説明

ヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器

【課題】本発明は、極めて商品価値の高い画期的なヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】第一部材1と第二部材2とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、前記第一部材1と共に回動する第一摩擦体3と、この第一摩擦体3と接触して緩衝作用を生じながら前記第二部材2と共に回動する第二摩擦体4と、前記第一摩擦体3と前記第二摩擦体4とを圧接付勢せしめる付勢体5とを具備するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、良好なダンパー効果を発揮する画期的なヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、第一部材と第二部材とを枢着して互いに重合した閉塞状態から開放回動するように構成したヒンジ装置において、この第二部材に対して開放した第一部材が閉塞する際、急激な回動を防止しゆっくりとした閉塞を実現するダンパー機能を発揮するダンパー機能付きヒンジ装置(以下、従来例)が種々提案されている。
【0003】
この従来例は、図25に図示したように第一部材に連結される第一回動体57と共に回動する第一摩擦体53と、第二部材に連結される第二回動体58と共に回動する第二摩擦体54とを具備し、この第一摩擦体53と第二摩擦体54とは第一回動体57と第二回動体58との組み付けにより圧接状態に設けられており、第一部材と第二部材との回動に際して緩衝作用を生じるように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来例は、第一摩擦体53及び第二摩擦体54を合成樹脂で形成しているが、この第一摩擦体53及び第二摩擦体54の製造に際して寸法にばらつきが生じてしまい(接触面に凹凸ができたり、厚さが薄かったり)、よって、得たい(設計上希望とおりの)緩衝作用が得られない場合が多い。これに対し、この第一摩擦体53と第二摩擦体54を高精度に製造することで寸法のばらつきを押さえることは不可能ではないが、それでも不十分であり、しかも、コスト高で量産性が悪いという問題点がある。
【0005】
本発明は、上述の問題点を解消する、極めて商品価値の高い画期的なヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
第一部材1と第二部材2とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、前記第一部材1と共に回動する第一摩擦体3と、この第一摩擦体3と接触して緩衝作用を生じながら前記第二部材2と共に回動する第二摩擦体4と、前記第一摩擦体3と前記第二摩擦体4とを圧接付勢せしめる付勢体5とを具備することを特徴とするヒンジ装置に係るものである。
【0008】
また、第一部材1と第二部材2とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、前記第一部材1に第一摩擦体3を回り止め状態に設け、前記第二部材2に第二摩擦体4を回り止め状態に設け、前記第一摩擦体3,前記第二摩擦体4を互いに離反方向に相対移動自在に設けるとともに、前記第一摩擦体3と前記第二摩擦体4とを圧接付勢せしめる付勢体5を有して、前記第一部材1と前記第二部材2との相対回動に際して前記第一摩擦体3と前記第二摩擦体4との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したことを特徴とするヒンジ装置に係るものである。
【0009】
また、第一部材1と第二部材2とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、前記第一部材1と共に回動する第一回動体7に第一摩擦体3を設け、前記第一回動体7に回動軸9を介して相対回動自在に連結し前記第二部材2と共に回動する第二回動体8に第二摩擦体4を設け、前記第一摩擦体3,前記第二摩擦体4の少なくとも一方の摩擦体を、前記第一回動体7,前記第二回動体8の少なくとも一方の回動体、若しくは/及び、前記回動軸9にスライド自在に設けて、前記第一摩擦体3,前記第二摩擦体4を離反方向に相対移動自在に設けるとともに、前記第一摩擦体3と前記第二摩擦体4とを圧接付勢せしめる付勢体5を、前記第一回動体7,前記第二回動体8の少なくとも一方の回動体、若しくは/及び、前記回動軸9に設けて、前記第一回動体7と前記第二回動体8との相対回動に際して前記第一摩擦体3と前記第二摩擦体4との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したことを特徴とするヒンジ装置に係るものである。
【0010】
また、第一部材1と第二部材2とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、前記第一部材1の左右位置に回り止め状態で設けられる第一摩擦体3と、この左右の第一摩擦体3に隣接状態に配され、前記第二部材2に回り止め状態で設けられる第二摩擦体4と、左右の前記第一摩擦体3と該第一摩擦体3に隣接する前記第二摩擦体4とから成る摩擦接触部10同士間に配され、前記第一摩擦体3と前記第二摩擦体4とを圧接付勢せしめる抗縮付勢体5とを有し、前記第一回動体7と前記第二回動体8との相対回動に際して前記第一摩擦体3と前記第二摩擦体4との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したことを特徴とするヒンジ装置に係るものである。
【0011】
また、第一部材1と第二部材2とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、前記第一部材1と共に回動する第一回動体7と、前記第一回動体7と相対回動自在に連結し、前記第二部材2と共に回動する第二回動体8と、前記第一回動体7の左右位置に回り止め状態で設けられる第一摩擦体3と、この左右の第一摩擦体3に隣接状態に配され、前記第二回動体8に回り止め状態に設けられる第二摩擦体4と、左右の前記第一摩擦体3と該第一摩擦体3に隣接する前記第二摩擦体4とから成る摩擦接触部10同士の間に配され、前記第一摩擦体3と前記第二摩擦体4とを圧接付勢せしめる抗縮付勢体5とを有し、前記第一回動体7と前記第二回動体8との相対回動に際して前記第一摩擦体3と前記第二摩擦体4との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したことを特徴とするヒンジ装置に係るものである。
【0012】
また、第一部材1と第二部材2とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、前記第一部材1の左右位置に第一摩擦体3を回り止め状態に設け、前記第二部材2の左右位置に前記第一摩擦体3に隣接状態となる第二摩擦体4を回り止め状態に設け、前記第一摩擦体3,前記第二摩擦体4を離反方向に相対移動自在に設けるとともに、前記第一摩擦体3と前記第二摩擦体4とを圧接付勢せしめる抗縮付勢体5を、左右の前記第一摩擦体3と該第一摩擦体3に隣接する前記第二摩擦体4とから成る摩擦接触部10同士間に有して、前記第一回動体7と前記第二回動体8との相対回動に際して前記第一摩擦体3と前記第二摩擦体4との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したことを特徴とするヒンジ装置に係るものである。
【0013】
また、第一部材1と第二部材2とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、前記第一部材1と共に回動する第一回動体7の左右位置に第一摩擦体3を設け、前記第一回動体7に回動軸9を介して相対回動自在に連結し前記第二部材2と共に回動する第二回動体8の左右位置に前記第一摩擦体3に隣接状態となる第二摩擦体4を設け、前記第一摩擦体3,前記第二摩擦体4の少なくとも一方の摩擦体を、前記第一回動体7,前記第二回動体8の少なくとも一方の回動体、若しくは/及び、前記回動軸9にスライド自在に設けて、前記第一摩擦体3,前記第二摩擦体4を離反方向に相対移動自在に設けるとともに、前記第一摩擦体3と前記第二摩擦体4とを圧接付勢せしめる抗縮付勢体5を、左右の前記第一摩擦体3と該第一摩擦体3に隣接する前記第二摩擦体4とから成る摩擦接触部10同士間にして、前記第一回動体7,前記第二回動体8の少なくとも一方の回動体、若しくは/及び、前記回動軸9に設けて、前記第一回動体7と前記第二回動体8との相対回動に際して前記第一摩擦体3と前記第二摩擦体4との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したことを特徴とするヒンジ装置に係るものである。
【0014】
また、前記第一回動体7と前記第二回動体8とは筒状の回動軸9を介して相対回動自在に連結されていることを特徴とする請求項3,5,7のいずれか1項に記載のヒンジ装置に係るものである。
【0015】
また、前記第一摩擦体3,前記第二摩擦体4の少なくとも一方の摩擦体を、前記第一回動体7,前記第二回動体8の少なくとも一方の回動体の側端部に配するとともに、前記第一回動体7,前記第二回動体8の少なくとも一方の回動体の周面に設けたガイド部8cをスライドするスライド部4cを前記第一摩擦体3,前記第二摩擦体4の少なくとも一方の摩擦体に設けて、前記第一摩擦体3,前記第二摩擦体4の少なくとも一方の摩擦体を、前記第一回動体7,前記第二回動体8の少なくとも一方の回動体にスライド自在に設けたことを特徴とする請求項3,5,7,8のいずれか1項に記載のヒンジ装置に係るものである。
【0016】
また、前記第一部材1と共に回動する第一回動体7に前記第一摩擦体3を設け、前記第一回動体7に回動軸9を介して相対回動自在に連結し前記第二部材2と共に回動する第二回動体8に前記第二摩擦体4を設け、前記第一回動体7と前記第二回動体8を回動付勢する内部に空間Sを有する回動付勢体13を有し、この回動付勢体13の空間S内に前記第一摩擦体3及び前記第二摩擦体4は配設されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のヒンジ装置に係るものである。
【0017】
また、前記第一摩擦体3と前記第二摩擦体4とは、少なくとも一方が他方に対して挟み込み状態となるように前記付勢体5の付勢方向に交互に並設されていることを特徴とする請求項10記載のヒンジ装置に係るものである。
【0018】
また、前記第一摩擦体3及び前記第二摩擦体4は互いに異なる素材で構成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか記載のヒンジ装置に係るものである。
【0019】
また、前記第一摩擦体3,前記第二摩擦体4の一方は合成樹脂製、他方は金属製であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のヒンジ装置に係るものである。
【0020】
また、前記第一摩擦体3,前記第二摩擦体4の接触面3a,4aのうち少なくとも一方の接触面には凹状のグリス溜まり部6が設けられていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のヒンジ装置に係るものである。
【0021】
また、前記グリス溜まり部6は前記接触面の回動中心を囲繞する状態で環状の凹条6aを設けて構成されていることを特徴とする請求項14記載のヒンジ装置に係るものである。
【0022】
また、上面に操作部21を備えた本体部を前記第一部材1若しくは前記第二部材2とし、伏面にディスプレイ部22を備えた開閉部を前記第二部材2若しくは前記第一部材1とし、この本体部と開閉部との端部同士を前記請求項1〜15記載のヒンジ装置によって枢着連結したことを特徴とするヒンジ装置を用いた電子機器に係るものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明は上述のように構成したから、前述した従来例と異なり、摩擦体に生じる寸法のばらつきを解消することができ、確実に得たい緩衝作用が得られることに成り(安定的に高品位の製品が得られることになる)、しかも、簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れるなど従来にない作用効果を発揮する画期的なヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器となる。
【0024】
また、請求項2,3記載の発明においては、前述した請求項1と同様の作用効果は発揮し、しかも、具体的な構成から確実に良好な緩衝作用を発揮することになるなど従来にない作用効果を発揮する画期的なヒンジ装置となる。
【0025】
また、請求項4,5,6,7記載の発明においては、ヒンジ装置の左右位置(複数箇所)にて良好な緩衝作用が発揮されることになり、しかも、効率の良い構造からヒンジ装置の小型化に対応することができるなど従来にない作用効果を発揮する画期的なヒンジ装置となる。
【0026】
また、請求項8記載の発明においては、筒状の回動軸に対して例えばハーネスなどの配線を通すことができ、前述した請求項8,9の発明の構造に具備せしめることで回動軸の径大化にも確実に対応し得ることになるなど従来にない作用効果を発揮する画期的なヒンジ装置となる。
【0027】
また、請求項9記載の発明においては、コンパクトでありながら摩擦体における広い接触面積が得られることになるなど従来にない作用効果を発揮する画期的なヒンジ装置となる。
【0028】
また、請求項10,11記載の発明においては、回動付勢機能を具備しつつ良好な緩衝作用が発揮されることになり、しかも、効率の良い構造からヒンジ装置の小型化に対応することができるなど従来にない作用効果を発揮する画期的なヒンジ装置となる。
【0029】
また、請求項12,13記載の発明においては、より良好な緩衝作用が得られることになるなど従来にない作用効果を発揮する画期的なヒンジ装置となる。
【0030】
また、請求項14,15記載の発明においては、グリスによる適度な潤滑を保ちながら常に良好な緩衝作用が得られることになるなど従来にない作用効果を発揮する画期的なヒンジ装置となる。
【0031】
また、請求項16記載の発明においては、前述した作用効果を発揮する画期的なヒンジ装置を用いた電子機器となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施例1の使用状態説明図である。
【図2】実施例1を示す斜視図である。
【図3】実施例1を示す分解斜視図である。
【図4】実施例1の説明断面図である。
【図5】実施例1に係る要部の説明端面図である。
【図6】実施例1に係る要部の説明断面図である。
【図7】実施例2を示す斜視図である。
【図8】実施例2を示す分解斜視図である。
【図9】実施例2に係る要部の説明端面図である。
【図10】実施例2に係る要部の説明断面図である。
【図11】実施例2に係る要部の説明端面図である。
【図12】実施例2に係る要部の説明断面図である。
【図13】実施例2の説明断面図である。
【図14】実施例3の使用状態説明図である。
【図15】実施例3を示す斜視図である。
【図16】実施例3を示す分解斜視図である。
【図17】実施例3を示す分解斜視図である。
【図18】実施例3に係る要部を示す斜視図である。
【図19】実施例3に係る要部を示す斜視図である。
【図20】実施例3に係る要部を示す斜視図である。
【図21】実施例3を示す分解斜視図である。
【図22】実施例3に係る要部の説明断面図である。
【図23】図22のB−B断面図である。
【図24】図23のA−A断面図である。
【図25】従来例の説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて簡単に説明する。
【0034】
第一部材1と第二部材2との回動に際して、第一部材1と共に回動する第一摩擦体3と、第二部材2と共に回動する第二摩擦体4との間で接触による緩衝作用を生じることになる。
【0035】
本発明は、第一摩擦体3と第二摩擦体4とを圧接付勢せしめる付勢体5を具備しており、第一摩擦体3と第二摩擦体4とは付勢体5に付勢されることで常に最適な接触での緩衝作用が簡易且つ確実に得られることになる。
【0036】
具体的には、前述した従来例のように部品の組み付けによって摩擦体同士を圧接させる構造の場合、摩擦体の寸法のばらつきにより得たい緩衝作用が得られない場合があるが(この寸法のばらつきを摩擦体を高精度に製造して対応しようとしても限界があり、コスト高で量産性が悪い。)、この点、本発明は、付勢体5を具備することで、この摩擦体に生じる寸法のばらつきを解消することができ、確実に得たい緩衝作用が得られることになり(安定的に高品位の製品が得られることになる)、しかも、簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れることになる。
【0037】
また、請求項4,5,6,7記載の発明のように構成した場合には、ヒンジ装置の左右位置(複数箇所)にて良好な緩衝作用が発揮されることになり、しかも、左右の摩擦接触部10における圧接を達成する為の付勢を、この左右の摩擦接触部10の間に配される例えば一つの抗縮付勢体5の付勢力を利用して行なう効率の良い構造からヒンジ装置の小型化に確実に対応することができる。
【0038】
また、請求項8記載の発明のように構成した場合には、筒状の回動軸9に対して例えばハーネスなどの配線を通すことができ、前述した請求項5,7記載の発明の構造に具備せしめることで回動軸の径大化にも確実に対応し得ることになる。
【0039】
具体的には、近年益々ヒンジ装置を用いる電子機器、例えば携帯電話やノート型パソコンなどに対する高機能化とコンパクト化が要求される中、ヒンジ装置にはより多くの配線(ハーネス)を通しつつ且つコンパクト化が要求されているが、つまり、例えばヒンジ装置の回動軸9に多くの配線を通す場合、回動軸9の径を大きくしなければならないが、その一方でヒンジ装置全体はコンパクト化しなければならず、よって、緩衝作用を発揮する摩擦体は小さくなってしまうが大きな荷重に対応し得る良好な緩衝作用を発揮しなければならない。
【0040】
この点、請求項5,7記載の発明のように構成した場合には、ヒンジ装置の左右位置(複数箇所)に、左右の第一摩擦体3と該第一摩擦体3に隣接する第二摩擦体4とから成る摩擦接触部10を設けることで、より広い接触面積を得ることで良好な緩衝作用が発揮されることになるから、前述した回動軸9を筒状として配線を通す場合に最適な構造となる。
【0041】
また、請求項10,11記載の発明のように構成した場合には、回動付勢機能を具備しつつ良好な緩衝作用が発揮されることになり、しかも、この回動付勢機能を発揮する回動付勢体13の空間S内に第一摩擦体3及び第二摩擦体4が配設されるという極めて効率の良い構造から良好な緩衝作用を具備しつつヒンジ装置の小型化に対応することができる。
【0042】
また、請求項12,13記載の発明のように、第一摩擦体3及び第二摩擦体4は互いに異なる素材、例えば第一摩擦体3,第二摩擦体4の一方は合成樹脂製、他方は金属製とした場合には、摩擦抵抗を向上し易いことになるからより良好な緩衝作用が得られることになる。
【0043】
また、請求項14記載の発明のように、第一摩擦体3,第二摩擦体4の接触面3a,4aのうち少なくとも一方には凹状のグリス溜まり部6が設けられている場合には、圧接せしめられることで生じ得るグリス切れを可及的に防止することができ、グリスによる適度な潤滑を保ちながら常に良好な緩衝作用が得られることになる。
【0044】
また、請求項15記載の発明のように、グリス溜まり部6は接触面の回動中心を囲繞する状態で環状の凹条6aを設けて構成されている場合には、仮にグリス溜まり部6が接触面の回動方向と交差する方向(放射方向)に長さを有する凹条であった場合、この接触面の回動に際して抵抗となってしまう(支障を来たす)場合があるが、この点、前述した構成から、グリス溜まり部6を構成する凹条6aが接触面の回動に際して抵抗とならず、グリスによる適度な潤滑を保ちながら常に良好な緩衝作用が得られることになる。
【実施例1】
【0045】
本発明の具体的な一実施例について図1〜6に基づいて説明する。
【0046】
本実施例は、第一部材1と第二部材2とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、第一部材1と共に回動する第一摩擦体3と、この第一摩擦体3と接触して緩衝作用を生じながら第二部材2と共に回動する第二摩擦体4と、第一摩擦体3と第二摩擦体4とを圧接付勢せしめる付勢体5とを具備する所謂ダンパー機能を具備したヒンジ装置である。
【0047】
即ち、第一部材1と共に回動する第一回動体7に第一摩擦体3を設け、第一回動体7に回動軸9を介して相対回動自在に連結し第二部材2と共に回動する第二回動体8に第二摩擦体4を設け、第一摩擦体3,第二摩擦体4の少なくとも一方の摩擦体を、第一回動体7,第二回動体8の少なくとも一方の回動体、若しくは/及び、回動軸9にスライド自在に設けて、第一摩擦体3,第二摩擦体4を離反方向に相対移動自在に設けるとともに、第一摩擦体3と第二摩擦体4とを圧接付勢せしめる付勢体5を、第一回動体7,第二回動体8の少なくとも一方の回動体、若しくは/及び、回動軸9に設けて、第一回動体7と第二回動体8との相対回動に際して第一摩擦体3と第二摩擦体4との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したものである。
【0048】
具体的には、図1に示すように折り畳みタイプの携帯電話に適用した場合を示したもので、操作部21を備えた樹脂製の本体部1(筐体)を第一部材1とし、ディスプレイ部22を備えた樹脂製の開閉部2(筐体)を第二部材2とし、この本体部1に対して開閉部2が重合した閉塞状態から開閉部2を例えば120度まで回動した開放状態(通話状態)とすることができる枢着構造に本発明のヒンジ装置Hを適用している。
【0049】
また、本実施例では、本体部1の基部左右位置に連結凹部1aを設け、開閉部2の基部左右位置にも本体部1の連結凹部1aと連通状態に隣接する連結凹部2aを設け、この本体部1及び開閉部2の正面視右側連結部位における夫々の連結凹部1a,2aに軸状パーツとして構成した本発明のヒンジ装置Hを装着する構成としている。
【0050】
尚、本体部1及び開閉部2の正面視左側連結部位には、ボタンの押し操作により本体部1に対して開閉部2を所定回動角度位置に開放するまで回動付勢するプッシュオープン機能を発揮するヒンジ装置H’が設けられており、本実施例に係るヒンジ装置Hは、このヒンジ装置H’による付勢を伴う開放回動の際、緩衝作用(ダンパー効果)を発揮してゆっくりとした開放回動(高級感のある回動)を実現する。
【0051】
更に具体的には、図3,4に図示したように、開閉部2には、連結凹部2aに対して回り止め形状にした金属製のケース体(ケーシング)を第二回動体8としてこの開閉部2の連結凹部2aに嵌挿して回り止め状態に固定している。
【0052】
この第二回動体8は、後述する金属製(ステンレス製)の第二摩擦体4を回り止め状態でスライド自在に収納し得る内面に凹条のガイド部8bを有する収納構造体であり、その一端部には中央に孔8a’を有する閉塞部8aが設けられており、この孔8a’は後述する第二摩擦体4の孔4bとともに回動軸9を軸受する軸受部として機能する。この回動軸9に対して第二摩擦体4は回動自在にして該回動軸9の長さ方向にスライド自在に設けられる。
【0053】
また、第二回動体8の開口する他端位置にして該第二回動体8内に収納した第二摩擦体4の隣接位置には、合成樹脂製(シリコンゴム製)の第一摩擦体3が配されており、この第一摩擦体3は、第二回動体8に回動自在に連結する回動軸9の一端部に設けられ本体部1の連結凹部1aに回り止め状態に固定する第一回動体7(取付体7’)に設けられている。
【0054】
詳述すると、第二回動体8には、その回動軸9が貫通され、即ち、この回動軸9は第二回動体8の閉塞部8aに形成された孔8a’に嵌挿されると共に、第二摩擦体4がスライド移動自在にして回動自在に被嵌されるように第二摩擦体4の孔4aに嵌挿され、更に、この回動軸9の一端部に止着ピン11を介して合成樹脂製の第一回動体7が設けられ、この第一回動体7の内側には第二摩擦体4に隣接する第一摩擦体3が回り止め状態で設けられている。
【0055】
従って、第二回動体8内をスライド移動する第二摩擦体4は第一摩擦体3に対して離反方向に移動自在な状態となる(実際には付勢体5の付勢により第二摩擦体4が第一摩擦体3に対して離反方向に移動することはない。)。尚、第二摩擦体4における第一摩擦体3に対する離反方向への移動は、第二摩擦体4を第二回動体8に対してのみスライド自在、或いは、回動軸9に対してのみスライド自在となる構成としても良く、その他、第一摩擦体3も第二摩擦体4に対して離反方向に移動(第一回動体7、若しくは/及び、回動軸9に対してスライド移動)するように設けても良い。
【0056】
また、第一回動体7は、本体部1の基部に設けられた連結凹部1aに嵌合連結し得る断面多角形状部7aを有し、本体部1に対して回り止め状態に連結し得るように構成されている。
【0057】
また、第二回動体8内にして第二摩擦体4の外面と第二回動体4に係る閉塞部8aとの間には第二摩擦体4を所定方向に付勢するコイルバネを付勢体5(抗縮付勢体)として設けている。尚、付勢体5は一つに限らず複数設けても良く、コイルバネに限らず皿バネなどでも良い。
【0058】
この付勢体5は回動軸9に被嵌されており、第二摩擦体4を第一摩擦体3に対して圧接付勢せしめており、本実施例では第二摩擦体4と第一摩擦体3とから成る摩擦接触部10をヒンジ装置Hの一側一箇所に設けている。
【0059】
従って、以上の構成からなるヒンジ装置Hは、第一回動体7と第二回動体8との相対回動に際して第一摩擦体3の内面としての接触面3aと第二摩擦体4の内面としての接触面4aとの接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成されている。
【0060】
また、本実施例では、第一摩擦体3及び第二摩擦体4は互いに異なる素材で構成されており、第一摩擦体3は合成樹脂製(硬度が約60度で厚みが約2.5mmのシリコンゴム製)の薄板状体、第二摩擦体4は金属製(ステンレス製)の薄板状体である。尚、第一摩擦体3を金属製とし、第二摩擦体4を合成樹脂製としても良い。
【0061】
また、第一摩擦体3,第二摩擦体4の接触面3a,4aのうち少なくとも一方には凹状のグリス溜まり部6が設けられており、本実施例では合成樹脂製である第一摩擦体3のみにグリス溜まり部6を設けている。
【0062】
このグリス溜まり部6は、図5,6に図示したように接触面3aの回動中心を囲繞する状態で環状の凹条6aを設けて構成されている。
【0063】
従って、第一摩擦体3と第二摩擦体4とを付勢体5により圧接付勢せしめても接触面3a,4a同士間に塗布されたグリスが外部にはみだす所謂グリス切れの問題が生じなくなる。
【0064】
本実施例は上述のように構成したから、前述した従来例のように部品の組み付けによって摩擦体同士を圧接させる構造の場合、摩擦体の寸法のばらつきにより得たい緩衝作用が得られない場合があるが(この寸法のばらつきを摩擦体を高精度に製造して対応しようとしても限界があり、コスト高で量産性が悪い。)、この点、本実施例は、付勢体5を具備することで、この摩擦体に生じる寸法のばらつきを解消することができ、確実に得たい緩衝作用が得られることに成り(安定的に高品位の製品が得られることになる)、しかも、簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れることになる。
【0065】
また、本実施例は、第一摩擦体3及び第二摩擦体4は互いに異なる素材、例えば第一摩擦体3,第二摩擦体4の一方は合成樹脂製、他方は金属製としたから、摩擦抵抗を向上し易いことになるからより良好な緩衝作用が得られることになる。
【0066】
また、本実施例は、第一摩擦体3,第二摩擦体4の接触面3a,4aのうち少なくとも一方には凹状のグリス溜まり部6が設けられているから、圧接せしめられることで生じ得るグリス切れを可及的に防止することができ、グリスによる適度な潤滑を保ちながら常に良好な緩衝作用が得られることになる。
【0067】
また、本実施例は、グリス溜まり部6は接触面の回動中心を囲繞する状態で環状の凹条6aを設けて構成されているから、仮にグリス溜まり部6が接触面の回動方向と交差する方向(放射方向)に長さを有する凹条であった場合、この接触面の回動に際して抵抗となってしまう(支障を来たす)場合があるが、この点、前述した構成から、グリス溜まり部6を構成する凹条6aが接触面の回動に際して抵抗とならず、グリスによる適度な潤滑を保ちながら常に良好な緩衝作用が得られることになる。
【実施例2】
【0068】
本発明の具体的な実施例2について図7〜13に基づいて説明する。
【0069】
実施例2は、ヒンジ装置Hの左右位置夫々に摩擦接触部10を設けた場合である。
【0070】
具体的には、図7,8に図示したように第一部材1(本体部)の左右位置に回り止め状態で設けられる第一摩擦体3と、この左右の第一摩擦体3に隣接状態に配され、第二部材2(開閉部)に回り止め状態で設けられる第二摩擦体4と、左右の第一摩擦体3と該第一摩擦体3に隣接する第二摩擦体4とから成る摩擦接触部10同士間に配され、第一摩擦体3と第二摩擦体4とを圧接付勢せしめる抗縮付勢体5とを有し、第一回動体7と第二回動体8との相対回動に際して第一摩擦体3と第二摩擦体4との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したものである。
【0071】
更に具体的には、本体部1と共に回動する第一回動体7の左右位置に第一摩擦体3を設け、第一回動体7に回動軸9を介して相対回動自在に連結し開閉部2と共に回動する第二回動体8の左右位置に第一摩擦体3に隣接状態となる第二摩擦体4を設け、第一摩擦体3,第二摩擦体4の少なくとも一方の摩擦体を、第一回動体7,第二回動体8の少なくとも一方の回動体、若しくは/及び、回動軸9にスライド自在に設けて、第一摩擦体3,第二摩擦体4を離反方向に相対移動自在に設けるとともに、第一摩擦体3と第二摩擦体4とを圧接付勢せしめる抗縮付勢体5を、左右の第一摩擦体3と該第一摩擦体3に隣接する第二摩擦体4とから成る摩擦接触部10同士間にして、第一回動体7,第二回動体8の少なくとも一方の回動体、若しくは/及び、回動軸9に設けて、第一回動体7と第二回動体8との相対回動に際して第一摩擦体3と第二摩擦体4との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したものである。
【0072】
即ち、図8に図示したように取付体7’と回動軸9とから成る第一回動体7に設けられる左右の第一摩擦体3のうち、一方(図8中右側,図9,図10)の第一摩擦体3は第一回動体7の一端部(取付体7’の内面部)に回り止め状態で設けられる合成樹脂製(硬度が約60度で厚みが約2.5mmのシリコンゴム製)であり、他方(図8中左側)の第一摩擦体3は第一回動体7の他端部(回動軸9の端部)に回り止め状態で設けられる金属製(ステンレス製)である。
【0073】
また、図8に図示したように第二回動体8に設けられる左右の第二摩擦体4のうち、一方(図8中右側)の第二摩擦体4は第二回動体8の一端部に回り止め状態で設けられる金属製(ステンレス製)であり、他方(図8中左側,図11,図12)の第二摩擦体4は第二回動体8の他端部に回り止め状態で設けられる合成樹脂製(硬度が約60度で厚みが約2.5mmのシリコンゴム製)である。
【0074】
従って、ヒンジ装置Hの左右位置に設けられる摩擦接触部10では、いずれも金属製の摩擦体と合成樹脂製の摩擦体との接触となっており、抗縮付勢体5の付勢を受けて圧接されている。
【0075】
尚、実施例2においても合成樹脂製の摩擦体の接触面には前述したグリス溜まり部6が設けられている。
【0076】
また、実施例2では、第一摩擦体3,第二摩擦体4の少なくとも一方の摩擦体を、第一回動体7,第二回動体8の少なくとも一方の回動体の側端部に配するとともに、第一回動体7,第二回動体8の少なくとも一方の回動体の周面に設けたガイド部8cをスライドするスライド部4cを第一摩擦体3,第二摩擦体4の少なくとも一方の摩擦体に設けて、第一摩擦体3,第二摩擦体4の少なくとも一方の摩擦体を、第一回動体7,第二回動体8の少なくとも一方の回動体にスライド自在に設けている。
【0077】
具体的には、ケース状の第二回動体8の一端部に設けられる第二摩擦体4は、第二回動体8の周面に設けたガイド部8cをスライドするスライド部4cが設けられている。
【0078】
このスライド部4cは、金属板製の第二摩擦体4の対向端部を接触面4aに対して立ち上がり形成(折り曲げ形成)したものであり、各スライド部4cを第二回動体8の対向端部に設けた凹条のガイド部8cにスライド自在に設けている。
【0079】
この構成は、第二摩擦体4の外形寸法を第二回動体8の外形寸法と同一若しくは略同一までの大きさにすることが可能となり、接触面4aの表面積を可及的に大きくすることに貢献する。
【0080】
また、実施例2は、図8に図示したように第一回動体7と第二回動体8とは筒状の回動軸9を介して相対回動自在に連結されている。
【0081】
この回動軸9は、図13に図示したように孔9aが左右両端部に開口しており、本体部1と開閉部2との電子部品同士を電気的に接続するハーネスなどの配線12を通す部位となる。
【0082】
実施例2は上述のように構成したから、ヒンジ装置Hの左右位置(複数箇所)にて良好な緩衝作用が発揮されることになり、しかも、左右の摩擦接触部10における圧接を達成する為の付勢を、この左右の摩擦接触部10の間に配される例えば一つの抗縮付勢体5の付勢力を利用して行なう効率の良い構造からヒンジ装置の小型化に確実に対応することができる。
【0083】
また、実施例2は、筒状の回動軸9に対して例えばハーネスなどの配線12を通すことができ、前述した摩擦接触部10を左右位置に設けた構造に具備せしめることでヒンジ装置Hのコンパクト化を達成しつつも回動軸9の径大化にも確実に対応し得ることになる。
【0084】
その余は実施例1と同様のものである。
【実施例3】
【0085】
本発明の具体的な実施例3について図14〜24に基づいて説明する。
【0086】
実施例3は、第一部材1と第二部材2とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、第一部材1と共に回動する第一摩擦体3と、この第一摩擦体3と接触して緩衝作用を生じながら第二部材2と共に回動する第二摩擦体4と、第一摩擦体3と第二摩擦体4とを圧接付勢せしめる付勢体5とを具備する所謂ダンパー機能を具備し、第一部材1と共に回動する第一回動体7に第一摩擦体3を設け、第一回動体7に回動軸9を介して相対回動自在に連結し第二部材2と共に回動する第二回動体8に第二摩擦体4を設け、第一回動体7と第二回動体8を回動付勢する内部に空間Sを有する回動付勢体13を有し、この回動付勢体13の空間S内に第一摩擦体3及び前記第二摩擦体4は配設されている。
【0087】
即ち、第一部材1と共に回動する第一回動体7に第一摩擦体3を設け、第一回動体7に回動軸9を介して相対回動自在に連結し第二部材2と共に回動する第二回動体8に第二摩擦体4を設け、第一摩擦体3,第二摩擦体4の少なくとも一方の摩擦体を、第一回動体7,第二回動体8の少なくとも一方の回動体、若しくは/及び、回動軸9にスライド自在に設けて、第一摩擦体3,第二摩擦体4を離反方向に相対移動自在に設けるとともに、第一摩擦体3と第二摩擦体4とを圧接付勢せしめる付勢体5を、第一回動体7,第二回動体8の少なくとも一方の回動体、若しくは/及び、回動軸9に設けて、第一回動体7と第二回動体8との相対回動に際して第一摩擦体3と第二摩擦体4との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したものである。
【0088】
具体的には、図14に示すように折り畳みタイプの携帯電話に適用した場合を示したもので、操作部21を備えた樹脂製の本体部1(筐体)を第一部材1とし、ディスプレイ部22を備えた樹脂製の開閉部2(筐体)を第二部材2とし、この本体部1に対して開閉部2が重合した閉塞状態から開閉部2を例えば120度まで回動した開放状態(通話状態)とすることができる枢着構造に本発明のヒンジ装置Hを適用している。
【0089】
また、本実施例では、本体部1の基部左右位置に連結凹部1aを設け、開閉部2の基部左右位置にも本体部1の連結凹部1aと連通状態に隣接する連結凹部2aを設け、この本体部1及び開閉部2の正面視右側連結部位における夫々の連結凹部1a,2aに軸状パーツとして構成した本発明のヒンジ装置Hを装着する構成としている。
【0090】
尚、本体部1及び開閉部2の正面視左側連結部位には、図示省略のダミーのヒンジ装置が設けられているが、ヒンジ装置Hを設けても良い。
【0091】
更に具体的には、開閉部2には、金属製のケース体(ケーシング)を第二回動体8(取付体)としてこの開閉部2の連結凹部2aに嵌挿して回り止め状態に固定している。
【0092】
この第二回動体8は、後述する合成樹脂製(シリコンゴム製)の第二摩擦体4をスライド自在に収納し得る収納構造体であり、その一端部には中央に孔8a’を有する閉塞部8aが設けられており、この孔8a’は後述する第二摩擦体4の孔4bとともに回動軸9を軸受する軸受部として機能する。この回動軸9に対して第二摩擦体4は回動自在にして該回動軸9の長さ方向にスライド自在に設けられる。符号8a”は後述する回動付勢体13に係る連結端部13aの移動を許容する長孔である。
【0093】
また、第二回動体8内に収納した第二摩擦体4の隣接位置には、金属製(ステンレス製)の第一摩擦体3が配されており、この第一摩擦体3は、後述する連結体14を介して第二回動体8に回動自在に連結する回動軸9にスライド移動自在にして回り止め状態に設けられ、本体部1の連結凹部1aに回り止め状態に固定する第一回動体7(取付体)に設けられている。
【0094】
詳述すると、第二回動体8には、その回動軸9が貫通され、即ち、この回動軸9は第二回動体8の閉塞部8aに形成された孔8a’に嵌挿されると共に、第二摩擦体4がスライド移動自在にして回動自在に被嵌されるように第二摩擦体4の孔4aに嵌挿され、更に、この回動軸9の一端部に合成樹脂製の第一回動体7が回り止め状態で設けられ、この回動軸9には第二摩擦体4に隣接する第一摩擦体3がスライド移動自在にして回り止め状態で設けられている。
【0095】
従って、回動軸9をスライド移動する第二摩擦体4及び第一摩擦体3は互いに他に対して離反方向に移動自在な状態となる(実際には付勢体5の付勢により第二摩擦体4及び第一摩擦体3が互いに離反方向に移動することはない。)。尚、第二摩擦体4及び第一摩擦体3の互いに離反方向への移動は、第二摩擦体4を第二回動体8に対してのみスライド自在、或いは、回動軸9に対してのみスライド自在となる構成としても良く、第一摩擦体3も第二摩擦体4に対して離反方向に移動する際、第一回動体7、若しくは/及び、回動軸9に対してスライド移動するように設けても良い。
【0096】
また、第一回動体7は、本体部1の基部に設けられた連結凹部1aに回り止め状態で嵌合連結する為の凸状部7aを有し、本体部1に対して回り止め状態に連結し得るように構成されている。符号7bは後述する回動付勢体13の連結端部13aを連結する連結孔である。
【0097】
また、第二回動体8内にして後述する摩擦接触部10の端部と、後述する回動付勢体13の一端部を支承する支承体15との間には、第一摩擦体3と第二摩擦体4とを圧接付勢せしめるコイルバネを付勢体5(抗縮付勢体)として設けている。尚、付勢体5は一つに限らず複数設けても良く、コイルバネに限らず皿バネなどでも良い。
【0098】
この付勢体5は回動軸9及び支承体15の支承段部15aに被嵌されており、摩擦接触部10に係る第一摩擦体3及び第二摩擦体4同士を圧接付勢せしめており、この本実施例では第一摩擦体3と第二摩擦体4とから成る摩擦接触部10をヒンジ装置Hの一側一箇所に設けている。尚、実施例2のように摩擦接触部10をヒンジ装置Hの左右位置に設け、この左右の摩擦接触部10同士の間に付勢体5を設ける構成としても良い。
【0099】
従って、以上の構成からなるヒンジ装置Hは、第一回動体7と第二回動体8との相対回動に際して第一摩擦体3の接触面3aと第二摩擦体4の接触面4aとの接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成されている。
【0100】
ところで、この摩擦接触部10を構成する第一摩擦体3と第二摩擦体4とは、少なくとも一方が他方に対して挟み込み状態となるように付勢体5の付勢方向に交互に並設されている。
【0101】
具体的には、図16,17に図示したように複数(3つ)の第一摩擦体3と、この各第一摩擦体3同士間に配される複数(2つ)の第二摩擦体4とで構成されている。
【0102】
本実施例では、第一摩擦体3及び第二摩擦体4は互いに異なる素材で構成されており、第一摩擦体3は金属製(ステンレス製)の薄板状体、第二摩擦体4は合成樹脂製(硬度が約60度で厚みが約2.5mmのシリコンゴム製)の薄板状体である。尚、第一摩擦体3を金属製とし、第二摩擦体4を合成樹脂製としても良い。
【0103】
更に具体的には、第一摩擦体3は、図16,17に図示したように正面視円形状の薄板状体であり、第一摩擦体3の中央には非真円形状(太鼓形状)の孔3bが設けられ、この孔3bを回動軸9に被嵌して該回動軸9にスライド自在にして回り止め状態に連結し得るように構成されている。
【0104】
従って、各第一摩擦体3は、第一回動体7と共に回動する回動軸9に回り止め状態に設けられて第一回動体7と共に回動する。
【0105】
また、第一摩擦体3の表裏面は第二摩擦体4の接触面4aに接触する接触面3aに設定されている。
【0106】
第二摩擦体4は、図16,17,19に図示したように正面視円形状の薄板状体であり、第二摩擦体4の中央には真円形状の孔4bが設けられ、この孔4bを回動軸9に被嵌して該回動軸9にスライド自在にして回動自在に連結し得るように構成されている。
【0107】
また、第二摩擦体4の表裏面には、中央の孔4bの周囲に複数(4つ)の凸部4aが周方向に等間隔に形成されており、この凸部4aは、第二摩擦体4を後述する連結体14に係る連結部材14aの表面(若しくは裏面)と重合配設させた際、連結部材14aの孔14dを貫通するように構成されている。
【0108】
この連結部材14aの孔14dを貫通した凸部4aは、連結部材14aの裏面(若しくは表面)に重合配設される第一摩擦体3の接触面3aに当接する接触面4aとして機能する。
【0109】
また、第二摩擦体4の周端縁にして対向端部には凹部4cが設けられ、第二摩擦体4に重合配設する連結部材14Aの各突片14aを嵌合係止して互いに回り止め状態となる構成されている。
【0110】
尚、第一摩擦体3,第二摩擦体4の接触面3a,4aのうち少なくとも一方には凹状のグリス溜まり部を設けても良い。
【0111】
また、各第二摩擦体4は、連結体14を介して第二回動体8の端部(第二回動体8と共に回動する固定体16)に回り止め状態に設けられている。
【0112】
この連結体14は、図16,17に図示したように複数の連結部材14Aで構成されており、この連結部材14A同士は間に第一摩擦体3若しくは第二摩擦体4を配して互いに連結し得るように構成されている。
【0113】
この連結部材14Aは、図18に図示したように適宜な金属製の部材で形成した板状体であり、基板14’の周端縁にして対向端部には該基板14’の表面に立ち上がり状となる突片14aが設けられ、この突片14aが設けられる部位以外の対向端部に凹部14bが設けられ、一の連結部材14Aの各突片14aを隣接する他の連結部材14Aの各凹部14bに嵌合係止して互いに回り止め状態となる構成されている。
【0114】
また、連結部材14Aの中央部には孔14cが設けられ、この孔14cを介して連結部材14Aは回動軸9に被嵌し得るように構成されている。
【0115】
また、連結部材14Aは、中央の孔14Cの周囲に複数(4つ)の孔14dが周方向に等間隔に形成されており、この孔14dは、連結部材14Aの表面(若しくは裏面)を第二摩擦体4に重合配設させた際、第二摩擦体4の凸部4aが貫通することになり、この連結部材14Aの裏面(若しくは表面)に突出した第二摩擦体4の凸部4aは、連結部材14Aの裏面(若しくは表面)に重合配設する第一摩擦体3の当接面3aに接することになる。
【0116】
以上の構成の連結体14を介し、複数の第一摩擦体3と複数の第二摩擦体4とを、少なくとも一方が他方に対して挟み込み状態となるように付勢体5の付勢方向に交互に並設して摩擦接触部10を構成している。
【0117】
具体的には、図20に図示したように3つの第一摩擦体3の間に2つの第二摩擦体4を配するとともに、第一摩擦体3と第二摩擦体4同士の間に連結部材14Aを配した状態で重合連結する。この際、第二摩擦体4の表裏面に配される連結部材14A夫々の各孔14dからは第二摩擦体4の表裏面の各凸部4aが突出し、この突出する凸部4a(当接面4a)は連結部材14A介して隣接する第一摩擦体3の当接面3aに当接状態となる。
【0118】
実際に、摩擦接触部10をヒンジ装置Hに組み付ける際には、摩擦接触部10を回動軸9に被嵌するとともに、摩擦接触部10の端部に位置する連結部材14Aは、第二回動体8に回り止め状態に設けられる固定体16に回り止め状態に設けられる。この際、回動軸9に被嵌される付勢体5が摩擦接触部10の端部を押圧して第一摩擦体3と第二摩擦体4とは圧接付勢せしめられている。
【0119】
従って、第一回動体7と第二回動体8とを相対回動させた際、第一回動体7と共に回動する第一摩擦体3と第二回動体8と共に回動する第二摩擦体4との間に緩衝作用が生じる。
【0120】
また、本実施例では、第一回動体7と第二回動体8との相対回動に際して緩衝作用を生じる前述したダンパー機能の他、第一回動体7と第二回動体8を回動付勢する回動付勢機能も具備する。
【0121】
具体的には、図16,17,21,22,23,24に図示したように内部に空間Sを有する回動付勢体13を有しており、この回動付勢体13は、金属線材を螺旋状に巻回して成るコイルバネ(トーションバネ)で構成され、左右両端部には連結端部13a,13bが突出状態に設けられている。
【0122】
この回動付勢体13は第二回動体8内に収納されており、一方の連結端部13aは閉塞部8aに設けた長孔8a”を貫通して第一回動体7に連結され、他方の連結端部13bは第二回動体8の端部に設けた固定体16に連結されている。
【0123】
従って、この回動付勢体13の回動付勢力(戻り付勢力)に抗して第一回動体7と第二回動体8とを相対回動させた際、第一回動体7と第二回動体8とを回動付勢する回動付勢力が蓄えられることになる。
【0124】
この回動付勢体13の回動付勢力を伴い第一回動体7と第二回動体8とが相対回動する際、前述した摩擦接触部10が緩衝作用(ダンパー効果)を発揮してゆっくりとした相対回動(高級感のある第一部材と第二部材との回動)を実現する。
【0125】
また、回動付勢体13は、その内側の空間S内に摩擦接触部10及び付勢体5を収納するように構成されている。
【0126】
従って、摩擦接触部10による良好な緩衝作用を得るにあたり、第一摩擦体3及び第二摩擦体4夫々径方向に大きくするのではなく、付勢体5の付勢方向(ヒンジ装置Hの長さ方向)に第一摩擦体3及び第二摩擦体4を複数並設する構成とすることで、コンパクトでありながら良好な緩衝作用が得られることになる。
【0127】
また、回動付勢体13を第二回動体8内に収納した際、回動付勢体13の一端部は支承体15の支承段部15bに被嵌され、回動付勢体13の他端部における連結端部13bは第二回動体8に設けられる固定体16に連結される。
【0128】
支承体15は、図16,17に図示したように適宜な金属製の部材で形成したものであり、第二回動体8内に回動自在に収納されている。
【0129】
また、支承体15は、径の異なる二つの段部が形成されており、この各段部は、付勢体9と回動付勢体13夫々の端部を受ける支承段部15a,15bとして構成されている。
【0130】
符号15cは回動付勢体13の連結端部13aを貫挿する孔である。
【0131】
固定体16は、図16,17に図示したように適宜な金属製の部材で形成したものであり、第二回動体8の端部に回り止め状態に設けられている。
【0132】
また、固定体16には回動軸9の端部に設けられる軸受体17が回動自在に設けられており、回動軸9は軸受体17を介して固定体に係るものである16に抜け止め状態に連結される。
【0133】
また、固定体16には摩擦接触部10(連結部材14Aの突片14a)を回り止め状態に連結する連結凹部16aが設けられている。
【0134】
符号16bは回動付勢体13の連結端部13bを連結する連結孔である。
【0135】
尚、図示していないが本実施例に係る構成は実施例2の構成に適用しても良いのは勿論である。
【0136】
本実施例は上述のように構成したから、回動付勢機能を具備しつつ良好な緩衝作用が発揮されることになり、しかも、この回動付勢機能を発揮する回動付勢体13の空間S内に第一摩擦体3及び第二摩擦体4が配設されるという極めて効率の良い構造から良好な緩衝作用を具備しつつヒンジ装置の小型化に対応することができる。
【0137】
その余は実施例1と同様のものである。
【0138】
尚、本発明は、実施例1,2,3に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0139】
1 第一部材
2 第二部材
3 第一摩擦体
3a 接触面
4 第二摩擦体
4a 接触面
4c スライド部
5 付勢体・抗縮付勢体
6 グリス溜まり部
6a 凹条
7 第一回動体
8 第二回動体
8c ガイド部
9 回動軸
10 摩擦接触部
21 操作部
22 ディスプレイ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一部材と第二部材とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、前記第一部材と共に回動する第一摩擦体と、この第一摩擦体と接触して緩衝作用を生じながら前記第二部材と共に回動する第二摩擦体と、前記第一摩擦体と前記第二摩擦体とを圧接付勢せしめる付勢体とを具備することを特徴とするヒンジ装置。
【請求項2】
第一部材と第二部材とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、前記第一部材に第一摩擦体を回り止め状態に設け、前記第二部材に第二摩擦体を回り止め状態に設け、前記第一摩擦体,前記第二摩擦体を互いに離反方向に相対移動自在に設けるとともに、前記第一摩擦体と前記第二摩擦体とを圧接付勢せしめる付勢体を有して、前記第一部材と前記第二部材との相対回動に際して前記第一摩擦体と前記第二摩擦体との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したことを特徴とするヒンジ装置。
【請求項3】
第一部材と第二部材とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、前記第一部材と共に回動する第一回動体に第一摩擦体を設け、前記第一回動体に回動軸を介して相対回動自在に連結し前記第二部材と共に回動する第二回動体に第二摩擦体を設け、前記第一摩擦体,前記第二摩擦体の少なくとも一方の摩擦体を、前記第一回動体,前記第二回動体の少なくとも一方の回動体、若しくは/及び、前記回動軸にスライド自在に設けて、前記第一摩擦体,前記第二摩擦体を離反方向に相対移動自在に設けるとともに、前記第一摩擦体と前記第二摩擦体とを圧接付勢せしめる付勢体を、前記第一回動体,前記第二回動体の少なくとも一方の回動体、若しくは/及び、前記回動軸に設けて、前記第一回動体と前記第二回動体との相対回動に際して前記第一摩擦体と前記第二摩擦体との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したことを特徴とするヒンジ装置。
【請求項4】
第一部材と第二部材とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、前記第一部材の左右位置に回り止め状態で設けられる第一摩擦体と、この左右の第一摩擦体に隣接状態に配され、前記第二部材に回り止め状態で設けられる第二摩擦体と、左右の前記第一摩擦体と該第一摩擦体に隣接する前記第二摩擦体とから成る摩擦接触部同士間に配され、前記第一摩擦体と前記第二摩擦体とを圧接付勢せしめる抗縮付勢体とを有し、前記第一回動体と前記第二回動体との相対回動に際して前記第一摩擦体と前記第二摩擦体との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したことを特徴とするヒンジ装置。
【請求項5】
第一部材と第二部材とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、前記第一部材と共に回動する第一回動体と、前記第一回動体と相対回動自在に連結し、前記第二部材と共に回動する第二回動体と、前記第一回動体の左右位置に回り止め状態で設けられる第一摩擦体と、この左右の第一摩擦体に隣接状態に配され、前記第二回動体に回り止め状態に設けられる第二摩擦体と、左右の前記第一摩擦体と該第一摩擦体に隣接する前記第二摩擦体とから成る摩擦接触部同士の間に配され、前記第一摩擦体と前記第二摩擦体とを圧接付勢せしめる抗縮付勢体とを有し、前記第一回動体と前記第二回動体との相対回動に際して前記第一摩擦体と前記第二摩擦体との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したことを特徴とするヒンジ装置。
【請求項6】
第一部材と第二部材とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、前記第一部材の左右位置に第一摩擦体を回り止め状態に設け、前記第二部材の左右位置に前記第一摩擦体に隣接状態となる第二摩擦体を回り止め状態に設け、前記第一摩擦体,前記第二摩擦体を離反方向に相対移動自在に設けるとともに、前記第一摩擦体と前記第二摩擦体とを圧接付勢せしめる抗縮付勢体を、左右の前記第一摩擦体と該第一摩擦体に隣接する前記第二摩擦体とから成る摩擦接触部同士間に有して、前記第一回動体と前記第二回動体との相対回動に際して前記第一摩擦体と前記第二摩擦体との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したことを特徴とするヒンジ装置。
【請求項7】
第一部材と第二部材とを回動自在に連結するヒンジ装置であって、前記第一部材と共に回動する第一回動体の左右位置に第一摩擦体を設け、前記第一回動体に回動軸を介して相対回動自在に連結し前記第二部材と共に回動する第二回動体の左右位置に前記第一摩擦体に隣接状態となる第二摩擦体を設け、前記第一摩擦体,前記第二摩擦体の少なくとも一方の摩擦体を、前記第一回動体,前記第二回動体の少なくとも一方の回動体、若しくは/及び、前記回動軸にスライド自在に設けて、前記第一摩擦体,前記第二摩擦体を離反方向に相対移動自在に設けるとともに、前記第一摩擦体と前記第二摩擦体とを圧接付勢せしめる抗縮付勢体を、左右の前記第一摩擦体と該第一摩擦体に隣接する前記第二摩擦体とから成る摩擦接触部同士間にして、前記第一回動体,前記第二回動体の少なくとも一方の回動体、若しくは/及び、前記回動軸に設けて、前記第一回動体と前記第二回動体との相対回動に際して前記第一摩擦体と前記第二摩擦体との接触抵抗による緩衝作用が生じるように構成したことを特徴とするヒンジ装置。
【請求項8】
前記第一回動体と前記第二回動体とは筒状の回動軸を介して相対回動自在に連結されていることを特徴とする請求項3,5,7のいずれか1項に記載のヒンジ装置。
【請求項9】
前記第一摩擦体,前記第二摩擦体の少なくとも一方の摩擦体を、前記第一回動体,前記第二回動体の少なくとも一方の回動体の側端部に配するとともに、前記第一回動体,前記第二回動体の少なくとも一方の回動体の周面に設けたガイド部をスライドするスライド部を前記第一摩擦体,前記第二摩擦体の少なくとも一方の摩擦体に設けて、前記第一摩擦体,前記第二摩擦体の少なくとも一方の摩擦体を、前記第一回動体,前記第二回動体の少なくとも一方の回動体にスライド自在に設けたことを特徴とする請求項3,5,7,8のいずれか1項に記載のヒンジ装置。
【請求項10】
前記第一部材と共に回動する第一回動体に前記第一摩擦体を設け、前記第一回動体に回動軸を介して相対回動自在に連結し前記第二部材と共に回動する第二回動体に前記第二摩擦体を設け、前記第一回動体と前記第二回動体を回動付勢する内部に空間を有する回動付勢体を有し、この回動付勢体の空間内に前記第一摩擦体及び前記第二摩擦体は配設されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のヒンジ装置。
【請求項11】
前記第一摩擦体と前記第二摩擦体とは、少なくとも一方が他方に対して挟み込み状態となるように前記付勢体の付勢方向に交互に並設されていることを特徴とする請求項10記載のヒンジ装置。
【請求項12】
前記第一摩擦体及び前記第二摩擦体は互いに異なる素材で構成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか記載のヒンジ装置。
【請求項13】
前記第一摩擦体,前記第二摩擦体の一方は合成樹脂製、他方は金属製であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のヒンジ装置。
【請求項14】
前記第一摩擦体,前記第二摩擦体の接触面のうち少なくとも一方の接触面には凹状のグリス溜まり部が設けられていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のヒンジ装置。
【請求項15】
前記グリス溜まり部は前記接触面の回動中心を囲繞する状態で環状の凹条を設けて構成されていることを特徴とする請求項14記載のヒンジ装置。
【請求項16】
上面に操作部を備えた本体部を前記第一部材若しくは前記第二部材とし、伏面にディスプレイ部を備えた開閉部を前記第二部材若しくは前記第一部材とし、この本体部と開閉部との端部同士を前記請求項1〜15記載のヒンジ装置によって枢着連結したことを特徴とするヒンジ装置を用いた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−151308(P2010−151308A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230845(P2009−230845)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(396019022)株式会社ストロベリーコーポレーション (88)
【Fターム(参考)】