説明

フラットパネルディスプレイのピクセル状態を検出するための方法及びそのディスプレイドライバ

【課題】本発明は、フラットパネルディスプレイのピクセル状態検出のための方法及びディスプレイドライバを開示する。
【解決手段】前記方法は、レジスタに走査データを提供する段階と、ピクセルを駆動するために前記走査データを使用する段階と、状態データを取得するためにピクセル状態を検出する段階と、前記状態データで前記レジスタをリフレッシュする段階と、前記ピクセルが異常状態にあるか否かを判定するために前記走査データと前記状態データとを比較する段階とを具備する。上記方法をベースとして、ピクセル状態をリアルタイムに監視可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットパネルディスプレイ技術に関する。より具体的には、本発明は、フラットパネルディスプレイのピクセル状態を検出する方法と、そのディスプレイドライバに関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発展とともに、ビデオ製品、とりわけディジタルビデオ/映像処理製品が、我々の日常生活で必要不可欠になっている。ディジタルビデオ/映像処理装置周辺のディスプレイデバイスは、関連する情報を表示するための重要なデバイスの1つである。ユーザは、ディスプレイから情報を読み、さらにそれによって装置を操作しても良い。光電子工学及び半導体技術で作られたフラットパネルディスプレイ、即ち発光ダイオード(LED)ディスプレイが、ディスプレイ分野で脚光を浴びている。LEDディスプレイは、大型サイズ、高い表示品質、高輝度、及び広い視野角を具備し、LEDディスプレイは、大型サイズディスプレイの普及型ディスプレイとなっている。
【0003】
前記LEDディスプレイは、次の特徴を具備している。LEDディスプレイのピクセルが損傷すると、前記損傷したLEDを新品のLEDと直接交換することによって修理可能である。そのため、LEDの状態を検出する技術がLEDディスプレイで現れ始めている。LEDディスプレイ内のLEDの異常状態は、開回路、短絡回路、及び過熱を含む。一般的に、LEDの状態を検出するための方法は、従来技術では次の3つの技術に区分可能である。
【0004】
図1は、従来技術でLED状態を検出する第1技術を説明するための、従来技術のLEDドライバを図示している。第1技術では、図1に示すように、各駆動回路103−1から103−mまでは、複数のピクセルに接続され、制御部101に接続してある警告端子を具備している。前記複数のピクセル内のピクセルが異常状態になるとともに、前記異常状態を駆動回路103−1から103−mまでによって検出したときは、警告信号を、前記複数のピクセル内の異常ピクセルに接続してある駆動回路の警告端子から、制御部101に送信する。通常は、制御部101のピン数を減少するために、駆動回路103−1から103−mまでの警告端子は、制御部101に一緒に接続してある。しかしながら、そうすることによって、どのピクセルが異常であるかを制御部101が判定するのに困難を伴う。
【0005】
従来技術の第2技術では、ピクセル状態を検出するとともに、前記状態を制御部に報告するための検出回路を各駆動回路に追加している。各駆動回路の検出回路は、前記制御部に接続するための各々の専用線を具備する。従って、第2技術では、デバイスのコスト及び設計の複雑度が増大する。
【0006】
従来技術の第3技術では、駆動回路は、表示モードと非表示モードとの間で前記駆動回路を切り替えるモード切替回路及び2つの制御信号を使用する。この技術は、特許文献1で開示されている。前記駆動回路が非表示モードの場合、シリアルデータ線は、ピクセル状態情報を搬送しても良い。しかしながら、2つの制御信号を使用することで、ファームウェア設計の複雑度が増大するとともに、非表示モードへの切り替えが、映像の表示を中断する可能性がある。この技術は、リアルタイム監視要件も満足できない。
【特許文献1】米国特許第6,930,679号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、フラットパネルディスプレイデバイスのピクセル状態検出のための方法及びディスプレイドライバを、本発明で開示する。本発明によって、ピクセル状態検出のためのモード切替回路が不要になる。かつ、ピクセルが映像を表示する間に、中断されることなく、ピクセル状態データを回収するので、いわゆるリアルタイム監視を達成する。さらに、走査データと状態データとを比較することによって、異常ピクセルの位置をピンポイントに特定可能である。
【0008】
本発明の一目的は、フラットパネルディスプレイのピクセル状態検出のための方法を構成することである。
【0009】
ピクセルを駆動するためのレジスタを有するディスプレイドライバを具備するフラットパネルディスプレイのピクセル状態検出方法は、前記レジスタに走査データを提供する段階と、ピクセルを駆動するために前記走査データを使用する段階と、状態データを取得するためにピクセル状態を検出する段階と、前記状態データで前記レジスタをリフレッシュする段階と、前記ピクセルが異常状態にあるか否かを判定するために前記走査データ及び前記状態データを比較する段階とを具備する。
【0010】
n個のピクセルを駆動するn本のシフトレジスタを有するディスプレイドライバを具備するフラットパネルディスプレイの他のピクセル状態検出方法は、前記ドライバによって前記n個のピクセルをイネーブルする段階と、n個の状態データを取得するためにn個のピクセル状態を検出する段階と、n個の状態データでn本のシフトレジスタをリフレッシュする段階と、前記n個の状態データによって、前記n個のピクセル中のどのピクセルが異常状態であるかを判定する段階とを具備する。ここで、nは自然数である。
【0011】
本発明の他の目的は、フラットパネルディスプレイのピクセル状態検出のためのディスプレイドライバを構成することである。ディスプレイドライバは、ディスプレイの複数のピクセルに接続され、m個の駆動回路及び制御部を具備している。
【0012】
前記ディスプレイドライバの各駆動回路は、
データ入力端子と、
データ出力端子と、
それぞれピクセル内のn個のピクセルに接続してあるn個の駆動端子と、
n個のシフトレジスタと、
n個の検出端子及びn個の出力端子を有する検出デバイスとを具備し、
m,n及びiを、自然数であるとともに、0<i<=nとして、
第i番目の駆動回路の前記データ出力端子は、第(i+1)番目の駆動回路の前記データ入力端子に接続してあり、
各シフトレジスタは、入力端子と出力端子とを具備し、
第i番目のシフトレジスタの前記出力端子は、第(i+1)番目のシフトレジスタの前記入力端子及び第i番目の駆動端子に接続してあり、
n個のピクセルの状態を検出して状態データを前記シフトレジスタに出力するために、前記検出デバイスの前記検出端子は、それぞれ前記駆動端子に接続してあるとともに、前記検出デバイスの前記出力端子は、それぞれ前記シフトレジスタに接続してあることを特徴とする。
【0013】
前記ディスプレイドライバの制御部は、受信端子及び走査データ端子を具備し、前記走査データ端子を、第1駆動回路のデータ入力端子に接続するとともに、状態データをシーケンシャルに受信するために、前記受信端子を、第m番目の駆動回路の前記データ出力端子に接続する。ここで、第1駆動回路の前記データ入力端子は、クロック信号により、前記制御部の走査データ端子から走査データをシーケンシャルに受信する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によって、次の恩恵が達成される。異常状態にあるピクセルの位置をピンポイントに特定可能である。ピクセル状態検出のためのモード切替回路が不要であるとともに、ピクセル状態検出に使用する端子の数を減少可能である。かつ、映像の表示を中断せずに、リアルタイム監視及び不可視検出を達成可能である。
【0015】
上述の、及びその他の本発明の目的、特徴、及び利点を理解可能にするために、添付図面を伴った好ましい実施態様を以下で詳細に説明する。
【0016】
上述の、一般的な説明及び後述の詳細な説明はいずれも代表的なものであるとともに、特許請求の範囲に記載してある本発明のさらなる説明を提供することを意図するものと解するべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のさらなる理解を提供するために添付図面を添付するとともに、本明細書に組み込むとともに、本明細書の一部を構成している。添付図面は、本発明の実施態様を説明するともに、明細書と一緒に本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0018】
LEDディスプレイは、大型サイズ、高い表示品質、高輝度、及び広い視野角の利点を具備し、LEDディスプレイは、大型サイズディスプレイの普及型ディスプレイとなっている。以下では、本発明の実施態様を説明する実施例として、LEDディスプレイを使用する。しかしながら、以下の実施態様では、ディスプレイ内のピクセルをLEDで実施しているが、他の実施態様では、ピクセルは、薄膜トランジスタ及び液晶、有機発光ダイオード(OLED)、又は他の発光デバイスで実施しても良いことに留意する。
【0019】
図2は、本発明の第1実施態様によるLED状態検出のためのディスプレイドライバの概略ブロック図である。図2を参照する。ディスプレイドライバは、制御部201とm個の駆動回路203−1から203−mまでを具備する。m個の駆動回路203−1から203−mまでをカスケード接続してある。もし、各駆動回路203−1から203−mまでがn個のLEDを駆動可能ならば、図2内のディスプレイドライバは、m×n個のLEDを駆動可能である。各駆動回路は、データ入力(DAI)端子と、データ出力(DAO)端子とを具備している。各駆動回路203−1から203−mまでのシフトレジスタは、データ入力(DAI)端子からデータ出力(DAO)端子に向けて、1ビットずつ入力データをシフト可能である。駆動回路203−1の前記データ入力端子を、制御部201の走査データ端子に接続してある。かつ、表示すべき映像のデータを搬送する走査データを、前記走査データ端子を介して、制御部201から駆動回路203−1から203−mまでに送信する。第1駆動回路203−1の前記データ出力端子を、第2駆動回路203−2の前記データ入力端子に接続してある。第2駆動回路203−2の前記データ出力端子を、第3駆動回路(図2には図示せず)の前記データ入力端子に接続してある。等々である。最後の駆動回路203−mの前記データ出力端子を、制御部201の受信端子に接続してある。制御部201によって、走査データを、駆動回路203−1から203−mまでにシリアルに送信する。クロック(CLK)毎に操作データの1ビットを送信する。
【0020】
LEDが、例えば画像#Kのような画像を表示している間に、図2内の各駆動回路203−1から203−mまでの検出デバイスはこれらLEDの状態を検出可能である。新規画像、画像#K+1の走査データを、制御部201から、駆動回路203−1から203−mまでのシフトレジスタに送信するときに、前記制御部は、前記走査データをラッチするために、ラッチ(LAT)信号を、前記駆動回路203−1から203−mまでのラッチレジスタに送信するとともに、各駆動回路203−1から203−mまでの駆動バッファデバイスが、前記ラッチレジスタ内にラッチされたデータによって、LEDを駆動する。駆動回路203−1から203−mまでがラッチ信号を受信するのと同時に、各駆動回路203−1から203−mまでの検出デバイスは、LEDの状態データを搬送している状態データを、駆動回路203−1から203−mまでのシフトレジスタにロードする。画像#K+2のデータを搬送する、次の新規走査データを駆動回路203−1から203−mまでに送信するときに、これらのLED状態データを、クロック(CLK)信号に同期して、駆動回路203−1から203−mまでのデータ出力(DAO)端子を介して、制御部201にシリアルにシフトアウトする。
【0021】
LEDをドライバでターンオンした場合にのみ、当該LEDの状態検出結果は有用でありうる。そのため、制御部201は、ターンオンしてあるLEDが、異常状態にあるか否かを判定することが可能であるに過ぎない。制御部201は、LED状態データ及び対応する走査データをメモリデバイス内に保存しても良く、かつそれらの異常LEDの正確な位置をピンポイントに特定するために、前記状態データと前記走査データとを比較しても良い。
【0022】
もし全LEDの状態を検出しなければならないならば、制御部201は、全LEDをターンオンするために、駆動回路203−1から203−mまでに白色画像データを搬送する走査データを送信しても良い。LED状態データは、クロック信号(CLK)に同期してシリアルに制御部201にシフトされるので、制御部201は、それらの異常LEDの正確な位置をピンポイントに特定するために、前記クロック(CLK)信号を数えても良い。
【0023】
図3は、本発明の第1実施態様による駆動回路、例えば図2の203−1の内部接続の概略ブロック図である。図3を参照する。例えばn個のLEDを駆動する駆動回路203−1は、n本のシフトレジスタ301−1から301−nまでと、n本のラッチレジスタ303−1から303−nまでと、駆動バッファデバイス305と、検出デバイス307と、データ入力(DAI)端子と、データ出力(DAO)端子と、クロック(CLK)入力端子と、ラッチ(LAT)入力端子とを具備する。
【0024】
n本のシフトレジスタ301−1から301−nまでは、第i番目のシフトレジスタの前記データ出力端子を第(i+1)番目のシフトレジスタの前記データ入力端子に接続してある。ここで、iは整数であるとともに、0<i<=nである。
【0025】
n個のラッチレジスタ303−1から303−nまでは、第j番目のラッチレジスタの出力端子を、第j番目のLEDを駆動する駆動バッファデバイス305に接続してあるとともに、第j番目のラッチレジスタの入力端子を、第j番目のシフトレジスタの出力端子に接続してある。ここで、jは、整数であるとともに、0<j<=nである。
【0026】
駆動バッファデバイス305は、その入力端子を、n本のラッチレジスタ301−1から303−nまでの出力端子に接続してあるとともに、その出力端子をn個のLEDに接続してある。
【0027】
検出デバイス307は、その入力端子をLEDに接続してあるとともに、その出力端子をn本のシフトレジスタ301−1から301−nまでに接続してある。
【0028】
駆動回路203−1のデータ入力(DAI)端子を、第1シフトレジスタ301−1の入力端子に接続してある。駆動回路203−1のデータ出力(DAO)端子を、第n番目のシフトレジスタ301−nの出力端子に接続してある。クロック(CLK)入力端子は、駆動回路203−1にクロック信号を提供している。ラッチ(LAT)入力端子は、n本のラッチレジスタ303−1から303−nまで及び検出デバイス307に接続してある。
【0029】
CLK,LAT信号を、制御部から駆動回路203−1に送信する。
【0030】
図3の検出デバイス307は、n個のLED309−1から309−nまでの状態を検出可能である一方、これらのLEDは、例えば画像#Kのような、画像を表示している。新規画像、画像#K+1の走査データを、シフトレジスタ301−1から301−nまでに送信するときに、前記走査データをラッチするために、ラッチ(LAT)信号を、ラッチレジスタ303−1から303−nまでに送信するとともに、駆動バッファデバイス305は、ラッチレジスタ303−1から303−nまでにラッチしたデータによってLED309−1から309−nまでを駆動する。ラッチ信号を受信するのと同時に、検出デバイス307は、LED309−1から309−nまでの状態データを、シフトレジスタ301−1から301−nまでにロードする。新規画像、画像#K+2の走査データを、データ入力(DAI)端子を介してシフトインするときに、これらのLED状態データを、クロック(CLK)信号と同期して、データ出力(DAO)端子を介して、シリアルにシフトアウトする。
【0031】
図4は、本発明の第1実施態様による、LED状態検出方法を説明しているフローチャートである。図4を参照する。最初に、制御部がシフトレジスタに走査データを提供する(S401)。次いで、駆動バッファデバイスは、前記走査データによってLEDを駆動する(S403)。前記検出デバイスは、状態データを取得するために、LEDの状態を検出可能である(S405)。次いで、前記検出デバイスは、前記シフトレジスタを前記状態データでリフレッシュする(S407)。最後に、前記状態データを前記制御部にシフトするとともに、どのLEDが異常状態にあるか判定するために、前記走査データと前記状態データとを比較可能である(S409)。
【0032】
後続の実施例を、本発明の第1実施態様の実施を説明するために使用する。制御部201がnビットの走査データ、例えば01…1を、画像#Kのデータとして、図3内の駆動回路203−1に送信すると仮定する。即ち、論理ビット0を第1シフトレジスタ301−1にシフトし、論理ビット1を第2シフトレジスタ301−2にシフトし、…、かつ論理ビット1を第n番目のシフトレジスタ301−nにシフトする。ラッチ(LAT)信号を駆動回路203−1に送信したときに、ラッチレジスタ303−1から303−nまでは、画像#Kの走査データをラッチする。次いで、ラッチレジスタ303−1から303−nまでにラッチしたデータによって、駆動バッファデバイスは、LED309−1から309−nまでを駆動する。この実施例では、前記走査データはnビット01…1なので、ラッチレジスタ303−1から303−nまでは走査データをラッチした後、第1LED309−1をターンオフし、第2LED309−2をターンオンし、…、かつ第n番目のLED309−nをターンオンする。
【0033】
検出デバイス307は、画像#Kを表示中のLED309−1から309−nまでの状態を検出可能である。発光中のLEDに限って、状態検出結果が有効であることに留意する。第2LED309−2が異常であると仮定する。検出デバイス307は、第2LED309−2が異常であることを発見するとともに、異常状態ビット、例えば論理ビット0を、前記状態データの第2ビットに保存する。明確を旨とするために、画像#Kを表示しているときのLEDの状態に対応する状態データを、ここでは状態データ#Kという。
【0034】
次の画像、画像#K+1のnビットの走査データを、シフトレジスタ301−1から301−nまでに送信したときに、ラッチ(LAT)信号を、駆動デバイス203−1に再度送信する。駆動デバイス203−1がラッチ(LAT)信号を受信したときに、検出デバイス307は、状態データ#Kをシフトレジスタ301−1から301−nまでにロードする。この実施例では、状態データ#Kの論理0である第2ビットを、第2シフトレジスタ301−2にロードする。次の画像#K+2に対するnビットの走査データを、シフトレジスタ301−1から301−nまでに送信したときに、シフトレジスタ301−1から301−nまでの状態データ#Kを、制御部201にシフトする。
【0035】
制御部201は、どのLEDが異常であるかを判定するために画像#Kの走査データと状態データ#Kとを比較しても良い。走査データ内の論理ビット1は、対応するLEDをターンオンしているとともに、LEDの状態検出結果が有効であることを示している。この実施例では、画像#Kの走査データの第2ビットが、論理1である一方、状態データ#Kの第2ビットが、論理0である。それゆえ、制御部201は、第2LED309−2が異常であることを知る。
【0036】
上記より、LED状態検出のために、モード切替回路及び余計な制御端子が不要である。LED状態データが収集される一方で、LEDが中断されることなしに画像を表示しているので、いわゆるリアルタイム監視を達成している。さらには、前記走査データと前記状態データとを比較することによって、異常LEDの位置をピンポイントに特定可能である。
【0037】
留意すべきことは、上述の実施態様は、LED状態検出に対して本発明が取りうる構成であるが、当業者には、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、種々の修正例及び変形例を本発明の構成となしうることである。即ち、状態データでレジスタをリフレッシュするとともに、フラットパネルディスプレイのピクセルが異常状態にあるか否か判定するために、走査データと前記状態データとを比較する方法を具備するいかなる発明も、本発明の範囲及び趣旨内である。
【0038】
以下では、当業者が容易に本発明を実施可能となるよう、より多くの実施態様を説明する。
【0039】
図5は、本発明の第2実施態様による、スマート検出機能によるLED状態検出のためのディスプレイドライバの概略ブロック図である。図5を参照する。前記ディスプレイドライバは、制御部501と、m個の駆動回路503−1から503−mまでを具備する。m個の駆動回路503−1から503−mまでをカスケード接続してある。もし、各駆動回路503−1から503−mまでがn個のLEDを駆動可能であれば、図5内のディスプレイドライバは、m×n個のLEDを駆動可能である。各駆動回路503−1から503−mまでは、データ入力(DAI)端子と、データ出力(DAO)端子とを具備する。各駆動回路503−1から503−mまでのシフトレジスタは、入力データを、1ビットずつ、データ入力(DAI)端子から、データ出力(DAO)端子に向けてシフト可能である。第1駆動回路503−1の前記データ入力端子を、制御部501の前記走査データ端子に接続してある。第1駆動回路503−1の前記データ出力端子を、第2駆動回路503−2の前記データ入力端子に接続してある。第2駆動回路503−2の前記データ出力端子を、第3駆動回路(図3には図示せず)の前記データ入力端子に接続してある。等々である。最後の駆動回路503−mの前記データ出力端子を、制御部501の受信端子に接続してある。表示すべき画像のデータを搬送している走査データを、制御部501が、走査データ端子を介して、駆動回路503−1から503−mにシリアルに送信する。クロック(CLK)毎に、走査データの1ビットを送信する。
【0040】
図5で、スマート検出(SDT)信号を使用している。制御部501が送信したスマート検出(SDT)信号を、駆動回路503−1から503−mまでが受信したときに、スマート検出処理を開始するとともに、駆動回路503−1から503−mまでが、前記スマート検出信号に続く第1ラッチ(LAT)信号を受信したときに、前記スマート検出処理を終了する。駆動回路503−1から503−mまでによってスマート検出(SDT)信号を受信したときに、駆動回路503−1から503−mまでの駆動バッファデバイスは、全LEDを駆動するとともにターンオンする。ここで、前記駆動バッファデバイスは、全LEDを発光させるときに、全LEDの輝度を低減するので、表示デバイス内で画像表示が中断しても人の眼は感知不可能であるとともに、前記スマート検出の進行中に、いわゆる不可視検出を達成可能である。全LEDの発光中に、駆動回路503−1から503−mまでの検出デバイスは、LEDの状態を検出するとともに、LEDの状態データを搬送している状態データを、駆動回路503−1から503−mまでのシフトレジスタにロードする。これらのLED状態データを、駆動回路503−1から503−mまでのデータ出力(DAO)端子を介して、スマート検出(SDT)信号に続くクロック(CLK)信号と同期して、制御部501にシリアルにシフトアウトする。LEDの状態データを、クロック(CLK)信号と同期して、制御部501にシリアルにシフトアウトするので、制御部501は、これらの異常なLEDの正確な位置をピンポイントに特定するために、クロック(CLK)信号を数えても良い。
【0041】
図6は、本発明の第2実施態様による、スマート検出機能を有する、例えば図5の503−1のような、駆動回路の内部接続の概略ブロック図である。図6を参照する。例えばn個のLEDを駆動する、駆動回路503−1は、n本のシフトレジスタ601−1から601−nまでと、n本のラッチレジスタ603−1から603−nまでと、駆動バッファデバイス605と、LED状態検出回路607と、データ入力(DAI)端子と、データ出力(DAO)端子と、クロック(CLK)入力端子と、ラッチ(LAT)入力端子と、スマート検出(SDT)入力端子とを具備する。
【0042】
n本のシフトレジスタ601−1から601−nまでは、第i番目のシフトレジスタの前記データ出力端子を第(i+1)番目のシフトレジスタの前記データ入力端子に接続してある。ここで、iは、整数であるとともに、0<i<nである。
【0043】
n本のラッチレジスタ603−1から603−nまでは、第j番目のラッチレジスタの出力端子を、第j番目のLEDを駆動する駆動バッファデバイス605に接続してあるとともに、第j番目のラッチレジスタの入力端子を、第j番目のシフトレジスタの出力端子に接続してある。ここで、jは、整数であるとともに、0<j<=nである。
【0044】
駆動バッファデバイス605は、その入力端子をn本のラッチレジスタ603−1から603−nまでの出力端子に接続してあるとともに、その出力端子をn個のLEDに接続してある。
【0045】
検出デバイス607は、その入力端子をLEDに接続してあるとともに、その出力端子をn個のシフトレジスタ601−1から601−nまでに接続してある。
【0046】
駆動回路503−1のデータ入力(DAI)端子を、第1シフトレジスタ601−1の入力端子に接続してある。駆動回路503−1のデータ出力(DAO)端子を、第n番目のシフトレジスタ601−nの出力端子に接続してある。クロック(CLK)入力端子は、駆動回路503−1にクロック信号を提供する。ラッチ(LAT)入力端子を、n本のラッチレジスタ603−1から603−nまでに接続してある。スマート検出(SDT)入力端子を、検出デバイス607に接続してある。
【0047】
CLK,LAT及びSDT信号を、制御部から駆動回路503−1に送信する。
【0048】
同様に、図6で、スマート検出(SDT)信号を駆動回路503−1によって受信したときに、スマート検出処理を開始するとともに、前記スマート検出信号に続く最初のラッチ(LAT)信号を駆動回路503−1によって受信したときに、前記スマート検出処理を終了する。駆動回路503−1によってスマート検出(SDT)信号を受信したときに、駆動バッファデバイス605は、全n個のLED609−1から609−nまでを駆動するとともにターンオンする。検出デバイス607は、全n個のLED609−1から609−nまでを駆動するとともにターンオンするために、駆動バッファデバイス605を直接制御しても良く、又は検出デバイス607は、全n個のLED609−1から609−nまでを駆動するとともにターンオンするように駆動バッファデバイス605を制御するために、例えばn個のシフトレジスタ601−1から601−nまでに、全て1をロードしても良い。スマート検出の下で駆動バッファデバイス605がn個のLED609−1から609−nまでを発光させているときに、前記スマート検出の進行中にディスプレイデバイス内の画像の中断を人の眼が感知不可能であるように、駆動バッファデバイス605は、全n個のLED609−1から609−nまでの輝度を低減する。全n個のLEDが発光しているときに、検出デバイス607は、n個のLED609−1から609−nまでの状態を検出するとともに、n個のLEDの状態データを、n本のシフトレジスタ601−1から601−nまでにロードする。スマート検出(SDT)信号に続くクロック(CLK)信号に同期して、これらのLED状態データを、データ出力(DAO)端子を介してシリアルにシフトアウトする。
【0049】
図7は、本発明の第2実施態様によるスマート検出機能を具備するLED状態検出方法を説明するフローチャートである。図7を参照する。最初に、制御部が、検出デバイスにスマート検出信号を送信する(S701)。ついで、全LEDを駆動するとともにターンオンするように、前記検出デバイスは駆動バッファデバイスを制御する(S703)。前記検出デバイスは、状態データを取得するために全LEDの状態を検出可能である(S705)。次いで、前記検出デバイスは、前記状態データでシフトレジスタをリフレッシュする(S707)。最後に、前記状態データを前記制御部にシフトするとともに、制御部は、前記状態データによって、どのLEDが異常状態にあるか判定可能である(S709)。
【0050】
図8は、本発明の第2実施態様によるスマート検出処理のタイミング図である。クロック(CLK)、データ入力(DAI)、ラッチ(LAT)、スマート検出(SDT)及びデータ出力(DAO)信号を、前記タイミング図内に示している。図8を参照する。実施例として、8個のLEDを駆動可能な駆動回路を使用している。スマート検出(SDT)信号を前記駆動回路によって受信したときに、前記スマート検出処理を開始するとともに、前記スマート検出(SDT)信号に続く最初のラッチ(LAT)信号を前記駆動回路が受信したときに、前記スマート検出処理を終了する。
【0051】
全8個のLEDをターンオンするとともに、前記駆動回路によって前記SDT信号を受信したときに、全8個のLEDの状態を検出する。次いで、前記8個のLEDの状態データを8本のシフトレジスタにロードして、DAO信号を介して、制御部又は他の駆動回路でも良い次のデバイスにシフトアウトする。図8に示しているように、DAO信号は、クロック(CLK)信号の立ち上がり端と同期する。もし、論理“1”が正常LED状態を表すとともに、論理“0”が異常LED状態を表すのであれば、図8のDAO信号は、第2LED及び第5LEDが異常であることを示している。ここで、前記8個のLEDの順序は、データ入力(DAI)端子から、前記駆動回路のデータ出力(DAO)端子までの順序である。
【0052】
本発明の上記の実施態様では、LEDディスプレイを実施例として使用したが、本発明で開示する方法及びディスプレイドライバは、いかなる種類のフラットパネルディスプレイにも適用可能であることに留意する。
【0053】
当業者にとっては、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、種々の修正例及び変形例を本発明の構成となしうる。上記を鑑み、本発明の修正例や変形例が、本願特許請求の範囲及びその均等物に当てはまるのであれば、それらの修正例及び変形例を本発明がカバーするものと解する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、従来のピクセル状態検出のためのディスプレイドライバの概略ブロック図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施態様によるLED状態検出のためのディスプレイドライバの概略ブロック図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施態様によるLED駆動回路の内部接続の概略ブロック図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施態様によるLED状態検出方法を説明しているフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の第2実施態様による、スマートな検出機能を有するLED状態検出のためのディスプレイドライバの概略ブロック図である。
【図6】図6は、本発明の第2実施態様による、スマートな検出機能を有するLED駆動回路の内部接続の概略ブロック図である。
【図7】図7は、本発明の第2実施態様による、スマートな検出機能を有するLED状態検出方法を説明しているフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の第2実施態様による、スマートな検出処理のタイミング図である。
【符号の説明】
【0055】
201 制御部
203−1 駆動回路
203−2 駆動回路
203−m 駆動回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジスタを有するディスプレイドライバを具備するフラットパネルディスプレイのピクセル状態検出のための方法であって、前記フラットパネルディスプレイでピクセルを駆動するために、
前記レジスタに走査データを提供する段階と、
前記ピクセルを駆動するために前記走査データを使用する段階と、
状態データを取得するためにピクセル状態を検出する段階と、
前記状態データで前記レジスタをリフレッシュする段階と、
前記ピクセルが異常状態にあるか否かを判定するために前記走査データと前記状態データとを比較する段階とを具備することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記レジスタは、n個のピクセルを駆動するためのn本のシフトレジスタを具備し、各シフトレジスタは、
データ入力端子と、
データ出力端子と、
クロック端子とを具備し、
第i番目のシフトレジスタの前記データ出力端子は、第(i+1)番目のシフトレジスタのデータ入力端子に接続してあり、
前記レジスタの前記クロック端子は、クロックシグナルを受信し、
第1シフトレジスタの前記データ入力端子は、前記走査データを受信することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記状態データを取得するためにピクセル状態を検出する段階は、
全ピクセル中のアクティブピクセルの状態を検出する段階と、
kを自然数であるとともに0<=k<=nとして、
第k番目のピクセルが異常状態にあるとともに検出されたときに、前記状態データの第k番目のビットに、異常状態ビットを保存する段階とを具備することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記状態データで前記レジスタをリフレッシュする段階は、第k番目のシフトレジスタを、前記状態データの第k番目のビットでリフレッシュする段階であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ピクセルは、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
フラットパネルディスプレイのピクセル状態を検出する方法であって、
nを自然数として、
n個のピクセルを有する前記フラットパネルディスプレイは、n個のピクセルを駆動するための走査データを格納するn本のシフトレジスタを有するディスプレイドライバを具備し、
前記ドライバにより前記n個のピクセルをイネーブルする段階と、
n個の状態データを取得するためにn個のピクセル状態を検出する段階と、
前記n個の状態データで前記n本のシフトレジスタをリフレッシュする段階と、
前記n個の状態データにより、前記n個のピクセル中のどのピクセルが異常状態にあるかを判定する段階とを具備することを特徴とする方法。
【請求項7】
各シフトレジスタは、
データ入力端子と、
データ出力端子と、
クロック端子とを具備し、
第i番目のシフトレジスタのデータ出力端子は、第(i+1)番目のシフトレジスタのデータ入力端子に接続してあり、前記レジスタの前記クロック端子は、クロック信号を受信し、第1シフトレジスタの前記データ入力端子は、前記クロック信号により、走査期間にシーケンシャルにnビットの走査データを受信することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
nビットの状態データを取得するためにピクセル状態を検出する段階は、
kを自然数であるとともに0<=k<=nとして、
第k番目のピクセルが異常状態にあるとともに検出されたときに、前記状態データの第k番目のビットに、異常状態ビットを保存する段階を具備することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
状態データで前記レジスタをリフレッシュする段階は、
第k番目のシフトレジスタを、前記状態データの第k番目のビットでリフレッシュする段階であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ピクセルは、発光ダイオードであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
ディスプレイの複数のピクセルを接続してあるディスプレイドライバであって、m個の駆動回路を具備し、各駆動回路は、
データ入力端子と、
データ出力端子と、
それぞれ前記ピクセル中のn個のピクセルに接続してあるn個の駆動端子と、
n本のシフトレジスタと、
n個の検出端子及びn個の出力端子を有する検出デバイスと、
受信端子及び走査データ端子を有する制御部とを具備し、
m,n及びiを自然数であるとともに、0<i<=nとして、
第i番目の駆動回路の前記データ出力端子は、第(i+1)番目の駆動回路の前記データ入力端子に接続してあり、
それぞれの前記シフトレジスタは、入力端子及び出力端子を具備し、第i番目のシフトレジスタの前記出力端子は、第(i+1)番目のシフトレジスタの前記入力端子及び第i番目の駆動端子に接続してあり、
前記n個のピクセルの状態を検出して、前記シフトレジスタに状態データを出力するために、前記検出デバイスの前記検出端子は、それぞれ前記駆動端子に接続してあるとともに、前記検出デバイスの前記出力端子は、それぞれ前記シフトレジスタに接続してあり、
前記走査データ端子は、第1駆動回路の前記データ入力端子に接続してあるとともに、
前記状態データをシーケンシャルに受信するために、前記受信端子は、第m番目の駆動回路の前記データ出力端子に接続してあり、
第1駆動回路の前記データ入力端子は、クロック信号によって、前記制御部の前記走査データ端子から操作データをシーケンシャルに受信することを特徴とするディスプレイドライバ。
【請求項12】
n本のラッチレジスタをさらに具備し、
前記ラッチレジスタはそれぞれ、
ラッチ入力端子と、
ラッチ出力端子と、
ラッチイネーブル信号を受信するラッチイネーブル端子とを具備し、ラッチイネーブル信号を受信したときに、ラッチレジスタは、前記ラッチ入力端子から受信したデータを前記ラッチ出力端子にラッチし、
jを自然数であるとともに、0<j<=nとして、
第j番目のラッチレジスタのラッチ出力端子は、第j番目の駆動端子に接続してあるとともに、第j番目のラッチレジスタのラッチ入力端子は、第j番目のシフトレジスタに接続してあることを特徴とする請求項11に記載のディスプレイドライバ。
【請求項13】
第j番目のラッチレジスタと第j番目の駆動端子との間に接続してある駆動バッファをさらに具備することを特徴とする請求項12に記載のディスプレイドライバ。
【請求項14】
n本のシフトレジスタにnビットの特定のデータをそれぞれ出力するように前記検出デバイスを制御するためにスマート検出信号を受信するスマート検出端子を前記検出デバイスは具備し、前記シフトレジスタは、特定のデータで前記ピクセルを動作可能にし、前記検出デバイスは、前記n個のピクセルを検出するとともに、前記シフトレジスタにn個の特定の結果データを出力することを特徴とする請求項11に記載のディスプレイドライバ。
【請求項15】
前記複数のピクセルは、複数の発光ダイオードであることを特徴とする請求項11に記載のディスプレイドライバ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−15281(P2009−15281A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276920(P2007−276920)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(507352477)點晶科技股▲フン▼有限公司 (5)
【Fターム(参考)】