説明

ファンモータ

【課題】簡単に製造及び組立・分解をすることができるとともに、性能を低下させることなく、ケーブルとプロペラとの接触による故障、停止や、気流による騒音等の不具合の発生を抑制し、安全に駆動させることができるファンモータを提供する。
【解決手段】プロペラ1と、モータ2と、とハウジング3とを有し、スポーク322の凹孔311側にはスポーク322に沿って平行に配置された弾性変形可能な一対の壁部251を備えたケーブル保持部25が形成されており、凹孔311の内壁部310のケーブル保持部25と当接する部分には、通風方向に伸びるトンネル部331と、トンネル部331の凹孔311側の一部を形成する一対のリブ332とを備えたケーブル収納部33が形成されているファンモータA。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に取り付けられ内部に低温の空気を導入するとともに内部にたまった高温の空気を排出するためのファンモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
内部に電子部品を備えた電子機器では、駆動するときに前記電子部品より発熱する。発熱により、前記電子部品が所定の性能を発揮できなかったり、寿命が短くなったりする場合がある。そこで、電子機器の冷却方法として、内部にたまった高温の空気を強制的に排出するとともに外部の低温の空気を内部に流入させるファンモータを備えた、強制空冷方式が多くの電子機器に採用されている。
【0003】
前記強制冷却用の冷却ファンユニットの一例が、特開2004−241655号公報に示されている。この冷却ファンユニットは、冷却用ファンを駆動するモータを支持している内枠部材と、前記モータに電力を供給するコネクタが取り付けられ、前記内枠部材の外周面を覆う外枠部材とが、防振部材を介して前記内枠部材の外周面と、前記外枠部材の内周面とが当接しないように固定するものである。
【0004】
この構成によると、前記冷却ファンの回転やモータの駆動による振動が内枠部材から外枠部材に伝達されるのを抑制し、これにより、前記冷却ファンユニットの振動が装着されている電子機器の筐体に伝達されるのを抑制することができる。その結果、騒音、電力を供給するためのコネクタのゆがみ、変形等を抑制することができる。
【0005】
また、特開2004−186648号公報に記載の発明は、プロペラを駆動するモータと、前記モータに電力を供給するためのコネクタ部を有しており、前記コネクタ部と前記モータとを接続する電気ケーブルを、コネクタ部のケース及びカバーにて囲まれる空間及び凹形状のケーブル収納部とに収納するものである。
【0006】
従来のファンモータでは、前記ケースの内部にプロペラ及び前記プロペラを駆動するためのモータが配置されており、前記モータには外部より引き込まれた電力ケーブルを用いることで電力が供給されている。
【特許文献1】特開2004−241655号公報
【特許文献2】特開2004−186648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特開2004−186648号公報に記載の発明では、前記モータに電力を供給する電気ケーブルが凹形状のケーブル収納部に収納されているが、外部に露出しているものであり、ファンが筐体の外部に取り付けられた場合、前記電気ケーブルが外部に露出する。前記電気ケーブルが外部に露出することで、前記電気ケーブルに物品が接触して、前記電気ケーブルの被覆を損傷してしまったり、断線させてしまったりする。これより、前記モータの駆動が不安定になってしまう。また、前記ケーブルに不具合が発生すると、電気が放電したり、その電気によって電子機器が誤作動してしまったりする。
【0008】
また、前記ケーブル収納部の凹形状が内部に向かって開くように形成することも可能であるが、前記ケーブル収納部の凹形状より前記電気ケーブルが飛び出すと、、前記ファンによって送られる空気が前記電気ケーブルにて、せん断されて騒音の原因になることもある。
【0009】
また、前記電気ケーブルが前記ファンと接触してしまうこともあり、このことで、前記電力ケーブルの被覆が剥がれたり、前記電力ケーブルが切断されたりして、モータの駆動不良による風量不足の原因や、電子機器の動作不良が発生してしまうことがある。
【0010】
凹形状部を覆うカバー部材を取り付けて、ケーブルの浮き上がりを抑制するようにすることも可能であるが、カバー部材が別途必要であり、組立に手間がかかるとともに、コストが高くなる。
【0011】
そこで本発明は、簡単に製造することができるとともに、性能を低下させることなく、安全に駆動させることができるファンモータを提供することを目的とする。
【0012】
また本発明は、ケーブルとプロペラとの接触による故障、停止や、気流による騒音等の不具合の発生を抑制するとともに、組立・分解を容易に行うことができるファンモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、プロペラと、前記プロペラを回転駆動するモータと、内部に前記プロペラ及び前記モータを格納するハウジングを備えたファンモータであって、前記ハウジングは前記プロペラが回転可能に格納された円柱形状の凹孔を備えた本体部と、前記凹孔の一方の端部を覆うように配置され、空気が通過する通気孔を備えたファンプレートとを有しており、前記本体部には通風方向に伸びるトンネル部と、通風方向に連続して形成され前記トンネル部と前記凹孔の内部とを連結する挿入口とを備え、前記モータに電力を供給する電力ケーブルを収納するケーブル収納部が形成されており、前記ファンプレートの前記凹孔側の面には中央に前記モータが取り付けられるとともに、前記電力ケーブルが通風方向に並んで挿入保持されたケーブル保持部が形成されており、前記挿入口の前記凹孔の周方向長さは前記トンネル部に挿入される電力ケーブルの外径よりも小さく、前記電力ケーブルを押し込むことができる大きさとなるように形成されていることを特徴とする。
【0014】
この構成によると、前記電力ケーブルが前記ファンモータの外部に露出しないように配置することができる。このことは、前記ファンモータが電気機器の外部に露出した状態で取り付けられた場合であっても、前記電力ケーブルに外部からアクセスするのが容易ではなく、それだけ、前記電力ケーブルに物品が接触して断線するのを抑制することができる。
【0015】
これにより、前記電力ケーブルの断線部からの放電により、発熱したり、発火したりする不具合が発生するのを抑制することができ、前記ファンモータを安全に駆動することが可能である。
【0016】
また、前記ケーブル収納部或いは前記ケーブル保持部より露出して、プロペラと接触してしまうのを抑制することができる。これにより、前記電力ケーブルの一部が損傷してしまい、前記モータに定格の電力が供給されず、前記ファンモータの送風能力が低下する不具合が発生するのを抑制することができる。これにより、前記ファンモータの駆動の信頼性を高めることが可能である。
【0017】
上記構成において、前記ケーブル保持部は前記ファンプレートから遠ざかるにつれ、細くなるように形成されているとともに、互いに接近するように前記ファンプレートから並んで突設された一対の壁部を有しており、前記ファンプレートよりも最も遠い部分での前記壁部の間隙は前記電力ケーブル又は前記一対の壁部の少なくとも一方を変形させつつ前記電力ケーブルを前記間隙に押し込むことができる幅で形成されているものであってもよい。
【0018】
この構成によると、前記電力ケーブルを前記ケーブル保持部に押し込むことで、前記ケーブル保持部で前記電力ケーブルを保持することが可能であるので、不具合が発生したときやメンテナンス時の分解が容易である。また、通常駆動時は前記壁部の間隙によって抑えられるので、前記電力ケーブルが抜けるのを抑制することができ、それだけ、前記電力ケーブルの破損による不具合が発生するのを抑制することが可能である。
【0019】
上記構成において、前記ケーブル収納部は前記トンネル部が前記電力ケーブルを前記凹孔の周方向に並んで収納できる形状を有しており、前記トンネル部には、互いに対向して配置され、前記凹孔の内周壁部の一部を形成する一対のリブが形成されており、前記一対のリブの先端同士の間隙が前記挿入口を形成することを特徴とする。前記トンネル部の断面形状として長方形状のもの、台形状のもの、扇形状のもの等、ケーブルを収納することができる形状を広く採用することができる。
【0020】
この構成によると、前記ケーブル収納部に前記電力ケーブルを収納したときに、前記電力ケーブルが前記トンネル部の一部に片寄って配置されてしまっても、前記挿入口の中心と前記電力ケーブルの中心とがずれるので、前記電力ケーブルが抜けるのを抑制することができる。
【0021】
このことは、前記電力ケーブルが前記ケーブル収納部より抜けて、前記プロペラと接触してしまい、前記電力ケーブルが切れたり、被覆がはげてしまったり、前記プロペラが破損してしまったり等の不具合が発生するのを抑制することができる。これにより、前記ファンモータを安全且つ安定して駆動させることが可能である。
【0022】
上記構成において前記トンネル部を通風方向と直交する方向で切断した断面は長手方向が前記電力ケーブルの外径の2倍よりも大きく3倍よりも小さい長方形状であり、前記一対のリブの前記凹孔の周方向長さはいずれも前記電力ケーブルの外径よりも短く形成されているものであってもよい。
【0023】
上記構成において、前記ケーブル収納部が1本の電力ケーブルが収納され前記一対のリブが形成された円柱状の第1収納室と、前記第1収納室の奥側に隣接して形成され1本の電力ケーブルが収納される円柱状の第2収納室とを有しており、前記第1収納室と前記第2収納室との間に形成された一対の仕切り部はその先端の間隙が前記電力ケーブルの外径よりも小さく前記ケーブルを押し込むことができる程度の大きさとなるように形成されており、前記第1収納室及び前記第2収納室に前記電力ケーブルを収納した状態では、前記第1収納室に収納された電力ケーブルと前記一対のリブが密接しているとともに、前記挿入口より一部が前記凹孔の内側に露出しているものであっても良い。
【0024】
この構成によると、前記凹孔から前記ケーブル収納部に気流が進入しにくいので、それだけ、騒音の発生を抑制することができるとともに、前記電力ケーブルが気流によって外部に押し出される不具合が発生するのを抑制することが可能である。
【0025】
上記構成において、前記本体部と前記ファンプレートとが樹脂の一体成型で形成されていてもよく、前記ケーブル保持部と前記ファンプレートとが樹脂の一体成型で形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、簡単に製造することができるとともに、性能を低下させることなく、安全に駆動させることができるファンモータを提供することができる。
【0027】
また本発明によると、ケーブルとプロペラとの接触による故障、停止や、気流による騒音等の不具合の発生を抑制するとともに、組立・分解を容易に行うことができるファンモータを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明にかかるファンモータの正面側から見た斜視図であり、図2は図1に示すファンモータの背面側から見た斜視図であり、図3は図1に示すファンモータの正面図である。図1、図2、図3に示すように、ファンモータAには、プロペラ1と、モータ2と、とハウジング3とを有している。
【0029】
プロペラ1はそれには限定されないがここでは合成樹脂の一体成型で形成されているものである。プロペラ1は円筒形状のハブ11と、ハブ11と一体で形成された複数枚のブレード12(ここでは5枚)とを有している。ハブ11には一方が開口した円筒形状の凹部111が形成されており、凹部111にはモータ2が挿入配置されている。プロペラ1が回転することで、ブレード12が空気をせん断し、ハブ11の軸方向に気流が発生する。
【0030】
ブレード12はハブ11に一体的に連結された回転翼であり、ハブ11周りに隣り合うブレード12同士の中心角度が等しくなるように配置されている。モータ2はそれには限定されないが、ここでは、DCブラシレスモータである。凹部111の内部に配置されたロータケース21と、ロータケース21に配置された12個の磁極を有する磁石22と、9個のコイル(図示省略)が巻かれたコアスロット231を備えたステータコア23とを有している。モータ2のステータコア23はハウジング3に固定されており、ステータコア23にはコイルに電力を供給する電力ケーブル24が接続されている。電力ケーブル24は、2本のケーブル241を備えている。
【0031】
ステータコア23に取り付けられたコイルに所定のタイミングで電力を供給することでコアスロット231と磁石22との磁束が変化して、ロータケース21が回転する。これによりロータケース21が取り付けられたハブ11が回転し、プロペラ1がハウジング3に対して回転する。
【0032】
図4はプロペラ及びモータを取り外した状態のファンモータを示す図である。図4に示すようにハウジング3は、それには限定されないが、樹脂の一体成型で製造される部材であり、本体部31と、ファンプレート32とを有している。
【0033】
本体部31には、中央に通風方向に形成された円柱形状の凹孔311が形成されている。凹孔311は内部にプロペラ1を格納することができる内径を有するものである。凹孔311の内壁部3111はそれには限定されないがここでは滑らかな円筒形状に形成されている。ファンプレート32は中央に形成されたベース321と、ベース321より放射状に伸びる複数のスポーク322と、通気孔323とを有している。図4に示すようにベース321にはモータ2のステータコア23が取り付け固定されるものである。
【0034】
図4に示すように、スポーク322の凹孔311側には電力ケーブル24が保持されるケーブル保持部25が形成されている。また、凹孔311の内壁部310のケーブル保持部25と近接する部分には、電力ケーブル24が収納されるケーブル収納部33が形成されている。
【0035】
ケーブル保持部及びケーブル収納部について図面を参照して説明する。図5はケーブル保持部を拡大した断面図であり、図6はケーブル収納部を拡大した断面図である。図5に示すように、ケーブル保持部25は、スポーク322に沿って平行に配置された弾性変形可能な一対の壁部251を備えている。壁部251はスポーク322と一体に形成されており、スポーク322と接続する部分より通風方向に向けて細くなる断面形状を有し、互いに対向して配置されている。
【0036】
壁部251は先端に向かって互いに接近するように傾けてスポーク322に取り付けられている。壁部251の間隙252の大きさは、スポーク322との接続部近傍の大きさh1が電力ケーブル24の外径Rよりも大きく、先端部の大きさh2が電力ケーブル24のケーブル241の外径Rよりも小さくなっている。
【0037】
ケーブル保持部25にケーブル241を挿入するときに、ケーブル241を1本ずつ壁部251の間隙252に沿わせて配置し、上部よりケーブル241を押圧することで、壁部241又はケーブル241或いはその両方が弾性変形し壁部251の間隙252に押し込まれる。このように2本のケーブル241を挿入されることで、壁部251の間隙252から抜けるのを抑制した状態で保持される。なお、壁部251は、ケーブル241を押圧すれば変形し、ケーブル241を間隙252内部に装着することができるが、ファンモータAの通常運転時にケーブル241に作用する力(例えば、モータ2の振動等による力)では、ケーブル241が抜けない強度を有するものが好ましい。これにより、ケーブル保持部25に保持されたケーブル241は接着剤等の固定材を用いることなく、保持される。
【0038】
図4、図6に示すように、ケーブル収納部33は、凹孔311の内壁部310に、通風方向に伸びるトンネル部331と、トンネル部331の凹孔311側の一部を形成する一対のリブ332とを有している。図6に示すように、一対のリブ332はともに内壁部310の一部を形成するものである。一対のリブ332は互いに対向するように配置されており、先端部同士の間にはケーブル241が挿入される挿入口330が形成されている。
【0039】
トンネル部331の長手方向(プロペラ1の回転方向)の長さは、ケーブル241の直径の2倍以上3倍未満になるように形成されている。また、挿入口330はケーブル241の外径と同じかやや小さめの幅を有し、通風方向に伸びる開口である。一対のリブ332のプロペラ1の回転方向の長さはともに、ケーブル241の外径よりも短くなるように形成されている。
【0040】
挿入口330についてさらに説明すると、挿入口330は、ケーブル241が長手方向端部に寄って配置された場合、端部に近い側のケーブル241(ここでは、241a)が、リブ332(ここでは、ケーブル241aに近い側のリブ332a)に隠れてしまわず、一部が挿入口330より見え、中央に近い側のケーブル241(ここでは、241b)が、リブ332(ここでは、ケーブル241aより遠い側のケーブル332b)に一部が隠れて見えるように形成されている。
【0041】
また、同様に、ケーブル241b側に寄って配置されているときは、ケーブル241bはリブ332bに隠れてしまわず一部が見え、ケーブル241aはリブ332aによって一部が隠れて見えるようになっている。
【0042】
このように、ケーブル241に強い力が付勢しないときは、偏って配置された場合であっても、中央側に配置されたケーブル241が一対のリブ332いずれかに制限されて、挿入口330より飛び出すのが抑制される。なお、プロペラ1が回転しているときは、凹孔311内を空気が流動するので、開口はなるべく小さいほうが好ましい。例えば、ケーブル241を挿入するときに、ケーブル241が変形しつつ確実に挿入できる程度の隙間を持つものが好ましい。
【0043】
上記、ケーブル保持部25は、スポーク322と一体で形成された部材であるが、別に形成されたケーブル保持部25をスポーク322に固定したものであってもよい。
【0044】
図7はケーブル収納部の他の例を拡大したときのファンモータの断面図である。図7に示すように、ケーブル収納部34は、プロペラ1の半径方向に並んで配置された、奥側収納室341、手前側収納室342とを備えている。奥側収納室341と手前側収納室342との間には、プロペラ1の回転方向に対向して伸びる一対の仕切り部343が形成されている。さらに、手前側収納室342の凹孔11側の部分には、プロペラ1の回転方向に互いに対向して配置されたリブ344が形成されている。
【0045】
一対の仕切り部343は先端を接近させて形成されている。一対の仕切り部343はそれぞれ2つの凹曲面を頂点が形成されるように並べた形状を有するものであり、互いに、奥側収納室341及び手前側収納室342の内壁面の一部を形成している。一対の仕切り部343の先端同士をつなぐ長さは、ケーブル241を押しつけたときに、ケーブル241或いは仕切り部343が変形しつつ押し込まれる程度のものが好ましい。
【0046】
また、一対のリブ344も同様に、先端が接近されて形成されており、先端部同士を結んだ長さはケーブル241の外径よりも小さい挿入口345が形成されている。このように、挿入口345がケーブル241の外径よりも小さく形成されていることで、ケーブル241に挿入時と同等以上の力が付勢しない限り、ケーブル241がケーブル収納部34から出ることはない。なお、挿入口345は、ケーブル241を押し付けることで、ケーブル241或いはリブ344が変形しつつ、手前側収納室342に押し込むことができる程度に狭いものが好ましい。
【0047】
図7に示すように、奥側収納室341にケーブル241(ここでは、ケーブル241cと示す)が、手前側収納室342にケーブル241(ここでは、ケーブル241dと示す)がそれぞれ収納されている。ケーブル収納部34に収納されている状態では、ケーブル241cの奥側の部分は奥側収納室341の奥側の内壁部と当接しており、手前側の部分はケーブル241dの奥側部分と接触している。また、ケーブル241dの手前側部分は一対のリブ344の両方と接触し、一部が凹孔11側に突出している。挿入口345がケーブル241dに塞がれて形成されている。
【0048】
このように、挿入口345がケーブル241dに塞がれており、プロペラ1の回転により発生する気流が、ケーブル収納部34に流れ込まないので、ケーブル241(241c、241d)が気流にあおられて、挿入口345より抜けてしまったり、騒音が発生するのを抑制することが可能である。
【0049】
以上、発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明のファンモータは、電子機器の内部にたまった高温の空気を外部に放出するとともに、外部の低温の空気を前記電子機器の内部に導入し、前記電子機器の内部に配置された電子部品等の構成部品の冷却を行う冷却ファン装置において適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明にかかるファンモータの斜視図である。
【図2】図1に示すファンモータを、図1における矢線X方向(通風方向)から見た平面図である。
【図3】プロペラの詳細を示す図である。
【図4】従来の光ディスク駆動機構の縦断面図である。
【図5】ケーブル保持部を拡大した断面図である。
【図6】ケーブル収納部を拡大した断面図である。
【図7】ケーブル収納部の他の例を拡大したときのファンモータの断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 プロペラ
11 ハブ
12 ブレード
2 モータ
21 ボス
22 磁石
23 コイル
24 電力ケーブル
25 ケーブル保持部
251 壁部
252 間隙
3 ハウジング
31 本体部
311 凹孔
32 ファンプレート
321 ベース
322 スポーク
323 通気孔
33 ケーブル収納部
330 挿入口
331 トンネル部
332 リブ
34 ケーブル収納部
341 奥側収納室
342 手前側収納室
343 仕切り部
344 リブ
345 挿入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロペラと、
前記プロペラを回転駆動するモータと、
内部に前記プロペラ及び前記モータを格納するハウジングを備えたファンモータであって、
前記ハウジングは前記プロペラが回転可能に格納された円柱形状の凹孔を備えた本体部と、前記凹孔の一方の端部を覆うように配置され、空気が通過する通気孔を備えたファンプレートとを有しており、
前記本体部には通風方向に伸びるトンネル部と、通風方向に連続して形成され前記トンネル部と前記凹孔の内部とを連結する挿入口とを備え、前記モータに電力を供給する電力ケーブルを収納するケーブル収納部が形成されており、
前記ファンプレートの前記凹孔側の面には中央に前記モータが取り付けられるとともに、前記電力ケーブルが通風方向に並んで挿入保持されたケーブル保持部が形成されており、
前記挿入口の前記凹孔の周方向長さは前記トンネル部に挿入される前記電力ケーブルの外径よりも小さく、前記電力ケーブルを押し込むことができる大きさで形成されていることを特徴とするファンモータ。
【請求項2】
前記ケーブル保持部は前記ファンプレートから遠ざかるにつれ、細くなるように形成されているとともに、互いに接近するように前記ファンプレートから並んで突設された一対の壁部を有しており、
前記ファンプレートよりも最も遠い部分での前記壁部の間隙は前記電力ケーブル又は前記一対の壁部の少なくとも一方を変形させつつ前記電力ケーブルを前記間隙に押し込むことができる幅で形成されているものであることを特徴とする請求項1に記載のファンモータ。
【請求項3】
前記ケーブル収納部は前記トンネル部が前記電力ケーブルを前記凹孔の周方向に並んで収納できる形状を有しており、
前記トンネル部には、互いに対向して配置され、前記凹孔の内周壁部の一部を形成する一対のリブが形成されており、
前記一対のリブの先端同士の間隙が前記挿入口を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のファンモータ。
【請求項4】
前記トンネル部を通風方向と直交する方向で切断した断面は長手方向が前記電力ケーブルの外径の2倍よりも大きく3倍よりも小さい長方形状であり、
前記一対のリブの前記凹孔の周方向長さはいずれも前記電力ケーブルの外径よりも短く形成されていることを特徴とする請求項3に記載のファンモータ。
【請求項5】
前記ケーブル収納部は1本の電力ケーブルが収納され前記一対のリブが形成された円柱状の第1収納室と、前記第1収納室の奥側に隣接して形成され1本の電力ケーブルが収納される円柱状の第2収納室とを有しており、
前記第1収納室と前記第2収納室との間に形成された一対の仕切り部はその先端の間隙が前記電力ケーブルの外径よりも小さく前記ケーブルを押し込むことができる程度の大きさとなるように形成されており、
前記第1収納室及び前記第2収納室に前記電力ケーブルを収納した状態では、前記第1収納室に収納された電力ケーブルと前記一対のリブが密接しているとともに、前記挿入口より一部が前記凹孔の内側に露出していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のファンモータ。
【請求項6】
前記本体部と前記ファンプレートとが樹脂の一体成型で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のファンモータ。
【請求項7】
前記ケーブル保持部と前記ファンプレートとが樹脂の一体成型で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のファンモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−309017(P2008−309017A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155871(P2007−155871)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】