説明

フッ素を含まない縮合環複素芳香族光酸発生剤、およびそれを含むレジスト組成物

【課題】フッ素を含まない縮合環複素芳香族光酸発生剤、およびそれを含むレジスト組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、フッ素を含まない光酸発生剤(PAG)と、それを含むフォトレジスト組成物とに関する。PAGは、オニウムカチオン性成分、および1つまたは複数の電子求引性置換基を含む、フッ素を含まない縮合環複素環式芳香族化合物スルホネートアニオン性成分の存在を特徴とする。PAGのオニウムカチオン性成分は、好ましくはスルホニウムまたはヨードニウムカチオンである。フォトレジスト組成物は、酸感応性イメージング・ポリマーをさらに含む。フォトレジスト組成物は、193nm(ArF)リソグラフィを用いて半導体基板上に材料パターンを形成するのに特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトリソグラフィに関し、より詳細には、フッ素を含まず、紫外線の露光時に効率的に酸を生成する縮合環複素芳香族光酸発生剤に関する。本発明はさらに、本発明のフッ素を含まない縮合環複素芳香族光酸発生剤を含むレジスト組成物と、レジスト組成物をフォトリソグラフィで使用する方法とを対象とする。
【背景技術】
【0002】
集積回路などの小型電子部品は、典型的にはフォトリソグラフィ技術を用いて製造される。フォトリソグラフィ・プロセスでは、フォトレジスト層がシリコンウエハなどの基板上に形成される。基板は、フォトレジスト層に残存する任意の溶媒を除去するためベークされる。次いでフォトレジストは、所望のパターンのフォトマスクを介して化学線源で露光される。放射線露光は、フォトレジストの露光領域に化学反応を引き起こし、フォトレジスト層にマスクパターンに対応する潜像を形成させる。次いでフォトレジストは、ポジティブ・フォトレジストではフォトレジストの露光部分、あるいは、ネガティブ・フォトレジストではフォトレジストの未露光部分を除去するため、現像液溶液、通常は塩基水溶液で現像される。次いで、パターン化されたフォトレジストは、その後の成膜、エッチング、またはイオン注入の各プロセスなどの製造プロセスで基板上のマスクとして使用することができる。
【0003】
従来技術に利用されるフォトレジストの1種は、酸触媒を使用する化学増幅型フォトレジストである。化学増幅型フォトレジストは、非化学増幅型フォトレジストよりも露光エネルギに対する感度が高い。化学増幅型フォトレジストは、遠UV(ultraviolet)線(150〜315nm波長)および中UV線(350〜450nm波長)など比較的短い波長の放射線を利用する際に、特に有用である。
【0004】
従来技術の典型的な化学増幅型フォトレジストは、たとえば、酸感応性塩基ポリマーおよび光酸発生剤(PAG:photoacid generator)をキャスト溶液に溶解して製造される。化学増幅型ポジティブ・フォトレジストの塩基ポリマーは典型的には、ポリマー骨格に結合した、酸に不安定な基を持っている。こうしたフォトレジストが放射線で露光されると、PAGが光子を吸収し、酸を生成する。次いで、光生成された酸は、酸に不安定な基の触媒的切断を引き起こす。こうして生成された1つの酸分子は、塩基ポリマーの複数の酸に不安定な基を切断できることもある。したがって、フォトレジストの露光部分を現像液溶液に溶解するのに必要な光子が、より少なくなる。
【0005】
193nmのレーザ光源は比較的低強度であり、193nmのフォトレジストの酸に不安定な基は比較的高結合エネルギであるため、工業用の193nmフォトリソグラフィのこうした化学増幅を実現するには、高感度で強度がより強いブレステッド酸を生成できるPAGが好ましい。パーフルオロオクチルスルホネート(PFOS:perfluorooctyl sulfonate)およびパーフルオロアルキルスルホネート(PFAS:perfluorooctyl sulfonate)などフッ素を含むPAGは、特に強酸の生成を引き起こすため、193nmのフォトレジスト系に好ましいPAGであるのが一般的である。
【0006】
しかしながら、近年、マイクロエレクトロニクス工業では、環境、ヒトおよび動物に有害な作用を及ぼすことから、PFOSおよびPFASなどのパーフルオロカーボン(PFC:perfluorinated carbon)の使用をなくすことが望まれている。このため、リソグラフィ・プロセスの実行に悪影響を及ぼさずに使用できる別のPAGを見出すことが求められている。さらに、エッチング耐性の向上、および高開口数(NA>0.95)のイメージング・プロセスにおけるプロセス裕度の向上のため、フォトレジスト中のフッ素量を最小限に抑えるか、またはゼロにすることも求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上より、フォトレジスト組成物中のフッ素量の大幅な削減または回避を可能にする新規かつ改良された、フッ素を含まないPAGおよび化学増幅型フォトレジスト組成物が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、当該産業で現在使用されているPFCを含む光酸発生剤に代わる実行可能な選択肢であるフッ素を含まない光酸発生剤を提供する。本発明はまた、優れた光学的透明性および熱安定性を示し、PFCを含む光酸発生剤を含むフォトレジストと同等またはそれ以上のリソグラフィ性能を有する、フッ素を含まない光酸発生剤を含むそうしたフォトレジスト組成物を提供する。
【0009】
一態様では、本発明は、オニウムカチオン性成分、および下記の2つの構造のうちの1つを有するアニオン性成分を含むフッ素を含まない光酸発生剤に関する。
【0010】
【化1】

【0011】
式中、
Xは、S、OおよびNRからなる群から選択され、
Rは、H、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルキル、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルコキシル、非置換および置換芳香族基、ならびに非置換および置換芳香族複素環基からなる群から選択され、
Yは、CおよびNからなる群から選択され、
〜Gは各々、Rおよび電子吸引性部分からなる群から選択され、ただし、YがNである場合、Gは構造内に存在せず、G〜Gの少なくとも1つは電子吸引性部分である。
【0012】
フッ素を含まない光酸発生剤のオニウムカチオン性成分は、好ましくはスルホニウムカチオンおよびヨードニウムカチオンからなる群から選択される。オニウムカチオン性成分は、好ましくは芳香族部分を含む。
【0013】
別の態様では、本発明は、
酸感応性イメージング・ポリマー、および
オニウムカチオン性成分、および下記の2つの構造のうちの1つを有するアニオン性成分を含む、フッ素を含まない光酸発生剤
を含むフォトレジスト組成物に関する。
【0014】
【化2】

【0015】
式中、
Xは、S、OおよびNRからなる群から選択され、
Rは、H、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルキル、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルコキシル、非置換および置換芳香族基、ならびに非置換および置換芳香族複素環基からなる群から選択され、
Yは、CおよびNからなる群から選択され、
〜Gは各々、Rおよび電子吸引性部分からなる群から選択され、ただし、YがNである場合、Gは構造内に存在せず、G〜Gの少なくとも1つは電子吸引性部分である。
【0016】
フォトレジスト組成物のイメージング・ポリマーは、好ましくはラクトン部分を有する。イメージング・ポリマーは、好ましくは重量濃度がフォトレジスト組成物の総重量の約1%〜約30%の範囲である。フッ素を含まない光酸発生剤は、好ましくは重量濃度が前記イメージング・ポリマーの総重量に対して約0.5%〜20%の範囲である。
【0017】
さらに別の態様では、本発明は、基板上にパターン化された材料表面を形成する方法であって、(a)基板上に材料層を設けるステップ、(b)フォトレジスト層を材料層の上に形成するステップであり、フォトレジストは、(i)酸感応性イメージング・ポリマー、および(ii)オニウムカチオン性成分、および下記の2つの構造のうちの1つを有するアニオン性成分であり、
【0018】
【化3】

【0019】
式中、
Xは、S、OおよびNRからなる群から選択され、
Rは、H、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルキル、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルコキシル、非置換および置換芳香族基、ならびに非置換および置換芳香族複素環基からなる群から選択され、
Yは、CおよびNからなる群から選択され、
〜Gは各々、Rおよび電子吸引性部分からなる群から選択され、ただし、YがNである場合、Gは構造内に存在せず、G〜Gの少なくとも1つは、電子吸引性部分であるアニオン性成分を含む、フッ素を含まない光酸発生剤
を含むステップ、
(c)フォトレジスト層を放射線でパターン露光し、それによりフォトレジスト層の放射線による露光領域にパターンを作製するステップ、
(d)フォトレジスト層の一部を選択的に除去して材料層の一部を露光するステップ、ならびに
(e)材料層の露光された部分をエッチングまたはイオン注入し、それによりパターン化された材料表面を形成するステップ
を含む方法に関する。
【0020】
本方法の放射線は、好ましくはArFレーザにより与えられる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
層などの要素が別の要素の「上(on)」または「上(over)」にあるという場合、その要素は、別の要素の直接上にあってもよいし、または介在する要素が存在していてもよいことが理解されよう。これに対し、要素が「直接上(directly on)」または「直接上(directly over)」にあるという場合、介在する要素は、存在しない。
【0022】
本発明は、当該産業で現在使用されているPFCを含む光酸発生剤に代わる実行可能な選択肢であるフッ素を含まない光酸発生剤(PAG)を提供する。フッ素を含まないPAGは一般に、オニウムカチオン性成分、および下記の2つの構造のうちの1つを有するアニオン性成分が存在することを特徴とする。
【0023】
【化4】

【0024】
式中、
Xは、S、OおよびNRからなる群から選択され、
Rは、H、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルキル、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルコキシル、非置換および置換芳香族基、ならびに非置換および置換芳香族複素環基からなる群から選択され、
Yは、CおよびNからなる群から選択され、
〜Gは各々、Rおよび電子吸引性部分からなる群から選択され、ただし、YがNである場合、Gは構造内に存在せず、G〜Gの少なくとも1つは電子吸引性部分である。
【0025】
本発明の一実施形態では、G〜Gの1つは電子吸引性部分である。本発明の別の実施形態では、G〜Gの少なくとも2つは電子吸引性部分である。本発明に好適な電子吸引性部分の例として、CN、NO、NO、Cl、Br、I、SOMe,およびCHOがあるが、これに限定されるものではない。好ましくは、G〜Gの少なくとも1つは、CNまたはNOである。
【0026】
フッ素を含まないPAGのオニウムカチオン性成分は、好ましくはスルホニウムカチオンまたはヨードニウムカチオンである。好ましくは、オニウムカチオン性成分は、芳香族部分を有する。カチオン性成分の芳香族構造は一般に、得られるフッ素を含まないPAGの熱安定性を向上させる。本発明に好ましい2つのカチオン性成分は、下記である。
【0027】
【化5】

【0028】
式中、R1、、R、RおよびRは各々独立に、H、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルキル、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルコキシル、非置換および置換芳香族基、ならびに非置換および置換芳香族複素環基からなる群から選択される。構造(III)のスルホニウムカチオンの例として、下記がある。
【0029】
【化6】

【0030】
構造(IV)のヨードニウムカチオンの例として、下記がある。
【0031】
【化7】

【0032】
構造(I)および(II)のアニオン性成分の例として、下記がある。
【0033】
【化8】

【0034】
本発明は、本発明のフッ素を含まないPAGを合成する任意の特定の方法に限定されない。考えられる1つの合成経路を下記スキーム1に示す。
【0035】
スキーム1。フッ素を含まない縮合環複素環式芳香族化合物PAGの合成。
【0036】
【化9】

【0037】
スキーム1に示すように、一実施形態では、フッ素を含まない縮合環複素環式芳香族化合物PAGの合成は、縮合環複素環式芳香族化合物スルホニルクロリドのニトロ置換反応から開始し、続いてワンポット反応によりニトロ置換縮合環複素環式芳香族化合物スルホニルクロリドをその対応するスルホン酸銀に変換する。ニトロ置換縮合環複素環式芳香族化合物スルホニルクロリドは、炭酸銀と反応してほぼ定量的収率で固相の銀塩を与える。次いで得られた銀塩は、対応するスルホニウム(またはヨードニウム)源と反応して所望のフッ素を含まない縮合環複素環式芳香族化合物PAGを与える。得られるフッ素を含まない縮合環複素環式芳香族化合物PAGの化学構造は、そのNMRスペクトルにより確認することができる。スキーム1に示すように、トリフェニルスルホニウムモノニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホネート(TPSTBNO)の合成例では、得られるPAGは、モル比65:35の2つの異性体AおよびBの混合物である。
【0038】
本発明はまた、本発明のフッ素を含まないPAGを含むフォトレジスト組成物を包含する。フォトレジスト組成物は、酸感応性イメージング・ポリマー、およびオニウムカチオン性成分、および下記の2つの構造のうちの1つを有するアニオン性成分を有するフッ素を含まないPAGを含む。
【0039】
【化10】

【0040】
式中、
Xは、S、OおよびNRからなる群から選択され、
Rは、H、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルキル、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルコキシル、非置換および置換芳香族基、ならびに非置換および置換芳香族複素環基からなる群から選択され、
Yは、CおよびNからなる群から選択され、
〜Gは各々、Rおよび電子吸引性部分からなる群から選択され、ただし、YがNである場合、Gは構造内に存在せず、G〜Gの少なくとも1つは電子吸引性部分である。
【0041】
イメージング・ポリマーは、好ましくはフォトレジスト組成物への紫外線の露光時に化学的変質が可能であり、それにより露光領域あるいは非露光領域でのポリマーの溶解性に差が生じる。イメージング・ポリマーは、ポジ型イメージング・ポリマーあるいはネガ型イメージング・ポリマーのどちらでもよい。イメージング・ポリマーがポジ型イメージング・ポリマーである場合、好ましくは本発明のPAGにより生成される酸の存在下で触媒的切断を受け得る酸感応性側鎖を含む。こうしたポリマーには、ポリマー骨格に結合する酸感応性側鎖が存在するため、酸感応性が存在する。酸感応性側鎖を含むこうした酸感応性ポリマーは、従来型のものであり、当該技術分野において周知である。好ましくは、イメージング・ポリマーは、193nm(ArF)リソグラフィに使用するのに好適なものである。
【0042】
いくつかの実施形態では、当業者によく知られている様々な酸に不安定な保護基で、酸感応性ポリマーの酸感応性側鎖を保護する。たとえば、酸感応性側鎖は、t−ブチルエステル基またはt−ブチルカルボニル基など活性化エネルギが高い保護基、アセタール、ケタールまたはシリエーテルなど活性化エネルギが低い保護基で保護してもよいし、あるいは活性化エネルギが低い保護基と活性化エネルギが高い保護基との組み合わせを使用してもよい。
【0043】
本発明のイメージング・ポリマーは、好ましくはラクトン部分、一層好ましくはペンダントラクトン部分を含む。ラクトン部分を含むイメージング・ポリマーの例については、米国特許出願公開第2006/0216643A1号、ならびに米国特許第7087356号、同第7063931号、同第6902874号、同第6730452号、同第6627391号、同第6635401号および同第6756180号に開示されている。本発明に好適ないくつかの好ましいラクトン含有単量体単位として、下記が挙げられる。
【0044】
【化11】

【0045】
好ましいイメージング・ポリマーは、イメージング・ポリマーの全単量体単位に対して少なくとも約5モル%、一層好ましくは約10〜50モル%、最も好ましくは約15〜35モル%のラクトン含有単量体単位を含む。
【0046】
本発明のフォトレジスト組成物は、好ましくは酸感応性イメージング・ポリマーを溶解し得る溶媒を含む。こうした溶媒の例として、エーテル、グリコールエーテル、芳香族炭化水素、ケトン、エステルおよび同種のものがあるが、これに限定されるものではない。また、本明細書では、前述の溶媒の混合物を含む溶媒系も意図している。好適なグリコールエーテルとして、2−メトキシエチルエーテル(ジグリム)、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA:propylene glycol monomethylether acetate)および同種のものがある。好適な芳香族炭化水素溶媒として、トルエン、キシレンおよびベンゼンがある。ケトンの例として、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘプタノンおよびシクロヘキサノンがある。エーテル溶媒の例として、テトラヒドロフランがあり、一方、本明細書に利用してもよいエステル溶媒の例には、乳酸エチルおよびエトキシエチルプロピオネートがある。
【0047】
フォトレジスト組成物は、上記の成分に加えて、光増感剤、塩基、界面活性剤または他の添加剤など他の成分をさらに含んでもよい。必要に応じて、これらの他の成分の組み合わせまたは混合物を使用してもよい(たとえば、光増感剤および塩基)。
【0048】
任意の光増感剤は、好ましくは193nm(ArF)のリソグラフィにおける放射線を吸収できる発色団を含むものである。こうした化合物の説明例として、9−アントラセンメタノール、クマリン、9,10−ビス(トリメトキシシリエチニル)アントラセン、およびこれらの発色団を含むポリマーがあるが、これに限定されるものではない。
【0049】
本発明に利用してもよい任意の塩基として、脂肪族アミン、芳香族アミン、カルボキシレート、水酸化物、またはこれらの組み合わせおよび同種のものがあるが、これに限定されるものではない。
【0050】
フォトレジスト組成物に利用してもよい任意の界面活性剤として、本発明の化学増幅型フォトレジスト組成物の膜の均一性を改善できる任意の界面活性剤を挙げることができる。説明例として、3M社のFC−430(R)などのフッ素含有界面活性剤、およびUnion Carbide社のSilwet(R)シリーズなどのシロキサン含有界面活性剤がある。
【0051】
本発明のフォトレジスト組成物は、好ましくは約1〜約30重量%のイメージング・ポリマー、約50〜約95重量%の溶媒、および約0.1〜約20重量%のフッ素を含まないPAGを含む(フッ素を含まないPAGの重量%は、組成物中に存在するイメージング・ポリマーの総重量に基づく)。
【0052】
光増感剤を利用する場合、光増感剤は、好ましくはイメージング・ポリマーの総重量に対して約0.001〜約8重量%の量で存在する。塩基を利用する場合、その任意の塩基は、好ましくはイメージング・ポリマーの総重量に対して約0.1〜約5重量%の量で存在する。界面活性剤を利用する場合、界面活性剤は、好ましくはイメージング・ポリマーの総重量に対して約0.001〜約0.1重量%の量で存在する。
【0053】
一層好ましくは、フォトレジスト組成物は、約5〜約20重量%のイメージング・ポリマー、約80〜約95重量%の溶媒、ならびに(組成物中に存在するイメージング・ポリマーの総重量に対して)約0.5〜約15重量%のフッ素を含まない光酸発生剤、任意に、イメージング・ポリマーの総重量に対して約0.01〜約5重量%の光増感剤、任意に、イメージング・ポリマーの総重量に対して約0.1〜約3重量%の塩基、および任意に、イメージング・ポリマーの総重量に対して約0.001〜約0.01重量%の界面活性剤を含む。
【0054】
上記の量は例示であり、本明細書では、フォトリソグラフィ業界で通常利用される、上記の各成分の他の量を利用してもよい点に留意されたい。
【0055】
本発明はまた、本発明のフォトレジスト組成物を使用して基板上にパターン化された材料表面を形成する方法を包含する。こうした方法は、
(a)基板上に材料層を設けるステップ、
(b)フォトレジストの層を材料層の上に形成するステップであり、前記フォトレジストは、
(i)酸感応性イメージング・ポリマー、および
(ii)フッ素を含まない光酸発生剤であって、前記光酸発生剤は、オニウムカチオン性成分、および下記の2つの構造のうちの1つを有するアニオン性成分であり、
【0056】
【化12】

【0057】
式中、
Xは、S、OおよびNRからなる群から選択され、
Rは、H、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルキル、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルコキシル、非置換および置換芳香族基、ならびに非置換および置換芳香族複素環基からなる群から選択され、
Yは、CおよびNからなる群から選択され、
〜Gは各々、Rおよび電子吸引性部分からなる群から選択され、ただし、YがNである場合、Gは構造内に存在せず、G〜Gの少なくとも1つは、電子吸引性部分であるアニオン性成分を含む、光酸発生剤
を含み、
(c)フォトレジストの層を放射線でパターン露光し、それによりフォトレジストの層の放射線による露光領域にパターンを作製するステップ、
(d)フォトレジストの層の一部を選択的に除去して材料層の一部を露光するステップ、ならびに
(e)材料層の露光された部分をエッチングまたはイオン注入し、それによりパターン化された材料表面を形成するステップ
を含む。
【0058】
本発明の基板は、好適には、フォトレジストに関するプロセスで従来から使用される任意の基板である。たとえば、基板は、シリコン、酸化ケイ素、アルミニウム−酸化アルミニウム、ガリウムヒ素、セラミック、石英、銅、または多層を含むこれらの任意の組み合わせでもよい。基板は、1つまたは複数の半導体層または構造体を含んでいてもよく、半導体装置の作用または作動部分を含んでいてもよい。
【0059】
材料層は、製造プロセスの段階、および最終製品に望ましい材料セットに応じて金属導体層、セラミック絶縁体層、半導体層、または他の材料でもよい。本発明のフォトレジスト組成物は、半導体基板上の集積回路の製造に使用されるリソグラフィ・プロセスに特に有用である。本発明のフォトレジスト組成物をリソグラフィ・プロセスに使用して、集積回路装置に使用され得る金属配線ライン、接続穴またはビア、絶縁部(たとえば、ダマシン溝またはシャロー・トレンチ・アイソレーション)、キャパシタ構造体の溝、トランジスタ用のイオン注入半導体構造体などのパターン化された材料層構造体を作製してもよい。
【0060】
場合によっては、フォトレジスト層と材料層との間に裏面反射防止膜もしくは下層膜(たとえば、平坦化下層)またはその両方を塗布してもよい。他の場合には、フォトレジスト層上に上面反射防止膜層を塗布してもよい。本発明は、反射防止膜もしくは下層材料またはその両方の使用にも、これらの膜または材料の特定の組成物の使用にも限定されない。
【0061】
フォトレジスト層は、スピン・コーティングを含むほぼどのような標準的な手段によって形成してもよい。フォトレジスト層は、ベーク(塗布後ベーク(PAB:post applying bake))してフォトレジストから任意の溶媒を除去し、フォトレジスト層の粘着性を改良してもよい。フォトレジスト層のPAB温度の好ましい範囲は、約70℃〜約150℃、一層好ましくは約90℃〜約130℃である。第1の層の厚さの好ましい範囲は、約20nm〜約400nm、一層好ましくは約50nm〜約300nmである。
【0062】
フォトレジスト層は、その後所望の放射線でパターン露光する。本発明に利用される放射線は、可視光でも、紫外線(UV)でも、極紫外線(EUV:extreme ultraviolet)でも、電子ビーム(E−beam:electron beam)でもよい。放射線のイメージング波長は、約248nm、193nmまたは13nmであることが好ましい。放射線のイメージング波長は、約193nm(ArFレーザ)であることがより好ましい。パターン露光は、フォトレジスト層の上に配置されるマスクを通して行われる。
【0063】
所望のパターン露光後、フォトレジスト層は、通常ベーク(露光後ベーク(PEB:post applying bake))して酸触媒反応を十分に終了させ、露光パターンのコントラストを高める。PEB温度の好ましい範囲は、約70℃〜約120℃、一層好ましくは約90℃〜約110℃である。場合によっては、化学物質アセタールおよびケタールなどある種の化学物質の場合、レジスト・ポリマーの脱保護が室温で進行するため、PEBステップを省くことも可能である。露光後ベークは、好ましくは約30秒から5分間行う。
【0064】
PEBを行った場合、その後、ポジティブ・フォトレジストの場合、放射線で露光したフォトレジストの領域(またはネガティブ・フォトレジストの場合、非露光領域)を選択的に溶解するアルカリ水溶液とフォトレジスト層を接触させることにより、所望のパターンを持つフォトレジスト構造体が得られる(現像される)。好ましいアルカリ水溶液(現像液)は、テトラメチル水酸化アンモニウム(TMAH:tetramethyl ammonium hydroxide)の水溶液である。基板上に得られるリソグラフィ構造体は、その後乾燥させて残存する任意の現像液を除去するのが通常である。上面反射防止膜を使用している場合、好ましくはこのステップで現像液により溶解する。
【0065】
その後、フォトレジスト構造体のパターンは、当該技術分野において公知の技術を用いて好適なエッチング液でエッチングすることにより、基板の下にある材料層の露光部分に転写することができる。好ましくは、転写は、リアクティブ・イオン・エッチングまたはウエット・エッチングにより行う。所望のパターン転写が行われたら、従来のストリッピング技術を用いて残存する任意のフォトレジストを除去してもよい。あるいは、パターンは、イオン注入により転写してイオン注入材料のパターンを形成してもよい。
【0066】
本発明の組成物が有用であり得る一般的なリソグラフィ・プロセスの例は、米国特許第4,855,017号、同第5,362,663号、同第5,429,710号、同第5,562,801号、同第5,618,751号、同第5,744,376号、同第5,801,094号、同第5,821,469号および同第5,948,570号に開示されている。パターン転写プロセスの他の例は、「半導体フォトリソグラフィ、原理、実践および材料(Semiconductor Lithography,Principles,Practices,and Materials)」、ウェイン・モロー(Wayne Moreau)著、Plenum Press、(1988年)の12章および13章に記載されている。本発明は、いかなる特定のリソグラフィ手法または装置の構造にも限定されないことを理解すべきである。
【0067】
本発明について、下記の実施例によりさらに説明する。本発明は、実施例の特定の細部に限定されない。
【実施例1】
【0068】
モノニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルクロリドの合成。
ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルクロリド(1.165g、5mmol)を25mLのジクロロメタンに溶かした溶液に、3.6mLの濃硝酸(≧22.05mol/L)を滴下して加え、得られた混合物を一晩還流させ、室温まで冷却してから、20グラムの砕氷に注いだ。有機層を分離し、水層を220mLの2ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせて、MgSOで乾燥させた。次いで溶媒をロータリ・エバポレータで除去した。粗生成物を、ヘキサンの溶離液、続いてヘキサン/酢酸エチル(6/1〜3/1)のグラジエント溶離液を用いてフラッシュ・カラム・クロマトグラフィーで精製して、0.58gの生成物(4−ニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルクロリド65%と7−ニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルクロリド35%との混合物)を得た。
【実施例2】
【0069】
銀モノニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホネートの合成。
モノニトロ−ベンゾチオフェン−2−スルホネート(0.5177g、1.86mmol)を50mLのアセトニトリルおよび1mLの水に溶かした溶液に、炭酸銀(0.6169g、2.24mmol)を暗所で数回に分けて加えた。得られた懸濁液を、ヘキサン/酢酸エチル(1:4)の溶離液を用いた薄層クロマトグラフィーで出発材料が検出されなくなるまで9日間終夜撹拌した。混合物を半インチ(1.27cm)のCelite(R)で濾過し、この固体をアセトニトリル(3×40mL)で洗浄した。有機濾液を合わせて、有機溶媒をロータリ・エバポレータで除去して乾固させ、こうして0.668gの粘性の固体を98.2%の収率で得た。得られた化合物は、次の反応に向けて精製を行わなかった。
【実施例3】
【0070】
トリフェニルスルホニウムモノニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホネート(TPSTBNO)の合成
銀モノニトロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホネート(0.668g、0.1.83mmol)を80mLのアセトニトリルおよび4mLの水に溶かした溶液に、トリフェニルスルホニウムブロミド(0.6271g、1.83mmol)を35mLのアセトニトリルおよび1mLの水に溶かした溶液を加えた。得られた混合物を3日間終夜撹拌してから、濾過した。得られた溶液を1インチ(2.54cm)のCelite(R)/酸化アルミニウム(塩基性)/Celite(R)層で濾過し、25mLのアセトニトリルおよび25mLのアセトンで洗浄した。有機溶媒をロータリ・エバポレータで除去し、残渣を50mLの2−ブタノンに再溶解させ、硫酸マグネシウムで一晩乾燥させ、1インチ(2.54cm)のCelite(R)で濾過した。溶媒をロータリ・エバポレータで除去し、真空オーブンで乾燥乾固させて、0.71gの生成物を70%の収率で得た。TPSTBNOを用いたDSC測定(10℃/min、窒素5mL/min)により243℃の融点を得た。DSC測定では、250℃まで明らかな分解は観察されなかった。
【実施例4】
【0071】
フォトレジスト配合物1。
15mol%の2−トリフルオロメタンスルホニルアミノメタクリレート、45mol%の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートおよび40mol%の5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボ−γ−ラクトン(S1)(20wt%PGMEA溶液)からなる4.9967gのフォトレジスト・ポリマー、0.2541gのトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(TPSPFBuS)(19.6wt%PGMEA溶液)、0.3092gのN−Boc−ピロリジン(1wt%PGMEA溶液)、5.9311gのPGMEAおよび4.4975gのシクロヘキサノンを混合し、一晩回転させ、0.2μmのPTFEディスクで濾過して配合物1を得た。
【実施例5】
【0072】
フォトレジスト配合物2。
5.0508gのフォトレジスト・ポリマーS1(20wt%PGMEA溶液)、0.0467gのTPSTBNO、0.3057gのN−Boc−ピロリジン(1wt%PGMEA溶液)、6.0932gのPGMEAおよび4.4515gのシクロヘキサノンを混合し、一晩回転させ、0.2μmのPTFEディスクで濾過して配合物2を得た。
【実施例6】
【0073】
フォトレジスト配合物3。
3.1826gのフォトレジスト・ポリマーS1(26.75wt%PGMEA溶液)、0.2190gのTPSPFBuS(19.6wt%PGMEA溶液)、0.2572gのN−Boc−ピロリジン(1wt%PGMEA溶液)および14.2645gのPGMEAを混合し、一晩回転させ、0.2μmのPTFEディスクで濾過して配合物3を得た。
【実施例7】
【0074】
フォトレジスト配合物4。
7.4842gのフォトレジスト・ポリマーS1(26.75wt%PGMEA溶液)、0.0932gのTPSTBNO、1.0484gのN−Boc−2−フェニルベンゾイミダゾール(1wt%PGMEA溶液)、30.4721gのPGMEAおよび0.5974gの−ブチロラクトンを混合し、一晩回転させ、0.2μmのPTFEディスクで濾過して配合物4を得た。
【0075】
物理的性質
フォトレジスト配合物を5インチ(12.7cm)のシリコンウエハ上に1500rpmのスピン速度で30秒間スピンコートして、固体薄膜を調製した。得られた膜を110℃で60秒間ソフトベークした。VASEによるエリプソメトリにより厚さ、n(屈折率)およびk(消衰係数)を測定し、kからOD(Optical Density)値を算出した。
【0076】
【表1】

【0077】
リソグラフィの評価
リソグラフィ評価では、調製したフォトレジスト配合物を、シリコンウエハ上に塗布した反射防止膜材料層に30秒間スピンコートした。193nmの液浸リソグラフィの場合、フォトレジスト層の上にトップコート層を塗布した。レジスト膜を、60秒間ホットプレート上で110℃で60秒間ベークした。次いでウエハを193nmの放射線で露光した(それぞれASML、スキャナ0.75NA、およびASML、液浸スキャナ1.35NA)。露光パターンは、50nmまでの様々な寸法の一連のライン・アンド・スペースであった。次いで露光されたウエハを、ホットプレート上で120℃にて60秒間露光後ベークした。ウエハを、0.263NのTMAH現像液で60秒間パドル現像した。得られたフォトレジスト・イメージング層のパターンを、走査型電子顕微鏡(SEM:scanning electron microscopy)により検討した。フォトスピードの結果はそれぞれ、150nmライン/150nmスペース、および50nmライン/50nmスペースのイメージから得た。
【0078】
【表2】

【0079】
本発明の好ましい実施形態について詳細に図示し、記載してきたが、当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱しない範囲で、前述および他の形態および細部に関して変更が可能であることが理解されよう。したがって、本発明は、記載および図示されている正確な形態および細部に限定されるものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲の範囲に包含されることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素を含まない光酸発生剤であって、
オニウムカチオン性成分、および
下記の2つの構造のうちの1つを有するアニオン性成分であり、
【化1】

式中、
Xは、S、OおよびNRからなる群から選択され、
Rは、H、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルキル、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルコキシル、非置換および置換芳香族基、ならびに非置換および置換芳香族複素環基からなる群から選択され、
Yは、CおよびNからなる群から選択され、
〜Gは各々、Rおよび電子吸引性部分からなる群から選択され、ただし、YがNである場合、Gは前記構造内に存在せず、G〜Gの少なくとも1つは電子吸引性部分であるアニオン性成分
を含む、光酸発生剤。
【請求項2】
〜Gの少なくとも1つは、CN、NO、NO、Cl、Br、I、SOMeおよびCHOからなる群から選択される電子吸引性部分である、請求項1に記載の光酸発生剤。
【請求項3】
〜Gの少なくとも1つはCNおよびNOからなる群から選択される、請求項2に記載の光酸発生剤。
【請求項4】
〜Gの少なくとも2つは電子吸引性部分である、請求項2に記載の光酸発生剤。
【請求項5】
前記オニウムカチオン性成分はスルホニウムカチオンおよびヨードニウムカチオンからなる群から選択される、請求項1に記載の光酸発生剤。
【請求項6】
前記オニウムカチオン性成分は芳香族部分を含む、請求項5に記載の光酸発生剤。
【請求項7】
前記オニウムカチオン性成分は、下記からなる群から選択される構造を有するものであり、
【化2】

式中、R1、、R、RおよびRは各々独立に、H、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルキル、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルコキシル、非置換および置換芳香族基;ならびに非置換および置換芳香族複素環基からなる群から選択される
請求項6に記載の光酸発生剤。
【請求項8】
フォトレジスト組成物であって、
(a) 酸感応性イメージング・ポリマー、ならびに
(b) フッ素を含まない光酸発生剤
を含み、
前記光酸発生剤は、オニウムカチオン性成分、および下記の2つの構造のうちの1つを有するアニオン性成分であり、
【化3】

式中、
Xは、S、OおよびNRからなる群から選択され、
Rは、H、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルキル、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルコキシル、非置換および置換芳香族基、ならびに非置換および置換芳香族複素環基からなる群から選択され、
Yは、CおよびNからなる群から選択され、
〜Gは各々、Rおよび電子吸引性部分からなる群から選択され、ただし、YがNである場合、Gは前記構造内に存在せず、G〜Gの少なくとも1つは電子吸引性部分であるアニオン性成分を含む、
フォトレジスト組成物。
【請求項9】
〜Gの少なくとも1つは、CN、NO、NO、Cl、Br、I、SOMeおよびCHOからなる群から選択される電子吸引性部分である、請求項8に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項10】
〜Gの少なくとも1つは、CNおよびNOからなる群から選択される、請求項9に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項11】
〜Gの少なくとも2つは電子吸引性部分である、請求項9に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項12】
前記オニウムカチオン性成分は、スルホニウムカチオンおよびヨードニウムカチオンからなる群から選択される、請求項8に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項13】
前記オニウムカチオン性成分は芳香族部分を含む、請求項12に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項14】
前記オニウムカチオン性成分は下記からなる群から選択される構造を有するものであり、
【化4】

式中、R1、、R、RおよびRは各々独立に、H、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルキル、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルコキシル、非置換および置換芳香族基、ならびに非置換および置換芳香族複素環基からなる群から選択される
請求項13に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項15】
前記イメージング・ポリマーはラクトン部分を含む、請求項8に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項16】
前記イメージング・ポリマーの重量濃度は、前記フォトレジスト組成物の総重量の約5%〜約20%の範囲である、請求項8に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項17】
前記フッ素を含まない光酸発生剤の重量濃度は、前記イメージング・ポリマーの総重量に対して約0.5%〜15%の範囲である、請求項8に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項18】
基板上にパターン化された材料表面を形成する方法であって、
(a) 基板上に材料層を設けるステップ、
(b) フォトレジストの層を前記材料層の上に形成するステップであって、前記フォトレジストは、
(i) 酸感応性イメージング・ポリマー、および
(ii) フッ素を含まない光酸発生剤
を含み、
前記光酸発生剤は、オニウムカチオン性成分、および下記の2つの構造のうちの1つを有するアニオン性成分であり、
【化5】

式中、
Xは、S、OおよびNRからなる群から選択され、
Rは、H、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルキル、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルコキシル、非置換および置換芳香族基、ならびに非置換および置換芳香族複素環基からなる群から選択され、
Yは、CおよびNからなる群から選択され、
〜Gは各々、Rおよび電子吸引性部分からなる群から選択され、ただし、YがNである場合、Gは前記構造内に存在せず、G〜Gの少なくとも1つは、電子吸引性部分であるアニオン性成分を含み、
(c) 前記フォトレジストの層を放射線でパターン露光し、それにより前記フォトレジストの層の放射線による露光領域にパターンを作製するステップ、
(d) 前記フォトレジストの層の一部を選択的に除去して前記材料層の一部を露光するステップ、ならびに
(e) 前記材料層の前記露光された部分をエッチングまたはイオン注入し、それにより前記パターン化された材料表面を形成するステップ
を含む方法。
【請求項19】
前記放射線はArFレーザにより与えられる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記G〜G部分の少なくとも1つは、CN、NO、NO、Cl、Br、I、SOMeおよびCHOからなる群から選択される電子吸引性部分である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
〜Gの少なくとも1つはCNおよびNOからなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
〜Gの少なくとも2つは電子吸引性部分である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記オニウムカチオン性成分は、スルホニウムカチオンおよびヨードニウムカチオンからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記オニウムカチオン性成分は芳香族部分を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記オニウムカチオン性成分は、下記からなる群から選択される構造を持つものであり、
【化6】

式中、R1、、R、RおよびRは各々独立に、H、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルキル、直鎖、分岐、第三級もしくは環状アルコキシル、非置換および置換芳香族基、ならびに非置換および置換芳香族複素環基からなる群から選択される
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記イメージング・ポリマーはラクトン部分を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記イメージング・ポリマーの重量濃度は、前記フォトレジスト組成物の総重量の約5%〜約20%の範囲である、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
前記フッ素を含まない光酸発生剤の重量濃度は、前記イメージング・ポリマーの総重量に対して約0.5%〜10%の範囲である、請求項18に記載の方法。

【公表番号】特表2013−518135(P2013−518135A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549298(P2012−549298)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050142
【国際公開番号】WO2011/089033
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】