説明

ピラゾロ−キナゾリン誘導体、その製造方法、およびキナーゼ阻害剤としてのその使用

明細書に定義した通りの、式(Ia)または(Ib)のピラゾロ-キナゾリン誘導体、およびその薬学的に許容可能な塩、それらの製造方法、およびそれらを含有する薬学的組成物が開示される;本発明の化合物はまた、治療において、癌のような制御されないタンパク質キナーゼ活性に関連した疾患の治療において有用であり得る。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式(Ia)または(Ib)によって表されるピラゾロ-キナゾリン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩:
【化1】

ここで、
Rは、水素、またはアミノ、直鎖もしくは分岐鎖のC1-C6アルキル、C3-C10シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロシクリルアルキルから選択される任意に置換された基であり;
Xは、単結合、または-NR'-、-CONR'-、-NH-CO-NH-、-O-、-S-、または-SO2-から選択される二価の基であり、ここでのR'は水素、または直鎖もしくは分岐鎖のC1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルから選択される任意に置換された基であるか、またはRおよびR'はそれらが結合する窒素原子と一緒になって、任意にN、OもしくはSから選択される一つの追加のヘテロ原子を含む5〜6員のヘテロアリールもしくはヘテロシクリル基を形成し;
式(Ia)または式(Ib)のピラゾール環の窒素原子のうちの何れか一つに結合されたR1は、水素原子を表すか、または直鎖もしくは分岐鎖のC1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロシクリルアルキルから選択される任意に置換された基を表し、或いは式(Ib)において、R1はR2に結合している二価の-(CH2)n-NH-基で、nは2または3であり;
R2は、-NR"R"'、-N(OH)R"、-OR"または-R"であり、ここでのR"およびR"'は、それぞれ独立に水素、または直鎖もしくは分岐鎖のC1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキルもしくはシクロアルキル-アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロシクリルアルキルから選択される任意に置換された基であるか、或いは、R"およびR"'は、それらが結合する窒素原子と共に、任意にN、OまたはSのなかから選択される追加のヘテロ原子を含む5〜6員のヘテロアリールもしくはヘテロシクリル基を形成してよく;
Aは、-CH2-、-(CH2)2-、-CH2-C(CH3)2-、-C(CH3)2-CH2-、または-CH=CH-から選択される二価の基である。
【請求項2】
請求項1に記載の式(Ia)または(Ib)の化合物であって、前記Xが-NH-基であり、R2は-NHR"、-N(OH)R"、-OR"または-R"から選択される基であり、ここでのR"は、C3-C6シクロアルキルもしくはシクロアルキル-アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロシクリルアルキルから選択される任意に置換された基であり;またR、R1およびAは上記で定義した通りである化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の式(Ia)または(Ib)の化合物であって、ここでのXは-O-基であり、R2は-NHR"、-N(OH)R"、-OR"または-R"であり、ここでのR"はC3-C6シクロアルキルもしくはシクロアルキル-アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロシクリルアルキルから選択される任意に置換された基であり;またR、R1およびAは上記で定義した通りである化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の式(Ia)または(Ib)の化合物であって、ここでのXは-S-基であり、R2は-NHR"、-N(OH)R"、-OR"または-R"から選択される基であり、ここでのR"はC3-C6シクロアルキルもしくはシクロアルキル-アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルから選択される任意に置換された基であり;またR、R1およびAは上記で定義した通りである化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の式(Ia)または(Ib)の化合物であって、ここでのXは-NH-基であり、R2は-NHR"または-N(OH)R"基であり、ここでのR"は水素原子、または直鎖もしくは分岐鎖のCl-C4アルキル基であり;またA、RおよびR1は上記で定義した通りである化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の式(Ia)または(Ib)の化合物であって、ここでのXは-O-基であり、R2は-NHR"または-N(OH)R"基であり、ここでのR"は水素原子、または直鎖もしくは分岐鎖のC1-C4アルキル基であり;またA、RおよびR1は上記で定義した通りである化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の式(Ia)または(Ib)の化合物であって、ここでのXは-S-基であり、R2は-NHR"または-N(OH)R"基であり、ここでのR"は水素原子、または直鎖もしくは分岐鎖のC1-C4アルキル基であり;またA、RおよびR1は上記で定義した通りである化合物。
【請求項8】
請求項1に記載の式(Ia)または(Ib)の化合物であって、ここでのR、XおよびAは上記で定義した通りであり、またR1およびR2は二価の-(CH2)n-NH-を介して一緒に結合され、ここでのnは上記で定義した通りである化合物。
【請求項9】
請求項1に記載の式(Ia)または(Ib)の化合物であって、ここでのAは-(CH2)2-、-CH2-C(CH3)2-または-C(CH3)2-CH2-から選択される基である化合物。
【請求項10】
請求項1に記載の式(Ia)または(Ib)の化合物であって、ここでの上記R、R'、R1、R"およびR"'基の何れもが、それらの何れかのフリーの位置において、ハロゲン、ニトロ、オキソ基(=O)、シアノ、アジド、アルキル、ポリフッ素化アルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキル、アルキルアリール、アルキルヘテロシクリル、ヒドロキシ、アルコキシ、ポリフッ素化アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアルキルオキシ、メチレンジオキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル、アリールカルボニルオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルキルアミノアルキルオキシ、ウレイド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ホルミルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、ヘテロシクリルカルボニルアミノ,アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシイミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ホルミル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロシクリルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールチオおよびアルキルチオから独立に選択される1以上の基で任意に置換されてよい化合物。
【請求項11】
請求項1に記載の式(Ia)または(Ib)の何れか特定の化合物であって、表VI〜表XXIに定義された任意に薬学的に許容可能な塩の形態の化合物。
【請求項12】
変化したタンパク質キナーゼ活性、例えばオーロラ2活性および細胞周期依存性キナーゼ活性によって惹起され、および/またはこれに関連した細胞増殖性障害を治療するための方法であって、それを必要としている哺乳動物に対して、請求項1に記載した式(Ia)または(Ib)により表される有効量のピラゾロ-キナゾリン誘導体を投与することによる方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記タンパク質キナーゼ活性がオーロラ2活性である方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、前記タンパク質キナーゼ活性が細胞周期依存性キナーゼ活性である方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法であって、前記細胞増殖性障害が、癌、アルツハイマー病、ウイルス感染、自己免疫疾患および神経変性障害からなる群から選択される方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記癌が、カルチノーマ、扁平上皮癌、骨髄系統およびリンパ系統の造血性腫瘍、間葉起源の腫瘍、中枢および抹消神経系の腫瘍、悪性黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角質黄色腫、甲状腺濾胞性癌およびカポシ肉腫からなる群から選択される方法。
【請求項17】
請求項12に記載の方法であって、前記細胞増殖性障害が、良性前立腺肥大、家族性腺腫症、ポリープ症、神経繊維腫症、乾癬、アテローム性動脈硬化に関連した血管平滑細胞増殖、肺繊維症、関節炎、糸球体腎炎、および術後狭窄症および再狭窄症からなる群から選択される方法。
【請求項18】
請求項12に記載の方法であって、腫瘍血管新生阻害および転移の阻害を提供し、並びに臓器移植拒絶および宿主vs移植片疾患の治療を提供する方法。
【請求項19】
請求項13に記載の方法であって、放射線療法または化学療法に誘起された脱毛の治療または予防を提供する方法。
【請求項20】
請求項12に記載の方法であって、更に、それを必要としている哺乳動物を、少なくとも一つの細胞成長抑制剤と組合わせた放射線療法または化学療法を施すことを含んでなる方法。
【請求項21】
請求項12に記載の方法であって、前記それを必要としている哺乳動物がヒトである方法。
【請求項22】
オーロラ2キナーゼの活性を阻害するための方法であって、前記キナーゼを、有効量の請求項1に記載の化合物と接触させることを含んでなる方法。
【請求項23】
サイクリン依存性キナーゼの活性を阻害する方法であって、前記キナーゼを、有効量の請求項1に記載の化合物と接触させることを含んでなる方法。
【請求項24】
請求項1に記載の式(Ia)または式(Ib)の化合物を包含する式(I)の化合物または薬学的に許容可能なその塩を製造する方法であって、
(1)Aが-(CH2)2-基であるときは:
(st1):2-エトキシ2-シクロヘキセン-1-オンを、リチウム(bis-トリメチルシリル)アミド[LiN(TMS)2]の存在下において蓚酸ジエチルと反応させて、次式(II)の化合物を得、
【化2】

これを、工程(st2a)、(st2b)または(st2c)の何れかに記載の操作条件に従って、次式(III)のヒドラジン誘導体で処理することと;
R1-NHNH2 (III)
ここで、R1は上記で定義した通りである
(st2a):低級アルコールの存在下で処理して、次式(IVa)および(IVb)の混合物を得、
【化3】

ここで、R1は上記で定義した通りである:
次いで、それらの混合物を単一化合物(IVa)および(IVb)に分離する:
(st2b):酢酸の存在下において、式(IVa)の化合物を得る;
(st2c):工程(st2a)または工程(st2b)で得られるR1が水素である式(IVa)の化合物を、次式(IVc)の化合物でアルキル化することにより、
R1-Y (IVc)
ここで、Yはメシル、トシルまたはハロゲンから選択される適切な脱離基である
R1が上記で定義した通りである式(IVa)および(IVb)の化合物の混合物を得、それらの混合物を式(IVa)および(IVb)の化合物に分離する;
(st3):工程(st2a)(st2b)もしくは(st2c)の何れかに従って調製された式(IVa)の化合物、または工程(st2a)もしくは(st2c)に従って調製された式(IVb)の化合物を、ジメチルホルムアミド-ジ-tert-ブチルアセテートと反応させて、次式(Va)または(Vb)の化合物を得、
【化4】

ここで、R1は上記で定義した通りである
上記式(Va)または(Vb)の化合物を、下記の選択的工程(st4a)(st4b)もしくは(st4c)の何れか一つに従って反応させることとを含んでなり;
(st4a):グアニジンと反応させて、式(1a)または(Ib)の化合物を得、
【化5】

ここで、R-X-はアミノであり、R2はエトキシであり、R1は上記で定義した
通りである
任意に、これを式(I)の他の誘導体に変換する;
(st4b):次式(VI)のグアニジン誘導体と反応させて、RおよびR1が上記で定義した通りであり、Xが-NH-であり、R2がエトキシである式(Ia)または(Ib)の化合物を得、
R-NH-C(=N)NH2 (VI)
ここで、Rは上記で定義した通りである
任意に、これらを式(I)の他の誘導体に変換する;
(st4c):次式(VII)のアルキルイソチオ尿素と反応させて、
R-NH-C(=N)NH2 (VII)
ここで、Rは上記で定義した通りである
RおよびR1が上記で定義した通りであり、Xが-S-であり、R2がエトキシである式(Ia)または(Ib)の化合物を得;任意に、これらを式式(I)の他の誘導体に変換する;
(st4d):メチルイソ尿素と反応させて、R1が上記で定義した通りであり、Rがメチルであり、Xが-O-であり、R2がエトキシである式(Ia)または(Ib)の化合物を得;任意に、これらを式(I)の他の誘導体に変換する;
(2)Aが-C(CH3)2-CH2-基であるときは:
(st5):2-メトキシ-4,4-ジメチル-2-シクロヘキセン-1-オンを、[LiN(TMS)2]の存在下で蓚酸ジエチルと反応させて、次式(VIII)の化合物を得ることと;
【化6】

(st6):式(VIII)の化合物を、先の工程(st2a)または(st2b)の何れか一つに従って式(III)のヒドラジン誘導体と反応させて、次式(IXa)または(IXb)の化合物を得ることと;
【化7】

ここで、R1は上記で定義した通りである
(st7):式(IXa)または(IXb)の化合物を、塩基性条件下で蟻酸エチルと反応させて、式(Xa)または(Xb)の化合物を得ることと;
【化8】

(st8):式(IXa)または(IXb)の化合物を式(VI)のグアニジン誘導体と反応させて、式(Ia)または(Ib)の化合物を得、
【化9】

ここで、RおよびR1は上記で定義した通りであり、Xは-NH-であり、R2
エトキシである
任意に、これらを式(I)の他の誘導体に変換することとを含んでなり;
(3)Aが-CH2-C(CH3)2-であるときは:
(st9):2-メトキシ-5,5-ジメチル-2-シクロヘキセン-1-オンを、水素化ナトリウムの存在下で蓚酸ジエチルと反応させて、次式(XI)の化合物を得ることと;
【化10】

(st10):式(XI)の化合物を、先の工程(st2a)または(st2b)の何れか一つに従って式(III)のヒドラジン誘導体と反応させ、次式(XIIa)または(XIIb)の化合物を得ることと;
【化11】

ここで、R1は上記で定義した通りである
(st11):式(XIIa)または(XIIb)の化合物を、ジメチルホルムアミド-ジ-tert-ブチルアセテートと反応させて、次式(XIIIa)または(XIIIb)の化合物を得ることと;
【化12】

(st12):式(XIIIa)または(XIIIb)の化合物を、式(VI)のグアニジン誘導体と反応させて、式(Ia)または(Ib)の化合物を得、
【化13】

ここで、RおよびR1は上記で定義した通りであり、Xは-NH-であり、R2
エトキシである
任意に、これらを式(I)の他の誘導体に変換することとを含んでなり;
(4)式(Ib)におけるR1がR2に直接結合して四環式構造を生じるときは:
(st13):本方法の(st2)に従って得られたR1が水素である式(IV)の化合物を、塩化トリフェニルメチルと反応させて、次式(XIV)の化合物を得ることと;
【化14】

ここで、Trはトリチル(トリフェニルメチル)を表す
(st14):工程(st3)に記載したのと同様に、式(XIV)の化合物をジメチルホルムアミド-ジtert-ブチルアセテートと反応させて、次式(XV)の化合物を得ることと;
【化15】

(st15):工程(st4b)に記載したのと同様に、式(XV)の化合物を式(VI)の適切なグアニジン誘導体と反応させて、式(Ia)または(Ib)の化合物を得ることと;
【化16】

ここで、Rは上記で定義した通りであり、XはNHであり、R1はトリチル
であり、R2はエトキシである
(st16):式(Ia)または(Ib)の上記化合物を酸性条件下で反応させて、R1が水素である対応する式(Ia)または(Ib)の化合物を得ることと;
(st17):式(Ia)または(Ib)の上記化合物を、tert-酪酸リチウムの存在下で次式(XVI)の適切なアルキル化剤と反応させて、
Br-(CH2) n-NH-BOC (XVI)
ここで、nは2または3である
次式(Ib)の化合物を得ることと;
【化17】

ここで、Rは上記で定義した通りである
(st18):式(Ia)の上記化合物を酸性条件下で反応させて、tert-オキシカルボニルアミノ基をアミノ基に変換し(脱保護)、それを炭酸セシウム(CsCO3)と反応させて、式(Ib)の下記二つの化合物の何れか一方を得、
【化18】

ここで、Rは上記で定義した通りである
任意に、これを式(I)の他の誘導体に変換することとを含んでなり;
(5)R2が嵩高い基であるときは:
(st19):2-エトキシ-2-シクロへキセノンを、工程(st3)に記載したようにしてジメチルホルムアミド-ジ-tert-ブチルアセタールと反応させ、次式(XVII)の化合物を得ることと;
【化19】

(st20):式(XVII)の化合物を、工程(st4c)に従って式(VII)の誘導体と反応させて、次式(XVIII)の化合物を得、
【化20】

ここで、Rは上記で定義した通りである
続いて、これを酸性条件下で処理して次式(XIX)の化合物を得ることと;
【化21】

(st21):式(XIX)の化合物を次式(XX)の化合物と反応させて、
【化22】

ここで、R2は嵩高い基である
次式(XXI)の化合物を得ることと;
【化23】

(st22):式(XXI)の化合物を、この方法の工程(st1)のようにして式(III)のヒドラジン誘導体と反応させ、RおよびR1が上記で定義した通りであり、Xが-S-であり、R2が嵩高い基である式(I)の化合物を得、任意に、これを式(I)の他の誘導体に変換することと;
を含んでなる方法。
【請求項25】
工程(st4a)(st4b)(st4c)(st8)(st12)(st13)(st18)および(st22)の何れかにおいて式(I)の化合物が得られる請求項24に記載の方法であって、該方法は、式(I)の化合物を変換する下記の工程を含む方法:
(st23):R2がエトキシである場合に、水酸化アンモニウムで処理することによって、R2がアミノである式(Ia)または(Ib)の化合物に変換する;
【化24】

(st24):R2がエトキシである場合に、式R"-NH2(XXII)のアミンで処理することによって、R2が-NHR"である式(I)の化合物に変換する;
【化25】

(st25):R2がエトキシである場合に、酸性または塩基性の加水分解によって、R2が-OH基である式(I)の化合物に変換する;
【化26】

(st26):R2が-OH基である場合に、塩基性条件下および適切な縮合剤の存在下において、次式(XXIII)または(XXIV)の誘導体と反応させることにより、
R"R"'NH (XXIII) R"NHOH (XXIV)
R2がNR"R"'基または-N(OH)R"基であり、且つR"およびR"'が上記で定義した通りである式(I)の化合物に変換する;
【化27】

(st27):Rが水素であり且つXが-NH-である場合に、式R-COCl(XXV)の化合物との反応により、R2が水素以外の上記で定義した通りであり且つXが-CONH-である式(I)の化合物に変換する;
【化28】

(st28):Rが水素であり、且つXが-NH-である場合に、式R-NCO(XXVI)のイソシアネートとの反応により、R2が水素以外の上記で定義した通りであり、且つXが-NH-CO-NH-である式(I)の化合物に変換する;
【化29】

(st29):Rが水素であり、且つXが-NH-である場合に、先ずヨウ素およびCuIの存在下でイソアミルニトリルおよびジヨードメタンまたはヨウ化セシウムを用いてアミノ基をヨウ素に変換し、続いて酢酸パラジウムおよび(2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ))-1,1'-ビナフタレン(BINAP)の存在下で、該ヨード誘導体を式R-NH2(XXVII)のアリールアミンと反応させることにより、R2がアリールであり、且つXが-NH-である式(I)の化合物に変換する;
【化30】

(st29a):Rが水素であり、且つXが-NH-である場合に、最初に先の工程(st29)に記載したようにしてアミノ基をヨウ素に変換し、続いて、該ヨード誘導体を式R-NH2(XXVII)(Rはここで定義する通り)のアルキルアミン、シクロアルキルアミン、シクロアルキル-アルキルアミン、アリールアルキルアミン、ヘテロシクリルアミン、またはヘテロシクリルアルキルアミンと反応させることにより、Rがアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル-アルキル、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルであり、且つXが-NH-である式(I)の化合物に変換する;
(st30):Rが水素であり、且つXが-NH-である場合に、先ず工程(st29)に記載したようにしてアミノ基をヨウ素に変換し、続いて、パラジウム誘導体の存在下で該ヨード誘導体を式R-B(OH)2(XXVIII)のアリールホウ酸と反応させることにより、Rがアリールであり、且つXが単結合である式(I)の化合物に変換する;
【化31】

(st31):Rが水素であり、且つXが-NH-である場合に、水素化シアノホウ素ナトリウム(NaBH3CN)の存在下で式R-CHO(XXIX)のアリールアルデヒドと反応させることにより、Rがアリールメチルであり、且つXが単結合である式(I)の化合物に変換する;
【化32】

(st32):Rがメチルであり、且つXが-S-である場合に、先ず酸化的条件下でRS-基をRSO2-に変換し、次いで該スルホニル誘導体を式R-NH2(XXVII)(Rは任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル-アルキル、アリールアルキル、またはヘテロシクリルアルキルである)のアミンと反応させることにより、Rが任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル-アルキル、アリールアルキル、またはヘテロシクリルアルキル基である式(I)の化合物に変換する;
【化33】

(st33):Rがメチルであり、且つXが-S-である場合に、先ず工程(st32)と同様にRS-基をRSO2-に変換し、次いで該スルホニル誘導体を式R-OH(XXX)の化合物と反応させることにより、Rがメチル以外で、且つXが-O-である式(I)の化合物に変換する;
【化34】

(st33a):Rがメチルであり、且つXが-O-である場合に、先ずMeO-基をHO-に変換し、次いでそれをトリフレート化剤と反応させて対応するトリフルオロメタンスルホネートを得、最後にそれを式R-OH(XXX)の化合物と反応させることにより、Rがメチル以外で、且つXが-O-である式(I)の化合物に変換する;
【化35】

(st33b):Rがメチルであり、且つXが-O-である場合には、先ずMeO-基をHO-に変換し、次いでそれをトリフレート化剤と反応させて対応するトリフルオロメタンスルホネートを得、最後にそれを式R-NH2(XXVII)(Rは任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキルアルキル、アリールアルキル、またはヘテロシクリルアルキル基である)のアミンと反応させることにより、Rが任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクリルアルキル基であり、且つXが-NH-である式(I)の化合物に変換してもよい;
【化36】

(st33c):Rがメチルであり、且つXが-O-である場合には、先ずMeO-基をHO-に変換し、次いでそれをトリフレート化剤と反応させて対応するトリフルオロメタンスルホネートを得、最後にそれを酢酸パラジウムおよびBINAPの存在下で式RNH2(XXVII)(Rは任意に置換されたアリールである)の化合物と反応させることにより、Rがアリールであり、且つXが-NH-である式(I)の化合物に変換してもよい;
(st34):Aが-(CH2)2-である場合には、Pd触媒またはPt触媒の存在下に脱水素操作条件の下で、Aが-CH=CH-基である式(I)の化合物に変換してもよい。
【請求項26】
請求項24の工程(st3)において定義された、式(Va)または(Vb)の化合物。
【化37】

ここで、R1は水素原子であるか、または直鎖もしくは分岐鎖のCl-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロシクリルアルキルから選択される任意に置換された基である。
【請求項27】
式(Ia)もしくは(Ib)の二以上の化合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩のライブラリー:
【化38】

ここで、
Rは、水素、またはアミノ、直鎖もしくは分岐鎖のCl-C6アルキル、C3-Cl0シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロシクリルアルキルから選択される任意に置換された基であり;
Xは、単結合、または-NR'-、-CONR'-、-NH-CO-NH-、-O-、-S-もしくは-SO2-から選択される二価の基であり、ここでのR'は水素、または直鎖もしくは分岐鎖のC1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルから選択される任意に置換された基であるか、またはRおよびR'はそれらが結合する窒素原子と一緒になって、任意にN、OまたはSから選択される一つの追加のヘテロ原子を含む、5〜6員のヘテロアリールもしくはヘテロシクリル基を形成し;
式(Ia)または(Ib)の通りピラゾール環の何れか一つの窒素原子に結合したR1は、水素原子、または直鎖もしくは分岐鎖のCl-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロシクリルアルキルから選択される任意に置換された基であり、または式(Ib)において、R1はR2に結合した二価の-(CH2)n-NH-基であり、ここでのnは2もしくは3であり;
R2は、-NR"R"'、-N(OH)R"、-OR"または-R"から選択される基であり、ここでのR"およびR"'はそれぞれ独立に、水素、または直鎖もしくは分岐鎖のCl-C6アルキル、C3-C6シクロアルキルもしくはシクロアルキル-アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロシクリルアルキルから選択される任意に置換された基であるか、またはR"およびR"'は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、任意にN、OまたはSから選択される一つの追加のヘテロ原子を含む5〜6員のヘテロアリールもしくはヘテロシクリル基を形成してもよく;
Aは、-CH2-、-(CH2)2-、-CH2-C(CH3)2-、-C(CH3)2-CH2-、または-CH=CH-から選択される二価の基である。
【請求項28】
治療的に有効な量の請求項1に記載した式(Ia)または(Ib)のピラゾロ-キナゾリン誘導体と、少なくとも一つの薬学的に許容可能な賦形剤、キャリアおよび/または希釈剤とを含有する薬学的組成物。
【請求項29】
請求項28に記載の薬学的組成物であって、更に、1以上の化学療法剤を含有する薬学的組成物。
【請求項30】
抗癌療法における同時使用、別々の使用または逐次的使用のための組み合わされた製剤として、請求項1に記載の式(Ia)または(Ib)に記載の化合物または請求項28に記載のその薬学的組成物と、1以上の化学療法剤とを含んでなる製品またはキット。
【請求項31】
医薬として使用するための、請求項1に記載の式(Ia)または(Ib)の化合物。
【請求項32】
抗腫瘍活性を備えた医薬の製造における、請求項1に記載の式(Ia)または(Ib)の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−502851(P2007−502851A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530168(P2006−530168)
【出願日】平成16年4月27日(2004.4.27)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050612
【国際公開番号】WO2004/104007
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(504218576)ファルマシア・イタリア・エス・ピー・エー (7)
【Fターム(参考)】