説明

フィルター

【課題】皮膚の光線治療等の用途に供するため、300nm以下の波長域における透過率を極めて低くするとともに、300nm以上の波長域における透過率を十分に確保することが可能なフィルターを提供することを目的とする。
【解決手段】無水・無酸素フッ化アルミニウムガラスからなるフィルターであって、フッ化バリウム(BaF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化アルミニウム(AlF)の含有モル%比率がa:b:cであり、aの値が14.00〜24.00の範囲、bの値が28.25〜38.25の範囲、及びcの値が37.25〜47.25の範囲であり、YF、SrF、LaFのうちのいずれか一つを含み、YFを2.5〜20.0モル%、SrFを2.5〜7.5モル%、又はLaFを2.5〜7.5モル%、含み、さらに、セリウム(Ce)を含有する。図に、本発明のフィルターの光透過強度分布を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線を遮蔽するフィルターに関する。特に、フッ化物ガラスを母材として、Ceを含有してなるフィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人体の皮膚病(乾癬、にきび)を治療するための紫外線(UV)を用いた光線治療が着目されつつある。具体的には、にきびの治療に関しては波長320〜400nmのUV−A領域の紫外光を、乾癬の治療に関しては波長290〜320nmのUV−B領域の紫外光を人体に対して照射するというものである。
【0003】
これらの光線治療は特定の波長域の光を皮膚に照射し、光と皮膚組織との相互作用により免疫反応に変化を生じさせることで効果を発生していると考えられている。しかし同時に、紫外光は人体に対し種々の悪影響を与えることが知られており、UV−B領域の特に波長300nm以下の紫外光は皮膚に対し紅斑(日焼け)を生じさせる。この紅斑を起こさないUV−B光の絶対量は皮膚の性質や照射量に依存するが、より短波長になるほど紅斑の危険性は高くなることから、人体に照射されることのないよう所定のフィルター等により極力遮蔽することが望ましい。すなわち、皮膚の光線治療においては、波長300nm以下の光を確実に遮蔽する一方、波長300nm以上の光は透過させて有効に利用する必要がある。
【0004】
このような光の利用形態として、その他にも、プラスチック、繊維などの耐光性の判定に使用される耐候性試験が挙げられる。耐候性試験に供する耐候性試験機は、波長300nm以上の紫外光を被処理体に照射して被処理体の光劣化の評価を行うべく、試験用光源としてキセノンランプ等の放電ランプを使用するため、被処理体を直接太陽光に曝して耐候性評価を行う試験方法に比して評価に要する時間が短い、という利点を有する。しかし、
キセノンランプは太陽光に比して波長300nm以下の波長域における紫外光の強度が大きいため、太陽光に直接曝す試験方法とのデータの相関性を取る必要が生じる。そのため、耐光性試験機、太陽光に曝す試験共に、波長300nm以下の紫外光を遮蔽することが行われている。
【0005】
従来、波長300nm以下の紫外光を遮蔽するため、例えば特許文献1に示すように、FeとTiOを含有した硼珪酸ガラスからなるフィルターが使用されていた。特許文献1によると、肉厚2mmのガラスにおける透過率が、波長275nmで2%以下、波長320nmで75%以上であることが記載されている。しかしながら、かかるフィルターを使用したのでは、波長300nm以下の紫外光の遮蔽が完全でなく、波長300nm以上の紫外光が一部遮蔽されてしまい完全に透過させることができないため、所望の光線治療及び耐候性試験を行うことができない、という問題が生じる。
【0006】
近年、紫外域から可視域における透過率に優れるフッ化物ガラスが着目されている。フッ化物ガラスは、適宜添加物を加えることにより所望の透過率特性を持った製品を容易に作製することができ、溶融温度が低いことにより成形が容易であり、さらには、光学的均質性及び光化学的耐久性に優れる等の利点を有する。従って、光線治療等の用途に供するフィルターをフッ化物ガラスから構成することにより、高い信頼性を得ることが期待できる。
【0007】
しかし、例えば特許文献2に示すように、フッ化物ガラスは、紫外域から可視域における透過率に優れることにより波長300nm以上の紫外光を有効に利用することができる反面、300nm以下の波長域の透過率が高いことに起因して、フッ化物ガラスからなるフィルターを使用して光線治療等を行った場合には、上記のように人体の皮膚に赤斑を生じさせるという問題を生じる。
【特許文献1】特開平6−135739号
【特許文献2】特開平11−246234号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上から本発明は、皮膚の光線治療等の用途に供するため、フッ化物ガラスに最適な添加物を加えることにより、300nm以下の波長域における透過率を極めて低くするとともに、300nm以上の波長域における透過率を十分に確保することが可能なフィルターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、フッ化物ガラスに添加物を加えることにより、波長300nm以下の領域における光透過率が減少することについて鋭意検討した結果、Ce(セリウム)イオンが295nm〜305nmの波長域において強い光吸収を示すことを見出した。そして、フッ化物ガラスにCeイオンを加えると、後述するように3価希土類イオンのエネルギー順位に起因して、300nm以下の波長域における光の透過率を殆ど0にすることができることに着目して、本発明を完成した。
【0010】
これにより、本発明は、無水・無酸素フッ化アルミニウムガラスからなるフィルターであって、フッ化バリウム(BaF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化アルミニウム(AlF)の含有モル%比率がa:b:cであり、aの値が14.00〜24.00の範囲、bの値が28.25〜38.25の範囲、及びcの値が37.25〜47.25の範囲、であり、フッ化イットリウム(YF)、フッ化ストロンチウム(SrF)、フッ化ランタン(LaF)のうちのいずれか一つを含み、YFを2.5〜20.0モル%、SrFを2.5〜7.5モル%、又はLaFを2.5〜7.5モル%、含み、さらに、セリウム(Ce)を含有する無水・無酸素フッ化アルミニウムガラスからなることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明は、前記Ceの含有量が、ガラスを形成する上述した陽イオンに対して原子百分率で1〜10at.%であることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明は、吸収端が波長300nmの近傍に位置するとともに、波長傾斜幅が20nm以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のフィルターを使用すれば、Ceの含有量及びフィルターの厚みを適宜調整することにより、下記の効果を得ることができる。すなわち、吸収端が300nmの近傍となるようにし、300nm以下の波長域の光を確実に遮蔽することができるとともに、300〜320nmの波長域における透過率曲線が急峻な立ち上がり特性を有するようにし、当該波長域における透過率を十分に確保することができる。これにより、皮膚に対して300nm以下の波長域の光が照射されることにより皮膚に赤斑が生じる、という問題が生じることがなく、皮膚治療に必要とされる波長域における光の強度を十分に確保することができるため、皮膚治療を良好に行うことができる。
【0014】
さらに、キセノンランプ等の放電ランプを用いた耐候性試験の用途に使用した場合には、
300nm以下の波長域の紫外光を確実に遮蔽することができるため、太陽光に直接曝して耐候性評価を行う試験方法とのデータの相関性を取ることができることによりデータの信頼性を向上させることができる。これにより、前記方法に比して評価に要する時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明のフィルターを構成する無水・無酸素フッ化アルミニウムガラスは、BaF、CaF、AlFの含有モル%比率がa:b:cであり、上記aの値が14.00〜24.00の範囲、上記bの値が28.25〜38.25の範囲、上記cの値が37.25〜47.25の範囲であるガラスであって、YF、SrF、LaFのうちのいずれか一つを含み、その含有量は、YFが2.5〜20モル%、SrFが2.5〜7.5モル%、LaFが2.5〜7.5モル%、さらに、Ceを含み、無水・無酸素である。
好ましくは、Ceの含有量は、1〜10at.%である。また、無水・無酸素であることとは、ガラスの基本骨格にO、OH等が導入されたものでないことである。
【0016】
上記a:b:cの値は、AlFを核としてガラス化できる好適な範囲であり、上記範囲を外れるとガラスを形成することが難しくなる。AlFはガラス形成成分として必須であり、上記範囲外ではガラスが得られにくく、また、ガラスの結晶化傾向を大きくする。BaF、CaFも同様に、上記範囲外ではガラスが得られにくい。また、AlFは、フッ化アルミニウムガラスのガラス骨格を形成する成分として、ガラス形成の安定化、ガラス構造の安定化、ガラスの光学的特性、紫外線透過性及び化学的耐久性等のガラスの基本的諸性質を大きく左右する重要成分である。また、BaF、CaFは、ガラス形成の安定化、ガラス構造の安定化、ガラスの耐失透性の向上等に寄与する成分である。
【0017】
BaF、CaF、AlFからなる3元系フッ化アルミニウムガラスに、ガラス安定剤として、YF、SrFおよびLaFのいずれか一つを添加し、その含有量を、YFが2.5〜20モル%、SrFが2.5〜7.5モル%、LaFが2.5〜7.5モル%とすることによって、ガラス化範囲を広げ、安定にガラスを形成することができる。この理由は、以下のように考えられる。フッ化アルミニウムガラスは、下記のような数個のAl−F−Alのユニットを形成していると考えられる。
【0018】
【化1】

【0019】
そして、これにYFが添加されると、上記のようなユニットがさらにYを介して大きな陰イオンネットワークを作り安定化が促進されると考えられる。
【0020】
【化2】

【0021】
上記ユニットは、液体状態で安定であるが、これにYFを添加するとさらに大きな陰イオンネットワークが形成され、液体粘度が上昇し、物質移動ができなくなり、安定なガラス形成が可能になるものと考えられる。SrF、LaFを添加した場合も、YFを添加した場合と同様に安定なガラス形成が可能になるものと考えられる。
【0022】
さらに、フッ化アルミニウムガラスは、Ceを含んでいることにより、300nm以下の波長域における光の透過率が殆ど0になる程度まで低下する。その理由は以下のように考えられる。Ce3+イオンは希土類イオンであるが、通常のf−f遷移ではなく吸収、発光遷移にはd軌道が含まれるため幅広い吸収、発光スペクトルを持つ。Ce3+イオンの吸収は、4f→5d遷移により起こり、その吸収帯は250nm付近にピークを持ち200〜300nmにわたるブロードな吸収を示す。この吸収帯の長波長端が300nmに位置しているため、300nm以下を吸収し、また300nm以上を放射する理想的なフィルターが得られた訳である。
また、Ce3+イオンのf→d遷移は許容遷移であるため他の希土類と比較して吸収断面積が大きくなるため、ドープ量に対する吸収効率が高いこともフィルターとして有用であると考えられる。
【0023】
このような効果は、BaF、CaF、AlFからなる3元系フッ化アルミニウムガラスに対し、YF、SrFおよびLaFのいずれを添加した場合にも得ることができると考えられる。これは、以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、先にも述べたように、第4成分の添加は安定なガラス化範囲を広げ、ガラス骨格の安定化に寄与する。これらの成分を添加したフッ化物ガラス系では光吸収を起こす吸収端は150−160nm程度であり、Ceが光吸収を示す波長領域の200〜300nmでは光吸収を示さない。したがってCeの光吸収は母ガラスの骨格構造に影響されることはなく、たとえ母ガラスの吸収端が異なっていても、その吸収帯は250nm付近にピークを持ち200〜300nmにわたるブロードな吸収を示すものと考えられるためである。
【0024】
以下、本発明の作用効果を確認するために行った実験について説明する。
【0025】
〔実施例〕
(1)ガラスの組成比
本実施例においては、BaFが19モル%、CaFが33.25モル%、AlFが42.75モル%、YFが5モル%の組成比からなる母材ガラスを使用し、Ceの原料としてCeFを使用し、その添加量を、0.1モル%、1.0モル%、5.0モル%、10モル%の4通りに変えてバッチを調整した。
(2)フィルターの作製
上記バッチに対し、ガラス試料を作製すべく以下に示す作業を行った。バッチを十分混合した後、グラッシーカーボンるつぼを用いて溶融した。溶融条件は、850〜950℃において30分とし、溶融は乾燥窒素雰囲気中で行った。融液をるつぼごとカーボンモールド上で急冷し、450℃において30分アニール後、ガラス試料を得た。得られたガラス試料を、厚みが1.0〜2.5mmの範囲となるよう成形し、両面について研磨を行い鏡面に仕上げフィルターとした。
CeFの添加量が0.1モル%、厚みが1.0mmのガラスを実施例1とし、CeFの添加量が1.0モル%、厚みが1.5mmのガラスを実施例2とし、CeFの添加量が5.0モル%、厚みが1.5mmのガラスを実施例3とし、CeFの添加量が5.0モル%、厚みが2.5mmのガラスを実施例4とし、CeFの添加量が10.0モル%、厚みが2.0mmのガラスを実施例5とした。
〔比較例〕
CeFを添加していないことの他は、上記実施例と同じ組成比のガラスを実施例と同様にして作製し、これを比較例とした。比較例のガラスの厚みは1mmである。
【0026】
作製したガラス中における添加したCe量の具体的な測定方法について以下に示す。両面研磨後のガラス試料中Ce量の定量には蛍光X線分析装置を用いた。同分析手法は、非破壊測定であり、また特別な前処理が要らない簡易的な手法であることから有用である。広範囲のエネルギー領域を同時に測定出来るエネルギー分散型の装置を使用した。同装置を使用しガラス試料の表面を定量分析した結果、上述した実施例1から4に含有されるCeの他の陽イオンに対する原子百分率(at.%)はそれぞれ、0.1、1.0、5.0、10.0at%であった。同一試料について数箇所の測定を行ったが測定箇所による誤差は5%以下であった。
【0027】
実施例及び比較例に係るフィルターに対し、重水素ランプ、ハロゲンランプのような光源からの光を照射して、紫外域から可視域にかけての光の透過強度分布を調べた結果を図1に示す。
図1に示すように、実施例1,2,3,4,5のフィルターにおいては、透過率曲線が急峻な立ち上がり特性を示すことが確認された。特に、実施例4,5のフィルターは、波長300nmの近傍に吸収端を有することが確認された。尚、実施例1,2,3のフィルターは、300nm以下の波長域において光透過性を有するが、透過率曲線はフィルターの厚みに影響を受け、厚みが大きい程長波長側にシフトすることが一般的であるため、その厚みを増加させるよう適宜調整することによって290〜300nmの波長域における透過率を殆ど0とすることができる。例えば、実施例3のフィルターと実施例4のフィルターとを比較すると、Ceの含有量が同じ場合にフィルターの厚みを増すことによって、その吸収端が長波長側にシフトすることが明らかである。
一方、比較例1のフィルターは、その吸収端が150nm近傍に位置している。従って、比較例1のフィルターを使用して300nm以上の波長域の光を遮蔽しようとすると、その厚みを極めて大きくせねばならないため、ガラス化の困難性及びコストの面から好ましくない。
【0028】
ここで、波長傾斜幅Δλ(nm)について以下に説明する。波長傾斜幅は、吸収端の立上りの急峻さを示す指数であり、下記の式(1)で示され、λ1(nm)は透過率が72%になる波長を示し、λ2(nm)は透過率が5%になる波長を示す。
特に、乾癬治療の分野においては、前述したように、290〜320nmの波長域の光を必要とする一方で、人体への悪影響を避けるべく300nm以下の波長域の光を遮蔽する必要があるため、λ1が320nm以下であるとともに、λ2が300nm以上であることが好ましい。従って、乾癬治療の分野においては、波長傾斜幅Δλが20以下であることが好ましい。また、波長傾斜幅Δλが20以下であることは、乾癬治療のみならず、にきび治療の分野においても当然に好ましい。
実施例1,2,3,4,5のフィルターの波長傾斜幅Δλは、図1からそれぞれ、28.5,16.5,16.5,9.0,10.0と求められる。実施例2,3,4,5のフィルターは、その波長傾斜幅Δλが何れも20以下であることから、乾癬治療用及びにきび治療用のフィルターとして好ましいことが明らかである。
【0029】
【数1】

【0030】
ここで、母材となるフッ化物ガラスに対するCeの添加量は、ガラス中の他の陽イオンに対して1〜10at.%であることが好ましい。その理由は以下のとおりである。
すなわち、添加量が10at.%を超えると、結晶化してしまうため安定にガラスを得ることが困難だからであり、添加量が1at.%未満であると、透過率曲線が短波長側に存在することになるため、フィルターの厚みを極めて大きくせねばならないことにより、ガラス化が困難である上にコスト面で不利になるからである。
【0031】
以上のような本発明のフィルターを使用すれば、Ceの含有量及びフィルターの厚みを適宜調整することにより、下記の効果を得ることができる。すなわち、吸収端が300nmの近傍となるようにし、300nm以下の波長域の光を確実に遮蔽することができるとともに、300〜320nmの波長域における透過率曲線が急峻な立ち上がり特性を有するようにし、当該波長域における透過率を十分に確保することができる。これにより、皮膚に対して300nm以下の波長域の光が照射されることにより皮膚に赤斑が生じる、という問題が生じることがなく、皮膚治療に必要とされる波長域における光の強度を十分に確保することができるため、皮膚治療を良好に行うことができる。
【0032】
本発明のフィルターは上記の実施形態に限定されることなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態によれば、皮膚治療用のフィルターについて説明しているが、これに限らず、例えば耐候性試験等の他の用途に使用することもできる。要は、300nm以下の波長域の光を遮蔽するとともに、300nmを超える波長域の光を利用するのであれば、用途は問わない。
【0033】
また、母材となるフッ化物ガラスの組成は、上記実施例に示した組成に限定されるものではなく、ガラス形成の安定化、ガラス構造の安定化、ガラスの光学的特性、紫外線透過性及び化学的耐久性等のガラスの基本的諸性質を損なわない範囲で適宜変更することができる。さらにCeの含有方法についてもCeFの形態のみではなく、その他の形態も考えられる。要は、ガラス中に存在しており、250nm付近に吸収のピークを持てばガラス中の形態も問わないものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】フィルターを透過する光の透過強度分布を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無水・無酸素フッ化アルミニウムガラスからなるフィルターであって、
フッ化バリウム(BaF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化アルミニウム(AlF)の含有モル%比率がa:b:cであり、aの値が14.00〜24.00の範囲、bの値が28.25〜38.25の範囲、及びcの値が37.25〜47.25の範囲、であり、
フッ化イットリウム(YF)、フッ化ストロンチウム(SrF)、フッ化ランタン(LaF)のうちのいずれか一つを含み、YFを2.5〜20.0モル%、SrFを2.5〜7.5モル%、又はLaFを2.5〜7.5モル%、含み、
さらに、セリウム(Ce)を含有する無水・無酸素フッ化アルミニウムガラスからなることを特徴とするフィルター。
【請求項2】
前記Ceの含有量が、ガラスを形成する上述した陽イオンに対して原子百分率で1〜10at.%であることを特徴とする請求項1に記載のフィルター。
【請求項3】
吸収端が波長300nmの近傍に位置するとともに、波長傾斜幅が20nm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフィルター。






【図1】
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【公開番号】特開2006−199559(P2006−199559A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−15943(P2005−15943)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】