説明

ピリミジン誘導体及びその殺虫剤としてのその使用

本発明は、遊離の形態又は塩の形態の式(1)


(置換基は、請求項に記載されたような意味を有する。)の新規のピリミジン化合物、場合によってそのエナンチオマー及び幾何異性体に関する。式(1)の化合物は、温血動物の体内及び体外の寄生虫、特に外部寄生虫の防除において有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の2,4,6−三置換5−アミノピリミジン化合物、これらの製造方法、外部寄生虫、特に、非ヒト動物、特に生産家畜及び家畜につく昆虫及びコナダニの防除におけるその使用、更にこれらの化合物を1種以上含有する殺虫組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
WO2005/85211は、2位に様々な置換基を有する4,6−ビス−フェノキシ−5−アミノ−ピリミジンの大きなグループ、なかでも2位にてフェニルにより置換されている4,6−ビス−(4−フルオロ−3−[トリフルオロメチル]−フェノキシ)−5−アミノピリミジンを開示している。しかしながら、この化合物の生物学的特性、特に外部寄生虫に対する有効性は、害虫防除の分野において満足がいくものではない。そのため、特に外部寄生虫の防除のための、改善された殺虫特性を有する更なる化合物を見つけることが求められている。そして驚くべきことに、2位に複素環式又は置換されたフェニル置換基を有する4,6−ビス−(4−ハロゲノ−3−[トリフルオロメチル]フェノキシ)−5−アミノピリミジンが、外部寄生虫の防除において優れた特性を有することが判明した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2005/85211
【発明の概要】
【0004】
従って、本発明は、一態様において、遊離の形態又は塩の形態である、式
【0005】
【化1】

[式中、X及びXは、それぞれ独立して、ハロゲンであり、及び
Aは式
【0006】
【化2】

(式中、(R1−5は、C−Cアルキル、ハロゲン−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、RN−C−C−アルキル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、ハロゲン−C−C−アルコキシ、チオール、C−C−アルキルチオ、ハロゲン−C−C−アルキルチオ、C−C−アルカノイル、ハロゲン−C−C−アルカノイル、C−C−アルカノイルアミノ、ハロゲン−C−C−アルカノイルアミノ、COOR、CONH、CONR、SOH、SONR、C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルキルスルホニルオキシ、ハロゲン−C−C−アルキルスルホニルオキシ、C−C−アルキルスルホニル、ハロゲン−C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、NR並びにC−C−複素環ラジカル(このC−C−複素環ラジカルは、O、S及びNから選択される、1個又は2個の同一の又は異なるヘテロ原子を有する。)から成る群から選択される、1個から5個の同一又は異なる置換基である。)のラジカルであり、又は
Aは式
【0007】
【化3】

(式中、環(a)は、3位及び4位において環を形成している5員又は6員の炭素環又は複素環を示す。)
のラジカルであり、又は
Aは、3個から9個の炭素原子並びにN、O及びSから成る群から選択される1個から3個の同一の又は異なるヘテロ原子を有する複素環ラジカルであり、この複素環ラジカルは置換されていない又はC−C−アルキル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、ハロゲン若しくはNRによって更に置換されており、
及びRは、それぞれ独立して、水素である又は置換されていない若しくはハロゲン、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、チオール若しくはC−C−アルキルチオによって置換されているC−C−アルキルである。)である。]
の化合物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の更なる実施形態は、X及びXが、上記にて定義されたとおりであり、Aが上の式(2)のラジカルであり、(R1−5が、C−Cアルキル、ハロゲン−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、RN−C−C−アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、ハロゲン−C−C−アルコキシ、チオール、C−C−アルキルチオ、ハロゲン−C−C−アルキルチオ、C−C−アルカノイル、ハロゲン−C−C−アルカノイル、C−C−アルカノイルアミノ、ハロゲン−C−C−アルカノイルアミノ、COOR、CONH、CONR、SOH、SONR、C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルキルスルホニルオキシ、ハロゲン−C−C−アルキルスルホニルオキシ、C−C−アルキルホニル、ハロゲン−C−C−アルキルホニル、C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、NR並びにC−C−複素環ラジカル(このC−C−複素環ラジカルはO、S及びNから選択される、1個又は2個の同一の又は異なるヘテロ原子を有する。)から成る群から選択される、1個から5個の同一の又は異なる置換基であり、R及びRは、それぞれ、上記にて定義されたとおりである。)上の式(1)の化合物に関する。
【0009】
基それ自体としてのアルキル並びにハロゲン−アルキル、ヒドロキシル−アルキル、アルコキシ−アルキル、RN−アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、アルキルスルホニルアミノ等の他の基及び化合物の構成要素としてのアルキルは、各場合において問題となる基又は化合物における炭素原子の具体的な個数を十分に考慮した上で、直鎖(即ち、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル又はオクチル)又は分岐(例えば、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル又はイソヘキシル)のどちらかである。アルキルの好ましい意味は、メチル、エチル、n−イソプロピル又はイソプロピルであり、特にC−C−アルキルであり、特にメチル又はエチルである。
【0010】
基それ自体としてのアルコキシ及び他の基の構成要素としてのアルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ又はtert−ブトキシであり、好ましくはC−C−アルコキシであり、特にメトキシ又はエトキシである。
【0011】
基それ自体としてのハロゲン及び他の基の構成要素としてのハロゲンは、好ましくは、例えばヨウ素、臭素、塩素又はフッ素を意味し、好ましくは塩素又はフッ素を意味する。
【0012】
ハロゲン−アルキル、ハロゲン−C−C−アルコキシ、ハロゲン−C−C−アルキルチオ、ハロゲン−C−C−アルカノイル、ハロゲン−C−C−アルカノイルアミノ、ハロゲン−C−C−アルキルスルホニルオキシ又はハロゲン−C−C−アルキルスルホニル等のハロゲン置換された炭素含有基及び化合物は、部分的にハロゲン化されたもの又は過ハロゲン化されたものであり得、複数箇所にてハロゲン化されたものである場合、これらのハロゲン置換基は、同一であり得又は異なり得る。基それ自体としての好ましいハロゲン−アルキル並びにハロゲン−アルコキシ又はハロゲン−アルキルチオ等の他の基及び化合物の構成要素としての好ましいハロゲン−アルキルの例は、フッ素、塩素及び/又は臭素によって一置換から三置換されたメチル、例えばCHF又はCFであり;フッ素、塩素及び/又は臭素によって一置換から五置換されたエチル、例えばCHCF、CFCF、CFCCl、CFCHCl、CFCHF、CFCFCl、CFCHBr、CFCHClF、CFCHBrF又はCClFCHClFであり;フッ素、塩素及び/又は臭素によって一置換から七置換されたプロピル又はイソプロピル、例えばCHCHBrCHBr、CFCHFCF、CHCFCF又はCH(CFであり;フッ素、塩素及び/又は臭素によって一置換から九置換されたブチル又はその異性体の1つ、例えばCF(CF)CHFCF又はCH(CFCFであり;フッ素、塩素及び/又は臭素によって1回から11回置換されたペンチル又はその異性体の1つ、例えばCF(CF)(CHF)CF又はCH(CFCFであり;並びにフッ素、塩素及び/又は臭素によって1回から13回置換されたヘキシル又はその異性体の1つ、例えば(CHCHBrCHBr、CF(CHF)CF、CH(CFCF又はC(CF(CHF)CFである。
【0013】
基それ自体としてのアルカノイル並びにハロゲン−アルカノイル、アルカノイルアミノ又はハロゲン−アルカノイルアミノ等の他の基及び化合物の構成要素としてのアルカノイルの例は、プロピオニル又は特にアセチルである。
【0014】
複素環ラジカル又は複素環の例は、チエニル、フラニル、ピリル、ピロリジニル、ジオキソラニル、オキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピリジル、ピリミジル、s−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、イミダゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズトリアゾリル、インドリル又はインダゾリルであり、これらは、例えばC−C−アルキル又はハロゲンによってそれぞれ更に置換され得る。
【0015】
及びXは、異なり又は好ましくは同一であり、これらは、それぞれ、最も好ましくは塩素又はフッ素、特にフッ素である。
【0016】
及びRの好ましい意味は、水素又はC−C−アルキルであり、このC−C−アルキルは置換されていない又は塩素、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、チオール、メチルチオ若しくはエチルチオによって置換されている。R及びRの最も好ましい意味は、水素、メチル、エチル又はヒドロキシエチルである。好ましいラジカルNRは、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ及びN−2−ヒドロキシエチルアミノであり、特にアミノ又はN,N−ジメチル−若しくは−ジエチル−アミノである。
【0017】
N−C−C−アルキルの例は、RN−エチル又は、特にRN−メチルであり、R及びRには上記の意味及び好ましい例がそれぞれ適用される。好ましいRN−C−C−アルキルラジカルは、アミノメチル、N−メチルアミノメチル、N,N−ジメチルアミノメチル及びN,N−ジエチルアミノメチルである。
【0018】
−C−複素環ラジカルとしてのRは、例えば、3個から5個の炭素原子を基本構造中に有する、上記の複素環ラジカルのいずれの1つであり得る。好ましい複素環ラジカルRの例は、1,3−ジオキソラン−2−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、N−ピロリジニル又は式
【0019】
【化4】

のラジカル(式中、Yは、NH、NC−C−アルキル、O又はSであり、好ましくはNH、NCH又はOであり、特にOである。)である。
【0020】
好ましいラジカルRは、置換されていない又はハロゲノ−、チオール−、C−C−アルコキシ−若しくはヒドロキシル置換されたC−C−アルキル、ヒドロキシル、置換されていない又はハロゲノ置換されたC−C−アルコキシ、チオール、C−C−アルキルチオ、ハロゲン、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルアミノ、アセチル、アセチルアミノ、ラジカルNR若しくはRN−C−C−アルキル(R及びRについての上記の意味及び好ましい例がそれぞれ適用される。)及び式
【0021】
【化5】

のラジカル(Yは、NH、NC−C−アルキル、O又はSであり、好ましくはNH、NCH又はOであり、特にOである。)である。
【0022】
より一層好ましいラジカルRは、置換されていない又はC−C−アルコキシ−若しくはヒドロキシル置換されたC−C−アルキル、ヒドロキシル、置換されていない又はハロゲン置換C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ハロゲン、ラジカルNR若しくはRN−メチル(式中、R及びRについての上記の意味及び好ましい例が、それぞれ適用される。)及び上の式(4)のラジカル(式中、YはOである。)を含む。
【0023】
特に好ましいラジカルRは、メチル、エチル、イソプロピル、1−又は2−ヒドロキシエチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、塩素、フッ素、アミノ、N−モノ−又はN,N−ジ−メチルアミノ、N−モノ−又はN,N−ジ−エチルアミノ、N−2−ヒドロキシエチルアミノ、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジエチルアミノメチル及びモルホリニルを含む。
【0024】
フェニル環AにおけるラジカルRの数は、1個〜5個、好ましくは1個〜4個、より好ましくは1個〜3個であり、特に1個又は2個である。ラジカルRは、ピリミジン環に結合された炭素原子に対して、o−、m−及び/又はp位に、好ましくはm位に存在し得る。
【0025】
好ましいフェニルラジカルAは、式
【0026】
【化6】

のラジカル(式中、R1aについては、Rについて上にて挙げられた意味及び好ましい例が適用され、R1bは、H又は、独立して、Rについて上にて挙げられた意味の1つを有する。)である。本発明の特に好ましい実施形態は、R1bが、H、ハロゲン、C−C−アルコキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル又はハロ−C−C−アルコキシであり、特にHであり、R1aについては、Rについて上にて挙げられた意味及び好ましい例が適用される、上の式(2a)のラジカルに関係する。更により好ましい実施形態は、R1bが、H、塩素、フッ素、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ又はトリフルオロメトキシであり、特にHであり、R1aについては、Rについて上にて挙げられた意味及び好ましい例が適用される式(2a)のラジカルに関する。
【0027】
Aが式(3)のラジカルを示す場合、環(a)は、例えば、環のある(annulated)フェニル、シクロペンチル又はシクロヘキシル環を示し、この環は、例えば、Rについて上で挙げられたような置換基によって更に置換され得る。好ましくは、環のある環(a)は、6員又は、特に5員複素環であり、N、O及びSから成る群から選択される1個又は2個のヘテロ原子を有し、この環は、置換されていない又はC−C−アルキルによって更に置換されている。特に好ましい環のある環(a)は、1個又は2個のN又はO原子を有する5員複素環である。
【0028】
好ましいラジカルAは、式
【0029】
【化7】

のラジカル(式中、Yは、−NH−、−N(C−C−アルキル)−、−O−若しくは−S−であり、ZはCH若しくはNであり又は最も好ましくは、Yは−NH−若しくは−N(C−C−アルキル)−であり、ZはCHであり、Yは−O−である。)である。
【0030】
Aが複素環ラジカルを示す場合において、このラジカルAは、好ましくは、N、O及びSから成る群から選択される、1個若しくは2個の同一若しくは異なるヘテロ原子を有する5員若しくは6員環であり、このラジカルは、例えば、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ若しくはハロゲンによって更に置換され得る及び/又は環のあるベンゾ環を有し得る。適した複素環ラジカルの例は、上述されている。好ましい複素環ラジカルAは、複素芳香族ラジカルである。
【0031】
好ましい複素環ラジカルAの例は、チエニル、フラニル、ピロリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ピラゾリル、ピリジニル又はピリミジニルであり、それぞれは、置換されていない又は、例えば、ハロゲン若しくはC−C−アルキルによって置換されている。複素環ラジカルは、ヘテロ原子に対して、o−又はm位(6員環の場合はp位も)の炭素原子を介して結合され得る。特に好ましい複素環ラジカルAは、置換されていない又はメチル若しくは塩素によって置換されたチエン−2−若しくは−3−イル;ベンゾチエン−3−イル;フラン−2−若しくは−3−イル;ピラゾール−3−若しくは−4−イル;N−メチル−ピラゾール−3−若しくは−4−イル又はピリジン−3−若しくは−4−イルである。
【0032】
本発明の好ましい一実施形態は、X及びXが、それぞれフッ素又は塩素であり、Aが、(i)上の式(2)のラジカル(式中、(R1−5は、置換されていない又はハロゲノ−、チオール−、C−C−アルコキシ−若しくはヒドロキシル置換されたC−C−アルキル;ヒドロキシル;置換されていない若しくはハロゲノ置換されたC−C−アルコキシ;チオール;C−C−アルキルチオ;ハロゲン;C−C−アルキルスルフィニル;C−C−アルキルスルホニル;C−C−アルキルスルホニルアミノ;アセチル;アセチルアミノ;ラジカルNR若しくはRN−C−C−アルキル(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素である又は置換されていない若しくはハロゲン、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、チオール若しくはC−C−アルキルチオによって置換されたC−C−アルキルである。)及び上の式(4)のラジカル(式中、Yは、NH、NC−C−アルキル、O又はSである。)から成る群から選択される、1個から4個、好ましくは1個又は2個の同一の又は異なる置換基である。)であり;又はAが、(ii)上の式(3)のラジカル(環のある環(a)は、N、O及びSから成る群から選択される、1個又は2個のヘテロ原子を有する6員又は、特に5員複素環である。)であり;又はAが、(iii)N、O及びSから成る群から選択される、1個若しくは2個の同一の若しくは異なるヘテロ原子を有する5員若しくは6員複素環ラジカルであり、このラジカルは、例えば、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ若しくはハロゲンによって更に置換され得る及び/又は環のあるベンゾ環を有し得る、上の式(1)の化合物に関連する。
【0033】
本発明の更に好ましい実施形態は、X及びXが、それぞれフッ素であり、Aが、(i)上の式(2a)のラジカル(式中、R1aは、置換されていない又はC−C−アルコキシ−若しくはヒドロキシル置換されたC−C−アルキルヒドロキシル;置換されていない又はハロゲン置換されたC−C−アルコキシ;C−C−アルキルチオ;ハロゲン;ラジカルNR又はRN−メチル(R及びRは、それぞれ独立して、水素である又は置換されていない又は塩素、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、チオール、メチルチオ若しくはエチルチオによって置換されているC−C−アルキルである。)又はモルホリニルであり、R1bは、H、ハロゲン、C−C−アルコキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル又はハロ−C−C−アルコキシである。)であり、又はAが、(ii)上の式(3a)又は(3b)のラジカル(式中、Yは、−NH−、−N(C−C−アルキル)−、−O−又は−S−であり、ZはCH又はNであり、Yは−O−である。)であり、又はAが、(iii)チエニル、フラニル、ピロリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ピラゾリル、ピリジニル又はピリミジニルラジカルであり、これらのそれぞれは、置換されていない又は、例えば、ハロゲン若しくはC−C−アルキルによって置換されている、上の式(1)の化合物に関連する。
【0034】
本発明の特に好ましい実施形態は、X及びXが、それぞれフッ素であり、Aが、上の式(2a)のラジカル(式中、R1aは、メチル、エチル、イソプロピル、1−若しくは2−ヒドロキシエチル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、塩素、フッ素、アミノ、N−モノ−若しくはN,N−ジ−メチルアミノ、N−モノ若しくはN,N−ジ−エチルアミノ、N−2−ヒドロキシエチルアミノ、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジエチルアミノメチル又はモルホリニルであり、R1bは、H、塩素、フッ素、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ又はトリフルオロメトキシ、特にHである。)である、上の式(1)の化合物に関連する。
【0035】
本発明の更に一層好ましい実施形態は、X及びXが、それぞれフッ素であり、Aが、置換されていない又はメチル若しくは塩素によって置換されたチエン−2−若しくは−3−イル;ベンゾチエン−3−イル;フラン−2−若しくは−3−イル;ピラゾール−3−若しくは−4−イル;N−メチル−ピラゾール−3−若しくは−4−イル又はピリジン−3−若しくは−4−イルである、上の式(1)の化合物に関連する。
【0036】
本発明の式(1)の化合物は、それぞれ遊離の形態又は塩の形態であり、例えば、式
【0037】
【化8】

の化合物(式中、Aは、上にて定義されたとおりであり、Q及びQは離脱基である。)は、式
【0038】
【化9】

(式中、Xは、上にて定義されたとおりである。)の化合物と反応させられ、中間生成物は、続いて又は同時に、式
【0039】
【化10】

(式中、Xは、上にて定義されたとおりである。)の化合物と反応させられることを特徴とする方法によって調製され得る。望ましいならば、この方法若しくは別のやり方に従って得られた式(1)の化合物(それぞれ遊離の形態若しくは塩の形態)は式(1)の別の化合物に転化される又はこの方法に従って得られる異性体の混合物が分離され、望ましい異性体が単離される及び/又はこの方法に従って得られる式(1)の遊離化合物は塩に転化される又はこの方法に従って得られる式(1)の化合物の塩は式(1)の遊離化合物若しくは別の塩に転化される。
【0040】
式(5)、(6a)及び(6b)の化合物は既知である又は既知の化合物と同じように生成され得る。
【0041】
反応パートナー成分は、そのままで(例えば、溶解物)互いに反応させることができ、つまり溶媒又は希釈剤の添加を必要としない。しかしながら、不活性溶媒若しくは希釈剤又はこれらの混合物の添加が、殆どの場合有利である。このような溶媒又は希釈剤の例は、芳香族、脂肪族及び脂環式炭化水素並びにハロゲン化炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクルロロエテン又はテトラクロロエテン;エーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメトキシジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサン;ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトン;アミド、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;ニトリル、例えば、アセトニトリル又はプロピオニトリル;並びにスルホキシド、例えば、ジメチルスルホキシドである。好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン又はテトラヒドロフランである。
【0042】
好ましい離脱基Qは、ハロゲン、特に塩素である。
【0043】
この反応を促進するための適した塩基は、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類の金属水酸化物、水素化物、アミド、アルカノレート、アセテート、カーボネート、ジアルキルアミド若しくはアルキルシリルアミド;アルキルアミン、アルキレンジアミン、場合によってN−アルキル化された、場合によって不飽和であるシクロアルキルアミン、塩基性複素環、水酸化アンモニウム、加えて炭素環式アミンである。例として挙げ得る塩基は、ナトリウム水酸化物、水素化物、アミド、メタノレート、アセテート、カーボネート、カリウムtert−ブタノレート、水酸化物、カーボネート、水素化物、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)−アミド、水素化カルシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、シクロヘキシルアミン、N−シクロへキシル−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、キヌクリジン、N−メチル−モルホリン、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、加えて1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−5−エン(DBU)である。好ましくは、水素化ナトリウム又は炭酸カリウムである。
【0044】
反応は、有利には、約60℃から約120℃、好ましくは約80℃から約100℃の温度範囲で起こる。
【0045】
式(1)の化合物を製造するための更に好ましい方法は、
(i)式
【0046】
【化11】

(式中、Q及びQは、離脱基である。)の化合物を、まず最初に、上の式(6a)の化合物と反応させ、続いて又は同時に、上の式(6b)の化合物と反応させることにより、式
【0047】
【化12】

(式中、X及びXは、上記にて定義されたとおりである。)の化合物を得、
(ii)式(1a)の化合物を、次に、式
【0048】
【化13】

(式中、X及びXは、上記にて定義されたとおりであり、Xは、例えば、ハロゲンであり、特に臭素である又は金属誘導体、例えば、B(OH)若しくはSi(OEt)である。)の反応性誘導体に転化し、
(iii)式(1b)の化合物を、式
【0049】
【化14】

(式中、Aは、上述のとおりであり、Xは金属誘導体、例えば、Si(OEt)であり、好ましくはB(OH)、又はハロゲンであり、但しX及びXの一方はハロゲンであり、もう一方は金属誘導体である。)の化合物と反応させることを特徴とする。
【0050】
式(1a)の化合物の生成は、式(5)の化合物と式(6a)及び(6b)の化合物との反応について上述されたように進行する。式(1a)の化合物のハロゲン化は、例えば有機化学の教科書により知られている方法に従って、適切に行われる。式(1b)又は(7)の金属誘導体を合成するための方法も、同じく当業者に知られている。例えば、X又はXがハロゲン、特に臭素である式(1b)又は(7)の化合物は、有機金属化合物、例えば、n−ブチルリチウムと、低温にて金属化され、得られた金属有機化合物は、ボロン酸エステル又はケイ酸エステルと更に反応させられ、次に加水分解される。X及びXの一方がハロゲン、例えば臭素であり、もう一方が金属誘導体、例えばB(OH)である式(1b)の化合物と式(7)の化合物とのカップリング反応は、同じく、当該分野において知られている(いわゆる、スズキ−ミヤウラ反応)。この段階は、通常、トルエン等の非プロトン性の溶媒中において酸素を排除して行われ、有利には、金属誘導体、例えばPd、Cu又はZn誘導体により触媒され得る。
【0051】
式(1)の化合物の塩は、既知のやり方により生成され得る。例えば、酸付加塩は、式(1)の化合物から、適した酸又は適したイオン交換試薬で処理することにより得られ、塩基との塩は、適した塩基又は適したイオン交換試薬で処理することにより得られる。
【0052】
式(1)の化合物の塩は、通常の手段により、式(1)の遊離化合物に転化でき、酸付加塩の場合は、例えば、適した塩基性組成物又は適したイオン交換試薬を用いた処理、塩基との塩の場合は、例えば、適した酸又は適したイオン交換試薬を用いての処理である。
【0053】
式(1)の化合物の塩は、式(1)の化合物の他の塩に、既知のやり方で転化でき、酸付加塩は、例えば、塩酸塩等の無機酸の塩をナトリウム、バリウム又は銀塩等の、酸の適した金属塩、例えば酢酸銀で適した溶媒中において処理することにより、他の酸付加塩に転化でき、得られる無機塩、例えば塩化銀は、不溶性であるため、反応混合物から沈殿する。
【0054】
上述の方法及び/又は反応条件により、塩形成特性を有する式(1)の化合物は、遊離の形態又は塩の形態で得ることができる。
【0055】
式(1)の化合物は、その水和物の形態で得ることもできる及び/又は他の溶媒を含むこともでき、例えば、固形で存在する化合物の結晶化が必要な場合に使用される。
【0056】
式(1)の化合物は、場合によって、光学及び/若しくは幾何異性体又はこれらの混合物として存在し得る。本発明は、純粋な異性体及び考えられ得る全ての異性体混合物の双方に関係し、たとえ全てのケースにおいて立体化学についての詳細が具体的に言及されていなくとも、上記及び下記においてそう理解される。
【0057】
この方法又は別のやり方により得られる、式(1)の化合物のジアステレオ異性体混合物は、既知のやり方、例えば分別結晶、蒸留及び/又はクロマトグラフィにより、これらの成分における物理的化学的差異に基づいて純粋なジアステレオ異性体に分離し得る。
【0058】
このようにして得られるエナンチオマーの混合物の分割は、既知の方法により達成し得、例えば、光学活性溶媒からの再結晶化、キラル吸着剤上でのクロマトグラフィ(例えば、アセチルセルロース上での高圧液体クロマトグラフィ:HPLC)、適当な微生物による補助、キラルクラウンエーテルを用いた包接化合物特定の形成を介した(エナンチオマーが、1つだけ錯体化される。)特定の固定化酵素を用いての開裂により行われる。
【0059】
本発明により、対応する異性体混合物の分離とは別に、一般に知られているジアステレオ選択的又はエナンチオ選択的合成の方法もまた、純粋なジアステレオ異性体又はエナンチオマーを得るために適用でき、それは例えば、本発明の方法を、それに応じた適切な原子の空間的配置を持つ抽出物を用いて行うことによって実現できる。
【0060】
個々の成分が異なる生物学的有効性を有しているならば、生物学的により活性な異性体(例えば、エナンチオマー)の単離又は合成が有利である。
【0061】
本発明による式(1)の化合物は、その広い活性スペクトルにより特筆に値し、害虫防除における使用に有益な活性成分である。本発明の化合物は特に、外部寄生虫の防除に適しており、ある程度、動物において及び衛生分野において、内部寄生虫を防除するためにも適しており、温血動物での使用に耐え得る。
【0062】
本発明との関連において、外部寄生虫は、特に、昆虫、コナダニ(ダニ及びマダニ)及び甲殻類(ウミシラミ)であると理解される。これらは、次の目に属する昆虫を含む。鱗翅目(Lepidoptera)、甲虫目(Colepptera)、同翅目(Homoptera)、半翅目(Hemoiptera)、異翅目(Heteroptera)、双翅目(Diptera)、網翅目(Dictyoptera)、総翅目(Thysanoptera)、直翅目(Orthoptera)、シラミ目(Anoplura)、ノミ目(Siphonaptera)、ハジラミ目(Mallophaga)、シミ目(Thysanura)、シロアリ目(Isoptera)、チャタテムシ目(Psocoptera)及び膜翅目(Hymenoptera)。しかしながら、特に挙げ得る外部寄生虫は、ヒト又は動物に害を与え、病原菌を運ぶもの、例えば、ハエ(例えば、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)、ムスカ・ベツスチシマ(Musca vetustissima)、ムスカ・オーツムナリス(Musca autumnalis)、ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、サルコハファガ・カルナリア(Sarcophaga carnaria)、ルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina)、ルシリア・セリカタ(Lucilia sericata)、ヒポデルマ・ボビス(Hypoderma bovis)、ヒポデルマ・リネアツム(Hypoderma lineatum)、クリソミイア・クロロフィガ(Chrysomyia chloropyga)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、コクリオミイア・ホミニボラクス(Cochliomyia hominivorax)、ガステロフィラス・インテスチナリス(Gasterophilus intestinalis)、オエステルス・オビス(Oestrus ovis))、サシバエ、(例えば、ハエモトビア・イリタンス・イリタンス(Haematobia irritans irritans)、ハエモトビア・イリタンス・エキシグア(Haematobia irritans exigua)、ストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans))、アブ科(Tabanidae)の亜科と共にウマバエ(アブ)(例えば、ハエマトポタ属種(Haematopota spp.)(例えばハエモトポタ・プルビアリス(Haematopota pluvialis))及びタバナス属種(Tabanus spp.)(例えばタバナス・ニグロビタツス(Tabanus nigrovittatus))及びキンメアブ科(Chrysopsinae)(例えばクリソプス属種(Chrysops spp.)(例えばクリソプス・カエクチエヌス(Chrysops caecutiens)));シラミバエ(例えば、メロファグス・オビヌス(Melophagus ovinus(ヒツジシラミバエ);ツェツェバエ(例えばグロシニア属種(Glossinia spp.);ユスリカ等の他の刺咬昆虫(例えば、ヌカカ科(Ceratopogonidae)(ヌカカ)、ブヨ科(Simuliidae)(クロバエ)、チョウバエ科(Psychodidae)サンドフライ))であり;更に、吸血昆虫、例えば、蚊(例えばアノフェレス属種(Anopheles spp.)、アセデス属種(Aedes spp.)及びクレックス属種(Culex spp))、ノミ(例えば、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)及びクテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)(ネコ及びイヌノミ)、キセノプシラ・セオピシ(Xenopsylla cheopis)、プェクス・イリタンス(Pulex irritans)、セタトフィルス・ガリナエ(Ceratophyllus gallinae)、デマトフィルス・ペネトランス(Dermatophilus penetrans))、吸血シラミ(シラミ目(Anoplura))(例えばリノグナサス属種(Linognathus spp.)、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、ソレノポテス属種(Solenopotes spp.)、ペディクルス・フマニス(Pediculus humanis))であり;更に、ハジラミ(マロファガ(Mallophoga))(例えばボビコラ(ダマリニア)・オビス(Bovicola (Damalinia) ovis)、ボビコラ(ダマリニア)・ボビス(Bovicola(Damalinia)bovis)及び他のボビコラ属種(Bovicola spp.))である。外部寄生虫はまた、ダニ目(Acarina)の構成員も含み、この構成員は、例えば、ダニ(例えば、コリオプテス・ボビス(Chorioptes bovis)、キイレチエラ属種(Cheyletiella spp.)、デルマニサス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、オルトニソニスサス属種(Ortnithonyssus spp.)、デモデクス・カニス(Demodex canis)、サルコプテス・スカビエリ(Sarcoptes scabiei)、プソロプテス・オビス(Psoroptes ovis)及びプソレガテス属種(Psorergates spp.)及びマダニである。知られている代表的なマダニは、例えば、ブーフィラス(Boophilus)、アンブリオマ(Amblyomma)、アノセントール(Anocentor)、デルマセントール(Dermacentor)、ハエモフィサリス(Haemaphysalis)、ヒアロムマ(Hyalomma)、イキソデス(Ixodes)、リピセントール(Rhipicentor)、マルガロプス(Margaropus)、リピセハルス(Rhipicephalus)、アルガス(Argas)、オトビウス(Otobius)及びオルニソドロス(Ornithodoros)などであり、これらは、牛、馬、豚、羊及び山羊等の農場動物、家禽、例えばニワトリ、七面鳥、ホロホロチョウ及びガチョウ、毛皮動物、例えばミンク、キツネ、チンチラ、ウサギ、同様にコンパニオンアニマル、例えばフェレット、モルモット、ラット、ハムスター、猫及び犬、更にヒトを含む温血動物に好んで寄生する。
【0063】
本発明による式(1)の化合物は、通常の感受性を示す動物害虫及び広く使用されている寄生虫駆除薬に対して耐性を示す動物害虫の、全ての又は個々の発生段階に対しても活性がある。このことは、耐性がある昆虫及びダニ目(Acarina)のメンバーに対して特に言える。本発明の活性物質の殺虫、殺卵及び/又は殺ダニ効果は、それ自体直接的に(すなわち、害虫を適用した直後に若しくはある程度の時間が経過した後(例えば脱皮後)に若しくは害虫の卵を破壊することにより殺す。)又は間接的に(例えば、生みつけられる卵の数及び/又は孵化率の低減、少なくとも50%から60%の駆虫率(死亡率)に相当する優れた効能)現れ得る。
【0064】
式(1)の化合物は、衛生害虫、特に、双翅目(Diptera)のイエバエ科(Muscidae)、ニクバエ科(Sarcophagidae)、アノフィリダエ科(Anophilidae)及びカ科(Culicidae)、直翅目(Orthoptera)、網翅目(Dictyoptera)(例えば、ゴキブリ科(Blattidae)(ゴキブリ)、例えばブラテラ・ゲルマニカ(Blatella germanica)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカナ(Peripraneta americana))及び膜翅目(例えば、アリ科(Formicidae)(アリ)及びスズメバチ科(Vespidae)(スズメバチ))に対しても使用できる。
【0065】
驚くべきことに、式(1)の化合物は、魚類の外部寄生虫、特に、橈脚亜綱(Copepoda)(例えば、シフォノストグナトイダエ目(Siphonostognatoidae)(ウミシラミ))に対しても効果的であり、同時に、魚は式(1)の化合物に対して耐性がある。
【0066】
式(1)のある種の化合物は、特定の種の蠕虫に対しても効果的であると思われる。
【0067】
蠕虫は、哺乳動物及び家禽、例えば、羊、豚、山羊、牛、馬、ロバ、ラクダ、犬、猫、ウサギ、モルモット、ハムスター、ニワトリ、七面鳥、ホロホロチョウ及び他の農場飼育鳥類並びに外来種の鳥に重篤な疾患を引き起こすため、商業的に重要である。代表的な線虫は、ハエモンクス(Haemonchus)、トリコストギラス(Trichostrongylus)、オステルタギア(Ostertagia)、ネマトジラス(Nematodirus)、クーペリア(Cooperia)、アスカリス(Ascaris)、ブノストヌム(Bunostonum)、オエソファゴストヌム(Oesophagostonum)、カルベルチア(Charbertia)、トリクリス(Trichuris)、ストロンギルス(Strongylus)、トリコネマ(Trichonema)、ジクチオカウルス(Dictyocaulus)、カピラリア(Capillaria)、ヘテラキス(Heterakis)、トキソカラ(Toxocara)、アスカリヂア(Ascaridia)、オキシウリス(Oxyuris)、アンキロストマ(Ancylostoma)、ウンシナリア(Uncinaria)、トキソスカリス(Toxascaris)及びパラスカリス(Parascaris)である。吸虫は、特に、ファスシオダエ科(Fasciolideae)、特にファスシラ・ヘパチカ(Fasciola hepatica)を含む。
【0068】
本発明による式(1)の化合物の良好な駆虫活性は、上記の害虫の少なくとも50%から60%の死亡率、より好ましくは90%を超える死亡率、最も好ましくは95%から100%の死亡率に相当する。式(1)の化合物は、好ましくは、変性されない形で又は好ましくは製剤の分野で従来から使用されるアジュバントと共に、内部へ又は外用で使用される。従って、既知の方法で加工され、例えば、液剤(例えば、スポットオン、ポアオン、スプレーオン、エマルジョン、懸濁液、溶液、乳剤、濃縮溶液)、半固形剤(例えば、クリーム、軟膏、ペースト、ゲル、リポソーム製剤)及び固形剤(例えば、食品添加錠剤(例えば、カプセルを含む)、粉末(可溶性粉末を含む)、顆粒又はポリマー物質内に活性成分を埋め込んだもの(インプラントとミクロ粒子等))にし得る。この組成物と同様に、適用方法も、意図される目的及び一般的状況に従って選択される。
【0069】
処方物、即ち、式(1)の活性成分又はこれらの活性成分と他の活性成分との混合物、場合によって固体、半固体又は液体アジュバントを含有する調製剤は、例えば、活性成分を賦形剤である組成物と共によく混合する、混練する又は分散させることにより、それ自体既知のやり方で調製される。この方法において、処方物の賦形剤の生理学的な適合性を考慮しなければならない。
【0070】
使用する溶媒は、アルコール(脂肪族及び芳香族)、例えばベンジルアルコール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール若しくはブタノール、脂肪族アルコール、例えばオレイルアルコール及びグリコール並びにこれらのエーテル及びエステル、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールエーテル、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル若しくはエチレングリコールモノエチルエーテル及びブチルジオキシトール、カーボネート、例えばプロピレンカーボネート、ケトン、例えばシクロヘキサノン、イソホロン若しくはジアセタノールアルコール並びにポリエチレングリコール(PEG−300など)であり得る。加えて、本組成物は、極性が強い溶媒、例えばN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド若しくはジメチルホルムアミド又は水、脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチル若しくはパルミチン酸イソプロピル、植物油、例えば菜種油、ヒマシ油、ココナツ油若しくは大豆油、合成モノ−、ジ−、トリグリセリド、例えばモノステアリン酸グリセリル及び中鎖トリグリセリド並びに適切であるならばシリコーン油を包含し得る。記載の成分は、粒子状の適用形態のための担体としての役目もし得る。
【0071】
それぞれ軟膏の基剤構造構成成分として、以下の賦形剤が使用され得る:石油ベースの物質、例えばワセリン又はパラフィン、羊毛脂から作られた基剤、例えばラノリン又はラノリンアルコール、ポリエチレングリコール、例えばマクロゴール及び脂質基剤、例えばリン脂質又はトリグリセリド、例えば水添植物油。
【0072】
乳化剤、湿潤剤及び展着剤の使用も必要とされ得、一般に、レシチン、例えば大豆レシチン、アルカリ土類及びアルカリ金属との脂肪酸の塩、アルキル硫酸塩、例えばセチルステアリル硫酸ナトリウム、コール酸塩、脂肪アルコール、例えばセチルアルコール、ステロール、例えばコレステステロール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えばポリソルベート20、ソルビタン脂肪酸エステル、例えばモノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンの脂肪酸エステル及び脂肪アルコールエーテル、例えばポリオキシルオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロック共重合体、例えばPluronic(登録商標)、蔗糖エステル、例えばサッカロースジステアレート、ポリグリセリル脂肪酸エステル、例えばオレイン酸ポリグリセロールエステル並びに脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチル又はミリスチン酸イソプロピルである。
【0073】
この処方物は、ゲル化剤及び硬化剤(例えば、ポリアクリル酸誘導体、セルロースエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及び細粒分散二酸化ケイ素)も含み得る。
【0074】
放出制御特性を有する高分子剤として、例えば、ポリ乳酸、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリオルトエステル、ポリエチレンカーボネート、ポリ無水物及びデンプンからできた誘導体並びにPVCベースのマトリクスが適用され得る。
【0075】
ケトン、スルホキシド、アミド、脂肪酸エステル及び脂肪アルコールなどの浸透促進剤の添加が必要であり得る。
【0076】
ソルビン酸、ベンジルアルコール及びパラベン等の保存料並びに例えばα−トコフェロール等の抗酸化剤も添加され得る。
【0077】
活性成分又は活性成分の組み合わせも、ハードゼラチンカプセル又はソフトカプセル等のカプセルにて適用し得る。
【0078】
錠剤及びボーラス剤のための結合剤は、水又はアルコールに溶解性である、化学的に変性された天然高分子物質、例えばデンプン、セルロース又はタンパク質誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ゼインやゼラチン等のタンパク質)並びに合成ポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等であり得る。錠剤は、充填剤(例えば、デンプン、微結晶セルロース、糖、ラクトースなど)、滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、流動特性促進剤(glidant)(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)及び崩壊剤(例えば、セルロース誘導体)及び酸耐性コーティング(例えばアクリル酸エステルなど)も含有する。
【0079】
本発明による式(1)の化合物は、単独にて又は他の殺生物剤と組み合わせて使用され得る。本発明の化合物は、例えば活性を高めるために、同じ作用圏を有する駆虫剤と組み合わされ得る又は例えば作用範囲を広げるために別の作用圏を有する物質と組み合わされ得る。いわゆる忌避剤を添加することも、実際的であり得る。式(1)の化合物は殺成虫剤であり、即ちこの化合物は標的とする寄生虫の成虫期に対して特に効果的であることから、寄生虫の幼虫期を攻撃する駆虫剤の添加は、極めて有利となり得る。これによってに、大きな経済的損害を生ずるこれらの寄生虫の大部分が、範囲に含まれる。また、この作用は、実質的に、耐性の形成の回避にも寄与する。多くの組み合わせは、相乗効果ももたらし得、つまり活性成分の総量を減少でき、これは生態学的な観点から望ましい。好ましい組み合わせパートナー成分群及び特に好ましい組み合わせパートナー成分は以下に挙げられ、組み合わせは、式(1)の化合物に加えて、これらのパートナー成分の1つ以上を含有し得る。
【0080】
混合物中の適したパートナー成分は、殺生物剤(例えば以下に挙げられる、従来から当業者に知られている、多様な活性メカニズムを備えた殺虫剤及び殺ダニ剤、例えばキチン合成阻害剤、成長調節剤、幼若ホルモンとして作用する活性成分、殺成虫剤として作用する活性成分、幅広い範囲の殺虫剤、幅広い範囲の殺ダニ剤及び殺線虫剤並びに周知の駆虫薬及び昆虫及び/又はコナダニ抑止物質)、忌避剤又は虫分離剤(detacher)であり得る。適した殺虫剤及び殺ダニ剤の非限定的な例は、例えば、WO2005/058802の13ページから15ページ目の番号1から185に開示されている。適した駆虫薬の非限定的な例は、例えば、WO2005/058802の16ページ目の番号(A1)から(A12)に挙げられている。適した忌避剤及び虫分離剤の非限定的な例は、(i)DEET(N,N−ジエチル−m−トルアミド)、(ii)KBR3023、N−ブチル−2−オキシカルボニル−(2−ヒドロキシ)−ピペリジン、及び(iii)シミアゾール=N,−2,3−ジヒドロ−3−メチル−1,3−チアゾール−2−イリデン−2,4−キシリデンである。
【0081】
混合物における前記パートナー成分は、この分野の専門家に大変よく知られている。その殆どは、The Pesticide Manual、The British Crop Protection Council,Londonの様々な版、他にThe Merck Index,Merck & Co.,Inc.,Rahway,New Jersey,USAの様々な版又は特許文献に記載されている。参考文型を含む、適したパートナー成分の一覧は、WO2005/058802の16ページから21ページの番号(I)〜(CLXXXIII)に開示されている。
【0082】
上記の詳細の結果、本発明の更なる態様は、式(1)の化合物に加えて、同一の又は異なる活性圏を有する少なくとも1種の更なる活性成分と、少なくとも1種の生理学的に許容される担体を含有することを特徴とする、温血動物において寄生虫を防除するための配合製剤に関する。本発明は、2成分の組み合わせに限定されない。
【0083】
原則として、本発明による殺虫及び殺ダニ組成物は、0重量%から25重量%、特に0.1重量%から25重量%の界面活性剤を含む、0.1重量%から99重量%、特に0.1重量%から95重量%の1種以上の式(1)の活性成分と、99.9重量%から1重量%、特に99.8重量%から5重量%の固形又は液体混加物を含有する。
【0084】
本発明による組成物の、治療対象である動物への適用は、局所、経口、非経口又は皮下投与により行われ得、この組成物は、溶液、エマルジョン、懸濁液、(ドレンチ剤)、散剤、錠剤、ボーラス剤、カプセル、首輪、イヤータグ及びポアオン処方物の形態で存在する。
【0085】
好ましい局所処方物は、分散液又はサスポエマルジョン又は活性成分の組み合わせと展着助剤との組合せから成ることが多いスポットオン、ポアオン又はスプレーオン処方物の形態の、すぐに使用できる溶液を表すと理解される。スポットオン又はポアオン法という表現は、局所的及び局限的に動物に適用することが意図された、すぐに使用できる濃縮物を表すと理解される。この類の処方物は、動物の体の比較的小さな範囲、好ましくは動物の背中及び臀部又は背中及び臀部のラインに沿った1箇所若しくは数ヶ所に、直接適用することが意図されている。この処方物は、1kgあたり約0.05mlから1ml、好ましくは1kgあたり約0.1mlの低体積として、動物あたり0.1mlから100mlの総体積で、好ましくは最大量を約50mlに制限して、適用される。しかしながら、言うまでもなく、総体積は、治療を必要とする動物に合わせなくてはならず、例えば幼若な猫と牛とでは、明らかに異なってくる。これらのポアオン及びスポットオン処方物は、動物の体全体に広がり、その動物の殆ど全ての部位に予防又は治療効果を与えるように設計されている。ポアオン又はスポットオン処方物の綿棒又はスプレーを、動物の外被の比較的小さい範囲に適用することにより投与を行ったとしても、処方物中の成分の拡散特性と動物の動きによる拡散の促進により、毛皮の広い範囲に亘って、活性成分が適用場所からほぼ自動的に分散されることが観察される。
【0086】
ポアオン又はスポットオン処方物は、適切には、宿主動物の皮膚表面上への又は毛皮の中への迅速な分散を促進し、一般的に展着油と見なされる担体を含有する。適した担体は、例えば、油性溶液;アルコール性及びイソプロパノール性溶液、例えば2−オクチルドデカノール又はオレイルアルコールの溶液;モノカルボン酸のエステル中の溶液、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸オキサレート、オレイン酸オレイルエステル、オレイン酸デシルエステル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、鎖長C12−C18の飽和脂肪アルコールのカプリン酸エステル;ジカルボン酸のエステルの溶液、例えばフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピルエステル、アジピン酸ジ−n−ブチル又は脂肪族酸のエステルの溶液、例えばグリコールである。製薬産業又は化粧品産業から既知であるもの等の分散剤が更に存在することが有利であり得る。分散剤の例は、2−ピロリドン、2−(N−アルキル)ピロリドン、アセトン、ポリエチレングリコール並びにこれらのエーテル及びエステル、プロピレングリコール又は合成トリグリセリドである。
【0087】
油性溶液は、植物油、例えば、オリーブ油、落花生油、ゴマ油、松根油、亜麻仁油又はヒマシ油を含む。植物油は、エポキシ化された形態でも存在し得る。パラフィン及びシリコーン油も使用され得る。
【0088】
ポアオン又はスポットオン処方物は、一般に、1重量%から98.9重量%の式(1)の化合物と、0.1重量%から80重量%の分散剤と、1重量%から98.9重量%の溶媒を含有する。
【0089】
ポアオン又はスポットオン法は、全ての動物を経口又は注射により治療することが困難である又は時間がかかる、牛、馬、羊又は豚等の群れを作る動物への使用に特に有利である。この方法は簡単であるため、当然のことながら、個々の家畜又はペットを含む全ての他の動物に対して使用でき、多くの場合において、獣医がいなくても実施できることから、飼育者に非常に好まれる。
【0090】
市販製品を濃縮物として処方することが好ましいが、エンドユーザーは、希薄処方物を使用することが多い。しかしながら、これは投与様式に依存する。経口投与製品は、希釈された形態又は飼料の添加物として使用されることが最も多く、一方、市販のポアオン及びスポットオン処方物は、通常すぐに使用できる濃縮物である。
【0091】
このような組成物は、安定剤、消泡剤、粘度調節剤、結合剤又は粘着付与剤等の更なる添加物及び特別な効果を達成するための他の活性成分も含有し得る。
【0092】
エンドユーザーによって使用される、このタイプの殺虫及び殺ダニ組成物は、同様に、本発明の構成要素となる。
【0093】
害虫防除のための本発明による各方法において、又は本発明による各害虫防除組成物において、式(1)の活性成分を、その立体配置の全てにて又はそれらの混合物として、使用できる。
【0094】
本発明は、寄生蠕虫に対して、動物(特に、生産家畜、家畜及びペット)を予防的に保護する方法も含み、この方法は、式(1)の活性成分又はそれから調製された活性成分処方物を、飼料又は飲料への添加物として、固体又は液体形態で、経口、注射又は非経口経路により動物に投与することを特徴とする。本発明は、前記方法の1つにおいて使用するための、本発明による式(1)の化合物も含む。
【0095】
以下の実施例は、本発明を限定することなくただ説明するものであり、活性成分という用語は、調製例に記載される物質を表す。
【実施例】
【0096】
特に、好ましい処方物は、以下のように構成されている。
(%=重量%)
【0097】
処方例
1.顆粒
【0098】
【表1】

【0099】
活性成分は、塩化メチレン中に溶解させられ、担体上に噴霧され、続いて、溶媒が、真空下での蒸発により濃縮される。この種の顆粒は、動物飼料と混合できる。
【0100】
【表2】

【0101】
細かく粉砕された活性成分は、ミキサー内において、ポリエチレングリコールで湿潤されたカオリンに均一に適用される。この方法で、無塵コーティング顆粒が得られる。
【0102】
2.錠剤又はボーラス剤
【0103】
【表3】

【0104】
I メチルセルロースは、攪拌しながら水に投入される。材料が膨潤した後、ケイ酸が、攪拌されながら投入され、混合物は、均質に懸濁させられる。活性成分及びコーンスターチが、混合される。水性懸濁液をこの混合物に加え、軟塊になるように混練する。得られた塊を、12Mの篩にかけて粒状化し、乾燥させる。
II 4種類の賦形剤全てが、完全に混合される。
III I及びIIに従って得られた予備混合物は混ぜ合わされ、錠剤又はボーラス状に圧縮される。
【0105】
3.注射剤
【0106】
【表4】

【0107】
調製:活性成分は、攪拌しながら油の一部に溶解させられ、必要に応じて、穏やかに加熱され、次に、冷却された後、望ましい体積にされ、細孔寸法0.22μmの適した膜フィルターを介して無菌濾過される。
【0108】
【表5】

【0109】
調製:活性成分は、攪拌しながら溶媒の一部に溶解させられ、望ましい体積にされ、細孔寸法0.22μmの適した膜フィルターを介して無菌濾過される。
【0110】
【表6】

【0111】
調製:活性成分は、溶媒及び界面活性剤に溶解させられ、水で望ましい体積にされる。細孔寸法0.22μmの適当な膜フィルターを介して、無菌濾過される。
【0112】
4.ポアオン剤
【0113】
【表7】

【0114】
5.スポットオン剤
【0115】
【表8】

【0116】
6.スプレーオン剤
【0117】
【表9】

【0118】
この水性系は、好ましくは、経口及び/又は反芻胃適用にも使用され得る。
【0119】
本組成物は、更なる添加剤、例えば、安定化剤(例えば、適当なエポキシド化植物油(エポキシド化ココナツ油、菜種油又は大豆油))、消泡剤(例えば、シリコーン油)、保存料、粘度調節剤、結合剤、粘着付与剤、加えて成長補助剤又は特別な効果を達成するための他の活性成分も含有し得る。
【0120】
式(1)の化合物に対して中性であり、治療対象である宿主動物に有害な影響を及ぼさない、更なる生物学的活性物質又は添加剤、加えてミネラル塩又はビタミンも、上述の組成物に添加され得る。
【0121】
以下の実施例は、本発明を説明ためのものである。これらの実施例は、本発明を制限しない。「h」という文字は時間を表す。出発物質は、既知のものであり、一部は市販されており、又はそれ自体が既知である方法に似たやり方で調製され得る。
【0122】
調製例
実施例1:4.6−ビス−(4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミン
40.8gの4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)−フェノールは、70mLのDMFに溶解させられ、不活性ガス雰囲気下において攪拌され、10℃まで冷却される。得られたものに、しっかりと攪拌しながら、5.8gの水素化ナトリウムが添加される。次に、この混合物は、室温まで暖められ、1時間に渡って攪拌される。次に、50mlのDMF中に19.9gの4.6−ジクロロ−5−アミノピリミジンを溶解させた溶液が、滴下添加され、反応混合物は、80℃にて24時間に亘って加熱される。水で反応を停止させ、減圧下での濃縮後、粗混合物が、酢酸エチルを用いて2回抽出される。抽出した有機相を合わせ、水及び飽和塩化ナトリウムで洗浄し、最後に、硫酸マグネシウム及び木炭上で乾燥させる。暗褐色の油様残留物は、100mlのジエチルエーテルに溶解させられ、100mlのヘキサンで処理される。得られる表題の化合物は、融点104℃から105℃を有する、無色の固形物として結晶化する。
【0123】
実施例2:2−ブロモ−4,6−ビス−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミン
50mlの酢酸中の3.9mlの臭素は、150mlの酢酸中に34gの4,6−ビス(4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミンを溶解させた溶液に、窒素下にて滴下添加される。混合物は、室温にて一晩攪拌される。25mlの酢酸中の2mlの臭素が、滴下添加される。混合物は、室温にて一晩攪拌され、次に、2.5Lの氷/水上に注がれる。沈殿物は、濾過により回収され、400mlのジクロロメタンに溶解させられ、水で洗浄される。有機層は、MgSO上で乾燥させられ、濾過され、続いて真空下にて濃縮されると、29gの茶色の固形物となる。この固形物は、シリカゲル上での濾過及びジイソプロピルエーテルからの再結晶化により更に精製され、23gの2−ブロモ−4,6−ビス−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミン(融点184℃から186℃)となる。
【0124】
実施例3:2−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−4,6−ビス(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミン
23gの2−ブロモ−4,6−ビス−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ピリミジン−5−イルアミンは、窒素下にて、10.7gの3−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルボロン酸、0.4gのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、27.5gのKPO及び0.7gの2−ジシクロヘキシル−ホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニルと共に、450mlのトルエンに溶解させられる。この混合物は、75℃にて24時間に亘って加熱され、ジエチルエーテルで希釈され、水で洗浄され、次に、MgSO上で乾燥させれる。溶媒は、真空下にて除去される。14.8gの表題の化合物は、濾過及びシクロヘキサンからの再結晶による精製の後、白い粉末(融点110℃から111℃)として単離される。
【0125】
以下の表1、1a、1b、2、2a及び2bに挙げられた物質は、上記の方法と同様に調製される。
【0126】
表1は、式
【0127】
【化15】

(式中、R’、R”、R”’、R””、R””’の意味は、表1に記載されている。)の34種の化合物を示す。
【0128】
【表10】


【0129】
表1aは、式
【0130】
【化16】

(式中、R’、R”、R”’、R””、R””’の意味は、表1に記載されている。)の34種の化合物を示す。
【0131】
表1bは、式
【0132】
【化17】

(式中、R’、R”、R”’、R””、R””’の意味は、表1に記載されている。)の34種の化合物を示す。
【0133】
表2は、式
【0134】
【化18】

(式中、Aの意味は、表2に記載されている。)の12種の化合物を示す。
【0135】
【表11】


【0136】
表2aは、式
【0137】
【化19】

(式中、Aの意味は、表2に記載されている。)の12種の化合物を示す。
【0138】
表2bは、式
【0139】
【化20】

(式中、Aの意味は、表2に記載されている。)の12種の化合物を示す。
【0140】
生物学的実施例
1.Dermanyssus gallinae(ニワトリ赤ダニ)に対するインビトロでの活性−ハイスループット・スクリーニング(HTS)
抗寄生虫活性に関して評価を行う試験物質を入れた、適切に用意された96ウェルプレートに、汚染されていないメスのダニ集団を用いて播種を行う。最小有効量(MED)を求めるために、各化合物は、連続希釈により試験される。ダニは、この試験化合物と10分間に亘って接触させられた後、25℃及び相対湿度(RH)60%にて、5日間に亘って飼育され、その間、試験化合物の効果が、監視される。産卵することなくダニが死んでいるなら、殺ダニ活性があるとする。起こり得る成長調節活性を確認するため、産卵とそれに続くダニの発達も記録する。
【0141】
化合物番号1.3、1.4、1.7、1.8、1.9、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.23、1.25、1.27、1.30、1.32、1.33、1.34、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8及び2.12は、全て、HTSにおいて、200ppmにて60%を越える有効性を示す。
【0142】
2.Rhipicephalus sanguineus(イヌダニ)に対するインビトロでの活性−HTS
抗寄生虫活性に関して評価する試験物質を入れた、適切に用意された96ウェルプレートに、汚染されていない成虫ダニ集団を用いて播種を行う。MEDを求めるために、各化合物は、連続希釈により試験される。ダニは、試験化合物と10分間に亘って接触させられた後、28℃及び相対湿度(RH)80%にて、7日間に亘って飼育され、その間、試験化合物の効果が、監視される。ダニ成虫が死んだら、殺ダニ活性があるとする。
【0143】
化合物番号1.2、1.4、1.7、1.9、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.18、1.23、1.25、1.27、1.30、1.32、1.33、1.34、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.7、2.8及び2.9は全て、HTSにおいて、640ppmにて60%を越える有効性を示す。対照的に、WO2005/85211により知られる化合物2−フェニル−4,6−ビス−(4−フルオロ−3−[トリフルオロメチル]フェノキシ)−5−アミノ−ピリミジンは、この試験において、顕著な殺ダニ効果を示さない。
【0144】
3.Ctenocephalides felis(ネコノミ)に対するインビトロでの活性−HTS
人工給餌システムを介してノミが処理血液にアクセスし摂食できるようになっている、適切に用意された96ウェルプレートに、ノミの混合成虫集団を置く。MEDを求めるために、各化合物は、連続希釈により試験される。ノミは、処理血液を餌として24時間に亘って飼育され、その後、化合物の効果が記録される。殺虫活性は、給餌システムから回収された、死んだノミの数に基づいて求められる。
【0145】
化合物番号1.7、1.11、1.18、1.21、1.32、1.33、1.34、2.1、2.2、2.3、2.4、2.6及び2.7は全て、HTSにおいて、100ppmにて、60%を越える殺虫効果を示す。対照的に、WO2005/85211により知られる化合物2−フェニル−4,6−ビス−(4−フルオロ−3−[トリフルオロメチル]フェノキシ)−5−アミノ−ピリミジンは、この試験において、顕著な殺虫効果を示さない。
【0146】
4.スナネズミ(Meriones unquiculatus)に寄生するクリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)の若虫に対するインビボでの試験
試験0日目に、スナネズミは、所定の用量の試験化合物をスプレー(又はスポットオン)適用することにより、処置される。+1(+2)日目、スナネズミに、R.sanguineusの若虫を寄生させる。ダニは、完全に満腹になるまでスナネズミに寄生させたままにおかれる。寄生から7日後、十分に吸血して落下した若虫は回収され、数が数えられる。これらのダニは、試験化合物の成長調節活性も評価するために、脱皮まで保存する。殺ダニ(及び成長調節)における有効性は、アボットの公式を用いて、プラセボ処理群と比較した、ダニ数(及び脱皮したダニの数)の減少として表される。60%を越える、特に70%を越えるダニ数の減少は、化合物の商業的開発の最低必須条件と見なされる。加えて、前記殺ダニ効果は、安全及び環境的な理由から、最低用量にて使用されるべきである。
【0147】
【表12】


【0148】
顕著な殺ダニ効果は、これらの低濃度では、WO2005/85211により知られる化合物2−フェニル−4,6−ビス−(4−フルオロ−3−[トリフルオロメチル]フェノキシ)−5−アミノ−ピリミジンで観察されなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離の形態又は塩の形態である、式
【化21】

[式中、X及びXは、それぞれ独立して、ハロゲンであり、および
Aは式
【化22】

(式中、(R1−5は、C−Cアルキル、ハロゲン−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、RN−C−C−アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、ハロゲン−C−C−アルコキシ、チオール、C−C−アルキルチオ、ハロゲン−C−C−アルキルチオ、C−C−アルカノイル、ハロゲン−C−C−アルカノイル、C−C−アルカノイルアミノ、ハロゲン−C−C−アルカノイルアミノ、COOR、CONH、CONR、SOH、SONR、C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルキルスルホニルオキシ、ハロゲン−C−C−アルキルスルホニルオキシ、C−C−アルキルスルホニル、ハロゲン−C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、NR並びにC−C−複素環ラジカル(このC3−C5−複素環ラジカルは、O、S及びNから選択される、1個又は2個の同一又は異なるヘテロ原子を有する。)から成る群から選択される、1個から5個の同一又は異なる置換基である。)
のラジカルであり、又は
Aは式
【化23】

(式中、環(a)は、3位及び4位に環を有する5員又は6員の炭素環又は複素環を示す。)のラジカルであり、又は
Aは、3個から9個の炭素原子並びにN、O及びSから成る群から選択される1個から3個の同一又は異なるヘテロ原子を有する複素環ラジカルであり、前記複素環ラジカルは、置換されていない又はC−C−アルキル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、ハロゲン若しくはNRによって更に置換され、
及びRは、それぞれ独立して、水素である又は置換されていない若しくはハロゲン、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、チオール若しくはC−C−アルキルチオによって置換されたC−C−アルキルである。]
の化合物。
【請求項2】
及びXが、それぞれフッ素である、請求項1に記載の式(1)の化合物。
【請求項3】
Aが、式(2)のラジカルである、請求項1又は2に記載の式(1)の化合物。
【請求項4】
(R1−5が、置換されていない又はハロゲノ−、チオール−、C−C−アルコキシ−若しくはヒドロキシル置換されたC−C−アルキル;ヒドロキシル;置換されていない若しくはハロゲノ置換されたC−C−アルコキシ;チオール;C−C−アルキルチオ;ハロゲン;C−C−アルキルスルフィニル;C−C−アルキルスルホニル;C−C−アルキルスルホニルアミノ;アセチル;アセチルアミノ;ラジカルNR若しくはRN−C−C−アルキル(R及びRは、それぞれ独立して、水素である又は置換されていない若しくはハロゲン、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、チオール若しくはC−C−アルキルチオによって置換されたC−C−アルキルである。)及び式
【化24】

(Yは、NH、NC−C−アルキル、O又はSである。)のラジカルから成る群から選択される、1個又は2個の同一又は異なる置換基である、請求項3に記載の式(1)の化合物。
【請求項5】
Aが、式
【化25】

(R1aは、置換されていない又はC−C−アルコキシ−若しくはヒドロキシル−置換されたC−C−アルキル;ヒドロキシル;置換されていない若しくはハロゲン置換されたC−C−アルコキシ;C−C−アルキルチオ;ハロゲン;ラジカルNR若しくはRN−C−C−アルキル(R及びRは、それぞれ独立して、水素である又は置換されていない若しくは塩素、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、チオール、メチルチオ若しくはエチルチオによって置換されたC−C−アルキルである。)又はモルホリニルであり、R1bは、H、ハロゲン、C−C−アルコキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル又はハロ−C−C−アルコキシ、特にHである。)のラジカルである、請求項3に記載の式(1)の化合物。
【請求項6】
1aが、メチル、エチル、イソプロピル、1−若しくは2−ヒドロキシエチル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、塩素、フッ素、アミノ、N−モノ−若しくはN,N−ジメチルアミノ、N−モノ若しくはN,N−ジエチルアミノ、N−2−ヒドロキシエチルアミノ、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジエチルアミノメチル又はモルホリニルであり、R1bはHである、請求項5に記載の式(1)の化合物。
【請求項7】
Aが、式
【化26】

のラジカル(Yは、−NH−、−N(C−C−アルキル)−、−O−又は−S−であり、特に−NH−又は−N(C−C−アルキル)−であり、特に、ZはCH又はNである。)である、請求項1又は2に記載の式(1)の化合物。
【請求項8】
Aが、N、O及びSから成る群から選択される、1個又は2個の同一又は異なるヘテロ原子を有する5員又は6員複素環ラジカルであり、前記ラジカルは、更に置換されていない又はC−C−アルキル、C−C−アルコキシ若しくはハロゲンによって更に置換されている及び/又は環のあるベンゾ環を有し得る、請求項1又は2に記載の式(1)の化合物。
【請求項9】
Aが、チエニル、フラニル、ピロリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ピラゾリル、ピリジニル又はピリミジニルであり、それぞれは置換されていない又はハロゲン若しくはC−C−アルキルによって置換されている、請求項8に記載の式(1)の化合物。
【請求項10】
Aが、
(i)上の式(2)のラジカル((R1−5は、置換されていない又はハロゲノ−、チオール−、C−C−アルコキシ−若しくはヒドロキシル置換されたC−C−アルキル;ヒドロキシル;置換されていない若しくはハロゲノ置換されたC−C−アルコキシ;チオール;C−C−アルキルチオ;ハロゲン;C−C−アルキルスルフィニル;C−C−アルキルスルホニル;C−C−アルキルスルホニルアミノ;アセチル;アセチルアミノ;ラジカルNR若しくはRN−C−C−アルキル(R及びRは、それぞれ独立して、水素である又は置換されていない若しくはハロゲン、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、チオール若しくはC−C−アルキルチオによって置換されたC−C−アルキルである。)及び式
【化27】

のラジカル(Yは、NH、NC−C−アルキル、O又はSである。)から成る群から選択される、1個から5個、好ましくは1個又は2個の同一又は異なる置換基である。)である、又は
Aが、
(ii)下の式
【化28】

のラジカル(環のある環(a)は、N、O及びSから成る群から選択される、1個又は2個のヘテロ原子を有する6員又は5員複素環である。)である、又は
Aが、
(iii)N、O及びSから成る群から選択される、1個又は2個の同一の又は異なるヘテロ原子を有する5員又は6員複素環ラジカルであり、前記ラジカルは、更に置換されていない又はC−C−アルキル、C−C−アルコキシ若しくはハロゲンによって更に置換されている及び/又は環のあるベンゾ環を有し得る、
請求項1又は2に記載の式(1)の化合物。
【請求項11】
Aが、
(i)下の式
【化29】

のラジカル(R1aは、置換されていない又はC−C−アルコキシ−若しくはヒドロキシル置換されたC−C−アルキル;ヒドロキシル;置換されていない若しくはハロゲン置換されたC−C−アルコキシ;C−C−アルキルチオ;ハロゲン;ラジカルNR若しくはRN−メチル(R及びRは、それぞれ独立して、水素である又は置換されていない又は塩素、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、チオール、メチルチオ若しくはエチルチオによって置換されたC−C−アルキルである。)又はモルホリニルであり、R1bは、H、ハロゲン、C−C−アルコキシ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル又はハロ−C−C−アルコキシである。)である、又は
Aが、
(ii)式
【化30】

のラジカル(Yは、−NH−、−N(C−C−アルキル)−、−O−又は−S−であり、ZはCH又はNであり、Yは−O−である。)である、又は
Aが、
(iii)チエニル、フラニル、ピロリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ピラゾリル、ピリジニル又はピリミジニルラジカルであり、それぞれは置換されていない又はハロゲン若しくはC−C−アルキルによって置換されている、
請求項1又は2に記載の式(1)の化合物。
【請求項12】
担体及び/又は分散剤に加えて、請求項1から11のいずれの1つに記載の、少なくとも1種の式(1)の化合物を活性成分として包含する、寄生虫の防除のための組成物。
【請求項13】
薬学的に有効な量の、請求項1から11のいずれの1つに記載の、少なくとも1種の式(1)の化合物を動物に適用することを包含する、温血動物の体内及び体外の寄生虫を防除するための方法。
【請求項14】
寄生虫の防除における、請求項1から11のいずれの1つに記載の式(1)の化合物の使用。
【請求項15】
温血動物の体内及び体外の寄生虫を防除するための方法における、請求項1から11のいずれの1つに記載の式(1)の化合物の使用。
【請求項16】
温血動物の体内及び体外の寄生虫に対する医薬組成物の調製における、請求項1から11のいずれの1つに記載の式(1)の化合物の使用。

【公表番号】特表2009−544595(P2009−544595A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519975(P2009−519975)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057395
【国際公開番号】WO2008/009691
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】