説明

パネル体並びにこれを利用した脚及びデスク

【課題】板金素材等よりなる面板を用いて内部に中空部を有する軽量簡素な構造のパネル体を適切に構成する。
【解決手段】一対の面板34,44を有する外板3と内板4を板厚方向に組み合わせて内部に中空部を有する箱体状のパネル体を構成するにあたり、外板3の面板34に舌片60を設けるとともに、内板4の面板44における前記舌片60の対応位置にスリット50を設け、両面板34、44を組み合わせるに伴って、中空部内における舌片60とスリット50との間に、面板34,44間が板厚方向に広がる挙動を規制する離反規制部Yを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量簡素な構造であっても適切な機能を担保できるようにしたパネル体並びにこれを利用した脚及びデスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、天板を支持する脚を板金素材を用いて構成したデスクが広く知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このうち、特に脚をより軽量で簡素なものとするために、例えば図12に示すように、一対の面板3z、4zを板厚方向に組み合わせることによって内部を空洞にしておくことが、一つの有効な構造として考えられる。
【0004】
このように構成する場合、面板3z、4zにべこ付き等が生じることを回避するために、一方の面板4zに補強材5zを溶接等による接合部5zxを介して接合し、この補強材5zを、面板3z、4z同士を突き合わせた際に他方の面板3zとの間に密接に介在させておくことが通常採用され得る常套手段である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−152827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような構造においては、補強材5zは他方の面板3zに接触しているだけであるため、外部から衝撃が加わって面板3z、4zや補強材5zが振動すると、溶接を施していない他方の面板3zと補強材5zとの間に接触音が生じて、パネル体である脚としての機能や使用感の低下を招くこととなる。さりとて、他方の面板3zと補強材5zとを外部からねじ止めすると、外観の毀損を招くことになる。
【0007】
また、このような補強材の有無は別にして、各面板3z、4zに当該面板間が広がる方向の挙動が生じる場合に、パネル体としての機能や使用感を確保するためにそれを防止する構造を採用したい場合がある。このような場合に、面板3z、4zの外部に面板間の広がりを防止する規制構造をパネル体の外側に構成すると、パネル体である脚としての機能や外観の毀損を招くほか、工数の増加等にもつながることとなる。
【0008】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、板金素材等よりなる面板を用いて内部に中空部を有する軽量簡素な構造のパネル体を適切に構成可能とし、脚やデスクを始めとして広く一般に適用可能にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0010】
すなわち、本発明のパネル体は、一対の面板を板厚方向に組み合わせて内部に中空部を有する箱体状に形成されるものであって、前記面板の一方に係り合い部を設けるとともに、前記面板の他方に前記係り合い部に対応する被係り合い部を設け、両面板を組み合わせるに伴い若しくは組み合わせた状態において、前記中空部内における前記係り合い部と前記被係り合い部との間に、少なくとも面板間が板厚方向に広がる挙動を規制する離反規制部を構成してなることを特徴とする。
【0011】
このように構成すれば、外部から視認されないパネル体の中空部内に離反規制部を導入することができるので、外観の毀損を招くことなく、面板が板厚方向に広がることを適切に防止して使用感の確保とともにパネル体としての機能を担保することが可能となる。
【0012】
面板が板厚方向に広がることをも防止するためには、前記離反規制部が、面板間が板厚方向に狭まる挙動を規制する接近規制部としても同時に機能するように構成されていることが望ましい。
【0013】
面板同士を組み付けて接近規制部を適切に構成するための具体的な構造としては、以下のような態様が挙げられる。
【0014】
一方の面板に対して他方の面板を所定方向から近づけて組み付ける構造を備え、前記所定方向に沿って係り合い部と被係り合い部が板厚方向に係り合って前記離反規制部が構成されるようにしているもの。この場合の所定方向としては、面板同士の対面方向に対して水平方向に角度をもった方向や、対面方向と直交する方向などが挙げられる。
【0015】
一方の面板に対して他方の面板を所定位置に配置するに伴い、前記係り合い部又は被係り合い部の一方が他方に弾性的に挿し込まれて前記離反規制部が構成されるようにしているもの。
【0016】
一方の面板に対して他方の面板を所定位置に配置する過程において、前記係り合い部又は被係り合い部の少なくとも一方が一時的に他方と干渉して弾性変形した後、復元した位置において前記離反規制部が構成されるようにしているもの。
【0017】
一方の面板に他方の面板を所定位置に組み付けることによって係り合い部と被係り合い部とを相対させ、これら係り合い部と被係り合い部に対して前記相対方向と直交する方向から接続部材をスライド係合させることによって前記離反規制部が構成されるようにしているもの。
【0018】
以上において、少なくとも何れかの面板に当該面板を補強するための補強材が接合してある場合に、本発明を簡単に実現するためには、係り合い部又は被係り合い部の何れか一方若しくは双方を対応する補強材の一部に構成することが望ましい。
【0019】
特に、外部からの衝撃に対し面板が振動して補強材との間に接触音が発生することを防止しつつ、パネル体の機能を高めるためには、少なくとも一部の補強材は一方の面板と他方の面板の間に密接に介在して、面板間が板厚方向に狭まる挙動を規制する接近規制部を併設しているものが有効である。
【0020】
接続部材を採用する場合には、一方の面板と他方の面板の間に密接に介在して、面板間が板厚方向に狭まる挙動を規制する接近規制部を構成しておくことが効果的である。
【0021】
そして、以上のパネル体を利用し、このパネル体に、天板取付部と背板取付部を少なくとも設ければ、品質の低下を招くことなく、軽量簡素で材料コストの削減を図った脚を有効に実現することができる。
【0022】
また、以上のパネル体を利用し、このパネル体を少なくとも天板の幅方向一端部を支持する位置に配置して脚として用いれば、下肢空間で着座者の足が脚に接触したり、脚に接近した通行人の体が脚に接触する度に衝突音を発生することが防止されるため、品質の低下を招くことなく軽量簡素で材料コストの削減を図ったデスクを有効に実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、以上説明した構成であるから、板金素材等よりなる面板を用いて内部に空洞部を有するパネル体を構成するにあたり、軽量簡素であっても外観の毀損や工数の増加を招かずに適切な機能を確保できるようにした、新たな構造のパネル体並びにこれを利用した脚及びデスクを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係るパネル体を用いた脚を有するデスクを示す斜視図。
【図2】同パネル体を用いた脚の分解斜視図。
【図3】同脚の中空部内の構造を示す斜視図。
【図4】図3に対応した模式的な平断面図。
【図5】同脚の組み付け手順を示す図。
【図6】本発明の他の実施形態を示す模式的な図。
【図7】本発明の更に他の実施形態を示す模式的な図。
【図8】本発明の上記以外の実施形態を示す模式的な図。
【図9】本発明の上記以外の実施形態を示す模式的な図。
【図10】本発明の上記以外の実施形態を示す模式的な図。
【図11】本発明の上記以外の実施形態を示す模式的な図。
【図12】本発明と対比される構造を示す模式的な図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0026】
図1に示すように、この実施形態のパネル体A2は、デスクAを構成する脚1に適用される。このデスクAは、天板A1の左右両端部A1a、A1bをそれぞれ脚1に支持させ、脚1の背面を背板2で連結して、自立可能なデスクAを構成しているものである。
【0027】
図2から図5に示すように、脚1は、板金素材を用いたもので、内側に凹所33を有するように塑性変形加工された外板3と、その凹所33に緊密に嵌り合うように塑性変形加工された内板4とを突き合わせて、内部に中空部1aを有する扁平な箱状のパネル体A2として構成される。
【0028】
外板3は、面板34の前後を内向きに開く概略コの字形に折り曲げ、その折り曲げ端に更に面板34と平行をなす折り曲げ片31、32を形成したもので、前後の折り曲げ片31、32の間に、内板4を嵌め込むための凹所33を開口させている。
【0029】
内板4は、面板44の前後をほぼ外向きに開く概略コの字形に折り曲げ、その折り曲げ端に更に面板44と平行をなす折り曲げ片41、42を形成したもので、これらの折り曲げ片41,42を外板の折り曲げ片31,32間の凹所33に緊密に嵌め込むことによって、外板3の面板34と内板4の面板44とを略平行に対面させ、かつ、内板4の面板44を外板3の折り曲げ片31,32に略面一に隣接させるようにしている。
【0030】
内板4の外面における面板44の中心近傍には、面強度を高めるために、図2〜図4に示すように、基端片51から本体部52を経て先端片53までの間が概略Z形に形成された第1補強材5が、当該基端片51を溶接等による接合部5xを介して内板4の面板44に上下に延びる姿勢で接合されている。基端片51から先端片53までの寸法5bは、外板3と内板4を組み付けることによって構成される中空部1aの内寸1bとほぼ等しくなるように設定してある。
【0031】
本実施形態の好適な取付手順としては、外板3の凹所33に対して内板4を、図5(a)に示すように斜め方向(L方向)に沿って近づけ、図2に示した内板4の前側の折り曲げ片41を外板3の前側の折り曲げ片31の内側に先に嵌め込んだ後、図5(b)に矢印Tで示すように内板4の後側を板厚方向に押圧することで、図2に示した内板4の後側の折り曲げ片42を外板3の後側の折り曲げ片32の内側に緊密に嵌め込むことが好適な一例として挙げられる。かかる組み付け状態において、第1補強材5は、先端片53が外板3の面板34に突き当たることにより外板3と内板4の間に緊密に介在して、面板3、4間が板厚方向(D方向)に狭まる挙動を規制する接近規制部Xを構成している。
【0032】
このような構成に加えて、本実施形態はさらに、外板3の面板34に面強度を高めるための第2補強材6を備えている。
【0033】
この第2補強材6は、基端片61から本体部62を経て先端片63までの間が概略Z形に形成されたもので、その基端片61を溶接等による接合部6xを介して外板3の面板34に上下に延びる姿勢で接合されている。基端片61から先端片63までの寸法6bは、外板3と内板4で構成される中空部1aの内寸1bの略半分程度となるように設定されている。
【0034】
そして、上記の外板3及び内板4の両面板34、44が板厚方向D(D方向)に広がる挙動を規制すべく、図2等に示すように第2補強材6の先端片63に面板34に沿って延びる係り合い部たる舌片60を一体に設けるとともに、第1補強材5の本体部52における前記舌片60に相対する位置に被係り合い部たるスリット50を設け、これら舌片60とスリット50とを係り合わせることによって離反規制部Yを構成するようにしている。舌片60とスリット50の位置関係は、内板4を外板3の凹所33に図5に示した斜め方向(L方向)に沿って差し込む際に、舌片60が前記斜め方向(L方向)に沿ってスリット50へ係わり合い得るように、スリット50および舌片60の相対位置や寸法関係等が設定されている。
【0035】
この離反規制部Yを構成する舌片60は、外板3と内板4が離反する挙動時にスリット50の開口縁に係合して離反動作を規制するものであるが、同時に、外板3と内板4が接近する挙動時にもスリット50の反対側の開口縁に係合して接近動作を規制するため、接近規制部としての機能も担うものとなっている。
【0036】
なお、図1及び図2に示すようにこのパネル体A2を脚1として用いるために、内板4の上端側には天板取付部45が折り曲げて形成してあり、外板3の上端側には、折線38xに沿って折り曲げることにより天板支持面となる折り曲げしろ38が設けてある。また、外板3の下端側には、折線39xに沿って折り曲げることによりアジャスタ取付部となる折り曲げしろ39が設けられ、外板3の後側の折り曲げ片32には、背板2を取り付けるための背板取付部35が切り起こして設けてある。
【0037】
以上のように本実施形態は、一対の面板34,44を有する外板3と内板4を板厚方向に組み合わせて内部に中空部1aを有する箱体状のパネル体A2を構成するにあたり、外板3の面板34に係り合い部たる舌片60を設けるとともに、内板4の面板44における前記舌片60の対応位置に被係り合い部たるスリット50を設け、両面板34、44を組み合わせるに伴って、前記中空部1a内における舌片60とスリット50との間に、面板34,44間が板厚方向に広がる挙動を規制する離反規制部Yを構成するようにしている。このため、外部から視認されないパネル体2Aの中空部2a内に当該離反規制部Yを有効に構成することができ、外観の毀損を招くことなく、面板34,44が板厚方向に広がることを適切に防止して、パネル体2Aとしての機能を有効に担保することができる。その係り合い構造も、係り合い部である舌片60と被係り合い部であるスリット50との部材同士の直接的な係り合いであるため、面板3,4同士を突き合わせる際に補強材5の先端と面板3との間を接着等によって接続する場合に比べて、長期に亘り安定した効果を持続することができ、メンテナンス時の分解等にも対応することが容易となる。
【0038】
特に、かかる離反規制部Yは、面板34,44間が板厚方向に狭まる挙動を規制する接近規制部としても同時に機能するため、面板34,44が板厚方向に広がることを防止する離反規制部としての機能と相まって、簡素な中空構造であってもパネル体2Aを変形し難いものにすることができ、その機能や使用感を無理なく有効に高めることができる。
【0039】
また、外板3の面板34に対して内板4の面板44を斜め方向(L方向)から近づけることで好適に組み付け得る構造を備え、前記斜め方向(L方向)に沿って舌片60とスリット50が板厚方向に係り合って離反規制部Yが構成されるようにしており、外板3の面板34に内板4の面板44を組み付ける動作と、舌片60をスリット50に係り合わせる動作とが合致するので、何ら工数を増やすことなく、パネルの組み立てに伴って中空部1a内に有効な離反規制部Yを構成することができる。
【0040】
さらに、面板34、44には、当該面板34,44を補強するための補強材6,5が接合してあり、離反規制部Yを構成するための舌片60およびスリット50をそれらの補強材6,5の一部に構成しているので、別途新たに係り合いのための部材を導入することが不要であり、簡素な構造で本発明を実現することができる。
【0041】
特に、第1補強材53については、面板44,34間に密接に介在して面板44、34間が板厚方向に狭まる挙動を規制する接近規制部Xを構成しており、パネル体A2のべこつき防止効果を高めているものであるが、単に先端片53を面板34に突き当てているのではなく、離反規制部Yと協働して面板34の振動を抑止するようにしているので、外部からの衝撃に対し面板34が補強材53と接触して接触音が発生することを防止して、パネル体全体の品質を有効に向上させることができる。
【0042】
そして、本実施形態はこのようなパネル体A2に天板取付部45や背板取付部35等を設けているので、品質の低下を招くことなく軽量簡素で材料コストの削減を図った脚1を有効に実現することができる。
【0043】
さらに、本実施形態はこのようなパネル体A2を天板A1の幅方向端部A1bを支持する位置に配置して脚1として用いており、下肢空間で着座者の足が脚1に接触したり、脚1に接近した通行人の体が脚に接触する度に衝突音を発生することが防止されるため、品質の低下を招くことなく軽量簡素で材料コストの削減を図ったデスクAを有効に実現することが可能となる。
【0044】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0045】
例えば、組み付けに伴って中空部内に離反規制部を構成する他の構造としては、図6(a)に示すように、補強材106の基端片161を一方の面板103に接合し、その基端片161から立ち上がった本体部162の先端における長手方向の複数箇所を切り起こして隣接位置にある切り起こされていない部分との間に被係り合い部たる挟持部160を構成する一方、補強材105の基端片151を他方の面板104に接合し、その基端片151から立ち上がった本体部152の先端を係り合い部たる挿し込み片150として、面板103、104同士を同図(b)に示すように所定間隔で配置するに伴って挿し込み片150を挟持部160に弾性的に挿し込み、これにより面板103、104同士の離反動作を規制する離反規制部Yを構成してもよい。この離反規制部Yは、同時に面板103、104同士の接近動作を接近する接近規制部の役割を兼ねるものである。
【0046】
このように構成しても、一方の面板103に対して他方の面板104を所定位置に配置するだけでよいため、何ら工数を増やすことなく、パネル体の組み立てに伴って中空部101a内に有効な離反規制部Yを構成することができる。
【0047】
或いは、図7に示すように、補強材206の基端片261を一方の面板203に接合し、その基端片261から立ち上がった本体部262にスリット等の被係り合い部260を設けるとともに、補強材205の基端片251を他方の面板204に接合し、その基端片251から立ち上がった本体部252の先端に前記スリット260に弾性係合可能な爪状の係り合い部250を形成して、同図想像線及び矢印で示すように面板203、204同士を所定位置に配置する過程において、前記係り合い部250が一時的に被係り合い部260が設けられた補強材206の本体部262と干渉して適宜部位が弾性変形した後、復元した位置において係り合い部250が被係り合い部260に係わって接近規制部の機能を備えた離反規制部Yを構成するようにしてもよい。このようにしても、簡単にパネル体の機能を向上させることができる。この場合の補強材206も、面板203、204間に緊密に介在して別途に接近規制部Xを構成している態様が有効である。
【0048】
一方、組み付けた後に中空部内に離反規制部を構成する構造としては、図8に示すように、一方の面板303と他方の面板304に、補強材306、305等を利用して被係り合い部360と係り合い部350を形成し、両面板303、304を所定位置に組み付けることによって被係り合い部360と係り合い部350とを相反する方向に相対させた状態で、これら被係り合い部360と係り合い部350に対して前記相対方向と直交する方向(紙面垂直方向)から接続部材300の両端部300aをスライド係合させることによって、被係り合い部360と係り合い部350の離反動作を接続部材300により規制して離反規制部Yを構成してもよい。このような手順は、面板同士を対面して組み付けた際に対面方向と直交する方向、すなわち、図2に示す脚1の上端側や下端側に中空部1aを開放しておけば実現可能であるので、工数は若干増えるものの、中空部1a内にガタのない確実な離反規制部Yを構成することができる。
【0049】
特に、かかる接続部材300を一方の面板303と他方の面板304の間に密接に介在させれば、両面板303、304間が板厚方向に狭まる挙動を規制する接近規制部としても同時に機能することになり、一層有効となる。
【0050】
さらに、図9に示すように、一方の面板403と他方の面板404の間で係り合い部460と被係り合い部450を係り合わせて、この部位のみで接近規制部としての機能を兼ね備えた離反規制部Yを構成し、補強材を接近規制部として用いなくてもよいし、図10に示すように、一方の面板503と他方の面板504の間に離反動作のみを規制する離反規制部Yと接近動作のみを規制する接近規制部Xとを別個に構成するようにしてもよい。さらにまた、面板同士の広がりだけを防止する必要がある場合には、図11に示すように、一方の面板603と他方の面板604の間に離反動作のみを規制する離反規制部Yを設けておくだけの構成も簡素で効果的である。
【0051】
これら図10及び図11に示す構造のもの等は、一方の面板503、603に対して他方の面板504、604を対面方向と直交する紙面垂直方向から近づけて組み付けても、離反規制部Yや接近規制部Xを構成することができる。
【0052】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1…脚
3…面板
3a…中空部
4…面板
5…第1補強材
6…第2補強材
33…凹所
35…背板取付部
45…天板取付部
50…被係り合い部(スリット)
60…係り合い部(舌片)
A…デスク
A1a、A1b…幅方向の端部
A2…パネル体
D…板厚方向
L…斜め方向
X…接近規制部
Y…離反規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の面板を板厚方向に組み合わせて内部に中空部を有する箱体状に形成されるパネル体であって、
前記面板の一方に係り合い部を設けるとともに、前記面板の他方に前記係り合い部に対応する被係り合い部を設け、
両面板を組み合わせるに伴い若しくは組み合わせた状態において、前記中空部内における前記係り合い部と前記被係り合い部との間に、少なくとも面板間が板厚方向に広がる挙動を規制する離反規制部を構成してなることを特徴とするパネル体。
【請求項2】
前記離反規制部は、面板間が板厚方向に狭まる挙動を規制する接近規制部としても同時に機能するものである請求項1記載のパネル体。
【請求項3】
一方の面板に対して他方の面板を所定方向から近づけて組み付ける構造を備え、前記所定方向に沿って係り合い部と被係り合い部が板厚方向に係り合って前記離反規制部が構成されるようにしている請求項1又は2記載のパネル体。
【請求項4】
一方の面板に対して他方の面板を所定位置に配置するに伴い、前記係り合い部又は被係り合い部の一方が他方に弾性的に挿し込まれて前記離反規制部が構成されるようにしている請求項1又は2記載のパネル体。
【請求項5】
一方の面板に対して他方の面板を所定位置に配置する過程において、前記係り合い部又は被係り合い部の少なくとも一方が一時的に他方と干渉して弾性変形した後、復元した位置において前記離反規制部が構成されるようにしている請求項1又は2記載のパネル体。
【請求項6】
一方の面板に他方の面板を所定位置に組み付けることによって係り合い部と被係り合い部とを相対させ、これら係り合い部と被係り合い部に対して前記相対方向と直交する方向から接続部材をスライド係合させることによって前記離反規制部が構成されるようにしている請求項1又は2記載のパネル体。
【請求項7】
少なくとも何れかの面板には、当該面板を補強するための補強材が接合してあり、係り合い部又は被係り合い部の何れか一方若しくは双方は、対応する補強材の一部に構成されている請求項1〜6記載のパネル体。
【請求項8】
少なくとも一部の補強材は一方の面板と他方の面板の間に密接に介在して、面板間が板厚方向に狭まる挙動を規制する接近規制部を構成している請求項7記載のパネル体。
【請求項9】
接続部材は、一方の面板と他方の面板の間に密接に介在して、面板間が板厚方向に狭まる挙動を規制する接近規制部を構成している請求項6記載のパネル体。
【請求項10】
請求項1〜8記載のパネル体を利用し、このパネル体に、天板取付部と背板取付部を少なくとも設けていることを特徴とする脚。
【請求項11】
請求項1〜8記載のパネル体を利用し、このパネル体を少なくとも天板の幅方向一端部を支持する位置に配置して脚として用いていることを特徴とするデスク。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−212042(P2011−212042A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80166(P2010−80166)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】