ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置
【課題】本発明は、ディップ式による絶縁層の表面粗化において、A3サイズ以上の大きな面積の基板の両面に形成された絶縁層を、同時に均一に低コストで粗化処理を行うことが可能な、ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置を提供することを課題とする。
【解決手段】エッチング液を循環させながら粗化処理を行う表面粗化装置であって、第1供給管、第1排出管、第2供給管、第2排出管を挿入し、基板の処理中は該第1供給管と該第1排出管からなる第1循環路と、該第1供給管と該第2排出管からなる第2循環路とを交互に使用することによりエッチング液を循環させ、基板処理後は該第2供給管と該第2排出管からなる第3循環路を使用することによりエッチング液を循環させることを特徴とする、ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置である。
【解決手段】エッチング液を循環させながら粗化処理を行う表面粗化装置であって、第1供給管、第1排出管、第2供給管、第2排出管を挿入し、基板の処理中は該第1供給管と該第1排出管からなる第1循環路と、該第1供給管と該第2排出管からなる第2循環路とを交互に使用することによりエッチング液を循環させ、基板処理後は該第2供給管と該第2排出管からなる第3循環路を使用することによりエッチング液を循環させることを特徴とする、ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大きいサイズの半導体パッケージ基板の製造工程で用いられる表面粗化装置に関するものであり、特に、絶縁層のエッチング量に偏りのない一様な粗化を行う場合に好適に利用できる、ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
BGA基板を始めとする高集積、高周波用途向け半導体パッケージ用基板には、一般に、コア材の表面に絶縁層となる樹脂を塗布し、これに直接メッキ形成しパターンエッチングすることによりプリント基板を形成するビルドアップ方式が採用されている。このビルドアップ方式では、絶縁層とメッキとの密着性を良好にするために、メッキ処理前に絶縁層の表面を荒らす粗化処理を施す必要がある。その方法としては、エッチング液を満たした処理槽内に基板を浸す、ディップ式エッチングによる粗化が主に採用されている。
【0003】
ディップ式による方法では、エッチング液の反応効果を持続させるために、処理済みのエッチング液を電解再生槽で再生しながら循環させている。したがって、基板は静止したエッチング液内ではなく、常に流動しているエッチング液内に浸される。この時、基板近傍のエッチング液の温度が一定で、流れが一様であれば、均一なエッチング速度が得られる。しかしながら、従来のディップ式の処理槽では、エッチング液面での気化熱によって温度分布が生じる上、処理槽内で発生する自然対流によってエッチング液が滞留し、エッチング液の疲労分布に差が生じる。そのため、基板面のエッチング速度がばらつく問題がある。
【0004】
このエッチング速度のばらつきを低減するために様々な提案がなされている。例えば、特許文献1に示すように、基板(被処理物)を装着したフレームを処理槽内で振動させ、エッチング液を撹拌させることで、エッチング速度のばらつきを低減し、基板のエッチングを均一化する表面粗化装置が提案されている。また、特許文献2では、基板を装着したカセットを処理槽内で回転させ、エッチング液を撹拌させることで、エッチング速度のばらつきを低減し、基板のエッチングを均一化する表面粗化装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−41659号公報
【特許文献2】特開2006−32609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、大型基板においては、特許文献1の方法では基板端部に比較して基板中央部のエッチング液の攪拌が少ないため、相対的にエッチング速度が遅くなり、エッチング量が十分に均一化されないといった問題がある。また、特許文献2の方法では、基板中央部のエッチング液の攪拌が十分でないことに加え、基板の回転に必要な処理槽の大きさを確保しなければならない。また、処理槽を大きくしたことに伴って循環させるエッチング液量も増やす必要があり、エッチング液を供給する供給ポンプの高性能化と、駆動のための消費エネルギーの増加によってコストアップにつながる。
【0007】
ディップ式以外の方法としては、スプレーノズルでエッチング液を基板に吹き付けてエッチングするスプレー式がある。しかし、このスプレー式では、エッチング液を基板に均一に当てることが困難であるためにエッチング速度にばらつきが生じるといった問題や、スプレー圧力でエッチング部の底部が不均一な形状となるなどの問題がある。また、この他の方法としては、プラズマ方式によりエッチングを行う方法も知られているが、A3サイズ以上の面積の基板の両面を同時に均一にエッチングすることは困難である。
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、ディップ式による絶縁層の表面粗化において、A3サイズ以上の大きな面積の基板の両面に形成された絶縁層を、同時に均一に低コストで粗化処理を行うことが可能な、ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、処理槽内で基板の絶縁層の表面を粗化した処理済みエッチング液を、排出口から管路を通して電解再生槽内に導いて再生し、再生後のエッチング液を、管路を通して供給口から前記処理槽内に戻し、エッチング液を循環させながら粗化処理を行う表面粗化装置であって、
前記処理槽は略直方体の形状であり、処理槽底面に水平に、1ないし複数の供給口を設けた第1供給管を挿入し、処理槽内で処理される基板面と直角の位置にある一方の処理槽側面側の処理槽内部に、1ないし複数の排水口を設けた第1排出管と1ないし複数の供給口を設けた第2供給管を挿入し、他方の処理槽側面側の処理槽内部の該第1排出管と対向する位置に、1ないし複数の排出口を設けた第2排出管を挿入し、基板の処理中は該第1供給管と該第1排出管からなる第1循環路と、該第1供給管と該第2排出管からなる第2循環路とを交互に使用することによりエッチング液を循環させ、基板処理後は該第2供給管と該第2排出管からなる第3循環路を使用することによりエッチング液を循環させることを特徴とする、ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置である。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置において、前記第1供給管の供給口に、基板側に向けたエダクターノズルを設置することを特徴とする、ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、処理槽の底面側に設置した供給口からエッチング液を供給し、処理槽側面の排出口から排出させる構造の表面粗化装置において、粗化処理中に第1循環路と第2循環路を交互に使用することによって処理槽内のエッチング液を撹拌し、エッチング速度のばらつき要因である基板面近傍の温度分布や流速分布を平均化することができるため、粗化の均一化を図ることができる。一般的に、粗化処理に要する時間、数分から数十分の間、エッチング速度はほぼ一定であるため、その間に生じる疲労分布は粗化ばらつきに影響しない。従って、粗化処理中は均一な整流となっている必要はなく、一時的な渦が生じてでも撹拌を充分に行うことが望ましい。更に、粗化処理後に第3循環路を使用することによって均一な横流れを生じさせ、滞留なく処理槽内の疲労エッチング液を効率的に入れ替えることができるため、粗化処理時間を超える長時間、疲労エッチング液の滞留による基板のエッチング速度のばらつきを防ぐことができる。
【0012】
また、第1供給管の供給口にエダクターノズルを用いることによって、安価に、処理槽内のエッチング液の撹拌を促進して、供給ポンプ及び排出ポンプの能力以上の流速を基板面近傍に与えることができ、粗化の均一化の効果が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の表面粗化装置の第1の実施形態を示す概略構成図
【図2】第1の実施形態の処理槽を上から見た模式図
【図3】本発明の表面粗化装置の第2の実施形態を示す概略構成図
【図4】第1の実施形態における第1供給分配管の供給口付近の模式図
【図5】第2の実施形態における第1供給分配管のエダクターノズル付近の模式図
【図6】本発明の表面粗化装置の第2供給分配管および第1排出管、第2排出管の模式図
【図7】本発明の表面粗化装置の整流部材の平面図
【図8】第1の実施形態における第1循環路を選択した場合の処理槽内のエッチング液の流れを示す説明図
【図9】第1の実施形態における第2循環路を選択した場合の処理槽内のエッチング液の流れを示す説明図
【図10】第3循環路を選択した場合の処理槽内のエッチング液の流れを示す説明図
【図11】第2の実施形態における第1循環路を選択した場合の処理槽内のエッチング液の流れを示す説明図
【図12】第2の実施形態における第2循環路を選択した場合の処理槽内のエッチング液の流れを示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面に従って説明する。
【0015】
(実施形態1)
図1は、本発明によるビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置の実施形態の一例を示す概略の構成図である。図1に示すように、表面粗化装置は、エッチング液1を満たす高さH、幅W、長さLの略直方体の処理槽2、基板3の絶縁層表面を粗化した処理済みエッチング液を排出する第1排出口81を有する第1排出管71、および、第2排出口82を有する第2排出管72、再生後のエッチング液を供給する第1供給管51および第2供給管52から構成される。第1供給管51および第2供給管52はそれぞれ2本の分配管に分岐し、第1供給口41を有する第1供給分配管511と512、第2供給口42を有する第2供給分配管521と522から構成される。第1排出管71および第2排出管72は、電解再生槽6に接続されている。また、第1供給分配管511と512は、処理槽2の底面に水平に挿入し、第2供給分配管521と522は、処理槽2の一方の側面に対面して挿入した構成からなる。
【0016】
第1供給口41は、基板3の横方向の範囲内で、第1供給分配管511および512上に一定間隔で設けられている。また、第2供給口42は、第2供給分配管521および522上の処理槽深さ方向に一定間隔で設けられている。さらに、第1排出口81、第2排出口はそれぞれ、第1排出管71、第2排出管72上の処理槽深さ方向に一定の間隔で設けられている。
【0017】
図2は、図1の処理槽2を上からみた平面概略図である。第1供給管51と第2排出管72は、処理槽2の同じ側面側の処理槽内部に挿入され、第2供給管52と第1排出管71は、処理槽2のもう一方の側面側の処理槽内部に挿入される。
【0018】
基板3は、基板支持フォルダ11によって吊り下げられ、エッチング中は処理槽2に漬けられる。第1供給管51、第2供給管52、第1排出管71、第2排出管72には、それぞれ第1供給ポンプ91、第2供給ポンプ92、第1排出ポンプ93、第2排出ポンプ94が接続されている。第1供給ポンプ91と第1排出ポンプ93とを同時に作動する第1循環路か、第1供給ポンプ91と第2排出ポンプ94とを同時に作動する第2循環路かを選択することにより、エッチング中の処理槽2と電解再生槽6の間のエッチング液の循環を制御できるようになっている。基板3のエッチングが終了すると、基板3は基板支持フォルダ11によって引き上げられる。その際、第2供給ポンプ92と第2排出ポンプ94とを同時に作動する第3循環路が選択され、処理槽2の疲労したエッチング液1を総入れ替えする。
【0019】
また、各供給分配管および各排出管から一定の距離に、パンチングメタルや金網、ハニカムなどの整流部材12を設置し、エッチング液の供給、排出が一様に行われるようにしている。
【0020】
整流部材12は、平板状の板材に複数の孔を形成したものであり、その材質は、処理槽2内を循環するエッチング液により変質しないものであればよく、各種の金属、プラスチック、セラミック、ガラス、あるいはこれらを複合した材質のものなど、適宜選択できる。
【0021】
また、整流部材12の孔の形状や配置の一例を図7に示す。図7では、30mmの等ピッチ60°千鳥で直径6mmの孔を配置した場合を示しているが、60°千鳥以外の配列に孔を配置してもよい。また、孔のサイズや形状についても円形状に限らず、長円形状、楕円形状、短形状などであってもよく、また、不定形な孔形状であっても構わない。
【0022】
(実施形態2)
図3は、本発明によるビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置の第2の実施形態を示す概略の構成図である。第1供給分配管511と522上に、第1供給口41を設ける代わりに、エダクターノズル411を基板3側に向けて配置している。エダクターノズルを用いることによって、基板3の近傍に第1供給ポンプの能力の数倍の流速でエッチング液2を与えることが可能となる。
【実施例1】
【0023】
第1の実施形態で説明した構成の表面粗化装置での実施例を述べる。
図1の表面粗化装置において、処理槽2は、高さH1000mm、幅W500mm、長さL900mmの略直方体ステンレス槽とした。エッチング液1として、70℃の過マンガン酸カリウム溶液を使用し、深さHw=800mmで処理槽2を満たしている。基板3は、横a=600mm、縦b=500mm、厚みc=1mmのビルドアップ基板とし、エポキシ樹脂が塗布された状態である。前記基板3を14枚、20mm間隔で平行に並べ、液面からの深さ120mmで20分間漬けて、粗化処理を行った。
【0024】
第1供給分配管511および512、第2供給分配管521および522は、40Aステンレスパイプを用い、第1排出管71および第2排出管72は50Aステンレスパイプを用いた。
図4に示したような構成で、第1供給分配管511および512には、基板3の横方向の範囲内で、互いに処理槽底面の鉛直方向に対し45°の位置にある2個の直径6.5mmの開口を、基板3と水平方向に1列に50mm間隔で10ヶ所設け、第1供給口41とした。
なお、第1供給口41の開口の方向は、特に限定されるものではない。本実施例では、第1供給口41からの噴流が、基板3に直接当たらないようにするために、第1供給口41の開口を処理槽底面の方向に向けた。噴流が当たった部分は粗化が促進されて一様な面状が得られなくなるため、噴流が直接基板に当たらないことがより望ましい。
【0025】
また、図6に示したような構成で、第2供給分配管521および522、第1排出管71、第2排出管72の側面に、同じ高さにある開口が互いに90℃の位置にある2個の直径6.5mmの開口を、整流部材12対して反対側向きに、高さ方向に1列に50mm間隔で16ヶ所設け、それぞれ第2供給口42、第1排出口81、第2排出口82とした。
なお、開口の方向は、特に限定されるものではない。本実施例では、開口からの噴流が、整流部材12に直接当たらないようにするために、開口を処理槽側面の方向に向けた。噴流が整流部材を透過して一様な流れを阻害させないため、噴流が直接整流部材に当たらないことがより望ましい。
【0026】
整流部材12は、厚さ3mmのステンレス板であって、図7に示すように孔径6mmの円形状の孔をピッチ10mmの60°千鳥で配置したものを用いた。整流部材12は、処理槽2の側壁面から150mm離れた位置に配置した。
【0027】
基板3のエッチング中の、処理槽2内のエッチング液1の流れの模式図を図8および図9に示す。第1循環路の第1供給ポンプ91および第1排出ポンプ93と、第2循環路の第1供給ポンプ91および第2排出ポンプ94を5分毎に交互に作動させることで、毎分300L循環させ、処理槽2内に交互に逆向きの流れを与えた。
また、基板3のエッチング後の、処理槽2内のエッチング液1の流れの模式図を図10に示す。第3循環路の第2供給ポンプ92と第2排出ポンプ94を作動させることで、毎分300L循環させ、処理槽2に一様な横流れを生じさせた。
次のエッチング処理までの10分間に、処理槽2のエッチング液1を完全に入れ替えることができた。
【実施例2】
【0028】
第2の実施形態で説明した構成の表面粗化装置での実施例を述べる。
図3の表面粗化装置において、処理槽2は、高さH1000mm、幅W500mm、長さL900mmの略直方体ステンレス槽とした。エッチング液1として、70℃の過マンガン酸カリウム溶液を使用し、深さHw=800mmで処理槽2を満たしている。基板3は、横a=600mm、縦b=500mm、厚みc=1mmのビルドアップ基板とし、エポキシ樹脂が塗布された状態である。前記基板3を14枚、20mm間隔で平行に並べ、液面からの深さ120mmで20分間漬けて、粗化処理を行った。
【0029】
第1供給分配管511および512、第2供給分配管521および522は、40Aステンレスパイプを用い、第1排出管71および第2排出管72は50Aステンレスパイプを用いた。
第1供給分配管511および512には、基板3の横方向の範囲内になるように、口径10mm、外径52mmのエダクターノズル411を設けた。図5は、第1供給分配管511のエダクターノズル411付近の模式図である。エダクターノズル411は、基板3に向けて上向きに、第1供給分配管511および512それぞれに、200mmピッチで3つずつ設けた。基板の一様な粗化面状を得るため、外径の広いエダクターノズルを用いて噴流を拡散した。
【0030】
また、図6に示したような構成で、第2供給分配管521および522、第1排出管71、第2排出管72の側面に、同じ高さにある開口が互いに90℃の位置にある2個の直径6.5mmの開口を、基板3に対して反対側向きに、高さ方向に1列に50mm間隔で16ヶ所設け、それぞれ第2供給口42、第1排出口81、第2排出口82とした。
なお、開口の方向は、特に限定されるものではない。本実施例では、開口からの噴流が、基板3に直接当たらないようにするために、開口を処理槽側面の方向に向けた。噴流が当たった部分は粗化が促進されて一様な面状が得られなくなるため、噴流が直接基板に当たらないことが、より望ましい。
【0031】
整流部材12は、厚さ3mmのステンレス板であって、図7に示すように孔径6mmの円形状の孔をピッチ10mmの60°千鳥で配置したものを用いた。整流部材12は、処理槽2の側壁面から150mm離れた位置に配置した。
【0032】
基板3のエッチング中は、第1循環路の第1供給ポンプ91および第1排出ポンプ93と、第2循環路の第1供給ポンプ91および第2排出ポンプ94を5分毎に交互に作動させることで、毎分300L循環させ、処理槽2内に交互に逆向きの流れを与えた。処理槽2内のエッチング液1の流れの模式図を図11および図12に示す。エダクターノズル411の効果によって、点線で示された還元流も生じて処理槽2内は撹拌され、基板3近傍の流速は実施例1と比較して倍以上になり、基板3に均一の粗化面が得られた。
また、基板3のエッチング後は、第3循環路の第2供給ポンプ92と第2排出ポンプ94を作動させることで、毎分300L循環させ、処理槽2に一様な横流れを生じさせた。
処理槽2内のエッチング液1の流れの模式図を図10に示す。次のエッチング処理までの10分間に、処理槽2のエッチング液1を完全に入れ替えることができた。
【符号の説明】
【0033】
1・・・エッチング液
2・・・処理槽
3・・・基板
41・・・第1供給口
42・・・第2供給口
51・・・第1供給管
52・・・第2供給管
6・・・電解再生槽
71・・・第1排出管
72・・・第2排出管
81・・・第1排出口
82・・・第2排出口
91・・・第1供給ポンプ
92・・・第2供給ポンプ
93・・・第1排出ポンプ
94・・・第2排出ポンプ
11・・・基板支持フォルダ
12・・・整流部材
13・・・面対称基準面
411・・・エダクターノズル
511、512・・・第1供給分配管
521、522・・・第2供給分配管
【技術分野】
【0001】
本発明は、大きいサイズの半導体パッケージ基板の製造工程で用いられる表面粗化装置に関するものであり、特に、絶縁層のエッチング量に偏りのない一様な粗化を行う場合に好適に利用できる、ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
BGA基板を始めとする高集積、高周波用途向け半導体パッケージ用基板には、一般に、コア材の表面に絶縁層となる樹脂を塗布し、これに直接メッキ形成しパターンエッチングすることによりプリント基板を形成するビルドアップ方式が採用されている。このビルドアップ方式では、絶縁層とメッキとの密着性を良好にするために、メッキ処理前に絶縁層の表面を荒らす粗化処理を施す必要がある。その方法としては、エッチング液を満たした処理槽内に基板を浸す、ディップ式エッチングによる粗化が主に採用されている。
【0003】
ディップ式による方法では、エッチング液の反応効果を持続させるために、処理済みのエッチング液を電解再生槽で再生しながら循環させている。したがって、基板は静止したエッチング液内ではなく、常に流動しているエッチング液内に浸される。この時、基板近傍のエッチング液の温度が一定で、流れが一様であれば、均一なエッチング速度が得られる。しかしながら、従来のディップ式の処理槽では、エッチング液面での気化熱によって温度分布が生じる上、処理槽内で発生する自然対流によってエッチング液が滞留し、エッチング液の疲労分布に差が生じる。そのため、基板面のエッチング速度がばらつく問題がある。
【0004】
このエッチング速度のばらつきを低減するために様々な提案がなされている。例えば、特許文献1に示すように、基板(被処理物)を装着したフレームを処理槽内で振動させ、エッチング液を撹拌させることで、エッチング速度のばらつきを低減し、基板のエッチングを均一化する表面粗化装置が提案されている。また、特許文献2では、基板を装着したカセットを処理槽内で回転させ、エッチング液を撹拌させることで、エッチング速度のばらつきを低減し、基板のエッチングを均一化する表面粗化装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−41659号公報
【特許文献2】特開2006−32609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、大型基板においては、特許文献1の方法では基板端部に比較して基板中央部のエッチング液の攪拌が少ないため、相対的にエッチング速度が遅くなり、エッチング量が十分に均一化されないといった問題がある。また、特許文献2の方法では、基板中央部のエッチング液の攪拌が十分でないことに加え、基板の回転に必要な処理槽の大きさを確保しなければならない。また、処理槽を大きくしたことに伴って循環させるエッチング液量も増やす必要があり、エッチング液を供給する供給ポンプの高性能化と、駆動のための消費エネルギーの増加によってコストアップにつながる。
【0007】
ディップ式以外の方法としては、スプレーノズルでエッチング液を基板に吹き付けてエッチングするスプレー式がある。しかし、このスプレー式では、エッチング液を基板に均一に当てることが困難であるためにエッチング速度にばらつきが生じるといった問題や、スプレー圧力でエッチング部の底部が不均一な形状となるなどの問題がある。また、この他の方法としては、プラズマ方式によりエッチングを行う方法も知られているが、A3サイズ以上の面積の基板の両面を同時に均一にエッチングすることは困難である。
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、ディップ式による絶縁層の表面粗化において、A3サイズ以上の大きな面積の基板の両面に形成された絶縁層を、同時に均一に低コストで粗化処理を行うことが可能な、ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、処理槽内で基板の絶縁層の表面を粗化した処理済みエッチング液を、排出口から管路を通して電解再生槽内に導いて再生し、再生後のエッチング液を、管路を通して供給口から前記処理槽内に戻し、エッチング液を循環させながら粗化処理を行う表面粗化装置であって、
前記処理槽は略直方体の形状であり、処理槽底面に水平に、1ないし複数の供給口を設けた第1供給管を挿入し、処理槽内で処理される基板面と直角の位置にある一方の処理槽側面側の処理槽内部に、1ないし複数の排水口を設けた第1排出管と1ないし複数の供給口を設けた第2供給管を挿入し、他方の処理槽側面側の処理槽内部の該第1排出管と対向する位置に、1ないし複数の排出口を設けた第2排出管を挿入し、基板の処理中は該第1供給管と該第1排出管からなる第1循環路と、該第1供給管と該第2排出管からなる第2循環路とを交互に使用することによりエッチング液を循環させ、基板処理後は該第2供給管と該第2排出管からなる第3循環路を使用することによりエッチング液を循環させることを特徴とする、ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置である。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置において、前記第1供給管の供給口に、基板側に向けたエダクターノズルを設置することを特徴とする、ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、処理槽の底面側に設置した供給口からエッチング液を供給し、処理槽側面の排出口から排出させる構造の表面粗化装置において、粗化処理中に第1循環路と第2循環路を交互に使用することによって処理槽内のエッチング液を撹拌し、エッチング速度のばらつき要因である基板面近傍の温度分布や流速分布を平均化することができるため、粗化の均一化を図ることができる。一般的に、粗化処理に要する時間、数分から数十分の間、エッチング速度はほぼ一定であるため、その間に生じる疲労分布は粗化ばらつきに影響しない。従って、粗化処理中は均一な整流となっている必要はなく、一時的な渦が生じてでも撹拌を充分に行うことが望ましい。更に、粗化処理後に第3循環路を使用することによって均一な横流れを生じさせ、滞留なく処理槽内の疲労エッチング液を効率的に入れ替えることができるため、粗化処理時間を超える長時間、疲労エッチング液の滞留による基板のエッチング速度のばらつきを防ぐことができる。
【0012】
また、第1供給管の供給口にエダクターノズルを用いることによって、安価に、処理槽内のエッチング液の撹拌を促進して、供給ポンプ及び排出ポンプの能力以上の流速を基板面近傍に与えることができ、粗化の均一化の効果が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の表面粗化装置の第1の実施形態を示す概略構成図
【図2】第1の実施形態の処理槽を上から見た模式図
【図3】本発明の表面粗化装置の第2の実施形態を示す概略構成図
【図4】第1の実施形態における第1供給分配管の供給口付近の模式図
【図5】第2の実施形態における第1供給分配管のエダクターノズル付近の模式図
【図6】本発明の表面粗化装置の第2供給分配管および第1排出管、第2排出管の模式図
【図7】本発明の表面粗化装置の整流部材の平面図
【図8】第1の実施形態における第1循環路を選択した場合の処理槽内のエッチング液の流れを示す説明図
【図9】第1の実施形態における第2循環路を選択した場合の処理槽内のエッチング液の流れを示す説明図
【図10】第3循環路を選択した場合の処理槽内のエッチング液の流れを示す説明図
【図11】第2の実施形態における第1循環路を選択した場合の処理槽内のエッチング液の流れを示す説明図
【図12】第2の実施形態における第2循環路を選択した場合の処理槽内のエッチング液の流れを示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面に従って説明する。
【0015】
(実施形態1)
図1は、本発明によるビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置の実施形態の一例を示す概略の構成図である。図1に示すように、表面粗化装置は、エッチング液1を満たす高さH、幅W、長さLの略直方体の処理槽2、基板3の絶縁層表面を粗化した処理済みエッチング液を排出する第1排出口81を有する第1排出管71、および、第2排出口82を有する第2排出管72、再生後のエッチング液を供給する第1供給管51および第2供給管52から構成される。第1供給管51および第2供給管52はそれぞれ2本の分配管に分岐し、第1供給口41を有する第1供給分配管511と512、第2供給口42を有する第2供給分配管521と522から構成される。第1排出管71および第2排出管72は、電解再生槽6に接続されている。また、第1供給分配管511と512は、処理槽2の底面に水平に挿入し、第2供給分配管521と522は、処理槽2の一方の側面に対面して挿入した構成からなる。
【0016】
第1供給口41は、基板3の横方向の範囲内で、第1供給分配管511および512上に一定間隔で設けられている。また、第2供給口42は、第2供給分配管521および522上の処理槽深さ方向に一定間隔で設けられている。さらに、第1排出口81、第2排出口はそれぞれ、第1排出管71、第2排出管72上の処理槽深さ方向に一定の間隔で設けられている。
【0017】
図2は、図1の処理槽2を上からみた平面概略図である。第1供給管51と第2排出管72は、処理槽2の同じ側面側の処理槽内部に挿入され、第2供給管52と第1排出管71は、処理槽2のもう一方の側面側の処理槽内部に挿入される。
【0018】
基板3は、基板支持フォルダ11によって吊り下げられ、エッチング中は処理槽2に漬けられる。第1供給管51、第2供給管52、第1排出管71、第2排出管72には、それぞれ第1供給ポンプ91、第2供給ポンプ92、第1排出ポンプ93、第2排出ポンプ94が接続されている。第1供給ポンプ91と第1排出ポンプ93とを同時に作動する第1循環路か、第1供給ポンプ91と第2排出ポンプ94とを同時に作動する第2循環路かを選択することにより、エッチング中の処理槽2と電解再生槽6の間のエッチング液の循環を制御できるようになっている。基板3のエッチングが終了すると、基板3は基板支持フォルダ11によって引き上げられる。その際、第2供給ポンプ92と第2排出ポンプ94とを同時に作動する第3循環路が選択され、処理槽2の疲労したエッチング液1を総入れ替えする。
【0019】
また、各供給分配管および各排出管から一定の距離に、パンチングメタルや金網、ハニカムなどの整流部材12を設置し、エッチング液の供給、排出が一様に行われるようにしている。
【0020】
整流部材12は、平板状の板材に複数の孔を形成したものであり、その材質は、処理槽2内を循環するエッチング液により変質しないものであればよく、各種の金属、プラスチック、セラミック、ガラス、あるいはこれらを複合した材質のものなど、適宜選択できる。
【0021】
また、整流部材12の孔の形状や配置の一例を図7に示す。図7では、30mmの等ピッチ60°千鳥で直径6mmの孔を配置した場合を示しているが、60°千鳥以外の配列に孔を配置してもよい。また、孔のサイズや形状についても円形状に限らず、長円形状、楕円形状、短形状などであってもよく、また、不定形な孔形状であっても構わない。
【0022】
(実施形態2)
図3は、本発明によるビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置の第2の実施形態を示す概略の構成図である。第1供給分配管511と522上に、第1供給口41を設ける代わりに、エダクターノズル411を基板3側に向けて配置している。エダクターノズルを用いることによって、基板3の近傍に第1供給ポンプの能力の数倍の流速でエッチング液2を与えることが可能となる。
【実施例1】
【0023】
第1の実施形態で説明した構成の表面粗化装置での実施例を述べる。
図1の表面粗化装置において、処理槽2は、高さH1000mm、幅W500mm、長さL900mmの略直方体ステンレス槽とした。エッチング液1として、70℃の過マンガン酸カリウム溶液を使用し、深さHw=800mmで処理槽2を満たしている。基板3は、横a=600mm、縦b=500mm、厚みc=1mmのビルドアップ基板とし、エポキシ樹脂が塗布された状態である。前記基板3を14枚、20mm間隔で平行に並べ、液面からの深さ120mmで20分間漬けて、粗化処理を行った。
【0024】
第1供給分配管511および512、第2供給分配管521および522は、40Aステンレスパイプを用い、第1排出管71および第2排出管72は50Aステンレスパイプを用いた。
図4に示したような構成で、第1供給分配管511および512には、基板3の横方向の範囲内で、互いに処理槽底面の鉛直方向に対し45°の位置にある2個の直径6.5mmの開口を、基板3と水平方向に1列に50mm間隔で10ヶ所設け、第1供給口41とした。
なお、第1供給口41の開口の方向は、特に限定されるものではない。本実施例では、第1供給口41からの噴流が、基板3に直接当たらないようにするために、第1供給口41の開口を処理槽底面の方向に向けた。噴流が当たった部分は粗化が促進されて一様な面状が得られなくなるため、噴流が直接基板に当たらないことがより望ましい。
【0025】
また、図6に示したような構成で、第2供給分配管521および522、第1排出管71、第2排出管72の側面に、同じ高さにある開口が互いに90℃の位置にある2個の直径6.5mmの開口を、整流部材12対して反対側向きに、高さ方向に1列に50mm間隔で16ヶ所設け、それぞれ第2供給口42、第1排出口81、第2排出口82とした。
なお、開口の方向は、特に限定されるものではない。本実施例では、開口からの噴流が、整流部材12に直接当たらないようにするために、開口を処理槽側面の方向に向けた。噴流が整流部材を透過して一様な流れを阻害させないため、噴流が直接整流部材に当たらないことがより望ましい。
【0026】
整流部材12は、厚さ3mmのステンレス板であって、図7に示すように孔径6mmの円形状の孔をピッチ10mmの60°千鳥で配置したものを用いた。整流部材12は、処理槽2の側壁面から150mm離れた位置に配置した。
【0027】
基板3のエッチング中の、処理槽2内のエッチング液1の流れの模式図を図8および図9に示す。第1循環路の第1供給ポンプ91および第1排出ポンプ93と、第2循環路の第1供給ポンプ91および第2排出ポンプ94を5分毎に交互に作動させることで、毎分300L循環させ、処理槽2内に交互に逆向きの流れを与えた。
また、基板3のエッチング後の、処理槽2内のエッチング液1の流れの模式図を図10に示す。第3循環路の第2供給ポンプ92と第2排出ポンプ94を作動させることで、毎分300L循環させ、処理槽2に一様な横流れを生じさせた。
次のエッチング処理までの10分間に、処理槽2のエッチング液1を完全に入れ替えることができた。
【実施例2】
【0028】
第2の実施形態で説明した構成の表面粗化装置での実施例を述べる。
図3の表面粗化装置において、処理槽2は、高さH1000mm、幅W500mm、長さL900mmの略直方体ステンレス槽とした。エッチング液1として、70℃の過マンガン酸カリウム溶液を使用し、深さHw=800mmで処理槽2を満たしている。基板3は、横a=600mm、縦b=500mm、厚みc=1mmのビルドアップ基板とし、エポキシ樹脂が塗布された状態である。前記基板3を14枚、20mm間隔で平行に並べ、液面からの深さ120mmで20分間漬けて、粗化処理を行った。
【0029】
第1供給分配管511および512、第2供給分配管521および522は、40Aステンレスパイプを用い、第1排出管71および第2排出管72は50Aステンレスパイプを用いた。
第1供給分配管511および512には、基板3の横方向の範囲内になるように、口径10mm、外径52mmのエダクターノズル411を設けた。図5は、第1供給分配管511のエダクターノズル411付近の模式図である。エダクターノズル411は、基板3に向けて上向きに、第1供給分配管511および512それぞれに、200mmピッチで3つずつ設けた。基板の一様な粗化面状を得るため、外径の広いエダクターノズルを用いて噴流を拡散した。
【0030】
また、図6に示したような構成で、第2供給分配管521および522、第1排出管71、第2排出管72の側面に、同じ高さにある開口が互いに90℃の位置にある2個の直径6.5mmの開口を、基板3に対して反対側向きに、高さ方向に1列に50mm間隔で16ヶ所設け、それぞれ第2供給口42、第1排出口81、第2排出口82とした。
なお、開口の方向は、特に限定されるものではない。本実施例では、開口からの噴流が、基板3に直接当たらないようにするために、開口を処理槽側面の方向に向けた。噴流が当たった部分は粗化が促進されて一様な面状が得られなくなるため、噴流が直接基板に当たらないことが、より望ましい。
【0031】
整流部材12は、厚さ3mmのステンレス板であって、図7に示すように孔径6mmの円形状の孔をピッチ10mmの60°千鳥で配置したものを用いた。整流部材12は、処理槽2の側壁面から150mm離れた位置に配置した。
【0032】
基板3のエッチング中は、第1循環路の第1供給ポンプ91および第1排出ポンプ93と、第2循環路の第1供給ポンプ91および第2排出ポンプ94を5分毎に交互に作動させることで、毎分300L循環させ、処理槽2内に交互に逆向きの流れを与えた。処理槽2内のエッチング液1の流れの模式図を図11および図12に示す。エダクターノズル411の効果によって、点線で示された還元流も生じて処理槽2内は撹拌され、基板3近傍の流速は実施例1と比較して倍以上になり、基板3に均一の粗化面が得られた。
また、基板3のエッチング後は、第3循環路の第2供給ポンプ92と第2排出ポンプ94を作動させることで、毎分300L循環させ、処理槽2に一様な横流れを生じさせた。
処理槽2内のエッチング液1の流れの模式図を図10に示す。次のエッチング処理までの10分間に、処理槽2のエッチング液1を完全に入れ替えることができた。
【符号の説明】
【0033】
1・・・エッチング液
2・・・処理槽
3・・・基板
41・・・第1供給口
42・・・第2供給口
51・・・第1供給管
52・・・第2供給管
6・・・電解再生槽
71・・・第1排出管
72・・・第2排出管
81・・・第1排出口
82・・・第2排出口
91・・・第1供給ポンプ
92・・・第2供給ポンプ
93・・・第1排出ポンプ
94・・・第2排出ポンプ
11・・・基板支持フォルダ
12・・・整流部材
13・・・面対称基準面
411・・・エダクターノズル
511、512・・・第1供給分配管
521、522・・・第2供給分配管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理槽内で基板の絶縁層の表面を粗化した処理済みエッチング液を、排出口から管路を通して電解再生槽内に導いて再生し、再生後のエッチング液を、管路を通して供給口から前記処理槽内に戻し、エッチング液を循環させながら粗化処理を行う表面粗化装置であって、
前記処理槽は略直方体の形状であり、処理槽底面に水平に、1ないし複数の供給口を設けた第1供給管を挿入し、処理槽内で処理される基板面と直角の位置にある一方の処理槽側面側の処理槽内部に、1ないし複数の排水口を設けた第1排出管と1ないし複数の供給口を設けた第2供給管を挿入し、他方の処理槽側面側の処理槽内部の該第1排出管と対向する位置に、1ないし複数の排出口を設けた第2排出管を挿入し、基板の処理中は該第1供給管と該第1排出管からなる第1循環路と、該第1供給管と該第2排出管からなる第2循環路とを交互に使用することによりエッチング液を循環させ、基板処理後は該第2供給管と該第2排出管からなる第3循環路を使用することによりエッチング液を循環させることを特徴とする、ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置。
【請求項2】
請求項1に記載のビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置において、前記第1供給管の供給口に、基板側に向けたエダクターノズルを設置することを特徴とする、ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置。
【請求項1】
処理槽内で基板の絶縁層の表面を粗化した処理済みエッチング液を、排出口から管路を通して電解再生槽内に導いて再生し、再生後のエッチング液を、管路を通して供給口から前記処理槽内に戻し、エッチング液を循環させながら粗化処理を行う表面粗化装置であって、
前記処理槽は略直方体の形状であり、処理槽底面に水平に、1ないし複数の供給口を設けた第1供給管を挿入し、処理槽内で処理される基板面と直角の位置にある一方の処理槽側面側の処理槽内部に、1ないし複数の排水口を設けた第1排出管と1ないし複数の供給口を設けた第2供給管を挿入し、他方の処理槽側面側の処理槽内部の該第1排出管と対向する位置に、1ないし複数の排出口を設けた第2排出管を挿入し、基板の処理中は該第1供給管と該第1排出管からなる第1循環路と、該第1供給管と該第2排出管からなる第2循環路とを交互に使用することによりエッチング液を循環させ、基板処理後は該第2供給管と該第2排出管からなる第3循環路を使用することによりエッチング液を循環させることを特徴とする、ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置。
【請求項2】
請求項1に記載のビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置において、前記第1供給管の供給口に、基板側に向けたエダクターノズルを設置することを特徴とする、ビルドアップ基板絶縁層の表面粗化装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−249515(P2011−249515A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120412(P2010−120412)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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