設けた第2投光部82Aから支柱19aに設け
た第2受光部82Bに第2検出光L2を出射する第2異物検出センサ82を設けた。また
、制御装置100は、CF基板Wに異物が検出されたときには、X軸リニアモータM1を
駆動制御して基板ステージ14(X軸移動テーブル12)の搬送動作を直ちに停止させた

【0078】
従って、第1異物検出センサ81の第1検出光L1が拡散してしまい、CF基板Wに付
着した異物の検出精度が低下する領域に付着した異物を、検出光の向きが反対の第2異物
検出センサ82が、その異物を精度よく検出することができる。すなわち、第1及び第2
異物検出センサ81,82が協働することによって、CF基板Wの全領域において、異物
を精度よく検出することができる。その結果、CF基板Wに付着した異物に起因するキャ
リッジ30(液滴吐出ヘッド40)の損傷を防止することができる。
【0079】
(2)上記実施形態によれば、第1異物検出センサ81の第1投光部81Aから出射さ
れる第1検出光L1の光軸AX1を、CF基板W側に傾斜させて出射した。同様に、第2
異物検出センサ82の第2投光部82Aから出射される第2検出光L2の光軸を、CF基
板W側に傾斜させて出射した。
【0080】
従って、第1及び第2投光部81A,82Aから出射された第1及び第2検出光L1,
L2の一部を、CF基板Wに反射させることによって、第1及び第2受光部81B,82
Bが受光する光量を増大させることができる。その結果、CF基板Wに異物が付着してい
るとき、第1及び第2検出光L1,L2を受光する第1及び第2受光部81B,82Bに
おいて、CF基板Wに異物が付着していない部分と異物が付着している部分とのコントラ
ストを高くすることができる。つまり、検出光の拡散による影響を低減し、CF基板Wに
付着した異物を精度よく検出することができるようになっている。
【0081】
(3)上記実施形態によれば、第1異物検出センサ81の第1投光部81Aから出射さ
れる第1検出光L1の光軸AX1の直下に、CF基板Wが配置されていることを検出する
第1基板検出センサ81Cを設けた。同様に、第2異物検出センサ82の第2投光部82
Aから出射される第2検出光L2の光軸の直下に、CF基板Wが配置されていることを検
出する第2基板検出センサ82Cを設けた。制御装置100は、第1及び第2基板検出セ
ンサ81C,82CがCF基板Wを検出しているときに、各第1及び第2投光部81A,
82Aから検出光を出射させた。
【0082】
従って、第1及び第2異物検出センサ81,82が、第1及び第2検出光L1,L2を
出射しているときには、第1及び第2検出光L1,L2の光軸の直下に、CF基板Wを必
ず位置させることができる。その結果、第1及び第2検出光L1,L2の一部をCF基板
Wで反射させることができず、第1及び第2受光部81B,82Bが受光する受光量の低
下によって、制御装置100がCF基板Wに異物が付着していると誤検出することを防止
することができる。
【0083】
(4)上記実施形態によれば、基板ステージ14に付着した異物やメンテナンス時に基
板ステージ14に置き忘れた工具などの異物を検出する第3異物検出センサ83を設けた
。また、制御装置100は、基板ステージ14に異物が検出されたときには、X軸リニア
モータM1を駆動制御して基板ステージ14(X軸移動テーブル12)の搬送動作を直ち
に停止させた。
【0084】
従って、CF基板Wに付着した異物を第1及び第2異物検出センサ81,82が検出す
るとともに、基板ステージ14に付着した異物やメンテナンス時に基板ステージ14に置
き忘れた工具などの異物を第3異物検出センサ83が検出することができる。その結果、
CF基板Wを載置した基板ステージ14を、キャリッジ30の直下に移動させる前に、異
物によるキャリッジ30(液滴吐出ヘッド40)の損傷を、より確実に防止することがで
きる。
【0085】
(5)上記実施形態によれば、検査ユニット70の検査台72、フラッシング回収台7
3、重量測定ユニット74に付着した異物や検査台72の被検出紙Pの紙浮き、及び、メ
ンテナンス時に置き忘れた工具などを検出する第4異物検出センサ84を設けた。また、
制御装置100は、検査ユニット70に異物が検出されたときには、X軸リニアモータM
1を駆動制御して移動テーブル71の搬送動作を直ちに停止させた。
【0086】
従って、検査ユニット70をキャリッジ30(液滴吐出ヘッド40)の直下に移動させ
る前に、検査ユニット70の異物や検査台72の被検出紙Pの紙浮き、及び、検査ユニッ
ト70のメンテナンス時に置き忘れた工具などを検出することができる。その結果、それ
らに起因するキャリッジ30(液滴吐出ヘッド40)の損傷を、より確実に防止すること
ができる。
【0087】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、検査ユニット70の異物検出を行う第4異物検出センサ84の投
受光部84Aを固定部材85aに、反射板84Bを固定部材85bに設けた。これに限ら
ず、例えば、検査ユニット70側のY軸ガイドレール18の支柱19a及び支柱19cに
設けるようにしてもよい。
【0088】
・上記実施形態では、第1及び第2検出光L1,L2の光軸をそれぞれCF基板W側に
傾斜させて出射させた。これに限らず、例えば、CF基板Wの上面と平行になるように出
射させてもよい。
【0089】
・上記実施形態では、パターン形成装置としてフィルタ用インクを液滴にして吐出させ
てCF基板にカラーフィルタを形成する液滴吐出装置1に具体化した。これに限らず、金
属配線を形成する液滴吐出装置、絶縁層を形成する液滴吐出装置、液晶層や配向膜を形成
する液滴吐出装置、有機EL表示装置の発光層等を形成する液滴吐出装置等のパターン形
成装置に応用してもよい。
【0090】
・上記実施形態では、液滴吐出ヘッド40を6個搭載したキャリッジ30を6個搭載し
た液滴吐出装置1に具体化した。これに限らず、キャリッジに搭載される液滴吐出ヘッド
の配置や数、及び、液滴吐出装置に搭載されるキャリッジの数は、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0091】
AX1…光軸、BD…ビットマップデータ、COM…駆動波形信号、F…機能液、Fb
…液滴、LT…吐出タイミング信号、L1…第1検出光、L2…第2検出光、L3…検出
光、L4…検出光、M1…X軸リニアモータ、M2…Y軸リニアモータ、P…被検出紙、
PZ…圧電素子、Sa…検出信号、Sb…検出信号、SI…パターン形成用制御信号、W
…CF基板、Wa…上面、Wb…側面、Wc…下面、θk…傾斜角、1…液滴吐出装置、
2…基台、2a…上面、11…X軸ガイドレール、12…X軸移動テーブル、14…基板
ステージ、16…ステージ回動機構、18…Y軸ガイドレール、18a…面、19a…支
柱、19b…支柱、19c…支柱、21…キャリッジプレート、22…機能液供給ユニッ
ト、23…ヘッド用電装ユニット、25…吊下機構、26…吊下基板、27…吊下回動枠
、28…吊下支持枠、30…キャリッジ、31…キャリッジ枠、34…ユニットプレート
、40…液滴吐出ヘッド、40A…ヘッド本体、41…液体導入部、42…接続針、43
…ヘッド基板、43A…ヘッドコネクタ、44…ポンプ部、45…ノズルプレート、45
a…ノズル形成面、46…吐出ノズル、47…ノズル列、48…フランジ部、49…ネジ
孔、52…キャビティ、53…振動板、70…検査ユニット、71…移動テーブル、72
…検査台、73…フラッシング回収台、73a…受け口、74…重量測定ユニット、81
…第1異物検出センサ、81A…第1投光部、81B…第1受光部、81C…第1基板検
出センサ、82…第2異物検出センサ、82A…第2投光部、82B…第2受光部、82
C…第2基板検出センサ、83…第3異物検出センサ、83A…投受光部、83B…反射
板、84…第4異物検出センサ、84A…投受光部、84B…反射板、100…制御装置
、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…入出力装置、105…X
軸リニアモータ駆動回路、106…Y軸リニアモータ駆動回路、108…ヘッド駆動回路
、110…基板検出センサ駆動回路、111…第1異物検出センサ駆動回路、112…第
2異物検出センサ駆動回路、113…第3異物検出センサ駆動回路、114…第4異物検
出センサ駆動回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送テーブルに載置された基板を主走査方向に搬送させ、前記主走査方向に直交する副
走査方向に並設されたキャリッジに設けた液滴吐出ヘッドの各ノズルから機能液を液滴に
して吐出し、前記基板にパターンを形成するパターン形成装置であって、
前記搬送テーブルの搬送経路を挟んで、前記基板の上面に沿って第1検出光を出射する
第1投光部と前記第1検出光を受光する第1受光部とが設けられ、前記第1受光部が受光
した受光量に基づいて、前記基板に付着した異物を検出する第1異物検出センサと、
前記搬送テーブルの搬送経路を挟んで、前記基板の上面に沿って第2検出光を出射する
第2投光部と前記第2検出光を受光する第2受光部とが設けられ、前記第2受光部が受光
した受光量に基づいて、前記基板に付着した異物を検出する第2異物検出センサと、を備
えるとともに、
前記第1投光部と前記第2投光部とを、前記搬送経路を挟んで反対側に設けたことを特
徴とするパターン形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載のパターン形成装置において、
前記第1及び第2検出光の光軸を、前記基板側に傾斜させたことを特徴とするパターン
形成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のパターン形成装置において、
前記第1検出光の光軸の直下に、前記基板が位置していることを検出する第1基板検出
センサと、
前記第2検出光の光軸の直下に、前記基板が位置していることを検出する第2基板検出
センサと、
前記第1基板検出センサからの検出信号に基づいて、前記第1異物検出センサを駆動制
御するとともに、前記第2基板検出センサからの検出信号に基づいて、前記第2異物検出
センサを駆動制御する異物検出センサ制御手段と、を設けたことを特徴とするパターン形
成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のパターン形成装置において、
前記搬送テーブルの上面における異物を検出する搬送テーブル異物検出センサを設けた
ことを特徴とするパターン形成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のパターン形成装置において、
前記搬送テーブルとは独立して前記主走査方向に往復移動するとともに、前記液滴吐出
ヘッドの直下に移動配置され、前記液滴吐出ヘッドから吐出される液滴の検査を行う検査
ユニットを設けるとともに、
前記検査ユニットにおける異物を検出する検査ユニット異物検出センサを設けたことを
特徴とするパターン形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−46663(P2010−46663A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−240151(P2009−240151)
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【分割の表示】特願2007−334870(P2007−334870)の分割
【原出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】