説明

フラボノイド複合体

本発明は、あるフラボノイド誘導体の複合体、かかる誘導体を含む組成物、フラボノイド誘導体または同誘導体を含む組成物の調製のための対応する方法、および特に皮膚または毛髪の一般状態のケア、維持または改善のためのこれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラボノイド誘導体の複合体、かかる誘導体を含む組成物、フラボノイド誘導体または同誘導体を含む組成物の調製のための対応する方法、および特に皮膚または毛髪の一般状態のケア、維持または改善のためのこれらの使用に関する。
【0002】
ルテオリンおよびその誘導体は、種々の有利な特性を有する。ルテオリンは、優れた酸化防止剤であり、非常に良好なフリーラジカル捕捉剤である。また、ルテオリンは、酵素的脂質過酸化および非酵素的脂質過酸化の両方を抑制する。ルテオリンは、心血管系に良い影響を与え、動脈硬化の発現を予防することができる。
【0003】
ルテオリンの抗発癌性作用は顕性であり、とりわけ種々のヒト腫瘍細胞系に対し、強い抗増殖活性を示す。ルテオリンの炎症抑制、抗ウイルス性、抗菌性および放射線防護の特性もまた同様に報告されている。ルテオリンはまた、アルドース還元酵素の阻害剤として、糖尿病性白内障に対し予防作用を有する。その上ルテオリンは、ヒアルロン酸分解酵素の阻害剤として、皮膚のケアに対して価値ある活性物質であり、かつ特に皮膚の水分含有量を維持することによって、皮膚の早期老化を予防するのに役立つ。
【0004】
ルテオリンおよびその誘導体の使用に関し、貯蔵安定性が増している組成物、またはこれらの化合物の生体利用性が高い組成物の中に、より容易に組み込まれることができる投与形態であることが望ましい。
【0005】
驚くべきことに、これらの化合物とシクロデキストリンとの複合物は、優れた方法で前記要求を満たす製品となることが現在見出されている。
【0006】
したがって、本発明は、第1に、式I
【0007】
【化1】

【0008】
[式中、
すべてのRは、各々互いに独立して、H、CH3CO、アルキルまたはヒドロキシアルキル基を表し、アルキル基およびヒドロキシアルキル基は、分枝または非分枝であってよく、1〜18個の炭素原子を有することができ、
CDは、シクロデキストリン分子を表し、
oは、数1を表し、
pは、0.5〜3までの範囲の数を表し、ならびに
ここで、硫酸塩またはリン酸塩もまた各々互いに独立して、置換基Rにおいて言及した基の1個または複数のヒドロキシル基に結合されていてもよい。]
の複合化合物に関する。
【0009】
本出願は、第2に、適切な賦形剤を含む組成物に関する。組成物は、
0.005〜99重量%の、請求項1に記載の式Iの複合化合物または組成物を含み、
0.002〜70重量%のシクロデキストリンを含み、
0.001〜60重量%の、少なくとも1種の式IIの化合物、またはこれらの局所的に許容される塩および/または誘導体を含むことを特徴とする。
【0010】
【化2】

【0011】
[式中、
すべてのRは、各々互いに独立して、H、CH3CO、アルキルまたはヒドロキシアルキル基を表し、アルキル基およびヒドロキシアルキル基は、分枝または非分枝であってよく、1〜18個の炭素原子を有することができる]。
【0012】
ここで、本発明による組成物は、通常、例えば、化粧品用製剤もしくは皮膚用製剤などの局所的に用いられ得る組成物、または経口的に使用される、薬剤もしくは食品もしくは栄養補助食品もしくは化粧品のいずれかである。組成物は、所望の特性プロフィールに応じて、美容上、または皮膚科的に、または医薬として、または食品として適切である賦形剤、および場合によってさらに適切な成分を含む。
【0013】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は噴霧可能な組成物である。特に、これらの組成物は、水性または水性−アルコール性の賦形剤を主成分として構成されることがこの場合には有利である。
【0014】
好ましくはエアゾールを用いる。エアゾールは、固体または液体が、気体中に極めて微細に分散している分散系である。エアゾールは、これ自体、適切な噴霧方式を採用して、液剤、乳液または懸濁液を噴霧することによって使用する上で、一般に形成されているだけである。この方式は、先端部に、例えば、スプレー容器を使用することが可能であり、この容器中では、液化圧縮ガスが噴射ガスとしての機能を果たす。圧力弁を開くと同時に、噴射剤/組成物の混合物が微細ノズルから漏れ出し、噴射剤は蒸発し、微細に分散された噴霧材料がエアゾールとして後に残る。
【0015】
活性成分は、エアゾール剤に溶解することができるか、または固体の形態で存在することができる。しかし、これらの成分が固体の形態で存在する場合には、噴射剤系に相応じて懸濁される必要がある。
【0016】
エアゾールとして噴霧可能な乳液を主体とした、化粧品用もしくは皮膚用のスキンケア組成物は、一般にO/W系であり、この系において親水性の活性化合物は外部水相に溶解されている。油相は、シリコーン含有油を含むことが多く、噴霧後に皮膚が心地良く感じられることに寄与している。
【0017】
ここで使用され得る噴射ガスは、例えば二酸化炭素などの親水性の噴射ガス、または例えば炭化水素などの親油性の噴射剤である。他の好ましい組成物は、ポンプスプレーであり、その中では、生成物はアトマイザー容器に分散されており、機械的に噴出させることによって霧化される。
【0018】
適切な、噴霧可能であるW/O型乳液は、例えば、明細書DE−10162844−A1、DE−10162842−A1、DE−10162841−A1、DE−10162840−A1またはDE−10048683−A1に記載されているものである。
【0019】
同様に適切なものに、WO2004030641に記載されているような、エアゾールとして室温で噴霧することができるW/O型乳液がある。このタイプの乳液には、脂肪相、および組成物の総重量に対して20〜85重量%の水、および1種または複数種のW/O型乳化剤、および1種または複数種の親水性の噴射ガスが含まれる。かかる脂肪相には、少なくとも90重量%の室温で液体である油成分、ならびに多くとも4重量%の、C12−〜C18−アルカン酸のC3〜C4エステル、C8−〜C12−アルカノールおよびシリコーン油からなる群から選択される物質が含まれる。
【0020】
W/O乳化剤または複数種のW/O乳化剤は、PEG−30ジポリヒドロキシステアレート、デカグリセリルヘプタオレート、ポリグリセリル3−ジイソステアレート、PEG−8ジステアレート、ジグリセリンジポリヒドロキシステアレート、グリセリンイソステアレート、ソルビタンイソステアレート、ポリグリセリル−3メチルグルコースジステアレート、8〜30個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、オリゴ−またはポリグリセリンエーテル、セチルジメチコンコポリオール、アルキルメチコンコポリオール、アルキルジメチコンエトキシグルコシド、追加的に(ポリ5)エトキシル化された、および/または(ポリ)プロポキシル化された複数種のW/O乳化剤、例えば、ポリエトキシル化水添ヒマシ油もしくはポリエトキシル化非水添ヒマシ油、エトキシル化コレステロール、ステアレス−2などのエトキシル化脂肪族アルコール、PEG−2ステアレート、PEG−40ソルビタンペルイソステアレートなどのエトキシル化脂肪酸などの群から選択されることが特に好ましい。W/O乳化剤(1種または複数種)は、PEG−30ジポリヒドロキシステアレート、ポリグリセリル−3ジイソステアレート(=ポリグリセリン−3ジイソステアレート)、ジグリセリンジポリヒドロキシステアレート、グリセリンイソステアレート、セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン、ソルビタンイソステアレート、ポリグリセリル−3メチルグルコースジステアレート、ステアレス−2、PEG−2ステアレート、ソルビタンステアレート、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよび/またはセテアリルアルコールからなる群から選択されることが好ましい。
【0021】
極めて特に好ましいのは、上記複数種のW/O乳化剤の組合せ、具体的には2種の乳化剤の組合せを使用することである。
【0022】
本発明に従って、使用されるW/O乳化剤または使用される複数種のW/O乳化剤は、0.5〜8重量%(組成物の総重量に対して)の濃度で存在することが有利であるが、乳化剤の含有量を低く保つこと、例えば、いずれの場合にも組成物の総重量に対して5重量%以下に保つことが可能であり、かつ有利である。その上、W/OおよびO/W乳化剤の組合せを用いるような方法で乳化剤を選択することは有利である可能性がある。
【0023】
組成物がさらに、安定剤を含むことは有利であり得る。用いられる安定剤は、PEG−45/ドデシルグリコールコポリマー、および/またはPEG22/ドデシルグリコールコポリマーおよび/またはメトキシPEG−22/ドデシルグリコールコポリマー10であることが好ましい。その上、プルロニック型のポロキサマーも好ましい。安定剤(1種または複数種)は、0〜8重量%の濃度で存在することが有利であるが、安定剤の含有量を低く保つこと、例えば、いずれの場合にも組成物の総重量に対して5重量%以下に保つことが可能であり、かつ有利である。組成物のpHが酸性の範囲にある場合、安定剤を用いることが極めて特に有利である。極めて特に好ましいのは、安定剤と上記複数種のW/O乳化剤との組合せを使用することである。
【0024】
本発明による組成物がUVフィルター物質を含む場合、油相は、ブチレングリコール誘導体(例えば、ブチレングリコールジカプリレートなど)、トリグリセリド(例えば、カプリル酸/カプリン酸25トリグリセリド、C2〜C5安息香酸アルキルおよび/またはシリコーン油を含むこと、または完全にかかる油からなることが有利である。
【0025】
水の量は、組成物の総重量に対して約85重量%以下であることが可能であり、最適含水量は、50〜80重量%の範囲で通常選択される。
【0026】
本発明による、噴霧可能である組成物は、非常に良好な知覚特性、例えば皮膚における延展性、または皮膚への吸収力などを示し、さらに加えて平均以上のスキンケアおよび心地良い冷却効果によって区別される。
【0027】
シクロデキストリンは、6、7、8個またはさらに多くのα−1,4−結合のグルコース単位から構成され、シクロヘキサアミロース(アルファ−またはα−シクロデキストリン)は、構造
【0028】
【化3】

【0029】
によって識別される。
【0030】
シクロヘプタアミロース(いずれの場合にも−O−基によって、このグリコシド基に結合されたベータ−またはβは、β−シクロデキストリンから選択される少なくとも1個の基である。)は、構造
【0031】
【化4】

【0032】
によって識別される。
【0033】
シクロオクタアミロース(ガンマ−またはγ−シクロデキストリン)は、構造
【0034】
【化5】

【0035】
によって識別される。
【0036】
シクロエニアアミロース(デルタ−またはδ−シクロデキストリン)は、構造
【0037】
【化6】

【0038】
によって識別される。
【0039】
シクロデキストリンは、誘導体化されていない形(RはH)で、または誘導体化された形、例えばR位において、アルコキシル化、ヒドロキシアルキル化もしくはアルキル化、特にプロポキシル化もしくはメチル化された形態でも存在することができる。
【0040】
ここで、バイオフラボノイド/シクロデキストリン複合体は、原則として以下のように知られている:
K.Miyake、H.Arima他(Pharm.Dev.Techn.5(3)2000、399〜407には、ルチンとβ−シクロデキストリンとの1:1の複合体、ならびにこの溶解度および遊離挙動について記載されている。ここでは、β−シクロデキストリン複合体および2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン複合体が特に安定であることが見出された。この出版物によると、α−およびγ−シクロデキストリン複合体は、一般に、β−シクロデキストリン複合体に比べてルチンを複合体化するのには適さない。
【0041】
T.K.Nguyen、H.Galons、C.Chemtob、Congr.Int.Technol.Pharm.、6th(1992)、Vol5、408−16408−416には同様に、ルチンの種々のシクロデキストリン複合体について記載されている。ここでは、ルチン:シクロデキストリンのモル比が1:1および1:2である複合体について記載されており、2,6−ジ−O−メチル−β−シクロデキストリン複合体が特に可溶性であることが証明されている。
【0042】
大豆または発酵大豆中のイソフラボンと、β−およびγ−シクロデキストリンとの複合体は、欧州特許出願EP−A−796 624に記載されている。複合体化によってイソフラボンの溶解度が増大し、これらの苦味が緩和される。
【0043】
β−およびγ−シクロデキストリンとのルチン複合体、およびこれらの酸化防止剤としての使用は、日本特許出願JP05/9137499に記載されている。
【0044】
ケルセチン配糖体のシクロデキストリン複合体を含む飲料は、日本特許出願JP07/075536に記載されている。
【0045】
日本特許出願JP05/186344には、ビタミンC、およびビタミンCの生体吸収を向上させるビタミンPのシクロデキストリン複合体を含む組成物について記載されている。ルチン、ヘスペリジンおよびエリオシトリンの複合体、例えばモル比が1.2であるルチン/β−シクロデキストリン複合体などについて記載されている。
【0046】
3−メトキシケルセチンとヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンとの複合体が鼻上皮細胞に及ぼす作用については、S.Dimova、R.Mugabowindekwe他、Int.J.Pharm.26381−2)2003、95〜103において検討されている。
【0047】
種々のフラボノイド(ヘスペレチン、ヘスペリジン、ナリンゲニン、ナリンギン)のβ−シクロデキストリン複合体は、R.Ficarra、S.Tommasini他;J.Pharm.Biomed.Analysis 29(6)2002、1005〜1014において特徴づけられている。
【0048】
R.−L.Wang、Yu Yang他;Yingyong Huaxue 19(7)2002 702〜704では、種々のフラボノイド(ルチン、ケルセチン、モリン)の種々のβ−シクロデキストリン複合体の、安定性および溶解度について比較検討されている。ここでは、メチル−β−シクロデキストリン複合体が、特に高い溶解度を有することが証明されている。
【0049】
K.Hostettmann、M.Lederer and A.Marston;Phytochemical Analysis 1186)2000、380〜382には、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンが、セルロースに吸収させたフラボノイドに及ぼす溶出作用について検討されている。
【0050】
当業者には予測不可能な方法で、上記の、式Iの複合化合物または式IIの化合物およびシクロデキストリンを含む、局所使用のための組成物は、従来技術の不利な点を改善することが見出されている。
【0051】
ここで特に有利であるのは、用いられるシクロデキストリンが、γ−シクロデキストリン、好ましくは、1個もしくは複数のヒドロキシル基において、C124−アルキルもしくはC124−ヒドロキシアルキルで置換されている、具体的にはヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンなどのγ−シクロデキストリンであるか、またはシクロデキストリン混合物の総重量に対して少なくとも30重量%の上記γ−シクロデキストリンを含む、シクロデキストリンの混合物である場合である。
【0052】
シクロデキストリンの含有量が、いずれの場合にも組成物の総重量に対して、0.01〜20.0重量%、好ましくは0.05〜10.0重量%、特に好ましくは0.1〜5.0重量%であることが、さらに有利である。ここで、組成物における式IIの化合物の割合は、組成物全体に対して、好ましくは0.01〜20重量%、特に好ましくは0.05〜10重量%、および中でも特に好ましくは0.1〜5重量%である。組成物における式IIの化合物の割合は、組成物全体に対して、極めて特に好ましくは0.1〜2重量%である。
【0053】
本発明による活性成分の組合せ、またはかかる活性成分の組合せを含む、化粧品用もしくは皮膚用組成物は、あらゆる点で満足のいくような製剤である。本発明による組成物が
・バイオアベイラビリティーが増大した式IIの化合物を提供し、
・皮膚のバリア特性をより良く維持するか、または回復させ、
・皮膚の乾燥をより良く阻止し、かつ
・従来技術の組成物に比べて、環境の影響から皮膚をより良く保護する
ことは、当業者には予測できなかったことである。
【0054】
本発明に従って使用される複合化合物、または本発明に従って使用される、有効な含有量の活性成分の組合せを有する、化粧品用もしくは局所用、皮膚用組成物の使用に関し、
・不十分な、敏感な、もしくは機能が低下した皮膚の状態、または不十分な、敏感な、もしくは機能が低下した皮膚付属器の状態、
・環境(ばい煙、スモッグ、反応性酸素種、フリーラジカル)および特に光に起因する、皮膚および皮膚付属器の不都合な変化、
・光に起因する皮膚損傷、
・痒み、
・乾燥皮膚状態および角質層のバリア異常、
・炎症性の皮膚状態およびアトピー性湿疹、脂漏性湿疹、多形性光皮膚病、乾癬、白斑
の効果的な治療のみならず予防が、意外にも可能である。本発明による複合化合物、または本発明による、有効な含有量の複合化合物を有する、化粧品用もしくは局所用、皮膚用組成物は、
・敏感な、または刺激を受けた皮膚を鎮静させる目的、
・例えばしわおよび瘢痕を減らすのに役立つ、レーザー治療および研磨治療を局所使用する場合、これに伴う皮膚への刺激を阻止するために、および損傷した皮膚において再生作用を促進させるために、前処置および後処置を行う目的
においても使用され得ることが想定される。
【0055】
したがって、
・好ましくない皮膚状態の、美容上または皮膚科学的な治療または予防のため、
・炎症性の皮膚状態、また、アトピー性湿疹の予防および治療のため、
・敏感であると確定された乾燥皮膚の場合に、皮膚の保護のため、
・光化学反応に対する皮膚の保護のため、
・敏感な皮膚状態の治療および予防のため、
・皮膚自体の脱酸化的保護の増進のため、
・および/または環境の影響に対する皮膚の保護の強化のために、
式Iの複合化合物、または式IIの化合物およびシクロデキストリンを含む組成物を使用することも本発明に従うものである。
【0056】
本発明による、複合化合物または活性成分の組合せを含む組成物は、これらすべての使用において、個々の成分に関して相乗作用を有する。
【0057】
本発明によると、式IIの化合物の溶解度を増大させるために、シクロデキストリンおよび/またはシクロデキストリン誘導体を使用することは有利である。さらに有利であるのは、式IIの化合物の生物学的有効性を強化するために、シクロデキストリンおよび/またはシクロデキストリン誘導体を使用することである。
【0058】
式Iの化合物または式IIの化合物のフラボノイド部分において、アルキル基は直鎖状であることが好ましく、1〜12個および好ましくは1〜8個の炭素原子を有する。式Iの化合物または式IIの化合物のフラボノイド部分において、ヒドロキシアルコキシ基は直鎖状であることが好ましく、2〜12個および好ましくは2〜8個の炭素原子を有する。
【0059】
本発明の好ましい実施形態では、具体的には、式Iの化合物または式IIの化合物のフラボノイド部分の水溶性を高める場合、極性基、例えばいずれの場合にも互いに独立して、硫酸基またはリン酸基などが、置換基Rにおいて言及した基の1個または複数のヒドロキシル基に結合される。適切な対イオンは、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のイオンであり、これらは例えばナトリウムまたはカリウムから選択される。
【0060】
さらに好ましい実施形態では、本発明による組成物中に存在する、式Iの化合物または式IIの化合物のフラボノイド部分は、ルテオリンまたはトリスヒドロキシエチルルテオリンである。
【0061】
式Iの化合物または式IIの化合物のフラボノイド部分のいくつかは、例えばルテオリンなどのように、植物から得ることが可能なものもあり、かかる植物には、例えば、ホザキモクセイソウ(Reseda luteola L.)、セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium L.)、ローマカミツレ(Chamomillae requtita)、チョウセンアザミ(Cynara scolymus)、タイム(Thymus vulgaris)、スターチスシヌアータム(Limonium sinuatum)、ハマゴウ(Vitex rotundifolia)、ヒメムカシヨモギ(Erigeron canadensis L.)クサエンジュ(Sophora angustifolia)、サツレヤアボヴェイト(Satureja obovate)、およびスイカズラ(Lonicera japonica)がある。これらの化合物は、単離された形態で、または単離されていない形態で、さらに加工処理することができる。すなわち、例えば、抽出物の形態または精製抽出物の形態で、または植物抽出物から調製される純物質の形態でも、組成物の中に組み込むことができる。
【0062】
本発明による組成物がルテオリンを含む場合、この化合物は、さらに好ましい実施形態では、組成物の調製のために、植物抽出物の形態、精製植物抽出物の形態で、または植物抽出物から調製された純物質の形態で用いられている。
【0063】
このタイプの組成物において、植物抽出物は、例えば、1〜100重量%のルテオリンを含む。1つの実施形態では、植物抽出物は、好ましくは5〜90重量%のルテオリンを含む。さらなる実施形態では、植物抽出物は、好ましくは30〜100重量%、特に好ましくは60〜100重量%、および中でも特に好ましくは90〜100重量%のルテオリンを含む。
【0064】
ルテオリンが用いられる本発明によるすべての使用において、ルテオリンは、例えば、合成物質の形態で、植物抽出物、精製植物抽出物もしくは個々の物質としての形態で、または植物抽出物から得られる純物質の形態で用いることができる。好ましい実施形態では、ルテオリンは、植物抽出物の形態、精製植物抽出物の形態または植物抽出物から調製される純物質の形態で用いられる。
【0065】
式Iの化合物または式IIの化合物のフラボノイド部分は、当業者によく知られており、かつ文献(例えば、Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie[Methods of Organic Chemistry]、Georg−Thieme−Verlag、Stuttgartなどの標準的な著作物)に記載されている方法によって得られるか、または調製することができる。
【0066】
例えば、ルテオリンは植物中に存在し、かつ抽出によって得ることができる。植物抽出物は、植物または植物の部分を抽出する従来方法によって調製される。適切な抽出方法は、浸軟、再浸軟、蒸解、攪拌浸軟、流動床抽出、超音波抽出、向流抽出、パーコレーション、再パーコレーション、減圧下抽出、ディアコレーション(diacolation)、またはソックスレー抽出器で行われる連続還流での固液抽出であってよい。
【0067】
抽出に用いられる溶媒は、例えば、水またはアルコールでよい。これらの抽出をいかに詳細に実施することができるか、かつ得られた粗抽出物を一般によく知られている方法でいかに精製することができるかは、当業者の一般的な知識に帰する。
【0068】
適切なカルコンおよびヘスペリジンからの多段階合成を用いたルテオリンの合成は、U.Achterrath−Tuckermann他、Planta Med.39(1980)38;D.Nagarathnam他、J.Org.Chem.56(1991)4884;Y.−H.Lu他、Yao Hsueh Hsueh Pao 15(1980)477;G.Litkei他、Liebigs Ann.9(1995)1711;Y.Xing他、Zhongguo Yiyao Gongye Zazhi 25(1994)484に記載されている。
【0069】
ルテオリンまたは、トリスヒドロキシエチルルテオリンなどのルテオリン誘導体の有利な合成経路は、WO2000/26206に記載されている。この方法において、グリコシル化された前駆体は、亜ジチオン酸ナトリウムNa224を用いて、水性アルカリ性媒体中で還元される。したがって、WO2000/26206のうちで対応する開示内容はまた、明らかに本出願の開示内容に属する。
【0070】
式Iの複合化合物は、式IIの化合物をシクロデキストリンと、溶液中で、好ましくは高温で反応させることによって調製することができる。本発明はさらに、対応する方法に関する。
【0071】
式IIのフラボノイド1モルにつき、約2モルのシクロデキストリンを含む複合体は、本発明による要求を特別な方法で満たすことが見出されている。したがって、本発明によると、好ましくは、式Iのoは1に等しく、pは1.75〜2.1、好ましくは2に等しい。
【0072】
相当する化合物は、シクロデキストリンがフラボノイドに対して過剰に、または正確にモル比2:1で使用される場合に調製することができる。
【0073】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、酸化ストレスに対して体細胞を保護するための、具体的には皮膚の老化を軽減するための組成物であり、1種または複数種の、式Iの化合物または式IIの化合物の他に、1種または複数種のさらなる酸化防止剤を含むことを特徴とする。
【0074】
専門家の文献から知られており、酸化防止剤として用いることができる、証明されている物質が多く存在する。例えば、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびこれらの誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)およびこれらの誘導体、D、L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびこれらの誘導体(例えば、アンセリン)などのペプチド;カロチノイド、カロテン(例えば、α−カロテン、β−カロテン、リコペン)およびこれらの誘導体、クロロゲン酸およびこの誘導体、リポ酸およびこの誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンならびにこれらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびこれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびこれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、および非常に少ない許容投与量(例えば、pmol〜μmol/kg)でのスルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−およびヘプタ−チオニンスルホキシミン)、ならびに(金属)キレート化剤(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびこれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびこの誘導体、ビタミンCおよびこの誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(例えば、ビタミンE酢酸エステル)、ビタミンAおよび誘導体(例えば、ビタミンAパルミチン酸エステル)、およびベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびこの誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、ケルセチン、尿酸およびこれらの誘導体、マンノースおよびこの誘導体、亜鉛およびこの誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレンおよびこの誘導体(例えば、セレノメチオニン)、スチルベンおよびこれらの誘導体(例えば、酸化スチルベン、酸化trans−スチルベン)である。
【0075】
酸化防止剤の混合物も、同様に、本発明による化粧品用組成物における使用に適している。知られている市販の混合物は、例えば、活性成分として、レシチン、パルミチン酸L−(+)−アスコルビルおよびクエン酸を含む混合物(例えば、Oxynex(登録商標)AP)、天然トコフェロール、パルミチン酸L−(+)−アスコルビル、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸を含む混合物(例えば、Oxynex(登録商標)K LIQUID)、天然源からのトコフェロール抽出物、パルミチン酸L−(+)−アスコルビル、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸を含む混合物(例えば、Oxynex(登録商標)L LIQUID)、DL−α−トコフェロール、パルミチン酸L−(+)−アスコルビル、クエン酸およびレシチンを含む混合物(例えば、Oxynex(登録商標)LM)またはブチルヒドロキシトルエン(BHT)、パルミチン酸L−(+)−アスコルビルおよびクエン酸を含む混合物(例えば、Oxynex(登録商標)2004)などである。このタイプの酸化防止剤は、かかる組成物中で式Iまたは式IIの化合物と共に、1000:1〜1:1000の範囲にある比で、好ましくは100:1〜1:100の比の量で、通常使用される。
【0076】
本発明による組成物は、さらなる成分としてビタミン類を含んでよい。本発明の化粧品用組成物は、ビタミンA、プロピオン酸ビタミンA、パルミチン酸ビタミンA、酢酸ビタミンA、レチノール、ビタミンB、塩化チアミン塩酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ニコチンアミド、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、ビタミンE、DL−α−トコフェロール、酢酸トコフェロールE、コハク酸水素トコフェロール、ビタミンK1、エスクリン(ビタミンP活性成分)、チアミン(ビタミンB1)、ニコチン酸(ナイアシン)、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン(ビタミンB6)、パントテン酸、ビオチン、葉酸およびコバラミン(ビタミンB12)から選択される、ビタミン類およびビタミン誘導体を含み、特に好ましくは、パルミチン酸ビタミンA、ビタミンCおよびこの誘導体、DL−α−トコフェロール、酢酸トコフェロールE、ニコチン酸、パントテン酸ならびにビオチンを含む。ここでビタミン類は、式Iまたは式IIの化合物と共に、1000:1〜1:1000の範囲にある比で、好ましくは100:1〜1:100の比の量で、通常使用される。
【0077】
抗酸化作用を有するフェノールの中で、ポリフェノールは、天然に存在するものもあるが、医薬、化粧品または食物の分野における適用が特に興味深い。例えば、植物性染料として主に知られている、フラボノイドまたはバイオフラボノイドは、抗酸化能を有することが多い。K.Lemanska、H.Szymusiak、B.Tyrakowska、R.Zielinski、I.M.C.M.Rietjens;Current Topics in Biophysics 2000、24(2)、101〜108は、モノ−およびジヒドロキシフラボンの置換パターンの効果に関するものである。ケト官能基に隣接したOH基、または3',4'−もしくは6,7−もしくは7,8−位置にOH基を含むジヒドロキシフラボンは抗酸化特性を有するが、一方、他のモノ−およびジヒドロキシフラボンは、ある場合には抗酸化特性を有さないことが、その中では観察されている。
【0078】
ケルセチン(シアニダノール、シアニデノロン1522、メレチン、ソホレチン、エリシン、3,3',4',5,7−ペンタヒドロキシフラボン)は、特に有効な酸化防止剤としてしばしば言及される(例えば、C.A.Rice−Evans、N.J.Miller、G.Paganga、Trends in Plant Science 1997、2(4)、152〜159)。K.Lemanska、H.Szymusiak、B.Tyrakowska、R.Zielinski、A.E.M.F.Soffers、I.M.C.M.Rietjens;Free Radical Biology&Medicine 2001、31(7)、869〜881は、ヒドロキシフラボンの抗酸化作用のpH依存性を研究している。ケルセチンは、全pH範囲にわたって検討された構造の中では最大の活性を示す。
【0079】
さらに、適切な酸化防止剤は、式IIIの化合物である。
【0080】
【化7】

【0081】
式中、
1〜R7までのうち少なくとも4つの基はOHを表し、隣接する−OH基が少なくとも2組は分子中に存在するという条件付きで、
・R1〜R10は、同一または異なっていてもよく、かつ
・H、
・OR11
・直鎖または分枝のC1−〜C20−アルキル基、
・直鎖または分枝のC3−〜C20−アルケニル基、
・ヒドロキシアルキル基がこの鎖の第一または第二炭素原子に結合されていてよく、およびその上、アルキル鎖が酸素で妨害されていてもよい、直鎖または分枝のC1−〜C20−ヒドロキシアルキル基、および/または
・環が各々−(CH2)n−基で架橋されていてもよく、nが1〜3である、C3−〜C10−シクロアルキル基および/またはC3−〜C12−シクロアルケニル基、
(ここで、OR11はすべて、互いに独立して、
・OH
・直鎖または分枝のC1−〜C20−アルコキシ基、
・直鎖または分枝のC3−〜C20−アルケニルオキシ基、
・1個または複数のヒドロキシル基がこの鎖の第一または第二炭素原子に結合されていてよく、およびその上、アルキル鎖が酸素で妨害されていてもよい、直鎖または分枝のC1−〜C20−ヒドロキシアルコキシ基、および/または
・環が各々−(CH2)n−基で架橋されていてもよく、nが1〜3である、C3−〜C10−シクロアルコキシ基および/またはC3−〜C12−シクロアルケニルオキシ基、および/または
・モノ−および/またはオリゴグリコシル基
を表す。)
から選択されるか、あるいは、
・R2、R5およびR6はOHを表し、R1、R3、R4およびR710の基はHを表す。このことは、先行するドイツ特許出願DE10244282.7に記載の通りである。
【0082】
本発明によると特に好ましい組成物はまた、式Iまたは式IIの化合物に加えてUVフィルターを含む。
【0083】
UV−Aフィルターとして特に好ましいジベンゾイルメタン誘導体を、式Iまたは式IIの化合物と組み合わせて使用することに関して、さらなる利点が生じる。すなわち、UV感受性ジベンゾイルメタン誘導体は、式Iまたは式IIの化合物が存在することによって、さらに安定化されることである。したがって、本発明は、さらに、組成物中のジベンゾイルメタン誘導体を安定化させるための、式Iまたは式IIの化合物の使用に関する。
【0084】
原則として、すべてのUVフィルターが、本発明による式Iまたは式IIの化合物との組合せに適している。特に好ましいのは、生理学的許容性が既に証明されているUVフィルターである。UVAおよびUVBフィルター両方については、専門家の文献から知られている、証明されている物質が多く存在する。これには例えば、
3−(4'−メチルベンジリデン)−dl−カンファー(例えば、Eusolex(登録商標)6300)、3−ベンジリデンカンファー(例えば、Mexoryl(登録商標)SD)、N−[(2および4)−[(2−オキソボルン−3−イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドのポリマー(例えば、Mexoryl(登録商標)SW)、N,N,N−トリメチル−4−(2−オキソボルン−3−イリデンメチル)アニリニウムメチル硫酸塩(例えば、Mexoryl(登録商標)SK)または(2−オキソボルン−3−イリデン)トルエン−4−スルホン酸(例えば、Mexoryl(登録商標)SL)などのベンジリデンカンファー誘導体、
1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン(例えば、Eusolex(登録商標)9020)または4−イソプロピル−ジベンゾイルメタン(例えば、Eusolex(登録商標)8020)などのベンゾイル−またはジベンゾイルメタン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(例えば、Eusolex(登録商標)4360)または2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびこのナトリウム塩(例えば、Uvinul(登録商標)MS−40)などのベンゾフェノン、
メトキシ桂皮酸オクチル(例えば、Eusolex(登録商標)2292)、例えば、異性体の混合物(例えば、Neo Heliopan(登録商標)E1000)としての4−メトキシ桂皮酸イソペンチルなどのメトキシ桂皮酸エステル、
サリチル酸2−エチルヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)OS)、サリチル酸4−イソプロピルベンジル(例えば、Megasol(登録商標))またはサリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)HMS)などのサリチル酸誘導体、
4−アミノ安息香酸、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)6007)、エトキシル化4−アミノ安息香酸エチル(例えば、Uvinul(登録商標)P25)などの4−アミノ安息香酸および誘導体、
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ならびにこれらカリウム塩、ナトリウム塩およびトリエタノールアミン塩(例えば、Eusolex(登録商標)232)、2,2−(1,4−フェニレン)ビスベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸およびこの塩(例えば、Neoheliopan(登録商標)AP)または2,2−(1,4−フェニレン)ビスベンズイミダゾール−6−スルホン酸などのフェニルベンズイミダゾールスルホン酸;
ならびに
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)OCR)、
3,3'−(1,4−フェニレンジメチレン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イルメタンスルホン酸およびこの塩(例えば、Mexoryl(登録商標)SX)、および
2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2'−エチルヘキシル−1'−オキシ)−1,3,5−トリアジン(例えば、Uvinul(登録商標)T150)、
2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル(例えば、Uvinul(登録商標)UVA Plus、BASF)
などのさらなる物質が挙げられる。
【0085】
列記された化合物は、単に例として見なされるべきである。言うまでもなく、他のUVフィルターを用いることも可能である。
【0086】
これらの有機系UVフィルターは、一般に、化粧品用製剤中に0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%の量で混合される。
【0087】
さらに適切な有機系UVフィルターは、例えば、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール(例えば、Silatrizole(登録商標))、
4,4'−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス(安息香酸)2−エチルヘキシル(例えば、Uvasorb(登録商標)HEB)、
α−(トリメチルシリル)−ω−[トリメチルシリル)オキシ]ポリ[オキシ(ジメチル[および約6%のメチル[2−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル)ビニル]フェノキシ]−1−メチレンエチル]および約1.5%のメチル[3−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル)ビニル]]フェノキシ]プロペニル]および0.1〜0.4%の(メチルハイドロジェン)シリレン)](n=約60)(CAS No.207 574−74−1)、
2,2'−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール)(CAS No.103 597−45−1)、
2,2'−(1,4−フェニレン)ビス(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸、モノ−ナトリウム塩(CAS No.180 898−37−7)、ならびに
2,4−ビス[[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(CAS No.103 597−45−、187 393−00−6)、
4,4'−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス(安息香酸)2−エチルヘキシル(例えば、Uvasorb(登録商標)HEB)である。
【0088】
さらに適切なUVフィルターは、先行するドイツ特許出願DE10232595.2に対応するメトキシフラボンでもある。
【0089】
有機系UVフィルターは、一般に、化粧品用製剤中に0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重量%の量で混合される。
【0090】
考えられる無機系UVフィルターは、例えば、被覆二酸化チタン(例えば、Eusolex(登録商標)T−2000、Eusolex(登録商標)T−AQUA、Eusolex(登録商標)T−AVO)などの二酸化チタン、酸化亜鉛(例えば、Sachtotec(登録商標))、酸化鉄または同様に酸化セリウムからなる群からのものである。これらの無機系UVフィルターは、一般に、化粧品用組成物中に0.5〜20重量%、好ましくは2〜10重量%の量で混合される。
【0091】
UVフィルター特性を有する好ましい化合物は、3−(4'−メチルベンジリデン)−dl−カンファー、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ならびにこのカリウム塩、ナトリウム塩およびトリエタノールアミン塩である。
【0092】
UV放射の有害な影響に対する保護作用は、式Iまたは式IIの、1種または複数種の化合物をさらなるUVフィルターと組み合わせることによって、最適化され得る。
【0093】
最適化された組成物は、例えば、有機系UVフィルターである4'−メトキシ−6−ヒドロキシフラボンと、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオンおよび3−(4'−メチルベンジリデン)−dl−カンファーとの組合せを含む。この組合せによって広域に保護することにつながり、二酸化チタンの微粒子などの無機系UVフィルターを加えることによって、これを補うことができる。
【0094】
前記UVフィルターはすべて、カプセル入りの形態で使用することもできる。特に、カプセル入りの形態で、有機系UVフィルターを使用することが有利である。詳細には、以下の利点が生じる。
【0095】
・カプセルの壁の親水性は、UVフィルターの溶解度とは無関係に設定することができる。したがって、例えば、疎水性UVフィルターを純粋に水性である組成物中に混合させることもできる。さらに、疎水性UVフィルターを含む組成物の施用時の、不快であると見なされることが多い油性の感触が抑えられる
・ある種のUVフィルター、特にジベンゾイルメタン誘導体は、化粧品用組成物において低い光安定性を示すにとどまっている。これらのフィルター、またはこれらのフィルターの光安定性を損なう化合物、例えば桂皮酸誘導体などをカプセル化することによって、組成物全体の光安定性を高めることができる
・ヒトの皮膚に直接施用する際の、有機系UVフィルターの皮膚への浸透、およびこれに付随する刺激の可能性は、文献中で繰り返し論じられている。ここに提案されている対応する物質をカプセル化することによって、この影響が抑えられる
・一般に、個々のUVフィルターまたは他の成分をカプセル化することによって、例えば結晶化の進行、沈殿および凝集体の形成などの、個々の組成物成分同士の相互作用に起因する、組成物の問題を回避することができる。これは、その相互作用が抑制されるからである。
【0096】
したがって、本発明によると、1種または複数種の上記UVフィルターは、カプセル入りの形態にあることが好ましい。カプセルは、これらを裸眼で見ることができないほど小さいことが、ここでは有利である。上記の効果を得るために、カプセルは、充分に安定であり、かつカプセル入り活性成分(UVフィルター)が環境に少しばかり放出されるか、またはまったく放出されないことが、さらに必要である。
【0097】
適切なカプセルは、無機または有機ポリマーの壁を有することができる。例えば、US6,242,099B1には、キチン、キチン誘導体またはポリヒドロキシル化ポリアミンの壁を有する、適切なカプセルの製品について記載されている。本発明に従って使用され得ることが特に好ましいカプセルは、出願WO00/09652、WO00/72806およびWO00/71084に記載されているような、ゾル−ゲル法によって得ることができる壁を有する。この場合も先と同様に、壁がシリカゲル(シリカ;不明確な水酸化酸化ケイ素)から構成されるカプセルが好ましい。対応するカプセルの製造は、例えば引用された特許出願から当業者に知られているが、これらの特許出願内容もまた、明らかに本出願の主題に属する。
【0098】
本発明による組成物中のカプセルは、カプセル入りUVフィルターが前に示した量で組成物中に存在することを保証する量で、存在することが好ましい。
【0099】
本発明による組成物は、加えて、さらなる従来の皮膚保護活性成分またはスキンケア活性成分を含むことも可能である。これらは、原則として、当業者に知られているいずれの活性成分であってもよい。
【0100】
これらはクロモン誘導体であってよい。ここで、クロモン誘導体という用語は、ある種のクロメン−2−オン誘導体を意味すると理解するのが好ましい。この誘導体は、活性成分として、老化の進行および有害な環境の影響に対する、ヒトの皮膚およびヒトの毛髪の予防的治療に適している。同時に、これらは皮膚への刺激の可能性が低く、皮膚に結合している水に良い影響をもたらし、皮膚の弾力性を維持または向上させ、ひいては皮膚を滑らかにするのを促進する。これらの化合物は、式IVに一致することが好ましい。
【0101】
【化8】

【0102】
式中、
1およびR2は、同一または異なっていてもよく、かつ
・H、−C(=O)−R7、−C(=O)−OR7
・直鎖または分枝のC1−〜C20−アルキル基、
・直鎖または分枝のC3−〜C20−アルケニル基、ヒドロキシル基が鎖の第一または第二炭素原子に結合されていてよく、およびその上、アルキル鎖が酸素で妨害されていてもよい、直鎖または分枝のC1−〜C20−ヒドロキシアルキル基、および/または
・環が各々−(CH2)n−基で架橋されていてもよく、nが1〜3である、C3−〜C10−シクロアルキル基および/またはC3−〜C12−シクロアルケニル基
から選択され、
3は、Hまたは直鎖もしくは分枝のC1−〜C20−アルキル基を表し、
4は、HまたはOR8を表し、
5およびR6は、同一または異なっていてもよく、かつ
・−H、−OH、
・直鎖または分枝のC1−〜C20−アルキル基、
・直鎖または分枝のC3−〜C20−アルケニル基、
・ヒドロキシル基が鎖の第一または第二炭素原子に結合されていてよく、およびその上、アルキル鎖が酸素で妨害されていてもよい、直鎖または分枝のC1−〜C20−ヒドロキシアルキル基
から選択され、ならびに
7は、H、直鎖もしくは分枝のC1−〜C20−アルキル基、ポリヒドロキシル化合物を表し、アスコルビン酸基またはグリコシド基などが好ましく、ならびに
8は、Hまたは直鎖もしくは分枝のC1−〜C20−アルキル基を表し、ここで、置換基R1、R2、R4〜R6のうち少なくとも2つはHではなく、またはR1およびR2からの少なくとも1つの置換基は、−C(=O)−R7もしくは−C(=O)−OR7を表す。
【0103】
本発明による組成物のクロモン誘導体から選択された1種または複数種の化合物の割合は、組成物全体に対して、好ましくは0.001〜5重量%、特に好ましくは0.01〜2重量%である。
【0104】
その上、本発明による組成物が、少なくとも1種の忌避剤を含むことが好ましい。忌避剤は、N,N−ジエチル−3−メチルベンズアミド、3−(アセチルブチルアミノ)プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、ブトピロノキシル、2,3,4,5−ビス(2−ブチレン)テトラヒドロ−2−フルアルデヒド、N,N−ジエチルカプリルアミド、N,N−ジエチルベンズアミド、o−クロロ−N,N−ジエチルベンズアミド、カルビン酸ジメチル、イソシンコメロン酸ジ−n−プロピル、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、N−オクチルビシクロヘプテンジカルボキシミド、ピペロニルブトキシド、1−(2−メチルプロポキシカルボニル)−2−(ヒドロキシエチル)ピペリジンまたはこれらの混合物から選択されることが好ましく、N,N−ジエチル−3−メチルベンズアミド、3−(アセチルブチルアミノ)プロピオン酸エチル1−(2−メチルプロポキシカルボニル)−2−(ヒドロキシエチル)ピペリジンまたはこれらの混合物から選択されることが特に好ましい。
【0105】
忌避剤を含む、本発明による組成物は、防虫剤であることが好ましい。防虫剤は、液剤、ゲル、スティック、ローラー、ポンプスプレーおよびエアゾールスプレーの形態で利用でき、液剤およびスプレー剤が市販の製品の大部分を成している。これら2種の製品形態の主成分は、通常、アルコール性または水/アルコール性の液剤によって形成されており、脂肪性物質およびわずかな芳香剤が加えられている。
【0106】
特に好ましい活性成分は、ピリミジンカルボン酸および/またはアリールオキシムである。
【0107】
ピリミジンカルボン酸は、好塩性微生物中に存在し、これらの微生物の浸透圧調節に関与する(E.A.Galinski他、Eur.J.Biochem.、149(1985)135〜139頁)。ピリミジンカルボン酸に関しては、ここではエクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸およびこれらの誘導体について詳しく述べる必要がある。これらの化合物は、水溶液および有機溶媒中の、酵素および他の生体分子を安定化させる。さらに、これらは、具体的には、塩類、極端なpH値、界面活性剤、尿素、塩化グアニジンおよび他の化合物などの変性条件に対抗して、酵素を安定化させる。
【0108】
エクトインおよびヒドロキシエクトインなどのエクトイン誘導体は、薬剤に有利に使用することができる。特に、ヒドロキシエクトインは、皮膚疾患の治療のための薬剤の調製に使用することができる。ヒドロキシエクトインおよび他のエクトイン誘導体を適用する他の分野は、主として、例えばトレハロースを添加剤として用いる分野である。したがって、ヒドロキシエクトインなどのエクトイン誘導体は、乾燥酵母および細菌細胞において保護剤として用いることができる。薬剤製品、例として非グリコシル化の、薬剤活性ペプチドおよびタンパク質、例えばt−PAなどを、エクトインまたはこの誘導体を用いて保護することもできる。
【0109】
化粧品への適用に関しては、老化、乾燥または刺激を受けた皮膚をケアするための、エクトインおよびエクトイン誘導体の使用について詳しく述べる必要がある。したがって、欧州特許出願EP−A−0 671 161には、具体的には、エクトインおよびヒドロキシエクトインを、粉末、石鹸、界面活性剤を含むクレンジング製品、口紅、ルージュ、メーキャップ、ケアクリーム、および日焼け止め調製品などの、化粧品用組成物中に使用することについて記載されている。
【0110】
ここでは、下記式Vのピリミジンカルボン酸を用いることが好ましい。
【0111】
【化9】

【0112】
式中、R1は基HまたはC1〜8−アルキルであり、R2は基HまたはC1〜4−アルキルであり、ならびにR3、R4、R5およびR6は、各々互いに独立して、H、OH、NH2およびC1〜4−アルキルからなる群からの基である。R2はメチル基またはエチル基であり、ならびにR1またはR5およびR6はHであるピリミジンカルボン酸を使用することが好ましい。特に好ましいのは、ピリミジンカルボン酸エクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)を使用することである。本発明による組成物は、このタイプのピリミジンカルボン酸を、15重量%以下の量で含むことが好ましい。ピリミジンカルボン酸は、ここでは、式Iの化合物に対して100:1〜1:100の割合で使用されることが好ましく、1:10〜10:1の範囲の割合が特に好ましい。
【0113】
アリールオキシムに関しては、2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムを使用することが好ましく、これはHMLO、LPOまたはF5としても知られている。これが化粧品用組成物中での使用に適していることは、例えばDE−A−41 16 123に開示されている。したがって、2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムを含む組成物は、炎症に付随して起こる皮膚疾患の治療に適している。このタイプの組成物を、例えば乾癬、種々の形の湿疹、刺激性および毒性の皮膚炎、UV皮膚炎、および皮膚および皮膚付属器の、さらなるアレルギー性および/または炎症性疾患を治療するために使用することができることは知られている。式Iの化合物に加えて、アリールオキシム、好ましくは2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムをさらに含む、本発明による組成物は、驚くべき抗炎症適性を示す。ここで、組成物は0.01〜10重量%のアリールオキシムを含むことが好ましく、この組成物は0.05〜5重量%のアリールオキシムを含むことが特に好ましい。
【0114】
本発明の、さらにまた同様に好ましい実施形態では、本発明による化合物は、少なくとも1種のセルフタンニング剤を含む。
【0115】
使用される可能性のある有利なセルフタンニング剤は、とりわけ以下のものである。
【0116】
【化10】

【0117】
新鮮なクルミの殻から抽出される5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(ユグロン)
【0118】
【化11】

【0119】
およびヘンナの葉に存在する2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(ローソン)についても述べる必要がある。
【0120】
【化12】

【0121】
極めて特に好ましいのは、人体に存在する三官能性の糖である1,3−ジヒドロキシアセトン(DHA)、およびこの誘導体である。
【0122】
【化13】

【0123】
さらに、本発明による組成物はまた、染料および着色顔料を含んでもよい。染料および着色顔料は、ドイツ化粧品規則(German Cosmetics Regulation)または化粧品用着色剤のEC一覧表において、対応する陽性の一覧から選択することが可能である。たいていの場合、これらは食品向きに許可された染料とまったく同じである。有利な着色顔料は、例えば、二酸化チタン、雲母、酸化鉄(例えば、Fe23、Fe34、FeO(OH))および/または酸化スズである。有利な染料は、例えば、カルミン、ベルリンブルー、酸化クロムグリーン、群青および/またはマンガンバイオレットである。以下の一覧表から、染料および/または着色顔料を選択することが特に有利である。カラーインデックス番号(CINs)を、Rowe Colour Index、第3版、英国染料染色学会(Society of Dyers and Colourists)、ブラッドフォード、英国、1971から引用する。
【0124】
【表1−1】

【0125】
【表1−2】

【0126】
【表1−3】

【0127】
【表1−4】

【0128】
【表1−5】

【0129】
【表1−6】

【0130】
【表1−7】

【0131】
さらに、以下の群から、1つまたは複数の物質を染料として選択することが好都合である。すなわち、2,4−ジヒドロキシアゾベンゼン、1−(2'−クロロ−4'−ニトロ−1'フェニルアゾ)−2−ヒドロキシナフタレン、セレスレッド、2−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−1−ナフトール−4−スルホン酸、2−ヒドロキシ−1,2'−アゾナフタレン−1'−スルホン酸のカルシウム塩、1−(2−スルホ−4−メチル−1−フェニルアゾ)−2−ナフチルカルボン酸のカルシウム塩およびバリウム塩、1−(2−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ヒドロキシナフタレン−3−カルボン酸のカルシウム塩、1−(4−スルホ−1−フェニルアゾ)−2−ナフトール−6−スルホン酸のアルミニウム塩、1−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸のアルミニウム塩、1−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸、4−(4−スルホ−1−フェニルアゾ)−2−(4−スルホフェニル)−5−ヒドロキシピラゾロン−3−カルボン酸のアルミニウム塩、4,5−ジブロモフルオレセインのアルミニウム塩およびジルコニウム塩、2,4,5,7−テトラブロモフルオレセインのアルミニウム塩およびジルコニウム塩、3',4',5',6'−テトラクロロ−2,4,5,7−テトラブロモフルオレセインおよびこのアルミニウム塩、2,4,5,7−テトラヨードフルオレセインのアルミニウム塩、キノフタロンジスルホン酸のアルミニウム塩、インジゴジスルホン酸のアルミニウム塩、赤酸化鉄および黒酸化鉄(CIN:77491(赤)および77499(黒))、酸化鉄水和物(CIN:77492)、二リン酸マンガンアンモニウムならびに二酸化チタンである。
【0132】
同様に有利であるのは、油溶性の天然染料、例えばパプリカ抽出物、β−カロテンまたはコチニールなどである。
【0133】
同様に、本発明の目的に有利であるのは、真珠光沢顔料を含むゲルクリームである。特に好ましいのは、下に列記するタイプの真珠光沢顔料である。
【0134】
1.天然の真珠光沢顔料、例えば、
1.「パールエッセンス」(グアニン/ヒポキサンチンを混合した、魚の鱗由来の結晶)および
2.「真珠母貝」(ムラサキイガイの貝殻粉末)など
2.単結晶の真珠光沢顔料、例えばオキシ塩化ビスマス(BiOCl)など
3.層状基体の顔料:例えば、雲母/金属酸化物。
【0135】
真珠光沢顔料の基材は、例えば、粉状の顔料またはヒマシ油にオキシ塩化ビスマスおよび/または二酸化チタンを分散させること、ならびに雲母の表面にオキシ塩化ビスマスおよび/または二酸化チタンを被覆することによって形成される。例えば、CIN77163という番号で記載されている光沢顔料は特に有利である。
【0136】
同様に有利であるのは、例えば、雲母/金属酸化物を基材とした、以下のタイプの真珠光沢顔料である。
【0137】
【表2】

【0138】
例えば、Merckから、Timiron、ColoronaまたはDichronaという商品名で入手できる真珠光沢顔料が特に好ましい。
【0139】
前記真珠光沢顔料の一覧表については、言うまでもなく、限定しているつもりはない。本発明の目的に有利である真珠光沢顔料は、それ自体知られている非常に多くの手段によって得ることができる。例えば、雲母以外の他の基体はまた、例えばシリカなどのさらなる金属酸化物で被覆されることも可能である。例えば、TiO2−およびFe23−被覆SiO2粒子(「Ronasphere」グレード)は、Merckによって市販されており、細かいしわを視覚的に低減するのに特に適しているものであり、これらは有利である。
【0140】
雲母などの基体を完全に省くことは、さらに有利である。SiO2を用いて調製される真珠光沢顔料が特に好ましい。かかる顔料は、色の角度の効果もさらに有することがあり、例えば、BASFからSicopearl Fantasticoという商品名で入手できる。
【0141】
二酸化チタンで被覆されたホウケイ酸カルシウムナトリウムを基材としたEngelhard/Mearl顔料を使用することも有利である可能性がある。これらはReflecksという商品名で入手できる。これらは、粒径が40〜80μmであるため、色に加えて光輝効果を有する。
【0142】
同様に、特に有利であるのは、Flora TechからMetasomes Standard/Glitterという商品名で、種々の色(黄、赤、緑、青)で入手できるエフェクト顔料である。ここで、光輝粒子は、種々の助剤および染料(例えば、カラーインデックス(CI)番号19140、77007、77289、77491を有する染料など)との混合物の形態にある。
【0143】
染料および顔料は、個々の形態で、または混合物の形態で存在することができ、かつ互いに被覆されることが可能であり、被覆厚さが異なることによって一般に引き起こされる種々の色彩効果を有する。染料および着色顔料の総量は、例えば、いずれの場合にも組成物の総重量に対して、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜15重量%、特に1.0〜10重量%の範囲から選択されることが有利である。
【0144】
組成物中で用いられる可能性のある化合物または成分はすべて、知られており、かつ市販されているか、または公知の方法によって合成することができる。
【0145】
式Iの1種または複数種の化合物は、通例の方法で、化粧品用または皮膚用組成物中に混合されることができる。適切な組成物は、外用のもの、例えば、クリーム、ローション、ゲルの形態の組成物または、皮膚に噴霧することができる溶液のような形態の組成物である。内用に適しているのは、カプセル剤、コーティング錠、散剤、錠剤溶液または液剤などの投与形態である。
【0146】
本発明による組成物の適用形態について、言及することができる例としては、溶液、懸濁液、乳液、PIT乳液、ペースト、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、粉末、石鹸、界面活性剤を含むクレンジング調製物、油、エアゾールおよびスプレーである。他の適用形態の例は、スティック、シャンプーおよびシャワー用組成物である。所望の通例の、いずれの賦形剤、助剤、および必要に応じてさらなる活性成分をも組成物に加えることができる。
【0147】
好ましい助剤は、保存剤、酸化防止剤、安定剤、可溶化剤、ビタミン類、着色剤および芳香向上剤からなる群に由来する。
【0148】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、通例の賦形剤、例えば動物性および植物性脂肪、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルクおよび酸化亜鉛、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。
【0149】
粉末およびスプレーは、通例の賦形剤、例えば乳糖、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。スプレーは、通例の噴射剤、例えばクロロフルオロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルをさらに含むことができる。
【0150】
溶液および乳液は、溶媒、可溶化剤および乳化剤などの、通例の賦形剤を含むことができる。例えば、水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコール、油、特に綿実油、ピーナッツ油、小麦麦芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油、グリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などが挙げられる。
【0151】
懸濁液は、液体希釈剤などの、通例の賦形剤を含むことができる。例えば、水、エタノールまたはプロピレングリコール、懸濁剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物などが挙げられる。
【0152】
石鹸は、通例の賦形剤、例えば、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸モノエステルの塩、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオン酸塩、ラノリン、脂肪族アルコール、植物油、植物抽出物、グリセロール、糖、またはこれらの物質の混合物などを含むことができる。
【0153】
界面活性剤を含むクレンジング製品は、通例の賦形剤を含むことができる。この例として、脂肪族アルコール硫酸エステルの塩、脂肪族アルコールエーテル硫酸エステル、スルホコハク酸モノエステル、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオン酸塩、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテル硫酸エステル、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物油および合成油、ラノリン誘導体、エトキシル化グリセロール脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などが挙げられる。
【0154】
顔用および身体用の油は、通例の賦形剤、例えば、脂肪酸エステルなどの合成油、脂肪族アルコール、シリコーン油;植物油および油状植物抽出物などの天然油、パラフィン油、ラノリン油、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。
【0155】
さらに代表的な、化粧品としての適用形態はまた、口紅、リップケアスティック、マスカラ、アイライナー、アイシャドー、ルージュ、パウダーメーキャップ、エマルジョンメーキャップおよびワックスメーキャップ、ならびに日焼け止め剤、日焼け前および日焼け後用調製物である。
【0156】
本発明による好ましい組成物形態は、特に乳液を含む
本発明による乳液は有利であり、例えば、このタイプの組成物に通常使用される、前記脂肪、油、ワックスおよび他の脂肪質の物質、ならびに水および乳化剤を含む。
【0157】
脂質相は、以下の物質群から選択されることが有利である可能性がある。
【0158】
・鉱油、ミネラルワックス;
・カプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリドなどの油、さらに、例えばヒマシ油などの天然油;
・脂肪、ワックスならびに他の天然および合成の脂肪質の物質、好ましくは、低炭素数を有するアルコール、例えばイソプロパノール、プロピレングリコールもしくはグリセロールなどと脂肪酸とのエステル、または低炭素数を有するアルカン酸、または脂肪酸のエステルと脂肪族アルコールとのエステル;
・シリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、およびこれらの混合形態など。
【0159】
本発明の目的のために、乳液、油性ゲルまたは水性分散液もしくは脂質分散液の油相は、炭素原子3〜30個の鎖長を有する、飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸と、炭素原子3〜30個の鎖長を有する、飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルコールとのエステルからなる群から選択されるか、あるいは芳香族カルボン酸と、炭素原子3〜30個の鎖長を有する、飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルコールとのエステルからなる群から選択されることが有利である。次に、このタイプのエステル油は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、オレイン酸n−デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、ならびにこのタイプのエステルの合成、半合成および天然の混合物、例えばホホバ油からなる群から選択されることが有利である。
【0160】
油相は、分枝および非分枝の炭化水素およびワックス、シリコーン油、ジアルキルエーテルからなる群、飽和または不飽和の、分枝または非分枝のアルコール、ならびに脂肪酸トリグリセリド、具体的には、炭素原子8〜24個、特に炭素原子12〜18個の鎖長を有する、飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸のトリグリセロールエステルからなる群から選択されることがさらに有利である。脂肪酸トリグリセリドは、例えば、合成、半合成および天然の油、例としてオリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、ピーナッツ油、菜種油、アーモンド油、パーム油、ココナッツ油、パーム核油などからなる群から選択されることが有利である。
【0161】
このタイプの油およびワックス成分のうち、所望のいずれの混合物も、本発明の目的のために有利に使用することができる。ワックス、例えばパルミチン酸セチルを、油相の唯一の脂質成分として使用することも、有利である。
【0162】
油相は、イソステアリン酸2−エチルヘキシル、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソトリデシル、イソエイコサン、2−エチルヘキシルココエート、安息香酸C1215−アルキル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドおよびジカプリルエーテルからなる群から選択されることが有利である。特に有利であるのは、安息香酸C1215−アルキルとイソステアリン酸2−エチルヘキシルとの混合物、安息香酸C1215−アルキルとイソノナン酸イソトリデシルとの混合物、ならびに安息香酸C1215−アルキル、イソステアリン酸2−エチルヘキシルおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物である。
【0163】
炭化水素の中では、パラフィン油、スクアランおよびスクアレンを、本発明の目的のために用いることが有利である。
【0164】
さらに油相は、ある量の環状もしくは直鎖状のシリコーン油を有するか、または完全にこのタイプの油からなることが有利であるが、1種または複数種のシリコーン油に加えて、さらなる含有量の他の油相成分を用いることが好ましい。
【0165】
本発明に従って用いられるシリコーン油は、シクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)であることが有利である。しかしながら、本発明の目的のためには、他のシリコーン油、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサンまたはポリ(メチルフェニルシロキサン)を用いることも有利である。
【0166】
同様に、特に有利であるのは、シクロメチコンとイソノナン酸イソトリデシルとの混合物、シクロメチコンとイソステアリン酸2−エチルヘキシルとの混合物である。
【0167】
本発明による組成物の水相は、低炭素数を有するアルコール、ジオールまたはポリオール、およびこれらのエーテル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルまたはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテルおよび類似の生成物、さらに、低炭素数を有するアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、1,2−プロパンジオール、グリセロール、ならびに、特に、1種または複数種の増粘剤であって、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、多糖およびこの誘導体、例えばヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から、特に有利には、ポリアクリレート、好ましくは、いわゆるCarbopols、例えばCarbopol グレード980、981、1382、2984または5984からなる群からのポリアクリレートからなる群から選択される増粘剤を、いずれの場合にも、単独にまたは組み合わせて含むことが、場合によって有利である。
【0168】
特に、上記溶媒の混合物が用いられる。アルコール性溶媒の場合は、水がさらなる成分であってよい。
【0169】
本発明による乳液は有利であり、例えば、このタイプの製剤に通常使用される、前記脂肪、油、ワックスおよび他の脂肪質の物質、ならびに水および乳化剤を含む。
【0170】
好ましい実施形態では、本発明による組成物は、親水性の界面活性剤を含む
親水性の界面活性剤は、アルキルグルコシド、アシル乳酸、ベタインおよびカカオ脂アンホ酢酸からなる群から選択されることが好ましい。
【0171】
アルキルグルコシドは、これら自体、以下の構造式によって識別されるアルキルグルコシドからなる群から選択されることが有利である。
【0172】
【化14】

【0173】
ここで、Rは4〜24個の炭素原子を有する、分枝または非分枝のアルキル基であり、
【0174】
【数1】

【0175】
は2以下の平均グルコシル化度を表す。
【0176】

【0177】
【数2】

【0178】
は、本発明に従って用いられるアルキルグルコシドのグルコシル化度を表し、以下のものとして定義される。
【0179】
【数3】

【0180】
ここで、p1、p2、p3、…、piは、1、2、3、…、i倍グルコシル化された生成物の割合を質量パーセントで表す。本発明によると、有利であるのは1〜2、特に有利には1.1〜1.5、極めて特に有利には1.2〜1.4、特に1.3のグルコシル化度を有する生成物を選択することである。
【0181】
値DPは、アルキルグルコシドが一般に、これらを調製した結果として、モノグルコシドとオリゴグルコシドとの混合物の形態にあるという事実を考慮するものである。モノグルコシドの比較的高い含有量、概して約40〜70重量%という状態は、本発明によると有利である。
【0182】
本発明に従って、特に有利に用いられるアルキルグリコシドは、オクチルグルコピラノシド、ノニルグルコピラノシド、デシルグルコピラノシド、ウンデシルグルコピラノシド、ドデシルグルコピラノシド、テトラデシルグルコピラノシドおよびヘキサデシルグルコピラノシドからなる群から選択される。
【0183】
本発明に従って用いられる活性成分の、有効な含有量によって区別される、天然原料もしくは合成原料および助剤または混合物、例えば、Plantaren(登録商標)1200(Henkel KGaA)、Oramix(登録商標)NS 10(Seppic)を使用することも同様に有利である。
【0184】
アシル乳酸は、これら自体、以下の構造式によって識別される物質からなる群から選択されることが有利である。
【0185】
【化15】

【0186】
ここで、R1は、1〜30個の炭素原子を有する、分枝または非分枝のアルキル基を表し、M+は、アルカリ金属イオンからなる群、および1個または複数のアルキル基および/または1個または複数のヒドロキシアルキル基によって置換されるアンモニウムイオンからなる群から選択されるか、あるいはアルカリ土類金属イオンの半当量に対応する。
【0187】
例として、イソステアリル乳酸ナトリウム、例えばAmerican Ingredients Companyからの製品Pathionic(登録商標)ISLが有利である。
【0188】
ベタインは、以下の構造式によって識別される物質からなる群から選択されることが有利である。
【0189】
【化16】

【0190】
ここで、R2は、1〜30個の炭素原子を有する分枝または非分枝のアルキル基を表す。
【0191】
2は、6〜12個の炭素原子を有する、分枝または非分枝のアルキル基を表すことが特に有利である
例として、カプラミドプロピルベタイン、例えばTh.Goldschmidt AGからの製品Tego(登録商標)Betain810が有利である。
【0192】
本発明において有利であるカカオ脂アンホ酢酸は、例えば、Miranol Chemical CorpからMiranol(登録商標)Ultra C32という名称で入手可能なカカオ脂アンホ酢酸ナトリウムである。
【0193】
本発明による組成物は、有利には、親水性の界面活性剤(1種または複数種)が、いずれの場合にも組成物の総重量に対して、0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の濃度で存在することを特徴とする。
【0194】
施用に関しては、本発明による化粧品用および皮膚用組成物は、化粧品には通常の方法で、適切な量で皮膚および/または毛髪に施される。
【0195】
本発明による化粧品用および皮膚用組成物は、種々の形態で存在してよい。したがって、組成物は、例として、溶液、水を含まない組成物、油中水(W/O)型または水中油(O/W)型の乳液またはマイクロエマルジョン、例えば水中油中水(W/O/W)型の複合乳液、ゲル、固形スティック、軟膏またはエアゾールなどであってよい。エクトインを、カプセル入りの形態で、例えばコラーゲンマトリックス中、および他の従来のカプセル化物質中、例えばセルロースのカプセル化など、ゼラチン、ワックスマトリックスまたはリポソームカプセルの形態で投与することも有利である。特にDE−A 43 08 282に記載されているようなワックスマトリックスは好ましいことが証明されている。好ましくは乳液である。O/W乳液が特に好ましい。乳液、W/O乳液およびO/W乳液は、従来方法で得ることができる。
【0196】
用いることができる乳化剤は、例えば、知られているW/OおよびO/W乳化剤である。本発明による好ましいO/W乳液中に、さらなる従来の乳化補助剤を用いることが有利である。
【0197】
本発明によると有利である乳化補助剤は、例えば、主に11〜16のHLB値を有する物質、極めて特に有利には14.5〜15.5のHLB値を有する物質からなる群からのO/W乳化剤である。ただし、O/W乳化剤は、飽和基RおよびR'を有するものとする。O/W乳化剤が不飽和基Rおよび/またはR'を有する場合、あるいはイソアルキル誘導体である場合には、かかる乳化剤の好ましいHLB値は、より低いか、またはより高い可能性もある。
【0198】
エトキシル化された、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セチルステアリルアルコール(セテアリルアルコール)からなる群から、脂肪族アルコールエトキシレートを選択することが有利である。以下のものが特に好ましい:ポリエチレングリコール(13)ステアリルエーテル(ステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)ステアリルエーテル(ステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)ステアリルエーテル(ステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)ステアリルエーテル(ステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)ステアリルエーテル(ステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)ステアリルエーテル(ステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)ステアリルエーテル(ステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)ステアリルエーテル(ステアレス−20)、ポリエチレングリコール(12)イソステアリルエーテル(イソステアレス−12)、ポリエチレングリコール(13)イソステアリルエーテル(イソステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソステアリルエーテル(イソステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソステアリルエーテル(イソステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソステアリルエーテル(イソステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソステアリルエーテル(イソステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソステアリルエーテル(イソステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソステアリルエーテル(イソステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソステアリルエーテル(イソステアレス−20)、ポリエチレングリコール(13)セチルエーテル(セテス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルエーテル(セテス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルエーテル(セテス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルエーテル(セテス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルエーテル(セテス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルエーテル(セテス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルエーテル(セテス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルエーテル(セテス−20)、ポリエチレングリコール(13)イソセチルエーテル(イソセテス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソセチルエーテル(イソセテス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソセチルエーテル(イソセテス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソセチルエーテル(イソセテス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソセチルエーテル(イソセテス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソセチルエーテル(イソセテス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソセチルエーテル(イソセテス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソセチルエーテル(イソセテス−20)、ポリエチレングリコール(12)オレイルエーテル(オレス−12)、ポリエチレングリコール(13)オレイルエーテル(オレス−13)、ポリエチレングリコール(14)オレイルエーテル(オレス−14)、ポリエチレングリコール(15)オレイルエーテル(オレス−15)、ポリエチレングリコール(12)ラウリルエーテル(ラウレス−12)、ポリエチレングリコール(12)イソラウリルエーテル(イソラウレス−12)、ポリエチレングリコール(13)セチルステアリルエーテル(セテアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルステアリルエーテル(セテアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルステアリルエーテル(セテアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルステアリルエーテル(セテアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルステアリルエーテル(セテアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルステアリルエーテル(セテアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルステアリルエーテル(セテアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルステアリルエーテル(セテアレス−20)。
【0199】
以下の群からの脂肪酸エトキシレートを選択することがさらに有利である:ステアリン酸ポリエチレングリコール(20)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(21)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(22)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(23)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(24)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(25)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(12)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(13)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(14)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(15)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(16)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(17)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(18)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(19)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(20)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(21)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(22)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(23)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(24)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(25)、オレイン酸ポリエチレングリコール(12)、オレイン酸ポリエチレングリコール(13)、オレイン酸ポリエチレングリコール(14)、オレイン酸ポリエチレングリコール(15)、オレイン酸ポリエチレングリコール(16)、オレイン酸ポリエチレングリコール(17)、オレイン酸ポリエチレングリコール(18)、オレイン酸ポリエチレングリコール(19)、オレイン酸ポリエチレングリコール(20)。
【0200】
使用することができるエトキシル化アルキルエーテルカルボン酸またはこの塩は、ラウレス−11カルボン酸ナトリウムが有利である。有利に用いることができる硫酸アルキルエーテルは、ラウレス−14硫酸ナトリウムである。有利に用いることができるエトキシル化コレステロール誘導体は、ポリエチレングリコール(30)コレステリルエーテルである。ポリエチレングリコール(25)大豆ステロールも好結果であることが証明されている。有利に用いることができるエトキシル化トリグリセリドは、ポリエチレングリコール(60)オオマツヨイグサグリセリドである。
【0201】
ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルを、ポリエチレングリコール(20)ラウリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール(21)ラウリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール(22)ラウリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール(23)ラウリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール(6)グリセリルカプレート/カプリネート、ポリエチレングリコール(20)オレイン酸グリセリル、ポリエチレングリコール(20)イソステアリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール(18)オレイン酸グリセリル(ココエートからなる群から選択することがさらに有利である。
【0202】
ソルビタンエステルを、ポリエチレングリコール(20)モノラウリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール(20)モノステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール(20)モノイソステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール(20)モノパルミチン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール(20)モノオレイン酸ソルビタンからなる群から選択することも、同様に好ましい。
【0203】
任意ではあるが、本発明に従って使用されることが有利であるW/O乳化剤は以下のものが挙げられる:8〜30個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、炭素原子8〜24個、特に炭素原子12〜18個の鎖長を有する、飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸のモノグリセロールエステル、炭素原子8〜24個、特に炭素原子12〜18個の鎖長を有する、飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸のジグリセロールエステル、炭素原子8〜24個、特に炭素原子12〜18個の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルコールのモノグリセロールエーテル、炭素原子8〜24個、特に炭素原子12〜18個の鎖長を有する、飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルコールのジグリセロールエーテル、炭素原子8〜24個、特に炭素原子12〜18個の鎖長を有する、飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸のプロピレングリコールエステル、ならびに炭素原子8〜24個、特に炭素原子12〜18個の鎖長を有する、飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸のソルビタンエステル。
【0204】
特に有利なW/O乳化剤は、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノイソステアリン酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノカプリル酸ソルビタン、モノイソオレイン酸ソルビタン、ジステアリン酸スクロース、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、イソベヘニルアルコール、セラキルアルコール、キミルアルコール、ポリエチレングリコール(2)ステアリルエーテル(ステアレス−2)、モノラウリン酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリルである。
【0205】
本発明によると、好ましい組成物は、老化の進行に対して、および酸化ストレスに対して、すなわち、例えば日照、熱または他の影響によって産生されるフリーラジカルに起因する損傷に対して、ヒトの皮膚を保護するのに特に適している。これに関しては、組成物は、この施用のために通常使用される種々の投与形態にある。例として、具体的には、組成物は、ローションまたは乳液の形態、例えばクリームまたはミルク(O/W、W/O、O/W/O、W/O/W)の形態など、油性−アルコール性、油性−水性または水性−アルコール性のゲルまたは溶液の形態、固形スティックの形態であってよく、あるいはエアゾールとして調剤することができる。
【0206】
組成物は、このタイプの組成物中に通常用いられる化粧品用補助剤、例えば増粘剤、軟化剤、保湿剤、界面活性剤、乳化剤、保存剤、消泡剤、香料、ワックス、ラノリン、噴射剤、組成物自体または皮膚を着色させる染料および/または顔料、および化粧品中に通常用いられる他の成分などを含むことができる。
【0207】
用いられる分散剤または可溶化剤は、油、ワックスもしくは他の脂肪質の物質、低級モノアルコールもしくは低級ポリオールまたはこれらの混合物であってよい。特に好ましいモノアルコールまたはポリオールには、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロールおよびソルビトールが含まれる。
【0208】
本発明の好ましい実施形態は、保護用クリームまたはミルクの形態の乳液である。かかる乳液には、式Iまたは式II(1種または複数種)の化合物以外に、例えば脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、特に脂肪酸のトリグリセリド、ラノリン、天然および合成の油またはワックスおよび乳化剤が、水の存在下で含まれる。
【0209】
さらに好ましい実施形態は、天然もしくは合成の油およびワックス、ラノリン、脂肪酸エステル、特に脂肪酸のトリグリセリドを主成分とする油性ローションであるか、またはエタノールなどの低級アルコール、もしくはプロピレングリコールなどのグリセロ−ル、および/またはグリセロールなどのポリオール、ならびに油、ワックスおよび脂肪酸のトリグリセリドなどの脂肪酸エステルを主成分とする油性−アルコール性ローションである。
【0210】
本発明による組成物は、1種もしくは複数種の低級アルコールまたはポリオール、例えばエタノール、プロピレングリコールまたはグリセロール、および珪藻土などの増粘剤を含む、アルコール性ゲルの形態であってもよい。油性−アルコール性ゲルは、天然油もしくは合成油またはワックスも含む。
【0211】
固形スティックは、天然または合成のワックスおよび油、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリンおよび他の脂肪質の物質からなる。
【0212】
組成物がエアゾールとして調剤される場合、通例の噴射剤、例えばアルカン、フルオロアルカンおよびクロロフルオロアルカンなどが、一般的に用いられる。
【0213】
化粧品用組成物は、光化学的損傷に対して毛髪を保護し、変色、脱色または機械的性質の損失を防ぐために用いてもよい。この場合、適当な製剤は、洗浄シャンプー、ローション、ゲルまたは乳液の形態であり、組成物は、シャンプーの前後、着色もしくは脱色の前後、またはパーマネントウェーブの前後に施用される。毛髪のスタイリングおよびトリートメント用のローションまたはゲルの形態、ブラッシングまたはブローウェーブ用のローションまたはゲルの形態、毛髪のためのヘアラッカー、パーマネントウェーブ用組成物、着色剤または脱色剤の形態にある組成物を選択することも可能である。式Iまたは式II(1種または複数種)の化合物の他に、光防護特性を有する組成物は、このタイプの組成物中に用いられる種々の補助剤を含むことができる。例えば界面活性剤、増粘剤、ポリマー、軟化剤、保存剤、気泡安定剤、電解質、有機溶媒、シリコーン誘導体、油、ワックス、アンチグリース剤、組成物自体または皮膚を着色させる染料および/または顔料、あるいは毛髪ケアに通常用いられる他の成分が挙げられる。
【0214】
本発明はさらに、上記の基を有する、式Iまたは式IIの少なくとも1種の化合物が、化粧品用に、もしくは皮膚科的に、または食品として適切である賦形剤と混合されることを特徴とする組成物を調製するための方法、および組成物を調製するための、式Iまたは式IIの化合物の使用に関する。
【0215】
本発明による組成物は、当業者によく知られている手法を用いて調製することができる。
【0216】
混合することにより、式Iまたは式IIの化合物が、賦形剤中に溶解、乳化または分散することができる。
【0217】
式Iまたは式IIの化合物は、組成物に対して安定化効果をもたらすことにも注目している。したがって、対応する生成物中での使用時に、後者はまた、長期間安定な状態を保ち、これらの外観を変化させない。特に、例えばビタミンなどの成分の有効性は、長期間にわたって施用される場合、または長期間にわたって貯蔵される場合でさえも維持される。これらの化粧品はUV放射による特に高度のストレスにさらされるので、このことはとりわけ紫外線の影響に対して皮膚を保護するための組成物の場合に、特に有利である。
【0218】
式Iまたは式IIの化合物の好ましい効果により、これらの化合物が、化粧品用または医薬組成物中での使用に特に適するようになる。
【0219】
式Iまたは式IIの化合物の特性は、同様に、食品中、または栄養補助食品として、または機能性食品として、または経口投与される化粧品(経口化粧品)中での使用に好ましいと見なされる必要がある。食品についてのさらなる説明は、栄養補助食品および機能性食品または経口化粧品にも準用される。
【0220】
本発明によると、式Iまたは式IIの、1種または複数種の化合物を加えて栄養価を高めることができる食品は、動物が消費したり、またはヒトが消費するのに適したすべての材料、例えば、ビタミン類およびこれらのプロビタミン、脂肪、ミネラルまたはアミノ酸を含む。食品栄養補助食品、機能性食品または経口化粧品の組成物は、固体でよいが、液体すなわち飲料の形態でもよい。
【0221】
したがって、本発明はさらに、ヒトまたは動物の栄養のための添加剤としての、式Iまたは式IIの化合物の使用、および食品または栄養補助食品または経口化粧品であり、式Iまたは式IIの化合物および対応する賦形剤を含む組成物に関する。
【0222】
本発明による、式Iまたは式IIの、1種または複数種の化合物を加えて栄養価を高めることができる食品はまた、例として、単一の天然源から生じる食品、例えば、糖、無加糖ジュース、単一植物種のスカッシュまたはピューレ、例えば、無加糖アップルジュース(例えば、異なる種類のアップルジュースの混合物)、グレープフルーツジュース、オレンジジュース、アップルコンポート、アプリコットスカッシュ、トマトジュース、トマトソース、トマトピューレなどである。本発明による、式Iまたは式IIの、1種または複数種の化合物を加えて栄養価を高めることができる食品のさらなる例は、単一植物種からの穀物または穀粒、およびこのタイプの植物種から製造される材料、例えば、シリアルシロップ、ライ麦粉、小麦粉またはオート麦ふすまなどである。このタイプの食物の混合物はまた、本発明による、式Iまたは式IIの、1種または複数種の化合物を加えて栄養価を高めるのに適しており、例えば、マルチビタミン製剤、ミネラル混合物または加糖ジュースである。本発明による、式Iまたは式IIの、1種または複数種の化合物を加えて栄養価を高めることができる食品のさらなる例としては、食品組成物、例えば、調製シリアル、ビスケット、混合飲料、特に子供用に調製された食品、例えば、ヨーグルト、ダイエット食品、低カロリー食品または動物の飼料についても述べる必要がある。
【0223】
すなわち、本発明による、式Iまたは式IIの、1種または複数種の化合物を加えて栄養価を高めることができる食品には、炭水化物、脂質、タンパク質、無機元素、微量元素、ビタミン、水および、植物および動物の活性代謝産物の、食用に適するすべての組合せが含まれる。
【0224】
本発明による、式Iまたは式IIの、1種または複数種の化合物を加えて栄養価を高めることができる、栄養補助食品または経口化粧品は、例えば、荒粉、丸剤、錠剤、カプセル、散剤、シロップ、液剤または懸濁剤の形態で、経口投与されることが好ましい。
【0225】
式Iまたは式IIの、1種または複数種の化合物を加えて栄養価を高める、本発明による食品は、当業者によく知られている手法を用いて調製することができる。
【0226】
これらの作用のおかげで、式Iまたは式IIの化合物は、薬剤成分としても適している。式Iまたは式IIの化合物は、例えば、皮膚の炎症およびアレルギーの予防的治療のために、ならびにある場合には、ある種の癌を防ぐために用いることができる。式Iまたは式IIの化合物は、特に皮膚の、炎症、アレルギーおよび刺激を治療するための薬剤の調製に、特に適している。静脈収縮剤として、化学的、物理的または光線性紅斑の抑制剤として、敏感肌の治療のための薬剤として、うっ血除去薬として、スリミング剤として、抗しわ剤として、細胞外基質の成分を合成するための刺激物質として、皮膚の弾力性を向上させるための強化剤として、および老化防止剤として作用する薬剤を調製することが、さらに可能である。その上、このことに関して好ましい、式Iまたは式IIの化合物は、抗アレルギー作用および抗炎症作用および抗刺激作用を示す。したがって、これらは、炎症またはアレルギー反応を治療するための薬剤の調製に適している。
【0227】
特に、本発明による式Iの複合化合物は、アトピー性湿疹、具体的には、乳痂、神経皮膚炎、痒疹および乾燥性皮膚炎などの治療に使用されることが、特に有利である可能性があることが見出されている。
【0228】
ここで、これらの化合物は、
急性症状を大いに緩和することができ、
急性症状の発現頻度を減らすことができ、
一般に、皮膚病像を改善に寄与することができる
ことが見出されている。
【0229】
式Iの1種または複数種の化合物を含む組成物はまた、酸化ストレスに対して、すなわち、例えば、日光、熱または他の影響などによって産生されるフリーラジカルによる損傷に対して、ヒトの皮膚を保護するか、または体細胞を保護するのに適している。式Iの1種または複数種の化合物を含む組成物は、皮膚の老化を軽減するのに特に適している。
【0230】
したがって、本発明はまた、酸化ストレスに対して保護するための活性成分としての、式Iの1種または複数種の化合物の使用に関する。本発明はさらに、皮膚の老化を予防するための、式Iの1種または複数種の化合物の使用に関する。
【0231】
式Iの化合物は、抗アレルギー特性、抗炎症特性、炎症抑制特性および抗刺激特性を有するので、特に皮膚の、アレルギー、炎症および刺激の治療または予防的治療に用いることができる。したがって、本発明はさらに、抗アレルギー作用、抗炎症作用、炎症抑制作用および抗刺激作用を有する活性成分としての、式Iの1種または複数種の化合物の使用に関する。
【0232】
ここで、本発明によると好ましい、式Iの化合物の使用、または式Iの少なくとも1種の化合物を含む組成物の使用は、ヒトの皮膚またはヒトの毛髪の、時間および/または光による老化の進行に対する予防、特に、乾燥皮膚、しわおよび/または色素異常に対する予防、および/または紫外線が皮膚に及ぼす損傷影響の低減または予防、およびしわ、細かいしわ、きめの粗い皮膚または毛穴が大きく開いた皮膚などの、皮膚の凹凸の予防または低減のための使用である。
【0233】
本発明に従って使用される化合物が遊離ヒドロキシル基を有する場合、これらの化合物は、記載した特性に加えて、酸化防止剤および/またはフリーラジカル捕捉剤としての作用をさらに示す。したがって、R1〜R3の少なくとも1つの基がOHを表し、好ましくはR1およびR2の少なくとも1つの基がOHを表すことを特徴とする式Iの少なくとも1種の化合物を含む、光防護特性を有する組成物も好ましい。
【0234】
式Iの化合物が、皮膚上で、フリーラジカル捕捉剤としての好ましい作用を特にうまく発揮することができるように、式Iの化合物は、皮膚の深層に浸透することができることが好ましいであろう。この目的のために、いくつかの可能性が利用できる。まず第1に、式Iの化合物は、外皮層を通り抜けて表皮層に浸透することができるには十分な親油性を有することができる。さらなる可能性として、対応する輸送媒介物、例えばリポソームは、外皮層を通り抜けて式Iの化合物を輸送することができるが、これらの媒介物を組成物中に供与することもできる。最後に、式Iの化合物を全身に輸送することも考えられる。その結果、組成物は、例えば、経口投与に適しているような方法で設計される。
【0235】
一般に、式Iの物質はフリーラジカル捕捉剤として作用する。このタイプのフリーラジカルは、日光によって産生されるだけでなく、むしろ種々の条件下で形成される。この例としては、酸素欠乏症、炎症および脂質自動酸化が挙げられる。酸素欠乏症は、チトクロームオキシダーゼの電子の上流への流れを阻止し、スーパーオキシドフリーラジカルアニオンの形成を引き起こす。炎症は、とりわけ白血球の膜NADPHオキシダーゼによって、スーパーオキシドアニオンが形成されることに付随するだけでなく、食細胞活動の現象に通常関与する、ヒドロキシルフリーラジカルおよび他の反応種の形成(鉄(II)イオン存在下での不均化のため)に付随する。脂質自動酸化は、一般にヒドロキシルフリーラジカルによって開始され、脂質アルコキシフリーラジカルおよびヒドロペルオキシドを産生する。
【0236】
式Iの好ましい化合物はまた、酵素阻害剤として作用すると仮定されている。これらの化合物は、ヒスチジンデカルボキシラーゼ、プロテインキナーゼ、エラスターゼ、アルドースレダクターゼおよびヒアルロニダーゼを阻害し、その結果、血管鞘の基本物質を無侵襲に維持することができると推定される。さらに、これらは、カテコールO−メチルトランスフェラーゼを非特異的に阻害することにより、利用可能なカテコールアミンの量、ひいては血管強度を増大させると推定される。さらに、これらの化合物は、AMPホスホジエステラーゼを阻害して、血小板の凝集を阻害する可能性のある物質を所与すると考えられる。
【0237】
これらの特性のために、本発明による組成物は、一般に、免疫の保護、ならびにDNAおよびRNAの保護に適している。特に、組成物は、酸化攻撃に対して、フリーラジカルに対して、および線放射、特に紫外線による損傷に対して、DNAおよびRNAを保護するのに適している。本発明による組成物のさらなる利点は、細胞保護、特に、上記影響による損傷に対するランゲルハンス細胞の保護である。これらの化合物の使用、およびこれに相応して使用される可能性のある組成物の調製のための、式Iの化合物の使用もすべて、明らかに本出願の主題である。
【0238】
具体的には、本発明による好ましい組成物は、以下の治療などにも適している。すなわち、分化および細胞増殖に影響する、角質化の異常に伴う皮膚疾患の治療、特に、尋常性座瘡、面皰性座瘡(acne comedonica)、多形性座瘡、酒さ性座瘡(acne rosacea)、結節性座瘡(nodular acne)、集簇(集族)性座瘡、加齢に伴う座瘡、副作用として生じる座瘡、例えば日光性座瘡(acne solaris)、薬剤誘発性座瘡または職業性座瘡(acne professionalis)などの治療、他の角質化の異常、特に魚鱗癬、魚鱗癬状態、ダリエ病、手掌足底角化症、白斑症、白斑状態、皮膚および粘膜(頬)の疱疹(苔癬)の治療、炎症性および/または免疫アレルギー性成分を有する、角質化の異常に伴う他の皮膚疾患の治療、特に、皮膚、粘膜、ならびに手指および足指の爪に影響する乾癬のすべての形態、および乾癬性リウマチ、および湿疹もしくは呼吸アトピーなどの皮膚アトピー、または歯肉の肥大の治療であり、さらに、化合物は、角質化の異常に伴わない、いくつかの炎症に用いることが可能であり、良性または悪性のすべての、真皮または表皮の、ウイルスが原因であり得る病的増殖物の治療、例えば尋常性疣贅、扁平疣贅、疣贅状表皮発育異常症(epidermodysplasia verruciformis)、口内乳頭腫症、フロリダ乳頭腫症(papillomatosis florida)などの治療、紫外線に起因し得る病的増殖物、特に、基底細胞上皮腫および有棘細胞上皮腫の治療、水疱性皮膚炎およびコラーゲンに影響する疾患などの、他の皮膚疾患の治療、眼疾患、特に角膜疾患の治療、老化に伴う、光による皮膚の老化の克服またはかかる老化との闘い、色素沈着および光線性角化症の低減、ならびに通常の老化および光による老化に伴うすべての疾患の治療、局所的または全身的に施用されたコルチコステロイドに起因する表皮および/または真皮の萎縮の創傷/瘢痕、および他のすべてのタイプの皮膚萎縮の予防または治癒、創傷治癒の欠陥の予防または治療、妊娠に起因する伸展裂創の予防または除去、あるいは創傷治癒の促進、座瘡または単純性脂漏における脂漏過多症(hyperseborrhoea)などの皮脂生成異常との闘い、癌様状態または前発癌状態、特に前骨髄球性白血病との闘いまたはこれらの予防、関節炎などの炎症性疾患の治療、皮膚または身体の他の領域の、ウイルス誘発性のすべての疾患の治療、脱毛の予防または治療、免疫成分が原因の、皮膚疾患または身体の他の領域の疾患の治療、動脈硬化または高血圧などの心血管疾患、および非インシュリン依存型糖尿病の治療、紫外線に起因する皮膚の問題の治療に用いることができる。
【0239】
さらに式Iの化合物は薄い固有色を有するだけである。固有色が薄いということは、例えば、成分の固有色が審美的な理由のために製品において望まれない場合、大きな利点である。
【0240】
組成物における式Iの化合物の割合は、組成物全体に対して、好ましくは0.01〜20重量%、特に好ましくは0.05〜10重量%、および中でも特に好ましくは0.1〜5重量%である。組成物における式Iの化合物の割合は、組成物全体に対して極めて特に好ましくは0.1〜2重量%である。
【0241】
さらなる論評をせずとも、当業者は、上記説明を最も広い範囲で利用することができると推定される。したがって、好ましい実施形態は、決してまったく限定されない説明的開示であると、単に見なすべきである。以上および以下に記載のすべての明細書および出版物の全開示内容は、本明細書に参照として組み込まれる。以下の実施例は、本発明を説明することを意図している。しかし、これらは決して限定するものと見なすべきではない。組成物中で用いられる可能性のある化合物または成分はすべて知られており、かつ市販されているか、または知られている方法によって合成することができる。使用される原料のINCl名は以下の通りである。
【0242】
実施例
使用される原料一覧表
原料 INCI名
Abil WE 09 ポリグリセリル4−イソステアレート、
セチルジメチコンコポリオール、
ラウリン酸ヘキシル
Antaron V−220 PVP/エイコセンコポリマー
Arlacel 80 オレイン酸ソルビタン
Arlacel 165V ステアリン酸グリセリル、
PEG−100ステアレート
アボカド油 ペルセアグラティッシマ
(Persea Gratissima)
蜜ロウ 蜜ロウ
Biobase(商標)EP ステアリン酸グリセリル、
セテアリルアルコール、
ステアロイル乳酸ナトリウム、レシチン
Carbopol ETD 2050 カーボマー
Cetiol V オレイン酸デシル
セチルアルコール セチルアルコール
イソノナン酸セチル イソノナン酸セチル
Cutina HR 水添ヒマシ油
Dimeticon ジメチコン
Eusolex(登録商標)232 フェニルベンズイミダゾールスルホン酸
Eusolex(登録商標)2292 メトキシ桂皮酸オクチル、BHT
Eusolex(登録商標)6300 4−メチルベンジリデンカンファー
Eusolex 8300 4−メチルベンジリデン
Eusolex(登録商標)9020 ブチルメトキシジベンゾイルメタン
Eusolex(登録商標)HMS ホモサレート(Homosalate)
Eusolex T−Aqua 常水(水)、二酸化チタン、アルミナ、
メタリン酸ナトリウム、
フェノキシエタノール、
メチルパラベンナトリウム
Eutanol G オクチルドデカノール
GermabenII プロピレングリコール、
ジアゾリジニル尿素、メチルパラベン、
プロピルパラベン
Germaben II−E プロピレングリコール、
ジアゾリジニル尿素、メチルパラベン、
プロピルパラベン
グリセリン グリセリン
グリセリン(87%) グリセリン
グリセリン(87%特級) グリセリン
グリセリン、無水 グリセリン
Hetester PHA 酢酸プロピレングリコールイソセテス−3
ラウリン酸ヘキシル ラウリン酸ヘキシル
Imwitor 960 Kフレーク ステアリン酸グリセリルSE
Isolan PDI ジイソステアロイルポリグリセリル
3−ジイソステアレート
ミリスチン酸イソプロピル ミリスチン酸イソプロピル
パルミチン酸イソプロピル パルミチン酸イソプロピル
ホホバ油 Buxus Quinensis(ホホバ油)
Karion F liquid ソルビトール
Keltrol RD キサンタンガム
硫酸マグネシウム 硫酸マグネシウム
硫酸マグネシウム七水和物 硫酸マグネシウム
4−ヒドロキシ安息香酸メチル メチルパラベン
Miglyol 812 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
Miglyol 812N カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
Miglyol 812、中性油 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
Mirasil CM5 シクロメチコン
Mirasil DM 350 ジメチコン
Montanov 68 セテアリルアルコール、
セテアリルグルコシド
塩化ナトリウム 塩化ナトリウム
水酸化ナトリウム溶液、10% 水酸化ナトリウム
Oxynex(登録商標)K PEG−8、トコフェロール、
パルミチン酸アスコルビル、
アスコルビン酸、クエン酸
Panthenol−D パンテノール
Paracera M マイクロワックス
パラフィン油、液体 鉱油
芳香油TND−2417 香料
Pemulen TR−1 アクリレート/C1030アルキルアクリレート
クロスポリマー
Pemulen(登録商標)TR−2 アクリレート/C1030アルキルアクリレート
クロスポリマー
Performa(登録商標)V 825 合成ワックス
ポリグリセリル2−ジポリヒドロキシ ポリグリセリル−2ジポリヒドロキシ
ステアレート ステアレート
Prisorine 2021 イソステアリン酸イソプロピル
1,2−プロパンジオール プロピレングリコール
4−ヒドロキシ安息香酸プロピル プロピルパラベン
Rhodicare S キサンタンガム
RonaCare(商標)ASC III
水、レシチン、ジパルミトイル、
ヒドロキシプロリン、
フェノキシエタノール、
トール油ステロール、リノール酸、
トコフェロール、
アスコルビン酸ナトリウム、
マンニトールメチルパラベン、
エチルパラベン、プロピルパラベン、
ブチルパラベン
RonaCare(商標)Bisabolol
ビサボロール
RonaCare(商標)Ectoin エクトイン
RonaCare(商標)LPO ラウリルp−クレゾールケトオキシム
RonaCare(商標)酢酸トコフェロール
酢酸トコフェロール
Sepigel 305 ポリアクリルアミド、
1314イソパラフィン、
ラウレス(Laureth)−7
SFE 839 シクロペンタシロキサン、
ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー
シアバター シアバター
ステアレス−2 ステアレス−2
ステアレス−10 ステアレス−10
ステアリン酸 ステアリン酸
酢酸DL−α−トコフェロール 酢酸DL−α−トコフェロール
トリエタノールアミン トリエタノールアミン
トリエタノールアミン 特級 トリエタノールアミン
脱イオン水 常水(水)
ステアリン酸亜鉛 ステアリン酸亜鉛。
【0243】
実施例A−ルテオリン/シクロデキストリン複合体の調製
ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン3.1g(Aldrich;2'−ヒドロキシプロピルシクロオクタアミロース;Cas.-No.128446−34−4)を、最初に水25ml中に加え、50℃に温める。ルテオリン0.25gをエタノール25mlに溶解し、最初の溶液に滴下する。この溶液を50℃で3日間攪拌する。エタノールをこの溶液から留去する。残渣を減圧下で蒸発させ、乾燥させ、残存する固体を、続いて40℃および200mbarで一晩乾燥させる。収量:淡黄色固体1.71g
特性:
固体中のルテオリン含有量(HPLC測定)
メスフラスコ内で、ルテオリン6.3mgをメタノール3mlおよびTHF1mlに溶解し、溶離液(アセトニトリル/H2O 2/8)で10mlにする。(ピーク面積33097443)。
【0244】
メスフラスコ内で、複合体22.2mgをメタノール3mlおよびテトラヒドロフラン1mlに溶かし、溶離液(アセトニトリル/H2O 2/8)で10mlにした。(ピーク面積8201418)。
【0245】
したがって、複合体は7.0重量%のルテオリンからなるということになる。これは、1:2のモル比に相当する。この複合化合物は、[ルテオリン][ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン]2複合体である。
【0246】
ルテオリン/シクロデキストリン複合体の溶解度
複合体0.5gを水1mlに溶解する。飽和状態には達していない。これは、純粋なルテオリンを基にすると、少なくとも34.6g/lの溶解度に相当する。
【0247】
以下の実施例、製法1から6において、ルテオリンは、それぞれの場合において、実施例Aによるルテオリン/ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン複合体として使用される。
【0248】
実施例1
皮膚に施用するためのローション(W/O)
重量%
A ポリグリセリル2−ジポリヒドロキシステアレート 5.0
蜜ロウ 0.5
ステアリン酸亜鉛 0.5
ラウリン酸ヘキシル 9.0
イソノナン酸セチル 6.0
シアバター 0.5
酢酸DL−α−トコフェロール 1.0
ルテオリン 0.5
B グリセロール 5.0
硫酸マグネシウム七水和物 1.0
保存剤 適量
脱イオン水 100まで。
【0249】
調製
相Aを75℃に、相Bを80℃に温める。相Bを相Aに、攪拌しながらゆっくり加える。均質化した後に、混合物を攪拌しながら冷却する。香料を40℃の温度で加える
以下のものを保存剤として用いる
4−ヒドロキシ安息香酸プロピル 0.05%
4−ヒドロキシ安息香酸メチル 0.15%。
【0250】
実施例2
皮膚に施用するためのローション(W/O)
重量%
A ポリグリセリル2−ジポリヒドロキシステアレート 5.0
蜜ロウ 0.5
ステアリン酸亜鉛 0.5
ラウリン酸ヘキシル 9.0
イソノナン酸セチル 6.0
シアバター 0.5
酢酸DL−α−トコフェロール 1.0
B ルテオリン 1.0
グリセロール 5.0
硫酸マグネシウム七水和物 1.0
保存剤 適量
脱イオン水 100まで。
【0251】
調製
相Aを75℃に、相Bを80℃に温める。相Bを相Aに、攪拌しながらゆっくり加える。均質化した後に、混合物を攪拌しながら冷却する。香料を40℃の温度で加える
以下のものを保存剤として用いる
4−ヒドロキシ安息香酸プロピル 0.05%
4−ヒドロキシ安息香酸メチル 0.15%。
【0252】
実施例3
皮膚に施用するためのローション(W/O)
重量%
A 4,6,3',4'−テトラヒドロキシベンジルクマラノン−3 1.0
ポリグリセリル2−ジポリヒドロキシステアレート 5.0
蜜ロウ 0.5
ステアリン酸亜鉛 0.5
ラウリン酸ヘキシル 9.0
イソノナン酸セチル 6.0
シアバター 0.5
酢酸DL−α−トコフェロール 1.0
ルテオリン 1.0
B グリセロール 5.0
硫酸マグネシウム七水和物 1.0
保存剤 適量
脱イオン水 100まで。
【0253】
調製
相Aを75℃に、相Bを80℃に温める。相Bを相Aに、攪拌しながらゆっくり加える。均質化した後に、混合物を攪拌しながら冷却する。香料を40℃の温度で加える
以下のものを保存剤として用いる
4−ヒドロキシ安息香酸プロピル 0.05%
4−ヒドロキシ安息香酸メチル 0.15%。
【0254】
実施例4
エクトインを含むクリーム(O/W)を、以下の成分から調製する。
【0255】
重量%
A パラフィン、液体 (1) 8.0
ミリスチン酸イソプロピル (1) 4.0
Mirasil CM5 (2) 3.0
ステアリン酸 (1) 3.0
Arlacel 165V (3) 5.0
ルテオリン 1.0
B グリセロール(87%) (1) 3.0
Germaben II (4) 0.5
脱イオン水 100まで
C RonaCare(商標)ectoin (1) 1.0。
【0256】
調製
初めに、相Aおよび相Bを別々に75℃に温める。次いで、相Aを相Bに攪拌しながらゆっくり加え、均質混合物を形成するまで攪拌する。乳液が均質化した後に、この混合物を攪拌しながら30℃に冷却する。続いて混合物を35℃に温め、相Cを加えて、この混合物が均質になるまで攪拌する
供給源
(1)Merck KGaA
(2)Rhodia
(3)Uniqema
(4)ISP。
【0257】
実施例5
W/O乳液としての局所用組成物
重量%
A Isolan PDI (2) 3.0
パラフィン油、液体 (1) 17.0
ミリスチン酸イソプロピル 5.0
蜜ロウ 0.2
Cutina HR (2) 0.3
ルテオリン 1.0
B 脱イオン水 100まで
グリセロール(87%) 4.0
硫酸マグネシウム 1.0
Germaben II−E (3) 1.0
C RonaCare(商標)LPO (1) 2.0。
【0258】
調製
相Aおよび相Bを75℃に温める。相Bを相Aに攪拌しながら加える。続いてこの混合物を、Turraxを用いて、9000rpmで2分間均質化する。得られた混合物を30〜35℃に冷却し、Cを加えて攪拌する
供給源
(1)Merck KGaA
(2)Goldschmidt AG
(3)ISP。
【0259】
実施例6 ポンプスプレー
重量%
ルテオリン 1.0
エタノール 96% 40.0
PEG−20ラウリン酸グリセリル 7.0
1,2−プロパンジオール 5.0
脱イオン水 100まで
調製
ルテオリン/CDを水に溶かし、残りの成分を攪拌しながら加える。
【0260】
実施例7:組成物
実施例Aによるルテオリン/2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン複合体(=Luteolin/CD)を含む化粧品用組成物の製剤を、以下に実施例として示す。さらに、市販の化合物のINCI名を示す。
【0261】
UV−パール、OMCは、以下のINCI名、すなわち、水(EUでは常水)、メトキシ桂皮酸エチルヘキシル、シリカ、PVP、クロルフェネシン、BHTを有する組成物を表す。この組成物は、Merck KGaA、Darmstadtから、Eusolex(登録商標)UV Pearl(商標)OMCという名称で市販されている。表に示されている他のUV−パールは、それぞれ類似の組成物を有し、OMCは示されているUVフィルターによって置き換えられる。
【0262】
【表3−1】

【0263】
【表3−2】

【0264】
【表3−3】

【0265】
【表4−1】

【0266】
【表4−2】

【0267】
【表4−3】

【0268】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの複合化合物
【化1】

[式中、
すべてのRは、各々互いに独立して、H、CH3CO、アルキルまたはヒドロキシアルキル基を表し、前記アルキル基およびヒドロキシアルキル基は、分枝または非分枝であってよく、1から18個の炭素原子を有することができ、
CDは、シクロデキストリン分子を表し、
oは、数1を表し、
pは、0.5から3までの範囲の数を表し、
ここで、硫酸塩またはリン酸塩もまた各々互いに独立して、置換基−ORにおいて言及した基の1個または複数のヒドロキシル基に結合されていてもよい]。
【請求項2】
シクロデキストリンCDが、α−、β−またはγ−シクロデキストリン、好ましくは、1個または複数のヒドロキシル基において、C124−アルキルまたはC124−ヒドロキシアルキルで場合によって置換されているγ−シクロデキストリン、特に好ましくは、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンであることを特徴とする、請求項1に記載の複合化合物。
【請求項3】
フラボノイド部分が、ルテオリンまたはトリス−ヒドロキシエチルルテオリンであることを特徴とする、前記請求項の少なくとも一項に記載の複合化合物。
【請求項4】
フラボノイド部分が、植物抽出物もしくは精製植物抽出物の形態で、または前記植物抽出物から調製される純物質の形態で使用され、前記植物抽出物は、5から90重量%の式Iのフラボノイドを含むことを特徴とする、前記請求項の少なくとも一項に記載の複合化合物。
【請求項5】
式Iのoは1に等しく、pは1.75から2.1の範囲にあり、pは好ましくは2に等しいことを特徴とする、前記請求項の少なくとも一項に記載の複合化合物。
【請求項6】
式IIの化合物
【化2】

[式中、
すべてのRは、各々互いに独立して、H、CH3CO、アルキルまたはヒドロキシアルキル基を表し、前記アルキル基およびヒドロキシアルキル基は、分枝または非分枝であってよく、1から18個の炭素原子を有することができ、ここで、硫酸塩またはリン酸塩もまた各々互いに独立して、置換基−ORにおいて言及した基の1個または複数のヒドロキシル基に結合されていてもよい]
を、シクロデキストリンCDと、溶液中で、好ましくは高温で反応させることを特徴とする、請求項1から5の少なくとも一項に記載の複合化合物の調製方法。
【請求項7】
シクロデキストリンが、式IIのフラボノイドに対して過剰に、または正確にモル比2:1で使用されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
0.005から99重量%の請求項1に記載の式Iの複合化合物または組成物を含み、
0.002から70重量%のシクロデキストリンを含み、
0.001から60重量%の請求項6に記載の少なくとも1種の式IIの化合物、またはこれらの局所的に許容される塩および/または誘導体を含むことを特徴とする、適切な賦形剤を含む組成物。
【請求項9】
式Iの1種または複数種の化合物が、0.01から20重量%、好ましくは0.05から10重量%、および特に好ましくは0.1から5重量%の量で前記組成物中に存在することを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
組成物におけるシクロデキストリンの含有量が、いずれの場合にも組成物の総重量に対して、0.01から20.0重量%、好ましくは0.05から10.0重量%、特に好ましくは0.1から5.0重量%であり、組成物における式IIの化合物の含有量が、組成物全体に対して、0.01から20重量%、好ましくは0.05から10重量%、および特に好ましくは0.1から5重量%であり、組成物における式IIの化合物の割合は、組成物全体に対して、極めて特に好ましくは0.1から2重量%の範囲にあることを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
1種もしくは複数種の酸化防止剤および/または1種もしくは複数種のUVフィルターを含むことを特徴とする、前記請求項の少なくとも一項に記載の組成物。
【請求項12】
食品または栄養補助食品または経口化粧品であることを特徴とする、前記請求項の少なくとも一項に記載の組成物。
【請求項13】
噴霧可能な組成物であり、水性または水性−アルコール性の賦形剤を含むことが特に好ましいことを特徴とする、前記請求項の少なくとも一項に記載の組成物。
【請求項14】
皮膚または毛髪の一般状態のケア、維持または改善のための、式Iの複合化合物、または請求項8から13の少なくとも一項に記載の組成物の使用。
【請求項15】
ヒトの皮膚またはヒトの毛髪の、時間および/または光による老化の進行に対する予防、特に、乾燥皮膚、しわおよび/または色素異常に対する予防、および/または紫外線が皮膚に及ぼす損傷影響の低減または予防のための、式Iの複合化合物、または請求項8から13の少なくとも一項に記載の組成物の使用。
【請求項16】
しわ、細かいしわ、きめの粗い皮膚または毛穴が大きく開いた皮膚などの、皮膚の凹凸の予防または低減のための、式Iの複合化合物、または請求項8から13の少なくとも一項に記載の組成物の使用。
【請求項17】
炎症またはアレルギー反応の予防および/または治療のための、式Iの複合化合物、または請求項8から13の少なくとも一項に記載の組成物の使用。
【請求項18】
上記の基を有する、式IIの少なくとも1種の化合物およびシクロデキストリンまたは式Iの少なくとも1種の化合物が、化粧品用に、もしくは皮膚科的に、または食品もしくは栄養補助食品もしくは経口化粧品として適切である賦形剤と混合されることを特徴とする、請求項8から13の少なくとも一項に記載の組成物の調製方法。
【請求項19】
請求項8から13の少なくとも一項に記載の組成物を調製するための、式Iの化合物の使用。

【公表番号】特表2008−509173(P2008−509173A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525194(P2007−525194)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/007547
【国際公開番号】WO2006/018078
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】