説明

フリッカ雑音のテストシステム

【課題】小型のデバイスのフリッカ雑音の特性を明らかにするために、測定システムの構成素子の周波数応答特性を良好にしたり、このシステムに悪影響を及ぼすおそれのある電気雑音を排除又は制御したり、試験状態にあるデバイスに対する直流測定を正確にしたフリッカ雑音試験システムを提供する。
【解決手段】被試験装置の各端子にそれぞれ選択的に接続しうる保護された信号経路及び保護されていない信号経路を有している。選択された信号経路は、ケーブルの接続を分断したりプローブを切り換えたりすることをせずに、端子に接続しうるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低雑音測定用のプローブ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集積回路のような電子デバイスの機能特性及び性能の双方、又はいずれか一方を決定することがしばしば望まれる。電子デバイスに関する関心の高い性能特性の1つは、電子デバイスそれ自体又は電子デバイスが組み合わされたものの雑音レベルである。信号経路における各デバイスの雑音の影響は、全体として信号を検出する能力を妨げることがないように十分に低くあるべきである。一般的に、雑音のレベルは、デバイスの信号対雑音比と称される。雑音のレベルは、場合によっては、接地電位のような既知の電位に対するものである。
【0003】
デバイスの雑音、例えばデバイスのコレクタやドレインで観測された雑音のレベルは、デバイス又はデバイスが組み合わされたものの特性を表わすのに用いられる。例えば、理想的な増幅器は、増幅器自体で雑音は発生せず、入力をある出力レベルまで単に増幅するだけである。例えば、10dBの増幅器は、その入力端で何らかの雑音を含んだ信号を10dB分増幅させる。従って、雑音は増幅器の出力端において10dB分高くなるにも係らず、全体の信号対雑音比は変わらない。しかし、デバイス自体が追加の雑音を発生させるおそれがあり、この雑音が入力雑音に加えられると、信号対雑音比は減少する。従って、全体の雑音レベルを下げるためには、デバイス自体によって加えられる雑音の量を減らすことが望ましい。
【0004】
熱雑音は、概してジョンソン雑音と称され、導電材料における電子の熱運動によって発生させられる。この熱雑音は、概して、導電体内の電荷の熱運動により発生させられ、この導電体の絶対温度に比例する。熱雑音は、増幅器のようなデバイスの、信号レベルが低い入力回路内で発生する傾向がある。熱雑音レベルは、所定の温度で回路が達成できる雑音の最小値を制限する傾向がある。熱雑音は、周波数スペクトルの全体に亘って比較的均一になる傾向があり、k(ボルツマン定数)及びT(ケルビン温度)に依存する。
【0005】
ショット雑音は、一般的にポテンシャル障壁(電圧差)が存在しているところで発生する。かかるポテンシャル障壁の一例は、PN接合ダイオードである。ショット雑音は、電子及びホールが障壁を超えるときに発生する。一方、抵抗内にはポテンシャル障壁が存在しないので、抵抗は通常ショット雑音を発生しない。抵抗を流れる電流は、一般的にこのような信号変動を生じない。しかし、ダイオード及びダイオードに類似のデバイスを流れる電流では、小さな信号変動が生じる。この信号変動は、電子(すなわち、電荷)が一度に量子、つまり1つの電子の形態で到達することによるものである。従って、電流は連続ではなく、電子の電荷の量により制限される。
【0006】
1/f(f分の1)の雑音は、概してフリッカ雑音と称され、核放射線、導体内の電子の流れといった様々な自然現象や、自然環境においてさえ見られるものである。フリッカ雑音は、半導体の結晶表面の欠陥に関連がある。雑音電力は、バイアス電流に比例する傾向があり、フリッカ雑音は、熱雑音やショット雑音とは異なり周波数の増大に応じて減少する。フリッカ雑音はデバイス特有となる傾向があるため、フリッカ雑音の正確な数学モデルは存在しない。しかし、フリッカ雑音は、低周波数で概して1/fで示されるように周波数に対し反比例する傾向がある。フリッカ雑音は、本来は、不規則である傾向にあるが、周波数スペクトルは均一ではないので、真の白色雑音だとみなされない。フリッカ雑音は、概して、フリッカ雑音の測定に時間がかかればかかるほど、測定時の変動は大きくなるという特性を有する傾向にある。同様に、フリッカ雑音の測定に時間がかからなければかからないほど、測定時の変動は小さくなる。時間が(1/周波数)に関連するので、このフリッカ雑音は、1/f雑音といわれている。
【0007】
フリッカ雑音は、FET及びバルクカーボン抵抗においてより顕著となる傾向にある。フリッカ雑音は、MOSFET、CMOS、バイポーラ接合トランジスタ、インダクタ等を含む多くの他の種類のデバイスにおいても存在する。フリッカ雑音は、折点周波数FLにより特徴づけられうるものであり、この折点周波数FLとは、フリッカ雑音が、概して白色雑音と等しくなる点の周波数である。図1、2及び3を参照するに、これらの図には、周波数全体に対するフリッカ雑音のグラフが、折点周波数FLと共に示されている。
【0008】
フリッカ雑音は、デバイスの形状が小さくなるほど及び動作電圧が低くなるほど、顕著になる。高い周波数で、高いデータ転送速度を有する低電圧デジタル回路では、フリッカ雑音は論理エラーの主な発生原因となり、従って、フリッカ雑音の正確な測定の重要性を高める。デバイスのサイズが小さくなるほど、フリッカ雑音は増加し、フリッカ雑音が増加するほど、フリッカ雑音のバンド幅も広がる。従来では、フリッカ雑音の試験は、KHzの周波数領域で行われていたが、大きなフリッカ雑音を発生する小さなデバイスでは、フリッカ雑音スペクトルの特性をより完全に明らかにするために、フリッカ雑音試験システムが概して30MHzまでの周波数でフリッカ雑音を測定できるようにすることが望ましい。本発明の前述した及びその他の目的、特徴及び効果は、添付図面と関連する以下の詳細な説明を参照することにより、一層容易に理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、フリッカ雑音を示すグラフ線図である。
【図2】図2は、フリッカ雑音を示すグラフ線図である。
【図3】図3は、フリッカ雑音を示すグラフ線図である。
【図4】図4は、本発明に従って構成されたウェハプローブステーションの一実施形態の部分的な正面図である。
【図5】図5は、図4のウェハプローブステーションの頂面図である。
【図5A】図5Aは、環境制御室を部分的に開放した図4のウェハプローブステーションの部分的頂面図である。
【図6】図6は、図4のプローブステーションを部分的に断面として示す部分的な正面図である。
【図6A】図6Aは、図6の6A−6A線に沿った拡大断面図である。
【図7】図7は、電動式位置調整機構を環境制御室の底面を貫通させた封止アセンブリの頂面図である。
【図8】図8Aは、図4の8A−8A線に沿った詳細な拡大上面図である。図8Bは、図4の8B−8B線に沿った拡大断面図である。
【図9】図9は、図6の9−9線に沿ったチャックアセンブリを部分的で且つ詳細に示す頂面図である。
【図10】図10は、図9のチャックアセンブリを部分的に断面として示す正面図である。
【図11】図11は、プローブホルダ及びプローブを部分的に断面として示す側面図である。
【図12】図12は、図11の12−12線に沿って部分的に断面として示す底面図である。
【図13】図13は、電界効果トランジスタ(FET)特性を示すグラフ線図である。
【図14】図14は、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)特性を示すグラフ線図である。
【図15】図15は、カーボン抵抗を示す線図である。
【図16】図16は、被試験デバイスである電界効果トランジスタ(FET)と一組の試験プローブチップとを示す線図である。
【図17】図17は、3端子被試験デバイスと、一組のプローブと、電源ユニットと、負荷ユニットと、基板バイアスユニットとを有するフリッカ雑音試験システムを示す線図である。
【図18】図18は、図15のフリッカ雑音試験システムの電源ユニットを示す線図である。
【図19】図19は、図15のフリッカ雑音試験システムの負荷ユニットを示す線図である。
【図20】図20は、図15のフリッカ雑音試験システムの基板バイアスユニットを示す線図である。
【図21】図21は、保護されたストリップ線路の断面図である。
【図22】図22は、フリッカ雑音試験システムの一構成例を示す線図である。
【図23】図23は、被試験デバイスとしてのバイポーラ接合トランジスタ(BJT)と一組の接触試験プローブチップとを示す線図である。
【図24】図24は、4端子被試験デバイスと、一組のプローブと、電源ユニットと、負荷ユニットと、ソースバイアスユニットと、基板バイアスユニットとを有する他のフリッカ雑音試験システムを示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
フリッカ雑音は、デバイスのサイズが小型になるほど増大し、フリッカ雑音が増大すると、フリッカ雑音のバンド幅、つまりフリッカ雑音の特性を完全に明らかにするために必要な測定範囲が広がる。小型のデバイスのフリッカ雑音の特性を明らかにするためには、測定システムの構成素子の周波数応答特性を良好にしたり、このシステムに悪影響を及ぼすおそれのある電気雑音を排除又は制御したり、試験状態にあるデバイスに対する直流測定を正確にしたりする必要がある。
【0011】
集積回路(IC)は、半導体材料または半導体ウェハの上及び中に化学的にエッチングされた超小型回路を含む。通常、単一のウェハ上にいくつかのICを製造し、その後ウェハプローブステーションで性能及び機能の試験を行った後、個々の回路に切り離す。ICの試験ポイントは、通常、直交格子座標に沿って並べられ、プローブカード上では複数のプローブによって又は東西南北に配置では単一のプローブによって、試験しうる。同様に、複合デバイスにおけるICは、一般的に直交座標に沿って配置される。ウェハ上の複数のデバイスに対してフリッカ雑音を測定することは、統計的な有意性を確立するための十分なデータを得るために、且つウェハ上の様々な位置でのフリッカ雑音の変動を観測するために望ましい。プローブステーションは、ICが複合デバイスに組み込まれる前及び組み込まれた後の双方でICの性能及び機能を試験するためにも用いられる。
【0012】
図4、5及び6を参照するに、プローブステーションの一実施形態は、多数のジャッキ14a、14b、14c、14dを介して載置台(プラテン)12を支持するベース(基部)10(部分的に図示)を具えている。これらの多数のジャッキは、後述する目的のために、載置台をベースに対して垂直方向で僅か(1インチ(2.54cm)の約10分の1)ずつ選択的に上下させる。プローブステーションのベース10によって、方形のプランジャ18を有する電動式ポジショナ16も支持されている。この方形のプランジャ18は、試験状態にあるウェハ又はその他の被試験装置(DUT)を支持するための可動式のチャックアセンブリ20を支持している。チャックアセンブリ20は、載置台12内の大きな孔22の中を自由に通ることができ、この孔22は、チャックアセンブリが、載置台とは無関係にポジショナ16によってX、Y及びZ軸に沿って、すなわち相互に直交する2つの軸X及びYに沿って水平方向に、且つZ軸に沿って垂直方向に移動させうるものである。同様に、載置台12は、ジャッキ14により垂直に動かされる場合も、チャックアセンブリ20及びポジショナ16とは無関係に移動する。
【0013】
載置台12の上には、複数の個々のプローブポジショナ(そのうちの1つのみを24で示す)が装着されており、各プローブポジショナが延長部材26を有し、この延長部材26にはプローブホルダ28が装着されており、このプローブホルダ28は、チャックアセンブリ20上に装着されたウェハ及びその他の試験デバイスに接触させるためのプローブ30を支持している。プローブポジショナ24は、プローブホルダ28の位置、従って、プローブ30の位置を、チャックアセンブリ20に対して、X、Y及びZ軸に沿って調整するためのマイクロメータ調整装置34、36及び38を有している。Z軸を、ここでは漠然と、プローブホルダ28とチャックアセンブリ20との間の「アプローチ軸」と称する。しかし、垂直でも線形でもないアプローチ方向に沿って、プローブチップとウェハ又はその他の試験デバイスとが互いに接触する場合には、このアプローチ方向も、「アプローチ軸」という用語の意味に含まれるものである。更なるマクロメータ調整装置40は、チャックアセンブリ20により支持されているウェハ又はその他の試験デバイスに対するプローブの平面性を調整するためにプローブホルダ28の傾きを調整する。各々がそれぞれのプローブを支持する12個の個々のプローブポジショナ24を、車輪のスポークのようにチャックアセンブリに向って放射状に収束するように載置台12上でチャックアセンブリ20の周りに配置することができる。かかる配置では、個々のポジショナ24は、それぞれ独立して自身のプローブをX、Y及びZ方向に調整することができ、一方ジャッキ14は、載置台12を、従って、全てのプローブポジショナ24及びこれらのプローブを一体に上下させるように動作させることができる。
【0014】
不所望な電気的雑音は、フリッカ雑音を測定する上で重大な障害となる。雑音は様々な原因で発生するおそれがあるので、プローブステーションには、試験環境を雑音から隔離するために一般的に環境制御室が設けられている。環境制御室は、載置台12にしっかりと取り付けられている上側ボックス部42と、ベース10にしっかりと取り付けられている下側ボックス部44とから構成されている。両ボックス部は、EMI(電磁障害)を遮蔽するために鋼鉄又はその他の適切な導電性材料でできている。ジャッキ14が載置台12を上下させるように動作した際に、2つのボックス部42及び44間の垂直方向の移動が僅かとなるようにするために、導電性弾性発泡体ガスケット46、好ましくは銀又はカーボン含浸シリコンで構成された導電性発泡体ガスケット46を、環境制御室の前端部の接合部で周囲的に下側ボックス部44と載置台12との間に配置させ、その結果、2つのボックス部42及び44間で垂直方向の相対的な移動が生じることにかかわらず、EMI封止と、実質的なハーメチック封止と、光の封止との全てが維持されるようにする。上側ボックス部42は載置台12にしっかりと取り付けるが、同様なガスケット47を、上側ボックス部42と載置台の上面との間に配置して封止機能を最大にするのが好ましい。
【0015】
図8A及び図8Bを参照するに、上側ボックス部42の上面には、八角形の鋼鉄製ボックス48が設けられている。この八角形の鋼鉄製ボックス48は、サイドパネル49a及び49bのような8つのサイドパネルを有し、それぞれのプローブポジショナ24の延長部材26は、サイドパネルを貫通して動くことができる。各パネルは、上記のガスケットの材料に類似しうる弾性発泡体のシート50がそれぞれ配置されている中空ハウジングを具えている。この弾性発泡体には、スリット52のようなスリットが、各パネルハウジングの内面及び外面に形成されているスロット54と整列されるように、垂直方向で部分的に形成され、各プローブポジショナ24の各延長部材26がパネルハウジングを貫通移動しうるようになっている。発泡体にスリットが形成されていることにより、環境制御室に得られたEMI封止と、実質的なハーメチック封止と、光の封止とを保った状態で、各プローブポジショナの延長部材26を、X、Y及びZ軸方向に移動させることができる。4つのパネルでは、X及びY軸方向の移動の範囲を広げるために、発泡体シート50が、スロット54を有する一組の鋼鉄製プレート55間に挟まれている。かかるプレートは、パネルハウジングの内面及び外面に形成された大きなスロット56で規定された移動範囲内で、パネルハウジング内を横方向に摺動しうる。
【0016】
八角形のボックス48の上には、円形の観察孔58が設けられ、この円形の観察孔58は、その内部に埋め込まれた円形の透明な密閉窓60を有している。ブラケット62は、この透明な密閉窓を介して光を通過させるか、遮断するかを選択するための有孔摺動シャッタ64を保持している。セットアップ時又は動作時に、ウェハ又は他の試験デバイスを拡大表示したり、正確なプローブ配置のためにプローブの先端を拡大表示したりするために、CRTモニタに接続された立体鏡(図示せず)を、透明な密閉窓の上に配置することができる。あるいはまた、透明な密閉窓60を取り除いて、発泡体ガスケットにより囲まれた顕微鏡レンズ(図示せず)を観察孔58に貫通させ、発泡体ガスケットがEMI封止、ハーメチック封止及び光の封止を実現するようにしうる。
【0017】
環境制御室の上側ボックス部42は、ヒンジ結合された鋼鉄製ドア68を有し、この鋼鉄製ドア68は、図5Aに示されるようにヒンジ70の枢軸を中心として外側に回動する。ヒンジは、上側ボックス部の頂面と密接して重なり合う摺動周縁封止部68aを形成するように、上側ボックス部42の頂面に向かって下方にドア68を押圧する。ドアが開き、チャックアセンブリ20を、図5Aに示されるように開くドアの下側のポジショナ16により移動しうる状態になると、チャックアセンブリを、装填したり取り出したりするアクセスを行いうる。
【0018】
図6及び7を参照するに、環境制御室の完全密閉状態は、互いに摺動可能に積み重ねられた一連の4つの密閉プレート72、74、76及び78を設けることにより、電動式ポジショナ16による位置調整(位置決め)移動の全体に亘っても同様に維持される。これらプレートの大きさは、各プレート72、74、76及び78内に形成された中央孔72a、74a、76a及び78a並びに下側ボックス部44の底面44a内に形成された孔79aの各大きさが順に大きくなるように、上から下に向かって大きくなる。最上部のプレート72の中央孔72aは、垂直方向に移動しうるプランジャ18の軸受ハウジング18aの周りに密接に嵌合している。その下のプレート、つまりプレート74は、上方に突出した周縁部74bを有し、この周縁部74bは、プレート72がプレート74の頂面に亘って摺動することができる範囲を制限している。プレート74の中央孔74aは、ポジショナ16がプランジャ18及びプランジャ18の軸受ハウジング18aを、最上部のプレート72の縁がプレート74の周縁部74bに接触するまで、X及びY軸に沿って横方向に移動させうる寸法とする。しかし、かかる接触が生じた際に、孔74aが最上部プレート72によって覆われなくならないようにこの孔74aの寸法を十分小さくし、従って、プランジャ18及びその軸受ハウジングのX及びY軸に沿った動きに関わらず、プレート72及び74間で、密閉は維持されるようにする。更に、プレート72が周縁部74bに接触する方向へプランジャ18及び軸受ハウジングを更に移動させると、プレート74が、その1つ下のプレート76の周縁部76bの方向に摺動することになる。プレート76の中央孔76aは、プレート74が周縁部76bに接触する程度に十分大きくするが、プレート74が孔76aを覆わなくならないように十分小さくし、これにより同様にプレート74及び76間の密閉を維持するようにする。プランジャ18及び軸受ハウジングを同じ方向に更に移動させることにより、プレート76及び78をこれらの下側のプレートに対し同様に摺動させ、孔78a及び79aが覆われなくならずに、これらプレートが周縁部78b及び下側ボックス部44の側面にそれぞれ接触するようになる。大きさを順次大きくした中央孔及び摺動プレートの組み合わせにより、プランジャ18は、ポジショナ16によりX及びY軸に沿って全範囲に亘って移動することができ、しかも、かかる位置調整移動に関わらず、環境制御室は密閉された状態に維持される。この構造により実現されるEMI封止は、ポジショナ16の電気モータに対しても効果的である。その理由は、ポジショナ16の電気モータは、摺動プレートの下側に位置している為である。
【0019】
図6、9及び10を特に参照するに、チャックアセンブリ20は、環境制御室が有っても無くても使用しうる独特なモジュール構造をしている。プランジャ18は、調整プレート79を支持し、この調整プレート79は、アプローチの軸線に沿って、プローブから順々に離れて位置する第1、第2及び第3のチャックアセンブリ構成要素80、81及び83を支持している。構成要素83は、導電性で方形の台又はシールド(遮蔽体)83であり、これに、円形の導電性構成要素80及び81が着脱自在に装着されている。構成要素80は、平坦で上を向いているウェハ支持面82を有し、このウェハ支持面82には、垂直方向の孔84のアレイが開けられている。これらの孔は、Oリング88により分離された区画室にそれぞれ連通しており、これらの区画室は、個別に制御される真空弁(図示せず)を介して真空源に通じている真空ライン90a、90b及び90c(図9)に個別に接続されている。それぞれの真空ラインは、ウェハを保持するために、それぞれの区画室及びこれらの孔を真空源に接続したり、或いはウェハを除去するために、孔を真空源から分離させたりするのを、従来のように選択的に行う。それぞれの区画室及びこれらの対応する孔を別々に操作しうることにより、チャックは、様々な直径のウェハを保持することができるようになる。
【0020】
ウェハ又はその他のDUTが構成要素80により支持されている間に、同時に接点基板又は校正基板を支持する目的で、円形の構成要素80及び81に加えて、構成要素83の隅部には予備チャック92及び94のような予備チャックを、ねじ(図示せず)により構成要素80及び83とは独立させて着脱自在に装着する。予備チャック92及び94の各々は、独自の別個の上向きの平面100及び102をそれぞれ有し、これらの平面は、構成要素80の表面82と平行関係にある。真空孔104は、平面100及び102を貫通して各予備チャックの本体内部の区画室とそれぞれ連通している。これらの区画室のそれぞれは、個別の真空ライン及び個別に独立動作する真空弁(図示せず)を介して真空源に通じていて、各真空弁は、構成要素80の孔84の作用とは独立して、真空源に対し孔104のそれぞれの組をそれぞれ接続又は分離し、ウェハ又はその他の試験デバイスから独立して、平面100及び102にそれぞれ位置する接点基板又は校正基板を選択的に保持したり取り外したりする。設けるのが任意である金属シールド106は、構成要素83の縁から上方に突出させて、他の構成要素80、81及び予備チャック92、94を囲むようにする。
【0021】
チャックアセンブリの全ての構成要素80、81及び83と、チャックアセンブリの付加的な構成要素79とは、導電性金属で構成され、ねじ96のような金属製のねじによって着脱自在に相互連結されているが、これらの構成素子は互いに電気絶縁されている。図6及び6Aを参照するに、この電気絶縁は、弾性誘電体のOリング88に加えて、誘電体のスペーサ85及び誘電体のワッシャ86が設けられていることにより実現されている。このようにすることにより、ねじ96を、各ねじによって互いに結合させる2つの構成要素のうち下側の構成要素に開けた特大の孔(ねじにとっては大きすぎる孔)に貫通させ、このことによりねじの軸部とこの下側の構成要素との間の電気的接触を避けるという事実と相俟って、望ましい電気絶縁を実現する。図6から明らかなように、誘電体スペーサ85は、チャックアセンブリの相互連結された構成要素の対向する表面の面積のうちほんの僅かに亘って延在しており、従って、対向する表面間にはそれぞれの表面積の大部分に亘って空隙が存在することになる。かかる空隙は、チャックアセンブリのそれぞれの構成要素間の空隙における誘電率を最小化し、このことに対応して、構成要素間の静電容量や、電流がある構成要素から他の構成要素に漏洩するおそれを最小化する。スペーサ85及びワッシャ86は、高い寸法安定性及び高い体積抵抗率と対応する可能な限り低い誘電率を有する金属で構成するのが好ましい。スペーサ及びワッシャに適切な材料は、ガラスエポキシ樹脂やイー・アイ・デュポン(E. I. DuPont)社によりデルリン(Delrin:登録商標)という名称で市販されているアセタールホモポリマ樹脂である。
【0022】
図9及び10を参照するに、チャックアセンブリ20は、一般に108及び110で示す着脱自在の一対の電気コネクタアセンブリをも有している。電気コネクタアセンブリ108及び110は、互いに電気的に絶縁されている少なくとも2つの導電性コネクタ構成要素108a、108b及び110a、110bをそれぞれ有している。コネクタ構成要素108b及び110bは、それぞれコネクタ構成要素108a及び110aを保護するように同軸的に囲むのが好ましい。必要に応じて、コネクタアセンブリ108及び110は、図10に示されるように、コネクタ構成要素108b及び110bをそれぞれ囲むような外側のシールド108c、110cをそれぞれ含むような三軸構成とすることもできる。必要に応じて、外側のシールド108c及び110cは、遮蔽ボックス112及びコネクタ支持ブラケット113を介してチャックアセンブリの構成要素83に電気的に接続しうる。しかし、かかる電気的接続は、特に周囲にEMIを遮蔽するボックス部42、44が存在する場合には任意的なことである。いずれにせよ、コネクタ構成要素108a及び110aは、コネクタプレート114に並列に電気接続され、このコネクタプレート114は、曲面である接触面114aに沿うように、ねじ114b及び114cによってチャックアセンブリの構成要素80の湾曲縁に密接した状態で且つ着脱自在に連結されている。一方、コネクタ構成要素108b及び110bはコネクタプレート116に並列に接続されており、このコネクタプレート116も同様に構成要素81に密接した状態で且つ着脱自在に連結されている。コネクタ構成要素は、ボックス112にあけた方形の開口部112aを自由に貫通し、ボックス112、従って、構成要素83から電気的に絶縁され、且つ互いに電気的に絶縁される。ねじ118のような位置決めねじは、コネクタ構成要素を、コネクタプレート114及び116のそれぞれに着脱自在に固定する。
【0023】
同軸又は図示されているように三軸ケーブル118及び120は、着脱自在の電気コネクタアセンブリ108及び110の一部を形成し、同様に、これらの三軸の着脱自在のコネクタ122及び124も電気コネクタアセンブリ108及び110の一部を形成しており、これらの三軸コネクタ122及び124は、環境制御室の下側ボックス部44の壁部を貫通している為、これら三軸コネクタ122及び124の外側のシールドが環境制御室と電気的に接続されている。これらの三軸コネクタ122及び124には、更なる三軸ケーブル122a及び124aを着脱自在に接続できる。これらの三軸ケーブル122a及び124aは、試験アプリケーションに応じた適切な試験機器、例えば、ヒューレットパッカード社の4142BモジュールDC電源/モニタ又はヒューレットパッカード社の4284AプレシジョンLCRメータから得られる。ケーブル118及び120が単なる同軸ケーブルであるか又は2つの導体のみを有する他の型のケーブルである場合、一方の導体が、コネクタ108a又はコネクタ110aをそれぞれ有するコネクタ122又は124のそれぞれの内部(信号)コネクタ構成要素を接続しており、他方の導体が、コネクタ構成要素108b又は110bをそれぞれ有するコネクタ122又は124の中間(保護)コネクタ構成要素をそれぞれ接続している。
【0024】
いずれにせよ、着脱自在のコネクタアセンブリ108、110は、これらと2つのコネクタプレート114、116と相互接続されている為に、即座に使用できる信号及び保護接続を、即座に使用できる保護されたケルビン接続とともに、チャックアセンブリの構成要素80及び81にそれぞれ提供する。チャックアセンブリの保護のみが必要となるアプリケーション、例えば試験デバイスから構成要素80を流れる低電流漏洩の測定では、信号ラインが、コネクタ構成要素108a及びコネクタプレート114を介してチャックアセンブリの構成要素80に提供されるとともに、保護ラインが、コネクタ構成要素108b及びコネクタプレート116を介して構成要素81に提供されるようにするために、オペレータが、信号保護ケーブル122aをヒューレットパッカード社の4142BモジュールDC電源/モニタのような試験機器から着脱自在のコネクタ122に接続することのみが必要となる。あるいはまた、チャックアセンブリへのケルビン接続が、低い静電容量を測定に必要となる場合のような低電圧測定のために望まれる場合には、オペレータは、一対のケーブル122a及び124aを、ヒューレットパッカード社の4284AプレシジョンLCRメータのような適切な試験機器からのコネクタ122及び124にそれぞれ単に取り付けるだけでよい。これにより、電源及び測定ラインが、コネクタ構成要素108a及び110a並びにコネクタプレート114を介して、構成要素80に提供され、且つ保護ラインが、コネクタ構成要素108b及び110b並びにコネクタプレート116を介して、構成要素81に提供される。
【0025】
図8b、11及び12を参照するに、それぞれ個別に移動可能で、プローブ構成要素30aの対を有するプローブ30は、プローブホルダ28によりそれぞれ支持され、プローブホルダ28は、プローブポジショナ24のような様々なプローブポジショナの延長部26によりそれぞれ支持されている。各プローブポジショナ24の上には、遮蔽ボックス126が載置されており、この遮蔽ボックス126の上には、一対の三軸コネクタ128、130が装着されており、前述したように、三軸ケーブル132が適切な試験機器から各三軸コネクタに入り込んでいる。各三軸コネクタは、内側のコネクタ構成要素128a、130aと、中間のコネクタ構成要素128b、130bと、外側のコネクタ構成要素128c、130cとを同心配置で有している。各外側のコネクタ構成要素128c、130cは、遮蔽ボックス126との連結により、終端している。これとは相違し、内側のコネクタ構成要素128a、130a及び中間のコネクタ構成要素128b、130bは、保護されたケーブルである一対の同軸ケーブル134、136の内側及び外側の導体にそれぞれ接続されている。各ケーブル134、136は、同軸コネクタ138、140を介して、保護部材144により囲まれている中央導体142を有するプローブ構成要素30aで終端している。同軸ケーブル134、136を、特に八角形のボックス48の外側の領域において十分に遮蔽するために、導電性遮蔽チューブ146がケーブル134、136の周りに設けられ、遮蔽ボックス126を介して、三軸コネクタ128、130の外側のコネクタ構成要素128c、130cに電気的に接続されている。遮蔽チューブ146は、プローブポジショナ24の延長部材26を通した発泡体50のスリットと同じ発泡体50のスリットを通過している。従って、それぞれ個別に動くプローブ30は、それぞれ個別に動く自身のプローブホルダ28だけではなく、保護された同軸ケーブルに対してそれぞれ個別に動く自身の遮蔽チューブ146も有している。各遮蔽チューブは、自身のプローブホルダと一体となって動き、他の位置調整機構24による他のプローブホルダの動きからは独立している。このようにそれぞれ個別に動くプローブは、通常、遮蔽接続及び保護接続されるようにもうけられておらず、この欠点は上述した構造により解決される為、上述した特徴は、特に有利なものである。従って、各プローブ30の個々の位置調整能力に係らない完全な遮蔽と矛盾せずに、チャックアセンブリ20の場合と同じ即座に使用できる保護及びケルビン接続技術に対してプローブ30を用いることができる。
【0026】
フリッカ雑音は、デバイスを流れるDC電流に比例し、フリッカ雑音の測定値は、デバイスのDCバイアスに密接に関連している。フリッカ雑音の測定に先行して、一般的に、被試験デバイス(DUT)のDC特性解析が行われる。DC測定値は、相互コンダクタンス(Gm)及びチャネルコンダクタンス(Rm)を計算するために用いられ、これらのコンダクタンスは、フリッカ雑音データを表わすのに用いられる。DC特性解析では、デバイスがバイアスされ、その性能が測定される。DC特性解析中、デバイスとテストセットアップの種々の機器との間の信号経路は、DC電流の正確な測定が小型のデバイス特有のフェムトアンペアの範囲で行えるように、保護する必要がある。
【0027】
図13を参照するに、この図13には一般的なFETのI‐V特性が示されている。図14を参照するに、この図14には一般的なバイポーラトランジスタのI‐Vce特性が示されている。試験状態にあるトランジスタ又は他の被試験デバイスの動作点を正確に設定するために、そのDC特性を正確に測定する必要がある。一般的には、被試験デバイスのバイアス点特性が決定されるように、電圧レベル及び電流レベルの双方、又はいずれか一方を比較的正確に決定することが要求される。この決定は、一般的に、被試験デバイスに与えられる電圧及び電流の双方、又はいずれか一方を連続的に又は離散的に測定することにより行われる。従って、フリッカ雑音測定では、その後の試験を被試験デバイスの線形領域特性で行なうのが通常望ましい。この特性は、特性曲線の左側では一般的に急勾配になっている。特にフェムトアンペアの範囲での測定が必要となる状況で動作する非常に小型のデバイスにおいて、十分正確な測定を行うためには、電源、負荷及び基板信号のそれぞれの信号経路の1つ以上を、保護された経路とするのが好ましい。従って、被試験デバイスの十分正確なバイアス点を、後のフリッカ雑音測定のために、被試験デバイスの特性曲線を測定することにより決定しうる。更に、信号及びプローブ検査の完全性を維持し、且つ雑音の混入を最少にするためには、DC特性解析とフリッカ雑音測定との間で配線に変化がないようにするのが極めて望ましいことである。
【0028】
図15を参照するに、カーボン抵抗190の場合、抵抗性材料は、分子レベルで不連続性を有し、抵抗内の電流経路は、時間とともに変化する傾向にある。わずかな経路変化は、これに対応して時間とともに抵抗値を変化させ、雑音を発生させる傾向にある。
【0029】
図16を参照するに、Nチャネルの電界効果トランジスタ(FET)200が、ゲート202、ドレイン204、ソース206及び基板208の端子を具えるように図示されている。あらゆるFETは、図23に示すようなバイポーラ接合トランジスタ(BJT)のベース802、コレクタ804及びエミッタ806にほぼ類似するゲート、ドレイン及びソース端子を有する。このようなバイポーラトランジスタは3端子デバイスとして知られている。JFETと相違し、あらゆるFETは、本体とか、ベースとか、バルクとか、基板と称される第4の端子208も有している。この第4の端子は、トランジスタを動作状態のバイアスする技術的な目的に用いられる。回路設計において、基板端子を重要なことで使用することは珍しいが、基板端子を存在させることは、集積回路の物理的な配置を設定する際に重要なこととなりうる。
【0030】
端子の名称は、これら端子の機能に関連するものである。ゲート端子202は、物理ゲートの開閉を制御するものとして考えうる。このゲートは、ソース206とドレイン204との間のチャネルを作り上げたり取り除いたりすることにより、それぞれ電子を流したり、電子をせき止めたりする。印加電圧が作用すると、電子は、ソース端子からドレイン端子へ流れる。本体又は基板は、ゲート、ソース及びドレインが位置する半導体のバルクを意味するものである。通常本体の端子は、トランジスタの種類に応じて、回路内で最も高い又は最も低い電圧の点に接続される。本体の端子及びソース端子は、しばしば互いに接続される。その理由は、ソースもしばしば、回路内の最も高い又は最も低い電圧の点に接続されるためである。しかし、トランスミッションゲート及びカスケード回路のように、かかる構成を有さないFETを使用する場合がしばしばある。
【0031】
図17及び18を参照するに、フリッカ雑音試験システム300は、適切なプローブポジショナ24に隣接した載置台12の上に装着するのが好ましい信号捕捉モジュール180を有しうる。この信号捕捉モジュールには、電源ユニット302、負荷ユニット304及び基板バイアスユニット306のスイッチ、抵抗、フィルタ及び増幅器を設けるのが好ましい。フリッカ雑音試験システムは、複数のプローブチップと、被試験デバイス(DUT)350と、他の関連する構成要素とを有するプローブ310をも具えている。3端子DUTは、通常ソース206、ドレイン204、ゲート202又は同様の端子を有し、FETの場合には第4の端子、すなわち、基板208の端子をも有している。ソース206、ドレイン204、ゲート202及び基板208には、1つ以上のプローブを接続しうる。プローブチップ210は、ソース206と電気的に相互接続しうる。あるいは、ソースは、一般的にアース電位の点に接続される。プローブチップ212は、ドレイン204に電気的に相互接続しうる。プローブチップ214は、ゲート202に電気的に相互接続しうる。プローブチップ216は、基板208に電気的に相互接続しうる。場合によっては、基板208は、ソース206に電気的に相互接続されている。このように、被試験デバイスとの各相互接続ラインが、プローブ又は接触用の構成要素に電気的に相互接続される。
【0032】
図18を参照するに、被試験デバイス350のゲート(又は他の構成要素)には、電源312から直流バイアス電圧が与えられる。被試験デバイスがFETの場合、ベース電流はほぼゼロである。被試験デバイスがバイポーラ接合トランジスタの場合、ベース電流はより大きくなる。フリッカ雑音を、特に小型のデバイスの場合にフェムトアンペアの領域に至るまで、正確に求めるためには、被試験デバイス350のゲート202に供給された信号を正確に決定することが重要となる。
【0033】
多くのプローブ検査状況では、(著しく変化することはない)直流信号に関連する漏洩電流は、無視しうるものと考えられる。しかし、フリッカ雑音は、極めて低い信号レベルで発生し、非常に小型のデバイスのフリッカ雑音を測定しようとする場合、信号経路内の極めて小さいレベルの雑音は、測定を不可能とはしないまでも困難とするおそれがある。例えばDUTのDC特性解析のような測定では、信号経路は、関連する保護信号経路で構成しうる。保護信号経路は、円筒状の「保護」導体で同軸引込線のそれぞれの内部コアを囲むことにより、チャネル間の漏洩電流を抑圧するのに用いられる。保護導体は、電源の出力チャネル内の帰還回路により内部コアと等しい電位に維持されている。出力保護導体及び内部導電性コア、つまり信号経路の電位は、互いに実質的に追従するので、これらの導体を分離する内部の誘電体が低い抵抗率を有する材料で形成されているか又は高い抵抗率を有する材料で形成されているかに関係なく、この誘電体を横切って流れる漏洩電流は無視しうる。漏洩電流は依然として各ケーブルの保護導体間を流れるが、このことは、これらの保護導体は内部の導電性コアと違って低いインピーダンスを有するため、一般的に問題とはならない。
【0034】
他の構造も同様に、関連する信号電流に対する保護信号を供給するために用いられうる。図21を参照するに、ストリップ線路構造700の場合、信号経路は、中心導体702(例えばフォース信号)とすることができ、保護経路704は、信号経路の両側に配置して、通路706により、信号経路下の平面内にある保護経路708に接続し、保護経路が部分的に信号経路を囲むようにしうる。
【0035】
図18を参照するに、フリッカ雑音測定システムの電源ユニット302により、直流電源312と被試験デバイスのゲート202との間を導電接続している。直流電源312は、直流電圧源及び直流電流源を具え、測定能力のある電源モニタユニット(SMU)とするのが好ましい。一般的に、三軸ケーブル402、404によって、電源ユニットに接続されているSMUは、保護信号を同軸導体406、すなわち保護経路に供給することができ、この保護経路は、信号経路、すなわち直流電圧信号や直流電流信号を供給する三軸ケーブルの中心導体408を囲んでいる。直流信号を保護する技術を用いることにより、低いレベルの電流測定能力が、特に多くのデバイスにとって適切であるフェムトアンペア範囲での電流測定能力が著しく改善される。DC特性解析の測定では、電源ユニットのリレー410及び412は、DC位置414において動作して、SMUと電源ユニットとを接続している三軸ケーブル402の中心導体408と、2つのリレーを接続する導体416と、電源ユニットをプローブチップ214に導電的に接続している三軸ケーブル422の中心導体420とを有するゲート信号経路が、電源、すなわちSMU312をDUTのゲート202端子に導電的に接続するようにする。電源ユニットの第3のリレー424も、DC位置414で導電するように動作し、SMUから電源ユニットへのケーブル402の同軸導体406を、電源ユニットをプローブに接続しているケーブル422の同軸導体426に導電的に接続している。保護信号経路は、リレー410とリレー412とを接続しているストリップ線路418の一部になりうる信号経路416を少なくとも部分的に囲んでいる部分428をも有している。保護信号経路のこの部分は、ストリップ線路の一部にもすることができ、リレー410、412の端子での保護機能を提供する部分430、432まで延在させるのが好ましい。プローブチップ214の信号経路は、三軸ケーブル422の中心導体420によって、ソースユニット302の信号経路416に接続するのが好ましい。また、プローブチップ214からの保護経路は、SMUを電源ユニットに接続しているケーブルの保護経路406に接続されている。このように、電源ユニットに供給される保護信号は、この電源ユニット302を介してプローブにおける保護経路へ、そして被試験デバイス350に隣接した領域へと、供給される。いずれにしても、直流ゲート信号用の信号経路は、電源ユニットの入力端から出力端への関連する保護信号経路を有し、信号漏洩経路を減少させるようにする必要がある。
【0036】
図19を参照するに、DC測定では、保護信号経路が負荷ユニット304にも設けられているのが好ましい。DC測定では、負荷ユニットのリレー510及び512は、DC位置514において導通するように動作し、第2のSMU314と負荷ユニットとを接続する三軸ケーブル502の中心導体508と、2つのリレー510及び512と負荷ユニットをプローブチップ212に導電的に接続している三軸ケーブル522の中心導体520とを接続している導体516とを有する負荷信号経路が、負荷電力となる電源、すなわち第2のSMU314をDUTのドレイン204の端子に導電的に接続する。負荷ユニットの第3のリレー524も、DC位置514で導通するように動作し、SMUから負荷ユニットへのケーブル502の同軸導体506を、負荷ユニットをプローブに接続するケーブル522の同軸導体526に導電的に接続する。ケーブル522の同軸導体526は、プローブチップ212から負荷ユニットの保護信号経路527への負荷保護経路を実現している。保護信号経路は、リレー510とリレー512とを接続している負荷信号経路516を少なくとも部分的に囲んでいる部分528を有している。負荷保護信号経路のこの部分は、ストリップ線路の一部とすることができ、リレー510、512の端子を保護する部分532、534まで延在させるのが好ましい。このように、負荷ユニットに供給される保護信号は、プローブに対するこの負荷ユニットを介してプローブにおける負荷保護経路へ、及びDUT350のドレインに隣接した領域へ供給される。いずれにしても、直流ドレイン信号用の信号経路は、負荷ユニットの入力端から出力端への関連する保護信号経路を有し、信号漏洩経路を減少させる必要がある。直流信号を保護する技術を用いることにより、低いレベルの電流測定能力、特にフェムトアンペア範囲での電流測定能力を著しく改善させることができる。
【0037】
図20を参照するに、基板バイアスユニット306も、3つのリレー610、612及び624を有している。これらのリレーは、直流測定動作用の基板バイアス信号経路616を構成するように動作させることができる。リレーがDC位置614にシフトされると、基板バイアス信号経路616は、基板208及びDUTのソース端子に接触しているプローブチップ210及び216に接続されている三軸ケーブル626の中心導体620から、基板バイアスユニットを第3のSMU316に接続している三軸ケーブル602の中心導体608に導電的に接続され、この第3のSMU316は、図17に図示されている場合は、DUTのソース及び基板に対しアース電位を生じている。基板バイアスユニットの第3のリレー624をDC位置614にシフトさせることにより、基板バイアスユニットの基板バイアス保護経路627の部分を、プローブチップ210、216に接続されているケーブル622の同軸保護導体626と、基板バイアスユニットを第3のSMU316に接続している三軸ケーブル602の同軸保護導体606との間に導電的に接続させる。基板バイアス信号経路の電圧と実質的に等しい電圧を基板バイアス保護経路に加えることにより、信号漏洩が減少する。電源ユニットに供給する保護信号は、プローブに対するこの電源ユニットを介して、プローブにおける保護経路へ、及びDUTに隣接した領域へ供給される。DUTの基板端子は、多くの場合、アース電位に設定されているが、DUTの基板端子は、異なる電位に設定しうる。図17に図示されているように、ソースは、基板と同じ電位の点に接続されている。しかし、図24を参照するに、ソースは、基板とは異なる電位の点に接続しうる。そして、ソースバイアスユニット320により、DUTのソース端子206に対する個別の信号経路と、DC特性解析のための個別の信号経路用の保護経路324とを提供するようにしうる。
【0038】
電源ユニット、負荷ユニット及び基板バイアスユニットのリレーは、好ましくは1テラオームより大きいオフ抵抗値を有するリードリレーとするのが好ましい。
【0039】
DUTのDC特性が定まると、フリッカ雑音を決定するために、一組の測定値を取得しうるようにする。特定の被試験デバイスに応じて、測定経路を、電源ユニット、負荷ユニット及び基板バイアスユニットのいずれか又はこれらの任意の組み合わせに設けることができる。ある場合には、必要に応じて、測定経路を、電源ユニット、負荷ユニット及び基板バイアスユニットと分離させることができる。信号及びプローブ検査の完全性を維持するため及び外部雑音の混入を最小にするためには、フリッカ雑音測定システムを、ケーブル又はプローブの何れも変更すること無しに、DC特性解析構成からフリッカ雑音測定構成に切り換えうるようにすることが極めて望ましいことである。フリッカ測定システム300は、電源ユニット、負荷ユニット及び基板バイアスユニットのそれぞれのリレーをNOISE(雑音)位置にシフトさせることにより、DC動作モードから雑音測定モードに切り換えうる。一般的には必要とされていないが、保護された信号経路を様々なユニットに設けることができれば、フリッカ雑音測定を行う場合、電源ユニット302のリレー410、412、424を雑音位置440にシフトさせることにより、電源信号経路と電源信号保護経路とを分断し、雑音信号経路442が、第1のSMU312から、DUTのゲート202と導電的に接触しているプローブチップ214に接続される。電源ユニットの雑音信号経路442は、SMU312から雑音を遮断するために、高周波信号を減衰させ、DCのみをDUTまで供給させる低域通過フィルタ444を有することができる。
【0040】
多くの場合、フリッカ雑音測定中にDUTのインピーダンスを設定するために、DUTの1つ以上の端子に抵抗を加えることが望ましい。電源ユニットの低域通過フィルタ444の出力端は、ソースインピーダンスが変化するDUT範囲の条件に対応するために、複数のレジスタ446A〜446Nを有するレジスタアレイ446に接続されている。DUTのゲートにとって望ましい負荷を得るために、アレイの適切な抵抗を、スイッチアレイ450の適切なスイッチを作動させることにより、選択しうる。
【0041】
同様に、負荷ユニット304では、雑音信号経路(雑音測定経路)542内に低域通過フィルタ544を設けることができる。リレー510、512、524を作動させることにより雑音信号経路を選択するとともに負荷信号保護経路を接地させる。フリッカ雑音の測定が求められているので、被試験デバイスに供給される全ての高周波信号を著しく減衰させるために低域通過フィルタ544を設けるのが望ましい。低域通過フィルタ544の出力端は、DUTのドレイン204に加えられる望ましいインピーダンスを選択できるレジスタアレイ546に接続されている。DUTのドレインに望ましい負荷を与えるために、スイッチアレイ550の適切なスイッチを作動させることにより抵抗を選択し、適切な抵抗と信号経路とが相互接続されるようにする。一般的には必要とされていないが、負荷ユニット内で「雑音」信号経路に沿って保護経路を設けることができれば、保護信号経路を、リレー524によりアースに切り換えうる。
【0042】
多くの場合、ドレイン又はコレクタは、フリッカ雑音を測定するための望ましい個所である。従って、負荷ユニット304には、被試験デバイスから信号出力を得るための低雑音増幅器(LNA)552を設けることができる。この増幅器552は、抵抗とDUTとの間の雑音測定信号経路と電気的に相互接続し、その結果、DUTと増幅器との間に大きな抵抗値が存在しなくなるようにするのが好ましい。図示されているように、負荷抵抗は、分圧器が、ドレイン(FET)又はコレクタ(BJT)と、バイアス電圧源316とから構成されるように、DUTに対する負荷を提供する。フリッカ雑音の測定は、この分圧器のセンターで行うのが好ましい。比較的高い静電容量を有するブロッキングキャパシタ560は、好ましくは30MHzまでの周波数を有するフリッカ雑音の測定を可能にする。DUTにより発生されたフリッカ雑音は、ブロッキングキャパシタを通過し、低雑音増幅器(LNA)552により増幅される。LNAは、DUTからの雑音信号を増幅するが、LNA自体の雑音が信号に加わることは、ほとんど又は全くない。
【0043】
フリッカ雑音は、通常は、デバイスのバイアスにより雑音が自然発生する結果、ある時間間隔に亘って測定される。測定デバイスは、デジタルシグナルアナライザ(DSA)554又はスペクトラムアナライザのような適切ないかなるデバイスとすることができる。DSAは、LNAからの信号を集め、この信号をデジタル形式に変換する。必要であれば、フリッカ雑音を分離し、このフリッカ雑音をディスプレイに表示するために、デジタルデータを後処理しうる。
【0044】
基板バイアスユニット306は、低域通過フィルタ644を有するようにすることもできる。フリッカ雑音の測定が求められているので、低域通過フィルタを雑音信号経路(雑音測定経路)642内に設け、被試験デバイスに供給される全ての高周波信号を著しく減衰させるようにするのが望ましい。通常、基板に対しては抵抗を設ける必要がないので、所望に応じレジスタアレイを省略することができる。レジスタアレイが存在する場合には、スイッチアレイを用いて抵抗アレイから抵抗を取り出し、所望の負荷をDUTに与えることができる。「雑音」信号経路642は、リレー610、612、624を、雑音位置640に切り換え、この雑音信号経路を、プローブ及びSMUにそれぞれ接続されている同軸ケーブルの中心導体620及び608に接続することにより選択される。一般的には必要とされていないが、保護経路が基板ユニット内で「雑音」信号経路に沿って設けることができれば、代表的な基板ユニットにおいて、保護信号経路は、リレー624を雑音位置640にシフトさせることによりアースに接続させる。
【0045】
フリッカ雑音試験システムの一構成例を図22に示す。
【0046】
このフリッカ雑音測定システムでは、小型のDUTを表わす30MHzまでの周波数でのフリッカ雑音を正確に測定することが可能となる。
【0047】
上記の詳細な説明では、本発明を完全に理解するための多数の具体的説明が記載した。しかしながら、当業者は、これらの具体的説明なしに本発明を実施しうるものである。周知の方法、周知の手段、周知の構成要素及び周知の回路については、本発明を複雑で不明瞭とするのを回避するために、詳細に説明しなかった。
【0048】
本明細書において使用した用語及び表現は、説明の都合上用いたものであり、これらは本発明を限定するためのものではない。かかる用語及び表現の使用に発明があるものではなく、図面とともに記載されている本発明の特徴の均等物の排除を意図するものではなく、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイスの特性を評価する試験装置において、この試験装置は、
(a)信号源と前記被試験デバイスの端子とに導電的に接続される保護された第1の信号経路と、
(b)前記信号源と前記被試験デバイスの前記端子とに導電的に接続される保護されていない第2の信号経路とを有し、
前記第1の信号経路は、前記第2の信号経路の一部分を前記信号源及び前記端子から切断することなく、前記信号源を前記端子に導電的に接続するように操作しうるようになっており、前記第2の信号経路は、前記第1の信号経路の一部分を前記信号源及び前記端子から切断することなく、前記信号源を前記端子に導電的に接続するように操作しうるようになっている
試験装置。
【請求項2】
請求項1に記載の試験装置において、前記第2の信号経路は、前記信号源からの信号の高周波成分を取り除くフィルタを有している試験装置。
【請求項3】
請求項2に記載の試験装置において、前記第2の信号経路は更に、前記フィルタと前記端子とを導電的に相互接続する抵抗を有している試験装置。
【請求項4】
請求項2に記載の試験装置において、前記第2の信号経路は、複数の抵抗を有し、個々の抵抗が、複数のスイッチのうちの1つのスイッチの動作によって前記フィルタと前記端子とを導電的に相互接続しうるようになっている試験装置。
【請求項5】
請求項1に記載の試験装置において、この試験装置は更に、
(a)第1のリレーと、
(b)この第1のリレーと共に動作し、前記信号源と前記端子とを前記第1の信号経路の一部分と前記第2の信号経路の一部分との一方と相互接続しうる第2のリレーであって、前記信号源と前記端子とを前記第1の信号経路の前記一部分と相互接続した場合に、前記第2の信号経路の前記一部分を前記信号源及び前記端子から分断し、前記信号源と前記端子とを前記第2の信号経路の前記一部分と相互接続した場合に、前記第1の信号経路の前記一部分を前記信号源及び前記端子から分断する当該第2のリレーと、
(c)前記第1の信号経路を前記信号源と前記端子とに相互接続する場合に、前記信号源と前記端子との間の前記第1の信号経路の長手方向の大部分に対しこの第1の信号経路を少なくとも部分的に囲んでいる保護信号経路を前記信号源に接続し、前記第2の信号経路を前記信号源と前記端子とに相互接続する場合に、前記保護信号経路を前記信号源から分断するように動作しうる第3のリレーと
を有している試験装置。
【請求項6】
請求項5に記載の試験装置において、前記第1のリレーと、前記第2のリレーと、前記第3のリレーとのうち少なくとも1つのリレーは、リードリレーを有している試験装置。
【請求項7】
請求項1に記載の試験装置において、前記信号源は、電源モニタユニットを具えている試験装置。
【請求項8】
請求項1に記載の試験装置において、この試験装置は更に、
(a)第2の信号源と前記被試験デバイスの第2の端子とに導電的に接続される保護された第3の信号経路と、
(b)前記第2の信号源と前記被試験デバイスの前記第2の端子とに導電的に接続される保護されていない第4の信号経路と
を有し、
前記第3の信号経路は、前記第4の信号経路の一部分を前記第2の信号源及び前記第2の端子から分断することなく、前記第2の信号源を前記第2の端子に導電的に接続するように動作しうるようになっており、前記第4の信号経路は、前記第3の信号経路の一部分を前記第2の信号源及び前記第2の端子から分断することなく、前記第2の信号源を前記第2の端子に導電的に接続するように動作しうるようになっている
試験装置。
【請求項9】
請求項8に記載の試験装置において、この試験装置が更に、
(a)第4のリレーと、
(b)この第4のリレーと共に動作し、前記第2の信号源と前記第2の端子とを前記第3の信号経路の一部分と前記第4の信号経路の一部分との一方と相互接続しうる第5のリレーであって、前記第2の信号源と前記第2の端子とを前記第3の信号経路の前記一部分と相互接続した場合に、前記第4の信号経路の前記一部分を前記第2の信号源及び前記第2の端子から分断し、前記第2の信号源と前記第2の端子とを前記第4の信号経路の前記一部分と相互接続した場合に、前記第3の信号経路の前記一部分を前記第2の信号源及び前記第2の端子から分断する当該第5のリレーと、
(c)前記第3の信号経路を前記第2の信号源と前記第2の端子とに相互接続する場合に、前記第2の信号源と前記第2の端子との間の前記第3の信号経路の長手方向の大部分に対しこの第3の信号経路を少なくとも部分的に囲んでいる第2の保護信号経路を前記第2の信号源に接続し、前記第4の信号経路を前記第2の信号源と前記第2の端子とに相互接続する場合に、前記第2の保護信号経路を前記第2の信号源から分断するように動作しうる第6のリレーと
を有している試験装置。
【請求項10】
請求項8に記載の試験装置において、前記第4の信号経路は、前記第2の端子と前記第2の信号源との間で流れる信号の高周波成分を取り除くフィルタを有している試験装置。
【請求項11】
請求項8に記載の試験装置において、前記第2の信号源は、第2の電源モニタユニットを具えている試験装置。
【請求項12】
請求項8に記載の試験装置において、この試験装置は更に、
(a)第3の信号源と前記被試験デバイスの第3の端子とに導電的に接続される保護された第5の信号経路と、
(b)前記第3の信号源と前記被試験デバイスの前記第3の端子とに導電的に接続される保護されていない第6の信号経路と
を有し、
前記第5の信号経路は、前記第6の信号経路の一部分を前記第3の信号源及び前記第3の端子から分断することなく、前記第3の信号源を前記第3の端子に導電的に接続するように動作しうるようになっており、前記第6の信号経路は、前記第5の信号経路の一部分を前記第3の信号源及び前記第3の端子から分断することなく、前記第3の信号源を前記第3の端子に導電的に接続するように動作しうるようになっている
試験装置。
【請求項13】
請求項12に記載の試験装置において、前記第6の信号経路は、前記第3の信号源からの高周波成分を取り除くフィルタを有している試験装置。
【請求項14】
請求項13に記載の試験装置において、前記第6の信号経路は更に、前記フィルタと前記第3の端子とを導電的に接続する抵抗を有している試験装置。
【請求項15】
請求項13に記載の試験装置において、前記第6の信号経路は、複数の抵抗を有し、個々の抵抗が、複数のスイッチのうちの1つのスイッチの動作によって前記フィルタと前記第3の端子とに導電的に相互接続しうるようになっている試験装置。
【請求項16】
請求項15に記載の試験装置において、この試験装置は更に、
(a)前記個々の抵抗と前記第3の端子への接続部との間で前記第6の信号経路へ接続されている入力端と、出力端とを有する低雑音増幅器と、
(b)この低雑音増幅器の前記出力端に接続されている試験機器と
を具えている試験装置。
【請求項17】
請求項12に記載の試験装置において、この試験装置が更に、
(a)第7のリレーと、
(b)前記第7のリレーと共に動作し、前記第3の信号源と前記第3の端子とを前記第5の信号経路の一部分と前記第6の信号経路の一部分との一方と相互接続しうる第8のリレーであって、前記第3の信号源と前記第3の端子とを前記第5の信号経路の前記一部分と相互接続した場合に、前記第6の信号経路の前記一部分を前記第3の信号源及び前記第3の端子から分断し、前記第3の信号源と前記第3の端子とを、前記第5の信号経路の前記一部分と相互接続した場合に、前記第5の信号経路の前記一部分を前記第3の信号源及び前記第3の端子から分断する当該第8のリレーと、
(c)前記第5の信号経路が前記第3の信号源と前記第3の端子とを相互接続する場合に、前記第3の信号源と前記第3の端子との間の前記第5の信号経路の長手方向の大部分に対しこの第5の信号経路を少なくとも部分的に囲んでいる第3の保護信号経路を前記第3の信号源に接続し、前記第6の信号経路が前記第3の信号源と前記第3の端子とを相互接続する場合に、前記第3の保護信号経路を前記第3の信号源から分断する第9のリレーと
を有している試験装置。
【請求項18】
請求項12に記載の試験装置において、前記第3の信号源は第3の電源モニタユニットを具えている試験装置。
【請求項19】
請求項17に記載の試験装置において、前記第1の信号経路、前記第2の信号経路、前記第3の信号経路、前記第4の信号経路、前記第5の信号経路及び前記第6の信号経路の一部分と、前記第1のリレー、前記第2のリレー、前記第3のリレー、前記第4のリレー、前記第5のリレー、前記第6のリレー、前記第7のリレー、前記第8のリレー及び前記第9のリレーと、少なくとも2つの抵抗とが、これらの信号経路を前記被試験デバイスの前記第1の端子、第2の端子及び第3の端子に接続するように動作するプローブチップを有するプローブのホルダに固定されている試験装置。
【請求項20】
請求項12に記載の試験装置において、この試験装置が更に、
(a)第4の信号源と前記被試験デバイスの第4の端子とに導電的に接続される保護された第7の信号経路と、
(b)前記第4の信号源と前記被試験デバイスの前記第4の端子とに導電的に接続される保護されていない第8の信号経路と
を有し、
前記第7の信号経路は、前記第8の信号経路の一部分を前記第4の信号源及び前記第4の端子から分断することなく、前記第4の信号源を前記第4の端子に導電的に接続するように動作しうるようになっており、前記第4の信号経路は、前記第7の信号経路の一部分を前記第4の信号源及び前記第4の端子から分断することなく、前記第4の信号源を前記第4の端子に導電的に接続するように動作しうるようになっている
試験装置。
【請求項21】
請求項20に記載の試験装置において、この試験装置が更に、
(a)第10のリレーと、
(b)この第10のリレーと共に動作し、前記第4の信号源と前記第4の端子とを前記第7の信号経路の一部分と前記第8の信号経路の一部分との一方と相互接続しうる第11のリレーであって、前記第4の信号源と前記第4の端子とを前記第7の信号経路の前記一部分と相互接続した場合に、前記第8の信号経路の前記一部分を前記第4の信号源及び前記第4の端子から分断し、前記第4の信号源と前記第4の端子とを前記第8の信号経路と相互接続した場合に、前記第7の信号経路の前記一部分を前記第4の信号源及び前記第4の端子から分断する当該第11のリレーと、
(c)前記第7の信号経路が前記第4の信号源と前記第4の端子とを相互接続する場合に、前記第4の信号源と前記第4の端子との間の前記第7の信号経路の長手方向の大部分に対しこの第7の信号経路を少なくとも部分的に囲んでいる第4の保護信号経路を前記第4の信号源に接続し、前記第8の信号経路が前記第4の信号源と前記第4の端子とを相互接続する場合に、前記第4の保護信号経路を前記第4の信号源から分断する第12のリレーと
を有している試験装置。
【請求項22】
請求項21に記載の試験装置において、前記第8の信号経路は、記前記第4の端子と前記第4の信号源との間で流れる信号の高周波成分を取り除くフィルタを有している試験装置。
【請求項23】
請求項21に記載の試験装置において、前記第4の信号源は、第4の電源モニタユニットを具えている試験装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図6】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2010−133954(P2010−133954A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−266779(P2009−266779)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(591065273)カスケード マイクロテック インコーポレイテッド (22)
【氏名又は名称原語表記】CASCADE MICROTECH,INCORPORATED
【Fターム(参考)】