説明

フォトスピナー設備の噴射不良制御装置

【課題】スピナー設備においてノズルを通してケミカル溶液が噴射されるときにノズルの目詰まりを検出してケミカル溶液の噴射不良を低減する噴射不良制御装置を提供する。
【解決手段】フォトスピナー設備の噴射不良制御装置において、ケミカル溶液を噴射するノズルと、前記ノズルの噴射圧力を感知する少なくとも1つ以上の圧力センサーと、前記圧力センサーで感知された圧力値を受けて予め設定された圧力値と比較して予め設定された圧力値を超過するときにインターロック信号を発生するコントローラーと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピナー設備の噴射不良制御装置に係るもので、特にスピナー設備においてノズルを通してケミカル溶液が噴射されるときにノズルの詰まり状態を検出してケミカル溶液の噴射不良を制御するスピナー設備の噴射不良制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体製造工程はファブリケーション(Fabrication)、アセンブリ、テストに区分され、前記ファブリケーションは原資材ウェハが投入されてから拡散、写真、食刻、薄膜工程を幾度も反復して進行しながら、電機回路を構成してウェハ状態で電気的に完全に動作できるウェハ状態の半製品を作る工程である。
【0003】
前記工程のなかで写真工程は研磨されたシリコンウェハの表面保護及び写真食刻のためにその表面に酸化膜を形成し、その酸化膜上に液体状態のケミカル溶液を落とした後に高速回転させて均一なコーティング膜を形成する。このようにウェハにケミカル溶液をコーティングした後にマスクを掛けてケミカル溶液の塗布されたウェハに光を照射し、光が当った部位だけを反応するようにする。次いで、ウェハの酸化した表面が反応するように現像して一種の虚像を形成した後、ケミカル溶液の下に成長、沈積、蒸着された薄膜をガスまたはケミカルを用いて食刻してパターンを形成する。このようなフォト工程においてケミカル溶液はパターンを形成するに非常に重要な比重を有し、これはウェハにケミカル溶液がどのぐらいの厚さで塗布されるかに従い回路線幅(CD)の正確を期することができるようになる。
【0004】
そこで、ケミカル溶液をウェハに塗布するための装置が特許文献1に開示されている。特許文献1にはフォトレジスト膜に所望しない気泡が含まれることを防止するため、貯蔵タンク交換バルブの前端に設置されたセンサーが誤動作しても、貯蔵タンク交換バルブとケミカル溶液塗布用管との間に連結された補助センサーによりケミカル溶液の残量を最終的に確認感知している。これにより、良好なケミカル溶液膜を製造することができるとの内容が開示されている。
【0005】
また、ケミカル溶液をウェハに均一に塗布するための装置が特許文献2に開示されている。特許文献2では、ケミカル溶液の吐出量及び圧力を一定にして、ノズルでウェハ上に前記ケミカル溶液を均一に塗布することが開示されている。
図2は従来のケミカル溶液噴射装置の構成図であって、このようなケミカル溶液噴射装置は、ケミカル溶液が貯留された少なくとも2つ以上だけ備えるボトル12a,12bと、これら各ボトル12a,12bから上述のスピンチャック42までの間にはケミカル溶液の流通経路をなすケミカル供給ライン14と、パージガス供給源11からボトル12a,12bの内部に所定の圧力でパージガスを供給するパージガス供給管16と、が連結されて構成される。そして、前記各ボトル12a,12bから延長されて前記供給ライン上に、所定量のケミカル溶液を収容するトラップタンク18と該トラップタンク18を通過するケミカル溶液の流動をコントローラー20の信号に従い制御する第1及び第2バルブ22とが具備される。前記トラップタンク18上のケミカル溶液の存在有無を確認するように発光部及び受光部からなるフォトセンター24a,24bが具備され、前記フォトセンサー24a,24bで感知された信号をコントローラー20に印加してケミカル溶液の流動を制御する。
【0006】
そして、前記各ボトル12a,12bから延長されてそれぞれが相互結合される部位の以後の供給ライン上には、流動するケミカル溶液に再度強制的流動圧を提供するポンピング部19と、供給ラインにそって流動するケミカル溶液に含有された各種異物質と変質されたケミカル溶液の沈殿物及び気泡などをフィルタリングするためのフィルタ30と、フィルタ30の一側に連結されて噴射を完了するときに噴射されるケミカル溶液の残余滴が落ちないように吸入作用をするサックバックバルブ26と、前記サックバックバルブ26の末端に連結されてケミカル溶液を噴射するノズル28と、を備える。そして、前記フィルタ30の他側に連結されてフィルタ内部に充填された気泡を除去できるようにエアバルブ34の設置された気泡排出ライン32を備える。
【0007】
ウェハW上にケミカル溶液を塗布するためにはコントローラー20の制御により第1バルブ15または第2バルブ17が開けられると、ボトル12a,12bからポンピング部19にケミカル溶液が流入する。ポンピング部19はコントローラー20の制御により流入したケミカル溶液を加圧してケミカルフィルタ30に伝達する。ケミカルフィルタ30は加圧されたケミカル溶液をフィルタリングする。前記ケミカルフィルタ30でフィルタリングされたケミカル溶液はポンピング部19の加圧によりノズル28を通じて噴射される。前記ノズル28はケミカル溶液をウェハに均一に噴射するために多数の噴射ホール29が一定間隔で形成されている。
【0008】
【特許文献1】韓国特許公開1999−69167号公報
【特許文献2】米国特許US6,332,924B1明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記のような従来のフォトスピナーの噴射装置は長時間使用するときに多数の噴射ホール29が目詰まりしやすいため、ウェハWにケミカル溶液が均一に噴射されず、品質不良が発生するとの問題点があった。
そこで、本発明の目的は、上述のような問題を解決するためにフォトスピナ設備においてノズルの噴射ホールの目詰まりに起因する品質不良発生を低減するフォトスピナー設備の噴射不良制御装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、ノズルの噴射ホールの目詰まりを検出して工程の進行を中止させることにより、品質不良の発生を低減するフォトスピナー設備の噴射不良制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的を達成するため本発明によるフォトスピナー設備の噴射不良制御装置は、ケミカル溶液を噴射するノズルと、前記ノズルの噴射圧力を感知する少なくとも1つ以上の圧力センサーと、前記圧力センサーで感知された圧力値を受けて予め設定された圧力値と比較して予め設定された圧力値を超過するときにインターロック信号を発生するコントローラーと、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、フォトスピナー設備の噴射不良制御装置では、前記ノズルはケミカル溶液を噴射するための多数の噴射ホールを備えることを特徴とする。
また、フォトスピナー設備の噴射不良制御装置では、前記予め設定された圧力値は0.1MPaであることを特徴とする。
さらに、フォトスピナー設備の噴射不良制御装置では、前記圧力センサーは前記ノズルの両側面にそれぞれ設置することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、フォトスピナー設備においてウェハへケミカル溶液を噴射する際、ノズルの噴射圧力をチェックして噴射ホールが目詰まりしたか否かをチェックし、噴射ホールに目詰まりが生じた場合にはインターロックを発生して工程進行を中止させる。これにより、ケミカルの不均一さに起因する品質不良の発生を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明による好ましい実施例を添付図を参照して詳しく説明する。そして、本発明を説明するにあたって、関連の公知機能或いは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に濁すことができると判断される場合、その詳しい説明を省略する。
図1は本発明の一実施例によるケミカル溶液の噴射装置の構成図である。
【0015】
ケミカル溶液の噴射装置は、1つのスピンチャック42に対しケミカル溶液が貯留されたボトル12a,12bを少なくとも2つ備えている。ケミカル溶液の噴射装置は、ケミカル供給ライン14と、パージガス供給源11と、パージガス供給管16と、トラップタンク18と、第1バルブ15及び第2バルブ17と、フォトセンサ24a、24bと、ポンピング部(PUMP)19と、ケミカルフィルタ30と、サックバックバルブ26と、ノズル28と、第1圧力センサー25及び第2圧力センサー27と、コントローラー20とを備えている。
【0016】
ケミカル供給ライン14は、各ボトル12a,12bでケミカル溶液の供給経路をなしている。パージガス供給源11は、パージガスを供給する。パージガス供給管16は、パージガス供給源11からボトル12a,12bの内部に所定圧力でパージガスを供給する。トラップタンク18は、前記各ボトル12a,12bから延長されて前記供給ライン上に所定量のケミカル溶液を収容し、気泡を除去する。第1バルブ15及び第2バルブ17は、前記トラップタンク18を通過するケミカル溶液の流動をコントローラー20の信号に従い制御する。
【0017】
フォトセンサ24a、24bは、発光部及び受光部からなり、トラップタンク18上のケミカル溶液の存在有無を確認する。ポンピング部19は、前記ボトル12a,12bから延長されてそれぞれが相互結合される部位の以後の供給ライン上で流動するケミカル溶液に再度強制的流動圧を提供する。ケミカルフィルタ30は、供給ラインにそって流動するケミカル溶液に含有された各種異物質と、変質したケミカル溶液の沈殿物及び気泡などとをフィルタリングする。サックバックバルブ26は、ケミカルフィルタ30の一側に連結されて噴射を完了するときに噴射されるケミカル溶液の残余滴が落ちないように吸入作用をする。ノズル28は、前記サックバックバルブ26の末端に連結されてケミカル溶液を噴射する。第1圧力センサー25及び第2圧力センサー27は、前記ノズル28の両側端にそれぞれ設置されて噴射圧力を感知する。コントローラー20は、前記第1圧力センサー25及び第2圧力センサー27で感知された圧力値を受けて予め設定された圧力値と比較し、予め設定された圧力値を超過するときにインターロック信号を発生する。
【0018】
図1を参照して本発明の好ましい実施例の動作を詳しく説明する。
ウェハW上にケミカル溶液を塗布するためにコントローラー20の制御により第1バルブ15または第2バルブ17が開けられると、ボトル12a,12bからポンピング部19にケミカル溶液が流入する。ポンピング部19は流入したケミカル溶液を加圧してフィルタ30に供給する。ケミカルフィルタ30は加圧されたケミカル溶液内に含まれた異物質をフィルタリングする。前記ケミカルフィルタ30でフィルタリングされたケミカル溶液は、ポンピング部19の加圧によりノズル28の多数の噴射ホール29を通して噴射される。このようにしてスピンチャック42に置かれたウェハWにケミカル溶液が噴射される。
【0019】
上記のようにスピンチャック42の置かれたウェハWにケミカル溶液を噴射する場合、第1圧力センサー25及び第2圧力センサー27はノズル28に加わる圧力を感知する。第1圧力センサー25及び第2圧力センサー27で感知された圧力値はコントローラー20に印加され、コントローラー20は前記第1圧力センサー25及び第2圧力センサー27で感知された圧力値がそれぞれ予め設定された圧力値、例えば0.1MPaを超過するか否かを検査する。そして、感知された圧力値が予め設定された圧力値0.1MPaを超過する場合、コントローラー20はインターロック信号を発生して工程の進行を中止させる。即ち、ノズル28の多数の噴射ホール29に目詰まりが生じていない場合、第1圧力センサー25及び第2圧力センサー27で感知される噴射圧力はほぼ0.1MPaであるのに対し、噴射ホール29に目詰まりが生じている場合、第1圧力センサー25及び第2圧力センサー27で感知される圧力は0.1MPaよりも高くなる。従って、コントローラー20は第1圧力センサー25及び第2圧力センサー27で感知された圧力が0.1MPaよりも高くなると、噴射ホール29に目詰まりが生じたと判断してインターロックを発生する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例によるケミカル溶液噴射装置の構成図である。
【図2】従来のケミカル溶液噴射装置の構成図である。
【符号の説明】
【0021】
11:パージガス供給源、12a,12b:ボトル、14:供給ライン、15,17:第1及び第2バルブ、16:パージガス供給管、18:トラップタンク、19:ポンピング部、20:コントローラー、24a,24b:フォトセンサー、25,27:第1及び第2圧力センサー、26:サックバック調節バルブ、28:ノズル、30:フィルタ、32:気泡排出ライン、34:エアーバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトスピナ設備の噴射不良制御装置において、
ケミカル溶液を噴射するノズルと、
前記ノズルの噴射圧力を感知する少なくとも1つ以上の圧力センサーと、
前記圧力センサーで感知された圧力値を受けて予め設定された圧力値と比較して予め設定された圧力値を超過するときにインターロック信号を発生するコントローラーと、
を備えることを特徴とするフォトスピナー設備の噴射不良制御装置。
【請求項2】
前記ノズルはケミカル溶液を噴射するための多数の噴射ホールを備えることを特徴とする請求項1に記載のフォトスピナー設備の噴射不良制御装置。
【請求項3】
前記予め設定された圧力値は0.1MPaであることを特徴とする請求項1に記載のフォトスピナー設備の噴射不良制御装置。
【請求項4】
前記圧力センサーは前記ノズルの両側面にそれぞれ設置することを特徴とする請求項1に記載のフォトスピナー設備の噴射不良制御装置。




【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−27764(P2007−27764A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−197284(P2006−197284)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】