ヒストンデアセチラーゼHDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤ならびに微小管安定剤による癌の組合せ治療
本発明は、異常な細胞成長および異常な細胞増殖により示される哺乳動物の疾患の処置に関する。さらにとりわけ、本発明は、異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を制御する組合せ治療の使用に関する。特に、本発明は、ヒストンデアセチラーゼ1、2および/または3(HDAC1〜3)のアイソタイプ選択的阻害剤、ならびにHDAC1および/またはHDAC2のアイソタイプ選択的阻害剤の、微小管安定化剤の治療活性を増強するための使用に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2007年9月14日に出願された米国仮出願第60/972,353号および2008年4月10日に出願された米国仮出願第61/043,957号の利益を主張する。上記の出願の全教示は、本明細書において参考として援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、異常な細胞成長(growth)および/または異常な細胞増殖(proliferation)により示される哺乳動物の疾患の処置に関する。さらにとりわけ、本発明は、異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を制御するための組合せ治療の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の概要
ヒストンデアセチラーゼは、哺乳動物細胞における遺伝子調節において重要な役割を果たす。Gray and Ekstrom, Expr. Cell. Res. 262: 75-83 (2001); Zhou et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98: 10572-10577 (2001); Kao et al. J. Biol. Chem. 277: 187-193 (2002)およびGao et al. J. Biol. Chem. 277: 25748-25755 (2002)は、11のヒストンデアセチラーゼ(HDAC)ファミリーのメンバーが存在することを教示する。
【0004】
HDACの転写における役割およびその疾患との関連は、最近になって調査されている。Minnucci et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 11295-11300 (1997); Hassig et al., Chem. Biol. 4: 783-789 (1998); Grignani et al., Nature 391: 815-818 (1998)およびSiddique et al., Oncogene 16: 2283-2285 (1998)は、HDACの阻害剤が、多様なヒトの疾患における転写治療に有用であり得ることを示唆する。米国特許出願公開2006/0058298は、多様なヒストンデアセチラーゼ阻害剤と、それらの使用のための方法を開示する。
【0005】
SAHA、TSAまたはNVP−LAQ824などのヒストンデアセチラーゼの非選択的阻害剤は、クラスIのデアセチラーゼ(HDAC1、2、3、8)の阻害剤であるのみならず、クラスII(HDAC6など)の阻害剤である。HDAC6の阻害は、微小管の安定性を変化させることができるプロセスであるチューブリンのアセチル化をもたらす。Matsuyama et al., The EMBO Journal 21: 6820-6831 (2002)は、HDAC6が微小管の安定性において重要な調節的役割を果たすことを教示する。
タキサンは、一般的に用いられる化学療法剤である。タキサンは、重合したチューブリンと相互作用して微小管の安定化を引き起こし、その結果、細胞は紡錘体を分離することができなくなり、有糸分裂の停止またはアポトーシスが起こる。
【発明の概要】
【0006】
発明の簡単な要旨
本発明は、異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖により示される疾患の治療的処理への新規のアプローチを提供する。本発明者らは、驚くべきことに、ヒストンデアセチラーゼ1、2および/または3(HDAC1〜3)のアイソタイプ選択的阻害剤、ならびにHDAC1および/またはHDAC2のアイソタイプ選択的阻害剤が、タキサン化合物などの微小管安定化剤の治療活性を著しく促進することをを発見した。
【0007】
第1の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0008】
第2の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0009】
第3の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、細胞におけるメタロチオネイン3(MT3)の発現を上方調節すること、および/または細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0010】
第4の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、TSP1受容体のアゴニストを、微小管を安定化させる化合物と組み合わせて投与することを含む。
【0011】
第5の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0012】
第6の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、細胞におけるメタロチオネイン3(MT3)発現の作動薬(agonist)、および/または細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)発現の作動薬(agonist)を投与することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0013】
第7の側面において、本発明は、血管新生を阻害するための方法を提供し、該方法は、哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。
第8の側面において、本発明は、細胞において抗血管新生因子の発現を誘導するための方法を提供し、該方法は、細胞に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。
【0014】
第9の側面において、本発明は、細胞において血管新生因子の発現を阻害するための方法を提供し、該方法は、細胞に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。
第10の側面において、本発明は、患者において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を制御するための方法を提供し、該方法は、患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0015】
第11の側面において、本発明は、患者において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を制御するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0016】
第12の側面において、本発明は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤、好ましくはHDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤の、微小管を安定化させる化合物と組み合わせての、患者における異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための医薬あるいは癌を処置するための医薬の製造のための使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】図1は、ヒト膀胱癌T24細胞において、in vitroで、化合物Aにより用量依存的なヒストンH3のアセチル化(A)が誘導されるが、チューブリンのアセチル化(B)は誘導されないことを示す。SAHAおよびNVP−LAQ824のヒストンH3およびチューブリンのアセチル化に対する非選択的効果もまた示される。アセチル化は、ELISAを用いて決定した。
【図1B】図1は、ヒト膀胱癌T24細胞においてin vitroで、化合物Aにより用量依存的なヒストンH3のアセチル化(A)が誘導されるが、チューブリンのアセチル化(B)は誘導されないことを示す。SAHAおよびNVP−LAQ824のヒストンH3およびチューブリンのアセチル化に対する非選択的効果もまた示される。アセチル化は、ELISAを用いて決定した。
【0018】
【図2】図2は、ヒト前立腺癌Du145細胞において、化合物AによるbFGF転写の阻害が、SAHAによるものより、いずれも3μMでの24時間の処理の後で、より劇的であることを示す。
【図3】図3は、共培養されたヒト内皮細胞において、化合物Aが用量依存的な様式で細管の長さを阻害することを示す。
【0019】
【図4】図4は、化合物A(100mg/kg)および化合物B(40mg/kg)で5回の繰り返しの経口投与の用量により処理されたマウスから移植されたH460腫瘍中のマウス間質細胞におけるTSP−1転写の誘導を示す。各処理群から3個の腫瘍を採取し、cDNAアレイにより分析し、平均値を示す。
【図4A】図4Aは、化合物Aによる大腸腺癌HCT15における抗血管新生遺伝子の転写の誘導をマイクロアレイ分析を用いて示す。結果は、処理されていないサンプルと比較した、処理されたサンプルにおける誘導の倍率を示す(3個の生物学的複製の平均±標準偏差)。
【0020】
【図5】図5は、培養中の組み換えTSP−1(10μg/ml)の存在下または不在下におけるマウス内皮細胞(MS−1)の増殖応答曲線を示す。
【図6】図6は、ヒト癌HCT15における、in vitroでの、化合物AおよびBによるTSP−1(THBS1)の転写の誘導を、マイクロアレイ分析により示す。
【0021】
【図7】図7は、ヒト大腸癌HCT15細胞における、1ugの化合物A、SAHA、化合物Bまたは化合物CによるMT3転写の誘導を示す。化合物AはSAHAよりもはるかに強力にMT3転写を誘導する。化合物がMT3の発現を誘導する能力は、HDAC阻害に依存する。
【図8】図8は、ヒト大腸癌HCT15細胞における、1ugの化合物DによるMT3転写の誘導を、マイクロアレイ分析により示す。
【0022】
【図9】図9は、in vitroでの、化合物AによるヒトT細胞白血病Jurkat-T細胞、およびヒト骨髄腫RPMI-8226細胞における、MT3転写の用量依存的誘導を、リアルタイムRT−PCRを用いて示す。細胞を、多様な用量の化合物Aで24時間処理し、その後、RNAを抽出して分析した。
【図10】図10は、in vivoでの、1回量の化合物A(100mg/kg、経口)で処理されたマウスにおける移植されたH460腫瘍におけるMT3転写の誘導を示す。MT3の転写を、リアルタイムRT−PCRにより分析した。
【0023】
【図11】図11(A)は、空のベクターでトランスフェクトされたヒト癌HCT15細胞(対照)およびMT3発現ベクターで安定にトランスフェクトされたヒト癌HCT15細胞の3個のクローン(クローン番号3−1、4−4、5−4)におけるMT3の相対的転写レベルを、リアルタイムRT−PCRを用いて示す。(B)は、HCT15細胞の3個のクローンならびに対照HCT15細胞の増殖曲線を示す。(C)は、ELISAによりモニタリングされた3個のクローンおよび対照HCT15細胞のアポトーシスを示す。(D)は、MT3の過剰発現が、MT3を過剰発現するHCT15大腸癌細胞クローンのソフトアガー中での足場非依存的増殖を阻害することを示す。
【0024】
【図12】図12は、空のベクター(HCT15−対照)またはMT3発現ベクター(クローン番号5−4)のいずれかで安定にトランスフェクトしたヒト大腸癌HCT15細胞における1群の細胞傷害剤のIC50(μM)を示す。MT3の過剰発現は、HCT15癌細胞をタキソテールとタキソールの両方に対して特異的に感作したが、他の薬剤に対しては感作しなかった。
【0025】
【図13】図13は、ヒト非小細胞肺H460腫瘍を有するヌードマウスの、化合物A(25mg/kg)単独での経口投与、タキソール(TXL、60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージ(B)を示す。組合せ治療のスケジュールを、(C)に記載する。化合物Aを毎週3回(各週における第1日、第3日および第5日)投与し、一方、タキソールを2週間毎に1回(第1日および第15日)投与した。実験を29日後に停止した。
【0026】
【図14】図14は、ヒト非小細胞肺H460腫瘍を有するヌードマウスの、化合物B(10mg/kg)単独での経口投与、タキソール(60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージ(B)を示す。組合せ治療のスケジュールを、図14Cに記載する。
【0027】
【図15】図15は、ヒト前立腺癌Du145腫瘍を有するヌードマウスの、50mg/kgでの化合物A(A)または20mg/kgでの化合物B(B)での経口投与による、タキソール(60mg/kg、静脈内)と組み合わせたin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積を示す。処理されたマウスの腫瘍の重量を(C)に示す。組合せ治療のスケジュールを図13Cに記載する。
【0028】
【図16】図16は、ヒトAZ521胃癌を有するヌードマウスの、化合物A(150mg/kg)単独での経口投与、タキソール(20mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージ(B)を示す。組合せのスケジュールを(C)に示す。
【0029】
【図17】図17は、ヒトTSU−Pr1前立腺腫瘍を有するヌードマウスの、化合物A(25mg/kg)単独での経口投与、タキソール(60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージ(B)を示す。組合せのスケジュールを(C)に示し、ここで、タキソールを、第1日に投与し、化合物Aを毎週3回2週間にわたり投与した。
【0030】
【図18】図18は、ヒト非小細胞肺H460腫瘍を有するヌードマウスの、化合物A(40mg/kg、静脈内)単独、タキソール(60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージ(B)を示す。(C)に示すとおり、両方の薬物を、1回量として第1日に用い、実験を第15日に終了した。
【0031】
【図19】図19は、ヒト非小細胞肺H460腫瘍を有するヌードマウスの、化合物A(30mg/kg)単独での経口投与、タキソテール(TXT、静脈内、30mg/kg)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージ(B)を示す。(C)に示すとおり、化合物Aは、週3回3週間にわたり投与し、タキソテールは、実験の開始時に1回投与した。
【0032】
【図20】図20は、ヒト非小細胞肺H460腫瘍を有するヌードマウスの、化合物A(100mg/kg)単独での経口投与、タキソテール(TXT、静脈内、30mg/kg)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージ(B)を示す。(C)に示されるとおり、化合物Aは週3回3週間にわたり投与し、一方、タキソテールは第8日に1回投与した。
【0033】
【図21】図21は、ヒトAZ521胃癌を有するヌードマウスの、化合物D(40mg/kg)単独での経口投与、タキソール(TXL、20mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)を示す。組合せのスケジュールを(B)に示し、ここで、化合物Dを1日1回14日間投与し、タキソールを単回投与として第1日に投与した。
【0034】
【図22】図22は、ヒトDu145前立腺腫瘍を有するヌードマウスの、化合物D(10mg/kg、20mg/kg、または40mg/kg)単独での経口投与、タキソール(60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の重量を示す。化合物Dを、1日1回14日間投与し、タキソールを単回投与として第1日に投与した。
【0035】
【図23】図23は、ヒトH460非小細胞肺腫瘍を有するヌードマウスの、化合物E(40mg/kgまたは80mg/kg)単独での経口投与、タキソール(TXL、60mg/kg、静脈内)または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージを示す。化合物Eを1日1回14日間投与し、タキソールを単回投与として第1日に投与した。
【0036】
【図24】図24は、ヒトDu145前立腺腫瘍を有するヌードマウスの、20mg/kg、40mg/kgもしくは80mg/kgでの化合物F単独での経口投与、タキソール(TXL、60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積を示す。化合物Fを、1日1回14日間投与し、タキソールを単回投与として第1日に投与した。
【0037】
【図25】図25は、ヒトDu145前立腺腫瘍を有するヌードマウスの、20mg/kg、40mg/kgもしくは80mg/kgでの化合物F単独での経口投与、タキソール(TXL、60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによる(図24における)in vivoでの処理の後における、体重の変化のパーセンテージを示す。化合物Fを、1日1回14日間投与し、タキソールを単回投与として第1日に投与した。
【0038】
【図26】図26は、ヒトDu145前立腺腫瘍を有するヌードマウスの、化合物Gまたは化合物H単独での経口投与、タキソール(TXL、60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積を示す。(A)および(C)は、化合物Gの組合せ研究を示す。(B)および(D)は、化合物Hの組合せ研究を示す。化合物HまたはGは、1日1回14日間投与し、タキソールを単回投与として第1日に投与した。
【0039】
【図27】図27は、ヒトDu145前立腺腫瘍を有するヌードマウスの、化合物Gまたは化合物H単独での経口投与、タキソール(TXL、60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、体重変化のパーセンテージを示す。(A)および(C)は、化合物Gの組合せ研究を示す。(B)および(D)は、化合物Hの組合せ研究を示す。化合物HまたはGは、1日1回14日間投与し、タキソールを単回投与として第1日に投与した。
【図28】図28は、ヒトトロンボスポンジン−1前駆体のアミノ酸配列(アクセッション番号P07996)を示す。
【0040】
【図29】図29は、化合物AのタキサンのH460(NSCLC)異種移植片に対する抗腫瘍効果の増強(化合物A(100mg/kg)単独での経口投与、タキソール(静脈内、60mg/kg)単独、および2剤の組合せによるin vivoでの処理による、腫瘍容積の退縮)を示す。化合物Aを週3回投与し(経口)、タキソールを第1日に投与した(静脈内)。
【0041】
【図30】図30は、化合物A(100mg/kg)またはSAHA(120mg/kg)とタキソール(60mg/kg)とを用いる組合せ治療による、H460(NSCLC)異種移植片の腫瘍の退縮を示す。化合物Aを週3回投与し(経口)、タキソールを第1日に投与した(静脈内)。
【図31】図31は、癌細胞における化合物Aによる処理の後での経時的なTSP−1発現の誘導を示す。
【0042】
【図32】図32は、化合物Aによる処理の24時間後におけるDU145細胞におけるin vitroでのVEGFおよびbFGFの発現の抑制を示す。
【図33】図33は、化合物A(150mg/kg、経口、qdx3)による処理の後での、A549(NSCLC)異種移植片におけるVEGFおよびbFGFの発現の抑制を示す。
【図34】図34は、血管新生および細胞傷害性に対する相乗的な調節が、化合物Aとタキサンとの組合せの効力に関与していることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
好ましい態様の詳細な説明
異常な細胞増殖により示される疾患の制御を目的とする多様な治療剤による処理に対して、異常な増殖性を呈する細胞の感受性を制御する経路を同定することが必要である。
【0044】
本発明は、異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖により示される疾患の治療的処理のための新規のアプローチを提供する。特に、本発明は、癌の治療的処理のための新規のアプローチを提供する。本発明者らは、驚くべきことに、ヒストンデアセチラーゼ1、2および/または3(HDAC1〜3)のアイソタイプ選択的阻害剤、ならびにHDAC1および/またはHDAC2のアイソタイプ選択的阻害剤が、タキサン化合物などの微小管安定化剤の活性を増強することを発見した。HDAC阻害剤は、多数の疾患および障害に対して、in vitroとin vivoとの両方において広範な用途を有することが示されている。例えば、Pan, L, et al., HDAC Inhibitors: A Potential New Category of Anti-Tumor Agents, Cellular and Mol. Biol., 2007, 4(5), 337-343を参照。
【0045】
本明細書において引用される特許および科学文献は、当業者に利用可能な知識を確立する。本明細書において引用される各々の発行された特許、特許出願、および他の刊行物は、本明細書においてその全体が参考として援用される。矛盾が生じる場合、本開示の教示が優先する。
【0046】
化合物
本発明の目的のために、(他に明示的に記述されない限りにおいて)以下の定義が用いられる。
「式(I)」、「式(II)」などの化合物についての言及は、本明細書において、他に示されない限り、そのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミおよびスケールミック(scalemic)混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体を包含するものと理解される。
【0047】
便宜上、化学部分を、一貫して第一に一価の化学部分(例えばアルキル、アリールなど)として定義し、言及する。しかし、かかる用語はまた、当業者に明らかな適切な構造的状況においては、対応する多価部分を伝達するものとして用いられる。例えば、「アルキル」基は一般に一価のラジカル(例えばCH3−CH2−)を指すが、特定の状況においては、二価の結合部分が「アルキル」であり得、この場合において、当業者は、当該アルキルが用語「アルキレン」と等価である二価のラジカル(例えば−CH2−CH2−)であることを理解する(同様に、二価の部分が必要とされ、「アリール」であるものとして記述されている状況において、当業者は、用語「アリール」が対応する二価の部分アリーレンを指すものであることを理解する。)。全ての原子は、結合形成についてのそれらの正常な価数を有するものと理解される(すなわち、炭素については4、Nについては3、Oについては2、SについてはSの酸化状態に依存して2、4または6)。時に、部分は、例えば(A)a−Bであって、ここでaは0または1である、として定義される場合がある。かかる場合においては、aが0である場合、当該部分はB−であり、aが1である場合、当該部分はA−B−である。また、本明細書において開示される多数の部分は、多様な互換異性体の形態において存在し得、これらの全てはあらゆる所与の互換異性体構造により包含されることを意図される。
【0048】
便宜上、「Cn〜Cm」ヘテロシクリルまたは「Cn〜Cm」ヘテロアリールへの言及は、「n」〜「m」個の環状原子を有するヘテロシクリルまたはヘテロアリールを意味し、ここで「n」および「m」は整数である。したがって、例えば、C5〜C6−ヘテロシクリルは、少なくとも1個のヘテロ原子を有する5員または6員の環であって、ピロリジニル(C5)およびピペリジニル(C6)を含む。C6−ヘテロアリールは、例えばピリジルおよびピリミジルを含む。
【0049】
用語「ヒドロカルビル」とは、各々が本明細書において定義されるような直鎖、分枝状、または環状のアルキル、アルケニル、またはアルキニルを指す。「C0」ヒドロカルビルは、共有結合を指すように用いられる。したがって、「C0〜C3−ヒドロカルビル」は、共有結合、メチル、エチル、エテニル、エチニル、プロピル、プロペニル、プロピニル、およびシクロプロピルを含む。
【0050】
用語「脂肪族」は、飽和および不飽和の両方の、直鎖または分枝状脂肪族炭化水素を意味することを意図される。当業者により理解されるであろうように、「脂肪族」は、本明細書において、アルキル、アルケニルまたはアルキニル部分を含むことを意図されるがこれらに限定されない。
【0051】
用語「アルキル」は、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜8個の炭素原子、より好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝状脂肪族基を意味することを意図される。他の好ましいアルキル基は、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜8個の炭素原子、およびより好ましくは2〜6個の炭素原子を有する。好ましいアルキル基として、限定することなく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。「C0」アルキル(「C0〜C3アルキル」におけるもののような)は、共有結合である。
【0052】
用語「アルケニル」は、1または2以上の炭素−炭素二重結合を含み、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜8個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子を有する、不飽和の直鎖または分枝状脂肪族基を意味することを意図される。好ましいアルケニル基として、限定されることなく、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、およびヘキセニルが挙げられる。
【0053】
用語「アルキニル」は、1または2以上の炭素−炭素三重結合を含み、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜8個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子を有する、不飽和の直鎖または分枝状脂肪族基を意味することを意図される。好ましいアルキニル基として、限定されることなく、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、およびヘキシニルが挙げられる。
【0054】
用語「アルキレン」、「アルケニレン」または「アルキニレン」は、本明細書において使用される場合、本明細書において上で定義されるような、二個の他の化学基の間に位置されてこれらを結合するように働くアルキル、アルケニル、またはアルキニル基をそれぞれ意味することを意図される。好ましいアルキレン基として、限定することなく、メチレン、エチレン、プロピレン、およびブチレンが挙げられる。好ましいアルケニレン基として、限定することなく、エテニレン、プロペニレン、およびブテニレンが挙げられる。好ましいアルキニレン基として、限定することなく、エチニレン、プロピニレン、およびブチニレンが挙げられる。
【0055】
用語「アゾリル」は、本明細書において使用される場合、窒素、硫黄および酸素からなる群より選択される2個または3個以上のヘテロ原子を環原子として含み、ここでヘテロ原子の少なくとも1個は窒素である、5員の飽和または不飽和の複素環式基を意味することを意図される。好ましいアゾリル基として、任意に置換されたイミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、および1,3,4−オキサジアゾリルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0056】
用語「炭素環」は、本明細書において使用される場合、シクロアルキルまたはアリール部分を意味することを意図される。用語「炭素環」はまた、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有するシクロアルケニル部分を含む。
【0057】
用語「シクロアルキル」は、約3〜15個の炭素を有する、好ましくは3〜12個の炭素、好ましくは3〜8個の炭素、より好ましくは3〜6個の炭素、なおより好ましくは5個または6個の炭素を有する、飽和または不飽和の単環、二環、三環または多環式の炭化水素基を意味することを意図される。特定の好ましい態様において、シクロアルキル基は、アリール、ヘテロアリールまたは複素環式基に縮合している。好ましいシクロアルキル基として、限定することなく、シクロペンタン−2−エノン、シクロペンタン−2−エノール、シクロヘキサ−2−エノン、シクロヘキサ−2−エノール、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられる。
【0058】
用語「ヘテロアルキル」は、飽和または不飽和の、直鎖または分枝状脂肪族基を意味することを意図され、ここで、基における1または2以上の炭素原子は、独立して、O、S、N、N−アルキル、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2NH−、または−NHS(O)2からなる群より選択される部分により置き換えられる。
【0059】
用語「アリール」は、好ましくは1〜3個の芳香族環を含む、単環、二環、三環または多環式の芳香族部分、好ましくはC6〜C14芳香族部分を意味することを意図される。好ましくは、アリール基は、C6〜C10アリール基、より好ましくはC6アリール基である。好ましいアリール基として、限定することなく、フェニル、ナフチル、アントラセニル、およびフルオレニルが挙げられる。
【0060】
用語「アラルキル」または「アリールアルキル」は、アルキル基に共有結合したアリール基を含む基を意味することを意図される。アラルキル基が「任意に置換された」として記載される場合、アリールおよびアルキル部分のいずれかまたは両方が、独立して、任意に置換されていても未置換であってもよいことを意図される。好ましくは、アラルキル基は、(C1〜C6)アルキル(C6〜C10)アリールであり、限定することなく、ベンジル、フェネチル、およびナフチルメチルを含む。便宜上、「アリールアルキル」として記載される場合、この用語、およびこれに関連する用語は、化合物における基の順序を「アリール−アルキル」として示すことを意図される。同様に、「アルキル−アリール」は、化合物における基の順序を「アルキル−アリール」として示すことを意図される。
【0061】
用語「ヘテロシクリル」、「複素環式」または「複素環」は、約3〜約14個の原子を有し、ここで1または2以上の原子が独立してN、O、およびSからなる群より選択される、単環、二環または多環式の構造である基を意味することを意図される。環構造は、飽和、不飽和または部分的に不飽和であってよい。特定の好ましい態様において、複素環式基は非芳香族性であり、この場合、当該基はヘテロシクロアルキルとしても知られる。特定の好ましい態様において、複素環式基は、架橋された複素環式基(例えば、メチレン、エチレンまたはプロピレン架橋を有する二環式部分)である。二環式または多環式の構造において、1または2以上の環が芳香族性であってよい。例えば、インダンおよび9,10−ジヒドロアントラセンのように、二環式複素環の1個の環または三環式複素環の1個または2個の環が芳香族性であってよい。好ましい複素環式基として、限定することなく、エポキシ、アジリジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノニルおよびモルホリノが挙げられる。特定の好ましい態様において、複素環式基は、アリール、ヘテロアリール、またはシクロアルキル基に縮合している。かかる縮合複素環の例として、限定することなく、テトラヒドロキノリンおよびジヒドロベンゾフランが挙げられる。この用語から特に除かれるのは、環のOまたはS原子が別のOまたはS原子に隣接している化合物である。
【0062】
特定の好ましい態様において、複素環式基はヘテロアリール基である。本明細書において用いられる場合、用語「ヘテロアリール」は、5〜18個の環原子、好ましくは5〜14個の環原子、より好ましくは5、6、9、10個の環原子を有し;好ましくは環配列中に共有される6、10、または14個のパイ電子を有し;かつ、炭素原子に加えて、N、O、およびSからなる群より選択される1または2以上のヘテロ原子を有する、単環、二環、三環または多環式の基を意味することを意図される。用語「ヘテロアリール」はまた、窒素含有ヘテロアリール基のN−オキシド誘導体(または、ヘテロアリール基が1個より多くの窒素を含み、その結果として1個より多くのN−オキシド誘導体が形成される場合は、N−オキシド誘導体(複数))を包含することを意図される。例えば、ヘテロアリール基は、ピリミジニル、ピリジニル、ベンズイミダゾリル、チエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニルおよびインドリニルであってもよい。好ましいヘテロアリール基として、限定することなく、チエニル、ベンゾチエニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、インドリル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾ[b]チエニル、ナフタ[2,3−b]チアントレニル、キサンテニル、キノリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベータ−カルボニリルおよびペリミジニルが挙げられる。ヘテロアリール基のN−オキシド誘導体の代表例として、ピリジルN−オキシド、ピラジニルN−オキシド、ピリミジニルN−オキシド、ピリダジニルN−オキシド、トリアジニルN−オキシド、イソキノリルN−オキシドおよびキノリルN−オキシドが挙げられるがこれらに限定されない。
【0063】
用語「アリーレン」、「ヘテロアリーレン」または「ヘテロシクリレン」は、ぞれぞれ、本明細書において上で定義されるような、2個の他の化学基の間に位置されてこれらを結合するように働くアリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基を意味することを意図される。
【0064】
複素脂環式基は、特に、非芳香族ヘテロシクリルラジカルを指す。複素脂環式基は、不飽和を含んでもよいが、芳香族性ではない。
ヘテロシクリルアルキル基は、ヘテロシクリルが、アルキレン、アルキリデン、またはアルキリジンラジカルのうちの1つを介して親構造に結合している残基を指す。例として、(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル、(モルホリン−4−イル)メチル、(ピリジン−4−イル)メチル、2−(オキサゾリン−2−イル)エチル、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−ブテニルなどが挙げられる。ヘテロシクリルアルキルが「任意に置換された」として記載される場合、ヘテロシクリルアルキル基のヘテロシクリルおよび対応するアルキレン、アルキリデン、またはアルキリジンラジカル部分は、任意に置換されていてもよい。「低級ヘテロシクリルアルキル」は、基の「アルキル」部分が1〜6個の炭素を有するヘテロシクリルアルキルを指す。
【0065】
複素脂環式アルキル基は、とくに、基のヘテロシクリル部分が非芳香族性であるヘテロシクリルアルキルを指す。
好ましいヘテロシクリルおよびヘテロアリールとして、アゼピニル、アゼチジニル、アクリジニル、アゾシニル、ベンジドリル(benzidolyl)、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンゾピラニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、クマリニル、デカヒドロキノリニル、ジベンゾフリル、1,3−ジオキソラン、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニルなど)、フラニル、フロピリジニル(フロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,2−b]ピリジニルまたはフロ[2,3−b]ピリジニルなど)、フリル、フラザニル、ヘキサヒドロヒドロアゼピニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、オキセタニル、2−オキソアゼピニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾル、ピリドイミダゾル、ピリドチアゾル、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロロピリジル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラゾリル、チアゾリジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル)、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、チアジニル、チアジニルアゼピニル、トリアゾリル(例えば、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル)、およびキサンテニルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0066】
「ハロヒドロカルビル」は、本明細書において使用される場合、1個〜全ての水素が、独立して選択されるハロで置き換えられている、ヒドロカルビル部分である。
本明細書において使用される場合、および他に記述されない限りにおいて、部分(例えば、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルなど)が「任意に置換された」として記載される場合、基が、任意に、1〜4個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1個または2個の独立して選択される非水素置換基を有することが意味される。好適な置換基として、限定することなく、ハロ、ヒドロキシ、オキソ(例えば、オキソを有する環状の−CH−置換基は−C(O)−である)ニトロ、ハロヒドロカルビル、ヒドロカルビル、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アシル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノ、およびウレイド基が挙げられる。(他に明示的に記述されない限りにおいて)それら自体がさらに置換されない好ましい置換基は:
【0067】
(a)ハロ、ヒドロキシ、シアノ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、ニトロ、アミノ、アミジノ、グアニジノ、
(b)C1〜C5アルキルまたはアルケニルまたはアリールアルキルイミノ、カルバモイル、アジド、カルボキサミド、メルカプト、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルケニル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルアミノ、C1〜C8アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、C2〜C8アシル、−C(O)−N(R30)−アルキル−シクロアルキル、−C(O)−N(R30)−アルキル−ヘテロシクリル、−C(O)−N(R30)−アルキル−アリール、−C(O)−N(R30)−アルキル−ヘテロアリール、−C(O)−シクロアルキル、−C(O)−ヘテロシクリル、−C(O)−アリール、−C(O)−ヘテロアリール、C2〜C8アシルアミノ、C1〜C8アルキルチオ、アリールアルキルチオ、アリールチオ、C1〜C8アルキルスルフィニル、アリールアルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C1〜C8アルキルスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アリールスルホニル、C0〜C6N−アルキルカルバモイル、C2〜C15N,N−ジアルキルカルバモイル、C3〜C7シクロアルキル、アロイル、アリールオキシ、アリールアルキルエーテル、アリール、シクロアルキルもしくは複素環もしくは別のアリール環に縮合したアリール、C3〜C7ヘテロシクリル、C5〜C15ヘテロアリール、またはシクロアルキル、ヘテロシクリルもしくはアリールに縮合もしくはスピロ縮合したこれらの環のいずれかであって、ここで前述の各々はさらに上記(a)において列記される1または2以上の部分で任意に置換される;ならびに
【0068】
(c)−(CR32R33)s−NR30R31、ここでsは、0(この場合、置換された部分に窒素が直接結合している)〜6であり、R32およびR33は互いに独立して水素、ハロ、ヒドロキシルまたはC1〜C4アルキルであり、R30およびR31は互いに独立して水素、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C1〜C8ヘテロアルキル、C1〜C8アルケニル、カルボキサミド、C1〜C3アルキル−カルボキサミド、カルボキサミド−C1〜C3アルキル、アミジノ、C2〜C8ヒドロキシアルキル、C1〜C3アルキルアリール、アリール−C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルヘテロアリール、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルヘテロシクリル、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル C1〜C3アルキルシクロアルキル、シクロアルキル−C1〜C3アルキル、C2〜C8アルコキシ、C2〜C8アルコキシ−C1〜C4アルキル、C1〜C8アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリール−C1〜C3アルコキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリール−C1〜C3アルコキシカルボニル、C1〜C8アシル、C0〜C8アルキル−カルボニル、アリール−C0〜C8アルキル−カルボニル、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−カルボニル、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−カルボニル、ヘテロシクリル−C0〜C8アルキル−カルボニル、C0〜C8アルキル−NH−カルボニル、アリール−C0〜C8アルキル−NH−カルボニル、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−NH−カルボニル、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−NH−カルボニル、ヘテロシクリル−C0〜C8アルキル−NH−カルボニル、シクロアルキル−S(O)2−、ヘテロシクリル−S(O)2−、アリール−S(O)2−、ヘテロアリールS(O)2−、C0〜C8アルキル−O−カルボニル、アリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−O−カルボニル、ヘテロシクリル−C0〜C8アルキル−O−カルボニル、C1〜C8アルキルスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールアルキルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、C1〜C8アルキル−NH−スルホニル、アリールアルキル−NH−スルホニル、アリール−NH−スルホニル、ヘテロアリールアルキル−NH−スルホニル、ヘテロアリールNH−スルホニルアロイル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−または保護基であり、ここで、前述の各々は、上記(a)において列記される1または2以上の部分でさらに任意に置換される;あるいは、
【0069】
R30およびR31は、これらが結合するNと一緒になって、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成し、これらの各々は、上記(a)、保護基、および(X30−Y31−)からなる群より選択される1〜3個の置換基で任意に置換され、ここで、前記ヘテロシクリルはまた架橋されて(メチレン、エチレンまたはプロピレン架橋により二環式部分を形成して)いてもよく;ここで、
【0070】
X30は、H、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル−、C2〜C8アルキニル−、−C0〜C3アルキル−C2〜C8アルケニル−C0〜C3アルキル、C0〜C3アルキル−C2〜C8アルキニル−C0〜C3アルキル、C0〜C3アルキル−O−C0〜C3アルキル−、HO−C0〜C3アルキル−、C0〜C4アルキル−N(R30)−C0〜C3アルキル−、N(R30)(R31)−C0〜C3アルキル−、N(R30)(R31)−C0〜C3アルケニル−、N(R30)(R31)−C0〜C3アルキニル−、(N(R30)(R31))2−C=N−、C0〜C3アルキル−S(O)0−2−C0〜C3アルキル−、CF3−C0〜C3アルキル−、C1〜C8ヘテロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−、N(R30)(R31)−ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−からなる群より選択され、ここで、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、(a)からの1〜3個の置換基で任意に置換され;ならびに
【0071】
Y31は、直接結合、−O−、−N(R30)−、−C(O)−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−N(R30)−C(O)−、−C(O)−N(R30)−、−N(R30)−C(S)−、−C(S)−N(R30)−、−N(R30)−C(O)−N(R31)−、−N(R30)−C(NR30)−N(R31)−、−N(R30)−C(NR31)−、−C(NR31)−N(R30)−、−N(R30)−C(S)−N(R31)−、−N(R30)−C(O)−O−、−O−C(O)−N(R31)−、−N(R30)−C(S)−O−、−O−C(S)−N(R31)−、−S(O)0−2−、−SO2N(R31)−、−N(R31)−SO2−および−N(R30)−SO2N(R31)−からなる群より選択される。
【0072】
置換されている部分は、1個または2個以上(好ましくは1〜4個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1個または2個)の水素が独立して別の化学置換基により置き換えられているものである。非限定的な例として、置換フェニルは、2−フルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−クロロ−4−フルオロ−フェニル、2−フルオロ−3−プロピルフェニルを含む。別の非限定的な例として、置換n−オクチルは、2,4−ジメチル−5−エチル−オクチルおよび3−シクロペンチル−オクチルを含む。この定義内に含まれるのは、酸素で置換されてカルボニル−CO−を形成するメチレン(−CH2−)である。
【0073】
フェニル、チオフェニル、またはピリジニルなどの環構造の隣接する原子に結合した2個の任意の置換基が存在する場合、置換基は、これらが結合した原子と一緒になって、任意に、5員または6員の、シクロアルキルまたは1個、2個または3個の環ヘテロ原子を有する複素環を形成する。
【0074】
好ましい態様において、ヒドロカルビル、ヘテロアルキル、複素環および/またはアリール基などの基は、未置換である。
他の好ましい態様において、ヒドロカルビル、ヘテロアルキル、複素環および/またはアリール基などの基は、1〜4個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1個または2個)の独立して選択される置換基により置換されている。
【0075】
アルキル基上の好ましい置換基は、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、1個のハロゲン置換基または複数のハロ置換基;後者の場合、−CF3などの基またはCl3を有するアルキル基)、オキソ、シアノ、ニトロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、アリール、−ORa、−SRa、−S(=O)Re、−S(=O)2Re、−P(=O)2Re、−S(=O)2ORe、−P(=O)2ORe、−NRbRc、−NRbS(=O)2Re、−NRbP(=O)2Re、−S(=O)2NRbRc、−P(=O)2NRbRc、−C(=O)ORe、−C(=O)Ra、−C(=O)NRbRc、−OC(=O)Ra、−OC(=O)NRbRc、−NRbC(=O)ORe、−NRdC(=O)NRbRc、−NRdS(=O)2NRbRc、−NRdP(=O)2NRbRc、−NRbC(=O)Raまたは−NRbP(=O)2Reをこれらに限定されることなく含み、ここでRaは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロシクリルまたはアリールである;Rb、RcおよびRdは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルもしくはアリールであるか、または前記RbおよびRcは、これらが結合しているNと一緒になって、任意にヘテロシクリルを形成する;Reは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロシクリルまたはアリールである。前述の例示的な置換基において、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルおよびアリールなどの基は、これら自体が任意に置換されていてもよい。
【0076】
アルケニルおよびアルキニル基上の好ましい置換基として、アルキルまたは置換アルキル、ならびに好ましいアルキル置換基として列記した基が挙げられるがこれらに限定されない。
【0077】
シクロアルキル基上の好ましい置換基として、ニトロ、シアノ、アルキルまたは置換アルキル、ならびに好ましいアルキル置換基として列記した基が挙げられるがこれらに限定されない。他の好ましい置換基は、スピロ結合または縮合した環式置換基、好ましくはスピロ結合したシクロアルキル、スピロ結合したシクロアルケニル、スピロ結合したヘテロシクリル(ヘテロアリールを除く)、縮合したシクロアルキル、縮合したシクロアルケニル、縮合したヘテロシクリル、または縮合したアリールをこれらに限定されることなく含み、前述のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルおよびアリール置換基は、これら自体が任意に置換されていてもよい。
【0078】
シクロアルケニル基上の好ましい置換基は、ニトロ、シアノ、アルキルまたは置換アルキル、ならびに好ましいアルキル置換基として列記した基が挙げられるがこれらに限定されない。他の好ましい置換基は、スピロ結合または縮合した環式置換基、特にスピロ結合したシクロアルキル、スピロ結合したシクロアルケニル、スピロ結合したヘテロシクリル(ヘテロアリールを除く)、縮合したシクロアルキル、縮合したシクロアルケニル、縮合したヘテロシクリル、または縮合したアリールをこれらに限定されることなく含み、前述のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルおよびアリール置換基は、これら自体が任意に置換されていてもよい。
【0079】
アリール基上の好ましい置換基は、ニトロ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、シアノ、アルキルまたは置換アルキルならびに好ましいアルキル置換基として上で列記した基が挙げられるが、これらに限定されない。他の好ましい置換基は、縮合環式基、特に縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合ヘテロシクリル、または縮合アリールをこれらに限定されることなく含み、ここで前述のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルおよびアリール置換基は、それら自体が任意に置換されていてもよい。アリール基(非限定的な例としてフェニル)上のなお他の好ましい置換基として、ハロアルキルおよび好ましいアルキル置換基として列記される基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
複素環基上の好ましい置換基として、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ニトロ、オキソ(すなわち=O)、シアノ、アルキル、置換アルキル、ならびに好ましいアルキル置換基として列記した基が挙げられるが、これらに限定されない。複素環式基上の他の好ましい置換基は、任意の利用可能な結合点においてスピロ結合または縮合した環式置換基、より好ましくはスピロ結合したシクロアルキル、スピロ結合したシクロアルケニル、スピロ結合したヘテロシクリル(ヘテロアリールを除く)、縮合したシクロアルキル、縮合したシクロアルケニル、縮合したヘテロシクリルおよび縮合したアリールをこれらに限定されることなく含み、前述のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルおよびアリール置換基は、それら自体が任意に置換されていてもよい。
【0081】
特定の好ましい態様において、複素環式基は、1または2以上の位置において炭素、窒素および/または硫黄上で置換されている。炭素上の好ましい置換基は、好ましいアルキル置換基として列記されるものを含む。窒素上の好ましい置換基として、アルキル、アリール、アラルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニル、アリールスルホニル、アルコキシカルボニル、またはアラルコキシカルボニルが挙げられるがこれらに限定されない。硫黄上の好ましい置換基として、オキソおよびC1〜6アルキルが挙げられるがこれらに限定されない。特定の好ましい態様において、窒素および硫黄ヘテロ原子は、独立して任意に酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は、任意に四級化されていてもよい。
【0082】
アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクリルなどの環式基上の特に好ましい置換基として、ハロゲン、アルコキシおよびアルキルが挙げられる。
アルキル基上の特に好ましい置換基として、ハロゲンおよびヒドロキシが挙げられる。
【0083】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、本明細書において使用される場合、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素を指す。本明細書において使用される場合、用語「アシル」は、アルキルカルボニルまたはアリールカルボニル置換基を指す。用語「アシルアミノ」は、窒素原子において結合しているアミド基(すなわちR−CO−NH−)を指す。用語「カルバモイル」は、カルボニル炭素原子において結合しているアミド基(すなわちNH2−CO−)を指す。アシルアミノまたはカルバモイル置換基の窒素原子は、さらに任意に置換されている。用語「スルホンアミド」は、硫黄または窒素原子のいずれかにより結合したスルホンアミド置換基を指す。用語「アミノ」は、NH2、アルキルアミノ、ジ−アルキル−アミノ、アリールアミノ、および環式アミノ基を含むことを意図される。用語「ウレイド」は、本明細書において用いられる場合、置換または未置換の尿素部分を指す。
【0084】
用語「ラジカル」は、本明細書において使用される場合、1または2以上の不対電子を含む化学部分を意味する。
任意の置換基が「1または2以上の」基から選択される場合、この定義は、特定された基の1つから選択される置換基または特定された基の2もしくは3以上から選択される置換基全てを含むことが理解される。
【0085】
さらに、環式部分(すなわち、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール)上の置換基は、親環式部分に縮合して二環または三環式の縮合環系を形成する5〜6員の単環および9〜19員の二環式部分を含む。環式部分上の置換基はまた、親環式部分に共有結合により結合して二環または三環式の二環系を形成する5〜6員の単環および9〜19員の二環式部分を含む。例えば、任意に置換されたフェニルは、以下を含むがこれらに限定されない:
【化1】
【0086】
炭素環式または複素環式基が2個のC1〜6アルキル基により置換される場合、2個のアルキル基は、一緒に組み合わされて、アルキレン鎖、好ましくはC1〜3アルキレンを形成してもよい。この架橋構造を有する炭素環式または複素環式基として、ビシクロ[2.2.2]オクタニルおよびノルボルナニルが挙げられる。
【0087】
明細書を通して、1または2以上の化学置換基のうちの好ましい態様が同定される。好ましい態様の組合せもまた好ましい。例えば、本発明は、式(I)の化合物におけるLの好ましい態様を記載し、基Yの好ましい態様を記載する。したがって、例として、Lの好ましい例が記載されたものであって基Yの好ましい例が記載されたものである化合物もまた、本発明の範囲内として企図される。
【0088】
用語「治療有効量」は、本明細書において使用される場合、患者に投与された場合に所望の治療効果を生じる本発明の化合物の量である。治療効果は、処置される疾患および所望される効果に依存する。したがって、治療効果は疾患状態の処置であってもよい。「治療有効量」を構成する化合物の量は、化合物、疾患状態およびその重篤度、処置される患者の年齢などに依存して変化する。治療有効量は、当業者により慣用的に決定することができる。
【0089】
用語「患者」は、本明細書において本発明の目的のために使用される場合、ヒトおよび他の動物、特に哺乳動物、および他の生物を含む。したがって、本発明の化合物、組成物および方法は、ヒト治療および獣医学的用途の両方に適用可能である。好ましい態様において、患者は哺乳動物であり、最も好ましい態様において、患者はヒトである。
【0090】
用語「処理する(treating)」、「処理(treatment)」などは、本明細書において使用される場合、動物における疾患状態の処置を含み、(i)疾患状態が発生することを防ぐこと(特に、かかる動物が疾患状態を罹患しやすくなっているがまだそれを罹患しているとは診断されていない場合);(ii)疾患状態を阻害すること、すなわち、部分的にまたは完全にその発達を停止させること;(iii)疾患状態を緩和すること、すなわち、疾患状態の症状の退縮を引き起こすこと、または疾患の症状を緩和すること;ならびに(iv)疾患状態の逆転または退縮、好ましくは疾患を除去することまたは治癒すること、の少なくとも1つを含む。本発明の好ましい態様において、動物は、哺乳動物、好ましくは霊長類、より好ましくはヒトである。当該分野において公知のことだが、局所送達に対する全身性送達、年齢、体重、一般的健康、性別、食事、投与の時間、薬物相互作用および状態の重篤度についての調節が必要であり得、当業者により慣用的な実験を用いて確認することができる。好ましい態様において、処理は、(ii)、(iii)および(iv)の少なくとも1つを含む。
【0091】
以上は、単に本発明の1つの側面および態様を要約するものであり、決して限定することを意図するものではない。この側面および態様を、以下により詳細に記載する。
【0092】
本発明による方法において特に有用な化合物は、HDAC1、HDAC2およびHDAC3に選択的なヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤を含む。これらの化合物は、本明細書において、MT3およびTSP1の両方の発現を誘導することが示される。一般に、US 2004/0106599、US 6,897,220、US 2006/0058298、US 2005/0288282、WO 2005/030705、US 2005/0245518、US 11/687,398、US 11/696,8801、US 60/906,733に記載されるような構造を有するHDAC阻害剤が、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3に選択的であることが示された。
【0093】
HDAC1、HDAC2およびHDAC3に選択的な特に有用な化合物として、式(I):
【化2】
により表される構造を有するもの、ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミおよびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体が挙げられ、ここで、
【0094】
Xは、H、ハロ−、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、アリールまたはヘテロアリールであり、これらの各々は、任意に(好ましくは、ハロ、−CN、−CH=N(OH)、ヒドロキシ、C1〜C3−ヒドロカルビル、−O−C1〜C4アルキル、メトキシ、またはハロで単置換、二置換もしくは三置換されたアルキルから独立して選択される1〜3個の置換基により)置換され、
【0095】
Yは−NH2またはOHであり;
Arはアリーレンまたはヘテロアリーレンであり、これらの各々は任意に置換され;
Aは、共有結合、M1−L2−M1およびL2−M2−L2からなる群より選択され;
【0096】
ここで、
L2は、各存在毎に独立して、化学結合、C0〜C4ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO2−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−NH−CO−C0〜C4−ヒドロカルビル、およびC0〜C4−ヒドロカルビル−CO−NH−C0〜C4−ヒドロカルビルからなる群より選択され、ただし、X1がM1−L2−M1である場合、L2は化学結合ではなく;
【0097】
M1は、各存在毎に独立して、−O−、−N(R7)−、−S−、−S(O)−、S(O)2−、−S(O)2N(R7)−、−N(R7)−S(O)2−、−C(O)−、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され、ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
【0098】
M2は、M1、ヘテロアリーレンおよびヘテロシクリレンからなる群より選択され、これらの環のいずれかは任意に置換され;ならびに
【0099】
Lは、H、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され、これらの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は、任意に置換される。
【0100】
他の化合物において、Xはフェニル、チエニル、フラニル、ピリジル、またはピリミジルである。
式(I)の他の化合物において、Yは−NH2である。
式(I)の他の化合物において、Arはフェニル、好ましくは未置換フェニルである。
式(I)の他の化合物において、Aは−N(R7)−(CH2)−である。
式(I)の他の化合物において、Lは任意に置換された−ヘテロアリール−ヘテロアリール、任意に置換された−アルキルまたは任意に置換されたヘテロアリールである。
式(I)の他の化合物において、R7はHである。
【0101】
式(I)の他の化合物は、式(II):
【化3】
により表される構造を有するもの、ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミおよびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体を含み、ここで、
【0102】
XはH、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジルまたはピリミジルであり、これらの各々は任意に置換され;
Yは−NH2であり;
Aは−N(R7)−(CH2)−であり;および
【0103】
Lは、−ヘテロアリール−ヘテロアリール、−アルキルまたはヘテロアリールであり、これらの各々は任意に置換され;ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
【0104】
式(II)の他の化合物において、XはHである。
式(II)の他の化合物において、Xはフェニルまたはピリジルであり、これらの各々は任意に置換される。
式(II)の他の化合物において、Lは任意に置換されたヘテロアリール−ヘテロアリールである。
式(II)の他の化合物において、R7はHである。
【0105】
HDAC1、HDAC2およびHDAC3に選択的な他の特に有用な化合物は、式(III):
【化4】
により表される構造を有するもの、ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミおよびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体を含み、ここで、
【0106】
Cy5はアリールまたはヘテロアリールであり、これらの各々は任意に置換され、アリールおよびヘテロアリールの各々は、任意に1または2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または2もしくは3以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルまたは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
【0107】
X1は、共有結合、C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−N(R8)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO2)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−O−CO−O−、−O−CS−O−、−NH−C(NH)−NH−、−S(O)2−N(R8)−、−N(R8)−S(O)2−、−NH−C(O)−O−、および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され;
【0108】
ここでR8は、水素、C1〜C5−アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、CO−アルキル、CO−アリール、CO−NH−アルキル、CO−NH−アリール、CO−O−アルキルおよびCO−O−アリールからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され;
nは0〜4であり;
Y1はNまたはCHであり;および
TはNH2またはOHである。
【0109】
式(III)の他の化合物において、Tは−NH2である。
式(III)の他の化合物において、Y1はNである。
式(III)の他の化合物において、nは1である。
式(III)の他の化合物において、X1は−N(H)−である。
式(III)の他の化合物において、Cy5は任意に置換されたヘテロアリールである。
【0110】
HDAC1およびHDAC2に選択的な特に有用は化合物は、式(IV):
【化5】
により表される構造を有するもの、ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミおよびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体を含み、ここで、
【0111】
X2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Ar1は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Raは、Hまたは任意の置換基、好ましくはハロであり;
【0112】
Rb、RcおよびRdは、各々独立して、水素、C1〜C8アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはハロであるか;または
RbおよびRcは、これらが結合される原子と一緒になって、任意に、1個または2個のヘテロ原子を有する5員または6員のシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを形成し;これらの各々は1〜3個の置換基で任意に置換され;
Y2は−NH2または−OHであり;
Ybは−N−または−CH−であり;
【0113】
Yaは、直接結合、−O−、−N(R34)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R34)−C(O)−、−C(O)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)−、−C(S)−N(R34)−、−N(R34)−C(O)−N(R35)−、−N(R34)−C(NR34)−N(R35)−、−N(R34)−C(NR35)−、−C(NR35)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)−N(R35)−、−N(R34)−C(O)−O−、−O−C(O)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)O−、−O−C(S)−N(R35)−、−S(O)0−2−、−SO2N(R35)−、−N(R35)−SO2−、N(R34)−S(O)2−N(R35)−、−O−C1〜C3アルキル−、−N(R34)−C1〜C3アルキル−、−C(O)−C1〜C3アルキル−または−O−C(O)−C1〜C3アルキル−であり;
【0114】
Xaは、C1〜C8アルキル−、C1〜C8アルケニル−、C1〜C8アルキニル−、C0〜C3アルキル−C1〜C8アルケニル−C0〜C3アルキル−、C0〜C3アルキル−C1〜C8アルキニル−C0〜C3アルキル−、C1〜C3アルキル−O−C1〜C3アルキル−、HO−C1〜C3アルキル−、C1〜C4アルキル−N(R34)−C0〜C3アルキル−、N(R34)(R35)−C0〜C3アルキル−、C1〜C3アルキル−S(O)0−2−C1〜C3アルキル−、CF3−C0〜C3アルキル−、CF2H−C0〜C3アルキル−、C1〜C8ヘテロアルキル−、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−、アリール−C0〜C2アルキル−ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−、ヘテロアリール−C0〜C2アルキル−ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−、N(R34)(R35)−ヘテロシクリル−C0〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C0〜C3アルキル−ヘテロシクリル−またはC1〜C4アルキル−CH(N(R34)(R35))−C(O)−N(R34)−アリール−であり、ここでアリール、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1〜3個の独立して選択される置換基により任意に置換されるか;
【0115】
または、Xa−Ya−は、H−、ハロ−、HO−、HS−、HC(O)−、HOC(O)−、C1〜C4アルキル−、H2N−、(R34)(R35)N−、C1〜C4アルキル−NH−、(C1〜C4アルキル)2−N−、HC(O)N(R34)−、(R34)(R35)N−S(O)2−N(R36)−、(R34)(R35)N−C(O)−、H2N−C(O)−、HC(S)N(R34)−、(R34)(R35)N−C(S)−、H2N−C(S)−、(R34)(R35)N−C(O)−O−、(R34)(R35)N−C(S)−O−、(R34)(R35)N−C(O)−N(R36)−、(C1〜C3アルキルN)2−C=N−、(R34)(R35)N−C(NR37)−N(R36)−、(R34)(R35)N−C(NR36)−、シクロアルキル−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、アリール−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、ヘテロアリール−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、C0〜C3アルキル−C(NR36)−、C1〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、CF3−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、CF3−C0〜C4アルキル−C(O)−N(R36)−、アリール−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、C1〜C4アルキル−O−C(O)−NH−、C1〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−C1〜C4アルキル−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−NH−C(O)−O−、C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、Me−C(O)−O−、Me−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、アリール−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、
【0116】
ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−、アリール−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、
【0117】
シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、アリール−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−NH−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、
【0118】
C1〜C4アルキル−O−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、HO−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、HO−C1〜C4アルキル−N(H)−、HO−C1〜C4アルキル−N(R3)−、HO−C1〜C4アルキル−O−、HO−C1〜C4アルキル−S(O)0−2−、HO−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、
【0119】
C1〜C4アルキル−O−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、HO−C2〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(O)−O−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(NH)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−S(O)0−2−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、(C1〜C4アルキル)−O−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−(H)−、HO−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−N(H)−、HO−NH−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−N(H)−、
【0120】
CF2H−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(R3)−、CF3−C0〜C4アルキル−O−、CF3−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、CF3−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、CF3−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、CF3−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(H)(R34)N−C1〜C3アルキル−、(H)(R34)N−C1〜C3アルキル−、HO−C1〜C3アルキル−、(H)(R34)N−S(O)2−N(R35)−、(H)(R35)N−S(O)2−、(H)(R34)N−C(S)−O−、(H)(R34)N−C(O)−O−、(H)(R34)N−C(S)−N(R35)−、(H)(R34)N−C(NR35)−、(H)(R34)N−C(NR34)−N(R38)−、(H)(R34)N−C(O)−N(R35)−、HO−C(O)−C1〜C3アルキル−、C1〜C4アルキル−S(O)2−NH−および((R34)(R35)N)2−C=N−からなる群より選択され;
mおよびnは、独立して、0、1、2または3であり;
qは、0、1または2であり;ならびに
【0121】
R34、R35、R36およびR37は、互いに独立して、水素、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、−C1〜C8アルキル、C1〜C8ヘテロアルキル、C1〜C8アルケニル、カルボキサミド、C1〜C3アルキル−カルボキサミド−、カルボキサミド−C1〜C3アルキル−、アミジノ、C2〜C8ヒドロキシアルキル、C1〜C3アルキルアリール−、アリール−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルヘテロアリール、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルヘテロシクリル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルシクロアルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、C2〜C8アルコキシ−、C2〜C8アルコキシ−C1〜C4アルキル−、C1〜C8アルコキシカルボニル−、アリールオキシカルボニル−、アリール−C1〜C3アルコキシカルボニル−、ヘテロアリールオキシカルボニル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルコキシカルボニル−、C1〜C8アシル、C0〜C8アルキル−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−カルボニル−、C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、
【0122】
アリール−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、C1〜C8アルキルスルホニル−、アリールアルキルスルホニル−、アリールスルホニル−、ヘテロアリールアルキルスルホニル−、ヘテロアリールスルホニル−、C1〜C8アルキル−N(H)−スルホニル−、アリールアルキル−N(H)−スルホニル−、アリール−N(H)−スルホニル−、ヘテロアリールアルキル−N(H)−スルホニル−、ヘテロアリールN(H)−スルホニル、アロイル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−および保護基からなる群より選択され、ここで、前述の各々は、1または2以上の部分によりさらに任意に置換されるか;または
【0123】
R34およびR35は、これらが結合しているNと一緒になって、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成し、これらの各々は、1〜3個の置換基により任意に置換され、ここでヘテロシクリルはまた、架橋されて(メチレン、エチレンまたはプロピレン架橋を有する二環式部分を形成して)もよく、
ただし、1)YbがNであるとき、YaがYを含む環にYa中のN、SまたはOを介して結合している場合、mは0ではないか、または、2)mおよびnが両方とも0である場合、Ybは−CH−である。
【0124】
式(IV)の他の化合物において、X2はアリール、好ましくはフェニルである。
式(IV)の他の化合物において、X2はヘテロアリール、好ましくはピリジルである。
式(IV)の他の化合物において、Y2は−NH2である。
式(IV)の他の化合物において、Ar1は任意に置換されたフェニルである。
式(IV)の他の化合物において、nおよびmは、各々、1である。
式(IV)の他の化合物において、Rb、RcおよびRdの各々はHである。
式(IV)の他の化合物において、−Ya−Xaは−N(R34)(R35)である。
【0125】
式(IV)の他の化合物は、式(IVa):
【化6】
を有し、ここでm、n、R34およびR35は、式(IV)について定義したとおりである。
【0126】
HDAC1およびHDAC2に選択的な他の特に有用な化合物は、式(V):
【化7】
で表される構造を有するもの、ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグまたは錯体、ならびにそのラセミおよびスケールミック混合物、ジアステレオマーおよびエナンチオマーを含み、ここで、
【0127】
X3は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、これらの各々は任意に置換され;
Y3は−NH2または−OHであり;
Ar2は任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;および
Hetは任意に置換されたヘテロシクリルである。
【0128】
式(V)による他の化合物において、X3はヘテロアリール、好ましくはピリジルである。
式(V)による他の化合物において、X3はアリール、好ましくはフェニルである。
式(V)による他の化合物において、Y3は−NH2である。
式(V)による他の化合物において、Ar2はアリール、好ましくはフェニルである。
【0129】
式(V)による他の化合物において、Hetは任意に置換された6員のヘテロシクリルである。
式(V)による他の化合物において、Hetは任意に置換されたピペラジニルである。
式(V)による他の化合物において、Hetは任意にアルキルで置換されたピペラジニルである。
【0130】
本明細書において教示される方法により容易に同定することができるこれらのおよび他の化合物は、本発明による方法において有用である。本発明において有用な特に重要なHDAC阻害剤は、表1に示される構造を有するものを含む。
【0131】
【表1】
【0132】
表1に示される化合物のうち、化合物AおよびBは、HDAC1、2および3の選択的阻害剤であり、一方化合物Cは、陰性対照として用いられる不活性な化合物である。化合物D、E、F、G、Hは、HDAC1およびHDAC2に選択的なHDAC阻害剤である。
【0133】
本発明による方法において有用な他の化合物は、微小管を安定化させる化合物である。これらの化合物の多くはタキサン類であり、限定することなく、パクリタキセル(タキソール)およびドセタキセル(タキソテール)を含む。本発明による方法において有用な他の化合物は、限定することなく、エポチロン類(例えばエポチロンA、BおよびD)、ならびにエポチロンのアナログ(例えばイクサベピロン)を含む。
【0134】
特定の態様において、本発明による方法において有用なさらなる化合物は、トロンボスポンジン−1(TSP1)受容体のアゴニストであり、限定することなく、組み換えTSP1(図28)、およびABT−510、(Dawson et al. Molecular Pharmacology (1999) 55:332-338におけるAc−G V DI T R I R−Neth)などの活性なTSP1ヘプタペプチドの模倣薬を含む。
【0135】
第1の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0136】
本発明のこの側面の目的のために、「HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤」は、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の酵素活性を、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10およびHDAC11のいずれについてのIC50よりも少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍低いIC50で阻害する化合物である。好ましいHDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤は、限定することなく、化合物Aおよび化合物Bなどの、式(I)、(II)および(III)を有する化合物を含む。「微小管を安定化させる化合物」は、微小管の(−)末端からのチューブリンの分解を、微小管の(+)末端でのチューブリンの集合を阻害するよりも、少なくとも2倍、好ましくは少なくとも3倍、より好ましくは少なくとも5倍、なおより好ましくは少なくとも10倍の程度で阻害する化合物である。
【0137】
微小管を安定化させる好ましい化合物は、限定することなく、パクリタキセル(タキソール)およびドセタキセル(タキソテール)などのタキサン類を含む。他の好ましい化合物として、限定することなく、エポチロン類(例えばエポチロンA、BおよびD)ならびにエポチロンのアナログ(例えばイクサベピロン)が挙げられる。「・・・と組み合わせて」とは、疾患の同じ経過の処置の間に投与されることを意味し、これは同時もしくは連続的であっても、または同時および連続的の両方であってもよい。
【0138】
第1の側面の一態様において、本発明は、哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0139】
特定の態様において、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を、経口または静脈内のいずれかで投与する。特定の態様において、微小管を安定化させる化合物を静脈内投与する。
【0140】
第2の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0141】
本発明のこの側面の目的のために、「HDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤」は、HDAC1および/またはHDAC2の酵素活性を、HDAC3、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10およびHDAC11のいずれについてのIC50よりも少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍低いIC50で阻害する化合物である。HDAC1および/またはHDAC2の好ましい選択的阻害剤は、限定することなく、化合物D、化合物E、化合物F、化合物G、および化合物Hなどの、式(IV)、(IVa)および(V)を有する化合物を含む。用語「微小管を安定化させる化合物」および「・・・と組み合わせて」は、本発明の第1の側面について記載されたとおりである。
【0142】
第2の側面の一態様において、本発明は、哺乳動物における腫瘍細胞の増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0143】
特定の態様において、HDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤を、経口または静脈内のいずれかで投与する。特定の態様において、微小管を安定化させる化合物を静脈内投与する。
【0144】
第3の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、細胞におけるメタロチオネイン3(MT3)の発現を上方調節すること、および/または細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0145】
本発明のこの側面の目的のために、「MT−3の発現を上方調節する」とは、細胞におけるMT−3の発現の少なくとも2倍の増大を引き起こすことを意味する。「TSP1の発現を上方調節する」とは、細胞におけるTSP1の発現の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも1.8倍、より好ましくは少なくとも2倍または3倍の増大を引き起こすことを意味する。「微小管を安定化させる化合物」および「・・・と組み合わせる」は、本発明の第1の側面におけるものと同じ意味を有する。かかる上方調節は、タンパク質のレベル、タンパク質をコードするmRNAのレベル、または両方により測定することができる。特定の好ましい態様において、MT3およびTSP1の上方調節は、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3、好ましくはHDAC1および/またはHDAC2を選択的に阻害することにより達成される。「HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3を選択的に阻害する」とは、細胞におけるHDAC1、HDAC 2および/またはHDAC3の酵素活性を、細胞におけるHDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10およびHDAC11のいずれの阻害よりも少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍の程度で阻害することを意味する。
【0146】
第3の側面の一態様において、本発明は、哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、腫瘍細胞におけるメタロチオネイン3(MT3)の発現を上方調節すること、ならびに/または腫瘍細胞および/もしくは腫瘍中の間質細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0147】
第3の側面のこの態様の目的のために、「腫瘍細胞におけるMT3の発現を上方調節する」とは、腫瘍細胞におけるMT3発現の少なくとも2倍の増大を引き起こすことを意味する。「腫瘍細胞および/もしくは腫瘍中の間質細胞におけるTSP1の発現を上方調節する」とは、腫瘍細胞において、腫瘍中の間質細胞において、または両方において、少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも1.8倍、より好ましくは少なくとも2倍または3倍のTSP1の増大を引き起こすことを意味する。「微小管を安定化させる化合物」および「・・・と組み合わせて」は、本発明の第1の側面におけるものと同じ意味を有する。かかる上方調節は、タンパク質のレベル、タンパク質をコードするmRNAのレベル、または両方により測定することができる。特定の好ましい態様において、MT3およびTSP1の発現の上方調節は、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3、好ましくはHDAC1および/またはHDAC2を選択的に阻害することにより達成される。「HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3を選択的に阻害する」とは、腫瘍試料中のHDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の酵素活性を、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10およびHDAC11のいずれの阻害よりも少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍の程度で阻害することを意味する。
【0148】
第4の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、TSP1受容体のアゴニストの有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。特定の態様において、TSP1受容体のアゴニストは、組み換えTSP1および活性TSP1ヘプタペプチドの模倣薬から選択される。さらなる態様において、活性TSP1ヘプタペプチドの模倣薬は、ABT−510である。本発明のこの側面の代替的態様において、方法は、本発明の第1の側面について記載されたように、哺乳動物にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を投与することをさらに含む。本発明のこの側面の一部の態様において、方法は、本発明の第2の側面について記載されるように、哺乳動物にHDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤を投与することをさらに含む。
【0149】
第4の側面の一態様において、本発明は、哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、TSP1受容体のアゴニストの有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組合せて投与することを含む。
【0150】
第5の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0151】
本発明のこの側面の目的のために、「細胞におけるTSP1の発現を上方調節する」とは、細胞においてTSP1の少なくとも2倍の増大を引き起こすことを意味する。用語「微小管を安定化させる化合物」および「・・・と組み合わせて」は、本発明の第1の側面について記載されるとおりである。
【0152】
第5の側面の一態様において、本発明は、哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、腫瘍細胞および/または腫瘍中の間質細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0153】
本発明の第5の側面のこの態様の目的のために、「腫瘍細胞および/または腫瘍中の間質細胞におけるTSP1の発現を上方調節する」とは、腫瘍細胞において、腫瘍中の間質細胞において、または両方において、TSP1の少なくとも2倍の増大を引き起こすことを意味する。用語「微小管を安定化させる化合物」および「・・・と組み合わせる」は、本発明の第1の側面について記載されるとおりである。
【0154】
第6の側面において、本発明は、哺乳動物における異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、細胞におけるメタロチオネイン3(MT3)発現の作動薬(agonist)および/または細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)発現の作動薬を投与することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
本発明のこの側面の目的のために、、用語「微小管を安定化させる化合物」および「・・・と組み合わせる」は、本発明の前の側面において上に記載したとおりである。
【0155】
第6の側面の一態様において、本発明は、哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、腫瘍細胞におけるメタロチオネイン3(MT3)発現の作動薬、ならびに/または腫瘍細胞および/もしくは間質細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)発現の作動薬を投与することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0156】
第7の側面において、本発明は、血管新生を阻害するための方法を提供し、該方法は、哺乳動物にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。
本発明のこの側面の目的のために、用語「ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤」は、本発明の第1の側面について記載されるとおりである。
【0157】
第7の側面の一態様において、本発明は、腫瘍における血管新生を阻害するための方法を提供し、該方法は、腫瘍にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。この側面の別の態様において、腫瘍は哺乳動物において処置される。第7の側面の別の態様において、腫瘍は哺乳動物中にあり、哺乳動物は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与される。
【0158】
第8の側面において、本発明は、細胞において抗血管新生因子の発現を誘導するための方法を提供し、該方法は、細胞にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。
この側面の一態様において、細胞は哺乳動物中にあり、この場合において、方法は、哺乳動物にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。この側面の別の態様において、細胞は哺乳動物の腫瘍細胞である。この側面の別の態様において、細胞は哺乳動物の腫瘍細胞であり、この腫瘍細胞は哺乳動物中にある。
【0159】
本発明のこの側面の目的のために、用語、細胞において「抗血管新生因子の発現を誘導する」とは、細胞において抗血管新生因子の発現の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも1.8倍、より好ましくは少なくとも2倍または3倍の増大を引き起こすことを意味する。本発明のこの側面の好ましい態様において、抗血管新生因子はTSP1である。
本発明のこの側面の目的のために、用語「ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤」は、本発明の第1の側面について記載されるとおりである。
【0160】
第9の側面において、本発明は、細胞において血管新生因子の発現を阻害するための方法を提供し、該方法は、細胞にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。
この側面の一態様において、細胞は哺乳動物中にあり、この場合において、方法は、哺乳動物にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。この側面の別の態様において、細胞は腫瘍細胞である。この側面の別の態様において、細胞は腫瘍細胞であり、この腫瘍細胞は、哺乳動物中にある。
【0161】
本発明のこの側面の目的のために、用語、細胞において「血管新生因子の発現を阻害する」とは、細胞において血管新生因子の発現の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも1.8倍、より好ましくは少なくとも2または3倍の減少を引き起こすことを意味する。本発明のこの側面の一態様において、血管新生因子はbFGFである。本発明のこの側面の目的のために、用語「ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤」は、本発明の第1の側面について記載されるとおりである。
【0162】
第10の側面において、本発明は、患者において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖により示される疾患を処置するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を、微小管を安定化させる化合物と組み合わせて投与することを含む。
本発明のこの側面の目的のために、用語「ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤」および「微小管を安定化させる化合物」は、本発明の第1の側面について記載されるとおりである。
【0163】
第10の側面の一態様において、本発明は、患者において癌を処置するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を、微小管を安定化させる化合物と組み合わせて投与することを含む。
【0164】
第11の側面において、本発明は、患者において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖により示される疾患を処置するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤を、微小管を安定化させる化合物と組み合わせて投与することを含む。
本発明のこの側面の目的のために、用語「ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤」および「微小管を安定化させる化合物」は、本発明の第2の側面について記載されるとおりである。
【0165】
第11の側面の一態様において、本発明は、患者において癌を処置するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤を、微小管を安定化させる化合物と組み合わせて投与することを含む。
【0166】
第12の側面において、本発明は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の、微小管を安定化させる化合物と組み合わせての、異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖(proliferaton)を阻害するためまたは患者において癌を処置するための医薬の製造のための使用を提供する。
本発明のこの側面の目的のために、用語「ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤」および「微小管を安定化させる化合物」は、本発明の第1の側面について記載されるとおりである。
【0167】
第12の側面の一態様において、本発明は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の、微小管を安定化させる化合物と組み合わせての、腫瘍細胞増殖を阻害するためまたは患者において癌を処置するための医薬の製造のための使用を提供する。
【0168】
本明細書において記載され請求される方法は、例えばメラノーマ、骨髄異形成症候群(MDS)、白血病、骨髄性白血病、リンパ性白血病、骨髄腫、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、多形神経膠芽腫(脳癌)および乳癌などの癌を含むがこれらに限定されない、異常な細胞成長および/または他の異常な細胞増殖により示される哺乳動物の疾患の処置のために企図され、いまや有効であることが期待される。
【0169】
以下の例は、本発明の特定の好ましい態様をさらに説明することを意図するものであり、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0170】
例1
組み換えHDACアイソタイプの作製
ヒトHDAC1〜8および11のcDNAを、GenBank中のヒトHDAC遺伝子配列の5’および3’コード配列に対して相補的なプライマーを用いてRT−PCR反応により作製した。全長ヒトHDAC1、2、3および11に対応するcDNAを、pBlueBac4.5ベクター(Invitrogen)中にクローニングした。コンストラクトを用いて、Bac-N-BlueTM DNAを使用説明書に従って用い(Invitrogen)、組み換えバキュロウイルスを作製した。生成された組み換えHDAC1、2、3、11タンパク質は、そのC末端にFLAGタグを有する。デアセチラーゼドメインを含む切断された(truncated)バージョンのHDAC4、5および7をコードするcDNAを、pDEST10中に、N末端ヘキサヒスチジン融合タンパク質としてクローニングし、Bac-to-BacTMバキュロウイルス発現系(Invitrogen)を用いて組み換えバキュロウイルスを作製した。HDAC6および8を、N末端にヒスチジン標識された(His-tagged)全長タンパク質としてクローニングした。全てのHDACタンパク質を、昆虫Sf−9細胞(Spodoptera frugiperdai)において、組み換えバキュロウイルスで感染させることにより発現させた。HDAC1酵素をQ−セファロースFFカラム(Amersham Pharmacia Biotech、Baie d’Urfe QC、Canada)から精製し、その後、抗FLAGイムノアフィニティーカラム(Sigma)により精製した。HDAC2、3および11は、Flag抗体イムノアフィニティー精製を用いて精製した。HDAC4、5、6、7および8は、Ni-NTA樹脂(QIAGEN Mississauga ON、Canada)またはHis-Select樹脂(Sigma)のいずれかを用いて、25mMのTris(またはNaPO4)pH8.0、10%グリセロールおよび150mMまたは500mMのNaClを含む緩衝液中の異なる濃度のイミダゾルを用いた段階的洗浄および溶離により精製した。
【0171】
例2
組み換えHDAC酵素を用いる蛍光に基づくHDAC酵素アッセイ
組み換えHDAC酵素を、希釈した化合物と共に、アッセイ緩衝液(25mM Hepes、pH8.0、137mM NaCl、1mM MgCl2、および2.7mM KCl)中で、10分間室温で、黒色の96ウェルプレート中でインキュベートした。Bachem Biosciences Inc.,(King of Prussia、Philadelphia)から購入したBoc-Lys(Ac)-AMC(HDAC1、2、3、6および8の酵素について)を、酵素−化合物混合物に添加し、37℃でインキュベートした。HDAC4、5、7のアッセイについて、社内で合成されたBoc-Lys(TFA)-AMCを基質として用い、0.1% BSAを緩衝液に添加した。基質の最終濃度は、各アイソタイプ酵素のKi(70uM〜200uM)に対して2倍であった。反応がインキュベーション時間に対して確実に線形的となるように、反応時間を予め決定した。アッセイ緩衝液中の新たに調製されたトリプシン(1mg/ml最終濃度)ならびに1μMのTSA(Biomol)を添加することにより、反応を停止した。30分後に、蛍光光度計(SPECTRAMAX GeminiXS、Molecular Devices、Sunnylvale、California)を用いて蛍光を測定した。用量応答阻害曲線を分析することにより、阻害剤についての50%阻害濃度(IC50)を決定した。
【0172】
例3
H3およびチューブリンアセチル化についての細胞に基づくELISA
膀胱癌T24細胞を、透明な底部を有する黒色プレート(Costar#3603)中に、プレート当たり1×104細胞で、ウェル当たり100μlの容積において播種し、1日間37℃でCO2インキュベーター中で静置した。細胞を、16時間、多様な濃度のHDAC阻害剤で処理した。処理の終了の3時間前に、細胞生存率をモニタリングするために、使用説明書に従って、Alamar Blue(BioSource)を添加した。処理時間の終了時に、Alamar BlueのODを(570nmおよび600nmで)記録し、その後、細胞をPBS中で注意深く洗浄し、予冷したメタノール中で10分間−20℃で固定し、PBS中で再度2回洗浄し、0.1%のTriton X-100および1%のBSAを含むPBS中で少なくとも30分間ブロッキングした。H3のアセチル化について、ウサギ抗アセチル−H3(Upstate#06-599)を一次抗体として1:1000の希釈率で45分間用いた;二次抗体はHRP共役ヤギ抗ウサギ(Sigma#A-0545)であり、1:8000で45分間用いた。チューブリンのアセチル化について、一次抗体はマウス抗アセチル−チューブリン(Sigma#T-6793、1:2000、45分)であり、一方、二次抗体はHRP共役ヤギ抗マウス抗体(Sigma#A-2304、1:8000、45分)であった。全ての抗体をブロッキング緩衝液中で希釈し、各抗体インキュベーションの後で細胞をブロッキング液中で洗浄した。最後の洗浄の後で、結合したHRP共役抗体を、使用説明書に従ってAmplex-Red(Invitrogen)で示した。アセチル化についての蛍光シグナルを、Alamar Blueから得られた生存率データで割ることにより正規化した。基底(未処理)レベルとHDACのパンインヒビター(pan-inhibitor)であるNVP-LAQ-824の高用量により生じる最大レベルとの間の半分のシグナルを生じる化合物の濃度として、EC50を定義した。
【0173】
例4
ヒト前立腺癌Du145細胞における化合物AおよびSAHAによるin vitroでのVEGFおよび血管新生因子bFGFの転写の減少
ヒト前立腺癌Du145細胞を、化合物AまたはSAHA(3μM)に24時間暴露した。全RNAをIsogen(Nippongene、Tokyo、Japan)により回収し、ExScript(登録商標)RT試薬キット(TAKARA、Kyoto、Japan)によりcDNAに逆転写した。bFGFのmRNAの発現レベルを、ABI7700アナライザーにより、プローブ/プライマー混合済み試薬(ABI、カタログ番号Hs00266645_m1、CA、USA)およびTaqMan(登録商標)Universal PCR Master Mix(ABI、カタログ番号4304437)をABIのプロトコルに記載されるように用いて検出した。VEGFのmRNAの発現レベルを、適切なプローブ/プライマー試薬を用いて、同様の様式において検出した。
【0174】
例4a
ヒト前立腺癌Du145細胞、ヒトH460非小細胞肺癌細胞およびヒトA549非小細胞肺癌細胞における化合物AまたはSAHAによるin vitroでの血管新生因子TSP−1の転写の誘導
細胞を、化合物AまたはSAHA(3μM)に24時間暴露した。全RNAをIsogen(Nippongene、Tokyo、Japan)により回収し、ExScript(登録商標)RT試薬キット(TAKARA、Kyoto、Japan)によりcDNAに逆転写した。TSP−1のmRNAの発現レベルを、ABI7700アナライザーにより、プローブ/プライマー混合済み試薬(ABI、カタログ番号 、CA、USA)およびTaqMan(登録商標)Universal PCR Master Mix(ABI、カタログ番号4304437)をABIのプロトコルに記載されるように用いて検出した。
【0175】
例4b
マイクロアレイ分析を用いた大腸腺腫HCT15細胞における化合物Aによる抗血管新生遺伝子の転写の誘導
ヒト大腸癌HCT15細胞を、24時間1μMの化合物Aで処理した。マイクロアレイ遺伝子分析:全RNAをRNeasy Miniキット(Qiagen)を用いて抽出した。RNA標識、マイクロアレイハイブリダイゼーション、スキャンおよび分析は、Genotypics(India)により行われた。RNAをCy3またはCy5のいずれかにより、Agilentの至適化標識キットを用いて標識し、ヒト全ゲノム44Kオリゴマイクロアレイにハイブリダイズした。アレイチップはAgilent(Palo Alto、California)に注文した。スライドをAgilent製DNAマイクロアレイスキャナーを用いてスキャンし、生データをAgilentの画像分析ツール(feature extractionソフトウェア)を用いて抽出した。正規化および統計学的分析は、GeneSpringソフトウェアを用いて行った。生物学的分析を、Biointerpreterソフトウェアを用いて行った。
【0176】
マイクロアレイ分析により、化合物Aが、血管新生経路のいくつかの遺伝子に影響を及ぼすことが明らかとなった。図4aは、抗血管新生機能を有する選択された遺伝子のリストを示す。数字は、未処理の試料と比較した、処理された試料の誘導の倍率を示す(3個の生物学的複製の平均±標準偏差)。
【0177】
例5
ヒト多細胞血管新生モデルにおける化合物Aのin vitroでの抗血管新生効果
化合物Aの抗血管新生効果を、ヒト多細胞血管新生モデルであるAngioKit(TCS Cellworks製、Buckingham、U.K.)を用いてin vitroで分析した。共培養されたヒト内皮細胞を含むAngioKitは、TCS Cellworks(Bukingham、UK)により調製された。簡単に述べると、24ウェルプレートに細胞を第0日に播種し、培地を第3、4、7、10および12日に交換した。化合物Aを適切な希釈率(30、100および300nM)で、第4、7、10および12日の培地交換に含めた。「未処理」の対照ウェル、ならびにDMSO(0.05%)、DMSOおよび20μMスラミン(陰性対照)、DMSOおよび2ng/mlのVEGF(陽性対照)を含むウェルを、各プレートに含めた。全てのAngioKitを、次いで、第14日に、標準的なAngioKit の手順に従ってCD31染色キットを用いて、固定し、染色した。細管発達の比較は、AngioKitを使用して作製された画像の分析のために特に開発された「AngioSys」画像分析システムを用いて行った。各ウェル中の予め決定された位置から取得した4個の画像を記録した。したがって、試験化合物の各々の濃度から、分析のための4個の画像を各2枚ずつ得た。画像は、常に、各四分円の中心の可能な限り近くから取得した。4つの細管パラメーター:細管の全長、細管の全面積、分枝点の数および形成された細管の数を測定した。全ての統計学的分析を、BIOSOFT Ltd.製のStat 100プログラムを用いて行い、試験化合物と未処理の対照の値との間の差異を測定するためにANOVAおよびDuncanの多重比較検定を用いた。アルファは、他に必要とされない限りは、常に0.05とした。
【0178】
例6
in vivoで化合物Aおよび化合物Bで処理されたマウスから異種移植されたH460腫瘍由来のマウス間質細胞における抗血管新生因子TSP−1の誘導
H460腫瘍を移植したオスBALBc/Aヌードマウス(Japan Crea Inc., Japanから)を、ビヒクル(0.5% HPMC)または化合物A(100mg/kg)または化合物B(40mg/kg)のいずれかで、週3回処理した。各群は、3個体のマウスを含む。第1週の終わりの、最後の投与の6時間後に腫瘍組織を収集した。TSP−1のmRNAの発現レベルを、ABI7700アナライザーにより、プローブ/プライマー混合済み試薬(ABI、カタログ番号Mm01335418_m1)およびTaqMan(登録商標)Universal PCR Master Mix(ABI、カタログ番号4304437)をABIのプロトコルに記載されるとおり用いて検出した。
【0179】
例7
組み換えTSP−1は、in vitroでのマウス内皮細胞に対するタキソールのアポトーシス促進効果を増強する
マウス内皮MS−1細胞を、96ウェルプレート中に播種し、5%CO2インキュベーター内で24時間インキュベートした。多様な濃度のタキソールを、細胞培養中に添加し、6時間後、培地を、組み換えTSP1(10ug/ml)を含むがタキソールを含まない新しい培地で交換した。72時間のインキュベーションの後で、クリスタルバイオレット染色により増殖阻害効果を決定した。
【0180】
例8
in vitroで化合物Aまたは化合物Bで処理されたヒト癌HCT15癌細胞のマイクロアレイ遺伝子発現分析
ヒト大腸癌HCT15細胞を、化合物Aまたは化合物Bまたは化合物Dで24時間in vitroで処理した。全RNAを抽出し、Agilent 2100バイオアナライザーおよびAgilentのRNA Labchipキットを用いてRNA品質分析を行った。RNAを、Cy3またはCy5のいずれかで、Agilentの至適化標識キットを用いて標識し、ヒト全ゲノム44Kオリゴマイクロアレイ(Agilent、Palo Alto、California)にハイブリダイズさせた。スライドを、Agilent製のDNAマイクロアレイスキャナーを用いてスキャンし、生データをAgilentの画像分析ツール(feature extractionソフトウェア)を用いて抽出した。正規化および統計学的分析は、GeneSpringソフトウェアを用いて行った。生物学的分析は、Biointerpreterソフトウェアを用いて行った。
【0181】
例9
リアルタイムRT-PCRにより分析された、化合物A、化合物B、化合物C、化合物DまたはSAHAで処理されたヒト癌細胞におけるMT3のin vitroでの転写誘導
ヒト癌である大腸癌HCT15細胞、白血病Jurkat-T細胞およびリンパ腫RPMI-8226細胞を、多様な濃度の化合物A、化合物B、または化合物Aの不活性なアナログ(化合物C)、または化合物D、またはSAHAで、24時間in vitroで処理した。全RNAを、細胞ペレットまたは腫瘍から、QiaShredderおよびRNeasy miniキット(Qiagen)を用いて抽出した。1μgのRNAを、Expand RT酵素(Roche)およびOligo(dT)プライマー(Invitrogen)を用いて、20μlの反応容積においてcDNAに転換した。定量的リアルタイムPCRについて、MT3のために使用されたプライマーは5’CCC TGC GGA GTG TGA GAA GT 3’および5’TGC TTC TGC CTC AGC TGC CT 3’であり、β−アクチンのためのものは、5’CTC TTC CAG CCT TCC TTC CT 3’および5’AGC ACT GTG TTG GCG TAC AG 3’であった。いずれのプライマーのペアによる反応も、63.4℃のアニーリング温度を含んだ。全てのリアルタイムPCR反応を、MasterCycler ep Realplex(Eppendorf)で、FastStart SYBRGreen Master(Roche)を用いて行った。
【0182】
例10
化合物Aによって経口で処理されたマウスにおける、移植されたH460腫瘍におけるMT3のin vivoでの転写誘導
H460腫瘍を移植したオスBALBc/Aヌードマウス(Japan Crea Inc., Japanから)を、ビヒクル(0.5% HPMC)または100mg/kgの化合物A(2HBr塩)で単回投与として処理した。薬物投与の6時間または24時間後に、マウスを安楽死させ、腫瘍を摘出してRNAlater(Ambion、Austin、Texas)中に入れ、QiaShredderおよびRNeasy miniキット(Qiagen)を用いてRNAを抽出するまで−70℃で保存した。MT3の転写レベルを決定するためのリアルタイムRT−PCRのために、1μgのRNAをExpand RT酵素(Roche)およびOligo(dT)プライマー(Invitrogen)を用いて、20μlの反応容積においてcDNAに転換した。定量的リアルタイムPCRのために、MT3のために使用されたプライマーは5’CCC TGC GGA GTG TGA GAA GT 3’および5’TGC TTC TGC CTC AGC TGC CT 3’であり、β−アクチンのためのものは5’CTC TTC CAG CCT TCC TTC CT 3’および5’AGC ACT GTG TTG GCG TAC AG 3’であった。いずれのプライマーのペアによる反応も、63.4℃のアニーリング温度を含んだ。全てのリアルタイムPCR反応を、MasterCycler ep Realplex(Eppendorf)で、FastStart SYBRGreen Master(Roche)を用いて行った。
【0183】
例11
MT3を過剰発現するヒト大腸癌HCT15クローンの作製
MT3を過剰発現するクローンを得るために、大腸腺腫HCT15細胞(ATCC)を、MT3を発現するpCMV6-XL5ベクター(Origene)で、ジェネティシン(Gibco)に対する耐性を付与するpcDNA3.1プラスミドとともに、6時間リポフェクチンによりトランスフェクトした。400μMのジェネティシンによる選択を、48時間後に開始し、コロニーを形成させた。19日間の選択の後に、個々の、十分に単離されたクローンをピックアップした。別個のプレートからいくつかの独立したクローンを選択した。HCT15細胞をpcDNA3.1のみでトランスフェクトすることにより、対照クローンを得た。
【0184】
例12
MT3を過剰発現させることによるヒト癌HCT15細胞におけるアポトーシスの誘導
ヒト大腸癌HCT15のMT3を過剰発現するクローンを、「Cell Death ELISA Plus」キット(Roche、カタログ番号1774425)を用いて細胞質のオリゴヌクレオソーム放出の量を測定することにより、アポトーシスの誘導について分析した。典型的には、2×104細胞を96ウェルプレートの各ウェルに播種して、1日間静置した。多様な濃度の化合物による16時間の処理の後で、使用説明書に従ってアポトーシスを評価した。
【0185】
例13
MT3を過剰発現させることによるヒトHCT15癌細胞における足場非依存性増殖の阻害
MT3を過剰発現する安定したクローンまたはベクター対照からの細胞を、トリプシン処理し、計数して、次いで懸濁物として、2枚の栄養層(10%FBSを足した1×Iscove培地中0.6%のアガー)の間に挟まれたソフトアガー層(20%のFBSを含む1×Iscove補充培地中0.26%のアガー)中に播種した。2週間後、コロニーをマニュアルで計数した。
【0186】
例14
MT3を過剰発現するヒト癌HCT15細胞のタキサン化合物に対するin vitroでの感受性
MT3を過剰発現する細胞またはベクター対照細胞を、化学薬剤(chemoagent)に対するそれらの感受性についてMTTによりアッセイした。細胞を試験化合物とともに、96ウェルフォーマットにおいて72時間37℃で5%のCO2インキュベーター中でインキュベートし、次いで、MTT(3−[4,5−ジメチルチアゾル−2−イル]−2,5ジフェニルテトラゾリウムブロミド、Sigma)を4時間にわたり添加して、可溶化した色素をその後OD(570−630nm)により定量した。関連する細胞株の標準的な増殖曲線に従って、測定値を細胞数に転換した。細胞数を、溶媒で処理された細胞の細胞数の50%まで減少させる濃度を、MTT IC50として定義した。
【0187】
例15
移植されたヒトの肺、前立腺および胃の腫瘍を有するヌードマウスにおけるin vivoでの化合物A、化合物BまたはSAHAの経口投与によるタキソールの抗腫瘍活性の増強
抗腫瘍研究を、オスBALBc/Aヌードマウス(Japan Crea Inc., Japanから)におけるトH460非小細胞肺癌、Du145前立腺癌、TSU-Pr1前立腺癌、およびAZ521胃癌の異種移植モデルを用いて行った。オスのヌードマウスは、8〜10週齢で用いた。ヒト癌細胞を、動物の側腹部において皮下注射し、固形腫瘍を形成させた。腫瘍フラグメント(約2mm3のフラグメント)を、次いで取り除き、他の動物の右側腹部に小さな外科的切開を通して皮下移植した。腫瘍サイズが100〜200mm3に達した場合、レシピエント動物を、ビヒクル(0.5% HPMC、ヒドロキシプロポキシメチルセルロース)、化合物A(0.1N HCl中に溶解した2HBr塩)、化合物B(0.5% HPM、ヒドロキシプロポキシメチルセルロース中に懸濁)、もしくはSAHAで、経口投与により、またはタキソールで静脈内注射により、またはタキソールと、化合物A、化合物BもしくはSAHAの経口投与との組合せにより処理した。典型的には、タキソールは、週1回、週の第1日の朝に静脈内注射により投与し、一方、化合物A、化合物BまたはSAHAは、週3回、第1日、第3日および第5日に投与した。腫瘍体積および動物の総体重を、週2回、AZ-521およびTSU-Pr1異種移植については2週間まで、H460およびDu145異種移植については4週間までモニタリングした。各実験群は、6個体の動物を含んでいた。
【0188】
例16
移植されたヒト肺癌を有するヌードマウスにおけるin vivoでの静脈内−静脈内の組合せによる化合物Aによるタキソールの抗腫瘍活性の増強
抗腫瘍研究は、オスBALBc/Aヌードマウス(Japan Crea Inc., Japanから)におけるヒトH460非小細胞肺癌異種移植モデルを用いて行った。オスのヌードマウスは、8〜10週齢で用いた。ヒト癌細胞を、動物の側腹部において皮下注射し、固形腫瘍を形成させた。腫瘍フラグメント(約2mm3のフラグメント)を、次いで取り除き、他の動物の右側腹部に皮下移植した。腫瘍サイズが100〜200mm3に達した時点で、レシピエント動物を、ビヒクル(水中2.5%のDMSO、7.5%のTween 80)、化合物A(2HBr塩、40mg/kg)もしくはタキソール(60mg/kg)または化合物Aとタキソールとの組合せの静脈内への1回の注射により、第1日に処理した。腫瘍体積および動物の総体重を、週2回15日間までモニタリングした。各実験群は、6個体の動物を含んでいた。
【0189】
例17
移植されたヒト肺癌を有するヌードマウスにおけるin vivoでの化合物Aによるタキソテールの抗腫瘍活性の増強
抗腫瘍研究は、オスBALBc/Aヌードマウス(Japan Crea Inc., Japanから)におけるヒトH460非小細胞肺癌異種移植モデルを用いて行った。オスのヌードマウスを、8〜10週齢で用いた。ヒト癌細胞を、動物の側腹部において皮下注射し、固形腫瘍を形成させた。腫瘍フラグメント(約2mm3のフラグメント)を、次いで取り除き、他の動物の右側腹部に皮下移植した。腫瘍サイズが100〜200mm3に達した時点で、レシピエント動物を、ビヒクル(0.5% HPMC、ヒドロキシプロポキシメチルセルロース)、化合物A(2HBr塩)で経口投与により、またはタキソテールで静脈内注射により、またはタキソテールと化合物Aの経口投与との組合せにより処理した。典型的には、タキソテールは、1回量として静脈内注射により第1日(スケジュールA)または第8日(スケジュールB)に投与し、一方、化合物Aは、週3回3週間投与した。腫瘍体積および動物の総体重を、週2回3週間までモニタリングした。各実験群は、6個体の動物を含んでいた。
【0190】
例18
ヒトAZ521胃癌を有するヌードマウスにおけるin vivoでの化合物Dによるタキソールの抗腫瘍活性の増強
抗腫瘍研究を、オスBALBc/Aヌードマウス(Japan Crea Inc., Japanから)におけるヒトAZ521胃癌異種移植モデルを用いて行った。オスのヌードマウスを、8〜10週齢で用いた。ヒト癌細胞を、動物の側腹部において皮下注射し、固形腫瘍を形成させた。腫瘍フラグメント(約2mm3のフラグメント)を、次いで取り除き、他の動物の右側腹部に皮下移植した。腫瘍サイズが100〜200mm3に達した時点で、レシピエント動物を、経口投与による化合物D(40mg/kg、0.5% HPMCで懸濁)のみ、または静脈内注射によるタキソール(20mg/kg)、またはタキソールと化合物Dの経口投与との組合せにより処理した。典型的には、タキソールを週1回静脈内注射により最初の日に単回投与として投与し、一方、化合物Dは、1日1回14日間投与した。腫瘍体積および動物の総体重を、週2回2週間までモニタリングした。各実験群は6個体の動物を含んでいた。
【0191】
例19
ヒト前立腺Du145癌を有するヌードマウスにおける、in vivoでの化合物D、E、F、G、Hとタキソールとによる、タキソールの抗腫瘍活性の増強
抗腫瘍研究を、オスBALBc/Aヌードマウス(Japan Crea Inc., Japanから)におけるヒトDu145前立腺癌異種移植モデルを用いて行った。オスのヌードマウスを、8〜10週齢で用いた。ヒト癌細胞を、動物の側腹部において皮下注射し、固形腫瘍を形成させた。腫瘍フラグメント(約2mm3のフラグメント)を、次いで取り除き、他の動物の右側腹部に皮下移植した。腫瘍サイズが100〜200mm3に達した時点で、レシピエント動物を、経口投与による化合物D、化合物E、化合物F、化合物Gまたは化合物H(0.5% HPMCで懸濁)のみ、または静脈注射によるタキソール(60mg/kg)により、またはタキソールと化合物D、化合物E、化合物F、化合物G、化合物Hの経口投与との組合せにより処理した。典型的には、タキソールを週1回静脈内注射により最初の日に単回投与として投与し、一方、化合物D、化合物E、化合物F、化合物G、または化合物Hを、1日1回14日間投与した。腫瘍体積および動物の総体重を、週2回2週間までモニタリングした。各実験群は、少なくとも6個体の動物を含んでいた。
【0192】
本発明は、その具体的な態様と関連づけて記載されてきたが、さらなる改変が可能であること、ならびに、本願が、総じて本発明の原則に従う本発明のあらゆるバリエーション、使用または適用を包含することを意図され、本発明が関連する分野における公知のまたは習慣的な実施の範囲内に入るような、および本明細書において上に記載される必須の特徴に適用され得るような、および添付の請求の範囲における以下のもののような本開示からの解離を含むことが理解される。
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2007年9月14日に出願された米国仮出願第60/972,353号および2008年4月10日に出願された米国仮出願第61/043,957号の利益を主張する。上記の出願の全教示は、本明細書において参考として援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、異常な細胞成長(growth)および/または異常な細胞増殖(proliferation)により示される哺乳動物の疾患の処置に関する。さらにとりわけ、本発明は、異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を制御するための組合せ治療の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の概要
ヒストンデアセチラーゼは、哺乳動物細胞における遺伝子調節において重要な役割を果たす。Gray and Ekstrom, Expr. Cell. Res. 262: 75-83 (2001); Zhou et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98: 10572-10577 (2001); Kao et al. J. Biol. Chem. 277: 187-193 (2002)およびGao et al. J. Biol. Chem. 277: 25748-25755 (2002)は、11のヒストンデアセチラーゼ(HDAC)ファミリーのメンバーが存在することを教示する。
【0004】
HDACの転写における役割およびその疾患との関連は、最近になって調査されている。Minnucci et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 11295-11300 (1997); Hassig et al., Chem. Biol. 4: 783-789 (1998); Grignani et al., Nature 391: 815-818 (1998)およびSiddique et al., Oncogene 16: 2283-2285 (1998)は、HDACの阻害剤が、多様なヒトの疾患における転写治療に有用であり得ることを示唆する。米国特許出願公開2006/0058298は、多様なヒストンデアセチラーゼ阻害剤と、それらの使用のための方法を開示する。
【0005】
SAHA、TSAまたはNVP−LAQ824などのヒストンデアセチラーゼの非選択的阻害剤は、クラスIのデアセチラーゼ(HDAC1、2、3、8)の阻害剤であるのみならず、クラスII(HDAC6など)の阻害剤である。HDAC6の阻害は、微小管の安定性を変化させることができるプロセスであるチューブリンのアセチル化をもたらす。Matsuyama et al., The EMBO Journal 21: 6820-6831 (2002)は、HDAC6が微小管の安定性において重要な調節的役割を果たすことを教示する。
タキサンは、一般的に用いられる化学療法剤である。タキサンは、重合したチューブリンと相互作用して微小管の安定化を引き起こし、その結果、細胞は紡錘体を分離することができなくなり、有糸分裂の停止またはアポトーシスが起こる。
【発明の概要】
【0006】
発明の簡単な要旨
本発明は、異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖により示される疾患の治療的処理への新規のアプローチを提供する。本発明者らは、驚くべきことに、ヒストンデアセチラーゼ1、2および/または3(HDAC1〜3)のアイソタイプ選択的阻害剤、ならびにHDAC1および/またはHDAC2のアイソタイプ選択的阻害剤が、タキサン化合物などの微小管安定化剤の治療活性を著しく促進することをを発見した。
【0007】
第1の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0008】
第2の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0009】
第3の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、細胞におけるメタロチオネイン3(MT3)の発現を上方調節すること、および/または細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0010】
第4の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、TSP1受容体のアゴニストを、微小管を安定化させる化合物と組み合わせて投与することを含む。
【0011】
第5の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0012】
第6の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、細胞におけるメタロチオネイン3(MT3)発現の作動薬(agonist)、および/または細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)発現の作動薬(agonist)を投与することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0013】
第7の側面において、本発明は、血管新生を阻害するための方法を提供し、該方法は、哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。
第8の側面において、本発明は、細胞において抗血管新生因子の発現を誘導するための方法を提供し、該方法は、細胞に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。
【0014】
第9の側面において、本発明は、細胞において血管新生因子の発現を阻害するための方法を提供し、該方法は、細胞に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。
第10の側面において、本発明は、患者において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を制御するための方法を提供し、該方法は、患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0015】
第11の側面において、本発明は、患者において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を制御するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0016】
第12の側面において、本発明は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤、好ましくはHDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤の、微小管を安定化させる化合物と組み合わせての、患者における異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための医薬あるいは癌を処置するための医薬の製造のための使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】図1は、ヒト膀胱癌T24細胞において、in vitroで、化合物Aにより用量依存的なヒストンH3のアセチル化(A)が誘導されるが、チューブリンのアセチル化(B)は誘導されないことを示す。SAHAおよびNVP−LAQ824のヒストンH3およびチューブリンのアセチル化に対する非選択的効果もまた示される。アセチル化は、ELISAを用いて決定した。
【図1B】図1は、ヒト膀胱癌T24細胞においてin vitroで、化合物Aにより用量依存的なヒストンH3のアセチル化(A)が誘導されるが、チューブリンのアセチル化(B)は誘導されないことを示す。SAHAおよびNVP−LAQ824のヒストンH3およびチューブリンのアセチル化に対する非選択的効果もまた示される。アセチル化は、ELISAを用いて決定した。
【0018】
【図2】図2は、ヒト前立腺癌Du145細胞において、化合物AによるbFGF転写の阻害が、SAHAによるものより、いずれも3μMでの24時間の処理の後で、より劇的であることを示す。
【図3】図3は、共培養されたヒト内皮細胞において、化合物Aが用量依存的な様式で細管の長さを阻害することを示す。
【0019】
【図4】図4は、化合物A(100mg/kg)および化合物B(40mg/kg)で5回の繰り返しの経口投与の用量により処理されたマウスから移植されたH460腫瘍中のマウス間質細胞におけるTSP−1転写の誘導を示す。各処理群から3個の腫瘍を採取し、cDNAアレイにより分析し、平均値を示す。
【図4A】図4Aは、化合物Aによる大腸腺癌HCT15における抗血管新生遺伝子の転写の誘導をマイクロアレイ分析を用いて示す。結果は、処理されていないサンプルと比較した、処理されたサンプルにおける誘導の倍率を示す(3個の生物学的複製の平均±標準偏差)。
【0020】
【図5】図5は、培養中の組み換えTSP−1(10μg/ml)の存在下または不在下におけるマウス内皮細胞(MS−1)の増殖応答曲線を示す。
【図6】図6は、ヒト癌HCT15における、in vitroでの、化合物AおよびBによるTSP−1(THBS1)の転写の誘導を、マイクロアレイ分析により示す。
【0021】
【図7】図7は、ヒト大腸癌HCT15細胞における、1ugの化合物A、SAHA、化合物Bまたは化合物CによるMT3転写の誘導を示す。化合物AはSAHAよりもはるかに強力にMT3転写を誘導する。化合物がMT3の発現を誘導する能力は、HDAC阻害に依存する。
【図8】図8は、ヒト大腸癌HCT15細胞における、1ugの化合物DによるMT3転写の誘導を、マイクロアレイ分析により示す。
【0022】
【図9】図9は、in vitroでの、化合物AによるヒトT細胞白血病Jurkat-T細胞、およびヒト骨髄腫RPMI-8226細胞における、MT3転写の用量依存的誘導を、リアルタイムRT−PCRを用いて示す。細胞を、多様な用量の化合物Aで24時間処理し、その後、RNAを抽出して分析した。
【図10】図10は、in vivoでの、1回量の化合物A(100mg/kg、経口)で処理されたマウスにおける移植されたH460腫瘍におけるMT3転写の誘導を示す。MT3の転写を、リアルタイムRT−PCRにより分析した。
【0023】
【図11】図11(A)は、空のベクターでトランスフェクトされたヒト癌HCT15細胞(対照)およびMT3発現ベクターで安定にトランスフェクトされたヒト癌HCT15細胞の3個のクローン(クローン番号3−1、4−4、5−4)におけるMT3の相対的転写レベルを、リアルタイムRT−PCRを用いて示す。(B)は、HCT15細胞の3個のクローンならびに対照HCT15細胞の増殖曲線を示す。(C)は、ELISAによりモニタリングされた3個のクローンおよび対照HCT15細胞のアポトーシスを示す。(D)は、MT3の過剰発現が、MT3を過剰発現するHCT15大腸癌細胞クローンのソフトアガー中での足場非依存的増殖を阻害することを示す。
【0024】
【図12】図12は、空のベクター(HCT15−対照)またはMT3発現ベクター(クローン番号5−4)のいずれかで安定にトランスフェクトしたヒト大腸癌HCT15細胞における1群の細胞傷害剤のIC50(μM)を示す。MT3の過剰発現は、HCT15癌細胞をタキソテールとタキソールの両方に対して特異的に感作したが、他の薬剤に対しては感作しなかった。
【0025】
【図13】図13は、ヒト非小細胞肺H460腫瘍を有するヌードマウスの、化合物A(25mg/kg)単独での経口投与、タキソール(TXL、60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージ(B)を示す。組合せ治療のスケジュールを、(C)に記載する。化合物Aを毎週3回(各週における第1日、第3日および第5日)投与し、一方、タキソールを2週間毎に1回(第1日および第15日)投与した。実験を29日後に停止した。
【0026】
【図14】図14は、ヒト非小細胞肺H460腫瘍を有するヌードマウスの、化合物B(10mg/kg)単独での経口投与、タキソール(60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージ(B)を示す。組合せ治療のスケジュールを、図14Cに記載する。
【0027】
【図15】図15は、ヒト前立腺癌Du145腫瘍を有するヌードマウスの、50mg/kgでの化合物A(A)または20mg/kgでの化合物B(B)での経口投与による、タキソール(60mg/kg、静脈内)と組み合わせたin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積を示す。処理されたマウスの腫瘍の重量を(C)に示す。組合せ治療のスケジュールを図13Cに記載する。
【0028】
【図16】図16は、ヒトAZ521胃癌を有するヌードマウスの、化合物A(150mg/kg)単独での経口投与、タキソール(20mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージ(B)を示す。組合せのスケジュールを(C)に示す。
【0029】
【図17】図17は、ヒトTSU−Pr1前立腺腫瘍を有するヌードマウスの、化合物A(25mg/kg)単独での経口投与、タキソール(60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージ(B)を示す。組合せのスケジュールを(C)に示し、ここで、タキソールを、第1日に投与し、化合物Aを毎週3回2週間にわたり投与した。
【0030】
【図18】図18は、ヒト非小細胞肺H460腫瘍を有するヌードマウスの、化合物A(40mg/kg、静脈内)単独、タキソール(60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージ(B)を示す。(C)に示すとおり、両方の薬物を、1回量として第1日に用い、実験を第15日に終了した。
【0031】
【図19】図19は、ヒト非小細胞肺H460腫瘍を有するヌードマウスの、化合物A(30mg/kg)単独での経口投与、タキソテール(TXT、静脈内、30mg/kg)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージ(B)を示す。(C)に示すとおり、化合物Aは、週3回3週間にわたり投与し、タキソテールは、実験の開始時に1回投与した。
【0032】
【図20】図20は、ヒト非小細胞肺H460腫瘍を有するヌードマウスの、化合物A(100mg/kg)単独での経口投与、タキソテール(TXT、静脈内、30mg/kg)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージ(B)を示す。(C)に示されるとおり、化合物Aは週3回3週間にわたり投与し、一方、タキソテールは第8日に1回投与した。
【0033】
【図21】図21は、ヒトAZ521胃癌を有するヌードマウスの、化合物D(40mg/kg)単独での経口投与、タキソール(TXL、20mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)を示す。組合せのスケジュールを(B)に示し、ここで、化合物Dを1日1回14日間投与し、タキソールを単回投与として第1日に投与した。
【0034】
【図22】図22は、ヒトDu145前立腺腫瘍を有するヌードマウスの、化合物D(10mg/kg、20mg/kg、または40mg/kg)単独での経口投与、タキソール(60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の重量を示す。化合物Dを、1日1回14日間投与し、タキソールを単回投与として第1日に投与した。
【0035】
【図23】図23は、ヒトH460非小細胞肺腫瘍を有するヌードマウスの、化合物E(40mg/kgまたは80mg/kg)単独での経口投与、タキソール(TXL、60mg/kg、静脈内)または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積(A)および体重変化のパーセンテージを示す。化合物Eを1日1回14日間投与し、タキソールを単回投与として第1日に投与した。
【0036】
【図24】図24は、ヒトDu145前立腺腫瘍を有するヌードマウスの、20mg/kg、40mg/kgもしくは80mg/kgでの化合物F単独での経口投与、タキソール(TXL、60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積を示す。化合物Fを、1日1回14日間投与し、タキソールを単回投与として第1日に投与した。
【0037】
【図25】図25は、ヒトDu145前立腺腫瘍を有するヌードマウスの、20mg/kg、40mg/kgもしくは80mg/kgでの化合物F単独での経口投与、タキソール(TXL、60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによる(図24における)in vivoでの処理の後における、体重の変化のパーセンテージを示す。化合物Fを、1日1回14日間投与し、タキソールを単回投与として第1日に投与した。
【0038】
【図26】図26は、ヒトDu145前立腺腫瘍を有するヌードマウスの、化合物Gまたは化合物H単独での経口投与、タキソール(TXL、60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、腫瘍の容積を示す。(A)および(C)は、化合物Gの組合せ研究を示す。(B)および(D)は、化合物Hの組合せ研究を示す。化合物HまたはGは、1日1回14日間投与し、タキソールを単回投与として第1日に投与した。
【0039】
【図27】図27は、ヒトDu145前立腺腫瘍を有するヌードマウスの、化合物Gまたは化合物H単独での経口投与、タキソール(TXL、60mg/kg、静脈内)単独、または2剤の組合せによるin vivoでの処理の後における、体重変化のパーセンテージを示す。(A)および(C)は、化合物Gの組合せ研究を示す。(B)および(D)は、化合物Hの組合せ研究を示す。化合物HまたはGは、1日1回14日間投与し、タキソールを単回投与として第1日に投与した。
【図28】図28は、ヒトトロンボスポンジン−1前駆体のアミノ酸配列(アクセッション番号P07996)を示す。
【0040】
【図29】図29は、化合物AのタキサンのH460(NSCLC)異種移植片に対する抗腫瘍効果の増強(化合物A(100mg/kg)単独での経口投与、タキソール(静脈内、60mg/kg)単独、および2剤の組合せによるin vivoでの処理による、腫瘍容積の退縮)を示す。化合物Aを週3回投与し(経口)、タキソールを第1日に投与した(静脈内)。
【0041】
【図30】図30は、化合物A(100mg/kg)またはSAHA(120mg/kg)とタキソール(60mg/kg)とを用いる組合せ治療による、H460(NSCLC)異種移植片の腫瘍の退縮を示す。化合物Aを週3回投与し(経口)、タキソールを第1日に投与した(静脈内)。
【図31】図31は、癌細胞における化合物Aによる処理の後での経時的なTSP−1発現の誘導を示す。
【0042】
【図32】図32は、化合物Aによる処理の24時間後におけるDU145細胞におけるin vitroでのVEGFおよびbFGFの発現の抑制を示す。
【図33】図33は、化合物A(150mg/kg、経口、qdx3)による処理の後での、A549(NSCLC)異種移植片におけるVEGFおよびbFGFの発現の抑制を示す。
【図34】図34は、血管新生および細胞傷害性に対する相乗的な調節が、化合物Aとタキサンとの組合せの効力に関与していることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
好ましい態様の詳細な説明
異常な細胞増殖により示される疾患の制御を目的とする多様な治療剤による処理に対して、異常な増殖性を呈する細胞の感受性を制御する経路を同定することが必要である。
【0044】
本発明は、異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖により示される疾患の治療的処理のための新規のアプローチを提供する。特に、本発明は、癌の治療的処理のための新規のアプローチを提供する。本発明者らは、驚くべきことに、ヒストンデアセチラーゼ1、2および/または3(HDAC1〜3)のアイソタイプ選択的阻害剤、ならびにHDAC1および/またはHDAC2のアイソタイプ選択的阻害剤が、タキサン化合物などの微小管安定化剤の活性を増強することを発見した。HDAC阻害剤は、多数の疾患および障害に対して、in vitroとin vivoとの両方において広範な用途を有することが示されている。例えば、Pan, L, et al., HDAC Inhibitors: A Potential New Category of Anti-Tumor Agents, Cellular and Mol. Biol., 2007, 4(5), 337-343を参照。
【0045】
本明細書において引用される特許および科学文献は、当業者に利用可能な知識を確立する。本明細書において引用される各々の発行された特許、特許出願、および他の刊行物は、本明細書においてその全体が参考として援用される。矛盾が生じる場合、本開示の教示が優先する。
【0046】
化合物
本発明の目的のために、(他に明示的に記述されない限りにおいて)以下の定義が用いられる。
「式(I)」、「式(II)」などの化合物についての言及は、本明細書において、他に示されない限り、そのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミおよびスケールミック(scalemic)混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体を包含するものと理解される。
【0047】
便宜上、化学部分を、一貫して第一に一価の化学部分(例えばアルキル、アリールなど)として定義し、言及する。しかし、かかる用語はまた、当業者に明らかな適切な構造的状況においては、対応する多価部分を伝達するものとして用いられる。例えば、「アルキル」基は一般に一価のラジカル(例えばCH3−CH2−)を指すが、特定の状況においては、二価の結合部分が「アルキル」であり得、この場合において、当業者は、当該アルキルが用語「アルキレン」と等価である二価のラジカル(例えば−CH2−CH2−)であることを理解する(同様に、二価の部分が必要とされ、「アリール」であるものとして記述されている状況において、当業者は、用語「アリール」が対応する二価の部分アリーレンを指すものであることを理解する。)。全ての原子は、結合形成についてのそれらの正常な価数を有するものと理解される(すなわち、炭素については4、Nについては3、Oについては2、SについてはSの酸化状態に依存して2、4または6)。時に、部分は、例えば(A)a−Bであって、ここでaは0または1である、として定義される場合がある。かかる場合においては、aが0である場合、当該部分はB−であり、aが1である場合、当該部分はA−B−である。また、本明細書において開示される多数の部分は、多様な互換異性体の形態において存在し得、これらの全てはあらゆる所与の互換異性体構造により包含されることを意図される。
【0048】
便宜上、「Cn〜Cm」ヘテロシクリルまたは「Cn〜Cm」ヘテロアリールへの言及は、「n」〜「m」個の環状原子を有するヘテロシクリルまたはヘテロアリールを意味し、ここで「n」および「m」は整数である。したがって、例えば、C5〜C6−ヘテロシクリルは、少なくとも1個のヘテロ原子を有する5員または6員の環であって、ピロリジニル(C5)およびピペリジニル(C6)を含む。C6−ヘテロアリールは、例えばピリジルおよびピリミジルを含む。
【0049】
用語「ヒドロカルビル」とは、各々が本明細書において定義されるような直鎖、分枝状、または環状のアルキル、アルケニル、またはアルキニルを指す。「C0」ヒドロカルビルは、共有結合を指すように用いられる。したがって、「C0〜C3−ヒドロカルビル」は、共有結合、メチル、エチル、エテニル、エチニル、プロピル、プロペニル、プロピニル、およびシクロプロピルを含む。
【0050】
用語「脂肪族」は、飽和および不飽和の両方の、直鎖または分枝状脂肪族炭化水素を意味することを意図される。当業者により理解されるであろうように、「脂肪族」は、本明細書において、アルキル、アルケニルまたはアルキニル部分を含むことを意図されるがこれらに限定されない。
【0051】
用語「アルキル」は、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜8個の炭素原子、より好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝状脂肪族基を意味することを意図される。他の好ましいアルキル基は、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜8個の炭素原子、およびより好ましくは2〜6個の炭素原子を有する。好ましいアルキル基として、限定することなく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。「C0」アルキル(「C0〜C3アルキル」におけるもののような)は、共有結合である。
【0052】
用語「アルケニル」は、1または2以上の炭素−炭素二重結合を含み、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜8個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子を有する、不飽和の直鎖または分枝状脂肪族基を意味することを意図される。好ましいアルケニル基として、限定されることなく、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、およびヘキセニルが挙げられる。
【0053】
用語「アルキニル」は、1または2以上の炭素−炭素三重結合を含み、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜8個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子を有する、不飽和の直鎖または分枝状脂肪族基を意味することを意図される。好ましいアルキニル基として、限定されることなく、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、およびヘキシニルが挙げられる。
【0054】
用語「アルキレン」、「アルケニレン」または「アルキニレン」は、本明細書において使用される場合、本明細書において上で定義されるような、二個の他の化学基の間に位置されてこれらを結合するように働くアルキル、アルケニル、またはアルキニル基をそれぞれ意味することを意図される。好ましいアルキレン基として、限定することなく、メチレン、エチレン、プロピレン、およびブチレンが挙げられる。好ましいアルケニレン基として、限定することなく、エテニレン、プロペニレン、およびブテニレンが挙げられる。好ましいアルキニレン基として、限定することなく、エチニレン、プロピニレン、およびブチニレンが挙げられる。
【0055】
用語「アゾリル」は、本明細書において使用される場合、窒素、硫黄および酸素からなる群より選択される2個または3個以上のヘテロ原子を環原子として含み、ここでヘテロ原子の少なくとも1個は窒素である、5員の飽和または不飽和の複素環式基を意味することを意図される。好ましいアゾリル基として、任意に置換されたイミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、および1,3,4−オキサジアゾリルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0056】
用語「炭素環」は、本明細書において使用される場合、シクロアルキルまたはアリール部分を意味することを意図される。用語「炭素環」はまた、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有するシクロアルケニル部分を含む。
【0057】
用語「シクロアルキル」は、約3〜15個の炭素を有する、好ましくは3〜12個の炭素、好ましくは3〜8個の炭素、より好ましくは3〜6個の炭素、なおより好ましくは5個または6個の炭素を有する、飽和または不飽和の単環、二環、三環または多環式の炭化水素基を意味することを意図される。特定の好ましい態様において、シクロアルキル基は、アリール、ヘテロアリールまたは複素環式基に縮合している。好ましいシクロアルキル基として、限定することなく、シクロペンタン−2−エノン、シクロペンタン−2−エノール、シクロヘキサ−2−エノン、シクロヘキサ−2−エノール、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられる。
【0058】
用語「ヘテロアルキル」は、飽和または不飽和の、直鎖または分枝状脂肪族基を意味することを意図され、ここで、基における1または2以上の炭素原子は、独立して、O、S、N、N−アルキル、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2NH−、または−NHS(O)2からなる群より選択される部分により置き換えられる。
【0059】
用語「アリール」は、好ましくは1〜3個の芳香族環を含む、単環、二環、三環または多環式の芳香族部分、好ましくはC6〜C14芳香族部分を意味することを意図される。好ましくは、アリール基は、C6〜C10アリール基、より好ましくはC6アリール基である。好ましいアリール基として、限定することなく、フェニル、ナフチル、アントラセニル、およびフルオレニルが挙げられる。
【0060】
用語「アラルキル」または「アリールアルキル」は、アルキル基に共有結合したアリール基を含む基を意味することを意図される。アラルキル基が「任意に置換された」として記載される場合、アリールおよびアルキル部分のいずれかまたは両方が、独立して、任意に置換されていても未置換であってもよいことを意図される。好ましくは、アラルキル基は、(C1〜C6)アルキル(C6〜C10)アリールであり、限定することなく、ベンジル、フェネチル、およびナフチルメチルを含む。便宜上、「アリールアルキル」として記載される場合、この用語、およびこれに関連する用語は、化合物における基の順序を「アリール−アルキル」として示すことを意図される。同様に、「アルキル−アリール」は、化合物における基の順序を「アルキル−アリール」として示すことを意図される。
【0061】
用語「ヘテロシクリル」、「複素環式」または「複素環」は、約3〜約14個の原子を有し、ここで1または2以上の原子が独立してN、O、およびSからなる群より選択される、単環、二環または多環式の構造である基を意味することを意図される。環構造は、飽和、不飽和または部分的に不飽和であってよい。特定の好ましい態様において、複素環式基は非芳香族性であり、この場合、当該基はヘテロシクロアルキルとしても知られる。特定の好ましい態様において、複素環式基は、架橋された複素環式基(例えば、メチレン、エチレンまたはプロピレン架橋を有する二環式部分)である。二環式または多環式の構造において、1または2以上の環が芳香族性であってよい。例えば、インダンおよび9,10−ジヒドロアントラセンのように、二環式複素環の1個の環または三環式複素環の1個または2個の環が芳香族性であってよい。好ましい複素環式基として、限定することなく、エポキシ、アジリジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノニルおよびモルホリノが挙げられる。特定の好ましい態様において、複素環式基は、アリール、ヘテロアリール、またはシクロアルキル基に縮合している。かかる縮合複素環の例として、限定することなく、テトラヒドロキノリンおよびジヒドロベンゾフランが挙げられる。この用語から特に除かれるのは、環のOまたはS原子が別のOまたはS原子に隣接している化合物である。
【0062】
特定の好ましい態様において、複素環式基はヘテロアリール基である。本明細書において用いられる場合、用語「ヘテロアリール」は、5〜18個の環原子、好ましくは5〜14個の環原子、より好ましくは5、6、9、10個の環原子を有し;好ましくは環配列中に共有される6、10、または14個のパイ電子を有し;かつ、炭素原子に加えて、N、O、およびSからなる群より選択される1または2以上のヘテロ原子を有する、単環、二環、三環または多環式の基を意味することを意図される。用語「ヘテロアリール」はまた、窒素含有ヘテロアリール基のN−オキシド誘導体(または、ヘテロアリール基が1個より多くの窒素を含み、その結果として1個より多くのN−オキシド誘導体が形成される場合は、N−オキシド誘導体(複数))を包含することを意図される。例えば、ヘテロアリール基は、ピリミジニル、ピリジニル、ベンズイミダゾリル、チエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニルおよびインドリニルであってもよい。好ましいヘテロアリール基として、限定することなく、チエニル、ベンゾチエニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、インドリル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾ[b]チエニル、ナフタ[2,3−b]チアントレニル、キサンテニル、キノリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベータ−カルボニリルおよびペリミジニルが挙げられる。ヘテロアリール基のN−オキシド誘導体の代表例として、ピリジルN−オキシド、ピラジニルN−オキシド、ピリミジニルN−オキシド、ピリダジニルN−オキシド、トリアジニルN−オキシド、イソキノリルN−オキシドおよびキノリルN−オキシドが挙げられるがこれらに限定されない。
【0063】
用語「アリーレン」、「ヘテロアリーレン」または「ヘテロシクリレン」は、ぞれぞれ、本明細書において上で定義されるような、2個の他の化学基の間に位置されてこれらを結合するように働くアリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基を意味することを意図される。
【0064】
複素脂環式基は、特に、非芳香族ヘテロシクリルラジカルを指す。複素脂環式基は、不飽和を含んでもよいが、芳香族性ではない。
ヘテロシクリルアルキル基は、ヘテロシクリルが、アルキレン、アルキリデン、またはアルキリジンラジカルのうちの1つを介して親構造に結合している残基を指す。例として、(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル、(モルホリン−4−イル)メチル、(ピリジン−4−イル)メチル、2−(オキサゾリン−2−イル)エチル、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−ブテニルなどが挙げられる。ヘテロシクリルアルキルが「任意に置換された」として記載される場合、ヘテロシクリルアルキル基のヘテロシクリルおよび対応するアルキレン、アルキリデン、またはアルキリジンラジカル部分は、任意に置換されていてもよい。「低級ヘテロシクリルアルキル」は、基の「アルキル」部分が1〜6個の炭素を有するヘテロシクリルアルキルを指す。
【0065】
複素脂環式アルキル基は、とくに、基のヘテロシクリル部分が非芳香族性であるヘテロシクリルアルキルを指す。
好ましいヘテロシクリルおよびヘテロアリールとして、アゼピニル、アゼチジニル、アクリジニル、アゾシニル、ベンジドリル(benzidolyl)、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンゾピラニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、クマリニル、デカヒドロキノリニル、ジベンゾフリル、1,3−ジオキソラン、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニルなど)、フラニル、フロピリジニル(フロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,2−b]ピリジニルまたはフロ[2,3−b]ピリジニルなど)、フリル、フラザニル、ヘキサヒドロヒドロアゼピニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、オキセタニル、2−オキソアゼピニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾル、ピリドイミダゾル、ピリドチアゾル、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロロピリジル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラゾリル、チアゾリジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル)、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、チアジニル、チアジニルアゼピニル、トリアゾリル(例えば、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル)、およびキサンテニルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0066】
「ハロヒドロカルビル」は、本明細書において使用される場合、1個〜全ての水素が、独立して選択されるハロで置き換えられている、ヒドロカルビル部分である。
本明細書において使用される場合、および他に記述されない限りにおいて、部分(例えば、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルなど)が「任意に置換された」として記載される場合、基が、任意に、1〜4個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1個または2個の独立して選択される非水素置換基を有することが意味される。好適な置換基として、限定することなく、ハロ、ヒドロキシ、オキソ(例えば、オキソを有する環状の−CH−置換基は−C(O)−である)ニトロ、ハロヒドロカルビル、ヒドロカルビル、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アシル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノ、およびウレイド基が挙げられる。(他に明示的に記述されない限りにおいて)それら自体がさらに置換されない好ましい置換基は:
【0067】
(a)ハロ、ヒドロキシ、シアノ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、ニトロ、アミノ、アミジノ、グアニジノ、
(b)C1〜C5アルキルまたはアルケニルまたはアリールアルキルイミノ、カルバモイル、アジド、カルボキサミド、メルカプト、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルケニル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルアミノ、C1〜C8アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、C2〜C8アシル、−C(O)−N(R30)−アルキル−シクロアルキル、−C(O)−N(R30)−アルキル−ヘテロシクリル、−C(O)−N(R30)−アルキル−アリール、−C(O)−N(R30)−アルキル−ヘテロアリール、−C(O)−シクロアルキル、−C(O)−ヘテロシクリル、−C(O)−アリール、−C(O)−ヘテロアリール、C2〜C8アシルアミノ、C1〜C8アルキルチオ、アリールアルキルチオ、アリールチオ、C1〜C8アルキルスルフィニル、アリールアルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C1〜C8アルキルスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アリールスルホニル、C0〜C6N−アルキルカルバモイル、C2〜C15N,N−ジアルキルカルバモイル、C3〜C7シクロアルキル、アロイル、アリールオキシ、アリールアルキルエーテル、アリール、シクロアルキルもしくは複素環もしくは別のアリール環に縮合したアリール、C3〜C7ヘテロシクリル、C5〜C15ヘテロアリール、またはシクロアルキル、ヘテロシクリルもしくはアリールに縮合もしくはスピロ縮合したこれらの環のいずれかであって、ここで前述の各々はさらに上記(a)において列記される1または2以上の部分で任意に置換される;ならびに
【0068】
(c)−(CR32R33)s−NR30R31、ここでsは、0(この場合、置換された部分に窒素が直接結合している)〜6であり、R32およびR33は互いに独立して水素、ハロ、ヒドロキシルまたはC1〜C4アルキルであり、R30およびR31は互いに独立して水素、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C1〜C8ヘテロアルキル、C1〜C8アルケニル、カルボキサミド、C1〜C3アルキル−カルボキサミド、カルボキサミド−C1〜C3アルキル、アミジノ、C2〜C8ヒドロキシアルキル、C1〜C3アルキルアリール、アリール−C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルヘテロアリール、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルヘテロシクリル、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル C1〜C3アルキルシクロアルキル、シクロアルキル−C1〜C3アルキル、C2〜C8アルコキシ、C2〜C8アルコキシ−C1〜C4アルキル、C1〜C8アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリール−C1〜C3アルコキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリール−C1〜C3アルコキシカルボニル、C1〜C8アシル、C0〜C8アルキル−カルボニル、アリール−C0〜C8アルキル−カルボニル、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−カルボニル、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−カルボニル、ヘテロシクリル−C0〜C8アルキル−カルボニル、C0〜C8アルキル−NH−カルボニル、アリール−C0〜C8アルキル−NH−カルボニル、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−NH−カルボニル、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−NH−カルボニル、ヘテロシクリル−C0〜C8アルキル−NH−カルボニル、シクロアルキル−S(O)2−、ヘテロシクリル−S(O)2−、アリール−S(O)2−、ヘテロアリールS(O)2−、C0〜C8アルキル−O−カルボニル、アリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−O−カルボニル、ヘテロシクリル−C0〜C8アルキル−O−カルボニル、C1〜C8アルキルスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールアルキルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、C1〜C8アルキル−NH−スルホニル、アリールアルキル−NH−スルホニル、アリール−NH−スルホニル、ヘテロアリールアルキル−NH−スルホニル、ヘテロアリールNH−スルホニルアロイル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−または保護基であり、ここで、前述の各々は、上記(a)において列記される1または2以上の部分でさらに任意に置換される;あるいは、
【0069】
R30およびR31は、これらが結合するNと一緒になって、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成し、これらの各々は、上記(a)、保護基、および(X30−Y31−)からなる群より選択される1〜3個の置換基で任意に置換され、ここで、前記ヘテロシクリルはまた架橋されて(メチレン、エチレンまたはプロピレン架橋により二環式部分を形成して)いてもよく;ここで、
【0070】
X30は、H、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル−、C2〜C8アルキニル−、−C0〜C3アルキル−C2〜C8アルケニル−C0〜C3アルキル、C0〜C3アルキル−C2〜C8アルキニル−C0〜C3アルキル、C0〜C3アルキル−O−C0〜C3アルキル−、HO−C0〜C3アルキル−、C0〜C4アルキル−N(R30)−C0〜C3アルキル−、N(R30)(R31)−C0〜C3アルキル−、N(R30)(R31)−C0〜C3アルケニル−、N(R30)(R31)−C0〜C3アルキニル−、(N(R30)(R31))2−C=N−、C0〜C3アルキル−S(O)0−2−C0〜C3アルキル−、CF3−C0〜C3アルキル−、C1〜C8ヘテロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−、N(R30)(R31)−ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−からなる群より選択され、ここで、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、(a)からの1〜3個の置換基で任意に置換され;ならびに
【0071】
Y31は、直接結合、−O−、−N(R30)−、−C(O)−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−N(R30)−C(O)−、−C(O)−N(R30)−、−N(R30)−C(S)−、−C(S)−N(R30)−、−N(R30)−C(O)−N(R31)−、−N(R30)−C(NR30)−N(R31)−、−N(R30)−C(NR31)−、−C(NR31)−N(R30)−、−N(R30)−C(S)−N(R31)−、−N(R30)−C(O)−O−、−O−C(O)−N(R31)−、−N(R30)−C(S)−O−、−O−C(S)−N(R31)−、−S(O)0−2−、−SO2N(R31)−、−N(R31)−SO2−および−N(R30)−SO2N(R31)−からなる群より選択される。
【0072】
置換されている部分は、1個または2個以上(好ましくは1〜4個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1個または2個)の水素が独立して別の化学置換基により置き換えられているものである。非限定的な例として、置換フェニルは、2−フルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−クロロ−4−フルオロ−フェニル、2−フルオロ−3−プロピルフェニルを含む。別の非限定的な例として、置換n−オクチルは、2,4−ジメチル−5−エチル−オクチルおよび3−シクロペンチル−オクチルを含む。この定義内に含まれるのは、酸素で置換されてカルボニル−CO−を形成するメチレン(−CH2−)である。
【0073】
フェニル、チオフェニル、またはピリジニルなどの環構造の隣接する原子に結合した2個の任意の置換基が存在する場合、置換基は、これらが結合した原子と一緒になって、任意に、5員または6員の、シクロアルキルまたは1個、2個または3個の環ヘテロ原子を有する複素環を形成する。
【0074】
好ましい態様において、ヒドロカルビル、ヘテロアルキル、複素環および/またはアリール基などの基は、未置換である。
他の好ましい態様において、ヒドロカルビル、ヘテロアルキル、複素環および/またはアリール基などの基は、1〜4個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1個または2個)の独立して選択される置換基により置換されている。
【0075】
アルキル基上の好ましい置換基は、ヒドロキシル、ハロゲン(例えば、1個のハロゲン置換基または複数のハロ置換基;後者の場合、−CF3などの基またはCl3を有するアルキル基)、オキソ、シアノ、ニトロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、アリール、−ORa、−SRa、−S(=O)Re、−S(=O)2Re、−P(=O)2Re、−S(=O)2ORe、−P(=O)2ORe、−NRbRc、−NRbS(=O)2Re、−NRbP(=O)2Re、−S(=O)2NRbRc、−P(=O)2NRbRc、−C(=O)ORe、−C(=O)Ra、−C(=O)NRbRc、−OC(=O)Ra、−OC(=O)NRbRc、−NRbC(=O)ORe、−NRdC(=O)NRbRc、−NRdS(=O)2NRbRc、−NRdP(=O)2NRbRc、−NRbC(=O)Raまたは−NRbP(=O)2Reをこれらに限定されることなく含み、ここでRaは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロシクリルまたはアリールである;Rb、RcおよびRdは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルもしくはアリールであるか、または前記RbおよびRcは、これらが結合しているNと一緒になって、任意にヘテロシクリルを形成する;Reは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ヘテロシクリルまたはアリールである。前述の例示的な置換基において、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルおよびアリールなどの基は、これら自体が任意に置換されていてもよい。
【0076】
アルケニルおよびアルキニル基上の好ましい置換基として、アルキルまたは置換アルキル、ならびに好ましいアルキル置換基として列記した基が挙げられるがこれらに限定されない。
【0077】
シクロアルキル基上の好ましい置換基として、ニトロ、シアノ、アルキルまたは置換アルキル、ならびに好ましいアルキル置換基として列記した基が挙げられるがこれらに限定されない。他の好ましい置換基は、スピロ結合または縮合した環式置換基、好ましくはスピロ結合したシクロアルキル、スピロ結合したシクロアルケニル、スピロ結合したヘテロシクリル(ヘテロアリールを除く)、縮合したシクロアルキル、縮合したシクロアルケニル、縮合したヘテロシクリル、または縮合したアリールをこれらに限定されることなく含み、前述のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルおよびアリール置換基は、これら自体が任意に置換されていてもよい。
【0078】
シクロアルケニル基上の好ましい置換基は、ニトロ、シアノ、アルキルまたは置換アルキル、ならびに好ましいアルキル置換基として列記した基が挙げられるがこれらに限定されない。他の好ましい置換基は、スピロ結合または縮合した環式置換基、特にスピロ結合したシクロアルキル、スピロ結合したシクロアルケニル、スピロ結合したヘテロシクリル(ヘテロアリールを除く)、縮合したシクロアルキル、縮合したシクロアルケニル、縮合したヘテロシクリル、または縮合したアリールをこれらに限定されることなく含み、前述のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルおよびアリール置換基は、これら自体が任意に置換されていてもよい。
【0079】
アリール基上の好ましい置換基は、ニトロ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル、シクロアルケニルまたは置換シクロアルケニル、シアノ、アルキルまたは置換アルキルならびに好ましいアルキル置換基として上で列記した基が挙げられるが、これらに限定されない。他の好ましい置換基は、縮合環式基、特に縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合ヘテロシクリル、または縮合アリールをこれらに限定されることなく含み、ここで前述のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルおよびアリール置換基は、それら自体が任意に置換されていてもよい。アリール基(非限定的な例としてフェニル)上のなお他の好ましい置換基として、ハロアルキルおよび好ましいアルキル置換基として列記される基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
複素環基上の好ましい置換基として、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ニトロ、オキソ(すなわち=O)、シアノ、アルキル、置換アルキル、ならびに好ましいアルキル置換基として列記した基が挙げられるが、これらに限定されない。複素環式基上の他の好ましい置換基は、任意の利用可能な結合点においてスピロ結合または縮合した環式置換基、より好ましくはスピロ結合したシクロアルキル、スピロ結合したシクロアルケニル、スピロ結合したヘテロシクリル(ヘテロアリールを除く)、縮合したシクロアルキル、縮合したシクロアルケニル、縮合したヘテロシクリルおよび縮合したアリールをこれらに限定されることなく含み、前述のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルおよびアリール置換基は、それら自体が任意に置換されていてもよい。
【0081】
特定の好ましい態様において、複素環式基は、1または2以上の位置において炭素、窒素および/または硫黄上で置換されている。炭素上の好ましい置換基は、好ましいアルキル置換基として列記されるものを含む。窒素上の好ましい置換基として、アルキル、アリール、アラルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニル、アリールスルホニル、アルコキシカルボニル、またはアラルコキシカルボニルが挙げられるがこれらに限定されない。硫黄上の好ましい置換基として、オキソおよびC1〜6アルキルが挙げられるがこれらに限定されない。特定の好ましい態様において、窒素および硫黄ヘテロ原子は、独立して任意に酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は、任意に四級化されていてもよい。
【0082】
アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクリルなどの環式基上の特に好ましい置換基として、ハロゲン、アルコキシおよびアルキルが挙げられる。
アルキル基上の特に好ましい置換基として、ハロゲンおよびヒドロキシが挙げられる。
【0083】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、本明細書において使用される場合、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素を指す。本明細書において使用される場合、用語「アシル」は、アルキルカルボニルまたはアリールカルボニル置換基を指す。用語「アシルアミノ」は、窒素原子において結合しているアミド基(すなわちR−CO−NH−)を指す。用語「カルバモイル」は、カルボニル炭素原子において結合しているアミド基(すなわちNH2−CO−)を指す。アシルアミノまたはカルバモイル置換基の窒素原子は、さらに任意に置換されている。用語「スルホンアミド」は、硫黄または窒素原子のいずれかにより結合したスルホンアミド置換基を指す。用語「アミノ」は、NH2、アルキルアミノ、ジ−アルキル−アミノ、アリールアミノ、および環式アミノ基を含むことを意図される。用語「ウレイド」は、本明細書において用いられる場合、置換または未置換の尿素部分を指す。
【0084】
用語「ラジカル」は、本明細書において使用される場合、1または2以上の不対電子を含む化学部分を意味する。
任意の置換基が「1または2以上の」基から選択される場合、この定義は、特定された基の1つから選択される置換基または特定された基の2もしくは3以上から選択される置換基全てを含むことが理解される。
【0085】
さらに、環式部分(すなわち、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール)上の置換基は、親環式部分に縮合して二環または三環式の縮合環系を形成する5〜6員の単環および9〜19員の二環式部分を含む。環式部分上の置換基はまた、親環式部分に共有結合により結合して二環または三環式の二環系を形成する5〜6員の単環および9〜19員の二環式部分を含む。例えば、任意に置換されたフェニルは、以下を含むがこれらに限定されない:
【化1】
【0086】
炭素環式または複素環式基が2個のC1〜6アルキル基により置換される場合、2個のアルキル基は、一緒に組み合わされて、アルキレン鎖、好ましくはC1〜3アルキレンを形成してもよい。この架橋構造を有する炭素環式または複素環式基として、ビシクロ[2.2.2]オクタニルおよびノルボルナニルが挙げられる。
【0087】
明細書を通して、1または2以上の化学置換基のうちの好ましい態様が同定される。好ましい態様の組合せもまた好ましい。例えば、本発明は、式(I)の化合物におけるLの好ましい態様を記載し、基Yの好ましい態様を記載する。したがって、例として、Lの好ましい例が記載されたものであって基Yの好ましい例が記載されたものである化合物もまた、本発明の範囲内として企図される。
【0088】
用語「治療有効量」は、本明細書において使用される場合、患者に投与された場合に所望の治療効果を生じる本発明の化合物の量である。治療効果は、処置される疾患および所望される効果に依存する。したがって、治療効果は疾患状態の処置であってもよい。「治療有効量」を構成する化合物の量は、化合物、疾患状態およびその重篤度、処置される患者の年齢などに依存して変化する。治療有効量は、当業者により慣用的に決定することができる。
【0089】
用語「患者」は、本明細書において本発明の目的のために使用される場合、ヒトおよび他の動物、特に哺乳動物、および他の生物を含む。したがって、本発明の化合物、組成物および方法は、ヒト治療および獣医学的用途の両方に適用可能である。好ましい態様において、患者は哺乳動物であり、最も好ましい態様において、患者はヒトである。
【0090】
用語「処理する(treating)」、「処理(treatment)」などは、本明細書において使用される場合、動物における疾患状態の処置を含み、(i)疾患状態が発生することを防ぐこと(特に、かかる動物が疾患状態を罹患しやすくなっているがまだそれを罹患しているとは診断されていない場合);(ii)疾患状態を阻害すること、すなわち、部分的にまたは完全にその発達を停止させること;(iii)疾患状態を緩和すること、すなわち、疾患状態の症状の退縮を引き起こすこと、または疾患の症状を緩和すること;ならびに(iv)疾患状態の逆転または退縮、好ましくは疾患を除去することまたは治癒すること、の少なくとも1つを含む。本発明の好ましい態様において、動物は、哺乳動物、好ましくは霊長類、より好ましくはヒトである。当該分野において公知のことだが、局所送達に対する全身性送達、年齢、体重、一般的健康、性別、食事、投与の時間、薬物相互作用および状態の重篤度についての調節が必要であり得、当業者により慣用的な実験を用いて確認することができる。好ましい態様において、処理は、(ii)、(iii)および(iv)の少なくとも1つを含む。
【0091】
以上は、単に本発明の1つの側面および態様を要約するものであり、決して限定することを意図するものではない。この側面および態様を、以下により詳細に記載する。
【0092】
本発明による方法において特に有用な化合物は、HDAC1、HDAC2およびHDAC3に選択的なヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤を含む。これらの化合物は、本明細書において、MT3およびTSP1の両方の発現を誘導することが示される。一般に、US 2004/0106599、US 6,897,220、US 2006/0058298、US 2005/0288282、WO 2005/030705、US 2005/0245518、US 11/687,398、US 11/696,8801、US 60/906,733に記載されるような構造を有するHDAC阻害剤が、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3に選択的であることが示された。
【0093】
HDAC1、HDAC2およびHDAC3に選択的な特に有用な化合物として、式(I):
【化2】
により表される構造を有するもの、ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミおよびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体が挙げられ、ここで、
【0094】
Xは、H、ハロ−、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、アリールまたはヘテロアリールであり、これらの各々は、任意に(好ましくは、ハロ、−CN、−CH=N(OH)、ヒドロキシ、C1〜C3−ヒドロカルビル、−O−C1〜C4アルキル、メトキシ、またはハロで単置換、二置換もしくは三置換されたアルキルから独立して選択される1〜3個の置換基により)置換され、
【0095】
Yは−NH2またはOHであり;
Arはアリーレンまたはヘテロアリーレンであり、これらの各々は任意に置換され;
Aは、共有結合、M1−L2−M1およびL2−M2−L2からなる群より選択され;
【0096】
ここで、
L2は、各存在毎に独立して、化学結合、C0〜C4ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO2−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−NH−CO−C0〜C4−ヒドロカルビル、およびC0〜C4−ヒドロカルビル−CO−NH−C0〜C4−ヒドロカルビルからなる群より選択され、ただし、X1がM1−L2−M1である場合、L2は化学結合ではなく;
【0097】
M1は、各存在毎に独立して、−O−、−N(R7)−、−S−、−S(O)−、S(O)2−、−S(O)2N(R7)−、−N(R7)−S(O)2−、−C(O)−、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され、ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
【0098】
M2は、M1、ヘテロアリーレンおよびヘテロシクリレンからなる群より選択され、これらの環のいずれかは任意に置換され;ならびに
【0099】
Lは、H、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され、これらの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は、任意に置換される。
【0100】
他の化合物において、Xはフェニル、チエニル、フラニル、ピリジル、またはピリミジルである。
式(I)の他の化合物において、Yは−NH2である。
式(I)の他の化合物において、Arはフェニル、好ましくは未置換フェニルである。
式(I)の他の化合物において、Aは−N(R7)−(CH2)−である。
式(I)の他の化合物において、Lは任意に置換された−ヘテロアリール−ヘテロアリール、任意に置換された−アルキルまたは任意に置換されたヘテロアリールである。
式(I)の他の化合物において、R7はHである。
【0101】
式(I)の他の化合物は、式(II):
【化3】
により表される構造を有するもの、ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミおよびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体を含み、ここで、
【0102】
XはH、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジルまたはピリミジルであり、これらの各々は任意に置換され;
Yは−NH2であり;
Aは−N(R7)−(CH2)−であり;および
【0103】
Lは、−ヘテロアリール−ヘテロアリール、−アルキルまたはヘテロアリールであり、これらの各々は任意に置換され;ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
【0104】
式(II)の他の化合物において、XはHである。
式(II)の他の化合物において、Xはフェニルまたはピリジルであり、これらの各々は任意に置換される。
式(II)の他の化合物において、Lは任意に置換されたヘテロアリール−ヘテロアリールである。
式(II)の他の化合物において、R7はHである。
【0105】
HDAC1、HDAC2およびHDAC3に選択的な他の特に有用な化合物は、式(III):
【化4】
により表される構造を有するもの、ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミおよびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体を含み、ここで、
【0106】
Cy5はアリールまたはヘテロアリールであり、これらの各々は任意に置換され、アリールおよびヘテロアリールの各々は、任意に1または2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または2もしくは3以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルまたは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
【0107】
X1は、共有結合、C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−N(R8)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO2)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−O−CO−O−、−O−CS−O−、−NH−C(NH)−NH−、−S(O)2−N(R8)−、−N(R8)−S(O)2−、−NH−C(O)−O−、および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され;
【0108】
ここでR8は、水素、C1〜C5−アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、CO−アルキル、CO−アリール、CO−NH−アルキル、CO−NH−アリール、CO−O−アルキルおよびCO−O−アリールからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され;
nは0〜4であり;
Y1はNまたはCHであり;および
TはNH2またはOHである。
【0109】
式(III)の他の化合物において、Tは−NH2である。
式(III)の他の化合物において、Y1はNである。
式(III)の他の化合物において、nは1である。
式(III)の他の化合物において、X1は−N(H)−である。
式(III)の他の化合物において、Cy5は任意に置換されたヘテロアリールである。
【0110】
HDAC1およびHDAC2に選択的な特に有用は化合物は、式(IV):
【化5】
により表される構造を有するもの、ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミおよびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体を含み、ここで、
【0111】
X2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Ar1は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Raは、Hまたは任意の置換基、好ましくはハロであり;
【0112】
Rb、RcおよびRdは、各々独立して、水素、C1〜C8アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはハロであるか;または
RbおよびRcは、これらが結合される原子と一緒になって、任意に、1個または2個のヘテロ原子を有する5員または6員のシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを形成し;これらの各々は1〜3個の置換基で任意に置換され;
Y2は−NH2または−OHであり;
Ybは−N−または−CH−であり;
【0113】
Yaは、直接結合、−O−、−N(R34)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R34)−C(O)−、−C(O)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)−、−C(S)−N(R34)−、−N(R34)−C(O)−N(R35)−、−N(R34)−C(NR34)−N(R35)−、−N(R34)−C(NR35)−、−C(NR35)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)−N(R35)−、−N(R34)−C(O)−O−、−O−C(O)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)O−、−O−C(S)−N(R35)−、−S(O)0−2−、−SO2N(R35)−、−N(R35)−SO2−、N(R34)−S(O)2−N(R35)−、−O−C1〜C3アルキル−、−N(R34)−C1〜C3アルキル−、−C(O)−C1〜C3アルキル−または−O−C(O)−C1〜C3アルキル−であり;
【0114】
Xaは、C1〜C8アルキル−、C1〜C8アルケニル−、C1〜C8アルキニル−、C0〜C3アルキル−C1〜C8アルケニル−C0〜C3アルキル−、C0〜C3アルキル−C1〜C8アルキニル−C0〜C3アルキル−、C1〜C3アルキル−O−C1〜C3アルキル−、HO−C1〜C3アルキル−、C1〜C4アルキル−N(R34)−C0〜C3アルキル−、N(R34)(R35)−C0〜C3アルキル−、C1〜C3アルキル−S(O)0−2−C1〜C3アルキル−、CF3−C0〜C3アルキル−、CF2H−C0〜C3アルキル−、C1〜C8ヘテロアルキル−、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−、アリール−C0〜C2アルキル−ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−、ヘテロアリール−C0〜C2アルキル−ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−、N(R34)(R35)−ヘテロシクリル−C0〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C0〜C3アルキル−ヘテロシクリル−またはC1〜C4アルキル−CH(N(R34)(R35))−C(O)−N(R34)−アリール−であり、ここでアリール、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1〜3個の独立して選択される置換基により任意に置換されるか;
【0115】
または、Xa−Ya−は、H−、ハロ−、HO−、HS−、HC(O)−、HOC(O)−、C1〜C4アルキル−、H2N−、(R34)(R35)N−、C1〜C4アルキル−NH−、(C1〜C4アルキル)2−N−、HC(O)N(R34)−、(R34)(R35)N−S(O)2−N(R36)−、(R34)(R35)N−C(O)−、H2N−C(O)−、HC(S)N(R34)−、(R34)(R35)N−C(S)−、H2N−C(S)−、(R34)(R35)N−C(O)−O−、(R34)(R35)N−C(S)−O−、(R34)(R35)N−C(O)−N(R36)−、(C1〜C3アルキルN)2−C=N−、(R34)(R35)N−C(NR37)−N(R36)−、(R34)(R35)N−C(NR36)−、シクロアルキル−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、アリール−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、ヘテロアリール−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、C0〜C3アルキル−C(NR36)−、C1〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、CF3−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、CF3−C0〜C4アルキル−C(O)−N(R36)−、アリール−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、C1〜C4アルキル−O−C(O)−NH−、C1〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−C1〜C4アルキル−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−NH−C(O)−O−、C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、Me−C(O)−O−、Me−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、アリール−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、
【0116】
ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−、アリール−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、
【0117】
シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、アリール−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−NH−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、
【0118】
C1〜C4アルキル−O−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、HO−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、HO−C1〜C4アルキル−N(H)−、HO−C1〜C4アルキル−N(R3)−、HO−C1〜C4アルキル−O−、HO−C1〜C4アルキル−S(O)0−2−、HO−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、
【0119】
C1〜C4アルキル−O−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、HO−C2〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(O)−O−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(NH)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−S(O)0−2−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、(C1〜C4アルキル)−O−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−(H)−、HO−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−N(H)−、HO−NH−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−N(H)−、
【0120】
CF2H−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(R3)−、CF3−C0〜C4アルキル−O−、CF3−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、CF3−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、CF3−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、CF3−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(H)(R34)N−C1〜C3アルキル−、(H)(R34)N−C1〜C3アルキル−、HO−C1〜C3アルキル−、(H)(R34)N−S(O)2−N(R35)−、(H)(R35)N−S(O)2−、(H)(R34)N−C(S)−O−、(H)(R34)N−C(O)−O−、(H)(R34)N−C(S)−N(R35)−、(H)(R34)N−C(NR35)−、(H)(R34)N−C(NR34)−N(R38)−、(H)(R34)N−C(O)−N(R35)−、HO−C(O)−C1〜C3アルキル−、C1〜C4アルキル−S(O)2−NH−および((R34)(R35)N)2−C=N−からなる群より選択され;
mおよびnは、独立して、0、1、2または3であり;
qは、0、1または2であり;ならびに
【0121】
R34、R35、R36およびR37は、互いに独立して、水素、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、−C1〜C8アルキル、C1〜C8ヘテロアルキル、C1〜C8アルケニル、カルボキサミド、C1〜C3アルキル−カルボキサミド−、カルボキサミド−C1〜C3アルキル−、アミジノ、C2〜C8ヒドロキシアルキル、C1〜C3アルキルアリール−、アリール−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルヘテロアリール、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルヘテロシクリル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルシクロアルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、C2〜C8アルコキシ−、C2〜C8アルコキシ−C1〜C4アルキル−、C1〜C8アルコキシカルボニル−、アリールオキシカルボニル−、アリール−C1〜C3アルコキシカルボニル−、ヘテロアリールオキシカルボニル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルコキシカルボニル−、C1〜C8アシル、C0〜C8アルキル−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−カルボニル−、C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、
【0122】
アリール−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、C1〜C8アルキルスルホニル−、アリールアルキルスルホニル−、アリールスルホニル−、ヘテロアリールアルキルスルホニル−、ヘテロアリールスルホニル−、C1〜C8アルキル−N(H)−スルホニル−、アリールアルキル−N(H)−スルホニル−、アリール−N(H)−スルホニル−、ヘテロアリールアルキル−N(H)−スルホニル−、ヘテロアリールN(H)−スルホニル、アロイル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−および保護基からなる群より選択され、ここで、前述の各々は、1または2以上の部分によりさらに任意に置換されるか;または
【0123】
R34およびR35は、これらが結合しているNと一緒になって、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成し、これらの各々は、1〜3個の置換基により任意に置換され、ここでヘテロシクリルはまた、架橋されて(メチレン、エチレンまたはプロピレン架橋を有する二環式部分を形成して)もよく、
ただし、1)YbがNであるとき、YaがYを含む環にYa中のN、SまたはOを介して結合している場合、mは0ではないか、または、2)mおよびnが両方とも0である場合、Ybは−CH−である。
【0124】
式(IV)の他の化合物において、X2はアリール、好ましくはフェニルである。
式(IV)の他の化合物において、X2はヘテロアリール、好ましくはピリジルである。
式(IV)の他の化合物において、Y2は−NH2である。
式(IV)の他の化合物において、Ar1は任意に置換されたフェニルである。
式(IV)の他の化合物において、nおよびmは、各々、1である。
式(IV)の他の化合物において、Rb、RcおよびRdの各々はHである。
式(IV)の他の化合物において、−Ya−Xaは−N(R34)(R35)である。
【0125】
式(IV)の他の化合物は、式(IVa):
【化6】
を有し、ここでm、n、R34およびR35は、式(IV)について定義したとおりである。
【0126】
HDAC1およびHDAC2に選択的な他の特に有用な化合物は、式(V):
【化7】
で表される構造を有するもの、ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグまたは錯体、ならびにそのラセミおよびスケールミック混合物、ジアステレオマーおよびエナンチオマーを含み、ここで、
【0127】
X3は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、これらの各々は任意に置換され;
Y3は−NH2または−OHであり;
Ar2は任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;および
Hetは任意に置換されたヘテロシクリルである。
【0128】
式(V)による他の化合物において、X3はヘテロアリール、好ましくはピリジルである。
式(V)による他の化合物において、X3はアリール、好ましくはフェニルである。
式(V)による他の化合物において、Y3は−NH2である。
式(V)による他の化合物において、Ar2はアリール、好ましくはフェニルである。
【0129】
式(V)による他の化合物において、Hetは任意に置換された6員のヘテロシクリルである。
式(V)による他の化合物において、Hetは任意に置換されたピペラジニルである。
式(V)による他の化合物において、Hetは任意にアルキルで置換されたピペラジニルである。
【0130】
本明細書において教示される方法により容易に同定することができるこれらのおよび他の化合物は、本発明による方法において有用である。本発明において有用な特に重要なHDAC阻害剤は、表1に示される構造を有するものを含む。
【0131】
【表1】
【0132】
表1に示される化合物のうち、化合物AおよびBは、HDAC1、2および3の選択的阻害剤であり、一方化合物Cは、陰性対照として用いられる不活性な化合物である。化合物D、E、F、G、Hは、HDAC1およびHDAC2に選択的なHDAC阻害剤である。
【0133】
本発明による方法において有用な他の化合物は、微小管を安定化させる化合物である。これらの化合物の多くはタキサン類であり、限定することなく、パクリタキセル(タキソール)およびドセタキセル(タキソテール)を含む。本発明による方法において有用な他の化合物は、限定することなく、エポチロン類(例えばエポチロンA、BおよびD)、ならびにエポチロンのアナログ(例えばイクサベピロン)を含む。
【0134】
特定の態様において、本発明による方法において有用なさらなる化合物は、トロンボスポンジン−1(TSP1)受容体のアゴニストであり、限定することなく、組み換えTSP1(図28)、およびABT−510、(Dawson et al. Molecular Pharmacology (1999) 55:332-338におけるAc−G V DI T R I R−Neth)などの活性なTSP1ヘプタペプチドの模倣薬を含む。
【0135】
第1の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0136】
本発明のこの側面の目的のために、「HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤」は、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の酵素活性を、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10およびHDAC11のいずれについてのIC50よりも少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍低いIC50で阻害する化合物である。好ましいHDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤は、限定することなく、化合物Aおよび化合物Bなどの、式(I)、(II)および(III)を有する化合物を含む。「微小管を安定化させる化合物」は、微小管の(−)末端からのチューブリンの分解を、微小管の(+)末端でのチューブリンの集合を阻害するよりも、少なくとも2倍、好ましくは少なくとも3倍、より好ましくは少なくとも5倍、なおより好ましくは少なくとも10倍の程度で阻害する化合物である。
【0137】
微小管を安定化させる好ましい化合物は、限定することなく、パクリタキセル(タキソール)およびドセタキセル(タキソテール)などのタキサン類を含む。他の好ましい化合物として、限定することなく、エポチロン類(例えばエポチロンA、BおよびD)ならびにエポチロンのアナログ(例えばイクサベピロン)が挙げられる。「・・・と組み合わせて」とは、疾患の同じ経過の処置の間に投与されることを意味し、これは同時もしくは連続的であっても、または同時および連続的の両方であってもよい。
【0138】
第1の側面の一態様において、本発明は、哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0139】
特定の態様において、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を、経口または静脈内のいずれかで投与する。特定の態様において、微小管を安定化させる化合物を静脈内投与する。
【0140】
第2の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0141】
本発明のこの側面の目的のために、「HDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤」は、HDAC1および/またはHDAC2の酵素活性を、HDAC3、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10およびHDAC11のいずれについてのIC50よりも少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍低いIC50で阻害する化合物である。HDAC1および/またはHDAC2の好ましい選択的阻害剤は、限定することなく、化合物D、化合物E、化合物F、化合物G、および化合物Hなどの、式(IV)、(IVa)および(V)を有する化合物を含む。用語「微小管を安定化させる化合物」および「・・・と組み合わせて」は、本発明の第1の側面について記載されたとおりである。
【0142】
第2の側面の一態様において、本発明は、哺乳動物における腫瘍細胞の増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。
【0143】
特定の態様において、HDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤を、経口または静脈内のいずれかで投与する。特定の態様において、微小管を安定化させる化合物を静脈内投与する。
【0144】
第3の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、細胞におけるメタロチオネイン3(MT3)の発現を上方調節すること、および/または細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0145】
本発明のこの側面の目的のために、「MT−3の発現を上方調節する」とは、細胞におけるMT−3の発現の少なくとも2倍の増大を引き起こすことを意味する。「TSP1の発現を上方調節する」とは、細胞におけるTSP1の発現の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも1.8倍、より好ましくは少なくとも2倍または3倍の増大を引き起こすことを意味する。「微小管を安定化させる化合物」および「・・・と組み合わせる」は、本発明の第1の側面におけるものと同じ意味を有する。かかる上方調節は、タンパク質のレベル、タンパク質をコードするmRNAのレベル、または両方により測定することができる。特定の好ましい態様において、MT3およびTSP1の上方調節は、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3、好ましくはHDAC1および/またはHDAC2を選択的に阻害することにより達成される。「HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3を選択的に阻害する」とは、細胞におけるHDAC1、HDAC 2および/またはHDAC3の酵素活性を、細胞におけるHDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10およびHDAC11のいずれの阻害よりも少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍の程度で阻害することを意味する。
【0146】
第3の側面の一態様において、本発明は、哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、腫瘍細胞におけるメタロチオネイン3(MT3)の発現を上方調節すること、ならびに/または腫瘍細胞および/もしくは腫瘍中の間質細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0147】
第3の側面のこの態様の目的のために、「腫瘍細胞におけるMT3の発現を上方調節する」とは、腫瘍細胞におけるMT3発現の少なくとも2倍の増大を引き起こすことを意味する。「腫瘍細胞および/もしくは腫瘍中の間質細胞におけるTSP1の発現を上方調節する」とは、腫瘍細胞において、腫瘍中の間質細胞において、または両方において、少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも1.8倍、より好ましくは少なくとも2倍または3倍のTSP1の増大を引き起こすことを意味する。「微小管を安定化させる化合物」および「・・・と組み合わせて」は、本発明の第1の側面におけるものと同じ意味を有する。かかる上方調節は、タンパク質のレベル、タンパク質をコードするmRNAのレベル、または両方により測定することができる。特定の好ましい態様において、MT3およびTSP1の発現の上方調節は、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3、好ましくはHDAC1および/またはHDAC2を選択的に阻害することにより達成される。「HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3を選択的に阻害する」とは、腫瘍試料中のHDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の酵素活性を、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10およびHDAC11のいずれの阻害よりも少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍の程度で阻害することを意味する。
【0148】
第4の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、TSP1受容体のアゴニストの有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む。特定の態様において、TSP1受容体のアゴニストは、組み換えTSP1および活性TSP1ヘプタペプチドの模倣薬から選択される。さらなる態様において、活性TSP1ヘプタペプチドの模倣薬は、ABT−510である。本発明のこの側面の代替的態様において、方法は、本発明の第1の側面について記載されたように、哺乳動物にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を投与することをさらに含む。本発明のこの側面の一部の態様において、方法は、本発明の第2の側面について記載されるように、哺乳動物にHDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤を投与することをさらに含む。
【0149】
第4の側面の一態様において、本発明は、哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、TSP1受容体のアゴニストの有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組合せて投与することを含む。
【0150】
第5の側面において、本発明は、哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0151】
本発明のこの側面の目的のために、「細胞におけるTSP1の発現を上方調節する」とは、細胞においてTSP1の少なくとも2倍の増大を引き起こすことを意味する。用語「微小管を安定化させる化合物」および「・・・と組み合わせて」は、本発明の第1の側面について記載されるとおりである。
【0152】
第5の側面の一態様において、本発明は、哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、腫瘍細胞および/または腫瘍中の間質細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0153】
本発明の第5の側面のこの態様の目的のために、「腫瘍細胞および/または腫瘍中の間質細胞におけるTSP1の発現を上方調節する」とは、腫瘍細胞において、腫瘍中の間質細胞において、または両方において、TSP1の少なくとも2倍の増大を引き起こすことを意味する。用語「微小管を安定化させる化合物」および「・・・と組み合わせる」は、本発明の第1の側面について記載されるとおりである。
【0154】
第6の側面において、本発明は、哺乳動物における異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、細胞におけるメタロチオネイン3(MT3)発現の作動薬(agonist)および/または細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)発現の作動薬を投与することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
本発明のこの側面の目的のために、、用語「微小管を安定化させる化合物」および「・・・と組み合わせる」は、本発明の前の側面において上に記載したとおりである。
【0155】
第6の側面の一態様において、本発明は、哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、腫瘍細胞におけるメタロチオネイン3(MT3)発現の作動薬、ならびに/または腫瘍細胞および/もしくは間質細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)発現の作動薬を投与することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む。
【0156】
第7の側面において、本発明は、血管新生を阻害するための方法を提供し、該方法は、哺乳動物にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。
本発明のこの側面の目的のために、用語「ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤」は、本発明の第1の側面について記載されるとおりである。
【0157】
第7の側面の一態様において、本発明は、腫瘍における血管新生を阻害するための方法を提供し、該方法は、腫瘍にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。この側面の別の態様において、腫瘍は哺乳動物において処置される。第7の側面の別の態様において、腫瘍は哺乳動物中にあり、哺乳動物は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与される。
【0158】
第8の側面において、本発明は、細胞において抗血管新生因子の発現を誘導するための方法を提供し、該方法は、細胞にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。
この側面の一態様において、細胞は哺乳動物中にあり、この場合において、方法は、哺乳動物にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。この側面の別の態様において、細胞は哺乳動物の腫瘍細胞である。この側面の別の態様において、細胞は哺乳動物の腫瘍細胞であり、この腫瘍細胞は哺乳動物中にある。
【0159】
本発明のこの側面の目的のために、用語、細胞において「抗血管新生因子の発現を誘導する」とは、細胞において抗血管新生因子の発現の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも1.8倍、より好ましくは少なくとも2倍または3倍の増大を引き起こすことを意味する。本発明のこの側面の好ましい態様において、抗血管新生因子はTSP1である。
本発明のこの側面の目的のために、用語「ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤」は、本発明の第1の側面について記載されるとおりである。
【0160】
第9の側面において、本発明は、細胞において血管新生因子の発現を阻害するための方法を提供し、該方法は、細胞にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。
この側面の一態様において、細胞は哺乳動物中にあり、この場合において、方法は、哺乳動物にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む。この側面の別の態様において、細胞は腫瘍細胞である。この側面の別の態様において、細胞は腫瘍細胞であり、この腫瘍細胞は、哺乳動物中にある。
【0161】
本発明のこの側面の目的のために、用語、細胞において「血管新生因子の発現を阻害する」とは、細胞において血管新生因子の発現の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも1.8倍、より好ましくは少なくとも2または3倍の減少を引き起こすことを意味する。本発明のこの側面の一態様において、血管新生因子はbFGFである。本発明のこの側面の目的のために、用語「ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤」は、本発明の第1の側面について記載されるとおりである。
【0162】
第10の側面において、本発明は、患者において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖により示される疾患を処置するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を、微小管を安定化させる化合物と組み合わせて投与することを含む。
本発明のこの側面の目的のために、用語「ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤」および「微小管を安定化させる化合物」は、本発明の第1の側面について記載されるとおりである。
【0163】
第10の側面の一態様において、本発明は、患者において癌を処置するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を、微小管を安定化させる化合物と組み合わせて投与することを含む。
【0164】
第11の側面において、本発明は、患者において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖により示される疾患を処置するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤を、微小管を安定化させる化合物と組み合わせて投与することを含む。
本発明のこの側面の目的のために、用語「ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤」および「微小管を安定化させる化合物」は、本発明の第2の側面について記載されるとおりである。
【0165】
第11の側面の一態様において、本発明は、患者において癌を処置するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤を、微小管を安定化させる化合物と組み合わせて投与することを含む。
【0166】
第12の側面において、本発明は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の、微小管を安定化させる化合物と組み合わせての、異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖(proliferaton)を阻害するためまたは患者において癌を処置するための医薬の製造のための使用を提供する。
本発明のこの側面の目的のために、用語「ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤」および「微小管を安定化させる化合物」は、本発明の第1の側面について記載されるとおりである。
【0167】
第12の側面の一態様において、本発明は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の、微小管を安定化させる化合物と組み合わせての、腫瘍細胞増殖を阻害するためまたは患者において癌を処置するための医薬の製造のための使用を提供する。
【0168】
本明細書において記載され請求される方法は、例えばメラノーマ、骨髄異形成症候群(MDS)、白血病、骨髄性白血病、リンパ性白血病、骨髄腫、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、多形神経膠芽腫(脳癌)および乳癌などの癌を含むがこれらに限定されない、異常な細胞成長および/または他の異常な細胞増殖により示される哺乳動物の疾患の処置のために企図され、いまや有効であることが期待される。
【0169】
以下の例は、本発明の特定の好ましい態様をさらに説明することを意図するものであり、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0170】
例1
組み換えHDACアイソタイプの作製
ヒトHDAC1〜8および11のcDNAを、GenBank中のヒトHDAC遺伝子配列の5’および3’コード配列に対して相補的なプライマーを用いてRT−PCR反応により作製した。全長ヒトHDAC1、2、3および11に対応するcDNAを、pBlueBac4.5ベクター(Invitrogen)中にクローニングした。コンストラクトを用いて、Bac-N-BlueTM DNAを使用説明書に従って用い(Invitrogen)、組み換えバキュロウイルスを作製した。生成された組み換えHDAC1、2、3、11タンパク質は、そのC末端にFLAGタグを有する。デアセチラーゼドメインを含む切断された(truncated)バージョンのHDAC4、5および7をコードするcDNAを、pDEST10中に、N末端ヘキサヒスチジン融合タンパク質としてクローニングし、Bac-to-BacTMバキュロウイルス発現系(Invitrogen)を用いて組み換えバキュロウイルスを作製した。HDAC6および8を、N末端にヒスチジン標識された(His-tagged)全長タンパク質としてクローニングした。全てのHDACタンパク質を、昆虫Sf−9細胞(Spodoptera frugiperdai)において、組み換えバキュロウイルスで感染させることにより発現させた。HDAC1酵素をQ−セファロースFFカラム(Amersham Pharmacia Biotech、Baie d’Urfe QC、Canada)から精製し、その後、抗FLAGイムノアフィニティーカラム(Sigma)により精製した。HDAC2、3および11は、Flag抗体イムノアフィニティー精製を用いて精製した。HDAC4、5、6、7および8は、Ni-NTA樹脂(QIAGEN Mississauga ON、Canada)またはHis-Select樹脂(Sigma)のいずれかを用いて、25mMのTris(またはNaPO4)pH8.0、10%グリセロールおよび150mMまたは500mMのNaClを含む緩衝液中の異なる濃度のイミダゾルを用いた段階的洗浄および溶離により精製した。
【0171】
例2
組み換えHDAC酵素を用いる蛍光に基づくHDAC酵素アッセイ
組み換えHDAC酵素を、希釈した化合物と共に、アッセイ緩衝液(25mM Hepes、pH8.0、137mM NaCl、1mM MgCl2、および2.7mM KCl)中で、10分間室温で、黒色の96ウェルプレート中でインキュベートした。Bachem Biosciences Inc.,(King of Prussia、Philadelphia)から購入したBoc-Lys(Ac)-AMC(HDAC1、2、3、6および8の酵素について)を、酵素−化合物混合物に添加し、37℃でインキュベートした。HDAC4、5、7のアッセイについて、社内で合成されたBoc-Lys(TFA)-AMCを基質として用い、0.1% BSAを緩衝液に添加した。基質の最終濃度は、各アイソタイプ酵素のKi(70uM〜200uM)に対して2倍であった。反応がインキュベーション時間に対して確実に線形的となるように、反応時間を予め決定した。アッセイ緩衝液中の新たに調製されたトリプシン(1mg/ml最終濃度)ならびに1μMのTSA(Biomol)を添加することにより、反応を停止した。30分後に、蛍光光度計(SPECTRAMAX GeminiXS、Molecular Devices、Sunnylvale、California)を用いて蛍光を測定した。用量応答阻害曲線を分析することにより、阻害剤についての50%阻害濃度(IC50)を決定した。
【0172】
例3
H3およびチューブリンアセチル化についての細胞に基づくELISA
膀胱癌T24細胞を、透明な底部を有する黒色プレート(Costar#3603)中に、プレート当たり1×104細胞で、ウェル当たり100μlの容積において播種し、1日間37℃でCO2インキュベーター中で静置した。細胞を、16時間、多様な濃度のHDAC阻害剤で処理した。処理の終了の3時間前に、細胞生存率をモニタリングするために、使用説明書に従って、Alamar Blue(BioSource)を添加した。処理時間の終了時に、Alamar BlueのODを(570nmおよび600nmで)記録し、その後、細胞をPBS中で注意深く洗浄し、予冷したメタノール中で10分間−20℃で固定し、PBS中で再度2回洗浄し、0.1%のTriton X-100および1%のBSAを含むPBS中で少なくとも30分間ブロッキングした。H3のアセチル化について、ウサギ抗アセチル−H3(Upstate#06-599)を一次抗体として1:1000の希釈率で45分間用いた;二次抗体はHRP共役ヤギ抗ウサギ(Sigma#A-0545)であり、1:8000で45分間用いた。チューブリンのアセチル化について、一次抗体はマウス抗アセチル−チューブリン(Sigma#T-6793、1:2000、45分)であり、一方、二次抗体はHRP共役ヤギ抗マウス抗体(Sigma#A-2304、1:8000、45分)であった。全ての抗体をブロッキング緩衝液中で希釈し、各抗体インキュベーションの後で細胞をブロッキング液中で洗浄した。最後の洗浄の後で、結合したHRP共役抗体を、使用説明書に従ってAmplex-Red(Invitrogen)で示した。アセチル化についての蛍光シグナルを、Alamar Blueから得られた生存率データで割ることにより正規化した。基底(未処理)レベルとHDACのパンインヒビター(pan-inhibitor)であるNVP-LAQ-824の高用量により生じる最大レベルとの間の半分のシグナルを生じる化合物の濃度として、EC50を定義した。
【0173】
例4
ヒト前立腺癌Du145細胞における化合物AおよびSAHAによるin vitroでのVEGFおよび血管新生因子bFGFの転写の減少
ヒト前立腺癌Du145細胞を、化合物AまたはSAHA(3μM)に24時間暴露した。全RNAをIsogen(Nippongene、Tokyo、Japan)により回収し、ExScript(登録商標)RT試薬キット(TAKARA、Kyoto、Japan)によりcDNAに逆転写した。bFGFのmRNAの発現レベルを、ABI7700アナライザーにより、プローブ/プライマー混合済み試薬(ABI、カタログ番号Hs00266645_m1、CA、USA)およびTaqMan(登録商標)Universal PCR Master Mix(ABI、カタログ番号4304437)をABIのプロトコルに記載されるように用いて検出した。VEGFのmRNAの発現レベルを、適切なプローブ/プライマー試薬を用いて、同様の様式において検出した。
【0174】
例4a
ヒト前立腺癌Du145細胞、ヒトH460非小細胞肺癌細胞およびヒトA549非小細胞肺癌細胞における化合物AまたはSAHAによるin vitroでの血管新生因子TSP−1の転写の誘導
細胞を、化合物AまたはSAHA(3μM)に24時間暴露した。全RNAをIsogen(Nippongene、Tokyo、Japan)により回収し、ExScript(登録商標)RT試薬キット(TAKARA、Kyoto、Japan)によりcDNAに逆転写した。TSP−1のmRNAの発現レベルを、ABI7700アナライザーにより、プローブ/プライマー混合済み試薬(ABI、カタログ番号 、CA、USA)およびTaqMan(登録商標)Universal PCR Master Mix(ABI、カタログ番号4304437)をABIのプロトコルに記載されるように用いて検出した。
【0175】
例4b
マイクロアレイ分析を用いた大腸腺腫HCT15細胞における化合物Aによる抗血管新生遺伝子の転写の誘導
ヒト大腸癌HCT15細胞を、24時間1μMの化合物Aで処理した。マイクロアレイ遺伝子分析:全RNAをRNeasy Miniキット(Qiagen)を用いて抽出した。RNA標識、マイクロアレイハイブリダイゼーション、スキャンおよび分析は、Genotypics(India)により行われた。RNAをCy3またはCy5のいずれかにより、Agilentの至適化標識キットを用いて標識し、ヒト全ゲノム44Kオリゴマイクロアレイにハイブリダイズした。アレイチップはAgilent(Palo Alto、California)に注文した。スライドをAgilent製DNAマイクロアレイスキャナーを用いてスキャンし、生データをAgilentの画像分析ツール(feature extractionソフトウェア)を用いて抽出した。正規化および統計学的分析は、GeneSpringソフトウェアを用いて行った。生物学的分析を、Biointerpreterソフトウェアを用いて行った。
【0176】
マイクロアレイ分析により、化合物Aが、血管新生経路のいくつかの遺伝子に影響を及ぼすことが明らかとなった。図4aは、抗血管新生機能を有する選択された遺伝子のリストを示す。数字は、未処理の試料と比較した、処理された試料の誘導の倍率を示す(3個の生物学的複製の平均±標準偏差)。
【0177】
例5
ヒト多細胞血管新生モデルにおける化合物Aのin vitroでの抗血管新生効果
化合物Aの抗血管新生効果を、ヒト多細胞血管新生モデルであるAngioKit(TCS Cellworks製、Buckingham、U.K.)を用いてin vitroで分析した。共培養されたヒト内皮細胞を含むAngioKitは、TCS Cellworks(Bukingham、UK)により調製された。簡単に述べると、24ウェルプレートに細胞を第0日に播種し、培地を第3、4、7、10および12日に交換した。化合物Aを適切な希釈率(30、100および300nM)で、第4、7、10および12日の培地交換に含めた。「未処理」の対照ウェル、ならびにDMSO(0.05%)、DMSOおよび20μMスラミン(陰性対照)、DMSOおよび2ng/mlのVEGF(陽性対照)を含むウェルを、各プレートに含めた。全てのAngioKitを、次いで、第14日に、標準的なAngioKit の手順に従ってCD31染色キットを用いて、固定し、染色した。細管発達の比較は、AngioKitを使用して作製された画像の分析のために特に開発された「AngioSys」画像分析システムを用いて行った。各ウェル中の予め決定された位置から取得した4個の画像を記録した。したがって、試験化合物の各々の濃度から、分析のための4個の画像を各2枚ずつ得た。画像は、常に、各四分円の中心の可能な限り近くから取得した。4つの細管パラメーター:細管の全長、細管の全面積、分枝点の数および形成された細管の数を測定した。全ての統計学的分析を、BIOSOFT Ltd.製のStat 100プログラムを用いて行い、試験化合物と未処理の対照の値との間の差異を測定するためにANOVAおよびDuncanの多重比較検定を用いた。アルファは、他に必要とされない限りは、常に0.05とした。
【0178】
例6
in vivoで化合物Aおよび化合物Bで処理されたマウスから異種移植されたH460腫瘍由来のマウス間質細胞における抗血管新生因子TSP−1の誘導
H460腫瘍を移植したオスBALBc/Aヌードマウス(Japan Crea Inc., Japanから)を、ビヒクル(0.5% HPMC)または化合物A(100mg/kg)または化合物B(40mg/kg)のいずれかで、週3回処理した。各群は、3個体のマウスを含む。第1週の終わりの、最後の投与の6時間後に腫瘍組織を収集した。TSP−1のmRNAの発現レベルを、ABI7700アナライザーにより、プローブ/プライマー混合済み試薬(ABI、カタログ番号Mm01335418_m1)およびTaqMan(登録商標)Universal PCR Master Mix(ABI、カタログ番号4304437)をABIのプロトコルに記載されるとおり用いて検出した。
【0179】
例7
組み換えTSP−1は、in vitroでのマウス内皮細胞に対するタキソールのアポトーシス促進効果を増強する
マウス内皮MS−1細胞を、96ウェルプレート中に播種し、5%CO2インキュベーター内で24時間インキュベートした。多様な濃度のタキソールを、細胞培養中に添加し、6時間後、培地を、組み換えTSP1(10ug/ml)を含むがタキソールを含まない新しい培地で交換した。72時間のインキュベーションの後で、クリスタルバイオレット染色により増殖阻害効果を決定した。
【0180】
例8
in vitroで化合物Aまたは化合物Bで処理されたヒト癌HCT15癌細胞のマイクロアレイ遺伝子発現分析
ヒト大腸癌HCT15細胞を、化合物Aまたは化合物Bまたは化合物Dで24時間in vitroで処理した。全RNAを抽出し、Agilent 2100バイオアナライザーおよびAgilentのRNA Labchipキットを用いてRNA品質分析を行った。RNAを、Cy3またはCy5のいずれかで、Agilentの至適化標識キットを用いて標識し、ヒト全ゲノム44Kオリゴマイクロアレイ(Agilent、Palo Alto、California)にハイブリダイズさせた。スライドを、Agilent製のDNAマイクロアレイスキャナーを用いてスキャンし、生データをAgilentの画像分析ツール(feature extractionソフトウェア)を用いて抽出した。正規化および統計学的分析は、GeneSpringソフトウェアを用いて行った。生物学的分析は、Biointerpreterソフトウェアを用いて行った。
【0181】
例9
リアルタイムRT-PCRにより分析された、化合物A、化合物B、化合物C、化合物DまたはSAHAで処理されたヒト癌細胞におけるMT3のin vitroでの転写誘導
ヒト癌である大腸癌HCT15細胞、白血病Jurkat-T細胞およびリンパ腫RPMI-8226細胞を、多様な濃度の化合物A、化合物B、または化合物Aの不活性なアナログ(化合物C)、または化合物D、またはSAHAで、24時間in vitroで処理した。全RNAを、細胞ペレットまたは腫瘍から、QiaShredderおよびRNeasy miniキット(Qiagen)を用いて抽出した。1μgのRNAを、Expand RT酵素(Roche)およびOligo(dT)プライマー(Invitrogen)を用いて、20μlの反応容積においてcDNAに転換した。定量的リアルタイムPCRについて、MT3のために使用されたプライマーは5’CCC TGC GGA GTG TGA GAA GT 3’および5’TGC TTC TGC CTC AGC TGC CT 3’であり、β−アクチンのためのものは、5’CTC TTC CAG CCT TCC TTC CT 3’および5’AGC ACT GTG TTG GCG TAC AG 3’であった。いずれのプライマーのペアによる反応も、63.4℃のアニーリング温度を含んだ。全てのリアルタイムPCR反応を、MasterCycler ep Realplex(Eppendorf)で、FastStart SYBRGreen Master(Roche)を用いて行った。
【0182】
例10
化合物Aによって経口で処理されたマウスにおける、移植されたH460腫瘍におけるMT3のin vivoでの転写誘導
H460腫瘍を移植したオスBALBc/Aヌードマウス(Japan Crea Inc., Japanから)を、ビヒクル(0.5% HPMC)または100mg/kgの化合物A(2HBr塩)で単回投与として処理した。薬物投与の6時間または24時間後に、マウスを安楽死させ、腫瘍を摘出してRNAlater(Ambion、Austin、Texas)中に入れ、QiaShredderおよびRNeasy miniキット(Qiagen)を用いてRNAを抽出するまで−70℃で保存した。MT3の転写レベルを決定するためのリアルタイムRT−PCRのために、1μgのRNAをExpand RT酵素(Roche)およびOligo(dT)プライマー(Invitrogen)を用いて、20μlの反応容積においてcDNAに転換した。定量的リアルタイムPCRのために、MT3のために使用されたプライマーは5’CCC TGC GGA GTG TGA GAA GT 3’および5’TGC TTC TGC CTC AGC TGC CT 3’であり、β−アクチンのためのものは5’CTC TTC CAG CCT TCC TTC CT 3’および5’AGC ACT GTG TTG GCG TAC AG 3’であった。いずれのプライマーのペアによる反応も、63.4℃のアニーリング温度を含んだ。全てのリアルタイムPCR反応を、MasterCycler ep Realplex(Eppendorf)で、FastStart SYBRGreen Master(Roche)を用いて行った。
【0183】
例11
MT3を過剰発現するヒト大腸癌HCT15クローンの作製
MT3を過剰発現するクローンを得るために、大腸腺腫HCT15細胞(ATCC)を、MT3を発現するpCMV6-XL5ベクター(Origene)で、ジェネティシン(Gibco)に対する耐性を付与するpcDNA3.1プラスミドとともに、6時間リポフェクチンによりトランスフェクトした。400μMのジェネティシンによる選択を、48時間後に開始し、コロニーを形成させた。19日間の選択の後に、個々の、十分に単離されたクローンをピックアップした。別個のプレートからいくつかの独立したクローンを選択した。HCT15細胞をpcDNA3.1のみでトランスフェクトすることにより、対照クローンを得た。
【0184】
例12
MT3を過剰発現させることによるヒト癌HCT15細胞におけるアポトーシスの誘導
ヒト大腸癌HCT15のMT3を過剰発現するクローンを、「Cell Death ELISA Plus」キット(Roche、カタログ番号1774425)を用いて細胞質のオリゴヌクレオソーム放出の量を測定することにより、アポトーシスの誘導について分析した。典型的には、2×104細胞を96ウェルプレートの各ウェルに播種して、1日間静置した。多様な濃度の化合物による16時間の処理の後で、使用説明書に従ってアポトーシスを評価した。
【0185】
例13
MT3を過剰発現させることによるヒトHCT15癌細胞における足場非依存性増殖の阻害
MT3を過剰発現する安定したクローンまたはベクター対照からの細胞を、トリプシン処理し、計数して、次いで懸濁物として、2枚の栄養層(10%FBSを足した1×Iscove培地中0.6%のアガー)の間に挟まれたソフトアガー層(20%のFBSを含む1×Iscove補充培地中0.26%のアガー)中に播種した。2週間後、コロニーをマニュアルで計数した。
【0186】
例14
MT3を過剰発現するヒト癌HCT15細胞のタキサン化合物に対するin vitroでの感受性
MT3を過剰発現する細胞またはベクター対照細胞を、化学薬剤(chemoagent)に対するそれらの感受性についてMTTによりアッセイした。細胞を試験化合物とともに、96ウェルフォーマットにおいて72時間37℃で5%のCO2インキュベーター中でインキュベートし、次いで、MTT(3−[4,5−ジメチルチアゾル−2−イル]−2,5ジフェニルテトラゾリウムブロミド、Sigma)を4時間にわたり添加して、可溶化した色素をその後OD(570−630nm)により定量した。関連する細胞株の標準的な増殖曲線に従って、測定値を細胞数に転換した。細胞数を、溶媒で処理された細胞の細胞数の50%まで減少させる濃度を、MTT IC50として定義した。
【0187】
例15
移植されたヒトの肺、前立腺および胃の腫瘍を有するヌードマウスにおけるin vivoでの化合物A、化合物BまたはSAHAの経口投与によるタキソールの抗腫瘍活性の増強
抗腫瘍研究を、オスBALBc/Aヌードマウス(Japan Crea Inc., Japanから)におけるトH460非小細胞肺癌、Du145前立腺癌、TSU-Pr1前立腺癌、およびAZ521胃癌の異種移植モデルを用いて行った。オスのヌードマウスは、8〜10週齢で用いた。ヒト癌細胞を、動物の側腹部において皮下注射し、固形腫瘍を形成させた。腫瘍フラグメント(約2mm3のフラグメント)を、次いで取り除き、他の動物の右側腹部に小さな外科的切開を通して皮下移植した。腫瘍サイズが100〜200mm3に達した場合、レシピエント動物を、ビヒクル(0.5% HPMC、ヒドロキシプロポキシメチルセルロース)、化合物A(0.1N HCl中に溶解した2HBr塩)、化合物B(0.5% HPM、ヒドロキシプロポキシメチルセルロース中に懸濁)、もしくはSAHAで、経口投与により、またはタキソールで静脈内注射により、またはタキソールと、化合物A、化合物BもしくはSAHAの経口投与との組合せにより処理した。典型的には、タキソールは、週1回、週の第1日の朝に静脈内注射により投与し、一方、化合物A、化合物BまたはSAHAは、週3回、第1日、第3日および第5日に投与した。腫瘍体積および動物の総体重を、週2回、AZ-521およびTSU-Pr1異種移植については2週間まで、H460およびDu145異種移植については4週間までモニタリングした。各実験群は、6個体の動物を含んでいた。
【0188】
例16
移植されたヒト肺癌を有するヌードマウスにおけるin vivoでの静脈内−静脈内の組合せによる化合物Aによるタキソールの抗腫瘍活性の増強
抗腫瘍研究は、オスBALBc/Aヌードマウス(Japan Crea Inc., Japanから)におけるヒトH460非小細胞肺癌異種移植モデルを用いて行った。オスのヌードマウスは、8〜10週齢で用いた。ヒト癌細胞を、動物の側腹部において皮下注射し、固形腫瘍を形成させた。腫瘍フラグメント(約2mm3のフラグメント)を、次いで取り除き、他の動物の右側腹部に皮下移植した。腫瘍サイズが100〜200mm3に達した時点で、レシピエント動物を、ビヒクル(水中2.5%のDMSO、7.5%のTween 80)、化合物A(2HBr塩、40mg/kg)もしくはタキソール(60mg/kg)または化合物Aとタキソールとの組合せの静脈内への1回の注射により、第1日に処理した。腫瘍体積および動物の総体重を、週2回15日間までモニタリングした。各実験群は、6個体の動物を含んでいた。
【0189】
例17
移植されたヒト肺癌を有するヌードマウスにおけるin vivoでの化合物Aによるタキソテールの抗腫瘍活性の増強
抗腫瘍研究は、オスBALBc/Aヌードマウス(Japan Crea Inc., Japanから)におけるヒトH460非小細胞肺癌異種移植モデルを用いて行った。オスのヌードマウスを、8〜10週齢で用いた。ヒト癌細胞を、動物の側腹部において皮下注射し、固形腫瘍を形成させた。腫瘍フラグメント(約2mm3のフラグメント)を、次いで取り除き、他の動物の右側腹部に皮下移植した。腫瘍サイズが100〜200mm3に達した時点で、レシピエント動物を、ビヒクル(0.5% HPMC、ヒドロキシプロポキシメチルセルロース)、化合物A(2HBr塩)で経口投与により、またはタキソテールで静脈内注射により、またはタキソテールと化合物Aの経口投与との組合せにより処理した。典型的には、タキソテールは、1回量として静脈内注射により第1日(スケジュールA)または第8日(スケジュールB)に投与し、一方、化合物Aは、週3回3週間投与した。腫瘍体積および動物の総体重を、週2回3週間までモニタリングした。各実験群は、6個体の動物を含んでいた。
【0190】
例18
ヒトAZ521胃癌を有するヌードマウスにおけるin vivoでの化合物Dによるタキソールの抗腫瘍活性の増強
抗腫瘍研究を、オスBALBc/Aヌードマウス(Japan Crea Inc., Japanから)におけるヒトAZ521胃癌異種移植モデルを用いて行った。オスのヌードマウスを、8〜10週齢で用いた。ヒト癌細胞を、動物の側腹部において皮下注射し、固形腫瘍を形成させた。腫瘍フラグメント(約2mm3のフラグメント)を、次いで取り除き、他の動物の右側腹部に皮下移植した。腫瘍サイズが100〜200mm3に達した時点で、レシピエント動物を、経口投与による化合物D(40mg/kg、0.5% HPMCで懸濁)のみ、または静脈内注射によるタキソール(20mg/kg)、またはタキソールと化合物Dの経口投与との組合せにより処理した。典型的には、タキソールを週1回静脈内注射により最初の日に単回投与として投与し、一方、化合物Dは、1日1回14日間投与した。腫瘍体積および動物の総体重を、週2回2週間までモニタリングした。各実験群は6個体の動物を含んでいた。
【0191】
例19
ヒト前立腺Du145癌を有するヌードマウスにおける、in vivoでの化合物D、E、F、G、Hとタキソールとによる、タキソールの抗腫瘍活性の増強
抗腫瘍研究を、オスBALBc/Aヌードマウス(Japan Crea Inc., Japanから)におけるヒトDu145前立腺癌異種移植モデルを用いて行った。オスのヌードマウスを、8〜10週齢で用いた。ヒト癌細胞を、動物の側腹部において皮下注射し、固形腫瘍を形成させた。腫瘍フラグメント(約2mm3のフラグメント)を、次いで取り除き、他の動物の右側腹部に皮下移植した。腫瘍サイズが100〜200mm3に達した時点で、レシピエント動物を、経口投与による化合物D、化合物E、化合物F、化合物Gまたは化合物H(0.5% HPMCで懸濁)のみ、または静脈注射によるタキソール(60mg/kg)により、またはタキソールと化合物D、化合物E、化合物F、化合物G、化合物Hの経口投与との組合せにより処理した。典型的には、タキソールを週1回静脈内注射により最初の日に単回投与として投与し、一方、化合物D、化合物E、化合物F、化合物G、または化合物Hを、1日1回14日間投与した。腫瘍体積および動物の総体重を、週2回2週間までモニタリングした。各実験群は、少なくとも6個体の動物を含んでいた。
【0192】
本発明は、その具体的な態様と関連づけて記載されてきたが、さらなる改変が可能であること、ならびに、本願が、総じて本発明の原則に従う本発明のあらゆるバリエーション、使用または適用を包含することを意図され、本発明が関連する分野における公知のまたは習慣的な実施の範囲内に入るような、および本明細書において上に記載される必須の特徴に適用され得るような、および添付の請求の範囲における以下のもののような本開示からの解離を含むことが理解される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物において異常な細胞成長および異常な細胞増殖を阻害するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、式(I)、式(II)または式(III)、ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそれらのラセミおよびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体により表わされる構造を有し、ここで、式(I)は、構造
【化1】
を有し、ここで
XはH、ハロ−、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に(好ましくは独立してハロ、−CN、−CH=N(OH)、ヒドロキシ、C1〜C3−ヒドロカルビル、−O−C1〜C4アルキル、メトキシ、またはハロで単置換、2置換もしくは3置換されたアルキルから選択される1〜3個の置換基で)置換され、
Yは−NH2またはOHであり;
Arはアリーレンまたはヘテロアリーレンであって、これらの各々は任意に置換され;
Aは、共有結合、M1−L2−M1およびL2−M2−L2からなる群より選択され、ここで、
L2は、各存在毎に独立して、化学結合、C0〜C4ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO2−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−NH−CO−C0〜C4−ヒドロカルビル、およびC0〜C4−ヒドロカルビル−CO−NH−C0〜C4−ヒドロカルビルからなる群より選択され、ただし、X1がM1−L2−M1であるとき、L2は化学結合ではなく;
M1は、各存在毎に独立して、−O−、−N(R7)−、−S−、−S(O)−、S(O)2−、−S(O)2N(R7)−、−N(R7)−S(O)2−、−C(O)−、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され、ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
M2は、M1、ヘテロアリーレンおよびヘテロシクリレンからなる群より選択され、これらの環のいずれかは任意に置換され;ならびに
Lは、H、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され、これらの各々は任意に1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合しており、これらの環の各々は任意に置換され;
式(II)は、構造:
【化2】
を有し、ここで
Xは、H、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジルまたはピリミジルであって、これらの各々は任意に置換され;
Yは、−NH2であり;
Aは、−N(R7)−(CH2)−であり;ならびに
Lは、−ヘテロアリール−ヘテロアリール、−アルキルまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され;ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
式(III)は、構造:
【化3】
を有し、ここで
Cy5は、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され、ここでアリールおよびヘテロアリールの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合しており、これらの環の各々は、任意に置換され;
X1は、共有結合、C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−N(R8)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO2)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−O−CO−O−、−O−CS−O−、−NH−C(NH)−NH−、−S(O)2−N(R8)−、−N(R8)−S(O)2−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され;
ここで、R8は、水素、C1〜C5−アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、CO−アルキル、CO−アリール、CO−NH−アルキル、CO−NH−アリール、CO−O−アルキルおよびCO−O−アリールからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され;
nは0〜4であり;
Y1はNまたはCHであり;および
TはNH2またはOHである、
前記方法。
【請求項3】
HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、構造
【化4】
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
微小管を安定化させる化合物がタキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む、前記方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、HDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤が、式(IV)、式(IVa)または式(V)ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミ混合物およびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体により表わされる構造を有し、ここで、
式(IV)は、構造
【化5】
を有し、ここで
X2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Ar1は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Raは、Hまたは任意の置換基、好ましくはハロであり;
Rb、RcおよびRdは互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはハロであるか;あるいは
RbおよびRcは、これらが結合している原子と一緒になって、任意に、5員または6員の、シクロアルキルまたは1個もしくは2個の環ヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキルを形成し;これらの各々は1〜3個の置換基で任意に置換され;
Y2は−NH2または−OHであり;
Ybは−N−または−CH−であり;
Yaは、直接結合、−O−、−N(R34)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R34)−C(O)−、−C(O)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)−、−C(S)−N(R34)−、−N(R34)−C(O)−N(R35)−、−N(R34)−C(NR34)−N(R35)−、−N(R34)−C(NR35)−、−C(NR35)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)−N(R35)−、−N(R34)−C(O)−O−、−O−C(O)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)O−、−O−C(S)−N(R35)−、−S(O)0〜2−、−SO2N(R35)−、−N(R35)−SO2−、N(R34)−S(O)2−N(R35)−、−O−C1〜C3アルキル−、−N(R34)−C1〜C3アルキル−、−C(O)−C1〜C3アルキル−または−O−C(O)−C1〜C3アルキル−であり;
Xaは、C1〜C8アルキル−、C1〜C8アルケニル−、C1〜C8アルキニル−、C0〜C3アルキル−C1〜C8アルケニル−C0〜C3アルキル−、C0〜C3アルキル−C1〜C8アルキニル−C0〜C3アルキル−、C1〜C3アルキル−O−C1〜C3アルキル−、HO−C1〜C3アルキル−、C1〜C4アルキル−N(R34)−C0〜C3アルキル−、N(R34)(R35)−C0〜C3アルキル−、C1〜C3アルキル−S(O)0〜2−C1〜C3アルキル−、CF3−C0〜C3アルキル−、CF2H−C0〜C3アルキル−、C1〜C8ヘテロアルキル−、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−、アリール−C0〜C2アルキル−ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−、ヘテロアリール−C0〜C2アルキル−ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−、N(R34)(R35)−ヘテロシクリル−C0〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C0〜C3アルキル−ヘテロシクリル−またはC1〜C4アルキル−CH(N(R34)(R35))−C(O)−N(R34)−アリール−であって、ここでアリール、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、任意に1〜3個の独立して選択される置換基で置換されるか;
あるいは
Xa−Ya−は、H−、ハロ−、HO−、HS−、HC(O)−、HOC(O)−、C1〜C4アルキル−、H2N−、(R34)(R35)N−、C1〜C4アルキル−NH−、(C1〜C4アルキル)2−N−、HC(O)N(R34)−、(R34)(R35)N−S(O)2−N(R36)−、(R34)(R35)N−C(O)−、H2N−C(O)−、HC(S)N(R34)−、(R34)(R35)N−C(S)−、H2N−C(S)−、(R34)(R35)N−C(O)−O−、(R34)(R35)N−C(S)−O−、(R34)(R35)N−C(O)−N(R36)−、(C1〜C3アルキルN)2−C=N−、(R34)(R35)N−C(NR37)−N(R36)−、(R34)(R35)N−C(NR36)−、シクロアルキル−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、アリール−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、ヘテロアリール−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、C0〜C3アルキル−C(NR36)−、C1〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、CF3−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、CF3−C0〜C4アルキル−C(O)−N(R36)−、アリール−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、C1〜C4アルキル−O−C(O)−NH−、C1〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−C1〜C4アルキル−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−NH−C(O)−O−、C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、Me−C(O)−O−、Me−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、アリール−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−、アリール−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、アリール−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−NH−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、HO−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、HO−C1〜C4アルキル−N(H)−、HO−C1〜C4アルキル−N(R3)−、HO−C1〜C4アルキル−O−、HO−C1〜C4アルキル−S(O)0〜2−、HO−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、C1〜C4アルキル−O−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、HO−C2〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(O)−O−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(NH)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−、(C1〜C4
アルキル)2N−C2〜C4アルキル−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−S(O)0〜2−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、(C1〜C4アルキル)−O−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−(H)−、HO−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−N(H)−、HO−NH−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(R3)−、CF3−C0〜C4アルキル−O−、CF3−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、CF3−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、CF3−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、CF3−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(H)(R34)N−C1〜C3アルキル−、(H)(R34)N−C1〜C3アルキル−、HO−C1〜C3アルキル−、(H)(R34)N−S(O)2−N(R35)−、(H)(R35)N−S(O)2−、(H)(R34)N−C(S)−O−、(H)(R34)N−C(O)−O−、(H)(R34)N−C(S)−N(R35)−、(H)(R34)N−C(NR35)−、(H)(R34)N−C(NR34)−N(R38)−、(H)(R34)N−C(O)−N(R35)−、HO−C(O)−C1〜C3アルキル−、C1〜C4アルキル−S(O)2−NH−および((R34)(R35)N)2−C=N−からなる群より選択され;
mおよびnは、独立して、0、1、2または3であり;
qは、0、1または2であり;ならびに
R34、R35、R36およびR37は、互いに独立して、水素、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、−C1〜C8アルキル、C1〜C8ヘテロアルキル、C1〜C8アルケニル、カルボキサミド、C1〜C3アルキル−カルボキサミド−、カルボキサミド−C1〜C3アルキル−、アミジノ、C2〜C8ヒドロキシアルキル、C1〜C3アルキルアリール−、アリール−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルヘテロアリール−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルヘテロシクリル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルシクロアルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、C2〜C8アルコキシ−、C2〜C8アルコキシ−C1〜C4アルキル−、C1〜C8アルコキシカルボニル−、アリールオキシカルボニル−、アリール−C1〜C3アルコキシカルボニル−、ヘテロアリールオキシカルボニル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルコキシカルボニル−、C1〜C8アシル、C0〜C8アルキル−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−カルボニル−、C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、C1〜C8アルキルスルホニル−、アリールアルキルスルホニル−、アリールスルホニル−、ヘテロアリールアルキルスルホニル−、ヘテロアリールスルホニル−、C1〜C8アルキル−N(H)−スルホニル−、アリールアルキル−N(H)−スルホニル−、アリール−N(H)−スルホニル−、ヘテロアリールアルキル−N(H)−スルホニル−、ヘテロアリール−N(H)−スルホニル、アロイル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−および保護基からなる群より選択され、ここで上記の各々は、さらに任意に1または2以上の部分で置換されるか;あるいは
R34およびR35は、これらが結合しているNと一緒になって、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成し、これらの各々は1〜3個の置換基で任意に置換され、ここで、ヘテロシクリルはまた、架橋されて(メチレン、エチレンまたはプロピレン架橋により二環式部分を形成して)いてもよく、
ただし、1)YbがNであるとき、Yaが、Yを含む環にYa中のN、SまたはOを介して結合している場合、mは0ではなく、または2)mおよびnが両方とも0であるとき、Ybは−CH−であり;
式(IVa)は、構造
【化6】
を有し、ここでm、n、R34およびR35は、式(IV)について定義したとおりであり;ならびに
式(V)は、構造
【化7】
を有し、ここで
X3は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Y3は−NH2または−OHであり;
Ar2は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;および
Hetは任意に置換されたヘテロシクリルである、前記方法。
【請求項8】
HDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤が、構造
【化8】
を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
微小管を安定化させる化合物が、タキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法であって、細胞集団(cells)におけるメタロチオネイン3(MT3)の発現を上方調節すること、および/または細胞集団におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む、前記方法。
【請求項12】
微小管を安定化させる化合物がタキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、TSP1受容体のアゴニストを微小管を安定化させる化合物と組み合わせて投与することを含む、前記方法。
【請求項15】
微小管を安定化させる化合物がタキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法であって、細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む、前記方法。
【請求項18】
微小管を安定化させる化合物がタキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法であって、細胞におけるメタロチオネイン3(MT3)の発現を上方調節すること、および/または細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む、前記方法。
【請求項21】
微小管を安定化させる化合物がタキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
哺乳動物において血管新生を阻害するための方法であって、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を投与することを含む、前記方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、式(I)、式(II)または式(III)ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミ混合物およびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体により表わされる構造を有し、ここで、
式(I)は、構造
【化9】
を有し、ここで、
Xは、H、ハロ−、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に(好ましくは独立してハロ、−CN、−CH=N(OH)、ヒドロキシ、C1〜C3−ヒドロカルビル、−O−C1〜C4アルキル、メトキシ、またはハロで単置換、2置換もしくは3置換されたアルキルから選択される1〜3個の置換基により)置換され、
Yは、−NH2またはOHであり;
Arは、アリーレンまたはヘテロアリーレンであって、これらの各々は任意に置換され;
Aは、共有結合、M1−L2−M1およびL2−M2−L2からなる群より選択され、ここで、
L2は、各存在毎に独立して、化学結合、C0〜C4 ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0−C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO2−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−NH−CO−C0〜C4−ヒドロカルビル、およびC0〜C4−ヒドロカルビル−CO−NH−C0〜C4−ヒドロカルビルからなる群より選択され、ただし、X1がM1−L2−M1であるとき、L2は化学結合ではなく;
M1は、各存在毎に独立して、−O−、−N(R7)−、−S−、−S(O)−、S(O)2−、−S(O)2N(R7)−、−N(R7)−S(O)2−、−C(O)−、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され、ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
M2は、M1、ヘテロアリーレンおよびヘテロシクリレンからなる群より選択され、これらの環の各々は任意に置換され;ならびに
Lは、H、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され、これらの各々は任意に1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
式(II)は、構造:
【化10】
を有し、ここで、
Xは、H、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジルまたはピリミジルであって、これらの各々は任意に置換され;
Yは、−NH2であり;
Aは、−N(R7)−(CH2)−であり;および
Lは、−ヘテロアリール−ヘテロアリール、−アルキルまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され;ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
式(III)は、構造:
【化11】
を有し、ここで、
Cy5は、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され、ここでアリールおよびヘテロアリールの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
X1は、共有結合、C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−C0=C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−N(R8)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO2)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−O−CO−O−、−O−CS−O−、−NH−C(NH)−NH−、−S(O)2−N(R8)−、−N(R8)−S(O)2−、−NH−C(O)−O−、および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され;
ここで、R8は、水素、C1〜C5−アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、CO−アルキル、CO−アリール、CO−NH−アルキル、CO−NH−アリール、CO−O−アルキルおよびCO−O−アリールからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され;
nは0〜4であり;
Y1はNまたはCHであり;および
TはNH2またはOHである、前記方法。
【請求項25】
HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、構造
【化12】
を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
微小管を安定化させる化合物がタキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項23〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
細胞において抗血管新生因子の発現を誘導するための方法であって、細胞にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、式(I)、式(II)または式(III)ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミ混合物およびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体により表わされる構造を有し、ここで、
式(I)は、構造
【化13】
を有し、ここで、
Xは、H、ハロ−、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に(好ましくは独立してハロ、−CN、−CH=N(OH)、ヒドロキシ、C1〜C3−ヒドロカルビル、−O−C1〜C4アルキル、メトキシ、またはハロで単置換、2置換もしくは3置換されたアルキルから選択される1〜3個の置換基で)置換され、
Yは、−NH2またはOHであって;
Arは、アリーレンまたはヘテロアリーレンであって、これらの各々は任意に置換され;
Aは、共有結合、M1−L2−M1およびL2−M2−L2からなる群より選択され、ここで
L2は、各存在毎に独立して、化学結合、C0〜C4ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO2−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−NH−CO−C0〜C4−ヒドロカルビル、およびC0〜C4−ヒドロカルビル−CO−NH−C0〜C4−ヒドロカルビルからなる群より選択され、ただしX1がM1−L2−M1であるとき、L2は化学結合ではなく;
M1は、各存在毎に独立して、−O−、−N(R7)−、−S−、−S(O)−、S(O)2−、−S(O)2N(R7)−、−N(R7)−S(O)2−、−C(O)−、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され、ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
M2は、M1、ヘテロアリーレンおよびヘテロシクリレンからなる群より選択され、これらの環のいずれかは任意に置換され;ならびに
Lは、H、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され、これらの各々は任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
式(II)は、構造:
【化14】
を有し、ここで
Xは、H、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジルまたはピリミジルであって、これらの各々は任意に置換され;
Yは−NH2であり;
Aは−N(R7)−(CH2)−であり;ならびに
Lは−ヘテロアリール−ヘテロアリール、−アルキルまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され;ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
式(III)は、構造:
【化15】
を有し、ここで
Cy5は、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され、ここでアリールおよびヘテロアリールの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルまたは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
X1は、共有結合、C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−N(R8)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO2)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−O−CO−O−、−O−CS−O−、−NH−C(NH)−NH−、−S(O)2−N(R8)−、−N(R8)−S(O)2−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され;
ここで、R8は、水素、C1〜C5−アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、CO−アルキル、CO−アリール、CO−NH−アルキル、CO−NH−アリール、CO−O−アルキルおよびCO−O−アリールからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され;
nは、0〜4であり;
Y1は、NまたはCHであり;および
Tは、NH2またはOHである、前記方法。
【請求項30】
HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が構造
【化16】
を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
微小管を安定化させる化合物がタキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項28〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
細胞において血管新生因子の発現を阻害するための方法であって、細胞にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法であって、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、式(I)、式(II)または式(III)ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミ混合物およびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体により表わされる構造を有し、ここで
式(I)は、構造:
【化17】
を有し、ここで、
Xは、H、ハロ−、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に(好ましくは独立してハロ、−CN、−CH=N(OH)、ヒドロキシ、C1〜C3−ヒドロカルビル、−O−C1〜C4アルキル、メトキシ、またはハロで単置換、2置換または3置換されたアルキルから選択される1〜3個の置換基で)置換され、
Yは、−NH2またはOHであって;
Arは、アリーレンまたはヘテロアリーレンであって、これらの各々は任意に置換され;
Aは、共有結合、M1−L2−M1およびL2−M2−L2からなる群より選択され、ここで
L2は、各存在毎に独立して、化学結合、C0〜C4ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO2−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−NH−CO−C0〜C4−ヒドロカルビルおよびC0〜C4−ヒドロカルビル−CO−NH−C0〜C4−ヒドロカルビルからなる群より選択され、ただしX1がM1−L2−M1であるときL2は化学結合ではなく:
M1は、各存在毎に独立して、−O−、−N(R7)−、−S−、−S(O)−、S(O)2−、−S(O)2N(R7)−、−N(R7)−S(O)2−、−C(O)−、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され、ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
M2は、M1、ヘテロアリーレンおよびヘテロシクリレンからなる群より選択され、これらの環のいずれかは任意に置換され;ならびに
Lは、H、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され、これらの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
式(II)は、構造:
【化18】
を有し、ここで
Xは、H、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジルまたはピリミジルであって、これらの各々は任意に置換され;
Yは、−NH2であり;
Aは、−N(R7)−(CH2)−であり;ならびに
Lは、−ヘテロアリール−ヘテロアリール、−アルキルまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され;ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
式(III)は、構造:
【化19】
を有し、ここで
Cy5は、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され、アリールおよびヘテロアリールの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環に、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環に縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
X1は、共有結合、C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−N(R8)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO2)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−O−CO−O−、−O−CS−O−、−NH−C(NH)−NH−、−S(O)2−N(R8)−、−N(R8)−S(O)2−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され;
ここでR8は、水素、C1〜C5−アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、CO−アルキル、CO−アリール、CO−NH−アルキル、CO−NH−アリール、CO−O−アルキルおよびCO−O−アリールからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され;
nは、0〜4であり;
Y1は、NまたはCHであり;ならびに
Tは、NH2またはOHである、前記方法。
【請求項35】
HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、構造
【化20】
を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
微小管を安定化させる化合物が、タキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項33〜35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
患者において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を制御するための方法であって、それを必要とする患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む、前記方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法であって、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、式(I)、式(II)または式(III)ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミ混合物およびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体により表わされる構造を有し、ここで、
式(I)は、構造
【化21】
を有し、ここで、
Xは、H、ハロ−、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に(好ましくは独立してハロ、−CN、−CH=N(OH)、ヒドロキシ、C1〜C3−ヒドロカルビル、−O−C1〜C4アルキル、メトキシ、またはハロで単置換、2置換もしくは3置換されたアルキルから選択される1〜3個の置換基で)置換され、
Yは、−NH2またはOHであり;
Arは、アリーレンまたはヘテロアリーレンであって、これらの各々は任意に置換され;
Aは、共有結合、M1−L2−M1およびL2−M2−L2からなる群より選択され、ここで、
L2は、各存在毎に独立して、化学結合、C0〜C4ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO2−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−NH−CO−C0〜C4−ヒドロカルビルおよびC0〜C4−ヒドロカルビル−CO−NH−C0〜C4−ヒドロカルビルからなる群より選択され、ただしX1がM1−L2−M1であるときL2は化学結合ではなく;
M1は、各存在毎に独立して、−O−、−N(R7)−、−S−、−S(O)−、S(O)2−、−S(O)2N(R7)−、−N(R7)−S(O)2−、−C(O)−、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され、ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
M2は、M1、ヘテロアリーレンおよびヘテロシクリレンからなる群より選択され、これらの環のいずれかは任意に置換され;ならびに
Lは、H、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され、これらの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
式(II)は、構造:
【化22】
を有し、ここで、
Xは、H、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジルまたはピリミジルであって、これらの各々は任意に置換され;
Yは、−NH2であり;
Aは、−N(R7)−(CH2)−であり;ならびに
Lは、−ヘテロアリール−ヘテロアリール、−アルキルまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され;ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
式(III)は、構造:
【化23】
を有し、ここで、
Cy5は、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され、ここでアリールおよびヘテロアリールの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
X1は、共有結合、C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−N(R8)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO2)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−O−CO−O−、−O−CS−O−、−NH−C(NH)−NH−、−S(O)2−N(R8)−、−N(R8)−S(O)2−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され;
ここで、R8は、水素、C1〜C5−アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、CO−アルキル、CO−アリール、CO−NH−アルキル、CO−NH−アリール、CO−O−アルキルおよびCO−O−アリールからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され;
nは、0〜4であり;
Y1は、NまたはCHであり;ならびに
Tは、NH2またはOHである、前記方法。
【請求項40】
HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、構造
【化24】
を有する、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
微小管を安定化させる化合物が、タキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項38〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
患者において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を制御するための方法であって、それを必要とする患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む、前記方法。
【請求項44】
請求項43に記載の方法であって、HDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤が、式(IV)、式(IVa)または式(V)、ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミ混合物およびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体により表わされる構造を有し、ここで、
式(IV)は、構造
【化25】
を、有し、ここで、
X2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Ar1は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Raは、H、または任意の置換基、好ましくはハロであり;
Rb、RcおよびRdは、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはハロであるか;あるいは
RbおよびRcは、それらが結合している原子と一緒になって、任意に、5員または6員の、シクロアルキルもしくは1個または2個の環ヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキルを形成し;これらの各々は任意に1〜3個の置換基で置換され;
Y2は、−NH2または−OHであり;
Ybは、−N−または−CH−であり;
Yaは、直接結合、−O−、−N(R34)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R34)−C(O)−、−C(O)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)−、−C(S)−N(R34)−、−N(R34)−C(O)−N(R35)−、−N(R34)−C(NR34)−N(R35)−、−N(R34)−C(NR35)−、−C(NR35)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)−N(R35)−、−N(R34)−C(O)−O−、−O−C(O)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)O−、−O−C(S)−N(R35)−、−S(O)0−2−、−SO2N(R35)−、−N(R35)−SO2−、N(R34)−S(O)2−N(R35)−、−O−C1〜C3アルキル−、−N(R34)−C1〜C3アルキル−、−C(O)−C1〜C3アルキル−または−O−C(O)−C1〜C3アルキル−であり;
Xaは、C1〜C8アルキル−、C1〜C8アルケニル−、C1〜C8アルキニル−、C0〜C3アルキル−C1〜C8アルケニル−C0〜C3アルキル−、C0〜C3アルキル−C1〜C8アルキニル−C0〜C3アルキル−、C1〜C3アルキル−O−C1〜C3アルキル−、HO−C1〜C3アルキル−、C1〜C4アルキル−N(R34)−C0〜C3アルキル−、N(R34)(R35)−C0〜C3アルキル−、C1〜C3アルキル−S(O)0〜2−C1〜C3アルキル−、CF3−C0〜C3アルキル−、CF2H−C0〜C3アルキル−、C1〜C8ヘテロアルキル−、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−、アリール−C0〜C2アルキル−ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−、ヘテロアリール−C0〜C2アルキル−ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−、N(R34)(R35)−ヘテロシクリル−C0〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C0〜C3アルキル−ヘテロシクリル−またはC1〜C4アルキル−CH(N(R34)(R35))−C(O)−N(R34)−アリール−であり、ここでアリール、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは任意に1〜3個の独立して選択される置換基で置換されるか;あるいは
Xa−Ya−は、H−、ハロ−、HO−、HS−、HC(O)−、HOC(O)−、C1〜C4アルキル−、H2N−、(R34)(R35)N−、C1〜C4アルキル−NH−、(C1〜C4アルキル)2−N−、HC(O)N(R34)−、(R34)(R35)N−S(O)2−N(R36)−、(R34)(R35)N−C(O)−、H2N−C(O)−、HC(S)N(R34)−、(R34)(R35)N−C(S)−、H2N−C(S)−、(R34)(R35)N−C(O)−O−、(R34)(R35)N−C(S)−O−、(R34)(R35)N−C(O)−N(R36)−、(C1〜C3アルキルN)2−C=N−、(R34)(R35)N−C(NR37)−N(R36)−、(R34)(R35)N−C(NR36)−、シクロアルキル−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、アリール−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、ヘテロアリール−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、C0〜C3アルキル−C(NR36)−、C1〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、CF3−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、CF3−C0〜C4アルキル−C(O)−N(R36)−、アリール−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、C1〜C4アルキル−O−C(O)−NH−、C1〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−C1〜C4アルキル−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−NH−C(O)−O−、C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、Me−C(O)−O−、Me−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、アリール−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−、アリール−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、アリール−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−NH−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、HO−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、HO−C1〜C4アルキル−N(H)−、HO−C1〜C4アルキル−N(R3)−、HO−C1〜C4アルキル−O−、HO−C1〜C4アルキル−S(O)0〜2−、HO−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、C1〜C4アルキル−O−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、HO−C2〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(O)−O−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(NH)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−、(C1〜C4
アルキル)2N−C2〜C4アルキル−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−S(O)0〜2−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、(C1〜C4アルキル)−O−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−(H)−、HO−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−N(H)−、HO−NH−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(R3)−、CF3−C0〜C4アルキル−O−、CF3−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、CF3−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、CF3−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、CF3−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(H)(R34)N−C1〜C3アルキル−、(H)(R34)N−C1〜C3アルキル−、HO−C1〜C3アルキル−、(H)(R34)N−S(O)2−N(R35)−、(H)(R35)N−S(O)2−、(H)(R34)N−C(S)−O−、(H)(R34)N−C(O)−O−、(H)(R34)N−C(S)−N(R35)−、(H)(R34)N−C(NR35)−、(H)(R34)N−C(NR34)−N(R38)−、(H)(R34)N−C(O)−N(R35)−、HO−C(O)−C1〜C3アルキル−、C1〜C4アルキル−S(O)2−NH−および((R34)(R35)N)2−C=N−からなる群より選択され;
mおよびnは、独立して0、1、2または3であり;
qは、0、1または2であり;ならびに
R34、R35、R36およびR37は、互いに独立して、水素、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、−C1〜C8アルキル、C1〜C8ヘテロアルキル、C1〜C8アルケニル、カルボキサミド、C1〜C3アルキル−カルボキサミド−、カルボキサミド−C1〜C3アルキル−、アミジノ、C2〜C8ヒドロキシアルキル、C1〜C3アルキルアリール−、アリール−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルヘテロアリール−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルヘテロシクリル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルシクロアルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、C2〜C8アルコキシ−、C2〜C8アルコキシ−C1〜C4アルキル−、C1〜C8アルコキシカルボニル−、アリールオキシカルボニル−、アリール−C1〜C3アルコキシカルボニル−、ヘテロアリールオキシカルボニル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルコキシカルボニル−、C1〜C8アシル、C0〜C8アルキル−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−カルボニル−、C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、C1〜C8アルキルスルホニル−、アリールアルキルスルホニル−、アリールスルホニル−、ヘテロアリールアルキルスルホニル−、ヘテロアリールスルホニル−、C1〜C8アルキル−N(H)−スルホニル−、アリールアルキル−N(H)−スルホニル−、アリール−N(H)−スルホニル−、ヘテロアリールアルキル−N(H)−スルホニル−、ヘテロアリール−N(H)−スルホニル、アロイル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−および保護基からなる群より選択され、ここで上記の各々はさらに任意に1または2以上の部分で置換されるか;あるいは
R34およびR35は、それらが結合しているNと一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成し、これらの各々は任意に1〜3個の置換基で置換され、ここでヘテロシクリルはまた架橋されて(メチレン、エチレンまたはプロピレン架橋により二環式部分を形成して)いてもよく、
ただし、1)YbがNであるとき、Yaが、Yを含む環にYa中のN、SまたはOを介して結合している場合、mは0ではなく、または2)mおよびnが両方とも0であるとき、Ybは−CH−であり;
式(IVa)は、構造:
【化26】
を有し、ここでm、n、R34およびR35は、式(IV)について定義したとおりであり;ならびに
式(V)は、構造:
【化27】
を有し、ここで、
X3は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Y3は、−NH2または−OHであり;
Ar2は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;ならびに
Hetは、任意に置換されたヘテロシクリルである、前記方法。
【請求項45】
HDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤が、構造
【化28】
を有する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
微小管を安定化させる化合物が、タキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項43〜45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の、微小管を安定化させる化合物と組み合わせての、患者において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するためあるいはがんを処置するための医薬の製造のための使用。
【請求項1】
哺乳動物において異常な細胞成長および異常な細胞増殖を阻害するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、式(I)、式(II)または式(III)、ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそれらのラセミおよびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体により表わされる構造を有し、ここで、式(I)は、構造
【化1】
を有し、ここで
XはH、ハロ−、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に(好ましくは独立してハロ、−CN、−CH=N(OH)、ヒドロキシ、C1〜C3−ヒドロカルビル、−O−C1〜C4アルキル、メトキシ、またはハロで単置換、2置換もしくは3置換されたアルキルから選択される1〜3個の置換基で)置換され、
Yは−NH2またはOHであり;
Arはアリーレンまたはヘテロアリーレンであって、これらの各々は任意に置換され;
Aは、共有結合、M1−L2−M1およびL2−M2−L2からなる群より選択され、ここで、
L2は、各存在毎に独立して、化学結合、C0〜C4ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO2−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−NH−CO−C0〜C4−ヒドロカルビル、およびC0〜C4−ヒドロカルビル−CO−NH−C0〜C4−ヒドロカルビルからなる群より選択され、ただし、X1がM1−L2−M1であるとき、L2は化学結合ではなく;
M1は、各存在毎に独立して、−O−、−N(R7)−、−S−、−S(O)−、S(O)2−、−S(O)2N(R7)−、−N(R7)−S(O)2−、−C(O)−、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され、ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
M2は、M1、ヘテロアリーレンおよびヘテロシクリレンからなる群より選択され、これらの環のいずれかは任意に置換され;ならびに
Lは、H、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され、これらの各々は任意に1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合しており、これらの環の各々は任意に置換され;
式(II)は、構造:
【化2】
を有し、ここで
Xは、H、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジルまたはピリミジルであって、これらの各々は任意に置換され;
Yは、−NH2であり;
Aは、−N(R7)−(CH2)−であり;ならびに
Lは、−ヘテロアリール−ヘテロアリール、−アルキルまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され;ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
式(III)は、構造:
【化3】
を有し、ここで
Cy5は、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され、ここでアリールおよびヘテロアリールの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合しており、これらの環の各々は、任意に置換され;
X1は、共有結合、C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−N(R8)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO2)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−O−CO−O−、−O−CS−O−、−NH−C(NH)−NH−、−S(O)2−N(R8)−、−N(R8)−S(O)2−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され;
ここで、R8は、水素、C1〜C5−アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、CO−アルキル、CO−アリール、CO−NH−アルキル、CO−NH−アリール、CO−O−アルキルおよびCO−O−アリールからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され;
nは0〜4であり;
Y1はNまたはCHであり;および
TはNH2またはOHである、
前記方法。
【請求項3】
HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、構造
【化4】
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
微小管を安定化させる化合物がタキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む、前記方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、HDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤が、式(IV)、式(IVa)または式(V)ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミ混合物およびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体により表わされる構造を有し、ここで、
式(IV)は、構造
【化5】
を有し、ここで
X2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Ar1は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Raは、Hまたは任意の置換基、好ましくはハロであり;
Rb、RcおよびRdは互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはハロであるか;あるいは
RbおよびRcは、これらが結合している原子と一緒になって、任意に、5員または6員の、シクロアルキルまたは1個もしくは2個の環ヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキルを形成し;これらの各々は1〜3個の置換基で任意に置換され;
Y2は−NH2または−OHであり;
Ybは−N−または−CH−であり;
Yaは、直接結合、−O−、−N(R34)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R34)−C(O)−、−C(O)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)−、−C(S)−N(R34)−、−N(R34)−C(O)−N(R35)−、−N(R34)−C(NR34)−N(R35)−、−N(R34)−C(NR35)−、−C(NR35)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)−N(R35)−、−N(R34)−C(O)−O−、−O−C(O)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)O−、−O−C(S)−N(R35)−、−S(O)0〜2−、−SO2N(R35)−、−N(R35)−SO2−、N(R34)−S(O)2−N(R35)−、−O−C1〜C3アルキル−、−N(R34)−C1〜C3アルキル−、−C(O)−C1〜C3アルキル−または−O−C(O)−C1〜C3アルキル−であり;
Xaは、C1〜C8アルキル−、C1〜C8アルケニル−、C1〜C8アルキニル−、C0〜C3アルキル−C1〜C8アルケニル−C0〜C3アルキル−、C0〜C3アルキル−C1〜C8アルキニル−C0〜C3アルキル−、C1〜C3アルキル−O−C1〜C3アルキル−、HO−C1〜C3アルキル−、C1〜C4アルキル−N(R34)−C0〜C3アルキル−、N(R34)(R35)−C0〜C3アルキル−、C1〜C3アルキル−S(O)0〜2−C1〜C3アルキル−、CF3−C0〜C3アルキル−、CF2H−C0〜C3アルキル−、C1〜C8ヘテロアルキル−、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−、アリール−C0〜C2アルキル−ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−、ヘテロアリール−C0〜C2アルキル−ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−、N(R34)(R35)−ヘテロシクリル−C0〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C0〜C3アルキル−ヘテロシクリル−またはC1〜C4アルキル−CH(N(R34)(R35))−C(O)−N(R34)−アリール−であって、ここでアリール、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、任意に1〜3個の独立して選択される置換基で置換されるか;
あるいは
Xa−Ya−は、H−、ハロ−、HO−、HS−、HC(O)−、HOC(O)−、C1〜C4アルキル−、H2N−、(R34)(R35)N−、C1〜C4アルキル−NH−、(C1〜C4アルキル)2−N−、HC(O)N(R34)−、(R34)(R35)N−S(O)2−N(R36)−、(R34)(R35)N−C(O)−、H2N−C(O)−、HC(S)N(R34)−、(R34)(R35)N−C(S)−、H2N−C(S)−、(R34)(R35)N−C(O)−O−、(R34)(R35)N−C(S)−O−、(R34)(R35)N−C(O)−N(R36)−、(C1〜C3アルキルN)2−C=N−、(R34)(R35)N−C(NR37)−N(R36)−、(R34)(R35)N−C(NR36)−、シクロアルキル−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、アリール−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、ヘテロアリール−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、C0〜C3アルキル−C(NR36)−、C1〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、CF3−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、CF3−C0〜C4アルキル−C(O)−N(R36)−、アリール−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、C1〜C4アルキル−O−C(O)−NH−、C1〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−C1〜C4アルキル−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−NH−C(O)−O−、C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、Me−C(O)−O−、Me−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、アリール−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−、アリール−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、アリール−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−NH−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、HO−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、HO−C1〜C4アルキル−N(H)−、HO−C1〜C4アルキル−N(R3)−、HO−C1〜C4アルキル−O−、HO−C1〜C4アルキル−S(O)0〜2−、HO−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、C1〜C4アルキル−O−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、HO−C2〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(O)−O−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(NH)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−、(C1〜C4
アルキル)2N−C2〜C4アルキル−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−S(O)0〜2−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、(C1〜C4アルキル)−O−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−(H)−、HO−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−N(H)−、HO−NH−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(R3)−、CF3−C0〜C4アルキル−O−、CF3−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、CF3−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、CF3−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、CF3−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(H)(R34)N−C1〜C3アルキル−、(H)(R34)N−C1〜C3アルキル−、HO−C1〜C3アルキル−、(H)(R34)N−S(O)2−N(R35)−、(H)(R35)N−S(O)2−、(H)(R34)N−C(S)−O−、(H)(R34)N−C(O)−O−、(H)(R34)N−C(S)−N(R35)−、(H)(R34)N−C(NR35)−、(H)(R34)N−C(NR34)−N(R38)−、(H)(R34)N−C(O)−N(R35)−、HO−C(O)−C1〜C3アルキル−、C1〜C4アルキル−S(O)2−NH−および((R34)(R35)N)2−C=N−からなる群より選択され;
mおよびnは、独立して、0、1、2または3であり;
qは、0、1または2であり;ならびに
R34、R35、R36およびR37は、互いに独立して、水素、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、−C1〜C8アルキル、C1〜C8ヘテロアルキル、C1〜C8アルケニル、カルボキサミド、C1〜C3アルキル−カルボキサミド−、カルボキサミド−C1〜C3アルキル−、アミジノ、C2〜C8ヒドロキシアルキル、C1〜C3アルキルアリール−、アリール−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルヘテロアリール−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルヘテロシクリル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルシクロアルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、C2〜C8アルコキシ−、C2〜C8アルコキシ−C1〜C4アルキル−、C1〜C8アルコキシカルボニル−、アリールオキシカルボニル−、アリール−C1〜C3アルコキシカルボニル−、ヘテロアリールオキシカルボニル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルコキシカルボニル−、C1〜C8アシル、C0〜C8アルキル−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−カルボニル−、C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、C1〜C8アルキルスルホニル−、アリールアルキルスルホニル−、アリールスルホニル−、ヘテロアリールアルキルスルホニル−、ヘテロアリールスルホニル−、C1〜C8アルキル−N(H)−スルホニル−、アリールアルキル−N(H)−スルホニル−、アリール−N(H)−スルホニル−、ヘテロアリールアルキル−N(H)−スルホニル−、ヘテロアリール−N(H)−スルホニル、アロイル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−および保護基からなる群より選択され、ここで上記の各々は、さらに任意に1または2以上の部分で置換されるか;あるいは
R34およびR35は、これらが結合しているNと一緒になって、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成し、これらの各々は1〜3個の置換基で任意に置換され、ここで、ヘテロシクリルはまた、架橋されて(メチレン、エチレンまたはプロピレン架橋により二環式部分を形成して)いてもよく、
ただし、1)YbがNであるとき、Yaが、Yを含む環にYa中のN、SまたはOを介して結合している場合、mは0ではなく、または2)mおよびnが両方とも0であるとき、Ybは−CH−であり;
式(IVa)は、構造
【化6】
を有し、ここでm、n、R34およびR35は、式(IV)について定義したとおりであり;ならびに
式(V)は、構造
【化7】
を有し、ここで
X3は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Y3は−NH2または−OHであり;
Ar2は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;および
Hetは任意に置換されたヘテロシクリルである、前記方法。
【請求項8】
HDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤が、構造
【化8】
を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
微小管を安定化させる化合物が、タキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法であって、細胞集団(cells)におけるメタロチオネイン3(MT3)の発現を上方調節すること、および/または細胞集団におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む、前記方法。
【請求項12】
微小管を安定化させる化合物がタキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に、TSP1受容体のアゴニストを微小管を安定化させる化合物と組み合わせて投与することを含む、前記方法。
【請求項15】
微小管を安定化させる化合物がタキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法であって、細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む、前記方法。
【請求項18】
微小管を安定化させる化合物がタキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
哺乳動物において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するための方法であって、細胞におけるメタロチオネイン3(MT3)の発現を上方調節すること、および/または細胞におけるトロンボスポンジン−1(TSP1)の発現を上方調節することを、微小管を安定化させる化合物を投与することと組み合わせて含む、前記方法。
【請求項21】
微小管を安定化させる化合物がタキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
哺乳動物において血管新生を阻害するための方法であって、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を投与することを含む、前記方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、式(I)、式(II)または式(III)ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミ混合物およびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体により表わされる構造を有し、ここで、
式(I)は、構造
【化9】
を有し、ここで、
Xは、H、ハロ−、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に(好ましくは独立してハロ、−CN、−CH=N(OH)、ヒドロキシ、C1〜C3−ヒドロカルビル、−O−C1〜C4アルキル、メトキシ、またはハロで単置換、2置換もしくは3置換されたアルキルから選択される1〜3個の置換基により)置換され、
Yは、−NH2またはOHであり;
Arは、アリーレンまたはヘテロアリーレンであって、これらの各々は任意に置換され;
Aは、共有結合、M1−L2−M1およびL2−M2−L2からなる群より選択され、ここで、
L2は、各存在毎に独立して、化学結合、C0〜C4 ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0−C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO2−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−NH−CO−C0〜C4−ヒドロカルビル、およびC0〜C4−ヒドロカルビル−CO−NH−C0〜C4−ヒドロカルビルからなる群より選択され、ただし、X1がM1−L2−M1であるとき、L2は化学結合ではなく;
M1は、各存在毎に独立して、−O−、−N(R7)−、−S−、−S(O)−、S(O)2−、−S(O)2N(R7)−、−N(R7)−S(O)2−、−C(O)−、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され、ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
M2は、M1、ヘテロアリーレンおよびヘテロシクリレンからなる群より選択され、これらの環の各々は任意に置換され;ならびに
Lは、H、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され、これらの各々は任意に1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
式(II)は、構造:
【化10】
を有し、ここで、
Xは、H、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジルまたはピリミジルであって、これらの各々は任意に置換され;
Yは、−NH2であり;
Aは、−N(R7)−(CH2)−であり;および
Lは、−ヘテロアリール−ヘテロアリール、−アルキルまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され;ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
式(III)は、構造:
【化11】
を有し、ここで、
Cy5は、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され、ここでアリールおよびヘテロアリールの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
X1は、共有結合、C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−C0=C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−N(R8)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO2)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−O−CO−O−、−O−CS−O−、−NH−C(NH)−NH−、−S(O)2−N(R8)−、−N(R8)−S(O)2−、−NH−C(O)−O−、および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され;
ここで、R8は、水素、C1〜C5−アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、CO−アルキル、CO−アリール、CO−NH−アルキル、CO−NH−アリール、CO−O−アルキルおよびCO−O−アリールからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され;
nは0〜4であり;
Y1はNまたはCHであり;および
TはNH2またはOHである、前記方法。
【請求項25】
HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、構造
【化12】
を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
微小管を安定化させる化合物がタキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項23〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
細胞において抗血管新生因子の発現を誘導するための方法であって、細胞にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、式(I)、式(II)または式(III)ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミ混合物およびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体により表わされる構造を有し、ここで、
式(I)は、構造
【化13】
を有し、ここで、
Xは、H、ハロ−、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に(好ましくは独立してハロ、−CN、−CH=N(OH)、ヒドロキシ、C1〜C3−ヒドロカルビル、−O−C1〜C4アルキル、メトキシ、またはハロで単置換、2置換もしくは3置換されたアルキルから選択される1〜3個の置換基で)置換され、
Yは、−NH2またはOHであって;
Arは、アリーレンまたはヘテロアリーレンであって、これらの各々は任意に置換され;
Aは、共有結合、M1−L2−M1およびL2−M2−L2からなる群より選択され、ここで
L2は、各存在毎に独立して、化学結合、C0〜C4ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO2−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−NH−CO−C0〜C4−ヒドロカルビル、およびC0〜C4−ヒドロカルビル−CO−NH−C0〜C4−ヒドロカルビルからなる群より選択され、ただしX1がM1−L2−M1であるとき、L2は化学結合ではなく;
M1は、各存在毎に独立して、−O−、−N(R7)−、−S−、−S(O)−、S(O)2−、−S(O)2N(R7)−、−N(R7)−S(O)2−、−C(O)−、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され、ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
M2は、M1、ヘテロアリーレンおよびヘテロシクリレンからなる群より選択され、これらの環のいずれかは任意に置換され;ならびに
Lは、H、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され、これらの各々は任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
式(II)は、構造:
【化14】
を有し、ここで
Xは、H、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジルまたはピリミジルであって、これらの各々は任意に置換され;
Yは−NH2であり;
Aは−N(R7)−(CH2)−であり;ならびに
Lは−ヘテロアリール−ヘテロアリール、−アルキルまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され;ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
式(III)は、構造:
【化15】
を有し、ここで
Cy5は、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され、ここでアリールおよびヘテロアリールの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルまたは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
X1は、共有結合、C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−N(R8)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO2)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−O−CO−O−、−O−CS−O−、−NH−C(NH)−NH−、−S(O)2−N(R8)−、−N(R8)−S(O)2−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され;
ここで、R8は、水素、C1〜C5−アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、CO−アルキル、CO−アリール、CO−NH−アルキル、CO−NH−アリール、CO−O−アルキルおよびCO−O−アリールからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され;
nは、0〜4であり;
Y1は、NまたはCHであり;および
Tは、NH2またはOHである、前記方法。
【請求項30】
HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が構造
【化16】
を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
微小管を安定化させる化合物がタキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項28〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
細胞において血管新生因子の発現を阻害するための方法であって、細胞にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法であって、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、式(I)、式(II)または式(III)ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミ混合物およびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体により表わされる構造を有し、ここで
式(I)は、構造:
【化17】
を有し、ここで、
Xは、H、ハロ−、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に(好ましくは独立してハロ、−CN、−CH=N(OH)、ヒドロキシ、C1〜C3−ヒドロカルビル、−O−C1〜C4アルキル、メトキシ、またはハロで単置換、2置換または3置換されたアルキルから選択される1〜3個の置換基で)置換され、
Yは、−NH2またはOHであって;
Arは、アリーレンまたはヘテロアリーレンであって、これらの各々は任意に置換され;
Aは、共有結合、M1−L2−M1およびL2−M2−L2からなる群より選択され、ここで
L2は、各存在毎に独立して、化学結合、C0〜C4ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO2−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−NH−CO−C0〜C4−ヒドロカルビルおよびC0〜C4−ヒドロカルビル−CO−NH−C0〜C4−ヒドロカルビルからなる群より選択され、ただしX1がM1−L2−M1であるときL2は化学結合ではなく:
M1は、各存在毎に独立して、−O−、−N(R7)−、−S−、−S(O)−、S(O)2−、−S(O)2N(R7)−、−N(R7)−S(O)2−、−C(O)−、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され、ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
M2は、M1、ヘテロアリーレンおよびヘテロシクリレンからなる群より選択され、これらの環のいずれかは任意に置換され;ならびに
Lは、H、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され、これらの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
式(II)は、構造:
【化18】
を有し、ここで
Xは、H、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジルまたはピリミジルであって、これらの各々は任意に置換され;
Yは、−NH2であり;
Aは、−N(R7)−(CH2)−であり;ならびに
Lは、−ヘテロアリール−ヘテロアリール、−アルキルまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され;ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
式(III)は、構造:
【化19】
を有し、ここで
Cy5は、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され、アリールおよびヘテロアリールの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環に、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環に縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
X1は、共有結合、C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−N(R8)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO2)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−O−CO−O−、−O−CS−O−、−NH−C(NH)−NH−、−S(O)2−N(R8)−、−N(R8)−S(O)2−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され;
ここでR8は、水素、C1〜C5−アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、CO−アルキル、CO−アリール、CO−NH−アルキル、CO−NH−アリール、CO−O−アルキルおよびCO−O−アリールからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され;
nは、0〜4であり;
Y1は、NまたはCHであり;ならびに
Tは、NH2またはOHである、前記方法。
【請求項35】
HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、構造
【化20】
を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
微小管を安定化させる化合物が、タキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項33〜35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
患者において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を制御するための方法であって、それを必要とする患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む、前記方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法であって、HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、式(I)、式(II)または式(III)ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミ混合物およびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体により表わされる構造を有し、ここで、
式(I)は、構造
【化21】
を有し、ここで、
Xは、H、ハロ−、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、−CH2F、−CHF2、−CF3、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に(好ましくは独立してハロ、−CN、−CH=N(OH)、ヒドロキシ、C1〜C3−ヒドロカルビル、−O−C1〜C4アルキル、メトキシ、またはハロで単置換、2置換もしくは3置換されたアルキルから選択される1〜3個の置換基で)置換され、
Yは、−NH2またはOHであり;
Arは、アリーレンまたはヘテロアリーレンであって、これらの各々は任意に置換され;
Aは、共有結合、M1−L2−M1およびL2−M2−L2からなる群より選択され、ここで、
L2は、各存在毎に独立して、化学結合、C0〜C4ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−SO2−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−NH−CO−C0〜C4−ヒドロカルビルおよびC0〜C4−ヒドロカルビル−CO−NH−C0〜C4−ヒドロカルビルからなる群より選択され、ただしX1がM1−L2−M1であるときL2は化学結合ではなく;
M1は、各存在毎に独立して、−O−、−N(R7)−、−S−、−S(O)−、S(O)2−、−S(O)2N(R7)−、−N(R7)−S(O)2−、−C(O)−、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され、ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
M2は、M1、ヘテロアリーレンおよびヘテロシクリレンからなる群より選択され、これらの環のいずれかは任意に置換され;ならびに
Lは、H、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され、これらの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
式(II)は、構造:
【化22】
を有し、ここで、
Xは、H、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジルまたはピリミジルであって、これらの各々は任意に置換され;
Yは、−NH2であり;
Aは、−N(R7)−(CH2)−であり;ならびに
Lは、−ヘテロアリール−ヘテロアリール、−アルキルまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され;ここでR7は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択され;ならびに
式(III)は、構造:
【化23】
を有し、ここで、
Cy5は、アリールまたはヘテロアリールであって、これらの各々は任意に置換され、ここでアリールおよびヘテロアリールの各々は、任意に、1もしくは2以上のアリールもしくはヘテロアリール環と、または1もしくは2以上の飽和もしくは部分的に不飽和のシクロアルキルもしくは複素環式環と縮合し、これらの環の各々は任意に置換され;
X1は、共有結合、C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−N(R8)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(S)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(O)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(SO2)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(NH)−(CO)−C0〜C4−ヒドロカルビル、C0〜C4−ヒドロカルビル−(CO)−(NH)−C0〜C4−ヒドロカルビル、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−O−CO−O−、−O−CS−O−、−NH−C(NH)−NH−、−S(O)2−N(R8)−、−N(R8)−S(O)2−、−NH−C(O)−O−および−O−C(O)−NH−からなる群より選択され;
ここで、R8は、水素、C1〜C5−アルキル、アリール、アラルキル、アシル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、SO2−アルキル、SO2−アリール、CO−アルキル、CO−アリール、CO−NH−アルキル、CO−NH−アリール、CO−O−アルキルおよびCO−O−アリールからなる群より選択され、これらの各々は任意に置換され;
nは、0〜4であり;
Y1は、NまたはCHであり;ならびに
Tは、NH2またはOHである、前記方法。
【請求項40】
HDAC1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤が、構造
【化24】
を有する、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
微小管を安定化させる化合物が、タキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項38〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
患者において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を制御するための方法であって、それを必要とする患者に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1および/またはHDAC2の選択的阻害剤の有効量を、微小管を安定化させる化合物の有効量と組み合わせて投与することを含む、前記方法。
【請求項44】
請求項43に記載の方法であって、HDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤が、式(IV)、式(IVa)または式(V)、ならびにそのN−オキシド、水和物、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグおよび錯体、ならびにそのラセミ混合物およびスケールミック混合物、ジアステレオマー、エナンチオマーおよび互換異性体により表わされる構造を有し、ここで、
式(IV)は、構造
【化25】
を、有し、ここで、
X2は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Ar1は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Raは、H、または任意の置換基、好ましくはハロであり;
Rb、RcおよびRdは、互いに独立して、水素、C1〜C8アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはハロであるか;あるいは
RbおよびRcは、それらが結合している原子と一緒になって、任意に、5員または6員の、シクロアルキルもしくは1個または2個の環ヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキルを形成し;これらの各々は任意に1〜3個の置換基で置換され;
Y2は、−NH2または−OHであり;
Ybは、−N−または−CH−であり;
Yaは、直接結合、−O−、−N(R34)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R34)−C(O)−、−C(O)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)−、−C(S)−N(R34)−、−N(R34)−C(O)−N(R35)−、−N(R34)−C(NR34)−N(R35)−、−N(R34)−C(NR35)−、−C(NR35)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)−N(R35)−、−N(R34)−C(O)−O−、−O−C(O)−N(R34)−、−N(R34)−C(S)O−、−O−C(S)−N(R35)−、−S(O)0−2−、−SO2N(R35)−、−N(R35)−SO2−、N(R34)−S(O)2−N(R35)−、−O−C1〜C3アルキル−、−N(R34)−C1〜C3アルキル−、−C(O)−C1〜C3アルキル−または−O−C(O)−C1〜C3アルキル−であり;
Xaは、C1〜C8アルキル−、C1〜C8アルケニル−、C1〜C8アルキニル−、C0〜C3アルキル−C1〜C8アルケニル−C0〜C3アルキル−、C0〜C3アルキル−C1〜C8アルキニル−C0〜C3アルキル−、C1〜C3アルキル−O−C1〜C3アルキル−、HO−C1〜C3アルキル−、C1〜C4アルキル−N(R34)−C0〜C3アルキル−、N(R34)(R35)−C0〜C3アルキル−、C1〜C3アルキル−S(O)0〜2−C1〜C3アルキル−、CF3−C0〜C3アルキル−、CF2H−C0〜C3アルキル−、C1〜C8ヘテロアルキル−、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−、アリール−C0〜C2アルキル−ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−、ヘテロアリール−C0〜C2アルキル−ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−、N(R34)(R35)−ヘテロシクリル−C0〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C0〜C3アルキル−ヘテロシクリル−またはC1〜C4アルキル−CH(N(R34)(R35))−C(O)−N(R34)−アリール−であり、ここでアリール、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは任意に1〜3個の独立して選択される置換基で置換されるか;あるいは
Xa−Ya−は、H−、ハロ−、HO−、HS−、HC(O)−、HOC(O)−、C1〜C4アルキル−、H2N−、(R34)(R35)N−、C1〜C4アルキル−NH−、(C1〜C4アルキル)2−N−、HC(O)N(R34)−、(R34)(R35)N−S(O)2−N(R36)−、(R34)(R35)N−C(O)−、H2N−C(O)−、HC(S)N(R34)−、(R34)(R35)N−C(S)−、H2N−C(S)−、(R34)(R35)N−C(O)−O−、(R34)(R35)N−C(S)−O−、(R34)(R35)N−C(O)−N(R36)−、(C1〜C3アルキルN)2−C=N−、(R34)(R35)N−C(NR37)−N(R36)−、(R34)(R35)N−C(NR36)−、シクロアルキル−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、ヘテロシクリル−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、アリール−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、ヘテロアリール−C0〜C2アルキル−C(NR36)−、C0〜C3アルキル−C(NR36)−、C1〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、CF3−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、CF3−C0〜C4アルキル−C(O)−N(R36)−、アリール−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−S(O)2−N(R36)−、C1〜C4アルキル−O−C(O)−NH−、C1〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−C1〜C4アルキル−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−NH−C(O)−O−、C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、Me−C(O)−O−、Me−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、アリール−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(C1〜C4アルキル)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−、アリール−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−S(O)0−2−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、アリール−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、アリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−NH−、ヘテロアリール−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、ヘテロシクリル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、シクロアルキル−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、HO−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、HO−C1〜C4アルキル−N(H)−、HO−C1〜C4アルキル−N(R3)−、HO−C1〜C4アルキル−O−、HO−C1〜C4アルキル−S(O)0〜2−、HO−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、C1〜C4アルキル−O−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)C(S)−N(H)−、C1〜C4アルキル−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、HO−C2〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、HO−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C1〜C4アルキル−C(O)−O−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(NH)−N(H)−、(C0〜C4アルキル)−O−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−、(C1〜C4
アルキル)2N−C2〜C4アルキル−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−S(O)0〜2−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、(C1〜C4アルキル)2N−C1〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、(C1〜C4アルキル)2N−C2〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、(C1〜C4アルキル)−O−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−(H)−、HO−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−N(H)−、HO−NH−C(O)C1〜C8アルキル−C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(R3)−、CF3−C0〜C4アルキル−O−、CF3−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、CF3−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)C(O)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、CF3−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、CF3−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、CF3−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−S(O)0〜2−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)C(O)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(O)−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−O−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−N(H)−、CF2H−C0〜C4アルキル−N(H)−C(S)−O−、CF2H−C0〜C4アルキル−C(S)−N(H)−、(H)(R34)N−C1〜C3アルキル−、(H)(R34)N−C1〜C3アルキル−、HO−C1〜C3アルキル−、(H)(R34)N−S(O)2−N(R35)−、(H)(R35)N−S(O)2−、(H)(R34)N−C(S)−O−、(H)(R34)N−C(O)−O−、(H)(R34)N−C(S)−N(R35)−、(H)(R34)N−C(NR35)−、(H)(R34)N−C(NR34)−N(R38)−、(H)(R34)N−C(O)−N(R35)−、HO−C(O)−C1〜C3アルキル−、C1〜C4アルキル−S(O)2−NH−および((R34)(R35)N)2−C=N−からなる群より選択され;
mおよびnは、独立して0、1、2または3であり;
qは、0、1または2であり;ならびに
R34、R35、R36およびR37は、互いに独立して、水素、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、−C1〜C8アルキル、C1〜C8ヘテロアルキル、C1〜C8アルケニル、カルボキサミド、C1〜C3アルキル−カルボキサミド−、カルボキサミド−C1〜C3アルキル−、アミジノ、C2〜C8ヒドロキシアルキル、C1〜C3アルキルアリール−、アリール−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルヘテロアリール−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルヘテロシクリル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、C1〜C3アルキルシクロアルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、C2〜C8アルコキシ−、C2〜C8アルコキシ−C1〜C4アルキル−、C1〜C8アルコキシカルボニル−、アリールオキシカルボニル−、アリール−C1〜C3アルコキシカルボニル−、ヘテロアリールオキシカルボニル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルコキシカルボニル−、C1〜C8アシル、C0〜C8アルキル−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−カルボニル−、C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−N(H)−カルボニル−、C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、アリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、ヘテロアリール−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、シクロアルキル−C0〜C8アルキル−O−カルボニル−、C1〜C8アルキルスルホニル−、アリールアルキルスルホニル−、アリールスルホニル−、ヘテロアリールアルキルスルホニル−、ヘテロアリールスルホニル−、C1〜C8アルキル−N(H)−スルホニル−、アリールアルキル−N(H)−スルホニル−、アリール−N(H)−スルホニル−、ヘテロアリールアルキル−N(H)−スルホニル−、ヘテロアリール−N(H)−スルホニル、アロイル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−C1〜C3アルキル−、シクロアルキル−C1〜C3アルキル−、ヘテロシクリル−C1〜C3アルキル−、ヘテロアリール−C1〜C3アルキル−および保護基からなる群より選択され、ここで上記の各々はさらに任意に1または2以上の部分で置換されるか;あるいは
R34およびR35は、それらが結合しているNと一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成し、これらの各々は任意に1〜3個の置換基で置換され、ここでヘテロシクリルはまた架橋されて(メチレン、エチレンまたはプロピレン架橋により二環式部分を形成して)いてもよく、
ただし、1)YbがNであるとき、Yaが、Yを含む環にYa中のN、SまたはOを介して結合している場合、mは0ではなく、または2)mおよびnが両方とも0であるとき、Ybは−CH−であり;
式(IVa)は、構造:
【化26】
を有し、ここでm、n、R34およびR35は、式(IV)について定義したとおりであり;ならびに
式(V)は、構造:
【化27】
を有し、ここで、
X3は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであって、これらの各々は任意に置換され;
Y3は、−NH2または−OHであり;
Ar2は、任意に置換されたアリールまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;ならびに
Hetは、任意に置換されたヘテロシクリルである、前記方法。
【請求項45】
HDAC1および/またはHDAC2の選択的阻害剤が、構造
【化28】
を有する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
微小管を安定化させる化合物が、タキサン、エポチロンまたはエポチロンのアナログである、請求項43〜45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
タキサンがタキソールまたはタキソテールである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)1、HDAC2および/またはHDAC3の選択的阻害剤の、微小管を安定化させる化合物と組み合わせての、患者において異常な細胞成長および/または異常な細胞増殖を阻害するためあるいはがんを処置するための医薬の製造のための使用。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公表番号】特表2010−539104(P2010−539104A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524320(P2010−524320)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【国際出願番号】PCT/CA2008/001610
【国際公開番号】WO2009/033281
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(500301027)メチルジーン インコーポレイテッド (9)
【出願人】(000207827)大鵬薬品工業株式会社 (52)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【国際出願番号】PCT/CA2008/001610
【国際公開番号】WO2009/033281
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(500301027)メチルジーン インコーポレイテッド (9)
【出願人】(000207827)大鵬薬品工業株式会社 (52)
【Fターム(参考)】
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