パッチアンテナによる多相流計測
【課題】パッチアンテナにより多相流を計測する。
【解決手段】無線またはマイクロ波周波数範囲で動作するパッチアンテナ(30)を使用して、パイプ(100)中の多相組成を計測する方法(10)が開示され、その方法は、パッチアンテナ(30)を配置し、それをある周波数範囲にわたって励振するステップ(14)と、ある期間にわたって送信信号および反射信号を測定するステップ(16)と、ベースライン共振周波数からの共振周波数のシフトを推定するステップ(18)と、次に、そのシフトに基づいて組成の誘電率を計算するステップ(20)と、多相組成の相組成を計算するステップ(22)とを含む。
【解決手段】無線またはマイクロ波周波数範囲で動作するパッチアンテナ(30)を使用して、パイプ(100)中の多相組成を計測する方法(10)が開示され、その方法は、パッチアンテナ(30)を配置し、それをある周波数範囲にわたって励振するステップ(14)と、ある期間にわたって送信信号および反射信号を測定するステップ(16)と、ベースライン共振周波数からの共振周波数のシフトを推定するステップ(18)と、次に、そのシフトに基づいて組成の誘電率を計算するステップ(20)と、多相組成の相組成を計算するステップ(22)とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に多相流計測に関し、より詳細には、多相組成の計測におけるパッチアンテナの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プロセス産業、すなわち石油およびガス産業ならびに他のそのような分野では、パイプラインの内部を流れる材料の組成および流量を正確に測定することがしばしば必要である。媒体の電気伝導率が非常に低い場合、例えば、組成における石油および/または水の割合が小さく、石油/水のわずかな変化による誘電定数の変化が非常に小さい湿性ガス流の場合、組成の変化を測定することが困難になる。
【0003】
石油産業において流体を測定するための市販のセンサは様々な原理(単一の技法またはいくつかの技法の組合せのいずれか)に基づく。例えば、インピーダンスセンサ、容量性および/または誘導性センサ、デュアルエネルギーガンマ線センサ、ベンチュリ計、およびマイクロ波センサ(減衰/位相/共振)はすべて使用されている。現在、感度、複雑さ、およびコストが様々な多数のマイクロ波ベース流れ計測用センサが入手可能である。一般に、信号の振幅および位相の測定を使用して、スラグ流、チャーン流、および環状流などの様々な流れ領域を再構成する。多相流を測定するあらゆる方法に対して、精度、感度、コスト、および技術的な複雑さが問題である。
【0004】
したがって、多相流計測を改善することが引き続き求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0319685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
多相流計測を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、多相組成の流れ計測のための改良された方法およびシステムを提供することによって前述の欠点の少なくともいくつかを克服する。より詳細には、本発明の態様は、1つまたは複数のパッチアンテナを使用してパイプを流れる多相組成から情報を得ることができる。
【0008】
したがって、本発明の一実施形態によれば、パイプ中の多相組成を計測する方法は、多相組成の近くに、無線またはマイクロ波周波数範囲で動作する少なくとも1つのパッチアンテナを配置するステップと、ある周波数範囲にわたって少なくとも1つのパッチアンテナを励振するステップと、ある期間にわたって送信信号および反射信号を測定するステップと、ベースライン共振周波数を推定するステップと、ベースライン共振周波数からの共振周波数のシフトを推定するステップと、そのシフトに基づいて多相組成の誘電率を計算するステップと、その誘電率に基づいて多相組成の相組成を計算するステップとを含む。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、パイプを通って流れる多相組成を計測する方法は、多相組成と連絡して少なくとも1つのパッチアンテナを配置するステップであり、少なくとも1つのパッチアンテナが無線またはマイクロ波周波数範囲で動作する、ステップと、ある周波数範囲にわたって少なくとも1つのパッチアンテナを励振するステップと、この周波数範囲にわたって被送信電力および反射電力を測定するステップと、振幅測定値および位相測定値に基づいて多相組成の相分率を推定するステップとを含む。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、パイプを通って流れる多相組成を計測する方法は、多相組成の近くに、無線またはマイクロ波周波数範囲で動作する複数のパッチアンテナを配置するステップと、少なくとも1つの周波数によって複数のパッチアンテナを励振し、それによって送信信号および反射信号を生成するステップと、送信信号および反射信号の識別特性に基づいて流れ領域を推定するステップと、送信信号および反射信号に基づいて多相組成の相組成を計算するステップとを含む。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、パイプを通って流れる多相組成を計測する方法は、複数のパッチアンテナセットをパイプに沿って軸方向に配置するステップであり、第1のパッチアンテナセットが第2のパッチアンテナセットから軸方向のある距離に置かれる、ステップと、ある周波数範囲にわたって複数のパッチアンテナセットを励振するステップと、この周波数範囲の少なくとも1つに対して複数のパッチアンテナセットの電力を測定するステップと、この測定に基づいて、流れる多相組成の速度を推定するステップとを含む。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、パイプを通って流れる多相組成を計測する方法は、多相組成から複数の測定量を得るステップであり、複数の測定量が振幅、位相、および周波数測定値のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、伝達関数を使用することによって複数の測定量を単一数量に組み合わせるステップと、単一数量に基づいて多相組成の相分率を推定するステップとを含む。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、パイプを通って流れる多相組成を計測する方法は、多相組成の近くに、無線またはマイクロ波周波数範囲で動作する複数のパッチアンテナを配置するステップと、複数のパッチアンテナを電極として働くように使用し、それによって多相組成の低周波インピーダンス測定値を得るステップとを含む。
【0014】
本発明の様々な他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および図面から明らかになるであろう。
【0015】
図面は、本発明を実行するために現時点で意図している一実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態による多相流計測の方法の流れ図である。
【図2A】本発明の様々な実施形態による、パッチアンテナを使用するパイプラインの一部の斜視図である。
【図2B】本発明の様々な実施形態による、パッチアンテナを使用するパイプラインの一部の斜視図である。
【図2C】本発明の様々な実施形態による、パッチアンテナを使用するパイプラインの一部の斜視図である。
【図2D】本発明の様々な実施形態による、パッチアンテナを使用するパイプラインの一部の斜視図である。
【図3A】本発明の様々な実施形態による、パッチアンテナを使用するパイプラインの一部の端面図である。
【図3B】本発明の様々な実施形態による、パッチアンテナを使用するパイプラインの一部の端面図である。
【図3C】本発明の様々な実施形態による、パッチアンテナを使用するパイプラインの一部の端面図である。
【図4A】本発明の様々な実施形態による様々なパッチアンテナの形状の図である。
【図4B】本発明の様々な実施形態による様々なパッチアンテナの形状の図である。
【図4C】本発明の様々な実施形態による様々なパッチアンテナの形状の図である。
【図4D】本発明の様々な実施形態による様々なパッチアンテナの形状の図である。
【図4E】本発明の様々な実施形態による様々なパッチアンテナの形状の図である。
【図4F】本発明の様々な実施形態による様々なパッチアンテナの形状の図である。
【図5】本発明の一実施形態による、パッチアンテナを使用する多相流計測システムの斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態による典型的な周波数応答プロットを示すグラフである。
【図7】本発明の一実施形態による試験結果を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施形態による試験結果を示すグラフである。
【図9A】本発明の様々な実施形態による試験結果を示す様々なグラフである。
【図9B】本発明の様々な実施形態による試験結果を示す様々なグラフである。
【図9C】本発明の様々な実施形態による試験結果を示す様々なグラフである。
【図9D】本発明の様々な実施形態による試験結果を示す様々なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の態様は、振幅/位相測定と比較して、よりロバストな周波数変化の測定の技法を提供する。本発明は、主に例えば石油またはガスからなる非導電性材料を精査することができる、突入しない非接触方法を提供する。
【0018】
本発明の態様は、RF/マイクロ波周波数範囲で動作する1つまたは複数のパッチアンテナを使用することによって多相混合物の組成を測定する方法に関する。可能性のある用途のうちの1つでは、多相混合物はパイプラインを流れることができる。金属パイプの場合には、アンテナは内側表面にあることになり、非金属パイプ/スプールの場合には、アンテナは外側表面に、例えばストラップオンとすることができる。新規な一態様は、突入することなく低圧力損失測定をもたらすパッチアンテナを使用するものである。さらに、パッチアンテナは低周波インピーダンス測定用の電極として働くことができる。送信、反射、または共振の方法は測定量として振幅、周波数、または位相を用いて利用することができる。共振周波数測定は、雑音の影響をより受けやすい振幅測定および位相測定と比較してよりロバストであることが見いだされている。本発明の態様は共振周波数手法に集中する。しかし、別の実施形態では、パッチの構成は共振に依存することなく振幅/位相測定に使用することができ、パッチのアレイはパイプの内部を流れる多相混合物のトモグラフィ再構成を行うことができる。
【0019】
本出願および本発明の趣旨のために、関連する様々な定義がある。本明細書で使用される「パッチアンテナ」という用語は、高周波(例えば、約1GHzから約20GHz)で動作することができ、2つの平行導体、すなわち接地平面の上方の金属パッチを含み、誘電体層または基板によって間が分離されている送信および/または受信要素を意味する。基板は可撓性とすることができ、その場合、パイプ内側表面と合致することができる。マイクロストリップパッチでは、金属パッチが誘電体上に印刷される。マイクロストリップパッチは、軽量、安価、および他のエレクトロニクスと統合することが容易であるという利点を有する。本明細書で使用される「多相の(multi−phase)」および「多相の(multiphase)」という用語は少なくとも2つの相の材料を含む組成を意味する。多相組成は、石油、水、およびガスのいくつかの組合せを含むことができる。例えば、この組成はガスと水とを含むことができる。この組成はガスと石油とを含むことができる。本明細書で使用される「無線またはマイクロ波周波数範囲」は、数百MHzから数十GHzの間の電磁周波数を意味する。本明細書で使用される「パイプ」という用語は、多相組成の流れが可能である任意の構造体を意味する。すなわち、この用語は、断面が実質的に円形で、実質的に閉じている長手方向の要素である要素(例えば、衛生または配管エンジニアリングで使用される用語)に限定されない。
【0020】
石油およびガスのいくつかの用途では、パイプは、2つの材料、例えばガスと液体(例えば、石油/水)との混合物、または石油と水とのエマルションを含む。一実施形態では、1つまたは複数のパッチがある周波数範囲にわたって励振され、反射および/または被送信電力がその周波数範囲にわたって測定される。所与のパイプ直径では、システムの共振周波数はパイプの内部の媒質の誘電率(誘電定数)によって決まる。誘電特性は周波数に依存する複素量である。誘電定数の実部は、電界の存在下で材料がどの程度分極されやすいかの指標である。誘電定数の虚部は媒質の損失を示す。共振モードは、共振周波数、Q係数、およびピークの振幅によって特性評価することができる。組成の変化に伴う共振周波数のシフトは混合物の相分率を推定するのに使用される。さらに、共振の品質係数(Q)および共振ピークの振幅を使用することもできる。共振周波数は誘電定数の実部に反比例する。Q係数によって定量化される共振ピークの振幅および尖鋭度は誘電定数の虚部に反比例する。例えば、水分が増加するにつれて、実効誘電定数が増加し、共振周波数が減少する。同様に、水が例えば塩分のために損失性である場合、それはピーク振幅の減少およびピーク幅の増加をもたらすことになる。共振周波数法を使用して相分率を推定するのは、水含量が増加するにつれて、ピークの識別(分解能)が難問となるので困難になる。
【0021】
流速を推定するために、パイプの軸に沿った2つの場所の共振周波数を2組のパッチで測定することができ、相互相関技法を使用することができる。同様の手法をトモグラフィ再構成の場合に使用することができる。
【0022】
本発明の態様は、パイプの内部を流れる構成要素の相分率/流量を測定するためにRF/マイクロ波周波数範囲で動作する1つまたは複数のパッチアンテナを使用する。パッチはある周波数範囲にわたって励振することができ、共振モードは、パイプの寸法、パッチ構成、およびパイプ内部の材料の誘電特性に応じていくつかの周波数で設定されることになる。
【0023】
一実施形態では、パッチの各々は、パイプの内壁と共形になり、設計が、突入のないものになる。高周波でアンテナとして動作するパッチは、誘電体層によって間が分離されている2つの平行導体、すなわち接地平面の上方の金属パッチを含むことができる。流れ計測用のパッチの場合には、接地平面はステンレス鋼管と同じとすることができる。パッチに給電する一方法は、パッチの裏から接続される同軸ケーブルを使用することになる。
【0024】
この方法の態様はシミュレーションおよび実験を使用して試験された。1つの実験では、パイプ内部の混合物はガスと石油とからなり、石油割合のわずかな変化(<10%)を正確に決定する必要がある。この場合、誘電率差異は石油/水またはガス/水の場合とは対照的に非常に小さいが、それは、水の誘電定数(約80)が石油のもの(約2.2)および天然ガスのもの(約1)よりも非常に高いからである。シミュレーションならびに実験の示すところによると、小さい誘電率変化でさえ測定可能な周波数シフトに変換される。実験は、誘電定数が互いに近い2つの石油の混合物にもなされた。相分率のわずかな変化(0から5%)に対応する誘電定数のわずかな変化は、測定可能である一貫した有限の周波数シフトをもたらした。
【0025】
別の構成では、パッチアンテナは、パイプの区画を囲むキャビティの内部に置くことができる。この場合、共振周波数はキャビティのサイズによって部分的に制御することができ、品質係数は開管の場合よりも良好になり得る。しかし、インピーダンス整合はより扱いにくくなり、パッチがパイプの内部にある場合と比較して、結合効率は低くなることになる。
【0026】
さらなる別の構成では、パイプが非金属である場合、または非金属スプールがある場合、パッチはパイプ/スプールの外側表面に取り付けることができる。この実施形態はストラップオン型の解決策を提供することができる。
【0027】
さらに、形状は正方形に制限されず、場合によっては、要件を満たす他の形状とすることができる。同様に、アンテナの偏波も異なることができ、場合によっては、円形、楕円、または他の偏波とすることができる。
【0028】
図1は、本発明の態様による、パッチアンテナを使用して多相流を測定する方法の流れ図を示す。方法10は、12において多相組成流と連絡して、および/またはその近くに複数のパッチアンテナ30を配置するステップを含む。複数のパッチアンテナ30は、一般に、少なくとも無線および/またはマイクロ波周波数範囲で動作することができる。
【0029】
14において、周波数掃引が複数のパッチアンテナ30に適用され、パッチアンテナ30はある周波数範囲にわたって励振状態になる。
【0030】
複数のパッチアンテナ30は結果として電磁界を生成し、ある一定の周波数での共振を設定する。16において、方法10は、複数のパッチアンテナ30からの送信信号および反射信号を測定するステップを含む。16での測定に基づいて、18において、共振周波数はベースライン共振周波数からのシフトとして推定または計算される。
【0031】
次に、20において、多相組成の誘電率が、推定/計算された周波数シフトに基づいて計算される。誘電率は伝達関数を適用することによって見いだすことができる。
【0032】
22において、多相組成の相百分率組成が、20で見いだされた誘電率に基づいて計算される。相組成は、Brueggman、Maxwell Garnetなどのような伝達関数を適用することによって計算することができる。
【0033】
図2Aから2Dは、本発明の態様に従って多相流を測定するのに使用することができる様々な例示的なパッチアンテナシステムの斜視図を示す。例えば、「インラインパッチ」と呼ばれる図2Aの実施形態は、パイプ100と、実質的に直線的な構成に構成された複数のパッチアンテナ30とを含む。複数のパッチアンテナ30はパイプ100の周辺を実質的に囲むように構成することができる。パッチアンテナ30のインラインパッチは、例えば実質的に金属のパイプ100の内側表面に配置することができる。インラインパッチは使用に先立って新しいパイプ100の内部に設置することができ、または例えばスプール片を使用して既存のパイプ100に設置し(例えば一時停止の間に)、それによって装置改造解決策を提供することができる。
【0034】
「キャビティパッチ」と呼ばれる図2Bの実施形態は、パイプ100と、キャビティが複数のパッチアンテナ30とパイプ100の外側表面との間にあるように構成された複数のパッチアンテナ30とを含む。複数のパッチアンテナ30は少なくとも送信機アンテナ30と受信機アンテナ30とを含む。キャビティパッチ34は、それに取り付けられた複数のパッチアンテナ30を含み、パイプ100の一部に沿って設置することができる。キャビティパッチ34の一部は、非金属であるパイプ100と接触する場合もしない場合もある。キャビティパッチ34は使用に先立って新しいパイプ100のまわりに設置することができ、または既存のパイプ100のまわりに設置し(例えば一時停止の間に)、それによって装置改造解決策を提供することができる。
【0035】
「パッチストラップ」と呼ばれる図2Cの実施形態は、パイプ100と、要素をパイプ100の外側表面のまわりに設置する(例えば、パイプ100のまわりに巻き付ける)ことができるように構成された複数のパッチアンテナ30を含む要素40(例えば「パッチストラップ」)とを含む。要素40がパイプ100の周辺で十分に曲がりかつ/または巻き付けることができるように任意の好適な材料で要素40を製作することができる。典型的には、パッチストラップの実施形態は、パイプ100が非金属(例えばプラスチック、ガラス、セラミックなど)であるか、または非金属の区画を有する状況で使用することができる。要素40は、それに取り付けられた複数のパッチアンテナ30を含み、パイプ100の一部に沿って設置することができる。複数のパッチアンテナ30は、要素40がパイプ100に取り付けられる(例えば図2Cを参照)場合、複数のパッチアンテナがパイプ100を実質的に囲むように実質的に直線的配置で構成することができる。要素40は使用に先立って新しいパイプ100のまわりに設置することができ、または既存のパイプ100のまわりに設置し(例えば一時停止の間に)、それによって装置改造解決策を提供することができる。
【0036】
螺旋状パッチと呼ばれる図2Dの実施形態は、パイプ100と、実質的に螺旋状配置に構成された複数のパッチアンテナ30とを含む。複数のパッチアンテナ30はパイプ100の周辺を実質的に囲むように構成することができる。パッチアンテナ30の螺旋状パッチは、例えば実質的に金属のパイプ100の内側表面で、または実質的に非金属のパイプ100の外側表面で使用することができる。インライン螺旋状パッチは使用に先立って新しいパイプ100の内部にまたはその上に設置することができ、あるいは既存のパイプ100の中にまたはその上に設置し(例えば一時停止の間に)、それによって装置改造解決策を提供することができる。明らかに、説明したものに由来するパッチアンテナ30の他の実施形態および構成を本発明の態様から逸脱することなく使用することができる。
【0037】
図3Aから3Cは、本発明の様々な実施形態を使用するパイプライン100の端部断面図を示す。パッチアンテナ30を使用する様々な構成が示される。例えば、図3Aは、可撓性基板上に構築され、それによってパッチアンテナ30がパイプ100の形状(例えば、湾曲した)に合致できるようにするパッチアンテナ30を示す。いくつかの実施形態のパイプ100は非平坦とすることができる。この実施形態は、パッチアンテナ30の形状とそれが取り付けられるパイプ100との間の緊密なまたは正確な合致を可能にする。図3Bは、パイプ100の内部流れ空間に部分的に突き出すことができるパッチアンテナ30を示す。この実施形態のパッチアンテナ30の基板材料は剛体とすることができる。図3Cは、パイプ100の内部流れ空間から離れて引っ込んでいるパッチアンテナ30を示す。マイクロ波に対して実質的に透明である材料40を、パッチアンテナ30とパイプ100の内部流れ空間との間に置くことができる。別の実施形態では、パッチアンテナ30はパイプ100に移動可能に取り付けることができる。さらなる他の実施形態では、パッチアンテナ30は、様々な要因(例えば、浸食、腐食など)から追加の保護を行うように保護カバーおよび/またはレドームをさらに含むことができる。明らかに、他の実施形態は、本発明の態様から逸脱することなく前述の特徴のある組合せを用いて使用することができる。
【0038】
図4Aから4Fは、本発明の態様に従って使用することができるパッチアンテナ30の形状のいくつかを示す。パッチアンテナ30の形状は、事実上、任意の多角形形状またはその組合せとすることができる。例えば、パッチアンテナ30は、長方形(例えば図4A〜4B)、正方形(例えば図4C)、円形(例えば図4F)、楕円(例えば図4D〜4E)など、またはそれらの組合せとすることができる。図示のように、パッチアンテナ30の主軸はパイプの長手軸と実質的に平行とすることができ(例えば図4A、4D)、またはパッチアンテナ30の主軸はパイプの長手軸に実質的に垂直とすることができる(例えば図4B、4E)。同様に、使用されるパッチアンテナ30の物理的形状に加えて、異なる偏波をもつパッチアンテナ30を使用することができる。例えば、パッチアンテナ30の偏波は楕円、円、直線などとすることができる。本明細書で使用されるパッチアンテナ30の形状は本発明の態様から逸脱することなく図示のものと異なることができることは明らかである。
【0039】
図5は、本発明の態様に従ってパッチアンテナで多相流を計測するためのシステム200を示す概略図を示す。システム200は、パイプ100の内部に、多相組成と連絡して配置された複数のパッチアンテナ30を含む。単一のパッチアンテナ30または複数のパッチアンテナ30は、本明細書に説明されている任意の配置で構成することができる。図5は、単なる図解のために単に2つのパッチアンテナ30を示している。いかなる場合も、複数のパッチアンテナ30はソース/電力センサまたは代替としてネットワークアナライザに接続され、次に通信デバイス212(例えば、グラフィカルユーザインターフェース、コンピュータスクリーンなど)を含むコンピュータ210とインターフェースで接続される。通信手段32は、ケーブル、無線接続、インターネット、またはコンピュータ210とパイプ100にあるパッチアンテナ30を構成したものとの間の通信を可能にするための他の好適な手段とすることができる。コンピュータ210は、本明細書で説明した方法の様々な態様を行うためにソフトウェア、ファームウェアなどと組み合わせる任意の好適なコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ、クラウドコンピューティング、サーバー構成、コンピュータネットワークなど)とすることができる。
【0040】
図6は、組成による共振周波数の変化を示す典型的な周波数応答曲線を示す。図7は、石油およびガスの様々な組成に対するガス体積分率(GVF)%(X軸)対中心周波数(Y軸)を示す。図示のように、GVFのシフトに対して実質的に線形の周波数シフトである。
【0041】
同様に、図8は、パッチアンテナ構成が4インチパイプの内部で使用された場合に得られた追加の実験データの結果を示す。この実験では、多相組成は異なる誘電率を有する2つの油(すなわち、ひまし油およびモータ油)を含み、ひまし油は約3.3の誘電率を有し、モータ油は約2の誘電率を有する。共振周波数(Y軸)がモータ油中のひまし油の割合(X軸)に対して示されている。図示のように、共振周波数は、多相組成の誘電率のわずかの変化(例えば、ひまし油の割合の変化)とともに実質的に直線状にシフトしている。
【0042】
別の実施形態では、2つ以上のパッチアンテナを、送信−受信モードで少数の選択した周波数で動作させることができる。相分率推定は、送信からの振幅および位相情報を使用し、かつ反射係数を使用することによって行われる。さらに、少数の選択した周波数でパッチアンテナを動作させることによって、送信および反射係数からの同じ振幅および位相情報を流れ領域同定に使用することができる。図9Aから9Dは、時間(X軸)に対する送信信号強度S21(Y軸)を示す、様々な多相組成について行われた単一周波数での試験結果を示す。図示のように、S21は、ポート1での励振に起因するパイプラインのポート2での測定信号を意味する。図9Aを参照すると、送信信号強度S21は、21含水率パーセントおよび0GVFパーセントを有する組成について示されている。このように、図9Aで試験した組成は約21%の水および約79%の石油を含んでいた。図9Bは、約18%のガスと、約20%が水であり、残りの割合が石油である約82%の液体とを含む多相組成の試験結果を示す。同様に、図9Cは、約51%のガスと、約20%が水であり、残りの割合が石油である約49%の液体とを含む多相組成の試験結果を示す。最後に、図9Dは、約75%のガスと、約25%が水であり、残りの割合が石油である約25%の液体とを含む多相組成の試験結果を示す。信号は流れ領域に依存する明瞭な識別特性を示し、この事実は流れ領域分類アルゴリズムに利用することができることが分かる。
【0043】
別の実施形態では、多数の測定量(例えば、送信および反射係数の位相および振幅情報、共振周波数など)は、伝達関数を使用して単一のパラメータに結合させることができる。これは、単一のパラメータまたは測定量を使用する場合と比べてこの結果の雑音または変動が少ないという付加利益を与える。
【0044】
別の実施形態では、相互相関を使用して流速を推定するために、2組のパッチアンテナをパイプの長手軸に沿ってある距離離間させることができる。さらなる別の実施形態では、パッチアンテナは低周波インピーダンス測定用の電極としても働くことができる。パッチアンテナを電極として使用することによって、EIS(電気インピーダンススペクトロスコピー)法の測定を使用することができる。さらに、別の実施形態では、パッチアンテナのアレイをトモグラフィ再構成に使用することができる。例えば、パッチアンテナのアレイは、トモグラフィ画像を生成するようにパイプの円周上に置くことができる。明らかに、パッチアンテナは、本明細書で説明した様々な測定方法および他の方法で使用することができる。
【0045】
本発明を好ましい実施形態に関して説明したが、明確に述べたものとは別に均等物、代替物、および変形物が可能であり、添付の特許請求の範囲の範囲内にあることが認識されよう。
【符号の説明】
【0046】
10 方法
12 多相組成流と連絡して、および/またはその近くに複数のパッチアンテナを設置するステップ
14 複数のパッチアンテナに周波数掃引を適用するステップ
16 複数のパッチアンテナからの送信信号および反射信号を測定するステップ
18 共振周波数を推定/計算するステップ
20 推定/計算された周波数シフトに基づいて多相組成の誘電率を計算するステップ
22 多相組成の相百分率組成を計算するステップ
30 パッチアンテナ
32 通信手段
34 キャビティパッチ
40 要素
100 パイプ
200 システム
210 コンピュータ
212 通信デバイス
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に多相流計測に関し、より詳細には、多相組成の計測におけるパッチアンテナの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プロセス産業、すなわち石油およびガス産業ならびに他のそのような分野では、パイプラインの内部を流れる材料の組成および流量を正確に測定することがしばしば必要である。媒体の電気伝導率が非常に低い場合、例えば、組成における石油および/または水の割合が小さく、石油/水のわずかな変化による誘電定数の変化が非常に小さい湿性ガス流の場合、組成の変化を測定することが困難になる。
【0003】
石油産業において流体を測定するための市販のセンサは様々な原理(単一の技法またはいくつかの技法の組合せのいずれか)に基づく。例えば、インピーダンスセンサ、容量性および/または誘導性センサ、デュアルエネルギーガンマ線センサ、ベンチュリ計、およびマイクロ波センサ(減衰/位相/共振)はすべて使用されている。現在、感度、複雑さ、およびコストが様々な多数のマイクロ波ベース流れ計測用センサが入手可能である。一般に、信号の振幅および位相の測定を使用して、スラグ流、チャーン流、および環状流などの様々な流れ領域を再構成する。多相流を測定するあらゆる方法に対して、精度、感度、コスト、および技術的な複雑さが問題である。
【0004】
したがって、多相流計測を改善することが引き続き求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0319685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
多相流計測を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、多相組成の流れ計測のための改良された方法およびシステムを提供することによって前述の欠点の少なくともいくつかを克服する。より詳細には、本発明の態様は、1つまたは複数のパッチアンテナを使用してパイプを流れる多相組成から情報を得ることができる。
【0008】
したがって、本発明の一実施形態によれば、パイプ中の多相組成を計測する方法は、多相組成の近くに、無線またはマイクロ波周波数範囲で動作する少なくとも1つのパッチアンテナを配置するステップと、ある周波数範囲にわたって少なくとも1つのパッチアンテナを励振するステップと、ある期間にわたって送信信号および反射信号を測定するステップと、ベースライン共振周波数を推定するステップと、ベースライン共振周波数からの共振周波数のシフトを推定するステップと、そのシフトに基づいて多相組成の誘電率を計算するステップと、その誘電率に基づいて多相組成の相組成を計算するステップとを含む。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、パイプを通って流れる多相組成を計測する方法は、多相組成と連絡して少なくとも1つのパッチアンテナを配置するステップであり、少なくとも1つのパッチアンテナが無線またはマイクロ波周波数範囲で動作する、ステップと、ある周波数範囲にわたって少なくとも1つのパッチアンテナを励振するステップと、この周波数範囲にわたって被送信電力および反射電力を測定するステップと、振幅測定値および位相測定値に基づいて多相組成の相分率を推定するステップとを含む。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、パイプを通って流れる多相組成を計測する方法は、多相組成の近くに、無線またはマイクロ波周波数範囲で動作する複数のパッチアンテナを配置するステップと、少なくとも1つの周波数によって複数のパッチアンテナを励振し、それによって送信信号および反射信号を生成するステップと、送信信号および反射信号の識別特性に基づいて流れ領域を推定するステップと、送信信号および反射信号に基づいて多相組成の相組成を計算するステップとを含む。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、パイプを通って流れる多相組成を計測する方法は、複数のパッチアンテナセットをパイプに沿って軸方向に配置するステップであり、第1のパッチアンテナセットが第2のパッチアンテナセットから軸方向のある距離に置かれる、ステップと、ある周波数範囲にわたって複数のパッチアンテナセットを励振するステップと、この周波数範囲の少なくとも1つに対して複数のパッチアンテナセットの電力を測定するステップと、この測定に基づいて、流れる多相組成の速度を推定するステップとを含む。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、パイプを通って流れる多相組成を計測する方法は、多相組成から複数の測定量を得るステップであり、複数の測定量が振幅、位相、および周波数測定値のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、伝達関数を使用することによって複数の測定量を単一数量に組み合わせるステップと、単一数量に基づいて多相組成の相分率を推定するステップとを含む。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、パイプを通って流れる多相組成を計測する方法は、多相組成の近くに、無線またはマイクロ波周波数範囲で動作する複数のパッチアンテナを配置するステップと、複数のパッチアンテナを電極として働くように使用し、それによって多相組成の低周波インピーダンス測定値を得るステップとを含む。
【0014】
本発明の様々な他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および図面から明らかになるであろう。
【0015】
図面は、本発明を実行するために現時点で意図している一実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態による多相流計測の方法の流れ図である。
【図2A】本発明の様々な実施形態による、パッチアンテナを使用するパイプラインの一部の斜視図である。
【図2B】本発明の様々な実施形態による、パッチアンテナを使用するパイプラインの一部の斜視図である。
【図2C】本発明の様々な実施形態による、パッチアンテナを使用するパイプラインの一部の斜視図である。
【図2D】本発明の様々な実施形態による、パッチアンテナを使用するパイプラインの一部の斜視図である。
【図3A】本発明の様々な実施形態による、パッチアンテナを使用するパイプラインの一部の端面図である。
【図3B】本発明の様々な実施形態による、パッチアンテナを使用するパイプラインの一部の端面図である。
【図3C】本発明の様々な実施形態による、パッチアンテナを使用するパイプラインの一部の端面図である。
【図4A】本発明の様々な実施形態による様々なパッチアンテナの形状の図である。
【図4B】本発明の様々な実施形態による様々なパッチアンテナの形状の図である。
【図4C】本発明の様々な実施形態による様々なパッチアンテナの形状の図である。
【図4D】本発明の様々な実施形態による様々なパッチアンテナの形状の図である。
【図4E】本発明の様々な実施形態による様々なパッチアンテナの形状の図である。
【図4F】本発明の様々な実施形態による様々なパッチアンテナの形状の図である。
【図5】本発明の一実施形態による、パッチアンテナを使用する多相流計測システムの斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態による典型的な周波数応答プロットを示すグラフである。
【図7】本発明の一実施形態による試験結果を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施形態による試験結果を示すグラフである。
【図9A】本発明の様々な実施形態による試験結果を示す様々なグラフである。
【図9B】本発明の様々な実施形態による試験結果を示す様々なグラフである。
【図9C】本発明の様々な実施形態による試験結果を示す様々なグラフである。
【図9D】本発明の様々な実施形態による試験結果を示す様々なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の態様は、振幅/位相測定と比較して、よりロバストな周波数変化の測定の技法を提供する。本発明は、主に例えば石油またはガスからなる非導電性材料を精査することができる、突入しない非接触方法を提供する。
【0018】
本発明の態様は、RF/マイクロ波周波数範囲で動作する1つまたは複数のパッチアンテナを使用することによって多相混合物の組成を測定する方法に関する。可能性のある用途のうちの1つでは、多相混合物はパイプラインを流れることができる。金属パイプの場合には、アンテナは内側表面にあることになり、非金属パイプ/スプールの場合には、アンテナは外側表面に、例えばストラップオンとすることができる。新規な一態様は、突入することなく低圧力損失測定をもたらすパッチアンテナを使用するものである。さらに、パッチアンテナは低周波インピーダンス測定用の電極として働くことができる。送信、反射、または共振の方法は測定量として振幅、周波数、または位相を用いて利用することができる。共振周波数測定は、雑音の影響をより受けやすい振幅測定および位相測定と比較してよりロバストであることが見いだされている。本発明の態様は共振周波数手法に集中する。しかし、別の実施形態では、パッチの構成は共振に依存することなく振幅/位相測定に使用することができ、パッチのアレイはパイプの内部を流れる多相混合物のトモグラフィ再構成を行うことができる。
【0019】
本出願および本発明の趣旨のために、関連する様々な定義がある。本明細書で使用される「パッチアンテナ」という用語は、高周波(例えば、約1GHzから約20GHz)で動作することができ、2つの平行導体、すなわち接地平面の上方の金属パッチを含み、誘電体層または基板によって間が分離されている送信および/または受信要素を意味する。基板は可撓性とすることができ、その場合、パイプ内側表面と合致することができる。マイクロストリップパッチでは、金属パッチが誘電体上に印刷される。マイクロストリップパッチは、軽量、安価、および他のエレクトロニクスと統合することが容易であるという利点を有する。本明細書で使用される「多相の(multi−phase)」および「多相の(multiphase)」という用語は少なくとも2つの相の材料を含む組成を意味する。多相組成は、石油、水、およびガスのいくつかの組合せを含むことができる。例えば、この組成はガスと水とを含むことができる。この組成はガスと石油とを含むことができる。本明細書で使用される「無線またはマイクロ波周波数範囲」は、数百MHzから数十GHzの間の電磁周波数を意味する。本明細書で使用される「パイプ」という用語は、多相組成の流れが可能である任意の構造体を意味する。すなわち、この用語は、断面が実質的に円形で、実質的に閉じている長手方向の要素である要素(例えば、衛生または配管エンジニアリングで使用される用語)に限定されない。
【0020】
石油およびガスのいくつかの用途では、パイプは、2つの材料、例えばガスと液体(例えば、石油/水)との混合物、または石油と水とのエマルションを含む。一実施形態では、1つまたは複数のパッチがある周波数範囲にわたって励振され、反射および/または被送信電力がその周波数範囲にわたって測定される。所与のパイプ直径では、システムの共振周波数はパイプの内部の媒質の誘電率(誘電定数)によって決まる。誘電特性は周波数に依存する複素量である。誘電定数の実部は、電界の存在下で材料がどの程度分極されやすいかの指標である。誘電定数の虚部は媒質の損失を示す。共振モードは、共振周波数、Q係数、およびピークの振幅によって特性評価することができる。組成の変化に伴う共振周波数のシフトは混合物の相分率を推定するのに使用される。さらに、共振の品質係数(Q)および共振ピークの振幅を使用することもできる。共振周波数は誘電定数の実部に反比例する。Q係数によって定量化される共振ピークの振幅および尖鋭度は誘電定数の虚部に反比例する。例えば、水分が増加するにつれて、実効誘電定数が増加し、共振周波数が減少する。同様に、水が例えば塩分のために損失性である場合、それはピーク振幅の減少およびピーク幅の増加をもたらすことになる。共振周波数法を使用して相分率を推定するのは、水含量が増加するにつれて、ピークの識別(分解能)が難問となるので困難になる。
【0021】
流速を推定するために、パイプの軸に沿った2つの場所の共振周波数を2組のパッチで測定することができ、相互相関技法を使用することができる。同様の手法をトモグラフィ再構成の場合に使用することができる。
【0022】
本発明の態様は、パイプの内部を流れる構成要素の相分率/流量を測定するためにRF/マイクロ波周波数範囲で動作する1つまたは複数のパッチアンテナを使用する。パッチはある周波数範囲にわたって励振することができ、共振モードは、パイプの寸法、パッチ構成、およびパイプ内部の材料の誘電特性に応じていくつかの周波数で設定されることになる。
【0023】
一実施形態では、パッチの各々は、パイプの内壁と共形になり、設計が、突入のないものになる。高周波でアンテナとして動作するパッチは、誘電体層によって間が分離されている2つの平行導体、すなわち接地平面の上方の金属パッチを含むことができる。流れ計測用のパッチの場合には、接地平面はステンレス鋼管と同じとすることができる。パッチに給電する一方法は、パッチの裏から接続される同軸ケーブルを使用することになる。
【0024】
この方法の態様はシミュレーションおよび実験を使用して試験された。1つの実験では、パイプ内部の混合物はガスと石油とからなり、石油割合のわずかな変化(<10%)を正確に決定する必要がある。この場合、誘電率差異は石油/水またはガス/水の場合とは対照的に非常に小さいが、それは、水の誘電定数(約80)が石油のもの(約2.2)および天然ガスのもの(約1)よりも非常に高いからである。シミュレーションならびに実験の示すところによると、小さい誘電率変化でさえ測定可能な周波数シフトに変換される。実験は、誘電定数が互いに近い2つの石油の混合物にもなされた。相分率のわずかな変化(0から5%)に対応する誘電定数のわずかな変化は、測定可能である一貫した有限の周波数シフトをもたらした。
【0025】
別の構成では、パッチアンテナは、パイプの区画を囲むキャビティの内部に置くことができる。この場合、共振周波数はキャビティのサイズによって部分的に制御することができ、品質係数は開管の場合よりも良好になり得る。しかし、インピーダンス整合はより扱いにくくなり、パッチがパイプの内部にある場合と比較して、結合効率は低くなることになる。
【0026】
さらなる別の構成では、パイプが非金属である場合、または非金属スプールがある場合、パッチはパイプ/スプールの外側表面に取り付けることができる。この実施形態はストラップオン型の解決策を提供することができる。
【0027】
さらに、形状は正方形に制限されず、場合によっては、要件を満たす他の形状とすることができる。同様に、アンテナの偏波も異なることができ、場合によっては、円形、楕円、または他の偏波とすることができる。
【0028】
図1は、本発明の態様による、パッチアンテナを使用して多相流を測定する方法の流れ図を示す。方法10は、12において多相組成流と連絡して、および/またはその近くに複数のパッチアンテナ30を配置するステップを含む。複数のパッチアンテナ30は、一般に、少なくとも無線および/またはマイクロ波周波数範囲で動作することができる。
【0029】
14において、周波数掃引が複数のパッチアンテナ30に適用され、パッチアンテナ30はある周波数範囲にわたって励振状態になる。
【0030】
複数のパッチアンテナ30は結果として電磁界を生成し、ある一定の周波数での共振を設定する。16において、方法10は、複数のパッチアンテナ30からの送信信号および反射信号を測定するステップを含む。16での測定に基づいて、18において、共振周波数はベースライン共振周波数からのシフトとして推定または計算される。
【0031】
次に、20において、多相組成の誘電率が、推定/計算された周波数シフトに基づいて計算される。誘電率は伝達関数を適用することによって見いだすことができる。
【0032】
22において、多相組成の相百分率組成が、20で見いだされた誘電率に基づいて計算される。相組成は、Brueggman、Maxwell Garnetなどのような伝達関数を適用することによって計算することができる。
【0033】
図2Aから2Dは、本発明の態様に従って多相流を測定するのに使用することができる様々な例示的なパッチアンテナシステムの斜視図を示す。例えば、「インラインパッチ」と呼ばれる図2Aの実施形態は、パイプ100と、実質的に直線的な構成に構成された複数のパッチアンテナ30とを含む。複数のパッチアンテナ30はパイプ100の周辺を実質的に囲むように構成することができる。パッチアンテナ30のインラインパッチは、例えば実質的に金属のパイプ100の内側表面に配置することができる。インラインパッチは使用に先立って新しいパイプ100の内部に設置することができ、または例えばスプール片を使用して既存のパイプ100に設置し(例えば一時停止の間に)、それによって装置改造解決策を提供することができる。
【0034】
「キャビティパッチ」と呼ばれる図2Bの実施形態は、パイプ100と、キャビティが複数のパッチアンテナ30とパイプ100の外側表面との間にあるように構成された複数のパッチアンテナ30とを含む。複数のパッチアンテナ30は少なくとも送信機アンテナ30と受信機アンテナ30とを含む。キャビティパッチ34は、それに取り付けられた複数のパッチアンテナ30を含み、パイプ100の一部に沿って設置することができる。キャビティパッチ34の一部は、非金属であるパイプ100と接触する場合もしない場合もある。キャビティパッチ34は使用に先立って新しいパイプ100のまわりに設置することができ、または既存のパイプ100のまわりに設置し(例えば一時停止の間に)、それによって装置改造解決策を提供することができる。
【0035】
「パッチストラップ」と呼ばれる図2Cの実施形態は、パイプ100と、要素をパイプ100の外側表面のまわりに設置する(例えば、パイプ100のまわりに巻き付ける)ことができるように構成された複数のパッチアンテナ30を含む要素40(例えば「パッチストラップ」)とを含む。要素40がパイプ100の周辺で十分に曲がりかつ/または巻き付けることができるように任意の好適な材料で要素40を製作することができる。典型的には、パッチストラップの実施形態は、パイプ100が非金属(例えばプラスチック、ガラス、セラミックなど)であるか、または非金属の区画を有する状況で使用することができる。要素40は、それに取り付けられた複数のパッチアンテナ30を含み、パイプ100の一部に沿って設置することができる。複数のパッチアンテナ30は、要素40がパイプ100に取り付けられる(例えば図2Cを参照)場合、複数のパッチアンテナがパイプ100を実質的に囲むように実質的に直線的配置で構成することができる。要素40は使用に先立って新しいパイプ100のまわりに設置することができ、または既存のパイプ100のまわりに設置し(例えば一時停止の間に)、それによって装置改造解決策を提供することができる。
【0036】
螺旋状パッチと呼ばれる図2Dの実施形態は、パイプ100と、実質的に螺旋状配置に構成された複数のパッチアンテナ30とを含む。複数のパッチアンテナ30はパイプ100の周辺を実質的に囲むように構成することができる。パッチアンテナ30の螺旋状パッチは、例えば実質的に金属のパイプ100の内側表面で、または実質的に非金属のパイプ100の外側表面で使用することができる。インライン螺旋状パッチは使用に先立って新しいパイプ100の内部にまたはその上に設置することができ、あるいは既存のパイプ100の中にまたはその上に設置し(例えば一時停止の間に)、それによって装置改造解決策を提供することができる。明らかに、説明したものに由来するパッチアンテナ30の他の実施形態および構成を本発明の態様から逸脱することなく使用することができる。
【0037】
図3Aから3Cは、本発明の様々な実施形態を使用するパイプライン100の端部断面図を示す。パッチアンテナ30を使用する様々な構成が示される。例えば、図3Aは、可撓性基板上に構築され、それによってパッチアンテナ30がパイプ100の形状(例えば、湾曲した)に合致できるようにするパッチアンテナ30を示す。いくつかの実施形態のパイプ100は非平坦とすることができる。この実施形態は、パッチアンテナ30の形状とそれが取り付けられるパイプ100との間の緊密なまたは正確な合致を可能にする。図3Bは、パイプ100の内部流れ空間に部分的に突き出すことができるパッチアンテナ30を示す。この実施形態のパッチアンテナ30の基板材料は剛体とすることができる。図3Cは、パイプ100の内部流れ空間から離れて引っ込んでいるパッチアンテナ30を示す。マイクロ波に対して実質的に透明である材料40を、パッチアンテナ30とパイプ100の内部流れ空間との間に置くことができる。別の実施形態では、パッチアンテナ30はパイプ100に移動可能に取り付けることができる。さらなる他の実施形態では、パッチアンテナ30は、様々な要因(例えば、浸食、腐食など)から追加の保護を行うように保護カバーおよび/またはレドームをさらに含むことができる。明らかに、他の実施形態は、本発明の態様から逸脱することなく前述の特徴のある組合せを用いて使用することができる。
【0038】
図4Aから4Fは、本発明の態様に従って使用することができるパッチアンテナ30の形状のいくつかを示す。パッチアンテナ30の形状は、事実上、任意の多角形形状またはその組合せとすることができる。例えば、パッチアンテナ30は、長方形(例えば図4A〜4B)、正方形(例えば図4C)、円形(例えば図4F)、楕円(例えば図4D〜4E)など、またはそれらの組合せとすることができる。図示のように、パッチアンテナ30の主軸はパイプの長手軸と実質的に平行とすることができ(例えば図4A、4D)、またはパッチアンテナ30の主軸はパイプの長手軸に実質的に垂直とすることができる(例えば図4B、4E)。同様に、使用されるパッチアンテナ30の物理的形状に加えて、異なる偏波をもつパッチアンテナ30を使用することができる。例えば、パッチアンテナ30の偏波は楕円、円、直線などとすることができる。本明細書で使用されるパッチアンテナ30の形状は本発明の態様から逸脱することなく図示のものと異なることができることは明らかである。
【0039】
図5は、本発明の態様に従ってパッチアンテナで多相流を計測するためのシステム200を示す概略図を示す。システム200は、パイプ100の内部に、多相組成と連絡して配置された複数のパッチアンテナ30を含む。単一のパッチアンテナ30または複数のパッチアンテナ30は、本明細書に説明されている任意の配置で構成することができる。図5は、単なる図解のために単に2つのパッチアンテナ30を示している。いかなる場合も、複数のパッチアンテナ30はソース/電力センサまたは代替としてネットワークアナライザに接続され、次に通信デバイス212(例えば、グラフィカルユーザインターフェース、コンピュータスクリーンなど)を含むコンピュータ210とインターフェースで接続される。通信手段32は、ケーブル、無線接続、インターネット、またはコンピュータ210とパイプ100にあるパッチアンテナ30を構成したものとの間の通信を可能にするための他の好適な手段とすることができる。コンピュータ210は、本明細書で説明した方法の様々な態様を行うためにソフトウェア、ファームウェアなどと組み合わせる任意の好適なコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ、クラウドコンピューティング、サーバー構成、コンピュータネットワークなど)とすることができる。
【0040】
図6は、組成による共振周波数の変化を示す典型的な周波数応答曲線を示す。図7は、石油およびガスの様々な組成に対するガス体積分率(GVF)%(X軸)対中心周波数(Y軸)を示す。図示のように、GVFのシフトに対して実質的に線形の周波数シフトである。
【0041】
同様に、図8は、パッチアンテナ構成が4インチパイプの内部で使用された場合に得られた追加の実験データの結果を示す。この実験では、多相組成は異なる誘電率を有する2つの油(すなわち、ひまし油およびモータ油)を含み、ひまし油は約3.3の誘電率を有し、モータ油は約2の誘電率を有する。共振周波数(Y軸)がモータ油中のひまし油の割合(X軸)に対して示されている。図示のように、共振周波数は、多相組成の誘電率のわずかの変化(例えば、ひまし油の割合の変化)とともに実質的に直線状にシフトしている。
【0042】
別の実施形態では、2つ以上のパッチアンテナを、送信−受信モードで少数の選択した周波数で動作させることができる。相分率推定は、送信からの振幅および位相情報を使用し、かつ反射係数を使用することによって行われる。さらに、少数の選択した周波数でパッチアンテナを動作させることによって、送信および反射係数からの同じ振幅および位相情報を流れ領域同定に使用することができる。図9Aから9Dは、時間(X軸)に対する送信信号強度S21(Y軸)を示す、様々な多相組成について行われた単一周波数での試験結果を示す。図示のように、S21は、ポート1での励振に起因するパイプラインのポート2での測定信号を意味する。図9Aを参照すると、送信信号強度S21は、21含水率パーセントおよび0GVFパーセントを有する組成について示されている。このように、図9Aで試験した組成は約21%の水および約79%の石油を含んでいた。図9Bは、約18%のガスと、約20%が水であり、残りの割合が石油である約82%の液体とを含む多相組成の試験結果を示す。同様に、図9Cは、約51%のガスと、約20%が水であり、残りの割合が石油である約49%の液体とを含む多相組成の試験結果を示す。最後に、図9Dは、約75%のガスと、約25%が水であり、残りの割合が石油である約25%の液体とを含む多相組成の試験結果を示す。信号は流れ領域に依存する明瞭な識別特性を示し、この事実は流れ領域分類アルゴリズムに利用することができることが分かる。
【0043】
別の実施形態では、多数の測定量(例えば、送信および反射係数の位相および振幅情報、共振周波数など)は、伝達関数を使用して単一のパラメータに結合させることができる。これは、単一のパラメータまたは測定量を使用する場合と比べてこの結果の雑音または変動が少ないという付加利益を与える。
【0044】
別の実施形態では、相互相関を使用して流速を推定するために、2組のパッチアンテナをパイプの長手軸に沿ってある距離離間させることができる。さらなる別の実施形態では、パッチアンテナは低周波インピーダンス測定用の電極としても働くことができる。パッチアンテナを電極として使用することによって、EIS(電気インピーダンススペクトロスコピー)法の測定を使用することができる。さらに、別の実施形態では、パッチアンテナのアレイをトモグラフィ再構成に使用することができる。例えば、パッチアンテナのアレイは、トモグラフィ画像を生成するようにパイプの円周上に置くことができる。明らかに、パッチアンテナは、本明細書で説明した様々な測定方法および他の方法で使用することができる。
【0045】
本発明を好ましい実施形態に関して説明したが、明確に述べたものとは別に均等物、代替物、および変形物が可能であり、添付の特許請求の範囲の範囲内にあることが認識されよう。
【符号の説明】
【0046】
10 方法
12 多相組成流と連絡して、および/またはその近くに複数のパッチアンテナを設置するステップ
14 複数のパッチアンテナに周波数掃引を適用するステップ
16 複数のパッチアンテナからの送信信号および反射信号を測定するステップ
18 共振周波数を推定/計算するステップ
20 推定/計算された周波数シフトに基づいて多相組成の誘電率を計算するステップ
22 多相組成の相百分率組成を計算するステップ
30 パッチアンテナ
32 通信手段
34 キャビティパッチ
40 要素
100 パイプ
200 システム
210 コンピュータ
212 通信デバイス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ(100)中の多相組成を計測する方法(10)であって、
前記多相組成の近くに、無線またはマイクロ波周波数範囲で動作する少なくとも1つのパッチアンテナ(30)を配置するステップ(12)と、
ある周波数範囲にわたって前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)を励振するステップ(14)と、
ある期間にわたって送信信号および反射信号を測定するステップ(16)と、
ベースライン共振周波数を推定するステップ(18)と、
前記ベースライン共振周波数からの共振周波数のシフトを推定するステップと、
前記シフトに基づいて前記多相組成の誘電率を計算するステップ(20)と、
前記誘電率に基づいて前記多相組成の相組成を計算するステップ(22)と
を含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)が、長方形、円、菱形、楕円、正方形、およびそれらの組合せのうちの1つからなる形状を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記多相組成がガスと液体とを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記配置するステップが、前記パイプ(100)を少なくとも部分的に囲むように螺旋または円形構成で複数のパッチアンテナ(30)を置くステップとを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)が前記パイプ(100)の内面に置かれる、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)が前記パイプ(100)の外面に置かれる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)が前記パイプ(100)の表面に合致するように構成される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)が、前記パイプ(100)の内部流れ空間の一部に突き出すように構成される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)が前記パイプ(100)の内部流れ空間から引っ込んでおり、前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)と前記パイプ(100)の内部の表面との間に配置されたマイクロ波に透明な材料をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)が、円、楕円、長方形、およびそれらの組合せのうちの1つの偏波を有する、請求項1記載の方法。
【請求項1】
パイプ(100)中の多相組成を計測する方法(10)であって、
前記多相組成の近くに、無線またはマイクロ波周波数範囲で動作する少なくとも1つのパッチアンテナ(30)を配置するステップ(12)と、
ある周波数範囲にわたって前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)を励振するステップ(14)と、
ある期間にわたって送信信号および反射信号を測定するステップ(16)と、
ベースライン共振周波数を推定するステップ(18)と、
前記ベースライン共振周波数からの共振周波数のシフトを推定するステップと、
前記シフトに基づいて前記多相組成の誘電率を計算するステップ(20)と、
前記誘電率に基づいて前記多相組成の相組成を計算するステップ(22)と
を含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)が、長方形、円、菱形、楕円、正方形、およびそれらの組合せのうちの1つからなる形状を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記多相組成がガスと液体とを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記配置するステップが、前記パイプ(100)を少なくとも部分的に囲むように螺旋または円形構成で複数のパッチアンテナ(30)を置くステップとを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)が前記パイプ(100)の内面に置かれる、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)が前記パイプ(100)の外面に置かれる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)が前記パイプ(100)の表面に合致するように構成される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)が、前記パイプ(100)の内部流れ空間の一部に突き出すように構成される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)が前記パイプ(100)の内部流れ空間から引っ込んでおり、前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)と前記パイプ(100)の内部の表面との間に配置されたマイクロ波に透明な材料をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのパッチアンテナ(30)が、円、楕円、長方形、およびそれらの組合せのうちの1つの偏波を有する、請求項1記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【公開番号】特開2011−164103(P2011−164103A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−20275(P2011−20275)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20275(P2011−20275)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】
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