説明

ヒスタミンH4受容体のモジュレーターとしてのインドールおよびベンゾイミダゾール

受容体のモジュレーターとして用いるに有用なベンゾイミダゾールおよびインドール化合物を記述する。前記化合物はH受容体の活性が媒介する病気状態、障害および疾患、例えばアレルギー、喘息、自己免疫病および掻痒などを治療するための製薬学的組成物および方法で使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2006年4月7日付けで出願した米国仮特許出願連続番号60/790,421(これは引用することによって本明細書に組み入れられる)の利点を請求するものである。
【0002】
本発明は、特定のインドールおよびベンゾイミダゾール化合物、これらを含有させた製薬学的組成物、およびそれらをヒスタミンH受容体の活性が媒介する病気状態、障害および疾患の治療で用いる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒスタミンH受容体(HR)は最も最近同定されたヒスタミン受容体である(論評に関しては非特許文献1、2を参照)。この受容体は骨髄および脾臓に存在しかつ好酸球、好塩基球、肥満細胞(非特許文献3、4、5、6、7)、CD8 T細胞(非特許文献8)、樹枝状細胞および関節リウマチ患者から得たヒト滑膜細胞(非特許文献9)に発現する。しかしながら、好中球および単球における発現はあまり明確ではない(非特許文献10)。受容体の発現は少なくともある程度ではあるがいろいろな炎症性刺激によって制御され(非特許文献11、4)、このように、H受容体の活性化が炎症反応に影響を与えることは裏付けされている。H受容体は免疫担当細胞上に優先的に発現することから、それは免疫反応中にヒスタミンが示す調節機能と密に関係している。
【0004】
ヒスタミンが免疫および自己免疫病に関連して示す生物学的活性はアレルギー反応およびそれの有害な影響、例えば炎症などと密に関連している。炎症反応を引き起こすイベントには、物理的刺激(外傷を包含)、化学的刺激、感染および異物の侵入が含まれる。そのような炎症反応は痛み、体温上昇、発赤、発汗、機能低下またはそれらの組み合わせを伴うことを特徴とする。
【0005】
肥満細胞の脱顆粒(エキソサイトーシス)が起こるとヒスタミンが放出されそして最初にヒスタミンによってモジュレートされる膨疹および発赤反応で特徴づけ可能な炎症反応がもたらされる。幅広く多様な免疫刺激(例えばアレルゲンまたは抗体)および非免疫(例えば化学的)刺激によって肥満細胞の活性化、動員および脱顆粒が引き起こされ得る。肥満細胞が活性化するとアレルギー性炎症反応が始まり、それによって今度は炎症反応を更に助長する他のエフェクター細胞の動員が引き起こされる。ヒスタミンによってマウス肥満細胞の走化性が誘発されることが示された(非特許文献5)。H受容体ノックアウトマウスから得た肥満細胞を用いると走化性は生じない。その上、その反応はH特異的拮抗薬によって阻止されるが、H受容体拮抗薬によってもH受容体拮抗薬によってもH受容体拮抗薬によっても阻止されない(非特許文献5、非特許文献12)。また、肥満細胞が生体内でヒスタミンに向かって移動することも調査され、その移動がH受容体に依存することが示された(非特許文献12)。肥満細胞の移動がアレルギー性鼻炎および肥満細胞数の増加が見られるアレルギーである役割を果たしている可能性がある(非特許文献13、14、15、16、17)。加うるに、肥満細胞がアレルゲンに反応すると鼻粘膜の上皮層に再分配されることも知られている(非特許文献18、19)。そのような結果は、肥満細胞の走化性反応をヒスタミンH受容体が媒介することを示している。
【0006】
好酸球がヒスタミンに向かう走化性を示し得ることが示された(非特許文献20、21、10)。H選択的リガンドを用いることで好酸球のヒスタミン誘発走化性をH受容体が媒介することが示された(非特許文献21、非特許文献10)。好酸球をヒスタミン
で処置すると細胞表面に発現する接着分子CD11b/CD18(LFA−1)およびCD54(ICAM−1)の量が増加する(非特許文献10)。そのような増加はH受容体の拮抗薬によって阻止されるが、H受容体拮抗薬によってもH受容体拮抗薬によってもH受容体拮抗薬によっても阻止されない。
【0007】
また、HRは樹枝状細胞およびT細胞でもある役割を果たす。ヒト単球由来樹枝状細胞では、HRの刺激によってIL−12p70の産生が抑制されかつヒスタミン媒介走化性が促進される(非特許文献22)。また、H受容体がCD8 T細胞である役割を果たすことも報告された。HおよびH両方の受容体がヒスタミンによって誘発されるヒトCD8+ T細胞からのIL−16放出を制御することが非特許文献8に示された。IL−16はアレルゲンまたはヒスタミンによるチャレンジを受けさせた喘息患者の気管支肺胞洗浄液の中に存在することが確認され(非特許文献23、24)、このことがCD4細胞の移動にとって重要であると考えられる。前記受容体が前記種類の細胞の中でそのような作用を示すことは、適応的免疫反応、例えば自己免疫病で活発になる適応的免疫反応などでそれが重要な役割を果たしていることを示している。
【0008】
生体内H受容体拮抗薬はザイモサン誘発腹膜炎もしくは胸膜炎モデルで好中球増加症を阻止する能力を有する(非特許文献25、非特許文献12)。加うるに、H受容体拮抗薬は幅広く用いられていて充分に特徴づけられている大腸炎モデルでも活性を示す(非特許文献26)。このような結果はH受容体拮抗薬が生体内で抗炎症性を示し得ると言った結論を裏付けている。
【0009】
ヒスタミンが果たす別の生理学的役割は痒みのメディエーターとしての役割であるが、臨床的にはH受容体拮抗薬はあまり有効ではない。最近、また、マウスがヒスタミンに誘発されて引っ掻き傷を作ることにH受容体が関係しているとも考えられている(非特許文献27)。そのようなヒスタミンの影響はH拮抗薬によって阻止され得る。このような結果は、H受容体がヒスタミン誘発痒みに関与し、従ってH受容体拮抗薬は掻痒の治療に肯定的な効果を示すであろうと言った仮定を裏付けしている。
【0010】
受容体をモジュレートすると炎症メディエーターの放出が制御されかつ白血球の動員が抑制させることで、H媒介病および疾患を予防および/または治療することが可能になるが、そのような病気および疾患には、アレルギー反応の有害な影響、例えば炎症などが含まれる。本発明に従う化合物はH受容体をモジュレートする特性を有する。本発明に従う化合物は白血球動員を抑制する特性を有する。本発明に従う化合物は抗炎症特性を有する。
【0011】
炎症が主題の参考書の例には下記が含まれる:1)非特許文献28、29、30および31。
【0012】
炎症および炎症に関連した状態に関する背景および論評を論文、例えば下記の如き論文の中に見ることができる:(非特許文献32、33、34、35、36、37、38、39)。
【0013】
このように、本発明に従う低分子ヒスタミンH受容体モジュレーターは、炎症メディエーターの放出を制御しかつ白血球動員を抑制することで、いろいろな病因の炎症を治療する時に有用であり得、そのような炎症には下記の疾患および病気が含まれる:炎症性疾患、アレルギー性疾患、皮膚疾患、自己免疫病、リンパ系疾患、掻痒および免疫不全疾患。ヒスタミンH受容体の活性が媒介する病気、障害および病状には、本明細書に示すそれらが含まれる。
【0014】
インドールおよびベンゾイミダゾールアミドがヒスタミンH受容体モジュレーターとして特許文献1に開示された。また、4−ピロリジノピリミジンもヒスタミンH受容体モジュレーターとして開示された(特許文献2および3を参照)。しかしながら、それでも価値有る製薬学的特性を有する効力のあるヒスタミンH受容体モジュレーターが必要とされているままである。
【0015】
【特許文献1】国際特許出願公開番号WO02/072548(2002年9月19日)
【特許文献2】国際特許出願公開番号WO05/014556(2005年2月17日)
【特許文献3】国際特許出願公開番号WO05/054239(2005年6月16日)
【非特許文献1】Fung−Leung、W.−P.他、Curr.Opin.Invest.Drugs 2004、5(11)、1174−1183
【非特許文献2】de Esch、I.J.P.他、Trends Pharmacol.Sci.2005、26(9)、462−469)
【非特許文献3】Liu、C.他、Mol.Pharmacol.2001、59(3)、420−426
【非特許文献4】Morse、K.L.他、J.Pharmacol.Exp.Ther.2001、296(3)、1058−1066
【非特許文献5】Hofstra、C.L.他、J.Pharmacol.Exp.Ther.2003、305(3)、1212−1221
【非特許文献6】Lippert、U.他、J.Invest.Dermatol.2004、123(1)、116−123
【非特許文献7】Voehringer、D.他、Immunity 2004、20(3)、267−277)
【非特許文献8】Gantner、F.他、J.Pharmacol.Exp.Ther.2002、303(1)、300−307
【非特許文献9】Ikawa、Y.他、Biol.Pharm.Bull.2005、28(10)、2016−2018
【非特許文献10】Ling、P.他、Br.J.Pharmacol.2004、142(1)、161−171
【非特許文献11】Coge、F.他、Biochem.Biophys.Res.Commun.2001、284(2)、301−309
【非特許文献12】Thurmond、R.L.他、J.Pharmacol.Exp.Ther.2004、309(1)、404−413
【非特許文献13】Kirby、J.G.他、Am.Rev.Respir.Dis.1987、136(2)、379−383
【非特許文献14】Crimi、E.他、Am.Rev.Respir.Dis.1991、144(6)、1282−1286
【非特許文献15】Amin、K.他、Am.J.Resp.Crit.Care Med.2000、162(6)、2295−2301
【非特許文献16】Gauvreau、G.M.他、Am.J.Resp.Crit.Care Med.2000、161(5)、1473−1478
【非特許文献17】Kassel、O.他、Clin.Exp.Allergy 2001、31(9)、1432−1440
【非特許文献18】Fokkens、W.J.他、Clin.Exp.Allergy 1992、22(7)、701−710
【非特許文献19】Slater、A.他、J.Laryngol.Otol.1996、110、929−933
【非特許文献20】O’Reilly、M.他、J.Recept.Signal Transduction 2002、22(1−4)、431−448
【非特許文献21】Buckland、K.F.他、Br.J.Pharmacol.2003、140(6)、1117−1127
【非特許文献22】Gutzmer、R.他、J.Immunol.2005、174(9)、5224−5232
【非特許文献23】Mashikian、V.M.他、J.Allergy Clin.Immunol.1998、101(6、Part 1)、786−792
【非特許文献24】Krug、N.他、Am.J.Resp.Crit.Care Med.2000、162(1)、105−111
【非特許文献25】Takeshita、K.他、J.Pharmacol.Exp.Ther.2003、307(3)、1072−1078
【非特許文献26】Varga、C.他、Eur.J.Pharmacol.2005、522(1−3)、130−138
【非特許文献27】Bell、J.K.他、Br.J.Pharmacol.2004、142(2)、374−380
【非特許文献28】Gallin、J.I.;Snyderman、R.、Inflammation:Basic Principles and Clinical Correlates、第3版;Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia、1999
【非特許文献29】Stvrtinova、V.他、Inflammation and Fever.Pathophysiology Principles of Diseases(Textbook for Medical Students);Academic Press:New York、1995
【非特許文献30】Cecil他、Textbook Of Medicine、第18版;W.B.Saunders Co.、1988
【非特許文献31】Stedman’s Medical Dictionary.
【非特許文献32】Nathan、C.、Nature 2002、420(6917)、846−852
【非特許文献33】Tracey、K.J.、Nature 2002、420(6917)、853−859
【非特許文献34】Coussens、L.M.他、Nature 2002、420(6917)、860−867
【非特許文献35】Libby、P.、Nature 2002、420、868−874
【非特許文献36】Benoist、C.他、Nature 2002、420(6917)、875−878
【非特許文献37】Weiner、H.L.他、Nature 2002、420(6917)、879−884
【非特許文献38】Cohen、J.、Nature 2002、420(6917)、885−891
【非特許文献39】Steinberg、D.、Nature Med.2002、8(11)、1211−1217
【発明の開示】
【0016】
発明の要約
ここに、特定のインドールおよびベンゾイミダゾール誘導体がヒスタミンH受容体をモジュレートする活性を有することを見いだした。
【0017】
本発明は、1つの一般的面において、下記の式(I):
【0018】
【化1】

【0019】
[式中、
AはCHまたはNであり;
各Rは独立してCl、Br、メチル、エチル、NOまたはCFであり;
mは0、1または2であり;
はHであり;
はH、メチルまたはエチルであり;そして
1)RがH、メチルまたはエチルであり;RおよびRの中の一方がH、メチルまたはエチルでありそしてもう一方がHであるか;或は
2)RとRが一緒になって−(CH−を形成しており;そしてRがHであるか;或は
3)RとRが一緒になって−CH−を形成しており;そしてRがHである]
で表される化合物に関する。
【0020】
本発明はまた下記のいずれにも関する:式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩、式(I)で表される化合物の製薬学的に許容されるプロドラッグおよび式(I)で表される化合物の製薬学的に有効な代謝産物。
【0021】
他の態様における式(I)で表される化合物は、以下の詳細な説明に記述または例示する種から選択した化合物である。
【0022】
さらなる一般的面において、本発明は、式(I)で表される化合物およびこれらの製薬学的に許容される塩、製薬学的に許容されるプロドラッグおよび製薬学的に有効な代謝産物から選択した少なくとも1種の薬剤を有効な量で含有して成る製薬学的組成物に関する。本発明に従う製薬学的組成物のいくつかの態様は更に製薬学的に許容される賦形剤も含有して成る。
【0023】
別の一般的面において、本発明は、ヒスタミンH受容体の活性が媒介する病気、障害または病状に苦しんでいるか或はそうであると診断された被験体を治療する方法に向けたものであり、この方法は前記治療を必要としている被験体に式(I)で表される少なくとも1種の化合物または前記化合物の製薬学的に許容される塩、製薬学的に許容されるプロドラッグまたは製薬学的に有効な代謝産物を有効な量で投与することを含んで成る。本発明の方法の好適な特定態様における病気、障害または病状は炎症である。本明細書に示す炎症は、ヒスタミンが放出される結果として発症する反応を指し、そのような放出は少なくとも1種の刺激によって引き起こされる。そのような刺激の例は免疫刺激および非免疫刺激である。
【0024】
別の一般的面において、本発明は、ヒスタミンH受容体の活性をモジュレートする方法に向けたものであり、この方法は、ヒスタミンH受容体を有効な量の式(I)で表される化合物およびこれの塩の中の少なくとも1種と接触させることを含んで成る。
【0025】
本発明に従う方法および組成物の他の態様における式(I)で表される化合物は、以下の詳細な説明に記述するか或は例示する種から選択した化合物である。
【0026】
以下の詳細な説明および本発明の実施によって本発明の追加的態様、特徴および利点が明らかになるであろう。
【0027】
本発明の詳細な説明および本発明の好適な態様
以下に行う用語解説および最後の実施例を包含する以下の説明を参照することで本発明をより詳細に理解することができるであろう。簡潔さの目的で、本明細書に示す特許を包含する出版物の開示は引用することによって本明細書に組み入れられる。
【0028】
本明細書で用いる如き用語“包含”、“含有”および“含んで成る”を本明細書では幅広い非限定的意味で用いる。
【0029】
用語“アルキル”は、鎖中の炭素原子数が1から12の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基
を指す。典型的なアルキル基にはメチル(Me、これをまた構造的に記号“/”で表すこともあり得る)、エチル(Et)、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル(tBu)、ペンチル、イソペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシルおよび当技術分野の通常の技術および本明細書に示す教示に照らしてこの上に示した例のいずれか1つに相当すると見なされるであろう基が含まれる。
【0030】
用語“アルケニル”は、鎖中の炭素原子数が2から12の直鎖もしくは分枝鎖アルケニル基を指す(アルケニル基の二重結合は2個のsp混成炭素原子によって生じる)。具体的アルケニル基には、プロポ−2−エニル、ブト−2−エニル、ブト−3−エニル、2−メチルプロポ−2−エニル、ヘキソ−2−エニルおよび当技術分野の通常の技術および本明細書に示す教示に照らしてこの上に示した例のいずれか1つに相当すると見なされるであろう基が含まれる。
【0031】
用語“シクロアルキル”は、炭素環当たりの環原子数が3から12の飽和もしくは部分飽和の単環式、縮合多環式またはスピロ多環式炭素環を指す。シクロアルキル基の具体例には、部分が適切に結合している形態の下記の物質が含まれる:
【0032】
【化2】

【0033】
“ヘテロシクロアルキル”は、炭素原子から選択される環原子を環構造当たり3から12個有しかつ窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子を3個以下の数で有する飽和もしくは部分飽和の単環式または縮合、橋状もしくはスピロ多環式環構造を指す。そのような環構造は場合により炭素もしくは硫黄環員上にオキソ基を2個以下の数で含有していてもよい。部分が適切に結合している形態の例となる物質には下記が含まれる:
【0034】
【化3】

【0035】
用語“ヘテロアリール”は、ヘテロ環当たりの環原子数が3から12の単環式、縮合二環式または縮合多環式芳香複素環(炭素原子から選択される環原子を有しかつ窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子を4個以下の数で有する環構造)を指す。ヘテロアリール基の具体例には、部分が適切に結合している形態の下記の物質が含まれる:
【0036】
【化4】

【0037】
当技術分野の技術者は、この上に示したか或は具体的に示したヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル基の種は排他的ではなくかつまたその定義した用語の範囲内の追加的種を選択することも可能であることを理解するであろう。
【0038】
用語“ハロゲン”は塩素、フッ素、臭素またはヨウ素を表す。用語“ハロ”はクロロ、フルオロ、ブロモまたはヨードを表す。
【0039】
用語“置換されている”は、特定の基または部分が1個以上の置換基を持つことを意味する。用語“置換されていない”は、特定の基が置換基を持たないことを意味する。用語“場合により置換されていてもよい”は、特定の基が1個以上の置換基で置換されているか或は置換されていないことを意味する。用語“置換されている”を構造系の説明で用いる場合、その置換がその系上の結合価が許容するいずれかの位置に起こることを意味する。
【0040】
本明細書に示す式はいずれもその構造式で表される構造を有する化合物ばかりでなく特定の変形または形態も表すことを意図する。特に、本明細書に示すいずれかの式で表される化合物は不斉中心を持つ可能性があり、従って、いろいろな鏡像異性体形態で存在する可能性がある。一般式で表される化合物の光学異性体および立体異性体およびこれらの混合物の全部が当該式の範囲内であると見なす。このように、本明細書に示す如何なる式もそれのラセミ体、1種以上の鏡像異性体形態、1種以上のジアステレオマー形態、1種以上のアトロプイソメリック形態(atropisomeric forms)およびこれらの混合物を表すことを意図する。
【0041】
その上、特定の構造物は幾何異性体(即ちシスおよびトランス異性体)、互変異性体またはアトロプイソマー(atropisomers)として存在し得る。加うるに、本明細書に示す如何なる式にも前記化合物の水化物、溶媒和物および多形体およびこれらの混合物を包含させることを意図する。
【0042】
記号
【0043】
【化5】

【0044】
を本明細書に示す化学構造の中の同じ空間的配置を意味するとして用いる。同様に、記号
【0045】
【化6】

【0046】
も本明細書に示す化学構造の中の同じ空間的配置を意味するとして用いる。
【0047】
説明をより簡潔にする目的で、本明細書に示す量的表現のいくつかには用語「約」による制限を受けさせていない。用語「約」を明確に用いるか否かに拘わらず、本明細書に示す量は全てが実際の所定値を指すことを意味しかつまた当技術分野の通常の技術を基にして正当に推測されるであろう前記所定値の近似値[実験および/または測定条件による前記所定値の相当値および近似値を包含]も指すことを意味すると理解する。収率をパーセントとして示す時にはいつでも、そのような収率は、個々の化学量論的条件下で得ることが可能な当該物質の最大量を基準にした当該収率が得られた時の当該物質の質量を指す。パーセントとして示す濃度は、異なると示さない限り、質量比を指す。
【0048】
本明細書で化学物質を言及する場合、これは(a)実際に示す形態の前記化学物質および(b)当該化合物を命名する時にそれが存在すると考えられる媒体中で前記化学物質が取る形態のいずれかの中のいずれか1つを言及することを表す。例えば、本明細書でR−COOHの如き化合物を言及する場合、これは、例えばR−COOH(s)、R−COOH(sol)およびR−COO(sol)の中のいずれか1つを言及することを包含する。この例において、R−COOH(s)は固体状化合物を指し、これは例えば錠剤または他のある種の固体状の製薬学的組成物または製剤などの中に存在していてもよく、R−COOH(sol)は溶媒中で解離していない形態の当該化合物を指し、そしてR−COO(sol)は溶媒中で解離している形態の当該化合物、例えばそのような解離がR−COOHに由来するか、これの塩に由来するか或は媒体中で解離を起こしたと思われる時にR−COOをもたらす他のいずれかの物質に由来するかに拘らず水性環境中で解離した形態の当該化合物などを指す。別の例として、“ある物質を式R−COOHで表される化合物に接触させる”などの如き表現は、そのような接触を起こさせる媒体中に存在する形態の化合物R−COOHに前記物質を接触させることを指す。これに関して、そのような物質が例えば水性環境中に存在する場合、化合物R−COOHも前記同じ媒体中に存在することで前記物質がR−COOH(aq)および/またはR−COO(aq)[ここで、下つき文字“(aq)”は化学および生化学における通常の意味に従って“水性”を表す]などの如き種に接触すると理解する。このような命名の例としてカルボン酸官能基を選択したが、しかしながら、そのような選択は限定を意図するものでなく、単に例示である。同様な例を他の官能基に関しても示すことができると理解し、そのような官能基には、これらに限定するものでないが、ヒドロキシル、塩基性窒素員、例えばアミンの中の窒素員および当該化合物が入っている媒体中で公知様式に従って相互作用または変換を起こす他の基のいずれも含まれる。そのような相互作用および変換には、これらに限定するものでないが、解離、結合、互変異性、加溶媒分解(加水分解を包含)、溶媒和(水和を包含)、プロトン化および脱プロトンが含まれる。本明細書ではそれに関してさらなる例を示さない、と言うのは、所定媒体中で起こるそのような相互作用および変換は当技術分野の通常の技術を持つ如何なる人にも公知であるからである。
【0049】
また、本明細書に示す如何なる式も当該化合物の非標識形態ばかりでなく同位体標識付
き形態も表すことを意図する。同位体標識付き化合物は、1個以上の原子が選択した原子質量もしくは質量数を有する原子に置き換わっている以外は本明細書に示す式で表される構造を有する。本発明の化合物に取り込ませることができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、燐、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体、例えばそれぞれH、H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、36Cl、125Iなどが含まれる。そのような同位体標識付き化合物は代謝検定(好適には14Cを用いた)、反応速度検定(例えばHまたはHを用いた)、検出もしくは造影技術[例えば陽電子放出断層撮影(PET)または単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)](薬剤または基質組織分布検定を包含)または患者の放射線治療で用いるに有用である。特に、18Fまたは11C標識付き化合物がPETまたはSPECT検定に特に好適であり得る。更に、重質同位体、例えば重水素(即ちH)などによる置換を行うと代謝安定性がより高くなる、例えば生体内半減期が長くなるか或は必要な投薬量が少なくなることなどで結果として特定の治療的利点が得られる可能性もある。本発明の同位体標識付き化合物およびこれらのプロドラッグの調製は、一般に、容易に入手可能な同位体標識付き反応体を同位体標識が付いていない反応体の代わりに用いて本スキームまたは本実施例に開示する手順および以下に記述する調製を行うことで実施可能である。
【0050】
本明細書に示すいずれかの式を言及する場合、指定変項に可能な種のリストから選択する個々の部分の選択は他のいずれかの場所に現れる変項に関して当該種を同じく選択することを定義することを意図するものでない。言い換えれば、変項が2回以上現れる場合、指定リストから選択する種の選択は、特に明記しない限り、式中の他の場所に位置する同じ変項に関して選択する種の選択から独立している。
【0051】
置換基用語に関する1番目の例として、置換基SexampleがSおよびSの中の一方でありかつ置換基SexampleがSおよびSの中の一方である場合、そのような割り当てはSexampleがSでありかつSexampleがSである;SexampleがSでありかつSexampleがSである;SexampleがSでありかつSexampleがSである;SexampleがSでありかつSexampleがSである;の選択および前記選択の中の各々に相当する選択に従って示す本発明の態様を指す。より短い用語“SexampleがSおよびSの中の1つでありかつSexampleがSおよびSの中の1つである”を本明細書では相当して簡潔さの目的で用いるが、限定として用いるものでない。この上に一般的表現で記述した置換基用語に関する1番目の例は、本明細書に記述するいろいろな置換基割り当てを例示することを意味する。置換基に関して本明細書の上に示した慣例がR1−6、Aおよびmおよび本明細書で用いる他のいずれかの一般的置換基記号などの如き員に適用可能な場合、それらにも拡大適用する。
【0052】
その上、いずれかの員または置換基に関して2つ以上の割り当てを示す場合、本発明の態様は、独立して解釈するその挙げる割り当ておよびこれらの相当物によって生じさせることが可能ないろいろな組分けを包含する。置換基用語に関する2番目の例として、置換基SexampleがS、SおよびSの中の1つであると本明細書で記述する場合、このリストはSexampleがSである;SexampleがSである;SexampleがSである;SexampleがSおよびSの中の1つである;SexampleがSおよびSの中の1つである;SexampleがSおよびSの中の1つである;SexampleがS、SおよびSの中の1つである;そしてSexampleがそのような選択の中の各々に相当する選択のいずれかである;本発明の態様を指す。より短い用語“SexampleがS、SおよびSの中の1つである”を本明細書では相当して簡潔さの目的で用いるが、限定として用いるものでない。この上に一般的表現で記述した置換基用語に関する2番目の例は、本明細書に記述するいろいろな置換基割り当てを例示することを意味する。置換基に関して本明細書の上に示した慣例
がR1−6、Aおよびmおよび本明細書で用いる他のいずれかの一般的置換基記号などの如き員に適用可能な場合、それらにも拡大適用する。
【0053】
用語“Ci−j”(ここで、j>i)を本明細書である種類の置換基に適用する場合、これはiからj(iおよびjを包含)までの炭素員数の各々および全てが独立し実現される本発明の態様を指すことを意味する。例として、用語C1−3は独立して1個の炭素員(C)を有する態様、2個の炭素員(C)を有する態様および3個の炭素員(C)を有する態様を指す。
【0054】
用語Cn−mアルキルは、直鎖であるか或は分枝しているかに拘わらず、鎖中の炭素員の総数Nがnm(ここで、m>n)を満足させる脂肪酸鎖を指す。
【0055】
本明細書に示す如何なる二置換もいろいろな結合可能性の中の2つ以上が許容される時にそのようないろいろな可能性を包含させることを意味する。例えば二置換−A−B−(ここで、A≠B)の言及は、本明細書では、Aが1番目の置換員と結合しておりかつBが2番目の置換員と結合しているような二置換を指し、かつまた、Aが2番目の置換員と結合しておりかつBが1番目の置換員と結合しているような二置換も指す。
【0056】
この上で行った割り当ておよび用語に関する解釈的考慮に従い、本明細書である組を明確に言及する場合、それが化学的に意味がありかつ特に明記しない限り、そのような組の態様を独立して言及しかつ明確に示した組のサブセットの可能な態様の各々および全てを言及することを意味すると理解する。
【0057】
式(I)のいくつかの態様におけるAはCHである。別の態様におけるAはNである。
【0058】
いくつかの態様におけるRはClである。
【0059】
いくつかの態様におけるmは0または1である。
【0060】
いくつかの態様におけるRはHまたはメチルである。
【0061】
いくつかの態様におけるRはメチルであり、RはHでありそしてRはHである。他の態様では、RとRが一緒になって−(CH−を形成しておりそしてRはHである。更に他の態様では、RとRが一緒になって−CH−を形成しておりそしてRはHである。
【0062】
いくつかの態様では、式(I)で示す構造を式(II):
【0063】
【化7】

【0064】
で示す。
【0065】
本発明は、また、式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩、好適にはこの上に記述した化合物および本明細書に例示する具体的な化合物の製薬学的に許容される塩
も包含する。
【0066】
“製薬学的に許容される塩”は、無毒で生物学的に許容されるか或は他の様式で当該被験体に投与するに生物学的に適した式(I)で表される化合物の遊離酸もしくは塩基の塩を意味することを意図する。一般にS.M.Berge他、“Pharmaceutical Salts”、J.Pharm.Sci.、1977、66:1−19およびHandbook of Pharmaceutical Salts、Properties、Selection and Use、StahlおよびWermuth編集、Wiley−VCHおよびVHCA、Zurich、2002を参照のこと。製薬学的に許容される塩の例は、患者の組織に過度の毒性も刺激もアレルギー反応ももたらすことなく接触させるに適した薬理学的に有効な塩である。式(I)で表される化合物は充分に酸性の基、充分に塩基性の基または両方の種類の官能基を持つ可能性があり、従っていろいろな無機もしくは有機塩基および無機および有機酸と反応して製薬学的に許容される塩を生じ得る。典型的な製薬学的に許容される塩には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、燐酸塩、一水素燐酸塩、二水素燐酸塩、メタ燐酸塩、ピロ燐酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、蟻酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオレート(propiolates)、しゅう酸塩、マロン酸塩、こはく酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタン−スルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩およびマンデル酸塩が含まれる。
【0067】
式(I)で表される化合物が塩基性窒素を含有する場合、当技術分野で利用可能な適切な方法のいずれか、例えば遊離塩基を無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸、ホウ酸、燐酸などでか或は有機酸、例えば酢酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、ステアリン酸、乳酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、イセチオン酸、こはく酸、吉草酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、しゅう酸、グリコール酸、サリチル酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ピラノシジル酸(pyranosidyl acid)、例えばグルクロン酸またはガラクツロン酸など、アルファ−ヒドロキシ酸、例えばマンデル酸、クエン酸または酒石酸など、アミノ酸、例えばアスパラギン酸またはグルタミン酸など、芳香族酸、例えば安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、ナフトエ酸または桂皮酸など、スルホン酸、例えばラウリルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、本明細書に例として示した酸などの如き酸の適合し得る任意混合物および当技術分野の技術の通常のレベルに照らして相当物または許容される代替物であると見なされる他の酸およびこれらの混合物のいずれかで処理する方法などで所望の製薬学的に許容される塩を調製することができる。
【0068】
式(I)で表される化合物が酸、例えばカルボン酸またはスルホン酸などの場合、適切な方法のいずれか、例えば遊離酸を無機または有機塩基、例えばアミン(第一級、第二級または第三級)、アルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物、本明細書に例として示した塩基などの如き塩基の適合し得る任意混合物および当技術分野の技術の通常のレベルに照らして相当物または許容される代替物であると見なされる他の塩基およびこれらの混合物のいずれかで処理する方法などで所望の製薬学的に許容される塩を調製することができる。適切な塩の具体例には、アミノ酸、例えばグリシンおよびアルギニンなど、アンモニア、炭酸塩、重炭酸塩、第一級、第二級および第三級アミンおよび環式アミン、例えばベンジルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンおよびピペラジンな
どから生じさせた有機塩、およびナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムから生じさせた無機塩が含まれる。
【0069】
本発明は、また、式(I)で表される化合物の製薬学的に許容されるプロドラッグを用いた治療方法にも関する。用語“プロドラッグ”は、被験体に投与した後に化学的または生理学的プロセス、例えば生体内で起こる加溶媒分解または酵素による開裂などでか或は生理学的条件下で当該化合物になる(例えばプロドラッグを生理学的pHにすると式(I)で表される化合物に変化する)指定化合物の前駆体を意味する。“製薬学的に許容されるプロドラッグ”は、毒性がないか、生物学的に許容されるか或は他の様式で当該被験体に投与するに生物学的に適したプロドラッグである。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製に関する例となる手順が例えば“Design of Prodrugs”、H.Bundgaard編集、Elsevier、1985などに記述されている。
【0070】
プロドラッグの例には、式(I)で表される化合物の遊離アミノ、ヒドロキシまたはカルボン酸基とアミドまたはエステル結合で共有結合しているアミノ酸残基を有する化合物またはアミノ酸残基の数が2以上(例えば2、3または4)のポリペプチド鎖を有する化合物が含まれる。アミノ酸残基の例には、天然に存在する20種類のアミノ酸(これらは一般に3文字記号で表される)ばかりでなく4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、デモシン、イソデモシン、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、ベータ−アラニン、ガンマ−アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチンおよびメチオニンスルホンが含まれる。
【0071】
追加的種類のプロドラッグの製造を例えば式(I)で表される構造物が有する遊離カルボキシル基にアミドまたはアルキルエステルとして誘導体化を受けさせることなどで実施することも可能である。典型的なアミドには、アンモニア、第一級C1−6アルキルアミンおよび第二級ジ(C1−6アルキル)アミンから生じさせたアミドが含まれる。第二級アミンには、5員もしくは6員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール環部分が含まれる。アミドの例には、アンモニア、C1−3アルキル第一級アミンおよびジ(C1−2アルキル)アミンから生じさせたアミドが含まれる。本発明の典型的なエステルには、C1−7アルキル、C5−7シクロアルキル、フェニルおよびフェニル(C1−6アルキル)エステルが含まれる。好適なエステルにはメチルエステルが含まれる。プロドラッグの調製をまた遊離ヒドロキシ基に半こはく酸エステル、燐酸エステル、ジメチルアミノ酢酸エステルおよびホスホリルオキシメチルオキシカルボニルを包含する基を用いた誘導体化をAdv.Drug Delivery Rev.1996、19、115に概略が示されている如き手順に従って受けさせることで実施することも可能である。また、ヒドロキシおよびアミノ基のカルバメート誘導体もプロドラッグをもたらし得る。また、ヒドロキシ基のカーボネート誘導体、スルホン酸エステルおよび硫酸エステルもプロドラッグをもたらし得る。また、ヒドロキシ基に誘導体化を(アシルオキシ)メチルおよび(アシルオキシ)エチルエーテル[このアシル基はアルキルエステルであってもよく、場合により1個以上のエーテル、アミンまたはカルボン酸官能で置換されていてもよいか、或はアシル基はこの上に記述した如きアミノ酸エステルである]として受けさせることもプロドラッグを生じさせるに有効である。この種類のプロドラッグの調製はJ.Med.Chem.1996、39、10に記述されているようにして実施可能である。また、遊離アミンに誘導体化をアミド、スルホンアミドまたはホスホンアミドとして受けさせることも可能である。そのようなプロドラッグ部分の全部にエーテル、アミンおよびカルボン酸官能を包含する基が組み込まれている可能性がある。
【0072】
また、製薬学的に有効な代謝産物を本発明の方法で用いることも可能である。“製薬学的に有効な代謝産物”は、式(I)で表される化合物またはこれの塩が体内で代謝を受けることで生じた薬理学的に有効な生成物を意味する。ある化合物のプロドラッグおよび有
効な代謝産物の測定は当技術分野で公知または利用可能な常規技術を用いて実施可能である。例えばBertolini他、J.Med.Chem.1997、40、2011−2016;Shan他、J.Pharm.Sci.1997、86(7)、765−767;Bagshawe、Drug Dev.Res.1995、34、220−230;Bodor、Adv.Drug Res.1984、13、224−331;Bundgaard、Design of Prodrugs(Elsevier Press、1985);およびLarsen、Design and Application of
Prodrugs、Drug Design and Development(Krogsgaard−Larsen他編集、Harwood Academic Publishers、1991)を参照のこと。
【0073】
本発明の式(I)で表される化合物およびこれらの製薬学的に許容される塩、製薬学的に許容されるプロドラッグおよび製薬学的に有効な代謝産物(集合的に“薬剤”)はヒスタミンH受容体モジュレーターとして本発明の方法で用いるに有用である。本薬剤はヒスタミンH受容体のモジュレーションが媒介する病状、病気または障害、例えば本明細書に記述するそれらなどを治療または予防する本発明の方法で使用可能である。従って、本発明に従う薬剤は抗炎症薬として使用可能である。症状または病気状態を“病状、障害または病気”の範囲内に包含させることを意図する。
【0074】
従って、本発明は、ヒスタミンH受容体の活性が媒介する病気、障害または疾患、例えば炎症などに苦しんでいるか或はそうであると診断された被験体を治療する目的で本明細書に記述する製薬学的薬剤を用いる方法に関する。
【0075】
好適な態様では、本発明の薬剤を炎症を治療する目的で投与する。炎症はいろいろな病気、障害または疾患、例えば炎症性疾患、アレルギー性疾患、皮膚疾患、自己免疫病、リンパ系疾患および免疫不全疾患(以下により具体的に示す疾患および病気を包含)などに関連している可能性がある。炎症の発症および進化に関して、炎症性疾患または炎症が媒介する病気または疾患には、これらに限定するものでないが、急性炎症、アレルギー性炎症および慢性炎症が含まれる。
【0076】
本発明に従ってヒスタミンH受容体をモジュレートする薬剤を用いて治療可能な炎症の例となる種類には、多数の疾患、例えばアレルギー、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患(大腸炎、クローン病および潰瘍性大腸炎を包含)、乾癬、掻痒、皮膚の痒み、アトピー性皮膚炎、皮膚の掻痒(蕁麻疹)、眼の炎症、結膜炎、鼻ポリープ、アレルギー性鼻炎、鼻の痒み、強皮症、自己免疫性甲状腺疾患、免疫媒介(また1型としても知られる)糖尿病および狼瘡の中のいずれか1つが原因で起こる炎症が含まれ、それらは病気のある段階で炎症が過度であるか長期に渡ることを特徴とする。炎症をもたらす他の自己免疫病には、重症筋無力症、自己免疫性神経障害、例えばギラン・バレー、自己免疫性ブドウ膜炎、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血、自己免疫性血小板減少症、側頭動脈炎、抗リン脂質症候群、血管炎、例えばヴェーゲナー肉芽腫症、ベーチェット病、疱疹状皮膚炎、尋常性天疱瘡、白斑、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎および精巣炎、副腎の自己免疫病、多発性筋炎、皮膚筋炎、脊椎関節症、例えば強直性脊椎炎およびシェーグレン症候群が含まれる。
【0077】
本発明に従ってヒスタミンH受容体をモジュレートする薬剤を用いて治療可能な掻痒には、アレルギー性皮膚疾患(例えばアトピー性皮膚炎および蕁麻疹)および他の代謝障害(例えば慢性腎不全、肝胆汁うっ滞および糖尿病)の症状である掻痒が含まれる。
【0078】
別の好適な態様では、本発明の薬剤をアレルギー、喘息、自己免疫病または掻痒を治療
する目的で投与する。
【0079】
本明細書で用いる如き用語“治療”または“治療する”は、ヒスタミンH受容体の活性をモジュレートすることによって治療的または予防的な利益をもたらす目的で本発明の薬剤または組成物を被験体に投与することを指すことを意図する。治療には、ヒスタミンH受容体の活性のモジュレーションが媒介する病気、障害または疾患またはそのような病気、障害または疾患の1種以上の症状を逆転させること、改善すること、軽減すること、進行を抑制することまたはひどさを和らげることまたは予防することが含まれる。用語“被験体”は、そのような治療を必要としている哺乳動物患者、例えば人などを指す。“モジュレーター”には阻害剤および活性化剤の両方が含まれ、ここで、“阻害剤”は、ヒスタミンH受容体の発現または活性を低下させるか、防止するか、不活性にするか、脱感作させるか或は下方調節する化合物を指し、そして“活性化剤”は、ヒスタミンH受容体の発現または活性を増加させるか、活性化させるか、助長するか、感作させるか或は上方調節する化合物である。
【0080】
本発明に従う治療方法では、そのような病気、障害または疾患に苦しんでいるか或はそうであると診断された被験体に本発明に従う少なくとも1種の製薬学的薬剤を有効な量で投与する。“有効な量”は、一般に、指定の病気、障害または疾患に関してそのような治療を必要としている患者に所望の治療または予防的利点をもたらすに充分な量または用量を意味する。本発明の薬剤の有効な量もしくは用量を常規方法、例えばモデリング、用量漸増試験または臨床試験などでか或は常規要因、例えば投与様式もしくは経路または薬剤送達など、薬剤の薬物動態、病気、障害または疾患のひどさおよび過程、被験体が以前または現在受けている治療、被験体の健康状態および薬剤に対する反応および治療を施す医者の判断などを考慮に入れることで確定することができる。薬剤の典型的な用量は、被験体の体重1kg当たり約0.001から約200mg/日、好適には約0.05から100mg/kg/日、または1回または投薬単位を分割(例えばBID、TID、QID)して約1から35mg/kg/日の範囲である。70kgの人の場合の適切な投薬量の例となる範囲は、約0.05から約7g/日または約0.2から約2.5g/日である。
【0081】
患者の病気、障害または疾患の改善が生じたならば用量を防止または維持治療に適した量に調整してもよい。例えば、投与の量および頻度または両方を症状の関数として所望の治療もしくは予防効果が維持される度合にまで少なくしてもよい。勿論、症状が適切な度合にまで改善したならば治療を止めてもよい。しかしながら、症状がいくらか再発する時には患者に長期を基準にした断続的治療を受けさせる必要がある。
【0082】
加うるに、本発明の薬剤を前記疾患の治療で追加的活性化合物と組み合わせて用いることも可能である。そのような追加的化合物は式(I)で表される薬剤とは個別であるが一緒に投与してもよいか、或はそのような薬剤を本発明に従う製薬学的組成物に追加的有効成分として含有させることも可能である。典型的な態様における追加的活性化合物は、ヒスタミンH受容体の活性が媒介する疾患、障害または病気の治療に有効であることが知られているか或は確認された化合物、例えば別のヒスタミンH受容体モジュレーターまたは個々の疾患、障害または病気に関連した別の標的に対して有効な化合物などである。そのような組み合わせを用いると効力が向上する(例えば本発明に従う薬剤が示す効力または効果を高める化合物を組み合わせに含めることなどで)か、1種以上の副作用を低下させるか、或は本発明に従う薬剤の必要量を低下させることができる。
【0083】
標的受容体をモジュレートすることを言及する時の“有効な量”は、そのような受容体が示す活性に影響を与えるに充分な量を意味する。標的受容体の活性の測定は常規の分析方法を用いて実施可能である。標的受容体のモジュレーションはいろいろな設定(検定を包含)で用いるに有用である。
【0084】
本発明の薬剤を単独でか或は他の1種以上の有効成分と一緒に用いることで本発明の製薬学的組成物を構築する。本発明の製薬学的組成物は(a)本発明に従う少なくとも1種の製薬学的薬剤を有効量で含有しかつ(b)製薬学的に許容される賦形剤を含有して成る。
【0085】
“製薬学的に許容される賦形剤”は、薬理学的組成物に添加されるか或は他の様式で製薬学的薬剤の投与を助長する賦形剤、担体または希釈剤として用いられかつそれと適合し得る毒性がないか、生物学的に許容されるか或は他の様式で被験体に投与するに生物学的に適した物質、例えば不活性な物質などを指す。賦形剤の例には、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、いろいろな糖およびいろいろな種類の澱粉、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油およびポリエチレンポリエチレングリコールが含まれる。
【0086】
1投与単位以上の製薬学的薬剤を含有する製薬学的組成物の送達形態物の調製は、適切な製薬学的賦形剤を用いかつ当技術分野の技術者に公知であるか或は利用可能になるであろう配合技術を用いて実施可能である。本発明の方法では、そのような組成物を適切な送達経路、例えば経口、非経口、直腸、局所または眼経路などでか或は吸入によって投与してもよい。
【0087】
そのような製剤の形態は錠剤、カプセル、小袋、糖衣錠、粉末、顆粒、ロゼンジ、再構成用粉末、液状製剤または座薬であってもよい。本組成物を好適には静脈内輸液、局所投与または経口投与に適するように構築する。
【0088】
経口投与の場合、本発明の化合物を錠剤またはカプセルの形態でか或は溶液、乳液または懸濁液として提供してもよい。経口組成物の調製では、本薬剤を投薬量が例えば1日当たり約0.05から約50mg/kgまたは1日当たり約0.05から約20mg/kgまたは1日当たり約0.1から約10mg/kgなどになるように構築してもよい。
【0089】
経口錠剤に本薬剤および他の任意の有効成分を含有させてもよく、それらを適合し得る製薬学的に許容される賦形剤、例えば希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑剤、甘味剤、香味剤、着色剤および防腐剤などと混合してもよい。適切な不活性充填剤には、炭酸ナトリウムおよびカルシウム、燐酸ナトリウムおよびカルシウム、ラクトース、澱粉、糖、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ソルビトールなどが含まれる。典型的な経口用液状賦形剤には、エタノール、グリセロール、水などが含まれる。澱粉、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉グリコール酸ナトリウム、微結晶性セルロースおよびアルギン酸が典型的な崩壊剤である。結合剤には澱粉およびゼラチンが含まれ得る。滑剤を存在させる場合、これはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであってもよい。必要ならば、錠剤にモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの如き材料を用いた被覆を受けさせることで胃腸管内で起こる吸収を遅らせてもよいか、或は腸溶性被膜による被覆を受けさせてもよい。
【0090】
経口投与用カプセルには、硬質および軟質ゼラチン製カプセルが含まれる。硬質ゼラチン製カプセルの調製では、有効成分を固体状、半固体状または液状の希釈剤と混合してもよい。軟質ゼラチン製カプセルの調製は、有効成分を水、油、例えば落花生油またはオリーブ油など、液状パラフィン、短鎖脂肪酸のモノとジ−グリセリドの混合物、ポリエチレングリコール400またはプロピレングリコールと混合することで実施可能である。
【0091】
経口投与用の液体は、懸濁液、溶液、乳液またはシロップの形態であってもよいか、或は使用前に水または他の適切な媒体で再構成する凍結乾燥品であってもよいか或は再構成する乾燥製品として提供することも可能である。そのような液状組成物に場合により製薬
学的に許容される賦形剤、例えば懸濁剤(例えばソルビトール、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルなど);非水性媒体、例えば油(例えばアーモンド油または分別ヤシ油)、プロピレングリコール、エチルアルコールまたは水;防腐剤(例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチルまたはプロピルまたはソルビン酸);湿潤剤、例えばレシチンなど;および必要ならば香味または着色剤を含有させてもよい。
【0092】
本発明の活性薬剤をまた非経口経路で投与することも可能である。例えば、本組成物を直腸投与の目的で座薬として構築してもよい。静脈内、筋肉内、腹腔内または皮下経路を包含する非経口用途の場合、本発明の薬剤を適切なpHおよび等張性になるように緩衝剤を入れておいた無菌の水溶液もしくは懸濁液または非経口的に許容される油として提供してもよい。適切な水性媒体には、リンゲル溶液および等張性塩化ナトリウムが含まれる。そのような形態物を単位投薬形態物、例えばアンプルまたは使い捨て可能注射デバイス、複数回使用形態、例えば適切な用量を取り出すことが可能な瓶など、または注射可能製剤を生じさせる目的で使用可能な固体形態物もしくは予濃縮液の形態で提供してもよい。具体的な輸液投薬量は製薬学的担体と混ざり合っている薬剤が数分から数日の範囲の期間に渡って約1から1000μg/kg/分の範囲で輸液される量である。
【0093】
局所投与の場合には、本薬剤を媒体に対する薬剤の濃度が約0.1%から約10%になるように製薬学的担体と混合してもよい。本発明の薬剤を投与する別の様式では経皮送達を行う目的でパッチ製剤を利用してもよい。
【0094】
本発明の方法では、別法として、薬剤を吸入、鼻または口経路、例えばスプレー製剤(適切な担体も含有させておいた)などとして投与することも可能である。
【0095】
ここに、本発明の方法で用いるに有用な好適な薬剤の例を以下の一般的調製および以下の具体的実施例に例示する合成スキームを言及することで記述する。本明細書に示すいろいろな化合物を得るに最終的に必要な置換基が適宜保護の有り無しで反応スキーム全体に渡って担持されて所望生成物がもたらされるように出発材料を適切に選択することができることを技術者は理解するであろう。別法として、最終的に必要な置換基の代わりに反応スキーム全体に渡って担持されかつ適宜必要な置換基と置き換わり得る適切な基を用いる必要があるか或はその方が好ましい可能性もある。特に明記しない限り、変項は、この上で式(I)を言及する時に定義した如くである。
【0096】
【化8】

【0097】
スキームAを参照して、式(I)で表される化合物の調製を当技術分野の技術者に公知のアミドカップリング手順を用いて実施する。例えば酸(V)とアミン(VI)のカップリングを活性化剤、例えば1,1’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、ヘキサフルオロ燐酸ブロモトリピロリジノホスホニウム(PyBroP)、燐酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HATU)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド/1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(EDC/HOBt)などの存在下で直接起こさせる。別法として
、酸(V)に活性化を混合無水物もしくは酸クロライドとして受けさせた後、アミン(VI)とのカップリングを適切な塩基、例えばトリエチルアミン(TEA)、iPrNEt、ピリジン、イミダゾールなどの存在下で起こさせる。適切なアミノ保護基をRおよび/またはRの代わりに用いてもよくそしてそれをカップリング後に除去してもよい。
【0098】
この上に記述したスキームに従って生じさせる化合物は単一の鏡像異性体、ジアステレオマーまたは位置異性体としてか或はラセミ混合物または鏡像異性体、ジアステレオマーまたは位置異性体の混合物として得られる可能性がある。位置異性体またはジアステレオマー混合物が得られる場合、異性体に通常方法、例えばクロマトグラフィーまたは結晶化などを用いた分離を受けさせることができる。鏡像異性体のラセミ(1:1)および非ラセミ(1:1ではない)混合物が得られる場合、当技術分野の技術者に公知の通常の分離方法を用いて単一の鏡像異性体を単離することができる。特に有用な分離方法には、キラルクロマトグラフィー、再結晶化、ジアステレオマー塩形成、または誘導体化でジアステレオマー付加体を生じさせた後に分離を行うことが含まれ得る。
【0099】
以下の実施例は本発明の面およびいろいろな好適な態様を更に例示する目的で示すものである。
【0100】
実施例
化学:
以下の実施例に記述する化合物および相当する分析データを得ようとする時、特に明記しない限り、以下の実験および分析プロトコルに従った。
【0101】
特に明記しない限り、反応混合物を室温(rt)で磁気撹拌した。溶液を“乾燥”させる場合、それらを一般に乾燥剤、例えばNaSOまたはMgSOなどで乾燥させる。混合物、溶液および抽出液に“濃縮”を受けさせる場合、それらに濃縮を典型的にはロータリーエバポレーターを用いて減圧下で受けさせた。
【0102】
薄層クロマトグラフィーをMerckシリカゲル60 F254で前以て被覆されている2.5cm x 7.5cm 250μmまたは5.0cm x 10.0cm 250μmのシリカゲルプレートを用いて実施した。調製用薄層クロマトグラフィーをEM Scienceシリカゲル60 F254で前以て被覆されている20cm x 20cm 0.5mmプレート(20cm x 4cmの濃縮ゾーンが備わっている)を用いて実施した。
【0103】
順相フラッシュクロマトグラフィー(FCC)を特に明記しない限りシリカゲル(SiO)を用いてMeOH中2MのNH/DCMで溶離させることで実施した。
【0104】
分析用逆相HPLCをPhenomenex Luna C18(5μm、4.6x150mm)カラムが備わっているHewlett Packard HPLC Series 1100を用いて実施した。検出をl=254nmで実施した。流量を1mL/分にした。勾配を5.0分かけて10から99%のCHCN/HO(トリフルオロ酢酸(TFA)が0.05%)にした。
【0105】
調製用逆相HPLC(調製用HPLC)をGemini C18カラム(5μm、21.2 x 180mm)が備わっているShimadzu LC−8Aを用いて実施した。検出をl=254nmで実施した。勾配を25mL/分の流量で15分かけて10から100%のアセトニトリル/水(TFAが0.05%)にした。
【0106】
質量スペクトル(MS)をエレクトロスプレーイオン化(ESI)が用いられているA
gilentシリーズ1100MSDを特に明記しない限り正モードで用いることで得た。計算した質量は正確な質量に相当する。
【0107】
核磁気共鳴(NMR)スペクトルをBrukerモデルDRX分光計を用いて得た。以下に示すH NMRデータのフォーマットは下記である:テトラメチルシラン標準のダウンフィールドの化学シフト(ppm)(多重度、結合定数J(Hz)、積分値)。
【0108】
化学名をChemDraw Version 6.0.2(CambridgeSoft、Cambridge、MA)を用いて得た。
【実施例1】
【0109】
(S,S)−(2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−(1H−インドール−2−イル)−メタノンの塩酸塩.
【0110】
【化9】

【0111】
段階A:1H−インドール−2−カルボニルクロライド.インドール−2−カルボン酸(800mg、4.9ミリモル)をCHClに入れることで生じさせた懸濁液に塩化オクザリル(1.28mL、14.9ミリモル)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF;0.05mL)を加えた。40℃で1.5時間後の混合物に濃縮を受けさせることで黄色の固体(874mg、98%)を得て、これを精製無しに後の反応で用いた。
【0112】
段階B:(S,S)−5−(1H−インドール−2−カルボニル)−2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸t−ブチルエステル.インドール−2−カルボニルクロライド(100mg、0.56ミリモル)をCHClに入れることで生じさせた0℃の懸濁液にTEA(235μL、1.67ミリモル)と(S,S)−2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸t−ブチルエステル(156mg、0.84ミリモル)をCHClに入れることで生じさせた溶液を加えた。0℃で1.5時間後の混合物を飽和NaHCO水溶液で希釈した後、CHCl(3x15mL)を用いた抽出を実施した。その有機層を一緒にして飽和NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、濃縮することで黄色の液体を得て、これをFCCで精製することで黄色の固体(130mg、46%)を得た。 H NMR(CDCl:9.37−9.17(m、1H)、7.70−7.64(m、1H)、7.47−7.41(m、1H)、7.35−7.28(m、1H)、7.19−7.10(m、1H)、6.86−6.78(m、1H)、5.13(s、1H)、4.77−4.50(m、1H)、4.02−3.80(m、1H)、3.80−3.39(m、2H)、2.08−1.88(m、2H)、1.54−1.35(m、9H).
【0113】
段階C.(S,S)−5−(1H−インドール−2−カルボニル)−2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸t−ブチルエステル(124mg、0.36ミリモル)を蟻酸に入れることで生じさせた溶液に5.0NのHCl(75μL、1.82ミリモル)を加えた。室温で1時間の溶液をMeOH(30mL)で希釈した後、濃縮することで紫色の固体(87mg、99%)を得た。 MS(ESI):下記として計算した質量:C1415O、241.12;m/z 測定値:242.3[M+H]H NMR(MeOD):7.67−7.63(m、1H)、7.49−7.44(m、1H)、7.28−7.22(m、1H)、7.12−7.05(m、1H)
、7.01−6.97(m、1H)、5.49(s、1H)、5.41−5.02(m、1H)、4.58(s、1H)、4.28−3.39(m、4H)、3.33−3.29(m、1H)、2.32−2.21(m、1H)、2.13−2.04(m、1H).
【実施例2】
【0114】
(S,S)−(1H−インドール−2−イル)−(5−メチル−2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−メタノン.
【0115】
【化10】

【0116】
(S,S)−(2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−(1H−インドール−2−イル)−メタノンの塩酸塩(50mg、0.18ミリモル)とTEA(50μL、0.36ミリモル)とホルムアルデヒド(6μL、0.22ミリモル)をジクロロエタン(DCE)/MeOH(10:1、3mL)に入れることで生じさせた溶液にNaB(OAc)H(115mg、0.54ミリモル)を加えた。室温で2時間後の混合物を飽和NaHCO水溶液で希釈した後、CHCl(3x)を用いた抽出を実施した。その有機層を一緒にして飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、濃縮することでオレンジ色の固体(44mg、96%)を得た。 MS(ESI):下記として計算した質量:C1517O、255.14;m/z 測定値:256.4[M+H]H NMR(回転異性体の混合物;CDCl):10.34−10.08(m、1H)、7.64−7.54(m、1H)、7.44−7.35(m、1H)、7.24−7.16(m、1H)、7.09−7.00(m、1H)、6.80(s、0.5H)、6.67(s、0.5H)、4.99−4.86(m、1H)、4.05−3.95(m、0.7H)、3.84−3.77(m、0.3H)、3.71−3.62(m、1H)、3.55−3.46(m、1H)、3.18−3.10(m、0.3H)、2.98−2.88(m、0.7H)、2.82−2.69(m、1H)、2.46−2.31(m、3H)、1.98−1.88(m、1H)、1.79−1.70(m、1H).
【実施例3】
【0117】
(1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノンのトリフルオロ酢酸塩.
【0118】
【化11】

【0119】
段階A:[1−(1H−インドール−2−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸t−ブチルエステル.インドール−2−カルボン酸(388mg、2.40ミリモル)とメチル−ピロリジン−3−イル−カルバミン酸t−ブチルエステル(401mg、2.00ミリモル)をTHF(16mL)に入れることで生じさせた溶液にCDI(356mg、2.20ミリモル)を加えた。室温で18時間後の混合物を濃縮し、CHClで希釈し、飽和NaCO水溶性そして水で洗浄し、乾燥(NaSO
)させた後、濃縮した。その残留物をFCCで精製することで表題の化合物(565mg、69%)を得た。 MS(ESI):下記として計算した質量:C1925、343.19;m/z 測定値:344[M+H]H NMR(CDCl:9.73(s、1H)、7.67(d、J=8.0、1H)、7.46(dd、J=8.3、0.8、1H)、7.29(t、J=8.2、1H)、6.89(d、J=1.3、1H)、4.89(br s、1H)、4.26−3.49(m、4H)、2.85(s、3H)、2.36−1.96(m、2H)、1.76(s、1H)、1.49(s、9H).下記として計算した分析値:C1925:C、66.45;H、7.34;N、12.24.測定値:C、66.42;H、7.55;N、12.10.
【0120】
段階B.[1−(1H−インドール−2−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸t−ブチルエステル(0.500g、1.46ミリモル)をCHCl(20mL)に入れることで生じさせた溶液をTFA(8mL)で処理した。室温で18時間後の混合物に濃縮を受けさせることで表題の化合物(520mg、99%)を得た。 MS(ESI):下記として計算した質量:C1617O、243.14;m/z 測定値:244.4[M+H].MS(ESI):下記として計算した質量:C1416O、243.43;m/z 測定値:244.3[M+H]H NMR(MeOD):7.68−7.63(m、1H)、7.48−7.43(m、1H)、7.28−7.21(m、1H)、7.11−7.05(m、1H)、7.05−7.00(m、1H)、4.44−3.76(m、5H)、2.85−2.74(m、3H)、2.67−2.08(m、2H).
【実施例4】
【0121】
(R)−(1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノンの塩酸塩.
【0122】
【化12】

【0123】
段階A:[1−(1H−インドール−2−カルボニル)−ピロリジン−3−イル]−メチル−カルバミン酸t−ブチルエステル.表題の化合物の調製を(R)−メチル−ピロリジン−3−イル−カルバミン酸t−ブチルエステルを用いて実施例1の段階Bに記述したようにして実施することで黄色の固体(30mg、16%)を得た。 H NMR(CDCl):10.06−9.90(m、1H)、7.70−7.64(m、1H)、7.50−7.44(m、1H)、7.33−7.27(m、1H)、7.16−7.10(m、1H)、6.90−6.87(m、1H)、5.10−4.64(m、1H)、4.20−3.83(m、2.5H)、3.79−3.58(m、1.5H)、2.89−2.80(m、1H)、2.31−2.00(m、2H)、1.55−1.44(m、9H).
【0124】
段階B.表題の化合物の調製を実施例1の段階Cに記述したようにして実施することで淡ピンク色の固体(21mg、99%)を得た。 MS(ESI):下記として計算した質量:C1416O、243.14;m/z 測定値:244.3[M+H]H NMR(MeOD):7.68−7.63(m、1H)、7.48−7.43(m、1H)、7.28−7.21(m、1H)、7.11−7.05(m、1H)、7.05−7.00(m、1H)、4.44−3.76(m、5H)、2.85−2.74(m、
3H)、2.67−2.08(m、2H).
【実施例5】
【0125】
シス−(1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノンのトリフルオロ酢酸塩.
【0126】
【化13】

【0127】
段階A:6−(1H−インドール−2−カルボニル)−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル.インドール−2−カルボン酸(67.4mg、0.42ミリモル)をTHF(2.8mL)に入れることで生じさせた溶液にCDI(68.3mg、0.42ミリモル)およびシス−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(100mg、0.44ミリモル)を加えた。室温で72時間の混合物を飽和NaHCO水溶液で希釈した後、CHCl(3x)を用いた抽出を実施した。その有機層を一緒にして飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、濃縮することで黄色の液体を得て、それをFCC(EtOAc/ヘキサン)で精製することで黄色の固体(50mg、44%)を得た。 H NMR(回転異性体の混合物;CDCl):7.79−7.72(m、1H)、7.72−7.64(m、1H)、7.49−7.39(m、1H)、7.34−7.29(m、1H)、7.25−7.19(m、1H)、7.17−7.09(m、1H)、6.94−6.89(m、1H)、6.89−6.85(m、1H)、4.20−3.95(m、2H)、3.95−3.86(m、0.5H)、3.86−3.69(m、2H)、3.69−3.59(m、0.5H)、2.91−2.71(m、1H)、2.40−2.30(m、0.4H)、2.30−2.19(m、0.6H)、1.89−1.67(m、2H)、1.54−1.42(m、9H)、1.41−1.21(m、2H).
【0128】
段階B.表題の化合物の調製を実施例1の段階Cに記述したようにして実施することで青色の油を得て、それを調製用HPLCで精製することで表題の化合物(18mg、60%)を得た。 MS(ESI):下記として計算した質量:C1619O、269.15;m/z 測定値:270.4[M+H]H NMR(回転異性体の混合物;DMSO):11.78−11.69(m、1H)、7.68(s、1H)、7.47−7.42(m、1H)、7.22−7.16(m、1H)、7.01−6.97(m、0.5H)、6.90−6.87(m、0.5H)、3.94−3.76(m、2H)、3.70−3.42(m、3H)、2.89−2.77(m、1H)、2.38−2.17(m、1.5H)、1.80−1.47(m、3.5H)、1.42−1.32(m、1H).
【実施例6】
【0129】
(S,S)−(1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノンのトリフルオロ酢酸塩.
【0130】
【化14】

【0131】
表題の化合物の調製を市販の(S,S)−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン(Haorui Pharma−Chem、Inc.、Batch #050312、鏡像異性体過剰度(ee)が95%)を用いて実施例5に記述したようにして実施した。その粗材料を調製用HPLCで精製した。 MS(ESI):下記として計算した質量:C1619O、269.15;m/z 測定値:270.4[M+H]H NMR(回転異性体の混合物;DMSO):11.78−11.69(m、1H)、7.68(s、1H)、7.47−7.42(m、1H)、7.22−7.16(m、1H)、7.01−6.97(m、0.5H)、6.90−6.87(m、0.5H)、3.94−3.76(m、2H)、3.70−3.42(m、3H)、2.89−2.77(m、1H)、2.38−2.17(m、1.5H)、1.80−1.47(m、3.5H)、1.42−1.32(m、1H).
【実施例7】
【0132】
シス−(5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン.
【0133】
【化15】

【0134】
5−クロロ−2−トリクロロメチル−1H−ベンゾイミダゾール(30mg、0.11ミリモル)とKCO(46mg、0.33ミリモル)をCHCN/HO(10:1、3mL)に入れることで生じさせた懸濁液にシス−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン(28mg、0.22ミリモル)を加えた。100℃で1時間後の混合物を濾過した後、CHClを用いた抽出を実施した。その有機層を乾燥(NaSO)させた後、濃縮することで黄色の油を得て、それをFCCで精製することで褐色の固体(14mg、40%)を得た。 MS(ESI):下記として計算した質量:C1517ClNO、304.11;m/z 測定値:305.4[M+H]H NMR(回転異性体の混合物;MeOD):7.70−7.58(m、2H)、7.35−7.25(m、1H)、4.43−4.28(m、0.6H)、4.19−4.09(m、0.6H)、3.77−3.69(m、1H)、3.46−3.40(m、0.3H)、3.38−3.33(m、0.3H)、3.33−3.28(m、2H)、3.04−2.82(m、1.5H)、2.71−2.53(m、1H)、2.50−2.31(m、1.5H)、1.95−1.43(m、4H).
【実施例8】
【0135】
(R)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン.
【0136】
【化16】

【0137】
段階A:5−クロロインドール−2−カルボニルクロライド.表題の化合物の調製を5−クロロインドール−2−カルボン酸を用いて実施例1の段階Aに記述したようにして実施することで褐色の固体(810mg、98%)を得て、それを精製無しに後の反応で用いた。
【0138】
段階B.表題の化合物の調製を(R)−メチル−ピロリジン−3−イル−アミンを用いて実施例1の段階Bに示したように実施することで淡黄色の固体を得て、それをFCCで精製することで黄色の固体(26mg、24%)を得た。 MS(ESI):下記として計算した質量:C1416ClNO、277.10;m/z 測定値:278.3[M+H]H NMR(CDCl):10.08−9.85(m、1H)、7.66−7.58(m、1H)、7.42−7.35(m、1H)、7.25−7.19(m、1H)、6.82−6.76(m、1H)、4.11−3.98(m、1H)、3.97−3.84(m、1.6H)、3.83−3.73(m,0.4H)、3.72−3.59(m、1H)、3.50−3.40(m、0.5H)、3.40−3.33(m、0.5H)、2.29−2.12(m、1H)、2.07−1.93(m、0.5H)、1.90−1.78(m、0.5H)、1.46−1.10(m、1H).
【実施例9】
【0139】
(S)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン.
【0140】
【化17】

【0141】
表題の化合物の調製を(S)−メチル−ピロリジン−3−イル−アミンを用いて実施例7の段階Bに記述したようにして実施することで黄色の固体(48mg、44%)を得た。 MS(ESI):下記として計算した質量:C1416ClNO、277.10;m/z 測定値:278.3[M+H]H NMR(回転異性体の混合物;CDCl):10.02−9.74(m、1H)、7.62(s、1H)、7.41−7.35(m、1H)、7.25−7.20(m、1H)、6.80(s、1H)、4.12−3.99(m、1.5H)、3.98−3.84(m、0.5H)、3.83−3.73(m、1H)、3.72−3.57(m、1H)、3.49−3.40(m、0.4H)、3.40−3.28(m、0.6H)、2.54−2.45(m、3H)、2.28−2.12(m、0.6H)、2.06−1.93(m、0.4H)、1.91−1.78(m、1H)、1.55−1.30(m、1H).
【実施例10】
【0142】
シス−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン.
【0143】
【化18】

【0144】
段階A:6−(5−クロロ−1H−インドール−2−カルボニル)−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル.表題の化合物(50mg、45%)の調製を実施例1の段階Bに示したようにして実施した。 H NMR(回転異性体の混合物;DMSO):7.69−7.58(m、1H)、7.46−7.34(m、1H)、7.26−7.20(m、1H)、6.83(s、0.5H)、6.79(s、0.5H)、5.07−4.63(m、1H)、4.18−3.85(m、2.5H)、3.84−3.78(m、0.5H)、3.77−3.69(m、1.5H)、3.68−3.59(m、0.5H)、2.91−2.72(m、1H)、2.41−2.20(m、1H)、1.93−1.62(m、2H)、1.59−1.43(m、9H)、1.42−1.27(m、2H)、0.98−0.73(m、1H).
【0145】
段階B.表題の化合物の調製を実施例1の段階Cに記述したようにして実施することで淡黄色の固体を得て、それを調製用HPLCで精製した(18mg、60%)。その結果として得たトリフルオロ酢酸塩を飽和NaHCO水溶液に溶解させた後、CHClを用いた抽出を実施した。その有機抽出液を一緒にして乾燥させた後、濃縮することで表題の化合物を得た。 MS(ESI):下記として計算した質量:C1618ClNO、303.11;m/z 測定値:304.4[M+H]H NMR(回転異性体の混合物;DMSO):11.78−11.69(m、1H)、7.68(s、1H)、7.47−7.42(m、1H)、7.22−7.16(m、1H)、7.01−6.97(m、0.5H)、6.90−6.87(m、0.5H)、3.94−3.76(m、2H)、3.70−3.42(m、3H)、2.89−2.77(m、1H)、2.38−2.17(m、1.5H)、1.80−1.47(m、3.5H)、1.42−1.32(m、1H).
【0146】
ラセミ型6−(5−クロロ−1H−インドール−2−カルボニル)−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステルにAS−H カラムが備わっているJasco SFCを用いた超臨界液クロマトグラフィー(SFC)を用いた分離を15% MeOH/0.2% TEA/85% CO2(l)の定組成勾配を用いて2mL/分の速度で100バール下25℃で受けさせることで鏡像異性体を得た。その個々の鏡像異性体に脱保護を実施例1の段階Cに示したようにして受けさせることで各々が99%ee以上の実施例11および12を得た。
【実施例11】
【0147】
(R,R)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノンの塩酸塩.
MS(ESI):下記として計算した質量:C1618ClNO、303.11;m/z 測定値:304.4[M+H]H NMR(回転異性体の混合物;DMSO):7.68−7.59(m、1H)、7.47−7.41(m、1H)、7.24−7.17(m、1H)、7.07(s、0.5H)、6.96(s、0.5H)、4.34−4.23(m、0.5H)、4.21−4.11(m、1H)、4.05−3.83(m、3H)、3.72−3.61(m、0.5H)、3.41−3.33(m、1H)
、3.25−3.15(m、0.6H)、3.13−2.98(m、1.4H)、2.96−2.76(m、1H)、2.00−1.76(m、4H).
【実施例12】
【0148】
(S,S)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノンの塩酸塩.
MS(ESI):下記として計算した質量:C1618ClNO、303.11;m/z 測定値:304.4[M+H]H NMR(回転異性体の混合物;DMSO):7.68−7.59(m、1H)、7.47−7.41(m、1H)、7.24−7.17(m、1H)、7.07(s、0.5H)、6.96(s、0.5H)、4.34−4.23(m、0.5H)、4.21−4.11(m、1H)、4.05−3.83(m、3H)、3.72−3.61(m、0.5H)、3.41−3.33(m、1H)、3.25−3.15(m、0.6H)、3.13−2.98(m、1.4H)、2.96−2.76(m、1H)、2.00−1.76(m、4H).
【0149】
実施例12A:(S,S)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン.
表題の化合物の調製を市販の(S,S)−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン(Haorui Pharma−Chem、Inc.、Batch #050312、95%ee)を用いて実施例6に記述したようにして実施した。
【0150】
実施例13−31に示す化合物の調製をこの上に示した実施例に記述した方法と同様な方法を用いて実施した。
【実施例13】
【0151】
シス−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノンの塩酸塩.
【0152】
【化19】

【0153】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1618FNO、287.14;m/z 測定値:288.4[M+H]H NMR(回転異性体の混合物;DMSO):11.80−11.69(m、1H)、9.96−9.76(m、1H)、8.87−8.63(m、1H)、7.51−7.33(m、1H)、7.12−7.04(m、1H)、7.04−6.99(m、0.7H)、6.95−6.90(m、0.3H)、4.23−4.14(m、0.4H)、4.07−3.96(m、1H)、3.93−3.83(m、1.6H)、3.82−3.67(m、2H)、3.23−3.11(m、1H)、2.97−2.82(m、1H)、2.82−2.71(m、0.7H)、2.71−2.61(m、0.3H)、1.87−1.58(m、4H).
【実施例14】
【0154】
シス−(7−ニトロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノンの塩酸塩.
【0155】
【化20】

【0156】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1618、314.14;m/z 測定値:315.4[M+H]H NMR(回転異性体の混合物;DMSO):11.00−10.88(m、1H)、9.79−9.59(m、1H)、8.96−8.72(m、1H)、8.31−8.17(m、2H)、7.42−7.31(m、2H)、4.24−4.15(m、0.4H)、4.03−3.94(m、1H)、3.93−3.85(m、1.6H)、3.85−3.71(m、1.6H)、3.64−3.51(m、0.4H)、3.26−3.12(m、1H)、2.99−2.85(m、1H)、2.83−2.73(m、0.6H)、2.72−2.63(m、0.4H)、1.88−1.58(m、4H).
【実施例15】
【0157】
シス−(4,6−ジフルオロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノンの塩酸塩.
【0158】
【化21】

【0159】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1617O、305.13;m/z 測定値:306.4[M+H]H NMR(回転異性体の混合物;DMSO):9.78−9.67(m、1H)、8.82−8.67(m、1H)、7.12−7.08(m、0.6H)、7.08−7.03(m、1H)、7.03−6.99(m、0.4H)、6.97−6.88(m、1H)、4.27−4.18(m、0.4H)、4.09−3.97(m、1H)、3.94−3.83(m、1.6H)、3.82−3.66(m、1.6H)、3.60−3.50(m、0.4H)、3.24−3.12(m、1H)、2.98−2.82(m、1H)、2.81−2.72(m、0.6H)、2.70−2.59(m、0.4H)、1.87−1.59(m、4H).
【実施例16】
【0160】
(S)−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン.
【0161】
【化22】

【0162】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1416FNO、261.13;m/z 測定値:262.4[M+H]H NMR(MeOD):7.48−7.39(m、1H)、7.35−7.27(m、1H)、7.07−6.99(m、1H)、6.99−6.94(m、1H)、4.18−4.01(m、1H)、4.00−3.58(m、3H)、3.55−3.42(m、1H)、2.58−2.42(m、3H)、2.40−2.17(m、1H)、2.13−2.02(m、0.5H)、1.99−1.85(m、0.5H).
【実施例17】
【0163】
(R)−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン.
【0164】
【化23】

【0165】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1416FNO、261.13;m/z 測定値:262.4[M+H]H NMR(MeOD):7.48−7.39(m、1H)、7.35−7.27(m、1H)、7.07−6.99(m、1H)、6.99−6.94(m、1H)、4.18−4.01(m、1H)、4.00−3.58(m、3H)、3.55−3.42(m、1H)、2.58−2.42(m、3H)、2.40−2.17(m、1H)、2.13−2.02(m、0.5H)、1.99−1.85(m、0.5H).
【実施例18】
【0166】
(S)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(7−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン.
【0167】
【化24】

【0168】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1519O、257.15;m/z 測定値:258.4[M+H]H NMR(MeOD):7.50−7.43(m、1H)、7.05−6.95(m、3H)、4.12−3.98(m、1H)、3.96−3.75(m、1.5H)、3.73−3.59(m、1H)、3.57−3.48(m、0.5H)、3.36−3.33(m、1H)、2.52(s、3H)、2.43−2.37(m、3H)、2.28−2.13(m、1H)、2.02−1.90(m、0.5H)、1.90−1.77(m、0.5H).
【実施例19】
【0169】
(R)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(7−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン.
【0170】
【化25】

【0171】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1519O、257.15;m/z 測定値:258.4[M+H]H NMR(MeOD):7.47(d、J=7.5、1H)、7.05−6.94(m、2H)、6.91(s、1H)、3.99−3.85(m、1H)、3.82−3.67(m、1.5H)、3.63−3.50(m、1H)、3.47−3.38(m、0.5H)、3.23−3.09(m、1H)、2.50(s、3H)、2.38−2.28(m、3H)、2.15−2.00(m、1H)、1.87−1.77(m、0.5H)、1.76−1.65(m、0.5H).
【実施例20】
【0172】
(S)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン.
【0173】
【化26】

【0174】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1519O、257.15;m/z 測定値:258.4[M+H]H NMR(MeOD):7.40(s、1H)、7.37−7.31(m、1H)、7.11−7.02(m、1H)、6.85(s、1H)、4.06−3.91(m、1H)、3.89−3.71(m、1.5H)、3.69−3.55(m、1H)、3.53−3.43(m、0.5H)、3.34−3.17(m、1H)、2.46−2.31(m、6H)、2.25−2.04(m、1H)、1.97−1.84(m、0.5H)、1.83−1.71(m、0.5H).
【実施例21】
【0175】
(R)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン.
【0176】
【化27】

【0177】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1519O、257.15;m/z 測定値:258.4[M+H]H NMR(MeOD):7.40(s、1H)、7.37−7.31(m、1H)、7.11−7.02(m、1H)、6.85(s、1H)、4.06−3.91(m、1H)、3.89−3.71(m、1.5H)、3.69−3.55(m、1H)、3.53−3.43(m、0.5H)、3.34−3.
17(m、1H)、2.46−2.31(m、6H)、2.25−2.04(m、1H)、1.97−1.84(m、0.5H)、1.83−1.71(m、0.5H).
【実施例22】
【0178】
(S)−(4,6−ジフルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン.
【0179】
【化28】

【0180】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1415O、279.12;m/z 測定値:280.4[M+H]H NMR(MeOD):7.04−6.96(m、2H)、6.69−6.61(m、1H)、4.12−3.97(m、1H)、3.96−3.87(m、0.5H)、3.86−3.76(m、1H)、3.72−3.60(m、1H)、3.58−3.50(m、0.5H)、3.43−3.35(m、0.5H)、3.34−3.28(m、0.5H)、2.45−2.36(m、3H)、2.31−2.13(m、1H)、2.05−1.94(m、0.5H)、1.92−1.80(m、0.5H).
【実施例23】
【0181】
(R)−(4,6−ジフルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン.
【0182】
【化29】

【0183】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1415O、279.12;m/z 測定値:280.4[M+H]H NMR(MeOD):7.04−6.96(m、2H)、6.69−6.61(m、1H)、4.12−3.97(m、1H)、3.96−3.87(m、0.5H)、3.86−3.76(m、1H)、3.72−3.60(m、1H)、3.58−3.50(m、0.5H)、3.43−3.35(m、0.5H)、3.34−3.28(m、0.5H)、2.45−2.36(m、3H)、2.31−2.13(m、1H)、2.05−1.94(m、0.5H)、1.92−1.80(m、0.5H).
【実施例24】
【0184】
(3−アミノ−ピロリジン−1−イル)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−メタノンの塩酸塩.
【0185】
【化30】

【0186】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1314ClNO、263.08;m/z 測定値:264.3[M+H]H NMR(MeOD):7.68−7.63(m、1H)、7.47−7.41(m、1H)、7.25−7.18(m、1H)、7.06−6.91(m、1H)、4.36−3.75(m、5H)、2.62−2.37(m、1H)、2.33−2.07(m、1H).
【実施例25】
【0187】
(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン.
【0188】
【化31】

【0189】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1518ClNO、291.11;m/z 測定値:292.3[M+H]H NMR(DMSO):7.70−7.65(m、1H)、7.46(s、1H)、7.44−7.43(m、1H)、7.22−7.17(m、1H)、7.01(s、1H)、6.94(s、1H)、4.07−3.94(m、2H)、3.86−3.69(m、1H)、3.59−3.44(m、1H)、3.36−3.24(m、2H)、3.19−3.14(m、1H)、2.22−2.18(m、6H).
【実施例26】
【0190】
(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(1H−インドール−2−イル)−メタノン.
【0191】
【化32】

【0192】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1619O、257.15;m/z 測定値:258.4[M+H]H NMR(CDCl):9.62(br s、1H)、7.65(d、J=8.5、1H)、7.43(d、J=9.0、1H)、7.28(d、J=8.2、1H)、7.12(t、J=8.0、1H)、6.84(br s、1H)、5.5−5.35(m、1H)、3.33(br s、3H)、2.92(m、1H)、2.86−2.77(m、1H)、2.65−2.55(m、1H)、2.37(s、3H)、2.35−2.26(m、2H)、1.94(br s、1H)

【実施例27】
【0193】
シス−(1H−インドール−2−イル)−(1−メチル−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン.
【0194】
【化33】

【0195】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1721O、283.17;m/z 測定値:284.4[M+H]H NMR(回転異性体の混合物;CDCl):9.49−9.38(m、1H)、7.71−7.63(m、1H)、7.47−7.41(m、1H)、7.32−7.27(m、1H)、7.17−7.10(m、1H)、6.93−6.89(m、0.6H)、6.88−6.85(m、0.4H)、4.15−4.10(m、0.4H)、4.08−4.02(m、0.6H)、4.00−3.89(m、1.3H)、3.86−3.73(m、1H)、3.67−3.59(m、0.7H)、2.92−2.87(m、0.4H)、2.85−2.72(m、1H)、2.72−2.66(m、0.6H)、2.56−2.46(m、0.7H)、2.45−2.37(m、0.3H)、2.35−2.27(m、3H)、2.25−2.12(m、1H)、1.92−1.54(m、5H).
【実施例28】
【0196】
シス−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(1−メチル−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン.
【0197】
【化34】

【0198】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1720ClNO、317.13;m/z 測定値:318.4[M+H]H NMR(回転異性体の混合物;CDCl):9.95−9.79(m、1H)、7.66−7.58(m、1H)、7.42−7.34(m、1H)、7.25−7.19(m、1H)、6.86−6.81(m、0.6H)、6.81−6.77(m、0.4H)、4.14−4.07(m、0.7H)、4.07−4.04(m、0.3H)、4.00−3.86(m、1.4H)、3.85−3.72(m、1H)、3.67−3.59(m、0.6H)、2.91−2.86(m、0.4H)、2.85−2.73(m、1H)、2.71−2.65(m、0.6H)、2.56−2.38(m、1H)、2.35−2.27(m、3H)、2.25−2.11(m、1H)、1.92−1.53(m、5H).
【実施例29】
【0199】
シス−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4
−b]ピリジン−6−イル)−メタノンの塩酸塩.
【0200】
【化35】

【0201】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1721O、283.17;m/z 測定値:284.4[M+H]H NMR(DMSO):7.54(s、1H)、7.46−7.42(m、1H)、7.21−7.13(m、1H)、6.91(s、1H)、4.19−4.09(m、0.4H)、4.03−3.91(m、1H)、3.86−3.75(m、1.6H)、3.73−3.67(m、2H)、3.29−3.11(m、1H)、2.91−2.79(m、1H)、2.74−2.64(m、0.7H)、2.52−2.42(m、0.3H)、1.84−1.51(m、4H).
【実施例30】
【0202】
(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノンの塩酸塩.
【0203】
【化36】

【0204】
MS(ESI):下記として計算した質量:C1316O、244.13;m/z 測定値:245.3[M+H]H NMR(MeOD):5−8.15(m、1H)、7.92−7.78(m、1H)、7.70−7.52(m、1H)、4.53−4.25(m、1H)、4.24−3.38(m、4H)、2.91−2.69(m、3H)、2.67−2.49(m、0.7H)、2.48−2.21(m、1H)、2.19−2.07(m、0.3H).
【実施例31】
【0205】
(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン.
【0206】
【化37】

【0207】
H NMR(回転異性体の混合物;CDCl):7.92−7.35(m、2H)、7.25(m、2H)、6.70−6.55(m、0.5H)、5.45−5.30(m、0.5H)、3.69(s、1H)、3.16(s、2H)、2.90−2.75(m、2H)、2.70−2.52(m、1H)、2.40−2.20(m、6H)、1.
95−1.80(m、1H).
【0208】
生物学的試験:
組換え型ヒトヒスタミンH受容体を用いた結合検定
SK−N−MC細胞またはCOS7細胞にpH4Rを用いた一過性トランスフェクションを受けさせた後、それを150cmの組織培養皿内で増殖させた。細胞を生理的食塩水溶液で洗浄し、細胞掻器で掻き落とした後、遠心分離(1000rpm、5分)で集めた。その細胞沈澱物を20mMのTris−HClに入れてポリトロン組織ホモジナイザー(polytron tissue homogenizer)を高速で用いて10秒間均一にすることで細胞膜を調製した。ホモジネートを1000rpmの遠心分離に4℃で5分間かけた。次に、その上澄み液を集めた後、20,000 x gの遠心分離に4℃で25分間かけた。最終的な沈澱物を50mMのTris−HClに入れて再び懸濁させた。細胞膜をH−ヒスタミン(5−70nM)と一緒に過剰量のヒスタミン(10,000nM)の存在有り無しでインキュベートした。インキュベーションを室温で45分間実施した。膜をWhatman GF/Cフィルターを用いた迅速濾過により得た後、氷で冷却しておいた50mMのTris HClで4回洗浄した。次に、フィルターを乾燥させ、シンチラント(scintillant)と混合した後、放射能の計数を実施した。ヒトヒスタミンH受容体を発現するSK−N−MCまたはCOS7細胞を用いて、上述した反応物をいろいろな濃度の阻害剤または試験すべき化合物の存在下でインキュベートすることを通して、他の化合物が示す結合親和性および結合しているH−リガンドを追い出す能力を測定した。H−ヒスタミンを用いた競合結合検定では、K値の計算を実験的に測定した5nMのK値および5nMのリガンド濃度を基にしてY.−C.ChengおよびW.H.Prusoff(Biochem.Pharmacol.1973、22(23):3099−3108):K=(IC50)/(1+([L]/(K))に従うことで行った。この検定試験を受けさせた化合物が示した結果を得た結果の平均(平均値)として表1に示す。活性が特定の値より大きい(>)として示す場合、その値は当該化合物が検定用培地中で示す溶解度限界またはこの検定で試験を実施した最大濃度である。
【0209】
【表1】

【0210】
実施例を言及することで本発明を例証してきたが、本発明をこの上で行った詳細な説明に限定することを意図するものでないと理解する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
AはCHまたはNであり;
各Rは独立してCl、Br、メチル、エチル、NOまたはCFであり;
mは0、1または2であり;
はHであり;
はH、メチルまたはエチルであり;そして
1)RがH、メチルまたはエチルであり;RおよびRの中の一方がH、メチルまたはエチルでありそしてもう一方がHであるか;或は
2)RとRが一緒になって−(CH−を形成しており;そしてRがHであるか;或は
3)RとRが一緒になって−CH−を形成しており;そしてRがHである]
で表される化合物、式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩、式(I)で表される化合物の製薬学的に許容されるプロドラッグまたは式(I)で表される化合物の製薬学的に活性な代謝産物である化学物質。
【請求項2】
AがCHである請求項1記載の化学物質。
【請求項3】
AがNである請求項1記載の化学物質。
【請求項4】
がClである請求項1記載の化学物質。
【請求項5】
mが0または1である請求項1記載の化学物質。
【請求項6】
がHまたはメチルである請求項1記載の化学物質。
【請求項7】
がメチルであり、RがHでありそしてRがHである請求項1記載の化学物質。
【請求項8】
とRが一緒になって−(CH−を形成しておりそしてRがHである請求項1記載の化学物質。
【請求項9】
とRが一緒になって−CH−を形成しておりそしてRがHである請求項1記載の化学物質。
【請求項10】
前記式(I)が式(II):
【化2】

である請求項1記載の化学物質。
【請求項11】
下記:
(S,S)−(2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−(1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(S,S)−(1H−インドール−2−イル)−(5−メチル−2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−メタノン;
(1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(R)−(1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
シス−(1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(S,S)−(1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(R)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(S)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
シス−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(R,R)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(S,S)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(7−ニトロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(4,6−ジフルオロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(S)−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(R)−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(S)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(7−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(R)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(7−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(S)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(R)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(S)−(4,6−ジフルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(R)−(4,6−ジフルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(3−アミノ−ピロリジン−1−イル)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(1H−インドール−2−イル)−メタノン;
シス−(1H−インドール−2−イル)−(1−メチル−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(1−メチル−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;および
これらの製薬学的に許容される塩、
から選択される化学物質。
【請求項12】
式(I)で表される化合物または前記式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩である請求項1記載の化学物質。
【請求項13】
式(II)で表される化合物または前記式(II)で表される化合物の製薬学的に許容される塩である請求項10記載の化学物質。
【請求項14】
ヒスタミンH受容体の活性が媒介する病気、障害または病状を治療するための製薬学的組成物であって、式(I);
【化3】

[式中、
AはCHまたはNであり;
各Rは独立してCl、Br、メチル、エチル、NOまたはCFであり;
mは0、1または2であり;
はHであり;
はH、メチルまたはエチルであり;そして
1)RがH、メチルまたはエチルであり;RおよびRの中の一方がH、メチルまたはエチルでありそしてもう一方がHであるか;或は
2)RとRが一緒になって−(CH−を形成しており;そしてRがHであるか;或は
3)RとRが一緒になって−CH−を形成しており;そしてRがHである]
で表される化合物、式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩、式(I)で表される化合物の製薬学的に許容されるプロドラッグおよび式(I)で表される化合物の製薬学的に活性な代謝産物から選択される少なくとも1種の薬剤を有効な量で含有して成る製薬学的組成物。
【請求項15】
前記式(I)が式(II)である請求項14記載の製薬学的組成物。
【請求項16】
前記薬剤が下記:
(S,S)−(2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−(1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(S,S)−(1H−インドール−2−イル)−(5−メチル−2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−メタノン;
(1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(R)−(1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
シス−(1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(S,S)−(1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(R)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(S)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
シス−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(R,R)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(S,S)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(7−ニトロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(4,6−ジフルオロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(S)−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(R)−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(S)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(7−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(R)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(7−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(S)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(R)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(5−メチル−1H−インドー
ル−2−イル)−メタノン;
(S)−(4,6−ジフルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(R)−(4,6−ジフルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(3−アミノ−ピロリジン−1−イル)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(1H−インドール−2−イル)−メタノン;
シス−(1H−インドール−2−イル)−(1−メチル−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(1−メチル−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;および
これらの製薬学的に許容される塩、
から選択される請求項14記載の製薬学的組成物。
【請求項17】
ヒスタミンH受容体の活性が媒介する病気、障害または病状に苦しんでいるか或はそうであると診断された被験体を治療する方法であって、前記治療を必要としている被験体に式(I):
【化4】

[式中、
AはCHまたはNであり;
各Rは独立してCl、Br、メチル、エチル、NOまたはCFであり;
mは0、1または2であり;
はHであり;
はH、メチルまたはエチルであり;そして
1)RがH、メチルまたはエチルであり;RおよびRの中の一方がH、メチルまたはエチルでありそしてもう一方がHであるか;或は
2)RとRが一緒になって−(CH−を形成しており;そしてRがHであるか;或は
3)RとRが一緒になって−CH−を形成しており;そしてRがHである]
で表される化合物、式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩、式(I)で表される化合物の製薬学的に許容されるプロドラッグおよび式(I)で表される化合物の製薬学的に活性な代謝産物から選択した少なくとも1種の薬剤を有効な量で投与することを含んで成る方法。
【請求項18】
前記式(I)が式(II)である請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記薬剤を下記:
(S,S)−(2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−(1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(S,S)−(1H−インドール−2−イル)−(5−メチル−2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−メタノン;
(1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(R)−(1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
シス−(1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(S,S)−(1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(R)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(S)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
シス−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(R,R)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(S,S)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(7−ニトロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(4,6−ジフルオロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(S)−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(R)−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(S)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(7−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(R)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(7−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(S)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(R)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(S)−(4,6−ジフルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(R)−(4,6−ジフルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(3−アミノ−ピロリジン−1−イル)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)
−メタノン;
(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(1H−インドール−2−イル)−メタノン;
シス−(1H−インドール−2−イル)−(1−メチル−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(1−メチル−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;および
これらの製薬学的に許容される塩、
から選択する請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記病気、障害または病状が炎症である請求項17記載の方法。
【請求項21】
前記病気、障害または病状が炎症性疾患、アレルギー性疾患、皮膚疾患、自己免疫病、リンパ系疾患および免疫不全疾患から成る群より選択される請求項17記載の方法。
【請求項22】
前記病気、障害または病状がアレルギー、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患、大腸炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、掻痒、皮膚の痒み、アトピー性皮膚炎、皮膚の掻痒、蕁麻疹、眼の炎症、結膜炎、鼻ポリープ、アレルギー性鼻炎、鼻の痒み、強皮症、自己免疫性甲状腺疾患、免疫介在性糖尿病、狼瘡、重症筋無力症、自己免疫性神経障害、ギラン・バレー、自己免疫性ブドウ膜炎、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血、自己免疫性血小板減少症、側頭動脈炎、抗リン脂質症候群、血管炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、ベーチェット病、疱疹状皮膚炎、尋常性天疱瘡、白斑、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性精巣炎、副腎の自己免疫病、多発性筋炎、皮膚筋炎、脊椎関節症、強直性脊椎炎およびシェーグレン症候群から選択される請求項17記載の方法。
【請求項23】
前記病気、障害または病状がアレルギー、喘息、自己免疫病および掻痒から選択される請求項17記載の方法。
【請求項24】
ヒスタミンH受容体の活性をモジュレートする方法であって、ヒスタミンH受容体を、有効な量の式(I):
【化5】

[式中、
AはCHまたはNであり;
各Rは独立してCl、Br、メチル、エチル、NOまたはCFであり;
mは0、1または2であり;
はHであり;
はH、メチルまたはエチルであり;そして
1)RがH、メチルまたはエチルであり;RおよびRの中の一方がH、メチルまたはエチルでありそしてもう一方がHであるか;或は
2)RとRが一緒になって−(CH−を形成しており;そしてRがHであるか;或は
3)RとRが一緒になって−CH−を形成しており;そしてRがHである]
で表される化合物および式(I)で表される化合物の塩から選択した少なくとも1種の薬剤と接触させることを含んで成る方法。
【請求項25】
前記式(I)が式(II)である請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1種の薬剤が下記:
(S,S)−(2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−(1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(S,S)−(1H−インドール−2−イル)−(5−メチル−2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−メタノン;
(1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(R)−(1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
シス−(1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(S,S)−(1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(R)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(S)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
シス−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(R,R)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(S,S)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(7−ニトロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(4,6−ジフルオロ−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(S)−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(R)−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(S)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(7−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(R)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(7−メチル−1H−インドー
ル−2−イル)−メタノン;
(S)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(R)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(S)−(4,6−ジフルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(R)−(4,6−ジフルオロ−1H−インドール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(3−アミノ−ピロリジン−1−イル)−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−(1H−インドール−2−イル)−メタノン;
シス−(1H−インドール−2−イル)−(1−メチル−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)−(1−メチル−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
シス−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)−メタノン;
(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;
(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−メタノン;および
これらの塩、
の中の少なくとも1種である請求項24記載の方法。

【公表番号】特表2009−533343(P2009−533343A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504253(P2009−504253)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/008218
【国際公開番号】WO2007/117401
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】