説明

ファクシミリ装置、ファクシミリ装置の制御方法、およびファクシミリ装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体

【課題】 カラー画像通信においても、親展画像通信を適切に制御し、メモリ回路容量不足などによりその後の通信が不可能になるなどの障害を生じることなく確実に通信を行なえるようにする。
【解決手段】 公知のファクシミリ方式により、カラー画情報および白黒2値の画情報について親展受信を行なう。CPU22の制御により、受信した画情報を特定の認証処理が行なわれるまで出力せずメモリに保持する親展受信を行なうが、親展受信を行なった場合、操作部20の表示器を用いて親展受信を行なった事をユーザに報知する。この報知の際、カラー画情報の親展受信を実行した場合と白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合とで前記報知手段の報知の態様を変更する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はファクシミリ装置、特にカラー画情報を受信するファクシミリ装置、その制御方法、及びその制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、白黒2値の画情報の伝送を行なうファクシミリ装置が知られているが、近年になってJPEGあるいはTIFFなどのような画像フォーマット(あるいは独自規格の画像フォーマット)を利用してカラー(多値)画像の伝送を行なうファクシミリ装置の普及のきざしが見えつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】カラーファクシミリ装置においても、画像伝送に直接関係しない機能、たとえば、メモリ回路送受信、親展受信などといった機能は従来の白黒ファクシミリ装置と同様に実装されるものと考えてよい。
【0004】ここで、親展受信は、受信した画情報を直ちに記録出力せず、単に親展受信を行なった旨の報知(表示出力)を行ない、その後、ユーザの特定操作により入力されたパスワードを照合する、といったような認証処理を行ない、認証が正常に行なえた場合に受信した画情報を記録出力するものである。
【0005】したがって、親展受信の場合は、受信〜記録出力までの間、受信した画情報をメモリ回路に記憶させておく必要があり、通常の受信よりも余計にメモリ回路容量を必要とする。
【0006】一方で、カラー画像の通信も、従来の白黒画像の通信に比べると、余計にメモリ回路容量を必要とする。上記のエンコード方式で圧縮されたまま格納するにしても、カラー画像データの格納には白黒の場合よりも多くのメモリ回路容量を必要とするのはいうまでもない。
【0007】ところが、現在のところ、カラー画像通信を行なうファクシミリ装置では、実行した通信が、カラー画像通信であったか否か、および、親展通信であったか否かに応じて特別な制御を行なっていない。
【0008】たとえば、白黒2値情報を親展受信した場合と、カラー情報を親展受信した場合で、特に受信後の報知(表示出力)を変更するような処理は考えられていない。
【0009】しかし、カラー情報の親展受信のメモリ回路格納においては、上記のような事情で大きなメモリ回路容量を必要とし、このため、いつまでも親展受信画像が記録出力されずにいると画像メモリ回路を圧迫し、その後の他のメモリ回路受信が不可となってしまうという問題が予想される。
【0010】本発明の課題は、上記の問題を解決し、カラー画像通信においても、親展画像通信を適切に制御し、メモリ回路容量不足などによりその後の通信に不可能になるなどの障害を生じることなく確実に通信を行なえるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するために、本発明においては、カラー画情報を受信するファクシミリ装置、ファクシミリ装置の制御方法、およびファクシミリ装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体において、受信した画情報を特定の認証処理が行なわれるまで出力せずメモリに保持する親展受信を行なった場合にその旨をユーザに報知するとともに、カラー画情報の親展受信を実行した場合と白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合とで報知の態様を変更する構成を採用した。
【0012】あるいはさらに、前記報知において、カラー画情報の親展受信を実行した場合は、白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合よりも早く出力処理を実行すべきである旨のメッセージを出力する構成を採用した。
【0013】あるいはさらに、前記報知において、カラー画情報の親展受信を実行した場合は「なるべく早く親展受信情報を出力して下さい」との報知メッセージを出力し、白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合は「親展受信情報を出力して下さい」との報知メッセージを出力する構成を採用した。
【0014】あるいはさらに、前記報知において、カラー画情報の親展受信および白黒2値の画情報の親展受信の双方の親展受信を実行した場合は「カラー情報の親展受信情報から先に出力して下さい」と出力する構成を採用した。
【0015】あるいはさらに、ユーザの特定の操作に応じて現在未出力の親展受信情報の通信結果一覧を出力する場合、カラー画情報の親展受信、または白黒2値の画情報の親展受信のいずれかを指定することにより、カラー画情報の親展受信、または白黒2値の画情報の親展受信のいずれかの通信結果一覧を出力する構成を採用した。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0017】図1において符号2は、NCU(網制御装置)で、電話網をデータ通信等に使用するためにその回線の端末に接続し、電話交換網の接続制御を行なったり、データ通信路への切り替えを行なったり、ループの保持を行なうものである。また、NCU2は、バス26からの制御により電話回線2aを電話機4側に接続(CMLオフ)したり、電話回線2aをファクシミリ装置側に接続(CMLオン)したりする。なお、通常状態では、電話回線2aは電話機4側に接続されている。
【0018】符号6は、ハイブリッド回路であり、送信系の信号と受信系の信号とを分離し、加算回路12からの送信信号をNCU2経由で電話回線2aに送出し、相手側からの信号をNCU2経由で受け取り、信号線6a経由で、変復調器8に送るためのものである。
【0019】符号8は、変復調器であり、ITU−T勧告V.8,V.21,V.27ter,V.29,V.17,V.34に基づいた変調および復調を行なうものであり、バス26からの制御により、各伝送モードが指定される。変復調器8はバス26からの送信信号を入力し、変調データを信号線8aに出力し、信号線6aに出力されている受信信号を入力し、変調データをバス26に出力する。
【0020】符号10は、発呼回路であり、バス26から電話番号情報を入力し、信号線10aにDTMFの選択信号を出力する。
【0021】符号12は、送信信号を混合するための加算回路であり、信号線8aの情報と信号線10aの情報を入力し、加算した結果を信号線12aに出力する。
【0022】符号14は、原稿搬送系、光学読取素子などから構成された読取回路であり、原稿から読み取った画像データをバス26に出力する。好ましくは、読取回路14はカラー画像送信を行なうためにカラー画像読み取り可能な読取機構から構成されるものとする。
【0023】符号16は、電子写真方式、インクジェット方式、感熱方式など所定の記録方式に基いて構成された記録回路であり、バス26に出力された画情報を順次1ライン毎に記録する。本実施形態では、記録回路16は、カラー画像の受信、記録を行なうために、カラー画像記録可能な記録機構から構成されるものとする。
【0024】なお、本明細書では、一貫して記録回路16により記録を受ける媒体を指すものとして「記録紙」との用語を用いるが、この「記録紙」の材質は必ずしも文字通り「紙」である必要はなく、プラスチックシートなどの他の材質であってよいのはいうまでもない。
【0025】符号18は、RAMなどから構成されたメモリ回路であり、ROM、RAM、あるいはハードディスクなどの任意の記憶装置から構成され、種々のデータの記憶に用いられる。すなわち、メモリ回路18はワーク用のメモリ回路(RAM)として、あるいはさらに読取りデータの生情報、あるいは符号化した情報を格納したり、また受信情報、あるいは復号化した情報等をバス26を介して格納するために用いられる。
【0026】本実施形態においては、メモリ回路18に、図2に示すような親展受信情報の管理データが格納されるものとする。この管理データとしては、未出力の親展受信情報の通信結果情報が図2に示すように記憶されるが、この管理データとしては、図示のように通信の日時、ページ数、モード(白黒かカラーか)、相手先の識別情報(この場合電話番号)が、親展受信番号(No)に関連づけて記憶される。なお、受信した画像情報は、上記の管理データと関連づけを行なった上、メモリ回路18の所定の画像メモリ領域に格納される。
【0027】符号20は操作部であり、ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル、テンキー、*キー、♯キー、スタートキー、セットキー、ストップキー、親展受信情報のプリントキー、親展受信一覧の指定キー、その他ファンクションキーを有するキーボードが設けられており、このキーボードで押下されたキーの操作情報はバス26に出力される。
【0028】また、操作部20には表示器20aが設けられており、バス26からの制御に従って入力された各種の情報を表示する。後述の親展受信の報知もこの表示器20aを用いて行なうものとする。
【0029】符号22は、CPU(中央処理装置)であり、装置全体の制御を行なうとともに、ファクシミリ伝送制御手順を実行するが、その制御プログラムはROM24に格納される。本実施形態の場合、ROM24は、本発明の記憶媒体に該当する。
【0030】ROM24には、以下に概要を示すような通信制御を行なうための制御プログラムが格納される。
【0031】すなわち、本装置では、カラーおよび白黒のファクシミリ通信の双方について親展通信を実行する。カラー、白黒のファクシミリ通信、および親展通信の細部については、従来方式と同様で良いので、ここでは詳細な説明を省略するものとする。
【0032】親展受信の方式は任意で良いが、本実施形態においては、ITU−T勧告T30のサブアドレス信号(SUB)を用いて親展受信人を特定する方式を用いるものとする。
【0033】また、親展通信(親展受信)を行なった場合は、その旨を報知する、つまり、画像を出力させるためのユーザの特定操作を促すために表示器20aを用いて親展通信有無表示を行なう。
【0034】そして、この親展通信有無表示において、カラー情報の親展受信を実行した場合と、白黒の2値情報の親展受信を実行した場合で、親展通信有無表示の態様を変更する。
【0035】すなわち、カラー情報の親展受信があった場合は、白黒の2値情報の親展受信があった場合よりも早くプリントアウトすべきである旨のメッセージを表示する。これは、上述のように、カラー画像の記憶には白黒画像の記憶よりも余計にメモリ回路を消費するためである。具体的には、カラー情報の親展受信があると表示器20aで「なるべく早く親展受信情報をプリントして下さい」と表示し、白黒の2値情報の親展受信があると「親展受信情報をプリントして下さい」とメッセージを表示する。
【0036】また、カラー情報の親展受信および白黒の2値情報の親展受信があった場合は、表示器20aで「カラー情報の親展受信情報から先にプリントして下さい」と表示する。これは、カラー情報から出力した方がより早く、より大きなメモリ領域を開放できるからである。
【0037】さらに、本実施形態では、親展受信の一覧表示を指定することができ、この親展受信の一覧表示を指定すると、現在未出力の親展受信の通信結果一覧を表示するが、カラー、白黒の親展受信それぞれについて別個に一覧表示を行なえるようにする。すなわち、カラー受信を指定すると、表示器20aを用いて現在未出力の親展カラー受信情報の通信結果一覧を表示し、白黒2値を指定すると、現在未出力の親展白黒2値情報の通信結果一覧を表示する。
【0038】なお、以下では、簡略化のために親展情報の出力処理は記録出力により行なうものとするが、表示出力を行なう場合などにおいても同様の制御を行なうことができる。この場合、上記(あるいは後述)のメッセージ表示のうち「プリント」の部分は表示出力により親展情報の出力を行なう場合は適宜「表示出力」などの「出力」を促すメッセージに変更するのはいうまでもない。また、以下では親展情報の報知処理は表示器20aの表示出力により行なうものとするが、同様にこの親展情報の報知処理は記録出力などにより行なうこともできる。
【0039】以下、図3〜7を参照して上記構成における動作につき詳細に説明する。図3〜7は上記の通信制御の流れをフローチャート図として示したものである。図3〜7の同一番号の個所はそれぞれの位置で連続しているものとする。
【0040】図3において、ステップS0は所定のリセット操作などにより開始される処理の始めを示している。
【0041】ステップS2では、バス26を介してメモリ回路18をイニシャライズし、ステップS4は、バス26を介して操作部20の表示部をイニシャライズする。
【0042】ステップS6では、親展受信番号に0001をセットする。この親展受信番号はメモリ回路18の所定領域などに割り付けられたカウンタを用いてカウントアップされる。
【0043】ステップS8では、バス26を介して、NCU2のCMLをオフとし、回線2aを電話機4側に接続する。
【0044】ステップS10では、受信が選択されたか否かを判断し、受信が選択されていればステップS12に進み、受信が選択されていなければ図5のステップS46に進む。受信選択は、操作部20の所定の操作(手動受信)、あるいは回線2aから受信した呼出信号を検出することなどにより行なわれる。
【0045】ステップS12では、バス26を介して、NCU2のCMLをオンとし、回線2aをファクシミリ装置(ハイブリッド回路6)側に接続する。
【0046】ステップS14では、ファクシミリ前手順を実行する。ここでカラー受信機能有りを通知し、またSUB(サブアドレス)信号の受信機能有りを通知する。これらの通知にはDIS信号などの公知のファクシミリ手順信号が用いられる。
【0047】ステップS16では、相手側からのSUB信号により親展受信が選択されたか否かが判断され、親展受信が選択されると図4のステップS22に進み、親展受信が選択されていなければ図4のステップS18に進む。
【0048】ステップS18では、画信号の受信/記録、ステップS20はファクシミリ後手順を実行する。
【0049】図4のステップS22では画信号のメモリ回路受信、ステップS24はファクシミリ後手順を実行する。
【0050】ステップS26では、バス26を介して、NCU2のCMLをオフとし、回線2aを電話機4側に接続し(呼切断)、ステップS8に復帰する。
【0051】ステップS28では、図2に示すようにメモリ回路18に現在の親展受信番号に対応し、日時、ページ数、モード相手先の管理情報を記憶し、ステップS30では、親展受信番号の値を1つインクリメントする。
【0052】ステップS32では、親展受信情報がメモリ回路18に記憶されているか否かを判断し、親展受信情報がメモリ回路18に存在すればステップS36に進み、親展受信情報がメモリ回路18に存在しなければステップS34に進み、バス26を介して操作部20の表示器20aで親展受信表示を行なわないよう制御する。
【0053】親展受信情報がメモリ回路18に存在する場合、さらにステップS36では、存在するのはカラー情報の親展受信情報のみであるか否かを判断する。このステップS36が肯定された場合にはステップS38に進む。また、ステップS36が否定された場合には図5のステップS40に進む。
【0054】ステップS38では、バス26を介して操作部20の表示器20aを制御し、「なるべく早く親展受信情報をプリントして下さい」との表示を行ない、ステップS8に復帰する。
【0055】図5のステップS40では、メモリ回路18に存在するのは白黒2値情報の親展受信情報のみであるか否かを判断し、このステップS40が肯定された場合にはステップS42に進み、バス26を介して操作部20の表示器20aに「親展受信情報をプリントして下さい」と表示し、ステップS8に復帰する。また、ステップS40が否定された場合にはステップS44に進む。
【0056】ステップS44に移行するのは、カラーと白黒の親展受信情報がメモリ回路18に混在して記憶されている場合であるので、ここではバス26を介して操作部20の表示器20aを制御し、「カラー情報の親展受信情報から先にプリントして下さい」と表示し、ステップS8に復帰する。
【0057】また、図3のステップS10で受信が選択されていない場合は、図5のステップS46において、バス26を介して操作部20の操作情報を入力し、親展受信一覧の表示選択が行なわれたか否かを判断する。このステップS46が肯定された場合にはステップS52に進み、否定された場合にはステップS48に進む。
【0058】ステップS46で親展受信一覧の表示選択が行なわれていない場合、ステップS48では、バス26を介して操作部20の情報を入力し、親展受信情報のプリントが選択されたか否かを判断し、親展受信情報のプリントが選択された場合は図7のステップS62に進み、そうでない場合はステップS50に進み、その他の処理(原稿のコピー処理やその他の通信管理に関する処理)を実行し、ステップS8に復帰する。
【0059】ステップS52では、バス26を介して、メモリ回路18に記憶されている親展受信番号に対応した管理データを全て操作部20の表示器20aに表示する。管理データの表示フォーマットは任意で良いが、たとえば図2に示した表形式そのもののフォーマットなどを用いることができる。この表示はその後の何らかのキー操作(特定キー操作、あるいは任意のキー操作など)に応じて消去するものとする。
【0060】ステップS52の後、さらに図6のステップS54においては、バス26を介して操作部20の操作情報を入力し、カラー受信情報の指定があるか否かを判断する。カラー受信情報の指定があった場合はステップS56に進み、カラー受信情報の指定がなければステップS58に進む。
【0061】カラー受信情報の指定が行われた場合は、ステップS56においてバス26を介して、メモリ回路18に記憶されている親展受信番号に対応した情報の中で、カラーに関連するもののみを抽出し、操作部20の表示器20aに表示する。この表示はその後の何らかのキー操作(特定キー操作、あるいは任意のキー操作など)に応じて消去するものとする。ステップS56の後、処理はステップS8に復帰する。
【0062】ステップS58では、同様に、バス26を介して操作部20の操作情報を入力し、白黒2値受信情報の指定が行われたか否かを判断し、白黒2値受信情報の指定が行われた場合はステップS60に進み、白黒2値受信情報の指定がなければステップS8に復帰する。
【0063】白黒2値受信情報の指定が行われた場合は、ステップS60において、バス26を介して、メモリ回路18に記憶されている親展受信番号に対応した情報の中で、白黒2値に関連するもののみを抽出し、操作部20の表示器20aに表示する。この表示はその後の何らかのキー操作(特定キー操作、あるいは任意のキー操作など)に応じて消去するものとする。ステップS60の後、処理はステップS8に復帰する。
【0064】一方、図5のステップS48で親展受信情報のプリントが選択された場合は図7のステップS62において、指定された親展受信情報をメモリ回路18から取り出し、記録回路16によりプリントする。
【0065】そして、ステップS64において、バス26を介して、プリントした親展受信情報をメモリ回路から消去し、またメモリ回路18に記憶されている親展受信番号に対応した情報も消去する。その後、処理はステップS8に復帰する。
【0066】以上のように、本実施形態によれば、カラーおよび白黒2値の画情報の親展受信を行なうファクシミリ装置において、受信した画情報を特定の認証処理が行なわれるまで出力せずメモリに保持する親展受信を行なった場合にその旨をユーザに報知するとともに、カラー画情報の親展受信を実行した場合と白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合とで報知の態様を変更するようにしているので、カラーおよび白黒2値の画情報の親展受信の際にそれぞれ適切な態様でユーザへの報知を行なうことができる、という優れた効果がある。
【0067】特に、カラー画情報の親展受信を実行した場合は、白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合よりも早く出力処理を実行すべきである旨のメッセージを表示する、たとえば、カラー画情報の親展受信を実行した場合は「なるべく早く親展受信情報を出力(プリント/表示)して下さい」との報知メッセージを表示し、白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合は「親展受信情報を出力(プリント/表示)して下さい」との報知メッセージを表示する構成、あるいは、カラー画情報の親展受信および白黒2値の画情報の親展受信の双方の親展受信を実行した場合は「カラー情報の親展受信情報から先に出力(プリント/表示)して下さい」と表示する構成を採用することにより、カラー画情報の親展受信情報がある時は早く出力すべきである旨をユーザーに報知でき、これに応じてユーザーがカラーの親展受信情報の出力をすれば、メモリ容量に余裕ができ他の通信動作が中断あるいは不可能となる可能性を減少し、カラー画像通信においても、親展画像通信を適切に制御し、メモリ回路容量不足などによりその後の通信に不可能になるなどの障害を生じることなく確実に通信を行なえる、という優れた効果がある。
【0068】また、現在未出力の親展受信情報の通信結果一覧を出力する場合、カラー画情報の親展受信、または白黒2値の画情報の親展受信のいずれかを指定することにより、カラー画情報の親展受信、または白黒2値の画情報の親展受信のいずれかの通信結果一覧を出力する構成を採用することにより、たとえば、親展受信情報の通信結果一覧を全体、カラーのみ、白黒2値のそれぞれの親展受信情報について分けて出力でき、出力された一覧情報の利用が非常に容易になる、という優れた効果がある。
【0069】以上では、ファクシミリ専用機の構成を示したが、本発明はファクシミリ専用機のみならず、他の形態のファクシミリ装置に実施できるのはいうまでもない。たとえば、本発明は、パーソナルコンピュータのような汎用の端末にFAXモデムなどを外付け/内蔵し、ソフトウェア制御によりファクシミリ通信を行なう構成においても実施することができる。その場合、本発明の制御プログラムは、前述のROM24のみならず、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、光磁気ディスクやメモリカードなどのあらゆるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して供給することができる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、カラー画情報を受信するファクシミリ装置、ファクシミリ装置の制御方法、およびファクシミリ装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体において、受信した画情報を特定の認証処理が行なわれるまで出力せずメモリに保持する親展受信を行なった場合にその旨をユーザに報知するとともに、カラー画情報の親展受信を実行した場合と白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合とで報知の態様を変更する構成により、カラーおよび白黒2値の画情報の親展受信の際にそれぞれ適切な態様でユーザへの報知を行なうことができる、という優れた効果がある。
【0071】あるいはさらに、前記報知において、カラー画情報の親展受信を実行した場合は、白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合よりも早く出力処理を実行すべきである旨のメッセージを出力する構成、あるいはさらに、前記報知において、カラー画情報の親展受信を実行した場合は「なるべく早く親展受信情報を出力して下さい」との報知メッセージを出力し、白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合は「親展受信情報を出力して下さい」との報知メッセージを出力する構成、あるいはさらに、前記報知において、カラー画情報の親展受信および白黒2値の画情報の親展受信の双方の親展受信を実行した場合は「カラー情報の親展受信情報から先に出力して下さい」と出力する構成を採用することにより、カラー画情報の親展受信情報がある時は早く出力すべきである旨をユーザーに報知でき、これに応じてユーザーがカラーの親展受信情報の出力をすれば、メモリ容量に余裕ができ他の通信動作が中断あるいは不可能となる可能性を減少し、カラー画像通信においても、親展画像通信を適切に制御し、メモリ回路容量不足などによりその後の通信に不可能になるなどの障害を生じることなく確実に通信を行なえる、という優れた効果がある。
【0072】あるいはさらに、ユーザの特定の操作に応じて現在未出力の親展受信情報の通信結果一覧を出力する場合、カラー画情報の親展受信、または白黒2値の画情報の親展受信のいずれかを指定することにより、カラー画情報の親展受信、または白黒2値の画情報の親展受信のいずれかの通信結果一覧を出力する構成を採用しているので、たとえば、親展受信情報の通信結果一覧を全体、カラーのみ、白黒2値のそれぞれの親展受信情報について分けて出力でき、出力された一覧情報の利用が非常に容易になる、という優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を採用したファクシミリ装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図2】図1のメモリ回路に記憶される親展受信の管理データの構成を示した説明図である。
【図3】図1のCPU22の通信制御を示したフローチャート図である。
【図4】図1のCPU22の通信制御を示したフローチャート図である。
【図5】図1のCPU22の通信制御を示したフローチャート図である。
【図6】図1のCPU22の通信制御を示したフローチャート図である。
【図7】図1のCPU22の通信制御を示したフローチャート図である。
【符号の説明】
2 NCU
4 電話機
6 ハイブリッド回路
8 変復調器
10 発呼回路
12 加算回路
14 読取回路
16 記録回路
18 メモリ回路
20 操作部
20a 表示器
22 CPU
24 ROM
26 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】 カラー画情報を受信するファクシミリ装置において、受信した画情報を特定の認証処理が行なわれるまで出力せずメモリに保持する親展受信を行なう手段と、前記親展受信を行なった場合にその旨をユーザに報知する報知手段と、カラー画情報の親展受信を実行した場合と白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合とで前記報知手段の報知の態様を変更する制御手段を有することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】 前記報知において、カラー画情報の親展受信を実行した場合は、白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合よりも早く出力処理を実行すべきである旨のメッセージを出力することを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項3】 前記報知において、カラー画情報の親展受信を実行した場合は「なるべく早く親展受信情報を出力して下さい」との報知メッセージを出力し、白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合は「親展受信情報を出力して下さい」との報知メッセージを出力することを特徴とする請求項2に記載のファクシミリ装置。
【請求項4】 前記報知において、カラー画情報の親展受信および白黒2値の画情報の親展受信の双方の親展受信を実行した場合は「カラー情報の親展受信情報から先に出力して下さい」と出力することを特徴とする請求項2に記載のファクシミリ装置。
【請求項5】 ユーザの特定の操作に応じて現在未出力の親展受信情報の通信結果一覧を出力する場合、カラー画情報の親展受信、または白黒2値の画情報の親展受信のいずれかを指定することにより、カラー画情報の親展受信、または白黒2値の画情報の親展受信のいずれかの通信結果一覧を出力することを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項6】 カラー画情報を受信するファクシミリ装置の制御方法において、受信した画情報を特定の認証処理が行なわれるまで出力せずメモリに保持する親展受信を行なう工程と、前記親展受信を行なった場合にその旨をユーザに報知する報知工程と、カラー画情報の親展受信を実行した場合と白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合とで報知の態様を変更する制御工程を有することを特徴とするファクシミリ装置の制御方法。
【請求項7】 前記報知において、カラー画情報の親展受信を実行した場合は、白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合よりも早く出力処理を実行すべきである旨のメッセージを出力することを特徴とする請求項6に記載のファクシミリ装置の制御方法。
【請求項8】 前記報知において、カラー画情報の親展受信を実行した場合は「なるべく早く親展受信情報を出力して下さい」との報知メッセージを出力し、白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合は「親展受信情報を出力して下さい」との報知メッセージを出力することを特徴とする請求項7に記載のファクシミリ装置の制御方法。
【請求項9】 前記報知において、カラー画情報の親展受信および白黒2値の画情報の親展受信の双方の親展受信を実行した場合は「カラー情報の親展受信情報から先に出力して下さい」と出力することを特徴とする請求項7に記載のファクシミリ装置の制御方法。
【請求項10】 ユーザの特定の操作に応じて現在未出力の親展受信情報の通信結果一覧を出力する場合、カラー画情報の親展受信、または白黒2値の画情報の親展受信のいずれかを指定することにより、カラー画情報の親展受信、または白黒2値の画情報の親展受信のいずれかの通信結果一覧を出力することを特徴とする請求項6に記載のファクシミリ装置の制御方法。
【請求項11】 カラー画情報を受信するファクシミリ装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体において、受信した画情報を特定の認証処理が行なわれるまで出力せずメモリに保持する親展受信を行なう工程と、前記親展受信を行なった場合にその旨をユーザに報知する報知工程と、カラー画情報の親展受信を実行した場合と白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合とで報知の態様を変更する制御工程を格納したことを特徴とするファクシミリ装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項12】 前記報知において、カラー画情報の親展受信を実行した場合は、白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合よりも早く出力処理を実行すべきである旨のメッセージを出力するための制御手順を格納したことを特徴とする請求項11に記載のファクシミリ装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項13】 前記報知において、カラー画情報の親展受信を実行した場合は「なるべく早く親展受信情報を出力して下さい」との報知メッセージを出力し、白黒2値の画情報の親展受信を実行した場合は「親展受信情報を出力して下さい」との報知メッセージを出力するための制御手順を格納したことを特徴とする請求項12に記載のファクシミリ装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項14】 前記報知において、カラー画情報の親展受信および白黒2値の画情報の親展受信の双方の親展受信を実行した場合は「カラー情報の親展受信情報から先に出力して下さい」と出力するための制御手順を格納したことを特徴とする請求項12に記載のファクシミリ装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項15】 ユーザの特定の操作に応じて現在未出力の親展受信情報の通信結果一覧を出力する場合、カラー画情報の親展受信、または白黒2値の画情報の親展受信のいずれかを指定することにより、カラー画情報の親展受信、または白黒2値の画情報の親展受信のいずれかの通信結果一覧を出力するための制御手順を格納したことを特徴とする請求項11に記載のファクシミリ装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2002−16811(P2002−16811A)
【公開日】平成14年1月18日(2002.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−195397(P2000−195397)
【出願日】平成12年6月29日(2000.6.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】